(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】コンクリート隔壁を有する車両拘束システム
(51)【国際特許分類】
E01F 15/08 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
E01F15/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501202
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2022070512
(87)【国際公開番号】W WO2023001972
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524011421
【氏名又は名称】デルタブロック インターナショナル ジ―エムビーエイチ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】イーディーエル,トーマス
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA07
2D101DA01
2D101FA33
2D101FB01
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの貫通穴(3)が形成されたコンクリート隔壁(2)を有する車両拘束システム(1)に関する。少なくとも1つの貫通穴(3)の下の支持面(4)には、少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する止まり穴(5)が配置され、少なくとも1つの貫通穴(3)内および少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する止まり穴(5)内の両方にピン(6)が配置される。ピン(6)は、止まり穴(5)に対して指定可能な遊び量を有することが提案される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの貫通穴(3)が形成されたコンクリート隔壁(2)を有する車両拘束システム(1)であり、前記少なくとも1つの貫通穴(3)の下の支持面(4)には、前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する止まり穴(5)が配置され、前記少なくとも1つの貫通穴(3)内および前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する前記止まり穴(5)内の両方にピン(6)が配置され、前記ピン(6)は、前記止まり穴(5)に対して指定可能な遊び量を有することを特徴とする。
【請求項2】
前記止まり穴(5)に対する前記ピン(6)の前記指定可能な遊び量は、前記ピン(6)の直径の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、特に好ましくは少なくとも15%に相当することを特徴とする、請求項1に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項3】
前記支持面(4)は、前記少なくとも1つの貫通穴(3)の下に接合基層(9)を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する前記止まり穴(5)が前記接合基層(9)を貫通することを特徴とする、請求項3に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項5】
前記ピン(6)は、少なくとも1.5cm、好ましくは少なくとも2cm、特に好ましくは少なくとも2.5cmの直径を有することを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項6】
前記ピン(6)は、ヘッドレスであることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項7】
前記ピン(6)の上端は、前記少なくとも1つの貫通穴(3)内に配置されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項8】
前記支持面(4)内の前記ピン(6)の深さは、60cm以下、好ましくは50cm以下、特に好ましくは40cm以下であることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項9】
前記ピン(6)は、縦溝を有することを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項10】
前記ピン(6)は、強化鋼で作られることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの貫通孔(3)および/または前記止め穴(5)は、シール(7)を有することを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの貫通穴(3)および前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する前記止まり穴(5)が前記コンクリート隔壁(2)の第1の側(8)にのみ配置されることを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項13】
