(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】体内の神経を遮断又は調節するための電極装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61B18/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501509
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2021010050
(87)【国際公開番号】W WO2023008622
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0099569
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522076206
【氏名又は名称】ディープキュア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】ペク,ドゥ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ソク ヒョン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM32
(57)【要約】
体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、シャフトを備える本体と、前記シャフトの一端部から引き出されるように形成され、前記体内の管の少なくとも一部の神経を遮断又は調節する電極ユニットと、前記電極ユニットの末端と結合され、前記電極ユニットを前記体内の管に接触させるようにガイドする電極ガイドと、前記電極ガイドを前進及び後進するように構成される電極ガイド駆動ユニットと、前記電極ガイド駆動ユニットと連動して前記電極ユニットを前進及び後進するように構成される電極駆動ユニットとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、
シャフトを備える本体と、
前記シャフトの一端部から引き出されるように形成され、前記体内の管の少なくとも一部の神経を遮断又は調節する電極ユニットと、
前記電極ユニットの末端と結合され、前記電極ユニットを前記体内の管に接触させるようにガイドする電極ガイドと、
前記電極ガイドを前進及び後進するように構成される電極ガイド駆動ユニットと、
前記電極ガイド駆動ユニットと連動して前記電極ユニットを前進及び後進するように構成される電極駆動ユニットとを含み、
前記電極駆動ユニットは、
前記電極ユニットの一端と連結され、前記電極ユニットに張力を提供する張力維持ユニットと、
前記張力維持ユニットと連結された状態で、前記電極ガイドが前記体内の管の周りに巻き付けられるまで前記張力維持ユニットを前進させた後、前記張力維持ユニットとの連結を解除する移動部とを含み、
前記張力維持ユニットは、前記移動部との連結が解除された後、前記電極ユニットの一端と連結された電極連結部が後進するものである、電極装置。
【請求項2】
前記張力維持ユニットは、前記電極ユニットに張力を提供する第1のスプリング部を含み、前記第1のスプリング部の張力によって前記電極連結部が後進するものである、請求項1に記載の電極装置。
【請求項3】
前記張力維持ユニットは、
一側に突出された突出部と、
前記第1のスプリング部の張力を生成するために前記張力維持ユニットが前進するとき、前記突出部の移動を遮断する第1のストッパ部とをさらに含むものである、請求項2に記載の電極装置。
【請求項4】
前記電極駆動ユニットは、前記張力維持ユニットと前記移動部との連結が解除されるとき、前記第1のスプリング部の張力によって後進する前記電極連結部の速度を減少させる減速部をさらに含むものである、請求項2に記載の電極装置。
【請求項5】
前記電極連結部が後進しながら前記電極ユニットが前記管に接触するものである、請求項1に記載の電極装置。
【請求項6】
前記移動部は、
前記張力維持ユニットと連結するための連結部と、
前記連結部に形成され、前記移動部が前記張力維持ユニットを前進させるためのピンとをさらに含み、
前記電極駆動ユニットは、
前記ピンが前進移動するための前進レールをさらに含むものである、請求項1に記載の電極装置。
【請求項7】
前記電極駆動ユニットは、前記移動部が前記張力維持ユニットとの連結を解除した後、前記電極ガイドを前記体内の管の周りから離脱させるために、前記ピンが後進移動するための後進レールをさらに含むものである、請求項6に記載の電極装置。
【請求項8】
前記前進レール及び前記後進レールの長さは同一である、請求項7に記載の電極装置。
【請求項9】
前記移動部は、
前記電極ガイド駆動ユニットと連結される支持部と、
前記連結部を回転可能となるようにするヒンジ部とをさらに含み、
前記電極駆動ユニットは、
