(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】すぐに食べられるおよびすぐに飲める製品
(51)【国際特許分類】
A23L 7/104 20160101AFI20240711BHJP
A23L 2/38 20210101ALN20240711BHJP
A23L 2/52 20060101ALN20240711BHJP
A23L 2/00 20060101ALN20240711BHJP
A23L 11/00 20210101ALN20240711BHJP
A23J 3/14 20060101ALN20240711BHJP
A23J 3/34 20060101ALN20240711BHJP
A23L 23/00 20160101ALN20240711BHJP
A23C 11/10 20210101ALN20240711BHJP
【FI】
A23L7/104
A23L2/38 J
A23L2/52
A23L2/00 B
A23L11/00 F
A23J3/14
A23J3/34
A23L23/00
A23L2/38 C
A23C11/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500103
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2022068257
(87)【国際公開番号】W WO2023275354
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボウミック,タルン
(72)【発明者】
【氏名】リンチ,ステファニー アン サンダー
(72)【発明者】
【氏名】マヤカ,ステフカ イワノワ
【テーマコード(参考)】
4B020
4B023
4B036
4B117
【Fターム(参考)】
4B020LB24
4B020LC02
4B020LG09
4B020LK18
4B020LK19
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4B117LP05
4B117LP06
4B117LP16
(57)【要約】
本発明は、すぐに食べられるおよびすぐに飲める製品およびその製造方法に関する。本発明は更に、風味改変成分を製造するための方法であって、食物繊維および/または穀類の他の食用構成要素を酵素加水分解および/または発酵に供することを含む、風味改変成分を製造するための方法、該方法によって得られる風味改変成分;該風味改変成分を含む風味組成物および食品;該風味改変成分の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
すぐに食べられるまたはすぐに飲める製品を製造するための方法であって、方法は、穀類の少なくとも1つの食用構成要素を発酵、酵素加水分解、または発酵および酵素加水分解に供することを含み、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を使用し、穀類は、オーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、すぐに食べられるまたはすぐに飲める製品を製造するための方法。
【請求項2】
少なくとも1つの食用穀類構成要素が、穀粒、穀類全粒、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、またはそれらに由来し、好ましくは穀類の少なくとも1つの食用構成要素が水性スラリー中にあり、好ましくは少なくとも1つの食用穀類構成要素が、水性スラリーの総重量に基づいて、約5~20重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酵素加水分解が、カルボヒドラーゼおよびタンパク質分解酵素から選択される1以上の酵素を使用し、好ましくは、酵素加水分解が、セルラーゼ、ペクチナーゼおよび他のカルボヒドラーゼから選択される少なくとも1以上の酵素を使用する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
酵素加水分解が、約25℃~約60℃の範囲の温度で行われ、好ましくは、酵素加水分解が、約1時間~約48時間の範囲の期間にわたって起こり、好ましくは、発酵が、約20℃~約45℃の範囲の温度で行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
発酵が、約1日~約2日の範囲の期間にわたって起こる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
酵素加水分解が、発酵の前および/または発酵と同時に起こる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
方法が、少なくとも1つの食用穀類構成要素を発酵に供することを含み、および少なくとも1つの食用穀類構成要素を酵素加水分解に供することを含まない、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
方法が、酵素加水分解および発酵の前に、少なくとも1つの食用穀類構成要素を約75℃以上の温度に加熱することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
食用穀類構成要素がオーツ麦を含み、好ましくはオーツ麦がオーツ麦粉を含み、好ましくは食用穀類構成要素がオーツ麦繊維、トウモロコシ繊維、イネ繊維、野生イネ繊維、コムギ繊維、オオムギ繊維、モロコシ繊維、キビ繊維、ライムギ繊維、ライコムギ繊維、フォニオ繊維、またはそれらの組合せを含み、好ましくは食用穀類構成要素がオーツ麦繊維を含み、好ましくは食用穀類構成要素が、オーツ麦殻粒、オーツ麦全粒、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦ふすま、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、オーツ麦繊維、アイリッシュオートミールまたはそれらの組合せの形態であるか、またはそれらに由来する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
方法が、すぐに食べられる製品を噴霧乾燥することを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
発酵が、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される3以上の乳酸菌を使用する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
穀類の少なくとも1つの食用構成要素を水溶液中で混合すること、ここで、穀類はオーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacteriumおよび/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を混合物に添加すること、および少なくとも1つの食用穀類構成要素の少なくとも一部を発酵させるのに十分な期間、混合物をインキュベートして、すぐに食べられる製品を形成することによって得られる、すぐに食べられる製品。
【請求項13】
すぐに食べられる製品がヨーグルトである、請求項12に記載のすぐに食べられる製品。
【請求項14】
穀類の少なくとも1つの食用構成要素を水溶液中で混合すること、ここで、穀類はオーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、カルボヒドラーゼおよび/またはタンパク質分解酵素を混合物に添加すること、続いてLactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacteriumおよび/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を混合物に添加すること、少なくとも1つの食用穀類構成要素の少なくとも一部を発酵させるのに十分な期間、混合物をインキュベートして、すぐに飲める製品を形成することによって得られる、すぐに飲める製品。
【請求項15】
すぐに飲める製品がオーツミルクであり、好ましくはすぐに飲める製品が5ppm未満のグルテン含有量を有する、請求項14に記載のready-to-drink製品。
【請求項16】
請求項1に記載の方法によって得られる消耗品であって、好ましくは、消耗品が、クリーンラベルの乳製品代替品である、消耗品。
【請求項17】
食用穀類構成要素が、オーツ麦殻粒、オーツ麦全粒、オーツ麦繊維、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦ふすま、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、アイリッシュオートミールまたはそれらの組合せの形態であるか、またはそれらに由来する、請求項12もしくは13に記載のすぐに食べられる製品または請求項14もしくは15に記載のすぐに飲める製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素を使用して風味改変成分を製造する方法、および該方法によって製造された風味改変成分に関する。本発明は更に、例えば、食品組成物の食感を改善し、および/または食品組成物のオフノートをマスキングし、および/または食品組成物の甘味を改善し、および/または食品組成物の塩味を増強するための、該風味改変成分を含む風味組成物および食品組成物、ならびに食品組成物における風味改変成分の使用に関する。本発明は更に、すぐに食べられる(ready-to-eat)およびすぐに飲める(ready-to-drink)製品ならびに少なくとも1つの食用穀類構成要素を使用するその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
食品業界では、例えば口当たりを改善し、オフノートをマスキングし、甘味を改善し、および/または塩味を増強するために、様々な食品の風味を改変することができる原料を提供する必要性が存在する。特に、天然および/またはビーガンに適した風味改変成分を提供する必要性が存在する。したがって、本発明によって、新規な風味改変成分および該風味改変成分を製造するための方法が提供される。また、食品業界では、できるだけ少ない成分を含有し、一般に自然でなじみのある単純な成分として認識されているクリーンラベル製品を提供する必要性が存在する。典型的には、所望の官能特性を有するすぐに食べられるまたはすぐに飲める製品を提供するために、タンパク質、ガムおよび安定剤などの他の成分の添加が必要とされる。したがって、このような製品は、クリーンラベル製品とは見なされない。したがって、新規なクリーンラベルのすぐに食べられるおよびすぐに飲める製品ならびに製品を製造する方法が本発明によって提供される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、食物繊維を酵素加水分解および/または発酵に供することを含む、風味改変成分を製造するための方法が提供される。
【0004】
国際公開第2010/053653号に記載されている方法および米国特許出願公開第2009/0311376号に記載されている方法は、本発明の第1の態様の方法から除外される。
【0005】
例えば、本発明の第1の態様の方法は、(a)繊維消化酵素を、ある量の水および浄化された全粒オーツ麦粉を含む懸濁液と接触させること、および(b)改質された全粒オーツ麦粉が形成されるように繊維粒子を加水分解するのに十分な期間、懸濁液を処理することを含む方法を除外する場合がある。例えば、本発明の第1の態様の方法は、繊維消化酵素を、ある量の水および浄化された全粒オーツ麦粉を含む懸濁液と接触させることを含む方法を除外する場合がある。
【0006】
例えば、本発明の第1の態様の方法は、全オーツ麦またはオオムギ粉出発混合物と適切な酵素とを組み合わせて酵素出発混合物を形成することと、酵素出発混合物を約120°F~約200°Fに加熱してデンプン分子の加水分解を開始することと、得られた混合物を押し出してデンプンの加水分解を継続し、更に、混合物をゼラチン化および調理して可溶性オーツ麦またはオオムギ粉を形成することと、を含む方法を除外する場合がある。例えば、本発明の第1の態様の方法は、全オーツ麦またはオオムギ粉出発混合物と適切な酵素とを組み合わせて酵素出発混合物を形成すること、および酵素出発混合物を約120°F~約200°Fに加熱してデンプン分子の加水分解を開始することを含む方法を除外する場合がある。
【0007】
例えば、食物繊維は、浄化された全粒オーツ麦粉でない場合がある。例えば、食物繊維は、全オーツ麦粉でなくてもよく、および/またはオーツ麦粉でなくてもよく、および/またはオオムギ粉でない場合がある。例えば、食物繊維は、オーツ麦粉でなくてもよく、および/またはオオムギ粉でない場合がある。例えば、食物繊維はオーツ麦繊維でなくてもよく、および/またはオオムギ繊維でない場合がある。
【0008】
特定の実施形態では、食物繊維は、単離された食物繊維である。特定の実施形態では、食物繊維は、食物繊維の水性スラリーである。
【0009】
特定の実施形態では、食物繊維は、穀類繊維(例えばオーツ麦繊維)、植物繊維(例えばエンドウ豆繊維)、または果実繊維(例として、柑橘類果実繊維、リンゴ繊維、ブルーベリー繊維、クランベリー繊維、ブドウ繊維)である。
【0010】
特定の実施形態では、酵素加水分解は、カルボヒドラーゼおよびタンパク質分解酵素から選択される1以上の酵素を使用する。特定の実施形態では、酵素加水分解は、セルラーゼ、ペクチナーゼ、および他のカルボヒドラーゼから選択される少なくとも1以上の酵素を使用する。特定の実施形態では、酵素加水分解は、タンパク質分解酵素を除外する。
【0011】
特定の実施形態では、発酵は、乳酸菌(例として、Lactobacillus plantarum,Lactiplantibacillus plantarum,L.delbrueckeii ssp.bulgaricus,Streptococcus thermophilusおよび/またはLactobacillus acidophilus)および/またはBifidobacteriumおよび/またはAspergillus菌(例として、Aspergillus oryzae)を使用する。
【0012】
特定の実施形態では、酵素加水分解は、約25℃~約60℃の範囲の温度で行われる。
【0013】
特定の実施形態では、酵素加水分解は、約1時間~約48時間の範囲の期間行われる。
【0014】
ある特定の実施形態では、発酵は、約20℃~約45℃の範囲の温度で行われる。
【0015】
特定の実施形態では、発酵は、約1日~約10日間の範囲の期間行われる。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、食物繊維を酵素加水分解および発酵に供することを含む。
【0017】
特定の実施形態では、酵素加水分解は、発酵の前および/または発酵と同時に起こる。
【0018】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、食物繊維を酵素加水分解に供することを含み、食物繊維を発酵に供することを含まない。
【0019】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、食物繊維を発酵に供することを含み、食物繊維を酵素加水分解に供することを含まない。
【0020】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、酵素加水分解および発酵の前に、食物繊維を約75℃以上の温度に加熱することを更に含む。
【0021】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、酵素加水分解および/または発酵後に酵素および/または発酵微生物を不活性化することを更に含む。
【0022】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、風味改変成分をプロピレングリコールと組み合わせることを更に含む。
【0023】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、風味改変成分を噴霧乾燥することを更に含む。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、いずれかの実施形態を包含する、本発明の第1の態様の方法によって得ることが可能および/または得られる風味改変成分が提供される。
【0025】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様の風味改変成分を含む風味組成物が提供される。
【0026】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第2の態様の風味改変成分を含む食品が提供される。
【0027】
本発明の第5の態様によれば、食品の食感を改善するための本発明の第2の態様の風味改変成分の使用が提供される。
【0028】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第2の態様の風味改変成分を食品に混合することを含む、改善された食感を有する食品を提供する方法が提供される。
【0029】
本発明の第7の態様によれば、食品のオフノートをマスキングするための本発明の第2の態様の風味改変成分の使用が提供される。
【0030】
本発明の第8の態様によれば、本発明の第2の態様の風味改変成分を食品に混合することを含む、オフノートが低減された食品を提供する方法が提供される。
【0031】
本発明の第9の態様によれば、食品の甘味を改善するための、本発明の第2の態様の風味改変成分の使用が提供される。
【0032】
本発明の第10の態様によれば、本発明の第2の態様の風味改変成分を食品に混合することを含む、改善された甘味を有する食品を提供する方法が提供される。
【0033】
本発明の第11の態様によれば、食品の塩味を増強するための、本発明の第2の態様の風味改変成分の使用が提供される。
【0034】
本発明の第12の態様によれば、本発明の第2の態様の風味改変成分を食品に混合することを含む、塩味が増強された食品を提供する方法が提供される。
【0035】
本発明の第13の態様によれば、すぐに食べられるまたはすぐに飲める製品を製造するための方法が提供され、方法が、穀類の少なくとも1つの食用構成要素を発酵または発酵および酵素加水分解に供することを含み、発酵が、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を使用し、穀類が、オーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオまたはそれらの組合せからなる群から選択される。
【0036】
本発明の第13の態様の方法の特定の実施形態では、少なくとも1つの食用穀類構成要素は、穀粒、穀類全粒、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、アイリッシュオーツ麦またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する。
【0037】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、少なくとも1つの食用穀類構成要素の水性スラリーを含む。
【0038】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、カルボヒドラーゼおよびタンパク質分解酵素から選択される1以上の酵素を使用することを含む。
【0039】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、セルラーゼ、ペクチナーゼ、および他のカルボヒドラーゼから選択される少なくとも1以上の酵素を使用することを含む。
【0040】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、約25℃~約60℃の範囲の温度で酵素加水分解を行うことを含む。
【0041】
ある特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、約1時間~約48時間の範囲の期間にわたって酵素加水分解を行うことを含む。
【0042】
ある特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、約20℃~約45℃の範囲の温度で発酵を行うことを含む。
【0043】
ある特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、約10時間~約10日間の範囲の期間にわたって発酵を行うことを含む。
【0044】
本発明の第13の態様の方法の特定の実施形態では、酵素加水分解は、発酵の前および/または発酵と同時に起こる。
【0045】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、少なくとも1つの食用穀類構成要素を発酵に供することを含み、少なくとも1つの食用穀類構成要素を酵素加水分解に供することを含まない。
