(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ガスアトマイザ
(51)【国際特許分類】
B22F 9/08 20060101AFI20240711BHJP
B01J 2/02 20060101ALI20240711BHJP
B01J 8/24 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B22F9/08 A
B01J2/02 A
B01J8/24 311
B01J8/24 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580470
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 IB2022055785
(87)【国際公開番号】W WO2023275674
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2021/055756
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボワシエール,バンジャマン
【テーマコード(参考)】
4G004
4G070
4K017
【Fターム(参考)】
4G004CA08
4G070AA01
4G070AB06
4G070BA10
4G070BB32
4G070CA06
4G070CA07
4G070CA09
4G070CA10
4G070CA12
4G070CA15
4G070CA19
4G070CB02
4G070CC03
4G070CC06
4G070DA21
4K017AA04
4K017BA01
4K017BA03
4K017BA05
4K017BA06
4K017BA10
4K017EB21
4K017EB27
4K017FA14
4K017FA21
(57)【要約】
本発明は、金属粉末を製造する方法であって、i)ガスアトマイザの微粒化チャンバに溶融金属を供給する工程と、(ii)金属粒子を形成するようにガスの噴射によって溶融金属を微粒化する工程と、(iii)金属粒子を微粒化チャンバからガスアトマイザの冷却チャンバに移す工程と、(iv)金属粒子の気泡流動床を形成するように冷却チャンバの底部からガスを噴射することによって冷却チャンバ内の金属粒子を冷却する工程と、を含む方法に関する。本発明はまた、そのガスアトマイザに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末を製造する方法であって、
(i)ガスアトマイザ(1)の微粒化チャンバ(2)に溶融金属を供給することと、
(ii)金属粒子を形成するようにガスの噴射によって溶融金属を微粒化することと、
(iii)金属粒子を微粒化チャンバからガスアトマイザの冷却チャンバ(38)に移すことと、
(iv)金属粒子の気泡流動床(49)を形成するように冷却チャンバの底部からガスを噴射することによって冷却チャンバ内の金属粒子を冷却することと、
を含む方法。
【請求項2】
工程(ii)、(iii)及び(iv)は同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(iv)において、金属粒子は300℃未満に冷却される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
工程(iv)において、噴射されたガスは、抽出され、冷却され、再噴射される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
冷却チャンバから金属粒子を連続的に排出する工程(v)を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
排出された金属粒子を分級ステーションに輸送する工程(vi)を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
排出された金属粒子は流動床(24)の形態で輸送される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(ii)と(iii)との間に、金属粒子の気泡流動床(15)を形成するように、金属粒子は、微粒化チャンバの底部からガスを噴射することによる微粒化チャンバ内での第1の冷却工程を経る、追加の工程を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
微粒化チャンバ及び冷却チャンバ内の冷却工程は、異なるガスを用いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ガスアトマイザ(1)であって、
微粒化チャンバ(2)と、微粒化チャンバの底部に接続された冷却チャンバ(38)と、冷却チャンバの底部(41)に配置されたガス噴射器(40)と、冷却チャンバ内に蓄積される金属粒子を流動化し、金属粒子の気泡流動床(49)を形成するためにガス噴射器に結合された流量調整器(43)と、を備えるガスアトマイザ(1)。
【請求項11】
冷却チャンバの底部(41)とガス噴射器(40)との間の距離は、好ましくは10cm未満である、請求項19に記載のガスアトマイザ。
【請求項12】
冷却チャンバの下部に配置された熱交換器(47)を更に備える、請求項10又は11のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項13】
冷却チャンバの下部にオーバーフロー部(50)を更に備える、請求項10~12のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項14】
冷却チャンバの上部にガス抽出器(45)を更に備える、請求項10~13のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項15】
ガス抽出器(45)は、アトマイザ内のガス再循環のためにガス噴射器(40)に接続されている、請求項14に記載のガスアトマイザ。
【請求項16】
ガス抽出器(45)とガス噴射器(40)との間の接続部は、熱交換器(47)を備える、請求項15に記載のガスアトマイザ。
【請求項17】
微粒化チャンバ(2)の底部(7)に配置されたガス噴射器(6)と、金属粒子を流動化して微粒化チャンバの下部に蓄積させ、金属粒子の気泡流動床(15)を形成するために、ガス噴射器(6)に結合された流量調整器(9)と、を更に備える、請求項10~16のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項18】
請求項10~17のいずれか一項に記載のガスアトマイザ(1)と、コンベヤ(22)であって、ガスを循環させるための下部ダクト(25)と、粉末材料を循環させるための冷却チャンバに接続された上部ダクト(26)と、下部ダクトと上部ダクトとを実質的に全長にわたって分離する多孔質壁(27)とを具備するコンベヤ(22)と、を備える設備。
【請求項19】
コンベヤ(22)の下部ダクト(25)は、流動化ガス入口(29)と、流量調整器(28)とを備え、流量調整器(28)は、冷却チャンバから排出される金属粒子を流動化し、上部ダクト(26)内に金属粒子の流動床(24)を形成するために流動化ガス入口に結合されている、請求項18に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属粉末の製造のためのガスアトマイザに関し、特に積層造形のための鋼粉末の製造のためのガスアトマイザに関する。また、本発明は、ガスアトマイズ法による金属粉末の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形のための金属粉末に対する需要が高まっており、製造プロセスを結果的に適合させなければならない。
