(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】アンカーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16B 35/04 20060101AFI20240711BHJP
F16B 13/04 20060101ALI20240711BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
F16B35/04 H
F16B13/04 A
F16M13/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500251
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2022056167
(87)【国際公開番号】W WO2023281374
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、サミュエル
【テーマコード(参考)】
3J025
【Fターム(参考)】
3J025AA01
3J025BA11
3J025CA01
(57)【要約】
アンカーアセンブリ(10)と、アンカー(12)のための挿入装置(14)とが提供される。本アンカーアセンブリ(10)は、支持体(22)上に据え付け可能なアンカー(12)を備え、アンカー(12)は本体(16)を備え、本体(16)は空洞(18)及び開口部(42)を画定する。本アセンブリ(10)は更に、開口部(42)を介して空洞(18)内に挿入可能な挿入装置(14)を含む。挿入装置(14)は、固定位置と挿入位置との間で移動可能な固定部材(46)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカーアセンブリであって、
支持体上に据え付け可能なアンカーを備え、前記アンカーは本体を備え、前記本体は空洞及び開口部を画定し、
前記アンカーアセンブリは、前記開口部を介して前記空洞内に挿入可能な挿入装置を更に含み、
前記挿入装置は、固定位置と挿入位置との間で移動可能な固定部材を備え、
前記移動可能な固定部材が前記空洞内で前記固定位置にあるとき、前記固定部材は、前記挿入装置を前記アンカーに固定するために、前記開口部にまたがって延在する、アンカーアセンブリ。
【請求項2】
前記挿入装置は、
主要部と、
前記固定部材は、前記主要部に枢動可能に据え付けられており、
前記固定部材は、前記固定位置と前記挿入位置との間で枢動可能に移動可能であり、
前記主要部と前記固定部材との間に配置された付勢部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記固定部材を前記固定位置に付勢するように配置されている、
請求項1に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項3】
前記固定部材及び前記主要部は、それぞれの長手方向軸を有し、前記固定部材の前記固定位置では、前記固定部材の前記長手方向軸は、前記主要部の前記長手方向軸にまたがって延在する、請求項2に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項4】
前記固定部材の前記挿入位置は、前記固定部材が前記主要部と整列される整列位置であり、前記固定部材の前記挿入位置では、前記固定部材の前記長手方向軸は、前記主要部の前記長手方向軸と実質的に平行に延在する、請求項2又は3に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項5】
前記固定部材は、前記主要部に対して固定方向に枢動可能に移動可能であり、前記固定部材の前記固定方向への枢動移動は、前記固定部材を前記固定位置に移動させ、前記挿入装置は、前記固定部材が前記固定方向に前記挿入位置まで回転することを制限又は防止するための協働停止構造部を備える、請求項2、3、又は4に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項6】
前記固定部材は、前記協働停止構造部のうちの第1の協働停止構造部を備え、前記主要部は、前記協働停止構造部のうちの第2の協働停止構造部を備える、請求項5に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項7】
前記付勢部材は、前記第2の協働停止構造部と前記固定部材との間に延在する、請求項6に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項8】
