(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】構成要素を互いに固定するための圧入締結具
(51)【国際特許分類】
H05K 1/14 20060101AFI20240711BHJP
H01R 12/58 20110101ALI20240711BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20240711BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H05K1/14 G
H01R12/58
H05K1/14 H
H05K7/14 G
H02G3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580374
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022034749
(87)【国際公開番号】W WO2023278250
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハサン,ラメエズ
(72)【発明者】
【氏名】ティルトン,クリス
(72)【発明者】
【氏名】フライドマン,ジョナサン
【テーマコード(参考)】
5E223
5E344
5E348
5G361
【Fターム(参考)】
5E223AB08
5E223AC28
5E223AC35
5E223BA27
5E223BB21
5E223CD01
5E223DB08
5E223DB13
5E344AA01
5E344BB02
5E344CC09
5E344CD14
5E344CD18
5E344CD27
5E344DD07
5E344EE12
5E344EE23
5E348AA07
5E348AA16
5E348CC08
5G361BA01
5G361BA03
5G361BA04
5G361BB01
(57)【要約】
構成要素を互いに固定するための圧入締結具が提供される。一態様において、電子システムアセンブリが、第1の穴を備える第1の構成要素と、第2の穴を備える第2の構成要素と、第1の穴及び第2の穴に単一の動作で挿入されるように構成される圧入締結具とを含む。圧入締結具は、第1及び第2の穴への挿入後に第2の構成要素を第1の構成要素に固定することに少なくとも寄与するように構成される。関連する圧入締結具及び製造方法が開示される。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の穴を備える第1の構成要素と、
第2の穴を備える第2の構成要素と、
前記第1の穴及び前記第2の穴に単一の動作で挿入されるように構成される圧入締結具であって、該圧入締結具の少なくとも一部が前記第1の穴及び前記第2の穴に位置され、前記圧入締結具が前記第1の構成要素を前記第2の構成要素に固定することに少なくとも寄与する、圧入締結具と、を備える、電子システムアセンブリ。
【請求項2】
前記圧入締結具が上側挿入可能部分及び下側挿入可能部分を備え、前記上側挿入可能部分が前記第1の穴と係合するように構成され、前記下側挿入可能部分が前記第2の穴と係合するように構成される、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項3】
前記圧入締結具の前記上側及び下側挿入可能部分は、前記第1の穴及び前記第2の穴に挿入されるときに圧縮されて前記第1の穴及び前記第2の穴に力を及ぼすように構成される、請求項2に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項4】
前記圧入締結具の前記上側及び下側挿入可能部分がアイレットである、請求項2に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項5】
前記圧入締結具は、前記第1の穴の直径よりも大きく前記第2の穴の直径よりも大きい少なくとも1つの断面寸法を有する、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項6】
前記圧入締結具は、前記第1及び第2の穴のそれぞれに外向きの力を生み出すように構成される変形可能な形状を有する、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項7】
前記圧入締結具は、該圧入締結具が所定の深さを超えて前記第1及び第2の穴に挿入されるのを防止するように寸法付けられる本体を有する、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項8】
前記圧入締結具は、接地点又は電気端子ブレードとして構成される上端部を有する、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の構成要素が複数の第1の穴を備え、これらの複数の第1の穴が前記第1の穴を備え、
前記第2の構成要素が複数の第2の穴を備え、これらの複数の第2の穴が前記第2の穴を備え、
前記アセンブリは、それぞれが前記複数の第1の穴及び前記複数の第2の穴のそれぞれの対応する1つに単一の動作で挿入されるように構成される複数の圧入締結具を備え、前記複数の圧入締結具のそれぞれは、前記複数の第1の穴及び前記複数の第2の穴のそれぞれの対応する1つに位置される部分を含み、これらの複数の圧入締結具が前記圧入締結具を備える、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項10】
前記圧入締結具が導電性材料を含む、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項11】
前記第2の構成要素が回路基板を備える、請求項1に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の構成要素は、ヒートシンク、ヒートシンクのためのスタンドオフ、バスバー、又は第2の回路基板のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載の電子システムアセンブリ。
【請求項13】
構成要素を互いに固定するための圧入締結具において、
本体と、
