(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】2つの対象物を互いに固定するための固定装置
(51)【国際特許分類】
F16B 5/02 20060101AFI20240711BHJP
F16B 39/282 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
F16B5/02 E
F16B39/282 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500236
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2022067579
(87)【国際公開番号】W WO2023280614
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021207069.8
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック クーザン
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム マンスール
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブラインリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー シュタインベルガー
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001FA11
3J001GA06
3J001GB01
3J001HA04
3J001HA07
3J001HA10
3J001JA03
3J001KA05
3J001KA26
3J001KB01
(57)【要約】
本発明は、2つの対象物(2,9)を互いに固定するための固定装置(10)であって、第1の対象物(2)に形成されていて、第2の対象物(9)に載置されているプラスチックフランジ(11)と、ねじ頭(16)およびねじ山付き軸部(18)を含むねじ(15)とを備えており、プラスチックフランジ(11)は、貫通開口(12)を備えており、この貫通開口(12)を通してねじ(15)のねじ山付き軸部(18)が案内されていて、ねじ頭(16)の下面が貫通開口(12)の縁部付近の載置領域(13)においてプラスチックフランジ(11)に載置されているように、第2の対象物(9)に設けられた対応するねじ山付き孔(9.1)内にねじ込まれており、プラスチックフランジ(11)の載置領域(13)には、第1の波形成形部(14)が加工されており、ねじ頭(16)の下面には、より硬質の第2の波形成形部(17)が加工されており、この第2の波形成形部(17)は、ねじ締結された状態において、予荷重力の結果として、第1の波形成形部(14)を塑性変形かつ弾性変形させ、形状接続的な緩み止め部を生じさせている、固定装置(10)、ならびにこのような固定装置(10)を備えた車両用のセンサ装置(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの対象物(2,9)を互いに固定するための固定装置(10)であって、
第1の対象物(2)に形成されていて、第2の対象物(9)に載置されているプラスチックフランジ(11)と、
ねじ頭(16)およびねじ山付き軸部(18)を含むねじ(15)と
を備えており、
前記プラスチックフランジ(11)は、貫通開口(12)を備えており、該貫通開口(12)を通して前記ねじ(15)の前記ねじ山付き軸部(18)が案内されていて、前記ねじ頭(16)の下面が前記貫通開口(12)の縁部付近の載置領域(13)において前記プラスチックフランジ(11)に載置されているように、前記第2の対象物(9)に設けられた対応するねじ山付き孔(9.1)内にねじ込まれており、前記プラスチックフランジ(11)の前記載置領域(13)には、第1の波形成形部(14)が加工されており、前記ねじ頭(16)の前記下面には、より硬質の第2の波形成形部(17)が加工されており、該第2の波形成形部(17)は、ねじ締結された状態において、予荷重力の結果として、前記第1の波形成形部(14)を塑性変形かつ弾性変形させ、形状接続的な緩み止め部を生じさせている、固定装置(10)。
【請求項2】
前記第1の波形成形部(14)の第1の傾き(A)および前記第2の波形成形部(17)の第2の傾き(B)が、それぞれ、前記ねじ(15)の前記ねじ山付き軸部(18)のねじ山の傾き(C)よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載の固定装置(10)。
【請求項3】