前記主要部は、指部を有し、前記固定部材は、前記指部に枢動可能に取り付けられている、請求項2~7のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項9】
前記固定部材が前記挿入位置にあるとき、前記固定部材は前記指部と整列されている、請求項8に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項10】
前記固定部材が前記固定位置にあるとき、前記固定部材は前記指部に対して横断方向に延在する、請求項8又は9に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項11】
前記付勢部材は、前記主要部に係合し、前記付勢部材は、前記固定部材に係合している、請求項2~10のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項12】
前記主要部は、物品を前記挿入装置に締結するための締結部分を含む、請求項2~11のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項13】
前記アンカーは、前記空洞を通って前記本体から外側に延在する補強部材を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項14】
前記固定部材が前記空洞内で前記固定位置にあるとき、前記固定部材は、前記挿入装置を前記アンカーに固定するために、前記補強部材に係合する、請求項13に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項15】
前記補強部材は、前記アンカーを覆って配設された硬化性材料を補強するために設けられる、請求項13又は14に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項16】
前記アンカーは、前記空洞を通って前記本体から外側に延在する複数の前記補強部材を備える、請求項13、14、又は15に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項17】
前記補強部材は、前記開口部の周囲に配置されている、請求項16に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項18】
前記アンカーは、互いに対向して配置された2つの前記補強部材を備え、前記開口部は、前記補強部材の間に画定されている、請求項17に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項19】
前記本体は、前記補強部材を保持するための保持部材を備え、筒状ガイド部材が、前記開口部の周囲で前記保持部材から延在し、前記挿入装置は、前記挿入装置の前記空洞内への挿入中に、前記筒状ガイド部材を通して挿入されることができる、請求項15~18のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項20】
前記本体は、前記空洞を覆って延在するカバー部材を備え、前記本体は、前記補強部材を保持するための保持部材を備え、前記カバー部材は、前記保持部材上に据え付け可能である、請求項15~18のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項21】
前記カバー部材及び前記保持部材は、前記カバー部材を前記保持部材に取り付けるための取付け構造部を備える、請求項20に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項22】
前記保持部材は、前記支持体に係合するための支持体係合部分を備える、請求項19、20、又は21に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項23】
前記保持部材は、ベース部分であり、前記保持部材は、前記補強部材又は各補強部材を受容するための1つ又は複数の受容構造部を備える、請求項19~22のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項24】
前記本体は、前記アンカーが前記支持体に固着されることを可能にするための固着構造部を備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項25】
アンカーのための挿入装置であって、
主要部と、
前記主要部に枢動可能に据え付けられた固定部材と、前記固定部材は、固定位置と挿入位置との間で枢動可能に移動可能であり、