前記前進レールと前記後進レールとを連結する連結レールをさらに含み、
前記ピンが前記連結レールを移動するときに前記ヒンジ部が回転して、前記連結部が前記張力維持ユニットと解除されるものである、請求項7に記載の電極装置。
【請求項10】
前記電極駆動ユニットは、前記ピンが後進移動するとき、前記ピンが前記連結レールに再び移動することを防止するために、前記支持部と前記連結部とを連結する第2のスプリング部をさらに含むものである、請求項9に記載の電極装置。
【請求項11】
前記電極駆動ユニットは、前記ピンが後進移動するとき、前記ピンが前記連結レールに再び移動することを防止するために、前記ピンが前記連結レールを介して前記後進レールに位置するとき、前記連結レールを遮断する第2のストッパ部をさらに含むものである、 請求項9に記載の電極装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置に関する。
【背景技術】
【0002】
神経遮断術は、非正常に過度に活性化された自律神経系を制御するために特定の神経を損傷させる施術のことを言う。例えば、腎臓神経遮断術は、腎臓に向かう腎臓交感神経を損傷させることで高血圧と心臓疾患を治療し、肺神経遮断術は、肺に向かう副交感神経を損傷させることで肺疾患を治療することができる。
【0003】
神経は、通常、血管、気管支などのような管の外壁に巻き付けられており、このような管の外壁に巻き付けられて神経の信号を測定したり、当該神経に電気刺激を伝達したり、様々なエネルギーを伝達して神経を損傷又は破壊させることが必要となることがある。
【0004】
例えば、腎動脈に施術を行う場合、施術対象となる主腎動脈(main renal artery)の直径は5~7mmであり、直径が1~2mmである副腎動脈(accessory renal artery)を対象にすることもある。また、神経が分布している管は人によってその大きさが様々であり、位置によってその大きさが変わる。
【0005】
このような施術を実施するにおいて、カテーテルの末端に形成される電極を含む構成要素を、管の外壁に巻き付けられるように精巧に位置させることが重要である。具体的に、神経を効果的に遮断あるいは調節するためには、神経が分布している管の外壁を周方向に巻き付けなければならず、管に電極が形成された構成要素を巻き付ける状態で配置する動作が信頼性良く且つ迅速に行われる必要性がある。特に、外部の刺激により損傷され易い体内の管を損傷させないように、電極が形成された構成要素を体内の管の外壁に安全に密着させることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、電極が体内の管の周りに巻き付けられるようにガイドする構成を有する電極装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の1つの目的は、外部の刺激により損傷され易い体内の管を損傷させないように、電極が形成された構成要素を体内の管の外壁に密着させることのできる電極装置を提供することである。
【0008】
但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した技術的課題を達成するための手段として、本発明の一実施例は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、シャフトを備える本体と、前記シャフトの一端部から引き出されるように形成され、前記体内の管の少なくとも一部の神経を遮断又は調節する電極ユニットと、前記電極ユニットの末端と結合され、前記電極ユニットを前記体内の管に接触させるようにガイドする電極ガイドと、前記電極ガイドを前進及び後進するように構成される電極ガイド駆動ユニットと、前記電極ガイド駆動ユニットと連動して前記電極ユニットを前進及び後進するように構成される電極駆動ユニットとを含み、前記電極駆動ユニットは、前記電極ユニットの一端と連結され、前記電極ユニットに張力を提供する張力維持ユニットと、前記張力維持ユニットと連結された状態で、前記電極ガイドが前記体内の管の周りに巻き付けられるまで前記張力維持ユニットを前進させた後、前記張力維持ユニットとの連結を解除する移動部とを含み、前記張力維持ユニットは、前記移動部との連結が解除された後、前記電極ユニットの一端と連結された電極連結部が後進する、電極装置を提供することができる。
【0010】
上述した課題を解決するための手段は、単なる例示であり、本発明を制限する意図で解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載された追加の実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0011】