第1の構成要素の第1の穴及び第2の構成要素の第2の穴に単一の動作で挿入されるように構成される下側部分であって、前記圧入締結具の前記下側部分が前記第1及び第2の穴に位置されるときに前記圧入締結具が前記第1の構成要素を前記第2の構成要素に固定することに少なくとも寄与するように構成される、下側部分と、を備える、圧入締結具。
【請求項14】
前記下側部分は、
前記第1の穴と係合するように構成される上側挿入可能部分と、
前記第2の穴と係合するように構成される下側挿入可能部分と、を備える、請求項13に記載の圧入締結具。
【請求項15】
前記上側及び下側挿入可能部分は、前記第1及び第2の穴に挿入されるときに圧縮されて前記第1及び第2の穴に力を及ぼすように構成される、請求項14に記載の圧入締結具。
【請求項16】
前記上側及び下側挿入可能部分がアイレットである、請求項14に記載の圧入締結具。
【請求項17】
前記圧入締結具は、前記第1の穴の直径よりも大きく前記第2の穴の直径よりも大きい少なくとも1つの断面寸法を有する、請求項13に記載の圧入締結具。
【請求項18】
矩形断面を有するポストを更に備え、前記少なくとも1つの断面寸法が前記矩形断面の両側の角部間で測定される、請求項17に記載の圧入締結具。
【請求項19】
前記圧入締結具は、前記第1及び第2の穴によって圧縮されたときに前記第1及び第2の穴のそれぞれに外向きの力を生み出すように構成される変形可能な形状を有する、請求項13に記載の圧入締結具。
【請求項20】
前記本体は、前記圧入締結具が所定の深さを超えて前記第1及び第2の穴に挿入されるのを妨げるように寸法付けられる、請求項13に記載の圧入締結具。
【請求項21】
第1の構成要素の第1の穴及び回路基板の第2の穴に圧入締結具の少なくとも一部を単一の動作で挿通させるステップであって、前記圧入締結具が、前記第1の穴及び前記第2の穴への挿入後に前記回路基板を前記第1の構成要素に固定することに少なくとも寄与する、ステップを含む製造方法。
【請求項22】
前記圧入締結具が第1の挿入可能部分及び第2の挿入可能部分を備え、前記圧入締結具の前記第1及び第2の挿入可能部分が前記第1及び第2の穴に力を及ぼすように前記挿入中に圧縮される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
複数の更なる圧入締結具のそれぞれを前記第1の構成要素及び前記回路基板のそれぞれの穴に単一の動作で挿入するステップを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
・関連出願の相互参照
この出願は、2021年7月2日に出願された「PRESS-FIT FASTENERS FOR SECURING COMPONENTS TOGETHER(構成要素を互いに固定するための圧入締結具)」と題する米国仮特許出願第63/203,003号の利益を主張し、この米国仮特許出願の開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、構成要素を互いに固定するために使用される締結具に関し、より具体的には、締結具を圧入することに関する。
【背景技術】
【0003】
電子システムアセンブリは、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)などの複数の構成要素を含むことができ、それらは締結具を使用して互いに固定される場合がある。例えば、PCBAを他の構成要素(例えば、ヒートシンク)に固定する場合、締結具は、さもなければ構成要素又はワイヤトレースのために使用される場合があるPCBAの一定量の面積を占める場合がある。ねじなどの特定の締結具の設置は、比較的複雑な動きを伴う場合があり、それにより、所望よりも高い欠陥率をもたらす可能性がある(例えば、交差ねじ切り、剥離などに起因する)。
【発明の概要】
【0004】
特許請求の範囲に記載された技術革新はそれぞれ幾つかの態様を有し、そのうちの1つだけがその望ましい属性を単独で担うものではない。特許請求の範囲を限定することなく、この開示の幾つかの顕著な特徴をここで簡単に説明する。
【0005】
本開示の一態様は、第1の穴を備える第1の構成要素と、第2の穴を備える第2の構成要素と、第1の穴及び第2の穴に単一の動作で挿入されるように構成される圧入締結具とを含む電子システムアセンブリである。圧入締結具の少なくとも一部が第1の穴及び第2の穴に位置される。圧入締結具は、第1の構成要素を第2の構成要素に固定することに少なくとも寄与する。
【0006】
圧入締結具は、上側挿入可能部分と下側挿入可能部分とを含むことができ、上側挿入可能部分が第1の穴と係合するように構成され、下側挿入可能部分が第2の穴と係合するように構成される。圧入締結具の上側及び下側挿入可能部分は、第1及び第2の穴に挿入されるときに圧縮されて第1及び第2の穴に力を及ぼすように構成され得る。圧入締結具の上側及び下側挿入可能部分はアイレットとなり得る。
【0007】
圧入締結具は、第1の穴の直径よりも大きく第2の穴の直径よりも大きい少なくとも1つの断面寸法を有することができる。圧入締結具は、第1及び第2の穴のそれぞれに外向きの力を生み出すように構成される変形可能な形状を有することができる。
【0008】
圧入締結具は、圧入締結具が所定の深さを超えて第1及び第2の穴に挿入されるのを防止するように寸法付けられる本体を有することができる。
【0009】
圧入締結具は、接地点又は電気端子ブレードとして構成される上端部を有することができる。圧入締結具は導電性材料を含むことができる。
【0010】
第1の構成要素が複数の第1の穴を含むことができ、第2の構成要素が複数の第2の穴を含むことができ、アセンブリは、それぞれが第1の穴及び第2の穴のそれぞれの対応する1つに単一の動作で挿入されるように構成される複数の圧入締結具を含むことができる。圧入締結具のそれぞれは、第1の穴及び第2の穴のそれぞれの対応する1つに位置される部分を含むことができる。
【0011】
第2の構成要素が回路基板を含むことができる。第1の構成要素は、ヒートシンク、ヒートシンクのスタンドオフ、バスバー、又は第2の回路基板のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0012】
本開示の他の態様は、構成要素を互いに固定するための圧入締結具である。圧入締結具は、本体と、第1の構成要素の第1の穴及び第2の構成要素の第2の穴に単一の動作で挿入されるように構成される下側部分とを含む。圧入締結具は、圧入締結具の下側部分が第1及び第2の穴に位置されるときに第1の構成要素を第2の構成要素に固定することに少なくとも寄与するように構成される。