前記主要部と前記固定部材との間に配置された付勢部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記固定部材を前記固定位置に付勢するように配置されている、挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーアセンブリに関する。また、本発明は、アンカーアセンブリにおいて使用するための挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井からアイテムを吊り下げるために天井にアンカーを使用することが知られている。そのようなアンカーによって支持することができる重量は、制限される可能性がある。いくつかのアンカーには、移動可能な固定トグルを有する挿入装置が設けられているが、時として、トグルを固定位置に移動させることが困難である場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの態様によれば、挿入装置が提供され、本挿入装置は、主要部と、主要部に枢動可能に据え付けられた固定部材と、固定部材は、固定位置と挿入位置との間で枢動可能に移動可能であり、主要部と固定部材との間に配置された付勢部材と、を備え、付勢部材は、固定部材を固定位置に付勢するように配置されている。
【0004】
挿入装置は、アンカーと共に使用するためのものであり得る。例えば、アンカーは、天井などの上部支持体上又はその中に据え付けられる天井アンカーであり得る。挿入装置は、アンカーの本体の空洞に挿入可能であり得る。
【0005】
本発明の別の態様によれば、アンカーアセンブリが提供され、本アンカーアセンブリは、支持体上に据え付け可能なアンカーを備え、アンカーは本体を備え、本体は空洞及び開口部を画定し、アセンブリは、開口部を介して空洞内に挿入可能な挿入装置を更に含み、挿入装置は、固定位置と挿入位置との間で移動可能な固定部材を備え、移動可能な固定部材が空洞内で固定位置にあるとき、固定部材は、挿入装置をアンカーに固定するために、開口部にまたがって延在する。
【0006】
挿入装置は、ねじ付きロッドなどの吊り下げ物品をアンカーに固定する。アンカーは、天井などの上部支持体上又はその中に据え付けられ得る。こうして、アンカーアセンブリは、吊り下げ物品を天井に固定する。
【0007】
固定部材はトグルを備え得る。固定部材は、主要部に対して固定方向に枢動可能に移動可能であり得る。固定部材の該固定方向への枢動移動は、固定部材を固定位置に移動させ得る。
【0008】
付勢部材は、固定部材を該固定方向に付勢し得る。
【0009】
固定部材の固定位置は、固定部材の横断位置であり得る。横断位置では、固定部材は、主要部にまたがって延在し得る。
【0010】
固定部材及び主要部は、それぞれの長手方向軸を有してよく、固定部材の固定位置では、固定部材の長手方向軸は、主要部の長手方向軸にまたがって延在し得る。
【0011】
固定部材の挿入位置は、固定部材が主要部と整列される整列位置であり得る。固定部材の挿入位置では、固定部材の長手方向軸は、主要部の長手方向軸と実質的に平行に延在し得る。
【0012】
挿入装置は、固定部材が固定方向に挿入位置まで回転することを制限又は防止するための協働停止構造部を備え得る。
【0013】
固定部材は、協働停止構造部のうちの第1の協働停止構造部を備え得る。主要部は、協働停止構造部のうちの第2の協働停止構造部を備え得る。第1の協働停止構造部は、固定部材の第1の先端を備え得る。第2の協働停止構造部は、主要部の壁を備え得る。
【0014】
固定部材は、第1の先端の反対側に第2の先端を有し得る。第1の先端と枢動要素との間の距離は、第1の先端が第2の協働停止構造部に係合することを可能にするのに十分な大きさであり得る。
【0015】
壁は、固定部材が該挿入方向に移動されたとき、固定部材の先端によって係合可能であり得る。先端と壁との係合により、該挿入方向への枢動移動、又は更なる枢動移動が防止され得る。
【0016】
主要部は、指部を有し得る。主要部は、空間を画定する複数の指部を有し得る。主要部は、その間に空間を画定する2つの対向する指部を有し得る。
【0017】
固定部材は、指部又は各指部に枢動可能に取り付けられ得る。指部又は各指部は自由端を有し得る。指部又は各指部は、対向する縁部を有し得る。
【0018】
固定部材は、固定部材が非固定位置にあるとき、指部又は各指部と整列され得る。固定部材は、固定部材が非固定位置にあるとき、自由端又は各自由端を越えて延在し得る。
【0019】
固定部材は、固定部材が固定位置にあるとき、指部又は各指部に対して横断方向に延在し得る。固定部材は、固定部材が固定位置にあるとき、指部又は各指部にまたがって延在し得る。固定部材は、固定部材が固定位置にあるとき、指部又は各指部の縁部を越えて延在し得る。
【0020】
主要部は、固定部材が受容される空間を画定し得る。空間はスロットであり得る。空間は、固定部材が非固定位置にあるときに固定部材がそれを通って延在し得る開放端を有し得る。
