IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーイーエイ・フード・ソリューションズ・バーケル・ベスローテン・フェンノートシャップの特許一覧

特表2024-526674産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理
<>
  • 特表-産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理 図1a
  • 特表-産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理 図1b
  • 特表-産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理 図2
  • 特表-産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理 図3
  • 特表-産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理 図4
  • 特表-産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】産業用フライヤ機構内の揚げ油検知手段及び揚げ油管理
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20240711BHJP
   G01N 27/00 20060101ALI20240711BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20240711BHJP
   A23L 5/10 20160101ALN20240711BHJP
【FI】
A47J37/12 351
G01N27/00 L
G01N27/22 B
A23L5/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024500659
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2022068587
(87)【国際公開番号】W WO2023280852
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】21184156.4
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514054823
【氏名又は名称】ジーイーエイ・フード・ソリューションズ・バーケル・ベスローテン・フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】ファン・アープ,ヨースト
【テーマコード(参考)】
2G060
4B035
4B059
【Fターム(参考)】
2G060AA05
2G060AE30
2G060AF10
2G060EA08
2G060HC15
4B035LC05
4B035LC16
4B035LE17
4B035LP07
4B035LT03
4B059AA01
4B059AB01
4B059AC02
4B059AD14
4B059BE01
4B059BE18
4B059BG03
4B059BG08
4B059DA01
4B059DA02
(57)【要約】
本発明は、揚げ油10を収容するフライ槽11を備え、ガイドウェーブレーダーセンサ21と、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定データに基づいて、フライ槽11内に収容された揚げ油10の誘電率を確定する分析ユニット24とを備える、食品を揚げるフライヤ1に関する。本発明はさらに、フライヤ1のフライ槽11内で食品を揚げる方法であって、フライ槽11は、揚げ油10又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤ2が、フライ槽11を通して揚げられる食品を搬送し、分析ユニット24が、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定データに基づいて、フライ槽11内に収容された揚げ油10の誘電率を確定する、方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を揚げるフライヤ(1)であって、
揚げ油(10)を収容するフライ槽(11)と、
任意選択で、チャンバ、特に、前記フライ槽(11)の一部であるか又は前記フライ槽(11)に流体接続されるポンプチャンバ(17)と、
を備え、
ガイドウェーブレーダーセンサ(21)と、
前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(10)内及び/又は前記チャンバ内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率を確定する分析ユニット(22)と、
を特徴とする、フライヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のフライヤ(1)であって、前記フライヤ(1)は、食品を連続的に揚げるように構成され、前記フライ槽(11)を通して揚げられる食品を搬送する少なくとも1つのコンベヤ(2)を備えることを特徴とする、フライヤ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、前記フライ槽(11)内、特に、前記フライ槽の一部であるポンプチャンバ(17)内に配置されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、空気と前記揚げ油(10)との間の界面における信号反射に関連する前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の誘電率を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項6】
