(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】円筒形電池及び車両
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240711BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240711BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240711BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240711BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240711BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/249
H01M50/284
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580345
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 CN2022105350
(87)【国際公開番号】W WO2023001030
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110837679.X
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】容亮斌
(72)【発明者】
【氏名】潘秋
(72)【発明者】
【氏名】王信月
(72)【発明者】
【氏名】程▲はん▼
(72)【発明者】
【氏名】袁万▲頌▼
【テーマコード(参考)】
5H028
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA07
5H028BB01
5H028BB04
5H028CC08
5H028CC12
5H040AA03
5H040AA22
5H040AS07
5H040AT01
5H040DD08
5H043AA17
5H043AA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA36
5H043EA38
5H043HA06E
5H043JA01E
5H043JA12E
(57)【要約】
本開示は、収容空間を有するハウジングを含む円筒形電池を開示する。順に積層された負極板層、第1セパレータ層、正極板層及び第2セパレータ層は、複数層巻回されて、電極体を画定する。ハウジングの軸線は、電極体の軸線と一致する。電極体は、少なくとも一部が空間内に収容されるように構成される。正極板層は、正極材料層と正極箔材層とを含む。負極板層は、負極材料層と負極箔材層とを含む。巻回された複数層の正極箔材層の少なくとも一部は、ハウジングの一端に向かって延在して正極タブとなる。巻回された複数層の負極箔材層の少なくとも一部は、ハウジングの他端に向かって延在して負極タブとなり、それにより、電極体の正極端面における正極タブによって覆われていない部分が正極タブの少なくとも一方側に位置し、かつ電極体の負極端面における負極タブによって覆われていない部分が負極タブの少なくとも一方側に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(102)と、負極板層(206)と、第1セパレータ層(208)と、正極板層(210)と、第2セパレータ層(212)とを含む円筒形電池(100)であって、
前記ハウジング(102)は、収容空間を有し、
前記負極板層(206)、前記第1セパレータ層(208)、前記正極板層(210)及び前記第2セパレータ層(212)は、順に積層され、複数層巻回されて電極体(10)となり、前記ハウジング(102)の軸線は、前記電極体(10)の軸線と一致し、前記電極体(10)の少なくとも一部は、前記収容空間内に収容され、前記電極体(10)は、正極端面(104)及び負極端面(106)を有し、
前記正極板層(210)は、正極材料層(2102)と正極箔材層(2104)とを含み、前記負極板層(206)は、負極材料層(2062)と負極箔材層(2064)とを含み、巻回された複数層の前記正極箔材層(2104)の少なくとも一部が前記ハウジング(102)の一端に向かって延在して正極タブ(202)となり、巻回された複数層の前記負極箔材層(2064)の少なくとも一部が前記ハウジング(102)の他端に向かって延在して負極タブ(204)となり、それにより、前記電極体(10)の前記正極端面(104)における前記正極タブ(202)によって覆われていない部分が前記正極タブ(202)の少なくとも一方側に位置し、かつ、前記電極体(10)の前記負極端面(106)における前記負極タブ(204)によって覆われていない部分が前記負極タブ(204)の少なくとも一方側に位置する、ことを特徴とする円筒形電池(100)。
【請求項2】
前記正極タブ(202)は、前記電極体の前記軸線と、前記正極端面(104)の外縁との間に位置し、前記負極タブ(204)は、前記電極体の前記軸線と、前記負極端面(106)の外縁との間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池(100)。
【請求項3】
前記電極体(10)の両端は、それぞれ正極端(101)と負極端(103)とを含み、前記正極端(101)は、前記正極端面(104)を有し、前記負極端(103)は、前記負極端面(106)を有し、
前記正極タブ(202)は、前記正極端(101)に形成され、前記負極タブ(204)は、前記負極端(103)に形成され、前記正極タブ(202)は、前記正極端面(104)から延出し、前記負極タブ(204)は、前記負極端面(106)から延出し、
