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特表2024-526620熱管理システム、車両及び熱管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】熱管理システム、車両及び熱管理方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/02 20060101AFI20240711BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B60K11/02
B60H1/22 651Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580893
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2022092868
(87)【国際公開番号】W WO2023045355
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111138847.2
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111137071.2
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】522450233
【氏名又は名称】浙江聯控技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIANKONG TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 818 2nd Binhai Road, Hangzhou Bay New District, Ningbo, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 炳榮
(72)【発明者】
【氏名】許 俊波
(72)【発明者】
【氏名】李 貴賓
(72)【発明者】
【氏名】薛 強
(72)【発明者】
【氏名】戴 海江
【テーマコード(参考)】
3D038
3L211
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC22
3D038AC23
3L211AA11
3L211BA52
3L211BA55
3L211DA24
3L211DA26
3L211DA28
(57)【要約】
本願は、熱管理システム、車両及び熱管理方法を提供し、熱管理システムは、タンクアセンブリとバルブユニットとを備え、タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、ケースは、カバープレートを覆いカバープレートとともに収容チャンバを形成し、バルブユニットは、ケースに取り付けられており、収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、ケース上に収容チャンバと連通する接続口が複数あり、配管の第1端は接続口と対応して連通し、配管の第2端及び配管の一部は、収容チャンバ外に位置し、バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、バルブポートは接続口と対応して連通する。本願により提供される熱管理システムは、配管の合計長さを短縮させ、配管内の流動抵抗を低減し、システムの作業効率を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱管理システムであって、前記熱管理システムは、タンクアセンブリと、バルブユニットと、ラジエータと、熱交換器と、を備え、前記タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、前記ケースは、前記カバープレートを覆い前記カバープレートとともに収容チャンバを形成し、前記バルブユニットは、前記ケースに取り付けられており、
前記収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、前記ケースには前記収容チャンバと連通する接続口が複数あり、前記配管の第1端は前記接続口と一対一に対応して連通し、前記配管の第2端及び前記配管の一部は前記収容チャンバ外に位置し、
前記バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、前記バルブポートは前記接続口と一対一に対応して連通し、前記バルブユニットは、第1多方弁と第2多方弁とを備え、複数の前記バルブポートは複数の第1バルブポートと複数の第2バルブポートとを備え、前記第1バルブポートは前記第1多方弁上に位置し、前記第2バルブポートは前記第2多方弁上に位置し、
前記ラジエータと前記熱交換器はそれぞれ、異なる前記配管と連通する、ことを特徴とする熱管理システム。
【請求項2】
熱管理システムであって、前記熱管理システムは、タンクアセンブリと、ポンプアセンブリと、バルブユニットと、を備え、前記タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、前記ケースは前記カバープレートを覆い前記カバープレートとともに収容チャンバを形成し、前記ポンプアセンブリと前記バルブユニットはそれぞれ、前記ケースに取り付けられており、
前記収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、前記ケースには前記収容チャンバと連通する接続口が複数あり、前記配管の第1端は前記接続口と一対一に対応して連通し、前記配管の第2端及び前記配管の一部は前記収容チャンバ外に位置し、
前記バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、前記バルブポートは前記接続口と一対一に対応して連通し、前記バルブユニットは前記接続口と前記接続口に対応する前記バルブポートとの切断又は連通を制御して、前記配管間の切断又は連通を制御するために用いられる、ことを特徴とする熱管理システム。
【請求項3】
前記ケースの前記カバープレートに反対する面は、第1取付エリアと第2取付エリアとを有し、複数の前記接続口は複数の第1接続口と複数の第2接続口とを備え、前記第1接続口は前記第1取付エリア内に位置し、前記第2接続口は前記第2取付エリア内に位置し、
前記バルブユニットは、第1多方弁と第2多方弁とを備え、複数の前記バルブポートは複数の第1バルブポートと複数の第2バルブポートとを備え、前記第1バルブポートは前記第1多方弁上に位置し、前記第2バルブポートは前記第2多方弁上に位置し、
前記第1多方弁は前記第1取付エリア内に接続され、且つ前記第1接続口は前記第1バルブポートと一対一に対応して連通し、前記第2多方弁は前記第2取付エリア内に接続され、且つ前記第2接続口は前記第2バルブポートと一対一に対応して連通する、ことを特徴とする請求項2に記載の熱管理システム。
【請求項4】
複数の前記配管は複数の第1配管を備え、各前記第1配管は2つの第1サブ配管を備え、各前記第1配管における一方の前記第1サブ配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、各前記第1配管における一方の前記第1サブ配管の第2端は前記車両における同一部品の排水管と連通するために用いられ、各前記第1配管における他方の前記第1サブ配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、各前記第1配管における他方の前記第1サブ配管の第2端は前記車両における同一部品の給水管と連通するために用いられ、
前記部品は、ラジエータ、電池冷却器、またはモータ冷却器の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の熱管理システム。
【請求項5】
複数の前記配管は第2配管と第3配管とを備え、前記第2配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、前記第3配管の第1端は前記第2取付エリアに対応し、
前記第2配管は、2つの第2サブ配管を備え、前記第2配管における一方の前記第2サブ配管は前記車両におけるヒータコアの排水管と連通するために用いられ、前記第2配管における他方の前記第2サブ配管は前記車両におけるヒータの給水管と連通し、
前記第3配管は、2つの第3サブ配管を備え、前記第3配管における一方の前記第3サブ配管は前記ヒータの排水管と連通するために用いられ、前記第3配管における他方の前記第3サブ配管は前記ヒータコアの給水管と連通する、ことを特徴とする請求項3に記載の熱管理システム。
【請求項6】
前記収容チャンバの内部に貯水エリアがあり、前記貯水エリアは前記配管の上方に位置し、
前記貯水エリアは前記配管と連通する補充ポートを有する、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の熱管理システム。
【請求項7】
水冷式凝縮器と熱交換器とをさらに備え、前記水冷式凝縮器は前記ケースの前記カバープレートに反対する面に取り付けられており、前記水冷式凝縮器は、第1入口と第1出口とを有し、前記熱交換器は前記カバープレートの前記ケースに反対する面に取り付けられており、前記熱交換器は、第2入口と第2出口とを有し、
複数の前記配管は2つの第4配管を備え、一方の前記第4配管の第1端は前記第2取付エリアに対応し、且つ一方の前記第4配管は前記第1入口と連通し、他方の前記第4配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、且つ他方の前記第4配管は前記第1出口と連通し、
複数の前記配管は、2つの第5配管を備え、前記第5配管の第1端はいずれも前記第1取付エリアに対応し、一方の前記第5配管は前記第2出口と連通し、他方の前記第5配管は前記第2入口と連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の熱管理システム。
【請求項8】
気液分離器をさらに備え、前記カバープレート上には前記収容チャンバ外に位置する取付部があり、前記気液分離器は前記取付部の前記ケースに向かう面に取り付けられており、且つ前記気液分離器は前記水冷式凝縮器と隣接し、
前記気液分離器の冷媒入口は前記熱交換器の冷媒出口と連通し、前記気液分離器は前記車両の空調本体蒸発器の出口と連通するためにさらに用いられる、ことを特徴とする請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項9】
空調統合弁をさらに備え、前記空調統合弁は前記取付部の前記ケースに反対する面に取り付けられており、前記空調統合弁は前記熱交換器と隣接し、前記空調統合弁は前記水冷式凝縮器の冷媒入口及び前記熱交換器の冷媒入口とそれぞれ連通し、
前記水冷式凝縮器の冷媒出口は同軸管を介して前記空調統合弁と連通し、
前記気液分離器の冷媒出口は前記同軸管を介して前記車両のコンプレッサの吸気口と連通し、
前記同軸管は前記車両の空調本体内部凝縮器の出口と連通するためにさらに用いられ、
前記空調統合弁は前記空調本体内部凝縮器の入口と連通するために用いられ、前記空調統合弁は前記コンプレッサの排気口と連結するためにさらに用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記ポンプアセンブリは、ヒーティングウォーターポンプと、バッテリーウォーターポンプと、モータウォーターポンプと、を備え、前記ヒーティングウォーターポンプと、前記バッテリーウォーターポンプと、前記モータウォーターポンプとはそれぞれ、前記ケースの前記カバープレートに反対する面に取り付けられており、且つ前記ヒーティングウォーターポンプと、前記バッテリーウォーターポンプと、前記モータウォーターポンプとはそれぞれ、前記収容チャンバ外に位置する異なる前記配管と連結する、ことを特徴とする請求項2に記載の熱管理システム。
【請求項11】
車体と前記車体に取り付けられている請求項1~10のいずれか1項に記載の熱管理システムとを備える、ことを特徴とする車両。
【請求項12】
請求項1に記載の熱管理システムが適用される熱管理方法であって、
前記方法は、
第1多方弁において第1個の第1バルブポートと第2個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の前記第1バルブポートがモータ冷却機構の排液口と連通し、第2個の前記第1バルブポートがラジエータの給液口と連通し、前記モータ冷却機構中の冷却液は、第1個の前記第1バルブポートと第2個の前記第1バルブポートとを順に通って前記ラジエータに流入するステップと、
第1多方弁において第3個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記ラジエータの排液口が第3個の前記第1バルブポートと連通し、第4個の前記第1バルブポートが前記モータ冷却機構の給液口と連通し、前記ラジエータに流入した前記冷却液は、前記ラジエータで冷却された後、第3個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、を含む、ことを特徴とする熱管理方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記第1多方弁において第5個の第1バルブポートと第6個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第5個の前記第1バルブポートがバッテリー冷却機構の排液口と連通し、第6個の前記第1バルブポートが熱交換器の給液口と連通し、前記バッテリー冷却機構中の前記冷却液は、第5個の前記第1バルブポート、第6個の前記第1バルブポートを順に通って前記熱交換器に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器の排液口が第7個の前記第1バルブポートと連通し、前記バッテリー冷却機構の給液口が第8個の前記第1バルブポートと連通し、前記熱交換器に流入した前記冷却液は、前記熱交換器で冷却された後、第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の熱管理方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記第1多方弁において第3個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記ラジエータに流入した前記冷却液は、前記ラジエータで冷却された後、第3個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器に流入した前記冷却液は、前記熱交換器で冷却された後、第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記第1多方弁において第1個の前記第1バルブポートと第9個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第9個の前記第1バルブポートが第3個の前記第1バルブポートと連通し、第3個の前記第1バルブポートが第4個の前記第1バルブポートと連通し、前記モータ冷却機構中の前記冷却液は、第1個の前記第1バルブポート、第9個の前記第1バルブポート、第3個の前記第1バルブポート、及び第4個の前記第1バルブポートを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器から流出した前記冷却液は、第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【請求項16】