【0003】
特に、金属材料を溶融し、その溶融金属をアトマイザに接続されたタンディッシュに注ぐことが知られている。溶融金属は、制御された雰囲気下でチャンバ内のノズルを通って押し出され、ガスのジェットと衝突して、それにより溶融金属が微細な金属液滴に微小化される。後者は、固化して微粒子となってチャンバの底部に落下し、溶融金属が完全に微粒化されるまでそこに蓄積する。次いで、粉末は、あまり急速に酸化することなく空気と接触することができる温度に達するまでアトマイザ内で冷却される。次いで、アトマイザを開いて粉末を回収する。このような冷却は、大量の金属粉末を製造する必要性とは両立し得ない長いプロセスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、得られた粉末をアトマイザ内で急速に冷却することができるガスアトマイザを提供することによって、従来技術の設備及びプロセスの欠点を改善することである。
【0005】
また、上述の従来技術によるプロセスは、連続モードで大量の金属粉末を製造する必要性と両立し得ないバッチプロセスである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、得られた粉末を、微小化を中断することなくアトマイザから排出することができるガスアトマイザを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の第1の主題は、金属粉末を製造する方法であって、
-(i)ガスアトマイザの微粒化チャンバに溶融金属を供給することと、
-(ii)金属粒子を形成するようにガスの噴射によって溶融金属を微粒化することと、
-(iii)金属粒子を微粒化チャンバからガスアトマイザの冷却チャンバに移すことと、
-(iv)金属粒子の気泡流動床を形成するように冷却チャンバの底部からガスを噴射することによって冷却チャンバ内の金属粒子を冷却することと、
を備える方法からなる。
【0008】
本発明による方法はまた、個別に又は組み合わせて考慮される、以下に列挙される任意選択の特徴を有し得る。
-溶融金属は、溶鉱炉経路を経て得られる鋼である。
-溶融金属は、電気アーク炉経路を経て得られる鋼である。
-工程(ii)、(iii)及び(iv)は同時に行われる。
-工程(iv)において、金属粒子は300℃未満に冷却される。
-工程(iv)において、噴射されたガスは、抽出され、冷却され、再噴射される。
-ガスは50℃未満に冷却される。
-本方法は、冷却チャンバから金属粒子を連続的に排出する工程(v)を更に備える。
-連続的な排出はオーバーフロー部を介してなされる。
-本方法は、排出された金属粒子を分級ステーションに輸送する工程(vi)を更に備える
-排出された金属粒子は流動床の形態で輸送される。
-本方法は、工程(ii)と(iii)との間に、金属粒子の気泡流動床(15)を形成するように、金属粒子が、微粒化チャンバの底部からガスを噴射することによる微粒化チャンバ内での第1の冷却工程を経る、追加の工程を更に備える。
-微粒化チャンバ及び冷却チャンバ内の冷却工程は、異なるガスを用いて行われる。
【0009】
本発明の第2の主題はガスアトマイザからなり、ガスアトマイザは、微粒化チャンバと、微粒化チャンバの底部に接続された冷却チャンバと、冷却チャンバの底部に配置されたガス噴射器と、冷却チャンバ内に蓄積される金属粒子を流動化し、金属粒子の気泡流動床を形成するためにガス噴射器に結合された流量調整器と、を備える。
【0010】
本発明によるガスアトマイザはまた、個別に又は組み合わせて考慮される、以下に列挙される任意選択の特徴を有し得る。
-ガス噴射器は、冷却チャンバの底壁に開口部を備える。
-冷却チャンバの底部とガス噴射器との間の距離は、好ましくは10cm未満である。
ガス噴射器はスパージャである。
-ガスアトマイザは、冷却チャンバの下部に配置された熱交換器を更に備える。
-ガスアトマイザは、冷却チャンバの下部にオーバーフロー部を更に備える。
-オーバーフロー部は、冷却チャンバの下部内に少なくとも部分的に延在し、冷却チャンバの底壁を貫通するパイプである。
-冷却チャンバの外側のオーバーフロー部の部分はガス入口を備える。
-ガスアトマイザは、冷却チャンバの底部に粗粒子コレクタを更に備える。
-ガスアトマイザは、冷却チャンバの上部にガス抽出器を更に備える。
-ガス抽出器は、チャンバから抽出されたガスを除塵するためのサイクロン分離器を備える。
-ガス抽出器は、アトマイザ内のガス再循環のためにガス噴射器に接続される。
-ガス抽出器とガス噴射器との間の接続部は熱交換器を備える。
-ガスアトマイザは、霧化チャンバの底部に配置されたガス噴射器と、金属粒子を流動化して霧化チャンバの下部に蓄積させ、金属粒子の気泡流動床を形成するために、ガス噴射器に結合された流量調整器と、を更に備える。
【0011】
本発明の第3の主題は、本発明によるガスアトマイザと、コンベヤと、を備える設備からなり、コンベヤは、ガスを循環させるための下部ダクトと、粉末材料を循環させるための冷却チャンバに接続された上部ダクトと、下部ダクトと上部ダクトとを実質的にそれらの全長にわたって分離する多孔質壁と、を備える。
【0012】
本発明による設備は、任意選択的に、コンベヤの下部ダクトは、流量調整器を備えてもよく、流量調整器は、流動化ガス入口と、冷却チャンバから排出される金属粒子を流動化し、上部ダクト内に金属粒子の流動床を形成するために、流動化ガス入口に結合されている。
【0013】
明らかなように、本発明は、アトマイザチャンバに隣接する冷却チャンバ内の粉末を効率的に冷却するための流動床の技術に依拠している。冷却チャンバの下部にオーバーフロー部が付加された場合、微粒化工程を中断することなく、アトマイザから流動化した粉末を連続的に排出することができる。
【0014】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明においてより詳細に説明される。
【0015】
本発明は、以下の説明を読むことによってよりよく理解されるであろう。以下の説明は、単に説明の目的で提供されており、いかなる形であれ限定的であることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の変形例によるガスアトマイザを示す。
【
図3】
図3は、本発明の別の変形例によるガスアトマイザを示す。
【
図4】
図4は、本発明の第1の変形例による2つのアトマイザと1つのコンベヤを備える設備を示す。
【
図5】
図5は、本発明の第2の変形例による2つのアトマイザと1つのコンベヤを備える設備を示す。
【
図6】
図6は、本発明の別の変形例によるガスアトマイザを示す。
【
図7】
図7は、本発明の別の変形例によるガスアトマイザを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願で使用される「上部」、「下部」、「下方」、「上方」、「頂部」、「底部」、「上流」、「下流」、...という用語は、装置がプラントに設置されるときの装置の異なる構成要素の位置及び向きを指すことに留意されたい。
【0018】
図1を参照すると、ガスアトマイザ1は、液体金属の流れを高速ガス流と衝突させることによって微細な金属液滴に微小化するように設計された装置である。ガスアトマイザ1は、保護雰囲気下に維持された密閉型の微粒化チャンバ2から主に構成される。チャンバは、上部、下部、頂部及び底部を有する。