前記コンクリート隔壁(2)の前記第1の側(8)は、前記コンクリート隔壁(2)が設置状態にあるときに、車道とは反対方向を向くように配置されることを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の車両拘束システム(1)。
【請求項14】
車両拘束システム(1)の建設方法であって、前記車両拘束システム(1)は、少なくとも1つの貫通穴(3)が形成されたコンクリート隔壁(2)を有し、前記少なくとも1つの貫通穴(3)の下の支持面(4)には前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する止まり穴(5)が穿孔され、前記少なくとも1つの貫通穴(3)内および前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する前記止まり穴(5)内の両方にピン(6)が配置され、前記止まり穴(5)の直径は、前記ピン(6)が前記止まり穴(5)に対して指定可能な遊び量を有するように選択されることを特徴とする。
【請求項15】
前記少なくとも1つの貫通穴(3)に対応する前記止まり穴(5)は、前記貫通穴(3)を貫通して前記支持面(4)に穿孔されることを特徴とする、請求項14に記載の建設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載のコンクリート隔壁を有する車両拘束システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が車道から離れないようにすることを目的とした車両拘束システムが周知である。このような車両拘束システムは、車道を空間的に画定するために使用されることが知られている。車両およびその乗員は、車両拘束システムによって、他の車両(例えば、隣接する対向車線上の対向車両)との衝突から保護される。車両拘束システムによって車道を空間的に画定することによって、車両が車道から外れて、例えば、野道または自転車道路などのオフロード位置内へ移動することも防止することができる。車両拘束システムは、特に、自動車道路へのオンランプおよびオフランプのような衝突しやすい領域、および自動車道路または高速道路の建設現場において、衝突を防止するために、または衝突した場合に人が負傷するリスクを低減するために使用される。
【0003】
車両拘束システムの拘束効果を高めるために、車両拘束システムを支持面に確実に固定することが知られている。車両拘束システムを突破する車両に対する可能な限り高い安全性を保証するために、公知の車両拘束システムは、車両の激しい衝突の場合であっても車両拘束システムとアンカーとの間の永久的な接続が保証されるように、支持面にしっかりと固定される。
【0004】
しかしながら、このような永久的な接続または固定の欠点は、このような車両拘束システムが支持面に変位不可能に固定またはピン止めされることにより、このような車両拘束システムの建設に時間がかかり、複雑であるということである。このような車両拘束システムの設置は、多数の建設ステップを必要とし、車両の激しい衝突の場合に支持面における車両拘束システムの十分に確実な固定を確立するために異なる機器および高い材料費が必要である。公知の車両拘束システムを支持面に固定することにより、このような車両拘束システムは、軽車両に対して高い剛性を有し、変形せず、このことは、衝突の重大度が高く、車両乗員にとって危険であることを意味する。その結果、車両が車両拘束システムに衝突したときに、支持面に力が直接伝達され、衝突の際に局所的に顕著な応力ピークが生じる。さらに、衝突の際に、衝突エネルギーを低減するために車両拘束システムの傾斜効果を利用することができず、すなわち、車両拘束システムの時間遅延衝突挙動を利用することができない。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を回避することができ、車両拘束システムの迅速かつ容易な組み立ておよび解体が実現可能であり、さらに、軽い衝突事象に対して柔軟な挙動を示しながら、重車両に対して剛性があり、強い拘束効果をもたらす、冒頭で述べたタイプのコンクリート隔壁を有する車両拘束システムを提供することである。
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。
【0007】