前記方法は、
前記第1多方弁において第3個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記モータ冷却機構中の前記冷却液は、第1個の前記第1バルブポート、第9個の前記第1バルブポート、第3個の前記第1バルブポート、及び第8個の前記第1バルブポートを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器から流出した前記冷却液は、第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記バッテリー冷却機構から流出した前記冷却液の一部はコントローラに流入し、前記コントローラから流出した前記冷却液は前記熱交換器に流入するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項13~16のいずれか1項に記載の熱管理方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記バッテリー冷却機構中の前記冷却液は、前記コントローラを経由して前記熱交換器に流入し、前記熱交換器から流出した前記冷却液は、第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを経由して前記バッテリー冷却機構に流入するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項17に記載の熱管理方法。
【請求項19】
前記方法は、
第2多方弁において第1個の前記第2バルブポートと第2個の前記第2バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の前記第2バルブポートがヒータの排液口と連通し、第2個の前記第2バルブポートがヒータコアの給液口と連通し、前記ヒータコアの排液口が前記ヒータの給液口と連通するステップと、
前記ヒータから流出した前記冷却液は、第1個の前記第2バルブポート、第2個の前記第2バルブポート、及び前記ヒータコアを順に通って前記ヒータに流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両技術の分野に関し、特に、熱管理システム、車両及び熱管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー車の普及に伴い、車両熱管理システムの重要性がますます高まっている。従来のガソリン車に比べ、新エネルギー自動車の熱管理システムはより複雑でより高く要求されている。
【0003】
現在、純電気自動車は通常、車両全体の熱管理要件に応じて、ウォーターポンプ、熱交換器、水冷式凝縮器、双方向電磁弁、双方向比例弁及び冷却管路など、数多くの熱管理部品を取り付ける必要がある。一方、電気自動車の航続距離を向上させるために、車両全体の熱管理の作動モードの設計に対する要求はますます高まっており、熱管理システムに必要な部品の数もそれに応じて増加している。部品は分散配置されているため、車両に取り付けられ後に占めるスペースが大きく、車両全体としての熱管理要件を満たすためには、分散配置された部品間を冷却液が流れるように大量の冷却管路を使用する必要がある。
【0004】
しかし、大量の冷却管路を使用して接続すると、システム全体の冷却管路の長さが長くなり、冷却管路内の冷却液の流動抵抗が大きくなり、熱管理システムの稼動効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、従来の技術において大量の冷却管路を使用して接続すると、システム全体の冷却管路の長さが長くなり、冷却管路内の冷却液の流動抵抗が大きくなり、熱管理システムの稼動効率が低いという問題を解決するために、熱管理システム、車両及び熱管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本願は、車両に適用される熱管理システムを提供する。熱管理システムは、タンクアセンブリと、バルブユニットと、ラジエータと、熱交換器と、を備え、タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、ケースは、カバープレートを覆いカバープレートとともに収容チャンバを形成し、バルブユニットは、ケースに取り付けられており、
収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、ケース上に収容チャンバと連通する接続口が複数あり、配管の第1端は、接続口と一対一に対応して連通し、配管の第2端及び配管の一部は、収容チャンバ外に位置し、
バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、バルブポートは、接続口と一対一に対応して連通し、バルブユニットは、第1多方弁と第2多方弁とを備え、複数のバルブポートは、複数の第1バルブポートと複数の第2バルブポートとを備え、第1バルブポートは、第1多方弁上に位置し、第2バルブポートは、第2多方弁上に位置し、ラジエータと熱交換器とは、異なる配管とそれぞれ連通する。
【0007】
第2の態様によれば、本願は、車両に適用される熱管理システムを提供する。熱管理システムは、タンクアセンブリと、ポンプアセンブリと、バルブユニットと、を備え、タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、ケースは、カバープレートを覆いカバープレートとともに収容チャンバを形成し、ポンプアセンブリとバルブユニットとはそれぞれ、ケースに取り付けられており、
収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、ケース上に収容チャンバと連通する接続口が複数あり、配管の第1端は、接続口と一対一に対応して連通し、配管の第2端及び配管の一部は、収容チャンバ外に位置し、
バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、バルブポートは、接続口と一対一に対応して連通し、バルブユニットは、接続口と接続口に対応するバルブポートとの切断又は連通を制御して、配管間の切断又は連通を制御するために用いられる。
【0008】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムにおいて、ケースのカバープレートに反対する面は、第1取付エリアと第2取付エリアとを有し、複数の接続口は、複数の第1接続口と複数の第2接続口とを備え、第1接続口は、第1取付エリア内に位置し、第2接続口は、第2取付エリア内に位置し、
バルブユニットは、第1多方弁と第2多方弁とを備え、複数のバルブポートは、複数の第1バルブポートと複数の第2バルブポートとを備え、第1バルブポートは、第1多方弁上に位置し、第2バルブポートは、第2多方弁上に位置し、
第1多方弁は、第1取付エリア内に接続され、且つ第1接続口は、第1バルブポートと一対一に対応して連通し、第2多方弁は、第2取付エリア内に接続され、且つ第2接続口は、第2バルブポートと一対一に対応して連通する。
【0009】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムにおいて、複数の配管は、複数の第1配管を備え、各第1配管は、2つの第1サブ配管を備え、各第1配管における一方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリアに対応し、各第1配管における一方の第1サブ配管の第2端は、車両における同一部品の排水管と連通するために用いられ、各第1配管における他方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリアに対応し、各第1配管における他方の第1サブ配管の第2端は、車両における同一部品の給水管と連通するために用いられ、
部品は、ラジエータ、電池冷却器、またはモータ冷却器の少なくとも1つを含む。
【0010】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムにおいて、複数の配管は、第2配管と第3配管とを備え、第2配管の第1端は、第1取付エリアに対応し、第3配管の第1端は、第2取付エリアに対応し、
第2配管は、2つの第2サブ配管を備え、第2配管における一方の第2サブ配管は、車両におけるヒータコアの排水管と連通するために用いられ、第2配管における他方の第2サブ配管は、車両におけるヒータの給水管と連通し、
第3配管は、2つの第3サブ配管を備え、第3配管における一方の第3サブ配管は、ヒータの排水管と連通するために用いられ、第3配管における他方の第3サブ配管は、ヒータコアの給水管と連通する。
【0011】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムにおいて、収容チャンバの内部には各配管の上方に位置する貯水エリアがあり、
貯水エリアは、配管と連通する補充ポートを有する。
【0012】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムは、水冷式凝縮器と熱交換器とをさらに備え、水冷式凝縮器は、ケースのカバープレートに反対する面に取り付けられており、水冷式凝縮器は、第1入口と第1出口とを有し、熱交換器は、カバープレートのケースに反対する面に取り付けられており、熱交換器は、第2入口と第2出口とを有し、
複数の配管は、2つの第4配管を備え、一方の第4配管の第1端は、第2取付エリアに対応し、且つ一方の第4配管は、第1入口と連通し、他方の第4配管の第1端は、第1取付エリアに対応し、且つ他方の第4配管は、第1出口と連通し、
複数の配管は、2つの第5配管を備え、第5配管の第1端はいずれも、第1取付エリアに対応し、一方の第5配管は、第2出口と連通し、他方の第5配管は、第2入口と連通する。
【0013】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムは、気液分離器をさらに備え、カバープレート上には収容チャンバ外に位置する取付部があり、気液分離器は、取付部のケースに向かう面に取り付けられており、且つ気液分離器は、水冷式凝縮器と隣接し、
気液分離器の冷媒入口は、熱交換器の冷媒出口と連通し、気液分離器は、車両の空調本体蒸発器の出口と連通するためにさらに用いられる。
【0014】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムは、取付部のケースに反対する面に取り付けられて熱交換器と隣接する空調統合弁をさらに備え、空調統合弁はそれぞれ、水冷式凝縮器の冷媒入口及び熱交換器の冷媒入口と連通し、
水冷式凝縮器の冷媒出口は、同軸管を介して空調統合弁と連通し、
気液分離器の冷媒出口は、同軸管を介して車両のコンプレッサの吸気口と連通し、
同軸管は、車両の空調本体内部凝縮器の出口と連通するためにさらに用いられ、
空調統合弁は、空調本体内部凝縮器の入口と連通するためにさらに用いられ、空調統合弁は、コンプレッサの排気口と連結するためにさらに用いられる。
【0015】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムにおいて、ポンプアセンブリは、ヒーティングウォーターポンプと、バッテリーウォーターポンプと、モータウォーターポンプと、を備え、ヒーティングウォーターポンプ、バッテリーウォーターポンプ、及びモータウォーターポンプはそれぞれ、ケースのカバープレートに反対する面に取り付けられており、且つヒーティングウォーターポンプ、バッテリーウォーターポンプ、及びモータウォーターポンプはそれぞれ、収容チャンバ外に位置する異なる配管と連結する。
【0016】
第3の態様によれば、本願は、車体と車体に取り付けられている熱管理システムとを備える車両を提供する。
【0017】
第4の態様によれば、本願は、熱管理システムが適用されている熱管理方法を提供し、当該方法は、
第1多方弁において第1個の第1バルブポートと第2個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の第1バルブポートがモータ冷却機構の排液口と連通し、第2個の第1バルブポートがラジエータの給液口と連通し、モータ冷却機構中の冷却液は、第1個の第1バルブポートと第2個の第1バルブポートとを順に通ってラジエータに流入するステップと、
第1多方弁において第3個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、ラジエータの排液口が第3個の第1バルブポートと連通し、第4個の第1バルブポートがモータ冷却機構の給液口と連通し、ラジエータに流入した冷却液は、ラジエータで冷却された後、第3個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとを順に通ってモータ冷却機構に流入するステップと、を含む。
【0018】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第1多方弁において第5個の第1バルブポートと第6個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第5個の第1バルブポートがバッテリー冷却機構の排液口と連通し、第6個の第1バルブポートが熱交換器の給液口と連通し、バッテリー冷却機構中の冷却液は、第5個の第1バルブポート、第6個の第1バルブポートを順に通って熱交換器に流入するステップと、
第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、熱交換器の排液口が第7個の第1バルブポートと連通し、バッテリー冷却機構の給液口が第8個の第1バルブポートと連通し、熱交換器に流入した冷却液は、熱交換器で冷却された後、第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとを順に通ってバッテリー冷却機構に流入するステップと、をさらに含む。
【0019】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第1多方弁において第3個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、ラジエータに流入した冷却液は、ラジエータで冷却された後、第3個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとを順に通ってバッテリー冷却機構に流入するステップと、
