(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】カテーテル・バルーンからの音響信号及び電磁信号の送信
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240711BHJP
A61N 7/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B18/14
A61N7/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501126
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 IB2022056611
(87)【国際公開番号】W WO2023002352
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512046383
【氏名又は名称】大塚メディカルデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザイ、リアン
(72)【発明者】
【氏名】デイリー、エリック
(72)【発明者】
【氏名】マッツォーネ、ジェイムス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】チェン、デズモンド
(72)【発明者】
【氏名】ティルマライ、シュルティ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ32
4C160JJ50
4C160KK12
4C160KK16
4C160KK35
4C160MM33
(57)【要約】
カテーテル10は、少なくとも第1のバルーン14の内部に位置し、動作周波数で動作するように構成される少なくとも第1のトランスデューサ34を有する。第1のトランスデューサ34は、第1のトランスデューサ34の長手軸線に沿って複数のローブを第1の音響場に与える音響信号を送信し、ローブのそれぞれは、空間強度最大値を第1の音響場の空間強度分布に有し、空間強度分布は、第1のバルーン14の表面にあり、第1のトランスデューサ34の表面に平行であり、第1の音響場の空間強度分布は、第1のトランスデューサ34の音響場の空間強度が第1のトランスデューサ34の空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、低減した空間音響強度位置のそれぞれは、第1のトランスデューサ34の長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して空間強度最大値間にあり、低減した空間音響強度位置のそれぞれは、第1のトランスデューサ34の長手軸線に沿って互いに隣接している空間強度最大値間の第1のバルーン14の表面上にある。カテーテル10は、電磁信号を送信するように構成された少なくとも第1の電極76をさらに備え、第1の電極76は、第1のトランスデューサ34の低減した空間音響強度位置のうちの1つで第1のバルーン14上に位置づけられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のトランスデューサ(34)と、
少なくとも第1のバルーン(14)と、を備えるカテーテル(10)であって、
前記第1のトランスデューサ(34)は前記第1のバルーン(14)の内部に位置し、前記第1のトランスデューサ(34)は動作周波数で動作するように構成され、
前記第1のトランスデューサ(34)は、前記第1のトランスデューサ(34)の長手軸線に沿って複数のローブを第1の音響場に与える音響信号を送信し、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記第1の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第1のバルーン(14)の表面にあり、前記第1のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第1の音響場の前記空間強度分布は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が前記第1のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接している前記空間強度最大値間で前記第1のバルーン(14)の前記表面上にあり、
前記カテーテル(10)がさらに、
電磁信号を送信するように構成された少なくとも第1の電極(76)を備え、前記第1の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記低減した空間音響強度位置の1つで前記第1のバルーン(14)上に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項2】
裏部材(42)と、
前記第1のバルーン(14)の前記内部に位置する少なくとも第2のトランスデューサ(34)と、をさらに備え、前記第2のトランスデューサ(34)は、第2の音響信号を送信するように構成され、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、裏部材(42)を囲み、前記裏部材(42)は、前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサと(34)の間に位置する強化した可撓性領域(114)を有する、請求項1に記載のカテーテル(10)。
【請求項3】
前記強化した可撓性領域(114)は、前記裏部材(42)の周りに螺旋状に形成される、請求項2に記載のカテーテル(10)。
【請求項4】
前記強化した可撓性領域(114)は、前記裏部材(42)の壁を通って延びる開口部である、請求項2に記載のカテーテル(10)。
【請求項5】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)から治療部位への前記音響信号の送信により互いから離隔された病変を前記治療部位に形成するのに十分な距離だけ分離される、請求項2から4までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項6】
裏部材(42)と、
少なくとも第2のトランスデューサ(34)と、
少なくとも第2のバルーン(14)と、をさらに備え、
前記第2のトランスデューサ(34)は、前記第2のバルーン(14)の内部に位置し、
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、前記裏部材(42)を囲み、
前記裏部材(42)は、前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサと(34)の間に位置する第1の強化した可撓性領域(114)を有する、請求項1に記載のカテーテル(10)。
【請求項7】
前記第2のトランスデューサ(34)は、前記第2のトランスデューサ(34)が前記第2のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って複数のローブを第2の音響場に与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記第2の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第2のバルーン(14)の表面にあり、前記第2のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第2の音響場の前記空間強度分布は、前記第2のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が、前記第2のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第2のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記カテーテル(10)は、電磁信号を送信するように構成された少なくとも第2の電極(76)をさらに備え、前記第2の電極(76)は、前記第2のトランスデューサ(34)の前記低減した空間音響強度位置の1つで前記第2のバルーン(14)上に位置づけられ、前記第1又は第2の電極(76)の少なくとも1つは、360°の円周方向電気接触を行うように構成されたワイヤの円筒形の拡張可能なメッシュを備える、請求項6に記載のカテーテル(10)。
【請求項8】
少なくとも第3のバルーン(14)をさらに備え、
前記裏部材(42)は、前記第2のバルーンと前記第3のバルーンと(14)の間に位置する第2の強化した可撓性領域(114)を有する、請求項7に記載のカテーテル(10)。
【請求項9】
電磁信号を送信するように構成された、前記第3のバルーン(14)上の少なくとも第3の電極(76)をさらに備え、
前記第1のバルーン(14)は、前記カテーテル(10)の近位端に位置し、前記第3のバルーン(14)は、前記カテーテル(10)の遠位端に位置し、前記第2のバルーン(14)は、前記第1のバルーンと前記第3のバルーンとの間に位置し、
前記第1の電極(76)は、360°の円周方向電気的接触を行うように構成されたワイヤの円筒形の拡張可能なメッシュを含み、
前記第3の電極(76)は、八角形の星状部を備える、請求項8に記載のカテーテル(10)。
【請求項10】
前記第3のバルーン内に位置する第3のトランスデューサ(34)をさらに備え、
前記第3のトランスデューサ(34)は、前記第3のトランスデューサ(34)が前記第3のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って複数のローブを第3の音響場に与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記第3の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第3のバルーンの表面にあり、前記第3のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第3の音響場の前記空間強度分布は、前記第3のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が前記第3のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第3のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記第3の電極(76)は、前記第3のトランスデューサ(34)の低減した空間音響強度位置で前記第3のバルーン上に位置づけられる、請求項8又は9に記載のカテーテル(10)。
【請求項11】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、異なる動作周波数で動作するように構成される、請求項2から10までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項12】
前記第1のトランスデューサ(34)は、6MHz以上20MHz以下の動作周波数で動作するように構成され、前記第2のトランスデューサ(34)は、20MHz以上60MHz以下の動作周波数で動作するように構成される、請求項11に記載のカテーテル(10)。
【請求項13】
前記第1のバルーン(14)上の少なくとも第2及び第3の電極(76)をさらに備え、前記第2及び第3の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)が前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って前記第2の電極と前記第3の電極と(76)の間にあるように位置づけられる外部電極(76)を含む、請求項1、2、3、4、5、6、11及び12のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項14】
前記第1のバルーン(14)上の少なくとも第2の電極(76)をさらに備え、前記第2の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の長手軸線に垂直である線が、前記第1のトランスデューサ(34)を通って延びることなく前記第2の電極(76)を通って延びることができるように位置づけられる外部電極(76)を含む、請求項1、2、3、4、5、6、11及び12のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項15】
前記バルーン(14)上にフレックス回路をさらに備え、少なくとも前記第1の電極(76)は、前記フレックス回路上に位置づけられる、請求項1から14までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項16】
少なくとも前記第1の電極(76)は、少なくとも前記第1のバルーン(14)の円周を囲む、分離された、リング状の、又はメッシュ状の電極である、請求項1から15までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項17】
少なくとも前記第1の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度の最小値のうちの1つの上にある位置に置かれる、請求項1から15までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項18】
前記第1のバルーン(14)の前記内部に位置し、第2の音響信号を送信するように構成される少なくとも第2のトランスデューサ(34)と、
少なくとも第2の電極(76)と、をさらに備え、前記第2の電極(76)は、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)の前記音響場の外側の位置で前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサと(34)の間で前記第1のバルーン(14)上に位置づけられる、請求項1、及び11から17までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項19】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、それぞれ、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)のそれぞれが、音響エネルギーの単一のローブを与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)の前記動作周波数は、1MHz以上60MHz以下である、請求項2から11まで及び12から18までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項20】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、それぞれ、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)のそれぞれが、音響エネルギーの単一のローブを与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)の前記動作周波数は、1MHz以上60MHz以下である、請求項2から11まで及び12から18までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項22】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、異なる動作周波数で動作するように構成される、請求項2から21までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項23】
前記第1のトランスデューサ(34)は、6MHz以上20MHz以下の動作周波数で動作するように構成され、前記第2のトランスデューサ(34)は、20MHz以上60MHz以下の動作周波数で動作するように構成される、請求項22に記載のカテーテル(10)。
【請求項24】
エネルギーを治療部位に送達する方法であって、
カテーテル(10)の遠位端を患者内の前記治療部位へ進めることであって、
前記カテーテル(10)は、第1のバルーン(14)の内部に位置する少なくとも第1のトランスデューサ(34)を有する、ことと、
前記第1のトランスデューサ(34)を、前記第1のトランスデューサ(34)が前記第1のトランスデューサ(34)の長手軸線に沿って複数のローブを備える音響場を有する音響信号を送信する動作周波数で動作させることとを含み、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記バルーン(14)の表面にあり、前記第1のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
第1の音響場の空間強度分布は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が前記第1のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接している空間強度最大値間の前記第1のバルーンの前記表面上にあり、前記カテーテル(10)は、電磁信号を送信するように構成された少なくとも第1の電極(76)をさらに備え、前記第1の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記低減した空間音響強度位置の1つで前記第1のバルーン上に位置づけられる、方法。
【請求項25】
前記カテーテル(10)は、前記第1のバルーンの近位にある少なくとも第2のバルーン(14)と、神経活動を感知するように構成された、前記第2のバルーン上の第2の電極(76)とをさらに備え、前記方法は、
前記第1の電極(76)を使用して、血管の神経を刺激する電磁信号を送信し、
前記第2の電極(76)を使用して、前記血管の神経活動を感知することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記治療部位は腎動脈である、請求項24又は25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
バルーン(14)の内部に位置するトランスデューサ(34)を備えるカテーテル(10)であって、
前記トランスデューサ(34)は、前記トランスデューサ(34)が前記トランスデューサ(34)の長手軸線に沿って複数のローブを音響場に与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記バルーン(14)の表面にあり、前記トランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記音響場の前記空間強度分布は、1つ又は複数の空間強度最小値を有し、
前記空間強度最小値のそれぞれは、前記トランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記カテーテル(10)はさらに、
電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極(76)を備え、前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれが、前記バルーン(14)上、且つ前記1つ又は複数の空間強度最小値のうちの1つの上にある位置で前記トランスデューサ(34)の上に位置づけられた、カテーテル(10)。
【請求項28】
前記トランスデューサ(34)が前記トランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って前記外部電極(76)間にあるように位置づけられた外部電極(76)をさらに備える、請求項26に記載のカテーテル(10)。
【請求項29】
前記トランスデューサ(34)の長手軸線に垂直である線が、前記トランスデューサ(34)を通って延びることなく、前記外部電極(76)のそれぞれを通って延びることができるように位置づけられた1つ又は複数の外部電極(76)をさらに備える、請求項26に記載のカテーテル(10)。
【請求項30】
前記1つ又は複数の電極(76)は、前記バルーン(14)の円周を囲むメッシュ状電極を含む、請求項26から29までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項31】
前記1つ又は複数の電極(76)は、前記トランスデューサ(34)の長手軸線に垂直である線が、前記電極(76)の重心、及び前記1つ又は複数の空間強度最小値のうちの1つを通過することができるように位置づけられる、請求項26から30までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項32】
バルーンの内部に位置し、音響信号を送信するように構成されたトランスデューサ(34)と、
前記バルーン上に位置づけられ、且つ電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極(76)と、を備え、
前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれは、前記電極(76)の少なくとも一部が前記トランスデューサ(34)の前記音響信号を越えて位置づけられるように前記バルーン上に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項33】
前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれは、電極(76)全体が前記トランスデューサ(34)の前記音響信号を越えて位置づけられるように、前記バルーン上に位置づけられる、請求項32に記載のカテーテル(10)。
【請求項34】
前記1つ又は複数の電極(76)はフレックス回路上に位置づけられる、請求項27から33までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項35】
前記1つ又は複数の電極(76)は前記バルーンの円周を囲む、請求項27から33までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項36】
バルーンの内部に位置する複数のトランスデューサ(34)であって、音響信号を送信するようにそれぞれが構成された複数のトランスデューサ(34)と、
電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極(76)と、を備え、前記1つ又は複数の電極(76)の少なくとも一部は、前記バルーン上且つ前記バルーン内の前記トランスデューサ(34)間に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項37】
前記トランスデューサ(34)はそれぞれ、前記トランスデューサ(34)が、単一ローブの音響エネルギーを与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記動作周波数は1MHz以上20MHz以下である、請求項36に記載のカテーテル(10)。
【請求項38】
バルーンの内部に位置する複数のトランスデューサ(34)を備えるカテーテル(10)であって、前記複数のトランスデューサ(34)のそれぞれは音響信号を送信するように構成され、前記複数のトランスデューサ(34)のそれぞれは、各トランスデューサ(34)の長手軸線に沿って少なくとも1つのローブを音響場に与える音響信号を送信するように構成され、前記少なくとも1つのローブは空間強度の最大値を前記音響場の空間強度分布に有し、前記空間強度分布は、前記バルーン(14)の表面にあり、前記トランスデューサ(34)のそれぞれの表面に平行であり、
前記カテーテル(10)はさらに、
電磁信号を送信するように構成される1つ又は複数の電極(76)を備え、前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれが、各トランスデューサ(34)の少なくとも1つのローブの前記空間強度最大値の位置以外の前記バルーン上に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項39】
カテーテル(10)であって、
前記カテーテル(10)の長手軸線を囲むようにバルーン(14)の内部に位置し、且つそれぞれが音響信号を送信するように構成された複数のトランスデューサ(34)を備え、
一対の前記トランスデューサ(34)は、前記カテーテル(10)の前記長手軸線に沿って互いに隣接し、それぞれが端を有する前記一対のトランスデューサ(34)は、前記端が前記カテーテル(10)の前記長手軸線に沿って互いに隣接するように配置され、
前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)の一方又は両方は、前記トランスデューサ(34)の前記隣接する端に向かって先細りになる厚さを有する、カテーテル(10)。
【請求項40】
前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)のそれぞれは、前記トランスデューサの前記隣接する端に向かって先細りになる厚さを有する、請求項39に記載のカテーテル(10)。
【請求項41】
先細が前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)のそれぞれで始まる位置間の分離距離が5mm未満である、請求項39又は40に記載のカテーテル(10)。
【請求項42】
先細が前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)のそれぞれで始まる位置間の分離距離が3mm未満である、請求項39又は40に記載のカテーテル(10)。
