(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】調整可能なディストリビュータブームの運動を制御する方法及びシステム、並びに調整可能なディストリビュータブームを有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置によって建築材料及び/又は濃厚物質を分配する方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/14 20060101AFI20240711BHJP
E21D 5/00 20060101ALI20240711BHJP
E21D 11/10 20060101ALI20240711BHJP
E04G 21/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
E04G21/14
E21D5/00
E21D11/10 D
E04G21/02 103Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500266
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 EP2022067906
(87)【国際公開番号】W WO2023280656
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021207097.3
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510312961
【氏名又は名称】プッツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタインヴァンデル、アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
2D155
2E172
2E174
【Fターム(参考)】
2D155DB01
2E172AA05
2E172AA06
2E172CA33
2E172CA47
2E174AA03
2E174CA42
(57)【要約】
本発明は、調整可能なディストリビュータブーム(3)の運動を制御する方法であって、上記ディストリビュータブーム(3)が、調整可能な複数のブーム構成要素(5a、5b、5c、5d、5e)を有し、上記ブーム構成要素(5a~e)の異なる位置組み合わせ(SK、SK’)によって上記ディストリビュータブーム(3)のブーム先端(3S)の少なくとも1つの同じ先端位置(SPO)を達成可能であり、上記方法が、a)ブーム要素(6a、6b、6c、6d、6e)についての、少なくとも1つの障害物(HI、HI’)に対する、上記ディストリビュータブーム(3)の上記複数のブーム要素(6a~e)のベクトル距離変数(ABVa、ABVb、ABVc、ABVd、ABVe)を決定する工程と、b)決定された上記距離変数(ABVa~e)に基づいて、上記複数のブーム構成要素(5a~e)のベクトル回避運動変数(AUVa、AUVb、AUVc、AUVd、AUVe)を決定する工程と、c)決定された上記回避運動変数(AUVa~e)、及び先端位置(SPO)を決定するベクトルオペレータ運動変数(BBV)に基づいて、上記運動を制御する工程とを包含する、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能なディストリビュータブーム(3)の運動を制御する方法であって、前記ディストリビュータブーム(3)は、調整可能な複数のブーム構成要素(5a、5b、5c、5d、5e)を有し、前記ブーム構成要素(5a~e)の異なる位置組み合わせ(SK、SK’)によって前記ディストリビュータブーム(3)のブーム先端(3S)の少なくとも1つの同じ先端位置(SPO)を達成可能であり、前記方法が、
a)複数のブーム要素(6a、6b、6c、6d、6e)についての、少なくとも1つの障害物(HI、HI’)に対する、前記ディストリビュータブーム(3)の前記複数のブーム要素(6a~e)の複数のベクトル距離変数(ABVa、ABVb、ABVc、ABVd、ABVe)を特定する工程と、
b)特定された前記距離変数(ABVa~e)に基づいて、前記複数のブーム構成要素(5a~e)の複数のベクトル回避運動変数(AUVa、AUVb、AUVc、AUVd、AUVe)を特定する工程と、
c)特定された前記回避運動変数(AUVa~e)、及び先端位置(SPO)を決定するベクトルオペレータ運動変数(BBV)の関数として、前記運動を制御する工程と
を包含する、方法。
【請求項2】
前記ブーム構成要素(5a~e)、特に前記ディストリビュータブーム(3)のブームセグメント(7a、7b、7c、7d、7e)の端部(7Ea、7Eb、7Ec、7Ed、7Ee)、特に前記ディストリビュータブーム(3)の前記ブーム先端(3S)及び調整可能なブームジョイント(8b、8c、8d、8e)が同一タイプである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベクトル回避運動変数(AUVa~e)は、前記障害物(HI)から、特にそれぞれの障害物から離れる方向に導く、特に前記ベクトル距離変数(ABVa~e)、特にそれぞれの複数のベクトル距離変数とは逆方向である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記工程c)は、前記距離変数(ABVa~e)の値、特にそれぞれの距離変数の値に応じて、特に、前記距離変数(ABVa~e)及び前記オペレータ運動変数(BBV)の値に応じて、前記回避運動変数(AUVa~e)に重み付けすることによって、特に重み付け係数(GFa、GFb、GFc、GFd、GFe)によって、特にそれぞれの可変的な重み付け係数によって、前記運動を制御することを包含する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記ディストリビュータブーム(3)の前記制御された運動を記憶することを包含し、
