(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】環境にやさしい保冷剤組成物及びこれを含む保冷パック
(51)【国際特許分類】
C09K 5/06 20060101AFI20240711BHJP
【ＦＩ】
C09K5/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580857
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 KR2022016956
(87)【国際公開番号】W WO2023090696
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159637
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513280854
【氏名又は名称】オーシーアイ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ＯＣＩ Ｃｏｍｐａｎｙ Ｌｔｄ．
【住所又は居所原語表記】９４，Ｓｏｇｏｎｇ－ｒｏ，Ｊｕｎｇ－ｇｕ，Ｓｅｏｕｌ，１００－７１８（ＫＲ）
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ，フィス
(72)【発明者】
【氏名】イ，サン ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】イ，セウン
(72)【発明者】
【氏名】チェ，ソク キョン
(57)【要約】
【課題】環境にやさしい特性を有するとともに、保冷性能を長期間維持することができる保冷剤組成物および前記保冷剤組成物を含む保冷パックを提供する。
【解決手段】保冷剤粉末と、無機物添加剤と、水を含む保冷剤組成物において、前記保冷剤粉末は、非晶質酸化物粉末及び鉱物性粉末の中で少なくとも１つを含み、前記保冷剤組成物の総有機炭素量（Ｔｏｔａｌ Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃａｒｂｏｎ、ＴＯＣ）は、０ｐｐｍ乃至１ｐｐｍであり、前記非晶質酸化物粉末は、ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、及びヒュームドチタニア（Ｆｕｍｅｄ Ｔｉｔａｎｉａ）で成された群で選択された少なくとも１つを含み、前記鉱物性粉末は、ベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、ベーマイト（Ｂｏｅｈｍｉｔｅ）、ヘクトライト（Ｈｅｃｔｏｒｉｔｅ）、パリゴルスカイト（Ｐａｌｙｇｏｒｓｋｉｔｅ）、及びセピオライト（Ｓｅｐｉｏｌｉｔｅ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことを特徴とする。。
【選択図】図１
【解決手段】保冷剤粉末と、無機物添加剤と、水を含む保冷剤組成物において、前記保冷剤粉末は、非晶質酸化物粉末及び鉱物性粉末の中で少なくとも１つを含み、前記保冷剤組成物の総有機炭素量（Ｔｏｔａｌ Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃａｒｂｏｎ、ＴＯＣ）は、０ｐｐｍ乃至１ｐｐｍであり、前記非晶質酸化物粉末は、ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、及びヒュームドチタニア（Ｆｕｍｅｄ Ｔｉｔａｎｉａ）で成された群で選択された少なくとも１つを含み、前記鉱物性粉末は、ベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、ベーマイト（Ｂｏｅｈｍｉｔｅ）、ヘクトライト（Ｈｅｃｔｏｒｉｔｅ）、パリゴルスカイト（Ｐａｌｙｇｏｒｓｋｉｔｅ）、及びセピオライト（Ｓｅｐｉｏｌｉｔｅ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことを特徴とする。。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保冷剤粉末と、無機物添加剤と、
水を含む保冷剤組成物において、
前記保冷剤粉末は、非晶質酸化物粉末及び鉱物性粉末の中で少なくとも１つを含み、
前記保冷剤組成物の総有機炭素量（Ｔｏｔａｌ Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃａｒｂｏｎ、ＴＯＣ）は、０ｐｐｍ乃至１ｐｐｍであることを特徴とする保冷剤組成物。
【請求項2】
前記非晶質酸化物粉末は、ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、及びヒュームドチタニア（Ｆｕｍｅｄ Ｔｉｔａｎｉａ）で成された群で選択された少なくとも１つを含み、前記鉱物性粉末は、ベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、ベーマイト（Ｂｏｅｈｍｉｔｅ）、ヘクトライト（Ｈｅｃｔｏｒｉｔｅ）、パリゴルスカイト（Ｐａｌｙｇｏｒｓｋｉｔｅ）、及びセピオライト（Ｓｅｐｉｏｌｉｔｅ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項3】