上述した本発明の課題解決手段のうちいずれかによれば、電極駆動ユニットは、電極ガイドが管に密接するように位置した後、電極ユニットを管の外壁に次第に密着させることによって、外部の刺激により損傷され易い体内の管を損傷させないように、電極が形成された構成要素を管の外壁に安全に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例に係る電極装置の側面図である。
【
図2】
図1に示す電極ガイドが電極ユニットをガイドして血管に巻き付けられるように位置した状態を示す図である。
【
図3a】本発明の一実施例に係る電極ガイドの動作過程を示す図である。
【
図3b】本発明の一実施例に係る電極ガイドの動作過程を示す図である。
【
図3c】本発明の一実施例に係る電極ガイドの動作過程を示す図である。
【
図3d】本発明の一実施例に係る電極ガイドの動作過程を示す図である。
【
図3e】本発明の一実施例に係る電極ガイドの動作過程を示す図である。
【
図5】
図1に示す本体の内部に配置される電極ガイド駆動ユニットの断面図である。
【
図6a】本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図である。
【
図6b】本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図である。
【
図6c】本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図である。
【
図6d】本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図である。
【
図6e】本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図である。
【
図6f】本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係る電極駆動ユニットを説明するための例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0014】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0015】
以下、添付の図面を参考しながら、本発明の一実施例を詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施例に係る電極装置の側面図である。
図2は、
図1に示す電極ガイドが電極ユニットをガイドして血管に巻き付けられるように位置した状態を示す図であり、
図3a乃至
図3eは、本発明の一実施例に係る電極ガイドの動作過程を示す図である。
図4は、
図2に示す節部の一部の分解斜視図であり、
図5は、
図1に示す本体の内部に配置される電極ガイド駆動ユニットの断面図である。
図6a乃至
図6fは、本発明の一実施例に係る電極駆動ユニットの動作過程を示す図であり、
図7は、本発明の他の実施例に係る電極駆動ユニットを説明するための例示的な図である。
【0017】
図1を参照すると、電極装置100は、本体110と、電極ユニット120と、電極ガイド130と、本体110の内部に形成される電極ガイド駆動ユニット140と、電極駆動ユニット150とを含む。
【0018】
本体110は、一方向に伸びるシャフト111と、シャフト111と連結されて施術者が把持できるように形成されるグリップ部112と、グリップ部112に形成されて電極ガイド130の動作を操作できるガイド操作部113と、グリップ部112に形成されて電極ユニット120へのエネルギー伝達を操作できる電極操作部114とを含んでいても良い。
【0019】
本体110の内部には、電極ユニット120と電極ガイド130とを駆動且つ制御する要素が配置されても良い。例えば、本体110の内部には電極ガイド130を駆動且つ制御する電極ガイド駆動ユニット140と、電極ユニット120を駆動且つ制御する電極駆動ユニット150とが配置されても良い。
【0020】
電極ユニット120は、シャフト111の一端部から引き出されるように形成され、施術者の操作などによって体内の管を含む組織に分布している神経の少なくとも一部を遮断あるいは調節するように構成される。電極ユニット120は、シャフト111の内部に収容されていて、電極装置100が作動する際に後述する電極ガイド130によって外部に引き出されても良い。
【0021】
図2を参照すると、電極ユニット120は、ベース部121と、電極部122と、センサ部123とを含んでいても良い。電極装置100は、体内の管又は管状の組織Vの外面に電極が巻き付けられ、電極部122を介してエネルギーを伝達しても良く、そのために、ベース部121は、可撓性のフレキシブル回路基板(Flexible PCB)であっても良い。
【0022】
電極部122は、ベース部121上で互いに平行に伸びる2つの電極により構成されても良い。ベース部121及び電極部122は、体内の管などに円周方向に伸びて巻き付けられるように構成されても良い。