請求項5に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のフライヤ(1)であって、前記フライヤ(1)は、前記フライ槽(11)内、特に前記ポンプチャンバ(17)内の前記揚げ油(10)の温度を測定する温度センサを備え、前記分析ユニットは、前記揚げ油(10)の前記測定された温度に更に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記フライ槽(11)内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶するように構成されるメモリユニットを特徴とする、フライヤ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、前記フライ槽(11)内及び/又は前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンク内の前記揚げ油(10)の充填レベルを確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に、警告を発するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンクから、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンクへの流出、
を制御するように構成される制御ユニット(25)を特徴とする、フライヤ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項14】
請求項14に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記予測された寿命の終了が食品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて警告を発するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のフライヤ(1)であって、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、静止筒を備えることを特徴とする、フライヤ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の食品を揚げるフライヤを備える食品加工ライン。
【請求項17】
フライヤ(1)のフライ槽(11)内で食品を揚げる方法であって、前記フライ槽(11)は、揚げ油(10)又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤ(2)が、前記フライ槽(11)を通して前記揚げられる食品を搬送し、
分析ユニットが、ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)内、又は前記フライ槽(11)の一部であるチャンバ若しくは前記フライ槽(11)に流体接続されるチャンバ内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率を確定することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に産業規模における食品の揚げ調理の分野に関する。具体的には、本発明は、揚げ油を収容するフライ槽を備える、食品を揚げるフライヤに関する。本発明はさらに、フライヤのフライ槽内で食品を揚げる方法に関し、フライ槽は、揚げ油又は融解したフライ用油脂を収容する。
【背景技術】
【0002】
揚げ調理のプロセスは、高温、特に180℃~190℃の範囲の揚げ油及び/又は融解したフライ用油脂内に、食品を部分的に浸す(揚げ焼き調理(shallow-frying))又は完全に浸す(揚げ調理(deep-frying))という調理を含む。産業規模のフライヤは、典型的に、揚げ油を収容するフライ槽を通して揚げられる食品を搬送するコンベヤを備える。使用中、揚げ油の化学組成は変化する。新鮮な状態では、揚げ油は相当量の極性物質を含まない。揚げ油を使用し続けると、油が分解し、極性物質の量が増加する。極性物質総量(TPM)が24%~27%の範囲に達すると、揚げ油は消費に好適でないとみなされ、したがって、交換用揚げ油に交換するか又は新しくすべきである。
【0003】
極性物質総量は、静電容量測定によって、したがって、揚げ油内に浸されたコンデンサの静電容量を測定することによって確定することができる。キッチンフライヤにおけるTPMを確定する静電容量測定器具が市販されている。これらの器具のうちの1つに、Testo SE & Co. KGaA社によって提供されているtesto 270調理油テスタがある。
【0004】
同様の測定技法は、キッチンで使用されるバッチフライヤを開示している特許文献1から既知である。バッチフライヤのフライ用バットを出る油を受け取るためにバッチフライヤに取り付けることができる油キャディが設けられる。油キャディは、油の静電容量を測定するセンサを備え、油の品質は、油中に存在する極性物質総量(TPM)に関して測定された静電容量から導出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/191150号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に照らして、本発明の目的は、産業規模のフライヤにおいて使用される揚げ油の品質を確定することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この関心事項によりよく対処するために、本発明の第1の態様において、食品を揚げるフライヤであって、フライ槽と、任意選択で、チャンバ、特に、フライ槽の一部であるか又は揚げ油を収容するフライ槽に流体接続されるポンプチャンバとを備え、フライヤは、ガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、フライ槽内及び/又はチャンバ内に収容された揚げ油の誘電率を確定するガイドウェーブレーダーセンサを更に備える、フライヤが提示される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、揚げ油を収容するフライ槽を備え、ガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、フライ槽内に収容された揚げ油の誘電率を確定するガイドウェーブレーダーセンサを更に備える、食品を揚げるフライヤを備える食品加工ラインが提示される。