【0013】
下側部分は、第1の穴と係合するように構成される上側挿入可能部分と、第2の穴と係合するように構成される下側挿入可能部分とを含むことができる。上側及び下側挿入可能部分は、第1の穴及び前記第2の穴に挿入されるときに圧縮されて第1の穴及び第2の穴に力を及ぼすように構成され得る。上側及び下側挿入可能部分はアイレットとなり得る。
【0014】
圧入締結具は、第1の穴の直径よりも大きく第2の穴の直径よりも大きい少なくとも1つの断面寸法を有することができる。圧入締結具は、矩形断面を有するポストを含むことができ、少なくとも1つの断面寸法は、矩形断面の両側の角部間で測定される。
【0015】
圧入締結具は、第1及び第2の穴によって圧縮されるときに第1及び第2の穴のそれぞれに外向きの力を生み出すように構成される変形可能な形状を有することができる。
【0016】
本体は、圧入締結具が所定の深さを超えて第1及び第2の穴に挿入されるのを妨げるように寸法付けられ得る。
【0017】
本開示の他の態様は、圧入締結具の少なくとも一部を第1の構成要素の第1の穴及び回路基板の第2の穴に単一の動作で挿通することを含む製造方法である。圧入締結具は、第1及び第2の穴への挿入後に回路基板を第1の構成要素に固定することに少なくとも寄与する。
【0018】
圧入締結具は、第1の挿入可能部分及び第2の挿入可能部分を含むことができ、圧入締結具の第1及び第2の挿入可能部分は、第1及び第2の穴に力を及ぼすように挿入中に圧縮される。
【0019】
方法は、複数の更なる圧入締結具のそれぞれを第1の構成要素及び回路基板のそれぞれの穴に単一の動作で挿入するステップを更に含むことができる。
【0020】
特許請求の範囲に記載された技術革新はそれぞれ幾つかの態様を有し、そのうちの1つだけがその望ましい属性を単独で担うものではない。特許請求の範囲を限定することなく、この開示の幾つかの顕著な特徴をここで簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、添付図面を参照して、この開示の実施形態を非限定的な例として説明する。
【0022】
【
図1A】この開示の態様に係る圧入締結具を含む電子システムアセンブリの一例の斜視図である。
【0023】
【
図1B】この開示の態様に係る圧入締結具の一実施形態を含む電子システムアセンブリの一例の斜視図である。
【0024】
【
図1C】この開示の態様に係る圧入締結具の他の実施形態を含む電子システムアセンブリの一例の斜視図である。
【0025】
【
図2A】この開示の態様に係る圧入締結具の実施形態を示す。
【
図2B】この開示の態様に係る圧入締結具の実施形態を示す。
【
図2C】この開示の態様に係る圧入締結具の実施形態を示す。
【
図2D】この開示の態様に係る圧入締結具の実施形態を示す。
【0026】
【
図3A】この開示の態様に係る圧入締結具の他の実施形態を示す。
【
図3B】この開示の態様に係る圧入締結具の他の実施形態を示す。
【0027】
【
図4A】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4B】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4C】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4D】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4E】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4F】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4G】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【
図4H】この開示の態様に係る圧入締結具及びその構成要素を含むアセンブリの実施形態を示す。
【0028】
【
図5A】この開示の態様に係る構成要素を互いに固定するように構成される圧入締結具の実施形態を示す。
【
図5B】この開示の態様に係る構成要素を互いに固定するように構成される圧入締結具の実施形態を示す。
【
図5C】この開示の態様に係る構成要素を互いに固定するように構成される圧入締結具の実施形態を示す。
【0029】
【
図6A】この開示の態様に係る回路基板を構成要素に固定するように構成される複数の圧入締結具を含むバスバーの実施形態を示す。
【
図6B】この開示の態様に係る回路基板を構成要素に固定するように構成される複数の圧入締結具を含むバスバーの実施形態を示す。
【0030】
【
図7A】この開示の態様に係る電気端子又は摺動端子及び関連するアセンブリとして使用するように構成される圧入締結具の実施形態を示す。
【
図7B】この開示の態様に係る電気端子又は摺動端子及び関連するアセンブリとして使用するように構成される圧入締結具の実施形態を示す。
【
図7C】この開示の態様に係る電気端子又は摺動端子及び関連するアセンブリとして使用するように構成される圧入締結具の実施形態を示す。
【0031】
【
図8A】この開示の態様に係る電気端子又は摺動端子及び関連するアセンブリとして使用するように構成される圧入締結具の他の実施形態を示す。
【
図8B】この開示の態様に係る電気端子又は摺動端子及び関連するアセンブリとして使用するように構成される圧入締結具の他の実施形態を示す。
【
図8C】この開示の態様に係る電気端子又は摺動端子及び関連するアセンブリとして使用するように構成される圧入締結具の他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって基底及び包含されるように、多数の異なる方法で具現化され得る。この説明では、同様の参照番号及び/又は用語が同一又は機能的に同様の要素を示すことができる図面を参照する。図面に示される要素は、必ずしも原寸に比例して描かれていないことが理解され得る。更に、特定の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素及び/又は図面に示される要素のサブセットを含むことができることが理解され得る。更に、幾つかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0033】