前記方法は、前記回避運動変数(AUVa~e)及び前記オペレータ運動変数(BBV)が互いに一致しない場合、特に前記回避運動変数(AUVa~e)が前記オペレータ運動変数(BBV)を上回る場合、記憶された運動を逆方向に実行する工程を包含する、
請求項1~4のいずれか一項に、特に請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記障害物(HI’)の実物の形状(HIT’)よりも大きい形状(HIM’)を用いて、特に前記実物の形状(HIT’)の移行部を平滑化及び/又は平坦化することによって、前記障害物(HI’)、特に前記ディストリビュータブーム(3)を有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置(4)の残部(4R)をモデル化する工程を包含し、
前記工程a)は、モデル化された前記障害物(HI’)に対する、前記距離変数(ABVa~e)の少なくとも1つを特定することを包含する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ディストリビュータブーム(3)は、調整可能な複数のブームジョイント(8a、8b、8c、8d、8e)を有し、前記ブームジョイント(8a~e)の異なるジョイント位置組み合わせ(GSK、GSK’)によって前記同じ先端位置(SPO)を達成可能であり、特に、前記ブームジョイント(8a、8b、8c、8d、8e)は、異なる調整範囲(8Va、8Vb、8Vc、8Vd、8Ve)を有し、
前記工程c)は、特に前記調整範囲(8Va~e)を考慮しながら、前記回避運動変数(AUVa~e)及び前記オペレータ運動変数(BBV)の関数として、前記ブームジョイント(8a~e)の運動を制御することを包含する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記工程c)は、逆運動学(IK)、特に重み付けされた及び/又はモジュールの逆運動学によって、前記運動を制御することを包含し、前記回避運動変数(AUVa~e)及び前記オペレータ運動変数(BBV)は入力変数である、
請求項1~7のいずれか一項、特に請求項4及び/又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置(4)によって建築材料及び/又は濃厚物質(BDS)を分配する方法であって、前記建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置(4)が調整可能なディストリビュータブーム(3)を有し、前記ディストリビュータブーム(3)は、前記建築材料及び/又は濃厚物質(BDS)を搬送するための搬送ライン(9)を有し、
前記方法は、請求項1~8のいずれか一項に記載のディストリビュータブーム(3)の運動を制御する方法を包含し、
前記方法は、前記運動中に、前記建築材料及び/又は濃厚物質(BDS)を搬送する工程を包含する、方法。
【請求項10】
調整可能なディストリビュータブーム(3)の運動を制御するシステム(1)であって、前記ディストリビュータブーム(3)が調整可能な複数のブーム構成要素(5a、5b、5c、5d、5e)を有し、特に請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するために、前記ブーム構成要素(5a~e)の異なる位置組み合わせ(SK、SK’)によって前記ディストリビュータブーム(3)のブーム先端(3S)の少なくとも1つの同じ先端位置(SPO)を達成可能であり、前記システム(1)は、
特定及び制御装置(2)
を有し、
前記特定及び制御装置(2)が、前記複数のブーム要素(6a、6b、6c、6d、6e)についての、少なくとも1つの障害物(HI、HI’)に対する、前記ディストリビュータブーム(3)の前記複数のブーム要素(6a~e)の複数のベクトル距離変数(ABVa、ABVb、ABVc、ABVd、ABVe)を特定するように構成されており、
前記特定及び制御装置(2)が、特定された前記距離変数(ABVa~e)に基づいて、前記複数のブーム構成要素(5a~e)の複数のベクトル回避運動変数(AUVa、AUVb、AUVc、AUVd、AUVe)を特定するように構成されており、
前記特定及び制御装置(2)が、特定された前記回避運動変数(AUVa~e)、及び先端位置(SPO)を決定するベクトルオペレータ運動変数(BBV)の関数として、前記運動を制御するように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが特に、調整可能なディストリビュータブームの運動を制御するための方法に、及びシステムに、並びに調整可能な分配ブームの運動を制御するためのそのような方法を包含する調整可能なディストリビュータブームを有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置によって建築材料及び/又は濃厚物質を分配するための方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、特にそれぞれ、それぞれ改善された特性を有する調整可能なディストリビュータブームの運動を制御するための方法及びシステム、並びに調整可能な分配ブームの運動を制御するためのそのような方法を包含する、調整可能なディストリビュータブームを有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置によって建築材料及び/又は濃厚物質を分配するための方法を提供することに基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、請求項1の特徴を有する方法、請求項9の特徴を有する方法、及び請求項10の特徴を有するシステムを提供することによって上記目的を達成する。本発明の有利な発展形態及び/又は実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