前記保冷剤粉末は、前記非晶質酸化物粉末の中で選択された少なくとも１つと、
前記鉱物性粉末の中で選択された少なくとも１つと、を含むことを特徴とする請求項２に記載の保冷剤組成物。
【請求項4】
前記保冷剤粉末は、前記非晶質酸化物粉末の中で選択された２種以上を含むことを特徴とする請求項２に記載の保冷剤組成物。
【請求項5】
前記保冷剤粉末は、ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）及びベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）を含むことを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項6】
前記保冷剤粉末は、ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）及びヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）を含むことを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項7】
前記無機物添加剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩の中で選択された少なくとも１つを含むことを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項8】
前記無機物添加剤は、水酸化カリウム（ＫＯＨ）、塩化カルシウム（ＣａＣｌ２）、及び水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）の中で少なくとも１つを含むことを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項9】
前記保冷剤組成物は、微細プラスチックを含まないことを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項10】
前記保冷剤組成物の総重量基準に、前記保冷剤粉末の含量は、１ｗｔ％乃至３０ｗｔ％であることを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項11】
前記保冷剤組成物の総重量基準に、前記無機物添加剤の含量は、０．０１ｗｔ％乃至５ｗｔ％であることを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項12】
前記保冷剤組成物の粘度は、５ｃＰ乃至５００，０００ｃＰであることを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項13】
前記保冷剤組成物のｐＨは、５．５乃至８．５であることを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項14】
前記非晶質酸化物粉末は、非多孔性粉末であることを特徴とする請求項１に記載の保冷剤組成物。
【請求項15】
請求項１乃至請求項１４のいずれかの一項にしたがう保冷剤組成物と、前記保冷剤組成物を密封する包装材と、を含むことを特徴とする保冷パック。
【請求項16】
前記包装材は、ＰＥ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）、ＬＬＤＰＥ（ｌｉｎｅａｒ ｌｏｗ－ｄｅｎｓｉｔｙ ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）、ＰＰ（ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ）、ＰＶＣ（ｐｏｌｙｖｉｎｙｌ ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、及びＰＥＴ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ）で成された群で選択された１種以上を含むことを特徴とする請求項１５に記載の保冷パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境にやさしい保冷剤組成物及びこれを含む保冷パックに係り、より詳しくは、環境にやさしい特性を有するとともに、保冷性能を長期間維持することができる環境にやさしい保冷剤組成物及びこれを含む保冷パックに関する。
【背景技術】
【0002】
保冷剤は密閉された容器内部の食品、医薬品等を一定期間低温状態に維持させることができる役割をする。保冷剤として氷を利用する場合、氷が溶けて水が外部に流れて保管物品を汚染させるか、或いは密閉された容器が破損されるという問題がある。したがって、氷に代わる保冷剤組成物の主成分で高吸収性高分子（Ｓｕｐｅｒ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｐｏｌｙｍｅｒ、ＳＡＰ）が使用されている。
【0003】