【請求項43】
先細は、前記カテーテル(10)の曲げに応じて、前記隣接する端が、各トランスデューサ(34)の内面から各トランスデューサ(34)の外面まで連続的に接触可能であるように構成される、請求項39から42までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項44】
前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)のうちの少なくとも1つの厚さは、厚さ対長さの比が0より大きく2未満で先細りになる、請求項39から43までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項45】
前記トランスデューサ(34)の前記隣接する端に向かって先細りになる厚さは、前記トランスデューサ(34)の内面に向かって先細りになる、請求項39から44までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項46】
前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)は、前記トランスデューサ(34)のそれぞれから治療部位への音響信号の送信により、前記治療部位内の熱エネルギーの伝導に応じて融合する病変を前記治療部位に形成するのに十分に近く位置づけられる、請求項39から45までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項47】
前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)のそれぞれは、音響エネルギーのローブを出力するように構成された活性領域を有し、前記一対のトランスデューサ(34)における前記トランスデューサ(34)上の前記活性領域間の分離距離が5mm未満である、請求項39から46までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項48】
裏部材(42)と、
前記裏部材(42)を囲む複数のトランスデューサ(34)と、を備え、
前記トランスデューサ(34)のそれぞれは、音響信号を送信するように構成され、
前記裏部材(42)は、前記トランスデューサ(34)間に位置する強化した可撓性領域(114)を有する、カテーテル(10)。
【請求項49】
前記強化した可撓性領域(114)は前記裏部材(42)の周りに螺旋状に形成される、請求項48に記載のカテーテル(10)。
【請求項50】
前記強化した可撓性領域(114)は、前記裏部材(42)の壁を通って延びる開口部である、請求項48に記載のカテーテル(10)。
【請求項51】
前記トランスデューサ(34)は、前記トランスデューサ(34)から治療部位への音響信号の送信により、互いから離隔された病変を前記治療部位に形成するのに十分な距離だけ分離される、請求項40から40までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項52】
裏部材(42)と、
少なくとも第1及び第2のバルーン(14)と、
前記裏部材(42)を囲む少なくとも第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサ(34)と、を備え、
前記第1のトランスデューサ(34)は、前記第1のバルーン(14)の内部に位置し、
前記第2のトランスデューサ(34)は、前記第2のバルーン(14)の内部に位置し、
前記トランスデューサ(34)のそれぞれは、音響信号を送信するように構成され、
前記裏部材(42)は、前記トランスデューサ(34)間に位置する強化した可撓性領域(114)を有する、カテーテル(10)。
【請求項53】
前記カテーテル(10)は、前記第1及び第2のバルーン(14)を独立して膨張及び/又は収縮するように構成される、請求項52に記載のカテーテル(10)。
【請求項54】
前記カテーテル(10)は、前記第1及び第2のバルーン(14)を実質的に同時に膨張及び/又は収縮するように構成される、請求項52又は53に記載のカテーテル(10)。
【請求項55】
前記第1及び第2のバルーン(14)は、同じ又はほぼ同じレベルの剛性を有する、請求項52から54までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項56】
前記第1及び第2のバルーン(14)は、実質的に異なるレベルの剛性を有する、請求項52から54までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項57】
カテーテル(10)軸であって、前記裏部材(42)は前記カテーテル(10)軸の遠位端から延びる、カテーテル(10)軸と、
前記第1及び第2のバルーン(14)の内部に開口する前記軸上の流体管腔と、をさらに備える請求項52から56までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項58】
バルーンの内部に位置するトランスデューサ(34)を備えるカテーテル(10)であって、前記トランスデューサ(34)は、前記トランスデューサ(34)の長手軸線に沿って複数のローブを音響場に与える音響信号を送信するように構成され、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記バルーン(14)の表面にあり、前記トランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記カテーテル(10)はさらに、
電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極(76)を備え、前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれが、前記空間強度最大値の位置以外のバルーン(14)上に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項59】
前記音響場の前記空間強度分布は、1つ又は複数の空間強度の最小値を有し、
前記空間強度最小値のそれぞれは、前記トランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれは、前記空間強度最小値の位置で前記バルーン上に位置づけられる、請求項58に記載のカテーテル(10)。
【請求項60】
バルーン(14)の内部に位置し、複数のローブを音響場に与える音響信号を送信するように構成されたトランスデューサ(34)と、
電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極(76)と、を備え、
前記1つ又は複数の電極(76)のそれぞれは、前記音響場に大幅には干渉しない位置で前記バルーン(14)上に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項61】
前記複数のローブは、第1のトランスデューサ(34)の長手軸線に沿って延び、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を第1の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第1のバルーン(14)の表面にあり、前記第1のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第1の音響場の前記空間強度分布は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が前記第1のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値の間にあり、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接している前記空間強度最大値間で前記第1のバルーン(14)の前記表面上にあり、
少なくとも第1の電極(76)が電磁信号を送信するように構成され、前記第1の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記低減した空間音響強度位置のうちの1つで前記第1のバルーン(14)上に位置づけられる、請求項60に記載のカテーテル(10)。
【請求項62】
前記第1の音響場の前記空間強度分布は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が、前記第1のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の25%以下である1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有する、請求項61に記載のカテーテル(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カテーテルに関する。特に、本開示は、電磁エネルギーを治療部位に印加するように構成されたカテーテルを含む。本開示はまた、カテーテルの長手軸線を囲む複数のトランスデューサを備えるカテーテルを含み、トランスデューサのそれぞれは、音響信号を送信するように構成される。
【背景技術】
【0002】
米国疾病管理予防センター(CDC:the Centers for Disease Control and Prevention)によると、成人の約3人に1人が、高血圧症としても知られる高血圧を患っている。治療せずに放置すると、高血圧症は、腎疾患、不整脈、心不全を引き起こす可能性がある。近年、高血圧症の治療は、腎動脈を囲む腎神経に、これらの神経を不活性化するために、異なる形態のエネルギーを印加する低侵襲介入アプローチに焦点が当てられている。残念ながら、全ての患者がこの治療法に好反応を示すわけではない。腎神経切除術は、潜在的にはプローブと組織との界面が不十分なために効果がないことが多い。したがって、腎動脈に沿って通る神経線維に十分な量の破壊手段が送達されるわけではない。1つの理由は、動脈壁への破壊手段の送達には、神経活動の破壊を評価するフィードバック機構がないことである。結果として、十分な量の破壊手段が送達されず、神経活動は壊れない。したがって、臨床医は、プローブ/組織界面を改良する手段又は神経をより適切に標的にする手段、及び治療を終了する前に神経活動の破壊を確認するために、動脈壁を通過する神経線維の完全性を監視する技術を必要とする。神経活動の破壊に対する現在の技術は、所望の神経活動の破壊がいつ達成されたかを検出するフィードバック機構を開業医に提供していない。神経破壊手段は、所望の効果が達成されたという知識なしに経験的に適用される。除神経手順が成功したかどうかに関する実時間のフィードバックを提供できるシステムが必要とされている。
【0003】
また、現在市販されているデバイスより細い血管を切除でき、又はより蛇行した解剖学的構造を通過するカテーテルも必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第63/263,000号
【特許文献2】米国特許公開第20220095979号
【特許文献3】米国特許公開第2018/0221087号
【特許文献4】米国特許公開第2017/0035310号
【特許文献5】米国仮特許出願第63/223,519号
【特許文献6】米国特許公開第15/299694号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立した特許請求の範囲によって定義される。本発明のさらなる実施例は、従属特許請求の範囲によって定義される。
【0006】
カテーテルは、少なくとも第1のバルーンの内部に位置する少なくとも第1のトランスデューサを有し、第1のトランスデューサは動作周波数で動作するように構成される。第1のトランスデューサは、第1の音響場に第1のトランスデューサの長手軸線に沿って複数のローブを与える音響信号を送信し、ローブのそれぞれは、第1の音響場の空間強度分布において空間強度最大値を有し、空間強度分布は、第1のバルーンの表面にあり、且つ、第1のトランスデューサの表面に平行であり、第1の音響場の空間強度分布は、第1のトランスデューサの音響場の空間強度が、第1のトランスデューサの空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、低減した空間音響強度位置のそれぞれは、第1のトランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対する空間強度最大値間にあり、低減した空間音響強度位置のそれぞれは、第1のトランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接している空間強度最大値間の第1のバルーンの表面にある。カテーテルは、電磁信号を送信するように構成された少なくとも第1の電極をさらに備え、第1の電極は、第1のトランスデューサの低減した空間音響強度位置のうちの1つでの第1のバルーン上に位置づけられる。
【0007】
エネルギーを治療部位に送達する方法は、カテーテルの遠位端を患者内の治療部位へ進めることを含む。カテーテルは、第1のバルーンの内部に位置する少なくとも第1のトランスデューサを有する。本方法は、さらに、第1のトランスデューサを、第1のトランスデューサが第1のトランスデューサの長手軸線に沿って複数のローブを備える音響場を有する音響信号を送信する動作周波数で、操作し、ローブのそれぞれは、空間強度最大値を音響場の空間強度分布に有し、空間強度分布は、バルーンの表面にあり、且つ第1のトランスデューサの表面に平行であり、第1の音響場の空間強度分布は、第1のトランスデューサの音響場の空間強度が第1のトランスデューサの空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、低減した空間音響強度位置のそれぞれは第1のトランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対する空間強度最大値間にあり、低減した空間音響強度位置のそれぞれは、第1のトランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接している空間強度最大値間で第1のバルーンの表面上にあり、カテーテルは、電磁信号を送信するように構成された少なくとも第1の電極をさらに備え、第1の電極は、第1のトランスデューサの低減した空間音響強度位置の1つで第1のバルーン上に位置づけられる。
【0008】
カテーテルの別の実施例は、バルーンの内部に位置するトランスデューサを有する。トランスデューサは、トランスデューサが、音響場にトランスデューサの長手軸線に沿って複数のローブを与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成される。ローブのそれぞれは、空間強度最大値を音響場の空間強度分布に有する。空間強度分布は、バルーンの表面にあり、トランスデューサの表面に平行である。音響場の空間強度分布は、1つ又は複数の空間強度最小値を有する。空間強度最小値のそれぞれは、トランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対する空間強度最大値間にある。1つ又は複数の電極は、電磁信号を送信するように構成され、1つ又は複数の電極のそれぞれは、バルーン上、且つ1つ又は複数の空間強度最小値のうちの1つの最小値の上である位置でトランスデューサの上に位置づけられる。
【0009】
カテーテルの別の実施例は、バルーンの内部に位置するトランスデューサを有する。トランスデューサは、音響信号を送信するように構成される。1つ又は複数の電極は、バルーン上に位置づけられ、電磁信号を送信するように構成される。1つ又は複数の電極のそれぞれは、電極の少なくとも一部がトランスデューサの音響信号を越えて位置づけられるように、バルーン上に置かれる。
【0010】
カテーテルの別の実施例は、バルーンの内部に位置する複数のトランスデューサを有する。トランスデューサのそれぞれは、音響信号を送信するように構成される。カテーテルはまた、電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極を含む。1つ又は複数の電極の少なくとも一部は、バルーン上、且つバルーン内のトランスデューサ間に位置づけられる。
【0011】
カテーテルの別の実施例は、バルーンの内部に位置する複数のトランスデューサを有する。トランスデューサのそれぞれは、音響信号を送信するように構成される。1つ又は複数の電極は、電磁信号を送信するように構成される。1つ又は複数の電極の少なくとも一部は、バルーン上、且つバルーン内のトランスデューサ間に位置づけられる。
【0012】
カテーテルの別の実施例は、バルーンの内部に位置する複数のトランスデューサを有し、トランスデューサのそれぞれは、音響信号を送信するように構成される。複数のトランスデューサのそれぞれは、音響場に各トランスデューサの長手軸線に沿って少なくとも1つのローブを与える音響信号を送信するように構成される。少なくとも1つのローブは、空間強度最大値を音響場の空間強度分布に有する。空間強度分布は、バルーンの表面にあり、トランスデューサのそれぞれの表面に平行である。1つ又は複数の電極は、電磁信号を送信するように構成される。1つ又は複数の電極のそれぞれは、各トランスデューサの少なくとも1つのローブの空間強度最大値の位置以外のバルーン上に位置づけられる。
【0013】
カテーテルの別の実施例は、トランスデューサがカテーテルの長手軸線を囲むようにバルーンの内部に位置する複数のトランスデューサを有する。トランスデューサのそれぞれは、音響信号を送信するように構成される。一対のトランスデューサが、カテーテルの長手軸線に沿って互いに隣接し、対のトランスデューサにおけるそれぞれは、両端がカテーテルの長手軸線に沿って互いに隣接するように配置された端を有する。対のトランスデューサにおけるトランスデューサの一方又は両方は、トランスデューサの隣接する端に向かって先細りになる厚さを有する。
【0014】
カテーテルの別の実施例は、裏部材を有する。また、カテーテルは、それぞれが裏部材を囲む複数のトランスデューサを有する。トランスデューサのそれぞれは、音響信号を送信するように構成される。裏部材は、トランスデューサ間に位置する強化した可撓性領域を有する。いくつかの例では、強化した可撓性領域は、裏部材の周りに螺旋を描く。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2A】
図2Oまで
図1のカテーテル・システムとの使用に好適なカテーテルを例示する。カテーテルの長手軸線に沿って取られたカテーテルの遠位端の断面である。カテーテルは、分散型電極として動作するように構成される単一の電極選択肢に接続された複数の円周方向電極を含む。
【
図2E】電極が、それぞれ、単一の円周方向電極を含む複数の電極選択肢に接続されるように修正された、
図2Aから
図2Dのカテーテルを例示する。
【
図2F】電極選択肢のそれぞれが複数の個別電極を含むように修正された
図2Eのカテーテルである。
【
図2G】電極が、トランスデューサとおおよそ同軸となり、トランスデューサの長手軸線に沿ってトランスデューサの近位及び遠位に配置され、トランスデューサ又はトランスデューサの音響信号と重ならないように位置づけられた外部電極として電極が機能するように修正された
図2Fのカテーテルを例示する。
【
図2H】
図2Gに示すような音響場のローブ間に電極を含むように修正された
図2Fのカテーテルを例示する。
【
図2I】異なる電極選択肢からの電極がバルーン上で長手方向に位置合わせされないように修正された
図2Gのカテーテルを例示する。
【
図2J】各電極選択肢が単一の個別電極を含む複数の電極選択肢に接続された
図2Iの電極を例示する。
【
図2K】電極がバルーン上に位置づけられるが、トランスデューサ組立体がバルーン内に存在しないように修正された
図2Gのカテーテルを例示する。
【
図2L】トランスデューサ組立体がバルーン内に存在するが、電極はバルーン上に位置づけられないように修正された
図2Aのカテーテルを例示する。
【
図2M】複数の電極選択肢に接続された電極において、1つの電極選択肢が単一の円周方向電極を含み、1つの電極選択肢は複数の個別電極を含むように修正された
図2Eのカテーテルを例示する。
【
図2N】中間バルーンを近位バルーンと遠位バルーンとの間に含むカテーテルの一部を例示する。
【
図2O】カテーテルの一部が中間バルーンを近位バルーンと遠位バルーンとの間に含む代替実施例を例示する。
【
図3A】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。カテーテル軸の遠位端の一部を例示する。カテーテル軸の部分の斜視図である。
【
図3B】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。カテーテル軸の遠位端の一部を例示する。
図3AにBと表示された線に沿って取られた
図3Aに示すカテーテル軸の断面である。
【
図3C】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。カテーテル軸の遠位端の一部を例示する。
図3AにCと表示された線に沿って取られた
図3Aに示すカテーテル軸の断面である。
【
図3D】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。カテーテルの遠位端の斜視図である。
【
図3E】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。カテーテルの長手軸線に沿って、且つバルーンのうちの1つを通る
図3Dに示すカテーテルの断面である。
【
図3F】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。
図3FにEと表示された線に沿って取られた
図3Eに示すカテーテルの断面である。
【
図3G】同じカテーテル上の異なるバルーンの独立した膨張及び/又は収縮を許容できるカテーテル構築の実例を例示する。
図3FにGと表示された線に沿って取られた
図3Eに示すカテーテルの断面である。
【
図4B】
図4Aのフレックス回路を含むカテーテルの一部の側面図である。
【
図4C】
図4CにBと表示された線に沿って取られた
図4Bに示すカテーテルの部分の断面である。
【
図5A】カテーテルとの使用に好適である両面フレックス回路の実例を例示する。伝導経路を基板に含む両面フレックス回路の内側の上面図である。
【
図5B】カテーテルとの使用に好適である両面フレックス回路の実例を例示する。
図5Aに示す両面フレックス回路の外側の上面図である。
【
図5C】カテーテルとの使用に好適である両面フレックス回路の実例を例示する。
図5A及び
図5Bのフレックス回路を含むカテーテルの一部の側面図である。
【
図6A】複数のトランスデューサ組立体をバルーンに含むカテーテルの実例を例示する。バルーン及び並列に接続されたトランスデューサ組立体を含むカテーテルの一部の斜視図である。
【
図6B】複数のトランスデューサ組立体をバルーンに含むカテーテルの実例を例示する。Bと表示された線に沿って取られた
図6Aに示すカテーテルの断面である。
【
図6C】直列に接続されたトランスデューサ組立体を含むカテーテルの一部の斜視図である。
【
図6D】トランスデューサ組立体及びバルーンを含むカテーテルの一部の斜視図である。
【
図6E】Eと表示された線に沿って取られた
図6Dに示すカテーテルの断面である。
【
図6F】互いに隣接し、それぞれがトランスデューサの端で先細りになる厚さを有するトランスデューサの断面である。
【
図6G】互いに隣接し、それぞれがトランスデューサの端で先細りになる厚さを有するトランスデューサの断面である。
【
図6H】トランスデューサの端で先細りになる厚さを有するトランスデューサの断面である。
【
図6I】トランスデューサの端で先細りになる厚さを有するトランスデューサの断面である。
【
図6J】トランスデューサの端に向かって先細りになる厚さを有するトランスデューサの断面である。
【
図7A】内部カテーテルの実例を例示する。内部カテーテルの実施例の斜視図である。
【
図7B】内部カテーテルの実例を例示する。内部カテーテルの別の実施例の斜視図である。
【
図7C】内部カテーテルの実例を例示する。
図5Cとの関連で開示されたカテーテルのガイドワイヤ管腔に位置づけられた
図7Aの内部カテーテルを例示する。
【
図8】カテーテルの遠位端を受容する腎動脈等の血管の切断面図である。
【
図9】凹部を持つトランスデューサを有するカテーテルの断面である。
【
図10A】カテーテルの長手軸線に沿って取られたカテーテルの遠位端の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
カテーテルは、バルーンの内部に位置するトランスデューサを有する。トランスデューサは、音響エネルギーを複数のローブに有する音響信号を送信するように構成される。ローブは、音響場の空間音響エネルギー又は空間強度分布を表す。結果として、音響場のローブは、音響エネルギーを腎神経、肝神経、肺動脈神経、又は心臓組織等の治療部位に送達できる。カテーテルはまた、電磁信号を送信するように構成された1つ又は複数の電極を含む。1つ又は複数の電極のそれぞれは、バルーン上、且つ音響場のローブ間に位置づけられる。結果として、電磁信号は、電磁エネルギーを治療部位に送達できる。電極は音響場から又は音響場のローブ間に位置づけられるため、電磁エネルギーは、ローブが音響エネルギーを治療部位に送達する位置間で治療部位に送達できる。電磁エネルギーは、音響エネルギーが、例えば、最小限に低減される位置へ送達されるため、治療部位全体に送達されるエネルギーの均一性を高めることができ、治療の効果を最大化できる。
【0017】
