(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理
(51)【国際特許分類】
A47J 37/12 20060101AFI20240711BHJP
A23L 5/10 20160101ALN20240711BHJP
G01N 21/27 20060101ALN20240711BHJP
【FI】
A47J37/12 351
A23L5/10 D
G01N21/27 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024500658
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2022068588
(87)【国際公開番号】W WO2023280853
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514054823
【氏名又は名称】ジーイーエイ・フード・ソリューションズ・バーケル・ベスローテン・フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】ファン・アープ,ヨースト
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ランクフェルト,ルク
【テーマコード(参考)】
2G059
4B035
4B059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059CC14
2G059EE13
2G059HH02
2G059KK04
4B035LC05
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4B059BF08
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4B059BG08
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4B059DA09
(57)【要約】
本発明は、食品を揚げるフライヤ1を備える食品加工ラインであって、揚げ油10を収容するフライ槽11と、フライ槽11と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンク28.I、28.III、28.Vと、ガイドウェーブレーダーセンサ21と、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定データに基づいて、フライ槽11内に収容された揚げ油10の誘電率を確定する分析ユニット24、及び/又は、フライ槽11内又は少なくとも1つの貯留タンク28.I、28.III、28.V内の揚げ油10の色を確定する光学センサ18とを備え、食品加工ラインは、制御ユニット25を更に備え、制御ユニット25は、ガイドウェーブレーダーセンサ21及び/又は光学センサ18の測定値に基づいて、交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽11と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンク28.I、28.III、28.Vから、フライ槽11への流入、及び/又は、使用済み揚げ油の、フライ槽11から、好ましくはフライ槽11と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンク28.I、28.III、28.Vへの流出を制御するように構成される、食品加工ラインに関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を揚げるフライヤ(1)を備える食品加工ラインであって、
揚げ油(10)を収容するフライ槽(11)と、
任意選択で、チャンバ、特に、前記フライ槽(11)の一部であるか又は前記フライ槽(11)に流体接続されるポンプチャンバ(17)と、
を備え、
該食品加工ラインは、前記フライ槽(11)と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)を更に備え、
該食品加工ラインは、
ガイドウェーブレーダーセンサ(21)と、
前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)内及び/又は前記チャンバ内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率を確定する分析ユニット(24)、及び/又は、
前記フライ槽(11)内又は前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内の前記揚げ油(10)の色を確定する光学センサ(18)と、
を更に備え、
該食品加工ラインは、制御ユニット(25)を更に備え、前記制御ユニット(25)は、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)及び/又は前記光学センサ(18)の測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)から、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)への流出、
を制御するように構成される、食品加工ライン。
【請求項2】
前記フライヤ(1)は、食品を連続的に揚げるように構成され、前記フライ槽(11)を通して揚げられる食品を搬送する少なくとも1つのコンベヤ(2)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の食品加工ライン。
【請求項3】
前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、前記フライ槽(11)内、特に、前記フライ槽の一部であるポンプチャンバ(17)内に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項4】
少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサが、揚げ油用の前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項5】
第1のタイプの交換用油、特に新鮮な油を含む第1の貯留タンク(28.I)と、第2のタイプの交換用油、特にまだ使用可能な揚げ油を含む第2の貯留タンク(28.III)と、これ以上使用することができない第3のタイプの交換用油を含む第3の貯留タンク(28.V)とを特徴とする、請求項4に記載の食品加工ライン。
【請求項6】
前記制御ユニット(25)は、前記貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に配置された前記少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に更に基づいて、交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)から、前記フライ槽(11)への前記流入、及び/又は、使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)への前記流出を制御するように構成されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の食品加工ライン。
【請求項7】
前記分析ユニットは、空気と前記揚げ油(10)との間の界面における信号反射に関連する前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の誘電率を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項8】
前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項9】
前記分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の食品加工ライン。
【請求項10】
前記フライヤ(1)は、前記フライ槽(11)内、特に前記ポンプチャンバ(17)内の前記揚げ油(10)の温度を測定する温度センサを備え、前記分析ユニットは、前記揚げ油(10)の前記測定された温度に更に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の食品加工ライン。
【請求項11】
前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記フライ槽(11)内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項12】
誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶するように構成されるメモリユニットを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項13】
前記分析ユニットは、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、前記フライ槽(11)内及び/又は前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンク内の前記揚げ油(10)の充填レベルを確定するように構成されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項14】
前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に、警告を発するように構成されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項15】
前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測するように構成されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項16】
前記分析ユニットは、前記予測された寿命の終了が食品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて警告を発するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の食品加工ライン。
【請求項17】
前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、静止筒を備えることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項18】
前記フライ槽(11)に流体接続される外部フィルタ(40)を特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の食品加工ライン。
【請求項19】
前記制御ユニット(25)は、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)及び/又は前記光学センサ(18)の測定値に基づいて、前記外部フィルタ(40)を制御するように更に構成されることを特徴とする、請求項18に記載の食品加工ライン。
【請求項20】
フライヤ(1)のフライ槽(11)内で食品を揚げる方法であって、