前記第1の波形成形部(14)の前記第1の傾き(A)は、前記第2の波形成形部(17)の前記第2の傾き(B)よりも小さいことを特徴とする、請求項2記載の固定装置(10)。
【請求項4】
前記第2の波形成形部(17)の高さが、前記第1の波形成形部(14)の高さよりも大きいことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の固定装置(10)。
【請求項5】
前記プラスチックフランジ(11)は、射出成形部分として繊維強化プラスチックから製作されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の固定装置(10)。
【請求項6】
前記繊維強化プラスチックの強化繊維の繊維方向(FR)が、前記プラスチックフランジ(11)の前記載置領域(13)において、前記貫通開口(12)に対して放射状に延びていることを特徴とする、請求項5記載の固定装置(10)。
【請求項7】
前記繊維強化プラスチックの前記強化繊維は、前記第1の波形成形部(14)の波の谷(14.1)および波の山(14.2)に沿って方向付けられており、これにより、前記ねじ(15)が緩められると、前記波の谷(14.1)の領域では圧縮荷重、および前記波の山(14.2)の領域では引張荷重が、前記強化繊維に沿って推移することを特徴とする、請求項6記載の固定装置(10)。
【請求項8】
前記プラスチックフランジ(11)は、前記載置領域(13)に2mm~5mmの範囲の厚さを有していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の固定装置(10)。
【請求項9】
車両(1)用のセンサ装置(1)であって、第1の対象物(2)としてのセンサ(2A)と、第2の対象物(9)としての支持体(9A)とを備えており、前記センサ(2A)と前記支持体(9A)とは、請求項1から8までのいずれか1項に従って構成された固定装置(10)を介して互いに固定されている、センサ装置(1)。
【請求項10】
前記プラスチックフランジ(11)は、前記センサ(2A)の固定モジュール(5)の一部として形成されていることを特徴とする、請求項9記載のセンサ装置(1)。
【請求項11】
前記プラスチックフランジ(11)を備えた前記固定モジュール(5)は、前記センサ(2A)のハウジング(7)に一体成形されているか、または前記センサ(2A)の前記ハウジング(7)に結合されていることを特徴とする、請求項10記載のセンサ装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの対象物を互いに固定するための固定装置に関する。本発明の対象はまた、このような固定装置を備えた車両用のセンサ装置である。
【0002】
従来技術から、車両において相応の支持体にねじ締結されることが極めて多い、例えばホイール回転数検出器のようなセンサや他の多数の車両構成要素が知られている。通常、プラスチックフランジを有する構成要素では、金属製のブシュが、射出成形されたプラスチックフランジ内に埋め込まれるかまたは組み込まれる。目的は、車両において負荷時のねじ締結部の緩みを阻止する、完全に金属により予荷重が加えられたねじ締結部を提供することである。
【0003】
負荷時のねじ締結部の緩みを阻止するために、従来技術からさらに、ねじ頭に頭裏側歯列またはリブを有する位置固定ねじが知られている。この位置固定ねじは、塑性的にかつ/または弾性的に金属製の基礎へと埋め込まれる。このために、ねじ頭は、金属製の基礎よりも硬く構成されている。さらに、金属製の位置固定ディスクが知られており、この位置固定ディスクも同様に、負荷時のねじ締結部の緩みを阻止することができるか、または少なくとも妨げることができる。
【0004】
独国特許出願公開第102017216533号明細書から、2つのバスバーを含むホルダと、測定値発生器と、プラグモジュールとを有する、車両用のセンサユニットが公知である。測定値発生器のための内部の電気的なインターフェースは、2つのバスバーの第1の端部に形成されている。プラグモジュールのための外部の電気的なインターフェースは、2つのバスバーの第2の端部に形成されている。さらに、プラグモジュール、ホルダおよび方向付け構成部材は、少なくとも部分的に、射出成形されたプラスチック被覆体によって取り囲まれている。さらに、射出成形されたプラスチックフランジ内に埋め込まれたブシュを含む固定モジュールが、プラスチック被覆体に一体成形されている。
【0005】
発明の開示
独立請求項1の特徴を有する、2つの対象物を互いに固定するための固定装置は、負荷時にねじが自動的に緩むことがなくなり、ねじ締結部の残存予荷重が維持され続けるという利点を有している。さらに、プラスチックフランジ内の、従来技術から知られているブシュを省くことができる。