これは、車両拘束システムを迅速かつ容易に建設することを可能にし、建設コストおよび時間の節約を達成することを可能にするという利点を提供する。止まり穴に対するピンの指定可能な遊びは、ピンが少なくとも1つの貫通穴内に、ならびに少なくとも1つの貫通穴に対応する止まり穴内に迅速かつ容易に配置可能であり、かつ同様に迅速に取り外し可能であるという利点を提供する。研究によれば、少なくとも1つの貫通穴内に、ならびに少なくとも1つの貫通穴に対応する止まり穴内にピンを設置するだけで、衝突車両に対する強い拘束効果を達成するのに十分であることが示されている。このことは、車両拘束システムの建設中に、上述の安全面を生じさせるために、作業者がコンクリート隔壁を通過するときにピンを少なくとも1つの貫通穴に落とすだけでよく、複雑な穿孔作業および支持面へのアンカーの機械的なラミングが必要でなくなることを考えると、従来知られている車両拘束システムと比較して車両拘束システムの建設時間を大幅に短縮するという利点を提供する。少なくとも1つの貫通穴の内部および少なくとも1つの貫通穴に対応する止まり穴内のピンは、ピンに作用する動的摩擦張力のために(車両が突破するのを効率的に防止する)、特に車両拘束システムに対する車両の激しい衝突の場合に、車両拘束システムに衝突する車両に対する車両拘束システムの高いレベルの抵抗性が、それでもなお達成されることを可能にする。また、車両拘束システムと衝突する車両の運動エネルギーの一部が、車両拘束システムの変位および傾斜によって効果的に消散され得る。さらに、止まり穴に対するピンの指定可能な遊びが、止まり穴の大きさとピンの直径との選択によって、建設中に迅速かつ正確に直接設定可能であり、このことにより、車両拘束システムの建設中にさらなる時間節約が達成されるという利点がある。止まり穴に対するピンの指定可能な遊びは、コンクリート隔壁の自由な変位および自由な傾斜のみが生じ、その結果、ピンは横方向の力および張力を実質的に吸収しないので、軽い衝突または平坦な衝突角度の場合にピンに損傷が生じないという利点を提供する。激しい衝突の場合には、異なる効果が生じる。一方では、支持面に緩く配置されたピンは、コンクリート隔壁のさらなる空間的変位を打ち消す。コンクリート隔壁が衝突によって傾いた場合、ピンに作用する摩擦張力がさらに増大し、この摩擦張力は衝突の運動エネルギーをさらに打ち消す。このことは、一方では、車両拘束システムが迅速かつ容易に設置可能であり、軽車両に対して柔軟な挙動を示し、他方では、車両の激しい衝突に対しても十分な保護を提供するという利点を提供する。
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を回避することができ、車両拘束システムを迅速かつ容易に設置することができ、さらに、重車両に対して剛性かつ強い拘束効果を提供すると同時に、軽い衝突事象に対して柔軟な挙動を示すことができる、冒頭で述べたタイプの方法を特定することでもある。
【0008】
本発明は、さらに、請求項14に記載の車両拘束システムの建設方法に関する。
【0009】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を回避することができ、車両拘束システムを迅速かつ容易に設置することができ、さらに、重車両に対して剛性かつ強い拘束効果を提供すると同時に、軽い衝突事象に対して柔軟な挙動を示すことができる、冒頭で述べたタイプの方法を特定することでもある。
【0010】
本発明によれば、これは請求項14の特徴によって達成される。
【0011】
この方法の利点は、コンクリート隔壁を有する上述の車両拘束システムの利点と一致する。
【0012】
従属請求項は、本発明のさらなる有利な実施形態に関する。これにより、特許請求の範囲の文言が明示的に参照され、そのことにより、特許請求の範囲は、参照によりこの時点で本明細書に組み込まれ、逐語的に再現されると考えられる。
【0013】
本発明を、添付図面を参照しながらより詳細に説明するが、図面には、好ましい実施形態のみが例として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】強化鋼で作られたヘッドレスピンを有する車両拘束システムの第1の好ましい実施形態の側面図である。
【
図2】シールを有する車両拘束システムの第2の好ましい実施形態の側面図である。
【
図3】車両拘束システムの第3の好ましい実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1~
図3は、コンクリート隔壁2を有する車両拘束システム1の3つの好ましい実施形態の少なくとも一部を示しており、コンクリート隔壁2は、少なくとも1つの貫通穴3を有し、少なくとも1つの貫通穴3の下の支持面4には、少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5が配置され、少なくとも1つの貫通穴3内および少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内の両方にピン6が配置され、ピン6は、止まり穴5に対して指定可能な遊び量を有する。
【0016】
さらに、車両拘束システム1の建設方法であって、車両拘束システム1は、少なくとも1つの貫通穴3が形成されたコンクリート隔壁2を有し、少なくとも1つの貫通穴3の下の支持面4には、少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5が穿孔され、少なくとも1つの貫通穴3内および少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内の両方にピン6が配置され、止まり穴5の直径は、ピン6が止まり穴5に対して指定可能な遊び量を有するように選択される、車両拘束システム1の建設方法が提供される。
【0017】