前記フライ槽(11)は、揚げ油(10)又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤ(2)が、前記フライ槽(11)を通して前記揚げられる食品を搬送し、少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)が、前記フライ槽(11)と流体連通して配置され、
該方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
分析ユニットが、ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)内、又は前記フライ槽(11)の一部であるチャンバ若しくは前記フライ槽(11)に流体接続されるチャンバ内に収容される前記揚げ油(10)の誘電率を確定するステップと、
光学センサ(18)が、前記フライ槽(11)内又は前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内の前記揚げ油の色を確定するステップと、
のうちの1つ又は全てを含み、
該方法は、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)及び/又は前記光学センサ(18)の測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)から、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)への流出、
を制御することを更に含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に産業規模における食品の揚げ調理の分野に関する。具体的には、本発明は、揚げ油を収容するフライ槽を備える、食品を揚げるフライヤに関する。本発明はさらに、フライヤのフライ槽内で食品を揚げる方法に関し、フライ槽は、揚げ油又は融解したフライ用油脂を収容する。
【背景技術】
【0002】
揚げ調理のプロセスは、高温、特に180℃~190℃の範囲の揚げ油及び/又は融解したフライ用油脂内に、食品を部分的に浸す(揚げ焼き調理(shallow-frying))又は完全に浸す(揚げ調理(deep-frying))という調理を含む。産業規模のフライヤは、典型的に、揚げ油を収容するフライ槽を通して揚げられる食品を搬送するコンベヤを備える。使用中、揚げ油の化学組成は変化する。新鮮な状態では、揚げ油は相当量の極性物質を含まない。揚げ油を使用し続けると、油が分解し、極性物質の量が増加する。極性物質総量(TPM)が24%~27%の範囲に達すると、揚げ油は消費に好適でないとみなされ、したがって、交換用揚げ油に交換するか又は新しくすべきである。
【0003】
極性物質総量は、静電容量測定によって、したがって、揚げ油内に浸されたコンデンサの静電容量を測定することによって確定することができる。キッチンフライヤにおけるTPMを確定する静電容量測定器具が市販されている。これらの器具のうちの1つに、Testo SE & Co. KGaA社によって提供されているtesto 270調理油テスタがある。
【0004】
同様の測定技法は、キッチンで使用されるバッチフライヤを開示している特許文献1から既知である。バッチフライヤのフライ用バットを出る油を受け取るためにバッチフライヤに取り付けることができる油キャディが設けられる。油キャディは、油の静電容量を測定するセンサを備え、油の品質は、油中に存在する極性物質総量(TPM)に関して測定された静電容量から導出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に照らして、本発明の目的は、産業規模のフライヤにおいて使用される揚げ油の品質を確定及び制御することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この関心事項によりよく対処するために、本発明の第1の態様において、食品を揚げるフライヤを備える食品加工ラインであって、フライ槽と、任意選択で、チャンバ、特に、フライ槽の一部であるか又は揚げ油を収容するフライ槽に流体接続されるポンプチャンバとを備え、食品加工ラインは、フライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクを更に備え、食品加工ラインは、ガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、フライ槽内及び/又はチャンバ内に収容された揚げ油の誘電率を確定するガイドウェーブレーダーセンサ、及び/又はフライ槽内又は少なくとも1つの貯留タンク内の揚げ油の色を確定する光学センサを更に備え、食品加工ラインは、制御ユニットを更に備え、制御ユニットは、ガイドウェーブレーダーセンサ及び/又は光学センサの測定値に基づいて、交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクへの流出を制御するように構成される、食品加工ラインが提示される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、フライヤのフライ槽内で食品を揚げる方法であって、フライ槽は、揚げ油又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤが、フライ槽を通して揚げられる食品を搬送し、少なくとも1つの貯留タンクが、フライ槽と流体連通して配置され、本方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
分析ユニットが、ガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、フライ槽内、又はフライ槽の一部であるチャンバ若しくはフライ槽に流体接続されるチャンバ内に収容される揚げ油の誘電率を確定するステップと、
光学センサが、フライ槽内又は少なくとも1つの貯留タンク内の揚げ油の色を確定するステップと、
のうちの1つ又は全てを更に含み、
本方法は、ガイドウェーブレーダーセンサ及び/又は光学センサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクへの流出、
を制御することを更に含む、方法が提示される。
【0009】
ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽内の揚げ油の誘電率を確定することを可能にする。確定された誘電率に基づいて、フライ槽内の揚げ油の品質を確定することができる。ガイドウェーブレーダーセンサは、誘電率のインラインでのリアルタイムの確定を更に可能にし、それにより、産業規模のフライヤにおける食品の処理を向上することができる。
【0010】
導電センサ及び/又は静電容量センサと比較して、ガイドウェーブレーダーセンサは、インライン測定を可能にするだけでなく、広範な温度、例えば、0℃~190℃の範囲、特に0℃~180℃の範囲の温度において、揚げ油の誘電率の信頼性のある測定を行うことも可能にする。ガイドウェーブレーダーセンサは、揚げ油内に浮遊する汚れ、例えば、焦げたパン粉による影響を受けない。
【0011】
光学センサは、フライ槽内又は少なくとも1つの貯留タンク内の揚げ油の色の確定を可能にする。揚げ油の色は、人間の目の視覚的認識に関連し、すなわち、光学センサは、スペクトルのうち人間による可視部分における光を検出することが可能である。色は、色数値又は複数の色値若しくは色成分の組合せの形態で確定することができる。光学センサは、カメラ、特にデジタルカメラ、例えば、CCDカメラ又はCMOSカメラとすることができる。
【0012】
本発明によれば、フライ槽は、揚げ油を収容することができる。揚げ油は、フライ槽内で食品を揚げるのに使用することができる。代替的に、フライ槽は、純水、又は水及び洗浄剤を含む組成物、又は水及び不純物、例えば、油脂、油、若しくは汚れを含む組成物の残留物又は部分を含み得る。水は、フライ槽を洗浄するためにフライ槽内に収容することができる。
【0013】
本発明によれば、分析ユニットは、フライヤの制御システムの一部とすることができ、及び/又はフライヤの制御システムとは別個のユニットとすることができ、及び/又はフライヤが一部となる食品加工ラインの制御システムの一部とすることができ、及び/又は集中制御システムの一部とすることができ、及び/又はガイドウェーブレーダーセンサの一部とすることができる。分析ユニットは、プロセッサ、特にプログラマブルプロセッサを備えることができる。
【0014】
ガイドウェーブレーダーセンサは、信号を生成するレーダー送信器、レーダー送信器に結合され、揚げ油に向かって及び/又は揚げ油を通して波をガイドする導波管、及び/又は、揚げ油及び/又は槽の壁によって反射された波を受信するレーダー受信器を備えることができる。ガイドウェーブレーダーセンサ、特にガイドウェーブレーダーセンサの導波管は、揚げ油内に部分的に配置することができる。導波管は、金属、特に鋼から構築することができる。導波管は、ロッド又はロープの形態を有することができる。例えば、ガイドウェーブレーダーセンサ、特にガイドウェーブレーダーセンサの導波管の先端部は、揚げ油内に浸すことができる。ガイドウェーブレーダーセンサは、送信器によって導波管を介して送信され、揚げ油及び/又は槽の壁によって反射された後、受信器によって受信される信号の飛行時間を測定するように構成されることが好ましい。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、静止筒(stilling well)を備える。静止筒は、静止管(stilling pipe)として実装することができる。静止筒は、揚げ油の流れ、揚げ油中の不純物、周囲構造、及び機械的衝撃等の外乱の影響を低減するように、ガイドウェーブレーダーセンサの導波管を囲むことができる。静止筒は、1つ以上の開口を備え、これらの開口を通って、揚げ油が静止筒の外部から内部に、またその逆に流れることができることが好ましい。1つ以上の開口は、静止筒の外殻表面に配置することができる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤは、食品を連続的に揚げるように構成され、フライ槽を通して揚げられる食品を搬送する少なくとも1つのコンベヤを備える。コンベヤは、フライヤの製品入口からフライヤの製品出口に食品を搬送するように構成されることが好ましい。コンベヤは、ベルト、特に無端ベルトを備えることができる。ベルトは、ベルトを通る揚げ油の流れを可能にするように、メッシュベルトとして実装することができる。フライヤは、製品が揚げ油の流体レベルまで浮上するのを防ぐ油浸コンベヤを更に備えることができる。油浸コンベヤは、ベルト、特に無端ベルトを備えることができる。ベルトは、ベルトを通る揚げ油の流れを可能にするように、メッシュベルトとして実装することができる。油浸コンベヤは、コンベヤの上方に配置されることが好ましい。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽内に配置される。それにより、揚げ油の品質は、揚げ調理プロセスが行われる場所において直接確定することができる。
【0018】
本発明の特に好ましい実施の形態によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽の一部であるポンプチャンバ内に配置される。ポンプチャンバは、フライヤ内の揚げ油を循環させるように機能するポンプを備える。ポンプチャンバ及びフライ槽は、ポンプチャンバにおける揚げ油とフライ槽内の揚げ油とが同じレベルで平衡するように、連通槽として流体接続されることが好ましい。
【0019】
