(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】電磁シールド部材を備えるエアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240711BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240711BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240711BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240711BHJP
H05B 6/10 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A24F40/465
C08L101/00
A24F40/20
A24F40/40
H05B6/10 371
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501145
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2022069913
(87)【国際公開番号】W WO2023285679
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バージェス, ジョナサン ニール
(72)【発明者】
【氏名】マクグラス, コーナー
【テーマコード(参考)】
3K059
4B162
4J002
【Fターム(参考)】
3K059AB24
3K059AD07
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC50
4B162AD15
4J002AA001
4J002BB031
4J002BB121
4J002BC031
4J002BD041
4J002BG061
4J002BN151
4J002CB001
4J002CF061
4J002CF071
4J002CG001
4J002CK041
4J002CL001
4J002CM011
4J002FD016
4J002GC00
4J002GT00
(57)【要約】
エアロゾル生成材料を受容するように構成されたレセプタクルであって、エアロゾル生成材料が、サセプタ(132)によって加熱可能である、レセプタクルと、サセプタ(132)を加熱するための変動磁場を生成するように構成されたインダクタコイル(124、126)と、インダクタコイル(124、126)を少なくとも部分的に覆う電磁シールド部材(202)であって、電磁シールド部材(202)が、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物を含む、電磁シールド部材(202)と、を備える、エアロゾル供給デバイス(100)。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を受容するように構成されたレセプタクルであって、前記エアロゾル生成材料が、サセプタによって加熱可能である、レセプタクルと、
前記サセプタを加熱するための変動磁場を生成するように構成されたインダクタコイルと、
前記インダクタコイルを少なくとも部分的に覆う電磁シールド部材であって、前記電磁シールド部材が、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物を含む、電磁シールド部材と、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記ポリマー組成物が、(i)ポリマーと、(ii)電磁放射線を吸収および/または反射することができる充填材と、を含む、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記ポリマー組成物が、30MHzで測定した場合に少なくとも約20dBの遮蔽効果を有する、請求項1または2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記ポリマー組成物が、30MHzで測定した場合に少なくとも約40dBの遮蔽効果を有する、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記ポリマー組成物が、30MHzで測定した場合に約30~約80dBの遮蔽効果を有する、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記ポリマー組成物が、30MHzで測定した場合に約40~約70dBの遮蔽効果を有する、請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が、約10
5オーム以下の表面抵抗を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記ポリマー組成物が、約10
4オーム以下の表面抵抗を有する、請求項7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記ポリマー組成物が、約100オーム以下の表面抵抗を有する、請求項8に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記ポリマー組成物が、約0.01~約10オームの表面抵抗を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記ポリマー組成物が、約0.10~約2mmの厚さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記ポリマー組成物が、約0.15~約1.5mmの厚さを有する、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記電磁シールド部材が、前記インダクタコイルに接触している、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記ポリマーが、エラストマーまたは熱可塑性ポリマーである、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記ポリマーが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、PVC合金、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオキシメチレン(POM)、ナイロン)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、およびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記ポリマーが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、およびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項15に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記充填材が、導電性である、請求項2または14~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記充填材が、約10
-4オーム以下の表面抵抗を有する、請求項17に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
前記充填材が、金属またはその合金、炭素、炭化物、窒化物、酸化物、MXene、およびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項2または14~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
充填材が、金属またはその合金、炭素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、およびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項19に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
前記金属が、遷移金属またはポスト遷移金属である、請求項19または20に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記金属が、銀、金、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、アルミニウム、およびそれらの組合せから選択されている、請求項19または20に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
前記炭素が、グラファイト、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、またはそれらの組合せの形態である、請求項19または20に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項24】
前記炭素が、ニッケルなどの金属で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項23に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項25】
前記サセプタをさらに備え、前記サセプタが、前記レセプタクルを画定する、請求項1~24のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項26】
前記エアロゾル供給デバイスの外面の少なくとも一部分を形成する外側カバーをさらに備え、前記外側カバーの外面が、前記サセプタの外面から離れて位置決めされている、請求項1~25のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項27】
使用中、前記外面の温度が、約70℃未満、60℃未満、55℃未満または約48℃未満のままである、請求項26に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項28】
前記インダクタコイルが、前記レセプタクルの周りに延在する略螺旋状のコイルであり、前記電磁シールド部材が、前記インダクタコイルの周りに少なくとも部分的に延在する、請求項1~27のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項29】
前記インダクタコイルが、前記インダクタコイルの第1の側の第1の略平面状の表面、前記第1の側とは反対側の前記インダクタコイルの第2の側の第2の略平面状の表面、および前記第1の略平面状の表面と前記第2の略平面状の表面とを接続する外周表面を画定する略平面状のコイルであり、
前記電磁シールド部材が、前記第1の略平面状の表面、前記第2の略平面状の表面、および前記外周表面のうちの1つ以上を少なくとも部分的に覆う、
請求項1~27のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品と、を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項31】
エアロゾル供給デバイスのための電磁シールド部材であって、前記電磁シールド部材が、請求項1~24のいずれか一項に定義された、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物を含む、電磁シールド部材。
【請求項32】
エアロゾル供給デバイスのための電磁シールド部材として、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物の使用であって、前記ポリマー組成物が、請求項1~24のいずれか一項に定義されたものである、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、およびエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品と、を備えるエアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
シガレットおよび葉巻などの喫煙物は、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を発生させる。燃焼させることなく化合物を放出する製品を作り出すことによってタバコを燃焼させるこれらの物品の代替物を提供するための試みがなされてきた。そのような製品の例は、材料を加熱するが燃焼させないことによって化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、例えば、タバコまたは他の非タバコ製品であり得、ニコチンを含有してもしていなくてもよい。
【概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、
エアロゾル生成材料を受容するように構成されたレセプタクルであって、エアロゾル生成材料が、サセプタによって加熱可能である、レセプタクルと、
サセプタを加熱するための変動磁場を生成するように構成されたインダクタコイルと、
インダクタコイルを少なくとも部分的に覆う電磁シールド部材であって、電磁シールド部材が、ポリマー組成物を含む、電磁シールド部材と、
を備える、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
実施形態において、ポリマー組成物は、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されている。
【0005】
実施形態において、ポリマー組成物は、(i)ポリマーと、(ii)電磁放射線を吸収および/または反射することができる充填材と、を含む。
【0006】
実施形態において、ポリマー組成物は、(i)ポリマーと、(ii)電磁放射線を吸収および/または反射することができる充填材と、から本質的になる。
【0007】
実施形態において、ポリマー組成物は、(i)ポリマーと、(ii)電磁放射線を吸収および/または反射することができる充填材と、からなる。
【0008】
実施形態において、ポリマー組成物は、30MHzで測定した場合に少なくとも約20dBの遮蔽効果を有する。
【0009】
実施形態において、ポリマー組成物は、30MHzで測定した場合に少なくとも約40dBの遮蔽効果を有する。
【0010】
実施形態において、ポリマー組成物は、30MHzで測定した場合に約30~約80dBの遮蔽効果を有する。
【0011】
実施形態において、ポリマー組成物は、30MHzで測定した場合に約40~約70dBの遮蔽効果を有する。
【0012】
実施形態において、ポリマー組成物は、約105オーム以下の表面抵抗を有する。
【0013】
実施形態において、ポリマー組成物は、約104オーム以下の表面抵抗を有する。
【0014】
実施形態において、ポリマー組成物は、約100オーム以下の表面抵抗を有する。
【0015】
実施形態において、ポリマー組成物は、約0.01~約10オームの表面抵抗を有する。
【0016】
実施形態において、ポリマー組成物は、約0.10~約2mmの厚さを有する。
【0017】
実施形態において、ポリマー組成物は、約0.15~約1.5mmの厚さを有する。
【0018】
実施形態において、電磁シールド部材は、インダクタコイルと接触している。
【0019】
実施形態において、ポリマーは、エラストマーまたは熱可塑性ポリマーである。
【0020】