本発明による方法、特に自動的な方法は、調整可能なディストリビュータブーム、特にフレキシブルに調整可能なディストリビュータブームの運動若しくは走行若しくは調整を制御する、特に自動的に制御するように設計若しくは構成若しくは企図されている。ディストリビュータブームは、調整可能な、特にフレキシブルに調整可能な複数のブーム構成要素を備える、又は有する。ディストリビュータブームのブーム先端の、少なくとも1つの同じ先端位置、特に上記先端位置の同じ値が、ブーム構成要素の異なる位置組み合わせ又は構成それぞれ、特に位置組み合わせの異なる値によって達成可能である。方法は、a)ブーム要素の少なくとも1つの障害物、特に各及び/又はそれぞれの障害物、特に最も近い障害物に対する、特に少なくとも上記障害物に対する、ディストリビュータブームの複数のブーム要素についての、特に上記複数のブーム要素の、ベクトル距離変数、特にそれぞれの及び/又は複数のベクトル距離変数、特に上記距離変数の値及び/又は距離ベクトル、特に幾何学的な距離ベクトルを特定する、特に自動的に特定する及び/又は検出する及び/又は計算する工程と、b)特定された距離変数に基づいて、ブーム構成要素、特にブーム構成要素すべてについての、複数のベクトル回避運動変数、特にそれぞれのベクトル回避運動変数、特に上記複数の回避運動変数の値、及び/又は回避運動ベクトル、特に幾何学的な回避運動ベクトルを特定する、特に自動的に特定する及び/又は計算する工程と、c)特定された回避運動変数、及び特に上記ブーム先端の先端位置、特に上記先端位置の値を決定するベクトルオペレータ運動変数、特に上記オペレータ運動変数の、及び/又はオペレータ運動ベクトル、特に幾何学的なオペレータ運動ベクトルの少なくとも1つの値の関数として運動を制御する、特に自動的に制御する工程とを包含する。
【0005】
これは、特に、先端位置を、特に決定された先端位置を達成するように、ディストリビュータブームの運動若しくは走行中に、又は特に運動若しくは走行と同時に、少なくとも障害物をディストリビュータブームが回避する、特に能動的に回避することを可能にする。このようにして、これは、特に、ディストリビュータブームと少なくとも1つの障害物との間の接触若しくは衝突、特に目前に迫った若しくは差し迫った接触若しくは衝突を回避するように、ディストリビュータブームの運動、特に更なる運動の阻止若しくは停止を回避する。このようにして、これは、先端位置、特に決定された先端位置に到達することを可能にする。
【0006】
このようにして、これは、特に、作業を不必要に中断することなく、動作の、特に監視対象の動作の安全性を可能にする。このようにして、これは、監視対象の、特に上記監視対象の動作の受け入れの、及び、したがってその頻繁な使用の点での増加を可能にする。このようにして、これは、ディストリビュータブームの運動又は動作中の安全性の向上を可能にする。追加的又は代替的には、これ、特に回避動作は、狭い作業環境における特に片手操作でのディストリビュータブームの円滑な操作を可能にする。このようにして、これは、特に経験の浅いオペレータ若しくはユーザにとって、ディストリビュータブームの操作の点での大幅な簡素化、並びに、したがって、一方では生産性の向上、及び、他方ではブーム先端に注意を集中することによる安全性の向上を可能にする。
【0007】
特に、「自動作動の」という用語は、「自動的」という用語と同義で使用することができる。
【0008】
ディストリビュータブームは、建築材料及び/又は濃厚物質ディストリビュータブームであり得る。追加的又は代替的には、ディストリビュータブームは、建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置であり得る。建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置は特に移動可能であり、特に走行可能であり、特にトラック搭載型建築材料及び/又は濃厚物質ポンプであり得る。更に追加的又は代替的には、建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置は、建築材料及び/又は濃厚物質を搬送するように構成され得る。更に追加的又は代替的には、建築材料はモルタル、セメント、スクリード、コンクリート及び/又は下塗りを意味し得る。更に追加的又は代替的には、濃厚物質は泥を意味し得る。
【0009】
ブーム先端の少なくとも同じ先端位置は、複数のブーム構成要素の少なくとも3つ、特に少なくとも10の異なる位置組み合わせによって達成可能であり得る。
【0010】
ブーム先端の複数の、特に少なくとも3つの、特に少なくとも10個の先端位置を、特に異なる時点で、ブーム構成要素の異なる位置組み合わせ、特にそれぞれの、異なる位置組み合わせによって達成可能であり得る。
【0011】
ブーム先端は、ディストリビュータブームの自由端であり得る。
【0012】
ディストリビュータブームは、特に複数のブーム要素の1つとして、1つの、特に自由に吊り下げられたエンドホースを有することができる。
【0013】
複数のブーム要素は、複数のブーム構成要素を備え、特に複数のブーム構成要素であってもよく、及び/又は複数のブーム構成要素は複数のブーム要素を備え、特に複数のブーム要素であってもよい。
【0014】