【0046】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、酵素加水分解および発酵の前に、少なくとも1つの食用穀類構成要素を約75℃以上の温度に加熱することを含む。
【0047】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の穀類はオーツ麦を含む。
【0048】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の食用穀類構成要素は、オーツ麦粉を含む。
【0049】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、すぐに食べられる製品を噴霧乾燥することを更に含む。
【0050】
本発明の第13の態様の方法の特定の実施形態では、少なくとも1つの穀類繊維は、オーツ麦繊維、トウモロコシ繊維、イネ繊維、野生イネ繊維、コムギ繊維、オオムギ繊維、モロコシ繊維、キビ繊維、ライムギ繊維、ライコムギ繊維、フォニオ繊維、またはそれらの組合せを含む。
【0051】
本発明の第13の態様の方法の特定の実施形態では、少なくとも1つの穀類繊維は、オーツ麦繊維を含む。
【0052】
本発明の第13の態様の方法の特定の実施形態では、食用穀類構成要素は、オーツ麦穀粒、オーツ麦全粒、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、オーツ麦繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する。
【0053】
特定の実施形態では、本発明の第13の態様の方法は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される3つ以上の乳酸菌を使用することを含む。
【0054】
本発明の第14の態様によれば、本発明の第13の態様の方法によって得ることが可能および/またはそれによって得られるすぐに食べられるまたはすぐに飲める製品が提供される。
【0055】
本発明の第15の態様によれば、少なくとも1つの食用構成要素を水溶液中で混合すること、ここで、穀類はオーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を混合物に添加すること、少なくとも1つの食用穀類構成要素の少なくとも一部を発酵させるのに十分な期間、混合物をインキュベートして、すぐに食べられる製品を形成することによって得られる、すぐに食べられる製品が提供される。
【0056】
特定の実施形態では、本発明の第15の態様のすぐに食べられる製品はヨーグルトタイプである。
【0057】
本発明の第15の態様のすぐに食べられる製品の特定の実施形態では、食用穀類構成要素は、穀粒、穀類全粒、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する。
【0058】
本発明の第15の態様のすぐに食べられる製品の特定の実施形態では、食用穀類構成要素は、オーツ麦穀粒、オーツ麦全粒、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、オーツ麦繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する。
【0059】
本発明の第16の態様によれば、穀類の少なくとも1つの食用構成要素を水溶液中で混合すること、ここで、穀類はオーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、カルボヒドラーゼおよび/またはタンパク質分解酵素を混合物に添加すること、続いてLactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を混合物に添加すること、少なくとも1つの食用穀類構成要素の少なくとも一部を発酵するのに十分な期間、混合物をインキュベートしてすぐに飲める製品を形成することによって得られる、すぐに飲める製品が提供される。
【0060】
特定の実施形態では、本発明の第16の態様のすぐに飲める製品は、オーツミルクである。
【0061】
本発明の第16の態様のすぐに飲める製品の特定の実施形態では、食用穀類構成要素は、穀粒、穀類全粒、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する。
【0062】
本発明の第16の態様のすぐに飲める製品の特定の実施形態では、食用穀類構成要素は、オーツ麦穀粒、オーツ麦全粒、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、オーツ麦繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する。
【0063】
本発明の第17の態様によれば、本発明の第13の態様の方法によって得られるおよび/または得られる消耗品が提供される。
【0064】
ホールフード成分を含有し、可能な限り少量に加工される食品に対する消費者の要求がある。一部の消費者は、グルテンを含有する小麦粉および他の粉を避けることを望む。したがって、低グルテンまたはグルテンフリーの製品に対する消費者の需要がある。本発明の第17の態様の方法の特定の実施形態では、消耗品は、20ppm未満の「グルテンフリー」の米国食品医薬品局(FDA)の定義よりも有意に低い5ppm未満のグルテン含有量を有するので、グルテン不含と考えられるクリーンラベル乳製品代替品である。本発明の第17の態様の方法の特定の実施形態では、消耗品は、グルテン含有量が20ppm未満であるため、グルテンを含まないと考えられるクリーンラベルの乳製品代替品である。グルテンフリーのすぐに飲めるのオーツ麦製品は、本明細書において例22および23に記載の方法から得られる場合がある。理論に拘束されることを望むものではないが、例えば例22による量で使用されるアミノペプチダーゼ酵素、特にNovozymes製のFlavourzyme(登録商標)は、グルテンフリーのすぐに飲める製品の調製に有用であると考えられる。
【0065】
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、食品は、乳製品または乳製品代替品または飲料または香味料含有食品である。
【0066】
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、食品は、1以上の甘味料を更に含む。特定の実施形態では、1以上の甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオールグリコシド(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、ステビオサイド)、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、有利には、アガーブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、水あめ、羅漢果抽出物、モグロシド、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、および糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)から選択される。
【0067】
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態は、以下の利点のうちの1以上を提供する場合がある。
・天然物の製造;
・食感が改善された食品;
・オフノートが減少した食品;
・甘味が改善された食品;
・塩味が増強された食品;
・乳様特性が改善された乳製品代替製品。
【0068】
本発明の記載された態様のうちのいずれかの特定の1以上に関連して提供される詳細、例、および選好は、本明細書において更に説明され、本発明の全ての態様に等しく適用される。その全ての可能な変形形態における本明細書において記載の実施形態、例、および選好のいずれかの組合せは、本明細書において別段に指示されない限り、あるいは文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【発明を実施するための形態】
【0069】
詳細な説明
本発明は、少なくとも部分的には、食物繊維を酵素加水分解および/または発酵に供することにより、例えば食品の食感を改善し、食品のオフノートをマスキングし、食品の甘味を改善し、および/または食品の塩味を増強するために、風味改変成分として使用され得る製品を製造するという驚くべき知見に基づいている。
【0070】
特に、本発明は、少なくとも部分的には、本明細書において記載の風味改変成分が使用されて、乳製品の代替製品の不快なビーニー味を排除し、対応する全脂肪乳製品と同様の低脂肪または無脂肪乳製品に「ふんわり感」を提供し、チップなどの風味豊かな食品の塩味を増強し得るという驚くべき発見に基づいている。食物繊維は、膨化効果のために食品に以前から使用されているため、本明細書において記載の風味改変成分が本明細書において記載の有利な味および食感効果を提供することは驚くべきことである。
【0071】
特定の実施形態では、食物繊維は酵素加水分解に供され、発酵に供されない。食物繊維が酵素加水分解を受け、発酵に供されない場合、食物繊維は、例えばブドウ繊維などの果実繊維である場合がある。特定の実施形態では、食物繊維は発酵に供され、酵素加水分解に供されない。食物繊維が発酵に供され、酵素加水分解に供されない場合、食物繊維は、例えば、オーツ麦繊維などの穀類繊維である場合がある。特定の実施形態では、食物繊維は、酵素加水分解および発酵に供され、例えば、酵素加水分解は発酵の前および/または発酵と同時に起こる。
【0072】
本発明はまた、少なくとも1つの食用穀類構成要素を発酵または発酵および酵素加水分解に供することにより、改善された食感および/または風味プロファイルを有するクリーンラベルのすぐに食べられる製品およびすぐに飲める製品を製造するという驚くべき発見に基づいている。
【0073】
特に、本発明は、少なくとも部分的には、本明細書において記載のすぐに食べられるおよびすぐに飲める製品が使用されて、すぐに食べられるおよびすぐに飲める製品に典型的に必要とされるタンパク質、ガム、安定剤などの他の成分を添加することなく、所望の官能特性を有するクリーンラベル製品を提供し得るという驚くべき発見に基づいている。食用穀類構成要素は、膨化効果のために食品に以前から使用されているため、本明細書において記載のすぐに食べられるおよびすぐに飲める製品が本明細書において記載の有利な味および食感効果を提供することは驚くべきことである。
【0074】
食物繊維および他の食用穀類構成要素
「食物繊維」という用語は、ヒト消化酵素によって完全に分解され得ない炭水化物の種類を指す。それは、穀類、果実、野菜、ナッツ、種子、レンズ豆、真菌および粒子などの食用植物食品に見られる。
【0075】
「食物繊維」という用語は、非デンプン多糖類、耐性デンプン、セルロース、ヘミセルロース、サイリウム、デキストリン、イヌリン、リグニン、リケニン、キチン、ペクチン、ベータグルカン、およびオリゴ糖を包含する。食物繊維は、例えば、可溶性繊維または不溶性繊維である場合がある。
【0076】
食物繊維は、例えば、穀類繊維、植物繊維、果実繊維、ナッツ繊維、種子繊維、レンズ繊維、真菌繊維、または穀類繊維である場合がある。食物繊維は、例えば、穀類繊維、植物繊維、または果実繊維である場合がある。「穀類繊維」、「野菜繊維」、および「果物繊維」という用語は、それぞれ穀類、野菜、または果物から得られる、および/または得ることができる繊維の種類を指す。
【0077】
「穀類」という用語は、イネ科のメンバーを指し、9つの種:コムギ(Triticum)、ライムギ(Secale)、オオムギ(Hordeum)、オーツ麦(Avena)、イネ(Oryza)、キビ(Pennisetum)、トウモロコシ(Zea)、モロコシ(Sorghum)、およびコムギとライムギとのハイブリッドであるTriticaleを決定する。
【0078】
穀類は、その粒子(植物学的には、カリオプシス(caryopsis)と呼ばれる果実の種類)の食用構成要素のために栽培(成長)されるいずれかの草であり、内乳、胚芽およびふすまから構成される。この用語はまた、得られた粒子自体「穀粒」を指す場合がある。
【0079】
食用穀類構成要素は、例えば、穀粒、穀類全粒、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、アイリッシュオートミールまたはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する場合がある。
【0080】
本明細書において記載の方法は、乳製品の風味および食感を厳密に模倣する非乳製品消費製品(例として、風味改変成分、すぐに食べられる製品、またはすぐに飲める製品)を製造するために、エンドウ豆、ソラマメ、大豆、レンズ豆、ヒヨコ豆、米、キヌアなどの穀類以外の植物系材料に適用される場合がある。
【0081】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、例えば、1以上の種類の植物から得ることが可能および/または得る場合がある。食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、例えば、新鮮な、乾燥した、または再水和した植物材料から得られ、および/または得ることが可能である場合がある。
【0082】
食物繊維は、例えば、単離された食物繊維である場合がある。「単離された食物繊維」という用語は、それが見出される植物とは別個の食物繊維を指す。
【0083】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、例えば、工業プロセスからの副流、例えばジュース製造からの副流である場合がある。これは、例えば、環境上の利点を提供する場合がある。
【0084】
穀類繊維としては、例えば、オーツ麦繊維、トウモロコシ繊維、イネ繊維、野生イネ繊維、コムギ繊維、オオムギ繊維、モロコシ繊維、キビ繊維、ライムギ繊維、ライコムギ繊維およびフォニオ繊維を包含する。特定の実施形態では、穀類繊維はオーツ麦繊維である。繊維は、例えば、植物の種子から得られるおよび/または得ることが可能である場合がある。植物繊維は、例えば、エンドウ豆繊維、ヒヨコ豆繊維、レンズ豆繊維およびダイズ繊維などのマメ科繊維;ジャガイモ繊維、サツマイモ繊維、ニンジン繊維、セレリアック繊維、パースニップ繊維、ダイコン繊維、およびタマネギ繊維等の根菜繊維;ブロッコリー繊維;キャベツ繊維;生豆繊維;カリフラワー繊維;粗糸;およびセロリ繊維を包含する。特定の実施形態では、植物繊維は、エンドウ豆繊維などのマメ科繊維である。繊維は、例えば、植物の花、果実、茎、葉、根および/または種子から得られるおよび/または得ることが可能である場合がある。
【0085】
果実繊維は、例えば、オレンジ繊維、レモン繊維、石灰繊維、クレメンタイン繊維、タンジェリン繊維、グレープフルーツ繊維、キンカン繊維、ユズ繊維などの柑橘類果実繊維;リンゴ繊維;ブドウ繊維;トマト繊維;ベルペッパー繊維;キュウリ繊維;ブルーベリー繊維、クランベリー繊維、イチゴ繊維、ラズベリー繊維、ブラックベリー繊維、赤スグリ繊維、白スグリ繊維、黒スグリ繊維等のベリー繊維;アボカド繊維;イチジク繊維;プラム繊維;プルーン繊維;バナナ繊維;ナシ繊維;およびキウイ繊維を包含する。特定の実施形態では、果実繊維は、クランベリー繊維、ブドウ繊維、またはそれらの1以上の組合せである。繊維は、例えば、植物の果実から、または果実の加工からの廃棄物流から、またはジュースもしくは油をプレスした後のブドウ、オリーブ、もしくは他の果実の固体残渣である「ポマス」から得られる場合がある。それは、果実の皮、果肉、種子および茎を含有する。
【0086】
食物繊維が酵素加水分解に供されるが発酵に供されない場合、食物繊維は、柑橘類果実繊維、リンゴ繊維、ブルーベリー繊維、クランベリー繊維、ブドウ繊維などの果実繊維である場合がある。
【0087】
食物繊維が発酵に供されるが酵素加水分解に供されない場合、食物繊維は、オーツ麦繊維などの穀類繊維である場合がある。本明細書において記載される食物繊維は、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、またはそれらの組合せの形態をとるか、またはそれらに由来する場合がある。特定の実施形態では、食物繊維は、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦ふすま、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、オーツ麦繊維またはそれらの組合せの形態をとるか、またはそれらに由来する場合がある。
【0088】
オーツ麦グロートは、オーツ麦の殻付きの完全な、割れていない内穀粒であり、入手可能なほぼ全ての他のオーツ麦製品の供給源である。それらは3つ全ての部分のオーツ麦を含有し、スチールカットオーツ麦と共に最も栄養価の高いオーツ麦製品となる。
【0089】
大きな円筒形のスチールカッターは、一般的に、グロートをいくつかの小片に細断し、スチールカットのグロート(アイリッシュオートミールとも呼ばれる)を作るために使用される。全麦よりも調理時間が短く、弾力のある食感を有するため、スチールカットオーツ麦は、調理後でもそれらの形状の多くを保持する。これらは、米の代替として、または詰め物および他の食品に食感を加えるために、心豊かな朝食に使用することができる。スチールカットオーツ麦製品の例は、スチールカットグロート、ノーソースチールカットグロート、クイッククッキングスチールカットグロートおよびスコティッシュオートミールを包含する。
【0090】
ロールされたオーツ麦を作製するために、全粒の麦汁を最初に蒸らされ、次いで平らにロールされてフレークにする。「旧式の」オーツ麦と呼ばれることもあるロールオーツ麦は、スチールカットオーツ麦よりも速く調理され、アベンアンスラミドなどの他の植物化学物質と共に可溶性繊維(ベータグルカン)の大きな供給源である。ロールドオーツ麦は、風味、食感、および栄養を提供することができるので、グラノーラバー、クッキー、マフィン、穀類、および飲料などの様々な一般的な製品に濃厚なオーツ麦風味を提供する。ロール状オーツ麦製品の例は、ベビーロールオーツ麦、即席ロールオーツ麦、クイックロールオーツ麦、通常のロールオーツ麦、濃厚ロールオーツ麦、およびオーツ麦破砕を包含する。
【0091】
オーツ麦は、オーツ麦の最も外側のふすま、または食用の被覆物に由来する。ビタミンBおよび酸化防止剤が豊富であり、オーツ麦ふすまはまた、アベンアントラミドなどの他の植物化学物質と共に可溶性繊維(ベータグルカン)の良好な供給源である。オーツ麦ふすま製品の例は、粗麦ふすま、中質オートふすま、細粒オートふすま、および微粉砕ふすまを包含する。
【0092】
本発明で使用され得るオーツ麦ふすまの例は、SWEOAT(商標)ふすまBG 14、SWEOAT(商標)ふすまBG 14 Bakery、およびSWEOAT(商標)ふすまBG 22、およびSWEOAT(商標)ふすまBG 28(全てBua,SwedenのNaturex SAおよびSwedish Oat Fiber Abから入手可能)などのSWEOAT(商標)ふすまを包含する。
【0093】
オーツ麦粉は、粉砕されたグロートを含む場合があり、そのふすま層は無傷のままであり、これにより、全オーツ麦粉は、必須鉱物と共に可溶性繊維(ベータグルカン)の大きな供給源となる。オーツ麦粉は、幅広い最終製品に風味、栄養、および粘度を加えることを検討する場合、理想的な材料である。オーツ麦粉製品の例は、全オーツ麦粉、コロイド状流出粉および低粘度全オーツ麦粉を包含する。
【0094】
本発明で使用され得るオーツ麦粉の例は、SWEOAT(商標)粉P12、SWEOAT(商標)粉P14ホールミール、SWEOAT(商標)粉P16およびSWEOAT(商標)粉P19(全てBua,SwedenのNaturex SAおよびSwedish Oat Fiber Abから入手可能)などのSWEOAT(商標)粉を包含する。
【0095】
SWEOAT(商標)粉P12は、7.5%の含水量および12ヶ月の貯蔵寿命を有する微粉末(180ミクロン未満の粒径)である。SWEOAT(商標)粉P12は、非常に薄い黄色がかった色および中性のオーツ麦穀類味を有する。
【0096】
SWEOAT(商標)粉P14 Wholemealは微粉末である(粒子の最低80%は250ミクロン未満の粒径を有し、粒子の最低90%は355ミクロン未満の粒径を有する)。SWEOAT(商標)粉P14は、7%の水分含量および12ヶ月の貯蔵寿命を有する。SWEOAT(商標)粉P14は、淡黄色および中性のオーツ麦穀類味を有する。
【0097】
SWEOAT(商標)粉P16は、微粉末(180ミクロン未満の粒径)であり、水分含有量は12%未満であり、非常に明るい黄褐色である。
【0098】
SWEOAT(商標)粉P19は、微粉末(180ミクロン未満の粒径)であり、含水量は5%であり、貯蔵寿命は24ヶ月である。SWEOAT(商標)粉P19は、非常に薄い黄色がかった色および中性のオーツ麦穀類味を有する。
【0099】
オーツ麦繊維は、多くの栄養上および機能上の利点を有する不溶性繊維の大きな供給源である。オーツ麦繊維はまた、穀類、パンおよびスナックのような食品に対する栄養、収量および機能性を改善する。オーツ麦繊維製品の例は、オーツ麦繊維BCS 20、オーツ麦繊維BCS 30、オーツ麦繊維BCS 30L、オーツ麦繊維BCS 30SS、オーツ麦繊維BCS 30SLおよびオーツ麦繊維BCS 30XS2(全てIowa,USAのGrain Millers Inc.から入手可能)を包含する。最終生成物が5ppm未満のグルテンを含有するので、オーツ麦粉、例えばSWEOAT(商標)粉P12の酵素処理は、グルテンを含まないすぐに飲める生成物をもたらすことが見出された。