実施形態において、ポリマーは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、PVC合金、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオキシメチレン(POM)、ナイロン)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0021】
実施形態において、ポリマーは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0022】
実施形態において、充填材は、導電性である。
【0023】
実施形態において、充填材は、約10-4オーム以下の表面抵抗を有する。
【0024】
実施形態において、充填材は、金属またはその合金、炭素、炭化物、窒化物、酸化物、MXene、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0025】
実施形態において、充填材は、金属またはその合金、炭素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0026】
実施形態において、金属は、遷移金属またはポスト遷移金属である。
【0027】
実施形態において、金属は、銀、金、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、アルミニウム、およびそれらの組合せから選択されている。
【0028】
実施形態において、炭素は、グラファイト、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、またはそれらの組合せの形態である。
【0029】
実施形態において、炭素は、ニッケルなどの金属で少なくとも部分的にコーティングされている。
【0030】
実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、サセプタをさらに備え、サセプタは、レセプタクルを画定する。
【0031】
実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル供給デバイスの外面の少なくとも一部分を形成する外側カバーをさらに備え、外側カバーの外面は、サセプタの外面から離れて位置決めされている。一態様では、使用中、外面の温度は、約70℃未満、60℃未満、55℃未満または約48℃未満のままである。
【0032】
実施形態において、インダクタコイルは、レセプタクルの周りに延在する略螺旋状のコイルであり、電磁シールド部材は、インダクタコイルの周りに少なくとも部分的に延在する。
【0033】
実施形態において、インダクタコイルは、インダクタコイルの第1の側上の第1の略平面状の表面、第1の側とは反対側のインダクタコイルの第2の側上の第2の略平面状の表面、および第1の略平面状の表面と第2の略平面状の表面とを接続する外周表面を画定する略平面状のコイルであり、電磁シールド部材は、第1の略平面状の表面、第2の略平面状の表面、および外周表面のうちの1つ以上を少なくとも部分的に覆う。
【0034】
本開示の別の態様によれば、上述のエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品と、を備える、エアロゾル供給システムが提供される。物品は、ヒータアセンブリ内に少なくとも部分的に受容されるように寸法決めされ得る。
【0035】
デバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られているタバコ加熱デバイスであり得る。
【0036】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル供給デバイスのための電磁シールド部材であって、電磁シールド部材が、本明細書で定義されたポリマー組成物を含む、電磁シールド部材が提供される。実施形態において、ポリマー組成物は、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されている。
【0037】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル供給デバイスのための電磁シールド部材としてのポリマー組成物の使用であって、ポリマー組成物が、本明細書で定義されたものである、使用が提供される。実施形態において、ポリマー組成物は、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されている。
【0038】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照してなされる単なる例として与えられる、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、エアロゾル供給デバイスの一例の正面図を示す。
【
図2】
図2は、外側カバーが取り外された
図1のエアロゾル供給デバイスの正面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のエアロゾル供給デバイスの断面図を示す。
【
図4】
図4は、
図2のエアロゾル供給デバイスの分解図を示す。
【
図5A】
図5Aは、エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの断面図を示す。
【
図6】
図6は、エアロゾル供給デバイス内に配置された例示的な電磁シールド部材の斜視図を示す。
【
図7】
図7は、エアロゾル供給デバイス内に配置された例示的な電磁シールド部材の断面の概略図である。
【
図8A】
図8Aは、エアロゾル供給デバイスおよびエアロゾル生成物品を備え、デバイスが、複数の略平面状のインダクタコイルを備え、物品が、エアロゾル生成材料の複数の部分および対応するサセプタ部分を備える、エアロゾル供給システムの概略図の断面の一例である。
【
図8D】
図8Dは、8Aのエアロゾル供給物品の、さらに別の角度から見た図である。
【
図9A】
図9Aは、台形形状を有する略平面状のインダクタコイルの一例を示す。
【
図9B】
図9Bは、台形形状を有する略平面状のインダクタコイルの別の例を示す。
【
図10A】
図10Aは、エアロゾル供給デバイスおよびエアロゾル生成物品を備え、デバイスが、単一の誘導発熱体および移動機構を備え、物品が、エアロゾル生成材料の複数の部分を備える、エアロゾル供給システムの概略図である。
【
図10B】
図10Bは、エアロゾル供給デバイスおよびエアロゾル生成物品を備え、エアロゾル供給デバイスが、エアロゾル供給デバイスの発熱体に対してエアロゾル生成物品を回転軸線の周りで回転させるように構成された回転デバイスを備える、エアロゾル供給システムの一部の1つの斜視図である。
【
図10C】
図10Cは、エアロゾル供給デバイスおよびエアロゾル生成物品を備え、エアロゾル供給デバイスが、エアロゾル供給デバイスの発熱体に対してエアロゾル生成物品を回転軸線の周りで回転させるように構成された回転デバイスを備える、エアロゾル供給システムの一部の別の斜視図である。
【詳細な説明】
【0040】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル生成材料」という用語は、加熱時に、典型的にはエアロゾルの形態で揮発成分を提供する材料を含む。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ誘導体、膨化タバコ、再生タバコ、またはタバコ代替品のうちの1つ以上を含み得る。エアロゾル生成材料はまた、他の非タバコ製品を含んでもよく、製品に応じて、ニコチンを含有してもしていなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、ゲル、またはワックスなどの形態であり得る。エアロゾル生成材料はまた、例えば、材料の組合せまたはブレンドであり得る。エアロゾル生成材料はまた、「喫煙材」としても知られている。
【0041】
エアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることによって、典型的には、エアロゾル生成材料を燃焼させるまたは燃やすことなく吸入することができるエアロゾルを形成する装置が知られている。そのような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、または「タバコ加熱デバイス」などとして説明されることがある。同様に、ニコチンを含有してもしてなくてもよい液体の形態のエアロゾル生成材料を典型的には気化させる、いわゆる電子タバコデバイスも存在する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ、もしくはカセットなどの形態であり得、またはその一部として提供され得る。エアロゾル生成材料を加熱し揮発させるためのヒータは、装置の「恒久的な」部分として設けられ得る。
【0042】
エアロゾル供給デバイスは、加熱するためのエアロゾル生成材料を備える物品を受容することができる。この文脈における「物品」は、加熱されてエアロゾル生成材料を揮発させる、使用においてエアロゾル生成材料を含むかまたは含有する構成要素であり、任意選択的に、使用における他の構成要素である。ユーザは、物品が加熱されてエアロゾルを生成する前に物品をエアロゾル供給デバイス内に挿入し得、その後、ユーザはエアロゾルを吸入する。物品は、例えば、物品を受容するようにサイズ設定されたデバイスの加熱チャンバ内に位置付けされるように構成された所定のまたは特定のサイズのものであり得る。物品は、「消耗品」とも呼ばれ得る。
【0043】
本開示の第1の態様は、サセプタによって加熱可能なエアロゾル生成材料を受容するように構成されたレセプタクルを有するエアロゾル供給デバイスを定義する。レセプタクルは、例えば、サセプタがエアロゾル生成材料を受容するようにサセプタによって画定され得る。例えば、サセプタは、略管状(すなわち、中空)であり得、その中にエアロゾル生成材料を受容することができる。一例では、エアロゾル生成材料は、事実上管状または円筒状であり、「タバコスティック」として知られている場合があり、例えば、エアロゾル生成材料は、特定の形状に形成されたタバコなどの植物ベースの材料を含み得、その場合、コーティングされているか、または紙もしくは箔などの1つ以上の他の材料で包まれている。あるいは、サセプタは、デバイスの構成要素でなくてもよく、デバイスに導入された物品に取り付けられているか、または物品内に包有されている。
【0044】
レセプタクルは、エアロゾル生成材料を受容するように構成されたヒータチャンバを画定し得る。
【0045】
サセプタは、少なくとも1つのインダクタコイルによって生成された変動磁場でサセプタを貫通することによって加熱され得る。次いで、加熱されたサセプタは、サセプタ内に位置するエアロゾル生成材料を加熱する。したがって、デバイスは、レセプタクル/サセプタを少なくとも部分的に覆うインダクタコイルをさらに備える。例えば、インダクタコイルは、レセプタクル/サセプタの周りに延在し得る。
【0046】
インダクタコイルによって生成された電磁放射線からデバイス(および他の近くにある電気デバイス)の電気部品を遮蔽するために、デバイスは、インダクタコイルによって生成された電磁放射線などの電磁放射線を反射および/または吸収するように作用し、したがって、電磁放射線の影響を軽減する、電磁シールド部材を備える。本発明で使用される電磁シールド部材は、電磁的遮蔽ポリマー組成物を含む。
【0047】
第1の態様では、電磁シールド部材は、インダクタコイルを少なくとも部分的に覆う。一態様では、電磁シールド部材は、インダクタコイルの周りに少なくとも部分的に延在する。一態様では、電磁シールド部材は、インダクタコイルに接触している。
【0048】
従来、エアロゾル供給デバイスにおける電磁シールド部材としてフェライト材料が使用されてきた。しかしながら、これは、フェライト材料をデバイスに取り付けるために接着剤層の使用を必要とする。例えば、フェライト材料は、接着剤および粉末状フェライトを含むテープの形態で含まれ得る。しかしながら、このテープは、一般に可撓性ではなく、複雑な形状または設計に容易に形成することができない。例えば、テープは、曲げられたときに容易に割れ得る。
【0049】
さらに、現在のフェライト材料は、一般に、経時的に劣化し得る接着剤によって所定の位置に保持される圧縮粉末の形態で使用される。このような劣化は、電磁遮蔽の効果を低下させ、かつ/またはデバイス内に望ましくない緩んだフェライト材料を生じさせ得る。
【0050】
エアロゾル供給デバイス内でフェライト材料の代わりにポリマー組成物を使用できることが現在判明している。エアロゾル供給デバイスにポリマー組成物を使用することの1つの利点は、ポリマー組成物を成形することができ、デバイス全体の構築をより容易にし、従来使用していたフェライトテープで形成することができるよりも複雑な形状の製造を可能にすることである。
【0051】
加えて、ポリマー組成物は、フェライトテープの使用によっては達成されない構造的強度または完全性をデバイスに提供することができる。よって、電磁シールド部材を形成するポリマー組成物は、デバイス自体の構造的または一体的な部分として作用することもできる。これは、ポリマー組成物がデバイス内で複数の機能を果たすことを可能にし得る。
【0052】
さらに、フェライトの代わりにプラスチックを使用することにより、接着剤の使用を回避することができ、デバイスが構築し易くなるだけでなく、デバイスの耐用年数にわたってより安定したものにすることができる。フェライト材料ではなくプラスチックを使用することの他の利点には、低コスト、低重量、および/または腐食がないことが含まれ得る。
【0053】
本発明の電磁シールド部材に使用されるポリマー組成物は、電磁放射線を減衰させることができる。特に、ポリマー組成物は、電磁放射線を吸収および/または反射することができる。換言すれば、ポリマー組成物は、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されている。これは、ポリマー組成物を通過する電磁放射線の強度を妨害または低減させる。
【0054】
一態様では、本発明に使用される電磁シールド部材は、あらゆる接着剤を含まない。一態様では、電磁シールド部材は、インダクタコイルと直接接触している(すなわち、コイルと電磁シールド部材との間に接着剤が存在しない)。
【0055】
一態様では、電磁シールド部材は、電磁放射線を吸収および/もしくは反射することができる、または吸収および/もしくは反射するように構成されたポリマー組成物からなる。
【0056】
ポリマー組成物は、一般に、(i)ポリマーと、(ii)電磁放射線を吸収および/または反射することができる充填材と、を含む。
【0057】
ポリマー組成物は、約1重量%~約99重量%、約10重量%~約90重量%、または約25重量%~約75重量%などの、任意の量の充填材を含み得る。
【0058】
ポリマー組成物は、約1重量%~約99重量%、約10重量%~約90重量%、または約25重量%~約75重量%などの、任意の量のポリマーを含み得る。
【0059】
ポリマー対充填材の重量比は、約1:5~約5:1、または約1:2~約2:1などの、約1:10~約10:1の範囲であり得る。
【0060】
一態様では、ポリマー組成物は、着色剤などの1つ以上の追加の充填材を含み得る。
【0061】
一態様では、ポリマー組成物は、ポリマー、本明細書に記載の充填材、および任意選択的に1つ以上の追加の充填材から本質的になる。一態様では、電磁シールド部材は、ポリマー、本明細書に記載の充填材、および任意選択的に1つ以上の追加の充填材から本質的になる。
【0062】
一態様では、ポリマー組成物は、ポリマー、本明細書に記載の充填材、および任意選択的に1つ以上の追加の充填材からなる。一態様では、電磁シールド部材は、ポリマー、本明細書に記載の充填材、および任意選択的に1つ以上の追加の充填材からなる。
....