図1は、カテーテル・システムの側面図である。カテーテル・システムは、近位端及び遠位端を有するカテーテル10を含む。カテーテル10は、カテーテル軸12、バルーン14、及び先端部材15を含む。バルーン14は、カテーテル軸12と先端部材15との間に位置づけできる。バルーン14は、適合、準適合又は不適合の医療用バルーン14であり得る、又はこのようなバルーンを含むことができる。バルーン14に好適な材料は、ナイロン、ポリイミドフィルム、商標PEBAX(商標)の印がつけられたもの等の熱可塑性エラストマー、商標PELETHANE(商標)で販売されているもの等の医療グレードの熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ペル・エタン、イソエーテル、及び他の好適なポリマー又はそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない。
【0018】
カテーテル10は、ハンドル16をカテーテル軸12の近位端に有することができる。ハンドル16は、カテーテル・システムを、それぞれが電子機器22と電気的に連通している1つ又は複数の外部導電体20に接続するために1つ又は複数の電気結合器18を含むことができる。好適な外部導電体20は、ワイヤ、ケーブル、及びフレキシブル・プリント回路(FPC:Flexible Printed Circuits)を含むが、これらに限定されない。
【0019】
カテーテル軸12は、1つ又は複数の電気管腔(図示せず)を含むことができる。電気管腔のそれぞれは、電気結合器18のうちの1つ又は複数からカテーテル軸12の長手方向の長さに沿ってカテーテル軸12の遠位端に向かって延びる。電気管腔は、それぞれが1つ又は複数の導電体を担持する1つ又は複数の導電体キャリア(図示せず)を保持できる。導電体は、電気結合器18及び外部導電体20のうちの1つ又は複数を通して、電子機器22と電気的に連通できる。好適な導電体は、ワイヤ、絶縁ワイヤ、ケーブル、及びフレキシブル・プリント回路(FPC)を含むが、これらに限定されない。導電体キャリアが複数の導電体を担持するとき、好適な導電体キャリアは、電気的に絶縁性のジャケットであってよい。導電体キャリアが単一の導電体を担持するとき、導電体上の電気絶縁体が導電体キャリアとして機能できる。
【0020】
ハンドル16は、カテーテルを導管26に接続するために、1つ又は複数の流体ポート24を含むことができる。好適な導管26は、チューブ及びホースを含むが、これらに限定されない。導管26は、流体ポート24と流体源28との間を流体で連通できる。好適な流体源28は、ポンプ、タンク、貯留器、及び容器を含むが、これらに限定されない。カテーテル軸12は1つ又は複数の流体管腔(図示せず)を含むことができる。流体管腔のそれぞれは、流体ポート24のうちの1つと流体連通でき、カテーテル軸12の長手方向の長さに沿ってカテーテル軸12の遠位端に向かって延びることができる。
【0021】
ハンドル16は、ガイドワイヤ31を受容するために、1つ又は複数のガイドワイヤ・ポート30を含むことができる。カテーテル軸12は、ガイドワイヤ管腔(図示せず)を含むことができる。ガイドワイヤ管腔は、カテーテル軸12の長手方向の長さに沿ってカテーテル軸12の遠位端に向かって延びることができる。ガイドワイヤ管腔は、ガイドワイヤ・ポート30内へ挿入されたガイドワイヤ31がガイドワイヤ管腔に受容されるように、ガイドワイヤ・ポート30と流体連通できる。
【0022】
図2Aは、カテーテルの長手軸線に沿って取られたカテーテルの遠位端の断面である。
図2Bは、
図2AにBと表示された線に沿って取られた
図2Aに示すカテーテルの断面である。
図2Cは、
図2AにCと表示された線に沿って取られた
図2Aに示すカテーテルの断面である。
図2Dは、
図2Aに示すカテーテルの遠位端の側面図である。バルーン14は、カテーテル軸12と先端部材15との間に位置づけできる。バルーン14は、カテーテル軸12の外部及び/又は先端部材15の外部に沿って固着できる。バルーン14をカテーテル軸12の外部及び/又は先端部材15の外部に固着する好適な機構は、摩擦嵌合と、糊、接着剤、エポキシ等の接着機構と、保持器、ロック・リング、リング・クランプ若しくはホース・クランプ等のクランプ等の機械的取付機構と、レーザ溶接、熱溶接等の溶接と、それらの組合せとを含むが、これらに限定されない。
【0023】
トランスデューサ組立体32は、バルーン14の内部に位置づけられる。トランスデューサ組立体32は、トランスデューサ34を含むことができる。ある実施例では、トランスデューサは、集束超音波用に構成される。トランスデューサは、内面及び外面を有する中空円筒の構成を有することができる。内部電極36は、内面に接触し、トランスデューサ34の長さに沿って延びることができる。外部電極38は、外面に接触し、トランスデューサ34の長さに沿って延びることができる。トランスデューサ34に好適な材料は、圧電セラミクス、結晶及びポリマーを含む圧電材料と、圧電微小機械加工超音波トランスデューサ(PMUT:piezoelectric micromachined ultrasonic transducer)及び静電容量式微小機械加工超音波トランスデューサ(CMUT:capacitive micromachined ultrasonic transducer)等の音響微小電気機械システム(MEMS:micro-electro mechanical systems)トランスデューサと、を含むが、これらに限定されない。好適な圧電体の例は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、CMUT、及びPMUTを含むが、これらに限定されない。腎除神経における使用に好適な実施例では、トランスデューサ34の材料は、ネイビーIIIピエゾ材料としても知られているチタン酸ジルコン酸鉛8(PZT8)を含む、又はそれからなる。未加工のPZTトランスデューサは、銅、ニッケル及び/又は金の層でめっきされて内部電極36及び外部電極38を作成してよい。ある実施例では、トランスデューサ34は、集束超音波用に構成される。
【0024】
図2Aは、流体管腔40をカテーテル軸12に示す。管腔40は、流体管腔40及びバルーン14の内部が流体を交換できる流体ポート41を含む。結果として、流体管腔40とバルーン14の内部とは流体で連通している。したがって、流体管腔40は、バルーン14の内部と、
図1との関連で開示された導管26のうちの1つとの間を流体で連通する。カテーテル・システムは、流体を、流体管腔40を通してバルーン14の内部へ押し流す、且つ/又は、流体をバルーン14の内部から流体管腔40を通して引き出すように構成できる。結果として、流体を使用してバルーン14を膨張又は収縮できる。代わりに、カテーテル軸12は、それぞれがバルーン14の内部へ開口している複数の流体管腔40を含むことができる。カテーテル・システムは、流体を流体管腔40の第1の選択肢を通してバルーン14の内部へ押し流し、流体をバルーン14の内部から流体管腔40の第2の選択肢を通して引き出すように構成できる。バルーン14内へ且つバルーン14からの流体の相対的な流れは、バルーン14を膨張させる、バルーン14を収縮させる、又はバルーン14の膨張レベルを定常状態に保つように変動できる。
【0025】
いくつかの例では、流体は液体である。バルーン14の内部の流体は、トランスデューサ組立体32と接触できる。例えば、流体は、トランスデューサ34、内部電極36及び/又は外部電極38に接触できる。結果として、流体は、体腔とトランスデューサ組立体32との両方の冷却を行うことができる。いくつかの例では、
図1との関連で開示された流体源28は、流体を予冷する、且つ/又は予冷流体を貯蔵するように構成される。結果として、流体は、流体管腔40及び/又はバルーン14の内部に入る前に冷却される。予冷流体の好適な温度は、流体の凍結温度から室温までの温度、及び/又は0℃、15℃、若しくは25℃以上の温度、及び/又は20℃、25℃、若しくは37℃未満の温度を含むが、これらに限定されない。好適な流体の例は、滅菌水、ブドウ糖、生理食塩水、又は他の好適な冷却流体を含むが、これらに限定されない。
【0026】
裏部材42は、音響トランスデューサ34の内部に位置づけできる。いくつかの例では、裏部材42も、内部電極36の内部に位置づけられる。内部電極36及び/又はトランスデューサ34は裏部材42を囲むことができる。
図2Aから明らかであるように、裏部材42は、トランスデューサ34の両端を越えて延びることができる。裏部材42は、カテーテル軸12の遠位端から先端部材15まで延びる。裏部材42の端は、カテーテル軸12の遠位端にある凹部44に受容され、裏部材42の他端は、先端部材15の凹部44に受容される。
【0027】
裏部材管腔46が、長手方向に裏部材42を通って延びる。電気絶縁体48が、裏部材管腔46の内部に位置づけできる。第2のガイドワイヤ管腔50が、長手方向に裏部材42を通って延び、電気絶縁体48によって画定できる。第2のガイドワイヤ管腔50は、長手方向にカテーテル軸12を通って延びるガイドワイヤ管腔51と位置合わせされる。ガイドワイヤ管腔51及び第2のガイドワイヤ管腔50は、ガイドワイヤ(図示せず)を受容する大きさである。電気絶縁体48は、第2のガイドワイヤ管腔50に受容されたガイドワイヤから裏部材42を電気的に絶縁するように位置づけられる。電気絶縁体48に好適な材料は、ポリイミド、他のポリマー若しくはエラストマー材料、及び他の天然若しくは合成材料を含むが、これらに限定されない。裏部材42は、導電性に構築できる。裏部材42に好適な材料は、タングステン、鋼、及びアルミニウムを含むが、これらに限定されない。
【0028】
第2のガイドワイヤ管腔50は、先端部材15の管腔と位置合わせされる。先端部材15の管腔は、ガイドワイヤ(図示せず)を受容する大きさである。結果として、カテーテルは、ガイドワイヤ管腔、第2のガイドワイヤ管腔50及び先端部材15管腔に位置づけられたガイドワイヤに沿って移動できる。
【0029】
1つ又は複数の間隔構成要素54は、裏部材42とトランスデューサ組立体32との間に位置づけできる。間隔構成要素54は、裏部材42とトランスデューサ組立体32との間の空間を維持するように構成できる。間隔構成要素54は、スペーサ本体58から離れて延びる複数のスペーサ56を含むことができる。開口部が、スペーサ本体58を通って延びることができる。開口部は、裏部材42を受容する大きさにすることができる。したがって、スペーサ本体58は裏部材42を囲むことができる。
【0030】
スペーサ56は、1つ又は複数の接触位置でトランスデューサ組立体の内部に接触できる。例えば、スペーサ56は、1つ又は複数の接触位置で内部電極36に接触できる。接触位置は、トランスデューサ34及び裏部材42の互いに対するポジションを保ちながら、バルーン14内の流体が流れてトランスデューサ組立体32の内部及び裏部材42の外部と接触することができるように選択できる。いくつかの例では、接触位置は、裏部材42をトランスデューサ組立体32内で同心にしておくように選択され、また、バルーン14内の流体が裏部材42を通過してトランスデューサ組立体32の内部と接触するように流れ、且つ/又はトランスデューサ組立体32の内部と接触してから裏部材42を通過して流れるように構成される。
【0031】
図2Bは、長手軸線(Lと表示)の長さに沿った同じ位置にある接触位置の第1の群を示す。
図2Bにおける接触位置は、互いから離隔され、裏部材42の長手軸線の周りに置かれる。接触位置間の間隔は、流体がトランスデューサ組立体32の内部へ流れることができるスペーサ56間の開口部の結果である。
図2Bは、120°の角度で互いから概ね等しく離隔され、角度は裏部材42の長手軸線から測定される、3つのスペーサ56を例示する。しかしながら、スペーサ56の量、形状、大きさ、配向、間隔及び/又は他の詳細は、特定の設計又は用途によって所望又は要求に応じて変動できる。
【0032】
間隔構成要素54のうちの1つ又は複数は、導電性であり得る。導電性間隔構成要素54に好適な材料は、鋼、銅、及びアルミニウムを含むが、これらに限定されない。
【0033】
図示のカテーテル・システムは、裏部材42の長手軸線に沿って
図2Bの間隔構成要素54から離隔された第2の間隔構成要素54を含む。間隔構成要素54は、トランスデューサ組立体32の両端に又は両端の近くに位置づけできる。
【0034】
カテーテル軸12は電気管腔64を含む。図示の電気管腔64は、第1の導体キャリア66及び第2の導体キャリア68を含む。第1の導体キャリア66は、カテーテル軸12の壁を通ってバルーン14の内部へ延びる。第1の導体キャリア66は、裏部材42に接続できる第1の導電体70を含む。導電性裏部材42及び導電性間隔構成要素54は、内部電極36と第1の導電体70との間を電気的に連通する。加えて、第1の導電体70は、電気結合器18、及び外部導電体20のうちの1つを通して電子機器22と電気的に連通している。
【0035】
第1の導体キャリア66は、トランスデューサ組立体32の外部電極38に接続できる第2の導電体72を含む。加えて、第2の導電体72は、電気結合器18、及び外部導電体20のうちの1つを通して電子機器22と電気的に連通している。結果として、トランスデューサ組立体32の外部電極38は、第2の導電体72、電気結合器18、及び外部導電体20のうちの1つを通して電子機器22と電気的に連通している。
【0036】
電子機器22は内部電極36及び外部電極38と電気的に連通しているので、内部電極36と外部電極38との間に電圧及び交流電流を印加すると、トランスデューサ34はトランスデューサ34の長手軸線に対して横方向に振動して、音響信号を放射状に発する。いくつかの例では、トランスデューサ34は、音響信号が所望の周波数レベルを有するように動作する。
【0037】
音響信号は、
図2Dに破線で示すように、トランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接して位置づけられたローブに音響エネルギーを運ぶ。ローブを例示する破線は、音響信号の空間強度が同じレベルにあるトランスデューサの周りの位置を表す。いくつかの例では、ローブが3次元で描画されると、3つのローブのそれぞれがおおよそ円対称で円盤形状である。
【0038】
図2Dは、Pと表示された線に沿った音響場の空間強度分布を示すグラフも含む。Pと表示された線は、トランスデューサ組立体32の表面及び/又は長手軸線に平行である。グラフは、トランスデューサ表面から所与の距離での音響場の空間音響エネルギー又は空間強度(電力/面積)分布を表す。
図2Dに示す空間強度分布は、複数のローブの分布に対する空間強度分布の一例である。空間強度分布は、それぞれ異なるローブの1つに関連する空間強度ピーク(SIpと表示)を含む。空間強度ピークのそれぞれは、空間強度最大値を有する。異なるローブに関連する空間強度最大値の全て又は一部は、同じ又は異なる空間強度値を有することができる。空間強度分布は、それぞれが隣接するローブ間に位置する空間強度最小値を有する空間強度谷(SIvと表示)を含む。したがって、空間強度最小値のそれぞれは、トランスデューサの長手軸線に沿って互いに隣接して位置する異なる対のローブと関連している。加えて、空間強度最小値のそれぞれは、空間強度最小値に関連する対のローブに対する対の空間強度最大値に関連している。異なる対のローブに関連する空間強度最小値の全て又は一部は、同じ又は異なる空間強度値を有することができる。
【0039】
Pと表示された線は、トランスデューサの長手軸線及び/又は表面に平行である空間強度のパターンを例示するために選択された長手軸線からの距離で音響場を通過する。例えば、Pと表示された線は、バルーンが膨張状態にないとき、又はバルーンが膨張状態にあるときのバルーンの表面で音響場の空間強度分布の一例を表すことができる。加えて、図示の空間強度は、電極がバルーンの表面に存在しないときの分布を表すことができる。したがって、グラフは、トランスデューサ34の長手軸線に沿った空間強度の分布を例示する。
【0040】
理論に縛られることなく、ローブは、トランスデューサ表面のより複雑な振動を作る追加のモードで振動するトランスデューサ34の結果であってよい。具体的には、円筒形トランスデューサ34の壁が、異なる領域が厚さモードと同位相又は位相ずれのいずれかで発振しているトランスデューサ34の長さに沿って定常波を生成する導波(板)モードで振動している場合、これらの発振と予想される厚さモードとの間の空間音響強度は、音を発しない又は音をほとんど発しないトランスデューサ34の領域を生成できる。
【0041】
電気管腔64における第2の導体キャリア68は、カテーテル軸12の壁内の導体ポート67を通って延びる。第2の導体キャリア68は、伝導構成要素84を含む。伝導構成要素84は、電気結合器18、及び外部導電体20のうちの1つを通して電子機器と電気的に連通している。好適な導電体は、絶縁ワイヤ、及びフレキシブル・プリント回路(FPC)を含むが、これらに限定されない。
【0042】
複数の電気通路がバルーン14内又は上に位置している。例えば、
図2Dは、バルーン14上に位置づけられた複数の電極76を例示する。電極76は、バルーン14を囲むことができる。電極76のうちの1つ又は複数は、バルーン14とともに円筒状に拡張する拡張可能なリング円筒状電極及び/又はセグメント化された円筒状電極及び/又は拡張可能なワイヤのメッシュを備えてよい。電極76のうちの1つ又は複数により、バルーン14の周りに導電性の外周を形成して、バルーン14の拡張可能な電極(1つ又は複数)の外周全体が、血管の周りの血管360°の内壁と円周方向に電気的に接触できるようにしてよい。バルーン14は、呼吸等により引き起こされる運動にも拘らず、電極76が血管壁との密着を達成且つ維持するように、血管壁と並置となるように拡張されてよい。各電極接触に対する刺激パラメータを調整することによって制御される電極に対する寸法及び位置を選択的に刺激できるセグメント化電極76の使用により、対象構造のより選択的な活性化を可能にし得る。ある実施例では、少なくとも1つの電極76は、各ワイヤが2.54cm(1インチ)の8000~10000分の1の直径を有する、ワイヤの拡張可能なメッシュを備え、他の例では、ワイヤの直径は、神経信号検出を向上するために、2.54cm(1インチ)の5000~10000分の1、5000~15000分の1、又は15000、10000、8000、又は5000分の1未満の任意の大きさである。
【0043】
電気通路は、電極76間を電気的に連通する電極相互接続部78を含む。ある実施例では、電極76は、ワイヤの拡張可能なメッシュを備え、ワイヤの全ては、同じ電極相互接続部78に接続してよく、これは、神経活動を感知しながら、信号対雑音比を改良できる。電気通路は、バルーン14上の接触パッド82と電極76との間、又は接触パッド82と電極相互接続部78との間を電気的に連通するパッド相互接続部80も含む。伝導構成要素84は、取付機構によって接触パッド82に接続される。好適な伝導構成要素84は、金属ワイヤ、及びフレキシブル・プリント回路(FPCs)を含むが、これらに限定されない。好適な取付機構は、溶接、はんだ付け、及びエポキシを含むが、これらに限定されない。電極76は、電気通路、電気結合器18、及び外部導電体20のうちの1つを通して電子機器22と電気的に連通している。結果として、電子機器22は、電気エネルギーを電極76に印加できる。電気エネルギーは、電磁信号として電極76から放射できる。一例として、電子機器22は、電気エネルギーを電極76に印加でき、印加された電気エネルギーは、RF信号等の電波周波数を有する電磁信号として電極76から放射できる。
【0044】
図2Dのカテーテル上の電極76は、音響場のローブ間に位置づけられる。加えて又は代わりに、電極76の全て又は一部は、一対のローブに関連する空間強度最小値のうちの1つに位置づけられる、又は位置合わせされる。いくつかの例では、電極76の各電極上の位置は、
図2Dのグラフに例示されるように、空間強度最小値のうちの1つと一致する。空間強度最小値のうちの1つの最小値上に位置づけられる電極76の一例は、トランスデューサ34の長手軸線及び/又はトランスデューサ34の外面に垂直である線が、電極76を通って、且つ、空間強度最小値のうちの1つを通って延びることができるように位置づけられた電極76であり得る。いくつかの例では、線は、電極76の重心、及び空間強度最小値を通過できる。電極76、及び/又は電極の幅は、空間強度の最小値の上に中央に配置できる、又は、空間強度最小値に対して中心からずれることがある。
【0045】
いくつかの例では、電極76の全て又は一部は、それぞれ、低減した空間音響強度位置の対の間のバルーンの表面上に位置づけられる。各対の低減した空間音響強度位置は、それぞれが同じ空間強度最小値に関連する一対の空間強度最大値間にあるバルーンの表面上にある。したがって、一対の低減した空間音響強度位置における低減した空間音響強度位置のそれぞれは、空間強度最小値、及びその空間強度最小値に関連する対の空間強度最大値に関連している。一例として、
図2Dの空間強度分布は、RLと表示された2つの低減した空間音響強度位置を含む。RLと表示された低減した空間音響強度位置のそれぞれは、yと表示され、且つ、それぞれがxと表示された同じ空間強度最小値に関連している対の空間強度最大値間のバルーンの表面上にある。したがって、図示の低減した空間音響強度位置は、yと表示された空間強度最大値及びxと表示された空間強度最小値と関連している。
【0046】
低減した空間音響強度位置のそれぞれは、音響場の空間強度が、低減した空間音響強度位置に関連した空間強度最大値に対して特定の強度閾値にあるバルーンの表面上の位置にあり得る。例えば、低減した空間音響強度位置に対する強度閾値は、低減した空間音響強度位置に関連する空間強度最大値の50%又は25%以下であり、0%より大きく、又は0.5%より大きくすることができる。これを例示するために、
図2Dは、図示の低減した空間音響強度位置に関連した空間強度最大値の50%に等しい強度閾値を使用する。例えば、
図2DのL1及びL2と表示された線は、音響場の空間強度がyと表示された2つの空間強度最大値に対する空間強度最大値のうちの値の50%であるバルーンの表面上の位置を示す。言い換えれば、
図2DのL1及びL2と表示された線は、音響場の空間強度がRLと表示された低減した空間音響強度位置に関連した空間強度最大値に対する空間強度最大値のうちの値の50%であるバルーンの表面上の位置を示す。Elと表示された電極は、RLと表示された低減した空間音響強度位置間に位置している。
【0047】
実施例では、トランスデューサ34から発した音響信号は、電極76によって反射されないため、音響信号により、組織のより均一な及び/又は効果的な治療を行う。実施例では、トランスデューサ34から発した音響信号は、電極76によって大幅には反射されないため、音響信号により、組織のより均一な及び/又は効果的な治療を行う。実施例では、システムにより、組織のより効果的な治療を行うために、発電器によって発生される電力を決定する際に、電極76による音響信号の反射を考慮に入れる。
【0048】
低減した空間音響強度位置間に位置づけられた電極76は、低減した空間音響強度位置間の中央に配置できる、又は低減した空間音響強度位置に対して中心からずれることができる。低減した空間音響強度位置間に位置づけられた電極76は、空間音響強度位置に関連した空間強度最小値の上に位置づけできるが、空間音響強度位置に関連した空間強度最小値の上に位置づけられる必要はない。いくつかの例では、低減した空間音響強度位置間に位置づけられたnの電極76のうちの1つ又は複数は、空間音響強度位置に関連した空間強度最小値の上に位置づけられない。いくつかの例では、電極76のいずれも、複数対の低減した空間音響強度位置の外側に位置づけられない。いくつかの例では、電極76のいずれも、低減した空間音響強度位置の隣接する対間に完全に又は部分的に位置づけられない。したがって、カテーテルは、電極のいずれかの部分が、カテーテルの長手軸線に沿って互いに隣接している低減した空間音響強度位置の対間に位置するバルーン上に位置づけられた電極を除外できる。
【0049】
ローブの特徴は、トランスデューサ34の構築及び/又は動作に応じて変化できる。例えば、ローブの数及び/又は寸法は、トランスデューサの駆動周波数又は動作周波数の変化に応じて変化できる。加えて又は代わりに、ローブの特徴は、トランスデューサの物理的特性に応じて変化できる。例えば、ローブの数及び/又は寸法は、トランスデューサの長さ、トランスデューサの半径、トランスデューサ34と裏部材42との間の距離、及び/又はトランスデューサ構成要素の幾何学的形状及び大きさに応じて変化できる。しかしながら、カテーテルのトランスデューサは、製造者によって認定された動作周波数で販売される。特定のトランスデューサに対するローブの特徴は、動作周波数でのトランスデューサの動作によって決定される。
【0050】
図2Aから
図2Dは、2対の隣接するローブ間に位置する2つの電極76を例示するが、トランスデューサ34は、3つを超えるローブ、及び1つ又は2つのローブを生成できる。結果として、トランスデューサ34は、1つのローブ、2つのローブ、又は2つを超えるローブを生成できる。トランスデューサ34が複数のローブを有する音響場を生成するとき、カテーテルは、それぞれが、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置にある1つ又は複数の電極76を有することができる。
【0051】
ローブの特徴は、種々の変数に応じて変化できるので、電極76は、トランスデューサが動作周波数で動作するときに、電極76のそれぞれが、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれるように、位置づけられる。いくつかの例では、動作周波数は、1MHz以上及び/又は20MHz以下の周波数の範囲、或いは、任意の他の周波数にある。好適な動作周波数の例は、6MHz、7MHz、9MHz、10MHz及び12MHzを含むが、これらに限定されない。
【0052】