本開示の態様は、他の締結具に優る様々な利点を提供することができるタンデム圧入締結具に関する。例えば、圧入締結具の使用は、圧入締結具を設置するためのコネクタブレードのための同じ圧入機械の使用を活用することもできる。本明細書に開示される圧入締結具は、コネクタブレード/コネクタ端子並びに締結具としての二重機能を与えることができる。本明細書に記載の圧入締結具は、他の締結具タイプと比較して、信頼性の高い接合、より速いサイクル時間、及び基板密度の増大の機会を提供することができる。基板密度が増大すると、構成要素の間隔を狭くすることが可能になり、その結果、パワープリント回路基板アセンブリが小さくなる。
【0034】
電子システムアセンブリ(例えば、処理システム、又は電気構成要素を含む他のシステム)を組み立てるための1つの技術は、トップダウン製造であり、該トップダウン製造は、積層体内の最下層から始めてシステムを形成する構成要素を固定し、1つ以上の締結具を使用して次の最下層/構成要素をシステムに連続的に固定することを伴うことができる。構成要素を互いに固定するために使用され得る一般的な締結具タイプは、ねじを受けるように構成された適合する構成要素における相補的な雌ねじと係合するように構成された雄ねじを有するねじである。
【0035】
構成要素を互いに締結するために使用されるねじは、対応するスタンドオフの雌ねじ山と相補的な雄ねじ山を有することができる。ねじを使用して、電子システムアセンブリ内の複数の層を固定することができ、例えば、ねじを使用して、回路基板をヒートシンクに締結し、構成要素を回路基板に締結し、及び/又は蓋をシステムに締結することができる。電子システムアセンブリにおける締結具のためのねじの使用には幾つかの欠点がある。例えば、対応するスタンドオフに適切に固定されていない緩いねじは、システム内の高電圧構成要素を短絡させる可能性がある。カバーがシステムに固定されると、緩んだねじの存在を検出することが困難になる可能性がある。また、ねじの使用に関連する幾つかの製造上の課題、例えば、交差ねじ切り、剥離、及び/又はより遅いサイクル時間があり得る。更に、ねじは、ねじが回路基板上の構成要素又はワイヤトレースに接触しないようにするために、ねじ頭からの最小クリアランス距離仕様を有し得る。更に、ねじ頭の真上の容積又はパッケージング空間は、様々な用途では殆ど使用されない。
【0036】
欠点にもかかわらず、システム内に構成要素を固定するためにねじを使用することには幾つかの利点がある。例えば、ねじは導電性であり、したがって、大電流接続及び/又は接地接続に有用であり得る。適切に設置されている場合、ねじは、信頼性の懸念を殆ど又は全く伴わずに構成要素間の接続を行なうことができる。また、ねじは、再利用可能であり、このねじを廃棄する必要なく取り外して交換することができる。
【0037】
この開示の態様は、ねじ式締結具に関連する上記の欠点の1つ以上に対処するために使用され得る締結具に関する。この開示の実施形態は、締結具が開口に配置されたときに固定され得るように成形された受け入れ開口に挿入され得る圧入締結具に関する。構成要素を互いに固定するために使用され得る少なくとも2つのタイプの圧入締結具がある。圧入締結具は、相手側の開口に挿入されるように構成されたポストを含むことができ、ポストは、少なくとも1つの寸法において開口よりも大きいサイズを有する。圧入締結具は、開口によって圧縮されるときに相手側の開口に外向きの力を生み出すように構成される変形可能な形状を含むことができる。
【0038】
本明細書に記載の圧入締結具は、単一の動作を使用して様々な異なる構成要素を互いに締結、固定、又は「ステッチ」するために使用することができる。圧入締結具を使用して締結することができる構成要素としては、回路基板(例えば、PCBA、ドーターボード、積層PCBAなど)、ヒートシンク、バスバー、金属板、シートメタルプレート、及び/又は他の金属構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。一例として、圧入締結具は、PCBAをヒートシンクに固定することができる。ヒートスキンはスタンドオフを有することができる。他の例として、圧入締結具は、2つのPCBAを互いに固定することができる。もう1つの例として、圧入締結具は、PCBAとバスバー又は金属プレートとを固定することができる。更に他の例として、圧入締結具は、シートメタルプレート又は他の金属構成要素を互いに固定することができる。
【0039】
圧入締結具は、2つ以上の構成要素を互いに機械的に固定するために使用することができる。特定の用途では、構成要素間の電気的接続(例えば、接地点、電気信号転送など)を行なうために圧入締結具を使用することもできる。圧入締結具の上端部又は端部は、電気端子(例えば、ブレード、摺動接点など)としても機能することができる。圧入締結具の上端部又は端部は、異なる組み立て条件又は仕様(例えば、バスバー、ブレード端子など)に対応するために様々な形状及びサイズとすることができる。
【0040】
幾つかの実施形態において、圧入締結具は、組み立て公差及び設計ニーズに対応するために変更することもできるアイレット形状を有することができる(例えば、正方形断面ピン、非対称タンデムアイレットなど)。圧入締結具を取り付けるために使用される「ステッチ」動作又は単一の動きは、幾つかの方法で完了して、圧入締結具の構成要素への適切な挿入を確保することができる。そのような動作は、第1及び第2のアイレットがいつ完全に圧縮されたかを決定するために力及び変位測定値を使用すること、ハードストップが構成要素のうちの第1の構成要素と接触した時点で圧入締結具の移動を停止するために圧入締結具上のハードストップを使用すること、圧入締結具を指定された深さまで挿入するために構成要素の厚さの設定された変位ストローク及び厳しい公差制御を使用すること、及び/又は適切な挿入深さを決定するために挿入操作の側から見たコンピュータビジョンを使用することを含むことができるが、これらに限定されない。
【0041】
図1Aは、本開示の態様に係る圧入締結具110を含む電子システムアセンブリ100の一例の斜視図である。
図1Aを参照すると、電子システムアセンブリ100は、構成要素102(例えば、ヒートシンク、ヒートシンクのためのスタンドオフ、バスバー、金属板、ドーター基板又は積層回路基板などの別の回路基板など)と、回路基板104と、複数のスタンドオフ106及び108と、複数の圧入締結具110と、複数のポスト112とを含む。スタンドオフ106及び108は、回路基板104を構成要素102から離間させるように構成される。圧入締結具110を使用して、回路基板104を構成要素102に単一の動作で固定又は「ステッチ」することができる。