【0063】
ポリマーは、エラストマーまたは熱可塑性ポリマーなどのエアロゾル生成デバイスでの使用に適した任意のポリマーであり得る。熱可塑性ポリマーは、非晶質または半結晶性であり得る。
【0064】
一態様では、ポリマーは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、PVC合金、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオキシメチレン(POM)、ナイロン)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0065】
ポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、または低密度ポリエチレン(LDPE)であり得る。
【0066】
一態様では、ポリマーは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0067】
一態様では、ポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。
【0068】
充填材は、一般に、電磁放射線を反射および/または吸収することができる。したがって、ポリマー組成物に所望の性質、すなわち電磁放射線を吸収および/または反射することができる性質を一般に提供するのは、ポリマーではなく充填材である。
【0069】
一態様では、充填材は、金属またはその合金、炭素、炭化物、窒化物、酸化物、MXene、およびそれらの組合せからなる群から選択されている。1つまたは2つ以上の異なる充填材を使用してもよい。一態様では、1つの充填材のみが使用されている。
【0070】
室温で固体である任意の金属が、本発明における充填材として使用され得る。例えば、金属は、遷移金属またはポスト遷移金属であり得る。本明細書で使用される場合、「ポスト遷移金属」という用語は、例えば、アルミニウムガリウム、鉛、スズ、タリウム、インジウム、およびビスマスを含む。
【0071】
一態様では、金属は、銀、金、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、アルミニウム、およびそれらの組合せから選択されている。任意の遷移金属またはポスト遷移金属合金などの任意の金属合金もまた使用され得る。好適な合金の一例は、フェライト鋼などの鋼である。
【0072】
炭素は、グラファイト、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、およびそれらの組合せの形態であり得る。炭素はまた、少なくとも部分的に金属でコーティングされてもよい。例えば、1つの好適な充填材は、ニッケルめっき炭素粉末である。
【0073】
好適な炭化物には、例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、および炭化タングステンが含まれる。
【0074】
好適な窒化物には、例えば、窒化アルミニウムが含まれる。
【0075】
好適な酸化物には、例えば、酸化亜鉛が含まれる。
【0076】
充填材は、フレーク、粉末、および/または繊維の形態であり得る。
【0077】
充填材は、任意の好適なサイズまたは寸法を有し得る。例えば、一態様では、充填材は、約1~約1000nmの平均最長寸法を有する。一態様では、充填材は、ナノスケールまたはマイクロスケール充填材である。
【0078】
一態様では、充填材は導電性である。したがって、一態様では、ポリマー組成物は、(i)ポリマーおよび(ii)導電性充填材を含む。
【0079】
一態様では、ポリマー組成物は、(i)ポリマーおよび(ii)導電性充填材から本質的になる。
【0080】
一態様では、ポリマー組成物は、(i)ポリマーおよび(ii)導電性充填材からなる。
【0081】
一態様では、充填材は、約10-4オーム(オーム/スクエアまたはΩ/スクエアと呼ばれることもある)以下の表面抵抗を有する。表面抵抗は、MIL-DTL-83528に従って測定され得る。
【0082】
電磁シールド部材を形成するための好適なポリマー組成物は市販されており(例えば、RTP社およびParker Chomerics社より)、例えば上記のポリマーおよび充填材を使用して当業者によって配合することもできる。適切な市販のポリマー組成物には、Parker Chomerics社によるPremier(商標)PBT-225およびPremier(商標)PEI-140が含まれる。
【0083】
一態様では、ポリマー組成物は、30MHzで測定した場合、少なくとも約20dB、30dB、40dB、50dB、または60dBの遮蔽効果を有する。最大遮蔽効果は、30MHzで測定した場合、約90dB、約80dB、または約70dBであり得る。したがって、一態様では、ポリマー組成物は、30MHzで測定した場合、約30~約80dB、または約40~約70dBなどの、約20~約90dBの遮蔽効果を有する。
【0084】
代替的または追加的に、ポリマー組成物は、30~1,500MHzで測定した場合、少なくとも約10dB、20dB、30dB、40dB、50dB、または60dBの平均遮蔽効果を有する。最大平均遮蔽効果は、30~1,500MHzで測定した場合、約90dB、約80dB、または約70dBであり得る。したがって、一態様では、ポリマー組成物は、30~1,500MHzで測定した場合、約30~約80dB、または約40~約70dBなどの、約10~約90dBの平均遮蔽効果を有する。
【0085】
一態様では、ポリマー組成物は、150kHzで測定した場合、少なくとも約10dB、20dB、30dB、40dB、50dB、または60dBの遮蔽効果を有する。最大遮蔽効果は、150kHzで測定した場合、約90dB、約80dB、または約70dBであり得る。したがって、一態様では、ポリマー組成物は、150kHzで測定した場合、約30~約80dB、または約40~約70dBなどの、約10~約90dBの遮蔽効果を有する。
【0086】
代替的または追加的に、ポリマー組成物は、0~13.56MHzで測定した場合、少なくとも約10dB、20dB、30dB、40dB、50dB、または60dBの平均遮蔽効果を有する。最大平均遮蔽効果は、0~13.56MHzで測定した場合、約90dB、約80dB、または約70dBであり得る。したがって、一態様では、ポリマー組成物は、0~13.56MHzで測定した場合、約30~約80dB、または約40~約70dBの、約10~約90dBの平均遮蔽効果を有する。
【0087】
いずれの場合も、遮蔽効果は、ASTM D4935-18に従って測定される。
【0088】
一般に、電磁シールド部材の遮蔽効果の総量は、反射損失および吸収損失に等しいこととなる。一般に、導電率、透磁性、厚さ、および周波数が大きいほど、吸収による電磁放射線の減衰が大きくなり、導電率が大きく周波数が低いほど、反射される電磁放射線の量が多くなる。
【0089】
一態様では、ポリマー組成物は、約104オーム以下、約100オーム以下、または約10オーム以下などの、約105オーム以下の表面抵抗を有する。ポリマー組成物は、約0.01~約10オーム、または約0.03~約5オームなどの、約0.01オーム以上の表面抵抗を有し得る。
【0090】
一態様では、ポリマー組成物は、約0.15~約1.5mm、または約0.20~約0.5mmなどの、約0.10~約2mmの平均厚さを有する。
【0091】
一態様では、電磁シールド部材は、約0.15~約1.5mm、または約0.20~約0.5mmなどの、約0.10~約2mmの厚さを有する。
【0092】
いくつかの例では、デバイスは、インダクタコイルの温度を測定するためのインダクタコイルと接触する温度センサをさらに備える。電磁シールド部材がインダクタコイルに接触している場合、温度センサは、インダクタコイルの温度をより正確に測定し得る。
【0093】
インダクタコイルは、螺旋状にサセプタ/レセプタクルの周りに延在し得る。サセプタは、電磁シールド部材が長手方向軸線の周りに方位角方向に延在し、したがって、完全または部分的な管状構造を形成するように、長手方向軸線を画定し得る。
【0094】
エアロゾル供給デバイスは、2つ以上のインダクタコイルを備えてもよい。例えば、第1のインダクタコイルは、レセプタクル/サセプタの第1の部分の周りに延在し得、第2のインダクタコイルは、レセプタクル/サセプタの第2の部分の周りに延在し得る。第1および第2のインダクタコイルは、レセプタクル/サセプタの長手方向軸線に沿った方向に互いに隣接するように配置され得る。このようなデバイスでは、電磁シールド部材は、第1および第2のインダクタコイルと接触し、少なくとも部分的にその周りに延在し得る。
【0095】
いくつかの例では、エアロゾル供給デバイスはサセプタを備え、サセプタはレセプタクルを画定する。
【0096】
いくつかの例では、デバイスは、サセプタの長さに沿って配置された2つ以上のインダクタコイルを備え、各隣接するインダクタコイル間に、デバイスはワッシャなどの半径方向に延在する壁を備える。
【0097】
いくつかの例では、半径方向に延在する壁は、各インダクタコイルを分離するためにサセプタの周りに少なくとも部分的に延在し得る。そのような半径方向に延在する壁は、誘導コイルを分断するように作用し、これは、各コイルが独立して作用することを意味し、すなわち、隣接する非動作コイルには誘導される効果がないか、またはより低いことが判明した。したがって、各インダクタコイルからの磁束をより局在化させることができる。いくつかの例では、壁は、壁の場所で物品にエネルギーを向かわせる/集中させるのに役立ち得、これは、コイルの総数を減らすことができることを意味し得る。半径方向に延在する壁は、サセプタの周りのカラーとして機能することができる。半径方向に延在する壁は、サセプタと同軸であり得る。半径方向に延在するとは、壁が管状サセプタの半径に対して平行な方向に延在することを意味し得る。
【0098】
いくつかの例では、壁は、サセプタに取り付けられている(すなわち、接触している)。例えば、壁は、サセプタからインダクタコイルまで延在し得る。他の例では、壁は、サセプタに取り付けられていない。例えば、壁は、絶縁部材の外面から延在し得る。一例では、壁およびサセプタは、同じ材料から作製されている。特定の例では、壁はフェライトを含む。
【0099】
したがって、一例では、サセプタと、サセプタの第1の領域の周りに延在する第1のインダクタコイルと、サセプタの第2の領域の周りに延在する第2のインダクタコイルと、を備えるエアロゾル供給デバイスが提供され、デバイスは、第1のインダクタコイルと第2のインダクタコイルとの間に配置された半径方向に延在する電磁シールド部材をさらに備える。電磁シールド部材およびデバイスは、上記および本明細書に記載の特徴のうちのいずれかを含み得る。
【0100】
電磁シールド部材構成は、高温サセプタとデバイスの外側ケーシング/ハウジングとの間に熱障壁を作り出すことができる。例では、デバイスの外側カバーは、約70℃、60℃、55℃または48℃未満などの、約75℃未満に維持される。他の例では、デバイスの外側カバーは、使用中に45℃未満または43℃未満に維持される。いくつかの例では、デバイスの外側カバーは、少なくとも3回または4回のバックツーバックの加熱セッションの間、43℃未満に維持される。セッションは、エアロゾル生成材料が使い果たされるまでの約3分~約4分の期間、物品を加熱することを含む。インダクタコイル上に電磁シールド部材を使用することにより、外側カバーの表面温度が最大3℃低下し得る。サセプタと絶縁部材との間のエアギャップの使用などの追加のまたは代替の絶縁特徴はまた、外側カバーの温度を約48℃未満に維持することができる。
【0101】