前記正極タブ(202)と前記負極タブ(204)は、いずれも環状として構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池(100)。
【請求項4】
集電円盤(30)と、キャップ(40)とをさらに含み、前記集電円盤(30)は、前記正極タブ(202)に接続された正極集電円盤(302)と、前記負極タブ(204)に接続された負極集電円盤(304)とを含み、前記キャップ(40)は、前記正極集電円盤(302)に接続された正極キャップ(402)と、前記負極集電円盤(304)に接続された負極キャップ(404)とを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の円筒形電池(100)。
【請求項5】
前記正極集電円盤(302)は、前記正極タブ(202)の内側に設けられ、前記正極タブ(202)に電気的に接続され、前記負極集電円盤(304)は、前記負極タブ(204)の内側に設けられ、前記負極タブ(204)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項6】
前記正極集電円盤(302)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状の前記正極タブ(202)の内側に位置し、前記接続部(32)は、前記正極タブ(202)の内壁面に密着して接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続され、
前記負極集電円盤(304)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状の前記負極タブ(204)の内側に位置し、前記接続部(32)は、前記負極タブ(204)の内壁面に密着して溶接接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の円筒形電池(100)。
【請求項7】
前記正極集電円盤(302)及び前記負極集電円盤(304)は、いずれも環状円盤として構成され、前記正極集電円盤(302)は、前記正極タブ(202)の外側に設けられ、前記正極タブ(202)に電気的に接続され、前記負極集電円盤(304)は、前記負極タブ(204)の外側に設けられ、前記負極タブ(204)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項8】
前記正極集電円盤(302)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状円盤として構成され、環状の前記正極タブ(202)に外嵌され、前記接続部(32)は、前記正極タブ(202)の外壁面に密着して接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続され、
前記負極集電円盤(304)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状円盤として構成され、環状の前記負極タブ(204)に外嵌され、前記接続部(32)は、前記負極タブ(204)の外壁面に密着して接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載の円筒形電池(100)。
【請求項9】
前記接続片(33)の一端は、前記集電円盤本体(31)又は前記接続部(32)に接続され、前記接続片(33)の他端は、前記ハウジング(102)の径方向に沿って前記軸線に向かって延在する、ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項10】
前記集電円盤(30)と前記電極体(10)の端面との間にスペーサ(50)が設けられ、前記集電円盤(30)と前記キャップ(40)との間に絶縁パッキン(60)が設けられる、請求項4~9のいずれか一項に記載の円筒形電池(100)。
【請求項11】
車両(1000)であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の円筒形電池(100)と、プロセッサ(110)と、を含み、前記円筒形電池(100)は、前記車両(1000)の内部に設けられ、前記プロセッサ(110)に電気的に接続され、前記プロセッサ(110)は、前記円筒形電池(100)の充放電を制御する、ことを特徴とする車両(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年7月23日に中国国家知識産権局に提出された、名称が「円筒形電池」である中国特許出願第202110837679.X号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に円筒形電池及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、円筒形電池の電極体は、リード板により引き出されて接続片に接続され、或いは、電極体から露出したタブが平坦化された後に電極体の端面を覆い、集電円盤がタブの上方に設けられ、タブに溶接固定される。
【0004】
