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特表2024-526650レバー式IV流量調整クランプアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】レバー式IV流量調整クランプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/28 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61M39/28 110
A61M39/28 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500273
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022036125
(87)【国際公開番号】W WO2023003690
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/223,436
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デサイー、アマン
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル、アプルヴァ ヴィクラム
(72)【発明者】
【氏名】ジャダブ、アマールシン デェーリプラオ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066JJ04
4C066JJ10
4C066QQ15
(57)【要約】
輸液セットのコネクタチューブ内の流体流量を調整するためのレバー式流量調整クランプアセンブリが提供される。レバー式流量調整クランプアセンブリは、コネクタチューブを受け入れるハウジングと、ハウジング内に回転可能に係合され、流体流量の調整を提供するためにコネクタチューブを圧縮するように構成されたスライダとを含む。輸液セットおよび流体流量を調整する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバー式流量調整クランプアセンブリであって、
開放端構造を有するハウジングと、
前記ハウジングに結合されたスライダと
を備え、
前記ハウジングは、
2つの対向する側壁部であって、各々の側壁部は、底部長方形部分と上部曲線状部分を備える、前記側壁部と、
前記側壁部を接続する底壁部であって、前記側壁部および前記底壁部は、ハウジングチャネルを画定し、前記ハウジングチャネルの底部は、点滴チューブを受け入れるように構成されたチューブチャネルを画定する、前記底壁部と
を備え、
前記スライダは、
本体と、
前記本体の第1の端部に配置されたカムと、
前記本体の第2の端部に配置されたグリップ部分と、
前記ハウジングの対向する前記側壁部の関連する軸開口部内に回転可能に配置された2つの対向する軸と
を備え、
前記スライダの前記本体は、開位置と閉位置との間で前記ハウジングチャネル内の前記対向する軸の周りを回転するように構成される、レバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項2】
少なくとも1つの上部曲線状部分は、前記ハウジングチャネル内への視界を提供する1つまたは複数の窓開口部を備える、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項3】
前記スライダの前記本体と前記上部曲線状部分との間に所定レベルの摩擦係合を提供するように構成された摩擦パッドをさらに備える、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項4】
前記摩擦パッドは、前記上部曲線状部分の内面に面する前記スライダの前記本体の表面上に配置される、請求項3に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項5】
前記摩擦パッドは、前記上部曲線状部分の内面に配置される、請求項3に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項6】
前記摩擦パッドは、前記上部曲線状部分の湾曲した周辺部の形状に一致する曲線状ストリップである、請求項5に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項7】
別の摩擦パッドが、前記上部曲線状部分の前記内面に配置された前記摩擦パッドに面する前記スライダの前記本体の表面上に配置される、請求項5に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項8】
前記摩擦パッドは、前記点滴チューブを通る流体の流れの間に、前記点滴チューブに対する前記スライダの係合位置を維持するように構成される、請求項3に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項9】
前記レバー式流量調整クランプアセンブリは、前記点滴チューブを前記カムに押し付ける流体力による前記カムの回転傾向よりも大きい前記摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックするように構成される、請求項8に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項10】
前記スライダの前記グリップ部分は、前記ハウジングの前記上部曲線状部分を越えて延在し、外力によって押されるか引かれるかするための表面を提供するように構成される、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項11】
複数の目盛りマークが前記曲線状部分のうちの少なくとも1つの外面に配置され、前記目盛りマークは、前記チューブチャネル内に配置された点滴チューブの閉塞レベルを示すように構成され、各々の閉塞レベルは、前記点滴チューブを通る流体の流量に関連付けられる、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項12】
前記スライダが前記開位置にあるとき、前記レバー式流量調整アセンブリは、前記点滴チューブ上で自由にスライドするように構成される、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項13】
前記スライダが前記開位置にあるとき、前記カムは、前記点滴チューブを通る完全な流体の流れに対して、前記点滴チューブに触れないか、または前記点滴チューブに軽く接触するようになっている、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項14】