【0023】
電極部122は、神経を遮断(block or denervation)あるいは調節(control or modulation)するために、例えば、ステンレス鋼、金などのように人体に無害で且つ電気を伝達できる素材からなっていても良い。
【0024】
また、電極部122は、エネルギーソース生成器からの様々なタイプのエネルギーを伝達しても良い。例えば、高周波エネルギー(radio-frequency(RF) energy)、電気エネルギー、レーザエネルギー、超音波エネルギー(ultrasonic energy)、集束超音波エネルギー(high-intensity focused ultrasound energy)、極低温エネルギー(cryogenic energy)、及びその他の熱エネルギーが利用されても良い。
【0025】
また、電極部122は、高周波エネルギーを伝達するためのフレキシブル回路基板(Flexible PCB)、超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサ、高い高電圧エネルギーを伝達するための金属電極などによって具現され、神経を損傷させるためのエネルギーを伝達しても良い。
【0026】
また、ベース部121上には、センサ部123が形成されても良い。一例として、センサ部123は、体内の管などに接触して温度を測定する熱電対(thermocouple)であっても良く、センサ部123は、電極装置100によって神経切断術が施される際、施術部位の温度をモニタリングしても良い。他の例として、センサ部123は、管の神経の信号を測定しても良い。
【0027】
センサ部123は、例えば、銅(copper)及びコンスタンタン(constantan)の対により構成された熱電対であっても良い。
【0028】
電極ガイド130は、電極ユニット120を体内の管に接触させる機能を有する。電極ガイド130は、電極ユニット120と結合され、電極ユニット120を体内の管に接触させるワインディング状態に変形されるようにガイドする。
【0029】
図2乃至
図4を参照すると、電極ガイド130は、複数の節部131を備える。複数の節部131は、電極ユニット120を挟んで体内の管Vの周りに巻き付けられるように曲線のワインディング経路を形成しても良い。
図2、
図3c及び
図3dに示された状態が曲線のワインディング経路に沿って複数の節部131が完全に引き出されて配置された状態であっても良い。
【0030】
また、
図3a乃至
図3eを参照すると、電極ガイド130は、チップジョイント132と、ワイヤ133とをさらに含んでいても良い。チップジョイント132は、電極ユニット120を支持し、順次に連結された複数の節部131の末端に結合されても良い。
【0031】
チップジョイント132は、複数の節部131よりも先にシャフト111の一端部から引き出されても良い。
図3dに示すように、チップジョイント132は、体内の管Vに近接して位置されても良く、電極ユニット120との干渉を防止したり、体内の管に巻き付けられる面を極大化したりするよう、末端に行くほど幅又は厚さが薄くなるテーパ形状を有しても良い。チップジョイント132には、電極ユニット120の端部が締結されて固定されても良い。
【0032】
ワイヤ133は、複数の節部131を順次に貫通するように形成されても良い。
図4を参照すると、ワイヤ133を貫通するために、節部131には、長さ方向にワイヤ孔131cが形成されても良い。
【0033】
ワイヤ孔131cを順次に貫通したワイヤ133の端部は、チップジョイント132に結合されて固定されても良く、ワイヤ133は、ワイヤ孔131c内において長さ方向に各節部131に対してスライド可能である。
【0034】
これにより、ワイヤ133は、複数の節部131及びチップジョイント132がワインディング経路上に配置されるようにガイドし、複数の節部131及びチップジョイント132を管Vに巻き付けられる方向へ引っ張る力を提供することができる。
【0035】
ワイヤ133は、複数の節部131と共にシャフト111の一端部から突出するように動作しても良い。そのとき、節部131が突出する量よりも、ワイヤ133が突出する量の方が小さくなるように設計されることができるので、これにより、ワイヤ133は、複数の節部131を曲線の経路を有するように引っ張る力を提供することができる。
【0036】
節部131は、ヒンジ部131aと、ワインディング支持部131bとを備えても良い。ヒンジ部131aは、隣り合う関節と回転可能に連結するための構成であり、節部131が並んで連結される長さ方向の片側又は両側に形成されても良い。
【0037】
図4に示すように、ヒンジ部131aは、長さ方向と交差する方向に回転軸を形成し、隣り合う節部131のヒンジ部131aと連結されても良い。各ヒンジ部131aには、回転軸が形成される方向にヒンジピン(不図示)が挿入されることで締結されても良い。