高吸収性高分子は体積を膨張させることによって、樹脂自体重量の４０乃至１、０００倍に至る水の吸収が可能であり、凍結されれば、長時間冷気を提供することができるので、保冷剤組成物の主要成分として使用されて来た。しかし、高吸収性高分子はマイクロプラスチックとして分類される。高吸収性高分子を放流する場合、プランクトンと海洋生物がマイクロプラスチックを摂取して生態系の破壊をもたらすことになる。したがって、最近保冷剤組成物に対する環境規制が厳しくなって、高吸収性高分子の放流が制限されている実情である。
【0004】
代替方案として、保冷剤組成物の主成分として澱粉又は小麦粉などの食用粉末を適用しようとしたが、細菌繁殖の問題で保冷剤組成物として長時間活用できないという問題点があった。また、食用粉末の場合、小さい体積密度を有するので、保冷剤組成物の安定性が低下する可能性があるという問題点があった。したがって、環境にやさしい特性を確保するとともに、高い保冷性能を維持することができる保冷剤組成物に対する研究が続いているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、環境にやさしい特性を有するとともに、保冷性能を長期間維持することができる保冷剤組成物および前記保冷剤組成物を含む保冷パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の保冷剤組成物は保冷剤粉末、無機物添加剤、及び水を含み、前記保冷剤粉末は非晶質酸化物粉末及び鉱物性粉末の中で少なくとも１つを含むことができる。
本発明の保冷パックは前記保冷剤組成物及び前記保冷剤組成物を密封する包装材を含むことができる。
本発明の保冷パックは前記保冷剤組成物及び前記保冷剤組成物を密封する包装材を含むことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明による保冷剤組成物は微細プラスチック等の環境汚染誘発物質を含まず、無機物基盤の構成成分を含むことができる。したがって、本発明の保冷剤組成物は環境にやさしい特性を有すると共に長時間保冷性能を維持することができる。これに加えて、本発明による保冷剤組成物は水溶液内で安定的な分散状態を維持することができ、細菌繁殖又は保管物品が汚染されることを防止することができるので、長期保管性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の構成及び効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を説明する。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されることではなく、様々な形態に具現されることができ、多様な変更を加えることができる。単なる、本実施形態の説明を通じて本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されているものである。
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとすることではない。本明細書で、単数形は文句で特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される‘含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅｓ）’及び／又は‘含んでいる（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）’は言及された構成要素は１つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとすることではない。本明細書で、単数形は文句で特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される‘含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅｓ）’及び／又は‘含んでいる（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）’は言及された構成要素は１つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。
【0010】
図１は本発明による保冷パックを示す断面図である。図２は本発明による非晶質酸化物粉末が水溶液内で分散された構造を示した拡大図である。
図１及び図２に示す通り、保冷パックＣＰ（Ｃｏｏｌｉｎｇ Ｐａｃｋ）は保冷剤組成物ＣＣ（Ｃｏｏｌｉｎｇ ｃｏｎｐｏｕｎｄ）及び包装材ＰＭ（Ｐａｃｋｉｎｇ Ｍａｔｅｒｉａｌ）を含むことができる。前記保冷剤組成物ＣＣは保冷剤粉末、無機物添加剤、及び水を含むことができる。
図１及び図２に示す通り、保冷パックＣＰ（Ｃｏｏｌｉｎｇ Ｐａｃｋ）は保冷剤組成物ＣＣ（Ｃｏｏｌｉｎｇ ｃｏｎｐｏｕｎｄ）及び包装材ＰＭ（Ｐａｃｋｉｎｇ Ｍａｔｅｒｉａｌ）を含むことができる。前記保冷剤組成物ＣＣは保冷剤粉末、無機物添加剤、及び水を含むことができる。
【0011】