【0009】
本発明の更に別の態様によれば、フライヤのフライ槽内で食品を揚げる方法であって、フライ槽は、揚げ油又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤが、フライ槽を通して揚げられる食品を搬送し、分析ユニットが、ガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、フライ槽内、又はフライ槽の一部であるチャンバ若しくはフライ槽に流体接続されるチャンバ内に収容される揚げ油の誘電率を確定する、方法が提示される。
【0010】
ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽内の揚げ油の誘電率を確定することを可能にする。確定された誘電率に基づいて、フライ槽内の揚げ油の品質を確定することができる。ガイドウェーブレーダーセンサは、誘電率のインラインでのリアルタイムの確定を更に可能にし、それにより、産業規模のフライヤにおける食品の処理を向上することができる。
【0011】
導電センサ及び/又は静電容量センサと比較して、ガイドウェーブレーダーセンサは、インライン測定を可能にするだけでなく、広範な温度、例えば、0℃~190℃の範囲、特に0℃~180℃の範囲の温度において、揚げ油の誘電率の信頼性のある測定を行うことも可能にする。ガイドウェーブレーダーセンサは、揚げ油内に浮遊する汚れ、例えば、焦げたパン粉による影響を受けない。
【0012】
本発明によれば、フライ槽は、揚げ油を収容することができる。揚げ油は、フライ槽内で食品を揚げるのに使用することができる。代替的に、フライ槽は、純水、又は水及び洗浄剤を含む組成物、又は水及び不純物、例えば、油脂、油、若しくは汚れを含む組成物の残留物又は部分を含み得る。水は、フライ槽を洗浄するためにフライ槽内に収容することができる。
【0013】
本発明によれば、分析ユニットは、フライヤの制御システムの一部とすることができ、及び/又はフライヤの制御システムとは別個のユニットとすることができ、及び/又はフライヤが一部となる食品加工ラインの制御システムの一部とすることができ、及び/又は集中制御システムの一部とすることができ、及び/又はガイドウェーブレーダーセンサの一部とすることができる。分析ユニットは、プロセッサ、特にプログラマブルプロセッサを備えることができる。
【0014】
ガイドウェーブレーダーセンサは、信号を生成するレーダー送信器、レーダー送信器に結合され、揚げ油に向かって及び/又は揚げ油を通して波をガイドする導波管、及び/又は、揚げ油及び/又は槽の壁によって反射された波を受信するレーダー受信器を備えることができる。ガイドウェーブレーダーセンサ、特にガイドウェーブレーダーセンサの導波管は、揚げ油内に部分的に配置することができる。導波管は、金属、特に鋼から構築することができる。導波管は、ロッド又はロープの形態を有することができる。例えば、ガイドウェーブレーダーセンサ、特にガイドウェーブレーダーセンサの導波管の先端部は、揚げ油内に浸すことができる。ガイドウェーブレーダーセンサは、送信器によって導波管を介して送信され、揚げ油及び/又は槽の壁によって反射された後、受信器によって受信される信号の飛行時間を測定するように構成されることが好ましい。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、静止筒(stilling well)を備える。静止筒は、静止管(stilling pipe)として実装することができる。静止筒は、揚げ油の流れ、揚げ油中の不純物、周囲構造、及び機械的衝撃等の外乱の影響を低減するように、ガイドウェーブレーダーセンサの導波管を囲むことができる。静止筒は、1つ以上の開口を備え、これらの開口を通って、揚げ油が静止筒の外部から内部に、またその逆に流れることができることが好ましい。1つ以上の開口は、静止筒の外殻表面に配置することができる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤは、食品を連続的に揚げるように構成され、フライ槽を通して揚げられる食品を搬送する少なくとも1つのコンベヤを備える。コンベヤは、フライヤの製品入口からフライヤの製品出口に食品を搬送するように構成されることが好ましい。コンベヤは、ベルト、特に無端ベルトを備えることができる。ベルトは、ベルトを通る揚げ油の流れを可能にするように、メッシュベルトとして実装することができる。フライヤは、製品が揚げ油の流体レベルまで浮上するのを防ぐ油浸コンベヤを更に備えることができる。油浸コンベヤは、ベルト、特に無端ベルトを備えることができる。ベルトは、ベルトを通る揚げ油の流れを可能にするように、メッシュベルトとして実装することができる。油浸コンベヤは、コンベヤの上方に配置されることが好ましい。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽内に配置される。それにより、揚げ油の品質は、揚げ調理プロセスが行われる場所において直接確定することができる。
【0018】
本発明の特に好ましい実施の形態によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽の一部であるポンプチャンバ内に配置される。ポンプチャンバは、フライヤ内の揚げ油を循環させるように機能するポンプを備える。ポンプチャンバ及びフライ槽は、ポンプチャンバにおける揚げ油とフライ槽内の揚げ油とが同じレベルで平衡するように、連通槽として流体接続されることが好ましい。
【0019】