したがって、別の態様では、エアロゾル供給デバイスは、インダクタコイルと、エアロゾル生成材料を加熱するように構成されたサセプタと、を備え、インダクタコイルは、サセプタを加熱するように配置されている。デバイスは、エアロゾル供給デバイスの外面の少なくとも一部分を形成する外側カバーを備え、外側カバーの外面は、サセプタの外面から離れて位置決めされている。使用中、外面の温度は、約70℃未満、60℃未満、55℃未満または約48℃未満などの、約75℃未満のままである。
【0102】
したがって、デバイスは、少なくとも1回の加熱セッションの間、約70℃未満、60℃未満、55℃未満または約48℃未満などの、約75℃未満のままである。いくつかの例では、使用中、外面の温度は、約43℃未満のままである。
【0103】
一態様では、使用中、外面の温度は、少なくとも3回の加熱セッションの間、約43℃未満のままであり、加熱セッションは、少なくとも180秒間続く。したがって、使用中、外面の温度は、少なくとも540秒間、約43℃未満のままである。加熱セッションは、サセプタがこの時間中に連続的に加熱されていることを意味する。いくつかの例では、加熱セッション中のサセプタの平均温度は、約240℃~約300℃である。好ましくは、加熱セッションはバックツーバックで実行される(すなわち、互いに約30秒未満、または約20秒未満、または約10秒未満以内に開始する)。
【0104】
別の態様では、使用中、外面の温度は、少なくとも4回の加熱セッションの間、約43℃未満のままである。
【0105】
いくつかの例では、加熱セッションは少なくとも210秒間続く。
【0106】
デバイスは、コイルと接触しかつコイルの周りに少なくとも部分的に延在する電磁シールド部材をさらに備え得る。電磁シールド部材は、第1および第2の態様に関連して上述した特徴のうちのいずれかまたはすべてを含み得る。
【0107】
デバイスは、サセプタの周りを少なくとも部分的に覆うまたはその周りに延在する絶縁部材をさらに備え得る。絶縁部材は、外面の温度を約48℃未満に維持するのに役立ち得る。いくつかの例では、絶縁部材は、サセプタの周りにエアギャップを提供するためにサセプタから離れて位置決めされている。エアギャップは、追加の熱障壁を提供する。
【0108】
絶縁部材は、約0.25mm~約1mmの厚さを有し得る。絶縁部材(およびサセプタと絶縁部材との間の任意のエアギャップ)は、加熱されたサセプタから外側カバーを絶縁するのに役立つ。絶縁部材は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材料から構築され得る。特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構築されている。PEEKは良好な絶縁性を有し、エアロゾル供給デバイスでの使用によく適している。
【0109】
別の例では、絶縁部材は、マイカまたはマイカガラスセラミックを含み得る。これらの材料は、良好な絶縁性を有する。
【0110】
絶縁部材は、約0.5W/mK未満、または約0.4W/mK未満の熱伝導率を有し得る。例えば、熱伝導率は約0.3W/mKであり得る。PEEKは、約0.32W/mKの熱伝導率を有する。
【0111】
絶縁部材は、約300℃超、または約340℃超などの、約320℃超の融点を有し得る。PEEKの融点は343℃である。このような融点を有する絶縁部材は、サセプタが加熱されたときに絶縁部材が剛性/固体のままであることを保証する。
【0112】
外側カバーの内面は、絶縁部材の外面から0mmよりも大きくかつ約3mm未満の距離だけ離れて位置決めされ得る。このサイズの分離距離は、外側カバーが過度に熱くならないことを保証するのに十分な絶縁を提供し得る。絶縁部材の外面と外側カバーとの間に空気が位置し得る。一態様では、外側カバーの内面は、絶縁部材と直接接触していない。これにより、外側カバーの内面と絶縁部材との間の熱伝導経路を防ぐことができる。
【0113】
使用中、インダクタコイルは、サセプタを約200~約300℃の温度まで加熱するように構成され得る。使用中、インダクタコイルは、サセプタを約350℃の温度まで加熱するように構成され得る。
【0114】
インダクタコイルは、略螺旋状であり得る。インダクタコイルは、渦巻きコイルであってもよい。例えば、インダクタコイルは、コイル支持体の周りに螺旋状に巻回されたリッツ線などのワイヤから形成され得る。
【0115】
インダクタコイル、サセプタ、および絶縁部材は同軸であり得る。
【0116】
いくつかの例では、使用中、インダクタコイルは、サセプタを約240℃~約300℃、または約250℃~約280℃などの、約200℃~約350℃の温度に加熱するように構成されている。
【0117】
外側カバーの内面は、サセプタの外面から約4mm~約6mmの距離だけ離れて位置決めされ得る。この距離は、サセプタの外面と外側カバーの内面の最も近い点における外側カバーの内面との間の距離である。したがって、この距離は、サセプタの外面と外側カバーの内面との間の最小距離であり得る。一例では、距離は、サセプタとデバイスの側面との間で測定され得る。外側カバーがこの距離だけサセプタから離れて位置決めされた場合、外側カバーは、加熱されたサセプタから十分に絶縁されて、デバイスのサイズおよび重量を削減しながら表面温度を48℃未満に保つことが判明した。したがって、この範囲内の距離は、絶縁性とデバイス寸法との間の良好なバランスを表す。
【0118】
一例では、外側カバーの内面は、約5mm~約6mmの距離だけサセプタの外面から離れて位置決めされている。好ましくは、外側カバーの内面は、約5.3mm~約5.4mmなど、約5mm~約5.5mmの距離だけサセプタの外面から離れて位置決めされる。この距離範囲内の間隔は、より良好な絶縁を提供すると同時に、デバイスが小型かつ軽量のままであることを保証する。特定の例では、間隔は5.3mmである。
【0119】
デバイスは、外側カバーとサセプタとの間に位置決めされた少なくとも1つの絶縁層をさらに備え得る。絶縁層は、サセプタから外側カバーを絶縁する。
【0120】
絶縁層は、以下の場所(i)サセプタと絶縁部材との間、(ii)絶縁部材とコイルとの間、(iii)コイルと外側カバーとの間、のうちのいずれかまたはすべてに位置し得る。(ii)において、絶縁部材は、絶縁層を収容するためにより小さな外径を有し得る。追加的または代替的に、コイルは、絶縁層を収容するためにより大きな内径を有し得る。絶縁層は、複数の材料の層を備え得る。
【0121】
絶縁層は、以下の材料(i)空気(約0.02W/mKの熱伝導率を有する)、(ii)AeroZero(登録商標)などのポリイミドエアロゲル(約0.03W/mK~約0.04W/mKの熱伝導率を有する)、(iii)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(いくつかの例では約0.25W/mKの熱伝導率を有し得る)、(iv)セラミッククロス(約1.13kJ/kgKの比熱を有する)、(v)サーマルパテのうちのいずれかによって提供され得る。
【0122】
いくつかの例では、外側カバーの外面はコーティングを備える。コーティングおよび/または外側カバーは、高い熱伝導率を有し得る。例えば、導電率は、約200W/mKより大きくてもよい。比較的高い熱伝導率により、熱が外側カバー全体に分散し、それが大気中に失われ、それによってデバイスが冷却されることが確実になる。特定の例では、コーティングはソフトタッチペイントである。
【0123】
いくつかの例では、デバイスは、バッテリの温度を測定するように構成された温度センサを備える。デバイスは、バッテリの温度が閾値温度以上であるときにデバイスに加熱を停止させるように構成されたコントローラを備え得る。閾値温度は、例えば、約45℃または50℃であり得る。
【0124】
外側カバーの内面は、サセプタの外面から約4mm~約6mmの距離だけ離れて位置決めされ得る。この距離は、サセプタの外面と外側カバーの内面の最も近い点における外側カバーの内面との間の距離である。したがって、この距離は、サセプタの外面と外側カバーの内面との間の最小距離であり得る。一例では、距離は、サセプタとデバイスの側面との間で測定され得る。外側カバーがこの距離だけサセプタから離れて位置決めされた場合、外側カバーは、加熱されたサセプタから十分に絶縁されて、デバイスのサイズおよび重量を削減しながらユーザへの不快感または傷害が回避されることが判明した。したがって、この範囲内の距離は、絶縁性とデバイス寸法との間の良好なバランスを表す。
【0125】
外側カバーは、外側ケーシングとしても知られている場合がある。外側ケーシングは、デバイスを完全に取り囲み得るか、またはデバイスの周りに部分的に延在し得る。一例では、外側カバーの内面は、約5mm~約6mmの距離だけサセプタの外面から離れて位置決めされている。好ましくは、外側カバーの内面は、約5.3mm~約5.4mmなど、約5mm~約5.5mmの距離だけサセプタの外面から離れて位置決めされる。この距離範囲内の間隔は、より良好な絶縁を提供すると同時に、デバイスが小型かつ軽量のままであることを保証する。特定の例では、間隔は5.3mmである。
【0126】
いくつかの例では、使用中、コイルは、サセプタを約250℃~約280℃などの、約240℃~約300℃の温度に加熱するように構成されている。外側カバーが少なくともこの距離だけサセプタから離間して配置されている場合、外側カバーの温度は、約48℃未満、または約43℃未満などの安全なレベルのままである。
【0127】
いくつかの例では、コイルと外側カバーとの間にエアギャップが形成されている。エアギャップは絶縁を提供する。
【0128】
外側カバーの内面は、コイルの外面から約0.2mm~約1mmの距離だけ離れて位置決めされ得る。いくつかの例では、コイル自体は、磁場を誘導するために使用されるときに、例えば、磁場を誘導するためにコイルを通過する電流による抵抗加熱によって加熱され得る。コイルと外側カバーとの間に間隔を設けることにより、加熱されたコイルが外側カバーから確実に絶縁される。いくつかの例では、電磁シールド部材は、外側カバーの内面とコイルとの間に位置する。これはさらに、外側カバーの内面を絶縁するのに役立つ。
【0129】
一例では、コイルはリッツ線を備え、リッツ線は円形断面を有する。このような例では、外側カバーの内面は、コイルの外面から約0.2mm~約0.5mm、または約0.2mm~約0.3mm、例えば約0.25mmの距離だけ離れて位置決めされている。
【0130】
一例では、コイルはリッツ線を備え、リッツ線は矩形の断面を有する。このような例では、外側カバーの内面は、コイルの外面から約0.5mm~約1mm、または約0.8mm~約1mm、例えば約0.9mmの距離だけ離れて位置決めされている。円形断面ワイヤは外側カバーに向かって露出する表面積がより小さいため、円形断面を有するリッツ線は、矩形断面を有するリッツ線よりも外側カバーの近くに配置され得る。
【0131】
コイルの内面は、約3mm~約4mmの距離だけサセプタの外面から離れて位置決めされ得る。
【0132】
外側カバーはアルミニウムを含み得る。アルミニウムは、良好な放熱性を有する。外側カバーは、約200W/mK~約220W/mKの熱伝導率を有し得る。例えば、アルミニウムは、約209W/mKの熱伝導率を有する。したがって、外側カバーは、比較的高い熱伝導率を有することにより、熱が外側カバー全体に分散し、それが大気中に失われ、それによってデバイスが冷却されることが確実になる。
【0133】
外側カバーは、約0.75mm~約2mmの厚さを有し得る。したがって、外側カバーは、絶縁バリアとしても機能することができる。これらの厚さは、良好な絶縁を提供することと、デバイスのサイズおよび重量を削減することとの間の良好なバランスを提供する。好ましくは、外側カバーは、約1mmなどの、約0.75mm~約1.25mmの厚さを有する。