第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、熱交換器に流入した冷却液は、熱交換器で冷却された後、第7個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとを順に通ってモータ冷却機構に流入するステップと、をさらに含む。
【0020】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第1多方弁において第1個の第1バルブポートと第9個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第9個の第1バルブポートが第3個の第1バルブポートと連通し、第3個の第1バルブポートが第4個の第1バルブポートと連通し、モータ冷却機構中の冷却液は、第1個の第1バルブポート、第9個の第1バルブポート、第3個の第1バルブポート、及び第4個の第1バルブポートを順に通ってモータ冷却機構に流入するステップと、
第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、熱交換器から流出した冷却液は、第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとを順に通ってバッテリー冷却機構に流入するステップと、をさらに含む。
【0021】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第1多方弁において第3個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、モータ冷却機構中の冷却液は、第1個の第1バルブポート、第9個の第1バルブポート、第3個の第1バルブポート、及び第8個の第1バルブポートを順に通ってバッテリー冷却機構に流入するステップと、
第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、熱交換器から流出した冷却液は、第7個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとを順に通ってモータ冷却機構に流入するステップと、をさらに含む。
【0022】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
バッテリー冷却機構から流出した冷却液の一部は、コントローラに流入し、コントローラから流出した冷却液は、熱交換器に流入するステップをさらに含む。
【0023】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、バッテリー冷却機構中の冷却液は、コントローラを通って熱交換器に流入し、熱交換器から流出した冷却液は、第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとを通ってバッテリー冷却機構に流入するステップをさらに含む。
【0024】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第2多方弁において第1個の第2バルブポートと第2個の第2バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の第2バルブポートがヒータの排液口と連通し、第2個の第2バルブポートがヒータコアの給液口と連通し、ヒータコアの排液口がヒータの給液口と連通するステップと、
ヒータから流出した冷却液は、第1個の第1バルブポート、第2個の第1バルブポート、及びヒータコアを順に通ってヒータに流入するステップと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0025】
本願は、熱管理システム、車両及び熱管理方法を提供し、熱管理システムは、タンクアセンブリとバルブユニットとを備え、タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、ケースは、カバープレートを覆いカバープレートとともに収容チャンバを形成し、バルブユニットは、ケースに取り付けられており、収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、ケース上に収容チャンバと連通する接続口が複数あり、配管の第1端は、接続口と一対一に対応して連通し、配管の第2端及び配管の一部は、収容チャンバ外に位置し、バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、バルブポートは、接続口と一対一に対応して連通する。集積的なタンクアセンブリの配置によって、熱管理システムにおける各部品をタンクアセンブリにおけるケース及びカバープレート上に集積的に取り付けて、冷却液流通用配管を収容チャンバの内部に集積することにより、従来の技術において分散して取り付けられた部品は1つのモジュールアセンブリとして集積されることは実現され、高度に集積された熱管理システムは、効率的に取り付けスペースを節約するだけでなく、大量の配管を節約し、配管内の流動抵抗を低減し、熱管理の作業効率を向上させる。従来の技術において大量の冷却管路を使用して接続すると、システム全体の冷却管路の長さが長くなり、冷却管路内の冷却液の流動抵抗が大きくなり、熱管理システムの稼動効率が低いという問題は解決される。
【0026】
本願の実施例又は従来の技術の解決手段をより明確に説明するため、以下、実施例又は従来の技術の記述において使用する必要がある図面を簡単に説明する。当然ながら、以下、記載する図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到しうる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願により提供される熱管理システムの構造概略図である。
図2】本願により提供される熱管理システムの別の構造概略図である。
図3】本願により提供される熱管理システムにおけるタンクアセンブリの構造概略図である。
図4】本願により提供される熱管理システムにおけるタンクアセンブリの別の構造概略図である。
図5図3のAの拡大概略図である。
図6図3のBの拡大概略図である。
図7】本願により提供される熱管理システムにおける第1多方弁の構造概略図である。
図8】本願により提供される熱管理システムにおける第2多方弁の構造概略図である。
図9図4のCの拡大概略図である。
図10】本願により提供される熱管理システムの流通概略図である。
図11図10のDの拡大概略図である。
図12図10のEの拡大概略図である。
図13】本願により提供される熱管理システムの第1種の作動モードの流通概略図である。
図14】本願により提供される熱管理システムの第2種の作動モードの流通概略図である。
図15】本願により提供される熱管理システムの第3種の作動モードの流通概略図である。
図16】本願により提供される熱管理システムの第4種の作動モードの流通概略図である。
図17】本願により提供される熱管理システムの第5種の作動モードの流通概略図である。
図18】本願により提供される熱管理システムの第6種の作動モードの流通概略図である。
図19】本願により提供される熱管理システムの第7種の作動モードの流通概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本願の実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0029】
本願の説明において、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」という用語は、特に明確に規定及び限定されない限り、広義に解釈されるべきであり、例えば、固定的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの構成要素の内部の連通または2つの構成要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0030】
本願の説明において、用語「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などは、単に本願の説明及び説明を容易にするために図面に示された方位又は位置関係に基づいて示された方位又は位置関係であって、示された装置又は構成要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示し又は示唆するものではないため、本願に対する限定として理解されないことが理解されるべきである。
【0031】
本願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記の図面における「第1」、「第2」、「第3」(存在する場合)という用語は、特定の順序又は順番を記載するためではなく、類似のオブジェクトを区別するために使用される。このように使用されるデータは、本明細書に記載された本願の実施例が、例えば、本明細書に図示または記載されたもの以外の順序で実施され得るように、適宜交換され得ることが理解されるべきである。
【0032】
さらに、「含む」および「有する」という用語、ならびにそれらのいかなる変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはメンテナンスツールは、明示的に列挙されたそれらのステップまたはユニットに限定される必要はなく、明示的に列挙されていない、またはそれらのプロセス、方法、製品、またはメンテナンスツールに固有の他のステップまたはユニットを含んでもよい。
【0033】
新エネルギー車の普及に伴い、車両熱管理システムの重要性がますます高まっている。従来のガソリン車に比べ、新エネルギー自動車の熱管理システムはより複雑でより高く要求されている。
【0034】
純電気自動車は通常、車両全体の熱管理要件に応じて、膨張ウォーターポンプ、モータウォーターポンプ、バッテリーウォーターポンプ、ヒーティングウォーターポンプ、熱交換器、水冷式凝縮器、水温センサー、四方向電磁弁、三方向電磁弁、双方向電磁弁、双方向比例弁、三方向比例弁、冷却連結管路、空調気液分離器、空調EXV弁、空調SOV弁、空調連結管路など、数多くの熱管理部品を取り付ける必要がある。現在、電気自動車の航続距離をさらに向上させるために、車両全体の熱管理の作動モードの設計に対する要求はますます高まっており、熱管理を必要とする部品の数もそれに応じて増加している。熱管理システムにおける部品は分散配置されているため、熱管理システムは車両に大きな取付スペースを占め、各部品に対する車両の熱管理要件を満たすために、分散された各部品間を連通するには大量の冷却管路及び空調管路が必要となる。
【0035】
しかし、大量の冷却管路を使用して接続すると、システム全体の冷却管路の長さが長くなり、冷却管路内の冷却液の流動抵抗が大きくなり、熱管理システムの稼動効率が低い。
【0036】
本願は、これに鑑みて、熱管理システム、車両及び熱管理方法を提供し、車両熱管理システムにおける部品を集積して設計することにより、熱管理システムにおける管路の長さは節約され、熱管理システムの作業効率は向上する。
【0037】
実施例
【0038】
図1は、本願により提供される熱管理システムの構造概略図であり、図2は、本願により提供される熱管理システムの別の構造概略図であり、図3は、本願により提供される熱管理システムにおけるタンクアセンブリの構造概略図であり、図4は、本願により提供される熱管理システムにおけるタンクアセンブリの別の構造概略図である。
【0039】
図1及び図2に示すように、本願の実施例により提供される熱管理システムは、タンクアセンブリ10、ポンプアセンブリ20、及びバルブユニット30を備える。図3及び図4に示すように、タンクアセンブリ10は、ケース11とカバープレート12とを備え、ケース11はカバープレート12を覆いカバープレート12とともに収容チャンバ(図示なし)を形成し、ポンプアセンブリ20とバルブユニット30とはそれぞれ、ケース11に取り付けられており、収容チャンバ内に液体流通用配管130が複数あり、ケース11上に収容チャンバと連通する接続口110が複数あり、配管130の第1端は接続口110と一対一に対応して連通し、配管130の第2端及び配管130の一部は収容チャンバ外に位置し、バルブユニット30は、複数のバルブポートを有し(図示なし)、バルブポートは、接続口110と一対一に対応して連通し、バルブユニット30は、接続口110と接続口110に対応するバルブポートとの切断又は連通を制御して、配管間の切断又は連通を制御するために用いられる。
【0040】
タンクアセンブリ10は、熱管理システムのコアとなる部品であり、様々な機能を有する。タンクアセンブリ10は、熱管理システムにおける各部品のために冷却降温用冷却液を提供することができるだけでなく、各部品に固定支持を提供することもでき、これによって、分散された各部品は、一体的な熱管理集積モジュールとして集積され、各部品はよりコンパクトに配置され、車両車体での熱管理システムの取付スペースは減少する。
【0041】
図3及び図4を引き続き参照されたい。タンクアセンブリ10は、ケース11とカバープレート12とを備え、ケース11は、第1表面113と第1表面113と対向する第2表面(図示なし)とを有し、ケース11の第2表面にカバープレート12を覆い、且つケース11は、熱板溶接でカバープレート12と連結してからともに収容チャンバを形成する。
【0042】
図1及び図3を引き続き参照されたい。ポンプアセンブリ20とバルブユニット30とはそれぞれ、ケース11の第1表面113に固定的に取り付けられている。
【0043】
図3及び図4を引き続き参照されたい。タンクアセンブリ10の収容チャンバの内部に複数の冷却液流通用配管130が配置されており、配管130は、熱管理システムにおける各部品を連通して対応する部品に冷却液を輸送するために用いられる。ケース11の第1表面113に複数の接続口110が配置されており、各接続口110はいずれも、収容チャンバと連通する。配管130の第1端は、接続口110と一対一に対応して連通し、配管130の第2端は、収容チャンバから伸びた後、配管130の一部とともに収容チャンバの外部に位置し、配管130の第2端は、ケース11に取り付けられている部品と連通して冷却液を輸送するために用いられる。
【0044】
本願では、熱管理システムにおける各部品をケース11に集積的に取り付けると、熱管理システム全体はよりコンパクトに配置され、各部品間の距離も大幅に減少し、また、各部品間を連通するための配管130を収容チャンバの内部に配置すると、システム全体のスペースレイアウトを最適化できるだけでなく、配管130の合計長さも大幅に短縮され、配管130の内部抵抗は効果的に低減され、熱管理システムの作業効率は向上する。
【0045】