本発明の更に好ましい実施の形態によれば、少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサは、揚げ油用の貯留タンク内に配置される。揚げ油を貯留するために、1つ以上の貯留タンクをフライヤに流体接続することができる。例えば、1つの貯留タンクは、第1のタイプの交換用油(新鮮な油)を含み、別の貯留タンクは、第2のタイプの交換用油(まだ使用可能な揚げ油)を含み、別の貯留タンクは、例えばTPMのパーセンテージが高すぎるためにこれ以上使用することができない揚げ油を含む。いずれの貯留タンクも、それぞれの貯留タンク内の揚げ油の誘電率を確定する追加のガイドウェーブレーダーセンサを備えることが好ましい。いずれの貯留タンクも、貯留タンクを充填する/空にするためにフライヤに接続される弁及び/又はポンプを備えることが好ましい。分析ユニットは、貯留タンク(複数の場合もある)内に配置される追加のガイドウェーブレーダーセンサ(複数の場合もある)の測定データに基づいて、それぞれの貯留タンク内の揚げ油の誘電率を確定するように更に構成されることが好ましい。
【0020】
本発明の更に好ましい実施の形態によれば、少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽と少なくとも1つの貯留タンク、好ましくは複数の貯留タンクとを流体接続する配管内に配置される。配管内の追加のガイドウェーブレーダーセンサにより、揚げ油は、配管内で検出することができる。これは、揚げ油がフライ槽から排出される場合に役立ち得る。それにより、フライ槽を空にした後に配管内に揚げ油が残ること、及び後続の洗浄ステップにおいて洗浄水と混合されることを防止することができる。さらに、洗浄ステップが終了した後、フライ槽に揚げ油を充填する前に、配管から洗浄水が除去されない場合を防止することができる。したがって、揚げ油と洗浄水との望ましくない混合を回避することができる。配管内に配置される追加のガイドウェーブレーダーセンサを使用して、配管内に洗浄剤が残っているか否かを判断し、配管から全ての洗浄剤を除去するために(更なる)濯ぎステップが必要であるか否かを決定することもできる。
【0021】
制御ユニットは、貯留タンク内に配置される少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサ及び/又は配管内に配置される少なくとも1つの追加のガイドウェーブレーダーセンサの測定値に更に基づいて、交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される少なくとも1つの貯留タンクへの流出を制御するように構成されることが好ましい。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、空気と揚げ油との間の界面における信号反射に関連するガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、槽内の揚げ油の誘電率を確定するように構成される。本発明に係る方法は、分析ユニットが、空気と揚げ油との界面における信号反射に関連するガイドウェーブレーダーセンサの測定データに基づいて、槽内の揚げ油の誘電率を確定することを含むことが好ましい。特に、揚げ油の誘電率は、空気と揚げ油との界面において反射された信号の振幅に応じて確定される。反射された信号がより強くなるほど、揚げ油のより高い誘電率に関連することが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、特に或る特定の油温度において確定された誘電率に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成される。本発明に係る方法は、分析ユニットが、確定された誘電率に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定することを含むことが好ましい。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成される。本発明に係る方法において、分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定することが好ましい。較正データは、特に或る特定の油温度における揚げ油の誘電率に応じて、及び任意選択で揚げ油のタイプに応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の遊離脂肪酸の量の関係を含むことが好ましい。この関係は、数学的関数又はルックアップテーブルとすることができる。特に極性物質総量に関する較正データは、静電容量センサを使用した測定によって生成することができる。代替的に又は加えて、特に遊離脂肪酸に関する較正データは、試験ストリップ又はFTIRを使用した測定によって生成することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤは、フライ槽内、特にポンプチャンバ内の揚げ油の温度を測定する温度センサを備え、分析ユニットは、揚げ油の測定温度に更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成される。本発明に係る方法において、フライヤの温度センサは、フライ槽内の揚げ油の温度を測定し、分析ユニットは、揚げ油の測定温度に更に応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の揚げ油中の遊離脂肪酸の量を確定することが好ましい。較正データは、温度に依存し得る。したがって、較正データは、揚げ油の誘電率に応じて、及び温度に応じて、及び任意選択で揚げ油のタイプに応じて、槽内の揚げ油の極性物質総量及び/又は槽内の遊離脂肪酸の量の関係を含むことが好ましい。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、確定された誘電率に応じて、フライ槽内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定するように構成される。本発明に係る方法において、分析ユニットは、確定された誘電率に応じて、フライ槽内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定することが好ましい。それにより、洗浄剤及び/又は水の残留物は、フライ槽内及び/又は揚げ油内で検出することができる。フライ槽内の異物の量に応じて、フライヤの動作を制御及び/又は停止することができる。