これは、車両拘束システム1の建設を迅速かつ容易に実行することができ、建設コストおよび時間の節約を達成することができるという利点を提供する。止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊びは、ピン6が少なくとも1つの貫通穴3内に、ならびに少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内に迅速かつ容易に配置可能であり、かつ同様に迅速に取り外し可能であるという利点を提供する。研究によれば、少なくとも1つの貫通穴3内に、ならびに少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内にピンを設置するだけで、衝突車両に対する強い拘束効果を達成するのに十分であることが示されている。
このことは、車両拘束システム1の建設中に、上述の安全面を生じさせるために、作業者がコンクリート隔壁2を通過するときにピン6を少なくとも1つの貫通穴3に落とすだけでよく、複雑な穿孔作業および支持面へのアンカーの機械的なラミングが必要でなくなることを考えると、従来知られている車両拘束システム1と比較して車両拘束システム1の建設時間を大幅に短縮するという利点を提供する。少なくとも1つの貫通穴3の内部および少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内のピン6は、ピンに作用する動的摩擦張力のために(車両が突破するのを効率的に防止する)、特に車両拘束システム1に対する車両の激しい衝突の場合に、車両拘束システム1に衝突する車両に対する車両拘束システム1の高いレベルの抵抗性が、それでもなお達成されることを可能にする。また、車両拘束システム1と衝突する車両の運動エネルギーの一部が、車両拘束システム1の変位および傾斜によって効果的に消散され得る。さらに、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊びが、止まり穴の大きさとピンの直径との選択によって、建設中に迅速かつ正確に直接設定可能であり、このことにより、車両拘束システム1の建設中にさらなる時間節約が得られるという利点がある。止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊びは、コンクリート隔壁2の自由な変位および自由な傾斜のみが生じ、その結果、ピンは横方向の力および張力を実質的に吸収しないので、軽い衝突または平坦な衝突角度の場合にピンに損傷が生じないという利点を提供する。激しい衝突の場合には、異なる効果が生じる。一方では、支持面4に緩く配置されたピン6は、コンクリート隔壁2のさらなる空間的変位を打ち消す。コンクリート隔壁2が衝突によって傾いた場合、ピン6に作用する摩擦張力がさらに増大し、そのことにより、衝突の運動エネルギーがさらに打ち消される。このことは、車両拘束システム1が迅速かつ容易に設置可能であり、軽車両に対して柔軟な挙動を示し、それと同時に、車両の激しい衝突に対しても十分な保護を提供するという利点を提供する。
【0018】
車両拘束システム1は、少なくとも1台の車両が制御不能な形で車道から出ることを防止し、それと同時に、少なくとも1台の車両が道路に沿った他の車両および障害物と衝突することも防止する、道路上の受動的保護装置として理解されるべきである。特に、車両拘束システム1と衝突する車両が通過することを防止することができ、そのことにより、特に道路付近の人々がひかれる、またはぶつかることから保護され得る。車両拘束システム1は、特に車両衝突の場合に、車両の運動エネルギーのある程度の量、特に衝突エネルギーの大部分を吸収または変換することができる障害物または障壁を表す。
【0019】
車両拘束システム1は、コンクリート隔壁2を有する。コンクリート隔壁2は、好ましくは、少なくとも1つの既製のコンクリート部材またはコンクリート隔壁要素から作られる。コンクリート隔壁2は、好ましくは、ニュージャージまたはステッププロファイルを有する。コンクリート隔壁2は、普通コンクリートおよび/または重量コンクリートから作られることが好ましい。特に好ましくは、コンクリート隔壁2は、第1および第2のコンクリートを含み得る。第1のコンクリートは、好ましくは、第2のコンクリートよりも高い密度を有し、第1のコンクリートは、特に、第2のコンクリートとは異なり、石または繊維などの添加物で補強される。
【0020】
車両拘束システム1は、支持面4上に建設されることが意図されている。
コンクリート隔壁2は、好ましくは支持面4上に建設され、コンクリート隔壁2は、好ましくは基底面を有し、コンクリート隔壁2は、建設された状態では、基底面が支持面4上にある状態で立っている形である。特に好ましくは、基底面は、基底面に対向する領域よりも大きい底面積を有する。
【0021】
支持面4は、好ましくは、様々な層および様々な種類の土壌を含み得る。特に、
図1および
図3は、少なくとも2つの層から成る支持面4を示し、
図2は、単一の層のみから構成される支持面4を示す。
【0022】
好ましくは、支持面4は、少なくとも1つの貫通穴3の下に接合基層9を有するようになされ得る。これは、車両が車両拘束システム1に衝突した場合、コンクリート隔壁2がさらに空間的に変位したときに、ピン6が止まり穴の壁に対してより大きな抵抗性を発揮することができるという利点を提供する。
【0023】