【0019】
チャンバの上部はオリフィスを備え、ノズル3は通常、チャンバ頂部の中心に配置され、そこを通って溶融金属流が押し出される。ノズルは、液体金属の流れに高速でガスを噴射するためのガス噴射器4によって囲まれている。ガス噴射器は、加圧ガスが流れる環状スロットであることが好ましい。ガス噴射器は、好ましくは、ガスを噴射する前にガスの流れ及び/又は圧力を制御するガス調整器5に結合される。ガス調整器は、圧縮機、ファン、ポンプ、パイプ断面の縮小、又は任意の適切な機器とすることができる。
【0020】
ガスアトマイザ1は、好ましくは、ガス噴出器4を介したガス噴射を補償するためにガス抽出器11を備える。ガス抽出器は、好ましくは、微粒化チャンバの上部に配置される。ガス抽出器は、一方の側で微粒化チャンバに接続され、他方の側で除塵手段12に接続された一本のパイプ又は複数のパイプの形態であってもよい。除塵手段は、抽出されたガスから最も微細な粒子を除去する。それらは、電気フィルタ、バッグフィルタ、多孔質金属フィルタ又はサイクロン分離器を備えることができる。サイクロン分離器は、圧力降下が比較的低く、可動部分がないので好ましい。
【0021】
好ましくは、ガス抽出器11は、チャンバ内に噴射され、ガス抽出器を介して抽出されたガスを再循環させることができるように設計される。その結果、ガス消費が最小限に抑えられる。したがって、ガス抽出器は、ガス噴出器4に接続されることが好ましい。特に、一方の側で微粒化チャンバに接続された除塵手段12は、他方の側で、ガス噴出器4に結合されたガス調整器5に接続される。
【0022】
ガス抽出器11とガス噴出器4との間の接続部は、好ましくは熱交換器13を備える。その結果、接続部の熱損失がガスを所望の温度に戻すのに十分でない場合、および/又は熱回収が所望される場合には、溶融金属流上に噴射されるべき温度までガスを冷却することができる。
【0023】
ガス抽出器11とガス噴出器4との間の接続部はまた、幾らかの新鮮なガスを、特にガス損失を補償するために、システムに導入しなければならない場合に備えて、ガス入口10を備えていてもよい。
【0024】
チャンバの下部は、主に、チャンバの上側セクションから落下する金属粒子を回収するためのレセプタクルである。これは通常、チャンバの底部に配置された排出開口部を通した粉末の回収及び排出を容易にするように設計されている。したがって、それは通常、逆円錐又は逆円錐台形の形態である。
【0025】
チャンバの下部は、少なくとも1つの冷却チャンバ38に接続される。この冷却チャンバは、上部、下部、頂部及び底部を有する。接続部は、好ましくは、微粒化チャンバの底部を冷却チャンバの下部に接続する。接続部は、微粒化チャンバの排出開口を冷却チャンバに接続するパイプ39の形態とすることができる。パイプは、
図1に示すように、微粒化チャンバ内のガスの逆流を最小限に抑えるために、冷却チャンバの下部に接続されることが好ましい。パイプは、金属粒子の流れを制御するために、機械弁又は空気圧弁のいずれかの弁を備えることができる。
【0026】
冷却チャンバは、チャンバの底部に配置され、チャンバの下部に蓄積される金属粒子を流動化することができ、金属粒子の気泡流動床を形成することができるガス噴射器40を備える。この流動床のおかげで、微粒化チャンバから冷却チャンバに移送された金属粒子は、強力なガス粒子間熱伝達によってそれらの酸化窓より下に効率的に冷却される。冷却チャンバの下部に蓄積した金属粒子は冷却された状態に維持され、微粒化チャンバから排出された高温粒子は、流動床内で非常に急速に混合され、冷却される。更に、冷却は保護雰囲気中で行うことができるので、金属粒子はそれらを冷却する間に酸化しない。
【0027】
図2に示すように、流動化には複数のレジームがある。流動化とは、固体粒子を気体や液体に懸濁させて流体状にする操作である。流体速度に応じて、粒子の挙動は異なる。本発明の1つとしての気体-固体系では、流速が増加するにつれて、粒子の床は固定床から最小流動化、気泡流動化、及びスラッギングへと進み、そこで撹拌がより激しくなり、固体の移動がより激しくなる。特に、最小流動化を超える流速の増加に伴って、ガスの気泡及びチャネリングによる不安定性が観察される。この段階では、流動床は気泡レジームであり、これは、流動床内の固体粒子の良好な循環、急速な冷却、及び均一な温度を有するために本発明に必要なレジームである。所与のレジーム及び流動床の所望の温度を得るために適用されるガス速度は、使用されるガスの種類、粒子のサイズ及び密度、ガス噴射器によってもたらされるガス圧力降下又はチャンバのサイズなどの複数のパラメータに依存する。これは、当業者によって容易に管理され得る。更に、気泡レジームでは、床は、設備を妥当なサイズに保つのに役立つ固体体積を超えて大きく膨張しない。気泡流動床の概念は、Daizo Kunii及びOctave Levenspielによる「Fluidization Engineering」、第2版、1991年、特に序論の第1頁及び第2頁に定義されている。
【0028】
気泡流動床のおかげで、流動床の他のレジームとは対照的に、金属粒子は、流動床内で粒径の均一な分布を維持しながら、流動床の作業温度まで非常に迅速且つ非常に効率的に冷却される。その結果、金属粒子の冷却を助けるために粉末状の冷却剤を使用する必要がない。
【0029】
本発明の文脈において、「チャンバの底部に配置される」とは、ガス噴射器40がチャンバの下部においてチャンバの底部41に十分に近接して配置され、その結果、微粒化チャンバから冷却チャンバに移送される実質的にすべての粒子が流動化されることを意味する。初期の非微粒化金属流及び/又は粗粒子から生じる凝固したスプラッシュは、流動化されずに、ガス噴射器の下、すなわち流動床の下に落下する場合がある。冷却チャンバの底部とガス噴射器との間の距離は、好ましくは10cm未満、より好ましくは4com未満、更により好ましくは1~3cmである。
【0030】
ガス噴射器40は、冷却チャンバの底部の粒子が持ち上げられて流動床が形成されるように、冷却チャンバの底部からチャンバの上部に向かってガスを噴射する。
【0031】
ガス噴射器は、チャンバの底壁に開口部を備えることができる。ガスをこれらの開口部を通して噴射して、粉末床を流動化することができる。
【0032】
ガス噴射器は、チャンバの側壁を貫通するパイプ42を備えることができる。チャンバの内側に配置されたガス噴射器の一部は、
図1に示す例に示すように、近い距離で底壁の形状に追従することができる。
【0033】
ガス噴射器は、多孔質金属板、焼結金属板又はキャンバスを備えることができる。ガス噴射器は、好ましくはスパージャを備え、スパージャは、噴射されたガスの分散をもたらすために多数の小さな穴が穿孔されたパイプなどの部品である。スパージャは、十分な圧力損失をもたらすので、10cm/sを超えるガス速度において好ましい。スパージャは、より好ましくは多孔質スパージャである。この種のスパージャは、数千の小さな孔によって金属粒子の床内のガスの分配を確実にする。
【0034】
各スパージャは、アトマイザが動作している間にスパージャをアトマイザに挿入したり取り外したりすることを可能にするグロメットシール(圧縮取付具)を備えることができる。
【0035】