本発明の更に好ましい実施の形態によれば、少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサは、揚げ油用の貯留タンク内に配置される。揚げ油を貯留するために、1つ以上の貯留タンクをフライヤに流体接続することができる。例えば、1つの貯留タンクは、第1のタイプの交換用油(新鮮な油)を含み、別の貯留タンクは、第2のタイプの交換用油(まだ使用可能な揚げ油)を含み、別の貯留タンクは、例えばTPMのパーセンテージが高すぎるためにこれ以上使用することができない揚げ油を含む。いずれの貯留タンクも、それぞれの貯留タンク内の揚げ油の誘電率を確定する追加のガイドウェーブレーダーセンサ、及び/又は揚げ油の色を確定する光学センサを備えることが好ましい。いずれの貯留タンクも、貯留タンクを充填する/空にするためにフライヤに接続される弁及び/又はポンプを備えることが好ましい。分析ユニットは、貯留タンク(複数の場合もある)内に配置される追加のガイドウェーブレーダーセンサ(複数の場合もある)の測定データに基づいて、それぞれの貯留タンク内の揚げ油の誘電率を確定するように更に構成されることが好ましい。
【0020】
本発明の更に好ましい実施の形態によれば、少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽と少なくとも1つの貯留タンク、好ましくは複数の貯留タンクとを流体接続する配管内に配置される。配管内の追加のガイドウェーブレーダーセンサにより、揚げ油は、配管内で検出することができる。これは、揚げ油がフライ槽から排出される場合に役立ち得る。それにより、フライ槽を空にした後に配管内に揚げ油が残ること、及び後続の洗浄ステップにおいて洗浄水と混合されることを防止することができる。さらに、洗浄ステップが終了した後、フライ槽に揚げ油を充填する前に、配管から洗浄水が除去されない場合を防止することができる。したがって、揚げ油と洗浄水との望ましくない混合を回避することができる。配管内に配置される追加のガイドウェーブレーダーセンサを使用して、配管内に洗浄剤が残っているか否かを判断し、配管から全ての洗浄剤を除去するために(更なる)濯ぎステップが必要であるか否かを決定することもできる。
【0021】
制御ユニットは、貯留タンク内に配置される少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサ及び/又は配管内に配置される少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に更に基づいて、交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクへの流出を制御するように構成されることが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、空気と揚げ油との間の界面における信号反射に関連するガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、槽内の揚げ油の誘電率を確定するように構成される。本発明に係る方法は、分析ユニットが、空気と揚げ油との界面における信号反射に関連するガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、槽内の揚げ油の誘電率を確定することを含むことが好ましい。特に、揚げ油の誘電率は、空気と揚げ油との界面において反射された信号の振幅に応じて確定される。反射された信号がより強くなるほど、揚げ油のより高い誘電率に関連することが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、特に或る特定の油温度において確定された誘電率に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成される。本発明に係る方法は、分析ユニットが、確定された誘電率に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定することを含むことが好ましい。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成される。本発明に係る方法において、分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定することが好ましい。較正データは、特に或る特定の油温度における揚げ油の誘電率に応じて、及び任意選択で揚げ油のタイプに応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の遊離脂肪酸の量の関係を含むことが好ましい。この関係は、数学的関数又はルックアップテーブルとすることができる。特に極性物質総量に関する較正データは、静電容量センサを使用した測定によって生成することができる。代替的に又は加えて、特に遊離脂肪酸に関する較正データは、試験ストリップ又はFTIRを使用した測定によって生成することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤは、フライ槽内、特にポンプチャンバ内の揚げ油の温度を測定する温度センサを備え、分析ユニットは、揚げ油の測定温度に更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成される。本発明に係る方法において、フライヤの温度センサは、フライ槽内の揚げ油の温度を測定し、分析ユニットは、揚げ油の測定温度に更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定することが好ましい。較正データは、温度に依存し得る。したがって、較正データは、揚げ油の誘電率に応じて、及び温度に応じて、及び任意選択で揚げ油のタイプに応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の遊離脂肪酸の量の関係を含むことが好ましい。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、確定された誘電率に応じて、フライ槽内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定するように構成される。本発明に係る方法において、分析ユニットは、確定された誘電率に応じて、フライ槽内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定することが好ましい。それにより、洗浄剤及び/又は水の残留物は、フライ槽内及び/又は揚げ油内で検出することができる。フライ槽内の異物の量に応じて、フライヤの動作を制御及び/又は停止することができる。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤ、食品加工ライン、集中制御システム、及び/又はガイドウェーブレーダーセンサは、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶するように構成されるメモリユニットを備える。本発明に係る方法は、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶することを含むことが好ましい。誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過は、ログファイル、好ましくは揚げられる食品の各バッチのログファイル内に記憶することができる。ログファイルは、品質管理のために保持することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、それぞれのガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、フライ槽内及び/又はフライ槽と流体連通して配置される貯留タンク内の揚げ油の充填レベルを確定するように構成される。本発明に係る方法において、分析ユニットは、それぞれのガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、フライ槽内及び/又は貯留タンク内の揚げ油の充填レベルを確定することが好ましい。充填レベルは、揚げ油の表面、すなわち、空気-油界面における信号の反射を測定することによって確定することができる。分析ユニットは、反射された信号の測定された飛行時間に基づいて、送信器と揚げ油の表面との間の距離を計算することができる。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に警告を発するように構成される。本発明に係る方法において、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に警告を発することが好ましい。閾値は、例えば、20%~22%の範囲の極性物質総量とすることができる。警告は、機械のユーザ、例えば、揚げ油を交換することができる又はフライヤの槽及び/又は貯留タンクに交換用揚げ油を追加することができる機械監督者によって認識することができる。
【0030】
本発明によれば、フライヤ及び/又は食品加工ラインは、制御ユニットを備え、制御ユニットは、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクへの流出、
を制御するように構成される。
【0031】
本発明に係る方法において、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクへの流出、
が制御されることが想定される。
【0032】
交換用揚げ油は、新鮮な揚げ油、又は誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関する或る特定の最大要件を満たす揚げ油とすることができる。それにより、フライヤ内の揚げ油の品質は、所定の品質範囲に自動的に調整することができる。例えば、フライヤは、分析ユニットによって、揚げ油の品質が所定の閾値よりも降下したと判断した場合、例えば、極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、交換用揚げ油を貯留タンクから槽に自動的に追加することができる。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測するように構成される。本発明の方法において、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了が予測されることが好ましい。揚げ油の寿命の終了が予測される場合、揚げ油を交換すること、及び/又は、例えば、フライ槽内の揚げ油に交換用揚げ油を追加することによって揚げ油を再生することを事前に計画することが可能である。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、予測された寿命の終了が製品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて警告を発するように構成される。本発明の方法において、予測された寿命の終了が製品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて警告を発することが好ましい。警告は、処理される食品の現在のバッチの終了前に、揚げ油を交換する又は揚げ油を再生することが必要であることを示すことができる。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライ槽及び/又は少なくとも1つの貯留タンクは、揚げ油の酸化を監視するセンサを備える。フライ槽及び/又は少なくとも1つの貯留タンクは、揚げ油の粘度を測定する粘度センサを備えることが好ましい。フライ槽及び/又は少なくとも1つの貯留タンクは、揚げ油の照度及び/又は揚げ油の極性を監視する光センサを備えることが好ましい。粘度及び/又は照度及び/又は極性を確定することにより、揚げ油中の遊離脂肪酸の量を導出することが可能になり得る。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態によれば、食品加工ラインは、フライ槽に流体接続される外部フィルタを備える。外部フィルタは、全自動自浄圧力フィルタ、例えば、Oberlin高温油フィルタであることが好ましい。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態によれば、制御ユニットは、ガイドウェーブレーダーセンサ及び/又は光学センサの測定値に基づいて外部フィルタを制御するように更に構成される。外部フィルタは、油圧力、油流量、油の速度、移動フィルタ手段の速度、真空設定、及び滞留時間等の動作パラメータ及び/又は動作特性を設定することによって制御されることが好ましい。