図1に例として示されるように、好ましくは、支持面4が、接合基層9の下に非接合基層10を有するようになされ得る。これは、淀みが非接合基層10に浸透することができるので、淀みを止まり穴5内に形成することができないという利点を提供する。
【0024】
接合基層9および/または非接合基層10は、好ましくは複数の層を含み得る。特に、非接合基層10は、砂利床および/または霜防止層を有し得る。接合基層9は、特に瀝青を用いて接合された少なくとも1つの層、特にアスファルト基層を有する。
【0025】
特に、道路の舗装は、接合基層9を有し得る。
【0026】
特に好ましくは、下層土4の最上層、特に、接合基層9は、コンクリートまたはアスファルトからなる。
【0027】
特に好ましくは、コンクリート隔壁2は、その基底面で支持面4の最上層と接触する。
【0028】
特に、支持面4の最上層は、接合基層9である。
【0029】
特に好ましくは、コンクリート隔壁2は、その基底面で接合基層9と接触する。
【0030】
好ましくは、少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5が、接合基層9を貫通するようになされ得る。これは、淀みが非接合基層10に浸透することができるので、淀みを止まり穴5内に形成することができないという利点を提供する。
【0031】
コンクリート隔壁2は、少なくとも1つの貫通穴3を有し、少なくとも1つの貫通穴3は、好ましくは、コンクリート隔壁2を貫通して延びる貫通部、開口部、または自由空間を指す。特に、貫通穴3が形成された直後は、貫通穴3の内部には空気のみが存在する。
【0032】
貫通穴3は、好ましくは円形の穴として具現化される。
【0033】
コンクリート隔壁2は、好ましくは、実質的に6メートルの長さにわたって少なくとも2つの貫通穴3を有する。
【0034】
既製のコンクリート部材は、好ましくは2つ、特に好ましくは4つ、特に6つの貫通穴3を有する。
【0035】
コンクリート隔壁2が設置状態にあるとき、貫通穴3は、好ましくは、支持面4に対して垂直に、特に基底面に対して垂直に配置される。コンクリート隔壁2の設置状態とは、ここでは、コンクリート隔壁2が、その基底面が支持面4と接触するように、車道においてまたは車道上でその基底面上に立っている状態を指す。
【0036】
特に好ましくは、貫通穴3は、基底面上に貫通穴3の第1の開口部を有する。
【0037】
貫通穴3は、好ましくはボアホールとして具現化され得る。
【0038】
あるいは、貫通穴3は、コンクリート隔壁2を製造するために使用される鋳造プロセス中に作製され得、この場合、貫通穴3は、特に、鋳造後に貫通穴3の所望の形状を有する鋳造要素によって作製され得る。
【0039】
貫通穴3は、好ましくは、コンクリート隔壁2内に形成される。
【0040】
特に、コンクリートの貫通穴3は、補強要素で補強され、補強要素は、好ましくは、金属製である。
【0041】
少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5が、少なくとも1つの貫通穴3の下の支持面4に配置されるようになっている。止まり穴5は、タップ付き止まり穴とも呼ばれ、止まり穴5は、好ましくは物体を貫通せず、好ましくは指定可能な深さを有する。
【0042】
止まり穴5は、好ましくは円筒形である。
【0043】
好ましくは、各々の貫通穴3は、ちょうど1つの止まり穴5に対応するようになっている。
【0044】
止まり穴5は、好ましくはボアホールとして具現化され得る。
【0045】
あるいは、止まり穴5は、車道を作るために使用される鋳造プロセス中に形成され得る。
【0046】
特に、支持面4上の止まり穴5の位置が測定され、測定後に止まり穴5が穿孔されるようになされ得る。
【0047】
止まり穴5は、好ましくは、接合基層9および非接合基層10に形成される。
【0048】
あるいは、止まり穴5は、接合基層9のみに形成される。
【0049】
少なくとも1つの貫通穴3内および少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内の両方に、ピン6が配置されるようになっている。ピン6は、特に、ボルト、釘、またはねじとも呼ばれ得る。
【0050】
好ましくは、ピン6は、実質的に円筒形であり得る。
【0051】
ピン6は、好ましくは、接合基層9を貫通する。
【0052】
ピン6は、好ましくは、支持面4の最上層を貫通する。
【0053】
特に、ピン6の下端は、止まり穴5の底部に当接する。
【0054】
ピン6は、止まり穴5に対して指定可能な遊び量を有するようになっている。特に、指定可能な遊び量は、ゼロよりも大きい値を含むようになっている。特に、ドリルとピン6の直径とを選択することによって、指定可能な遊び量を調整することができる。好ましくは、ピン6は、止まり穴5の長さの大部分にわたって止まり穴5に対して指定可能な遊び量を有するようになされ得る。これは、止まり穴5が汚れた場合でも、ピン6が止まり穴5内で指定可能な遊び量を有することが保証され得、ひいては、止まり穴5が汚れている場合でも車両拘束システム1の拘束効果を維持することが可能であるという利点を提供する。
【0055】