前記スライダが前記閉位置にあるとき、前記カムは、前記点滴チューブに完全に衝突しており、前記点滴チューブを通る流体の流れがなくなるようになっている、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも1つの上部曲線状部分は、前記ハウジングチャネル内に延在する係止部材を備え、前記係止部材は、前記スライダが前記開位置を超えて前記ハウジングチャネルの外側で回転することを防止するように構成される、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項16】
少なくとも1つの底部長方形部分の上面は、前記スライダの前記本体の前記第2の端部が前記閉位置を超えて前記チューブチャネル内へと回転することを防止するように構成された係止面を備える、請求項1に記載のレバー式流量調整クランプアセンブリ。
【請求項17】
点滴チャンバと、
コネクタチューブと、
レバー式流量調整クランプアセンブリと
を備える輸液セットであって、
前記レバー式流量調整クランプアセンブリは、
開放端構造を有するハウジングと、
前記ハウジングに結合されたスライダと
を備え、
前記ハウジングは、
2つの対向する側壁部であって、各々の側壁部は、底部長方形部分と上部曲線状部分を備える、前記側壁部と、
前記側壁部を接続する底壁部であって、前記側壁部および前記底壁部は、ハウジングチャネルを画定し、前記ハウジングチャネルの底部は、点滴チューブを受け入れるように構成されたチューブチャネルを画定する、前記底壁部と
を備え、
前記スライダは、
本体と、
前記本体の第1の端部に配置されたカムと、
前記本体の第2の端部に配置されたグリップ部分と、
前記ハウジングの対向する前記側壁部の関連する軸開口部内に回転可能に配置された2つの対向する軸と
を備え、
前記スライダの前記本体は、開位置と閉位置との間で前記ハウジングチャネル内の前記対向する軸の周りを回転するように構成される、輸液セット。
【請求項18】
前記スライダの前記本体と前記上部曲線状部分との間に所定レベルの摩擦係合を提供するように構成された摩擦パッドをさらに備え、前記レバー式流量調整クランプアセンブリは、前記点滴チューブを前記カムに押し付ける流体力による前記カムの回転傾向よりも大きい前記摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックするように構成される、請求項17に記載の輸液セット。
【請求項19】
少なくとも1つの上部曲線状部分は、前記ハウジングチャネル内に延在する係止部材を備え、前記係止部材は、前記スライダが前記開位置を超えて前記ハウジングチャネルの外側で回転することを防止するように構成され、少なくとも1つの底部長方形部分の上面は、前記スライダの前記本体の前記第2の端部が前記閉位置を超えて前記チューブチャネル内へと回転することを防止するように構成された係止面を備える、請求項17に記載の輸液セット。
【請求項20】
レバー式流量調整クランプアセンブリを操作する方法であって、前記方法は、
点滴チューブを、チューブチャネルを画定するハウジングチャネルの底部の長さを通して前記点滴チューブを延ばすことによって、前記レバー式流量調整クランプアセンブリ内に配置するステップと、
ハウジングに結合されたスライダのグリップ部分を係合させるステップであって、前記スライダは、前記点滴チューブを通る完全な流体の流れを提供するために、前記スライダは、前記点滴チューブに接触しないか、または前記点滴チューブに接触するが衝突しない、開いた流量位置にある、前記係合させるステップと、
前記ハウジングチャネルの上部曲線状部分に沿って前記スライダを第1の回転方向に所望の流量位置まで回転させ、こうして、前記スライダの端部に配置されたカムを前記スライダの回転角度に関連付けられた所定の移動距離だけ前記チューブチャネル内に下向きに回転させるステップと、
前記カムの接触面を前記点滴チューブ内に前記所定の移動距離だけ押し込み、こうして、前記点滴チューブを通る所定の減少した流体流量に関連する所定定量だけ前記点滴チューブを閉塞させるステップと、
前記スライダを前記所望の流量位置に放置するステップであって、前記スライダは、前記スライダおよび前記ハウジングチャネルの前記上部曲線状部分のうちの少なくとも一方に配置された摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックされ、前記摩擦力は、前記点滴チューブを前記カムに押し付ける流体力による前記カムの回転傾向よりも大きい、前記放置するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、重力点滴(IV)セットまたは輸液ポンプ流量制御機器、特にレバー操作のIV流量調整クランプアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ローラークランプ形式の流量コントローラは、医療分野のIV用途に使用される。ローラークランプは、標準投与セットに含まれており、製造プロセス中に取り付けられる。一般的なローラークランプは、ローラーイールとハウジングの間にIVチューブをクランプすることによってIVチューブを通る流量を制御し、ローラークランプを締め付けるときにチューブを挟むことによりチューブを徐々に閉塞させることができる。ほとんどのローラークランプは、片手で簡単に調整でき、推奨されるプロセスは、ローラークランプを完全に閉じ、クランプを上方に回転させて開くことで速度を調整することである。ローラークランプのホイールは、ローラー本体との一時的な嵌合、チューブとホイールの係合、およびローラー本体とホイールの摩擦により、その位置に維持される。しかしながら、高流量の期間が続くと、ホイールがその設定位置からずれて流体の供給速度が不正確になる傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、調整された流量を変動させることなく一貫して流れを制御する能力を備えた構造的安定性を提供するレバー式流量調整クランプアセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つまたは複数の実施形態は、レバー式流量調整クランプアセンブリを提供する。流量調整クランプアセンブリは、開放端構造を有するハウジングを含み、ハウジングは、2つの対向する側壁部であって、各々の側壁部は、底部長方形部分と上部曲線状部分を備える、側壁部と、側壁部を接続する底壁部であって、側壁部および底壁部は、ハウジングチャネルを画定し、ハウジングチャネルの底部は、点滴チューブを受け入れるように構成されたチューブチャネルを画定する、底壁部とを含む。流量調整クランプアセンブリはまた、ハウジングに結合されたスライダを含み、スライダは、本体と、本体の第1の端部に配置されたカムと、本体の第2の端部に配置されたグリップ部分と、ハウジングの対向する側壁部の関連する軸開口部内に回転可能に配置された2つの対向する軸とを備え、スライダの本体は、開位置と閉位置との間でハウジングチャネル内の対向する軸の周りを回転するように構成される。