【0006】
ねじの自動的な緩みを阻止するために、ねじは頭の裏側に波形の成形部を有しており、この成形部は、ねじ製作に際して廉価に一緒に型押し加工することができる。プラスチックフランジも、対応部分として同様に、載置領域の領域に、適合する波形の成形部を有しており、この成形部は、射出成形金型においてコストに影響を与えずに製作することができる。これにより、ねじを用いて形状接続的な緩み止め部が形成される。ねじ頭およびプラスチックフランジに波形成形部を形成することによって、有利には、例えば位置固定ディスクのような別の構成部材が不要となり、これにより、負荷下でのねじの自動的な緩みが阻止される。
【0007】
本発明の実施形態は、2つの対象物を互いに固定するための固定装置であって、第1の対象物に形成されていて、第2の対象物に載置されているプラスチックフランジと、ねじ頭およびねじ山付き軸部を含むねじとを備えた固定装置を提供する。プラスチックフランジは、貫通開口を備えており、この貫通開口を通してねじのねじ山付き軸部が案内されていて、ねじ頭の下面が貫通開口の縁部付近の載置領域においてプラスチックフランジに載置されているように、第2の対象物に設けられた対応するねじ山付き孔内にねじ込まれている。本発明において、プラスチックフランジの載置領域には、第1の波形成形部が加工されており、ねじ頭の下面には、より硬質の第2の波形成形部が加工されており、この第2の波形成形部は、ねじ締結された状態において、第1の波形成形部を塑性変形かつ弾性変形させ、予荷重力の結果として、形状接続的な緩み止め部を生じさせている。
【0008】
さらに、第1の対象物としてのセンサと、第2の対象物としての支持体とを備えた、車両用のセンサ装置が提案される。この場合、センサと支持体とは、このような固定装置を介して互いに固定されている。
【0009】
当然ながら、本発明に係る固定装置の実施形態は、車両の外部でも、2つの対象物を互いに固定するために使用することができる。
【0010】
センサとは、本明細書では、ハウジング内に配置されている少なくとも1つのセンサ素子を備える構成ユニットのことをいう。センサのハウジングは、プラスチックフランジを含む固定モジュールを介して、例えば支持体のような他の対象物に固定することができる。少なくとも1つのセンサ素子は、物理的な量もしくは物理的な量の変化を直接または間接的に検出し、好適には、電気的なセンサ信号に変換するように構成されている。このことは、例えば、音波および/または電磁波の送信および/または受信によって実施することができ、かつ/または磁界もしくは磁界の変化によって実施することができ、かつ/または衛星信号、例えばGPS信号の受信によって実施することができる。受信した波の衝突または強度、波長、周波数、角度などを検出する、例えば光学プレートおよび/または蛍光面および/または半導体を有する光学センサ素子、例えば赤外線センサ素子も可能である。同様に、音響センサ素子、例えば超音波センサ素子および/または高周波センサ素子および/またはレーダーセンサ素子、および/または磁界に応答するセンサ素子、例えばホールセンサ素子および/または磁気抵抗センサ素子、および/または例えば磁気誘導により発生する電圧によって磁界の変化を記録する誘導センサ素子も考えられる。
【0011】
従属請求項に記載されている手段および改良形態により、独立請求項1に示されている、2つの対象物を互いに固定するための固定装置および独立請求項9に示されているセンサ装置の有利な改善が可能となる。
【0012】
第1の波形成形部の第1の傾きおよび第2の波形成形部の第2の傾きが、それぞれ、ねじのねじ山付き軸部のねじ山の傾きよりも大きくてもよいことが特に有利である。波形成形部およびねじ山付き軸部のそれぞれ異なる傾きにより、ねじ締結された状態において、予荷重力が生じる。これにより、負荷下でのねじ締結部の自動的な外れまたは緩みを効果的に阻止することができるか、または少なくとも妨げることができる。
【0013】
固定装置の有利な構成では、第1の波形成形部の第1の傾きは、第2の波形成形部の第2の傾きよりも小さくてもよい。さらに、第2の波形成形部の高さが、第1の波形成形部の高さよりも大きくてもよい。これにより、ねじのねじ締結を簡略化することができる。
【0014】