バルブユニット30に複数のバルブポートが配置されており、バルブポートは接続口110と一対一に対応して連通し、各配管130は、バルブユニット30を介して連通され、冷却液はバルブユニット30を通ってから各部品に流入する。バルブユニット30は、接続口110と接続口110と対応して連通するバルブポートとの切断又は連通を制御して、各接続口110が位置する配管130間の切断又は連通を制御し、各配管130によって連結される部品に投入される冷却液の流量の大きさを制御するために用いられる。
【0046】
熱管理システムに取り付けられているバルブユニット30は配管130と直列に連結されると閉鎖した冷却回路は形成され、バルブユニット30によって異なる冷却回路の開閉を制御することで、各部品の冷却液に対する需要を満たし、熱管理システム全体の作業効率を向上させる。
【0047】
本願は、集積的なタンクアセンブリ10の配置によって、熱管理システムにおける各部品をタンクアセンブリ10におけるケース11及びカバープレート12上に集積的に取り付けて、冷却液流通用配管130を収容チャンバの内部に集積することにより、従来の技術において分散して取り付けられた部品は1つのモジュールアセンブリとして集積されることは実現され、高度に集積された熱管理システムは、効率的に取り付けスペースを節約して配管130の外部接続口を統一し、配管130の配置をよりコンパクトにするだけでなく、大量の配管130を節約し、配管130内の流動抵抗を低減し、熱管理の作業効率を向上させる。従来の技術において大量の冷却管路を使用して接続すると、システム全体の冷却管路の長さが長くなり、冷却管路内の冷却液の流動抵抗が大きくなり、熱管理システムの稼動効率が低いという問題は解決される。
【0048】
図3を引き続き参照されたい。ケース11のカバープレート12に反対する面には第1取付エリア111と第2取付エリア112とがあり、複数の接続口110は、複数の第1接続口(図示なし)と複数の第2接続口(図示なし)とを備え、第1接続口は、第1取付エリア111内に位置し、第2接続口は、第2取付エリア112内に位置する。ケース11のカバープレート12に反対する面は、ケース11の第1表面113となり、第1表面113には、バルブアセンブリを取り付けるための第1取付エリア111と第2取付エリア112とが配置されている。
【0049】
図5は、図3のAの拡大概略図であり、図6は、図3のBの拡大概略図である。
【0050】
図3図5、及び図6に示すように、第1取付エリア111内には、第1接続口a1111、第1接続口b1112、第1接続口c1113、第1接続口e1114、第1接続口f1115、第1接続口h1116、第1接続口k1117、第1接続口m1118、第1接続口n1119という9個の第1接続口がそれぞれ配置されている。第2取付エリア112内には、第2接続口a1121、第2接続口b1122、第2接続口c1123、第2接続口e1124、第2接続口f1125という5個の第2接続口がそれぞれ配置されている。
【0051】
図7は、本願により提供される熱管理システムにおける第1多方弁の構造概略図であり、図8は、本願により提供される熱管理システムにおける第2多方弁の構造概略図であり、図9は、図4のCの拡大概略図である。
【0052】
図1図7、及び図8に示すように、バルブユニット30は、第1多方弁31と第2多方弁32とを備え、複数のバルブポートは、複数の第1バルブポート(図示なし)と複数の第2バルブポート(図示なし)とを備え、第1バルブポートは、第1多方弁31に位置し、第2バルブポートは、第2多方弁32に位置する。
【0053】
具体的に、第1多方弁31は、弁座(図示なし)と弁座内に回転可能に配置されている弁コア(図示なし)とを備え、弁コアは複数の回転位置を有し、弁座に複数の第1バルブポートが配置されており、弁コアには各第1バルブポートにそれぞれ対応する導通構造群が配置されており、各導通構造群は、周方向に設けられた複数の導通構造を備え、導通ユニット群は、弁コアが異なる回転位置まで回転されると、導通ユニット群における異なる導通構造が対応する第1バルブポートと協働して、第1バルブポートに異なる導通状態を形成させるように構成されている。
【0054】
弁コアは、弁座に回転可能に配置されており、弁座に複数の第1バルブポートが配置されており、弁コアには第1バルブポートに対応する導通構造群が配置されており、導通構造群は、周方向に設けられた複数の導通構造をさらに備える。弁コアが異なる回転位置まで回転されると、異なる第1バルブポートが異なる導通状態を形成することは実現される。このとき、必要な弁コアは1つのみである。
【0055】
第1多方弁31は9方電磁弁とすることができ、9方電磁弁は、当該9方電磁弁に接続される各配管130の切断又は連通を制御するために用いられ、9方電磁弁には、第1バルブポートa311、第1バルブポートb312、第1バルブポートc313、第1バルブポートe314、第1バルブポートf315、第1バルブポートh316、第1バルブポートk317、第1バルブポートm318、第1バルブポートn319という9個の第1バルブポートがそれぞれ配置されている。
【0056】
第2多方弁32は、弁座、第1弁コア(図示なし)、第2弁コア(図示なし)、及び駆動装置(図示なし)を備える。駆動装置は、第1弁コアと連動して接続され、第1弁コアに第1協働構造が設けられており、第2弁コアには第1協働構造と協働する第2協働構造が設けられており、第1協働構造と第2協働構造とは、第1協働状態と第2協働状態とを有し、第1協働状態では、第1弁コアは独立して回転し、第2弁コアは静止したままであり、第2協働状態では、第1弁コアは、第2弁コアを同期回転させる。
【0057】
弁座には第1弁コアに対応する複数の第2バルブポートが設けられており、第1弁コアに第1導通構造が設けられており、第1導通構造は、第1弁コアが第1所定の位置まで回転されると少なくとも2つの第2バルブポートを連通するために用いられ、弁座には第2弁コアに対応する複数の第2バルブポートが設けられており、第2弁コアに第2導通構造が設けられており、第2導通構造は、第2弁コアが第2所定の位置まで回転されると少なくとも2つの第2バルブポートを連通するために用いられる。
【0058】
駆動装置は、第1弁コアと連動して接続され、第1弁コアが回転されると、第1弁コア上の第1協働構造は第2協働構造を介して第2弁コアを回転させることができる。このように、第1弁コアは、独立して回転し、第1バルブポートの第1導通構造に対する角度を変えることで、第1弁コアの流量を調整する。第1弁コアは回転されると第2弁コアを回転させ、第2バルブポートの第2導通構造に対する角度を変えることで、第2弁コアの流量を調整し、そして、第1弁コアの流量を変えることなく第1弁コアは再び元の位置まで回転される。第1弁コアと第2弁コアとを駆動して制御するために必要な駆動装置は1つのみでよい。
【0059】
駆動装置は、モータ(図示なし)及びモータと連動して接続される歯車群(図示なし)を備え、歯車群は、第1弁コアと連動して接続される。モータ軸にウォーム(図示なし)が設けられており、歯車群は、ウォームと協働する第1タービンと、第1タービンと噛み合う第2タービンと、第2タービンと噛み合う第3タービンと、第3タービンの底部と連結する第1歯車と、第1歯車と噛み合う第2歯車と、を備える。歯車群における第1タービン、第2タービン、第3タービン、第1歯車、及び第2歯車の中心軸は、互いに平行で且つ垂直方向に沿うものであり、第1ウォームの中心軸は、第1タービンの中心軸と互いに垂直である。モータ軸上のウォームが回転すると、歯車群の伝動によって第1弁コアを回転させ、伝動の安定性は確保される。
【0060】
モータのタイプは特に限定されないが、制御を簡単にして精度を確保するために、モータは、ステッピングモータ又はサーボモータであることが好ましい。
【0061】
第2多方弁32は、5方電磁弁であり、5方電磁弁は、当該5方電磁弁に接続される各配管130の開きの大きさを制御して、配管130内を流れる冷却液の流量の大きさを制御するために用いられる。5方電磁弁には、第2バルブポートa321、第2バルブポートb322、第2バルブポートc323、第2バルブポートe324、第2バルブポートf325という5個の第2バルブポートがそれぞれ配置されている。
【0062】
図1及び図3を引き続き参照されたい。第1多方弁31は、第1取付エリア111内に接続され、且つ第1バルブポートは第1接続口と一対一に対応して連通し、第2多方弁32は、第2取付エリア112内に接続され、且つ第2バルブポートは第2接続口と一対一に対応して連通する。第1多方弁31は、ケース11の第1表面113上の第1取付エリア111の内部に取り付けられると、各第1バルブポートは各第1接続口と一対一に対応して互いに連通し、第1バルブポートa311は第1接続口a1111と対応して連通し、第1バルブポートb312は第1接続口b1112と対応して連通し、第1バルブポートc313は第1接続口c1113と対応して連通し、第1バルブポートe314は第1接続口e1114と対応して連通し、第1バルブポートf315は第1接続口f1115と対応して連通し、第1バルブポートh316は第1接続口h1116と対応して連通し、第1バルブポートk317は第1接続口k1117と対応して連通し、第1バルブポートm318は第1接続口m1118と対応して連通し、第1バルブポートn319は第1接続口h1119と対応して連通する。第2多方弁32は、ケース11の第1表面113上の第2取付エリア112内に取り付けられると、各第2バルブポートは各第2接続口と一対一に対応して互いに連通し、第2バルブポートa321は第2接続口a1121と対応して連通し、第2バルブポートb322は第2接続口b1122と対応して連通し、第2バルブポートc323は第2接続口c1123と対応して連通し、第2バルブポートe324は第2接続口e1124と対応して連通し、第2バルブポートf325は第2接続口f1125と対応して連通する。
【0063】
図10は、本願により提供される熱管理システムの流通概略図である。
【0064】
図2図4、及び図10に示すように、複数の配管130は、複数の第1配管(図示なし)を備え、各第1配管は2つの第1サブ配管(図示なし)を備え、各第1配管における一方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリア111に対応し、各第1配管における一方の第1サブ配管の第2端は、車両における同一部品の排水管と連通するために用いられ、各第1配管における他方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリア111に対応し、各第1配管における他方の第1サブ配管の第2端は、車両における同一部品の給水管と連通するために用いられ、部品は、ラジエータ82、バッテリー冷却機構(バッテリーパック放熱装置を指し、以下バッテリー冷却機構として略称)83、またはモータ冷却機構(モータ放熱装置を指し、以下モータ冷却機構として略称)80の少なくとも1つを含む。
【0065】
1つの可能な実現形態では、車両上の各部品の冷却液回路を互いに独立させ、干渉を避けるために、収容チャンバ内に配置されている配管130は、複数の第1配管を備え、各第1配管は、2つの第1サブ配管を備え、2つの第1サブ配管は、第1多方弁31を介して接続されて冷却液流通用第1配管を構成する。
【0066】
具体的に、各第1配管における一方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリア111内の第1接続口と対応して連通し、その第2端は、車両における同一部品の排水管と連通するために用いられ、当該部品から流出した冷却液は第1サブ配管を通過した後第1多方弁31の内部に流入する。各第1配管における他方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリア111内の第1接続口と対応して連通し、その第2端は、車両における同一部品の給水管と連通するために用いられ、第1多方弁31から流出した冷却液は、当該第1サブ配管を通過した後当該部品に流入する。2つの第1サブ配管の第1端は、第1多方弁31を介して接続されて第1配管を構成し、第1配管を車両における同一部品の給水管及び排水管と連通して閉鎖した冷却回路を形成し、当該冷却回路の開閉状態を第1多方弁31によって制御することで、車両における部品に冷却液を提供する。
【0067】
通常、車両において冷却液が流通する部品は主に、ラジエータ82、バッテリー冷却機構83、及びモータ冷却機構80などの部品を備える。バッテリー冷却機構83は、車両のバッテリーパックに設けられている冷却機構であり、当該冷却機構は主に、バッテリーパックに貼り付けてバッテリーパックと熱交換を行い、冷却液は、冷却機構を流れた後バッテリーパックに発生した熱を吸収して奪うことができ、バッテリーパックが作動時に最適な温度範囲内となるようにする。
【0068】
モータ冷却機構80は、車両のモータに設けられている冷却機構であり、当該冷却機構は、モータの外側ケースに貼り付けて熱交換を行い、車両のモータが始動後に大量の熱を発生するため、熱を適時に放出できなければ、車両のモータの動作性能に影響を与える。したがって、冷却液は、車両のモータ上の冷却装置を流れた後モータに発生した熱を吸収して奪うことができ、車両のモータが作業時に最適な温度範囲内となるようにする。
【0069】
ラジエータ82は、車両に設けられて空気と熱交換を行うための装置であり、冷却液は、吸収した熱をラジエータ82に運んだ後、ラジエータ82を介して空気と熱交換を行った後熱を空気に伝えることができるため、車両の正常な運転が保証される。
【0070】
図3図4、及び図9に示すように、複数の第1サブ配管の第2端は収容チャンバ内からケース11を伸ばした後、車両における関連部品と連通する複数の接続口は形成される。具体的に、ケース11の第1表面113には、ラジエータ給水管131、ラジエータ排水管132、モータ冷却機構給水管133、バッテリー冷却機構給水管135があり、ケース11の第1側面114には、モータ冷却機構排水管134及びバッテリー冷却機構排水管136がある。
【0071】
車両上のラジエータ82の給液口と排液口はそれぞれ、ラジエータ給水管131及びラジエータ排水管132と連通し、バッテリー冷却機構83の給液口と排液口はそれぞれ、バッテリー冷却機構給水管135及びバッテリー冷却機構排水管136と連通し、モータ冷却機構80の給液口と排液口はそれぞれ、モータ冷却機構給水管133及びモータ冷却機構排水管134と連通する。
【0072】
図10を引き続き参照されたい。いくつかの実施例では、複数の配管130は、第2配管(図示なし)と第3配管(図示なし)とを備え、第2配管の第1端は第1取付エリア111に対応し、第3配管の第1端は第2取付エリア112に対応し、第2配管は、2つの第2サブ配管(図示なし)を備え、第2配管における一方の第2サブ配管は、車両におけるヒータコア85の排水管と連通するために用いられ、第2配管における他方の第2サブ配管は、車両におけるヒータ84の給水管と連通する。
【0073】