【0005】
1つまたは複数の実施形態は、点滴チャンバ、コネクタチューブ、およびレバー式流量調整クランプアセンブリを含む重力輸液セットを提供する。レバー式流量調整クランプアセンブリは、開放端構造を有するハウジングを含み、ハウジングは、2つの対向する側壁部であって、各々の側壁部は、底部長方形部分と上部曲線状部分を備える、側壁部と、側壁部を接続する底壁部であって、側壁部および底壁部は、ハウジングチャネルを画定し、ハウジングチャネルの底部は、点滴チューブを受け入れるように構成されたチューブチャネルを画定する、底壁部とを含む。レバー式流量調整クランプアセンブリはまた、ハウジングに結合されたスライダを含み、スライダは、本体と、本体の第1の端部に配置されたカムと、本体の第2の端部に配置されたグリップ部分と、ハウジングの対向する側壁部の関連する軸開口部内に回転可能に配置された2つの対向する軸とを備え、スライダの本体は、開位置と閉位置との間でハウジングチャネル内の対向する軸の周りを回転するように構成される。
【0006】
1つまたは複数の実施形態は、レバー式流量調整クランプアセンブリを操作する方法を提供し、この方法は、点滴チューブを、チューブチャネルを画定するハウジングチャネルの底部の長さを通して点滴チューブを延ばすことによって、レバー式流量調整クランプアセンブリ内に配置するステップと、ハウジングに結合されたスライダのグリップ部分を係合させるステップであって、スライダは、点滴チューブを通る完全な流体の流れを提供するために、スライダは、点滴チューブに接触しないか、または点滴チューブに接触するが衝突しない、開いた流量位置にある、ステップと、ハウジングチャネルの上部曲線状部分に沿ってスライダを第1の回転方向に所望の流量位置まで回転させ、こうして、スライダの端部に配置されたカムをスライダの回転角度に関連付けられた所定の移動距離だけチューブチャネル内に下向きに回転させるステップと、カムの接触面を点滴チューブ内に所定の移動距離だけ押し込み、こうして、点滴チューブを通る所定の減少した流体流量に関連する所定量だけ点滴チューブを閉塞するステップと、スライダを所望の流量位置に放置するステップであって、スライダは、スライダおよびハウジングチャネルの上部曲線状部分のうちの少なくとも一方に配置された摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックされ、摩擦力は、点滴チューブをカムに押し付ける流体力によるカムの回転傾向よりも大きい、ステップとを含む。
【0007】
開示された実施形態の前述のおよび他の構成、態様、および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面からより明らかになるであろう。
【0008】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】典型的なローラークランプを有する例示的な輸液セットの斜視図を示す。
図2図1のローラークランプの断面側面図を示す。
図3】本開示の態様に係る、IVチューブ上のレバー式流量調整クランプアセンブリの斜視図を示す。
図4】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリの斜視図を示す。
図5】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリの正面図を示す。
図6】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリの背面図を示す。
図7】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリの分解斜視図を示す。
図8】本開示の態様に係る、開いた流量位置における図3のレバー式流量調整クランプアセンブリのおよびチューブの断面側面図を示す。
図9】本開示の態様に係る、調整された流量位置における図3のレバー式流量調整クランプアセンブリおよびチューブの断面側面図を示す。
図10】本開示の態様に係る、閉じた流量位置における図3のレバー式流量調整クランプアセンブリおよびチューブの断面側面図を示す。
図11】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリのレバーに力が加えられる点の概略図を示す。
図12】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリをロックするための計算表を示す。
図13】本開示の態様に係る、ロック位置における図3のレバー式流量調整クランプアセンブリ用の計算表を示す。
図14】本開示の態様に係る、図3のレバー式流量調整クランプアセンブリのロックを解除するための計算表を示す。
図15】本開示の態様に係る、IVチューブと共にレバー式流量調整クランプアセンブリを操作する方法の概略フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に記載される詳細な説明は、主題技術の様々な構成を説明するものであり、主題技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、主題技術の完全な理解を提供する目的で、特定の詳細が含まれている。したがって、寸法は、非限定的な例として特定の態様に関して提供される。しかしながら、当業者には、主題技術がこれらの特定の詳細なしで実施することができることが明らかであろう。場合によっては、主題技術の概念が不明瞭になることを避けるために、よく知られている構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0011】
本開示は、主題技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないことを理解すべきである。ここで、主題技術の様々な態様を、特定の非限定的な例に従って開示する。本開示で説明される様々な実施形態は、所望の用途または実装に従って、様々な方法および変形で実行することができる。
【0012】
ローラークランプは通常、すべての標準的な投与セットに搭載されており、製造プロセス中に取り付けられる。ローラークランプを使用すると、ローラークランプを締めるときにチューブを挟むことによりチューブを徐々に閉塞できる。ほとんどのローラークランプは、片手で簡単に調整できる。推奨されるプロセスは、ローラークランプを完全に閉じ、クランプローラーを上方に回転させて開くときに速度を調整することである。クランプは、チューブ上の位置を保持するように設計されており、調整間の輸液速度を一定に保つ。
【0013】