本発明の保冷剤粉末は非晶質酸化物粉末及び鉱物性粉末の中で少なくとも１つを含むことができる。本発明による非晶質酸化物粉末は非多孔性の非晶質酸化物ナノ粉末を含むことができる。非晶質酸化物粉末は、例えばヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、及びヒュームドチタニア（Ｆｕｍｅｄ Ｔｉｔａｎｉａ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことができる。本発明による鉱物性粉末は天然粘土鉱物粉末を含むことができる。鉱物性粉末は、例えばベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、ベーマイト（Ｂｏｅｈｍｉｔｅ）、ヘクトライト（Ｈｅｃｔｏｒｉｔｅ）、パリゴルスカイト（Ｐａｌｙｇｏｒｓｋｉｔｅ）、及びセピオライト（Ｓｅｐｉｏｌｉｔｅ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことができる。
【0012】
保冷剤粉末は非晶質酸化物粉末の中で選択された少なくとも１つ及び鉱物性粉末の中で選択された少なくとも１つを含むことができる。即ち、保冷剤粉末はヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、及びヒュームドチタニア（Ｆｕｍｅｄ Ｔｉｔａｎｉａ）で成された群で選択された少なくとも１つとベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、ベーマイト（Ｂｏｅｈｍｉｔｅ）、ヘクトライト（Ｈｅｃｔｏｒｉｔｅ）、パリゴルスカイト（Ｐａｌｙｇｏｒｓｋｉｔｅ）、及びセピオライト（Ｓｅｐｉｏｌｉｔｅ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことができる。一例として、保冷剤粉末はヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）及びベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）を含むことができる。
【0013】
保冷剤粉末は非晶質酸化物粉末の中で選択された２種以上を含むことができる。即ち、保冷剤粉末はヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、及びヒュームドチタニア（Ｆｕｍｅｄ Ｔｉｔａｎｉａ）で成された群で選択された２種以上を含むことができる。一例として、保冷剤粉末はヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）及びヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）を含むことができる。
【0014】
本発明の非晶質酸化物粉末が水溶液内で分散される場合、複数の凝集体（ＡＧ、ａｇｇｒｅｇａｔｅ）が連結されてフレームワークが形成されることができる。詳細には、凝集体ＡＧの間の水素結合によって互いに連結されて、３次元の立体構造を有するフレームワークが形成されることができる。水溶液内の非晶質酸化物粉末は水溶液内の他の化合物に対して混和性を持つことができる。例えば、３次元枝構造内に水溶液が閉じ込められ、凝集体ＡＧは担持体の役割をすることができる。凝集体ＡＧのサイズは、例えば１μｍ乃至５００μｍであり得る。
【0015】
本発明のヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ、ＦＳ）は非多孔性であり、非晶質であり得る。ヒュームドシリカは単独に存在する時、白色の粉末形態であり得る。ヒュームドシリカは親水性を有することができる。したがって、ヒュームドシリカは水溶液内の他の化合物に対して混和性を持つことができる。一例として、ヒュームドシリカを構成する１次粒子ＰＰの平均直径は、例えば２ｎｍ乃至５０ｎｍであり、ヒュームドシリカの比表面積は、例えば、４０ｍ２／ｇ乃至５００ｍ２／ｇであり得る。ヒュームドシリカは塩化シランが酸素と水素で形成された１、０００℃以上の火炎内で加水分解されて形成されることができる。ヒュームドシリカは火炎内で作られた１次粒子ＰＰの間の衝突によって互いに連結されて、凝集体ＡＧが形成されることができる。結晶質シリカ（Ｃｒｙｓｔａｌｌｉｎｅ ｓｉｌｉｃａ）とは異なりに、非晶質シリカ（Ａｍｏｒｐｈｏｕｓ ｓｉｌｉｃａ、ＳｉＯ２）を摂取しても消化管で概ね吸収されずに大部分排泄されるので、非晶質シリカ（Ａｍｏｒｐｈｏｕｓ ｓｉｌｉｃａ）は人体に影響を与えず、毒性が低い無害な物質として知られている。
【0016】
本発明によれば、非晶質酸化物粉末が水溶液内で分散される場合、３次元立体構造を有することによって、凝集体ＡＧの間の水素結合（Ｈｙｄｒｏｇｅｎ ｂｏｎｄ）及び／又はファンデルワールス力（Ｖａｎ ｄｅｒ Ｗａａｌｓ ｆｏｒｃｅ）で形成された３次元立体構造のフレームワーク（Ｆｒａｍｅｗｒｏｋ）に水分子が閉じ込められる可能性がある。したがって、保冷剤組成物ＣＣが凍結されれば、長時間冷気を提供することができる。また、熱伝導率の側面で、３次元立体構造によって凝集体ＡＧの間の界面によって熱伝達が活発に働かなくなり、既存の温度を維持するのに効果的であり得る。