【0100】
酵素加水分解
特定の実施形態では、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は酵素加水分解を受け、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、酵素に適した条件下で一定期間1以上の酵素と接触して、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素を少なくとも部分的に分解する。全ての酵素は食品グレードであるべきである。
【0101】
酵素加水分解に使用される酵素(複数可)は、例えば、カルボヒドラーゼおよびタンパク質分解酵素の1以上から選択される場合がある。2以上の酵素が使用される場合、酵素は、2以上のクラスの酵素および/または単一のクラス内の2以上の酵素である場合がある。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、少なくとも1以上のカルボヒドラーゼを包含する。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素(複数可)は、セルラーゼ、ペクチナーゼ、および他のカルボヒドラーゼの少なくとも1以上を包含する。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、セルラーゼおよびペクチナーゼの少なくとも1以上を包含する。
【0102】
カルボヒドラーゼは、炭水化物の加水分解を触媒する。カルボヒドラーゼは、アルファ-またはベータ-グリコシド結合のいずれかに特異性を有する場合がある。カルボヒドラーゼは、例えば、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アミラーゼ、ラクターゼおよびベータ-グルカナーゼを包含する。
【0103】
アミラーゼ酵素の例は、(i)アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解するのに有用なアルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80、Amano Enzyme製)、ならびに/あるいは(ii)例えばアミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解するのに有用な、例えばマルトースおよび様々なグルコースおよび/またはNovozymes A/Sからのアルファ-アミラーゼ酵素および/またはNovozymes A/Sからのエンド-アミラーゼ酵素を放出するのに有用な、グルコアミラーゼ(Amano Enzyme(登録商標)NLP)、および/またはアミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解するのに有用な、Novozymes A/Sからのエンド-アミラーゼ酵素を包含するが、これらに限定されない。
【0104】
一定の実施形態では、アルファ-アミラーゼ酵素(約0.05~約1.0%、特に約0.5%の濃度のノボザイムから)およびエンド-アミラーゼ(約0.05~2.5%、特に約2%の濃度のNovozymes BAN製)がオーツ麦粉および水の混合物に添加され、次いで、混合物が、連続的に撹拌しながら約70℃で1時間インキュベートされて、アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解する。
【0105】
特定の実施形態では、アルファ-アミラーゼ酵素(約0.05~約1.5%、特に約1.0%の濃度のノボザイムから)およびエンド-アミラーゼ酵素(約0.05~3.5%、特に約3%の濃度のNovozymes BAN製)が、オーツ麦粉および水の混合物に添加され、次いで、混合物が、連続的に撹拌しながら約70℃で2時間インキュベートされて、アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解する。
【0106】
特定の実施形態では、アルファ-アミラーゼ酵素および/またはエンド-アミラーゼ酵素を使用した酵素処理に続いて、タンパク質分解酵素(Novozymes製のProtana(登録商標)Primeを0.05~約2.0%、特に約1.0%の濃度で)およびタンパク質分解酵素Protana(登録商標)UBoost(0.05~約1.0%、特に約0.5%の濃度のノボザイムから)、ならびにAlcalase(登録商標)2.4 L FG(約0.5~約2.0%、特に約1.0%の濃度のノボザイムから)が混合物に添加され、50~55℃で更に2~3時間インキュベートされる。次いで、混合物は、15分間121℃に加熱されて、酵素およびいずれかの微生物汚染物質を不活性化する。次いで、混合物は37℃まで冷却される。
【0107】
セルラーゼは、セルロース、ヘミセルロース、リケニン、および穀類ベータ-グルカンに見られるベータ-1,4-グリコシド結合の加水分解を触媒する。セルラーゼは、例えば、ヘミセルラーゼ、エンド-1、4-ベータ-D-グルカナーゼ、キシラナーゼおよびカルボキシメチルセルラーゼを包含する。
【0108】
ペクチナーゼは、ペクチンに見られるガラクツロン酸残基間のアルファ-1,4-グリコシド結合の加水分解を触媒する。ペクチナーゼの例は、ポリガラクツロナーゼ(EC 3.2.1.15)である。
【0109】
タンパク質分解酵素は、タンパク質およびペプチドの加水分解を触媒する。タンパク質分解酵素は、例えば、タンパク質を加水分解して小さなペプチドを形成するプロテイナーゼ、および小さなペプチドを更に加水分解してアミノ酸を形成するペプチダーゼを包含する。タンパク質分解酵素(複数可)は、例えば、エンドペプチダーゼ活性(攻撃内部ペプチド結合)および/またはエキソペプチダーゼ活性(アミノまたはカルボキシペプチダーゼなどのタンパク質またはペプチドの末端の攻撃ペプチド結合)を有する場合がある。
【0110】
タンパク質分解酵素は、例えば、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼ(例として、L-グルタミン-アミド-ヒドロラーゼ(EC 3.5.1.2))、エンドプロテアーゼ、セリンエンドペプチダーゼ、サブチリシンペプチダーゼ(EC 3.4.21.62)、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、トリプシン、キモトリプシン(EC 3.4.21.1)、ペプシン、パパイン、およびエラスターゼを包含する。
【0111】
タンパク質分解酵素(EC 3.4およびEC 3.5)は、EC番号(酵素コミッション番号)によって分類され、各クラスは、特定の反応タイプの様々な公知の酵素を含む。EC 3.4はペプチド結合に作用する酵素(ペプチダーゼ/プロテイナーゼ)を含み、EC 3.5はペプチド結合以外の炭素-窒素結合に作用する酵素を含む。
【0112】
EC 3.4の例は、例えば、以下:アミノペプチダーゼ(EC 3.4.11)、ジペプチダーゼ(3.4.13)、ジペプチジルペプチダーゼ(3.4.14)、ペプチジル-ジペプチダーゼ(3.4.15)、セリン-カルボキシペプチダーゼ(3.4.16)、メタロカルボキシペプチダーゼ(3.4.17)、システイン-カルボキシペプチダーゼ(3.4.18)、オメガペプチダーゼ(3.4.19)、セリン-エンドペプチダーゼ(3.4.21)、システイン-エンドペプチダーゼ(3.4.22)、アスパラギン酸-エンドペプチダーゼ(3.4.23)、メタロエンドペプチダーゼ(3.4.24)、トレオニン-エンドペプチダーゼ(3.4.25)を包含する。
【0113】
EC 3.5の例は、限定されないが、線状アミド(3.5.1)で切断するタンパク質分解酵素、例えば、限定されないが、グルタミナーゼ(EC 3.5.1.2)およびプロテイングルタミナーゼ(例として、Amanoのプロテイングルタミナーゼ(登録商標)500)を包含する。
【0114】
食品用途に適した様々なタンパク質分解酵素は、Novozymes、Amano、Biocatalysts、Bio-Cat、Valey Research(現在はDSMの子会社)、EDC(Enzyme Development Corporation)などの供給業者から市販されている。いくつかの例は、Neutrase(登録商標)、Alcalase(登録商標)、Protamex(登録商標)、Protana(登録商標)Prime、Protana(登録商標)UBoostおよびFlavorzyme(登録商標)(Novozymesから入手可能);Promod(登録商標)シリーズ:例として、215P、278 P、279 P、280 P、192 P、および144 P、Flavorpro(登録商標)192、ペプチダーゼ433 P、およびペプチダーゼ436 P(Biocatalystsから入手可能);Protin PC10、Umamizyme(登録商標)、Peptidase R(または723)、Peptidase A、Peptidase M、Peptidase N、Peptidase P、Peptidase S、Acid protease II、およびThermoase GL30(Amanoから入手可能);ペプチダーゼ600(Bio-Catから入手可能);Validase(登録商標)AFPおよびValidase(登録商標)FPII(Valey Researchから入手可能);真菌プロテアーゼ、Exo-プロテアーゼ、パパイン、ブロメライン、およびEnzeco(登録商標)シリーズのプロテアーゼおよびペプチダーゼ(EDCから入手可能)を包含する。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、セルラーゼ、ベータ-グルカナーゼ、およびアミノペプチダーゼを含む。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、セルラーゼ、ベータ-グルカナーゼ、アミノペプチダーゼ、ヘミセルロース、およびマンナナーゼを含む。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、カルボヒドラーゼ(アルファ-アミラーゼおよび/またはグルコアミラーゼなど)ならびにプロテアーゼおよび/またはアミノペプチダーゼ(プロテイングルタミナーゼなど)を含む。
【0115】
酵素は、酵素混合物の一部である場合がある。Celluclast(商標)、Ceramix(商標)、Alcalase(商標)、Viscozyme(商標)、Flavorzyme(商標)、およびUmamizyme(商標)などの多くの酵素調製物が市販されており、本明細書において記載の酵素加水分解で使用される場合がある。
【0116】
酵素(複数可)は、例えば、微生物源または植物源から得られるか、または得ることが可能である場合がある。例えば、Aspergillus oryzae,Bacillus licheniformis、パイナップル、パパイヤを包含する。
【0117】
酵素の量は、十分な活性を確保するように選択され、酵素の活性、基質の量、およびそれが使用される条件に依存する。酵素の必要量は、異なる量を試験し、得られた生成物の効果を本明細書において記載の官能評価で試験することによって決定され得る。
【0118】
酵素:基質の比は、例えば、約0.05:20~約3:20、例えば約0.5:20~約3:20、例えば約1:20の範囲である場合がある。酵素は、例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素の総重量に基づいて、約0.1重量%~約20重量%の範囲の量で使用される場合がある。例えば、酵素は、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素の総重量に基づいて、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約5重量%、または約0.5重量%~約1.5重量%、または約1重量%~約1.5重量%の範囲の量で使用される場合がある。
【0119】
(Ceremix(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり300ベータ-グルカナーゼ単位(BGU)の活性を有あし、Viscozyme(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり100の真菌ベータグルカナーゼ単位FBGの活性を有し、Alcalase(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり2.4のAnson untis(AU)の活性を有し、Celluclast(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり700エンド-グルカナーゼ単位(EGU)の活性を有し、Flavourzyme(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり1000ロイシンアミノペプチダーゼ単位(LAPU)の活性を有し、Umamizyme(LGG法による単位、LGG=L-ロイシル-グリシル-グリシン)(Amano,Nagoya,Japan)は、70 Uの活性を有し、Flavorpro 373(商標)、グルタミナーゼ(Biocatalysts,Cardiff,UK)は、30個のグルタミナーゼユニット(GU)の活性を有する。
【0120】
出発物質1グラム当たりの酵素単位の有用な量は、以下のいくつかのタイプの酵素について示される。
【0121】
出発物質(液体セロリースラリー)1グラム当たりのベータグルカナーゼ単位(BGU)0.03~15 BGU、例えば0.1から3 BGU。
【0122】
真菌ベータグルカナーゼ単位FBG/グラム出発物質、0.002~3 FBG、例えば0.01~1 FBG。
【0123】
出発物質1グラム当たりのAnson単位(AU)、0.0002~0.02 AU、例えば0.0005~0.01。
【0124】
出発物質0.007~0.7 Uグラム当たりのU(LGG法による単位、LGG=L-ロイシル-グリシル-グリシン)、例えば0.01~0.1 Uが使用される。
【0125】
出発物質1グラム当たりのグルタミナーゼ単位(GU)、0.00075~0.075 GU、例えば0.001~0.02 GUが使用される。
【0126】
酵素加水分解は、関与する全ての酵素(および発酵と同時に起こる場合は関与する全ての微生物)に適した条件下で行われる。当業者に明らかなように、温度およびpHは、所望の程度まで加水分解が起こるのに適した範囲内であるべきである。インキュベーション長さはそれに応じて変化し、条件が最適条件に近いほどインキュベーションが短くなる。必要であれば、または選択された酵素にとって有益であれば、必要なイオンが存在する場合がある。インキュベートした混合物を、例えば撹拌(例として、50~500 rpmまたは100~200 rpmで)によって撹拌することにより、加水分解を改善する場合がある。
【0127】
酵素加水分解は、例えば、酵素が変性する温度よりも低い温度で行われる場合がある。温度は、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される場合がある。酵素加水分解は、例えば、約25℃~約60℃の範囲の温度で行われる場合がある。例えば、酵素加水分解は、約30℃~約60℃または約35℃~約55℃または約40℃~約50℃または約50℃~約55℃の範囲の温度で行われる場合がある。
【0128】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解に供されるが発酵に供されない場合、酵素加水分解は、例えば、約40℃~約60℃の範囲の温度で行われる場合がある。
【0129】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解および発酵に供される場合、酵素加水分解は、例えば、約30℃~約60℃、例えば約30℃~約40℃または約50℃~約55℃の範囲の温度で行われる場合がある。
【0130】
酵素加水分解は、例えば、酵素が変性しないpHで行われる場合がある。pHは、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される場合がある。酵素加水分解は、例えば、約4~約8、例えば約5~約8、例えば約6~約8、例えば約6.5~約7.5の範囲のpHで行われる場合がある。
【0131】
酵素加水分解は、例えば、約1時間~約48時間の範囲の期間行われる場合がある。例えば、酵素加水分解は、約2時間~約48時間、または約4時間~約36時間、または約6時間~約24時間、または約8時間~約16時間、または約1~2時間、または5時間までの範囲の期間行われる場合がある。
【0132】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解に供され、発酵に供されない場合、酵素加水分解は、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解および発酵に供される方法と比較して、より長期間起こる場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解に供され、発酵に供されない場合、酵素加水分解は、少なくとも約12時間、例えば少なくとも約18時間または少なくとも約24時間の期間起こる場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解に供され、発酵に供されない場合、酵素加水分解は、約12時間~約48時間または約18時間~約48時間または約24時間~約48時間の範囲の期間起こる場合がある。
【0133】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解および発酵に供される場合、酵素加水分解は、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解のみに供される方法と比較して、より短い期間起こる場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解および発酵に供される場合、酵素加水分解は、約1時間~約36時間、または約2時間~約36時間、または約4時間~約24時間、または約1~2時間、または5時間までの範囲の期間起こる場合がある。
【0134】
発酵
特定の実施形態では、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は発酵に供され、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、少なくとも部分的に食物繊維を分解/代謝するために微生物に適した条件下で一定期間1以上の発酵微生物と接触される。食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が発酵前に酵素加水分解を受けた場合、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、酵素加水分解の生成物(食物繊維加水分解物および/または他の食用穀類構成要素加水分解物)である。
【0135】
酵素加水分解の生成物である食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、加水分解または部分的に加水分解された食物繊維および/または他の食用穀類構成要素と呼ばれる場合がある。
【0136】
発酵は、例えば、1以上の種の微生物を使用する場合がある。
【0137】
発酵は、例えば、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisなどの1以上の乳酸菌を使用する場合がある。ある特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus plantarumまたはLactiplantibacillus plantarumを使用する。例えば、発酵は、Lactobacillus plantarum,ATCC 14917を使用する場合がある。
【0138】
発酵は、例えば、乳酸菌Lactobacillus rhamnosusおよびBifidobacterium animalis lactis(それぞれ、Chr.Hansen A/SからのLGG(登録商標)およびBB-12(登録商標)またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactis)を使用する場合がある。
【0139】
発酵は、例えば、乳酸菌であるStreptococcus thermophilus and Lactobacillus bulgaricus(Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA)を使用する場合がある。
【0140】
発酵は、例えば、Lactobacillus rhamnosusおよびLactobacillus bulgaricusの乳酸菌を使用する場合がある。
【0141】