しかしながら、リード板により引き出して接続片に接続する技術手段において、電極板を突き破って電池が故障することを回避するためにリード板を薄く設ける必要があり、過電流エネルギーが制限され、かつリード板の発熱が大きく、電流が大きすぎると、熱暴走のリスクがあり、タブ平坦化の手段は、溶接プロセスに対する要求が高く、溶接難度が高く、生産効率が低く、歩留まりが安定せず、タブ内部の空隙が小さく、捨て穴以外に、電解液の浸透に用いられる他の空隙がなく、電解液の注入、浸透、浸潤に不利であり、注入効率が低い。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施例に係る円筒形電池は、ハウジングと、負極板層と、第1セパレータ層と、正極板層と、第2セパレータ層とを含み、負極板層、第1セパレータ層、正極板層及び第2セパレータ層は、順に積層される。前記ハウジングは、収容空間を有する。前記負極板層、前記第1セパレータ層、前記正極板層及び前記第2セパレータ層は、複数層巻回されて、電極体を画定する。前記ハウジングの軸線は、前記電極体の軸線と一致する。前記電極体は、少なくとも一部が前記収容空間内に収容される。前記電極体は、正極端面と負極端面とを有する。前記正極板層は、正極材料層と正極箔材層とを含む。前記負極板層は、負極材料層と負極箔材層とを含む。巻回された複数層の前記正極箔材層の少なくとも一部は、前記ハウジングの一端に向かって延在して正極タブとなる。それにより、前記電極体の前記正極端面における前記正極タブによって覆われていない部分が前記正極タブの少なくとも一方側に位置し、前記電極体の前記負極端面における前記負極タブによって覆われていない部分が前記負極タブの少なくとも一方側に位置する。
【0006】
本開示の実施例に係る円筒形電池によれば、正極タブ及び負極タブをいずれも半引き出し式タブとして構成することにより、正極タブ及び負極タブの厚さ、引き出し位置は、過電流の需要、電池容量に応じて選択することができ、熱暴走のリスクを低減し、異なる規格の円筒形電池の電池容量及び過電流の需要を満たすことができる一方で、電解液の注入効率を向上させ、電解液の溢れ現象を回避することができる。
【0007】
本開示のいくつかの実施例において、前記正極タブは、前記電極体の軸線と、前記正極端面の外縁との間に位置し、前記負極タブは、前記電極体の軸線と、前記負極端面の外縁との間に位置する。
【0008】
本開示のいくつかの実施例において、前記電極体の両端は、それぞれ正極端と負極端とを含み、前記正極端は、前記正極端面を有し、前記負極端は、前記負極端面を有する。前記正極タブは、前記正極端に形成され、前記負極タブは、前記負極端に形成される。前記正極タブは、前記正極端面から延出し、前記負極タブは、前記負極端面から延出する。前記正極タブ及び前記負極タブは、いずれも環状として構成される。
【0009】
いくつかの実施例において、円筒形電池は、集電円盤と、キャップとをさらに含む。前記集電円盤は、前記正極タブに接続された正極集電円盤と、前記負極タブに接続された負極集電円盤とを含む。前記キャップは、前記正極集電円盤に接続された正極キャップと、前記負極集電円盤に接続された負極キャップとを含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記正極集電円盤は、前記正極タブの内側に設けられ、前記正極タブに電気的に接続され、前記負極集電円盤は、前記負極タブの内側に設けられ、前記負極タブに電気的に接続される。
【0011】
いくつかの実施例において、前記正極集電円盤は、集電円盤本体と、集電円盤本体の周囲に位置する接続部と、前記集電円盤本体に正対する接続片と、を含む。前記集電円盤本体は、環状の前記正極タブの内側に位置する。前記接続部は、前記正極タブの内壁面に密着して接続される。前記接続片は、前記円筒形電池のキャップに電気的に接続される。前記負極集電円盤は、集電円盤本体と、集電円盤本体の周囲に位置する接続部と、前記集電円盤本体に正対する接続片と、を含み、前記集電円盤本体は、環状の前記負極タブの内側に位置する。前記接続部は、前記負極タブの内壁面に密着して溶接接続される。前記接続片は、前記円筒形電池のキャップに電気的に接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記正極集電円盤及び前記負極集電円盤は、いずれも環状円盤として構成され、前記正極集電円盤は、前記正極タブの外側に設けられ、前記正極タブに電気的に接続され、前記負極集電円盤は、前記負極タブの外側に設けられ、前記負極タブに電気的に接続される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記正極集電円盤は、集電円盤本体と、集電円盤本体の周囲に位置する接続部と、前記集電円盤本体に正対する接続片と、を含む。前記集電円盤本体は、環状円盤として構成され、環状の前記正極タブに外嵌される。前記接続部は、前記正極タブの外壁面に密着して接続される。前記接続片は、前記円筒形電池のキャップに電気的に接続される。前記負極集電円盤は、集電円盤本体と、集電円盤本体の周囲に位置する接続部と、前記集電円盤本体に正対する接続片と、を含む。前記集電円盤本体は、環状円盤として構成され、環状の前記負極タブに外嵌される。前記接続部は、前記負極タブの外壁面に密着して接続される。前記接続片は、前記円筒形電池のキャップに電気的に接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記接続片は、一端が前記集電円盤本体又は前記接続部に接続され、他端が前記ハウジングの径方向に沿って前記軸線に向かって延在する。
【0015】
いくつかの実施例において、前記集電円盤と前記電極体の端面との間にスペーサが設けられ、前記集電円盤と前記キャップとの間に絶縁パッキンが設けられる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記電極体の両端は、それぞれ正極端と負極端となり、前記タブは、前記正極端と前記負極端に設けられて、それぞれ正極タブと負極タブとなり、前記集電円盤は、前記正極タブに接続された正極集電円盤と、前記負極タブに接続された負極集電円盤とを含み、前記キャップは、前記正極集電円盤に接続された正極キャップと、前記負極集電円盤に接続された負極キャップとを含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記正極キャップ、前記負極キャップは、いずれも金属材料部材として構成される。
【0018】