ローラークランプのホイールは、ローラー本体との一時的な嵌合、チューブとホイールの係合、およびローラー本体とホイールの摩擦により、その位置に維持される。高流量の期間が続くと、ホイールがその設定位置からずれてしまい、患者への流体の供給速度が不正確になる。
【0014】
本開示は、流量調整器に関するものであり、特に、IVセットで使用するレバー式点滴流量調整クランプアセンブリに関するものである。流量調整クランプは、チューブを通って流れる医療用流体(例えば、患者に投与される薬剤の溶液または血液)の流量を調整する。通常、流体の注入には標準的な輸液セットが使用される。標準的な輸液セットの一例を図1に示す。
【0015】
輸液セットは、ゴム栓を突き刺すための鋭いスパイク、またはバッグに挿入するための丸くて鈍いスパイクのいずれかであり得る穿刺スパイク20を含む。スパイクには、流体用の1つのチャネルと、任意選択で通気用の第2のチャネルが含まれる。通常、空気が点滴チャンバ22に流入できるようにするための通気口21が穿孔スパイクの近くに存在する。通気口21には、装置内への細菌の侵入を防止するための細菌フィルタが設けられていてもよい。
【0016】
点滴チャンバ22は、点滴チャンバ22の上部に、特定のサイズの液滴を生成する液滴生成器23を有する。液滴生成器23からの液滴は、点滴チャンバ22に落ち、点滴チャンバ22が部分的に液体で満たされるようになる。これにより、患者に有害な気泡がコネクタチューブ24に入ることが防止される。点滴チャンバ22の下部開口部には粒子フィルタが設けられてもよい。
【0017】
コネクタチューブ24は、点滴チャンバ22を液体の受容部(例えば、容器または患者)に接続する。コネクタチューブ24は、通常、長さが約150cmであり、PVCから製造することができる。チューブ24は、分かりやすくするために図1では短く示されている。コネクタチューブ24は、典型的には、チューブの長さ全体にわたって連続した直径を有する。
【0018】
コネクタチューブ24の端部には、標準ルアーコーンを有する他のすべての装置部分に接続するために標準化されたルアーフィッティング25がある。当業者であれば、ルアーフィッティング25を皮下注射針(図示せず)に取り付けて、容器または患者の循環系(例えば、静脈)内に医療用流体を注入できることを理解するであろう。
【0019】
点滴チャンバ22とルアーフィッティング25との間には、ローラークランプ26があり、コネクタチューブ24と係合している。本開示は、改良されたローラークランプアセンブリに関するものであるが、背景情報として、当技術分野で知られている典型的なローラークランプ26について説明する。
【0020】
図2に示されるローラークランプ26は、互いに整列して互いに対向する一対のガイド溝30を有する2つの対向する側壁部27を有する。流量調整ローラー28は、ローラー28の両側の中心から突出する軸方向突出軸29を有して提供される。明確にするために、ローラー28は、輪郭で示されている。ローラー28のシャフト29は、図2に矢印で示されるように、ローラー28がガイド溝30を上下に移動できるように、ガイド溝30内に捕捉されて着座する。
【0021】
ローラークランプ26全体は、開放端箱状構造の4つの壁部(図1参照)を有し、コネクタチューブ24を受け入れるような寸法および構成となっている。使用中、チューブ24は、2つの対向する側壁部27、ローラー28、およびローラー28に対向するガイド壁31の間のローラークランプ26を通過する。
【0022】
ローラークランプ26では、ガイド壁31の表面は、その長さ方向に沿ってガイド溝30の下方向(例えば、図2の矢印方向)のガイド溝30の位置に向かって収束する。これにより、ローラークランプ26内のコネクタチューブ24がガイド溝30に向かって、したがってローラー28に向かって付勢される傾向がある。
【0023】
したがって、ローラー28を案内溝30に沿って矢印の方向に徐々に近づく案内壁31の方向に下方に転動させると、ローラー28がコネクタチューブ24に衝突する。ローラー28がチューブ24に衝突すると、チューブ24は、PVCなどの可撓性材料であるため圧縮され、したがって輸液チューブ24の内腔は小さくなる。このように、内腔を狭めることにより、コネクタチューブ24を通過する液体の流量を調整することができる。
【0024】
したがって、ローラークランプ26は、ローラー28とガイド壁31との間に輸液チューブ24をクランプすることによって、輸液チューブ24を通る流量を制御する。上で論じたように、ローラー28の小さな動きによりチューブ24を通る流体の流量に大きな変化が生じるため、これにより流量の粗い変化がもたらされる。また、チューブ24内の流体の力は、ローラー28に対して付勢力を及ぼすため、調整された位置からローラー28が滑る(例えば、ローラー28が後退する)ことがよくある。したがって、調整された流量を変動させることなく一貫して流れを制御する能力を備えた構造的安定性を有する流量調整クランプ設計を有することが望ましい。
【0025】
図3図10を参照すると、レバー式流量調整クランプアセンブリ100が示されている。レバー式流量調整クランプアセンブリ100は、流量調整の制御を改善するためにチューブ24を挟むためのカムプロファイルを含む。ヒンジおよびレバー機構は、レバー式流量調整クランプアセンブリ100用の機械を作り出す。機械的なてこ作用により、レバーを所望の位置に維持するための摩擦力を維持する必要性が軽減される。レバー式流量調整クランプアセンブリ100は、ハウジング110およびスライダ130を有する。
【0026】
ハウジング110は、開放端構造を有し、コネクタチューブ24などのチューブを受け入れるような寸法および構成となっている。ハウジングチャネル112は、ハウジング110の全長Lを通して配置されたU字型チャネルとして構成することができる。ハウジングチャネル112は、2つの対向する側壁部116および底壁部118を有し、ハウジングチャネル112の底部は、チューブチャネル114を画定する。チューブチャネル114は、チューブ24などのIVチューブを受け入れるように構成されている。
【0027】
各々の側壁部116は、略長方形部分113と、曲線部分115(例えば、四分の一円)とを含む。1つまたは複数の窓開口部117(例えば、観察窓)および軸開口部119が、各々の曲線部分115に配置される。1つまたは複数の摩擦パッド120が、各々の側壁部116の曲線部分115上に配置される。例えば、図3図10に示される摩擦パッド120は、曲線部分115の外周部125の形状に略一致する湾曲したストリップである。各々の曲線部分115はまた、ハウジングチャネル112内に延在する係止部材122を含み、係止部材122は、スライダ130がハウジングチャネル112の外側で開位置方向に移動することを防止するように構成される。
【0028】
