(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】医療用照明システムおよびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61B1/06 612
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501565
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 US2022036855
(87)【国際公開番号】W WO2023287813
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フィーリング、キルステン
(72)【発明者】
【氏名】バルバート、ルイス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161CC06
4C161DD03
4C161NN01
4C161QQ07
4C161QQ09
4C161RR02
4C161RR06
4C161RR22
(57)【要約】
標的部位に配置されるように構成された遠位端を有するシャフトと、遠位端に配置された第1のライトおよび第2のライトと、第1および第2のライトに通信可能に結合された演算装置とを含む医療システム。演算装置は、プロセッサと、命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体とを含み、命令は、プロセッサによって実行されたとき、第1のライトによる標的部位の第1の領域の第1の照度測定値と、第2のライトによる標的部位の第2の領域の第2の照度測定値とを決定することをプロセッサに実行させる。第2の領域は、第1の領域とは異なる。プロセッサは、第1の照度測定値が第1の閾値と異なることに応答して第1のライトからのエミッタンスを調整し、第2の照度測定値が第2の閾値と異なることに応答して第2のライトからのエミッタンスを調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
標的部位に配置されるように構成された遠位端を有するシャフトと、
前記遠位端に配置された第1のライトと、
前記遠位端に配置された第2のライトと、
前記第1のライトおよび前記第2のライトに通信可能に結合され、プロセッサと、命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体とを含む演算装置と、
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されたとき、
(i)前記第1のライトによる前記標的部位の第1の領域の第1の照度測定値を決定すること、
(ii)前記第2のライトによる前記標的部位の第2の領域の第2の照度測定値を決定することであって、前記第1の領域と異なる前記第2の領域の第2の照度測定値を決定すること、
(iii)前記第1の領域の前記第1の照度測定値が第1の閾値と異なることに応答して、前記第1のライトからのエミッタンスを調整すること、および、
(iv)前記第2の領域の前記第2の照度測定値が第2の閾値と異なることに応答して、前記第2のライトからのエミッタンスを調整すること、
を前記プロセッサに実行させる、医療システム。
【請求項2】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記第1の領域の前記第1の照度測定値が前記第1の閾値よりも小さいときに前記第1のライトからの前記エミッタンスを増加させ、前記第1の領域の前記第1の照度測定値が前記第1の閾値よりも大きいときに前記第1のライトからの前記エミッタンスを減少させること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記第2の領域の前記第2の照度測定値が前記第2の閾値よりも小さいときに前記第2のライトからの前記エミッタンスを増加させ、前記第2の領域の前記第2の照度測定値が前記第2の閾値よりも大きいときに前記第2のライトからの前記エミッタンスを減少させること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項1または2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記遠位端に配置され、前記標的部位の前記第1の領域および前記第2の領域の画像データを捕捉するように構成された撮像装置をさらに備える請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項5】
前記演算装置は、前記撮像装置に通信可能に結合されており、前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて、前記遠位端に対する前記標的部位の前記第1の領域の第1の位置と前記標的部位の前記第2の領域の第2の位置とを決定すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記第1の位置で前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記第1の領域の前記第1の照度測定値を決定すること、および、
前記第2の位置で前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記第2の領域の前記第2の照度測定値を決定すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項5に記載の医療システム。
【請求項7】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記撮像装置により捕捉された前記画像データから複数のピクセルの平均輝度を演算することによって前記第1の領域の前記第1の照度測定値を決定すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記第2のライトによる前記第1の領域の照度を示す第1の交差項パラメータに基づいて前記第1の領域の前記第1の照度測定値を調整すること、および、
前記第1のライトによる前記第2の領域の照度を示す第2の交差項パラメータに基づいて前記第2の領域の前記第2の照度測定値を調整すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項4~7のうちのいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項9】