第2態様において、本開示の実施例は、車両を提供する。当該車両は、上記いずれかの実施例における円筒形電池と、プロセッサとを含む。前記円筒形電池は、前記車両の内部に設けられ、前記プロセッサに電気的に接続される。前記プロセッサは、前記円筒形電池の充放電を制御する。
【0019】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施形態に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0021】
【
図1】本開示の一実施例に係る電極体とタブとの相対位置の概略図である。
【
図2】本開示の他の実施例に係る電極体とタブとの相対位置の概略図である。
【
図3】本開示の実施例に係る電極体、タブ及びスペーサの概略図である。
【
図4】本開示の実施例に係る円筒形電池の概略図である。
【
図5】本開示の実施例に係る円筒形電池の巻回時の概略図である。
【
図6】
図5に示す円筒形電池の巻回完了後の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、或いは、同一又は類似の機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものとして理解すべきではない。
【0023】
以下、
図1~
図4を参照しながら、本開示の実施例に係る円筒形電池100を説明する。
【0024】
図1、
図2、
図4、及び
図5に示すように、本開示の第1態様の実施例に係る円筒形電池100は、ハウジング102と、少なくとも一部がハウジング102内に収容された電極体10とを含む。タブ20は、電極体10の両端からそれぞれ引き出される。タブ20は、正極タブ202と負極タブ204とを含む。
【0025】
ハウジング102は、収容空間を有する。ハウジング102内には、負極板層206、第1セパレータ層208、正極板層210及び第2セパレータ層212が順に積層される。負極板層206、第1セパレータ層208、正極板層210及び第2セパレータ層212は、軸線Lの周りに複数層巻回されて電極体10となる。電極体10は、少なくとも一部が収容空間内に収容される。電極体10は、正極端面104と負極端面106とを有する。
【0026】
正極板層210は、正極材料層2102と正極箔材層2104とを含む。負極板層206は、負極材料層2062と、負極箔材層2064とを含む。巻回された複数層の正極箔材層2104の少なくとも一部は、ハウジング102の一端に向かって延在して正極タブ202となる。巻回された複数層の負極箔材層2064の少なくとも一部は、ハウジング102の他端に向かって延在して負極タブ204となり、それにより、電極体10の正極端面104における正極タブ202によって覆われていない部分が正極タブ202の少なくとも一方側に位置し、かつ電極体10の負極端面106における負極タブ204によって覆われていない部分が負極タブ204の少なくとも一方側に位置する。一実施例において、正極タブ202の内側及び/又は外側に電極体10の正極端面104が露出し、負極タブ204の内側及び/又は外側に電極体10の負極端面106が露出する。一実施例において、正極タブ202は、電極体10の正極端面104から延出し、負極タブ204は、電極体10の負極端面106から延出する。一実施例において、
図6に示すように、正極タブ202は、電極体10の正極端面104の外縁から延出し、負極タブ204は、電極体10の負極端面106の外縁から延出する。一実施例において、
図1及び
図2に示すように、正極タブ202は、電極体10の正極端面104の内部から延出し、負極タブ204は、電極体10の負極端面106の内部から延出する。
【0027】
換言すれば、ハウジング102は、円柱体である。順に積層された負極板層206、第1セパレータ層208、正極板層210及び第2セパレータ層212は、一体に形成されて、軸線Lの周りに複数層巻回されて電極体10となる。当該ハウジング102の軸線は、電極体10の軸線Lと一致する。複数層の正極板層における正極箔材層2104の少なくとも一部が引き出されて正極タブ202となり、複数層の負極板層における負極箔材層2064の少なくとも一部が引き出されて負極タブ204となり、それにより、電極体10の両端面の少なくとも一部は、それぞれ正極タブ202の内側及び/又は外側、負極タブ204の内側及び/又は外側に露出する。なお、正極タブ202の内側とは、正極タブ202の電極体10の軸線Lに近接する側を指し、正極タブ202の外側とは、正極タブ202の電極体10の軸線Lから離れる側を指す。負極タブ204の内側とは、負極タブ204の電極体10の軸線Lに近接する側を指し、負極タブ204の外側とは、負極タブ204の電極体10の軸線Lから離れる側を指す。
【0028】
正極箔材層2104と負極箔材層2064は、導電するものであるため、同じ材料を用いることができる。
【0029】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、正極タブ202は、電極体10の軸線Lと、正極端面104の外縁との間に位置し、負極タブ204は、電極体10の軸線Lと、負極端面106の外縁との間に位置する。
【0030】
一実施例において、電極体10は、軸線Lの周りに15回巻回された、正極板層210、第1セパレータ層208、負極板層206及び第2セパレータ層212から形成され、電極体10の最も外側から10回目の正極箔材層2104及び負極箔材層2064は、引き出されて、それぞれ正極引き出し部分及び負極引き出し部分となり、そして、正極引き出し部分及び負極引き出し部分は、それぞれ折り曲げ、プレスなどのプロセスによって円環状の正極タブ202及び負極タブ204となる。他の実施例において、電極体10の最も内側から10回目の正極箔材層2104及び負極箔材層2064は、引き出されて、それぞれ正極引き出し部分及び負極引き出し部分となり、そして、正極引き出し部分及び負極引き出し部分は、それぞれ折り曲げ、プレスなどのプロセスによって、円環状の正極タブ202及び負極タブ204となる。