スライダ130(例えば、レバー)は、ハウジングチャネル112内で回転するように構成された本体132を有する。本体132は、レバー式流量調整クランプアセンブリ100の開位置においてハウジングチャネル112内かつチューブチャネル114の外側に配置され、レバー式流量調整クランプアセンブリ100の初期流量調整位置から閉位置までチューブチャネル114内に徐々に移動するようなサイズおよび形状のカム134を有する。カム134の接触面135は、チューブ24と接触するように構成されており、カム134は、初期流量調整位置から閉位置までチューブ24に徐々に衝突する。
【0029】
本体132はまた、ハウジング110の曲線部分115を越えて延在するグリップ部分を有する。グリップ部分136は、スライダ130を操作するための使用者の親指または指のためのグリップ領域および/または係合領域を提供する。例えば、図示のグリップ部分136は、押したり引いたりするための人間工学に基づいた表面を提供する、凹んだ/湾曲したT字形を有する。本体132は、軸開口部119によって受け入れられる対向する軸138を有し、各々の軸138は、関連する軸開口部119内で回転するように構成される。摩擦パッド140は、スライダ130の本体132上に配置され、摩擦パッド140がハウジング110の摩擦パッド120と係合/相互作用するように位置決めすることができる。本開示の態様では、レバー式流量調整アセンブリ100は、ハウジング110上に摩擦パッド120のみ、スライダ130上に摩擦パッド140のみ、またはその両方を有することができる。本開示の態様では、レバー式流量調整アセンブリ100は、ハウジング110の一方の側壁部116のみに摩擦パッド120と、スライダ130の対応する側のみに摩擦パッド140を有することができるか、または摩擦パッド120、140が、それぞれ両方の側壁部116およびスライダ130の両側に存在することができる。
【0030】
使用中、チューブ24は、チューブチャネル114の2つの対向する側壁部116および底壁部118と、スライダ130の底部との間で、レバー式流量調整アセンブリ100を通過する。スライダ130を適切な方向(例えば、時計回り、反時計回り)に回転させると、カム134がチューブ24に向かって移動し、接触面135(例えば、カム134の外面)がチューブ24に衝突する。カム134がチューブ24に衝突すると、チューブ24は、PVCなどの可撓性材料であるため、圧迫され、したがって輸液チューブ24の内腔は、より小さくなる。このように、内腔を狭めることにより、コネクタチューブ24を通過する液体の流量を調整することができる。このプロセスは、スライダ130を反対方向に回転させ、カム134をチューブ24から離れる方向に移動させ、チューブ24の衝突を減少させることによって逆にすることもできる。
【0031】
また、使用中、スライダ130のグリップ部分136は、ハウジング110の曲線部分115上の目盛りマーク124に従って特定の方向に位置合わせされてもよい。ここで、目盛りマーク124は、チューブ24を通る異なる流体流量に関連するチューブ24の異なる閉塞レベルを示すことができる。例えば、スライダ130が1/8回転すると、特定の直線長さ(例えば、Xmm)のカム134の下向き衝突が生じ得る。また、チューブ24との接触領域は、カム134の接触面135の一部であってもよく、カム134は、図8図10に示されるように、形状がやや半円形であってもよい。本開示の態様によれば、カム134は、例えば、三角形、正方形、または長方形などの任意の適切な形状を有することができる。
【0032】
また、本体132と摩擦パッド120との間の所望のレベルの摩擦係合が得られるように本体132および摩擦パッド120のサイズおよび形状を構成することによって、レバー式流量調整アセンブリ100は、自動ロックすることができる。したがって、スライダ130は、本体132と摩擦パッド120との間の摩擦力がチューブ24を接触面135に押し付ける流体力によるカム134の回転傾向よりも大きいため、使用中のチューブ24とのその係合位置(例えば、チューブ24内の流体の流れ)を維持する。
【0033】
さらに使用中、レバー式流量調整アセンブリ100は、異なる操作モードを有することができる。例えば、初期設定(例えば、工場設定)では、チューブ24とカム134の接触面135との間に隙間がある隙間位置にスライダ130を有してもよい。ここで、レバー式流量調整アセンブリ100は、チューブ24上で自由にスライドすることができ、これにより、レバー式流量調整アセンブリ100をチューブ24上の所望の位置(例えば、点滴チャンバ22からある設定距離)に位置決めすることができる。
【0034】
様々な中間使用設定において、スライダ130は、軸138を中心に回転して、チューブ24内の流体の流量を調整する。スライダ130が締め付け方向(例えば、時計回り)に回転すると、カム134の接触面135がチューブ24と接触し、スライダ130が回転し続けるにつれてチューブ24にますます押し込む(例えば、閉塞する)ように進み、したがってチューブ24を通る流体の流量がさらに減少する。
【0035】
閉じた設定では、スライダ130は、必要なだけ(例えば、スライダ130のグリップ部分136が側壁部116の長方形部分113に接触する位置に)回転させ、カム134がチューブ24を完全に閉じる(例えば、狭めて閉じる)ようにし、チューブ24を通って流れる流体がごくわずかであるか、全くないようにする。したがって、レバー式流量調整アセンブリ100は操作が簡単で、チューブ24内の流体流量を制御する際に非常に安定しており、典型的なローラークランプ設計と比較して流体流量の正確な測定を提供する。
【0036】
本開示の態様によれば、レバー式流量調整アセンブリ100は、容易に組み立てることができる。例えば、ハウジング110を組み立て固定具(図示せず)内に配置し、軸138が軸開口部119に挿入されるように、スライダ130をハウジング110に挿入することができる。本開示の態様では、軸138は、レバー式流量調整アセンブリ100の確実な組み立てを維持するためにかしめられてもよい。次に、本体132が係止部材122に接触し、レバー式流量調整アセンブリ100が開位置になるように、スライダ130を位置決めすることができる。次いで、レバー式流量調整アセンブリ100を、IVセットの一部としてチューブ24上にスライド可能に取り付けることができる。
【0037】
ハウジング110およびスライダ130の各々は、効率的かつ低コストの大量生産のために成形される一体型の一部品コンポーネントとすることができるが、任意の適切な製造プロセスを使用することができる。ハウジング110およびスライダ130は、任意の適切な材料(PC、PPなど)で形成することができる。これらの材料は、成形後に柔軟になる可能性があり、耐久性があり、成形が容易で低コストであるだけでなく、組み立てに便利である。本開示の態様では、摩擦パッド120、140は、それぞれハウジング110およびスライダ130上にオーバーモールドすることができる。本開示の態様では、摩擦パッド120、140は、それぞれハウジング110およびスライダ130に接着結合することができる。