前記第1および第2の交差項パラメータの各々は、前記演算装置上に記憶された所定の変数を含む、請求項8に記載の医療システム。
【請求項10】
前記第1および第2の交差項パラメータの各々は、前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記演算装置により自動的に調整される動的変数を含む、請求項8または9に記載の医療システム。
【請求項11】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記撮像装置により捕捉された前記画像データからの複数のピクセルの度数分布に基づいて前記第1および第2の交差項パラメータの各々を修正すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項10に記載の医療システム。
【請求項12】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記第1のライトおよび前記第2のライトからのエミッタンスを調整した後に、前記撮像装置を用いて前記第1の領域の前記第1の照度測定値および前記第2の領域の前記第2の照度測定値を周期的に決定すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項4~11のうちのいずれか一項に記載の医療システム。
【請求項13】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記標的部位の前記第1の領域の面積および前記第2の領域の面積を決定すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項11または12に記載の医療システム。
【請求項14】
前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、
前記第1の領域の前記面積に少なくとも部分的に基づいて前記第1のライトおよび前記第2のライトによる前記第1の領域の前記第1の照度測定値を決定すること、および、
前記第2の領域の前記面積に少なくとも部分的に基づいて前記第2のライトおよび前記第1のライトによる前記第2の領域の前記第2の照度測定値を決定すること、
を前記プロセッサに実行させる、請求項13に記載の医療システム。
【請求項15】
前記第2の領域が前記遠位端に対する前記標的部位の中心エリアを含み、かつ前記第1の領域が前記中心エリアを取り囲む前記標的部位の周辺エリアを含むように、前記第1のライトがブロードビームプロファイルを生成するように構成されるとともに、前記第2のライトがナロービームプロファイルを生成するように構成されている、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の態様は概して、医療用照明機器、システム、装置、および関連する方法に関する。具体的には、本開示の実施例は、他の態様の中でも特に、内視鏡処置中に患者内の1つまたは複数の標的部位の視認性を向上させるための機器、システム、装置、および関連する方法に関する。本出願は、2021年7月13日に出願された米国仮特許出願第63/221,361号の優先権の利益を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
技術の発展により、対象者に対しますます複雑な処置を行う能力が医療システム、装置、および方法のユーザに与えられている。他の外科的処置の中でも特に、内視鏡等の低侵襲手術の分野における1つの課題は、撮像装置を使用して患者内の標的治療部位の位置を特定しようとする医師に十分な視認性を提供することに関連する。1つまたは複数の照明装置を使用する標的治療部位の照明は、標的部位の検査および診断分析を適切に行うために、患者内の限定された光学的可視性を提供し得る。これは、一般的に、各標的治療部位の様々な解剖学的プロファイルに起因し得るものとなり、観察対象の標的生体構造に合わせて調整された光の適用を必要とし得る。標的部位の十分な照明を提供する際の医療装置の制限は、処置を長引かせ、その有効性を制限し、および/または視認性の欠如に起因して患者に損傷を引き起こす場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、特に、標的治療部位を照明するためのシステム、装置、機器、および方法に関し、他の態様の中でも特に、観察対象の標的生体構造内で放出する照明ビームプロファイルを自動的に制御することに基づいて標的治療部位を照明するためのシステム、装置、機器、および方法に関する。本明細書に開示される態様の各々は、他の開示される任意の態様に関連して説明される特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0004】
一実施例によれば、医療システムは、標的部位に配置されるように構成された遠位端を有するシャフトと、前記遠位端に配置された第1のライトと、前記遠位端に配置された第2のライトと、前記第1のライトおよび前記第2のライトに通信可能に結合された演算装置とを含み得る。前記演算装置は、プロセッサと、命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体とを含み得る。前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、(i)第1のライトによる前記標的部位の第1の領域の第1の照度測定値を決定すること、(ii)第2のライトによる前記標的部位の第2の領域であって、前記第1の領域とは異なる前記第2の領域の第2の照度測定値を決定すること、(iii)前記第1の領域の前記第1の照度測定値が第1の閾値と異なることに応答して、前記第1のライトからのエミッタンスを調整すること、および、(iv)前記第2の領域の前記第2の照度測定値が第2の閾値と異なることに応答して、前記第2のライトからのエミッタンスを調整すること、を前記プロセッサに実行させる。
【0005】