【0031】
このように設けることにより、電極体10の正極端面104の一部が正極タブ202によって覆われ、その他の部分が露出し、電極体10の正極端面104の一部が負極タブ204によって覆われ、その他の部分が露出する。このように、本開示の正極タブ202及び負極タブ204をいずれも半引き出し式タブとして構成することができ、電解液の注入、浸透及び浸潤のためにより多くの隙間を確保することができ、注入効率を効果的に向上させ、電解液の溢れ確率を低下させることができる。同時に、円筒形電池100の容量及び過電流の需要に応じて、引き出し層数を合理的に選択することができ、それにより、円形のタブ20の厚さをより大きくし、より大きい電流の需要を満たし、より大容量の電池の使用に適する。
【0032】
なお、タブ20を電極体10のどの層から引き出すかは、以下のように適宜決定することができる。一実施例において、電極体10は、軸線Lの周りに15回巻回された、正極板層210、第1セパレータ層208、負極板層206及び第2セパレータ層212から形成される。この場合、過電流の需要に応じて、正極タブ202及び負極タブ204を、電極体10の軸線Lに始まって巻回された10回目~15回目から引き出すことができる。或いは、正極タブ202及び負極タブ204を、電極体10の軸線Lに始まって巻回された8回目~15回目から引き出すことができる。
【0033】
理解できるように、本開示において、正極タブ202及び負極タブ204の電極体10の端面における具体的な引き出し位置は、特に限定されない。一実施例において、タブ20は、電極体10の軸線Lに始まって内から外へ順に引き出されてもよく、例えば、軸線Lに始まって巻回された1回目から引き出される。他の実施例において、タブ20は、外から内へ順に引き出されてもよく、例えば、電極体10の最外周から電極体10の軸線Lに向かって引き出される。他の実施例において、タブ20は、中間から両側に引き出されてもよく、例えば、電極体10は、全部で2n回巻回されており、タブ20は、n回目から電極体10の軸線L及び外側に向かってそれぞれ順に引き出されてもよい。
図5及び
図6に示すように、タブ20は、電極体10の巻回構造の最外周に位置する。
【0034】
本開示の実施例に係る円筒形電池100において、正極タブ202及び負極タブ204は、いずれも半引き出し式タブとして構成される。つまり、正極タブ202が正極端面104を完全に覆わず、負極タブ204が負極端面106を完全に覆わないため、一方、正極タブ202及び負極タブ204の厚さ、引き出し位置は、過電流の需要、電池容量に応じて選択することができ、熱暴走のリスクを低減し、異なる規格の円筒形電池の電池容量及び過電流の需要を満たすことができる。他方、電解液の注入効率を向上させ、電解液の溢れ現象を回避することができる。
【0035】
理解できるように、電極体10の両端は、それぞれ正極端101と負極端103とを含む。正極タブ202は、正極端101に形成され、負極タブ204は、負極端103に形成される。正極端101は、正極端面104を有し、負極端103は、負極端面106を有する。正極タブ202は、当該正極端面104から延出し、負極タブ204は、当該負極端面106から延出する。また、正極タブ202と負極タブ204は、いずれも環状として構成され、即ち、正極タブ202、負極タブ204は、いずれもプレス、折り曲げプロセスによって環状タブとなり、円筒形電池100全体をより整然にし、正極タブ202、負極タブ204と周囲の部材との組み立てを容易にし、スペースを合理的に利用し、円筒形電池100のスペースの配置をよりコンパクトにする。
【0036】
本開示のいくつかの実施例において、集電円盤30は、正極タブ202に接続された正極集電円盤302と、負極タブ204に接続された負極集電円盤304とを含む。キャップ40は、正極集電円盤302に接続された正極キャップ402と、負極集電円盤304に接続された負極キャップ404とを含む。
【0037】
図3及び
図4に示すように、いくつかの実施例において、正極集電円盤302は、正極タブ202の内側に設けられ、正極タブ202に電気的に接続される。負極集電円盤304は、負極タブ204の内側に設けられ、負極タブ204に電気的に接続される。
【0038】
具体的には、正極集電円盤302は、集電円盤本体31と、集電円盤本体31の周囲に位置する接続部32と、集電円盤本体31に正対する接続片33と、を含む。集電円盤本体31は、環状の正極タブ202の内側に位置する。接続部32は、正極タブ202の内壁面に密着して接続され、接続片33は、円筒形電池100のキャップ40に電気的に接続される。一実施例において、接続部32は、正極タブ202に溶接接続されてもよい。同様に、負極集電円盤304は、集電円盤本体31と、集電円盤本体31の周囲に位置する接続部32と、集電円盤本体31に正対する接続片33と、を含む。集電円盤本体31は、環状の負極タブ204の内側に位置する。接続部32は、負極タブ204の内壁面に密着して接続され、接続片33は、円筒形電池100のキャップ40に電気的に接続される。一実施例において、接続部32は、負極タブ204に溶接接続されてもよい。換言すれば、
図1に示す具体的な実施例において、集電円盤本体31は、正極タブ202又は負極タブ204の内側に位置する円盤として構成される。正極タブ202又は負極タブ204と集電円盤30とを溶接する場合、正極タブ202又は負極タブ204を集電円盤30に溶接することで、「薄いものから厚いものまで」の溶接を実現することができ、それにより、溶接中にタブ20の焼損を回避して、円筒形電池100の短絡を回避し、円筒形電池100の安全性を向上させることができる。