第3配管は、2つの第3サブ配管(図示なし)を備え、第3配管における一方の第3サブ配管は、ヒータ84の排水管と連通するために用いられ、第3配管における他方の第3サブ配管は、ヒータコア85の給水管と連通する。
【0074】
具体的に、第2配管は、2つの第2サブ配管を備え、第2配管における一方の第2サブ配管の第1端は、第1取付エリア111に対応するように配置されており、第2配管における一方の第2サブ配管の第2端は、車両におけるヒータコア85の排水管と連通するために用いられる。第2配管における他方の第2サブ配管の第1端は、第1取付エリア111に対応するように配置されており、第2配管における他方の第2サブ配管の第2端は、車両におけるヒータ84の給水管と連通するために用いられる。
【0075】
第3配管は、2つの第3サブ配管を備え、第3配管における一方の第3サブ配管の第1端は、第2取付エリア112に対応するように配置されており、第3配管における一方の第3サブ配管の第2端は、ヒータ84の排水管と連通するために用いられる。第3配管における他方の第3サブ配管の第1端は、第2取付エリア112に対応するように配置されており、第3サブ配管における他方の第3サブ配管の第2端は、ヒータコア85の給水管と連通するために用いられる。
【0076】
ヒータ84とヒータコア85とはいずれも、車両の車体に配置されており、コックピットに温風を供給するために用いられ、コックピットとは、車両の車体に設けられており車両の運転手や同乗者が乗車するための空間を指す。ヒータ84とヒータコア85とは、直列関係にあり、冷却液は、収容チャンバから流出した後ヒータ84とヒータコア85とを順次流れる。気温の低い環境で車両を走行させる場合には、ヒータ84の作動を開始させることによりヒータ84を流れる冷却液を加熱し、熱を吸収した冷却液は配管130を経由してヒータコア85に流入し、ヒータコア85は熱交換によりコックピットに熱を伝えることにより、コックピット内部の温度を上昇させることができる。なお、ヒータコア85と空気との熱交換効率を向上させるために、ヒータコア85が配置される位置にファン(図示なし)を設け、ファンを用いてヒータコア85に送風することによりヒータコア85の熱交換効率を向上させることができる。
【0077】
図4図9、及び図10を引き続き参照されたい。複数の第2サブ配管及び第3サブ配管の第2端は、収容チャンバ内からケース11を伸ばした後車両における関連部品と連通する複数の接続口は形成される。具体的に、ケース11の第1側面114にはさらに、ヒータ給水管137、ヒータ排水管138、ヒータコア給水管139、及びヒータコア給水管139がある。ヒータ84の給液口と排液口はそれぞれ、ヒータ給水管137及びヒータ排水管138と連通し、ヒータコア85の給液口と排液口はそれぞれ、ヒータコア給水管139及びヒータコア排水管140と連通する。
【0078】
図3及び図4を引き続き参照されたい。収容チャンバの内部に貯水エリア150があり、貯水エリア150は配管130の上方に位置し、貯水エリア150は補充ポート(図示なし)を有し、補充ポートは配管130と連通して配管130に対して補水を行う。
【0079】
本実施例では、熱管理システム中に冷却液を注入して冷却液を各部品に投入するために、収容チャンバ内に1つの貯水エリア150が設けられ、貯水エリア150は配管130の上方に設けられ、ケース11に注液口151がさらに設けられ、注液口151は貯水エリア150の上方に位置し、且つ注液口151は貯水エリア150と連通し、冷却液は注液口151により貯水エリア150の内部に添加される。貯水エリア150の下方に補充ポートが設けられ、補充ポートは配管130と連通し、貯水エリア150内の冷却液は各部品で使用されるために補充ポートを経由して各配管130に輸送される。なお、注液口151と補充ポートとの開閉状態を、冷却液の損失度合いに応じて熱管理システムが自ら制御することができる。
【0080】
図1及び図2を引き続き参照されたい。水冷式凝縮器40と熱交換器50とをさらに備え、水冷式凝縮器40は、ケース11のカバープレート12に反対する面に取り付けられており、水冷式凝縮器40は、第1入口(図示なし)と第1出口(図示なし)とを有し、熱交換器50は、カバープレート12のケース11に反対する面に取り付けられており、熱交換器50は、第2入口(図示なし)と第2出口(図示なし)とを有する。
【0081】
複数の配管130は、2つの第4配管(図示なし)を備え、一方の第4配管の第1端は、第2取付エリア112に対応し、且つ一方の第4配管は、第1入口と連通し、他方の第4配管の第1端は、第1取付エリア111に対応し、且つ他方の第4配管は、第1出口と連通する。
【0082】
複数の配管130は、2つの第5配管(図示なし)を備え、第5配管の第1端はいずれも、第1取付エリア111に対応し、一方の第5配管は、第2出口と連通し、他方の第5配管は、第2入口と連通する。
【0083】
本実施例では、熱管理システムによる車両における空調システムの放熱を容易にするために、熱管理システムには、水冷式凝縮器40をさらに備え、水冷式凝縮器40は、ケース11の第1表面113に取り付けられている。水冷式凝縮器40は、空調システム中の冷媒と熱管理システムにおける冷却液とを熱交換させる装置であり、水冷式凝縮器40に冷却液と冷媒とを同時に入れると、冷媒は、空調システムにおける熱を水冷式凝縮器40に伝え、そして、冷却液により当該熱の一部を吸収して熱管理システムに伝え、冷媒の温度を急速に下げて、空調システムを冷却する目的を達成することができる。これに応じて、水冷式凝縮器40には、冷媒流通用冷媒入口(図示なし)、冷媒出口(図示なし)、及び冷却液流通用第1入口(図示なし)、第1出口(図示なし)が設けられている。水冷式凝縮器40の冷媒入口と冷媒出口はそれぞれ、空調システムにおける管路と連通する。
【0084】
熱管理システムの降温効率を向上させるために、熱管理システムは熱交換器50をさらに備え、熱交換器50は、カバープレート12のケース11に反対する面に取り付けられている。熱交換器50は、空調システム中の冷媒と熱管理システムにおける冷却液とを熱交換させる装置であり、熱交換器50に冷却液と冷媒とを同時に入れると、冷却液は、熱管理システムにおける熱を熱交換器50に伝え、そして、冷媒により当該熱を吸収して空調システムに伝え、これにより冷却液の温度を急速に下げて、熱管理システムを冷却する目的を達成することができる。これに応じて、熱交換器50には、冷媒流通用冷媒入口(図示なし)、冷媒出口(図示なし)、及び冷却液流通用第2入口(図示なし)、第2出口(図示なし)が設けられている。熱交換器50の冷媒入口と冷媒出口はそれぞれ、空調システムにおける管路と連通する。
【0085】
水冷式凝縮器40の第1入口と第1出口とを熱管理システムと連通するために、収容チャンバ内の複数の配管130は、2つの第4配管(図示なし)を備え、そのうちの一方の第4配管の第1端は、第2取付エリア112に対応して第2取付エリア112内の第2接続口f1125と連通し、他端は、水冷式凝縮器40の第1入口と対応して連通する。他方の第4配管の第1端は、第1取付エリア111に対応して第1取付エリア111内の第1接続口m1118と連通し、冷却液は、第2接続口f1125から流出し第4配管を経由して水冷式凝縮器の第1入口に流入し、そして、水冷式凝縮器40の第1出口から流出し第4配管を経由して第1接続口m1118に流入することにより、水冷式凝縮器40の冷却回路は形成される。
【0086】
熱交換器50の第2入口と第2出口とを熱管理システムと連通するために、収容チャンバ内の複数の配管130は、2つの第5配管(図示なし)をさらに備え、そのうちの一方の第5配管の第1端は第1取付エリア111に対応して第1取付エリア111内の第1接続口h1116と連通し、その第2端は熱交換器50の第2入口と対応して連通する。他方の第5配管の第1端は第1取付エリア111に対応して第1取付エリア111内の第1接続口b1112と連通し、その第2端は熱交換器50の第2出口と対応して連通する。冷却液は、第1接続口h1116から流出し第5配管を経由して熱交換器50の第2入口に流入し、そして、熱交換器50の第1出口から流出し第5配管を経由して第1接続口b1112に流入することにより、熱交換器50の冷却回路は形成される。
【0087】
図1図3図4、及び図10を引き続き参照されたい。気液分離器60をさらに備え、カバープレート12上には取付部120があり、取付部120が収容チャンバ外に位置し、気液分離器60は取付部120のケース11に向かう面に取り付けられており、且つ気液分離器60は水冷式凝縮器40と隣接し、気液分離器60の冷媒入口は熱交換器50の冷媒出口と連通し、気液分離器60は、車両の空調本体蒸発器の出口と連通するためにさらに用いられる。
【0088】
本実施例では、ガス状の冷媒を液状の冷媒から分離するために、熱管理システムには気液分離器60をさらに備え、気液分離器60はカバープレート12に取り付けられている。カバープレート12に取付部120が設けられ、取付部120は収容チャンバの外部に位置する。気液分離器60は、取付部120のケース11の第1表面113に向かう側に取り付けられており、且つ気液分離器60は水冷式凝縮器40と隣接するように配置されている。気液分離器60に冷媒入口と冷媒出口が設けられており、気液分離器60の冷媒入口は、熱交換器50の冷媒出口と空調本体蒸発器90の冷媒出口にそれぞれ連通し、気液分離器60の冷媒出口は、コンプレッサ91の冷媒出口と連通する。熱交換器50と空調本体蒸発器90から流出した冷媒は、気液分離器60に流入して気液分離され、ガス状の冷媒は、気液分離器60からコンプレッサ91内に流入して再利用される。
【0089】
図2及び図10を引き続き参照されたい。空調統合弁70をさらに備え、空調統合弁70は、取付部120のケース11に反対する面に取り付けられており、空調統合弁70は熱交換器50と隣接し、空調統合弁70は、水冷式凝縮器40の冷媒入口と熱交換器50の冷媒入口にそれぞれ連通し、水冷式凝縮器40の冷媒出口は、同軸管93を介して空調統合弁70と連通し、気液分離器60の冷媒出口は、同軸管93を介して車両のコンプレッサ91の吸気口と連通し、同軸管93は、車両の空調本体凝縮器92の出口と連通するためにさらに用いられ、空調統合弁70は、空調本体凝縮器92の入口と連通するために用いられ、空調統合弁70は、コンプレッサ91の排気口と連結するためにさらに用いられる。
【0090】
1つの可能な実現形態では、車両における空調システム内部の冷媒の流通を制御するために、熱管理システムには空調統合弁70をさらに備え、空調統合弁70は、取付部120のケース11に反対する面に取り付けられており、且つ空調統合弁70は熱交換器50と隣接するように配置されている。空調統合弁70には、間隔を隔てて2つの開閉弁と2つの膨張弁が配置されており、それぞれ第1開閉弁71、第2開閉弁72、第1膨張弁73、及び第2膨張弁74である。
【0091】
第1開閉弁71と第2開閉弁72は並列に設けられ、且つそれらの入口はいずれも管路を介してコンプレッサ91の排気口と連通する。第1開閉弁71の出口は管路を介して空調本体凝縮器92の冷媒入口と連通し、第2開閉弁72の出口は管路を介して水冷式凝縮器40の冷媒入口と連通する。なお、車両稼動時に、2つの開閉弁はそのうち1つのみをオンにすることができ、2つの開閉弁を同時にオンにすることができない。すなわち、第1開閉弁71はオンにされて第2開閉弁72はオフにされると、コンプレッサ91の排気口から流出した冷媒は第1開閉弁71を通過した後空調本体凝縮器92内に流入し、逆に、冷媒は第2開閉弁72を通過した後水冷式凝縮器40内に流入する。
【0092】
第1膨張弁73と第2膨張弁74は並列に設けられ、且つそれらの入口はいずれも管路を介して同軸管93と連通し、第1膨張弁73の出口は管路を介して熱交換器50の冷媒入口と連通する。第2膨張弁74の出口は管路を介して空調本体蒸発器90と連通する。なお、車両稼動時に、2つの膨張弁を同時にオンにして作動させ、すなわち、同軸管93から流出した冷媒は2つの膨張弁内に入って異なる部品に流入するようにすることができる。
【0093】
水冷式凝縮器40の冷媒出口は同軸管93を介して膨張弁と連通し、気液分離器60の冷媒出口は同軸管93を介してコンプレッサ91の吸気口と連通し、空調本体凝縮器92の冷媒出口は同軸管93を介して膨張弁と連通する。
【0094】
具体的に、車両の空調システム中の冷媒の流通ルートは、次の通りである。冷媒は、コンプレッサ91の排気口から空調統合弁70に流入した後2つのルートを選択することができ、第1ルートでは、第1開閉弁71を通過した後空調本体凝縮器92に流入し、そして同軸管93内に流入し、同軸管93から膨張弁に流入し、第2ルートでは、第2開閉弁72を通過した後水冷式凝縮器40に流入し、そして同軸管93内に流入し、同軸管93から膨張弁に流入する。膨張弁から流出した冷媒は2つのルートに分けられ、第1ルートでの冷媒が、第1膨張弁73から熱交換器50まで流出し、続いて気液分離器60に流入し、同軸管93を介してコンプレッサ91に流入し、これによって、完全な冷媒流通回路は形成される。第2ルートでの冷媒が、第2膨張弁74から空調本体蒸発器90まで流出し、続いて気液分離器60に流入し、同軸管93を介してコンプレッサ91に流入し、これによって、完全な冷媒流通回路は形成される。
【0095】
図1及び図10を引き続き参照されたい。ポンプアセンブリ20は、ヒーティングウォーターポンプ21、バッテリーウォーターポンプ22、及びモータウォーターポンプ23を備え、ヒーティングウォーターポンプ21、バッテリーウォーターポンプ22、及びモータウォーターポンプ23はそれぞれ、ケース11のカバープレート12に反対する面に取り付けられており、且つヒーティングウォーターポンプ21、バッテリーウォーターポンプ22、及びモータウォーターポンプ23はそれぞれ、収容チャンバ外に位置する異なる配管と連結する。
【0096】
本実施例では、配管内部の冷却液の流動速度を速めるために、ケース11の第1表面113に取り付けられたポンプアセンブリ20は、ヒーティングウォーターポンプ21、バッテリーウォーターポンプ22、モータウォーターポンプ23を備えるものにしている。ヒーティングウォーターポンプ21は、ヒータ84と直列に連結され、且つヒーティングウォーターポンプ21の排水口は配管130を介してヒータ84の給水口と連通し、ヒーティングウォーターポンプ21は、ヒータ84への冷却液の流入速度を加速することができる。バッテリーウォーターポンプ22はバッテリー冷却機構83と直列に連結されると、バッテリーウォーターポンプ22の排水口は配管130を介してバッテリー冷却機構83の給水口と連通し、バッテリーウォーターポンプ22は、バッテリー冷却機構83への冷却液の流入速度を加速することができる。モータウォーターポンプ23はモータ冷却機構80と直列に連結されると、モータウォーターポンプ23の排水口はモータ冷却機構80の給水口と連通し、モータウォーターポンプ23は、モータ冷却機構80への冷却液の流入速度を加速することができる。
【0097】
本願では、車両をさらに提供し、当該車両は、車体、及び車体に取り付けられている熱管理システムと空調システムを備える。熱管理システムと空調システムは、上記の内容で詳しく説明されているので、ここでは繰り返して説明されない。