本明細書に記載される医療システムは、以下の特徴のいずれかを含み得る。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記第1の領域の前記第1の照度測定値が前記第1の閾値よりも小さいときに前記第1のライトからの前記エミッタンスを増加させ、前記第1の領域の前記第1の照度測定値が前記第1の閾値よりも大きいときに前記第1のライトからの前記エミッタンスを減少させること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記第2の領域の前記第2の照度測定値が前記第2の閾値よりも小さいときに前記第2のライトからの前記エミッタンスを増加させ、前記第2の領域の前記第2の照度測定値が前記第2の閾値よりも大きいときに前記第2のライトからの前記エミッタンスを減少させること、を前記プロセッサに実行させる。前記医療システムは、前記遠位端に配置され、前記標的部位の前記第1の領域および前記第2の領域の画像データを捕捉するように構成された撮像装置をさらに含む。前記演算装置は、前記撮像装置に通信可能に結合されており、前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて、前記遠位端に対する前記標的部位の前記第1の領域の第1の位置と前記標的部位の前記第2の領域の第2の位置とを決定すること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記第1の位置で前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記第1の領域の前記第1の照度測定値を決定すること、および、前記第2の位置で前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記第2の領域の前記第2の照度測定値を決定すること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記撮像装置により捕捉された前記画像データから複数のピクセルの平均輝度を演算することによって前記第1の領域の前記第1の照度測定値を決定すること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、前記第2のライトによる前記第1の領域の照度を示す第1の交差項パラメータに基づいて前記第1の領域の前記第1の照度測定値を調整すること、および、前記第1のライトによる前記第2の領域の照度を示す第2の交差項パラメータに基づいて前記第2の領域の前記第2の照度測定値を調整すること、を前記プロセッサに実行させる。前記第1および第2の交差項パラメータの各々は、前記演算装置上に記憶された所定の変数を含む。前記第1および第2の交差項パラメータの各々は、前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記演算装置により自動的に調整される動的変数を含む。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記撮像装置により捕捉された前記画像データからの複数のピクセルの度数分布に基づいて前記第1および第2の交差項パラメータの各々を修正すること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記第1の光および前記第2のライトからのエミッタンスを調整した後に、前記撮像装置を用いて前記第1の領域の前記第1の照度測定値および前記第2の領域の前記第2の照度測定値を周期的に決定すること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づいて前記標的部位の前記第1の領域の面積および前記第2の領域の面積を決定すること、を前記プロセッサに実行させる。前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された前記命令は、前記第1の領域の前記面積に少なくとも部分的に基づいて前記第1のライトおよび前記第2のライトによる前記第1の領域の前記第1の照度測定値を決定すること、および、前記第2の領域の前記面積に少なくとも部分的に基づいて前記第2のライトおよび前記第1のライトによる前記第2の領域の前記第2の照度測定値を決定すること、を前記プロセッサに実行させる。前記第2の領域が前記遠位端に対する前記標的部位の中心エリアを含み、前記第1の領域が前記中心エリアを取り囲む前記標的部位の周辺エリアを含むように、前記第1のライトはブロードビームプロファイルを生成するように構成され、前記第2のライトはナロービームプロファイルを生成するように構成されている。
【0006】
別の実施例によれば、医療システムを用いて標的部位を照明する方法は、前記医療システムに対する前記標的部位の第1の領域の第1の位置および第2の領域の第2の位置を決定すること、前記医療システムの第1のライトによる前記第1の領域の第1の照度測定値を決定すること、前記医療システムの第2のライトによる前記第2の領域であって前記第1の領域とは異なる前記第2の領域の第2の照度測定値を決定すること、および、前記第1の照度測定値または前記第2の照度測定値が閾値から変動していることに応答して、前記第1のライトまたは前記第2のライトのうちの1つ以上のエミッタンスを調整することを含み得る。
【0007】
本明細書に記載される方法は、以下のステップのいずれかを含み得る。前記医療システムの撮像装置を用いて前記標的部位の画像データを捕捉することであって、前記第1の領域の前記第1の位置および前記第2の領域の前記第2の位置を決定することが、前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づくこと。前記医療システムの撮像装置を用いて前記標的部位の画像データを捕捉することであって、前記第1の照度測定値および前記第2の照度測定値を決定することが、前記撮像装置により捕捉された前記画像データに基づくこと。対応する前記第1のライトまたは前記第2のライトによる前記標的部位の対向領域の照度を示す交差パラメータに基づいて前記第1の照度測定値および前記第2の照度測定値を調整すること。
【0008】
さらなる実施例によれば、医療システムを用いて標的部位を照明する方法は、(a)前記医療システムの撮像装置を用いて前記標的部位の画像データを捕捉すること、(b)前記医療システムに対する前記標的部位の第1の領域の位置および第2の領域の位置を決定すること、(c)前記画像データに基づいて前記第1の領域のサイズおよび前記第2の領域のサイズを決定すること、(d)前記第1の領域の前記位置および前記サイズに基づいて、前記医療システムの第1のライトによる前記第1の領域の第1の照度測定値を決定すること、(e)前記第2の領域の前記位置および前記サイズに基づいて、前記医療システムの第2のライトによる前記第2の領域の第2の照度測定値を決定すること、(f)前記第1の照度測定値および前記第2の照度測定値の各々をそれぞれの閾値と比較すること、(g)前記第1の照度測定値または前記第2の照度測定値がそれぞれの前記閾値から変動していることに応答して、前記第1のライトまたは前記第2のライトのうちの1つ以上のエミッタンスを調整すること、および(h)ステップ(f)において前記第1の照度測定値および前記第2の照度測定値が前記閾値に等しいと判定されるまで、ステップ(a)~(g)を周期的な間隔で繰り返すことを含む。