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤ、食品加工ライン、集中制御システム、及び/又はガイドウェーブレーダーセンサは、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶するように構成されるメモリユニットを備える。本発明に係る方法は、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶することを含むことが好ましい。誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過は、ログファイル、好ましくは揚げられる食品の各バッチのログファイル内に記憶することができる。ログファイルは、品質管理のために保持することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、それぞれのガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、フライ槽内及び/又はフライ槽と流体連通して配置される貯留タンク内の揚げ油の充填レベルを確定するように構成される。本発明に係る方法において、分析ユニットは、それぞれのガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、フライ槽内及び/又は貯留タンク内の揚げ油の充填レベルを確定することが好ましい。充填レベルは、揚げ油の表面、すなわち、空気-油界面における信号の反射を測定することによって確定することができる。分析ユニットは、反射された信号の測定された飛行時間に基づいて、送信器と揚げ油の表面との間の距離を計算することができる。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に警告を発するように構成される。本発明に係る方法において、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に警告を発することが好ましい。閾値は、例えば、20%~22%の範囲の極性物質総量とすることができる。警告は、機械のユーザ、例えば、揚げ油を交換することができる又はフライヤの槽及び/又は貯留タンクに交換用揚げ油を追加することができる機械監督者によって認識することができる。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態によれば、フライヤ及び/又は食品加工ラインは、制御ユニットを備え、制御ユニットは、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクへの流出、
を制御するように構成される。
【0031】
本発明に係る方法において、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクから、フライ槽への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、フライ槽から、好ましくはフライ槽と流体連通して配置される貯留タンクへの流出、
が制御されることが好ましい。
【0032】
交換用揚げ油は、新鮮な揚げ油、又は誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関する或る特定の最大要件を満たす揚げ油とすることができる。それにより、フライヤ内の揚げ油の品質は、所定の品質範囲に自動的に調整することができる。例えば、フライヤは、分析ユニットによって、揚げ油の品質が所定の閾値よりも降下したと判断した場合、例えば、極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、交換用揚げ油を貯留タンクから槽に自動的に追加することができる。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測するように構成される。本発明の方法において、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了が予測されることが好ましい。揚げ油の寿命の終了が予測される場合、揚げ油を交換すること、及び/又は、例えば、フライ槽内の揚げ油に交換用揚げ油を追加することによって揚げ油を再生することを事前に計画することが可能である。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態によれば、分析ユニットは、予測された寿命の終了が製品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて警告を発するように構成される。本発明の方法において、予測された寿命の終了が製品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、ガイドウェーブレーダーセンサの測定値に基づいて警告を発することが好ましい。警告は、処理される食品の現在のバッチの終了前に、揚げ油を交換する又は揚げ油を再生することが必要であることを示すことができる。
【0035】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載された実施の形態を参照することによって明らかになり、また、解明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1a】本発明の一実施形態に係るフライヤの斜視図である。
図1b図1aに示されているフライヤの内部を示す図である。
図2図1に係るフライヤにおいて使用されるガイドウェーブレーダーセンサを示す図である。
図3図1に係るフライヤにおいて使用される別のガイドウェーブレーダーセンサを示す図である。
図4】揚げ油の品質図である。