【0042】
回路基板104は、その上に1つ以上の電子構成要素を含み、1つ以上の電子構成要素のそれぞれは、電子回路又は回路素子を含む。回路基板104は、回路基板104を構成要素102と位置合わせするためにポスト112と嵌合するように構成された位置合わせ穴114を含むことができる。
図1Aに示すように、回路基板104は、2つの位置合わせ穴114を含み、電子システムアセンブリ100は、位置合わせ穴114と係合するように構成された2つのポスト112を含む。しかしながら、ポスト112及び対応する位置合わせ穴114の数は、
図1Aに示す実施形態に限定されない。電子システムアセンブリ100は、ポスト112及び位置合わせ穴114を含まなくてもよく、1つのポスト112及び位置合わせ穴114を含んでもよく、又は3つ以上のポスト112及び位置合わせ穴114を含んでもよい。回路基板104は、スタンドオフ106に形成された対応する穴118と位置合わせするように構成される複数の穴116を更に含むことができる。穴118は、
図1Bに示され、ラベル付けされている。各穴116は、それぞれの穴118に対応することができる。複数の圧入締結具110は、穴116及び118に挿入され、スタンドオフ106に結合されて、回路基板104を構成要素102に固定することができる。
【0043】
図1Bは、本開示の態様に係る圧入締結具110の一実施形態を含む電子システムアセンブリ100の一例の斜視図である。
図1Aの実施形態と同様に、
図1Bの電子システムアセンブリ100は、構成要素102(例えば、ヒートシンク、ヒートシンクのスタンドオフ、バスバー、別の回路基板など)と、回路基板104と、複数のスタンドオフ106及び108と、複数の圧入締結具110と、ポスト112とを含む。
【0044】
他の締結具(例えば、ねじ)の代わりに圧入締結具110を使用することにより、電子システムアセンブリ100の組み立ては、締結具110を穴116及び118に押し込むより単純で迅速なプロセスを使用して実行することができ、このプロセスは単一の動作で実行することができる。更に、製造機器は、圧入締結具110の設置のために使用することができる、コネクタブレードを設置するために使用される圧入機械を有してもよい。圧入締結具110の使用は、信頼性の高い接合部、より速いサイクル時間、及び基板密度の増大の機会のうちの1つ以上を提供することができる。一例において、回路基板を固定するために使用されるねじは、約6.275mmの直径を有することができるが、幾つかの実施形態では、圧入締結具の頭部の幅(例えば、幅が図の左から右に測定される
図3Aの頭部302を参照されたい)は、ねじの直径の約半分未満であってもよい。したがって、圧入締結具110によって占有される回路基板104の面積は、他の締結具を使用して構成要素に固定されるように構成された同様の回路基板よりも大幅に小さくすることができ、圧入締結具110を使用することによって節約されたスペースは、基板密度を高める更なる構成要素/トレースを配置するために使用することができる。圧入締結具110は、導電性材料で形成することができる。したがって、そのような圧入締結具110は、圧入締結具110で固定された構成要素と、露出した圧入締結具頭部(十字形又は他の形)と電気的に接触する構成要素との間に電気接続を形成することができる。導電性圧入締結具110は、構成要素間で信号を運ぶことができる。導電性圧入締結具110は、構成要素間の接地接続をもたらすことができる。
【0045】
図1Bを参照すると、圧入締結具110は、互いに隣り合って配置される2つのアイレットを含む。圧入締結具110の各アイレットは、挿入時に圧縮されて穴に力を及ぼすことができる挿入可能部分である。圧入締結具110の2つのアイレットは、回路基板104の穴116のうちの1つ及びスタンドオフ106のうちの1つの穴118と係合するようにそれぞれ構成され得る。圧入締結具110のアイレットは、穴に力を及ぼすように回路基板104及びスタンドオフ106の穴に挿入されるときに圧縮されるように構成することができ、それによって回路基板104を構成要素102に固定する。
【0046】
図1Cは、本開示の態様に係る圧入締結具113の他の実施形態を含む電子システムアセンブリ100の一例の斜視図である。
図1Aの実施形態と同様に、
図1Cの電子システムアセンブリ100は、構成要素102(例えば、ヒートシンク、ヒートシンクのスタンドオフ、バスバー、別の回路基板など)と、回路基板104と、複数のスタンドオフ106及び108と、複数の圧入締結具113と、ポスト112とを含む。
図1Cの電子システムアセンブリ100は、
図1Aの電子システムアセンブリ100の圧入締結具110の代わりに圧入締結具113を含む。
【0047】
図1Cを参照すると、圧入締結具113は、矩形又は正方形の断面を有するポストを含む。圧入締結具113は、回路基板104の穴116及びスタンドオフ106の穴のそれぞれの直径よりも大きい断面の両側の角部間で測定された断面寸法を更に含む。圧入締結具113は、穴によって圧縮されるときに回路基板104及びスタンドオフ106の穴のそれぞれに外向きの力を生み出すように構成された変形可能な形状を有することができる。
【0048】
図2A~
図2Dは、この開示の態様に係る圧入締結具の実施形態を示す。
図2Aは、圧入締結具202の一実施形態の斜視図を示す。
図2Bは、圧入締結具203の別の実施形態の斜視図を示す。
図2Cは、構成要素204及び206を互いに固定する前の回路第1の構成要素204及び第2の構成要素206の上方に配置された圧入締結具202を示す。第1の構成要素204は、例えば、回路基板とすることができる。
図2Dは、圧入締結具202を介して第2の構成要素206に固定された第1の構成要素204を示す。
図2Aの圧入締結具202は、
図1Bに示す圧入締結具110と同様であってもよく、
図2Bの圧入締結具203は、
図1Cに示す圧入締結具113と同様であってもよい。
【0049】
図2Aの実施形態は、
図2C及び
図2Dに示される実施形態と同様であるが、
図2Aの圧入締結具202は、異なる形状の頭部又は本体(例えば、十字形頭部)を有することができる。頭部形状は、例えば
図7A~