ローブ間の距離及び/又は空間強度最小値間の距離は、
図2Dではdと表示される。ローブ間の距離及び/又は空間強度最小値間の距離(dと表示)は、ローブの中心間距離、隣接する電極76の中心間距離を表すことができる、又は電極76がトランスデューサ34の長手軸線に沿って分離される距離を表すことができる。いくつかの例では、隣接するローブ間、空間強度の最小値間、及び/又は隣接する電極間の中心間距離は、1.0mm、1.5mm、若しくは2.0mm以上、及び/又は3.0mm、4.0mm、若しくは6.0mm未満又は以下である。一例では、中心間距離は1.0mmより大きく、6.0mm未満である。
【0053】
バルーンの外面での隣接するローブ間の分離距離(sと表示)は、隣接する音響ローブの空間強度が2つのローブに対する空間強度最大値の50%以下である位置間の距離を表すことができる。いくつかの例では、隣接するローブ間の分離距離は、0mmより大きく1.2mm未満である。いくつかの例では、バルーンの外面での隣接するローブ間の距離(sと表示)は0.3mm以上0.9mm未満である。隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置にある電極76は、より低いレベルの空間音響強度に音響場を設ける。したがって、いくつかの例では、これらの位置の電極76は、幅が0mmより大きく1.2mm未満である。いくつかの例では、これらの位置の電極76は、幅が0.3mm以上0.9mm未満である。電極の幅を増加すると、接触インピーダンスが低くなり、電極の感度が向上し、神経信号の検出が改良できる。いくつかの実施例では、電極76は、1つの電極76の刺激は異なる電極76の感知及び/又は刺激を干渉しないように、互いから十分に離隔される。
【0054】
カテーテルは、バルーン14上に位置づけられた1つ又は複数の絶縁層を含むことができる。1つ又は複数の絶縁層は、露出された電気通路、接触パッド82、取付機構、及び伝導構成要素84の上に、これらの構成要素のうちの1つ又は複数からのエネルギーの放射を低減又は排除するように位置づけできる。例えば、
図2Dは、電極相互接続部78、パッド相互接続部80、接触パッド82、取付機構、及び伝導構成要素84の上に位置づけられた絶縁層88を例示する。
図2Dに示される絶縁層88は、下にある特徴を例示するために透明として扱われる。絶縁層88に好適な材料は、エポキシ及びゴムを含むが、これらに限定されない。
【0055】
電極76は、1つ又は複数の電極76選択肢に接続できる。電極76選択肢は、分散型電極76として接続された複数の電極76を含むことができ、又は単一の電極76を含むことができる。分散型電極76における電極76は、ノードを流れる電気エネルギーが分散型電極76内の電極76全体に分散されるように、単一のノードに接続できる。例えば、
図2Dの電極76は、それぞれパッド相互接続部80と電気的に連通している。パッド相互接続部80は、共通のノードとして機能でき、パッド相互接続部80を通過する電気エネルギーは、電極76全体に分散される。結果として、
図2Dの電極76は、単一の電極76選択肢において分散型電極76として配置される。
【0056】
電極76は、複数の電極76選択肢に配置できる。例えば、電極76は、複数の電極76選択肢に接続でき、各電極76選択肢は単一の電極76を含む。一例として、
図2Eは、複数の電極76選択肢に接続された電極76を例示し、各電極76選択肢は単一の電極76を含む。音響エネルギー・ローブは、1つ又は複数の絶縁層88の位置をよりよく例示するために
図2Eに示されない。
図2Eに示す絶縁層88は、下にある特徴を例示するために透明として扱われる。
【0057】
第2の導体キャリア68は、それぞれが伝導構成要素84を担持する複数の導電体74を含む。複数の接触パッド82は、バルーン14上に位置づけられる。伝導構成要素84は、それぞれ、取付機構によって接触パッド82のうちの異なる1つに接続される。複数のパッド相互接続部80は、バルーン14上に位置づけられる。パッド相互接続部80のそれぞれは、接触パッド82のうちの1つと電極76のうちの異なる1つとの間を電気的に連通する。結果として、電極76は、それぞれ、パッド相互接続部80のうちの1つ、接触パッド82のうちの1つ、導電体74のうちの1つ、電気結合器18、及び外部導電体20のうちの1つを通して、電子機器22と電気的に連通している。
【0058】
絶縁層88は、パッド相互接続部80、接触パッド82、取付機構、及び伝導構成要素84の上のバルーン14上に位置づけられる。電極76のうちの1つは、パッド相互接続部80のうちの1つの上を横切る。絶縁層88は、電極76を互いから電気的に隔離するように、電極76と下層パッド相互接続部80との間に位置づけられる。電極76は互いから電気的に隔離されているので、電子機器22は電極76を独立して動作させることができる。したがって、電極76は、異なる電気エネルギーを異なる電極76に印加できる。
【0059】
図2D及び
図2Kに開示された電極76は、電極接触ごとに刺激パラメータを調整することによって制御される電極に対する寸法及びポジションの選択的な刺激を可能にする個別電極76に分割できて、対象構造をより選択的に活性化することができる。ある実施例では、個別電極76は、切除のために最適化される。個別電極76は、正方形、矩形、円形、及び/又は星形状であってよい。個別電極76は、体腔の神経が、複数の電極76を同時に活性化するか、又は、バルーン14を移動することなく、バルーン14の複数の電極76を選択的に活性化することによって、全周方向に4象限パターンに切除できるように、バルーン14上に位置してよい。個別電極76の少なくとも一部は、体腔の4象限、例えば、腎動脈を治療しながら、体腔の狭窄のリスクを軽減するように、互いから長手方向及び円周方向にオフセットされた少なくとも2つの双極電極対を備えてよい。電極76は、インピーダンスを検出することによって壁との並置を検出するために使用されてもよい。1つ又は複数の電極76が体腔の壁と並置していない場合、バルーン14はさらに膨張されてよく、且つ/又は1つ若しくは複数の電極76は非選択状態にされてよい。
【0060】
バルーン14内にトランスデューサ32を含むある実施例では、電極76は、また、電極がそれぞれ、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれるように、位置する。
【0061】
例えば、
図2Fは、平面電極76を含むように修正された
図2Eのカテーテルである。
図2Fは矩形電極を描いているが、正方形の電極、円形の電極、角が尖った八角形の星等の不規則な(蛇状の)電極が、代替で又は加えて使用されてよい。例えば、制限なく、八角形の星は、より少ない電力でより深い神経刺激を可能にすることができる。加えて、4つの電極が描かれているが、カテーテルは、多かれ少なかれ切除及び/又は神経刺激及び/又は神経感知及び/又はインピーダンス測定電極を備えてよい。例えば、ある実施例では、1から16、例えば、3つ、8つ、又は16の電極の配列。音響場ローブは、1つ又は複数の絶縁層88の位置をよりよく例示するために
図2Fには示されない。
図2Fに示す絶縁層88は、下にある特徴を例示するために透明として扱われる。
【0062】
図2Fでは、電極76は、2つの電極76選択肢に配置され、電極76選択肢のそれぞれは、分散型電極76として接続された複数の電極76を含む。電気通路は、同じ電極76選択肢においてセグメント化電極76間を電気的に連通する電極相互接続部78を含む。
図2Fに示されていないが、絶縁層は、電極相互接続部78の全て又は一部の上に任意選択で位置づけして電極相互接続部78からの電気エネルギーの放射を防止又は低減できる。
【0063】
同じ電極選択肢におけるセグメント化電極76は、トランスデューサの長手軸線(Lと表示)に沿って同じ位置の周りに位置づけられる。異なる電極選択肢におけるセグメント化電極76は、トランスデューサの長手軸線に沿って離隔される。結果として、電極76選択肢のそれぞれは、それぞれが、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に位置づけられた複数のセグメント化電極76を含む。
【0064】
隣接するローブ間に位置づけられることの代替として、又は加えて、バルーン14は、同じトランスデューサ34を起点とする隣接するローブ間に位置していない1つ又は複数の電極76を含むことができる。例えば、電極76のうちの1つ又は複数は、電極76の少なくとも一部がトランスデューサ34の上に位置づけられずトランスデューサ34の音響信号の経路にないという点で、外部電極であり得る。一例として、外部電極76は、トランスデューサ34の長手軸線に沿ってトランスデューサ34の前及び/又は後に位置づけられ、トランスデューサ34の音響信号を越えている。例えば、
図2Gは、電極76が、トランスデューサ34の位置がトランスデューサ34の長手軸線に沿った電極76の位置間にあるように位置づけられた外部電極として機能するように修正された
図2Fのカテーテルを例示する。
図2Gでは、バルーン14内のトランスデューサ組立体32の位置が破線で例示される。加えて、図を単純化するために、1つ又は複数の絶縁層の位置は示されない。
【0065】
図2Gのカテーテルは、それぞれが複数のセグメント化電極76を含む2つの電極76選択肢を含む。セグメント化電極は
図2Gに描かれているが、ある実施例では、リング電極及び/又はメッシュ電極76が追加的又は代替的に使用されてよい。電極76のそれぞれは、トランスデューサ34と同軸であるトランスデューサ34の前又は後に位置づけられる外部電極である。1つ又は複数の外部電極76は、トランスデューサ34の長手軸線に垂直である線が、トランスデューサ34を通過することなく、外部電極76のそれぞれを通って延びることができるように位置づけられる。このようにして、電極76は、トランスデューサ76の音響出力に干渉しない。
【0066】
図2Gの電極76は、隣接するローブの間には位置づけられていない。結果として、電極76の幅(
図2GにWと表示)は、ローブの近接性によって制限されない。したがって、外部電極のうちの1つ又は複数は、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれる電極76より広く、且つ/又はより大きい送信表面積を有することができる。
【0067】
図2Gは、トランスデューサ34の前又は後に位置づけられた各電極76の全幅を例示するが、外部電極のうちの1つ又は複数は、音響場の隣接するローブの空間強度最大値にない限り、例えば、音響場の隣接するローブの空間強度最小値、若しくは低減した空間音響強度位置であり得る限り、トランスデューサ34は、トランスデューサ34の音響信号と重なることができる。
【0068】
カテーテルは、1つ又は複数の外部電極(例えば、セグメント化、リング、メッシュ)を含むことができ、また、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれた1つ又は複数の電極76を含むこともできる。一例として、
図2Hは、
図2Gからの外部電極を含むように修正された
図2Fのカテーテルを例示する。
図2Gでは、バルーン14内のトランスデューサ組立体32の位置が破線で例示されている。加えて、例示を単純化するために、1つ又は複数の絶縁層の位置は示されない。電極76は、4つの電極76選択肢に接続され、電極76選択肢のそれぞれは、複数のセグメント化電極76を含む。トランスデューサ34の長手軸線に沿って同じ位置の周りに配置された同じ電極76選択肢におけるセグメント化電極76、及び異なる電極76選択肢における電極76は、トランスデューサ34の長手軸線に沿った異なる位置の周りに配置される。
【0069】
図2Hは、同じ電極76選択肢に接続されたバルーン14の遠位端での外部電極を例示するが、バルーン14の遠位端での外部電極は、2つの電極76選択肢に接続できる。結果として、バルーン14の遠位端での外部電極は双極電極76として動作できる。加えて又は代わりに、バルーン14の近位端での外部電極は、2つの電極76選択肢に接続してよい。結果として、バルーン14の近位端での外部電極は双極電極76として動作できる。
【0070】
図2Fから
図2Hは、バルーン14上に長手方向に位置合わせされた異なる電極76選択肢からの電極76を例示する。しかしながら、異なる電極76選択肢からの電極76は、バルーン14上で長手方向に位置合わせする必要がない。一例として、
図2Iは、異なる電極76選択肢からの電極76がバルーン14上で長手方向に位置合わせされないように修正された
図2Gのカテーテルを例示する。
【0071】
図2Eから
図2Iは、複数の電極76選択肢に接続された電極76を例示するが、
図2Eから
図2Iのカテーテル上の電極76は、単一の電極76選択肢に接続できる。一例として、
図2Dは、単一の電極76選択肢に接続された
図2Eの電極76を例示する。加えて、
図2Fから
図2Iに例示された電極76選択肢のそれぞれは、複数の電極76を含むが、電極76は、電極76選択肢のそれぞれが電極76は1つまでを含むように接続できる。一例として、
図2Jは、複数の電極76選択肢に接続された
図2Iの電極76を例示し、各電極76選択肢は、単一の電極76を含む。いくつかの例では、カテーテルは、複数の電極76選択肢を含み、電極76選択肢の一部は、単一の電極76を含み、電極76選択肢の別の部分は、それぞれ、複数の電極76を含む。
【0072】
図2Aから
図2Jでは、電極76選択肢における電極76を組み合わせる電気的接続部は、バルーン14上の電気通路によって設けられる。例えば、電極相互接続部78は、同じ電極76選択肢における電極76間を電気的に連通する。しかしながら、電子機器22は、共通ノードを通る電流が電極76選択肢の両方において電極76に分散されるように、異なる電極76選択肢を共通ノードに接続できる。結果として、電子機器22は、別のより大きい電極76選択肢を形成するように、上記で開示された電極76選択肢のいくつかを一緒に組み合わせることができる。したがって、電極76選択肢は、バルーン14上の電気通路、並びにカテーテル・システム内の他の位置の電気的接続部の結果であり得る。電子機器22が、異なる電極76選択肢を共通ノードに接続するとき、接続部は、永続的又は一時的であり得る。例えば、電子機器22は、異なる電極76選択肢を共通ノードに接続するか、又は電極76選択肢を共通ノードから切断するように電子機器22が動作できるスイッチを含むことができる。結果として、電子機器22は、電極76選択肢に含まれる電極76を調整及び/又は調節できる。
【0073】
いくつかの例では、トランスデューサ組立体32は、バルーン14内に存在しない。一例として、
図2Kは、電極76がバルーン14上に位置づけられるが、トランスデューサ組立体32はバルーン14内に存在しないように修正された
図2Gのカテーテルを例示する。いくつかの例では、電極76はバルーン14上に存在しない。一例として、
図2Lは、バルーン14の表面上の電極76を除外するように修正された、
図2Aから
図2Jとの関連で開示されるように構築されたトランスデューサ組立体32を有するカテーテルを例示する。
【0074】
図2Mは、複数の電極選択肢に接続された電極では、1つの電極選択肢は単一の円周方向電極76を含み、1つの電極選択肢は、複数の個別電極76を含むように修正された
図2Eのカテーテルを例示する。ある実施例では、円周方向電極76は、神経感知及び/又は神経刺激のために最適化でき、複数の個別電極76を含む電極選択肢は、組織切除及び/又は神経刺激のために最適化できる。例えば、円周方向電極76は、血管の周り360°の神経を感知且つ/又は刺激するように構成されたメッシュ電極とすることができ、複数の個別電極76を含む電極選択肢は、体腔の4象限を切除しながら、体腔の狭窄のリスクを軽減するように、互いから長手方向且つ円周方向にオフセットされる少なくとも2つの双極電極対を含むことができる。別の実例では、円周方向電極76は、血管の周り360°の神経を感知且つ/又は刺激するように構成されたリング電極又はセグメント化電極であることができ、複数の個別電極76を含む電極選択肢は、組織を刺激且つ/又は切除するために、角が尖った八角形の星等の複数の不規則な(蛇状)電極を含むことができる。
【0075】
カテーテルは、
図2Aから
図2Mとの関連で開示されたバルーン14及び/又はトランスデューサのうちの2つ以上を含むことができる。一例として、
図2Nは、近位バルーン102と遠位バルーン104との間に中間バルーン100を含むカテーテルの一部を例示する。中間バルーン100は、電極76を除外する。近位バルーン102及び遠位バルーン104は、トランスデューサ組立体32を除外するが、電極76を含んでよい。
【0076】
図2Nはさらに、二次カテーテル軸106が、隣接するバルーン102と100との間及び隣接するバルーン100と104との間に位置づけできることを例示する。二次カテーテル軸106は、カテーテル軸12と同じ断面を有することができる。結果として、カテーテル軸12の流体管腔内の流体は、異なるバルーン102と100と104との内部の間を通って、二次カテーテル軸106内の流体管腔を通って流れることができる。加えて、複数の導電体のうちの1つ若しくは複数、及び/又はカテーテル軸12内の電気管腔内の1つ若しくは複数の導電体キャリアは、バルーン102、100、及び104の内部を通過して二次カテーテル軸106内の電気管腔内へ入ることができる。
【0077】
二次カテーテル軸106がカテーテル軸12と同じ断面を有することができるとき、バルーン102、100及び104の内部は、互いに液体で連通している。バルーンが、それぞれが同じ又はおおよそ同じレベルの剛性を有するように構築されると、バルーンは、おおよそ同じ圧力レベルで膨張する。結果として、バルーンは同時に、又は実質的に同時に膨張する。しかしながら、バルーンは、異なるレベルの剛性を有するように構築できる。例えば、バルーンの全て又は一部は異なる材料で作ることができ、且つ/又は異なる材料の厚さを有することができる。剛性を高めたバルーンは、より高い圧力で膨張し、より高い圧力で収縮する。結果として、剛性が低下したバルーン(1つ又は複数)は、より剛性の高いバルーンより早く膨張し、遅く収縮する。したがって、バルーン剛性のレベルは、バルーンが所望の順序で膨張且つ/又は収縮するように選択できる。
【0078】
図2Nに描かれた電極は個別であるが、
図2Oに描かれるように、実施例では、電極76のうちの1つ又は複数は、バルーン14とともに拡張する拡張可能なリング若しくは分離電極及び/又はワイヤの拡張可能なメッシュを備えて、バルーン14の周りに1つ又は複数の連続した伝導性外周を形成する連続的に導電性の電極リング及び/又はメッシュを提供して、バルーン14の拡張可能な電極(1つ又は複数)の外周全体は血管の周り360°の血管の内壁と円周方向に電気的に接触することができる。
【0079】
いくつかの例では、
図2Aから
図2Oによって構築されたカテーテルは、直径が3フレンチ以上及び/又は7フレンチ以下、並びに/或いはカテーテルの長さが75cm以上及び/又は175cm以下であるカテーテル軸12を有する。腎神経除去に好適な一例では、カテーテルは、直径が3フレンチ以上6フレンチ以下、且つ/又はカテーテルの長さが85cm以上155cm以下であるカテーテル軸を有する。加えて又は代わりに、いくつかの例では、トランスデューサ組立体32及び/又はトランスデューサ34は、長さ(
図2AではLtと表示)が0.5mm以上及び/又は12mm以下、並びに/或いは直径が3フレンチ以上及び/又は10フレンチ以下である。腎神経除去に好適な一例では、トランスデューサ組立体32及び/又はトランスデューサ34は、長さが0.5mm以上及び/又は8mm以下、直径が3フレンチ以上5フレンチ以下である。
【0080】
いくつかの例では、カテーテルは、バルーンが独立して膨張且つ/又は収縮できるように構築される。
図3Aから
図3Gは、バルーンの独立した膨張及び/又は収縮を可能にできるカテーテル構築の実例を例示する。各バルーンは、バルーン104、100、102の表面に電極76を含んでいてもいなくてもよく、且つ/又はバルーン内のトランスデューサ組立体32を除外してもよい。
図3Aから
図3Cは、カテーテル軸の遠位端の一部を例示する。
図3Aは、カテーテル軸の部分の斜視図である。
図3Bは、
図3AにBと表示された線に沿って取られた
図3Aに示すカテーテル軸の断面である。
図3Cは、
図3AにCと表示された線に沿って取られた
図3Aに示すカテーテル軸の断面である。カテーテル軸は、3つの流体管腔40を含む。管腔40のそれぞれは、流体ポート41、及びカテーテル軸12の壁内の導体ポート67を含む。
図3Aでは、カテーテル軸の裏側に位置している流体ポート41及び導体ポート67の位置が、破線を使用して例示されている。
【0081】
図3Dは、カテーテルの遠位端の斜視図である。カテーテル軸の遠位端は、3つのバルーン104、100及び102を含む。
図3Dでは、バルーンのそれぞれは、カテーテル軸を囲む。流体ポート41のそれぞれは、異なるバルーンの内部に位置している。流体ポート41はバルーン又はカテーテル軸12の後ろに位置しているため、流体ポート41は破線で例示される。導体ポート67は、バルーンのそれぞれが導体ポート67のうちの少なくとも1つに隣接するようにバルーンの外側に位置づけされる。第1の導体キャリアは、導体ポート67のそれぞれを通って延びることができるが、例示を簡略化するために示されていない。
【0082】
図3Eは、カテーテルの長手軸線に沿って取り、且つバルーンのうちの1つを通る
図3Dに示すカテーテルの断面である。例示の目的で、断面は近位バルーン102を通して取られる。しかしながら、
図3Eの断面は、他のバルーン(中間バルーン100及び遠位バルーン104)を通る断面を表すことができる。
図3Fは、
図3FにEと表示された線に沿って取られた
図3Eに示すカテーテルの断面である。
図3Gは、
図3FにGと表示された線に沿って取られた
図3Eに示すカテーテルの断面である。
【0083】
図3Fから
図3Gのカテーテルは、トランスデューサ組立体32の裏部材42によって画定される裏部材管腔46に受容されたカテーテル軸を示す。電気絶縁体48は、裏部材管腔46を画定し、カテーテル軸12に接触するものとして例示される。しかしながら、電気絶縁体48は任意選択とすることができる。結果として、裏部材42は、裏部材管腔46を画定でき、カテーテル軸12と接触できる。
【0084】
図示のバルーンに関連する流体管腔40は、バルーンの内側に位置する流体ポート41を有する流体管腔である。第1の導体キャリア66は、図示のバルーンに関連する流体管腔40に位置づけられる。第1の導体キャリア66は、流体ポート41を通って延びることができる。一実施例では、第1の導体キャリア66は、流体ポート41の流体力状態を大幅には干渉しないように、流体ポート41の壁に据えつけることができる。第1の導体キャリア66は、トランスデューサ組立体32に接続される第1の導電体70及び第2の導電体72を担持できる。したがって、第1の導電体70及び第2の導電体72は、電子機器22とトランスデューサ組立体32の電極(内部電極36及び外部電極38)との間を電気的に連通できる。
【0085】
第2の導体キャリア68も、図示のバルーンに関連する流体管腔40に位置づけられる。第2の導体キャリア68は、カテーテル軸12の壁内の導体ポート67を通ってカテーテル軸の外部まで延びる。第2の導体キャリア68は、上記で開示されたように1つ又は複数の伝導構成要素84を含む。加えて、
図2Aから
図2Nとの関連で開示された電極はバルーン上に示されていないが、カテーテル上のバルーンの全て又は一部は、それぞれ、電極76を含まなくてもよく、又は1つ若しくは複数のそのような電極を含むことができ、且つ/或いは上述したように配置された電極76を含まなくてもよく、又は1つ若しくは複数のそのような電極を含むことができる。バルーンに関連する第2の導体キャリア68は、バルーン上の任意の電極76と電子機器との間を電気的に連通できる。
【0086】
いくつかの例では、バルーンは、トランスデューサ組立体32を含まなくてもよく、1つ又は複数の電極76を含むだけでよい。いくつかの例では、バルーンは、トランスデューサ組立体32を含み、1つ又は複数の電極76を含まなくてよい。例えば、中間バルーン100は、中間バルーン100上の電極76を除外できるが、近位バルーン102及び遠位バルーン104は、それぞれ、トランスデューサ組立体32を除外する。代替えで、例えば、中間バルーン100は、中間バルーン100上に電極76を含むことができ、中間バルーン100内にトランスデューサ組立体32を含まないが、近位バルーン102及び遠位バルーン104のいずれか又は両方は、トランスデューサ組立体32を含んでよく、且つ/又は電極76を除外してよい。中間バルーン100上の電極76を除外するバルーンは、第2の導体キャリア68を除外する流体管腔に関連できる。トランスデューサ組立体32を除外するバルーンは、第1の導体キャリア66を除外する流体管腔に関連できる。結果として、いくつかの例では、第1の導体キャリア68及び/又は第2の導体キャリア68は、バルーンに関連する流体管腔40に存在しない。
【0087】
図3Gは、Bと表示された流体管腔40内及びCと表示された流体管腔40内に存在する第1の導体キャリア68及び第2の導体キャリア68を例示する。
図3GにAと表示された流体管腔40は、
図3Eに例示する近位バルーン102と関連している。結果として、第1の導体キャリア68及び第2の導体キャリア68は、
図3Eに示すようにAと表示された流体管腔40から出たので、
図3GにAと表示された流体管腔40には示されていない。
図3Eのバルーンはバルーンの最も近位にあるため、より多くのバルーン(図示例における中間バルーン100及び遠位バルーン104)が、
図3Eのバルーンの遠位に位置する。結果として、これらのバルーンのそれぞれに関連する第1の導体キャリア68及び第2の導体キャリア68は、
図3Eのバルーンを迂回する。したがって、B及びCと表示された流体管腔40は、それぞれ、