図5】本発明の一実施形態に係るフライヤと、接続された貯留タンクとを備える機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1a及び図1bは、本発明の一実施形態に係るフライヤ1を示している。フライヤ1は、連続動作する産業規模のフライヤとして構成される。フライヤ1は、フライ槽11と、フライ槽11を通して揚げられる食品を搬送する主コンベヤ2とを備える。フライヤ1は、通常動作中、食品がフライヤ1に入る際に通る製品入口8を備える。製品入口8の反対側において、フライヤ1は、食品が揚げられた後にフライヤ1を出る際に通る製品出口9を有する。フライヤ1の主コンベヤ2は、食品を製品入口8から製品出口9に搬送するように構成される。主コンベヤ2は、無端メッシュベルトとして実装される少なくとも1つのベルト4、5を備える。実施形態によれば、主コンベヤ2は、2つのベルト4、5を備える。フライヤ1は、製品が揚げ油表面に浮上するのを防ぐ油浸コンベヤ6を更に備えることができる。油浸コンベヤ6も、ベルト、特に無端メッシュベルトを有する。油浸コンベヤ6は、主コンベヤ2の上方に配置される。フライヤ1は、汚れ除去装置33を更に備える。フライヤ1の動作を制御するために、フライヤ1は、制御システム27を備える。代替的に又は加えて、フライヤ1は、フライヤ1を備える食品加工ラインの制御システム及び/又は集中制御システムによって制御することができる。
【0038】
フライ槽11内の揚げ油の品質を確定するために、フライヤ1は、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定データに基づいて、フライ槽11内に収容された揚げ油10の誘電率を確定するガイドウェーブレーダーセンサ21を備える。誘電率に基づいて、フライ槽11内の揚げ油10の品質を確定することができる。ガイドウェーブレーダーセンサ21は、揚げ油の品質のインラインでのリアルタイムの確定を更に可能にし、それにより、油の管理が可能にされる場合、産業規模のフライヤ1における食品の処理が向上する。
【0039】
実施形態に係るフライヤ1は、フライ槽11内の揚げ油10の温度を測定する温度センサ15を更に備える。温度センサ15は、揚げ油10内に浸すことができる。
【0040】
図示の実施形態に係るフライヤ1において、ガイドウェーブレーダーセンサ21がフライ槽11内に配置される。しかしながら、加えて又は代替的に、ガイドウェーブレーダーセンサ21は、フライ槽11に流体接続される、揚げ油を保持する貯留タンク28(図5に示されている)内に配置することができる。
【0041】
図2に示されているように、フライヤ1の制御システム27は、分析ユニット24と、制御ユニット25と、メモリユニット26とを備える。フライヤ1の分析ユニット24は、槽11内の揚げ油10の誘電率を確定するように構成される。次いで、分析ユニット24は、確定された誘電率及び測定された温度に基づいて、槽11内の揚げ油10の極性物質総量及び/又は槽11内の揚げ油10中の遊離脂肪酸の量を確定する。揚げ油の誘電率は揚げ油の使用中に変化するため、誘電率の測定は、極性物質総量を確定する信頼性のある方法である。フライ槽11内の揚げ油のタイプについての知識と合わせて、確定された誘電率に基づいて、遊離脂肪酸の量を確定することが可能である。分析ユニット24は、揚げ油の誘電率及び/又は温度に応じた、また任意選択で揚げ油のタイプに応じた、槽内の揚げ油の極性物質総量(TPM)及び/又は槽内の遊離脂肪酸(FFA)の量の関係を含む、所定の較正データを使用する。
【0042】
確定された値の時間的経過、ここでは、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を確定し、メモリユニット26内に記憶することができる。
【0043】
ガイドウェーブレーダーセンサ21は、フライ槽11内の揚げ油10の充填レベルの確定、また、貯留タンク28内にガイドウェーブレーダーセンサ21が適用される場合には貯留タンク28内の揚げ油10の充填レベルの確定も更に可能にする。確定された充填レベルに基づいて、分析ユニット24は、食品によって吸収される揚げ油の量を計算することができる。
【0044】
フライヤ1の動作中、分析ユニット24は、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に警告を発することができる。ガイドウェーブレーダーセンサ21が貯留タンク28内に配置される場合、貯留タンク28の中身に関して警告を発することができる。
【0045】
分析ユニット24は、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測することができる。また、分析ユニット24は、予測された寿命の終了が製品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定値に基づいて警告を発することができる。ガイドウェーブレーダーセンサ21が貯留タンク28内に配置される場合、貯留タンク28の中身に関して警告を発することができる。
【0046】
加えて又は代替的に、制御ユニット25は、ガイドウェーブレーダーセンサ21の測定値に基づいて、交換用揚げ油の貯留タンク28からフライ槽11への流入及び/又は使用済み揚げ油10のフライ槽11から貯留タンク28への流出を制御することができる。
【0047】
ガイドウェーブレーダーセンサ21について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に係るフライヤ1において使用されるガイドウェーブレーダーセンサ21の一実施形態を示している。
【0048】
ガイドウェーブレーダーセンサ21は、信号を生成するレーダー送信器、レーダー送信器に結合され、揚げ油10に向かって及び/又は揚げ油10を通して波をガイドする導波管23、及び/又は揚げ油10によって反射された波を受信するレーダー受信器を備える。図2に示されているガイドウェーブレーダーセンサ21において、送信器及び受信器の双方は、共通のハウジング22内に配置される。導波管23は、ロッド又はロープの形態を有し、揚げ油10内に部分的に配置される。ここでは、ガイドウェーブレーダーセンサ21、特にガイドウェーブレーダーセンサ21の導波管23の自由端部が、揚げ油10内に浸される。
【0049】
ガイドウェーブレーダーセンサ21は、送信器によって導波管23を介して送信され、油表面12によって反射された後、受信器によって受信される信号の飛行時間を測定するように構成される。
【0050】