【0038】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載された実施の形態を参照することによって明らかになり、また、解明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1a】本発明の一実施形態に係る食品加工ラインのフライヤの斜視図である。
【
図1b】
図1aに示されているフライヤの内部を示す図である。
【
図2】
図1に係るフライヤにおいて使用されるガイドウェーブレーダーセンサを示す図である。
【
図3】
図1に係るフライヤにおいて使用される別のガイドウェーブレーダーセンサを示す図である。
【
図5】フライヤと、接続された貯留タンクとを備える、本発明の一実施形態に係る食品加工ラインを示す図である。
【
図6】フライヤと外部フィルタとを備える、本発明の別の実施形態に係る食品加工ラインを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1a及び
図1bは、本発明の一実施形態に係る食品加工ラインのフライヤ1を示している。フライヤ1は、連続動作する産業規模のフライヤとして構成される。フライヤ1は、フライ槽11と、フライ槽11を通して揚げられる食品を搬送する主コンベヤ2とを備える。フライヤ1は、通常動作中、食品がフライヤ1に入る際に通る製品入口8を備える。製品入口8の反対側において、フライヤ1は、食品が揚げられた後にフライヤ1を出る際に通る製品出口9を有する。フライヤ1の主コンベヤ2は、食品を製品入口8から製品出口9に搬送するように構成される。主コンベヤ2は、無端メッシュベルトとして実装される少なくとも1つのベルト4、5を備える。実施形態によれば、主コンベヤ2は、2つのベルト4、5を備える。フライヤ1は、製品が揚げ油表面に浮上するのを防ぐ油浸コンベヤ6を更に備えることができる。油浸コンベヤ6も、ベルト、特に無端メッシュベルトを有する。油浸コンベヤ6は、主コンベヤ2の上方に配置される。フライヤ1は、汚れ除去装置33を更に備える。フライヤ1の動作を制御するために、フライヤ1は、制御システム27を備える。代替的に又は加えて、フライヤ1は、フライヤ1を備える食品加工ラインの制御システム及び/又は集中制御システムによって制御することができる。
【0041】
フライ槽11内の揚げ油の品質を確定するために、フライヤ1は、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定データに基づいて、フライ槽11内に収容された揚げ油10の誘電率を確定するガイドウェーブレーダーセンサ21を備える。誘電率に基づいて、フライ槽11内の揚げ油10の品質を確定することができる。ガイドウェーブレーダーセンサ21は、揚げ油の品質のインラインでのリアルタイムの確定を更に可能にし、それにより、油の管理が可能にされる場合、産業規模のフライヤ1における食品の処理が向上する。
【0042】
実施形態に係るフライヤ1は、フライ槽11内の揚げ油10の温度を測定する温度センサ15を更に備える。温度センサ15は、揚げ油10内に浸すことができる。
【0043】
図示の実施形態に係るフライヤ1において、ガイドウェーブレーダーセンサ21がフライ槽11内に配置される。しかしながら、加えて又は代替的に、ガイドウェーブレーダーセンサ21は、フライ槽11に流体接続される、揚げ油を保持する貯留タンク28(
図5に示されている)内に配置することができる。
【0044】
フライヤ1は、フライ槽11内の揚げ油10の色を確定する光学センサを更に備えることができる。
【0045】
図2に示されているように、フライヤ1の制御システム27は、分析ユニット24と、制御ユニット25と、メモリユニット26とを備える。フライヤ1の分析ユニット24は、槽11内の揚げ油10の誘電率を確定するように構成される。次いで、分析ユニット24は、確定された誘電率及び測定された温度に基づいて、槽11内の揚げ油10の極性物質総量及び/又は槽11内の揚げ油10中の遊離脂肪酸の量を確定する。揚げ油の誘電率は揚げ油の使用中に変化するため、誘電率の測定は、極性物質総量を確定する信頼性のある方法である。フライ槽11内の揚げ油のタイプについての知識と合わせて、確定された誘電率に基づいて、遊離脂肪酸の量を確定することが可能である。分析ユニット24は、揚げ油の誘電率及び/又は温度に応じた、また任意選択で揚げ油のタイプに応じた、槽内の揚げ油の極性物質総量(TPM)及び/又は槽内の遊離脂肪酸(FFA)の量の関係を含む、所定の較正データを使用する。
【0046】
確定された値の時間的経過、ここでは、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を確定し、メモリユニット26内に記憶することができる。
【0047】
ガイドウェーブレーダーセンサ21は、フライ槽11内の揚げ油10の充填レベルの確定、また、貯留タンク28内にガイドウェーブレーダーセンサ21が適用される場合には貯留タンク28内の揚げ油10の充填レベルの確定も更に可能にする。確定された充填レベルに基づいて、分析ユニット24は、食品によって吸収される揚げ油の量を計算することができる。
【0048】
フライヤ1の動作中、分析ユニット24は、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に警告を発することができる。ガイドウェーブレーダーセンサ21が貯留タンク28内に配置される場合、貯留タンク28の中身に関して警告を発することができる。
【0049】
分析ユニット24は、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測することができる。また、分析ユニット24は、予測された寿命の終了が製品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定値に基づいて警告を発することができる。ガイドウェーブレーダーセンサ21が貯留タンク28内に配置される場合、貯留タンク28の中身に関して警告を発することができる。
【0050】
制御ユニット25は、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定値に基づいて、交換用揚げ油の貯留タンク28からフライ槽11への流入及び/又は使用済み揚げ油10のフライ槽11から貯留タンク28への流出を制御することができる。
【0051】
ガイドウェーブレーダーセンサ21について、
図2を参照して説明する。
図2は、本発明に係るフライヤ1において使用されるガイドウェーブレーダーセンサ21の一実施形態を示している。
【0052】
ガイドウェーブレーダーセンサ21は、信号を生成するレーダー送信器、レーダー送信器に結合され、揚げ油10に向かって及び/又は揚げ油10を通して波をガイドする導波管23、及び/又は揚げ油10によって反射された波を受信するレーダー受信器を備える。
図2に示されているガイドウェーブレーダーセンサ21において、送信器及び受信器の双方は、共通のハウジング22内に配置される。導波管23は、ロッド又はロープの形態を有し、揚げ油10内に部分的に配置される。ここでは、ガイドウェーブレーダーセンサ21、特にガイドウェーブレーダーセンサ21の導波管23の自由端部が、揚げ油10内に浸される。
【0053】
ガイドウェーブレーダーセンサ21は、送信器によって導波管23を介して送信され、油表面12によって反射された後、受信器によって受信される信号の飛行時間を測定するように構成される。
【0054】
図2によれば、食品加工ライン、特にフライヤ1は、フライ槽11内の揚げ油の色を確定する光学センサ18を備える。光学センサ18は、好ましくは、制御システム27、特に制御ユニット25に接続され、制御ユニット25は、光学センサ18の測定値に基づいて、交換用揚げ油のフライ槽11への流入及び/又は使用済み揚げ油のフライ槽11からの流出を制御することができるようになっている。
【0055】
図3は、本発明に係るフライヤにおいて使用することができるガイドウェーブレーダーセンサ21の代替的な実施形態を示している。ガイドウェーブレーダーセンサ21は、
図2に示されているものと同様である。
図2のガイドウェーブレーダーセンサとは異なり、
図3に係るガイドウェーブセンサ21は、静止筒14を備える。静止筒14は、導波管23と同軸に配置される。静止筒14の自由端部は、揚げ油10内に浸され、すなわち、静止筒14の下端部は、空気-油界面12よりも下に位置する。静止筒14は、複数の開口16を備え、これらの開口16を通って、揚げ油10が静止筒14の外部から内部に、またその逆に流れることができる。開口は、静止筒14の外殻表面に配置される。
【0056】
図4は、揚げ油の品質図を示している。揚げ油の品質は、5つのステージに分類することができる。
ステージa:使い始め(Break In)(通常0%~8%のTPM)
ステージb:新鮮(通常8%~14%のTPM)
ステージg:最適(通常14%~22%のTPM)
ステージd:劣化(通常22%~24%のTPM)
ステージe:廃棄すべき(runaway)(通常24%を超えるTPM)
【0057】
図5は、フライヤ1に流体接続された複数の貯留タンク28を備える一実施形態を示している。フライ槽11及び/又はポンプチャンバ17は、交換用油の供給のための流入開口29と、フライヤ1から排出される油のための流出開口30とを備えることが一般的である。図示の実施形態において、流入油は、貯留タンク28.I(使い始め/新鮮な揚げ油、ステージa)及び/又は貯留タンク28.III(誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関して最適要件を有する油、ステージg)から導かれる。流出油は、貯留タンク28.V(これ以上使用することができない汚れた油、ステージe)に向かって流れる。フライヤの数/容量及び意図される油管理システムによって、使用すべき貯留タンクの数が決まる。油の流れを管理するために、弁及びポンプが使用される。
【0058】
特定の品質の油をそれぞれ伴う貯留タンク28の数は、3つ又は別の数の貯留タンク28に限定されない。複数の貯留タンクを有する一実施形態において、上述したように、最初の3つの貯留タンク、すなわち、使い始め/新しい油用の第1の貯留タンク28.I、最適な油用の第2の貯留タンク28.III、及び廃棄油用の第3の貯留タンク28.Vが使用される。別の実施形態において、さらに、第4の貯留タンク28.IIが新鮮な油用に使用され、この油は、新しい油と比較して茶色寄りの色を有する。第5の貯留タンク28.IVが、劣化した油(誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関する或る特定の最大要件を満たす油)用に使用される。この油は、僅かに悪臭を有する。5つの油貯留タンク28を有するこの実施形態において、各貯留タンクは、