ガス噴射器は流量調整器43に結合されている。後者は、チャンバの断面が既知であるため、ガス噴射器を介して噴射されるガスの流れ、ひいては冷却チャンバ内のガスの速度を制御する。したがって、ガス流は、金属粒子が流動化され、得られた流動床が気泡レジームで維持されるように調整されることができる。ガス調整器は、ファンの形態であってもよい。ファンの速度は、ガス噴射器によって噴射されるガスの流れを制御するように調整される。流量調整器は、ガス源に接続される。ガス源は、以下に説明するように、新鮮なガスを流入させるように設計されたガス入口44及び/又は再循環ガスを供給するガス抽出器とすることができる。
【0036】
冷却チャンバ38は、好ましくは、ガス噴射器40によるガス噴射及び微粒化チャンバ2から来る可能性のあるガスを補償するためのガス抽出器45を備える。ガス抽出器は、好ましくは、流動床と干渉しないように、且つ/又は気泡の飛散により流動床上の粒子が、ガス抽出器内で粒子を吸引する高速ガス速度領域に到達する前に、重量により流動床内に戻るように、チャンバの上部に配置される。ガス抽出器は、一方の側でチャンバに接続され、他方の側で除塵手段46に接続された一本のパイプ又は複数のパイプの形態であってもよい。後者は、先に詳述したように、微粒化チャンバの除塵手段12と同じ任意選択の特徴を有する。
【0037】
好ましくは、ガス抽出器45は、冷却チャンバ内に噴射され、ガス抽出器を通して抽出されたガスを再循環させることができるように設計される。その結果、ガス消費が最小限に抑えられる。したがって、ガス抽出器は、好ましくはガス噴射器40に接続される。特に、一方の側で冷却チャンバに接続された除塵手段46は、他方の側でガス噴射器40に結合された流量調整器43に接続される。
【0038】
ガス抽出器45とガス噴射器40との間の接続部は、好ましくは熱交換器47を備える。その結果、接続部の熱損失がガスを所望の温度に戻すのに十分でない場合に備えて、且つ/又は熱回収が所望される場合には、チャンバ内に噴射されるべき温度までガスを冷却することができる。
【0039】
ガス抽出器45とガス噴射器40との間の接続部はまた、何らかの新鮮なガスを、特にガス損失を補償するため、又は純度を高めるためにシステムに導入しなければならない場合に備えて、ガス入口44を備えていてもよい。
【0040】
本発明の一変形例によれば、ガスアトマイザは、チャンバの下部に配置された熱交換器48を更に備える。これは、冷却チャンバ内に形成された気泡流動床49が熱交換器と接触するように配置される。熱交換器は、冷却チャンバ内に少なくとも部分的に配置することができ、又は冷却チャンバの下部の周りの冷却ジャケットとすることができる。ガス噴射器40によるガスの噴射によって動き続けた固体粒子は、熱交換器と接触し、そこで内部を循環する伝達媒体に熱を放出する。熱交換器内の媒体の流量を調整して、冷却速度を制御することができる。このような熱交換器は、流動床内の粒子を冷却して所望の温度に粒子を保持することを容易にする。熱交換器はまた、粒子を所望の温度に冷却又は維持するために必要なガスの流れを減少させることができる。
【0041】
本発明の一変形例によれば、ガスアトマイザ1は、冷却チャンバの底部の下に粗粒子回収器16を更に備える。上記のように、初期の非微粒化金属流及び/又は粗粒子から生じる凝固したスプラッシュは流動化されずに、チャンバの底部でガス噴射器の下、すなわち流動床の下に落下する場合がある。粗粒子回収器は、微粒化を中断することなくアトマイザからのこれらの望ましくない粒子の排出を可能にする。粗粒子回収器は、好ましくは弁17及び回収チャンバ18を備える。回収チャンバは、第2のバルブを介して可動チャンバに接続することができる。このようにして、チャンバ内の圧力を損なうことなく可動チャンバを交換することができる。
【0042】
本発明の一変形例によれば、金属粒子が生成され、流動床によって冷却されると、金属粒子は、冷却チャンバの底部に配置された排出開口部を通して排出される。これは、溶融金属のバッチが冷却された時点で、又は排出開口部の技術に応じて冷却を中断することなく行うことができる。
【0043】
本発明の別の変形例によれば、ガスアトマイザは、冷却チャンバ38の下部にオーバーフロー部50を備える。その目的は、冷却チャンバから粉末を排出することである。特に、冷却チャンバの下部の流動化粉末は、流動床のレベルがオーバーフロー部50の上部に到達するとすぐに、連続モードでガスアトマイザから排出されることができる。したがって、アトマイザを連続的に運転することができる。
【0044】
オーバーフロー部50は、好ましくは、冷却チャンバの下部内に少なくとも部分的に延在し、チャンバの底壁41を貫通する。それは下降管の形態とすることができる。より好ましくはパイプである。その断面は、好ましくは、チャンバから排出される粉末流に適合している。具体的には、その断面は、冷却チャンバに入る金属粒子の流れに適合しているので、経時的にチャンバの下側部分に粉末は蓄積しない。アトマイザ内に形成されたより粗い粒子が冷却チャンバの底部に回収される場合、オーバーフローの断面は、好ましくは冷却チャンバに入る金属粒子の流れに適合され、より粗い粒子は取り除かれる。金属粉末の均一な排出を促進し、目詰まりを回避するために、パイプの断面は、好ましくは一定であり、すなわちパイプに沿って又はその上端で縮小しない。本発明の1つの変形例では、オーバーフロー部、又は適応可能であればパイプは、チャンバから排出される粉末流を調整するためのバルブを備える。本発明の1つの変形例では、オーバーフロー部の下端は、アトマイザの外側から内側へのガスの流れを更に制限するために縮小された断面を有する。
【0045】
オーバーフロー部の高さは、オーバーフロー部の頂部とチャンバの底部との間の垂直距離、すなわち、チャンバ内に延びるオーバーフロー部の部分の垂直長さとして画定される。オーバーフロー部の高さは、流動床の容積が金属粉末を所望の温度に冷却するのに十分な大きさになるように設定されることが好ましい。流動床の容積は、実際には、実質的に、チャンバの下部の断面及びオーバーフロー部の高さによって規定される。オーバーフロー部の高さが低い場合、流動床の容積は小さく、流動床における粒子の滞留時間は短い。その結果、排出された粒子は依然として熱い。オーバーフロー部の高さが非常に高い場合、流動床の容積は大きく、流動床中の粒子の滞留時間は長い。その結果、排出された粒子は冷えている。これらの原理に基づいて、当業者は、チャンバの寸法及び排出される粒子の所望の温度に応じてオーバーフロー部の高さを選択することができる。本発明の1つの変形形態では、オーバーフロー部、又は適応可能であればパイプは、特に粉末の冷却とその結果としてのチャンバから排出される粉末の温度を調整するため、又はチャンバを空にするために、オーバーフロー部の高さをオンザフライで調整できるような高さ調整手段を備える。
【0046】
オーバーフロー部のおかげで、流動床内の粒子の滞留時間は、粒子のサイズに関係なく均一であり、チャンバの底部のバルブ又はパイプなどの他の方法とは対照的に、より粗い粒子は最初に且つ所望の温度に冷却される前に排出される。更に、オーバーフロー部を通ってチャンバから出るガスの量が少ないので、噴射されたガスの大部分は、床を流動化するために使用され、これが非常に安定した流動床に寄与する。更に、オーバーフロー部は、機械的部品ではなく、粒子によるその摩耗は制限される。
【0047】
本発明の一変形例によれば、オーバーフロー部50は、ハット51によって覆われている。これにより、チャンバの上部から落下する溶銑粉が、直接オーバーフロー部に入ることが防止される。ハットは、オーバーフロー部を通って排出される粉末の流れを妨げないように、オーバーフロー部の頂部の上方に十分に高く配置される。
【0048】