図3Eバルーンに示す近位バルーン102の遠位にあるバルーンに関連している。結果として、Bと表示された流体管腔40に示す第1の導体キャリア68及び第2の導体キャリア68は、
図3Eのバルーンを迂回し、
図3Eバルーンの遠位に位置するバルーンのうちの第1のバルーンに関連し、Cと表示された流体管腔40に示す第1の導体キャリア68及び第2の導体キャリア68は、
図3Eのバルーンを迂回し、
図3Eのバルーンの遠位に位置するバルーンのうちの第2のバルーンに関連する。
【0088】
図3Aから
図3Gは、バルーンのうちの1つに関連する流体管腔40が、関連するバルーンの近位に位置づけられる任意の他のバルーンを迂回できることを例示する。1つ又は複数の近位バルーンを迂回する流体管腔40の能力により、バルーンの全て又は一部は独立して膨張及び/又は収縮できる。例えば、
図3Dのカテーテル上の中央のバルーンは、流体を他のバルーン内へ輸送することなく、流体を中央のバルーンに関連する流体管腔に通してバルーン内に輸送することによって、他のバルーンを膨張させることなく膨張できる。同様に、
図3Dのカテーテル上の中央のバルーンは、流体を他のバルーンから輸送することなく、流体を中央のバルーンに関連する流体管腔を通してバルーンから外へ輸送することによって、他のバルーンを収縮させることなく収縮できる。
【0089】
図3Aから
図3Gは、関連するバルーンを過ぎて延びる流体管腔40を例示する。例えば、
図3Eは、関連するバルーンを過ぎて延びる近位バルーン102に関連する第1の導体キャリア68及び第2の導体キャリア68を担持する流体管腔40を示す。しかしながら、流体管腔40が関連するバルーンを過ぎて機能を果たしていない例では、流体管腔は、関連するバルーン内で、又は関連するバルーンの近位で終端できる。カテーテルの遠位端の前で1つ又は複数の流体管腔を終端させることにより、カテーテルの直径を低減でき、カテーテルの遠位端に近づくにつれて増加するレベルの可撓性をカテーテルに与えることができる。
【0090】
図3Aから
図3Gは、バルーンのそれぞれに関連する単一の流体管腔40を例示するが、カテーテルは、複数の流体管腔40がバルーンのうちの1つ又は複数と関連するように構築できる。例えば、
図3Aから
図3Gのカテーテルは、6つの流体管腔40で構築でき、バルーンのそれぞれは、流体管腔40のうちの2つと関連できる。例えば、2つの流体管腔に対する流体ポートは各バルーンに位置できる。複数の流体管腔40がバルーンに関連しているとき、流体は、バルーンを膨張するように流体管腔40の第1の選択肢を通して輸送でき、バルーンを収縮するように流体管腔の第2の選択肢を通して輸送できる。流体管腔の第1の選択肢は、流体管腔のうちの1つ又は複数を含み、流体管腔の第2の選択肢は、流体管腔のうちの1つ又は複数を含み、流体管腔の第1の選択肢とは異なる。
【0091】
図3Aから
図3Gとの関連で開示されるカテーテル構築は、複数のバルーンを含むカテーテルを例示するが、
図3Aから
図3Gによるカテーテル構築は、単一のバルーンを有することができる。一例として、カテーテルは、
図2Dから
図2Mとの関連で開示されるような側面図構築を有するが、
図3Eから
図3Gによって構築されるトランスデューサ組立体32の断面を有するように構築できる。
【0092】
いくつかの例では、
図3Aから
図3Gとの関連で開示されるように構築されたカテーテルは、直径が3フレンチ以上及び/又は9フレンチ以下、並びに/或いはカテーテルの長さが75cm以上及び/又は175cm以下であるカテーテル軸12を有する。腎神経除去に好適である一例では、カテーテルは、直径が3フレンチ以上6フレンチ以下、且つ/又はカテーテルの長さが85cm以上155cm以下のカテーテル軸を有する。いくつかの例では、トランスデューサ組立体32のうちの1つ若しくは複数、及び/又はトランスデューサ34のうちの1つ若しくは複数は、それぞれ、長さ(
図3DにLtと表示)が0.5mm以上及び/又は12mm以下、並びに/或いは直径が3フレンチ以上及び/又は10フレンチ以下である。腎神経除去に好適である一例では、バルーン内のトランスデューサ組立体32及び/又はバルーン内のトランスデューサは、それぞれ、長さが0.5mm以上及び/又は8mm以下、直径が3フレンチ以上5フレンチ以下である。
【0093】
図2Aから
図3Gとの関連で開示された電気通路、接触パッド82、及び電極76は、バルーン14の表面、バルーン14の表面に取り付けられた金属箔、バルーン14の表面上のパターンを形成された金属層上の伝導跡であり得る。好適な伝導跡は、金属、伝導性ポリマー、フレキシブル・プリント回路(FPC)及びエポキシ等の材料の跡を含むが、これらに限定されない。バルーン14の表面に伝導跡を形成する好適な方法は、印刷、及びフォトリソグラフィを含むが、これらに限定されない。バルーン14の表面に金属箔を取り付ける好適な方法は、糊、接着剤及びエポキシ等の接着機構と、レーザ溶接及び熱溶接等の溶接とを含むが、これらに限定されない。バルーン14の表面に金属層のパターンを形成する好適な方法は、エッチング及びフォトリソグラフィを含むが、これらに限定されない。電気通路、接触パッド82及び電極76の特定の材料の例は、ステンレス鋼、銅、白金、金、ニッケル、ニッケルめっき鋼、マグネシウム、及び他の好適な伝導性材料を含むが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの例では、
図2Aから
図3Gとの関連で開示される電気通路、接触パッド82及び電極76の全て又は一部が、フレキシブル・プリント回路(FPC)等のフレックス回路上に含まれる。一例として、
図4Aはフレックス回路の上面図である。フレックス回路は、基板112上の伝導経路110を含む。
図4Aでは、基板112は平面構成で示されているが、曲げて円筒形構成等の他の構成にすることができる。伝導経路110は、
図2Aから
図3Gとの関連で開示された電気通路、接触パッド82及び電極76として機能するようにパターンを形成できる。
図4Aでは、伝導経路110は、
図2Fとの関連で開示された電気通路、接触パッド82及び電極76として機能するのに好適である。
【0095】
図4Bは、
図4Aのフレックス回路を含むカテーテルの一部の側面図である。
図4Cは、
図4CにBと表示された線に沿って取られた
図4Bに示すカテーテルの部分の断面である。フレックス回路の基板112は、バルーン14上に位置づけられてバルーンと接触できる。基板112は、バルーンに対して移動可能であるが、いくつかの例では、フレックス回路の基板は、糊、接着剤及びエポキシ等の接着機構と、熱溶接及びレーザ溶接等の溶接とを使用してバルーン上に固定化できる。
【0096】
伝導構成要素84は、それぞれ、取付機構によって接触パッド82のうちの1つに接続される。基板112は、電極76が隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置にあるようにバルーン14上に位置づけられる。基板112をバルーン14に取り付ける好適な機構は、糊、接着剤及びエポキシ等の接着機構と、熱溶接及びレーザ溶接等の溶接とを含むが、これらに限定されない。
【0097】
図4Cは、基板112の対向する縁辺が互いに接触する、又は互いにほぼ接触するように、バルーン14の周囲の周りに巻かれているフレックス回路の基板112を例示する。基板112がトランスデューサから出力される音響信号と相互作用できる例では、トランスデューサの長手軸線周りの音響信号の電力の均一性を高めるために、そのような配置が望ましいことがある。いくつかの例では、フレックス回路は、基板112の対向する縁辺間に間隙があるようにバルーン14上に位置づけられる。
【0098】
図4Aから
図4Cのフレックス回路は、
図2Aから
図3Gとの関連で開示される1つ又は複数の絶縁層を含まない。上述したように、1つ又は複数の絶縁層は、任意の伝導構成要素84及び/又は伝導構成要素84を接触パッド82に接続する取付機構の上に位置づけできる。任意の伝導構成要素84と接触パッド82との間の接続部は、基板112がバルーン14に取り付けられる前又は後に作ることができる。伝導構成要素84及び/又は取付機構の上に位置づけられた任意の絶縁層(1つ又は複数)は、伝導構成要素84及び接触パッド82を接続した後に形成できる。パッド相互接続部80及び電極相互接続部78等の電気通路の上に位置づけられる任意の絶縁層(1つ又は複数)は、伝導構成要素84及び接触パッド82を接続する前又は後に形成できる。
【0099】
図4Aに例示されるフレックス回路は、片面フレックス回路である。しかしながら、フレックス回路は、種々の他の構築を有することができる。例えば、フレックス回路は、二重アクセス若しくは背面フレックス回路、彫刻フレックス回路、両面フレックス回路、多層フレックス回路、剛性フレックス回路、又はポリマー厚膜フレックス回路であり得る。これらの両面フレックス回路等のフレックス回路構造の多くは、貫通孔を使用して、伝導経路110は基板112の両側に位置させることができる。伝導経路110の一部を基板112の裏面に置くことができることにより、伝導経路110の一部はバルーン14と基板112との間に位置づけられる。結果として、基板112は、上記に開示された1つ又は複数の絶縁層として作用できる。
【0100】
図5Aから
図5Cは、カテーテルとの使用に好適である両面フレックス回路の実例を例示する。
図5Aは、基板112上に伝導経路110を含む両面フレックス回路の内側の上面図である。
図5Bは、
図5Aに示す両面フレックス回路の外側の上面図である。伝導経路110は、
図2Fとの関連で開示された電気通路、接触パッド82及び電極76として機能するように基板112上にパターンが形成される。
図5Cは、
図5A及び
図5Bのフレックス回路を含むカテーテルの一部の側面図である。
【0101】
フレックス回路は、基板112の外側を含む又は外側に設けられる。加えて、フレックス回路は、パッド相互接続部80、電極相互接続部78、及び接触パッド82を基板112の内側に含む。電極相互接続部78は、それぞれ、基板112の他方の側で電極76のうちの1つと電気的に連通している2つの貫通孔121に接続される。パッド相互接続部80は、それぞれ、接触パッド82及び電極相互接続部78に接続される。代わりに、パッド相互接続部80は、それぞれ、接触パッド82、及び
図5Aに示すように基板112の他方の側にある電極76のうちの1つと電気的に連通している貫通孔121に接続される。
【0102】
基板112は、バルーン14に取り付けられ、伝導構成要素84は、それぞれ、接触パッド82のうちの1つに取付機構によって接続される。基板112は、電極76が、隣接するローブの間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置にあるように、バルーン14上に位置づけられる。パッド相互接続部80、電極相互接続部78、及び接触パッド82は、基板112の内側にあるので、パッド相互接続部80、電極相互接続部78、及び接触パッド82は、バルーン14と基板112との間に位置づけられる。したがって、基板112は、上記で開示された1つ又は複数の絶縁層の機能を果たすことができる。
【0103】
基板112は、電気的に絶縁性の材料及び/又は誘電体である材料を含むか、又はその材料からなる。基板112は、トランスデューサから出力される音響信号を透過するか、又は実質的に透過するかを選択できる。加えて又は代わりに、基板112は、基板112の音響場との干渉を低減するために、体腔に関連する組織に整合するインピーダンスを有してよい。いくつかの例では、基板112は、1.5MRaylより大きいインピーダンス及び/又は30MRayl未満のインピーダンスを有する。一例では、基板112は、1.5MRaylより大きく、30MRayl未満のインピーダンスを有する。
【0104】
基板112は、材料の単一層として示されるが、基板112は、材料の1つ又は複数の層を含むことができる。層の全て又は一部は、連続材料又は多孔質材料、例えば、マット、メッシュ、布、又はスクリーン、及びそれらの組合せとすることができる。多孔質材料の層は、複数の材料部材の集合体を含むか、又はその集合体からなる。例えば、多孔質材料の層は、繊維、糸、ストランド、又はナノチューブ及びそれらの組合せの集合体からなる群から選択される1つ又は複数の材料部材から構築できる、且つ/又は材料部材からなる。多孔質材料に含まれる材料部材の全て又は一部は、音響場の波長未満の幅及び/又は直径を有することができる。いくつかの例では、複数の材料部材の全て又は一部は、音響波長の1/5未満等の、音響場の音響波長の数分の一である幅及び/又は直径を有する。加えて又は代わりに、いくつかの例では、複数の材料部材の全て又は一部は、0μm、5μm、30μm、若しくは50μmより大きく、且つ/又は30μm、80μm、若しくは120μm以下である幅及び/又は直径を有する。一例では、複数の材料部材の全て又は一部は、5μmより大きく80μm未満である幅及び/又は直径を有する。多孔質材料における複数の材料部材、及び/又は基板の層のうちの1つ若しくは複数に好適な材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイミド、開放型ポリウレタンエーテル若しくは発泡エステル、任意の他の音響透過性ポリマー若しくは材料、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0105】
基板上の伝導経路110は、基板の表面、基板の表面に取り付けられた金属箔、及び/又は基板の表面上のパターン形成された金属層上の伝導跡となることができる。好適な伝導跡は、金属、伝導性ポリマー、及び伝導性エポキシ等の材料の跡を含むが、これらに限定されない。伝導跡を基板の表面に形成する好適な方法は、印刷及びフォトリソグラフィを含むが、これらに限定されない。金属箔を基板の表面に取り付ける好適な方法は、糊、接着剤、エポキシ等の接着機構と、レーザ溶接及び熱溶接等の溶接とを含むが、これらに限定されない。金属層のパターンを基板の表面に形成する好適な方法は、エッチング及びフォトリソグラフィを含むが、これらに限定されない。電気通路、接触パッド82、貫通孔120、及び電極76のための特定の材料の例は、ステンレス鋼、銅、白金、金、ニッケル、ニッケルめっき鋼、マグネシウム、炭素ナノチューブ等の伝導性ナノチューブ、導電性炭素材料、及び任意の他の好適な伝導性材料を含むが、これらに限定されない。
【0106】
伝導経路110の全て又は一部は、連続材料又は多孔質材料、例えば、メッシュ材料、マット、布、スクリーン、及びそれらの組合せであり得る。伝導経路110は、複数の材料部材の集合体を含む、又はその集合体からなることができる。例えば、多孔質材料の層は、繊維、糸、ストランド、ナノチューブ及びそれらの組合せの集合体からなる群から選択される1つ又は複数の材料部材から構築できる、且つ/又はそのような材料部材からなることができる。伝導経路として機能する多孔質材料に含まれる材料部材の全て又は一部は、音響場の波長未満である幅及び/又は直径を有することができる。いくつかの例では、伝導経路として機能する材料部材の全て又は一部は、音響波長の1/5未満等の、音響場の音響波長の数分の一である幅及び/又は直径を有する。加えて又は代わりに、いくつかの例では、伝導経路として機能する材料部材の全て又は一部は、0μm、10μm、50μm、80μmより大きく、且つ/又は160μm以下である幅及び/又は直径を有する。一例では、材料部材の全て又は一部は、10μmより大きく140μm以下である幅及び/又は直径を有する。多孔質伝導経路を基板上に形成する好適な方法は、銀伝導性インク等の塗装若しくは印刷インキ、伝導性エポキシの硬化、フレキシブル・プリント回路適用技術、バルーンを膨らます工程中の糊付け、エポキシ化若しくは積層等の機構を使用した可撓性平型ケーブル(FFCs:flexible flat cables)の取付けを含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、インクの塗装又は印刷は、インクを熱硬化することを含む。接触パッド、貫通孔、及び/又は電極等の電気通路に含まれる材料部材のための特定の材料の例は、炭素ナノチューブを含むが、これらに限定されない。
【0107】
電極76は、送信表面積を有する。電極76の送信表面積は、体腔の内部及び体腔を画定する組織によって受信される電磁信号を送信する電極76の面積である。例えば、電極76の送信表面積は、血管周囲の空間によって受信される電磁信号を送信する電極76の面積である。一例として、
図4Cに示す電極76の送信面は、t
sと表示されている。いくつかの例では、電極76の送信面は、それぞれ、電極76とトランスデューサとの間にない電極76の表面のそれぞれである。
【0108】
電極76及び/又は電極76選択肢における電極76は、所望のレベルの電磁エネルギーを電極(1つ又は複数)76から血管周囲の空間へ効率的に送達するのに十分な大きさの送信面を有するように構築される。しかしながら、上述したように、バルーン14の内部の流体は、トランスデューサ組立体32に冷却を行うことができる。バルーン14の内部の流体も、バルーン14上の1つ又は複数の電極76に冷却を行うことができる。電極76及び/又は電極76選択肢における電極76は、血栓形成及び/又は内皮壁の損傷を引き起こさない温度まで冷却できる送信面を有するように構築できる。例えば、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76は、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76が所望の温度まで冷却されることを可能にする送信面寸法を有するように構築される。一例として、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76は、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76が、トランスデューサ組立体32からの音響場の送信中、且つ/又は、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76からの電磁信号の送信中に、0℃より高く且つ/又は42℃未満の温度に維持されることを可能にする送信面寸法を有するように構築できる。一例では、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76は、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76が、トランスデューサ組立体32からの音響場の送信中、且つ/又は、電極76及び/又は電極76選択肢における電極76からの電磁信号の送信中に、5°Cより高く40°C未満の温度に維持されることを可能にする送信面寸法を有するように構築される。
【0109】
いくつかの例では、1つ又は複数の電極76は、それぞれ、0mm2、0.1mm2、1mm2、2.5mm2若しくは4mm2以上、及び/又は1mm2、2.5mm2、若しくは4mm2以下の送信表面積を有する。腎動脈を治療する際、使用に好適な例では、1つ又は複数の電極76は、それぞれ、1mm2以上2.5mm2以下の送信表面積を有する。
【0110】
図2Gとの関連で説明されるように、カテーテルが、外部電極の少なくとも一部がトランスデューサの長手軸線に沿って、且つトランスデューサの音響信号を越えてトランスデューサの近位又は遠位にあるように構成された1つ又は複数の外部電極を含むとき、外部電極は、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれる電極76より広く、且つ/又はより大きい送信表面積を有することができる。いくつかの例では、外部電極の送信表面積と、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に位置づけられる電極76の送信表面積との比率は、2:1、100:1、若しくは200:1以上、及び/又は10:1、200:1、若しくは500:1以下である。加えて又は代わりに、いくつかの例では、外部電極の幅と、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれる電極の送信表面積との比率は、2:1、100:1、若しくは200:1以上、及び/又は10:1、200:1、若しくは500:1以下である。したがって、外部電極は、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれる電極より実質的に大きくすることができる。外部電極の大きさが増加すると、電気インピーダンスが低くなり、外部電極は、神経の刺激等の用途での使用により好適となることができる。一例では、比率は、50:1以上200:1以下である。
【0111】
いくつかの例では、1つ又は複数の電極76選択肢における電極76に対して組み合わせた送信表面積は、10mm2、50mm2、100mm2、若しくは200mm2以上、且つ/又は200mm2、400mm2、若しくは2000mm2以下である。一例では、1つ又は複数の電極76選択肢における電極76に対する組み合わせた送信表面積は、50mm2以上、400mm2未満である。
【0112】
カテーテルが、外部電極を含む、又は外部電極からなる1つ若しくは複数の電極76選択肢を含み、また、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれる1つ若しくは複数の電極76を含む、又はそれからなる1つ又は複数の電極76選択肢を含むとき、いくつかの例では、外部電極を含む、又は外部電極からなる電極76選択肢における電極76の送信表面積の比率と、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれる1つ又は複数の電極76を含む、又はそれからなる電極76選択肢における電極76の送信表面積の比率とは、2:1、50:1、若しくは100:1以上、且つ/又は100:1、200:1、若しくは500:1以下である。一例では、比率は、50:1以上200:1以下である。
【0113】
電極76の厚さは、
図2CにTと表示される。電極76及び/又は電気通路の厚さは、電極76と音響場との間の空間音響強度を低減するように選択される。例えば、電極76及び/又は電気通路は、トランスデューサから出力される音響場の波長未満である厚さを有することができる。いくつかの例では、電極76及び/又は電気通路の全て又は一部は、音響波長の1/5未満等の音響場の音響波長の数分の一である厚さを有する。加えて又は代わりに、ある例では、電極76及び/又は電気通路の全て又は一部は、0μm、5μm、若しくは20μmより大きく、且つ/又は50μm、80μm、120μm、若しくは160μm以下である厚さを有する。電極76の厚さは、1音響波長を超えることができ、その場合、システムは、音響場に導入された電極の中断を補償できる。一例では、電極76及び/又は電気通路の全て又は一部は、5μmより大きく120μm未満の厚さを有する。
【0114】
ある実施例では、複数のトランスデューサ組立体は、カテーテル上の1つ又は複数のバルーンに置くことができる。一例として、
図6A及び
図6Bは、複数のトランスデューサ組立体をバルーンに含むカテーテルの実例を示す。
図6Aは、複数のトランスデューサ組立体32a及び32bをバルーン14に含むカテーテルの一部の斜視図である。2つのトランスデューサ組立体が
図6A、
図6C、及び
図6Dに描かれているが、カテーテルは、より多くのトランスデューサ組立体、例えば、限定されることなく、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上、例えば、20の組立体を含んでもよい。
図6Aのバルーン14は、下にある構成要素が見えるように透明であるとして例示される。
図6Bは、Bと表示された線に沿って取られた
図6Aに示すカテーテルの断面である。加えて、
図6Bは、B’と表示された線に沿って取られた
図6Aに示すカテーテルの断面を表すことができる。
【0115】
裏部材42のブリッジ部分113は、隣接するトランスデューサ組立体32aと32bとの間に延び、同じバルーン14内の複数のトランスデューサ組立体32a及び32bの裏部材42として機能できる。第1の導電体74aは、裏部材42に接続する。第2の導電体74bは、最も近位のトランスデューサ組立体32aの外部電極38aに接続し、カテーテルの軸を通って延びる配線システムを通して外部電極38aを発電器に接続する。第3の導電体74cは、遠位トランスデューサ組立体32bの外部電極38bから裏部材42の内部管腔内への開口部を通ってカテーテルの軸内へ延びる。導電体74cは、カテーテルの軸を通って延びる配線システムを通して、トランスデューサ組立体32bの外部電極38bを発電器に接続する。
【0116】
トランスデューサ組立体32a及び32bの動作中、裏部材42は、トランスデューサ組立体32a及び32bに印加される電気エネルギーの共通帰線として機能できる。結果として、電子機器は、所望のトランスデューサ組立体32a及び/又は32bの外部電極38a及び/又は38bと裏部材42との間に電圧を印加することによって、トランスデューサ組立体32a及び32bを独立して動作させることができる。導電体74の代わりの配置は、トランスデューサ組立体の全ての又は異なる選択肢の独立した動作を可能にするために使用できる。
【0117】
導電体74a、b、cは、
図6A及び
図6Cにワイヤとして示すが、他の導電体が採用できる。例えば、導電性接着剤は、導電体74a、b、cのうちの1つ又は複数として機能できる。導電性接着剤は、基材とともに使用できる。例えば、導電性接着剤は、基材の片面上、基材の両面上、基材による支持、又は吸収若しくは含浸等の他の機構による基材との位置づけからなる群から選択される1つ又は複数の特徴を有することができる。一例では、導電性接着剤は、