好ましくは、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量が、貫通穴3に対するピン6の指定可能な遊びに一致するようになされ得る。
【0056】
ピン6の指定可能な遊びにより、車両拘束システム1と衝突する車両の衝突の際に、異なる位相を区別することができる。これは、車両拘束システム1と衝突する車両に関して、耐衝撃性を制御された形で段階的に向上させることができるという利点を提供する。
【0057】
好ましくは、車両拘束システム1と衝突する車両は、第1の段階において車両拘束システム1の自由変位または自由傾斜を生じさせる。車両拘束システム1の自由変位は、好ましくは、車両拘束システム1の水平方向の変位であり、止まり穴5内のピン6は、変位に影響を及ぼさない。車両拘束システム1の自由傾斜は、好ましくは、車両拘束システム1の傾斜であり、止まり穴5内のピン6は、傾斜に影響を及ぼさない。車両拘束システム1の自由傾斜は、好ましくは、ある一定の角度まで可能であり、所定の角度は、特にピン6の指定可能な遊びによって決まる。これは、特に第1の段階において最も大きい衝突の重大度、または車両拘束システム1と衝突する車両の運動エネルギーの一部を、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量だけ低減することができ、特に、車両拘束システム1と衝突する車両の乗員の安全性を高めることを可能にするという利点を提供する。
これはまた、軽い衝突の場合に、車両拘束システム1および車両拘束システム1と衝突する車両に対して引き起こされる損傷がより少なくなる(これは、必要な修理がより少なくなることを意味する)という利点を提供する。
【0058】
特に、コンクリート隔壁2は、第1の段階で自由に変位される。
【0059】
好ましくは、車両拘束システム1と衝突する車両は、第2の段階において、車両拘束システム1の拘束された変位または拘束された傾斜を生じさせる。車両拘束システム1の変位または傾斜が防止されるときに、ピン6は、好ましくは、止まり穴5および/または貫通穴3と接触する。第2の段階では、ピン6は、好ましくは、止まり穴5の壁に対して、または貫通穴3の壁に対して押圧され、そのことにより、車両拘束システムのさらなる自由変位またはさらなる自由傾斜を打ち消す。
【0060】
特に、第2の段階において、摩擦張力がピン6に作用し、そのことにより、車両拘束システム1の拘束効果がさらに増大する。これは、車両拘束システム1の耐衝撃性を段階的に向上させることができ、ピン6に対する摩擦張力によって、第1の段階の後の第2の段階においても車両拘束システム1の拘束効果を効果的に増大させることも可能であるという利点を提供する。
【0061】
第2の段階は、好ましくは、第1の段階の直後に続く
【0062】
好ましくは、第3の段階において、車両拘束システム1と衝突する車両は、重力によって車両拘束システム1を後方に傾斜させる。このことにより、例えば、トラックが車両拘束システム1と衝突した場合に、トラックのトレーラーが横転することを防止することができる。例えば、トレーラーを含むトラックの牽引車両が、車両拘束システム1が自由に傾斜またはシフトするように車両拘束システム1に沿って側面に接触した場合に、トラックのトレーラーは、車両拘束システム1の傾斜位置が車両拘束システム1を重力によって後方に傾斜させ、そのことによりトレーラーの転倒を妨げるように遅延して、車両拘束システム1の傾斜位置または変位位置に達することができる。
【0063】
特に、少なくとも1つの貫通穴3および/または少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5の断面積を大きくすることにより、車両拘束システム1の後方傾斜をより容易にする。
【0064】
特に、車両拘束システム1の重力に関連する後方傾斜は、コンクリート隔壁2の重量によって引き起こされる。
【0065】
特に、重力によって引き起こされる車両拘束システム1の後方傾斜は、車両拘束システム1と衝突する車両に力を及ぼす。
【0066】
特に、車両が車両拘束システム1に接触することにより、車両拘束システム1の各セクションが連続して変位および傾斜することになる。車両拘束システム1の各セクションは、好ましくは、所定数のピン6を有する。特に、1つのセクションは、2つのピン6を有し得るが、それぞれに少なくとも1つの貫通穴3と、少なくとも1つの貫通穴3に対応する1つの止まり穴5とを有する。
【0067】
あるいは、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量が、貫通穴3に対するピン6の指定可能な遊び量から10%、好ましくは20%、特に好ましくは30%の偏差を有するようになされ得る。
【0068】
特に好ましくは、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量は、ピン6の直径の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、特に好ましくは少なくとも15%に相当するようになされ得る。このことは、ピン6が少なくとも1つの貫通穴3内に、ならびに少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5内に容易に配置され得るという特別な利点を有する。さらに、このことは、温度が著しく上昇し、その結果ピン6および/または車両拘束システム1が膨張した場合でも、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊びを確保することができ、すなわち、温度が著しく上昇した場合でも、簡単かつ容易な取り外しを確実にすることができ、止まり穴5内または貫通穴3内の内部張力を防ぐという利点を提供する。