【0017】
保冷剤組成物ＣＣの総重量基準に、保冷剤粉末の含量は、例えば１ｗｔ％乃至３０ｗｔ％であり得る。保冷剤粉末の含量が０．１ｗｔ％未満である場合、保冷剤組成物ＣＣの粘度が十分に確保できず、保冷パックＣＰの模様が容易に変形されることができる。保冷剤粉末の含量が３０ｗｔ％超過する場合、保冷剤粉末が均一に混ぜることができず、単位質量当たり格納することができるエネルギーが減少するので、保冷性能が低下する。
【0018】
本発明の無機物添加剤は無機物イオン性化合物を含むことができる。無機物添加剤は、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩の中で選択された少なくとも１つを含むことができる。無機物添加剤は、例えば水酸化カリウム（ＫＯＨ）、塩化カルシウム（ＣａＣｌ２）、及び水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）の中で少なくとも１つを含むことができる。無機物添加剤は保冷剤組成物ＣＣのｐＨを調節する役割をすることができ、保冷剤組成物ＣＣ内の構成成分を結合させ、ゲル化を促進する役割をすることができる。したがって、無機物添加剤は非晶質酸化物粉末を含む水溶液の相（ｐｈａｓｅ）を安定化させることができる。本発明によれば、有機物ではない無機物添加剤を含むことによって、前述した役割を遂行することと同時に、長期間保管しても腐敗しないことがある。
【0019】
保冷剤組成物ＣＣの総重量基準に、無機物添加剤の含量は、例えば０．０１ｗｔ％乃至５ｗｔ％であり得る。無機物添加剤の含量が０．０１ｗｔ％未満である場合、水溶液のｐＨが低くなって保冷剤組成物ＣＣの水溶液の相が不安定になり、構成成分間の結合力及びゲル化度が十分でないことがあり得る。無機物添加剤の含量が５ｗｔ％を超過する場合、保冷剤組成物ＣＣの粘度が必要以上に高くなって、保冷性能が低下されることができる。
【0020】
本発明による水は前記保冷剤粉末及び前記無機物添加剤を均一に分散させる溶媒役割をすることができる。水は、例えば脱イオン水、純水、超純水、蒸留水、水道水、ＲＯ水、及び工業用水の中で少なくとも１つを使用することができる。水は、例えば保冷剤組成物ＣＣ１００重量％を満足させる残量であり得る。
【0021】
本発明の保冷剤組成物ＣＣのｐＨは、例えば５．５乃至８．５であり得る。本発明の保冷剤組成物ＣＣの粘度は、例えば５ｃＰ乃至５００，０００ｃＰであり得る。より具体的に、本発明の保冷剤組成物ＣＣの粘度は１００ｃＰ乃至１０，０００ｃＰであり得る。
本発明の保冷剤組成物ＣＣは微細プラスチックを含まないことがあり得る。一例として、保冷剤組成物ＣＣは高吸収性高分子（Ｓｕｐｅｒ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｐｏｌｙｍｅｒ、ＳＡＰ）を含まないことがあり得る。一部の実施形態で、保冷剤組成物ＣＣは有機化合物を含まないことがあり得る。保冷剤組成物ＣＣの総有機炭素量（Ｔｏｔａｌ Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃａｒｂｏｎ、ＴＯＣ）は、例えば０ｐｐｍ乃至１ｐｐｍであり得る。本明細書で、総有機炭素量（ＴＯＣ）が０ｐｐｍであることは保冷剤組成物ＣＣ内に有機炭素が存在しないか、又は総有機炭素量（ＴＯＣ）を測定する装置でとしては検出されない程度の極少量の有機炭素を含むことを意味することができる。
本発明の保冷剤組成物ＣＣは微細プラスチックを含まないことがあり得る。一例として、保冷剤組成物ＣＣは高吸収性高分子（Ｓｕｐｅｒ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｐｏｌｙｍｅｒ、ＳＡＰ）を含まないことがあり得る。一部の実施形態で、保冷剤組成物ＣＣは有機化合物を含まないことがあり得る。保冷剤組成物ＣＣの総有機炭素量（Ｔｏｔａｌ Ｏｒｇａｎｉｃ Ｃａｒｂｏｎ、ＴＯＣ）は、例えば０ｐｐｍ乃至１ｐｐｍであり得る。本明細書で、総有機炭素量（ＴＯＣ）が０ｐｐｍであることは保冷剤組成物ＣＣ内に有機炭素が存在しないか、又は総有機炭素量（ＴＯＣ）を測定する装置でとしては検出されない程度の極少量の有機炭素を含むことを意味することができる。
【0022】
本発明によれば、保冷剤組成物ＣＣはマイクロプラスチックとして分類される高吸収性高分子（ＳＡＰ）を含まず、保冷剤組成物ＣＣの総有機炭素量（ＴＯＣ）が０ｐｐｍ乃至１ｐｐｍであり得る。したがって、本発明の保冷剤組成物ＣＣは海洋生物に無害な環境にやさしい特性を有することができる。したがって、だんだん強化されているｐＨ、ＴＯＣ、及び／又は浮遊固形物（Ｓｕｓｐｅｎｄｅｄ Ｓｏｌｉｄ、ＳＳ）量に対する環境基準を満足して環境汚染問題を引き起こさない保冷剤組成物ＣＣを提供することができる。
これに加えて、高吸収性高分子（ＳＡＰ）を主成分として含む一般的な保冷剤組成物とは異なりに、本発明のよる保冷剤組成物ＣＣは水溶液の内部で安定的な分散状態を維持することができる。したがって、別の防腐剤無しでも細菌繁殖又は保管物品が汚染されることを防止することができ、長期保管性が確保されることができる。