「移動限界」という用語、若しくは「干渉輪郭」という用語、若しくは「障害物風景」という用語は、「障害物」という用語と同義で使用することができる。
【0015】
障害物は動的であり、及び/又は別のディストリビュータブームであり得る。
【0016】
距離変数は、実際の距離変数、特に一時的若しくは現在の実際の距離変数であり、及び/又はディストリビュータブームの複数のブーム要素については、実際のブーム位置若しくは姿勢、特に一時的若しくは現在の実際のブーム位置若しくは姿勢それぞれにあるときの実際の距離量であり得る。特に、実際ブーム位置を、上記位置組み合わせ、特に可変的な位置組み合わせによって変更することができる場合がある。追加的又は代替的には、距離変数は、少なくとも障害物に対する、ブーム要素の距離の方向、特に一時的若しくは現在の方向、特に実際の方向、及び/又は、値、特に一時的若しくは現在の値、特に実際の値であり得る。
【0017】
回避運動変数は、目標回避運動変数、特に一時的若しくは現在の目標回避運動変数であり得る。追加的又は代替的には、回避運動変数は、複数のブーム構成要素の回避運動、特にそれぞれの及び/又は複数の回避運動、特に目標回避運動の方向、特に一時的若しくは現在の方向、特に目標方向、及び/又は速度、特に一時的若しくは現在の速度、特に目標速度であり得る。
【0018】
先端位置を決定する、及び/又は特にブーム先端の目標先端位置、特に一時的若しくは現在の目標先端位置を決定するオペレータ運動変数は、目標オペレータ運動変数、特に一時的若しくは現在の目標オペレータ運動変数であり得る。追加的又は代替的には、オペレータ運動変数は、ブーム先端の運動の、特に目標運動の方向、特に一時的若しくは現在の方向、特に目標方向、及び/又は速度、特に一時的若しくは現在の速度、特に目標速度であり得る。更に追加的又は代替的には、オペレータ運動変数は、特に先端位置を達成するための走行指令若しくは走行命令、特に一時的若しくは現在の走行指令若しくは走行命令であり得る。更に追加的又は代替的には、オペレータ運動変数、特に一時的若しくは現在それぞれのオペレータ運動変数は、特に、ディストリビュータブームの、及び/又は建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置の特にオペレータ若しくはユーザそれぞれによって、あらかじめ定義され得る。更に追加的又は代替的には、方法は、特にオペレータによるオペレータ運動変数のパラメータの、特に一時的若しくは現在のパラメータを特定する、特に検出することを包含することができる。
【0019】
オペレータ運動変数があらかじめ定義されていないか、若しくは存在していないか、及び/又はゼロに等しい場合、工程c)は実行する必要がないか、若しくは実行することができないか、又はディストリビュータブームの運動を制御しなくてよいか、若しくは制御することができない。
【0020】
工程c)は、特に運動学的相関によって、複数の回避運動変数と、オペレータ運動変数とを互いにリンクさせること、若しくは結合すること、若しくは重ね合わせることそれぞれによって運動を制御することを包含することができる。
【0021】
工程b)は、工程a)の時間的に後に実行することができる。追加的又は代替的には、工程c)は、工程b)の時間的に後に実行することができる。更に追加的に又は代替的には、この方法、特に工程a)、b)及びc)は、特に、新たに、特に複数回実行され得る。
【0022】
本発明の一発展形態では、複数のブーム構成要素、特にディストリビュータブームの複数のブームセグメント若しくは複数の部分の複数の端部、特にディストリビュータブームのブーム先端、及び調整可能な複数のブームジョイント、特にフレキシブルに調整可能な複数のブームジョイント、特に複数の中間ブームジョイントは同一タイプである。特に、複数のブームジョイントの少なくとも1つは、屈曲ジョイント、ロータリージョイント、及び/又はスラストジョイントを有することができ、特に屈曲ジョイント、ロータリージョイント、及び/又はスラストジョイントであり得る。特に最後のブームジョイントは垂直軸を中心に回転可能であり得る。追加的又は代替的には、建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置、特にディストリビュータブームは、複数のブームジョイントを移動若しくは調整するための複数のジョイント駆動装置を有することができる。
【0023】
本発明の一発展形態では、ベクトル回避運動変数は、障害物、特にそれぞれの障害物から離れる方向を指し示し、若しくは上記方向に導く。特に、ベクトル回避運動変数は、ベクトル距離変数、特にそれぞれのベクトル距離変数とは逆方向である。これは、ブーム構成要素の少なくとも1つを障害物から離れる方向に移動させる、若しくは調整すること、及び/又は距離変数の少なくとも1つを増大、特にこのようにして増大させることを可能にする。
【0024】
本発明の一発展形態では、工程c)は、距離変数の値、特にそれぞれの距離変数の値から独立して、又は基づいて、特に、距離変数及びオペレータ運動変数の値から独立して、又は基づいて、回避運動変数に重み付けする、特に自動的に重み付けすることによって、特に重み付け係数、特にそれぞれの可変的な重み付け係数、特に重み付け係数の値によって、運動を制御することを包含する。これは、特に接触を回避するために、ブーム構成要素の1つの緊急回避の、別のブーム構成要素の緊急度がより低い、又は緊急でない回避若しくは運動に対する、優先順位若しくは優先度が与えられることを可能にする。特に、重み付け係数は、距離変数の値に応じて逆数になる可能性がある。追加的又は代替的には、オペレータ運動変数の重み付け係数は、特に時間的に持続的、固定又は一定であり得る。更に追加的又は代替的には、これ、特に重み付けは、回避運動変数、及びオペレータ運動変数が互いに一致しないことに、特に回避運動変数がオペレータ運動変数を上回ることにつながり得る。したがって、これは、ディストリビュータブームの運動を制御する必要がない、又は制御できないことにつながり得る。