【0098】
図11は、図10のDの拡大概略図であり、図12は、図10のEの拡大概略図である。各流通概略図において、実線と矢印の組み合わせは冷却液の流れ方向を表し、破線と矢印の組み合わせは冷媒の流れ方向を表し、二点鎖線と矢印の組み合わせは冷却液補充時の流れ方向を表す。
【0099】
図1図3、及び図10図12に示すように、本願により提供される熱管理システムの熱伝導経路は、図面における実線で連通する冷却液回路と破線で連通する冷媒回路を含む。簡単に説明すると、冷却液回路では主に冷却液によって熱伝導が行われ、冷媒回路では主に冷媒によって熱伝導が行われる。なお、冷却液回路では、各部品は配管130で連通され、冷媒回路では、各部品は空調管路(図示なし)で連通される。
【0100】
冷却液回路には、主にモータ冷却機構回路、バッテリー冷却機構回路、及びヒーティング回路が含まれる。モータ冷却機構(モータ放熱装置を指し、以下、モータ冷却機構として略称)80の排液口は第1バルブポートm318と連通し、モータウォーターポンプ23の給液口は第1バルブポートc313と連通し、モータウォーターポンプ23の排液口は第2バルブポートe324とモータ冷却機構80の給液口にそれぞれ連通する。
【0101】
バッテリー冷却機構(バッテリーパック放熱装置を指し、以下、バッテリー冷却機構として略称)83の排液口は、コントローラ81の給液口及び第1バルブポートf315と連通し、バッテリーウォーターポンプ22の給液口は、第1バルブポートa311と連通し、バッテリーウォーターポンプ22の排液口は、バッテリー冷却機構83の給液口と連通し、コントローラ81の排液口と第1バルブポートh316はそれぞれ、ヒーティングウォーターポンプ21の給液口及び熱交換器50の給液口と連通し、熱交換器50の排液口は第1バルブポートb312と連通し、ヒーティングウォーターポンプ21の排液口はヒータ84の給液口と連通し、ヒータ84の排液口は第2バルブポートa321と連通し、ヒータコア85の給液口は第2バルブポートc323と連通し、ヒータコア85の排液口はヒーティングウォーターポンプ21の給液口と連通し、第2バルブポートb322は第1バルブポートb312と連通し、第2バルブポートf325は水冷式凝縮器40の給液口と連通し、水冷式凝縮器40の排液口は第1バルブポートm318と連通し、ラジエータ82の給液口は第1バルブポートk317と連通し、ラジエータ82の排液口は第1バルブポートe314と連通し、第1バルブポートn319は第1バルブポートe314と連通する。
【0102】
冷媒回路では空調本体凝縮器92の冷媒入口は第1開閉弁71と連通し、空調本体凝縮器92の冷媒出口は同軸管93を介して第1膨張弁73及び第2膨張弁74と連通し、第1膨張弁73は熱交換器50の冷媒入口と連通し、熱交換器50の冷媒出口は気液分離器60の冷媒入口と連通し、気液分離器60の冷媒出口は同軸管93を介してコンプレッサ91の冷媒入口と連通し、第2膨張弁74は空調本体蒸発器90の冷媒入口と連通し、空調本体蒸発器90の冷媒出口は気液分離器60の冷媒入口と連通し、コンプレッサの冷媒出口は第1開閉弁71及び第2開閉弁72とそれぞれ連通し、第2開閉弁72は水冷式凝縮器40の冷媒入口と連通し、水冷式凝縮器40の冷媒出口は同軸管93を介して第1膨張弁73及び第2膨張弁74と連通する。
【0103】
貯水エリア150は、冷却液を盛るために用いられ、貯水エリア150内の冷却液は補充ポートを経由して各配管130に流入して冷却液をリアルタイムで補充し、冷却液が急速に損失してシステムの熱伝導効率が低下することは防止される。
【0104】
図13は、本願により提供される熱管理システムの第1種の作動モードの流通概略図である。
【0105】
図13に示すように、本願により提供される第1種の作動モードは降温モードであり、この作動モードでは、車両走行中に車両のモータとバッテリーを冷却して降温する必要がある。熱管理システムの具体的な制御方法は、
第1多方弁31において第1個の第1バルブポートm318と第2個の第1バルブポートk317との連通を制御し、第1個の第1バルブポートm318がモータ冷却機構80の排液口と連通し、第2個の第1バルブポートk317がラジエータ82の給液口と連通し、モータ冷却機構80中の冷却液は、第1個の第1バルブポートm318と第2個の第1バルブポートk317を順に通ってラジエータ82に流入し、
第1多方弁31において第3個の第1バルブポートe314と第4個の第1バルブポートc313との連通を制御し、ラジエータ82の排液口が第3個の第1バルブポートe314と連通し、第4個の第1バルブポートc313がモータ冷却機構80の給液口と連通し、ラジエータ82に流入した冷却液は、ラジエータ82で冷却された後、第3個の第1バルブポートe314と第4個の第1バルブポートc313を順に通ってモータ冷却機構80に流入する、ようになっている。
【0106】
モータ冷却機構回路中の冷却液の流れ方向を次の通りにするように第1多方弁31を制御する。冷却液はモータ冷却機構80から流出した後第1バルブポートm318から流入し、続いて第1バルブポートk317に流入して、第1バルブポートk317からラジエータ82の給液口まで流入し、ラジエータ82で熱交換が行われた後ラジエータ82の排液口から第1バルブポートe314まで流入し、そして、第1バルブポートe314から第1バルブポートc313まで流入し、第1バルブポートc313から流出してモータウォーターポンプ23内に流入し、モータウォーターポンプ23によって循環・増圧された後モータ冷却機構80に流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。冷却液は、モータ冷却機構80に発生した熱を吸収してラジエータ82に伝え、ラジエータ82を介して空気と熱交換した後、冷却液に吸収された熱を空気に伝えて、モータ冷却機構80の冷却を実現する。
【0107】
第1多方弁31において第5個の第1バルブポートf315と第6個の第1バルブポートh316との連通を制御し、第5個の第1バルブポートf315がバッテリー冷却機構83の排液口と連通し、第6個の第1バルブポートh316が熱交換器50の給液口と連通し、バッテリー冷却機構83中の冷却液は、第5個の第1バルブポートf315、第6個の第1バルブポートh316を順に通って熱交換器50に流入し、
第1多方弁31において第7個の第1バルブポートb312と第8個の第1バルブポートa311との連通を制御し、熱交換器50の排液口が第7個の第1バルブポートb312と連通し、バッテリー冷却機構83の給液口が第8個の第1バルブポートa311と連通し、熱交換器50に流入した冷却液は、熱交換器50で冷却された後、第7個の第1バルブポートb312と第8個の第1バルブポートa311を順に通ってバッテリー冷却機構83に流入する。
【0108】
バッテリー冷却機構回路中の冷却液の流動方向を次の通りにするように第1多方弁31を制御する。冷却液は、バッテリー冷却機構83から流出した後、2つのルートに分けられ、1つのルートでの冷却液が第1バルブポートf315に流入し、次に第1バルブポートh316に流入して第1バルブポートh316から流出する。もう1つのルートでの冷却液が、コントローラ81を通過した後第1バルブポートh316から流出した冷却液と合流してともに熱交換器50に流入し、そして、熱交換器50から第1バルブポートb312まで流入し、第1バルブポートa311に流入して第1バルブポートa311からバッテリーウォーターポンプ22まで流入し、バッテリーウォーターポンプ22によって循環・増圧された後バッテリー冷却機構83に流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。冷却液は、バッテリー冷却機構83及びコントローラ81で発生した熱を吸収して熱交換器50に伝え、熱交換器50で冷媒と熱交換することにより、吸収した熱を冷媒に伝え、これによりバッテリー冷却機構83とコントローラ81の冷却を実現する。
【0109】
第2多方弁32において第1個の第2バルブポートa321と第2個の第2バルブポートc323との連通を制御し、第1個の第2バルブポートa321がヒータ84の排液口と連通し、第2個の第2バルブポートc323がヒータコア85の給液口と連通し、ヒータコア85の排液口がヒータ84の給液口と連通し、
ヒータ84から流出した冷却液は、第1個の第2バルブポートa321、第2個の第2バルブポートc323、及びヒータコア85を順に通ってヒータ84に流入する。
【0110】
ヒーティング回路は、車両のコックピットを温めるためのものであり、冷却液は、ヒータ84によって加熱された後ヒータ84の排液口から第2バルブポートa321まで流入し、続いて第2バルブポートa321から第2バルブポートc323まで流入し、ヒータコア85に流入し、冷却液は、ヒータコア85から流出した後ヒーティングウォーターポンプ21に流入し、ヒーティングウォーターポンプ21によって循環・増圧された後ヒータ84の給液口まで流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。ヒータ84は主に冷却液の加熱に用いられ、ヒータコア85は、熱交換のためにコックピット内に設けられ、加熱された冷却液は、ヒータコア85を通過した後、冷却液が吸収した熱をヒータコア85によりコックピット内に伝えて、これによりコックピットの加熱を実現する。なお、当該回路は、低温環境状態で運転手がコックピットを暖機することにのみ適用する。周囲温度が高くなると、当該回路は作動停止状態となる。
【0111】
図14は、本願により提供される熱管理システムの第2種の作動モードの流通概略図である。
図14に示すように、本願により提供される第2種の作動モードは、ラジエータ共有放熱モードであり、この作動モードでは、モータ冷却機構回路とバッテリー冷却機構回路が同一のラジエータを共有して放熱するように連通される。熱管理システムの具体的な制御方法は、
第1多方弁31において第3個の第1バルブポートe314と第8個の第1バルブポートa311との連通を制御するステップであって、ラジエータ82に流入した冷却液は、ラジエータ82で冷却された後、第3個の第1バルブポートe314と第8個の第1バルブポートa311を順に通ってバッテリー冷却機構83に流入するステップと、
第1多方弁31において第7個の第1バルブポートb312と第4個の第1バルブポートc313との連通を制御するステップであって、熱交換器50に流入した冷却液は、熱交換器50で冷却された後、第7個の第1バルブポートb312と第4個の第1バルブポートc313を順に通ってモータ冷却機構80に流入するステップと、を含む。
【0112】
モータ冷却機構80とバッテリー冷却機構83とで構成される直列連結された回路の流れ方向を次の通りにするように第1多方弁31を制御する。冷却液は、モータ冷却機構80の排液口から流出した後第1バルブポートm318まで流入し、第1バルブポートk317に流入して、第1バルブポートk317からラジエータ82の給液口まで流入し、ラジエータ82によって熱交換された後ラジエータ82の排液口から第1バルブポートe314まで流入して、第1バルブポートa311に流入し、さらに、第1バルブポートa311からバッテリーウォーターポンプ22に流入し、バッテリーウォーターポンプ22によって増圧された後バッテリー冷却機構83に流入する。冷却液は、バッテリー冷却機構83から流出した後、2つのルートに分けられ、1つのルートでの冷却液は第1バルブポートf315に流入して、そして第1バルブポートh316に流入して第1バルブポートh316から流出する。もう1つのルートでの冷却液はコントローラ81を通過した後第1バルブポートh316から流出した冷却液と合流してともに熱交換器50に流入し、そして、熱交換器50から第1バルブポートb312に流入し、第1バルブポートc313に流入して、第1バルブポートc313からモータウォーターポンプ23まで流入し、モータウォーターポンプ23によって循環・増圧された後モータ冷却機構80の給液口まで流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。このとき、モータ冷却機構80、バッテリー冷却機構83、及びコントローラ81は同一の回路に直列に連結され、それらに発生した熱を冷却液により吸収してラジエータ82に伝え、ラジエータ82により一括して放熱降温処理を行う。
【0113】
図15は、本願により提供される熱管理システムの第3種の作動モードの流通概略図である。
【0114】
図15に示すように、本願により提供される第3種の作動モードは、モータ冷却機構迅速昇温モードであり、この作動モードでは、車両作動時、モータ冷却機構80は迅速に暖機され、モータ冷却機構80の温度が最適な作動温度範囲内までできるだけ速やかに上昇する。これに応じて、バッテリー冷却機構83とコントローラ81についても暖機処理が行われ、それらの温度が最適な作動温度範囲内までできるだけ速やかに上昇する。熱管理システムの具体的な制御方法は、
第1多方弁31において第1個の第1バルブポートm318と第9個の第1バルブポートn319との連通、第9個の第1バルブポートn319と第3個の第1バルブポートe314との連通、第3個の第1バルブポートe314と第4個の第1バルブポートc313との連通を制御するステップであって、モータ冷却機構80中の冷却液は、第1個の第1バルブポートm318、第9個の第1バルブポートn319、第3個の第1バルブポートe314、及び第4個の第1バルブポートc313を順に通ってモータ冷却機構80に流入するステップと、
第1多方弁31において第7個の第1バルブポートb312と第8個の第1バルブポートa311との連通を制御するステップであって、熱交換器50から流出した冷却液は、第7個の第1バルブポートb312と第8個の第1バルブポートa311を順に通ってバッテリー冷却機構83に流入するステップと、を含む。
【0115】
モータ冷却機構回路の流れ方向を次の通りにするように第1多方弁31を制御する。冷却液は、モータ冷却機構80から第1バルブポートm318まで流入し、そして、第1バルブポートn319、第1バルブポートe314、第1バルブポートc313を順次流れ、第1バルブポートc313からモータウォーターポンプ23まで流入し、モータウォーターポンプ23によって循環・増圧された後モータ冷却機構80に流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。この回路では、冷却液はラジエータ82を通過しないため、冷却液がモータ冷却機構80から吸収した熱は再びモータ冷却機構80に伝達されることができ、これによって、モータ冷却機構80の熱損失は低減され、モータ冷却機構80の温度が最適な作動温度範囲内までできるだけ速やかに上昇できる。
【0116】