【0039】
同時に、理解できるように、本開示のタブ20と集電円盤30とを溶接する場合、タブ20の焼損現象が発生せず、従来の平坦化タブを有する円筒形電池の代わりに本開示の構造を用いることができ、タブ20の電極体10の長さ方向(即ち、Z方向)における寸法をより小さく設定することができ、タブ20の円筒形電池100全体に対する占有スペースを低減し、電極体10のスペース効率を向上させ、円筒形電池100のエネルギー密度の向上に有利である。
【0040】
理解できるように、一実施例において、集電円盤30をタブ20の内側に設けることにより、「薄いものから厚いものまで」の溶接を実現し、タブ20と集電円盤30との溶接難度を低減し、溶接成功率を向上させ、円筒形電池100の加工効率及び歩留まりを向上させることができる。
【0041】
当然のことながら、本開示の円筒形電池100の構造は、これに限定されず、他のいくつかの実施例において、正極集電円盤302及び負極集電円盤304は、いずれも環状円盤として構成され、正極集電円盤302は、正極タブ202の外側に設けられ、正極タブ202に電気的に接続され、負極集電円盤304は、負極タブ204の外側に設けられ、負極タブ204に電気的に接続される。
【0042】
正極集電円盤302は、集電円盤本体31と、集電円盤本体31の周囲に位置する接続部32と、集電円盤本体31に正対する接続片33と、を含む。集電円盤本体31は、環状円盤として構成され、環状の正極タブ202に外嵌される。接続部32は、正極タブ202の外壁面に密着して接続される。接続片33は、円筒形電池100のキャップ40に電気的に接続される。一実施例において、接続部32は、正極タブ202に溶接接続されてもよい。本実施例は、前述の実施例における接続部32が正極タブ202の内側に設けられることと同じ電気的接続効果を達成することもでき、ここでは説明を省略する。
【0043】
負極集電円盤304は、集電円盤本体31と、集電円盤本体31の周囲に位置する接続部32と、集電円盤本体31に正対する接続片33と、を含む。集電円盤本体31は、環状円盤として構成され、環状の負極タブ204に外嵌される。接続部32は、負極タブ204の外壁面に密着して接続される。接続片33は、円筒形電池100のキャップ40に電気的に接続される。一実施例において、接続部32は、負極タブ204に溶接接続されてもよい。本実施例は、前述の実施例における接続部32が負極タブ204の内側に設けられることと同じ電気的接続効果を達成することもでき、ここでは説明を省略する。
【0044】
図4に示す特定の実施例において、集電円盤30は、集電円盤本体31と、集電円盤本体31の周囲に位置する接続部32と、集電円盤本体31に正対する接続片33と、を含む。集電円盤本体31は、タブ20に外嵌され、或いは、タブ20は、集電円盤本体31に外嵌される。接続部32は、タブ20の内壁面又は外壁面に密着して溶接接続される。接続片33は、円筒形電池100のキャップ40に電気的に接続される。
【0045】
具体的には、集電円盤30の寸法は、タブ20の位置及び寸法に応じて決定されてもよい。集電円盤30は、溶接によってタブ20に接続される。スポット溶接、超音波溶接などの任意の溶接方式であってもよい。集電円盤30を介してタブ20をキャップ40に電気的に接続することにより、集電円盤30とタブ20との接続安定性を向上させることができる。また、タブ20、集電円盤30は、いずれも高い過電流能力を有するため、円筒形電池100の動作安定性及び使用安全性を向上させることができる。
【0046】
本開示のいくつかの実施例において、接続片33は、一端が集電円盤本体31又は接続部32に接続される。接続片33は、他端がハウジング102の軸線に向かって径方向に延在する。このように、接続片33とキャップ40との接触面積を増大させて、電気的接続の安定性を向上させることができる一方で、接続片33と電極体10の端面とを対向して設けて、円筒形電池100のZ方向における集電円盤30の寸法を低減して、円筒形電池100のエネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0047】
本開示のいくつかの実施例において、集電円盤30と電極体10の端面との間にスペーサ50が設けられる。集電円盤30とキャップ40との間に絶縁パッキン60が設けられる。正極集電円盤302と正極キャップ402との間に正極絶縁パッキン602が設けられる。負極集電円盤304と負極キャップ404との間に負極絶縁パッキン604が設けられる。正極キャップ402及び負極キャップ404の外周に、いずれもシールリングが設けられる。このように、スペーサ50、キャップ40及び絶縁パッキン60の絶縁作用により、円筒形電池100の内部に短絡現象が発生することを回避して、円筒形電池100の動作安定性及び使用安全性を向上させることができる。
【0048】
いくつかの実施例において、正極キャップ402、負極キャップ404は、いずれも金属材料部材として構成される。即ち、正極キャップ402、負極キャップ404は、いずれも単一の金属部材、合金部材又は複合材料部材として構成され、正極キャップ402及び負極キャップ404が複合材料部材として構成される実施例において、複合材料部材は、少なくとも1つの導電性金属材料を含む。
【0049】
図7に示すように、本開示の実施例は、車両1000を提供する。当該車両1000は、上記任意の実施例における円筒形電池100とプロセッサ110とを含む。当該円筒形電池100は、車両1000の内部に設けられ、プロセッサ110に電気的に接続される。プロセッサ110は、円筒形電池100の充放電を制御する。
【0050】