本発明の一変形例によれば、オーバーフロー部50、好ましくはチャンバの外側のオーバーフロー部の一部は、ガス入口52を更に備える。その結果、ガス、好ましくは冷却チャンバ内の粉末を流動化するために使用されるガスをオーバーフロー部に噴射することができる。これは、排出粉末を流動形態に保つのに役立ち、オーバーフロー部の下流の雰囲気がチャンバに入るのを防ぐ。
【0049】
図3に示す一変形例によれば、アトマイザは、微粒化チャンバ2、好ましくは微粒化チャンバの底部に接続された複数の冷却チャンバ38を備える。微粒化チャンバの底部に配置された方向転換バルブのおかげで、微粒化チャンバ内に形成された金属粒子を1つの冷却チャンバや別の冷却チャンバへ移送することができる。連続的に作動するアトマイザを用いて連続的に製造された異なる金属組成物を選別することは容易な方法である。
【0050】
図示されていない別の変形例によれば、冷却チャンバは、多段流動床を備える。その場合、少なくとも1つの水平多孔質床は、冷却チャンバの内部を異なる区画に分割する。後者は、前述のオーバーフロー部50と同様にオーバーフロー部によって互いに接続されている。ガス噴射器40から噴射されたガスは、まず、冷却チャンバの底部に溜まった金属粒子を流動化させた後、多孔質床を通過し、多孔質床に溜まった金属粒子を流動化させる、といった具合である。言い換えると、微粒化チャンバから排出された金属粒子は、多孔質床に落下し、流動床の第1段で第1の冷却工程を受ける。次いで、金属粒子はオーバーフロー部を通ってより低いレベルに排出され、そこで流動床の第2段で第2の冷却工程を受ける、といったことが、金属粒子が冷却されてオーバーフロー部50を通って冷却チャンバから排出されるまで続く。多孔質床は、多孔質材料から作製することができ、又は多孔板若しくは粒子が下部に落下するのを防止する任意のシステムとすることができる。このような多段流動床は、冷却工程のエネルギー効率を向上させる。
【0051】
オーバーフロー部を通って冷却チャンバから排出された粉末は、チャンバ若しくは容器の中に、又はコンベヤ22によって回収することができる。コンベヤは、ガスアトマイザ1を備える設備の一部である。好ましくは、コンベヤは、粉末を分級ステーション23及び/又は袋詰めステーションに輸送する。コンベヤは、特に真空空気圧コンベヤ、圧力コンベヤ又は吸引圧力コンベヤとすることができる。
【0052】
図4及び
図5に示す本発明の一変形例によれば、冷却チャンバ38から排出された粉末は、流動床24、好ましくは気泡流動床の形態で輸送される。この種の輸送は、最小限の換気電力しか必要とせず、ダスト排出を防止することができ、連続運転を確保することができるので有利である。
【0053】
コンベヤ22は、好ましくは、流動化ガスを循環させるための下部ダクト25と、粉末を循環させるための上部ダクト26と、下部ダクトと上部ダクトとを実質的にそれらの全長にわたって分離する多孔質壁27とを備える。
【0054】
多孔質壁は、流動化ガスを通過させる。そのような多孔質壁は、ガスが多孔質壁を通過するときに十分な圧力降下があり、上部ダクトの断面全体にわたってガスの均一な分布を確実にするように設計される。多孔質壁は、多重キャンバス布又は多孔質耐火物とすることができる。
【0055】
下部ダクトには、流量調整器28に連結された流動化ガス入口29によって流動化ガスが供給される。流動化ガス入口は、流動化ガス入口導管の形態であってもよく、流量調整器は、ファンの形態であってもよい。流量調整器は、多孔質壁の表面が既知であるため、下部ダクト内に噴射されるガスの流れ、ひいては上部ダクト内のガスの速度を制御する。したがって、ガス流は、上部ダクト内の金属粒子が流動化されるように調整することができる。流量調整器がファンである場合、その速度は、下部ダクト内に噴射される流動化ガスの流れを制御するように調整される。流量調整器は、ガス源に接続される。ガス源は、新鮮なガスを入れるように設計されたガス入口及び/又は再循環ガスを供給する導管とすることができる。
【0056】
上部ダクトの断面全体にわたるガスのこの均一な分布のおかげで、コンベヤ全体に対してただ1つの流量調整器28を使用することができる。これにより、設置及びメンテナンスが簡単になる。
【0057】
コンベヤ22は、上部ダクト26の頂部に、上部ダクト内の流動化ガスの圧力を調整できるように、少なくとも1つの圧力弁30を備える。圧力弁は、好ましくは、サイクロンボックス32内に配置されたサイクロン31などのフィルタを介して上部ダクトに接続される。そのようにして、圧力弁を通って上部ダクトから出る流動化ガスは濾過される。すなわち、流動化ガスの流れによって引き込まれた床の粒子は、ガスから分離され、流動床に落下する。サイクロンボックスは、サイクロン内の粒子の引き込みを最小限に抑えるために、上部ダクトの上端の高さより上に配置されることが好ましい。
【0058】
好ましくは、コンベヤ22は、上部ダクトの長さに沿って分配された複数の圧力弁30を備える。これにより、流動床の上方での流動化ガスの水平循環が制限され、流動床が更に安定する。より好ましくは、複数の圧力弁は、ガスダム33と組み合わされる。各ダムは、上部ダクトの上部であって2つの連続する圧力弁30の間に横方向に配置される。これらのガスダムは、流動床の上方での流動化ガスの水平循環を更に制限する。
【0059】
コンベヤ22は、その端部の一方に、分級ステーション23及び/又は袋詰めステーション内の粉末を排出するためのコンベヤオーバーフロー部34を備える。コンベヤオーバーフロー部は、
図4に示すように、上部ダクトの端部に設けることができる。その場合、流動床のレベルがコンベヤオーバーフロー部のレベルに達するとすぐに、粉末は分級ステーション及び/又は袋詰めステーションに流れる。コンベヤオーバーフロー部は、
図5に示すように、コンベヤの端部の上方に配置することもできる。その場合、上向きパイプ35を介して上部ダクトに接続される。この場合のコンベヤからの粉体の排出方法については後述する。この構成は、コンベヤの下に完全に配置されない場合がある分級ステーション及び/又は袋詰めステーションに供給するのに非常に便利である。
【0060】
コンベヤ22は、好ましくはその他方の端部で、冷却チャンバのオーバーフロー部50に接続される。具体的には、オーバーフロー部の下端は、上部ダクト26に接続される。コンベヤは、複数のオーバーフロー部、ひいては複数のアトマイザに接続されることができる。その場合、オーバーフロー部はコンベヤの全長に沿って分布する。複数の圧力弁がある場合、それらは好ましくはオーバーフロー部の間に配置され、可能性としてガスダムは好ましくはオーバーフロー部に隣接してその上流に配置される。
【0061】
コンベヤ22は、好ましくは、粉末に関する限り、冷却チャンバのオーバーフロー部及びコンベヤのオーバーフロー部のみによって、また流動化ガスに関する限り、入口導管、好ましくは単一の圧力弁のみによって外部と連通する密閉型の装置である。
【0062】
コンベヤ22は、好ましくは水平である。これはまた、異なる部分から構成することもできる。これらの部分は、異なるレベルとすることができる。これにより、輸送は、現場の地形に容易に適合させることができる。
【0063】
コンベヤ22を動作させるために、流動化ガスは、コンベヤの下部ダクト25と上部ダクト26とを分離する多孔質壁27の下方に所与の流量で導入される。
【0064】
流動化ガスは、多孔質壁を通って流れ、次いで上部ダクト内に横たわる粒子の間を通過して、流動化される層を形成する。粒子間に存在する隙間空間内の流動化ガスの速度が十分に高くなるとすぐに、粒子は移動し、次いで持ち上げられ、各粒子は隣接する粒子との恒久的な接触点を失う。このようにして、上部ダクト内に流動床24が形成される。