【0025】
本発明の一発展形態、特に一実施形態では、方法は、特にディストリビュータブームの制御若しくは実行された運動を記憶する、特に自動的に記憶する工程を包含する、若しくは含む。この方法は、回避運動変数と、オペレータ運動変数が互いに一致しない、特に回避運動変数がオペレータ運動変数を上回る場合、記憶された運動を逆方向に、特に自動的に実行する、若しくは運動を逆方向に、特に時間的に逆方向に実行する工程を包含する、若しくは含む。これは、この状況から抜け出る方法、及び/又は、特にそれにより、先端位置、特に決定された先端位置に、特に別の方法で到達することを可能にする。
【0026】
本発明の一発展形態では、この方法は、障害物の実物の、若しくは実際の形状よりも大きい形状を用いて、特に実物の形状の移行部を平滑化及び/又は平坦化することによって、特に自動的に平滑化及び/又は平坦化することによって、障害物、特に、ディストリビュータブームを有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置、特に建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置の残部をモデル化する、特に自動的にモデル化する工程を包含する、若しくは含む。工程a)は、モデル化された障害物に対する、特に少なくとも1つのブーム先端についての、複数の距離変数のうちの、少なくとも1つの距離変数、特にすべての距離変数を特定する工程を包含する。これは、回避運動変数と、オペレータ運動変数が互いに一致しないことを回避することを可能にする。特に、モデル化は逃げ面及び/又はランプの導入を包含することができる。追加的又は代替的には、複数の移行部の平滑化及び/又は平坦化は特に、複数のエッジ及び/又は複数の角部に丸みをつけることを包含し得る。
【0027】
本発明の一発展形態では、ディストリビュータブームは、複数のブームジョイント、特にフレキシブルに調整可能な複数のブームジョイント、特に上記調整可能な複数のブームジョイントを備える、若しくは有する。特に少なくとも同じ先端位置を、複数のブームジョイントの異なるジョイント位置組み合わせによって達成可能である。特に、複数のブームジョイントは、異なる調整範囲、特に複数の調整範囲の点で異なる値を有する、若しくは含む。工程c)は、特に、複数の調整範囲を考慮しながら、回避運動変数、及びオペレータ運動変数の関数として複数のブームジョイントの複数の運動を制御することを包含する。特に、複数のブームジョイントの少なくとも1つは、屈曲ジョイント、ロータリージョイント、及び/又はスラストジョイントを有することができ、特に屈曲ジョイント、ロータリージョイント、及び/又はスラストジョイントであり得る。特に最後のブームジョイントは垂直軸を中心に回転可能であり得る。追加的又は代替的には、複数の調整範囲の少なくとも1つは角度範囲を有することができ、特に角度範囲であり得る。更に追加的又は代替的には、複数の調整範囲の少なくとも1つは、複数のブームジョイントのうちの少なくとも1つの、少なくとも1つの回り止め、特に機械的な回り止めによって画定され、特に境界が定められ得る。更に追加的又は代替的には、建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置、特にディストリビュータブームは、複数のブームジョイントを運動若しくは調整するために、或いはジョイント位置組み合わせ、特に可変的なジョイント位置組み合わせを変更若しくは調整するために、複数のジョイント駆動装置を有することができる。更に追加的又は代替的には、複数のブームジョイントのうちの1つは、ディストリビュータブームの非自由若しくは固定端又はブームフット上にあり得る。更に追加的又は代替的には、ディストリビュータブームは、複数のブームジョイントによって巻取可能に及び/又はZ字状に、特に巻取可能に/Z字状に折りたたみ可能であり得る。
【0028】
本発明の一発展形態、特に一実施形態では、工程c)は、逆運動学、特に重み付けされた、及び/又はモジュールの逆運動学によって運動を制御することを包含する。ここでは、複数の回避運動変数とオペレータ運動変数は入力変数である。これは、特に、先端位置、特に決定された先端位置を達成するために、ディストリビュータブームの運動若しくは走行により、特に同時に、ディストリビュータブームが少なくとも障害物を回避することを可能にする。言い換えると、これは、走行指令、特に命令された走行指令の、及び接触回避の同時の実施を可能にする。なお再度言い換えると、これは、接触回避又は衝突回避を、特にオペレータによる走行指令の実施に組み込むことを可能にする。特に、ブーム先端は、エンドエフェクタ、又はツールセンタポイント(Tool Center Point、略称:TCP)と呼ばれることもある。追加的又は代替的には、「逆運動学」という用語又は「逆方向変換」という用語は、「逆運動学」という用語と同義で使用することができる。更に追加的又は代替的には、逆運動学は、複数の調整範囲を考慮する、特に備えることができる。更に追加的又は代替的には、複数のブーム構成要素の、特に複数のブームジョイントの複数の速度、特に複数の回転速度若しくは複数のジョイント速度は出力変数であり得る。更に追加的又は代替的には、出力変数は、特定され、特に読み込まれ、及び/又は計算され、特に自動的に特定され、特に読み込まれ、及び/又は計算され得る。
【0029】