図4に従ったステージa又はステージb又はステージg又はステージd又はステージeを表し、例えば、下記のようにまとめられる。
ステージa:使い始め(通常0%~8%のTPM)、第1の貯留タンク28.I内に収容される黄色/白色の油
ステージb:新鮮(通常8%~14%のTPM)、第4の貯留タンク28.II内に収容される茶色寄りの色の油
ステージg:最適(通常14%~22%のTPM)、第2の貯留タンク28.III内に収容される
ステージd:劣化(通常22%~24%のTPM)、第5の貯留タンク28.IV内に収容される
ステージe:廃棄すべき(通常24%を超えるTPM)、第3の貯留タンク28.V内に収容される
【0059】
任意選択で、異なる油品質及び/又は或る特定の色を有する油を伴う追加の貯留タンクを適用することができる。
【0060】
本発明に係るフライヤ1において、極性物質総量の所定の閾値は、顧客が製造したい製品のタイプ(例えば、味、色)、現地規則等によって主に決まるが、典型的には、14%~26%、好ましくは16%~24%、より好ましくは20%~22%の範囲内の値に設定され、フライヤ1が最適品質を有する揚げ油10を使用して動作するようになっている。
【0061】
実際のところ、第3の貯留タンク28.Vからの油(使用済み油、例えば、これ以上使用することができない汚れた油)を貯留タンク28.IVからの油(誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関する或る特定の最大要件を満たす油)及び/又は貯留タンク28.Iからの油(例えば、新しい揚げ油)と組み合わせて再使用する状況が生じ得る。これを行う理由は、揚げられた食品の或る特定の味、食感、匂い、及び/又は色(第1の貯留タンク28.Iからの新しい揚げ油のみを使用する場合には得られない、いくらか暗めの色)を達成するためであり得る。重要なのは、全ての場合において、揚げ調理中に使用される油の品質が、誘電率及び極性物質総量及び遊離脂肪酸に関する所望の要件内に維持されることである。
【0062】
所定の閾値を超えた場合、揚げ油10中の極性物質総量を低下させるために、使用済み揚げ油10がフライ槽11から流出開口30を通して第3の貯留タンク28.Vに排出された後、交換用揚げ油、例えば、第4の貯留タンク28.IIからの油が、貯留タンクからフライ槽11内の流入開口29へと供給される。
【0063】
上述したように、制御システム27は、分析ユニット24と、制御ユニット25と、メモリユニット26とを備える。制御ユニット25及びメモリユニット26がフライヤ1の一部として埋め込まれる場合、分析ユニット24は、フライヤ1とは別個のユニットとすることもできる。分析ユニット24は、例えば、食品加工ラインの制御システム及び/又は集中制御システムの一部とすることができる。
【0064】
フライヤ1及び接続された配管及び貯留タンク28を所望の方法で動作させるために、制御システム27、特に制御ユニット25は、油体積管理システム及び油品質管理システムを含む油管理システムを実装する。制御システム27、特に制御ユニット25は、例えば製造後に実行される洗浄手順を制御するために、洗浄管理システムを更に実装することができる。
【0065】
油体積管理システムは、製造に関連し、フライヤ1内の揚げ油のレベルを制御し、フライヤの設計パラメータ(制御システム27内に組み入れられている)を既知とし、フライ槽11を所望のレベルまで充填するのに必要な揚げ油の体積を計算する。体積管理システムはまた、油貯留タンク28内の揚げ油のレベルを制御し、貯留タンクの設計パラメータ(制御システム27内に組み入れられている)を既知とし、貯留タンク28内で利用可能な揚げ油の体積、及びそれぞれの貯留タンク28内になおも充填することができる揚げ油の体積を計算する。フライ槽及び/又は貯留タンク28内の揚げ油の充填レベルを確定するために、制御システム27の分析ユニット24は、フライ槽11及び/又は貯留タンク28内のガイドウェーブレーダーセンサの測定値をそれぞれ受信する。これらの測定値に基づいて、交換用揚げ油のフライ槽11への流入及び/又は使用済み揚げ油のフライ槽11からの流出は、制御システム27の制御ユニット25によって制御される。それにより、フライヤ及び貯留タンクの望ましくない溢流を防止することができる。代替的に又は加えて、フライ槽11及び/又は貯留タンク28内の揚げ油のレベルを測定する別のタイプの流体レベルセンサを使用することができ、これは、制御システム27内に実装される油体積管理システムに接続される。
【0066】
油品質管理システムは、製造に関連し、所望のTPM範囲、所望のFFAのパーセンテージ、所望の揚げ油の色、及び所望の揚げ油の匂い等、フライヤ1内で使用される揚げ油の正しい組成に関連するパラメータを制御する。そのため、油品質管理システムは、フライヤ1のフライ槽11内に既にある揚げ油及び接続された全ての貯留タンク28内の利用可能な揚げ油のTPMのパーセンテージ、及び/又はFFAのパーセンテージ、及び/又は所望の色を既知とする必要がある。フライ槽11内及び貯留タンク28内の揚げ油のTPMのパーセンテージを確定するために、ガイドウェーブレーダーセンサ21は、フライ槽11内及び全ての貯留タンク28内に配置されることが好ましい。任意選択で、フライヤ1内及び貯留タンク28内の揚げ油の色を確定することを可能にするために、光学センサ18が、フライ槽11内及び全ての貯留タンク28内に配置される。例えば、揚げ油の酸化を監視するセンサ、及び/又は油の粘度(粘度の増大は、油の取込みを増大させ得る)を経時的に測定する検知手段のような、油の品質を確定する更なる手段を想定することができる。いくつかのタイプの揚げ油では、粘度はFFAに相関する。さらに、遊離脂肪酸の量を確定するために、油の照度又は油の極性を監視する光センサを使用することができる。
【0067】
洗浄管理システムは、フライヤ1及び配管の洗浄に関連し、洗浄水及び洗浄剤の流れを制御し、事故を防止するために洗浄水/洗浄剤が揚げ油と混ざり合うことを防止するようにチェックを行う。
【0068】
以下、制御システム27内に実装される油管理システムの作動原理について、いくつかの例を使用して説明する。これらの例は、合計5つの貯留タンク28を使用する。色の分類を1~5の範囲で示す。ただし、TPM、FFA、色、匂い、風味、及び味の分類は、この範囲に限定されない。例えば、4つの貯留タンクの場合、例えば1-3-5-7又は1-2-8-16のように範囲が異なる場合があるが、主に実際の結果によって最も好適かつ所望の範囲が決まる。アルゴリズムには、入力された好ましいパラメータ選択を提供することができる。例えば、TPM値よりも色の方が重要である場合、アルゴリズムは、色が所望に応じるように、異なる貯留タンクからの体積の混合を確定する。
【0069】
例1:フライ槽の充填-体積に基づく
本発明の一実施形態において、空のフライ槽11に揚げ油が充填される。制御システム27は、フライ槽11内の揚げ油の或る特定のレベルを達成するのに必要な揚げ油の量を計算する。さらに、制御システム27は、フライヤの方へ油を供給する貯留タンク28を選択し、接続された弁をそれに応じて制御する。どの油貯留タンク28からどの種類の揚げ油を取得すべきかを選択するために、制御システム27は、好ましいデフォルトシーケンスを含む。この好ましいデフォルトシーケンスは、ユーザが操作パネルを介して設定することができるか、又は制御システム27、特にメモリユニット26内に予めプログラムされる。制御システム27には、貯留タンク28のそれぞれについて、貯留タンク28内に維持すべきデフォルト最小レベル/デフォルト体積が提供されることが好ましい。別の重要なパラメータは、外部供給源を介して供給される揚げ油の体積である。或る特定の日付に或る特定の貯留タンクに供給される揚げ油の種類及び体積がわかっている場合、制御システムは、特定の貯留タンク内のこの体積を予約することができる。全体としての目標は、新鮮/使用済み油の割合を最適化することによって、揚げ油の使用を最小限にし、揚げ油を用いて作業することができる期間を延長することである。例えば、最適な油と組み合わせて新鮮な油を使用することで、最適な油の劣化を遅らせ、コストの削減につながる。
【0070】
例2:フライ槽の充填-TPM/FFA及び体積に基づく
フライ槽11に所望のTPM及び/又はFFAパーセンテージを有する揚げ油を充填するために、制御システム27内に実装される油管理システムは、所望のTPM及び/又はFFAのパーセンテージ及び所望の油のレベルを有する混合された揚げ油の組成を達成するために、貯留タンク28内の測定されたTPM及び/又はFFAパーセンテージに基づいて、どの貯留タンク(複数の場合もある)28からどのくらいの揚げ油をフライ槽11に供給するかを計算するアルゴリズムを含む。
【0071】
本発明の一実施形態において、フライ槽11内の揚げ油のTPMのパーセンテージは、所望のステージ、例えば、
図4に示されているように、14%~22%のステージ「g」内に制御される。揚げ油の適合する体積を計算する際、制御システム27は、複数の貯留タンク28のそれぞれに存在する揚げ油のレベル/体積を考慮することが重要である。この計算は、貯留タンク28内の揚げ油を切らすことなく、フライヤ槽における所望のTPMのパーセンテージ及び色が達成されるように実行される。さらに、油貯留タンク28の好ましいシーケンス、各貯留タンク28内に維持するべき揚げ油の量、外部供給源から特定の油貯留タンク28へと供給される油の量を考慮する必要がある。
【0072】
適切なアルゴリズムは、TPMのパーセンテージ[-]と揚げ油の体積[リットル]との積に基づく。一例として、貯留タンク28.Iは、4%のTPMを有する使い始めの油を含み、貯留タンク28.IIIは、18%のTPMを有する最適な油を含み、貯留タンク28.IVは、22%のTPMを有する劣化した油を含む。TPMの所望のパーセンテージが16%±2%となる場合、フライヤ内の体積は、1200リットルとなり、接続された各貯留タンク内の体積は、3500リットルとなり、油管理システムのアルゴリズムは、接続された貯留タンク28.I、28.III、及び28.IVからの揚げ油の体積の複数の組合せを選択することができる。
【0073】
油の体積の第1の例示的な組合せにおいて、貯留タンク28.IIIの油は33%が好ましい。すなわち、(1200リットル×0.33)=396リットルである。アルゴリズムは、この例では3つの油貯留タンクからの揚げ油の体積を以下のように計算する。
式A:(体積フライヤ・TPM所望)-(体積タンク28.III・18)-(体積タンク28.I・4)-(体積タンク28.IV・22)=0
式A:(1200L・16)-(体積タンク28.III・18)-(体積タンク28.I・4)-(体積タンク28.IV・22)=0
式B:体積タンク28.I+体積タンク28.IV=1200L-396L=804L
=>体積タンク28.IV=804L-体積タンク28.I
【0074】
式A及び式Bを組み合わせると、全体のTPM値の要件である16を満たすために、貯留タンク28.Iの揚げ油の体積は312リットル(26%)となり、貯留タンク28.IVの体積は、492リットル(41%)となる。
【0075】