固定装置の別の有利な構成では、プラスチックフランジは、射出成形部分として繊維強化プラスチックから製作されてもよい。繊維強化プラスチックは、その繊維方向に沿って、繊維方向に対して垂直方向よりも強い耐荷性を有している。さらに、繊維強化プラスチックの繊維方向に沿った延伸特性は、繊維方向に対して垂直方向よりも温度に左右されにくい。さらに、繊維強化プラスチックは、負荷時には繊維方向に沿って、繊維方向に対して垂直方向よりもゆっくりとクリープし、除荷時には繊維方向に沿って、繊維方向に対して垂直方向よりもゆっくりと弛緩する。したがって、繊維強化プラスチックの強化繊維の繊維方向は、プラスチックフランジの載置領域において、貫通開口に対して放射状に延びていてもよく、これによって、緩み止め部の確実性を高めることができる。したがって、繊維強化プラスチックの強化繊維は、第1の波形成形部の波の谷および波の山に沿って方向付けられていてもよく、これにより、ねじが緩められると、波の谷の領域では圧縮荷重、および波の山の領域では引張荷重が、強化繊維に沿って推移する。このことは、緩み止め部の確実性を大幅に高める。なぜならば、負荷が緩み時に繊維方向に沿って最も大きくなるからである。強化繊維のこのような方向付けは、例えば射出成形工程中のゲートポイントの適切な選択により生じさせることができる。
【0015】
固定装置の別の有利な構成では、プラスチックフランジは、載置領域に2mm~5mmの範囲の厚さを有していてもよい。これにより、プラスチックフランジのクリープ特性および/または永久歪み特性、ひいては緩み止め部の確実性をさらに改善することができる。
【0016】
センサ装置の有利な構成では、プラスチックフランジは、センサの固定モジュールの一部として形成されていてもよい。したがって、プラスチックフランジを備えた固定モジュールは、例えばセンサのハウジングに一体成形されていてもよいし、センサのハウジングに結合されていてもよい。
【0017】
本発明の実施例を図面に示し、以下の記載においてより詳細に説明する。図面において、同一もしくは類似の機能を実施する構成要素もしくは要素には、同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る固定装置の一実施例を備えた本発明に係るセンサ装置の一実施例の概略的な斜視断面図である。
【
図2】
図1に示した本発明に係る固定装置のねじの概略的な斜視図である。
【
図3】
図1に示した本発明に係る固定装置の、プラスチックフランジの貫通開口内に導入されたねじの概略的な斜視図である。
【
図4】
図1に示した本発明に係る固定装置の、プラスチックフランジを備えたセンサの固定モジュールの概略的な斜視図である。
【0019】
発明の実施形態
図1~
図4から判るように、2つの対象物2,9を互いに固定するための本発明に係る固定装置10の図示の実施例は、第1の対象物2に形成されていて、第2の対象物9に載置されているプラスチックフランジ11と、ねじ頭16およびねじ山付き軸部18を含むねじ15とを備えている。プラスチックフランジ11は、貫通開口12を備えており、この貫通開口12を通してねじ15のねじ山付き軸部18が案内されていて、ねじ頭16の下面が貫通開口12の縁部付近の載置領域13においてプラスチックフランジ11に載置されているように、第2の対象物9に設けられた対応するねじ山付き孔9.1内にねじ込まれている。このとき、プラスチックフランジ11の載置領域13には、第1の波形成形部14が加工されており、ねじ頭16の下面には、より硬質の第2の波形成形部17が加工されており、この第2の波形成形部17は、ねじ締結された状態において、第1の波形成形部14を塑性変形かつ弾性変形させ、予荷重力の結果として、形状接続的な緩み止め部を生じさせている。
【0020】
図3からさらに判るように、第1の波形成形部14の第1の傾きAおよび第2の波形成形部17の第2の傾きBは、それぞれ、ねじ15のねじ山付き軸部18のねじ山の傾きCよりも大きい。さらに、図示の実施例では、第1の波形成形部14の第1の傾きAは、第2の波形成形部17の第2の傾きBよりも小さい。さらに、第2の波形成形部17の高さは、第1の波形成形部14の高さよりも大きい。
【0021】
固定装置10の図示の実施例では、プラスチックフランジ11は、射出成形部分として繊維強化プラスチックから製作されていて、載置領域13に2mm~5mmの範囲の厚さを有している。
図4からさらに判るように、繊維強化プラスチックの強化繊維の繊維方向FRは、プラスチックフランジ11の載置領域13において、貫通開口12に対して放射状に延びている。これにより、繊維強化プラスチックの強化繊維は、第1の波形成形部14の波の谷14.1および波の山14.2に沿って方向付けられており、これにより、ねじ15が緩められると、波の谷14.1の領域では圧縮荷重、および波の山14.2の領域では引張荷重が、強化繊維に沿って推移する。
【0022】
図1からさらに判るように、図示の実施例では、第1の対象物2としてのセンサ2Aと、第2の対象物9としての支持体9Aとを互いに固定するために、固定装置10は、車両1用のセンサ装置1に使用される。