【0021】
空間は、固定部材が固定位置にあるときに固定部材がそれを通って延在し得る対向する開放縁部を有し得る。壁は、開放縁部のうちの一方にまたがって延在し得る。
【0022】
空間は、指部の間に画定され得る。空間の開放端は、指部の自由端の間に画定され得る。空間の対向する開放縁部は、指部の縁部の間に画定され得る。
【0023】
固定部材は、指部のうちの一方に枢動可能に取り付けられ得る。枢動要素が、指部のうちの該一方から固定部材まで延在し得る。固定部材は、指部の両方に枢動可能に取り付けられ得る。
【0024】
枢動要素は、指部の間に延在し得る。枢動要素は、固定部材を貫通して延在し得る。したがって、枢動要素は、固定部材を主要部に枢動可能に取り付ける。
【0025】
固定部材は、枢動要素を中心として回転可能であり得る。枢動要素は、固定部材の中心で固定部材を貫通して延在し得る。
【0026】
付勢部材は、主要部に係合し得る。付勢部材は、固定部材に係合し得る。付勢部材は、枢動要素の周囲に延在し得る。
【0027】
付勢部材は、第2の協働構造部と固定部材との間に延在し得る。付勢部材は、第2の協働構造部に係合し得る。付勢部材は、固定部材に係合し得る。
【0028】
付勢部材は、対向する端部領域を有し得る。端部領域のうちの一方は、第2の協働構造部に係合し得る。端部領域のうちの他方は、固定部材に係合し得る。
【0029】
固定部材は、窪みを画定し得る。窪みは枢動要素からオフセットされていてよい。付勢部材の該対向する端部領域のうちの他方は、該窪みに受容され得る。
【0030】
付勢部材は、コイルばねなどのばねであり得る。付勢部材がコイルばねである場合、ばねのコイルは、枢動要素の周囲に延在し得る。
【0031】
主要部は、ねじ付きロッドなどの物品を挿入装置に締結するための締結部分を含み得る。締結部分は、物品を受容するためのボアを画定し得る。ボアはねじ切りされていてよい。
【0032】
アンカーは、空洞を通って本体から外側に延在する補強部材を備え得る。移動可能な固定部材が空洞内で固定位置にあるとき、固定部材は、補強部材に係合して挿入装置をアンカーに固定し得る。
【0033】
補強部材は細長くてよい。アンカーは、空洞を通って本体から外側に延在する複数の補強部材を備え得る。補強部材は、開口部の周囲に配置され得る。
【0034】
アンカーは、互いに対向して配置された2つの補強部材を備え得る。開口部は、補強部材の間に画定され得る。
【0035】
筒状ガイド部材が、開口部の周囲で保持部材から延在し得る。挿入装置は、挿入装置を空洞内に挿入する間にガイド部材を通して挿入され得る。挿入装置は、ガイド部材を介して開口部を通して挿入され得る。使用時、ガイド部材は、支持体を貫通して延在し得るので、使用者に見える。
【0036】
補強部材は、アンカーを覆って配設された硬化性材料を補強するために設けられ得る。補強部材は、硬化性材料内に突き出ていてよい。硬化性材料はコンクリートであり得る。
【0037】
本体は、空洞を覆って延在するカバー部材を備え得る。本体は、補強部材を保持するための保持部材を備え得る。カバー部材は、保持部材上に据え付け可能であり得る。空洞は、カバー部材と保持部材との間に画定され得る。
【0038】
カバー部材及び保持部材は、カバー部材を保持部材に取り付けるための取付け構造部を備え得る。取付け構造部は、ソケットと、ソケット内に受容可能な取付け構造部とを備え得る。
【0039】
保持部材はソケットを備え得る。カバー部材は、取付け構造部を備え得る。カバー部材は、カバー壁を含み得る。取付け構造部は、カバー壁から延在し得る。
【0040】
保持部材は支持体に係合し得る。保持部材は、支持体に係合するための支持体係合部分を備え得る。
【0041】
保持部材はベース部分であり得る。保持部材は、補強部材又は各補強部材を受容するための1つ又は複数の受容構造部を備え得る。アンカーが複数の補強部材を備える場合、本体は、補強部材を受容するための複数の受容構造部を画定し得る。
【0042】
受容構造部又は各受容構造部は、保持部材内に画定され得る。本体は、アンカーを支持体に固着させることを可能にするための固着構造部を備え得る。固着構造部は、本体によって画定された孔であり得る。孔は、保持部材によって画定され得る。
【0043】
本体は、前述の孔を画定するラグを備え得る。本体は、対向して延在する2つのラグを画定し得る。ラグは、保持部材に設けられ得る。
【0044】
次に、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】アンカーアセンブリにおいて使用するための挿入装置の斜視図である。
【
図3】固定部材が固定位置に示されている、挿入装置の側断面図である。
【
図4】固定部材が挿入位置に示されている、挿入装置の側断面図である。