発酵は、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN 019もしくはDR 10もしくはB 019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどの乳酸菌Bifidobacterium animalis lactisおよびLactobacillus bulgaricusを使用する場合がある。
【0142】
発酵は、例えば、乳酸菌Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、and Bifidobacterium ssp(ABY 421 from Vivolac Cultures Corporation of Indiana,USA)を使用する場合がある。
【0143】
発酵は、例えば、Lactobacillus delbrueckii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilusおよび/またはLactobacillus acidophilusなどの1以上の乳酸菌を使用する場合がある。発酵は、例えば、Bifidobacteriumを使用する場合がある。
【0144】
発酵は、例えば、Aspergillus oryzae(コウジとしても知られる)およびAspergillus saitoiなどのAspergillus属真菌を使用する場合がある。特定の実施形態では、Aspergillus真菌はAspergillus oryzaeである。
【0145】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosusおよび/またはBifidobacterium、好ましくは、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisなどの2以上の乳酸菌を使用する。
【0146】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosusおよびBifidobacterium、好ましくは、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisなどの3つ以上の乳酸菌を使用する。
【0147】
特定の実施形態では、発酵は、以下の微生物株Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium sspの組合せを使用する。
【0148】
適切な微生物培養物は、Vivolac Cultures Corporation of Indiana,USAから市販されているABY 424 NDおよびABY 421 NDなどのABYシリーズを包含する場合がある。
【0149】
ABY 421 NDと呼ばれる微生物培養物は、以下の微生物株:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium sspを有する。ABY 424 NDと呼ばれる微生物培養物は、以下の微生物株:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium sspを有する。
【0150】
ABY 421 NDおよびABY 424 NDは、同じ属種の株を用いて製剤化された。同じ属はいくつかの株(細菌)があり、それらはそれらの特徴ごとに分類されるが、それらのプラスミドプロファイルには、粘度産生およびラクトースを発酵する能力、ファージ感受性/耐性などのそれらの機能的特徴のいくつかを決定する違いがある。
【0151】
2つの微生物培養物のブレンドは、接種された株の比率に応じて異なる発酵速度を提供する場合がある。
【0152】
特定の実施形態では、発酵は100% ABY 421 NDを使用する。他の実施形態では、発酵は100%およびABY 424 NDを使用する。
【0153】
特定の実施形態では、発酵は、約50/50の比のABY 421 NDとABY 424 NDの組合せを使用する。特定の実施形態では、発酵は、それぞれ約70/30の比のABY 421 NDとABY 424 NDの組合せを使用する。
【0154】
特定の実施形態では、発酵は、それぞれ約30/70の比のABY 421 NDとABY 424 NDの組合せを使用する。
【0155】
発酵は、微生物(複数可)の一晩培養を使用してもよく、または食物繊維および/または他の食用穀類構成要素(または食物繊維および/または他の食用穀類構成要素加水分解物、または酵素加水分解工程から得られる)に微生物クローンを直接接種される場合があり、発酵はそれに応じてわずかにより長い時間行われる。
【0156】
一晩培養物(シード発酵と呼ばれることもある)は、当技術分野で周知の方法によって調製される場合がある。これは、その微生物に適した温度で一晩、例えば12時間増殖される場合がある。約37℃は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisおよび/またはAspergillus oryzaeを包含する多くの微生物に適切な温度である。いずれかの適切な培地、例えばMRSブロス(Difco、米国)が使用される場合がある。
【0157】
微生物は、例えば、担体上に投与される場合がある。例えば、微生物(例として、Aspergillus oryzae)は、米粒にコーティングされる場合がある。
【0158】
例えば、微生物(複数可)は、米粒上で増殖され、この形態で供給業者によって提供される場合がある(例として、Rhapsody Natural Foods,Cabot VT 05647から得ることが可能である)。これは、例えば、特定の内因性酵素および/または経路の産生を誘導し、それによって微生物に望ましい特徴を提供する場合がある。
【0159】
微生物の量は、十分な活性を確保するように選択され、微生物の活性、基質の量、およびそれが使用される条件に依存する。
【0160】
微生物の必要量は、異なる量を試験し、得られた生成物の効果を本明細書において記載の官能評価で試験することによって決定され得る。
【0161】
微生物の量は、例えば、反応混合物の総重量に基づいて約0.1%~約1%の範囲である場合がある。例えば、使用される微生物の量は、反応混合物の総重量に基づいて約0.1%~約0.5%または約0.3%~約0.7%の範囲である場合がある。
【0162】
発酵は、関与する全ての微生物(および酵素加水分解と同時に起こる場合は関与する全ての酵素)に適した条件下で行われる。当業者に明らかなように、温度およびpHは、発酵が所望の程度まで起こるのに適した範囲内であるべきである。インキュベーション長さはそれに応じて変化し、条件が最適条件に近いほどインキュベーションが短くなる。選択された微生物にとって必要または有益である場合、必要な栄養素が存在する場合がある。インキュベートした混合物を、例えば撹拌(例として、50~500 rpmまたは100~200 rpmで)によって撹拌することにより、発酵を改善する場合がある。乳酸菌などの一部の微生物は、嫌気性条件下でより速く増殖する場合があるため、撹拌を最小限に抑えることが好ましい場合がある。特定の実施形態では、耐気性はマンガン依存性である場合がある。
【0163】
発酵は、例えば、微生物が殺傷されるおよび/または数が減少する温度未満の温度で行われる場合がある。温度は、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される場合がある。発酵は、例えば、約20℃~約45℃の範囲の温度で行われる場合がある。例えば、発酵は、約25℃~約40℃または約30℃~約40℃または約34℃~約40℃または約30℃~約37℃または約30℃~約35℃の範囲の温度で行われる場合がある。
【0164】
Lactobacilli、特にLactobacillus plantarumまたはLactiplantibacillus plantarumに有用な温度範囲は、例えば、約20℃~約40℃、または約30℃~約40℃、または約35℃~約40℃を包含し、最適温度は約36℃~約38℃である。
【0165】
Bifidobacteriaまたは他の乳酸菌、特にL.delbrueckeii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilusおよび/またはLactobacillus acidophilusに有用な温度範囲は、例えば、約20℃~約40℃、または約30℃~約40℃、または約35℃~約40℃を包含し、最適温度は約36℃~約38℃、または約30℃~約35℃、または約30℃~約37℃である。
【0166】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解ではなく発酵に供される場合、発酵は約30℃~約45℃の範囲の温度で実施される場合がある。
【0167】
発酵は、例えば、微生物が変性する温度未満のpHで行われる場合がある。pHは、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される。発酵は、例えば、約5~約8、例えば約5~約7または約6~約8または約6.5~約7.5の範囲のpHで行われる場合がある。
【0168】
発酵は、所望の生成物が形成されるまでの期間にわたって行われる場合がある。発酵は、例えば、発酵培地が約5.5以下のpH、例えば約4.5~約5.5のpHに達するまで行う場合がある。
【0169】
すぐに食べられるおよび/またはすぐに飲める製品を製造するために、発酵は、例えば、約5時間~約24時間またはそれを超える範囲の期間行う。例えば、発酵は、約6時間~約23時間、または約7時間~約22時間、または約8時間~約21時間、または約9時間~約20時間、または約10時間~約19時間、または約11時間~約18時間、または約12時間~約17時間、または約13時間~約16時間、または約14時間~約16時間、または約15時間~約16時間の範囲の期間起こる場合がある。特定の実施形態では、発酵は約16時間起こる。
【0170】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が発酵に供されるが酵素加水分解に供されない場合、発酵は、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が発酵および酵素加水分解に供される方法と比較して長期間起こる場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解ではなく発酵に供される場合、発酵は、少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日または4日以上起こる場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解ではなく発酵に供される場合、発酵は、約5時間~約24時間、または約10時間~約18時間、または約14時間~約16時間の範囲の期間起こる場合がある。特定の実施形態では、発酵は約16時間起こる。
【0171】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が発酵および酵素加水分解に供される場合、発酵は、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が酵素加水分解ではなく発酵に供される方法と比較して短期間起こる場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素が発酵および酵素加水分解に供される場合、発酵は、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日~約8日間、または約2日間~約6日間、または約2日間~約5日間、または約2日間~約4日間、または約1~約2日間の範囲の期間起こる場合がある。特定の実施形態では、発酵は約16時間起こる。
【0172】
発酵の生成物、または発酵および酵素加水分解は、クリーンラベルのすぐに食べられるまたはすぐに飲める生成物として直接使用される場合がある。
【0173】
更なる処理工程
酵素加水分解および/または発酵の生成物は、例えば、風味改変成分として直接使用される場合がある。しかしながら、方法は、例えば、1以上の追加の工程を含む場合がある。
【0174】
酵素加水分解および/または発酵に供される食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素の水性スラリーである場合がある。したがって、特定の実施形態では、方法は、酵素加水分解および/または発酵の前に食物繊維および/または他の食用穀類構成要素を水と組み合わせることを含む場合がある。食物繊維および/または他の食用穀類構成要素の水性スラリーは、例えば、少なくとも約5重量%の食物繊維および/または他の食用穀類構成要素、例えば少なくとも約10重量%の食物繊維および/または他の食用穀類構成要素、例えば少なくとも約15重量%の食物繊維および/または他の食用穀類構成要素を含む場合がある。食物繊維の水性スラリーおよび/または他の食用穀類構成要素は、例えば、最大約90重量%の食物繊維および/または他の食用穀類構成要素、または最大約50重量%の食物繊維および/または他の食用穀類構成要素、または最大約30重量%の食物繊維および/または他の食用穀類構成要素を含む場合がある。
【0175】
酵素加水分解および発酵は、滅菌容器内で行われるべきである。したがって、容器は、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素を添加する前に滅菌される場合がある。
【0176】
食物繊維および/または他の食用穀類構成要素(例として、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素の水性スラリー)は、例えば、酵素加水分解および/または発酵の前に加熱される場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、酵素加水分解および/または発酵の前に、約50℃以上の温度に加熱されてもよく、例えば、50℃~約55℃の範囲の温度に加熱されてもよく、または約75℃以上、例えば約100℃以上または約110℃以上の温度に加熱される場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、酵素加水分解および/または発酵の前に、約140℃以下、例えば約130℃以下の温度に加熱される場合がある。例えば、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、酵素加水分解および/または発酵の前に約121℃の温度に加熱される場合がある。これは、酵素加水分解および/または発酵の前に、いずれかの微生物汚染物質を不活性化および/または死滅させること、ならびに/あるいは食物繊維および/または他の食用穀類構成要素(例として、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素の水性スラリー)を水和および/または予熱することである場合がある。次いで、食物繊維および/または他の食用穀類構成要素は、酵素(複数可)および/または微生物(複数可)が添加される前に、酵素加水分解および/または発酵に適した温度に維持され、および/または酵素加水分解および/または発酵に適した温度に冷却される。
【0177】
酵素(複数可)および/または微生物(複数可)は、例えば、風味組成物または食品に組み込む前に失活される場合がある。これは、例えば、酵素および/または微生物(複数可)を不活性化するのに十分長い期間、例えば約60℃~約121℃、例えば約100℃の範囲の温度に加熱することによって行う場合がある。例えば、当技術分野で周知のいずれかの低温殺菌または滅菌方法が使用される場合がある。例えば、酵素および/または微生物は、約70℃、約90℃または約100℃以上に30分間または45分間または60分間加熱することによって失活される場合がある。約100℃、例えば約121℃を超えて約30分間加熱する場合、加圧下、例えば約12~約15psiで加熱する場合がある。無菌条件が生成物の調製に使用される場合、微生物不活性化工程は任意である。特に、開示される乳酸菌は、一般に、米国食品医薬品局または米国農務省によって定義または認識されるようなヒト食品に対して安全(GRAS)であると見なされ、したがってヒトの消費に適している。
【0178】
酵素加水分解および/または発酵の生成物(風味改変成分)は、例えば、大きな粒子を除去するために濾過または遠心分離される場合がある。酵素加水分解および/または発酵の生成物(風味改変成分)は、例えば、例えば約100℃までの沸点を包含する蒸発によって濃縮される場合がある。酵素加水分解および/または発酵の生成物(風味改変成分)は、例えば、当技術分野で公知の方法、例えば、オーツ麦繊維、可溶性トウモロコシ繊維、およびマルトデキストリンおよび/または粘結防止剤などの担体を使用して噴霧乾燥される場合がある。
【0179】
濾過は、いずれかの適切な濾過方法によって行われる場合があり、そのような方法は、例えば、フィルタ遠心分離機内のフェルト製フィルタバッグを通過させることによって、当技術分野で周知である。濾過した培養物(残りのより小さな固体を含有する上清から、より大きな未消化タンパク質を包含するバイオマスを差し引いたもの)が濃縮され得、例えば100℃での蒸発/沸騰によって2倍濃縮され得る。得られた濃縮物の固形分は、水分分析器を使用して決定され得、例えば、適切な担体上に噴霧乾燥され得る。多くの担体、例えば限定されないが、ポテトマルトデキストリン担体(例えば、担体に対する2×濃縮物の固形分約1:1の比が適切である場合がある)は当技術分野で周知である。場合により、固化防止剤が添加される場合があり、そのような薬剤は周知である。適切な固化防止剤は、例えば、トリカルシウムホスフェート(TPC)であり、2倍濃縮物の総重量に基づいて約0.5%(wt/wt)が適切な量であろう。
【0180】
風味改変成分は、例えば、濾過された形態および/または濃縮された形態で使用される場合がある。
【0181】
酵素加水分解および/または発酵の生成物(風味改変成分)は、例えば、プロピレングリコールなどの1以上の安定剤と組み合わせられる場合がある。
【0182】
製品
本明細書において記載の発酵によって単独でまたは酵素加水分解と組み合わせて製造されたすぐに食べられる(ready-to-eat)およびすぐに飲める(ready-to-drink)製品は、更なる加工を受けることなく最終食品として直接使用される場合がある。すぐに食べられるおよびすぐに飲める製品は、例えば、食品のラベリングおよび/または食品規制の理由から、天然のクリーンラベル製品と考えられる場合がある。
【0183】
すぐに食べられるおよびすぐに飲める製品の最終形態は、当技術分野で周知の方法に従って選択される場合があり、特定の食品用途に依存する。液体食品、例えばミルクの場合、すぐに飲める製品は、その液体形態で更に処理することなく使用され得る。固形食品、例えば非乳製品ヨーグルトの場合、すぐに食べられる食品は、その固形形態で更に加工することなく使用され得る。
【0184】
本明細書において記載の酵素加水分解および/または発酵によって作られた風味改変成分は、風味組成物および/または食品組成物中で直接使用される場合があり、または上記のように更なる処理を受ける場合がある。例えば、風味改変成分は、濾過および/または濃縮および/またはペーストおよび/または噴霧乾燥形態である場合がある。風味改変成分は、例えば、プロピレングリコールなどの安定剤と組み合わせてもよく、または噴霧乾燥プロセスで使用される1以上の担体および/または固化防止剤と組み合わせられる場合がある。風味改変成分は、例えば、食品のラベリングおよび/または食品の規制の理由から天然製品であると考えられる場合がある。例として、風味改変成分は、例えば、すぐに食べられる(RTE)またはすぐに飲める(RTD)製品であると考えられる場合がある。
【0185】
風味改変成分の最終形態は、当技術分野で周知の方法に従って選択される場合があり、特定の食品用途に依存する。液体食品、例えばスープの場合、風味改変成分は、その液体形態で更に処理することなく使用され得る。クラッカーなどの乾燥用途では、噴霧乾燥された濃縮風味改変成分が使用され得る。
【0186】
風味改変成分は、食品に直接添加されてもよく、または食品を風味付けまたは調味するための風味組成物の一部として提供される場合がある。
【0187】
風味組成物は、風味改変成分と、任意選択的に1以上の食品等級賦形剤とを含有する。風味組成物に適した賦形剤は、当技術分野で周知であり、例えば、限定されないが、溶媒(水、アルコール、エタノール、油脂、植物油、ミグリオールを包含する)、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、香味剤、着色剤、保存剤、酸化防止剤、乳化剤、安定剤、風味増強剤、甘味剤、粘結防止剤などを包含する。フレーバーのためのそのような担体または希釈剤の例は、例として、“Perfume and Flavour Materials of Natural Origin”,S.Arctander,Ed.,Elizabeth,N.J.,1960;in“Perfume and Flavor Chemicals”,S.Arctander,Ed.,Vol.I&II,Allured Publishing Corporation,Carol Stream,USA,1994;in“Flavourings”,E.Ziegler and H.Ziegler(ed.),Wiley-VCH Weinheim,1998,and“CTFA Cosmetic Ingredient Handbook”,J.M.Nikitakis(ed.),1st ed.,The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association,Inc.,Washington,1988に見出される場合がある。