【0038】
ワインディング支持部131bは、ワインディング経路上に複数の節部131を支持するための構成であり、隣り合う節部131と互いに支持されるよう長さ方向の片側又は両側に形成されても良い。
【0039】
図2及び
図4に示すように、ワインディング支持部131bは、電極ガイド130の内側(節部131に巻き付けられる)方向へヒンジ部131aと隣り合う位置に形成されても良い。
【0040】
ワインディング支持部131bは、例えば、予め設定された角度及び面積を有する面からなっていても良く、隣り合うワインディング支持部131bと面接触して支持されることにより、電極ガイド130のワインディングされた形態が固定されても良い。
【0041】
ワインディング支持部131b及びワイヤ孔131cは、ヒンジ部131aの回転中心から体内の管Vに向かう内側に離隔する位置に形成されても良い。
【0042】
電極ガイド130に比べて相対的にワイヤ133が後方へ引かれた場合(ワイヤ133がシャフト111から引き出される長さが節部131に比べて小さい場合)、ワイヤ133には、電極ガイド130をワインディングする方向へ張力が加えられても良い。それに対し、ワインディング支持部131bは、電極ガイド130がワインディングされることを抑制する方向に節部131の互いを支持する力を提供している。ワイヤ133とワインディング支持部131bとが互いに逆方向へ力のバランスをなすことによって、電極ガイド130がワインディング経路上で固定されることができる。
【0043】
また、電極ガイド130は、第1の節群131xと、第2の節群131yとを含んでいても良い。つまり、複数の節部131は、互いに異なる長さを有する第1の節群131xと第2の節群131yとに分けられても良い。
【0044】
長さの違いにより、第1の節群131xは第1の曲率半径を形成し、第2の節群131yは第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径を形成することができる。
図3dから分かるように、相対的に短い長さを有する節部(第1の節群131x)が小さい曲率半径を形成し、長い長さを有する節部(第2の節群131y)が大きい曲率半径を形成することができる。
【0045】
チップジョイント132に近い側に配置された節部131によってより小さい曲率半径の経路を形成すれば、
図3dに示すように、体内の管とシャフト111との間の空間にチップジョイント132が進入する経路を作ることができる。そして、節部131を含む電極ガイド130が全体的に螺旋状を有していても良い。
【0046】
図3a乃至
図3eを参照すると、電極ガイド130は、電極ユニット120と共にシャフト111の内部に収容されていて、施術のために一端部から前方Fに向かって曲線のワインディング経路を形成しながら突出しても良い。
【0047】
例えば、複数の節部131は、順次に引き出されながら、ワイヤ133との変位差によって、曲線のワインディング経路に沿って移動され、全体的に管Vに巻き付けられる状態になっても良い。
【0048】
さらに、電極ガイド130は管の外周面と離隔して位置し、電極ガイド130の巻き付けられた内側に配置される電極ユニット120が管Vの外周面に密着されても良い。
【0049】
複数の節部131は、電極ガイド駆動ユニット140によって、シャフト111から引き出されながら管Vに巻き付けられる方向にワインディングされても良い。よって、電極ガイド130の動作する空間が最小化されることができ、狭小な空間でも安全で且つ正確に神経を遮断又は調節する動作が実施されることができる。
【0050】
図5を参照すると、電極ガイド駆動ユニット140は、電極ガイド130を前進及び後進するように構成されても良く、フレーム141と、モータ部142と、ロッドブロック143と、ワイヤブロック144と、可変連結部145とを含んでいても良い。
【0051】
フレーム141は、本体の内部に固定されるように設けられても良く、前後方向に伸びるガイドスロット又はガイドシャフトなどを備えても良い。
【0052】
モータ部142は、フレーム141に連結され、フレーム141に回転可能に支持される回転軸142aを回転させても良い。モータ部142は、例えば、電気エネルギーの伝達を受けて回転軸142aを回転させても良い。
【0053】
ロッドブロック143の一端部は、節部131に連結されても良い。ロッドブロック143は、モータ部142によって前進及び後進しても良い。具体的に、ロッドブロック143は、前後方向に伸び、ネジ山が形成された回転軸142aと噛み合って前進及び後進しても良い。
【0054】
ロッドブロック143は、シャフト111の内部に配置され、一方向(前後方向)に伸びるように形成され、節部131を支持するロッド143aと、フレーム141のガイドスロット又はガイドシャフトなどにスライド可能に結合される凹凸構成などとを備えても良い。