特に好ましくは、ピン6の長さは、土壌の性質に適合され得、特に、あまり締固められていない土の場合、高密度の圧縮された締固め土壌よりも長いピンが設けられる。
締固め土壌は、特に、高い割合の砂利を含み得る。締固め土壌は、特に、アスファルトまたはコンクリートベースを含み得る。
【0069】
特に好ましくは、貫通穴3の断面積と止まり穴5の断面積が実質的に同じであるようになされ得る。このことは、コンクリート隔壁2が、それに衝突する車両によって傾斜する場合、コンクリート隔壁2の最大傾斜が、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量に基づいて調整可能であるという利点を提供する。
【0070】
特に好ましくは、ピン6は、少なくとも1.5cm、好ましくは少なくとも2cm、特に好ましくは少なくとも2.5cmの直径を有するようになされ得る。このことは、車両拘束システム1が、車両拘束システム1と衝突する車両に対して特に高い抵抗性および拘束効果を有するという利点を提供する。
【0071】
特に、ピン6の直径は、支持面4の最上層の厚さに実質的に一致するようになされ得る。
【0072】
特に、ピン6の直径は、接合基層9の厚さに実質的に一致するようになされ得る。
【0073】
特に好ましくは、ピン6は、ヘッドレスピンであるようになされ得る。このことは、車両拘束システム1に衝突する車両によってコンクリート隔壁2が傾斜するときに、ピン6の頭部によって引き起こされるコンクリート隔壁2へのノッチ効果が防止され、その結果、車両拘束システム1は、車両拘束システム1と衝突する車両に対してより高い抵抗性を有するという利点を提供する。さらに、特に、ピン6と止まり穴5との間により大きな接触面が形成され、このことにより、摩擦張力を増大させることが可能になるという利点がある。さらに、このことにより、車両の衝突およびその結果傾斜が生じた場合に、ピン6が容易に引き抜かれることが防止され得る。例えば、コンクリート隔壁2が傾斜すると、ピン6のこのような抜けが生じることがあり、頭部が貫通穴3に嵌まり込んだ場合に、この嵌まり込みが、特に、傾斜が生じるとピン6のわずかな抜けをもたらす可能性がある。
ピン6のヘッドレス設計は、特にピン6が貫通穴3を越えて突出しない場合に、ピン6を把持することが容易ではなく、すなわち、ヘッドレスピン6を悪意のある関係者以外の人によって取り外すことができず、車両拘束システム1の安全性を高めることができるという利点を提供する。
図1は、ヘッドレスピン6を有する車両拘束システム1の好ましい実施形態を示す。
【0074】
特に、ピン6のヘッドレス設計は、車両拘束システム1のシフトまたは傾斜を促進する。
【0075】
特に好ましくは、ピン6の上端が少なくとも1つの貫通穴3内に配置されるようになされ得る。ピン6の上端は、コンクリート隔壁2が設置状態にあるときに支持面4とは反対方向を向いたピン6の端部である。このことは、例えば衝突後にピン6上の作業者または通行人がコンクリート隔壁2を乗り越えた場合に、その作業者または通行人に起こり得る負傷が防止されるという利点を提供する。
【0076】
さらに、関係者以外によるピン6の悪意のある取り外しを防止することができる。特に好ましくは、支持面4内のピン6は、60cm以下、好ましくは50cm以下、特に好ましくは40cm以下の深さを有するようになされ得る。このことは、車両拘束システム1と衝突する車両に対する車両拘束システム1の特に高い抵抗性が達成され得るという利点を提供する。
【0077】
特に好ましくは、支持面4内のピン6は、少なくとも10cm、好ましくは少なくとも15cm、特に好ましくは少なくとも20cmの深さを有するようになされ得る。このことは、車両拘束システム1と衝突する車両に対する車両拘束システム1の特に良好なレベルの抵抗性が達成されると同時に、コストおよび材料を節約することができるという利点を提供する。
【0078】
特に好ましくは、ピン6は縦溝を有するようになされ得る。縦溝は、特に、リブ、溝、または個々の延長部を含み得、特に、リブは、一点に向かって先細りになるように設計することが可能である。このことは、止まり穴5または貫通穴3の壁に対するピン6の接着または摩擦が増大され、そのことによりピン6が、特に垂直方向の力の場合に、特に動的衝撃の場合に、所定位置に保持されるという利点を提供する。
図1は、縦溝を有するピン6を備えた車両拘束システム1の好ましい実施形態を示す。
【0079】
縦溝は、特にピン6の円筒状の外側面に配置され得る。
【0080】