図6Aに示す第3の導電体74cに取って代わるテープ上の層に含まれる。好適な導電性接着剤は、導性エポキシ、接着性金属フィルム、及び銀で被覆されたガラス・ビーズを含浸したエポキシとアクリレートとを含む混合物を含むが、これらに限定されない。好適な基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックを含むが、これらに限定されない。
【0118】
隣接するトランスデューサ組立体間に延びる裏部材のブリッジ部分の少なくとも一部は、1つ又は複数の強化した可撓性領域114を含むことができる。1つ又は複数の強化した可撓性領域は、裏部材42及びそれに応じてカテーテルの可撓性を強化するために選択できる。例えば、強化した可撓性領域を有する裏部材の部分は、強化した可撓性領域を有していない裏部材の1つ又は複数の部分より、及び/又はそれ以上に、可撓性を有することができる。
【0119】
好適な強化した可撓性領域は、パターンに配置された裏部材42の壁を通る開口部、及び格子パターンに切断された裏部材42を含むが、これらに限定されない。
【0120】
図6Aに例示される強化した可撓性領域114は、裏部材42の壁を通る開口部116である。開口部116は、隣接するトランスデューサ組立体間に位置する裏部材42の部分に対して、裏部材42の長手軸線の周りに螺旋を描く。結果として、裏部材42の少なくとも1つの可撓性強化部分は、裏部材42の長手方向の長さの一部に対して渦巻状又は実質的に渦巻状の構成を有する。いくつかの例では、強化した可撓性領域114は、バルーン内のトランスデューサ組立体32のいずれにも延びていない。
【0121】
螺旋率は、渦巻が、長手軸線の長さごとの、裏部材の長手軸線の周りを回転する程度数として測定できる。螺旋率は、裏部材42の可撓性強化部分の可撓性の程度を決定できる。例えば、螺旋率を増加すると、より可撓性の高い裏部材を形成するが、螺旋率を減少すると、より剛性の高い裏部材を形成できる。好適な螺旋率(ピッチ数)は、0°/mm以上の率を含むが、これらに限定されず、360°以上又は720°以上にわたって延びることができる。
【0122】
単一のバルーン内の複数のトランスデューサ組立体を使用して、カテーテルの可撓性を増加できる。可撓性の増加は、副腎動脈及び腎動脈枝(例えば、直径が3mm未満の血管)等の小径の体腔へのアクセスを達成し、蛇行した解剖学的構造を通してカテーテルを操縦するのを助けることができ、且つ/又は、体腔内の曲線にトランスデューサ組立体を留置することによるトランスデューサ組立体の偏芯を低減できる。より小さい且つ/又はより蛇行した空間を扱うことがより望ましくなると、上記に開示されたトランスデューサ組立体32は、複数のより小さいトランスデューサ組立体に分割できる。
【0123】
図6Aは、トランスデューサ組立体32を独立して動作させる能力を電子機器に与える電気的接続を例示するが、電気的接続部は、トランスデューサ組立体32の同時動作のために構成できる。例えば、トランスデューサ組立体32は、並列又は直列に接続できる。一例として、
図6Cは、トランスデューサ組立体32が、複数の異なるトランスデューサ組立体32a及び32bの外部電極38a及び38bに接続される導電体74cによって直列に接続されるように修正された
図6A及び
図6Bのカテーテルを例示する。
【0124】
2つのトランスデューサ組立体32が
図6Cに描かれているが、カテーテルは、より多くのトランスデューサ組立体、例えば、限定されることなく、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上を含んでよく、全てが導電体74によって直列に接続され、導電体74は、各対のトランスデューサ組立体32の外部電極38を互いに接続し、次いで、最終的に、カテーテル軸を発電器まで通って延びる配線システムを介して、最も近位のトランスデューサ組立体32の、近位で最も外部の電極38を発電機に接続する。
【0125】
異なるトランスデューサ組立体32の外部電極38に接続する導電体74は、他の導電体に取って代わられることができる。例えば、
図6D及び
図6Eは、導電性めっき92が異なるトランスデューサ組立体32の外部電極38間を電気的に連通するように修正された
図6Cのカテーテルを例示する。
図6Dは、トランスデューサ組立体及びバルーンを含むカテーテルの一部の斜視図である。
図6Dのバルーンは透明で例示されているため下にある構成要素が見える。
図6Eは、
図6DにEと表示された線に沿って取られた
図6Dに例示されたカテーテルの断面である。導性めっき92は、異なるトランスデューサ組立体32の外部電極38と電気的に連通している。電気絶縁体94は、導性めっき92と裏部材42との間に、各外部電極38を裏部材42及び内部電極36から電気的に絶縁するように任意選択で位置づけられる。好適なめっき92は、金属導体を含むが、これに限定されない。
図6D及び
図6Eに例示されるブリッジ部分113は、1つ又は複数の強化した可撓性領域を除外するが、ブリッジ部分113は、1つ又は複数の強化した可撓性領域を含むことができる。
【0126】
トランスデューサ組立体32の全て又は一部は、それぞれ、面取りされた、且つ/又は面取り部を含む1つ又は複数の端を有することができる。例えば、トランスデューサ組立体32の全て又は一部は、それぞれ、先細部を有する1つ又は複数の端を有することができる。いくつかの例では、互いに隣接するトランスデューサ34の端のうちの1つ又は両方は、先細状端を有することができる。一例として、
図6Fは、
図6Aから
図6Eとの関連で開示されるように構築されたカテーテルの一部の断面である。
図6Fは、カテーテルの長手軸線に沿って互いに隣接して位置づけられる2つのトランスデューサ組立体32の端を示す。トランスデューサ組立体32の両方は、先細状端を有する。例えば、トランスデューサ組立体32の厚さは、トランスデューサ組立体32の端に近づくにつれて減少する。図示の先細部は、カテーテルの長手軸線を囲むことができる。
【0127】
図6Fの実例では、隣接するトランスデューサ組立体32上の先細部は、両方のトランスデューサ組立体32の厚さがトランスデューサ組立体32の内面に向かって先細りになる方向と同じ方向に先細りになっている。
【0128】
1つ又は複数の先細部が存在することにより、カテーテルの曲げ範囲は増加できる。例えば、裏部材42が、カテーテルを治療部位に進め且つ/又はカテーテルを治療部位から後退させながら、曲げられると、1つ又は複数の先細部により、
図6Gに示すように、隣接するトランスデューサ34及び/又はトランスデューサ組立体32は互いに接近且つ接触することを可能にできる。これにより、隣接するトランスデューサ組立体32間の分離距離(Ls)は、裏部材42の曲げを依然として可能にしながら、低減できる。結果として、隣接するトランスデューサ34間の1つ又は複数の強化した可撓性領域の利点は、隣接するトランスデューサ34間の分離が減少するにつれて保持できる。このように隣接するトランスデューサ組立体32間の分離距離を低減できることにより、トランスデューサ組立体32の集合体が単一のトランスデューサ組立体32に近づくことを可能にし、音響場の均一性を高めることができる。
【0129】
図6F及び
図6Gは、先細部を有するものとしてトランスデューサ組立体32の端全体を例示するが、トランスデューサ34は、
図6Hに示すように内部電極及び/又は外部電極の端が先細部を除外する一方で、先細部を有することができる。
【0130】
図6Fから
図6Hは線状先細部を例示しているが、先細部は他の構成を有してよい。例えば、先細部は、
図6I及び
図6Jに示すように湾曲させることができる。湾曲は、トランスデューサ34が、
図6Jに示すように端が凸状になるように、又は
図6Iに示すように端が凹状になるように構成できる。1つのトランスデューサ34の端が凸状であるとき、隣接するトランスデューサの端は端が凸状であり得る。
【0131】
隣接するトランスデューサ34が隣接する端を有するとき、先細部は、カテーテルの曲げに応じて、異なるトランスデューサ組立体32からのトランスデューサ34の隣接する端が、一方又は両方のトランスデューサの内面から外面へ連続的又は実質的に連続的に接触できるように、任意選択で構成できる。連続接触は平面内で行うことができる。一例として、
図6Gが示されているページは平面を表し、トランスデューサ34の端は、Pと表示された界面によって示されるように、平面内の両方のトランスデューサ34の内面から外面へ連続的に接触している。
【0132】
図6Fは、ARと表示された2つの破線を含む。破線は、音響場の出力が所望の特性を失い、所望の治療に対して効果がなくなるか、又は実質的に効果がなくなる場所を例示する。例えば、ARと表示された破線のそれぞれにより、トランスデューサから出力される音響場のローブの縁辺に印をつけることができる。音響場のローブの縁辺は、概して先細部の始点に位置している。結果として、先細部は、トランスデューサ組立体32の活性領域とトランスデューサ組立体32の非活性領域との間の界面の位置を効果的に画定できる。多くの場合、トランスデューサは、治療部位による熱エネルギーの伝導により、複数の異なるトランスデューサによって形成された病変が接合且つ/又は融合して治療部位に連続した病変を形成するように、互いに十分に近接していることが望ましい。熱エネルギーは、治療部位内の組織による音響エネルギーの吸収から生じることがある。したがって、音響エネルギーの異なるローブにより、治療部位内の熱エネルギーの伝導によって接合且つ/又は融合される異なる病変を形成できる。病変のこの接合及び/又は融合により、分離されたトランスデューサ組立体は、複数のトランスデューサ組立体の存在によって達成される強化した可撓性を保持しながら、単一の連続トランスデューサ組立体の性能に近づくことができる。
【0133】
図6Fは、L
arと表示された隣接するトランスデューサ組立体34の活性領域間の分離距離を有する。加えて又は代わりに、L
arと表示された距離は、隣接するトランスデューサ上の先細部の始点間の距離を表してよい。カテーテルが熱エネルギーの伝導によって接合且つ/又は融合された病変を形成することが望ましいとき、隣接するトランスデューサ組立体の活性領域間の好適な分離距離(L
ar)及び/又は隣接するトランスデューサ上の先細部の始点間の距離は、0.0mm以上且つ0.5mm未満の分離距離を含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、隣接するトランスデューサ組立体の活性領域間の距離(L
ar)及び/又は隣接するトランスデューサ上の先細部の始点間の距離が、異なるトランスデューサからの音響場ローブ間の干渉を低減又は排除するのに十分な大きさであることが望ましい。
【0134】
いくつかの例では、音響エネルギーを異なるトランスデューサに印加する間に、トランスデューサが治療部位で移動されないときに、異なるトランスデューサから印加される音響エネルギーにより、異なり且つ空間的に分離された病変を治療部位に形成するように、トランスデューサが十分に離れていることが望ましい。神経が優先的に位置することがある複数の個別のエリアに病変を作成するために、治療部位に複数の切除リングを作成することが有利な場合がある。動脈等の治療部位の複数の異なる領域を同時に切除することにより、全体的な手術時間を減少できる。
【0135】
カテーテルが熱エネルギーの伝導によって接合且つ/又は融合しない病変を形成することが望ましいとき、隣接するトランスデューサ組立体の活性領域間の好適な分離距離(Lar)及び/又は隣接するトランスデューサ上の先細部の始点間の距離(Lar)は、0.5mmより大きい分離距離を含むが、これらに限定されない。
【0136】
トランスデューサ34の厚さは
図6JではTと表示される。厚さは動作周波数の関数であり得る。トランスデューサの先細部の厚さは
図6JではdTと表示される。先細部の長さは、
図6JにdLと表示される。先細部の比率はdT/dLで表すことができる。先細部は、トランスデューサの厚さ(T)の全て又は一部にわたることができる。いくつかの例では、先細部の厚さ(dT)は、トランスデューサの厚さ(T)の0%、30%を超え、100%以下に及ぶ。加えて又は代わりに、先細部は先細率(dT/dL)が0.0、0.3、若しくは1より大きく、且つ/又は0.2、0.5、若しくは2未満であってよい。一例では、先細率(dT/dL)は、0.0より大きく、2未満である。いくつかの例では、異なるトランスデューサの隣接端の厚さ及び先細率は同じである。いくつかの例では、異なるトランスデューサの隣接端の厚さ及び先細率が同じであるが、方向が反対である。いくつかの例では、異なるトランスデューサの隣接端の厚さ及び先細率が反対方向に同じであり、両方が直線状であるか、或いは両方が同じ形状の曲線及び/又は曲率を有するという点で、同じ先細の形状を有する。
【0137】
図6Aから
図6Gは、トランスデューサ組立体の下に延びない強化した可撓性領域を有するブリッジ部分113を例示するが、カテーテル内のブリッジ部分113の部分の全ては、それぞれ、1つ又は複数のトランスデューサ組立体の下のトランスデューサ組立体間から延びる、強化した可撓性領域をより多く含むことができる。
図6A、
図6C、及び
図6Dは、それぞれ、トランスデューサ組立体32aからカテーテル軸12まで延びる裏部材42の接続部分96を例示する。図示の接続部分96は、1つ又は複数の強化した可撓性領域を除外して示されているが、接続部分96は、任意選択で、1つ又は複数の強化した可撓性領域を含むことができる。
【0138】
図6Aから
図6Jは、2つのトランスデューサ組立体32を単一のバルーンに含むカテーテルを例示するが、バルーンは、2つより多いトランスデューサ組立体32を含むことができる。カテーテルが3つ以上のトランスデューサ組立体32を含むときは、裏部材は、複数のブリッジ部分113を含むことができる。ブリッジ部分113の全て又は一部は、それぞれ、1つ又は複数の強化した可撓性領域114を含むことができる。いくつかの例では、バルーン内のトランスデューサ組立体の数が2以上及び/又は20未満である。腎動脈を治療する際、使用に好適な実例では、バルーン内のトランスデューサ組立体の数は、2以上5以下である。
【0139】
図6Aから
図6Jのカテーテル内のトランスデューサ組立体32は、
図2Aから
図2Cによって構築されていることが示されているが、トランスデューサ組立体32は、
図3Eから
図3Gとの関連で開示されるように構築できる。トランスデューサ組立体32が
図3Eから
図3Gとの関連で開示されるように構築されるとき、カテーテル軸は、
図3Aから
図3Gとの関連で開示されているように、トランスデューサ組立体32の裏部材42によって画定される裏部材管腔46に受容できる。結果として、隣接するトランスデューサ組立体32間の裏部材42の部分は、カテーテル軸12の上に位置づけできる。
【0140】
いくつかの例では、
図6Aから
図6Jとの関連で開示されるように構築されたカテーテルは、直径が3フレンチ以上且つ/若しくは7フレンチ以下、及び/又はカテーテルの長さが75cm以上且つ/若しくは175cm以下であるカテーテル軸12を有する。腎神経除去に好適な実例では、カテーテルは、直径が3フレンチ以上6フレンチ以下、及び/又はカテーテルの長さが85cm以上155cm以下であるカテーテル軸を有する。いくつかの例では、バルーン内のトランスデューサ組立体32のうちの1つ若しくは複数及び/又はバルーン内のトランスデューサ34のうちの1つ若しくは複数は、それぞれ、0.5mm以上及び/又は10mm以下の長さ(
図6AにLtと表示)を有する。腎神経除去に好適な一例では、バルーン内のトランスデューサ組立体32及び/又はバルーン内のトランスデューサは、それぞれ、0.8mm以上6mm以下の長さ、及び/又は3フレンチ以上6フレンチ以下の直径を有する。
【0141】
図2Aから
図2Nとの関連で開示された電極76は、
図6Aから
図6Jのバルーン14上に示されていないが、バルーン14は、上述したように配置された1つ又は複数の電極76を含まなくてもよく、含んでもよい。バルーン14が1つ又は複数の電極76を含むとき、第2の導体キャリア68は、バルーン14上の1つ又は複数の電極76間、及び1つ又は複数の電極76と電子機器との間を電気的に連通できる。バルーン14が1つ又は複数の電極76を含むとき、トランスデューサ組立体32の全て又は一部は、それぞれ、1つ又は複数の電極76の異なる選択肢に関連できる。例えば、異なるトランスデューサ組立体に関連する1つ又は複数の電極76は、関連するトランスデューサ組立体32の上又は隣接して位置づけできる。加えて、電子機器は、1つ又は複数の電極76の選択肢を互いに独立して動作させることができる。結果として、電子機器は、トランスデューサ組立体32の選択肢から超音波エネルギーを送達することができ、トランスデューサ組立体32の選択肢に関連する1つ若しくは複数の電極76から、及び/又はトランスデューサ組立体32の選択肢に関連していない1つ又は複数の電極76から電磁エネルギーを送達できる。
【0142】
トランスデューサ34の長さが小さくなるにつれて、トランスデューサ34から出力されるローブの数も減少できる。例えば、9MHzで動作する長さ2.5mmから3mmのトランスデューサは、単一のローブを生成することがある。このような例では、バルーン14上の1つ又は複数の電極76は、異なるトランスデューサ34からのローブ間に位置づけできる。例えば、バルーン14上の1つ又は複数の電極76は、隣接するトランスデューサ34間に位置するカテーテルの構成要素の上に位置づけできる。一例として、
図6Kは、
図6Aから
図6Jによる可能なカテーテル構築の概略断面である。Aと表示された電極76は、隣接するトランスデューサ34間に位置するカテーテルの構成要素の上にあり、それに応じて異なるトランスデューサ34からのローブ間に位置づけられる。結果として、バルーン14上の1つ又は複数の電極76は、それぞれ、異なるトランスデューサ組立体から出力できる空間強度最小値の上に位置づけできる。加えて又は代わりに、バルーン14上の電極76の全て又は一部は、トランスデューサ組立体32によって生成された空間強度最大値が外部電極間に生じるという点で外部電極であってよい。結果として、外部電極のそれぞれの全て又は一部が、1つのバルーン内の組み合わせたトランスデューサ組立体32の全長(Lc)の外側に位置するカテーテルの一部の上に位置できる。例えば、
図6KにBと表示された電極76は、トランスデューサ組立体32によって生成される空間強度最大値が外部電極間で生じるように位置づけられた外部電極である。
図6Kには示されていないが、電極組立体のうちの1つ又は複数が複数のローブを生成するように構成されるとき、1つ又は複数の電極は、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置くことができる。一例では、バルーン14は、電極76の全て又は一部が、隣接するローブ間、空間強度最小値、及び低減した空間音響強度位置間からなる群から選択される1つ又は複数の位置に置かれるように配置された1つ又は複数の電極76を含む、且つ/又はバルーンは、電極の全て又は一部が外部電極となるように配置された、すなわち、トランスデューサの音響信号に干渉しないようにトランスデューサ間に位置づけられた1つ又は複数の電極76を含む。
【0143】
隣接するトランスデューサ組立体32間の分離距離は、
図6AにLsと表示され、ブリッジ部分113の長さを表すことができる。隣接するトランスデューサ組立体32間の分離距離も、
図6DにLsと表示され、ブリッジ部分113の長さを表すことができる。分離距離を増加すると、カテーテルの可撓性を高めることができる。いくつかの例では、分離距離(Ls)は、0mm若しくは2mm以上且つ/又は6mm未満であり、隣接するトランスデューサ組立体32の動作間の空間音響強度を低減する。1つのバルーン内の組み合わせたトランスデューサ組立体32の全長は、
図6AにLcと表示される。
【0144】
カテーテルは、内部カテーテルとともに使用できる。内部カテーテルの遠位端は、それぞれが電子機器と電気的に連通している1つ又は複数の電極を含むことができる。内部カテーテルは、1つ又は複数の電極がカテーテルの外側に残存するカテーテルの管腔の1つに受容されるように構成される。例えば、内部カテーテルは、1つ又は複数の電極がカテーテルの外側にあり且つ体腔の治療部位に曝される上記カテーテルのガイドワイヤの管腔に受容されるように構成できる。電子機器は、神経を刺激し、且つ/又は体腔の治療部位で神経を感知するように、1つ又は複数の電極を動作させることができる。
【0145】
図7Aから
図7Cは、内部カテーテルの実例を例示する。
図7Aは、内部カテーテルの実施例の斜視図である。内部カテーテルは、内部カテーテル軸118を含む。移送部材120及び電極支持体122が、内部カテーテル軸118の遠位端に位置づけられる。移送部材120は、電極支持体122を内部カテーテル軸118に接続できる。いくつかの例では、移送部材120及び電極支持体122は、内部カテーテル軸118と一体であり、且つ/又は内部カテーテル軸118と同じ材料で構築される。移送部材120は任意選択である。例えば、内部カテーテル軸118は、電極支持体122に直接接続できる。
【0146】
電極支持体122は、電極支持体122の長さに沿って離隔された複数の電極124を含む。電極支持体122は円弧形状を有し、電極は円弧に沿って位置づけられる。円弧は滑らかな円弧として示されているが、円弧形状は、円弧構成に近づくように接続された1つ又は複数のセグメントを含むことができる。セグメントの全て又は一部は直線であり得る。円弧は2次元又は3次元であり得る。例えば、円弧は半円に近づくことができ、又は渦巻に近づくことができる。
【0147】
電極支持体122の長手軸線は、
図7AにLAと表示された破線で示されている。電極支持体122の長手軸線に沿った各電極の長さはLEと表示される。電極支持体122の長手軸線に沿った電極124間の間隔は、LSと表示される。ある例では、電極支持体122の長手軸線に沿った各電極の長さは0.1mmより大きく、且つ/又は電極支持体122の長手軸線に沿った電極102間の間隔は0.1mmより大きく3mm未満である。腎動脈を治療する際の使用に好適である電極支持体の一例では、電極支持体122は、少なくとも4つ又は少なくとも8つの電極を含み、電極支持体122の長手軸線に沿った各電極の長さは0.1mmより大きく、電極支持体122の長手軸線に沿った電極124間の間隔は、0.5mmより大きく、1.5mm未満である。
【0148】
被覆角度は、電極が円弧上に位置づけられる角度範囲として測定し、
図7AにΘと表示される。円弧が2次元であるとき、被覆角度は重心から測定できる。
図7Aでは、円弧の重心はCと表示される。円弧が3次元であるとき、被覆角度は円弧の軸線から測定できる。例えば、円弧が渦巻状のとき、被覆角度は渦巻状軸線又はねじれ軸線から測定できる。円弧が3次元であるとき、被覆角度は360°を超えることができる。いくつかの例では、被覆角度は720°より大きい。
【0149】
電極支持体122が円弧の幾何形状を有するとき、円弧の曲率半径は、一定にすることができ、又は電極支持体の長さに沿って変化できる。曲率半径が電極支持体の長さに沿って変化する例では、曲率半径は、電極支持体の長さに沿って最大値及び最小値を有する。いくつかの例では、一定の曲率半径は1mmより大きく4mm未満である。いくつかの例では、曲率半径の最大値は1mmより大きく5mm未満であり、曲率半径の最小値は1mmより大きく5mm未満である。一定の曲率半径の値、又は曲率の最大半径及び最小半径の値は、体腔に一致するように選択できる。例えば、一定の曲率半径の値、又は曲率の最大半径及び最小半径の値を選択して、電極124と体腔の壁(1つ又は複数)との間の所望の数の接触点を達成できる。腎動脈での使用に好適である実例では、一定の曲率半径が1mmより大きく5mm未満であり、或いは曲率半径の最大値が1mmより大きく5mm未満であり、曲率半径の最小値が1mmより大きく5mm未満である。
【0150】
電極支持体122は、他の幾何形状を有することができる。例えば、電極支持体122は、内部カテーテル軸118からそれぞれ延びるアームを有するバスケットとして構成できる。アーム125が、それぞれ遠位端を有することができ、異なるアームの遠位端は接続できる。一例として、
図7Bは、遠位端が接続された4つのアーム125を有する電極支持体122を例示する。アームは、内部カテーテル軸118の周りに規則的又は周期的に位置づけできる。
【0151】
いくつかの例では、各アーム125の長手軸線に沿った各電極の長さは、0.1mmより大きい。
【0152】
図7Bの電極支持体122は、各アーム125上に2つの電極124を有するが、各アームは、1つ又は複数の電極124を有することができる。さらに、異なるアームは、同じ数の電極124又は異なる数の電極124を有することができる。いくつかの例では、各アームに沿った電極124の数は、所望の治療エリアの長さに応じて選択される。例えば、より長い治療エリアで使用する電極支持体122は、より長いアームを有することができ、それに応じて、より多くの電極をアームの全て又は一部に有することができる。いくつかの例では、アームが複数の電極124を含む場合、アーム125の長手軸線に沿った電極124間の間隔は0.1mmより大きく、アーム125の長手軸線に沿った電極124間の間隔は0.5mmより大きく1.5mm未満である。腎動脈を治療する際の使用に好適である電極支持体の一例では、複数の電極を各アーム125に有し、アームの長手軸線に沿った各電極の長さは0.1mmより大きく、各アームの長手軸線に沿った電極124間の間隔は0.5mmより大きく1.5mm未満である。
【0153】
図7Bの電極支持体122は4つのアーム125を有するが、電極支持体122は2つ以上のアームを有することができる。腎動脈を治療する際の使用に好適である電極支持体の一例では、電極支持体122は、アーム125の数が3以上20以下、アーム当たりの電極数は2以上10以下、アーム105の長手軸線に沿った各電極の長さは0.5mmより大きく、各アームの長手軸線に沿った電極124間の間隔は0.5mmより大きく3mm未満である。