本開示の実施例に係る車両1000の円筒形電池100において、正極タブ202及び負極タブ204は、いずれも半引き出し式タブとして構成される。つまり、正極タブ202が正極端面104を完全に覆わず、負極タブ204が負極端面106を完全に覆わないため、一方、正極タブ202及び負極タブ204の厚さ、引き出し位置は、過電流の需要、電池容量に応じて選択することができ、熱暴走のリスクを低減し、異なる規格の円筒形電池の電池容量及び過電流の需要を満たすことができる。他方、電解液の注入効率を向上させ、電解液の溢れ現象を回避することができる。
【0051】
なお、本開示の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位において構成され、操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0052】
本開示の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」などは、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順序又は優先順位を説明するためのものではない。本開示の実施例がここでの図示又は説明以外の順序でも実施できるように、このように使用されたデータは、適宜入れ替えてもよく、かつ「第1」、「第2」などで区別される対象は、一般的に同じ種類であり、対象の数を限定せず、例えば、第1対象が1つであってもよく、複数であってもよいことを理解されたい。また、明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、接続対象の少なくとも1つを表し、符号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0053】
本開示の説明において、「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0054】
本開示の説明において、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触せず、それらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。本開示において、明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0055】
本開示の説明において、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表してもよい。
【0056】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などを参照する説明は、当該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0057】
本開示の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本開示の原理及び目的を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。
【符号の説明】
【0058】
100 円筒形電池
102 ハウジング
10 電極体
104 正極端面
106 負極端面
20 タブ
202 正極タブ
204 負極タブ
206 負極板層
208 第1セパレータ層
210 正極板層
212 第2セパレータ層
2102 正極材料層
2104 正極箔材層
2062 負極材料層
2064 負極箔材層
30 集電円盤
302 正極集電円盤
304 負極集電円盤
31 集電円盤本体
32 接続部
33 接続片
40 キャップ
402 正極キャップ
404 負極キャップ
50 スペーサ
60 絶縁パッキン
602 正極絶縁パッキン
604 負極絶縁パッキン
1000 車両
110 プロセッサ
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(102)と、負極板層(206)と、第1セパレータ層(208)と、正極板層(210)と、第2セパレータ層(212)とを含む円筒形電池(100)であって、
前記ハウジング(102)は、収容空間を有し、
前記負極板層(206)、前記第1セパレータ層(208)、前記正極板層(210)及び前記第2セパレータ層(212)は、順に積層され、複数層巻回されて電極体(10)となり、前記ハウジング(102)の軸線は、前記電極体(10)の軸線と一致し、前記電極体(10)の少なくとも一部は、前記収容空間内に収容され、前記電極体(10)は、正極端面(104)及び負極端面(106)を有し、
前記正極板層(210)は、正極材料層(2102)と正極箔材層(2104)とを含み、前記負極板層(206)は、負極材料層(2062)と負極箔材層(2064)とを含み、巻回された複数層の前記正極箔材層(2104)の少なくとも一部が前記ハウジング(102)の一端に向かって延在して正極タブ(202)となり、巻回された複数層の前記負極箔材層(2064)の少なくとも一部が前記ハウジング(102)の他端に向かって延在して負極タブ(204)となり、それにより、前記電極体(10)の前記正極端面(104)における前記正極タブ(202)によって覆われていない部分が前記正極タブ(202)の少なくとも一方側に位置し、かつ、前記電極体(10)の前記負極端面(106)における前記負極タブ(204)によって覆われていない部分が前記負極タブ(204)の少なくとも一方側に位置する、ことを特徴とする円筒形電池(100)。
【請求項2】
前記正極タブ(202)は、前記電極体の前記軸線と、前記正極端面(104)の外縁との間に位置し、前記負極タブ(204)は、前記電極体の前記軸線と、前記負極端面(106)の外縁との間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池(100)。
【請求項3】
前記電極体(10)の両端は、それぞれ正極端(101)と負極端(103)とを含み、前記正極端(101)は、前記正極端面(104)を有し、前記負極端(103)は、前記負極端面(106)を有し、