同じアルゴリズムに基づく揚げ油の体積の第2の例示的な組合せにおいて、空にすることが好ましい貯留タンクは、貯留タンク28.IVであり、貯留タンク28.IIIから揚げ油を72リットル(6%)のみ引き出すことが望ましい。アルゴリズムは、全体のTPM値の要件である16を満たすために、貯留タンクIから384リットル(32%)の揚げ油を引き出し、貯留タンクIVから744リットル(62%)の揚げ油を引き出すことを確定する。
【0076】
例3:フライ槽の充填-色及び体積に基づく
フライ槽11に所望の色を有する揚げ油を充填するために、制御システム27内に実装される油管理システムは、所望の色及び所望の油のレベルを達成するために、どの貯留タンク(複数の場合もある)28からどのくらいの揚げ油をフライヤ1に向かって輸送する必要があるかを計算する。
【0077】
フライヤ1に例えばカメラ等の光学センサが設けられる第1の実施形態において、光学センサは、フライ槽11に特定の貯留タンク28からの揚げ油を充填する間、例えば油の表面の色勾配を監視する。アルゴリズムは、例えば、フライ槽11が20%充填されている場合、色が所望の色とは異なる場合には別の貯留タンク28に切り替えることを判断する。このプロセスは、フライ槽11が所望のレベルまで所望の色の揚げ油で充填されるまで繰り返すことができる。
【0078】
光学センサがフライ槽11内に設けられず、貯留タンク28内に設けられる第2の実施形態において、アルゴリズムは、フライ槽11内の油を最終的に所望の色にするために、どの貯留タンク28からどのくらいの揚げ油を取得すべきかを判断する。
【0079】
第3の実施形態において、光学センサは、フライ槽11内にも油貯留タンク28内にも設けられる。フライ槽11内にのみ光学センサ18が存在する場合にフライ槽11を充填するプロセスを、貯留タンク28内にのみ光学センサが存在する場合に使用されるアルゴリズムと組み合わせることができる。フライヤ1のフライ槽11を充填するプロセスが実行され、貯留タンク28に関連するアルゴリズムがチェックアップとなり、必要な場合に介入することができる。貯留タンク28に関連するアルゴリズムは、フライ槽11の充填を実行し、フライヤ1内の光学センサ18がチェックアップとなり、必要な場合に介入することがより好ましい。
【0080】
油の色を計算する際、アルゴリズムは、色のグループに基づくことができ、色の各グループは数値によって表される。例えば、値「1」は、黄みの白の油に割り当てられ、値「2」は、やや茶色に割り当てられ、値「3」は、きつね色に割り当てられ、値「4」は、暗色に割り当てられ、値「5」は、暗色から黒色に割り当てられる。
【0081】
揚げ油のTPMと揚げ油の色との間に関係がある場合、体積に基づく計算で事足りる。下記の例において、油のTPM及び色並びに匂いの間の関係は以下のとおりである。
油貯留タンクI、TPM=4、黄みの白色=1、匂いなし
油貯留タンクII、TPM=11、やや茶色=2
油貯留タンクIII、TPM=18、きつね色=3、食欲を促す風味及び匂い
油貯留タンクIV、TPM=22、暗色=4、僅かな悪臭
油貯留タンクV、TPM=25、黒色=5
【0082】
揚げ油の体積の組合せによる色-体積の例において、例えば、貯留タンクVからの油は35%が好ましい。すなわち、(35/100×1200リットル)=420リットルである。所望の色はきつね色であり、数値は3である。アルゴリズムは、この例では3つの貯留タンクからの油の体積を以下のように計算する。
式C:(体積フライヤ・色フライヤ)-(体積タンクI・1)-(体積タンクII・2)-(体積タンクV・5)=0
式C:(1200L・3)-(体積タンクI・1)-(体積タンクII・2)-(420L・5)=0
式D:体積タンクI+体積タンクII=1200L-420L=780L
=>体積タンクII=780L-体積タンクI
【0083】
式C及び式Dを組み合わせると、全体の色の値の要件である3を満たすために、貯留タンクIからの揚げ油の体積は60リットル(5%)となり、貯留タンクIIの体積は、720リットル(60%)となる。
【0084】
ここで、上記例2の第2のTPM/FFAと体積との組合せを参照すると、72リットル(6%)の揚げ油が貯留タンクIIIから引き出され、384リットル(32%)の油が貯留タンクIから引き出され、744リットル(62%)の油が貯留タンクIVから引き出される。上記式A及び式Cに基づくアルゴリズムは、フライヤ内の油の色を以下のように計算することが可能である。
式C:(体積フライヤ・色フライヤ)-(体積タンクI・1)-(体積タンクIII・3)-(体積タンクIV・4)=0
式C:(1200L・色フライヤ)-(384L・1)-(72L・3)-(744L・4)=0
【0085】
この計算の結果として得られるフライヤ内の油の色は、きつね色と定義され得る2.98となる。
【0086】
揚げ油のTPMのパーセンテージが色を表さない場合(例えば、パーム油等の暗色の油を適用する場合、及び/又は油の色を暗くするホウレンソウのような製品を処理する場合)、色及びTPMのパーセンテージに基づく計算が行われることが好ましい。TPM値対色は、上記例とは異なり、例えば、以下のようになり得る。
油貯留タンクI、TPM=4、黄みの白色=1
油貯留タンクII、TPM=11、きつね色=2
油貯留タンクIII、TPM=18、暗色=3
油貯留タンクIV、TPM=22、黒色=4
油貯留タンクV、TPM=25
【0087】
油貯留タンクIIIは、18というTPM値を依然として有するが、色は暗色であり、そのため、使用に好ましくない可能性がある。この例では25という貯留タンク内の油は、もはや使用に適さず、取り除くべきである。TPM/FFA-体積又は色-体積の計算において、上述したアルゴリズム及び式A~Dを、許容可能なTPM/FFA値及び/又は許容可能な色を有する油の混合となるように使用することができる。
【0088】
許容可能なTPM/FFA値及び/又は許容可能な色にもかかわらず、強い匂い及び望ましくない風味を有する油は、もはや使用に適さないことに注意すべきである。
【0089】
例4:フライ槽の充填-TPM/FFA及び色及び体積に基づく
フライ槽11に所望のTPM及び/又はFFAパーセンテージ及び所望の色を有する揚げ油を充填するために、制御システム27内に実装される油管理システムは、所望のTPM及び/又はFFAのパーセンテージ及び所望の色及び所望の揚げ油のレベルを達成するために、どの貯留タンク28からどのくらいの揚げ油をフライヤ1に向かって輸送するかを計算する。
【0090】
例えば、上記例(TPM/FFA-体積及び色-体積)から、以下を導出することができる。
油貯留タンクI、体積=384リットル、TPM=4、黄みの白色=1、匂いなし
油貯留タンクIII、体積=72リットル、TPM=18、きつね色=3、食欲を促す匂い
油貯留タンクIV、体積=744リットル、TPM=22、暗色=4、僅かな悪臭
これらのパラメータを合わせると、最終的に以下となる。
体積=1200リットル、TPM=16、きつね色=3、食欲を促す匂い
【0091】
したがって、アルゴリズムは、式(A、B、C、D)の組合せを含み、及び/又は、式は、上記例に記載のものと同様の計算原理に基づいて、アルゴリズムがTPM/FFA及び色及び体積の値を一度に確定するように、セットアップ/マージされる。
【0092】
例5:フライ槽の充填-TPM/FFA及び色及び匂い及び風味及び味及び体積に基づく
上述したアルゴリズムは、体積、TPM、FFA、色、匂い、風味、及び味が上述したように分類されている限り、例えば、体積及びTPM及び色及び匂い、FFA及び色及び風味及び匂い、体積及びTPM及び色及び味等の多様な組合せに基づいて、揚げ油を選択するのに使用することもできる。
【0093】
例6:フライ槽の充填-油の混合
一実施形態において、油はフライ槽11内で混合されるため、フライ槽11内の揚げ油を循環させる循環システムを導入すべきである。空気との接触を防止するために、循環は、油レベル表面よりも下で行うべきである。フライヤ槽が或る特定の安全レベルを超えて充填されている場合、油の混合を揚げ油の加熱と組み合わせることができる。温度は、温度センサによって制御することができる。油レベルがフローボックスの出口よりも上にある場合、フローボックスを使用して油を混合することができるか、又はフローボックスを使用して油を更に混合することができる。槽内の油は、フライヤ内の油のレベルに応じて、付着防止コンベヤ、乗継(transit)コンベヤ、油浸コンベヤ、送込みコンベヤ、及び受渡し(takeover)コンベヤ等のコンベヤベルトを稼働させることによって混合することができる。
【0094】
別の実施形態において、フライ槽を充填する前及び/又は間にいくつかのタイプの揚げ油が既に混合されるように、オーブンの外、例えば、分配ステーション内で油が混合される。
【0095】
例7:製造時のフライヤ
食品が製造中に揚げられる場合、フライヤ槽内の油のレベルは、主に食品が油を取り込むことによって減少し、回復が必要となる。したがって、油管理システムは、油の所望のレベルに達するまでフライ槽11の補充を制御し、これは、フライヤを充填する間、所望のTPM/FFAのパーセンテージ、所望の色、及び所望の油のレベルを達成するために、どの貯留タンクからどのくらいの油をフライヤ1に向かって輸送するかを判断する等の、上述した油管理に関する同様の条件及びアルゴリズムにおいて達成することができる。揚げられる食品の品質を一定に維持するために、揚げ油の品質は、可能な限り一定とすべきである。
【0096】
例8:フライヤ及び配管の中身空け
本発明の更なる実施形態において、食品の製造が終了すると、フライヤ1及び好ましくは接続された配管を空にする必要がある。油管理システムは、フライ槽11及び貯留タンク28内の揚げ油のTPM/FFAのパーセンテージ、油の色が油品質管理の一部である場合にはまたフライ槽11及び貯留タンク28内の揚げ油の色、並びに槽内の油のレベル及び接続された貯留タンク内の油のレベルを既知とし、これらのパラメータに基づいて、槽から正しい貯留タンク(複数の場合もある)に油を輸送する。
【0097】
フライヤ1を空にし、揚げ油を貯留タンク28に向かって輸送した後、配管内のセンサ、好ましくはガイドウェーブレーダーセンサは、揚げ油が残っていないかをチェックするために、配管内の油のレベルをチェックする。この油が後に洗浄水と混ざり合うことを防止するために、この油は、水及び洗浄剤を導入する前に取り除くべきである。
【0098】
代替的に又は加えて、配管内の油のレベルを測定する、油体積管理システムに接続される/油体積管理システムによって制御される、別のタイプの流体レベルセンサを使用することができる。
【0099】
例9:フライヤ及び配管の洗浄
本発明の別の実施形態において、フライヤ及び好ましくは接続された配管は、洗浄する必要がある。(温)水及び化学薬品を混合したものによって機器を洗浄し、フライヤ槽内の温度センサにより、温度が洗浄プロセスに十分なものであるかをチェックすることができる。洗浄後、食品安全性のために、フライヤ槽に揚げ油を充填する前に、水及び/又は洗浄剤が揚げ油と混ざり合うことを防止するために、異物及び残留した水及び洗浄剤を除去すべきである。
【0100】
フライヤ槽の洗浄中の水及び/又は洗浄剤のレベルは、好ましくはガイドウェーブレーダーセンサによってチェックすることができる。フライヤの洗浄後、フライヤ内のセンサ、好ましくはガイドウェーブレーダーセンサにより、水及び/又は洗浄剤が依然として残っていないかをチェックすべきである。これは、例えば、残りの洗浄流体/洗浄剤を追跡するためのレベルの測定及び/又は誘電率の測定によって行うことができる。
【0101】