【0038】
本開示の態様では、レバー式流量調整アセンブリ100のサイズは、臨床現場で使用される典型的なローラークランプと略同じであってもよく、レバー式流量調整アセンブリ100の完全に開いた位置と完全に閉じた位置の相対位置は、典型的なローラークランプと同様であってもよく(例えば、上で開き、下で閉じる)、レバー式流量調整アセンブリ100は、重力方向独立性を有する(例えば、チューブ24上でいずれの方向を向いて配置することもできる)。本開示の態様では、摩擦パッド120、140は、ハウジング110内でのスライダ130の移動に対する抵抗を提供し、設定された流体流量からの逸脱を防止する任意の適切な材料(例えば、ゴム、シリコン)であってもよい。本開示の態様では、カム134は、スライダ130がハウジング110の曲線部分115に沿って移動する(例えば、四分の一円の移動)ときに作動する。
【0039】
図11の上部に示されるように、スライダ130は、使用中に力が加えられる複数の点A、O、B、Cを有し得る。これらの力点A、O、B、Cは、図11の下部のグラフ1100に示されるように直線的に描かれる。
【0040】
図12図14に示されるように、計算チャート1200、1300、1400は、ロックプロセス、ロック状態、およびロック解除プロセスにおけるレバー式流量調整アセンブリ100の動作について直線的に描かれた力点を使用したサンプルのてこ比計算を示している。ここで、パラメトリック解析は、チャート1200、1300、1400に示される自由体解析から導出される制約方程式に基づいて、レバー式流量調整アセンブリ100の最小化された(例えば、最適な)サイズを提供する。
【0041】
本開示の態様では、レバー式流量調整アセンブリ100は、典型的なローラークランプの臨床要件内で動作するように構成されている。例えば、レバー式流量調整アセンブリ100は、流量調整のための所望の移動範囲(例えば、点滴開始から246点滴/分まで)を提供するために片手で操作可能であり、移動量は、最小で10mmよりも大きく、目標移動量は、12mmよりも大きく、最適な移動量は、14mmよりも大きくできる。別の一例として、閉じるために必要な力(例えば、剛性)は、30N未満の最小値とすることができ、目標の閉じる力は、20N未満であり、最適な閉じる力は、20N未満とすることができる。同様に、開くために必要な力(例えば、剛性)は、40N未満の最小値とすることができ、目標の開く力は、30N未満であり、最適な開く力は、20N未満とすることができる。さらに別の基準では、操作に必要な力(例えば、剛性)は、30N未満の最小値とすることができ、目標の操作力は、20N未満であり、最適な操作力は、20N未満とすることができる。
【0042】
本開示の態様では、レバー式流量調整アセンブリ100は、時間の経過に伴うクランプドリフトを低減し、非離散的な流量設定を提供するため、部品の設計に対して流量を制限しない。本開示の態様では、レバー式流量調整アセンブリ100は、流量を設定する際に操作者の指/親指を置くことができるグリップ部分136(例えば、上面)を備えたスライダ130を有する。スライダ130はまた、摩擦パッド140を有し、チューブ24(例えば、IVライン)に力が加えられるとレバーのように動作する。したがって、流量を設定する必要がある場合、操作者はスライダ130のグリップ部分136に指または親指を置き、スライダ130をその軸線の周りに回転させ、その結果、スライダ130の他端(例えば、カム134)は、チューブ24に力を加え、したがって流量を変化させる。
【0043】
所望の流量が設定されると、スライダ130は、スライダ130およびハウジング110の摩擦パッド120、140の相互作用によって適所に保持される。この位置では、チューブ24によってスライダ130に加えられるトルクは、摩擦パッド120、140によって加えられるトルクによって打ち消される。ここで、回転軸からスライダ130上の摩擦パッド140までの距離は、チューブ24から軸線までの距離よりも大幅に長いため、チューブの力のバランスを取るために必要な摩擦力は大幅に小さくなる。流量を増加させたい場合、操作者は、スライダ130のグリップ部分136に指/親指を置き、チューブ24から離れるようにスライダ130を回転させ、これにより、チューブ24にかかる力が減少し、したがって流量が増加する。
【0044】
図15を参照すると、レバー式流量調整クランプアセンブリを操作する方法300が提供される。ステップ310では、流量調整クランプアセンブリが開いた流量位置にある(例えば、カムがチューブ24に接触していないか、またはチューブ24に接触しているが衝突していない位置で、スライダ130が係止部材122に接触している)状態で、管類(例えば、チューブ24)が、流量調整クランプアセンブリ(例えば、レバー式流量調整クランプアセンブリ100)内に設置または配置される。ステップ320では、レバー(例えば、スライダ130)が回されて/回転されて、レバー式流量調整クランプアセンブリの一部がチューブに接触する(例えば、カム134の接触面135がチューブ24に接触する)。ステップ330では、レバーをさらに回して/回転させてチューブを閉塞し、チューブの衝突が所望の流体流量に達するようにする(例えば、カム134がチューブ24に衝突して、チューブ24の内部容積を制限する)。所望の流体流量が達成されると、ステップ340において、レバーは、ロックまたは固定部材を必要とせずに適所に残される(例えば、摩擦パッド120、140の間の摩擦力により、スライダ130が適所に維持される)。
【0045】
本開示の1つまたは複数の実施形態では、レバー式流量調整クランプアセンブリは、開放端構造を有するハウジングと、ハウジングに結合されたスライダとを備え、ハウジングは、2つの対向する側壁部であって、各々の側壁部は、底部長方形部分と上部曲線状部分を備える、側壁部と、側壁部を接続する底壁部であって、側壁部および底壁部は、ハウジングチャネルを画定し、ハウジングチャネルの底部は、点滴チューブを受け入れるように構成されたチューブチャネルを画定する、底壁部とを備え、スライダは、本体と、本体の第1の端部に配置されたカムと、本体の第2の端部に配置されたグリップ部分と、ハウジングの対向する側壁部の関連する軸開口部内に回転可能に配置された2つの対向する軸とを備え、スライダの本体は、開位置と閉位置との間でハウジングチャネル内の対向する軸の周りを回転するように構成される。
【0046】