特に、障害物、特に障害物の少なくとも1つの値は、特にオペレータ及び/又は建築プログラムによってあらかじめ定義される場合があり、又は定義されており、特に検出若しくは測定されている。追加的又は代替的には、工程a)は、あらかじめ定義された、特に検出された障害物及びディストリビュータブームの実際のブーム位置に基づいて複数の距離変数を特定する、特に計算することを包含することができる。特に、実際のブーム位置は、直接運動学によって、特に自動的に特定、特に計算される場合があるか、又は特定、特に計算されており、特に、複数のブーム構成要素の、実際の位置組み合わせ、特に一時的若しくは現在の実際の位置組み合わせ、特に実際の位置組み合わせの少なくとも1つの値は入力変数であり得る。特に、複数のブームジョイントの複数のジョイント角度は入力変数であり得る。
【0030】
本発明の一発展形態では、工程a)は特に運動中、若しくは運動時に、特に運動と同時に、障害物及び/又は複数の距離変数を非接触で検出若しくは測定、特に自動的に検出することを包含する。これは、接触回避を可能にする。検出は特に、カメラ及び/又はLIDAR(ライダ:光検出と測距(英語light detection and rangingの略称))、特にLADAR(レーダ:レーザー画像検出と測距(英語:laser detection and rangingの略称))によって行われ得る。
【0031】
本発明による方法、特に自動的な方法は、建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置、特に建築材料及び/又は濃厚ポンプ装置によって、建築材料及び/又は濃厚物質を分配する、特に自動的に分配するように構成若しくは設計若しくは提供されている。建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置は、調整可能なディストリビュータブーム、特に上記調整可能なディストリビュータブームを有する。ディストリビュータブームは、搬送するための、或いは建築材料及び/又は濃厚物質を搬送するための搬送ライン、特にフレキシブルに調整可能な搬送ラインを備える若しくは有する。この方法は、ディストリビュータブームの運動を制御する方法、特に上記の若しくは上述したディストリビュータブームの運動を制御する方法を包含する若しくは有する。この方法は、特に搬送ラインによって、又は搬送ラインを通して、運動中若しくは運動時若しくは特に運動と同時に、又は工程c)中に建築材料及び/又は濃厚物質を搬送、特に自動搬送する工程を包含する若しくは有する。これ、特に運動中の搬送は、分配を可能にする。特に、搬送ラインは、特にパイプラインを有することができ、特にパイプラインであり得る。追加的又は代替的には、搬送ラインはエンドホースを備えることができる。
【0032】
本発明によるシステムは、調整可能なディストリビュータブームの運動を制御する、特に調整可能なディストリビュータブームの特に運動を制御する、特に制御するように構成若しくは設計されている。ディストリビュータブームは、調整可能な複数の、特に調整可能な複数のブーム構成要素を有する。ディストリビュータブームのブーム先端の、特にブーム先端の少なくとも1つの同じ、特に同じ先端位置は、複数のブーム構成要素の異なる、特に異なる複数の位置組み合わせによって達成可能である。このシステムは、特定及び制御装置を包含する、若しくは有する。上記特定及び制御装置は、複数のブーム要素の少なくとも1つの障害物、特に障害物に対する、ディストリビュータブームの複数のブーム要素、特に複数のブーム要素の複数のベクトル距離変数、特にベクトル距離変数を特定する、特に特定するように構成若しくは設計されている。特定及び制御装置は、決定された複数の距離変数に基づいて複数のブーム構成要素、特に複数のブーム構成要素の複数のベクトル回避運動変数、特に複数のベクトル回避運動変数を特定する、特に特定するように構成若しくは設計されている。特定及び制御装置は、決定された複数の回避運動変数、及び先端位置を、特に先端位置を決定するベクトルオペレータ運動変数、特にベクトルオペレータ運動変数の関数として運動を制御するように、特に制御するように構成若しくは設計されている。このシステムは、1つの/複数の前述若しくは上述した方法と同じ利点を可能にすることができる。特に、システム、特に特定及び制御装置は、上述の1つの方法/複数の方法の1つを実行する、特に自動的に実行するように構成又は設計することができる。追加的又は代替的には、システムは、ディストリビュータブーム、特に建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置を備えることができる。更に追加的又は代替的には、特定及び制御装置は、電気式、油圧式、及び/又は空気圧式であり得る。特に、特定及び制御装置は、コンピュータ装置、特にプロセッサ、及び/又は記憶装置を備え得る。
【0033】
本発明の更なる利点及び態様は、特許請求の範囲から、及び図を参照しながら以下に説明される、本発明の好ましい例示的な実施形態の以下の記載から導き出される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】調整可能なディストリビュータブームの運動を制御するための、本発明によるシステム及び本発明による方法、並びに調整可能なディストリビュータブームを有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置によって建築材料及び/又は濃厚物質を分配するための方法であって、上記調整可能なディストリビュータブームの運動を制御するための方法を有する、本発明による方法の概略図である。
【
図3】
図1のシステムの、及び方法の概略ブロック図である。
【
図4】
図1のシステム及び方法を使用した状況の時間的推移の概略図である。
【