【0055】
以上の回転軸142a及びモータ部142の構成の他にも、本発明に係る電極ガイド駆動ユニット140は、様々なリニアアクチュエーション方式によってロッドブロック143を前後方向に移動させるように構成されても良い。例えば、電極ガイド駆動ユニット140は、空圧、油圧又は電動方式を含むシリンダ方式のリニアアクチュエータ、又はピエゾ/超音波方式のリニアアクチュエータなどを含んでいても良い。
【0056】
ワイヤブロック144は、ワイヤ133を支持するように形成され、ロッドブロック143と連動して前進及び後進しても良い。ワイヤブロック144は、ガイドスロット又はガイドシャフトなどにスライド可能に挿入される凹凸構成と、回転軸142aをスライド可能に収容するスライド孔144aとを備え、ロッドブロック143と並んで前進及び後進しても良い。
【0057】
可変連結部145は、ロッドブロック143とワイヤブロック144とを互いに連結し、ロッドブロック143とワイヤブロック144との間の距離を可変することができる。そのために、可変連結部145は、ロッドリンク145aと、ワイヤリンク145bと、ヒンジピン145cと、ピンスロット145dとを備えても良い。
【0058】
ロッドリンク145aとワイヤリンク145bとは、それぞれロッドブロック143とワイヤブロック144とに回転可能に連結されても良い。また、ロッドリンク145aとワイヤリンク145bとは、互いに回転可能にヒンジピン145cによって連結されても良い。
【0059】
ピンスロット145dは、ヒンジピン145cをスライド可能に収容するように形成される。具体的に、ピンスロット145dは、前後方向と予め設定された傾斜角を有して伸びるように形成される。ピンスロット145dは、フレーム141に形成されても良い。
【0060】
一方、電極ユニット120は、電極駆動ユニット150によってシャフト111から引き出され、電極ガイド130によって管Vに巻き付けられる方向にワインディングされても良い。具体的に、電極ユニット120は、電極ガイド130と共に曲線のワインディング経路に沿って前進していて、シャフト111から完全に引き出されて配置された状態のとき、電極駆動ユニット150の制御によって体内の管Vに次第に密着されても良い。よって、電極ユニット120は、体内の管Vを損傷させないながら、体内の管Vに安定して密着されて神経を遮断又は調節する動作が実施されることができる。
【0061】
図6aを参照すると、電極駆動ユニット150は、電極ガイド駆動ユニット140と連動して電極ユニット120を前進及び後進するように構成されても良い。電極駆動ユニット150は、張力維持ユニット151と、移動部152と、減速部153と、前進レール154と、後進レール155と、前進レール154と後進レール155とを連結する連結レール156と、第2のストッパ部157とを含んでいても良い。ここで、前進レール154及び後進レール155の長さは同一であって良い。
【0062】
張力維持ユニット151は、電極ユニット120の一端と連結され、電極ユニット120に張力を提供することができる。張力維持ユニット151は、第1のスプリング部151aと、一端側にあり上部へ突出された突出部151bと、第1のストッパ部151cと、他端側にある電極連結部151dとを含んでいても良い。
【0063】
第1のスプリング部151aは、電極ユニット120に張力を提供することができ、第1のストッパ部151cは、第1のスプリング部151aの張力を生成するために、張力維持ユニット151が前進するとき、突出部151bの移動を遮断しても良い。
【0064】
電極連結部151dは、電極ユニット120の一端側と連結され、第1のスプリング部151aの張力を電極ユニット120に伝達しても良い。電極連結部151dは、張力維持ユニット151と移動部152との連結が解除されるとき、第1のスプリング部151aの張力減少により後進移動しても良い。
【0065】
移動部152は、張力維持ユニット151と連結された状態で電極ガイド130が体内の管Vの周りに巻き付けられるまで張力維持ユニット151を前進させた後、張力維持ユニット151との連結を解除しても良い。
【0066】
移動部152は、張力維持ユニット151と連結されるための連結部152aと、ピン152bと、支持部152cと、ヒンジ部152dとを含んでいても良い。
【0067】
ピン152bは、連結部152aの一端側に形成され、前進レール154に沿って前進移動しても良く、後進レール155に沿って後進移動しても良い。よって、移動部152は、ピン152bを介して張力維持ユニット151と共に前進レール154に沿って前進移動しても良く、張力維持ユニット151との連結が解除された後は、後進レール155に沿って後進移動しても良い。
【0068】
支持部152cは、電極ガイド駆動ユニット140と連結されても良い。例えば、支持部152cは、ワイヤブロック144と連結されても良い。