前記正極タブ(202)は、前記正極端(101)に形成され、前記負極タブ(204)は、前記負極端(103)に形成され、前記正極タブ(202)は、前記正極端面(104)から延出し、前記負極タブ(204)は、前記負極端面(106)から延出し、
前記正極タブ(202)と前記負極タブ(204)は、いずれも環状として構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の円筒形電池(100)。
【請求項4】
集電円盤(30)と、キャップ(40)とをさらに含み、前記集電円盤(30)は、前記正極タブ(202)に接続された正極集電円盤(302)と、前記負極タブ(204)に接続された負極集電円盤(304)とを含み、前記キャップ(40)は、前記正極集電円盤(302)に接続された正極キャップ(402)と、前記負極集電円盤(304)に接続された負極キャップ(404)とを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の円筒形電池(100)。
【請求項5】
前記正極集電円盤(302)は、前記正極タブ(202)の内側に設けられ、前記正極タブ(202)に電気的に接続され、前記負極集電円盤(304)は、前記負極タブ(204)の内側に設けられ、前記負極タブ(204)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項6】
前記正極集電円盤(302)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状の前記正極タブ(202)の内側に位置し、前記接続部(32)は、前記正極タブ(202)の内壁面に密着して接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続され、
前記負極集電円盤(304)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状の前記負極タブ(204)の内側に位置し、前記接続部(32)は、前記負極タブ(204)の内壁面に密着して溶接接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の円筒形電池(100)。
【請求項7】
前記正極集電円盤(302)及び前記負極集電円盤(304)は、いずれも環状円盤として構成され、前記正極集電円盤(302)は、前記正極タブ(202)の外側に設けられ、前記正極タブ(202)に電気的に接続され、前記負極集電円盤(304)は、前記負極タブ(204)の外側に設けられ、前記負極タブ(204)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項8】
前記正極集電円盤(302)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状円盤として構成され、環状の前記正極タブ(202)に外嵌され、前記接続部(32)は、前記正極タブ(202)の外壁面に密着して接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続され、
前記負極集電円盤(304)は、集電円盤本体(31)と、集電円盤本体(31)の周囲に位置する接続部(32)と、前記集電円盤本体(31)に正対する接続片(33)と、を含み、前記集電円盤本体(31)は、環状円盤として構成され、環状の前記負極タブ(204)に外嵌され、前記接続部(32)は、前記負極タブ(204)の外壁面に密着して接続され、前記接続片(33)は、前記円筒形電池(100)のキャップ(40)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載の円筒形電池(100)。
【請求項9】
前記接続片(33)の一端は、前記集電円盤本体(31)又は前記接続部(32)に接続され、前記接続片(33)の他端は、前記ハウジング(102)の径方向に沿って前記軸線に向かって延在する、ことを特徴とする請求項4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項10】
前記集電円盤(30)と前記電極体(10)の端面との間にスペーサ(50)が設けられ、前記集電円盤(30)と前記キャップ(40)との間に絶縁パッキン(60)が設けられる、請求項
4に記載の円筒形電池(100)。
【請求項11】
車両(1000)であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の円筒形電池(100)と、プロセッサ(110)と、を含み、前記円筒形電池(100)は、前記車両(1000)の内部に設けられ、前記プロセッサ(110)に電気的に接続され、前記プロセッサ(110)は、前記円筒形電池(100)の充放電を制御する、ことを特徴とする車両(1000)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
このように設けることにより、電極体10の正極端面104の一部が正極タブ202によって覆われ、その他の部分が露出し、電極体10の負極端面106の一部が負極タブ204によって覆われ、その他の部分が露出する。このように、本開示の正極タブ202及び負極タブ204をいずれも半引き出し式タブとして構成することができ、電解液の注入、浸透及び浸潤のためにより多くの隙間を確保することができ、注入効率を効果的に向上させ、電解液の溢れ確率を低下させることができる。同時に、円筒形電池100の容量及び過電流の需要に応じて、引き出し層数を合理的に選択することができ、それにより、円形のタブ20の厚さをより大きくし、より大きい電流の需要を満たし、より大容量の電池の使用に適する。
【国際調査報告】