図3は、本発明に係るフライヤにおいて使用することができるガイドウェーブレーダーセンサ21の代替的な実施形態を示している。ガイドウェーブレーダーセンサ21は、図2に示されているものと同様である。図2のガイドウェーブレーダーセンサとは異なり、図3に係るガイドウェーブセンサ21は、静止筒14を備える。静止筒14は、導波管23と同軸に配置される。静止筒14の自由端部は、揚げ油10内に浸され、すなわち、静止筒14の下端部は、空気-油界面12よりも下に位置する。静止筒14は、複数の開口16を備え、これらの開口16を通って、揚げ油10が静止筒14の外部から内部に、またその逆に流れることができる。開口は、静止筒14の外殻表面に配置される。
【0051】
図4は、揚げ油の品質図を示している。揚げ油の品質は、5つのステージに分類することができる。
ステージa:使い始め(Break In)(通常0%~8%のTPM)
ステージb:新鮮(通常8%~14%のTPM)
ステージg:最適(通常14%~22%のTPM)
ステージd:劣化(通常22%~24%のTPM)
ステージe:廃棄すべき(runaway)(通常24%を超えるTPM)
【0052】
図5は、フライヤ1に流体接続された複数の貯留タンク28を備える一実施形態を示している。フライ槽11及び/又はポンプチャンバ17は、交換用油の供給のための流入開口29と、フライヤ1から排出される油のための流出開口30とを備えることが一般的である。図示の実施形態において、流入油は、貯留タンク28.III(交換用油、例えば、新鮮な揚げ油)及び/又は貯留タンク28.II(交換用油、例えば、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関して或る特定の最大要件を満たす油)から導かれる。流出油は、貯留タンク28.I(使用済み油、例えば、これ以上使用することができない汚れた油)及び/又は貯留タンク28.II(交換用油、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関して或る特定の最大要件を満たす油)に向かって流れる。フライヤの数/容量及び意図される油管理によって、使用すべき貯留タンクの数が決まる。油の流れを管理するために、弁及びポンプが使用される。フライヤ内の油のレベル(例えば、食品が油を取り込むので、交換用油を追加する必要がある)及び/又は貯留タンク(複数の場合もある)内の油のレベル、及び油の品質(誘電率/TPM/FFA)が管理される。
【0053】
本発明に係るフライヤ1において、極性物質総量の所定の閾値は、顧客が製造したい製品のタイプ(例えば、味、色)、現地規則等によって主に決まるが、典型的には、14%~26%、好ましくは16%~24%、より好ましくは20%~22%の範囲内の値に設定され、フライヤ1が最適品質を有する揚げ油10を使用して動作するようになっている。
【0054】
実際のところ、貯留タンク28.Iからの油(使用済み油、例えば、これ以上使用することができない汚れた油)を貯留タンク28.IIからの油(交換用油、例えば、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸に関する或る特定の最大要件を満たす油)及び/又は貯留タンク28.IIIからの油(交換用油、例えば、新鮮な揚げ油)と組み合わせて再使用する状況が生じ得る。これを行う理由は、揚げられた食品の或る特定の味及び色(いくらか暗めの色)を達成するためであり得る。重要なのは、全ての場合において、揚げ調理中に使用される油が、誘電率及び極性物質総量及び遊離脂肪酸に関する要件内にあることである。
【0055】
所定の閾値を超えた場合、揚げ油10中の極性物質総量を低下させるために、及び/又は、例えば、フライヤの洗浄を必要とする間、フライヤを空にするために、使用済み揚げ油10がフライ槽11から流出開口30を通して貯留タンク28.I及び/又は28.IIに排出された後、交換用揚げ油が、貯留タンク28.II及び/又は28.IIIからフライ槽11内の流入開口29へと供給される。
【符号の説明】
【0056】
1 フライヤ
2 主コンベヤ
3 送込みコンベヤ
4 ベルト
5 ベルト
6 油浸コンベヤ
8 食品入口
9 食品出口
10 揚げ油
11 フライ槽
12 空気-油界面
13 底
14 静止筒
15 温度センサ
16 開口
17 ポンプチャンバ
21 ガイドウェーブレーダーセンサ
22 ハウジング
23 導波管
24 分析ユニット
25 制御ユニット
26 メモリユニット
27 制御システム
28、28I~III 貯留タンク
29 流入開口
30 流出開口
33 汚れ除去装置
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を揚げるフライヤ(1)であって、
揚げ油(10)を収容するフライ槽(11)を備え、
前記フライ槽(11)内に配置されるガイドウェーブレーダーセンサ(21)と、
前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率を確定する分析ユニット(22)と、
を特徴とする、フライヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のフライヤ(1)であって、前記フライヤ(1)は、食品を連続的に揚げるように構成され、前記フライ槽(11)を通して揚げられる食品を搬送する少なくとも1つのコンベヤ(2)を備えることを特徴とする、フライヤ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記フライヤ(1)は、前記フライ槽(11)の一部であるポンプチャンバ(17)を備え、前記第1のガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、前記ポンプチャンバ(17)内に配置されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、空気と前記揚げ油(10)との間の界面における信号反射に関連する前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の誘電率を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項6】
請求項5に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、所定の較正データに更に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項7】