【0154】
電極は電極支持体122と同じ高さとして示されているが、1つ又は複数の電極124は電極支持体122より高くてよい。
図7A及び
図7Bは、矩形の断面を有するものとして電極支持体122を例示しているが、電極支持体122は、円形又は楕円形等の他の幾何学的形状を有することができる。
【0155】
図7Aにおいて明らかであるように、電気ケーブル126は、内部カテーテル軸118の近位端から延びることができる。内部カテーテル軸118は、電極124のうちの1つ又は複数とそれぞれ電気的に連通している導電体(図示せず)を含むことができる。いくつかの例では、電極は電子機器に個々に接続される。例えば、電極支持体がNの電極124を有するとき、内部カテーテル軸118は、Nの電極のうちの異なる1つとそれぞれ電気的に連通しているNの導電体を担持できる。結果として、電子機器は、電子機器によって選択されたNの電極のうちのいずれか1つに電気エネルギーを印加できる。いくつかの例では、電極は、電極124が電子機器に個々に接続される1つ又は複数の電極選択肢を含む。例えば、電極支持体がNの電極124を有するとき、内部カテーテル軸118は、Nの電極のうちの異なる1つとそれぞれ電気的に連通しているNの導電体を担持できる。結果として、電子機器は、Nの電極から選択された電極のうちの任意の1つに、及び/又は、Nの電極から選択された電極の任意の群に電気エネルギーを印加できる。加えて又は代わりに、電子機器は、Nの電極から選択された電極のうちの任意の1つから、及び/又は、Nの電極から選択された電極の任意の群から電気エネルギーを受けてよい。
【0156】
電極124は、1つ又は複数の電極選択肢に接続できる。電極選択肢は、分散型電極として接続された複数の電極124を含むことができ、又は単一の電極を含むことができる。分散型電極内の電極124は、ノードを流れる電気エネルギーが分散型電極内の電極124全体に分散されるように、単一のノードに接続できる。結果として、電極支持体が、Mの電極選択肢に配置されたNの電極124を有するとき、ここでM<Nであるが、内部カテーテル軸118は、Nの電極のうちの異なる1つとそれぞれ電気的に連通しているMの導電体を担持できる。結果として、電子機器は、Mの電極選択肢から選択された電極選択肢のうちのいずれか1つに、及び/又はMの電極選択肢から選択された電極選択肢のいずれかの群に電気エネルギーを印加できる。加えて又は代わりに、電子機器は、Mの電極から選択された電極選択肢のうちのいずれか1つから、及び/又はMの電極選択肢から選択された電極選択肢のいずれかの群から電気エネルギーを受けてよい。ケーブル126における使用に好適である導電体は、ワイヤを含むが、これらに限定されない。
【0157】
内部カテーテルは、内部カテーテル管腔として機能するカテーテルの管腔のうちの1つに受容されるように構成される。例えば、
図7Cは、
図5Cとの関連で開示されたカテーテルのガイドワイヤの管腔に位置づけられる
図7Aの内部カテーテルを例示する。したがって、ガイドワイヤ管腔は、内部カテーテル管腔として機能できる。
図7Cから明らかであるように、内部カテーテル軸118は、カテーテル軸12より長くすることができるので、内部カテーテル軸は、電極支持体がカテーテル軸12を通して体腔に導入された後、アクセス可能なままである。いくつかの例では、内部カテーテルは、直径が1フレンチ以上及び/又は6フレンチ以下、且つ/又は内部カテーテルの長さが75cm以上及び/又は200cm以下であるカテーテル軸118を有する。腎神経除去に好適である一例では、内部カテーテルは、直径が2フレンチ以上5フレンチ以下、且つ/又は内部カテーテルの長さが85cm以上160cm以下である内部カテーテル軸118を有する。カテーテル軸及び内部カテーテル軸は、同じ材料又は異なる材料で構築できる。
【0158】
カテーテルの遠位端は、被検者の体腔に挿入されるように構成される。好適な体腔の例は、静脈及び/又は腎動脈等の動脈を含むが、これらに限定されない。一例として、
図8は、複数の神経を外層に有する体腔128の切断面図である。例えば、
図8の体腔128は、血管全体に神経132を有する腎動脈等の血管を表すことができる。
図6に例示されるように、バルーン14、カテーテル軸12の遠位部分、先端部材15は体腔128に受容される。ガイドワイヤ31は、
図8に示すように、体腔128にカテーテルを留置することを補助するために使用できる。
【0159】
バルーン14は、適合バルーン14又は非適合バルーン14であり得る。
【0160】
電子機器22は、トランスデューサがバルーン14の第2の膨張直径及び/又は第2の膨張圧力への膨張前、膨張中、及び/又は膨張後に音響信号を出力するように、トランスデューサ組立体32を動作させることができる。いくつかの例では、電子機器22は、トランスデューサ組立体32を1から20MHzの動作周波数で動作させることができる。例えば、トランスデューサは、約9MHz、10MHz、又は12MHzの動作周波数で構成できる。他の例では、トランスデューサは1MHz未満の周波数で音響信号を出力する。例えば、トランスデューサは、0.1MHz以上20MHz以下の動作周波数を有することができる。音響信号の動作周波数は、カテーテルの特定の用途、機能、又は使用の関数であり得る。
【0161】
1つのバルーン、又はそれぞれが1つ若しくは複数のトランスデューサ組立体を有する複数のバルーンに複数のトランスデューサ組立体を含む、ある実施例では、各トランスデューサは、同じ動作周波数又は異なる動作周波数を有してよい。ある実施例では、カテーテルは、同じ若しくは異なる用途及び/又は対象構造に対して最適化されたトランスデューサ組立体を備えてよい。例えば、ある実施例では、カテーテルは、撮像に対して最適化された動作周波数を有する、例えば、約2MHz~60MHz、例えば、20~60MHzの周波数を有するトランスデューサを含む1つ又は複数のトランスデューサ組立体、及び切除に対して最適化された動作周波数、例えば、1MHzから20MHz、例えば、6MHzから15MHz、又は6MHzから10MHz、又は9MHzを有するトランスデューサを含む1つ又は複数のトランスデューサ組立体を備えてよい。例えば、除神経に最適である実施例では、トランスデューサ組立体の動作周波数のうちの1つ又は複数は、9MHz、10MHz、及び/又は12MHzであってよい。
【0162】
トランスデューサに供給されて音響信号を発生する電力は、所望又は必要に応じて異なることができる。いくつかの例では、トランスデューサに供給されて音響信号を発生する電力は、5から80ワットである。音響信号が体腔に印加される持続時間は、治療手順、トランスデューサでの電力レベル、発した音響信号の周波数、体腔の大きさ又は治療される組織の種類、患者の年齢、患者の体重、及び患者の性別を含む種々の要因によって異なることができる。しかしながら、いくつかの例では、音響信号は、0.1秒以上20分以下の持続時間、体腔に印加される。
【0163】
電子機器22は、バルーン14上の1つ又は複数の電極76を、1つ又は複数の異なる用途に使用できる。例えば、電極76選択肢のうちの1つ又は複数は、切除を行う電磁信号を生成するように動作してよい。例えば、電磁信号は、RF信号等の電波周波数を有することができる。したがって、電磁信号は、体腔の内面を画定する組織及び/又は体腔に隣接若しくは体腔の周りにある組織等の、体腔に関連する組織を切除するRF信号であり得る。いくつかの例では、電子機器22は、体腔内の神経、体腔を画定する組織内の神経、及び/又は体腔に隣接する且つ/若しくは体腔の周りにある神経等の、体腔に関連する神経を除去するRF信号を発生するように、電極76選択肢のうちの1つ又は複数を動作させる。一例では、1つ又は複数の電極76は、高血圧を低減するように、腎動脈に関連する神経を除去するRFエネルギーを発生するために使用される。一例では、1つ又は複数の電極76は、糖尿病を治療することに対して重要である血糖値に関与する肝動脈内の肝神経叢の交感神経を除去するRFエネルギーを発生するために使用される。別の例では、1つ又は複数の電極76は、心房細動を治療するために異常な心拍リズムを誘発する心臓組織を切除するRFエネルギーを発生するために使用できる。
【0164】
バルーン14上の電極76を使用して切除のためのRFエネルギーを送達することにより、超音波バルーン14カテーテル又はより剛性の高い構造上の電極76を使用するRFカテーテルによる他の方法ではアクセスできないエリアに、切除エネルギーを有利に送達することができる。
【0165】
いくつかの例では、バルーン14の電極76のうちの1つ若しくは複数、及びトランスデューサ34は全て同時に切除エネルギーを発生して、より効率的且つ迅速な除神経手順及び/又は切除手順を補助する。
【0166】
上述したように、電子機器22は、1対若しくは複数対の電極76選択肢を双極電極76として動作させ、且つ/又は電極76選択肢のうちの1つ若しくは複数を単極電極76として動作させることができる。いくつかの例では、双極電極76で切除エネルギーを印加することにより、単極電極76の実施例より、より制御された切除及び/又はより浅い切除を可能にすることができる。いくつかの例では、電子機器22は、双極電極76として動作する1対又は複数対の電極76選択肢、及び/又は単極電極76として動作する1つ若しくは複数の電極76選択肢を識別する。いくつかの例では、電子機器22は、双極電極76として動作する1対若しくは複数対の電極76選択肢及び/又は単極電極76として動作する1つ若しくは複数の電極76選択肢の同一性を電子機器22にプログラムするためにオペレータが使用するユーザ・インタフェースを含む。いくつかの例では、双極電極76として動作する1対若しくは複数対の電極76選択肢及び/又は単極電極76として動作する1つ若しくは複数の電極76選択肢は電子機器22に格納される。例えば、カテーテルが
図2Hに示すように配置された電極76を有するとき、バルーン14上で遠位に位置づけられる外部電極は、それぞれ異なる電極76選択肢に接続され、双極電極76として動作することができる。加えて又は代わりに、バルーン14上で近位に位置づけられる外部電極は、それぞれ、異なる電極76選択肢に接続され、双極電極76として動作できる。隣接するローブ間に位置する1つ又は複数の電極76を含む、又はそれからなる電極76選択肢は、分散電極76がカテーテルから離れた患者の身体上に位置づけられる場合、単極電極76として動作できる。
【0167】
電極76選択肢が、切除及び/又は除神経を行う電磁信号を出力する単極電極76として動作する例では、電極76選択肢に含まれる1つ又は複数の電極76から出力される電磁信号は、0Hz、2Hz、9Hz、若しくは100Hz以上、及び/又は500Hz未満の周波数を有することができる。パルス持続時間は0.5msから10msであり得る。加えて又は代わりに、電磁信号の電力レベルは、0.5mAmp以上、及び/又は10mAmp以下であってよい。いくつかの例では、電磁信号は方形又は矩形の波形を有する。
【0168】
一対の電極76選択肢が、切除及び/又は除神経を行う電磁信号を出力する双極電極76として動作する例では、活性電極76として機能する電極76選択肢に含まれる1つ又は複数の電極76から出力される電磁信号は、0Hz、2Hz、9Hz、若しくは100Hz以上、及び/又は500Hz未満の周波数を有することができる。パルス持続時間は0.5msから10msである。加えて又は代わりに、電磁信号の電力レベルは、0.5mAmp以上、及び/又は10mAmp以下であってよい。いくつかの例では、電磁信号は方形又は矩形の波形を有する。
【0169】
1つ又は複数の電極76選択肢は、切除及び/又は除神経に加えて、或いは切除の代替又は切除への追加として、1つ又は複数の用途を行うために使用できる。1つ若しくは複数の電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び1つ若しくは複数の電極124選択肢に対する用途は、体腔内、体腔を画定する組織内、体腔周りの組織内、及び/又は体腔に関連する神経のマップ及び/又は感知である。電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び/又は1つ若しくは複数の電極124選択肢を使用して、体腔内、体腔を画定する組織内、体腔の周りの組織内、及び/又は体腔に関連する神経をマップする好適な方法の実例は、2021年10月25日に出願され、「CATHETERS FOR NEURAL MEASUREMENTS AND TREATMENT AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題する米国仮特許出願第63/263,000号、及び2021年4月11日に出願された「INTRALUMINAL MICRONEUROGRAPHY PROBES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題する米国特許公開第20220095979号に見出されることができ、いずれも、参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び1つ若しくは複数の電極124選択肢を使用して、体腔内、体腔を画定する組織内、体腔の周りの組織内、及び/又は体腔に関連する神経の感知を行う好適な方法の実例は、「INTRALUMINAL MICRONEUROGRAPHY PROBES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題する、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2022/0095979号に見出されることができる。
【0170】
1つ若しくは複数の電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び1つ若しくは複数の電極124選択肢に対する別の用途は、体腔の治療部位で神経を刺激することである。例えば、1つ若しくは複数の電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び/又は1つ若しくは複数の電極124選択肢に対する別の適用は、腎動脈における神経を刺激することである。1つ又は複数の電極76を使用して神経を刺激する好適な方法の一例は、米国特許公開第2018/0221087号に見出され、その全体が本明細書に組み込まれ、且つ、米国特許公開第2017/0035310号にも見出され、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0171】
1つ若しくは複数の電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び/又は1つ若しくは複数の電極124選択肢に対する別の用途は、体腔の幅及び/又は断面積等の体腔の1つ若しくは複数の寸法及び/又は特徴を測定することである。例えば、電極76選択肢間、電極124間、及び/又は電極124選択肢間のインピーダンスは、体腔の幅を測定する際に補助するために測定されてよい。1つ又は複数の電極76選択肢は、加えて又は代替で、血管壁と電極76及び/又はバルーン14との間の並置を決定してよく、これは、体腔の大きさ、バルーン14の膨張が十分であるかどうか、及び/又は適切な大きさのバルーン14が手順で実装されたかどうかを決定する際に使用されてよい。1つ若しくは複数の電極76選択肢、1つ若しくは複数の電極124、及び/又は1つ若しくは複数の電極124選択肢を使用して体腔の1つ若しくは複数の寸法、特徴を測定し、且つ/又はバルーン選択肢を検証する好適な方法の実例は、2021年7月19日に出願され、「METHODS AND SYSTEMS FOR DETERMINING BODY LUMEN SIZE」と題する、その全体が本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第63/223,519号に見出されることができる。
【0172】
電子機器22は、1つ又は複数の電極76選択肢を使用して、トランスデューサからの音響信号の送信前、送信中、及び送信後からなる群から選択される1つ又は複数の瞬間に、用途のうちの1つ又は複数を行うことができる。結果として、電子機器22は、バルーン14の膨張前、膨張中、及び膨張後からなる群から選択される1つ又は複数の瞬間に、バルーン14上の1つ又は複数の電極76選択肢を使用することができる。一例として、電子機器22は、腎動脈等の体腔に関連する神経をマップ、刺激、及び/又は感知するように、1つ又は複数の電極76選択肢の全て又は一部を動作させることができる。体腔に関連する神経をマップ、刺激、且つ/又は感知した後、電子機器22は、マップ且つ/又は感知された神経を切除且つ/又は除神経するように、1つ若しくは複数の電極76選択肢の全て若しくは一部、及び/又はトランスデューサを動作させることができる。マップされた且つ/又は感知された神経に切除エネルギーを印加した後、電子機器22は、切除エネルギーが印加された体腔のエリアを撮像するように、1つ又は複数の電極76選択肢の全て又は一部を動作させることができる。電子機器22及び/又はオペレータは、撮像から治療の成功を評価でき、その評価から追加の切除エネルギーを印加するかどうかを決めることができる。
【0173】
上記から明らかであるように、カテーテルの実施例は、1つ又は複数のトランスデューサ組立体を包囲し、且つ1つ又は複数の電極76選択肢をバルーンの表面に有するバルーンを含む。カテーテルを操作する一例では、カテーテルは、1つ又は複数の電極76選択肢が、体腔内の対象位置での神経活動を測定するように位置づけられるように体腔を通って進める。次いで、電子機器は、遠位バルーン104上の1つ又は複数の電極を、対象位置での神経活動を測定するように、動作させることができる。神経活動は、治療が対象位置で所望されるかどうかを決定するように、測定できる。1つ又は複数の電極を操作して神経活動を測定する好適な方法は、2021年4月11日に出願され、「INTRALUMINAL MICRONEUROGRAPHY PROBES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題する米国仮特許出願第63/263,000号及び米国特許公開第20220095979号に見出されることができる。治療が対象位置で所望されると決定されると、電子機器は、対象位置での神経(1つ又は複数)を切除及び/又は除神経するように、トランスデューサ組立体及び/又は1つ若しくは複数の電極76を動作させることができる。電子機器は、事前の切除及び/又は除神経の有効性を決定するように、1つ又は複数の電極76を動作させることができる。事前の切除及び/又は除神経の有効性は、1つ又は複数の電極を使用して対象位置での神経活動のレベルを測定することによって決定できる。電子機器が、事前の切除及び/又は除神経が有効でなかった、又は不十分であったかを決定すると、電子機器は、神経のさらなる切除及び/又は除神経を行うように、トランスデューサ組立体及び/又は1つ若しくは複数の電極76を動作させることができ、工程は、電子機器が、事前の切除が有効又は十分であったと決定するまで、繰り返すことができる。電子機器が、事前の切除が有効であったか、又は十分であったと決定すると、カテーテルは、バルーンが体腔内の第2の位置に置かれるように進められることができる。本方法は、次いで、第2の位置を対象位置として、繰り返すことができる。
【0174】
図2Aから
図6Eとの関連で開示されるように構築されたカテーテルのある実施例は、中間バルーン100を近位バルーン102と遠位バルーン104との間に含む。いくつかの例では、カテーテルは、3つのバルーン全てが、体腔を閉塞するように膨張させるように操作する。他の例では、中間バルーン100は、体腔を閉塞せず、近位バルーン102及び遠位バルーン104は、トランスデューサ組立体を体腔内の中心に合わせるために使用される。ある実施例では、1つ又は複数の電極及びトランスデューサは、全て、より効率的且つ迅速な除神経手順を補助するように、切除エネルギーを、例えば、同時に発生する。
【0175】
図2Aから
図2Mとの関連で開示されるように構築されたカテーテルの実例は、中間バルーン100を近位バルーン102と遠位バルーン104との間に含む。
図2Nは、中間バルーン100がトランスデューサ組立体を含み、電極76を除外する実施例を描く。近位バルーン102及び遠位バルーン104は、トランスデューサ組立体32、及び1つ若しくは複数の電極76も含んでよい。
図2Nは、それぞれが個別電極76を含む近位バルーン102及び遠位バルーン104を描くが、円周方向リング、セグメント化電極及び/又はメッシュ電極は、体腔、例えば、腎動脈の周りで360°神経感知及び/又は神経刺激を高めるために、追加で又は代替で設けることができる。そして、中間バルーン100は、トランスデューサ34のみを含むものとして描かれているが、中間バルーン100は、電極76を含み、又はトランスデューサ34を除外し、電極76のみを含んでもよい。
【0176】
カテーテルを操作する一例では、カテーテルは、1つ又は複数の電極が対象位置で神経活動を測定するために位置づけられるように、体腔を通って進められる。次いで、電子機器は、対象位置での神経活動を測定するように、遠位バルーン104上の1つ又は複数の電極を動作させることができる。神経活動は、近接中間バルーン100、近位バルーン102及び/又は遠位バルーン104であってよい対象位置で治療が所望されるかどうかを決定するように測定できる。1つ又は複数の電極を操作して神経活動を測定する好適な方法が、2021年4月11日に出願され、「INTRALUMINAL MICRONEUROGRAPHY PROBES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題する米国仮特許出願第63/263,000号及び米国特許公開第20220095979号に見出されることができる。対象位置で治療が所望されると決定すると、第1の動きは、例えば、中間バルーン100が対象位置で神経を治療するのに好適に位置づけられるように、カテーテルを移動するように行うことができる。電子機器は、神経を除去するように、トランスデューサ組立体及び/又は中間バルーン100上の1つ若しくは複数の電極を動作させることができる。第2の動きは、近位バルーン102が対象位置で神経活動を測定するのに好適に位置づけられるようにカテーテルを移動するために行うことができる。電子機器は、事前の切除及び/又は除神経の有効性を決定するように、近位バルーン102上の1つ又は複数の電極を動作させることができる。事前の切除の有効性は、近位バルーン102上の1つ又は複数の電極及び/又は遠位バルーン104上の1つ又は複数の電極を使用して、対象位置で神経活動のレベルを測定することによって決定できる。電子機器が、事前の切除が有効ではなかった、又は不十分であったと決定すると、第3の動きは、中間バルーン100が対象位置で神経を治療するのに好適に位置づけられるようにカテーテルを移動するように、行うことができる。電子機器は、トランスデューサ組立体、及び/又は中間バルーン100上の1つ若しくは複数の電極を、神経の追加の切除及び/又は除神経を行うように動作させることができる。次いで、第2の動きは繰り返され、電子機器が事前の切除が効果的又は十分であったと決定するまで工程を繰り返すことができる。電子機器が、事前の切除が有効であった、又は十分であったと決定すると、カテーテルは、遠位バルーン104が第2の位置に置かれるように構築できる。本方法は、次に、第2の位置を対象位置として、繰り返すことができる。
【0177】
カテーテルが内部カテーテルとともに使用されるとき、カテーテル及び/又は内部カテーテルは、ガイドワイヤ等のガイド機構、又はガイド・カテーテルを使用して体腔に送達できる。いくつかの例では、ガイドワイヤは、身体を通って体腔へ進められ、カテーテルは、ガイドワイヤの上を体腔まで進められ、ガイドワイヤは、カテーテルを通って体腔から引き出され、内部カテーテルの上を体腔まで進められる。いくつかの例では、カテーテルは、内部カテーテルが体腔へ進められた後に、体腔へ進められる。結果として、カテーテルは、内部カテーテルの前に体腔に導入できる。カテーテルは、内部カテーテルが体腔に導入された後、体腔へ進められると、内部カテーテルはガイドワイヤとして機能できる。したがって、カテーテルは、内部カテーテルに沿って体腔へ進めることができる。次に、電子機器は、対象位置で神経活動を測定するように、バルーン上の1つ又は複数の電極を動作させることができる。神経活動は、治療が対象位置で所望されるかどうかを決定するように測定できる。1つ又は複数の電極を操作して神経活動を測定する好適な方法が、2021年4月11日に出願され、「INTRALUMINAL MICRONEUROGRAPHY PROBES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と題する米国仮特許出願第63/263,000号及び米国特許公開第20220095979号に見出されることができる。治療が対象位置で所望されると決定すると、第1の動きが、カテーテル上のバルーンが対象位置で神経を治療するのに好適に位置づけられる体腔内の位置にカテーテルを移動するように、行うことができる。電子機器は、トランスデューサ組立体及び/又はバルーン上の1つ又は複数の電極を、対象位置で神経の切除及び/又は除神経を行うように、動作させることができる。カテーテルが、治療が対象位置で所望されると決定する前に、体腔に位置していないとき、内部カテーテルは体腔内に進めることができ、次いで、カテーテルは、バルーンを所望の位置に置くように、内部カテーテルに沿って進められることができる。代わりに、カテーテルは、治療が対象位置で所望されるという決定の前に、内部カテーテル上に位置づけしてよい。例えば、神経活動が対象位置で測定される前に、内部カテーテルの電極支持体は、内部カテーテルをカテーテルの管腔に通すことによって、体腔へ導入でき、又はカテーテルは内部カテーテルの上を進めることができる。カテーテルは、治療が対象位置で所望されることが決定する前に、内部カテーテル上に位置づけられるとき、カテーテル及び内部カテーテルの組合せは、カテーテル上のバルーンが対象位置で神経を治療するのに好適に位置づけられるまで、体腔を通して同時に進めることができる。