図8Cに示されるように、(例えば、ワイヤハーネス上のコネクタに対する)三次接続のためのブレード端子又は別の電気接点として使用するように設計することができるが、アイレットの内側断面形状は、
図2Aの実施形態と
図2C及び
図2Dに示される実施形態とでは異なる。しかしながら、
図2A、
図2C、及び
図2Dは、それらの類似性に起因して本明細書で一緒に説明される。
【0050】
圧入締結具202は、互いに隣り合って配置される2つのアイレットを含み、アイレットは実質的に同じサイズ及び形状を有する。
図2C及び
図2Dに示されるように、第1の構成要素204は第1の穴210を含み、第2の構成要素206は第2の穴212を含む。第2の構成要素206は、ヒートシンク、バスバー、回路基板、又はスタンドオフなどの任意の適切な構成要素とすることができる。圧入締結具202は、単一の押圧動作により第1の穴210及び第2の穴212に挿入可能である。アイレットのサイズ及び形状は、両方のアイレットに関して同じであり得る。或いは、アイレットのサイズ及び/又は形状は、嵌合穴を収容するために2つのアイレットの間で異なり得る。
【0051】
図2Bの圧入締結具203は、本体部分と、圧入締結具203によって固定されている構成要素の穴内に嵌合するように寸法付けられる下側部分とを含む。圧入締結具203の上側部分は、圧入締結具203が所定の深さを超えて穴に挿入されるのを防止又は妨げるように寸法付けられ得る。圧入締結具203の下側部分の少なくとも一断面寸法は、穴に挿入する前の穴の対応する寸法より大きくてもよい。圧入締結具203の下側部分は2つの挿入可能部分を含み、これらの挿入可能部分はそれぞれ挿入中に圧縮されて穴に力を及ぼすことができる。
図2Bの圧入締結具203の一実施形態の更なる詳細は、
図5A~
図5Cに関連して以下に説明される。
【0052】
図2C及び
図2Dは、圧入締結具202を使用する製造方法を示す。これらの図は、圧入締結具202の一部を第1の構成要素204の第1の穴210及び第2の構成要素206の第2の穴212に単一の動作で挿通することを示す。第1の穴210及び第2の穴212に挿入された後、圧入締結具202は、構成要素204及び206を互いに固定するのに少なくとも寄与する。図示されるように、圧入締結具202は、第1の挿入可能部分及び第2の挿入可能部分を含み、第1及び第2の挿入可能部分は、第1及び第2の穴210及び212にそれぞれ力を及ぼすように挿入中に圧縮される。方法は、複数の圧入締結具が構成要素204及び206を互いに固定するように、複数の更なる圧入締結具を構成要素204及び206の更なる穴に挿入することを含むことができる。これらの更なる圧入締結具のそれぞれは、単一の動作で少なくとも2つの穴に挿入され得る。任意の適切な数の圧入締結具を使用して、2つの構成要素を互いに固定することができる。例えば、
図1Aは、4つの圧入締結具を伴う実施形態を示す。
【0053】
図3A及び
図3Bは、本開示の態様に係る圧入締結具300の別の実施形態を示す。
図3Aは、圧入締結具300の平面図を示す。
図3Bは、回路基板310を構成要素312に固定するために取り付けられた圧入締結具300を示す。
【0054】
図3Aを参照すると、圧入締結具300は、本体(又は頭部)302と、ジョイント(又はボール)308を介して接続された2つのアイレット304及び306を含む下側部分とを含むことができる。圧入締結具300の本体302は、圧入締結具300が所定の深さ(例えば、下側部分の長さ)を超えて構成要素の穴に挿入されるのを防止するように寸法付けられ得る。本体302の上側部分は、更に、外部コネクタアセンブリ又はハーネスのための接地点又は電気端子ブレードとして機能することができる。
図3Bに示されるように、回路基板310及び構成要素312の厚さは異なっていてもよい。したがって、第1のアイレット304の長さは、第2のアイレット306の長さと異なっていてもよい(例えば、図示されているようにより短い)。第1のアイレット304の長さは、回路基板310の厚さに対応することができ、第2のアイレット306の長さは、構成要素312の厚さに対応することができる。幾つかの実装形態では、圧入締結具300が取り付けられると、圧入締結具300の下端部の一部(例えば、アイレット306の下端部)が構成要素312の底部から突出することができる。
【0055】
図4A~
図4Hは、この開示の態様に係る圧入締結具402及び416を含むアセンブリの実施形態を示す。
図4A~
図4Dは、第1の実施形態を示す。
図4Aは、圧入締結具402によって接続することができる回路基板404及び構成要素406を示す。
図4Bは、回路基板404と構成要素406とを互いに固定するために圧入締結具402を完全に挿入する前の配置された圧入締結具402を示す。
図4Cは、圧入締結具402を介して構成要素406に固定された回路基板404を示す。
図4Dは、スタンドオフ414に固定されたときの圧入締結具402の斜視断面図を示す。
【0056】
図4E~
図4Hは、第2の実施形態を示す。
図4Eは、圧入締結具416によって接続することができる回路基板404及び構成要素406を示す。
図4Fは、基板404及び406を互いに固定するために圧入締結具416を完全に挿入する前の、回路基板404及び構成要素406の上方に配置された圧入締結具416を示す。
図4Gは、圧入締結具416を介して構成要素406に固定された回路基板404を示す。
図4Dは、スタンドオフ414に固定されたときの圧入締結具416の斜視断面図を示す。
【0057】
図4A~
図4Dを参照すると、圧入締結具402は、単一の押圧操作を使用して、回路基板404の第1の穴410と構成要素406のスタンドオフ414の第2の穴412との両方に挿通されるように構成される。例えば、第1及び第2の穴410,412を互いに位置合わせし(例えば、
図4Aに示すように、アライメントポスト420及び穴422を使用する)、その後、圧入締結具402を単一の押圧動作で両方の穴410,412に押し込むことができる。単一の押圧操作の使用は、2つ以上の押圧操作を使用する実装よりも速く、容易で、及び/又は複雑でなく、そのため、より効率的な製造につながる。
【0058】
図4A~