【0188】
フレーバー組成物は、フレーバー化合物、植物源を包含する天然源からのフレーバー、および発酵によって作られた成分を包含する追加のフレーバー成分を含有する場合がある。
【0189】
香味組成物は、いずれかの適切な形態、例えば、液体もしくは固体、湿潤もしくは乾燥、または担体/粒子に結合したもしくはコーティングされたカプセル化された形態、または粉末としての形態を有する場合がある。
【0190】
風味組成物は、例えば、非濃縮風味改変成分に基づいて、約0.02%~約0.5%(wt/wt)を含む場合がある。
【0191】
「食品」という用語は、例えば、食品、飲料、栄養補助食品、およびマウスウォッシュを包含するデンタルケア製品を包含する、口腔内に配置されるが必ずしも摂取されないいずれかの製品を包含する広い意味で使用される。
【0192】
食品は、穀類製品、米製品、パスタ製品、ラビオリ、タピオカ製品、サゴ製品、ベーカーズ製品、ビスケット製品、製菓製品、パン製品、製菓製品、スイーツ製品、ガム、チューインガム、チョコレート、氷菓、蜂蜜製品、糖衣錠製品、酵母製品、食塩および香辛料製品、香辛料食品、マスタード製品、酢製品、ソース(調味料)、加工食品、調理済み果実および野菜製品、肉および肉製品、肉類似品/代用品/代替品、ゼリー、ジャム、フルーツソース、卵製品、乳製品(乳を包含する)、チーズ製品、バターおよびバター代替品、乳代替品、大豆製品(例として、大豆「ミルク」)、油脂製品、医薬品、飲料、ジュース、フルーツジュース、野菜ジュース、食品抽出物、植物抽出物、肉抽出物、栄養補助食品、ゼラチン、錠剤、ロゼンジ、ドロップ、エマルジョン、エリキシル、シロップ、およびそれらの組合せを包含する。
【0193】
加工食品は、マーガリン、ピーナッツバター、スープ(透明、缶詰、クリーム、即席、UHT)、グレービー、缶入りジュース、缶入り野菜ジュース、缶入りトマトジュース、缶入りフルーツジュース、缶入りジュース飲料、缶入り野菜、パスタソース、冷凍主菜、冷凍主菜、乾燥包装主菜(マカロニ&チーズ、ドライディナーズアド肉、ドライサラダ/惣菜ミックス、ドライディナーズウィズ肉)を包含する。スープは、濃縮ウェット、レディ・トゥ・サービング、ラーメン、ドライ、およびブイヨン、加工および事前調製された低ナトリウム食品を包含する様々な形態である場合がある。
【0194】
特に興味深いのは、例えば、牛乳(例として、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、ラクダ乳)、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、およびカスタードなどの乳製品である。乳製品は、例えば、甘味料または非甘味料である場合がある。乳製品(例として、ミルク)は、例えば、全脂、低脂または無脂である場合がある。
【0195】
乳製品代替製品も特に興味深い。代替乳製品は、動物から得られた真の乳製品を含まない植物ベースの製品である。例えば、乳製品代替製品は、例えば、大豆、アーモンド、米、エンドウ豆、ココナッツ、およびナッツ(例として、カシュー)に由来する場合がある代替「ミルク」、「クリーム」、および「ヨーグルト」製品を包含する。乳製品代替製品は、例えば、甘味料化または非甘味料化される場合がある。
【0196】
更に特に興味深いのは、例えば、アルコール性および非アルコール性のすぐに飲める飲料および乾燥粉末飲料を包含する、飲料混合物および濃縮物を包含する飲料、炭酸飲料および非炭酸飲料、例として、ソーダ、フルーツジュースまたは野菜ジュース、アルコール飲料および非アルコール飲料である。飲料は、例えば、甘味をつけてもよいし、甘味をつけない場合がある。
【0197】
更に特に興味深いのは、例えば、調味料およびソース(冷たい、温かい、即席、保存済み、サテ、トマト、BBQソース、ケチャップ、マヨネーズおよび類似物、ベシャメル)、グレービー、チャツニー、サラダドレッシング(貯蔵安定性、冷蔵)、衣ミックス、酢、ピザ、パスタ、即席麺、フライドポテト、クルトン、塩スナック(ポテトチップス、チップス、ナッツ、トルティラートスターダ、プレッツェル、チーズスナック、コーンスナック、ポテトスナック、すぐに食べられるポップコーン、電子レンジで加熱可能なポップコーン、カラメルコーン、ポークリンス、ナッツ)、クラッカー(塩、「リッツ」型)、「サンドイッチ型」クラッカースナック、朝食用穀類、チーズ類似体を包含するチーズおよびチーズ製品(還元ナトリウムチーズ、低温殺菌加工チーズ(食品、スナックおよびスプレッド)、香ばしいスプレッド、コールドパックチーズ製品、チーズソース製品)、肉、アスピック、硬化肉(ハム、ビーコン)、ランチョン/朝食用肉(ホットドッグ、コールドカット、ソーセージ)、大豆ベースの製品、トマト製品、ジャガイモ製品、ドライスパイスまたは調味料、ペストを包含する液体スパイスまたは調味料、マリネート、およびスープ型/食事代替飲料、ならびにトマトジュース、ニンジンジュース、混合野菜ジュースおよび他の野菜ジュースを包含する野菜ジュースを包含する、ナトリウム塩濃度が低減された伝統的に高い食品である。
【0198】
食品は、例えば、非濃縮風味改変成分に基づいて約0.001%~約0.5%(wt/wt)、例えば非濃縮風味改変成分に基づいて約0.001%~約0.02%(wt/wt)を含む場合がある。
【0199】
風味改変成分が濃縮されていない液体として添加される場合、例えば、限定されないが、スープおよびチップス、クリスプおよびスナックなどの局所食品用途では、約0.005~約0.5%(重量/重量)で通常十分である。
【0200】
食品に応じて、より多くのものが必要とされる場合がある。ほとんどの局所適用では、約0.1%~約0.5%(wt/wt)で十分である。濃縮物(例えば蒸留による)または噴霧乾燥塩増強成分を使用する場合、示された濃度は、塩増強成分の濃度変化を考慮に入れるために適切な因子で調整する必要がある。
【0201】
食品に応じて、約10~100%、例えば25~50%、同等の食品よりも少ないナトリウムを含有する食品(例えば、25%減少した「還元ナトリウム」製品、または50%減少した「ナトリウム中の光」製品)の場合、風味改変成分は、以下のように使用される場合がある:ほとんどの食品用途に有用な濃度は、例えば、非濃縮風味改変成分に基づいて約0.001%~約0.015%(wt/wt)である場合がある。あるいは、例えば、噴霧乾燥された2×濃縮物に基づいて25~300ppmまたは0.002%~0.03%(wt/wt)が使用される場合がある。
【0202】
風味改変成分は、濃縮されていない形態または濃縮された形態で使用されてもよく、または濃縮物は、当技術分野で公知の方法によってペーストまたは粉末に製剤化される場合がある。この場合、使用される量はそれに応じて調整されなければならない。スパイスなどの風味組成物は、多くの場合、例えば10倍濃縮物など、より濃縮されており、濃度はそれに応じてより高く調整される(250ppm~3000ppm)。
【0203】
規則的なNaCl濃度を有する一般的な食品中のNaCl濃度は、大部分の製品で約0.5%~約5%(wt/wt)NaClの範囲で変化する。調味料または調味料として使用される製品、例えば少量(例えば、サラダまたはヌードルに適用される)で使用されるクルトン、ソースまたはサラダドレッシングは、例えば約2%~約5%(重量/重量)のNaClの濃度を有する。スープは、通常、約0.6%~約1.25%(wt/wt)のNaClを含有する。塩クラッカーおよび肉製品(例として、サラミ、ハム、およびベーコン)は、通常、約2%~約4%(重量/重量)のNaClを含有する。穀類は通常、約0.6~3%(wt/wt)のNaClを含有する。再構成される必要がある製品(ドライスープ)は、通常、再構成後に示される濃度範囲に及ぶ。
【0204】
ナトリウム含有量が減少した生成物(例として、一食分当たり353mg)よりも更に少ないNaClを含有する低ナトリウム生成物の場合、塩増強成分の量を増加させなければならない場合がある。
【0205】
KCIを添加した食品の場合、食品および該成分に応じて、KCIの濃度は、ナトリウム濃度がどれだけ低減されるかに応じて、約0.1%または約0.2%、最大約1%、最大約1.5%、最大約2%(wt/wt)、またはそれを超える場合がある。約0.25%~約1.5%(wt/wt)、例えば約0.5%~約1.5%(wt/wt)のKCI濃度は、ほとんどの低ナトリウム生成物に有用であろう。NaCl濃度がほとんどの用途で有用に低減される場合がある範囲は、例えば、約0.25%(wt/wt)~約2.5%(wt/wt)、または約0.125%~約1.25%(wt/wt)である。成分として食品に添加される風味改変成分の量は、使用されるKCIの濃度、ならびに特定のベースおよび風味を包含する特定の食品に依存する。ほとんどの食品用途に有用な濃度は、例えば、非濃縮風味改変成分に基づいて約0.001%~約0.015%(重量/重量)である場合がある。あるいは、例えば、噴霧乾燥された2×濃縮物に基づいて25~300ppmまたは0.002%~0.03%(wt/wt)が使用される場合がある。
【0206】
風味改変成分は、非濃縮形態で使用されてもよく、または濃縮物は、当技術分野で公知の方法によってペーストもしくは粉末または噴霧乾燥塩増強成分に配合される場合がある。この場合、使用される量はそれに応じて調整されなければならない。
【0207】
適切な濃度の風味改変成分は、感覚刺激滴定によって容易に試験することができる。この技術は、官能分析の分野でよく知られている。
【0208】
風味組成物および食品は、例えば、1以上の甘味料を含む場合がある。甘味組成物に使用される場合がある甘味料の例は、例えば、国際公開第2016/038617号に開示されており、その内容は参照により本明細書において組み込まれる。
【0209】
1以上の甘味料は、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、ナリンジンジヒドロカルコン、ステビオシド)、モグロシド(例として、グロベノリンII、グロベノリンI、11-O-モグロサイドII(I)、11-O-モグロサイドII(II)、11-O-モグロサイドII(III)、モグロサイドII(I)、モグロサイドII(III)、11デヒドロキシ-モグロサイドIII、11-O-モグロサイドIII、モグロサイドIII(I)、モグロサイドIII(II)、モグロサイドIIIe、モグロサイドIIIx、モグロサイドIV(I)(シロメノシド)、モグロサイドIV(II)、モグロサイドIV(III)、モグロサイドIV(IV)、デオキシモグロサイドV(I)、デオキシモグロサイドV(II)、11-O-モグロサイドV(I)、モグロサイドV異性体、モグロサイドV、イソモグロサイドV、7-O-モグロサイドV、11-O-モグロサイドVI、モグロサイドVI(I)、モグロサイドVI(II)、モグロサイドVI(III)(ネオモグロサイド)およびモグロサイドVI(IV))、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、アドバンターム、アガルブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、水あめ、羅漢果抽出物、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)、セロビオース、プシコース、およびシクラメートから選択される場合がある。
【0210】
使用
本明細書において記載の方法によって得られるおよび/または得ることが可能な風味改変成分は、例えば、食品の風味または食感を改変するために食品(例として、風味組成物の一部として)に添加される場合がある。
【0211】
本明細書において記載の方法によって得られるおよび/または得ることが可能な風味改変成分は、例えば、食品の食感を改善するため、および/または食品のオフノートをマスキングするため、および/または食品の甘味を改善するため、および/または食品の塩味を増強するため、および/または食品中のプレバイオティクスとして作用するために使用する場合がある。
【0212】
したがって、改善された食感および/または低減されたオフノートおよび/または改善された甘味および/または増強された塩味および/またはプレバイオティクスとしての使用を有する食品を提供する方法であって、本明細書において記載の方法によって得られたおよび/または得ることが可能な風味改変成分を食品と混合することを含む方法も本明細書において提供される。
【0213】
一般的な用語では、「食感」は、食品および飲料製品の香り、味、および食感品質によって影響されるような、口の中で経験される知覚の複雑さを指す。しかしながら、技術的観点から、口当たり感覚は、三叉神経を介して口で知覚される物理的(例として、触感、温度)および/または化学的(例として、疼痛)特性に特に関連する。したがって、それらは口腔触覚刺激の結果であり、口腔粘膜、唇、舌、頬、口蓋および咽喉に位置する機械的、疼痛および温度受容体に関与する。
【0214】
口当たり知覚は、例えば、食感-収斂性、灼熱感、冷たさ、刺痛、濃厚、噛み込み、脂肪、油性、ぬめり、泡立ち、融解、砂質、チョーク状、水様性、酸性、乳酸系、リンガリング、金属性、ボディ、ボディスイート、炭酸塩化、冷却、加温、高温、肉汁状、口中乾燥、麻痺、辛味、唾液分泌性、海綿状、べたつき、ふんわり感、凝集性、密度、破砕性、粒状性、粒状性、ゴム状性、硬度、重さ、吸湿性、水分放出、食感、食感、粗さ、滑り性、滑らかさ、クリーム状、クリーミーな質感、バター状、均一性、噛みの均一性、吸い上げの均一性、粘度、急速拡散、フルボディ、唾液分泌および保持のうちの1以上を包含する。
【0215】
前述のように、食品または飲料の知覚される食感は、テクスチャ特性に加えて香りおよび味の属性の存在によって広く影響を受ける可能性がある。したがって、多数の他の属性は、例えば、甘味、塩味、旨味、酸味、苦味、クリーミー、クリーミーな食感、クリーミーな酸味、酸性、酸性の乳製品、ネギ、焼きタマネギおよびパセリなどの味または香りの1以上を包含する、製品の経験した全体的な食感に影響を及ぼす場合がある。
【0216】
「食感の改善」とは、非乳製品非発酵ベースと比較して、いずれかの1以上の所望の食感知覚が強化されること、および/またはいずれかの1以上の望ましくない食感知覚が低減されることを意味する。特に、以下の知覚の1以上は、本明細書において記載の製品および方法によって強化される場合がある:良好な食感、ガムの少なさ、クリーミー、クリーミーな食感、クリーミーサワー、バター、酸性、酸性乳製品、甘味、塩味、旨味。
【0217】
「オフノートのマスキング」とは、訓練されたパネリストによって分析されるように、オフノートのマスキングを有する材料を含む食品を、追加されたオフノートのマスキング材料を含まない食品と比較するとき、食品中の望ましくない属性の知覚の強度および/または長さが低減されることを意味する。
【0218】
「甘味の改善」とは、甘味改善効果を有する成分を含む食品を、甘味改善成分を添加していない食品と比較した場合に、訓練されたパネリストによって分析されたように、より好ましいことが分かった食品の甘味特性に対する風味改変成分の効果を意味する。
【0219】
甘味の改善は、例えば、スクロースの甘味特性により類似した甘味特性を提供する場合がある。
【0220】
甘味特性は、風味プロファイル(味プロファイル)を指し得、これは、所与の化合物の風味および知覚属性の強度を指す場合がある。甘味の例示的な風味属性は、甘味強度、苦味、黒甘草などである。
【0221】
甘味特性は、経時的な甘味の知覚の変化を指す時間プロファイルを指す場合がある。全ての甘味料は、特徴的な外観時間(AT)および消滅時間(ET)を示す。ほとんどの高効力甘味料は、炭水化物甘味料とは対照的に、ETの延長(滞留)を示す。一般に、検出されたスクロース当量は、最大応答レベルまでスパイクし、次いで経時的に漸減する。テーパーが長いほど、化合物の検出された甘味リンガーは大きくなる。
【0222】
甘味改善は、例えば、風味改変成分が甘味食品に使用される場合に特に得られる場合がある。甘味の改善は、例えば、乳製品または飲料、例えば甘味乳製品または飲料において特に得られる場合がある。
【0223】
特定の実施形態では、風味改変成分は、食品の長引く甘味を弱めるために使用される場合がある(例として、甘味食品)。言い換えれば、風味改変成分は、食品(例として、甘味食品)の消滅時間(ET)を減少させるために使用される場合がある。これは、食品が最初に摂取または吐き出された後の口の中の甘味の望ましくない持続に関する。長引く甘味とは、例えば、最初に検出された後に甘味が残っている時間の長さ、最初に検出された後に甘味の強さがどれだけ急速に減少または消失するか、および最初に検出された後の甘味の強さを指す場合がある。風味改変成分は、例えば、甘味が最初に検出された後に残る時間の長さを減少させ、および/または甘味が最初に検出された後に減少する速度を増加させ、および/または甘味が最初に検出された後に甘味の強度を減少させる場合がある。
【0224】
特定の実施形態では、風味改変成分は、食品(例として、甘味食品)の苦味および/または収斂味および/または金属味および/または甘草味を弱めるために使用される場合がある。
【0225】
特定の実施形態では、風味改変成分は、食品(例として、甘味食品)の甘味影響を強化するために使用される場合がある。甘味影響は、甘味が最初に検出されるまでにかかる時間の長さおよび甘味が最初に検出される強度に関する。風味改変成分は、例えば、甘味が最初に検出されるまでの時間を減少させ、および/または甘味が最初に検出される強度を増加させる場合がある。
【0226】
本明細書において記載される甘味度および他の甘味特性は、例えば以下の例に記載されるように、訓練された専門家の試飲パネルによって評価される場合がある。
【0227】
「塩増強」とは、塩増強効果を有する成分を含む食品を、塩増強成分を添加していない食品と比較した場合に、塩の味に敏感な訓練されたパネリストによって分析されるように、その味の強さがより顕著(より強い、強化された)であり、および/またはその持続時間がより長い食品の塩の味に対する風味改変成分の効果を意味する。
【0228】
「プレバイオティクス」とは、例えば腸内細菌叢の活性を増加させることによって、および/または腸内細菌叢の集団を増加させることによって、腸内細菌叢の効果を改善するための風味改変成分、すぐに食べられる製品および/または即席飲料製品の効果を意味する。「プロバイオティクス」とは、生きている細菌、例えば本明細書において記載の微生物株または株のブレンド、発酵物質、例えば植物ベースの製品を意味する。
【0229】
本明細書において記載の方法によって製造されたすぐに食べられるおよびすぐに飲める製品は、例えば、最終食品として直接使用される場合があり、更なる加工を受けない場合がある。そのような製品の感覚評価は、訓練されたパネリストによって行われる場合がある。訓練されたパネリストの使用は、化合物の官能プロファイルを統計的に有意な方法で評価するための広く認識されている分析ツールである。例として、“EFFA Guidance Document on the EC Regulation on Flavourings”,European Flavor Association,2015を参照されたい。感覚プロファイリングは、サンプルから得られた全体的な感覚印象が、各々がより大きいまたはより小さい程度まで存在するいくつかの識別可能な感覚属性(記述子)からなるという概念に基づいている。パネリストは、その特定の記述子に対応する典型的な分子または分子のブレンドを評価することによって各記述子を認識するように訓練される。例によって実証されるように、本明細書において記載の方法によって製造されたすぐに食べられるおよびすぐに飲める製品は、良好な食感を有する心地よい味を提供する。
【0230】
上記は、本発明の特定の実施形態を制限なく広く説明している。当業者に容易に明らかになる変形および修正は、添付の特許請求の範囲に定義され、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0231】
本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈上別段の要求がない限り、「備える」という単語、ならびに「備える」および「を含む」などの変形は、記載された整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を含むが、いずれかの他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外しないことを意味すると理解される。「を含む」という用語はまた、「包含する」ならびに「からなる」を意味し、例として、組成物「を含む」Xは、Xのみからなってもよく、または何らかの追加のもの、例えばX+Yを包含する場合がある。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「a」および「」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を包含することにも留意されたい。例として、「遺伝子(a gene)」または「酵素(an enzyme)」への言及は、「1以上の遺伝子」または「1以上の酵素」への言及である。