【
図5】固定部材の第1の協働停止構造部が主要部の第2の協働停止構造部に係合している、挿入装置の側断面図である。
【
図6】アンカーと挿入アセンブリとを備えるアンカーアセンブリの側面図であり、アンカーアセンブリは、アンカーに挿入するための位置に示されている。
【
図7】挿入装置がアンカーに挿入されて固定される順序を示す。
【
図8】挿入装置がアンカーに挿入されて固定される順序を示す。
【
図9】挿入装置がアンカーに挿入されて固定される順序を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面は、コンクリートなどの硬化性材料が流し込まれる建物の領域で使用するためのアンカーアセンブリ10を示す。このような領域の一例は、天井の上に形成された床である。多くの場合、照明などの物品、並びに配管及びケーブルトレイなどのユーティリティを天井から吊り下げることが望ましい。
【0047】
アンカーアセンブリ10は、アンカー12及び挿入装置14を備える。アンカー12は、空洞18(
図7、
図8、及び
図9参照)を画定する本体16を備える。アンカー12は更に、ケーブルの形態の2つの細長い補強部材20を含み、これらは、本体16を貫通して延在し、本体16の対向する両側で本体16から外側に突き出ている。アンカー12を覆ってコンクリートが流し込まれると、補強部材20はコンクリートによって覆われる。その結果、補強部材20はコンクリートを補強し、アンカー12をコンクリートに固定するのに役立つ。
【0048】
アンカー12は、上述の天井であり得る支持体22上に据え付けられる。コンクリートがアンカー12を覆って、及び天井にわたって流し込まれて、天井の上に部屋の床が形成される。したがって、アンカー12により、使用者が天井の下の部屋からアンカー12内に挿入された挿入装置14から物品を吊り下げることが可能になる。アンカー12を支持体22上(
図6に破線で示す)に据え付ける前に、穴24が支持体22にあけられ、アンカーは穴24を覆って配置されるので、ガイド部材43が穴24を通って突き出る。
【0049】
本体16は、支持体22に固着される保持部材26を備える。保持部材26には、ラグ28の形態の2つの固着構造部が設けられている。ラグ28の各々は、孔30を画定しており、それを通して釘(図示せず)などの固着部材を支持体22に打ち込むことができ、それによって保持部材26を支持体22に固着する。
【0050】
図7~
図9を参照すると、本体16は更に、保持部材26上に据え付けられたドーム形状のカバー部材32を含む。カバー部材32は、下縁部34を有する。
【0051】
空洞18は、カバー部材32と保持部材26との間に画定されている。カバー部材32を保持部材26に取り付けるために、カバー部材32の下縁部34が、保持部材26のリム38の周囲に画定された凹部36に受容される。
【0052】
保持部材26は、開口部42を画定しており、それを通して挿入装置14が空洞18内に挿入され得る。開口部42の周囲には、保持部材26から筒状のガイド部材43が延在する。挿入装置14は、ガイド部材43を介して開口部42を通して挿入される。使用時、ガイド部材43は、支持体22を貫通して延在するので、使用者に見える。
【0053】
保持部材26は、補強部材20が保持される2つの受容構造部40を有する。開口部42は、受容構造部40の間に画定されている。各補強部材20の反対側の端部領域は、カバー部材32と保持部材26との間に画定された間隙を通って本体16の外に延在する。
【0054】
挿入装置14は、主要部44と、主要部44に枢動可能に据え付けられた固定部材46とを備える。主要部44は、その間に空間50を画定する一対の対向する指部48を有する。固定部材46は、指部48の間の空間50に配置されている。
【0055】
枢動要素51が、両方の指部48に取り付けられており、固定部材46を貫通して延在する。固定部材46は、枢動要素51を中心として回転可能である。固定部材46が、代替的に、枢動要素51に固着して取り付けられてもよく、枢動要素51が、指部48を中心に枢動可能であってもよいことが理解されよう。
【0056】
固定部材46は、固定位置と挿入位置との間で枢動要素51を中心に枢動可能に移動可能である。固定部材46の固定位置が
図2、
図3、及び
図9に示されている。固定部材46の挿入位置が
図4、
図6、及び
図7に示されている。
【0057】
図3、
図4、及び
図5を参照すると、挿入装置14は、固定部材46が固定方向に挿入位置まで回転することを制限するための第1及び第2の協働停止構造部60、62を備える。固定部材46が、第1の協働停止構造部60を備える。主要部44が、第2の協働停止構造部62を備える。
【0058】