図1からさらに判るように、センサ2Aのハウジング7は、プラスチックフランジ11が支持体9Aに載置されるまで、段付き孔として形成された、支持体9Aのセンサ収容部9.2内に導入されている。
【0023】
図1からさらに判るように、プラスチックフランジ11は、図示の実施例では、センサ2Aの固定モジュール5の一部として形成されている。プラスチックフランジ11を有する固定モジュール5は、センサ2Aの外部の電気的なインターフェースを形成するプラグ収容部3の下方で、センサ2Aのハウジング7に結合されている。このために固定モジュール5は、センサのハウジング7を取り囲む、詳しくは示されていない環状領域を有している。センサ装置1の図示されていない代替的な実施例では、固定モジュール5は、プラスチックフランジ11と共にプラグ収容部3の下方でセンサ2Aのハウジング7に一体成形されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの対象物(2,9)を互いに固定するための固定装置(10)であって、
第1の対象物(2)に形成されていて、第2の対象物(9)に載置されているプラスチックフランジ(11)と、
ねじ頭(16)およびねじ山付き軸部(18)を含むねじ(15)と
を備えており、
前記プラスチックフランジ(11)は、貫通開口(12)を備えており、該貫通開口(12)を通して前記ねじ(15)の前記ねじ山付き軸部(18)が案内されていて、前記ねじ頭(16)の下面が前記貫通開口(12)の縁部付近の載置領域(13)において前記プラスチックフランジ(11)に載置されているように、前記第2の対象物(9)に設けられた対応するねじ山付き孔(9.1)内にねじ込まれており、前記プラスチックフランジ(11)の前記載置領域(13)には、第1の波形成形部(14)が加工されており、前記ねじ頭(16)の前記下面には、より硬質の第2の波形成形部(17)が加工されており、該第2の波形成形部(17)は、ねじ締結された状態において、予荷重力の結果として、前記第1の波形成形部(14)を塑性変形かつ弾性変形させ、形状接続的な緩み止め部を生じさせている、固定装置(10)。
【請求項2】
前記第1の波形成形部(14)の第1の傾き(A)および前記第2の波形成形部(17)の第2の傾き(B)が、それぞれ、前記ねじ(15)の前記ねじ山付き軸部(18)のねじ山の傾き(C)よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載の固定装置(10)。
【請求項3】
前記第1の波形成形部(14)の前記第1の傾き(A)は、前記第2の波形成形部(17)の前記第2の傾き(B)よりも小さいことを特徴とする、請求項2記載の固定装置(10)。
【請求項4】
前記第2の波形成形部(17)の高さが、前記第1の波形成形部(14)の高さよりも大きいことを特徴とする、請求項1
または2記載の固定装置(10)。
【請求項5】
前記プラスチックフランジ(11)は、射出成形部分として繊維強化プラスチックから製作されていることを特徴とする、請求項1
または2記載の固定装置(10)。
【請求項6】
前記繊維強化プラスチックの強化繊維の繊維方向(FR)が、前記プラスチックフランジ(11)の前記載置領域(13)において、前記貫通開口(12)に対して放射状に延びていることを特徴とする、請求項5記載の固定装置(10)。
【請求項7】
前記繊維強化プラスチックの前記強化繊維は、前記第1の波形成形部(14)の波の谷(14.1)および波の山(14.2)に沿って方向付けられており、これにより、前記ねじ(15)が緩められると、前記波の谷(14.1)の領域では圧縮荷重、および前記波の山(14.2)の領域では引張荷重が、前記強化繊維に沿って推移することを特徴とする、請求項6記載の固定装置(10)。
【請求項8】
前記プラスチックフランジ(11)は、前記載置領域(13)に2mm~5mmの範囲の厚さを有していることを特徴とする、請求項1
または2記載の固定装置(10)。
【請求項9】
車
両用のセンサ装置(1)であって、第1の対象物(2)としてのセンサ(2A)と、第2の対象物(9)としての支持体(9A)とを備えており、前記センサ(2A)と前記支持体(9A)とは、請求項1
または2に記載の固定装置(10)を介して互いに固定されている、センサ装置(1)。
【請求項10】
前記プラスチックフランジ(11)は、前記センサ(2A)の固定モジュール(5)の一部として形成されていることを特徴とする、請求項9記載のセンサ装置(1)。
【請求項11】
前記プラスチックフランジ(11)を備えた前記固定モジュール(5)は、前記センサ(2A)のハウジング(7)に一体成形されているか、または前記センサ(2A)の前記ハウジング(7)に結合されていることを特徴とする、請求項10記載のセンサ装置(1)。
【国際調査報告】