図5】本発明によらないシステム及び本発明によらない方法を使用した状況の時間的推移の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1~
図4は、構成された本発明によるシステム1、特に特定及び制御装置2を有するシステムと、調整可能なディストリビュータブーム3の運動を制御するための、本発明による方法とを示す。ディストリビュータブーム3は、調整可能な複数のブーム構成要素5a、5b、5c、5d、5eを有する。ディストリビュータブーム3のブーム先端3Sの少なくとも1つの同じ先端位置SPOは、ブーム構成要素5a~eの異なる位置組み合わせSK、SK’によって達成することができる。
【0036】
更に、システム1、特に特定及び制御装置2は、複数のブーム要素6a~eの少なくとも1つの障害物HI、HI’に対する、ディストリビュータブーム3の複数のブーム要素6a、6b、6c、6d、6eの複数のベクトル距離変数ABVa、ABVb、ABVc、ABVd、ABVeを特定するように構成、特に特定されている。更に、システム1、特に特定及び制御装置2は、特定された複数の距離変数ABVa~eに基づいて、複数のブーム構成要素5a~eの複数のベクトル回避運動変数AUVa、AUVv、AUVc、AUVd、AUVeを特定するように構成、特に特定されている。更に、システム1、特に特定及び制御装置2は、特定された複数の回避運動変数AUVa~e、及び先端位置SPOを決定するベクトルオペレータ運動変数BBVの関数として運動を制御するように構成、特に制御されている。
【0037】
それに加えて、方法は以下の工程、すなわちa)特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、複数のブーム要素6a~eの障害物HI、HI’に対する、ディストリビュータブーム3の複数のブーム要素6a~eの複数のベクトル距離変数ABVa~eを特定する工程と、b)特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、特定された複数の距離変数ABVa~eに基づいて複数のブーム構成要素5a~eの複数のベクトル回避運動変数AUVa~eを特定する工程と、c)特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、特定された複数の上記回避運動変数AUVa~e、及び先端位置SPOを決定するベクトルオペレータ運動変数BBVの関数として運動を制御する工程とを包含する。
【0038】
図示された例示的な実施形態では、システム1はディストリビュータブーム3、特にディストリビュータブーム3を有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置4を備える。
【0039】
詳細には、複数のブーム構成要素5a~e、特にディストリビュータブーム3の複数のブームセグメント7a、7b、7c、7d、7eの特に複数の端部7Ea、7Eb、7Ec、7Ed、7Ee、特にディストリビュータブーム3のブーム先端3S及び調整可能な複数のブームジョイント8b、8c、8d、8eは、同一タイプである。
【0040】
更に、ディストリビュータブーム3は、調整可能な複数のブームジョイント8a、8b、8c、8d、8e、特に調整可能な複数のブームジョイントを有する。同じ先端位置SPOは、複数のブームジョイント8a~eの複数の異なるジョイント位置組み合わせGSK、GSK’によって達成することができる。特に、複数のブームジョイント8a、8b、8c、8d、8eは、異なる調整範囲8Va、8Vb、8Vc、8Vd、8Veを有する。工程c)は、特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、特に複数の調整範囲8Va~eを考慮しながら、複数の回避運動変数AUVa~e、及びオペレータ運動変数BBVの関数として、複数のブームジョイント8a~eの複数の運動を制御することを包含する。
【0041】
図示された例示的な実施形態では、ディストリビュータブーム3は、5つの調整可能なブーム構成要素5a~e、若しくは5つのブームセグメント7a~e、若しくは5つの調整可能なブームジョイント8a~eそれぞれを有する。代替的な例示的な実施形態では、ディストリビュータブームは、少なくとも3つのブーム構成要素、若しくは少なくとも3つのブームセグメント、若しくは少なくとも3つのブームジョイントを有することができる。
【0042】
背景を説明すれば、ブーム構成要素若しくはブームセグメント若しくはブームジョイントはブーム先端の運動を可能にする。2つのブーム構成要素若しくは2つのブームセグメント若しくは2つのブームジョイントは、ブーム先端の自由な運動を可能にし、特に、高さ及び半径が、特に特定の限度内で、互いに独立している。少なくとも3つのブーム構成要素若しくは少なくとも3つのブームセグメント若しくは少なくとも3つのブームジョイントは、ブーム先端の自由な運動と、ジョイント位置組み合わせの調整若しくは変更、又は少なくとも1つの自由度による、ディストリビュータブームのブーム位置の調整を可能にする。言い換えると、N個のブーム構成要素若しくはN個のブームセグメント若しくはN個のブームジョイント(ここでN≧3)は、ブーム先端の自由な運動と、ジョイント位置組み合わせの調整若しくは変更、又はN-2の自由度による、ブーム位置の調整を可能にする。
【0043】
更に、図示された例示的な実施形態では、複数のブーム構成要素5a~eの数は複数のブーム要素6a~eの数に相当し、又は等しい。代替的な例示的な実施形態では、上記複数のブーム要素の数は、上記複数のブーム構成要素の数に少なくとも等しく、特に上記複数のブーム構成要素の個数より多くてもよい。
【0044】