図4Dに示されるように、圧入締結具402は、互いに隣り合って配置された2つのアイレットを含む。これらのアイレットは、タンデムアイレットと呼ぶことができる。圧入締結具402は、タンデム圧入締結具と呼ぶことができる。圧入締結具402の下側アイレットは、第1の穴410を通じて第2の穴412に挿入されるように構成され、上側アイレットは、第1の穴410に挿入されるように構成される。これは、圧入締結具402が変形される位置で冷間溶着をもたらすことができる。圧入締結具402のアイレットは、穴410及び412の一方に挿入されるときに圧縮されるように構成される。穴410及び412に挿入されたときのアイレットの圧縮により、圧入締結具402は、弾性変形して、対応する穴410又は412に力を及ぼすことができ、これは圧入締結具402を穴410及び412内に維持するのに役立つ。圧入締結具402は、導電性材料を含むことができる。圧入締結具402の最長寸法は、25セントコインの直径よりも短くすることができる。
図4Cは、ハードストップ(十字)に達するまでPCBAに完全に押し込まれたタンデム圧入ピンを示す。
【0059】
実装に応じて、圧入締結具402の上側アイレット及び下側アイレットは、実質的に同じ幅を有してもよく、又は下側アイレットは、圧入締結具402の上側アイレットよりも小さい幅を有してもよい。幾つかの他の実施形態では、下側アイレットは、穴410に挿通できる限り、上側アイレットの幅よりも大きい幅を有してもよい。
【0060】
図4E~
図4Hを参照すると、圧入締結具416のそれぞれは、単一の押圧操作を使用して、回路基板404の第1の穴410と構成要素406のスタンドオフ414の第2の穴412との両方に挿入されるように構成される。例えば、第1の穴410及び第2の穴412は、互いに位置合わせされ得る(例えば、
図4Eに示すように、アライメントポスト420及び穴422を使用する)。このとき、圧入締結具416を単一の押圧動作で両方の穴410及び412に押し込むことができる。単一の押圧操作/動作の使用は、2つ以上の押圧操作を使用する実装よりも速く、容易で、及び/又は複雑でなく、そのため、より効率的な製造につながる。
【0061】
図4E、
図4F、
図4G、及び
図4Hに示されるように、圧入締結具416は、穴410及び412内に嵌合するように寸法付けられる下側部分を含む。圧入締結具416の上側部分は、締結具416が所定の深さを超えて穴410及び412に挿入されるのを防止するように寸法付けられ得る。圧入締結具416の下側部分の少なくとも一断面寸法は、穴410及び412に挿入する前の穴410及び412の対応する寸法より大きくてもよい。例えば、圧入締結具416の下側部分の両側の角部間の距離は、挿入前の穴410及び412の直径よりも大きくすることができる。
図4E~
図4Hの実施形態では、圧入締結具416の下側部分は、圧入締結具416の下側部分の近位端よりも小さい直径を有する遠位端を含む2つの異なる断面直径を有することができる。圧入締結具416の下側部分の遠位端は、圧入締結具416を穴410及び412に案内するように寸法付けることができ、一方、圧入締結具416の下側部分の近位端は、締結具416が少なくとも穴410に挿入されるときに変形するように寸法付けることができ、変形から生じる力は、圧入締結具416を穴410及び412に固定する。
【0062】
図5A~
図5Cは、本開示の態様に係る構成要素を互いに固定するように構成された圧入締結具502の実施形態を示す。
図5Aは、圧入締結具502の斜視図である。
図5Bは、圧入締結具502の側面図である。
図5Cは、構成要素504の穴506に挿入された圧入締結具502の断面図である。
図5A~
図5Cを参照すると、圧入締結具502は、上側部分502A及び下側部分502Bを含むことができる。上側部分502は、本体部分とすることができる。圧入締結具502の下側部分502Bは、構成要素504の穴506内に嵌合するように寸法付けられ得る。圧入締結具502の上側部分502Aは、締結具が所定の深さ(例えば、下側部分502Bの長さ)を超えて穴506に挿入されるのを防止するように寸法付けられ得る。本体の上側部分502Aは、更に、外部コネクタアセンブリ又はハーネスのための接地点又は電気端子ブレードとして使用することができる。
【0063】
圧入締結具502の下側部分502Bの少なくとも一断面寸法は、挿入前の穴506の対応する寸法より大きくてもよい。例えば、
図5Cに示されるように、圧入締結具502の下側部分502Bの両側の角部間の距離は、挿入前の穴506の直径よりも大きくすることができる。圧入締結具502のこの大きい寸法により、圧入締結具502が穴506に挿入されるときに、圧入締結具502の下側部分502Bを変形させることができる。特定の実施形態において、圧入締結具502を穴506に挿入する力は、圧入締結具502が変形される位置508で冷間溶着をもたらし、それによって圧入締結具502を穴506に固定することができる。この冷間溶着は、本明細書に記載のアイレット型圧入締結具(例えば、少なくとも
図2A及び
図2C~
図4D並びに対応する説明を参照されたい)を含む他の実施形態でも行うことができる。冷間溶着は、継手の長期信頼性を向上させるために使用することができる。したがって、圧入締結具の冷間溶着は、特定の実施態様に応じて、本明細書に記載の任意の圧入締結具の使用から生じ得る。構成要素504に対する圧入締結具502の固定は、圧入締結具502及び構成要素504の穴506の両方の他の形状を使用して達成することができる。したがって、本開示の態様は、図示された幾何学的形状に限定されず、本開示から逸脱することなく、圧入締結具502及び/又は構成要素504の穴506に任意の他の適切な形状/幾何学的形状を使用することができる。
【0064】
図6A及び
図6Bは、本開示の態様に係る、回路基板602を構成要素606に固定するように構成された複数の圧入締結具604を含むバスバー601の一実施形態を示す。
図6Aは、第1の状態におけるバスバー601の上面図である。
図6Bは、圧入締結具604が回路基板602及び構成要素606のスタンドオフ612の穴608及び610に挿入する前に折り曲げられたバスバー601の斜視図である。
図6Aは、バスバー601に接続された曲げ前の圧入締結具604を示す。
【0065】
図6Aに示されるように、バスバー601は、複数の圧入締結具604を含む。図示の実施形態に示すように、バスバー601及び圧入締結具604は、同じ材料から形成されてもよい。例えば、このバスバー601及び圧入締結具604は、
図6Aに示す形状を形成するために、単一片の金属薄板から切断することができる。バスバー601は、圧入締結具604が