請求項5に記載のフライヤ(1)であって、前記フライヤ(1)は、前記フライ槽(11)内、特に前記ポンプチャンバ(17)内の前記揚げ油(10)の温度を測定する温度センサを備え、前記分析ユニットは、前記揚げ油(10)の前記測定された温度に更に応じて、前記槽(11)内の前記揚げ油(10)の極性物質総量及び/又は前記槽(11)内の前記揚げ油(10)中の遊離脂肪酸の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記確定された誘電率に応じて、前記フライ槽(11)内の異物、特に洗浄液又は水の量を確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、誘電率及び/又は極性物質総量及び/又は遊離脂肪酸の量の時間的経過を記憶するように構成されるメモリユニットを特徴とする、フライヤ。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、前記フライ槽(11)内及び/又は前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンク内の前記揚げ油(10)の充填レベルを確定するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項11】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えた場合、及び/又は極性物質総量が所定の閾値を超えた場合、及び/又は遊離脂肪酸の量が所定の閾値を超えた場合に、警告を発するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて、
交換用揚げ油の、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンクから、前記フライ槽(11)への流入、及び/又は、
使用済み揚げ油の、前記フライ槽(11)から、好ましくは前記フライ槽(11)と流体連通して配置される貯留タンクへの流出、
を制御するように構成される制御ユニット(25)を特徴とする、フライヤ。
【請求項13】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、誘電率が所定の閾値を超えるときである、揚げ油の寿命の終了を予測するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項14】
請求項13に記載のフライヤ(1)であって、前記分析ユニットは、前記予測された寿命の終了が食品バッチの処理の所定の時間窓内にある場合、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定値に基づいて警告を発するように構成されることを特徴とする、フライヤ。
【請求項15】
請求項1又は2に記載のフライヤ(1)であって、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、静止筒を備えることを特徴とする、フライヤ。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の食品を揚げるフライヤを備える食品加工ライン。
【請求項17】
フライヤ(1)のフライ槽(11)内で食品を揚げる方法であって、前記フライ槽(11)は、揚げ油(10)又は融解したフライ用油脂を収容し、特に、少なくとも1つのコンベヤ(2)が、前記フライ槽(11)を通して前記揚げられる食品を搬送し、
分析ユニットが、ガイドウェーブレーダーセンサ(21)の測定データに基づいて、前記フライ槽(11)内に収容された前記揚げ油(10)の誘電率を確定し、前記ガイドウェーブレーダーセンサ(21)は、前記フライ槽(11)内に配置されることを特徴とする、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
同様の測定技法は、キッチンで使用されるバッチフライヤを開示している特許文献1から既知である。バッチフライヤのフライ用バットを出る油を受け取るためにバッチフライヤに取り付けることができる油キャディが設けられる。油キャディは、油の静電容量を測定するセンサを備え、油の品質は、油中に存在する極性物質総量(TPM)に関して測定された静電容量から導出される。
特許文献2は、フライヤポットと、濾過ループを形成する排出導管及び戻り導管によってフライヤポットに接続されるフィルタパンと、濾過ループ内にある調理油品質センサと、フライヤの濾過サイクルの動作を制御するコントローラとを備えるフライヤを開示している。
特許文献3は、フライヤ内の調理用媒体の品質を評価するシステム及び方法を開示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/191150号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0033463号
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0186266号
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
この関心事項によりよく対処するために、本発明の第1の態様において、請求項1に記載の食品を揚げるフライヤが提示される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の別の態様によれば、請求項16に記載の食品加工ラインが提示される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の更に別の態様によれば、請求項17に記載のフライヤのフライ槽内で食品を揚げる方法が提示される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明によれば、ガイドウェーブレーダーセンサは、フライ槽内に配置される。それにより、揚げ油の品質は、揚げ調理プロセスが行われる場所において直接確定することができる。
【国際調査報告】