【0134】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略的には、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換可能な物品110を加熱して、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を生成するために使用され得る。デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲み収容するハウジング102(外側カバーの形態)を備える。デバイス100は、開口部104を一方の端部内に有し、物品110が、加熱アセンブリによる加熱のために開口部104を通して挿入され得る。使用時に、物品110は、加熱アセンブリ内に完全にまたは部分的に挿入され得、そこで物品110は、ヒータアセンブリの1つ以上の構成要素によって加熱され得る。
【0135】
この例のデバイス100は、第1の端部部材106を備え、第1の端部部材106は、物品110が所定の位置にないときに開口部104を閉鎖するために第1の端部部材106に対して移動可能な蓋108を備える。
図1では、蓋108は開放構成で示されているが、蓋108は閉鎖構成に移動し得る。例えば、ユーザは、蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせ得る。
【0136】
デバイス100はまた、押されたときにデバイス100を動作させるボタンまたはスイッチなどの、ユーザ操作可能な制御要素112を含み得る。例えば、ユーザは、スイッチ112を操作することによってデバイス100をオンにし得る。
【0137】
デバイス100はまた、デバイス100のバッテリを充電するためのケーブルを受容することができるソケット/ポート114などの電気部品を備え得る。例えば、ソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであり得る。
【0138】
図2は、外側カバー102が取り外されており、物品110が存在しない
図1のデバイス100を描写している。デバイス100は、長手方向軸線134を画定する。
【0139】
図2に示すように、第1の端部部材106はデバイス100の一方の端部に配置されており、第2の端部部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。第1および第2の端部部材106、116は、デバイス100の端面を少なくとも部分的にともに画定する。例えば、第2の端部部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に画定する。外側カバー102の縁部はまた、端面の一部分を画定し得る。この例では、蓋108はまた、デバイス100の頂面の一部分を画定する。開口部104に最も近いデバイスの端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端部(または口端部)として知られている場合がある。使用時に、ユーザは開口部104内に物品110を挿入し、ユーザ制御部112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス内で生成されたエアロゾルを吸引する。これにより、エアロゾルは、デバイス100の近位端部に向かう流路に沿ってデバイス100を通って流れる。
【0140】
開口部104から最も遠いデバイスの他方端部は、使用時に、ユーザの口から最も遠い端部であるため、デバイス100の遠位端部として知られている場合がある。ユーザがデバイス内で生成されたエアロゾルを吸引すると、エアロゾルはデバイス100の遠位端部から流れる。
【0141】
デバイス100は、電源118をさらに備える。電源118は、例えば、充電式バッテリまたは非充電式バッテリなどのバッテリであり得る。好適な電池の例には、例えば、リチウムバッテリ(リチウムイオンバッテリなど)、ニッケルバッテリ(ニッケルカドミウムバッテリなど)、およびアルカリバッテリが含まれる。バッテリは、必要に応じてコントローラ(図示せず)の制御下で電力を供給してエアロゾル生成材料を加熱するために、加熱アセンブリに電気的に結合されている。この例では、バッテリは、バッテリ118を所定の位置に保持する中央支持体120に接続されている。
【0142】
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備える。電子モジュール122は、例えば、プリント回路基板(PCB)を備え得る。PCB122は、少なくともプロセッサなどの1つのコントローラ、およびメモリを支持し得る。PCB122はまた、デバイス100の様々な電子部品を一緒に電気的に接続するための1つ以上の電気トラックを備え得る。例えば、バッテリ端子は、電力をデバイス100全体に分配することができるようにPCB122に電気的に接続され得る。ソケット114はまた、電気トラックを介してバッテリに電気的に結合され得る。例示的なデバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスを介して物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導により導電物(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの可変電流を誘導素子に流すためのデバイスと、を備え得る。誘導素子内の可変電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導素子に対して好適に位置決めされたサセプタを貫通し、サセプタ内部に渦電流を発生させる。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対する渦電流の流れは、サセプタをジュール加熱によって加熱させる。サセプタが鉄、ニッケル、またはコバルトなどの強磁性材料を含む場合、熱は、サセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、変動磁場とのそれらの整列の結果として生じる磁性材料内の磁気双極子の変動する向きによっても熱が生成され得る。誘導加熱では、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタ内部で熱が生成され、急速な加熱が可能になる。さらに、誘導ヒータとサセプタとの間にいかなる物理的接触も必要とせず、構築および適用の自由度を高めることが可能になる。
【0143】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書では「サセプタ」と呼ばれる)と、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126と、を備える。第1および第2のインダクタコイル124、126は、導電性材料から作製されている。この例では、第1および第2のインダクタコイル124、126は、螺旋状に巻回されて螺旋状のインダクタコイル124、126を提供する、リッツ線/ケーブルから作製されている。リッツ線は、個別に絶縁されておりかつ一緒にねじられて単一のワイヤを形成する、複数の個別のワイヤを含む。リッツ線は、導体における表皮効果損失を低減させるように設計されている。例示的なデバイス100では、第1および第2のインダクタコイル124、126は、矩形断面を有する銅リッツ線から作製されている。他の例では、リッツ線は、円形などの他の形状の断面を有し得る。第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成されており、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成されている。この例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸線134に沿った方向に、第2のインダクタコイル126に隣接している(すなわち、第1および第2のインダクタコイル124、126は重ならない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタ、または2つ以上の別個のサセプタを備え得る。第1および第2のインダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続され得る。
【0144】
第1および第2のインダクタコイル124、126は、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有し得ることが理解されよう。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有し得る。より具体的には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有し得る。
図2において、第1および第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124が第2のインダクタコイル126よりも小さいサセプタ132のセクションの上に巻回されるように、異なる長さである。したがって、第1のインダクタコイル124は、(個々のターン間の間隔が実質的に同じであると仮定して)第2のインダクタコイル126とは異なる数のターンを含み得る。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料から作製され得る。いくつかの例では、第1および第2のインダクタコイル124、126は実質的に同一であり得る。
【0145】
この例では、第1のインダクタコイル124と第2のインダクタコイル126とは反対方向に巻回されている。これは、インダクタコイルが異なる時間にアクティブである場合に有用であり得る。例えば、最初に、第1のインダクタコイル124が、物品110の第1のセクションを加熱するように動作し得、後に、第2のインダクタコイル126が、物品110の第2のセクションを加熱するように動作し得る。コイルを反対方向に巻回することは、特定のタイプの制御回路とともに使用されたときに非アクティブのコイルに誘導される電流を低減させるのに役立つ。
図2では、第1のインダクタコイル124は右つる巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左つる巻き螺旋である。しかしながら、別の実施形態では、インダクタコイル124、126は同じ方向に巻回されてもよく、または第1のインダクタコイル124が左つる巻き螺旋であってもよく、第2のインダクタコイル126が右つる巻き螺旋であってもよい。
【0146】
この例のサセプタ132は中空であり、したがって、その中にエアロゾル生成材料が受容されるレセプタクルを画定する。例えば、物品110をサセプタ132内に挿入することができる。この例では、サセプタ120は、円形断面を有する管状である。
【0147】
図2のデバイス100は、一般に管状であり得かつサセプタ132を少なくとも部分的に取り囲み得る、絶縁部材128をさらに備える。絶縁部材128は、例えば、プラスチックなどの任意の絶縁材料から構築され得る。この特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構築されている。絶縁部材128は、サセプタ132内で発生した熱からデバイス100の様々な構成要素を絶縁するのに役立つ。
【0148】
絶縁部材128はまた、第1および第2のインダクタコイル124、126を完全にまたは部分的に支持することができる。例えば、