【0178】
対象位置での神経の治療の後、切除及び/又は除神経を行うために使用されたバルーンが電極76のうちの1つ又は複数を含むとき、電子機器は、事前の切除及び/又は除神経の有効性を決定するように、バルーン上の1つ又は複数の電極を動作させることができる。事前の切除及び/又は除神経の有効性は、バルーン上の1つ又は複数の電極76を使用して、対象位置で神経活動のレベルを測定することによって決定できる。電子機器が、事前の切除が効果的でなかった、又は不十分であったと決定するとき、電子機器は、トランスデューサ組立体及び/又はバルーン上の1つ若しくは複数の電極を、神経の追加切除及び/又は除神経を行うように、動作させることができる。電子機器は、1つ又は複数の電極76を使用して、事前の切除及び/又は除神経の有効性を再び決定でき、工程は、次いで、電子機器が事前の切除が有効又は十分であったと決定するまで、繰り返すことができる。電子機器が、事前の切除が有効であった、又は十分であったと決定すると、カテーテルは、電極支持体上の1つ又は複数の電極124が第2の位置に置かれるように構築できる。本方法は、次に、第2の位置を対象位置として、繰り返すことができる。
【0179】
対象位置での神経の治療後、切除及び/又は除神経を行うために使用されたバルーンが、電極76のうちの1つ又は複数を含まないとき、或いは、内部カテーテル上の電極124のうちの1つ又は複数で神経活動を感知することが好ましいとき、第2の動きは、電極124のうちの1つ又は複数が対象位置で神経活動を測定するのに好適に位置づけられるようにカテーテル及び内部カテーテルを移動するように、行うことができる。電子機器は、1つ又は複数の電極124を、事前の切除及び/又は除神経の有効性を決定するように動作させることができる。事前の切除の有効性は、1つ又は複数の電極124を使用して対象位置で神経活動のレベルを測定することによって決定できる。電子機器が、事前の切除及び/又は除神経が効果的ではなかった、又は不十分であったと決定すると、第3の動きは、カテーテル及び内部カテーテルを、カテーテル上のバルーンが対象位置で神経を治療するのに好適に位置づけられる体腔内の位置に移動するように行うことができる。電子機器は、トランスデューサ組立体及び/又はバルーン上の1つ若しくは複数の電極を、神経の追加切除及び/又は除神経を行うように、動作させることができる。第2の動きは次に繰り返し、工程は、電子機器が事前の切除及び/又は除神経が有効又は十分であったと決定するまで繰り返すことができる。電子機器が、事前の切除及び/又は除神経が有効であった、又は十分であったと決定すると、第4の動きは、電極124のうちの1つ又は複数が、体腔内の第2の位置で神経活動を測定するのに好適に位置づけられるように、内部カテーテルを移動するように、行うことができる。本方法は、次に、第2の位置を対象位置として、繰り返すことができる。
【0180】
方法が神経活動を測定するときの上記の例のどれにも当てはまらない場合、又は上記の例の全て、若しくは一部では、カソードは使用されて、測定される神経を刺激できる。例えば、神経活動を測定するために使用される電極76及び/又は電極102の全て又は一部は、神経活動の測定前に神経を刺激するために使用できる。カテーテルは、神経の刺激とその後の活動測定との間で体腔に移動させる必要がない。1つ又は複数の電極76及び/又は電極102を使用して神経を刺激するのに好適な方法は、それぞれ参照としてその全体が本明細書に組み込まれる2018年4月2日に出願された「Nerve Probe」と題する米国特許公開第2018/0221087号及び第15/299694号に記載されている。結果として、神経活動は、以前に刺激された神経の神経に対して測定でき、神経の位置を特定しやすくなる。体腔内の位置で神経を刺激するために使用される1つ又は複数の電極は、神経活動を測定するために使用される1つ又は複数の電極と同じ又は異なってもよい。
【0181】
神経が刺激されるいくつかの例では、電極76の一部は神経活動を感知するために使用され、電極76の別の部分は神経活動を刺激するために使用され、電極124の一部は神経活動を感知するために使用され、電極124の別の部分は神経活動を刺激するために使用される。結果として、電極の一部が神経活動を感知するために使用され、電極の別の部分は同時に、神経活動を刺激するために使用される。これらの例では、神経活動を感知するために使用される各電極は、空間音響強度を低減するために、神経活動を刺激するように使用される電極によって2mmを超えて分離できる。分離は、電子機器による電極の選択、又は電極支持体上若しくはバルーン上の電子機器の物理的分離の産物であり得る。
【0182】
いくつかの例では、治療が対象位置で所望されるかどうかを決定することは、神経活動の測定されたレベルを第1の活動閾値と比較することを含む、比較することからなる、又は比較することから本質的になる。神経活動の測定されたレベルが第1の活動閾値未満であるとき、治療は必要とされない、又は所望されないことがある。測定された神経活動レベルが第1の活動閾値以上であるとき、治療は必要とされ又は所望されてよい。いくつかの例では、対象位置での事前の切除が効果的でなかった、又は不十分であったと決定することは、神経活動の測定されたレベルを第2の活動閾値と比較することを含む、比較することからなる、又は比較することから本質的になる。神経活動の測定されたレベルが第2の活動閾値未満であるとき、事前の切除は有効又は十分であると決定できる。神経活動の測定されたレベルが第2の活動閾値以上であるとき、事前の切除は効果がない、又は不十分であると決定できる。
【0183】
カテーテル及び/又は内部カテーテルの動作の上記説明は、体腔内のカテーテルの1つ又は複数の動きを説明する。これらの動きは、体腔内のある位置から別の位置への移動、及び/又は体腔内のカテーテルのポジションの調整を含む。体腔内のカテーテルの動きは、体腔内の第1の位置での任意のバルーンの収縮、続いてカテーテルの物理的回転及び/又は平行移動、続いて第2の位置でのカテーテル上の1つ又は複数のバルーンの再膨張を含んでよい。
【0184】
カテーテル及び/又は内部カテーテルを操作する方法の上記の説明は、体腔内の治療部位が切除且つ/又は除神経される1つ又は複数の操作を含む。除神経及び/又は切除が1つ又は複数の電極76の使用を含むとき、電子機器22は、1つ又は複数の対の電極76選択肢を双極電極76として動作させることができる。代わりに、電子機器22は、電極76選択肢のうちの1つ又は複数を単極選択肢として動作させることができる。加えて、電磁信号及び音響信号は、電磁信号及び音響信号の送達を重ねることなく、順番に交互にすることができる。代わりに、電磁信号及び音響信号は同時に印加してよい。電磁信号に対する音響信号の周波数が高いと、電磁信号及び音響信号の同時印加中に、電磁信号と音響信号との間の空間音響強度を低減又は排除できる。したがって、バルーン及びバルーン内のトランスデューサ組立体に関連する1つ又は複数の電極76は、同時に動作できる。
【0185】
除神経及び/又は切除のいくつかの例では、電磁信号は、0Hzより大きい及び/又は500Hz未満の周波数で治療部位に送達され、並びに/或いは音響信号は、1MHz以上20MHz以下の周波数で治療部位に送達される。腎動脈の治療における使用に好適な実例では、電磁信号は、100Hzより大きい及び/又は500Hz未満の周波数で治療部位に送達され、並びに/或いは音響信号は、1MHz以上9MHz以下の周波数で治療部位に送達される。
【0186】
上記に開示されたトランスデューサ組立体は、代わりの構築を有してよい。例えば、上記のカテーテルのうちの1つに含まれるトランスデューサ組立体のうちの1つ又は複数は、ステップ・ダウン構築を有することができる。一例として、
図9は、トランスデューサ34内へ延びる凹部150を含むように修正された
図2Aに示すカテーテルの断面である。凹部150は、
図9に示すように、外部電極38を通って延びることができる。したがって、凹部150の1つ又は複数の側面(1つ又は複数)は、トランスデューサ34及び/又は外部電極38によって画定できる。加えて又は代わりに、凹部150の1つ又は複数の側面は、トランスデューサ34の終端で開口できる。第2の導電体72等の導電体は、床及び/又は凹部150のうちの1つ又は複数の側面に取り付けることができる。凹部150は、十分に深いので導電体はトランスデューサ34及び/又は外部電極38から離れない。したがって、導電体は、トランスデューサ34の外面及び/又は外部電極38のレベルに又はレベルより下に位置づけできる。凹部150は、トランスデューサの軸線の周りに延びていることは示されないが、凹部150は、トランスデューサの軸線を囲むことができる。
【0187】
上記のトランスデューサ組立体は、任意選択で絶縁を含むこともできる。例えば、
図2A及び
図2Bの上記のトランスデューサ組立体32等のトランスデューサ組立体が、導電冷却流体、生理食塩水、又は血液等の導電体液等の導電液体に曝されるとき、導電液体は、内部電極36と外部電極38との間に短絡性を与えることができる。
図10A及び
図10Bは、電気絶縁体152を含むように修正された
図2A及び
図2Bの電極組立体32を例示する。
図10Aは、カテーテルの長手軸線に沿って取られたカテーテルの遠位端の断面である。
図10Bは、
図10AにBと表示された線に沿って取られた
図10Aに示すカテーテルの断面である。電気絶縁体152は、外部電極38の外面及び内部電極36の内面の上に位置づけられる。加えて、電気絶縁体152は、外部電極38及び内部電極36の縁辺の上に位置づけられる。結果として、電気絶縁体152は、流体が外部電極38と内部電極36との間に電気通路を形成することを防止できる。電気絶縁体152は、外部電極38及び/又は内部電極36と直接物理的に接触できる。加えて、電気絶縁体152は、外部電極38及び内部電極36の露出した縁辺の上に位置づけられる。電気絶縁体152は、外部電極38及び内部電極36の上に位置づけられて示されるが、電気絶縁体152は、
図10A及び
図10Bに示すように、外部電極38の上に位置づけられることによって、又は、
図10A及び
図10Bに示すように、内部電極36の上に位置づけられることにより、流体が外部電極38と内部電極36との間に電気通路を形成することを防止する。
【0188】
上記カテーテルは、開示されたバルーンを除外してバルーンのないカテーテルを提供することもできる。結果として、上記に開示されたトランスデューサ組立体32は、バルーンに包囲される必要はない。例えば、バルーン14は、
図6Aから
図6Eに描かれたカテーテルから省略されてもよく、カテーテルは、血液からの冷却及び/又はトランスデューサの電極の周りに直接流体を注入することに依存してよい。ある実施例では、バルーン以外の固定機構、例えば、バスケットが、カテーテル/トランスデューサ組立体32の中心を合わせるために使用されてよい。トランスデューサは、1MHzから20MHzの間、例えば、約6MHzから10MHzの間の動作周波数を有する高周波非集束トランスデューサであってよい。発電器は、組織、例えば、腎神経、肝神経、肺動脈神経等の神経を、例えば、腎動脈、肝動脈、肺動脈等の体腔内又は体腔に近接して切除している間、体腔を通過する血液を凝固させないように、配線を通して、十分に低い電力を送達してよい。
【0189】
好適な電子機器22は、アナログ電気回路、デジタル電気回路、プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSPs:digital signal processors)、特定用途向け集積回路(ASICs:Application Specific Integrated Circuits)、コンピュータ、マイクロコンピュータ、又は上述した動作、監視及び制御機能を行うのに好適な組合せからなる群から選択される1つ又は複数の構成要素を含むことができる。いくつかの例では、電子機器22は、1つ又は複数の電極76選択肢の全て又は一部から出力される電磁信号にエネルギーを発生するために、電気手術ユニット(ESU:electrosurgical unit)等のRF電気手術発電器を含む。いくつかの例では、電子機器22は、オペレータが電子機器22に入力を行い、並びに/或いは電子機器22から情報及び/又はデータを抽出することを可能にするユーザ・インタフェースを含む。いくつかの例では、電子機器22は、動作、制御及び監視機能の実行中に電子機器22によって実行される指令を運ぶメモリを含む。電子機器22は、単一の位置における単一の構成要素として例示されているが、電子機器22は、互いに独立している、且つ/又は異なる位置に置かれている複数の異なる構成要素を含んでよい。
【0190】
本開示の他の実施例、組合せ及び修正は、これらの教示に鑑みれば当業者には容易に生じる。したがって、本開示は、上記の明細書及び添付図面とともに見た場合に、そのような実施例及び変形例の全てを含む以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のトランスデューサ(34)と、
少なくとも第1のバルーン(14)と、を備えるカテーテル(10)であって、
前記第1のトランスデューサ(34)は前記第1のバルーン(14)の内部に位置し、前記第1のトランスデューサ(34)は動作周波数で動作するように構成され、
前記第1のトランスデューサ(34)は、前記第1のトランスデューサ(34)の長手軸線に沿って複数のローブを第1の音響場に与える音響信号を送信し、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記第1の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第1のバルーン(14)の表面にあり、前記第1のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第1の音響場の前記空間強度分布は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が前記第1のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接している前記空間強度最大値間で前記第1のバルーン(14)の前記表面上にあり、
前記カテーテル(10)がさらに、
電磁信号を送信するように構成された少なくとも第1の電極(76)を備え、前記第1の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記低減した空間音響強度位置の1つで前記第1のバルーン(14)上に位置づけられる、カテーテル(10)。
【請求項2】
裏部材(42)と、
前記第1のバルーン(14)の前記内部に位置する少なくとも第2のトランスデューサ(34)と、をさらに備え、前記第2のトランスデューサ(34)は、第2の音響信号を送信するように構成され、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、裏部材(42)を囲み、前記裏部材(42)は、前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサと(34)の間に位置する強化した可撓性領域(114)を有する、請求項1に記載のカテーテル(10)。
【請求項3】
前記強化した可撓性領域(114)は、前記裏部材(42)の周りに螺旋状に形成される、請求項2に記載のカテーテル(10)。
【請求項4】
前記強化した可撓性領域(114)は、前記裏部材(42)の壁を通って延びる開口部である、請求項2に記載のカテーテル(10)。
【請求項5】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)から治療部位への前記音響信号の送信により互いから離隔された病変を前記治療部位に形成するのに十分な距離だけ分離される、請求項2から4までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項6】
裏部材(42)と、
少なくとも第2のトランスデューサ(34)と、
少なくとも第2のバルーン(14)と、をさらに備え、
前記第2のトランスデューサ(34)は、前記第2のバルーン(14)の内部に位置し、
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、前記裏部材(42)を囲み、
前記裏部材(42)は、前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサと(34)の間に位置する第1の強化した可撓性領域(114)を有する、請求項1に記載のカテーテル(10)。
【請求項7】
前記第2のトランスデューサ(34)は、前記第2のトランスデューサ(34)が前記第2のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って複数のローブを第2の音響場に与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記第2の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第2のバルーン(14)の表面にあり、前記第2のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第2の音響場の前記空間強度分布は、前記第2のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が、前記第2のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第2のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記カテーテル(10)は、電磁信号を送信するように構成された少なくとも第2の電極(76)をさらに備え、前記第2の電極(76)は、前記第2のトランスデューサ(34)の前記低減した空間音響強度位置の1つで前記第2のバルーン(14)上に位置づけられ、前記第1又は第2の電極(76)の少なくとも1つは、360°の円周方向電気接触を行うように構成されたワイヤの円筒形の拡張可能なメッシュを備える、請求項6に記載のカテーテル(10)。
【請求項8】
少なくとも第3のバルーン(14)をさらに備え、
前記裏部材(42)は、前記第2のバルーンと前記第3のバルーンと(14)の間に位置する第2の強化した可撓性領域(114)を有する、請求項7に記載のカテーテル(10)。
【請求項9】
電磁信号を送信するように構成された、前記第3のバルーン(14)上の少なくとも第3の電極(76)をさらに備え、
前記第1のバルーン(14)は、前記カテーテル(10)の近位端に位置し、前記第3のバルーン(14)は、前記カテーテル(10)の遠位端に位置し、前記第2のバルーン(14)は、前記第1のバルーンと前記第3のバルーンとの間に位置し、
前記第1の電極(76)は、360°の円周方向電気的接触を行うように構成されたワイヤの円筒形の拡張可能なメッシュを含み、
前記第3の電極(76)は、八角形の星状部を備える、請求項8に記載のカテーテル(10)。
【請求項10】
前記第3のバルーン内に位置する第3のトランスデューサ(34)をさらに備え、
前記第3のトランスデューサ(34)は、前記第3のトランスデューサ(34)が前記第3のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って複数のローブを第3の音響場に与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記ローブのそれぞれは、空間強度の最大値を前記第3の音響場の空間強度分布に有し、
前記空間強度分布は、前記第3のバルーンの表面にあり、前記第3のトランスデューサ(34)の表面に平行であり、
前記第3の音響場の前記空間強度分布は、前記第3のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度が前記第3のトランスデューサ(34)の前記空間強度最大値のうちの1つの値の50%以下である、1つ又は複数の低減した空間音響強度位置を有し、
前記低減した空間音響強度位置のそれぞれは、前記第3のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って互いに隣接しているローブに対して前記空間強度最大値間にあり、
前記第3の電極(76)は、前記第3のトランスデューサ(34)の低減した空間音響強度位置で前記第3のバルーン上に位置づけられる、請求項8又は9に記載のカテーテル(10)。
【請求項11】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、異なる動作周波数で動作するように構成される、請求項2から10までのいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項12】
前記第1のトランスデューサ(34)は、6MHz以上20MHz以下の動作周波数で動作するように構成され、前記第2のトランスデューサ(34)は、20MHz以上60MHz以下の動作周波数で動作するように構成される、請求項11に記載のカテーテル(10)。
【請求項13】
前記第1のバルーン(14)上の少なくとも第2及び第3の電極(76)をさらに備え、前記第2及び第3の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)が前記第1のトランスデューサ(34)の前記長手軸線に沿って前記第2の電極と前記第3の電極と(76)の間にあるように位置づけられる外部電極(76)を含む、請求項1
~4及び6のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項14】
前記第1のバルーン(14)上の少なくとも第2の電極(76)をさらに備え、前記第2の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の長手軸線に垂直である線が、前記第1のトランスデューサ(34)を通って延びることなく前記第2の電極(76)を通って延びることができるように位置づけられる外部電極(76)を含む、請求項1
~4及び6のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項15】
前記バルーン(14)上にフレックス回路をさらに備え、少なくとも前記第1の電極(76)は、前記フレックス回路上に位置づけられる、請求項1及び6~9のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項16】
少なくとも前記第1の電極(76)は、少なくとも前記第1のバルーン(14)の円周を囲む、分離された、リング状の、又はメッシュ状の電極である、請求項1
~4及び6~9のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項17】
少なくとも前記第1の電極(76)は、前記第1のトランスデューサ(34)の前記音響場の前記空間強度の最小値のうちの1つの上にある位置に置かれる、請求項1
~4及び6~9のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項18】
前記第1のバルーン(14)の前記内部に位置し、第2の音響信号を送信するように構成される少なくとも第2のトランスデューサ(34)と、
少なくとも第2の電極(76)と、をさらに備え、前記第2の電極(76)は、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)の前記音響場の外側の位置で前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサと(34)の間で前記第1のバルーン(14)上に位置づけられる、請求項
1に記載のカテーテル(10)。
【請求項19】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、それぞれ、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)のそれぞれが、音響エネルギーの単一のローブを与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)の前記動作周波数は、1MHz以上60MHz以下である、請求項2
~4、6~9及び18のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項20】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、それぞれ、前記第1及び第2のトランスデューサ(34)のそれぞれが、音響エネルギーの単一のローブを与える音響信号を送信する動作周波数で動作するように構成され、
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)の前記動作周波数は、1MHz以上60MHz以下である、請求項2
~4、6~9、12及び18のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項21】
前記第1及び第2のトランスデューサ(34)は、異なる動作周波数で動作するように構成される、請求項2
、4、6~9及び18のいずれか一項に記載のカテーテル(10)。
【請求項22】
前記第1のトランスデューサ(34)は、6MHz以上20MHz以下の動作周波数で動作するように構成され、前記第2のトランスデューサ(34)は、20MHz以上60MHz以下の動作周波数で動作するように構成される、請求項
21に記載のカテーテル(10)。
【国際調査報告】