【0232】
本明細書およびその特許請求の範囲において、「含む」という動詞およびその活用形は、その語に続く項目が包含されるが、具体的に言及されていない項目は除外されないことを意味するためにその非限定的な意味で使用される。加えて、「~からなる」という動詞は、本明細書において記載の組成物が具体的に特定されたもの以外の追加の構成要素を含む場合があることを意味する「~から本質的になる」に置き換えられてもよく、該追加の構成要素は本発明の固有の特性を変化させない。更に、「~からなる」という動詞は、本明細書において記載の方法または使用が、具体的に特定されたもの以外の追加の工程を含む場合があることを意味する「~から本質的になる」に置き換えられる場合があり、該追加の工程は、本発明の固有の特性を変更しない。更に、「からなる」という動詞は、本明細書において記載のヌクレオチドまたはアミノ酸配列が、具体的に同定されたものよりも追加のヌクレオチドまたはアミノ酸を含む場合があることを意味する「から本質的になる」に置き換えられてもよく、該追加のヌクレオチドまたはアミノ酸は、本発明の固有の特徴を変化させない。
【0233】
本明細書において使用される場合、「少なくとも」特定の値は、その特定の値以上を意味する。例えば、「少なくとも2つ」は、「2以上」、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、...などと同じであると理解される。
【0234】
「約」または「およそ」という用語は、数値(例として、約10)に関連して使用される場合、好ましくは、その値がその値の1%以上または以下の所与の値(10の)である場合があることを意味する。
【0235】
本明細書において使用される場合、「および/または」という用語は、「および/または」という用語によって接続された群の全てのメンバーが、いずれかの組合せで互いに対して累積的に表され、あるいは互いに対して累積的に表されることを意味すると理解される。例えば、「A、Bおよび/またはC」という表現に関して、以下の開示は、それに基づいて理解されるべきである:i)(AまたはBまたはC)、またはii)(AおよびB)、またはiii)(AおよびC)、またはiv)(BおよびC)、またはv)(AおよびBおよびC)、またはvi)(AおよびBまたはC)、またはvii)(AまたはBおよびC)、またはviii)(AおよびCまたはB)。
【0236】
様々な実施形態が本明細書において記載される。本明細書において特定される各実施形態は、特に明記しない限り、一緒に組み合わされる場合がある。本開示は、本明細書において記載の特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されず、これらは変化する場合があることを理解されたい。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示によれば、当技術分野の技能の範囲内である従来の分子生物学、微生物学、および組換えDNA技術が使用される場合がある。
【0237】
本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構造および配置の詳細に限定されない。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。また、本明細書において使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定と見なされるべきではない。好ましくは、本明細書において使用される用語は、“A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)”,Leuenberger,H.G.W,Nagel,B.and Kolbl,H.eds.(1995),Helvetica Chimica Acta,CH-4010 Basel,Switzerland)に記載されるように定義される。
【0238】
本明細書の本文を通して、いくつかの文献が引用される。本明細書において引用される各文献(全ての特許、特許出願、科学出版物、製造業者の仕様書、説明書、GenBank受託番号配列提出物などを包含する)は、上記であろうと下記であろうと、その全体が参照により本明細書において組み込まれる。本明細書において記載の例は、本開示を例示するものであり、限定することを意図するものではない。本開示の様々な実施形態を本開示に従って説明されてきた。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載および例示された技術に対して多くの修正および変形がなされる場合がある。したがって、例は例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0239】
態様
1.すぐに食べられるまたはすぐに飲める製品を製造するための方法であって、方法が、穀類の少なくとも1つの食用構成要素を発酵、酵素加水分解、または発酵および酵素加水分解に供することを含み、発酵が、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を使用し、穀類が、オーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、すぐに食べられるまたはすぐに飲める製品を製造するための方法。
【0240】
2.少なくとも1つの食用穀類構成要素が、穀粒、穀類全粒、穀類グロート、スチールカット穀類、ロール穀類、穀類ふすま、穀粉、穀類カーネル、穀類繊維、またはそれらの組合せの形態であるか、それらに由来する、態様1に記載の方法。
【0241】
3.穀類の少なくとも1つの食用構成要素が水性スラリー中にある、態様1または態様2の方法。
【0242】
4.酵素加水分解が、カルボヒドラーゼおよびタンパク質分解酵素から選択される1以上の酵素を使用する、態様1または態様2または態様3に記載の方法。
【0243】
5.酵素加水分解が、セルラーゼ、ペクチナーゼおよび他のカルボヒドラーゼから選択される少なくとも1以上の酵素を使用する、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
6.酵素加水分解が、アルファ-アミラーゼおよびエンドアミラーゼから選択される少なくとも1以上の酵素を使用する、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
7.酵素加水分解が、アルファ-アミラーゼ、エンドアミラーゼおよびタンパク質分解酵素を使用する、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
8.酵素加水分解が、アルファ-アミラーゼ、エンドアミラーゼ、タンパク質分解酵素およびペプチダーゼを使用する、態様1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
9.ペプチダーゼがセリンエンドペプチダーゼである、態様8に記載の方法。
【0248】
10.酵素加水分解が、アルファ-アミラーゼおよびエンドアミラーゼを使用して約50℃~約70℃の範囲の温度で約1時間行われ、続いて少なくとも1つのタンパク質分解酵素および少なくとも1つの細菌酵素を添加し、約50℃~約60℃で更に2~3時間インキュベートする、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
11.酵素加水分解が、約25℃~約60℃の範囲の温度で行われる、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
12.酵素加水分解が、約1時間~約48時間の範囲の期間行われる、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
13.発酵が約20℃~約45℃の範囲の温度で行われる、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
14.発酵が約1日~約2日の範囲の期間にわたって起こる、態様1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
15.酵素加水分解が、発酵の前および/または発酵と同時に起こる、態様1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
16.方法が、少なくとも1つの食用穀類構成要素を発酵に供することを含み、かつ少なくとも1つの食用穀類構成要素を酵素加水分解に供することを含まない、態様1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
17.酵素加水分解および発酵の前に、少なくとも1つの食用穀類構成要素を約75℃以上の温度に加熱することを含む、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
18.穀類がオーツ麦を含む、態様1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
19.オーツ麦がオーツ麦粉を含む、態様18に記載の方法。
【0258】
20.方法が、すぐに食べられる製品を噴霧乾燥することを更に含む、態様1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
21.食用穀類構成要素が、オーツ麦繊維、トウモロコシ繊維、イネ繊維、野生イネ繊維、コムギ繊維、オオムギ繊維、モロコシ繊維、キビ繊維、ライムギ繊維、ライコムギ繊維、フォニオ繊維、またはそれらの組合せを含む、態様1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
22.食用穀類構成要素がオーツ麦繊維を含む、態様21に記載の方法。
【0261】
23.食用穀類構成要素が、オーツ麦穀粒、オーツ麦全粒、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、オーツ麦繊維、アイリッシュオートミール、またはそれらの組合せの形態であるか、またはそれらに由来する、態様22に記載の方法。
【0262】
24.発酵が、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、および/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される3つ以上の乳酸菌を使用する、態様1~23のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
25.穀類の少なくとも1つの食用構成要素を水溶液中で混合すること、ここで、穀類はオーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacteriumおよび/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を混合物に添加すること、少なくとも1つの食用穀類構成要素の少なくとも一部を発酵させるのに十分な期間、混合物をインキュベートして、すぐに食べられる製品を形成することによって得られる、すぐに食べられる製品。
【0264】
26.すぐに食べられる製品がヨーグルトである、態様25に記載のすぐに食べられる製品。
【0265】
27.穀類の少なくとも1つの食用構成要素を水溶液中で混合すること、ここで、穀類はオーツ麦、トウモロコシ、イネ、野生イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、ライムギ、ライコムギ、フォニオおよびそれらの組合せからなる群から選択される、カルボヒドラーゼおよび/またはタンパク質分解酵素を混合物に添加すること、続いてLactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacteriumおよび/またはBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の乳酸菌を混合物に添加すること、少なくとも1つの食用穀類構成要素の少なくとも一部を発酵させるのに十分な期間、混合物をインキュベートして、すぐに飲める製品を形成することによって得られる、すぐに飲める製品。
【0266】
28.すぐに飲める製品がオーツミルクである、態様27に記載のすぐに飲める製品。
【0267】
29.すぐに飲める製品が5ppm未満のグルテン含有量を有する、態様27に記載のすぐに飲める製品。
【0268】
30.すぐに飲める製品が20ppm未満のグルテン含有量を有する、態様27に記載のすぐに飲める製品。
【0269】
31.態様1~19のいずれか1つに記載の方法によって得られるか、または請求項25から30のいずれか1つに記載の製品を含む消耗製品。
【0270】
32.消耗品が、クリーンラベルの乳製品代替品である、態様31に記載の消耗品。
【0271】
33.食用穀類構成要素が、オーツ麦穀粒、オーツ麦全粒、オーツ麦繊維、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦、オーツ麦糠、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、アイリッシュオートミールまたはそれらの組合せの形態であるか、またはそれらに由来する、態様25または態様26に記載のすぐに食べられる製品。
【0272】
34.食用穀類構成要素が、オーツ麦穀粒、オーツ麦全粒、オーツ麦繊維、オーツ麦グロート、スチールカットオーツ麦、ロールオーツ麦、オーツ麦、オーツ麦糠、オーツ麦粉、オーツ麦カーネル、アイリッシュオートミールまたはそれらの組合せの形態であるか、またはそれらに由来する、態様27または態様28に記載のすぐに飲める製品。
【0273】
35.少なくとも1つの食用穀類構成要素が、水性スラリーの総重量に基づいて、約5~20重量%の量で存在する、態様1~24のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
例
例1-発酵したオーツ麦繊維
以下のプロセスによってオーツ麦繊維を発酵させることによって、風味改変成分が作製された。
【0275】
清浄な消毒されたタンクに831gの水が添加された。166gのオーツ麦繊維(Axiom Foods Inc.から市販されているAvenOLait(商標)オーツ麦繊維)が水に添加された。混合物を1時間以内に連続混合しながら121℃に加熱した。混合物の温度を121℃で30分間保持した。次いで、混合物が37℃に冷却された後、3gのシード発酵物が添加された。混合物はゆっくり撹拌しながら37℃で4日間インキュベートされた。次いで、混合物は100℃で45分間低温殺菌された。生成物は4℃で保存された。
【0276】
使用した種子発酵液は、Rhapsody Natural Foodsから入手したAspergillus oryzaeでコーティングした米、Cabot VT 05647(風味改変成分(FMI)-A)またはLactobacillus plantarumまたはLactiplantibacillus plantarum ATCC 14917(FMI-B)のいずれかであった。
【0277】
約0.1%(エンドウ豆ヨーグルト、無脂肪ヨーグルト、大豆ヨーグルト、および2%脂肪乳)の濃度で様々な食品中の各風味改変成分を使用して官能評価が行われた。
【0278】
ポテトチップスは、サワークリームおよびタマネギベースの調味料に風味改変成分が0.1%の濃度で使用され、サワークリームおよびタマネギベースの調味料を7%の濃度でポテトチップスに添加された。
【0279】
各種食品は以下の通りであった。
エンドウ豆ヨーグルト(Ripple、元の乳製品代替製品)
非脂肪ヨーグルト(Danoneから得た-甘味料を含まない無脂肪乳製品)
大豆ヨーグルト(絹、プレーン-乳製品代替製品)
2%脂肪乳(Krogerから得た-非甘味、低脂肪乳製品)
ポテトチップス(Mike Sells Original Unsalted Chips)+7%サワークリームとタマネギベースの風味
【0280】
エンドウ豆ヨーグルト、無脂肪ヨーグルト、大豆ヨーグルト、および2%脂肪乳の官能評価を香味料者が行った(記述分析)。
【0281】
サワークリームおよびオニオンチップの官能評価は、サワークリームおよびタマネギベースの風味を有するポテトチップスとFMI-Aを含まないサワークリームおよびタマネギベースの風味を有するポテトチップスとを比較する対比較戦略によって行われた。11人のパネリストが、サワークリームおよびオニオンポテトチップスを用いて評価前の検討および訓練を行った。感覚刺激評価のために、サンプルが、無作為化された完全にバランスのとれた順序で盲検サンプルとしてペアでパネリストに提示された。製品の各ペアについて、各属性についてより大きいサンプル(クリーミーサワー、ネギ、焼きタマネギ、パセリ、酸性乳製品、甘味、塩味、旨味)を選択するようにパネルリストに指示した。4反復の各対の評価が行われた。
【0282】
サワークリームおよびオニオンチップの官能評価について試験した属性の定義は以下の通りであった。
クリーミートサワー:サワークリーム、バター、ヨーグルトに伴う酸味のある乳製品の香り
ネギ:薬草、緑色、ネギを連想させる玉虫色の香り
焼きタマネギ:タマネギ粉末に伴う甘味、茶色、あじ臭
パセリ:新鮮なパセリの葉に関連する緑色、葉の多い香り、および木質の香り
酸性乳製品:発酵牛乳と同様に、溶液中の乳酸に関連する舌の基本的な味
甘味:溶液中の糖および高効力甘味料に関連する基本的な味の感覚
塩:水で希釈した食塩(NaCl)による基本味
旨味:しばしばブイヨン、醤油、およびマッシュルームに見られる、口の中の風味の充満を特徴とする、MSGに関連する基本的な味の感覚
結果を以下に示す。
【0283】
エンドウ豆ヨーグルト
FMI-A味覚評価:洗浄エンドウ豆ノート、収斂性、良好な培養ノートプロファイル、クリーナ、サワー(FMI-Bと比較して好ましい)をマスキングする。
【0284】
FMI-B味覚評価:甘味があり、渋味が少なく、エンドウ豆ノートをマスキングし、クリーム状、酸がマスキングされ、甘味があり、ザラザラしにくい。
【0285】
非脂肪ヨーグルト
FMI-A味覚評価:非常に酸性、より酸味、最良の培養ノート、清潔、より培養。
【0286】
FMI-B味評価:よりバランスのとれたヨーグルトプロファイル、より清浄な酸味のノート、より培養されたノート、より乳製品のノート、非常に酸性の鋭いノート、バランスのとれたクリーンな仕上げ、より培養されたノート、より酸味のノートを作成する(FMI-Aと比較して好ましい)。
【0287】
大豆ヨーグルト
FMI-B味評価:良好なヨーグルトプロファイル、あまり渋味がなく、マスキングビーニー、クリーミー、スイート、ナイスアップフロント、酸性の中間端、わずかに培養された、非常に滑らかでバランスのとれた酸性。
【0288】
2%脂肪乳
FMI-B味評価:脂肪分、ほぼ全脂乳のよう、ヨーグルトのよう、クリーミー、最後に培養、クリーンなプロファイル。
【0289】
サワークリーム&オニオンチップス
FMI-A味覚評価:クリーム色ノートの増強、ベース単独よりも塩分が多い(p<0.05)、ベース単独よりも栄養成分ノートが少ない(パセリ)(p<0.05)、ベース単独よりも旨味、酸性乳製品、および焼いたタマネギの知覚が増加した(p<0.1)。
【0290】
驚くべきことに、風味改変成分が乳製品代替製品(エンドウ豆ヨーグルトおよび大豆ヨーグルト)の不快なビーニー味を排除することが見出された。
【0291】
更に、驚くべきことに、風味改変成分が、低脂肪または無脂肪乳製品(無脂肪ヨーグルトおよび2%脂肪乳)に、対応する全脂肪乳製品の印象を与える「ふんわり感」を提供することが見出された。
【0292】
更に驚くべきことに、風味改変成分FMI-Aが、風味のある製品(サワークリームおよびオニオンチップ)において塩味を提供することが見出された。
【0293】
例2-ブドウ繊維の酵素加水分解
ブドウ繊維を酵素加水分解することにより、風味改変成分が作製された。
【0294】
風味改変成分(FMI-C)は、清潔な消毒されたタンク内で70gのConcord Grape Fibre(FruitSmartから入手)を623.35gの水と混合することによって作製された。次いで、以下の酵素が混合物に添加された:3.5gのCelluclast(登録商標)(Novozyme製)、1.4gのViscozyme(登録商標)(Novozyme製)、0.7gのFlavorzyme(登録商標)(Novozyme製)、0.35gのUmamizyme(登録商標)(Amano Enzymes製)、および0.7gのCeramix(登録商標)(Novozyme製)。混合物は連続的に撹拌しながら50℃で24時間インキュベートされた。
【0295】
次いで、FMI-Cがフェルト製フィルタバッグを通して1000rpmで10分間濾過遠心分離されて、大きな固体を除去した。濾液532gを100℃で1時間加熱して酵素を失活させた。次いで、FMI-Cが228gのプロピレングリコールと混合することによって安定化され、4℃で保存された。
【0296】
様々なReb A-、スクラロース-および糖甘味飲料ベース中、0.07%および0.09%の濃度のFMI-Cを使用して官能性評価が行われた。
【0297】
Reb A-、スクラロース-および糖甘味ベースは以下の通りであった:
ハイブリッドRebA/ステビオグリコシド-糖ベース(30%の糖低減のためにRebA/ステビオグリコシド糖で甘味付けされたまだ中性の飲料-7.3%の糖+0.1%のクエン酸)
還元糖ベース(水中5%スクロース+0.03%クエン酸;ベンチマーク:水中5.5%スクロース+0.03%クエン酸)
ハイブリッドスクロース-グルコース-フルクトース-RebAベース(水中0.9%スクロース、0.45%グルコース、0.45%フルクトースおよび180ppm RebA+0.05%クエン酸;ベンチマーク:水中1.4%スクロース、0.7%グルコース、0.7%フルクトースおよび120ppm RebA+0.05%クエン酸)
ハイブリッドスクラロース-AceKベース(水中70ppmスクラロースおよび21ppm AceK+0.05%クエン酸;ベンチマーク:水中35ppmスクラロース、21ppm AceKおよび2.5%スクロース+0.05%クエン酸)
【0298】
官能評価が、FMI-Cを含有するサンプルをそれらの対応するベースおよびベンチマークと比較して(対比較)、2~4人の香味料の群によって行われた。
【0299】
FMI-Cが0.09%の濃度で添加されると、ハイブリッドRebA/ステビオグリコシド-糖甘味料ベースの初期の甘味が改善され、リンガーが減少することが分かった。
【0300】
FMI-Cが0.07%の濃度で添加された場合、5%スクロースを含有する還元糖ベースの甘味が約1/2ブリックス増加された。
【0301】
例3-クランベリー繊維の酵素加水分解および発酵
クランベリー繊維を酵素加水分解し、その後発酵させることによって、風味改変成分が作製された。
【0302】
風味改変成分(FMI-D)は、清潔な消毒タンク内で105gのクランベリー繊維(FruitSmartから入手)を589.4gの水と混合することによって作製された。次いで、以下の酵素:3.5gのCelluclast(登録商標)(Novozyme製)、1.4gのViscozyme(登録商標)(Novozyme製)、0.7gのFlavorzyme(登録商標)(Novozyme製)、0.35gのUmamizyme(登録商標)(Amano Enzyme製)、および0.7gのCeramix(商標)(Novozyme製)が混合物に添加され、次いで、混合物は連続的に撹拌しながら50℃で24時間インキュベートされた。次いで、混合物は37℃に冷却され、3.5gのAspergillus oryzae(Koji)培養物が添加された(Rhapsody Natural Foodsから入手)。混合物は、撹拌し、ポートを開けて37℃で96時間インキュベートされた。
【0303】
次いで、スラリーが水で希釈されて固形分を15%~10%にされ、フェルト製フィルタバッグを通して1000rpmで10分間フィルタ遠心分離して大きな固形分を除去された。次いで、濾液(511g)は、100℃で1時間加熱されて、酵素を不活性化した。次いで、FMI-Dは、219gのプロピレングリコールと混合することによって安定化され、4℃で保存された。
【0304】
官能性評価は、180ppmのReb Aおよび0.05%のクエン酸を含有するゼロカロリーベース中0.05%の濃度のFMI-Dを使用して行われた(記述分析)。
【0305】
官能評価は、6名のパネラー(香味料および科学者)により行われた。
【0306】
ゼロカロリーベースへのFMI-Dの添加は、滞留、マスキングされた苦味および金属味の減少、ならびにより砂糖の多い口当たりをもたらすことが見出された。
【0307】
180ppmのReb Aで甘味をつけたリップル食品から得たプレーンエンドウ豆ヨーグルト中0.075% FMI-Dを使用して、官能性評価も行われた。
【0308】
FMI-Dは、ブラインドブランクベースと比較して、甘味、クリーミーさ、およびより清潔な味プロファイルを提供した。
【0309】
例4-ブドウ繊維の酵素加水分解
ブドウ繊維を酵素加水分解することにより、風味改変成分が作製された。
【0310】
風味改変成分(FMI-E)は、清潔な消毒されたタンク内で140gのコンコードグレープ繊維(FruitSmartから入手)を547.9gの水と混合することによって作製された。次いで、以下の酵素が混合物に添加された:5.25gのCelluclast(登録商標)(Novozyme製)、2.1gのViscozyme(登録商標)(Novozyme製)、1.05gのFlavorzyme(登録商標)(Novozyme製)、0.525gのUmamizyme(登録商標)(Amano Enzymes製)、1.05gのCeramix(商標)(Novozyme製)、1.4gのヘミセルラーゼ(Amano Enzymes製)、および0.7gのマンナナーゼ(Amano Enzymes製)。混合物は連続的に撹拌しながら50℃で24時間インキュベートされた。
【0311】
次いで、スラリーがフェルト製フィルタバッグを通して1000rpmで10分間濾過遠心分離されて、大きな固体を除去した。濾液(429g)は100℃で1時間加熱されて酵素を不活性化し、成分を184gプロピレングリコールと混合することによって安定化され、4℃で保存された。
【0312】
様々なReb A-、スクラロース-および糖甘味飲料ベース中、0.02%~0.09%の濃度のFMI-Eを使用して官能性評価が行われた。
【0313】
Reb A-、スクラロース-および糖甘味料化ベースは、例2で使用したベースと同じ組成で以下の通りであった:
還元糖ベース(5%スクロース+0.03%クエン酸)
ハイブリッドスクロース-グルコース-フルクトース-RebAベース
ハイブリッドスクラロース-AceKベース
【0314】
官能評価は6名のフレーバーリストで行われた。
【0315】
0.09%濃度で、FMI-Eは、還元糖ベース(5%スクロースを含有する)の甘味を1/2ブリックス超増加させることが見出された。0.045%濃度では、還元糖ベース(5%スクロースを含有する)の甘味は約1/2ブリックス増加した。0.03%濃度では、FMI-Eは甘味の中央にボディを添加し、ハイブリッドスクラロース-AceK-糖ベース中のスクラロースの金属リンガーを調節(低減)した。
【0316】
例5-オーツ麦繊維の酵素加水分解および発酵
オーツ麦繊維を酵素加水分解および発酵に供することによって、風味改変成分またはプロバイオティクス飲料が作製された。
【0317】
風味改変成分またはプロバイオティクス飲料は、オーツ麦粉(Naturex製のコード名P12またはBG28)またはオーツ麦カーネル(Grain Millers Inc US製)を水と混合して、20~30%の固形分を有するスラリーを形成することによって製造された。酵素加水分解の前に、水性スラリーが50℃~約55℃の範囲の温度に加熱された。次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80、Amano Enzyme製、1から1.5%の濃度)が添加され、混合物は50~55℃で2時間インキュベートされて、アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解された。次いで、グルコアミラーゼ(Amano Enzyme製のGluczyme(登録商標)NLP、濃度0.5~1.5%、50℃~55℃で更に1~2時間)が、更なる分解のために添加されてグルコースを放出させた。プロテアーゼ/アミノペプチダーゼ酵素(AmanoのProtein Glutaminase(登録商標)500)も添加されて、タンパク質を50℃~55℃で1~2時間加水分解した。混合物は、100℃で45分間低温殺菌されて、全ての酵素を不活性化した。次いで、これは、30~35℃で24~48時間、乳酸菌(L.delbrueckeii ssp.bulgaricus,Streptococcus thermophilus,Lactobacillus acidophilusなど)および/またはBifidobacteriumにより0.3~0.7%の濃度で発酵された。培養物は、凍結濃縮物として商業的供給業者(例えば、Vivolac、米国)から得られた。次いで、得られた風味改変成分を冷蔵したままにするか、または噴霧乾燥によって更に処理された。
【0318】
GoodBellyの(登録商標)乳製品を含まないプロバイオティックショットに0.05%の濃度で風味改変成分を添加することによって、官能性評価が行われた。6名のパネリストが官能評価を行った。全てのパネリストが、風味改変成分が、良好なボディおよび改善された食感、ならびにオフノートマスキングおよびいくらかの甘味改善を提供することを見出した。結果が以下の表に提供される。
【0319】
【0320】
例6-食用穀類構成要素から得られたすぐに食べられるヨーグルト型製品
食用穀類構成要素を発酵させて、すぐに食べられるヨーグルト製品が作製された。すぐに食べられるヨーグルト製品は、100グラムのオーツ麦粉(スウェーデン、BuaのNaturex SAおよびSwedish Oat Fiber Abからのコード名P12)を900グラムの水と混合して、ガラス反応器内で固形分10%のスラリーを形成することによって製造された。発酵前に水性スラリーは、約121℃の温度に15分間加熱されて、初期の微生物汚染物質を除去した。次いで、水性スラリーは約37℃まで冷却された。Lactobacillus rhamnosusおよびBifidobacterium animalis lactis(それぞれ、LGG(登録商標)およびBB-12(登録商標)、0.1~1%、特に約0.3%の総接種物レベルについて1:1の比のChr.Hansen A/S)が、次いで添加され、混合物は、約37℃で約16時間低レベルの連続混合と共にインキュベートされた。混合物の初期pHは6.16であり、インキュベーションが継続するにつれてpHは低下し始め、16時間のインキュベーション後にpHは4.27であり、この段階で、約121℃で約15分間加熱することによって、発酵は終了された。この熱処理は任意であり、貯蔵の低pHおよび冷蔵温度は、すぐに食べられる製品を安全に保ち、更なる微生物の増殖を防ぐのに十分であろうからである。
【0321】
すぐに食べられるヨーグルト製品の感覚刺激評価が、5~7人の感覚訓練された専門パネリストによって行われた。全てのパネリストは、すぐに食べられるヨーグルト製品がクリーミーで滑らかな食感を有する心地よい味を提供することを見出した。パネリストによって使用された官能的記述子は、良好な食感、酸性、乳乳酸タイプノート、良好なクリーミーな食感であった。乳製品タイプの味は、乳製品代替消耗品において非常に望ましい。
【0322】
例7-食用穀類構成要素から得られたすぐに食べられるヨーグルト型製品
Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricus(0.1~1%、特に約0.3%の濃度のChr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA)のブレンド以外、例6と同じプロセスですぐに食べられるヨーグルト製品が製造され、発酵に使用された。混合物の初期pHは6.21であり、インキュベーションが継続するにつれてpHは低下し始め、16時間のインキュベーション後にpHは4.21であり、この段階で、約121℃で約15分間加熱することによって発酵は終了された。この熱処理は、生成物を安全に保ち、更なる微生物の増殖を防ぐために低pHおよび貯蔵の冷蔵温度が十分であるので任意であった。
【0323】
すぐに食べられるヨーグルト製品の感覚刺激評価が、5~7人の感覚訓練された専門パネリストによって行われた。全てのパネリストは、すぐに食べられるヨーグルト製品がクリーミーで滑らかな食感を有する心地よい味を提供することを見出した。パネリストによって使用された官能的記述子は、ガムネスが低く非常に良い質感であった。パネリストは、Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricusを含有する微生物培養物が優れた食感を提供することを決定した。
【0324】
例8-食用穀類構成要素から得られたすぐに食べられるヨーグルト型製品
Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricus(Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02)の組合せ以外、例6と同じプロセスですぐに食べられるヨーグルト製品が製造され、Lactobacillus rhamnosus(Chr.Hansen A/SからのLGG(登録商標))が発酵に使用された。すぐに食べられるヨーグルト製品の感覚刺激評価が、5~7人の感覚訓練された専門パネリストによって行われた。全てのパネリストは、すぐに食べられるヨーグルト製品がクリーミーで滑らかな食感を有する心地よい味を提供することを見出した。
【0325】
例9-食用穀類構成要素から得られたすぐに食べられるヨーグルト型製品
Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricus(Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02)の組合せ以外、例6と同じプロセスですぐに食べられるヨーグルト製品が製造され、Bifidobacterium animalis lactis(Chr.Hansen A/SからのBB-12(登録商標))が発酵に使用された。すぐに食べられるヨーグルト製品の感覚刺激評価が、5~7人の感覚訓練された専門パネリストによって行われた。全てのパネリストは、すぐに食べられるヨーグルト製品がクリーミーで滑らかな食感を有する心地よい味を提供することを見出した。
【0326】
例10-食用穀類構成要素から得られたすぐに飲める発酵オーツ麦製品
食用穀類構成要素を酵素加水分解および発酵に供することによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品が作製された。100グラムのオーツ麦粉(スウェーデン、NaturexおよびSwedish Oat Fiber Ab of Bua,Swedenからのコード名P12)を900グラムの水と混合してスラリーを形成することによって、すぐに飲める製品が作製された。水性スラリーは約55℃の温度に加熱された。次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80、Amano Enzyme製、約0.05~約1.0%、特に約0.1%の濃度)が混合物に添加され、次いで、混合物を連続的に撹拌しながら約55℃で1時間インキュベートして、アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解した。グルコアミラーゼ(Gluczyme(登録商標)0.05~約1.0%、特に約0.1%の濃度の天野エンザイム製NLP)およびタンパク質分解酵素Thermoase GL-30(0.05~約1.0%、特に約0.1%の濃度の天野酵素由来)、およびUmamizyme(約0.005~約1.0%、特に約0.01%の濃度の天野酵素由来)が添加され、50~55℃で更に2~3時間インキュベートされた。次いで、混合物は、15分間121℃に加熱されて、酵素およびいずれかの微生物汚染物質を不活性化した。次いで、混合物は、37℃まで冷却された。Lactobacillus rhamnosus(0.1~1%、特に約0.3%の濃度のChr.Hansen A/Sからの(0.1~1%、特に約0.3%の濃度のChr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA)が添加され、混合物は、37℃で16時間インキュベートされた。初期pHは5.79であり、最終pHは3.16になった。最終混合物は、15分間で121℃まで加熱され、次いで30℃まで冷却された。貯蔵の低いpHおよび冷蔵温度は、すぐに飲める製品を安全に保ち、更なる微生物増殖を防ぐのに十分であるので、この熱処理は任意であった。
【0327】
5~7人の官能的に訓練された専門パネリストによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。全てのパネリストは、すぐに飲めるのオーツミルク製品が、良好な食感を有する心地よい甘味を提供することを見出した。パネリストによって使用された官能的記述子は、発酵甘味を有する非常に液体であった。グルテン含有量は5ppm未満であったので、生成物は「グルテン不含」生成物と考えられる。
【0328】
例11-全オーツ麦から得られたすぐに飲める発酵オーツ麦製品
全オーツ麦を酵素加水分解および発酵に供することによって、すぐに飲める製品が作製された。80グラムの全オーツ麦(Grain Millers Inc.,Iowa,USA製の濃厚なロールオーツ麦)を320グラムの水と混合してスラリーを形成することによって、すぐに飲める製品が作製された。水性スラリーは、約50℃の温度まで加熱された。次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80、Amano Enzyme製、約0.1~約1.5%、特に約0.4%の濃度)が添加され、混合物が50~55℃で30分間インキュベートされた。次いで、グルコアミラーゼ(Gluczyme(登録商標)0.1~約1.5%、特に約0.4%の濃度の天野エンザイム製NLP)が添加され、1時間インキュベートされた。タンパク質分解酵素グルタミナーゼ(0.05~1.0%、特に約0.1%の濃度で)が添加され、50~55℃で更に3時間インキュベートされた。次いで、混合物が遠心分離されて未消化固体を除去された。次いで、混合物は、約100℃で30分間低温殺菌されて、酵素およびいずれかの微生物汚染物質を不活性化した。Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium ssp(Vivolac製のABY 421)が0.1~1%、特に約0.3%の総接種レベルで添加され、混合物は、約30℃で16時間インキュベートされた。初期pHは5.84であり、最終pHは4.56になった。5~7名の訓練された専門パネリストにより感覚評価が行われた。全てのパネリストは、すぐに飲めるのオーツミルク製品がクリーミーで滑らかな食感を有する心地よい味を提供することを見出した。パネリストによって使用された官能的記述子は、クリーム状および乳製品タイプの風味および口当たりであった。すぐに飲める製品のグルテン含有量は5ppm未満であり、したがって「グルテン不含」製品と考えられた。
【0329】
例12-全オーツ麦から得られたすぐに飲める発酵オーツ麦製品
全オーツ麦を酵素加水分解および発酵に供することによって、すぐに飲める製品が作製された。80グラムの全オーツ麦(Grain Millers Inc.,Iowa,USA製の濃厚なロールオーツ麦)を320グラムの水と混合してスラリーを形成することによって、すぐに飲める製品が作製された。水性スラリーは、約50℃の温度まで加熱された。
【0330】
次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80、Amano Enzyme製、0.1から1.5%、特に約0.4%の濃度)が添加され、混合物が約50℃で30分間インキュベートされた。グルコアミラーゼ(Gluczyme(登録商標)0.1から1.5%、特に約0.4%の濃度の天野エンザイム製NLP)が添加され、1時間インキュベートされた。タンパク質分解酵素グルタミナーゼ(0.05~1.0%、特に約0.1%の濃度で)が添加され、50~55℃で更に3時間インキュベートされた。次いで、混合物が遠心分離されて未消化固体を除去された。次いで、混合物は121℃で15分間低温殺菌されて、酵素およびいずれかの微生物汚染物質を不活性化した。Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricus(Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA)、Bifidobacterium animalis lactis(Chr.Hansen A/SからのBB-12(登録商標))、Streptococcus thermophilus(Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L01 DA)、またはBifidobacterium animalis lactis、Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricus(両方ともChr.Hansen A/SからのBB-12(登録商標)およびYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA)を含有する微生物培養物が、0.1~1%、特に約0.3の総接種レベルで添加され、混合物は、約30~37℃で16時間インキュベートされた。使用した微生物培養物に応じて、初期pHは5.24であり、最終pHは3.47~4.81であった。混合物が場合により低温殺菌して、いずれかの微生物汚染物質を除去する場合がある。5~7名の訓練された専門パネリストにより感覚評価が行われた。全てのパネリストは、すぐに飲めるのオーツミルク製品が、クリーミーで滑らかな食感を有する非常に独特の乳製品タイプの風味を有する心地よい味を提供することを見出した。すぐに飲める製品のグルテン含有量は5ppm未満であり、したがって「グルテン不含」製品と考えられた。
【0331】
例13 発酵試験