【0065】
上部ダクト26内のオーバーフロー部50を通って冷却チャンバ38から排出された粉末は、コンベヤ内で流動状態に保たれる。これは流体のように挙動するので、上部ダクト内で水平の状態を維持し、コンベヤオーバーフロー部34で流動床をコンベヤから分級ステーション及び/又は袋詰めステーションに排出することによって、コンベヤに沿って粉末の連続的な流れが生成される。コンベヤオーバーフロー部が上部ダクトの端部に設けられている場合、流動床の高さがコンベヤオーバーフロー部の高さに達するとすぐに連続的な流れが得られる。コンベヤオーバーフロー部が上向きパイプ35によって上部ダクトに接続されている場合、上部ダクト内の流動化ガスの圧力は大気圧よりわずかに高く設定され、それにより、流動床は、コンベヤオーバーフロー部に至るまで、上向きパイプの中を上昇する。例えば、鋼粒子の場合、大気圧に対する過圧は、上向きパイプ1メートル当たり200~600mbarに設定することができる。
【0066】
オーバーフロー部50を通る粉末の供給が中断された場合、流動床のレベルは、コンベヤオーバーフロー部の高さに達するまでコンベヤ内で減少する。この時点で、コンベヤオーバーフロー部を通る流れは停止する。逆に、何らかの理由でコンベヤオーバーフロー部を一時的に閉じなければならない場合には、流動床のレベルはコンベヤ内で上昇する。その場合、流動床の高さが上部ダクトの上部に到達した場合にのみ、冷却チャンバのオーバーフロー部を通る粉末の供給を中断する必要があり得る。
【0067】
更に、このコンベヤによる粉末輸送は、非常に容易にオン及びオフすることができる。流動化ガスの入口をオン及びオフするだけでよい。
【0068】
粉末が十分に冷却されており、空気と接触して酸化しない場合、流動化ガスは空気とすることができる。粉末を大気から保護する必要がある場合、流動化はアルゴン又は窒素のような不活性ガスとすることができる。その場合、不活性ガスを再循環させることが好ましい。
【0069】
図6及び
図7に示す本発明の一変形例によれば、冷却チャンバと微粒化チャンバの両方に流動床を形成することができる。その結果、金属粒子は、同じガス又は異なるガスのいずれかを用いて、複数の工程で冷却することができる。
【0070】
この変形例では、ガスアトマイザは、ガス噴射器6を更に備え、ガス噴射器6は、微粒化チャンバの底部に配置され、微粒化チャンバの下部に蓄積される金属粒子を流動化することができ、金属粒子の気泡流動床を生成することができる。この流動床のおかげで、金属粒子は、強力なガス粒子間熱伝達によって第1の冷却工程を効率的に受ける。変形例として、冷却チャンバについて前述したような多段流動床を使用することができる。
【0071】
ガス噴射器6は、先に詳述したように、冷却チャンバのガス噴射器40と同じ任意選択の特徴を有する。
【0072】
ガス噴射器は流量調整器9に連結されている。チャンバの断面は既知であるため、後者は、ガス噴射器を介して噴射されるガスの流れ、ひいては微粒化チャンバ内のガスの速度を制御する。したがって、ガス流は、金属粒子が流動化され、得られた流動床が気泡レジームで維持されるように調整することができる。ガス調整器は、ファンの形態であってもよい。ファンの速度は、ガス噴射器によって噴射されるガスの流れを制御するように調整される。流量調整器は、ガス源に接続される。ガス源は、以下に説明するように、新鮮なガスを流入させるように設計されたガス入口10及び/又は再循環ガスを供給するガス抽出器とすることができる。
【0073】
ガスアトマイザ1は、好ましくは、ガス噴射器6を通るガス噴射を補償するためのガス抽出器11を、場合によっては前述のようにガス噴射器4に接続されたガス抽出器11に加えて備える。ガス抽出器は、冷却チャンバのガス抽出器45について上述したのと同様の理由で、微粒化チャンバの上部に配置されることが好ましい。ガス抽出器は、一方の側でチャンバに接続され、他方の側で除塵手段12に接続された一本のパイプ又は複数のパイプの形態であってもよい。後者は、先に詳述したように、冷却チャンバの除塵手段46と同じ任意選択の特徴を有する。
【0074】
好ましくは、ガス抽出器11は、チャンバ内に噴射され、ガス抽出器を介して抽出されたガスを再循環させることができるように設計される。その結果、ガス消費が最小限に抑えられる。したがって、ガス抽出器は、好ましくはガス噴射器6に接続される。特に、一方の側でチャンバに接続された除塵手段12は、他方の側でガス噴射器6に結合された流量調整器9に接続される。
【0075】
図6に示す例では、金属流にガスを噴射するために、サイクロン分離器の形態の1つの除塵手段12がガス調整器5に接続されており、その結果、金属を微粒化するためにチャンバ内に噴射されたガスが再循環される。サイクロン分離器の形態の別の除塵手段12は、チャンバの底部でガスを噴射するために流量調整器9に接続されており、その結果、粉末床を流動化するために使用されるガスが再循環される。いずれの場合も、再循環されるガスを洗浄するためにフィルタを追加することができる。ガス再循環の他の設計も当然可能である。
【0076】
ガス抽出器11とガス噴射器6との間の接続部は、好ましくは熱交換器13を備える。その結果、接続部の熱損失がガスを所望の温度に戻すのに十分でない場合に備えて、且つ/又は熱回収が所望される場合には、チャンバ内に噴射されるべき温度までガスを冷却することができる。
【0077】
ガス抽出器11とガス噴射器6との間の接続部はまた、何らかの新鮮なガスを、特にガス損失を補償するために、システムに導入しなければならない場合に備えて、ガス入口10を備えていてもよい。
【0078】
ガスアトマイザは、微粒化チャンバの下部に配置された熱交換器14を更に備えてもよい。この熱交換器は、先に詳述したように、冷却チャンバの熱交換器47と同じ任意選択の特徴を有する。
【0079】
本発明のこの変形例では、微粒化チャンバ2は、冷却チャンバ内に存在するガスがパイプを通って逃げるのを防止するために、例えば、Lバルブ、Hバルブ又はロータリーバルブなどのバルブを下端に備えるパイプ39を用いて冷却チャンバ38に接続することができる。あるいは、微粒化チャンバ2は、先に詳述したように、冷却チャンバのオーバーフロー部50と同様のオーバーフロー部19(
図7に示す)によって冷却チャンバ38に接続することができる。
【0080】
プロセスの観点から、冷却チャンバ38内の粉末の冷却は、金属粉末の製造プロセスであって、
-(i)ガスアトマイザ1の微粒化チャンバ2に溶融金属を供給することと、
-(ii)金属粒子を形成するようにガスの噴射によって溶融金属を微粒化することと、
-(iii)金属粒子を微粒化チャンバから冷却チャンバ38へ移すことと、
-(iv)金属粒子の気泡流動床49を形成するように冷却チャンバの底部からガスを噴射することによって冷却チャンバ内の金属粒子を冷却することと、
を含むプロセスのおかげで可能になる。
【0081】
好ましくは、このプロセスは、以下により詳細に説明されるように、金属粉末を連続的に製造するためのものである。
【0082】
微粒化される金属は、特に鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、鉄、合金であり得る。鋼には、特に炭素鋼、合金鋼及びステンレス鋼が含まれる。
【0083】
金属は、固体状態でアトマイザに供給され、ノズルを介してアトマイザに接続されたタンディッシュ内で溶融されることができる。金属はまた、前の工程で溶融され、タンディッシュに注がれることができる。
【0084】