【0069】
ヒンジ部152dは、連結部152aを回転可能となるようにし、ピン152bが前進レール154から連結レール156に移動するとき、ヒンジ部152dが回転して連結部152aが張力維持ユニット151との連結が解除される。よって、連結部152aが張力維持ユニット151との連結が解除された後は、電極ユニット120及び電極ガイド130はそれぞれ移動する。
【0070】
減速部153は、張力維持ユニット151と移動部152との連結が解除されるとき、第1のスプリング部151aの張力を減速させても良い。
【0071】
具体的に、張力維持ユニット151と移動部152との連結が解除されるとき、第1のスプリング部151aの張力が一時に電極ユニット120へ伝達され、これによって、電極ユニット120が管Vに強く密着されて管Vが損傷され得る。これにより、本発明では、減速部153が第1のスプリング部151aの張力を次第に減少させることで、管Vが損傷されることを防止することができる。
【0072】
第2のストッパ部157は、ピン152bが後進移動する際、ピン152bが連結レール156へ再び移動することを防止することができる。第2のストッパ部157は、ピン152bが連結レール156を介して後進レール155に位置するとき、連結レール156を遮断しても良い。
【0073】
以下、
図6a乃至
図6dを参照しながら、電極駆動ユニット150による電極ユニット120の駆動について述べる。
図6a乃至
図6fは、
図3a乃至
図3eの状態に対応する状態である。
【0074】
図6aの電極駆動ユニット150と電極ガイド駆動ユニット140とは、前進移動を始める直前、あるいは、後進移動が終わった直後である。よって、
図3aに示すように、電極ユニット120と電極ガイド130とは、体内の管Vの周りに巻き付けられる直前、あるいは、体内の管Vの周りに巻き付けられてから、巻き付けられる前の状態に移動した直後である。つまり、電極装置100によって神経切断術が施される直前、あるいは、実施された直後である。
【0075】
図6b及び
図6cを参照すると、電極駆動ユニット150は、前進移動する電極ガイド駆動ユニット140と共に前進レール154が提供する経路に沿って前進移動しても良い。電極駆動ユニット150と電極ガイド駆動ユニット140との前進により、
図3b及び
図3cに示すように、電極ユニット120と電極ガイド130とは、シャフト111から前方Fに向かって引き出されて、体内の管Vの周りに巻き付けられるようにワインディング状態に変形されても良い。
【0076】
具体的に、モータ部142の駆動によって電極ガイド駆動ユニット140が前進するとき、移動部152を通じて張力維持ユニット151も前進移動するようになる。
【0077】
つまり、電極ガイド駆動ユニット140が前進移動することによって、電極ガイド駆動ユニット140と連結された移動部152のピン152bが前進レール154に沿って前進移動する。このとき、電極ガイド130がシャフト111から前方Fに向かって引き出されて、移動部152と連結された張力維持ユニット151が前進移動することによって、電極連結部151dに一端が連結された電極ユニット120もシャフト111から引き出される。
【0078】
このとき、張力維持ユニット151の第1のストッパ部151cは、張力維持ユニット151が前進するとき、突出部151bの移動を遮断しても良い。
図6bを参照すると、電極ガイド駆動ユニット140と共に前進移動する張力維持ユニット151の一端側である突出部151bは、第1のストッパ部151cによって前進移動が遮断されるが、張力維持ユニット151の他端側である電極連結部151dは、移動部152と共に前進移動しても良い。
【0079】
図6cに示すように、張力維持ユニット151の突出部151bは、第1のストッパ部151cによって前進運動が遮断されるが、張力維持ユニット151の電極連結部151dは、移動部152と共に前進移動することによって、第1のスプリング部151aの長さが伸び(D1→D2)、これにより、張力が生成されることができる。
【0080】
図6cを参照すると、電極ガイド駆動ユニット140と共に移動部152のピン152bが、前進レール154が提供する経路の最後まで移動することによって、
図3cに示すように、電極ユニット120と電極ガイド130とが共に体内の管Vに近接するようにワインディングされる。このとき、電極ガイド130は、曲線のワインディング経路に沿って複数の節部131が完全に引き出されて配置された状態であっても良い。
【0081】
図6dを参照すると、電極ガイド駆動ユニット140が前進移動を完了すると、移動部152のピン152dが連結レール156を移動することによって、ヒンジ部152dが回転することで、連結部152aと張力維持ユニット151との連結が解除される。
【0082】