これに加えて、高吸収性高分子（ＳＡＰ）を主成分として含む一般的な保冷剤組成物とは異なりに、本発明のよる保冷剤組成物ＣＣは水溶液の内部で安定的な分散状態を維持することができる。したがって、別の防腐剤無しでも細菌繁殖又は保管物品が汚染されることを防止することができ、長期保管性が確保されることができる。
【0023】
本発明による包装材ＰＭは保冷剤組成物ＣＣを密封することができる。前記包装材ＰＭは、例えばＰＥ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）、ＬＬＤＰＥ（ｌｉｎｅａｒ ｌｏｗ－ｄｅｎｓｉｔｙ ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）、ＰＰ（ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ）、ＰＶＣ（ｐｏｌｙｖｉｎｙｌ ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、及びＰＥＴ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ）で成された群で選択された少なくとも１つを含むことができる。前記包装材ＰＭは薄いフィルムであり得る。したがって、保冷パックＣＰの重さを減らすことができ、生産単価を下げることができる。
【0024】
＜実施例１、実施例２、及び比較例１＞
実施例１
ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、水酸化カリウム（ＫＯＨ）、及び塩化カルシウム（ＣａＣｌ２）を水に投入した後、撹拌して、実施形態１にしたがう保冷剤組成物（ｐＨ７）を製造した。実施形態１の保冷剤組成物の保冷剤粉末の総含量は、６．５ｗｔ％であり、塩化カルシウム（ＣａＣｌ２）の含量は、０．１ｗｔ％であった。水酸化カリウム（ＫＯＨ）は保冷剤組成物のｐＨが７になるまで添加した。
実施例１
ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ヒュームドアルミナ（Ｆｕｍｅｄ Ａｌｕｍｉｎａ）、水酸化カリウム（ＫＯＨ）、及び塩化カルシウム（ＣａＣｌ２）を水に投入した後、撹拌して、実施形態１にしたがう保冷剤組成物（ｐＨ７）を製造した。実施形態１の保冷剤組成物の保冷剤粉末の総含量は、６．５ｗｔ％であり、塩化カルシウム（ＣａＣｌ２）の含量は、０．１ｗｔ％であった。水酸化カリウム（ＫＯＨ）は保冷剤組成物のｐＨが７になるまで添加した。
【0025】
実施例２
ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、及び水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）を水に投入した後、撹拌して、実施形態２にしたがう保冷剤組成物（ＰＨ７）を製造した。実施形態２の保冷剤組成物の保冷剤粉末（鉱物性粉末及び非晶質酸化物粉末）の総含量は、２５ｗｔ％であった。水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）は保冷剤組成物のｐＨが７になるまで添加した。
ヒュームドシリカ（Ｆｕｍｅｄ Ｓｉｌｉｃａ）、ベントナイト（Ｂｅｎｔｏｎｉｔｅ）、及び水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）を水に投入した後、撹拌して、実施形態２にしたがう保冷剤組成物（ＰＨ７）を製造した。実施形態２の保冷剤組成物の保冷剤粉末（鉱物性粉末及び非晶質酸化物粉末）の総含量は、２５ｗｔ％であった。水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）は保冷剤組成物のｐＨが７になるまで添加した。
【0026】
比較例１
市販されている高吸収性高分子（ＳＡＰ）保冷剤を購入して使用した。
＜実験例＞
保冷性評価
実施例１、実施例２、及び比較例１にしたがう保冷剤組成物を各々５００ｇずつ採取した後、－１８℃で７２時間の間に冷却した。前記冷却された保冷剤組成物の各々を常温で放置して、０℃及び３℃に到達する時間を測定し、その結果を下記に表示した。
市販されている高吸収性高分子（ＳＡＰ）保冷剤を購入して使用した。
＜実験例＞
保冷性評価
実施例１、実施例２、及び比較例１にしたがう保冷剤組成物を各々５００ｇずつ採取した後、－１８℃で７２時間の間に冷却した。前記冷却された保冷剤組成物の各々を常温で放置して、０℃及び３℃に到達する時間を測定し、その結果を下記に表示した。
【表1】
【0027】
前記表１を通じて分かるように、実施例１及び実施例２による保冷剤組成物は既存市販されているＳＡＰ保冷剤（比較例１）と同等水準の保冷性を確保することができることを確認することができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しなくとも他の具体的な形態に実施されることができることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないことと理解しなければならない。
【図1】
【図2】
【国際調査報告】