バッテリー冷却機構回路の流れ方向を次の通りにするように第1多方弁31を制御する。冷却液は、バッテリー冷却機構83から流出した後、2つのルートに分けられ、1つのルートでの冷却液は、第1バルブポートf315に流入し、そして、第1バルブポートh316に流入して第1バルブポートh316から流出する。もう1つのルートでの冷却液は、コントローラ81を流れた後第1バルブポートh316から流出した冷却液と合流してともに熱交換器50に流入し、熱交換器50から第1バルブポートb312まで流入し、第1バルブポートa311まで流入して第1バルブポートa311からバッテリーウォーターポンプ22まで流入し、バッテリーウォーターポンプ22によって循環・増圧された後バッテリー冷却機構83まで流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。この作動モードでは、熱交換器50は作動されなく、すなわち、流入した冷却液を熱交換器50は放熱処理しないため、冷却液がバッテリー冷却機構83とコントローラ81から吸収した熱は再びバッテリー冷却機構83とコントローラ81に伝達されることができ、これによって、バッテリー冷却機構83とコントローラ81の熱損失は低減され、バッテリー冷却機構83とコントローラ81の温度が最適な作動温度範囲内までできるだけ速やかに上昇できる。
【0117】
また、この作動モードでは、コックピットの温度も低く、ヒーティング回路を作動させてコックピットを加熱処理し、コックピット内の温度が一定値まで上がると当該回路の作動を停止させる。
【0118】
図16は、本願により提供される熱管理システムの第4種の作動モードの流通概略図である。
【0119】
図16に示すように、本願により提供される第4種の作動モードは、廃熱回收モードであり、この作動モードでは、モータ冷却機構80に発生した熱を収集することでバッテリー冷却機構83とコントローラ81とを加熱している。モータ冷却機構80を一定時間作動させると、その温度はその後迅速に最適な作動温度範囲内まで上昇することができるが、このときバッテリー冷却機構83とコントローラ81との温度はまだ低い状態にあるため、モータ冷却機構80で発生した熱をバッテリー冷却機構83とコントローラ81とに伝えることにより、バッテリー冷却機構83とコントローラ81との温度をできるだけ早く最適な作動温度範囲内まで上昇させることができる。この作動モードでは、モータ冷却機構回路とバッテリー冷却機構回路とは、直列連結された回路が構成されるように接続されている。熱管理システムの具体的な制御方法は、
第1多方弁31において第3個の第1バルブポートe314と第8個の第1バルブポートa311との連通を制御するステップであって、モータ冷却機構80中の冷却液は、第1個の第1バルブポートm318、第9個の第1バルブポートn319、第3個の第1バルブポートe314、及び第8個の第1バルブポートa311を順に通ってバッテリー冷却機構83に流入するステップと、
第1多方弁31において第7個の第1バルブポートb312と第4個の第1バルブポートc313との連通を制御するステップであって、熱交換器50から流出した冷却液は、第7個の第1バルブポートb312と第4個の第1バルブポートc313を順に通ってモータ冷却機構80に流入するステップと、を含む。
【0120】
モータ冷却機構80とバッテリー冷却機構83とが直列連結された回路の流れ方向は次の通りになるように第1多方弁31を制御する。冷却液は、モータ冷却機構80から第1バルブポートm318まで流入し、そして、第1バルブポートn319、第1バルブポートe314、第1バルブポートa311を順次流れ、第1バルブポートa311からバッテリーウォーターポンプ22まで流入し、バッテリーウォーターポンプ22によって循環・増圧された後バッテリー冷却機構83まで流入する。冷却液は、バッテリー冷却機構83から流出した後、2つのルートに分けられ、1つのルートでの冷却液は、第1バルブポートf315に流入し、そして、第1バルブポートh316に流入して第1バルブポートh316から流出する。もう1つのルートでの冷却液は、コントローラ81を流れた後第1バルブポートh316から流出した冷却液と合流してともに熱交換器50に流入し、熱交換器50から第1バルブポートb312まで流入し、そして、第1バルブポートc313まで流入して第1バルブポートc313からモータウォーターポンプ23まで流入し、モータウォーターポンプ23によって循環・増圧された後モータ冷却機構80まで流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。この作動モードでは、ラジエータ82と熱交換器50とはいずれも作動停止状態にあり、モータ冷却機構80で発生した熱は冷却液によってバッテリー冷却機構83とコントローラ81とに伝えられ、バッテリー冷却機構83とコントローラ81はこれによって加熱される。
【0121】
このとき、ヒーティング回路は、環境問題の高低によって、作動状態をオンにするかどうかを決める。
【0122】
図17は、本願により提供される熱管理システムの第5種の作動モードの流通概略図である。
【0123】
図17に示すように、本願により提供される第5種の作動モードは、モータ冷却機構80が迅速に昇温し、バッテリー冷却機構83に流量要求がなくコントローラ81に流量要求があるモードである。この作動モードでは、モータ冷却機構回路は、第3種の作動モードでのモータ冷却機構回路と同じであるため、ここで繰り返して説明しない。以下、バッテリー冷却機構回路についてのみ説明する。
【0124】
バッテリー冷却機構回路の具体的な流れ方向を次の通りにするように第1多方弁31を制御する。冷却液は、バッテリー冷却機構83から流出した後、すべてコントローラ81に流入し、コントローラ81から流出してから熱交換器50に流入し、熱交換器50から第1バルブポートb312まで流入し、そして第1バルブポートa311まで流入して第1バルブポートa311からバッテリーウォーターポンプ22まで流入し、バッテリーウォーターポンプ22によって循環・増圧された後バッテリー冷却機構83まで流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。この作動モードでは、コントローラ81作動時に、冷却液は高い流量が要求されるため、バッテリー冷却機構83から流出した冷却液は、その作動要件が満たされるように、すべてコントローラ81に流入するが、バッテリー冷却機構83を流れる冷却液は、流量が変化しない。
【0125】
図18は、本願により提供される熱管理システムの第6種の作動モードの流通概略図である。
【0126】
図18に示すように、本願により提供される第6種の作動モードは、モータ冷却機構80を冷却する必要があり、バッテリー冷却機構83に流量要求がなくコントローラ81に流量要求及び空気排出モードがあるものである。この作動モードでは、モータ冷却機構回路の流れ方向は、第1種の作動モードでのモータ冷却機構回路の流れ方向と一致する。バッテリー冷却機構回路は、第5種の作動モードでのバッテリー冷却機構回路と一致するため、ここで繰り返して説明しない。なお、車両の整備時には、通常、コントローラ81内に空気を流入させるので、空気排出モードとは、コントローラ81内に入り込んだ空気を排出し、冷却液をコントローラ81内にすべて流入させることによりその内部の空気を貯水エリア150の補充ポートから排出し、車両の運転に影響を与えないようにするモードを指す。
【0127】
また、第6種の作動モードでは、ヒーティング回路も停止状態にある。
【0128】
図19は、本願により提供される熱管理システムの第7種の作動モードの流通概略図である。
【0129】
図19に示すように、本願により提供される第7種の作動モードは、大型直列連結補助空気排出モードであり、この作動モードは、熱管理システム全体に対して排気処理を行うモードであり、このとき、モータ冷却機構回路とバッテリー冷却機構回路とを連通して大型直列連結回路を構成する。
【0130】
大型直列連結回路中の冷却液の流れ方向は次の通りである。冷却液は、モータ冷却機構80から第1バルブポートm318まで流入し、続いて第1バルブポートk317まで流入し、第1バルブポートk317からラジエータ82まで流入し、ラジエータ82から流出した後、第1バルブポートe314に流入して、そして、第1バルブポートa311に流入し、第1バルブポートa311から流出した後、バッテリーウォーターポンプ22に流入し、バッテリーウォーターポンプ22によって増圧された後バッテリー冷却機構83に流入し、バッテリー冷却機構83から流出した後、すべてコントローラ81に流入し、コントローラ81から流出した後、熱交換器50に流入し、熱交換器50から流出した後、第1バルブポートb312に流入し、そして、第1バルブポートc313に流入して第1バルブポートc313からモータウォーターポンプ23まで流入し、モータ冷却機構80のウォーターポンプ23によって循環・増圧された後モータ冷却機構80に流入し、このように、1つの閉鎖した回路は形成される。この作動モードでは、車両は停止状態にあり、ラジエータ82と熱交換器50とは作動停止状態にあり、このとき、ラジエータ82は大容量の気液分離装置に相当し、冷却液は熱管理システムにおける空気をラジエータ82内に排出し、ラジエータ82により空気を排出する。これによって、システム全体は正常に循環稼働できる。
【0131】
これに応じて、車両は停止状態にあるため、ヒーティング回路も同様に作動停止状態にある。
【0132】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
【0133】
本願は、2021年09月27日に中国特許局に提出した、出願番号が202111137071.2で、発明の名称が「熱管理システム、車両及び熱管理方法」という中国特許出願の優先権、及び2021年09月27日に中国特許局に提出した、出願番号が202111138847.2で、発明の名称が「熱管理システム及車両」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【符号の説明】
【0134】
各流通概略図において、実線と矢印の組み合わせは冷却液の流れ方向を表し、破線と矢印の組み合わせは冷媒の流れ方向を表し、二点鎖線と矢印の組み合わせは冷却液補充時の流れ方向を表す。
10-タンクアセンブリ、11-ケース、12-カバープレート、
110-接続口、111-第1取付エリア、112-第2取付エリア、113-第1表面、114-第1側面、120-取付部、130-配管、131-ラジエータ給水管、132-ラジエータ排水管、133-モータ冷却機構給水管、134-モータ冷却機構排水管、135-バッテリー冷却機構給水管、136-バッテリー冷却機構排水管、137-ヒータ給水管、138-ヒータ排水管、139-ヒータコア給水管、140-ヒータコア排水管、150-貯水エリア、151-注液口、
1111-第1接続口a、1112-第1接続口b、1113-第1接続口c、1114-第1接続口e、1115-第1接続口f、1116-第1接続口h、1117-第1接続口k、1118-第1接続口m、1119-第1接続口n、1121-第2接続口a、1122-第2接続口b、1123-第2接続口c、1124-第2接続口e、1125-第2接続口f、
20-ポンプアセンブリ、21-ヒーティングウォーターポンプ、22-バッテリーウォーターポンプ、23-モータウォーターポンプ、
30-バルブユニット、31-第1多方弁、32-第2多方弁、
311-第1バルブポートa、312-第1バルブポートb、313-第1バルブポートc、314-第1バルブポートe、315-第1バルブポートf、316-第1バルブポートh、317-第1バルブポートk、318-第1バルブポートm、319-第1バルブポートn、321-第2バルブポートa、322-第2バルブポートb、323-第2バルブポートc、324-第2バルブポートe、325-第2バルブポートf、
40-水冷式凝縮器、
50-熱交換器、
60-気液分離器、
70-空調統合弁、71-第1開閉弁、72-第2開閉弁、73-第1膨張弁、74-第2膨張弁、
80-モータ冷却機構、81-コントローラ、82-ラジエータ、83-バッテリー冷却機構、84-ヒータ、85-ヒータコア、
90-空調本体蒸発器、91-コンプレッサ、92-空調本体凝縮器、93-同軸管。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理システムにおいて、複数の配管は、複数の第1配管を備え、各第1配管は、2つの第1サブ配管を備え、各第1配管における一方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリアに対応し、各第1配管における一方の第1サブ配管の第2端は、車両における同一部品の排水管と連通するために用いられ、各第1配管における他方の第1サブ配管の第1端は、第1取付エリアに対応し、各第1配管における他方の第1サブ配管の第2端は、車両における同一部品の給水管と連通するために用いられ、
部品は、ラジエータ、電池冷却器、及びモータ冷却器の少なくとも1つを含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
1つの可能な実現形態では、本願により提供される熱管理方法によれば、当該方法は、
第2多方弁において第1個の第2バルブポートと第2個の第2バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の第2バルブポートがヒータの排液口と連通し、第2個の第2バルブポートがヒータコアの給液口と連通し、ヒータコアの排液口がヒータの給液口と連通するステップと、
ヒータから流出した冷却液は、第1個の第バルブポート、第2個の第バルブポート、及びヒータコアを順に通ってヒータに流入するステップと、をさらに含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
純電気自動車は通常、車両全体の熱管理要件に応じて、膨張ウォーターポンプ、モータウォーターポンプ、バッテリーウォーターポンプ、ヒーティングウォーターポンプ、熱交換器、水冷式凝縮器、水温センサー、四方向電磁弁、三方向電磁弁、双方向電磁弁、双方向比例弁、三方向比例弁、冷却連結管路、空調気液分離器、空調EXV(Electric Expansion Valve)弁、空調SOV(Solenoid Operated Valve)弁、空調連結管路など、数多くの熱管理部品を取り付ける必要がある。現在、電気自動車の航続距離をさらに向上させるために、車両全体の熱管理の作動モードの設計に対する要求はますます高まっており、熱管理を必要とする部品の数もそれに応じて増加している。熱管理システムにおける部品は分散配置されているため、熱管理システムは車両に大きな取付スペースを占め、各部品に対する車両の熱管理要件を満たすために、分散された各部品間を連通するには大量の冷却管路及び空調管路が必要となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