発酵試験は、異なる微生物培養物を使用して、非乳ヨーグルトベース、すなわちエンドウ豆タンパク質ベースで行われた。試験の目的は、良好なタイムラインで正しいpH範囲を決定することであった。非乳製品ベースは、重量%(g)で、75.74%の水、13.30%のエンドウ豆タンパク質単離物(PURIS(登録商標)P870)、9.00%のUHTココナッツクリーム、1.00%のショ糖、0.50%のカルシウム錯体、0.050%の柑橘類繊維(CITRI-FI 100M40;200MESH)、および0.010%のエンドウ豆タンパク質バインダー風味を含有した。以下の工程に従って、非乳製品ベースが調製された:i)エンドウ豆タンパク質単離物およびエンドウ豆タンパク質結合剤フレーバーを55~60℃の水に添加する;ii)55~60℃で高剪断で30分間、タンパク質を水で水和する;iii)全ての乾燥成分を混合し、タンパク質を水和させながら添加する;iv)ココナッツ脂肪を溶融および添加し、15分間混合を続ける;v)スラリーを62℃に加熱する;vi)2500/500psiで均質化する;vii)95℃で8分間熱処理;およびviii)40℃に冷却する。
【0332】
2つの培養物は、以下の微生物株を用いて製剤化された:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium ssp株は、それらの特徴ごとに分類されたが、粘度産生およびラクトースを発酵させる能力、ならびにファージ感受性/耐性などのそれらの機能的特徴のいくつかを決定するそれらのプラスミドプロファイルの違いがあった。培養1(Vivolac製のC1-ABY 421)は発酵が非常に遅く、非常に穏やかなほぼ中性の風味で高粘度を与える。培養2(Vivolac製のC2-ABY 424)は、粘度が高く、アセトアルデヒド(ヨーグルト風味)がわずかに強い、より速い酸産生菌である。
【0333】
実施した試験
ベース試験-ベースのpHは、冷蔵温度で6.87であると試験された。基部を、大腸菌の存在および標準プレート数についてもプレートした。
【0334】
固形分パーセントは18.43%であると決定された。
【0335】
一晩発酵手順:
・10個の150mLの非乳ヨーグルトベースのサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・超高温(UHT)ミルク(貯蔵安定性)の二つの150mLサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・5つの非乳ヨーグルトベースサンプルおよび1つのUHTミルクサンプルの一方のセットが、40℃で調温され、他方のセットが42℃で調温された。
・表1に記載の比率で0.4%の割合でサンプルが接種され、撹拌されて、未接種対照として滅菌ジャーに少量のUHTミルクおよび非乳ヨーグルトベースのそれぞれが添加された。
・サンプルは16時間インキュベートされた。
・16時間の終了時にpHが測定された。
【0336】
【0337】
UHT乳および非乳ヨーグルトベースの両方の未接種対照は、16時間のインキュベーション後に酸性化しなかった。
【0338】
昼間発酵手順:
・2個の150mLの非乳ヨーグルトベースのサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・UHTミルクの1個の150mLサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・サンプルが40℃に調温された。
・サンプルに、表2に列挙した比率で0.4%の割合で接種され、撹拌してブレンドされた。
・未接種対照として、滅菌ジャー中のUHTミルクおよび無乳ヨーグルトベースのそれぞれが少量ずつ添加された。
・サンプルは40℃で7時間半インキュベートされた。
・pHレベルは、5時間および30分毎~7時間半またはpH 4.4に達するまで測定された。
【0339】
【0340】
UHT乳中の50%/50% C1~C2の活性は5時間以内にpH 4.4に達したが、無乳ヨーグルトベースでは同じ接種比での活性は7時間半でpH 4.66に達した。無乳ヨーグルトベースへの100% C2接種は、7時間半でpH 4.55に達した。UHT乳および非乳ヨーグルトベースの両方の未接種対照は、7時間半のインキュベーション後に酸性化しなかった。
【0341】
結論
接種されていない対照ベースサンプルは、いずれの発酵においてもpHが低下せず、ベース自体に酸産生細菌が存在しなかったことを示した。UHTミルクと比較して、非乳ヨーグルトベースに同じ速度で接種した場合、培養活性はより遅かった。42℃で発酵させたサンプルの活性は、40℃で発酵させたサンプルよりも速かった。100% C2活性は100% C1活性より速かった。2つの培養物のブレンドは、接種された微生物株の比率に応じて異なる発酵速度を与えた。C2の比率が高いブレンドは、C2が少ない(およびC1が多い)ブレンドよりも速かった。pH 4.4に達したサンプルは、両方の温度で100% C2の16時間発酵であった。16時間でpH 4.4に達する次に近いサンプルは、42℃で発酵した30%/70% C1/C2であった。カードサイズに多少の違いが見られた。C1は、小さいサイズおよび良好な食感を有する滑らかなカードを生成した。
【0342】
【0343】
表4に列挙した最初の5つの微生物培養物(すなわち、716593、716594、720758、704993および716628)が、Chr.Hansen A/S、Horsholm,Denmarkから得られた。
【0344】
表4に列挙した残りの2つの微生物培養物(すなわち、ABY 421 NDおよびABY 424 ND)は、Indiana,USAのVivolac Cultures Corporationから得られた。Bifidobacterium animalis lactis(BB-12(登録商標))およびLactobacillus rhamnosus(LGG(登録商標))の細胞表面構造は、風味用途において良好な食感および食感を提供することが見出されている。
【0345】
例14-株または株のブレンドの更なる感覚評価
サンプル7、8、9および11の株または株のブレンドで発酵が継続された(表1に詳述)。各株または株のブレンドの2~3つのサンプルが異なるpHレベルで採取され、官能特性が評価されて、乳製品代替品に近い最適な溶液を見つけた。発酵前に5~6pHで水を予備酸性化し、官能特性を検討する。糖および培養を増加させて、それがpHおよび官能特性にどのように影響するかを見出す。
【0346】
例15-オーツ麦粉の発酵
オーツ麦粉(SWEOAT(商標)粉P12)を水と混合して、10%の固形分を含有するスラリーが調製された。スラリーがよく混合され、約50~55℃に加熱された。次いで、Thermoase GL-30が0.05~1.0%のレベルで混合物に添加され、約2時間インキュベートされた。次いで、混合物が約121℃に15分間加熱され、37℃に冷却された。次いで、混合物に培養物LGG(登録商標)(Lactobacillus rhamnosus)およびBB-12(登録商標)(Bifidobacterium animalis lactis)(全接種物レベル0.1から1.0%)が接種され、非常に低い連続的な撹拌を伴って30~37℃で約16時間インキュベートされた。初期pHは6.18であり、最終pHは3.84であった。次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80)が0.05~1.0%の範囲のレベルで混合物に添加され、50~55℃で1時間インキュベートされた。次いで、グルコアミラーゼ(Gluczyme(登録商標)NLP)およびグルタミナーゼSD-C-100がそれぞれ0.05~1.0%の範囲のレベルで混合物に添加され、55℃で更に約2時間インキュベートされた。次いで、最終混合物が15分間121℃に加熱され、30℃に冷却された。
【0347】
次いで、最終混合物が蒸留プロセスに供され、蒸留物(20%)が回収された。蒸留物およびポット残渣(蒸留後に残った)の両方が、ビーガンチーズソースベース中の風味改変剤として評価された。どちらのサンプルも、ベガンチーズのソースベースにおいて、良好な食感、クリーミーな食感、およびオフノートのマスキングを示した。留出物およびポット残渣が0.1%で使用された。これらの風味改変剤は、風味改変剤としていずれかの乳製品代替製品に使用され得る。ポット残渣は、オーツ麦繊維またはマルトデキストリンなどのいずれかの適切な担体を使用して噴霧乾燥され得る。これらの風味改変剤は、固体出発物質(例として、食用穀類構成要素)のレベルを改変し、微生物の不活性化は任意であるが酵素が不活性化されることを確実にするプロセスを調整することによって、すぐに食べられるおよび/またはすぐに飲める製品に形成され得る。
【0348】
例16-エンドウ豆タンパク質単離物の発酵
水中15%のエンドウ豆タンパク質単離物を用いてスラリーが調製された。次いで、スラリー中のエンドウ豆タンパク質が、0.1から1%レベルで添加したUmamizyme(Amano)によって50℃で約4時間、部分的に加水分解された。次いで、スラリーが45分間121℃に加熱されて、出発物質からの微生物汚染を除去し、酵素を不活性化し、次いで、培養物BB-12(登録商標)(Bifidobacterium animalis lactis)またはLGG(登録商標)(Lactobacillus rhamnosus)で約24時間発酵させた。6.18の初期pHは、LGG(登録商標)では5.35に、BB-12(登録商標)では4.9に低下した。サンプルの最終熱処理は、121℃で15分間行われた。官能評価は、訓練された専門パネリストによって、非乳製品ヨーグルトベースで0.15%で行われた。両方のサンプルは、心地よい風味および良好な食感特性を提供すると考えられた。これらの風味改変剤は、固体出発物質のレベルを改変し、微生物の不活性化は任意であるが酵素が不活性化されることを確実にするプロセスを調整することによって、すぐに食べられるおよび/またはすぐに飲める製品に形成され得る。
【0349】
例17-ヒヨコ豆粉の発酵
水に10%のヒヨコ豆粉(California,USAのCambridge Commodities Inc.から入手したOrganic Chickpea FlourまたはNorth Dakota,USAのFirebird Artisan Millsから入手したOrganic Chickpea Flour)を用いてスラリーが調製された。スラリーが121℃で45分間滅菌されて、出発物質からの微生物汚染が除去され、37℃まで冷却された。次いで、0.4%で添加したLGG(登録商標)(Lactobacillus rhamnosus)またはBB-12(登録商標)(Bifidobacterium animalis lactis)またはYOFLEX(登録商標)YF-L01 DA(Streptococcus thermophilus)またはYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA(Lactobacillus bulgaricus)またはL.Casei 431(Lactobacillus paracasei)がスラリーに接種され、最小限の撹拌下、30~37℃で24時間インキュベートされた。次いで、最終スラリーが121℃で15分間加熱された。約6の初期pHは、LGG(登録商標)を使用した場合を除いて全ての場合において4未満に低下しており、最終pHは約5であった。0.15%での発酵ヒヨコ豆粉の官能評価が、ビーガンアルフレッドソースおよび無刺激の非乳製品ソースにおいて訓練された専門パネリストを用いて行われた。ビーガンアルフレッドソースのためにパネリストによって使用された官能的記述子は以下の通りであった:クリーミーな乳製品ノート、ならびに塩、旨味、ブロシーを追加する;ベースからビーニーオフノートをマスキングする。無刺激で乳製品を含まないソースのためにパネリストによって使用された官能的記述子は、培養/乳製品印象を有するクリーム状で心地よい食感であった。これらの風味改変剤は、固体出発材料のレベルを改変し、微生物の最終的な不活性化が任意であるようにプロセスを調整することによって、すぐに食べられるおよび/またはすぐに飲める製品に形成され得る。
【0350】
例18-食用穀類構成要素から得られたすぐに飲めるオーツ麦製品
食用穀類構成要素を酵素加水分解することによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品が作製された。125グラムのオーツ麦粉(スウェーデン、NaturexおよびSwedish Oat Fiber Ab of Bua,Swedenからのコード名P16)を875グラムの水と混合してスラリーを形成することによって、すぐに飲める製品が作製された。水性スラリーは約70℃の温度まで加熱された。次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(約0.05~約1.0%、特に約0.5%の濃度のノボザイム由来)およびエンド-アミラーゼ(約0.05~2.5%、特に約2%の濃度のNovozyme BANから)が混合物に添加され、次いで、混合物を連続的に撹拌しながら約70℃で1時間インキュベートしてアミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解し、次いで50℃に冷却した。
【0351】
タンパク質分解酵素(0.05~約2.0%、特に約1.0%の濃度のNovozymes製のProtana Prime)およびタンパク質分解酵素Protana U Boost(0.05~約1.0%、特に約0.5%の濃度のノボザイムから)およびAlcalase(約0.5~約2.0%、特に約1.0%の濃度のノボザイムから)が添加され、50~55℃で更に2~3時間インキュベートされた。次いで、混合物は、15分間121℃に加熱されて、酵素およびいずれかの微生物汚染物質を不活性化した。次いで、混合物は、37℃まで冷却された。
【0352】
最終混合物は、15分間で121℃まで加熱され、次いで30℃まで冷却された。
【0353】
官能的に訓練された専門パネリストによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。全てのパネリストは、すぐに飲めるのオーツミルク製品が、心地よい甘味を与えるが、わずかな苦味を有することを見出した。
【0354】
例19-食用穀類構成要素から得られたすぐに飲めるのオーツ麦製品
食用穀類構成要素を酵素加水分解することによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品が作製された。125グラムのオーツ麦粉(スウェーデン、NaturexおよびSwedish Oat Fiber Ab of Bua,Swedenからのコード名P16)を875グラムの水と混合してスラリーを形成することによって、すぐに飲める製品が作製された。水性スラリーは約70℃の温度まで加熱された。次いで、アルファ-アミラーゼ酵素(約0.05~約1.5%、特に約1.0%の濃度のノボザイム由来)およびエンド-アミラーゼ(約0.05~3.5%、特に約3%の濃度のNovozyme BANから)が混合物に添加され、次いで、混合物が、連続的に撹拌しながら約70℃で2時間インキュベートして、アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解された。
【0355】
最終混合物は、30分間100℃に加熱され、次いで30℃に冷却された。
【0356】
官能的に訓練された専門パネリストによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。全てのパネリストは、すぐに飲めるのオーツミルク製品が、心地よい甘味および心地よい食感を有するオーツ麦系ノートを提供することを見出した。
【0357】
例20-食用穀類構成要素から得られたすぐに飲める発酵オーツ麦製品
例えば典型的には約0.1~1%、特に約0.3%の濃度のB019および/またはABY 421など、例13の表4に開示される微生物株または微生物培養物の1以上を使用して、例18の酵素処理工程に追加の発酵工程が添加され、次いで混合物は37℃で16時間インキュベートされた。初期pHは5.79であり、最終pHは3.16になった。
【0358】
最終混合物は、15分間で121℃まで加熱され、次いで30℃まで冷却された。貯蔵の低いpHおよび冷蔵温度は、すぐに飲める製品を安全に保ち、更なる微生物増殖を防ぐのに十分であるので、この熱処理は任意であった。
【0359】
官能的に訓練された専門パネリストによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。すぐに飲めるのオーツミルク製品は、心地よい風味および良好な食感特性を提供すると考えられた。
【0360】
例21-食用穀類構成要素から得られたすぐに飲める発酵オーツ麦製品
典型的には約0.1~1%、特に約0.3%の濃度で、例13の表4に開示されている微生物株または微生物培養物の1以上を使用して、例19の酵素処理工程に追加の発酵工程が加えられ、次いで混合物は37℃で16時間インキュベートされた。初期pHは5.79であり、最終pHは3.16になった。
【0361】
最終混合物は、15分間で121℃まで加熱され、次いで30℃まで冷却された。貯蔵の低いpHおよび冷蔵温度は、すぐに飲める製品を安全に保ち、更なる微生物増殖を防ぐのに十分であるので、この熱処理は任意であった。
【0362】
官能的に訓練された専門パネリストによって、すぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。すぐに飲めるのオーツミルク製品は、心地よい風味および良好な食感特性を提供すると考えられた。
【0363】
例22-食用穀類構成要素から得られたグルテンフリーすぐに飲めるオーツ麦飲食料品
食用穀類構成要素を酵素加水分解することによってグルテンフリーのすぐに飲めるのオーツミルク製品が作製された。グルテンフリーのすぐに飲めるのオーツミルク製品、20ppm未満の「グルテンフリー」の米国食品医薬品局(FDA)の定義よりも有意に低い5ppm未満のグルテン含有量を有するので、グルテン不含と考えられるクリーンラベル乳製品代替品である。
【0364】
125グラムのオーツ麦粉(スウェーデン、NaturexおよびSwedish Oat Fiber Ab of Bua,Swedenからのコード名P16)を875グラムの水と混合してスラリーを形成することによって、すぐに飲める製品が作製された。水性スラリーは約70℃の温度まで加熱された。
【0365】
次いで、約3グラムの量のEndo アルファ-アミラーゼ酵素(Novozymes製のBAN(登録商標))および約1グラムの量のNovozymes製のAmylase 300 Lが混合物に添加され、次いで、アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび種々のデキストリンに分解するために連続的に撹拌しながら混合物を約70℃で2時間インキュベートし、次いで55℃に冷却した。
【0366】
次いで、1グラムの量のアミノペプチダーゼ酵素(Novozymes製のFlavourzyme(登録商標))が添加され、50~55℃で更に1時間インキュベートされた。次いで、混合物は、15分間121℃に加熱されて、酵素およびいずれかの微生物汚染物質を不活性化した。次いで、混合物は37℃に冷却された。
【0367】
官能的に訓練された専門パネリストによって、グルテンフリーのすぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。全てのパネリストは、グルテンフリーのすぐに飲めるのオーツミルク製品が、わずかな苦味しか伴わずに、心地よい甘味を提供することを見出した。
【0368】
例23-食用穀類構成要素から得られたグルテンフリーのすぐに飲める発酵オーツ麦製品
以下の微生物株:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium ssp、ならびに/あるいはProbiotic BifidoBHN019またはDR10またはB019としても知られる0.15gのBifidobacterium animalis lactisを有するABY 421(Vivolac Cultures Corporation of Indiana,USA)と呼ばれる約0.15グラムの微生物培養物を使用して、例22の酵素処理工程に追加の発酵工程が加えられ、その後、混合物は37℃で12時間インキュベートされた。初期pHは5.95であり、最終pHは4.8になった。
【0369】
最終混合物は30分間100℃に加熱され、次いで30℃に冷却された。貯蔵の低いpHおよび冷蔵温度は、すぐに飲める製品を安全に保ち、更なる微生物増殖を防ぐのに十分であるので、この熱処理は任意であった。
【0370】
官能的に訓練された専門パネリストによって、グルテンフリーのすぐに飲めるのオーツミルク製品の官能評価が行われた。グルテンフリーのすぐに飲めるのオーツミルク製品についてパネリストによって使用された官能的記述子は、良好な甘味、オーツミルク、良好な食感であった。
【0371】
上記は、本発明の特定の実施形態を制限なく広く説明している。当業者に容易に明らかになる変形および修正は、添付の特許請求の範囲に定義され、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。
【国際調査報告】