図2に示すように、第1および第2のインダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周りに位置決めされており、絶縁部材128の半径方向外側面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は、第1および第2のインダクタコイル124、126に当接しない。例えば、絶縁部材128の外面と第1および第2のインダクタコイル124、126の内面との間に小さな隙間があってもよい。
【0149】
具体的な例では、サセプタ132、絶縁部材128、ならびに第1および第2のインダクタコイル124、126は、サセプタ132の中心長手方向軸線を中心として同軸である。
【0150】
図3は、部分断面におけるデバイス100の側面図を示している。この例では、外側カバー102が存在する。第1および第2のインダクタコイル124、126の矩形断面形状がより明瞭に視認できる。デバイス100は、サセプタ132の一方の端部と係合してサセプタ132を所定の位置に保持する支持体136をさらに備える。支持体136は、第2の端部部材116に接続されている。
【0151】
デバイスはまた、制御要素112内に関連付けられた第2のプリント回路基板138を備え得る。
【0152】
デバイス100は、デバイス100の遠位端部に向かって配置された第2の蓋/キャップ140およびばね142をさらに備える。ばね142は、第2の蓋140が開放されてサセプタ132へのアクセスを提供することを可能にする。ユーザは、第2の蓋140を開放してサセプタ132および/または支持体136を清掃することができる。
【0153】
デバイス100は、サセプタ132の近位端部から離れるようにデバイスの開口部104に向かって延在する膨張チャンバ144をさらに備える。膨張チャンバ144内に少なくとも部分的に、物品110がデバイス100内に受容されたときに物品110に当接し保持するための保持クリップ146が位置する。膨張チャンバ144は、端部部材106に接続されている。
【0154】
図4は、外側カバー102が省略された、
図1のデバイス100の分解図である。
【0155】
図5Aは、
図1のデバイス100の一部分の断面を描写している。
図5Bは、
図5Aの領域の拡大図である。
図5Aおよび
図5Bは、サセプタ132内に受容された物品110を示しており、物品110は、物品110の外面がサセプタ132の内面に当接するように寸法決めされている。これにより、加熱が最も効率的に行われることが保証される。この例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを備える。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に位置決めされている。物品110はまた、フィルタ、包装材料、および/または冷却構造体などの他の構成要素を備えてもよい。
【0156】
図5Bは、サセプタ132の外面が、サセプタ132の長手方向軸線158に対して垂直な方向に測定した距離150だけインダクタコイル124、126の内面から離間していることを示している。1つの特定の例では、距離150は、約3mm~4mm、約3mm~3.5mm、または約3.25mmである。
【0157】
図5Bは、絶縁部材128の外面が、サセプタ132の長手方向軸線158に対して垂直な方向に測定した距離152だけインダクタコイル124、126の内面から離間していることをさらに示している。1つの特定の例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128に当接し接触するように、実質的に0mmである。
【0158】
一例では、サセプタ132は、約0.025mm~1mm、または約0.05mmの壁厚154を有する。
【0159】
一例では、サセプタ132は、約40mm~60mm、約40mm~45mm、または約44.5mmの長さを有する。
【0160】
一例では、絶縁部材128は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm、または約0.5mmの壁厚156を有する。
【0161】
図6は、プリント回路基板(PCB)122、サセプタ132、第1のインダクタコイル124、および第2のインダクタコイル126の斜視図を示している。この例では、第1および第2のインダクタコイル124、126は、円形断面を有するワイヤから作製されている。第1のインダクタコイル124の第1および第2の端部130a、130bは、PCB122に接続されている。同様に、第2のインダクタコイル126の第1および第2の端部130c、130dは、PCB122に接続されている。いくつかの例では、1つのインダクタコイルのみが存在し得る。
【0162】
第1および第2のインダクタコイル124、126の周りには、電磁シールド部材202が延在する。この電磁シールド部材202は、第1および第2のインダクタコイル124、126と接触しそれらを取り囲んで、デバイス100の他の構成要素および/または他の物体をサセプタおよび/または第1および第2のインダクタコイル124、126内で生成された電磁放射線から遮蔽する。電磁シールド部材202は、電磁シールド部材202内に配置されたインダクタコイル124、126およびサセプタ132を明確に示すために、透明であるように図示されている。
【0163】
図6は、電磁シールド部材202をインダクタコイルと接触しているように描写しているが、当業者にはすぐに明らかになり得るように、電磁シールド部材202はデバイス内のどこにでも位置し得る。例えば、電磁シールド部材202とインダクタコイルとの間に絶縁部材またはエアギャップが存在してもよい。一態様では、電磁シールド部材202は、デバイスの外面に直接隣接して(デバイスの内側上に)位置し得る。別の態様では、電磁シールド部材202は、デバイスの外面の少なくとも一部を形成し得る。
【0164】
サセプタ132は、物品110を受容し、したがって、エアロゾル生成材料を受容するように構成されたレセプタクルを画定する。他の例(図示せず)では、サセプタ132はデバイス100ではなく物品110の一部であるため、他の構成要素がレセプタクルを画定し得る。レセプタクル/サセプタ132は、長手方向軸線158などの軸線158を画定し、その周りに電磁シールド部材202が巻き付けられている。
【0165】
上述したように、電磁シールド部材202は、電磁放射線に対するシールドとして作用する、1つ以上のポリマー成分を含む。
【0166】
図6および
図7に示すように、第1のインダクタコイル124の第1および第2の端部130a、130bは、電磁シールド部材202内に形成されたノッチ/開口部/アパーチャを通過し得る。これらのノッチは、電磁シールド部材202が第1および第2のインダクタコイル124、126により密接に適合することを可能にし得る。
【0167】
図8Aは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム200の概略図の断面図である。エアロゾル供給システム200は、2つの主要な構成要素、すなわちエアロゾル供給デバイス203およびエアロゾル生成物品204を備える。
【0168】
エアロゾル供給デバイス203は、外側ハウジング221と、電源222と、制御回路223と、複数のエアロゾル生成部品224と、レセプタクルまたはエアロゾル形成チャンバ225と、マウスピース端部226と、空気入口227と、空気出口228と、タッチ感応パネル229と、吸入センサ230と、使用終了インジケータ231と、を備える。
【0169】
外側ハウジング221は、任意の好適な材料、例えばプラスチック材料から形成され得る。一態様では、外側ハウジングは、本明細書に開示されたものと同じポリマー組成物から形成されている。すなわち、外側ハウスは、電磁シールド部材202を形成し得る。
【0170】
外側ハウジング221は、電源222、制御回路223、エアロゾル生成部品224、レセプタクル225、および吸入センサ230が外側ハウジング221内に位置するように配置されている。外側ハウジング221はまた、空気入口227および空気出口228を画定する。タッチ感応パネル229および使用終了インジケータは、外側ハウジング221の外側上に位置する。
【0171】
記載された実装態様では、エアロゾル供給デバイス203は、エアロゾル生成物品204を受容するように構成されたレセプタクル225をさらに含む。
【0172】
エアロゾル生成物品204は、
図8Bから
図8Dにより詳細に示すように、キャリア部品、エアロゾル生成材料244、およびサセプタ素子244bを備える。
図8Bは、物品204の見下ろし図であり、
図8Cは、物品204の長手方向(長さ)軸線に沿った横からの図であり、
図8Dは、物品204の幅軸線に沿った側部からの図である。
【0173】
図8Aから
図8Dは、誘導を用いてエアロゾル生成材料244を加熱して吸入のためのエアロゾルを生成するエアロゾル供給システム200を表している。
【0174】
記載された実装態様では、エアロゾル生成部品224は、2つの部分、すなわち、エアロゾル供給デバイス203内に位置するインダクタコイル224aなどの誘導発熱体、およびエアロゾル生成物品204内に位置するサセプタ224bで形成されている。実施形態において、誘導発熱体は、(i)平坦な渦巻きコイルであって、渦巻きコイルが、円形もしくは卵形の渦巻き、正方形もしくは矩形の渦巻き、台形の渦巻き、または三角形の渦巻きである、平坦な渦巻きコイル、(ii)多層誘導構成体であって、コイルの後続の完全なまたは部分的なターンが、隣接する層上に設けられており、任意選択的に、第1の層が、第2の層から間隔を置いて第1の方向に配置され、第3の層が、多層誘導構成体が互い違いの構造を形成するように、第2の層から間隔を置いて反対方向に配置されて第1の層内または第1の層の近くに存在する、多層誘導構成体、または(iii)任意選択的に様々な螺旋状のピッチを有する、規則的な螺旋または円錐形状のインダクタコイルなどの三次元インダクタコイルのうちの1つ以上を備え得る。
【0175】
したがって、この記載された実装態様では、各エアロゾル生成部品224は、エアロゾル生成物品204とエアロゾル供給デバイス203との間に分配された要素を備える。
【0176】
図8Cおよび
図8Dに見られるように、キャリア部品242は、キャリア部品242の表面上に配設されたエアロゾル生成材料244の個別部分にサイズおよび場所が対応するいくつかのサセプタ224bを備える。すなわち、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個別部分と同様の幅および長さを有する。
【0177】
サセプタは、キャリア部品242内に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実装態様では、サセプタ224bは、キャリア部品242の表面上に位置付けされてもよい。別の実装態様(図示せず)では、サセプタは、キャリア部品を実質的に覆う層として設けられ得る。
【0178】
エアロゾル供給デバイス203は、
図8Aに概略的に示す複数のインダクタコイル224aを備える。インダクタコイル224aは、レセプタクル225に隣接して示されており、所与のコイルが周りに巻回された回転軸線が、レセプタクル225内に延在し(例えば、
図8Aに示すようにz軸と平行に)、かつ物品204のキャリア部品242の平面に対してほぼ垂直であるように配置された、略平坦なコイルである。正確な巻線は
図8Aには示されておらず、任意の好適な誘導コイルが使用され得ることを理解されたい。
【0179】