それぞれの貯留タンクからフライヤ槽に向かって油を輸送する前に、配管内に位置決めされた検知手段、好ましくはガイドウェーブレーダーセンサが、残りの洗浄流体/洗浄剤を追跡するための配管内の最終的なレベルの測定及び/又は誘電率の測定によって、配管内に依然として洗浄水及び/又は洗浄剤があるかを検出する。洗浄水及び/又は洗浄剤がフライヤに入ることを防止するために、洗浄水及び/又は洗浄剤は配管から除去すべきである。
【0102】
代替的に又は加えて、フライヤ及び配管の双方に対して、ガイドウェーブレーダーセンサとは別のタイプの検知手段が使用され、例えば、配管内の洗浄水及び/又は洗浄剤のレベルを測定する、油体積管理システムに接続される/油体積管理システムによって制御される流体レベルセンサを使用することができる。別の実施形態において、洗浄剤が配管内に残っていないかを確かめるために、濯ぎ水の清浄度が測定される。更なる実施形態において、化学薬品の濃度を検出する濃度測定を使用することができる。
【0103】
例10:スマートシステム-先行的予測-残りの油寿命:
一実施形態において、揚げ油の残りの寿命を評価するために、TPM/FFAのパーセンテージ、色、匂い、及び味等の特性が重要となる。TPMのパーセンテージに関して、油の劣化の過程は、或る特定のパターンに従う。縦軸が劣化、横軸が時間であるグラフにおいて、劣化は、当初僅かに上昇する線を辿り、この線は、時間とともに、比較的短時間で急激に上昇する曲線へと変わる。この曲線に基づいて、また、揚げられる製品の種類及び用いる製造速度がわかっていることに基づいて、或る特定のバッチの油をいつ交換する必要があるかを、例えばTPMのパーセンテージに基づいて予測することができる。
【0104】
過去の傾向及び或る特定の製品用途のために過去に使用された油の混合のタイプ、複数の貯留タンク内の油の利用可能な体積、次回の規定の期間においてどの製品が製造されるか、次回の製造能力、或る特定のタイプの油が既に使用された期間を知ることにより、油管理システムは、特定のTPM/FFAパーセンテージ及び色及び匂いを有する油がどのくらい必要か、また、次回の期間の製造をまかなうためにどの貯留タンクに油を充填すべきか及び/又は油を取り除くべきかについての先行的予測を行うことができる。次回の期間に工場内で十分な油が利用可能でないこと、及び或る特定のタイプの油の或る特定の体積をオーダーすべきであることが検出される場合、警報メッセージを送信することができる。この先行的予測システムの稼働を可能にするために、制御システムのメモリ内に動作データを記憶すべきである。
【0105】
上記例の全てにおいて、フライヤ1の数又は貯留タンク28.I、28.II、28.III、28.IV、及び28.Vの数に制限はない。TPMのパーセンテージ及び所望の色に関連する異なる組成の油を伴う、ゼロ、1つ、又はより多くの貯留タンク28.VI、28.VII等を油管理システムの一部とすることもできる。
【0106】
図6は、フライヤ1と、フライヤ1に流体接続される少なくとも1つの、好ましくは複数の貯留タンクとを備える食品加工ラインの別の実施形態を示している。理解しやすくするために、
図6には貯留タンク(複数の場合もある)を示していない。しかしながら、これらの貯留タンクは、
図5に関連して記載したように実装することができる。
図5に示されている実施形態とは異なり、
図6の実施形態は、フライヤ1のフライ槽11に流体接続される外部フィルタ40を更に備える。外部フィルタ40により、粒子を除去することで、揚げ油の寿命を延ばすことができる。外部フィルタ40は、フライ槽11の内部にあるフィルタと比較して、より小さな粒子及び懸濁した粒子を除去することができるという利益を伴う。これらのより小さな粒子も除去することにより、フライヤ1内の食品は、古い粒子と接触しなくなり、したがって、揚げ油の劣化が低減される。例えば、外部フィルタは、TPM/FFAのパーセンテージ、揚げ油の色、揚げ油の匂い、揚げ油の風味、及び揚げ油の味の変化を防止/低減する。
【0107】
制御システム27又は食品加工ラインの制御システム又は好ましくは制御ユニット25は、外部フィルタ40を制御し、及び/又は外部フィルタの既存の制御システムは、制御ユニット25に通信接続する。フライヤ槽11内のガイドウェーブレーダーセンサ21と外部フィルタ40との組合せは、油の品質を更に向上させることができる。例えば、TPMのパーセンテージを14%~22%(
図4を参照)にすべき場合、油フィルタは、TPM/FFAの所望のパーセンテージを製造中に維持することができるように制御することができる。フィルタの動作は、ガイドウェーブレーダーセンサ21から導出されるデータによって制御されることが好ましい。代替的に又は加えて、光学センサ18によって測定されるデータを使用して、外部フィルタ40を制御することができる。
【0108】
種々のタイプの外部フィルタ40が利用可能であり、これらは記載した実施形態において使用することができる。種々のタイプの外部フィルタ40は、例えば、圧力、油流量、油の速度、移動フィルタ手段の速度、真空設定、滞留時間等の異なる動作パラメータ及び動作特性を使用する。制御システム27又は食品加工ラインの制御システム又は制御ユニット25は、ガイドウェーブレーダーセンサ21及び/又は光学センサ18から導出されるデータに基づいて、言及したフィルタパラメータを制御することができる。
【0109】
外部フィルタは、全自動自浄圧力フィルタ、例えば、Oberlin高温油フィルタ(例えば、Oberlin G5 OPF7)であることが好ましく、このフィルタは、1ミクロン以上のサイズを有する粒子を除去することが可能である。このフィルタは、揚げ油の分解を低減する。一般に、揚げ油中の残留粒子のサイズが小さいほど、油の品質をより維持することができる。使用済み揚げ油は、使い捨てフィルタ材料を含む外部フィルタ40に向かって圧送される。揚げ油は、使い捨てフィルタ材料を通して圧送され、そこで、1ミクロンよりも大きい粒子が収集され、ケークを形成する。ケークを通して圧送される油は、フライヤ1に戻るように、特にフライ槽11に戻るように輸送される。形成されるケーク層が厚いほど、ケークにわたる揚げ油の圧力降下は大きくなる。或る特定の圧力降下が生じた場合、又は圧力降下に至る前に或る特定の期間が経過した場合(形成されたケークの焦げを防止するため)、形成されたケークを排出し、新しい使い捨てフィルタ材料を用いて新たなサイクルを開始する。記載した高温油フィルタは、略完全連続濾過フィルタ(新しい使い捨てフィルタ材料が導入される場合にのみ、濾過プロセスが中断される)に関し、ここでは、パン粉、コーティング等の1ミクロンよりも大きい粒子が除去され、乾燥したケークとして自動的に排出される。また、スパイス及び香料も低減/除去される。焦げかけの/焦げた粒子を除去することで、油の暗色の形成が低減/防止される。また、焦げかけの固形物を排除することにより、極性物質総量(TPM)及び遊離脂肪酸(FFA)の形成も低減/防止される。
【0110】
制御ユニット25は、使い捨てフィルタ材料等の消耗品の使用を管理するために、接続された外部フィルタ40がより高集中又は低集中的に作用するように制御されるように構成することができる。外部フィルタ40がOberlin高温油フィルタである場合、動作設定は、製造中に通常は変化しない設定である。上述したように、調整されるパラメータは、フィルタ/ケークにわたる油の圧力降下及び新しい使い捨てフィルタ材料を適用するまでの期間となる。さらに、フライヤ1から外部フィルタ40に向かう揚げ油の流れを制御することができる。
【0111】
本発明の一実施形態において、外部フィルタ40は監視され、好ましくは制御ユニット25によって制御される。外部フィルタ40内で、製造中のケークの蓄積が、例えば、或る特定の瞬間に極めて遅くなる場合、制御ユニット25は、新しい使い捨て材料を適用するまでの時間を延長することができる。ケークの蓄積が増大する場合、制御ユニット25は、新しい使い捨て材料を適用するまでの時間を低減することができる。
【0112】
別の実施形態において、フライヤ1から外部フィルタ40に向かう揚げ油の流れを、フライヤ1内の粒子の数に応じて調整することができる。フライヤ1内に粒子の蓄積がある場合、外部フィルタ40はより集中的に作用すべきであり、これは、フライヤ1から外部フィルタ40に向かってより多くの揚げ油を輸送することによって達成することができる。粒子の数の監視は、外部フィルタ40を監視することによって行うことができる。外部フィルタ40がOberlinフィルタである場合、ケークにわたる或る特定の圧力降下が存在する時間が、フライヤ1内の粒子の数の測定値となる。別の実施形態において、カメラ等の光学センサ18を使用して、少なくとも、槽11内の油表面上に浮遊した粒子を監視/測定し、その後、外部フィルタ40に向かう揚げ油の流れを制御し、及び/又は外部フィルタ40のパラメータを制御することができる。任意選択で、沈殿物(より大きな肉及び/又はコーティング粒子等)及び/又は浮遊粒子を収集する容器を計量するロードセル等の検知手段を使用することができる。容器の重量が所定の期間内に或る特定の重量に達した場合、制御ユニット25は、汚染度を確定し、外部フィルタ40をより集中的に作用させるべきかを決定する。
【符号の説明】
【0113】
1 フライヤ
2 主コンベヤ
3 送込みコンベヤ
4 ベルト
5 ベルト
6 油浸コンベヤ
8 製品入口
9 製品出口
10 揚げ油
11 フライ槽
12 空気-油界面
13 底
14 静止筒
15 温度センサ
16 開口
17 ポンプチャンバ
18 光学センサ
21 ガイドウェーブレーダーセンサ
22 ハウジング
23 導波管
24 分析ユニット
25 制御ユニット
26 メモリユニット
27 制御システム
28、28I~III 貯留タンク
29 流入開口
30 流出開口
33 汚れ除去装置
40 外部フィルタ
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を揚げるフライヤ(1)を備える食品加工ラインであって、
揚げ油(10)を収容するフライ槽
(11)を備え、
該食品加工ラインは、前記フライ槽(11)と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)を更に備え、
該食品加工ラインは、
前記フライ槽(11)内に配置される第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)と、
前記
第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)
内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率を確定する分析ユニット
(24)と、
を更に備え、
少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサが、前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に配置され、
該食品加工ラインは、制御ユニット(25)を更に備え、前記制御ユニット(25)は、前記
第1のガイドウェーブレーダーセンサ
(21)の測定値に基づいて、
及び揚げ油用の前記貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に配置される前記少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油
の、前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)から、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)