本開示の態様では、少なくとも1つの上部曲線状部分は、ハウジングチャネル内への視界を提供する1つまたは複数の窓開口部を備える。本開示の態様では、摩擦パッドが、スライダの本体と上部曲線状部分との間に所定レベルの摩擦係合を提供するように構成される。本開示の態様では、摩擦パッドは、上部曲線状部分の内面に面するスライダの本体の表面上に配置される。本開示の態様では、摩擦パッドは、上部曲線状部分の内面に配置される。本開示の態様では、摩擦パッドは、上部曲線状部分の湾曲した周辺部の形状に一致する曲線状ストリップである。本開示の態様では、別の摩擦パッドが、上部曲線状部分の内面に配置された摩擦パッドに面するスライダの本体の表面上に配置される。本開示の態様では、摩擦パッドは、点滴チューブを通る流体の流れの間に、点滴チューブに対するスライダの係合位置を維持するように構成される。本開示の態様では、レバー式流量調整クランプアセンブリは、点滴チューブをカムに押し付ける流体力によるカムの回転傾向よりも大きい摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックするように構成される。
【0047】
本開示の態様では、スライダのグリップ部分は、ハウジングの上部曲線状部分を越えて延在し、外力によって押されるか引かれるかするための表面を提供するように構成される。本開示の態様では、複数の目盛りマークが曲線状部分のうちの少なくとも1つの外面に配置され、目盛りマークは、チューブチャネル内に配置された点滴チューブの閉塞レベルを示すように構成され、各々の閉塞レベルは、点滴チューブを通る流体の流量に関連付けられる。本開示の態様では、スライダが開位置にあるとき、レバー式流量調整アセンブリは、点滴チューブ上で自由にスライドするように構成される。本開示の態様では、スライダが開位置にあるとき、カムは、点滴チューブを通る完全な流体の流れに対して、点滴チューブに触れないか、または点滴チューブに軽く接触する。本開示の態様では、スライダが閉位置にあるとき、カムは、点滴チューブに完全に衝突しており、点滴チューブを通る流体の流れがなくなる。本開示の態様では、少なくとも1つの上部曲線状部分は、ハウジングチャネル内に延在する係止部材を備え、係止部材は、スライダが開位置を超えてハウジングチャネルの外側で回転することを防止するように構成される。本開示の態様では、少なくとも1つの底部長方形部分の上面は、スライダの本体の第2の端部が閉位置を超えてチューブチャネル内へと回転することを防止するように構成された係止面を備える。
【0048】
本開示の1つまたは複数の実施形態では、輸液セットは、点滴チャンバと、コネクタチューブと、レバー式流量調整クランプアセンブリとを備え、レバー式流量調整クランプアセンブリは、開放端構造を有するハウジングと、ハウジングに結合されたスライダとを備え、ハウジングは、2つの対向する側壁部であって、各々の側壁部は、底部長方形部分と上部曲線状部分を備える、側壁部と、側壁部を接続する底壁部であって、側壁部および底壁部は、ハウジングチャネルを画定し、ハウジングチャネルの底部は、点滴チューブを受け入れるように構成されたチューブチャネルを画定する、底壁部とを備え、スライダは、本体と、本体の第1の端部に配置されたカムと、本体の第2の端部に配置されたグリップ部分と、ハウジングの対向する側壁部の関連する軸開口部内に回転可能に配置された2つの対向する軸とを備え、スライダの本体は、開位置と閉位置との間でハウジングチャネル内の対向する軸の周りを回転するように構成される。
【0049】
本開示の態様では、摩擦パッドは、スライダの本体と上部曲線状部分との間に所定レベルの摩擦係合を提供するように構成され、レバー式流量調整クランプアセンブリは、点滴チューブをカムに押し付ける流体力によるカムの回転傾向よりも大きい摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックするように構成される。本開示の態様では、少なくとも1つの上部曲線状部分は、ハウジングチャネル内に延在する係止部材を備え、係止部材は、スライダが開位置を超えてハウジングチャネルの外側で回転することを防止するように構成され、少なくとも1つの底部長方形部分の上面は、スライダの本体の第2の端部が閉位置を超えてチューブチャネル内へと回転することを防止するように構成された係止面を備える。
【0050】
本開示の1つまたは複数の実施形態では、レバー式流量調整クランプアセンブリを操作する方法は、点滴チューブを、チューブチャネルを画定するハウジングチャネルの底部の長さを通して点滴チューブを延ばすことによって、レバー式流量調整クランプアセンブリ内に配置するステップと、ハウジングに結合されたスライダのグリップ部分を係合させるステップであって、スライダは、点滴チューブを通る完全な流体の流れを提供するために、スライダは、点滴チューブに接触しないか、または点滴チューブに接触するが衝突しない、開いた流量位置にある、ステップと、ハウジングチャネルの上部曲線状部分に沿ってスライダを第1の回転方向に所望の流量位置まで回転させ、こうして、スライダの端部に配置されたカムをスライダの回転角度に関連付けられた所定の移動距離だけチューブチャネル内に下向きに回転させるステップと、カムの接触面を点滴チューブ内に所定の移動距離だけ押し込み、こうして、点滴チューブを通る所定の減少した流体流量に関連する所定量だけ点滴チューブを閉塞するステップと、スライダを所望の流量位置に放置するステップであって、スライダは、スライダおよびハウジングチャネルの上部曲線状部分のうちの少なくとも一方に配置された摩擦パッドからの摩擦力に基づいて自動ロックされ、摩擦力は、点滴チューブをカムに押し付ける流体力によるカムの回転傾向よりも大きい、ステップとを含む。
【0051】
開示されたプロセスの方法におけるブロックの特定の順序または階層は、アプローチ例を例示するものであることが理解される。設計または実装の好みに基づいて、プロセス内のブロックの特定の順序または階層は再配置できること、または図示されたすべてのブロックが実行されることが理解される。いくつかの実装形態では、ブロックのうちのいずれかは、同時に実行され得る。
【0052】
本開示は、当業者が本明細書に記載された様々な態様を実施できるようにするために提供される。本開示は、主題技術の様々な例を提供し、主題技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、他の態様に適用してもよい。
【0053】
単数形の要素への言及は、特に明記されていない限り、「1つおよび1つだけ」を意味することを意図しているものではなく、「1つまたは複数」を意味することを意図している。特に断りのない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。男性形の代名詞(例えば、彼の(his))には、女性形と中性形(例えば、彼女の(her)およびそれの(its))が含まれ、逆もまた同様である。見出しおよび小見出しは、もしあれば、便宜上のみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0054】