張力維持ユニット151は、移動部152との連結が解除された後、電極ユニット120の一端と連結された電極連結部151dが後進しても良い。電極連結部151dは、第1のスプリング部151aの張力の減少により後進し、電極連結部151dが後進しながら、
図3dに示すように、電極ユニット120が体内の管Vに接触されても良い。
【0083】
具体的に、
図6dに示すように、張力維持ユニット151の突出部151bは、第1のストッパ部151cによって遮断された状態で、張力維持ユニット151の電極連結部151dのみ移動部152との連結解除により後進することによって、第1のスプリング部151aの長さが一定距離(D2→D3)減少し、電極ユニット120に張力が提供されながら、電極ユニット120が体内の管Vに密着されても良い。つまり、張力維持ユニット151と移動部152との連結が解除されることによって、張力維持ユニット151の電極連結部151dのみ後進しながら、電極連結部151dの一端側と電極ガイド駆動ユニット140の一端側との間の距離は、一定距離(d1→d2)増加する。
【0084】
体内の管Vに接触された電極ユニット120は、神経を損傷させるためのエネルギーを伝達して神経切断術を実施することができる。
【0085】
このとき、張力維持ユニット151と移動部152との連結が解除される際、電極駆動ユニット150は、減速部153を通じて第1のスプリング部151aの張力を次第に減少させても良い。つまり、第1のスプリング部151aの長さが減速部153によって次第に一定距離(D2→D3)減少する。よって、電極連結部151dが次第に後進することによって電極ユニット120が体内の管Vに次第に密着されて、電極ユニット120が体内の管Vに密着され、神経切断術を実施する過程において体内の管Vが損傷されることを防止することができる。
【0086】
その後、
図6e及び
図6fを参照すると、電極駆動ユニット150は、張力維持ユニット151と移動部152との連結が解除された後、移動部152を後進移動させても良い。移動部152は、電極ガイド駆動ユニット150と共に後進レール155に沿って後進移動することによって、
図3eに示すように、電極ガイド130を体内の管Vの周りから離脱させても良い。
【0087】
具体的に、電極ガイド駆動ユニット140が後進移動することによって、電極ガイド駆動ユニット140と連結された移動部152のピン152bが後進レール155に沿って後進移動しながら、連結部152aの他端側が先に後進した張力維持ユニット151の電極連結部151dと係合して張力維持ユニット151を最後まで後進移動させても良い。
【0088】
図6eに示すように、張力維持ユニット151の電極連結部151dが移動部152と共に後進移動することによって、第1のスプリング部151aの長さが一定距離(D3→D1)減少し、第1のスプリング部151aに生成されていた張力が全て減少し得る。
【0089】
電極駆動ユニット150は、ピン152bが後進移動する際、第2のストッパ部157にて連結レール156を遮断し、ピン152bが再び連結レール156に移動することを防止することができる。例えば、第2のストッパ部157は、ピン152bが連結レール156に移動できるように、第2のストッパ部157を圧縮し、ピン152bが後進レール155に位置するとき、第2のストッパ部157の状態を戻すスプリングを含んでいても良い。
【0090】
電極ガイド駆動ユニット140と電極駆動ユニット150とが後進移動することによって、
図3eに示すように、電極ユニット120と電極ガイド130とがシャフト111に向かって後方(B)に移動しても良い。
【0091】
電極ガイド駆動ユニット140と電極駆動ユニット150との後進移動が完了すると、また
図6aに示すように、移動部152のピン152bが前進レール154に配置された状態、つまり、大気状態であっても良い。このとき、電極ユニット120と電極ガイド130も同様に、
図3aに示すように、シャフト111から引き出される前の待機状態であっても良い。
【0092】
図7を参照すると、他の実施例に係る電極駆動ユニット150は、支持部152cと連結部152aとを連結する第2のスプリング部158をさらに含んでいても良い。電極駆動ユニット150は、ピン152bが後進移動する際、第2のスプリング部158を利用して、ピン152bが連結レール156に再び移動することを防止することができる。
【0093】
したがって、電極駆動ユニット150は、連結レール156を遮断するストッパ部なしに、支持部152cと連結部152aとを連結する第2のスプリング部158を通じてピン152bが後進移動する際、連結レール156に再び移動することを防止することができる。
【0094】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0095】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【国際調査報告】