本発明の一変形例によれば、微粒化される溶融金属は、溶鉱炉経路を通して得られる鋼である。その場合、銑鉄は、高炉から出鋼され、任意選択で溶銑脱硫ステーションに送られた後に、転炉(又は塩基性酸素炉の場合はBOF)に輸送される。溶鉄は、転炉内で精錬されて溶鋼を形成する。次いで、転炉からの溶鋼は、転炉から回収取鍋に出鋼され、好ましくは取鍋冶金炉(LMF)に移される。したがって、溶鋼は、特に脱酸によってLMF中で精錬することができ、溶鋼の一次合金化は、合金鉄又はケイ化物合金又は窒化物合金又は純金属又はそれらの混合物を添加することによって行うことができる。要求の厳しい粉末組成物を製造しなければならない特定の場合には、溶融鋼を真空タンク脱気装置(VTD)、真空酸素脱炭(VOD)容器又は真空アーク脱気装置(VAD)で処理することもできる。これらの装置は、特に水素、窒素、硫黄及び/又は炭素の含有量を更に制限することを可能にする。
【0085】
次いで、精錬された溶鋼は、複数の誘導炉に注がれる。各誘導炉は、他の誘導炉とは独立して運転されることができる。各誘導炉は、特に、他の誘導炉がまだ運転している間に、保守又は修理のために停止することができる。各誘導炉には、また、合金鉄、スクラップ、直接還元鉄(DRI)、ケイ化物合金、窒化物合金又は純元素を他の誘導炉とは異なる量で供給することもできる。
【0086】
誘導炉の数は、転炉から来る溶鋼又は取鍋冶金炉から来る精錬溶鋼の流れ及び/又はアトマイザの底部における鋼粉末の所望の流れに適合される。
【0087】
各誘導炉において、溶鋼の合金化は、合金鉄又はケイ化物合金又は窒化物合金又は純金属又はそれらの混合物を添加して、鋼組成を所望の鋼粉末の組成に調整することによって行われる。
【0088】
次いで、各誘導炉について、所望の組成の溶鋼を、少なくとも1つのガスアトマイザに接続された専用のリザーバに注ぐ。「専用」とは、リザーバが所与の誘導炉と対になっていることを意味する。とは言え、複数のリザーバを1つの所与の誘導炉の専用にすることは可能である。明確にするために、各誘導炉は、少なくとも1つのガスアトマイザに接続された少なくとも1つのリザーバによるそれ自体の製造流れを有する。このような並行した独立した製造流れにより、鋼粉末を製造するためのプロセスは汎用性があり、容易に連続化することができる。
【0089】
リザーバは、主に、大気制御が可能であり、溶鋼を加熱することが可能であり、加圧されることが可能な貯蔵タンクである。
【0090】
各専用リザーバ内の雰囲気は、溶鋼の酸化を回避するために、アルゴン、窒素又はそれらの混合物であることが好ましい。
【0091】
各リザーバに噴射された鋼組成は、その液相温度を超えて加熱され、その温度に維持される。この過熱により、アトマイザノズル3の目詰まりが防止される。また、溶融した組成物の粘度の低下は、サテライト粉末が無く、高い真球度を有し、適切な粒度分布を有する粉末を得るのに役立つ。
【0092】
最後に、専用のリザーバが加圧されると、溶鋼は、リザーバからリザーバに接続されたガスアトマイザのうちの少なくとも1つに流れることができる。
【0093】
本発明の別の変形例によれば、微粒化される金属は、電気アーク炉経路から得られる鋼である。その場合、スクラップ、金属鉱物及び/又は金属粉末などの原料が電気アーク炉(EAF)に供給され、制御された温度で溶融されて加熱された液体金属となり、不純物及び介在物が別個の液体スラグ層として除去される。加熱された液体金属は、EAFから取鍋、好ましくは受動的に加熱可能な取鍋に取り出され、精錬ステーションに移動され、そこで好ましくは誘導加熱精錬保持容器の中に入れられる。そこで、液体金属から炭素、水素、酸素、窒素及び他の望ましくない不純物を除去するために、真空酸素脱炭などの精錬工程が行われる。次いで、精錬された液体金属を含む取鍋を、制御された真空及び不活性雰囲気下で、アトマイザの加熱されたタンディッシュを含む密閉チャンバの上方に移すことができる。取鍋は供給導管に接続され、次いで、加熱されたタンディッシュに供給導管を通して精錬された液体金属が供給される。
【0094】
あるいは、精錬された液体金属を含む取鍋は、精錬ステーションから、制御された真空及び不活性雰囲気下でガスアトマイザの加熱されたタンディッシュと共に噴射領域を含むアトマイザステーションのドアに位置する別の誘導加熱された微粒化ホルダ容器に移される。次いで、誘導加熱された微粒化ホルダ容器は、受入エリアに導入され、そこで、真空及び雰囲気が噴射領域の1つに調整される。次いで、容器が噴射領域に導入され、液体金属が制御された速度で加熱されたタンディッシュに噴射され、アトマイザによって微粒化される。
【0095】
両方の変形例において、溶融金属は、制御された雰囲気下でチャンバ2内のノズル3を通って押し出され(工程(i))、微細な金属液滴に微小化するガスのジェットによって衝突される(工程(ii))まで、タンディッシュ内で微粒化温度に維持される。
【0096】
工程(ii)では、金属流を微粒化するためにガス噴出器4を通して噴射されるガスは、好ましくはアルゴン又は窒素である。これらはいずれも、溶融粘度を他のガス、例えば、ヘリウムよりもゆっくりと上昇させ、これにより、より小さい粒径の形成が促進される。これらはまた、化学的性質の純度を制御し、望ましくない不純物を回避し、粉末の良好な形態の一因となる。窒素のモル重量が、アルゴンの39.95g/モルと比較して14.01g/モルであるので、窒素を用いるよりもアルゴンを用いる方がより微細な粒子を得ることができる。一方、窒素の比熱容量は、アルゴンの0.52と比較して、1.04J/(gK)である。したがって、窒素は粒子の冷却速度を増加させる。
【0097】
ガス流は、金属粉末の粒度分布及び微細構造に影響を与える。具体的には、流れが速いほど、冷却速度は速くなる。その結果、ガス流量(m3/h)と金属流量(Kg/h)の比として定義されるガス対金属比は、好ましくは1~5、より好ましくは1.5~3に保たれる。
【0098】
微粒化チャンバ内の溶融金属の微粒化から金属粒子が得られると、微粒化チャンバの底部に堆積した、得られた粉末は、冷却チャンバ38に移される。
【0099】
次いで、金属粒子は、金属粒子の気泡流動床49を形成するようにチャンバの底部からガスを噴射することによって冷却チャンバ内で冷却される(工程(iv))。この工程は、好ましくは微粒化工程と同時に行われる。より好ましくは、微粒化工程と連続的且つ同時に行われる。このようにして、アトマイザは連続的に作動し得る。
【0100】
この工程において、金属粒子は、好ましくは、それらの酸化窓より下に冷却される。鋼粉末の場合、金属粒子は、好ましくは300℃未満、より好ましくは260℃未満、更により好ましくは150~260℃に冷却される。このような冷却により、粉末は、次いで、プロセスの次の工程で空気中で操作され得る。酸化に対する鋼組成の感度及び/又はガスの純度に応じて、冷却を調整することができる。粉末を冷却するのに必要なガス流を制限するために、粉末を冷却し過ぎないことが好ましく、例えば、150℃未満である。連続モードでは、粒子の一部がチャンバから連続的に排出され、新しい高温粒子が連続的に床に加えられる間、流動床が一定の温度に維持されるようにガス流が調整される。その場合、流動床は300℃未満、より好ましくは260℃未満、更により好ましくは150~260℃に維持される。
【0101】
本発明の一変形例によれば、粉末床を流動化するために冷却チャンバのガス噴射器40を通して噴射されるガスは、好ましくはアルゴン又は窒素であり、より好ましくは微粒化チャンバ内で溶融金属流を微粒化するために使用されるガスと同じガスである。これは、好ましくは1~80cm/s、より好ましくは1~20cm/sの速度で噴射され、これには低い換気電力しか必要としないので、エネルギー消費が低減される。ガス流は、好ましくは、ファンなどの冷却チャンバの流量調整器43によって調整される。