図9Aおよび
図9Bは、略平面状のまたは略平坦なインダクタコイルの2つの異なる例を示している。
【0180】
図9Aは、台形形状のインダクタ構成体1000を示している。台形状のインダクタ構成体は、導電トラック1001、例えば銅トラックを備え得る。図示のように、導電トラック1001は、略台形形状のインダクタコイルを形成し得、実質的な台形形状は、第1の傾斜側面1002、第2の傾斜側面1003、長辺1004、および長辺1004よりも長さが短い短辺1005を備える。
【0181】
図9Bを参照すると、層状インダクタ構成体90を備える略平面状のインダクタコイルの一実施形態が示されており、層状インダクタ構成体90は、第1の層91および第2の層92を備える二層バイファイラコイルインダクタ構成体90である。
図9Bの層状インダクタ構成体90は、台形形状のインダクタ構成体として示されているが、層状インダクタ構成体は、円形、正方形、矩形など、任意の数の形状を有し得、または不規則な形状であり得ることが理解されよう。第1の層91は、1つ以上の第1の導電性ワイヤまたはトラック91aを備え、第2の層92は、1つ以上の第2の導電性ワイヤまたはトラック92aを備える。第1の導電性ワイヤまたはトラック91a、および第2の導電性ワイヤまたはトラック92aは、
図9に示すように、層に対して正面から見たときに同心で実質的に重なり合っていてもよい。1つ以上の導電性連結部93は、1つ以上の第1の導電性ワイヤまたはトラック91aを第2の導電性ワイヤまたはトラック92aに接続する。実施形態では、層状インダクタ構成体90はPCBフォーマット内に形成され得、垂直平面が用いられ得、既に低いアスペクト比(幅に対する銅トラックの高さ)に加えることにより、効果がさらに高まる。ワイヤまたはトラックを水平方向ではなく垂直方向に結合することにより、ワイヤ間の位相シフトを最小限に抑えながら、ワイヤの相互結合または容量性の連結がさらに向上することが判明した。
【0182】
したがって、実施形態では、インダクタコイルは、インダクタコイルの第1の側上の第1の略平面状の表面(例えば、レセプタクル225に面するように第1の表面の法線がz軸に沿って向けられている)、第1の側とは反対側のインダクタコイルの第2の側上の第2の略平面状の表面(例えば、レセプタクル225から離れる方に面するように第2の表面の法線が第1の表面の法線とは反対方向にz軸に沿って向けられている)、および第1の略平面状の表面と第2の略平面状の表面とを接続する外周表面(例えば、
図9Aの側面1002~1005を画定する表面)を画定する略平面状のコイルである。
【0183】
再び
図8Aから
図8Dを参照すると、インダクタコイル224aは電磁シールド部材302(破線で示されている)で覆われている。この電磁シールド部材302は、インダクタコイル224aと接触し実質的にインダクタコイル224aを覆って、デバイス203の他の構成要素および/または他の物体をサセプタおよび/またはインダクタコイル224a内で生成された電磁放射線から遮蔽し得る。例えば、電磁シールド部材302は、サセプタ224bが中に配置された状態でインダクタコイル224aおよびレセプタクル225の両方を取り囲むように、レセプタクル225の周囲に実質的に延在し得る。
【0184】
しかしながら、電磁シールド部材302の他の設計も可能であり、例えば、レセプタクル225から外方に面する1つ以上のインダクタコイル224aの第2の表面および1つ以上のインダクタコイル224aの外周表面を覆うように、インダクタコイル224aのうちの1つ以上に対応するキャップ(図示せず)の形態も可能であることが理解されよう。
【0185】
上述のように、電磁シールド部材302は、電磁放射線に対するシールドとして作用するポリマー組成物の1つ以上の成分を含む。
【0186】
各インダクタコイル224aの1つ以上の端部224cは、電磁シールド部材302内に形成されたノッチ/開口部/アパーチャを通過し得る。これらのノッチは、電磁シールド部材302がインダクタコイル224aにより密接に適合することを可能にし得る。さらに、電磁シールド部材302は、空気入口227と空気出口228との間の空気流路が電磁シールド部材302によって妨げられないように、さらなるノッチ/開口部/アパーチャを備え得る。
【0187】
上記では、インダクタコイル224aおよびサセプタ224bが物品204とデバイス203との間に分配された誘導加熱エアロゾル供給システムについて説明したが、インダクタコイル224aおよびサセプタ224bがデバイス203内にのみ位置する誘導加熱エアロゾル供給システムが提供されてもよい。例えば、
図8Bから
図8Cを参照すると、サセプタ224bは、インダクタコイル224aの上に設けられ得、サセプタ224bがキャリア部品242の下面に接触するように配置され得る。
【0188】
図10Aは、エアロゾル供給デバイス303の一部分の概略図を示している。デバイス303は、デバイス303内に、エアロゾル生成媒体を備える物品304を有する。デバイス303と物品304との組合せは、エアロゾル供給システム300を形成する。
【0189】
物品304は、エアロゾル生成媒体を含む第1の表面312を有する。記載された実装態様では、物品は、第1の表面を有するキャリア層311(本明細書ではキャリアまたは基材支持層と呼ばれることもある)を含み、エアロゾル生成媒体が第1の表面上に配設されている。この実装態様では、キャリア層311の表面とエアロゾル生成材料の表面との組合せが、物品304の第1の表面312を形成する。記載された実装態様では、エアロゾル生成媒体は、媒体の複数の用量44として配置され得る。物品304は、第1の表面312に対向する第2の表面316を有する。第2の表面316は第1の表面312に対向しており、第1の表面312および第2の表面316のうちの一方または両方は滑らかでも粗くてもよい。記載された実装態様では、第2の表面316はキャリア層311によって形成されている。すなわち、キャリア層311は、第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を有し、キャリア層311の第1の表面上にはエアロゾル生成材料が配設されている。デバイス303は、物品304の第2の表面316に面するように配置された誘導発熱体324に供給するためのエネルギー源を有する。誘導発熱体324のためのエネルギー源は、バッテリ(図示せず)などの電源からエアロゾル生成媒体44にエネルギーを伝達してエアロゾル生成媒体44からエアロゾルを生成する、エアロゾル供給デバイス303の要素である。このような実装態様では、誘導発熱体324は、通電されたときに物品304の1つ以上のサセプタ素子内で加熱を引き起こす、1つ以上のインダクタコイルを含み得る。
【0190】
デバイス303は、物品304、特にエアロゾル生成媒体の特定の部分44(または場合によっては、用量)を移動させるように構成された移動機構330を有する。エアロゾル生成媒体の部分44は、好ましくは、エアロゾル生成媒体の部分が、この場合は個々に発熱体324に提示されるように、誘導発熱体324に対して回転移動可能である。デバイス303は、エアロゾル生成媒体の少なくとも1つの用量44が第2の表面316に対して角度θで軸線Aの周りを回転させられるように配置されている。制御回路323は、個別部分44を発熱体324と位置合わせするように物品304が回転するように、誘導発熱体324および移動機構330の両方を作動させるように構成されている。この実装態様における物品304は、略平坦である。この実装態様における物品304のキャリア層311は、部分的または全体的に紙またはカードから形成され得る。
【0191】
いくつかの実装態様では、基材のキャリア層311は、変動磁場によって加熱されるように構成された金属素子であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0192】
加熱の程度は、金属素子と誘導コイルとの間の距離に影響され得る。
【0193】
図10Aの物品304は、エアロゾル生成媒体のいくつか(5つ)の用量(または部分)44を有する。他の例では、物品304は、より多いまたはより少ないエアロゾル生成媒体の用量44を有し得る。いくつかの例では、物品304は、
図10Aに示すように、個別の用量で配置されたエアロゾル生成媒体の用量44を有し得る。
【0194】
他の例では、用量44は、ディスクの形態であり得、用量44は、物品304の周方向に連続的または非連続的であり得る。さらに他の例では、用量44は、環、リング、または任意の他の形状の形態であり得る。物品304は、軸線Aを中心とした第1の表面312における用量44の回転対称分布を有しても有しなくてもよい。用量44の対称分布により、(回転対称分布内に)同等に位置決めされた用量が可能になり、それによって、必要に応じて、軸線Aを中心とした回転時に誘導発熱体324から同等の加熱プロファイルを受けることとなり得る。
【0195】
本例の物品304は、物品304のキャリア層311上に配設されたエアロゾル生成媒体を含む。しかしながら、他の実装態様では、物品304は、エアロゾル生成媒体のみから形成され得、すなわち、いくつかの実装態様では、物品304は完全にエアロゾル生成媒体からなる。このような実施形態では、1つ以上のサセプタはデバイス303の一部となる。あるいは、物品304がエアロゾル生成媒体およびエアロゾル生成媒体内に埋め込まれたサセプタのみからなるように、1つ以上のサセプタが物品304のエアロゾル生成媒体内に埋め込まれてもよい。さらに他の実装態様では、物品304は、複数の材料からの層状構造を有し得る。一例では、物品304は、熱伝導性材料、誘導性材料、透過性材料、または不透過性材料のうちの少なくとも1つから形成された層を有し得る。
【0196】
図10Aに示す構成は、複数の用量のエアロゾル生成材料を誘導発熱体324に指し示す(または移動させる)ことによって動作する。
図10Aのこの構成は、物品304に移動を提供するために移動機構330の複雑さをわずかに増加させ得るが、エアロゾル生成媒体の複数の部分を加熱するのに必要な誘導発熱体324が1つだけであるおかげで有することとなる利益がある。例えば、
図10Aの構成における単一の発熱体324は、複数の制御機構を必要とする複数のヒータではなく、ただ1つの制御機構(制御回路323など)を必要とする。したがって、この構成は、発熱体324の動作および制御に関するコストおよび制御の複雑さを低減させ得る。
【0197】
デバイス303の形状は、シガレット形状(1つの寸法が他の2つの寸法よりも長い)であってもよいし、他の形状であってもよい。一例では、デバイス303は、例えばコンパクトディスクプレーヤなどのように、2つの寸法が他の1つの寸法よりも長い形状を有し得る。あるいは、形状は、物品304、発熱体324のためのエネルギー源、および移動機構330を適切に収容することができる任意の形状であり得る。
【0198】
図8Aの複数の発熱体224の代わりに、
図10Aの物品304を回転させるように構成された単一の発熱体324および移動機構330以外に、
図10Aのデバイスは、例えば吸入センサなど、
図8Aに関連して説明した他の特徴のうちの1つ以上を含み得ることが理解されよう。
【0199】
図示のように、デバイス303は、電磁シールド部材402を含み得、電磁シールド部材402は、要素324によって生成された交流磁場が物品304内の、または物品304に隣接する1つ以上のサセプタを加熱するのを遮断または妨害しないように、物品304に面する要素324の側面を除いて誘導発熱体324を実質的に覆う。電磁シールド部材402は、本明細書に記載のポリマー組成物を含み得る。
【0200】
ここで、
図10Bおよび