「例示的」という単語は、本明細書では、「例または例示として役立つこと」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書に記載されている任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。一態様では、本明細書で説明される様々な代替構成および操作は、少なくとも均等であると見なすことができる。
【0055】
本明細書で使用される場合、一連の項目の前にある「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、任意の項目を区切る「または(or)」という用語とともに、リストの各々の項目ではなくリスト全体を修飾する。「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、少なくとも1つの項目を選択する必要はなく、むしろ、この表現は、項目のいずれか1つの少なくとも1つ、および/または項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または項目の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、またはCのみ、あるいはA、B、およびCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0056】
「態様」などの語句は、そのような態様が主題技術に不可欠であること、またはそのような態様が主題技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一態様に関する開示は、すべての構成、または1つまたは複数の構成に適用することができる。一態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。一態様などの語句は、1つまたは複数の態様を指すことができ、その逆も同様である。「実施形態」などの語句は、そのような実施形態が主題技術に不可欠であること、またはそのような実施形態が主題技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施形態に関する開示は、すべての実施形態、または1つまたは複数の実施形態に適用することができる。一実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。一実施形態のような語句は、1つまたは複数の実施形態を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」などの語句は、そのような構成が主題技術に不可欠であること、またはそのような構成が主題技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成、または1つまたは複数の構成に適用することができる。一構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。このような一構成のような語句は、1つまたは複数の構成を指すことができ、逆もまた同様である。
【0057】
一態様では、別段の記載がない限り、すべての測定値、値、評価、位置、大きさ、サイズ、および以下の特許請求の範囲を含む本明細書に記載されているその他の仕様は概算であり、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関係する機能およびそれらが関係する技術分野で通例のものと一致する合理的な範囲を有することを意図している。
【0058】
開示されるステップ、操作、またはプロセスの特定の順序または階層は、例示的なアプローチの例示であることが理解される。設計の好みに基づいて、ステップ、操作、またはプロセスの特定の順序または階層を再配置できることが理解される。ステップ、操作、またはプロセスのうちの一部は、同時に実行され得る。ステップ、操作、またはプロセスの一部またはすべては、使用者の介入なしに自動的に実行され得る。添付の方法請求項は、存在する場合には、様々なステップ、操作、またはプロセスの要素をサンプルの順序で示しており、提示された特定の順序または階層に限定されることを意味するものではない。
【0059】
当業者に知られている、または後に知られるようになる、本開示を通じて説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることが意図される。さらに、本明細書に開示されたものは、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかに関係なく、一般に公開されることを意図したものではない。クレーム要素は、その要素が「ための手段(means for)」という語句を用いて明示的に述べられていないか、方法クレームの場合には「ためのステップ(step for)」という語句を用いて述べられていない限り、35 U.S.C.§112(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。さらに、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が使用される範囲において、そのような用語は、「備える(comprise)」が請求項において転換語として採用される場合に解釈されるときの「備える(comprise)」と同様の方法で包括的であることを意図している。
【0060】
本開示の名称、背景、概要、図面の簡単な説明、および要約は、本開示に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な例として提供される。それらは、請求項の範囲または意味を制限するために使用されないことを理解して提出される。また、詳細な説明では、説明が例示的な例を提供し、開示を簡素化する目的で、様々な構成が様々な実施形態にまとめられていることがわかる。この開示方法は、特許請求された主題が、各々の請求項で明示的に記載されているよりも多くの構成を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、開示された単一の構成または操作のすべての構成よりも少ない構成にある。以下の請求項は、詳細な説明に組み込まれ、各々の請求項は別々に請求される主題として独立している。
【0061】
請求項は、本明細書に記載された態様に限定されることを意図したものではなく、文言上の請求項と一致する完全な範囲が与えられ、すべての法的均等物を包含するものである。それにもかかわらず、いずれの請求項も、35 U.S.C.§101、§102、または§103の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、またそのように解釈されるべきでもない。
図1
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【国際調査報告】