好ましくは、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量が、縦溝の高さと止まり穴5との間に形成されるようになされ得る。好ましくは、貫通穴3に対するピン6の指定可能な遊び量が、縦溝の高さと貫通穴3との間に形成されるようになされ得る。特に、ピン6の直径は、縦溝付きピン6の外径から測定される。このことは、縦溝付きピン6の場合であっても、少なくとも1つの貫通穴3および/または少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5に対するピン6の設定定可能な遊びを確保することができ、すなわち、車両拘束システム1自体の拘束効果が縦溝付きピン6によって影響を受けないという利点を提供する。
【0081】
特に好ましくは、ピン6は、強化鋼で作られるようになされ得る。特に、ピン6はリブ付き鋼で作られてもよい。ピン6は、好ましくは、金属、特に鋼で作られてもよい。このことは、ピン6が高レベルの強度と高レベルの延性の両方を有し、衝突車両に対する車両拘束システム1の高レベルの安全性と高い抵抗性または拘束効果を保証することができるという利点を提供する。
【0082】
特に好ましくは、少なくとも1つの貫通穴3および/または止め穴5がシール7を有するようになされ得る。このことは、環境の影響および汚染(例えば淀みのような)からピン6を保護することができ、そのことにより、特に腐食の観点からピン6の耐用年数を延ばすことができ、衝突車両に対する車両拘束システム1の抵抗性をより長い期間にわたって保証することができると同時に、車両拘束システム1のメンテナンス要件を低減するという利点を提供する。さらに、止まり穴5に対するピン6の指定可能な遊び量(ある期間にわたって一定に保たれる)が確保され得る。特に、淀みが止まり穴5内に蓄積することが防止されるので、止まり穴5は、淀みの凍結からも保護され得る。
【0083】
特に、シール7は、Oリングまたはコーンシールであり得る。
【0084】
特に、シール7は、ポリマー、特に好ましくはプラスチックから形成され得る。
【0085】
特に好ましくは、少なくとも1つの貫通穴3および少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5がコンクリート隔壁2の第1の側8にのみ配置されるようになされ得る。このことは、特に鋭角の衝突角度の場合のように、車両の激しい衝突の場合に、ピン6と止まり穴5との間、およびピン6と貫通穴3との間にそれぞれ高い摩擦力が作用し、コンクリート隔壁2の傾斜によってピン6にかかる摩擦張力がさらに増大するという利点を提供する。その結果、車両拘束システム1は、激しい衝突の場合でも所定位置に保持され、材料コストおよび建設コストを極めて低く抑えることができる。
【0086】
特に好ましくは、コンクリート隔壁2の第1の側8は、コンクリート隔壁が設置状態にあるときに、車道とは反対方向を向くように配置されるようになされ得る。このことは、車両拘束システム1への車両衝突がコンクリート隔壁2を道路から離れるように傾けて、ピン6に作用する摩擦牽引力が特に良好に働くことを可能にするので、車両拘束システム1は激しい衝突の場合でも所定位置に保持され得るという利点を提供する。さらに、交通が円滑に流れている場合であっても、車両拘束システム1を建設する作業者を流れている交通から保護することができるので、車両拘束システム1の建設中に、安全性を高めることができるという利点を提供する。
【0087】
特に好ましくは、少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5が、貫通穴3を貫通して支持面4に穿孔されるようになされ得る。このことは、車両拘束システム1の建設中に、少なくとも1つの貫通穴3に対応する止まり穴5の所定の位置が既に予め決定されており、そのことにより、作業者が止まり穴5の製造中に貫通穴3を貫通して支持面4に穿孔することができ、止まり穴5を迅速かつ容易に形成することが可能になるという利点を提供する。
【0088】
特に、止まり穴5は、ねじ山を有していなくてもよい。
【0089】
ピン6は、特に好ましくは、磁気特性を有してもよい。このことは、磁石を使用してピンを止まり穴5および貫通穴3から迅速かつ容易に引き抜くことができるという利点を提供する。特に、磁石を用いて、ヘッドレスピン6を、止まり穴5および貫通穴3から特に容易に引き出すことができる。
【0090】
以下は、本開示を理解し、解釈するための原理である。
【0091】
特徴は、通常、不定冠詞「a、an、one」で導入される。文脈上他を意味する場合を除いて、「1つの(a、an、one)」は、数字を構成するものとして理解すべきではない。
【0092】
接続語「または」は、包括的であり、排他的ではないと解釈すべきである。文脈上他を意味する場合を除いて、「AまたはB」は、「AおよびB」も含み、この場合、「A」および「B」は、任意の特徴を表す。
【0093】
本発明の開示による別段の定めがない限り、特徴Xおよび対象Yは、「第1の」、「第2の」、または「第3の」などの序数によって複数の実施形態において区別される。特に、請求項において序数を有する特徴Xまたは対象Yは、この請求項に該当する本発明の一実施形態が追加の特徴Xまたは追加の対象Yを有さなければならないことを意味しない。
【0094】
数値に関連する「実質的に」という用語は、文脈上他を意味する場合を除いて、指定された数値の±10%の公差を含む。
【0095】
値の範囲については、文脈上他を意味する場合を除いて、端点が含まれる。
【国際調査報告】