更に、複数のベクトル回避運動変数AUVa~eは、障害物HIから、特にそれぞれの障害物から離れる方向に導く。特に、複数のベクトル回避運動変数AUVa~eは、複数のベクトル距離変数ABVa~e、特にそれぞれの複数のベクトル距離変数とは逆である。
【0045】
【0046】
それに加えて工程c)は、特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、複数の距離変数ABVa~eの、特に上記複数の距離変数の、及びオペレータ運動変数BBVの、特に上記オペレータ運動変数のそれぞれの値に応じて、複数の回避運動変数AUVa~eに重み付けすることによって、特に複数の重み付け係数GFa、GFb、GFc、GFd、GFe、特にそれぞれの可変的な重み付け係数によって運動を制御することを包含する。
【0047】
【0048】
更に、工程c)は、特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、逆運動学IK、特に重み付きの、及び/又はモジュールの逆運動学IKによって運動を制御することを包含する。ここでは、複数の回避運動変数AUVa~e、及びオペレータ運動変数BBVは入力変数である。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
これらの複数の目的を結合するために、一般に正確に解くことができない、結合された過剰決定方程式系、特にヤコビ行列、特に結合されたヤコビ行列、又は逆運動学IKが規定される。
【0053】
【0054】
対角行列Wはここでは、複数の回避運動変数、特に複数の回避運動、ブーム先端の走行指令、及び複数のジョイント限界を回避するための複数の走行指令の複数の重みを包含し、並びに、様々なタスクに優先順位を付けることを確実にする。
【0055】
これは線形相関であるため、これは、一般的な最小二乗解により直接、解くことができる。
【0056】
【0057】
複数の障害物を考慮するために、複数の回避運動変数、特に複数の回避速度が平均化されて、ディストリビュータブーム上の基準点に対して重み付けされる。この結果として生じる回避運動変数、特に回避速度の重み全体は、複数の個々の重みから、例えば合計又は最大値として決定される。
【0058】
特定された、特に計算された複数の回避運動変数、特に複数の回避速度は、複数のブームセグメント及び/又は複数のブームジョイントが少なくとも障害物から離れる方向に移動することにつながり、このようにして、少なくとも障害物周りを可能な限り最良のやり方で移動するブーム位置又は姿勢を設定する。
【0059】
追加的又は代替的には、可変的な又は適応的な重み付けは、ディストリビュータブームと、少なくとも上記障害物との間の距離が、これがオペレータの走行指令と一致する場合に自動的に増加させられるように、走行指令と回避運動との緩やかなフェージング(Uberblendung)を確実にする。
【0060】
これは、本発明によらないシステム及び本発明によらないものと比較した利点を表している。なぜなら、本発明によるシステムは、
図4に示されるように、接触が差し迫っている場合に、走行指令に加えて能動的に複数の回避運動を開始し、及び、
図5に示されるようにディストリビュータブームを停止させるだけではないからである。
【0061】
更に、方法は、特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、ディストリビュータブーム3の制御された運動を記憶することを包含する。この方法は以下の工程、すなわち、複数の回避運動変数AUVa~eと、オペレータ運動変数BBVとが互いに一致しない場合、特に複数の回避運動変数AUVa~eがオペレータ運動変数BBVを上回る場合、特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、記憶された運動を逆方向に実行する工程を包含する。
【0062】
この方法は更に、以下の工程、すなわち、特に、システム1、特に特定及び制御装置2によって、障害物HI’、特にディストリビュータブーム3を有する建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置4の残部4Rを、特に実物の形状HIT’の複数の移行部の平滑化及び/又は平坦化によって、障害物HI’の実物の形状HIT’よりも大きい形状HIM’でモデル化する工程を包含する。工程a)は、モデル化された障害物HI’に対する、複数の距離変数ABVa~eの少なくとも1つを特定することを包含する。
【0063】
更に、
図1~
図4は、建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置によって建築材料及び/又は濃厚物質BDSを分配するための、本発明による方法を示す。建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置4は、調整可能なディストリビュータブーム3を有する。ディストリビュータブーム3は、建築材料及び/又は濃厚物質BDSを搬送するための搬送ライン9を有する。この方法は、上述したようにディストリビュータブーム3の運動を制御する方法を包含する。方法は、以下の工程、すなわち、運動中に建築材料及び/又は濃厚物質BDSを搬送する工程を包含する。
【0064】
図示され、及び上述された例示的な実施形態において強調されているように、本発明は、それぞれが特に、改善された特性をそれぞれの場合において有する、調整可能なディストリビュータブームの運動を制御するための有利な方法及び有利なシステム、並びに調整可能なディストリビュータブームを備える建築材料及び/又は濃厚物質ポンプ装置によって建築材料及び/又は濃厚物質を分配するための、調整可能なディストリビュータブームの運動を制御するためのそのような方法を有する有利な方法を提供する。
【国際調査報告】