第1の協働停止構造部60は、固定部材46の第1の先端61を備える。第2の協働停止構造部62は、主要部44の壁63を備え、壁63は、空間50にまたがって、指部48の間に延在する。
【0059】
第1の先端61と枢動要素51との間の距離は、第1の先端61が壁63に係合することを可能にするのに十分な大きさである。固定部材46は、
図3に示す固定位置から挿入位置に向かって、
図5の矢印Bで示す固定方向に移動される可能性がある。しかしながら、そのような固定部材46の移動を試みると、第1の先端61が壁63に係合する。
【0060】
第1の先端61と壁63との係合により、固定部材46の固定方向への更なる枢動移動が防止される。これにより、本明細書に記載の実施形態において、固定部材46を挿入位置に枢動させようとするときに、固定部材46を誤った方向に回転させることができないという利点をもたらす。
【0061】
固定部材46は、第1の先端61の反対側に第2の先端64を有する。第2の先端64と枢動要素51との間の距離は、第1の先端61と枢動要素51との間の距離よりも小さい。これにより、固定部材46を、
図4の矢印Aで示す挿入方向に、
図4、
図6、及び
図7に示す挿入位置まで枢動させることが可能になる。挿入位置では、第2の先端は壁63の上に配設される。したがって、固定部材46は、固定部材46が挿入位置にあるとき、主要部44と整列されている。
【0062】
挿入装置14は、枢動要素51の周囲に延在するコイルばね68の形態の付勢部材を含む。コイルばね68は、固定部材46を固定位置に付勢する。
【0063】
コイルばね68は、壁63に係合する第1の端部領域70と、固定部材46に画定された窪み74に受容された第2の端部領域72とを有する。
【0064】
コイルばね68を設けることにより、本明細書に記載の実施形態において、固定部材46がアンカー12内に挿入されたときに、固定部材46が自動的に自らを固定位置に係止し、取り外れることがないという利点をもたらす。したがって、挿入装置14がアンカー12から意図せずに外れる危険性が最小限に抑えられる。
【0065】
主要部44は、ねじ付きロッドなどの吊り下げ物品を挿入装置14に締結するための締結部分52を含む。締結部分52は、主要部44の指部48とは反対側の端部に設けられる。締結部分52は、ボア54を画定しており、吊り下げ物品がボア54に受容されることを可能にするための開放下端部56を有する。ボア54は、吊り下げ物品がねじ付きロッドである場合に、吊り下げ物品をボア54にねじ込むことができるようにねじ切りされていてよい。
【0066】
挿入装置14をアンカー12内に挿入するために、固定部材46は、
図3に示す固定位置から
図4に示す挿入位置まで、矢印Aで示すように、挿入方向に枢動可能に回転される。その後、
図6に示すように、挿入装置14は、支持体22を貫通して突き出るアンカー12のガイド部材43内に挿入される。次いで、挿入装置14は開口部42を通して空洞18内に挿入される。挿入装置14がガイド部材43を通して挿入されている間、ガイド部材43は固定部材46に係合し、それによって、固定部材46を挿入位置に保つ。
【0067】
図7、
図8、及び
図9を参照すると、挿入装置14がアンカー12内に画定された空洞18内に挿入された後の順序が示されている。
図7は、固定部材46が空洞18にちょうど受容されたときの挿入装置14を示す。
【0068】
図8は、挿入装置14の固定部材46がコイルばね68によって挿入位置から固定位置に付勢されているのを示す。
図9は、固定部材46が固定位置まで完全に移動した挿入装置14を示し、挿入装置14は、固定部材46の第1及び第2の先端が補強部材20に係合するように下降されている。
【0069】
図9に示す挿入装置14の位置で、ねじ付きロッドをボア54にねじ込むことができ、それによってねじ付きロッドを挿入装置14に締結する。
【0070】
挿入装置14、及びアンカー12と挿入装置14とを備えるアンカーアセンブリ10がこのように説明される。挿入装置14において、固定部材46が、挿入装置14の主要部44に枢動可能に取り付けられる。コイルばね68が固定部材46を固定位置に付勢する。これにより、本明細書に記載の実施形態において、固定部材46が固定位置に自動的に枢動し、アンカー12のカバー部材32に押し付けることによって固定位置に移動される必要がないという利点をもたらす。
【0071】
挿入装置14は、異なるサイズのねじ付きロッドを収容するように複数のサイズで製造され得る。これは、異なるサイズの締結部分を作製することによって行うことができる。
【0072】
本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な修正を行うことができる。
【国際調査報告】