【0102】
ガスは、好ましくは、10~50℃の間に含まれる温度で噴射される。これにより、金属粒子の冷却が更に改善される。
【0103】
本発明の別の変形例によれば、粉末床を流動化するために冷却チャンバのガス噴射器40を通して噴射されるガスは、金属粒子については還元ガスである。その結果、金属粒子を同時に冷却及び処理することができ、微粒化に使用される不活性ガス中の微量の酸素により微粒化チャンバ内の粒子の表面に形成される可能性がある酸化物を除去することができる。鋼の場合、還元ガスの例は、窒素と水素の混合物である。
【0104】
冷却チャンバ内に噴射されたガスは、好ましくは、チャンバ内の圧力を一定に維持するために冷却チャンバから抽出される。ガス抽出器45内のガス流はそれに応じて調整される。チャンバ2内の過圧は、好ましくは5~100mbarに設定される。
【0105】
冷却チャンバ内に噴射されたガスは、好ましくは再循環される。その場合、ガスはチャンバから抽出された後に冷却されることがより好ましい。ガスは、好ましくは50℃未満、より好ましくは10~50℃に冷却される。
【0106】
工程(iv)において、流動床を熱交換器47と接触させることによって、金属粒子の冷却を更に促進することができる。
【0107】
本発明によるプロセスは、冷却チャンバから冷却された金属粒子を連続的に排出する工程(v)を更に備えることができる。この工程は、好ましくは、微粒化工程及び冷却工程と同時に行われる。連続的な排出は、前述のように、オーバーフロー部50を介して行うことができる。
【0108】
本発明によるプロセスは、排出された金属粒子を分級ステーション23及び/又は袋詰めステーションに輸送する工程(vi)を更に備えることができる。この工程は、好ましくは、微粒化工程、冷却工程及び排出工程と同時に行われる。
【0109】
排出された金属粒子は、流動床24の形態で輸送することができる。それは、好ましくは気泡流動床である。
【0110】
本発明による方法は、工程(ii)と(iii)との間に、前述のように、金属粒子の気泡流動床(15)を形成するように、金属粒子が、微粒化チャンバの底部からガスを噴射することによる微粒化チャンバ内での第1の冷却工程を経る、追加の工程を更に備える。その場合、金属粒子は、まず、微粒化チャンバ内で不活性ガスを用いて第1の温度まで冷却され、次いで、冷却チャンバ内で不活性ガス又は還元ガスを用いて第2の温度まで更に冷却され得る。第1の温度は、300℃~450℃の間に含まれ得る。第2の温度は、150℃~300℃の間に含まれ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末を製造する方法であって、
(i)ガスアトマイザ(1)の微粒化チャンバ(2)に溶融金属を供給することと、
(ii)金属粒子を形成するようにガスの噴射によって溶融金属を微粒化することと、
(iii)金属粒子を微粒化チャンバからガスアトマイザの冷却チャンバ(38)に移すことと、
(iv)金属粒子の気泡流動床(49)を形成するように冷却チャンバの底部からガスを噴射することによって冷却チャンバ内の金属粒子を冷却することと、
を含む方法。
【請求項2】
工程(ii)、(iii)及び(iv)は同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(iv)において、金属粒子は300℃未満に冷却される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
工程(iv)において、噴射されたガスが抽出され、冷却され、再噴射される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
冷却チャンバから金属粒子を連続的に排出する工程(v)を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
排出された金属粒子を分級ステーションに輸送する工程(vi)を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
排出された金属粒子は流動床(24)の形態で輸送される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(ii)と(iii)との間に、金属粒子の気泡流動床(15)を形成するように、金属粒子は、微粒化チャンバの底部からガスを噴射することによる微粒化チャンバ内での第1の冷却工程を経る、追加の工程を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
微粒化チャンバ及び冷却チャンバ内の冷却工程は、異なるガスを用いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ガスアトマイザ(1)であって、
微粒化チャンバ(2)と、微粒化チャンバの底部に接続された冷却チャンバ(38)と、冷却チャンバの底部(41)に配置されたガス噴射器(40)と、冷却チャンバ内に蓄積される金属粒子を流動化し、金属粒子の気泡流動床(49)を形成するためにガス噴射器に結合された流量調整器(43)と、を備えるガスアトマイザ(1)。
【請求項11】
冷却チャンバの底部(41)とガス噴射器(40)との間の距離は、好ましくは10cm未満である、請求項10に記載のガスアトマイザ。
【請求項12】
冷却チャンバの下部に配置された熱交換器(47)を更に備える、請求項10又は11のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項13】
冷却チャンバの下部にオーバーフロー部(50)を更に備える、請求項10又は11のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項14】
冷却チャンバの上部にガス抽出器(45)を更に備える、請求項10又は11のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項15】
ガス抽出器(45)は、アトマイザ内のガス再循環のためにガス噴射器(40)に接続されている、請求項14に記載のガスアトマイザ。
【請求項16】
ガス抽出器(45)とガス噴射器(40)との間の接続部は、熱交換器(47)を備える、請求項15に記載のガスアトマイザ。
【請求項17】
微粒化チャンバ(2)の底部(7)に配置されたガス噴射器(6)と、金属粒子を流動化して微粒化チャンバの下部に蓄積させ、金属粒子の気泡流動床(15)を形成するために、ガス噴射器(6)に結合された流量調整器(9)と、を更に備える、請求項10又は11のいずれか一項に記載のガスアトマイザ。
【請求項18】
請求項10又は11のいずれか一項に記載のガスアトマイザ(1)と、コンベヤ(22)であって、ガスを循環させるための下部ダクト(25)と、粉末材料を循環させるための冷却チャンバに接続された上部ダクト(26)と、下部ダクトと上部ダクトとを実質的に全長にわたって分離する多孔質壁(27)とを具備するコンベヤ(22)と、を備える設備。
【請求項19】
コンベヤ(22)の下部ダクト(25)は、流動化ガス入口(29)と、流量調整器(28)とを備え、流量調整器(28)は、冷却チャンバから排出される金属粒子を流動化し、上部ダクト(26)内に金属粒子の流動床(24)を形成するために流動化ガス入口に結合されている、請求項18に記載の設備。
【国際調査報告】