図6Bに示すように下方向を向くように、複数の曲げ線(図示せず)に沿って曲げることができる。圧入締結具604のそれぞれは、回路基板602及びスタンドオフ612に形成された対応する穴608及び610に挿入することができ、それによって回路基板602を構成要素606に固定することができる。冷間溶着は、締結具と穴との干渉で発生し得る。構成要素606は、特定の用途ではヒートシンクとすることができる。
【0066】
圧入締結具604のそれぞれは、穴608及び610の一方に挿入されたときに圧縮されるように構成された2つのアイレットを有することができる。穴608及び610に挿入されるときのアイレットの圧縮により、圧入締結具604は、弾性変形して、穴608及び610に力を及ぼすことができ、それにより、圧入締結具604を穴608及び610内に維持するのを助け、それによって回路基板602を構成要素606に固定する。幾つかの実施形態では、アイレットのそれぞれの形状は、針のアイの形状と実質的に同様であってもよい。
【0067】
図7A~
図7Cは、本開示の態様に係る電気端子又は摺動端子として使用するように構成された圧入締結具702の実施形態を示す。
図7A、
図7B、及び
図7Cに示されるように、圧入締結具702は、本体(又は頭部)704と、それぞれが2つのアイレットを含む複数の下側部分706、例えば、図示の実施形態では3つの下側部分706とを含む。
図7Cに示されるように、下側部分706のそれぞれは、回路基板708及び構成要素710にそれぞれ形成された対応する穴712及び714に挿入することができる。圧入締結具702は、回路基板708と構成要素710との間に電気接続を形成するために使用することができ、圧入締結具702の本体704は、電気端子又は接地点(例えば、コネクタハーネス用、フレキシブルプリント回路基板アセンブリ(FPCBA)/リボンケーブルなど)として機能することができる。特定の用途では、構成要素710は第2の回路基板とすることができる。圧入締結具702は、そのような用途において回路基板間の電気接続をもたらすことができる。
【0068】
図8A~
図8Cは、本開示の態様に係る電気端子又は摺動端子として使用するように構成された圧入締結具802の別の実施形態を示す。
図8A、
図8B、及び
図8Cに示される圧入締結具802の実施形態は、異なる形状の本体804及び異なる数の下側部分806(例えば、
図8A~
図8Cに示す実施形態では2つである)を有する、
図7A~
図7Cの実施形態と実質的に同様であってもよい。圧入締結具802の本体804は、接地点又は電気コネクタに接続するように成形することができる。本体804は、一般にフォーク状に尖っている。下側部分806のそれぞれは、回路基板808及び構成要素810に形成された対応する穴812及び814に挿入されてもよい。特定の用途では、構成要素810は第2の回路基板とすることができる。圧入締結具802は、そのような用途において回路基板間の電気接続をもたらすことができる。
結論
【0069】
前述の開示は、本開示を開示された正にその形態又は特定の使用分野に限定しようとするものではない。したがって、本明細書中に明示的に記載されるか又は暗示されるかにかかわらず、本開示に対する様々な別の実施形態及び/又は修正が本開示に照らして想定し得ると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者であれば分かるように、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を行うことができる。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0070】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者であれば分かるように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。したがって、この説明は、例示と見なされるべきであり、開示された圧入締結具アセンブリの様々な実施形態を作製及び使用する態様を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解すべきである。同等の要素、材料、プロセス、又は、ステップが、ここで典型的に図示されて説明されるものと置き換えられてもよい。更に、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を受けた後に当業者に明らかであるように、他の特徴の使用とは無関係に利用されてもよい。本開示を説明して特許請求の範囲に記載するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「から成る(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な態様で解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素又は要素も存在できるようにすることを意図している。また、単数形への言及は、複数形にも関連すると解釈されるべきである。
【0071】
更に、本明細書に開示される様々な実施形態は、例示的且つ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。全ての結合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような接合についての言及は、必ずしも2つの要素が互いに直接接続されているとは限らない。更に、これらに限定されないが、「第1」、「第2」、「第3」、「一次」、「二次」、「主」などの全ての数値的用語或いは任意の他の通常の及び/又は数値的な用語も、本開示の様々な要素、実施形態、変形及び/又は修正についての読者の理解を助けるための識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、他の要素、実施形態、変形及び/又は修正に対する又はそれを超える任意の要素、実施形態、変形及び/又は修正の順序又は選好に関していかなる制限をもたらし得ない。
【0072】
また、図面/図に描かれた要素のうちの1つ以上を特定の用途にしたがって有用であるようにより分離された又は統合された方法で実装することもでき或いは更には特定の場合には動作不能であるように除去する又はレンダリングすることもできるのが分かる。
【国際調査報告】