から、前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)への流出、
を制御するように構成される、食品加工ライン。
【請求項2】
前記フライ槽(11)内又は前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内の前記揚げ油(10)の色を確定する光学センサ(18)を特徴とし、前記制御ユニット(25)は、前記光学センサ(18)の測定値に更に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)から、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)への流出、
を制御するように構成される、請求項1に記載の食品加工ライン。
【請求項3】
前記フライヤ(1)は、食品を連続的に揚げるように構成され、前記フライ槽(11)を通して揚げられる食品を搬送する少なくとも1つのコンベヤ(2)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項4】
前記フライヤ(1)は、前記フライ槽(11)の一部であるポンプチャンバ(17)を備え、前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、前記ポンプチャンバ(17)内に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項5】
第1のタイプの交換用油、特に新鮮な油を含む第1の貯留タンク(28.I)と、第2のタイプの交換用油、特にまだ使用可能な揚げ油を含む第2の貯留タンク(28.III)と、これ以上使用することができない第3のタイプの交換用油を含む第3の貯留タンク(28.V)とを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項6】
前記分析ユニットは、空気と前記揚げ油(10)との間の界面における信号反射に関連する前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の誘電率を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項7】
前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項8】
前記分析ユニットは、所定の較正データに応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項9】
前記フライヤ(1)は、前記フライ槽(11)内、特に前記ポンプチャンバ(17)内の前記揚げ油(10)の温度を測定する温度センサを備え、前記分析ユニットは、前記揚げ油(10)の前記測定された温度に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項10】
前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記フライ槽(11)内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項11】
誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶するように構成されるメモリユニットを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項12】
前記分析ユニットは、前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、前記フライ槽(11)内及び/又は前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンク内の前記揚げ油(10)の充填レベルを確定するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項13】
前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に、警告を発するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項14】
前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測するように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項15】
前記分析ユニットは、前記予測された寿命の終了が食品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて警告を発するように構成されることを特徴とする、請求項14に記載の食品加工ライン。
【請求項16】
前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、静止筒を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項17】
前記フライ槽(11)に流体接続される外部フィルタ(40)を特徴とする、請求項1又は2に記載の食品加工ライン。
【請求項18】
前記制御ユニット(25)は、前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)及び/又は前記光学センサ(18)の測定値に基づいて、前記外部フィルタ(40)を制御するように更に構成されることを特徴とする、請求項17に記載の食品加工ライン。
【請求項19】
フライヤ(1)のフライ槽(11)内で食品を揚げる方法であって、前記フライ槽(11)は、揚げ油(10)又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤ(2)が、前記フライ槽(11)を通して前記揚げられる食品を搬送し、少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)が、前記フライ槽(11)と流体連通して配置され、
該方法は、以下の方法ステップ、すなわち、
分析ユニットが、前記フライ槽(11)内に配置された第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率、及び前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に配置された少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、前記貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に収容された前記揚げ油の誘電率を確定するステップを含み、
該方法は、前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、及び揚げ油用の前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)内に配置された前記少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)から、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される前記少なくとも1つの貯留タンク(28.I、28.III、28.V)への流出、
を制御することを更に含むことを特徴とする、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
同様の測定技法は、キッチンで使用されるバッチフライヤを開示している特許文献1から既知である。バッチフライヤのフライ用バットを出る油を受け取るためにバッチフライヤに取り付けることができる油キャディが設けられる。油キャディは、油の静電容量を測定するセンサを備え、油の品質は、油中に存在する極性物質総量(TPM)に関して測定された静電容量から導出される。特許文献2は、フライヤポットと、濾過ループを形成する排出導管及び戻り導管によってフライヤポットに接続されるフィルタパンと、濾過ループ内にある調理油品質センサと、フライヤの濾過サイクルの動作を制御するコントローラとを備えるフライヤを開示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/191150号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0033463号
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
この関心事項によりよく対処するために、本発明の第1の態様において、請求項1に記載の食品加工ラインが提示される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の別の態様によれば、請求項19に記載のフライヤのフライ槽内で食品を揚げる方法が提示される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
任意選択の光学センサは、フライ槽内又は少なくとも1つの貯留タンク内の揚げ油の色を確定することを可能にする。揚げ油の色は、人間の目の視覚的認識に関連し、すなわち、光学センサは、スペクトルのうち人間による可視部分における光を検出することが可能である。色は、色数値又は複数の色値若しくは色成分の組合せの形態で確定することができる。光学センサは、カメラ、特にデジタルカメラ、例えば、CCDカメラ又はCMOSカメラとすることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽内に配置される。それにより、揚げ油の品質は、揚げ調理プロセスが行われる場所において直接確定することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明によれば、少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサは、揚げ油用の貯留タンク内に配置される。揚げ油を貯留するために、1つ以上の貯留タンクをフライヤに流体接続することができる。例えば、1つの貯留タンクは、第1のタイプの交換用油(新鮮な油)を含み、別の貯留タンクは、第2のタイプの交換用油(まだ使用可能な揚げ油)を含み、別の貯留タンクは、例えばTPMのパーセンテージが高すぎるためにこれ以上使用することができない揚げ油を含む。いずれの貯留タンクも、それぞれの貯留タンク内の揚げ油の誘電率を確定する追加のガイドウェーブレーダーセンサ、及び/又は揚げ油の色を確定する光学センサを備えることが好ましい。いずれの貯留タンクも、貯留タンクを充填する/空にするためにフライヤに接続される弁及び/又はポンプを備えることが好ましい。分析ユニットは、貯留タンク(複数の場合もある)内に配置される追加のガイドウェーブレーダーセンサ(複数の場合もある)の測定データに基づいて、それぞれの貯留タンク内の揚げ油の誘電率を確定するように更に構成されることが好ましい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
制御ユニットは、貯留タンク内に配置される少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に更に基づいて、交換用揚げ油の、フライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクへの流出を制御するように構成される。
【国際調査報告】