図10Cを参照すると、蓋部306およびベース部308を備えるエアロゾル供給デバイス303が示されている。エアロゾル供給デバイス303はまた、蓋部306をベース部308と係合させるように構成された固定機構(図示せず)を備える。係合されると、蓋部306およびベース部308は、使用中、エアロゾル生成物品304の相対移動を防止するように、蓋部306とベース部308との間の所定の位置にエアロゾル生成物品304を保持する。
【0201】
いくつかの実施形態では、エアロゾル供給デバイス302は、1つ以上の誘導発熱体(例えば、
図10Bおよび
図10Cの発熱体324)を備える。
図10Bおよび
図10Cに示すように、発熱体324は、ベース部308内に設けられているか、またはその一部を形成する。しかしながら、代替的に、またはこれに加えて、1つ以上の誘導発熱体が蓋部306内に設けられてもよい。したがって、蓋部306およびベース部308は、エアロゾル生成物品が1つ以上の発熱体に向かう方向またはそこから離れる方向に沿って相対的に移動するのを防止するように、例えば、
図10Cに示すように、物品304が(使用中)z方向に沿ってデバイス302の発熱体324から離れる方向またはそれに向かう方向に移動するのを防止するように係合されている。
図10Bおよび
図10Cにはただ1つの誘導発熱体324が示されているが、2つまたは3つの誘導発熱体などの2つ以上の誘導発熱体324が設けられてもよいことが理解されよう。1つ以上の誘導発熱体は、使用中に、固定機構によって所定の位置に保持されたエアロゾル生成物品(金属箔など)の1つ以上のサセプタ素子を加熱するように、変動磁場を生成するための1つ以上のインダクタコイルを備える。
図10Bに示すように、誘導発熱体324は、
図9Aまたは
図9Bと同様の台形の誘導発熱体を含み得る。
【0202】
図10Bおよび
図10Cに示すように、1つ以上の誘導発熱体324は平面を画定する。したがって、使用中、固定機構は、
図10Cに示すようにz方向に沿った方向など、平面に対して実質的に垂直な方向に沿った略平面状のエアロゾル生成物品の相対移動を防止するように、(
図10Cに示すように)略平面状のエアロゾル生成物品304を平面に対して平行な位置に保持するように、蓋部306をベース部308と係合するように構成されている。
【0203】
理解されるように、1つ以上の誘導発熱体は、平坦な螺旋誘導コイルなどの略平面状の発熱体を含み得る。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の発熱体324は非平面状であってもよいが、円錐形誘導コイルなどの平面を画定し、円錐形コイルのベースは平面を画定する。
【0204】
図10Bおよび
図10Cに示すように、エアロゾル供給デバイス303は、(
図10Cに示すように)エアロゾル生成物品304を回転軸線の周りで回転させるように構成された回転デバイス330を備える。回転デバイス回転デバイス330は、誘導発熱体に対してエアロゾル生成物品304を回転させるように構成されており、それによって、エアロゾル生成物品304の1つ以上の新たなエアロゾル生成領域が発熱体に近接するように移動させられる。理解されるように、回転デバイス330を備える実施形態では、固定機構は、
図10Cに示すように、z方向など、回転軸線を中心とした回転以外の方向へのエアロゾル生成物品の相対移動を防止しながら、エアロゾル生成物品304が発熱体に対して回転させられることを可能にするように構成されている。
【0205】
蓋部306は、プレナム322およびマウスピース314を備え得る。プレナム322が、マウスピース314を備えてもよい。いくつかの実施形態では、マウスピース314およびプレナム322は、蓋部306と一体であり得る。
【0206】
固定機構は、蓋部306が、クラムシェル構成を形成するようにヒンジ334を介してベース部308に接続されるように、ヒンジ334を備え得る。すなわち、デバイス303は、例えば
図10Bおよび
図10Cに示すように、ヒンジ334が開位置にあるときにエアロゾル生成物品304を受容するように構成され得る。固定機構は、使用中に、ヒンジ334が閉位置にあるときにエアロゾル生成物品の相対移動を防止するように、蓋部306およびベース部308によって形成されたレセプタクル内にエアロゾル生成物品304を所定の位置に保持するように、蓋部306がベース部308と係合するように構成され得る。
【0207】
図10Cに示すように、電磁シールド部材402は、使用中、物品304から外方に面する平面状のインダクタコイル324の表面を実質的に覆い得る。電磁シールド部材402は、1つ以上のポリマー組成物からなる1つ以上の構成要素を備え得る。特定の形状以外に、電磁シールド部材402は、
図6から
図8を参照して上述したのと同様の様式で機能し得る。
【0208】
実施形態では、エアロゾル供給デバイス303は、追加的または代替的に、蓋部および/またはベース部を通過する電磁放射線を吸収または反射するように構成された、蓋部および/またはベース部内の1つ以上のさらなる電磁シールド部材402a、402bを備え得る。
【0209】
一実施形態では、
図10Cに示すように、蓋部306は、ベース部308内に設けられたリップ333の形態の1つ以上の第2の把持要素を把持するように構成された、突起328の形態の1つ以上の第1の把持要素を備え得る。理解されるように、突起328およびリップ333はまた、1つ以上のさらなる電磁シールド部材(図示せず)を備えてもよい。
【0210】
上記の実施形態は、本発明の例示的な例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して説明された任意の特徴は、単独で、または説明された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴、または任意の他の実施形態の任意の組合せと組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明されていない均等物および修正もまた採用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を受容するように構成されたレセプタクルであって、前記エアロゾル生成材料が、サセプタによって加熱可能である、レセプタクルと、
前記サセプタを加熱するための変動磁場を生成するように構成されたインダクタコイルと、
前記インダクタコイルを少なくとも部分的に覆う電磁シールド部材であって、前記電磁シールド部材が、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物を含む、電磁シールド部材と、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記ポリマー組成物が、(i)ポリマーと、(ii)電磁放射線を吸収および/または反射することができる充填材と、を含む、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記ポリマー組成物が、30MHzで測定した場合に少なくと
も20dBの遮蔽効果を有する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記ポリマー組成物が、30MHzで測定した場合
に30
~80dBの遮蔽効果を有する、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記ポリマー組成物が
、10
5オーム以下の表面抵抗を有する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記ポリマー組成物が
、0.10
~2mmの厚さを有する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記電磁シールド部材が、前記インダクタコイルに接触している、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記ポリマーが、エラストマーまたは熱可塑性ポリマーである、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記ポリマーが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、PVC合金、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオキシメチレン(POM)、ナイロン)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、およびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記充填材が、導電性である、請求項
2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記充填材が
、10
-4オーム以下の表面抵抗を有する、請求項
10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記充填材が、金属またはその合金、炭素、炭化物、窒化物、酸化物、MXene、およびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項
2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記サセプタをさらに備え、前記サセプタが、前記レセプタクルを画定する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記エアロゾル供給デバイスの外面の少なくとも一部分を形成する外側カバーをさらに備え、前記外側カバーの外面が、前記サセプタの外面から離れて位置決めされている、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
使用中、前記外面の温度が
、70℃未満、60℃未満、55℃未満また
は48℃未満のままである、請求項
14に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記インダクタコイルが、前記レセプタクルの周りに延在する略螺旋状のコイルであり、前記電磁シールド部材が、前記インダクタコイルの周りに少なくとも部分的に延在する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記インダクタコイルが、前記インダクタコイルの第1の側の第1の略平面状の表面、前記第1の側とは反対側の前記インダクタコイルの第2の側の第2の略平面状の表面、および前記第1の略平面状の表面と前記第2の略平面状の表面とを接続する外周表面を画定する略平面状のコイルであり、
前記電磁シールド部材が、前記第1の略平面状の表面、前記第2の略平面状の表面、および前記外周表面のうちの1つ以上を少なくとも部分的に覆う、
請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を備える物品と、を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項19】
エアロゾル供給デバイスのための電磁シールド部材であって、前記電磁シールド部材が、請求項
1に定義された、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物を含む、電磁シールド部材。
【請求項20】
エアロゾル供給デバイスのための電磁シールド部材として、電磁放射線を吸収および/または反射するように構成されたポリマー組成物の使用であって、前記ポリマー組成物が、請求項
1に定義されたものである、使用。
【国際調査報告】