具体的に、第1多方弁31は、弁座(図示なし)と弁座内に回転可能に配置されている弁コア(図示なし)とを備え、弁コアは複数の回転位置を有し、弁座に複数の第1バルブポートが配置されており、弁コアには各第1バルブポートにそれぞれ対応する導通構造群が配置されており、各導通構造群は、周方向に設けられた複数の導通構造を備え、導通構造群は、弁コアが異なる回転位置まで回転されると、導通構造群における異なる導通構造が対応する第1バルブポートと協働して、第1バルブポートに異なる導通状態を形成させるように構成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
このとき、ヒーティング回路は、環境温度の高低によって、作動状態をオンにするかどうかを決める。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱管理システムであって、前記熱管理システムは、タンクアセンブリと、バルブユニットと、ラジエータと、熱交換器と、を備え、前記タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、前記ケースは、前記カバープレートを覆い前記カバープレートとともに収容チャンバを形成し、前記バルブユニットは、前記ケースに取り付けられており、
前記収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、前記ケースには前記収容チャンバと連通する接続口が複数あり、前記配管の第1端は前記接続口と一対一に対応して連通し、前記配管の第2端及び前記配管の一部は前記収容チャンバ外に位置し、
前記バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、前記バルブポートは前記接続口と一対一に対応して連通し、前記バルブユニットは、第1多方弁と第2多方弁とを備え、複数の前記バルブポートは複数の第1バルブポートと複数の第2バルブポートとを備え、前記第1バルブポートは前記第1多方弁上に位置し、前記第2バルブポートは前記第2多方弁上に位置し、
前記ラジエータと前記熱交換器はそれぞれ、異なる前記配管と連通する、ことを特徴とする熱管理システム。
【請求項2】
熱管理システムであって、前記熱管理システムは、タンクアセンブリと、ポンプアセンブリと、バルブユニットと、を備え、前記タンクアセンブリは、ケースとカバープレートとを備え、前記ケースは前記カバープレートを覆い前記カバープレートとともに収容チャンバを形成し、前記ポンプアセンブリと前記バルブユニットはそれぞれ、前記ケースに取り付けられており、
前記収容チャンバ内に液体流通用配管が複数あり、前記ケースには前記収容チャンバと連通する接続口が複数あり、前記配管の第1端は前記接続口と一対一に対応して連通し、前記配管の第2端及び前記配管の一部は前記収容チャンバ外に位置し、
前記バルブユニットは、複数のバルブポートを有し、前記バルブポートは前記接続口と一対一に対応して連通し、前記バルブユニットは前記接続口と前記接続口に対応する前記バルブポートとの切断又は連通を制御して、前記配管間の切断又は連通を制御するために用いられる、ことを特徴とする熱管理システム。
【請求項3】
前記ケースの前記カバープレートに反対する面は、第1取付エリアと第2取付エリアとを有し、複数の前記接続口は複数の第1接続口と複数の第2接続口とを備え、前記第1接続口は前記第1取付エリア内に位置し、前記第2接続口は前記第2取付エリア内に位置し、
前記バルブユニットは、第1多方弁と第2多方弁とを備え、複数の前記バルブポートは複数の第1バルブポートと複数の第2バルブポートとを備え、前記第1バルブポートは前記第1多方弁上に位置し、前記第2バルブポートは前記第2多方弁上に位置し、
前記第1多方弁は前記第1取付エリア内に接続され、且つ前記第1接続口は前記第1バルブポートと一対一に対応して連通し、前記第2多方弁は前記第2取付エリア内に接続され、且つ前記第2接続口は前記第2バルブポートと一対一に対応して連通する、ことを特徴とする請求項2に記載の熱管理システム。
【請求項4】
複数の前記配管は複数の第1配管を備え、各前記第1配管は2つの第1サブ配管を備え、各前記第1配管における一方の前記第1サブ配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、各前記第1配管における一方の前記第1サブ配管の第2端は両における同一部品の排水管と連通するために用いられ、各前記第1配管における他方の前記第1サブ配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、各前記第1配管における他方の前記第1サブ配管の第2端は前記車両における同一部品の給水管と連通するために用いられ、
前記部品は、ラジエータ、電池冷却器、及びモータ冷却器の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の熱管理システム。
【請求項5】
複数の前記配管は第2配管と第3配管とを備え、前記第2配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、前記第3配管の第1端は前記第2取付エリアに対応し、
前記第2配管は、2つの第2サブ配管を備え、前記第2配管における一方の前記第2サブ配管は両におけるヒータコアの排水管と連通するために用いられ、前記第2配管における他方の前記第2サブ配管は前記車両におけるヒータの給水管と連通し、
前記第3配管は、2つの第3サブ配管を備え、前記第3配管における一方の前記第3サブ配管は前記ヒータの排水管と連通するために用いられ、前記第3配管における他方の前記第3サブ配管は前記ヒータコアの給水管と連通する、ことを特徴とする請求項3に記載の熱管理システム。
【請求項6】
前記収容チャンバの内部に貯水エリアがあり、前記貯水エリアは前記配管の上方に位置し、
前記貯水エリアは前記配管と連通する補充ポートを有する、ことを特徴とする請求項2記載の熱管理システム。
【請求項7】
水冷式凝縮器と熱交換器とをさらに備え、前記水冷式凝縮器は前記ケースの前記カバープレートに反対する面に取り付けられており、前記水冷式凝縮器は、第1入口と第1出口とを有し、前記熱交換器は前記カバープレートの前記ケースに反対する面に取り付けられており、前記熱交換器は、第2入口と第2出口とを有し、
複数の前記配管は2つの第4配管を備え、一方の前記第4配管の第1端は前記第2取付エリアに対応し、且つ一方の前記第4配管は前記第1入口と連通し、他方の前記第4配管の第1端は前記第1取付エリアに対応し、且つ他方の前記第4配管は前記第1出口と連通し、
複数の前記配管は、2つの第5配管を備え、前記第5配管の第1端はいずれも前記第1取付エリアに対応し、一方の前記第5配管は前記第2出口と連通し、他方の前記第5配管は前記第2入口と連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の熱管理システム。
【請求項8】
気液分離器をさらに備え、前記カバープレート上には前記収容チャンバ外に位置する取付部があり、前記気液分離器は前記取付部の前記ケースに向かう面に取り付けられており、且つ前記気液分離器は前記水冷式凝縮器と隣接し、
前記気液分離器の冷媒入口は前記熱交換器の冷媒出口と連通し、前記気液分離器は前記車両の空調本体蒸発器の出口と連通するためにさらに用いられる、ことを特徴とする請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項9】
空調統合弁をさらに備え、前記空調統合弁は前記取付部の前記ケースに反対する面に取り付けられており、前記空調統合弁は前記熱交換器と隣接し、前記空調統合弁は前記水冷式凝縮器の冷媒入口及び前記熱交換器の冷媒入口とそれぞれ連通し、
前記水冷式凝縮器の冷媒出口は同軸管を介して前記空調統合弁と連通し、
前記気液分離器の冷媒出口は前記同軸管を介して前記車両のコンプレッサの吸気口と連通し、
前記同軸管は前記車両の空調本体内部凝縮器の出口と連通するためにさらに用いられ、
前記空調統合弁は前記空調本体内部凝縮器の入口と連通するために用いられ、前記空調統合弁は前記コンプレッサの排気口と連結するためにさらに用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記ポンプアセンブリは、ヒーティングウォーターポンプと、バッテリーウォーターポンプと、モータウォーターポンプと、を備え、前記ヒーティングウォーターポンプと、前記バッテリーウォーターポンプと、前記モータウォーターポンプとはそれぞれ、前記ケースの前記カバープレートに反対する面に取り付けられており、且つ前記ヒーティングウォーターポンプと、前記バッテリーウォーターポンプと、前記モータウォーターポンプとはそれぞれ、前記収容チャンバ外に位置する異なる前記配管と連結する、ことを特徴とする請求項2に記載の熱管理システム。
【請求項11】
車体と前記車体に取り付けられている請求項1~10のいずれか1項に記載の熱管理システムとを備える、ことを特徴とする車両。
【請求項12】
請求項1に記載の熱管理システムが適用される熱管理方法であって、
前記方法は、
第1多方弁において第1個の第1バルブポートと第2個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の前記第1バルブポートがモータ冷却機構の排液口と連通し、第2個の前記第1バルブポートがラジエータの給液口と連通し、前記モータ冷却機構中の冷却液は、第1個の前記第1バルブポートと第2個の前記第1バルブポートとを順に通って前記ラジエータに流入するステップと、
第1多方弁において第3個の第1バルブポートと第4個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記ラジエータの排液口が第3個の前記第1バルブポートと連通し、第4個の前記第1バルブポートが前記モータ冷却機構の給液口と連通し、前記ラジエータに流入した前記冷却液は、前記ラジエータで冷却された後、第3個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、を含む、ことを特徴とする熱管理方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記第1多方弁において第5個の第1バルブポートと第6個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第5個の前記第1バルブポートがバッテリー冷却機構の排液口と連通し、第6個の前記第1バルブポートが熱交換器の給液口と連通し、前記バッテリー冷却機構中の前記冷却液は、第5個の前記第1バルブポート、第6個の前記第1バルブポートを順に通って前記熱交換器に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の第1バルブポートと第8個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器の排液口が第7個の前記第1バルブポートと連通し、前記バッテリー冷却機構の給液口が第8個の前記第1バルブポートと連通し、前記熱交換器に流入した前記冷却液は、前記熱交換器で冷却された後、第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の熱管理方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記第1多方弁において第3個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記ラジエータに流入した前記冷却液は、前記ラジエータで冷却された後、第3個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器に流入した前記冷却液は、前記熱交換器で冷却された後、第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記第1多方弁において第1個の前記第1バルブポートと第9個の第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、第9個の前記第1バルブポートが第3個の前記第1バルブポートと連通し、第3個の前記第1バルブポートが第4個の前記第1バルブポートと連通し、前記モータ冷却機構中の前記冷却液は、第1個の前記第1バルブポート、第9個の前記第1バルブポート、第3個の前記第1バルブポート、及び第4個の前記第1バルブポートを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器から流出した前記冷却液は、第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【請求項16】
前記方法は、
前記第1多方弁において第3個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記モータ冷却機構中の前記冷却液は、第1個の前記第1バルブポート、第9個の前記第1バルブポート、第3個の前記第1バルブポート、及び第8個の前記第1バルブポートを順に通って前記バッテリー冷却機構に流入するステップと、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記熱交換器から流出した前記冷却液は、第7個の前記第1バルブポートと第4個の前記第1バルブポートとを順に通って前記モータ冷却機構に流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記バッテリー冷却機構から流出した前記冷却液の一部はコントローラに流入し、前記コントローラから流出した前記冷却液は前記熱交換器に流入するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項13~16のいずれか1項に記載の熱管理方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記第1多方弁において第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとの連通を制御するステップであって、前記バッテリー冷却機構中の前記冷却液は、前記コントローラを経由して前記熱交換器に流入し、前記熱交換器から流出した前記冷却液は、第7個の前記第1バルブポートと第8個の前記第1バルブポートとを経由して前記バッテリー冷却機構に流入するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項17に記載の熱管理方法。
【請求項19】
前記方法は、
第2多方弁において第1個の前記第2バルブポートと第2個の前記第2バルブポートとの連通を制御するステップであって、第1個の前記第2バルブポートがヒータの排液口と連通し、第2個の前記第2バルブポートがヒータコアの給液口と連通し、前記ヒータコアの排液口が前記ヒータの給液口と連通するステップと、
前記ヒータから流出した前記冷却液は、第1個の前記第2バルブポート、第2個の前記第2バルブポート、及び前記ヒータコアを順に通って前記ヒータに流入するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の熱管理方法。
【国際調査報告】