【0009】
なお、上述した一般的な説明および以下の詳細な説明はともに例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではない。
本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示し、以下の説明とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の態様による例示的な医療システムの概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の態様による患者の標的部位に配置された
図1の医療システムの部分斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の態様による患者の標的部位に配置された
図1の医療システムにより受信される画像の概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の態様による
図1の医療システムを用いて標的部位を照明する例示的方法のブロック図である。
【
図5】
図5は、本開示の態様による
図1の医療システムを用いて標的部位を照明する例示的方法のブロック図である。
【
図6】
図6は、本開示の態様による
図1の医療システムを用いて標的部位を照明する例示的な方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施例は、部位の解剖学的プロファイルに基づいて、対象者(例えば、患者)内の1つまたは複数の標的治療部位の照明を促進するためのシステム、装置、および方法を含む。以下、本開示の態様について詳細に参照する。本開示の態様の実施例は、添付の図面に例示されている。可能な限り、同一または類似の部分を参照するために、図面を通じて同一または類似の参照番号が使用される。用語「遠位」は、装置を患者に導入するときにユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、擁護「近位」は、装置を対象内に配置するときにユーザに最も近い部分を指す。本明細書で使用される「備える」、「備えている」という用語、またはそれらの任意の他の変形語は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、必ずしもそれらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。用語「例示的」は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で使用される「約」、「実質的に」、および「およそ」という用語は、記述された値の+/-10%以内の値の範囲を示す。
【0012】
本開示の実施例は、医療システム、例えば照明制御ロジックを実行可能な演算装置を含む医療システム等を用いて標的部位を照明するために使用され得る。例えば、標的部位は、医療機器が受容される空間領域であって、第1の中心領域およびこの中心領域を取り囲む第2の周辺領域等の、医療機器に対する様々な空間領域を含み得る。医療システムの演算装置は、標的部位の様々な空間領域を照明するために1つまたは複数の論理演算を実行して、十分な照明を提供するとともに、標的部位における治療動作を促進し得る。医療システムの照明制御ロジックは、各空間領域の相対照度を決定することで、標的部位内のリアルタイム可視性を検出および/または測定し、当該領域の光学検査を可能にするために十分な可視性が得られているかどうかを判定し得る。
【0013】
本開示の実施例は、大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、任意の他の胃腸管の部分、および/または任意の他の適切な患者の生体構造部分(本明細書ではまとめて「標的治療部位」と呼ぶ)の様々な医療処置および/または治療を実施するための装置および方法に関する。しかしながら、本開示は、いかなる特定の解剖領域に限定されるものではなく、尿管鏡検査、気管支鏡検査、結腸鏡検査、内視鏡検査等、および/または任意の身体管腔の診断もしくは治療において使用され得る。本明細書で説明される様々な実施例は、1回の使用または使い捨ての医療装置を含む。以下、上記で説明した添付の図面に示される本開示の実施例を詳細に参照する。可能な限り、同一または同様の部分を指すために、図面全体を通じて同一の参照番号が使用される。
【0014】
図1は、本開示の一実施例による例示的な医療システム100の概略図を示す。医療システム100は、医療装置110、医療機器120、撮像装置130、第1の光源132、第2の光源134、および演算装置140を含み得る。演算装置140は、例えば、有線接続、無線接続等によって医療装置110に通信可能に結合され得る。実施例において、演算装置140は、演算装置140がデータ(例えば、画像データ148)を受信および監視し、光(例えば、第1の光源132および/または第2の光源134からの光)の送信を開始し、および/または本明細書に記載される他の情報を処理することを可能にする複数のハードウェア構成要素を組み込んだコンピュータシステムを含み得る。演算装置140の例示的なハードウェア構成要素は、少なくとも1つのプロセッサ142、少なくとも1つのメモリ144、および少なくとも1つのディスプレイ150を含み得る。
【0015】
演算装置140のプロセッサ142は、例えば、演算装置140のメモリ144などの非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶され得る機械可読命令を実行することが可能な任意の演算装置を含み得る。例として、プロセッサ142は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、および/またはプログラムを実行するために必要とされる計算および論理演算を行うように動作可能な任意の他のコンピュータ処理ユニットを含み得る。本明細書でより詳細に説明するように、プロセッサ142は、メモリ144に記憶された命令に従って、例えば照明制御ロジック146などの1つまたは複数の動作を実行するように構成され得る。
【0016】
引き続き
図1を参照すると、メモリ144は、例えば、照明制御ロジック146などの機械可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。以下でさらに詳細に説明するように、照明制御ロジック146は、医療システム100が標的部位の光学的可視性を検出および/または測定して、標的部位が光源132,134からの照明の増強されたエミッタンスを必要とするかどうかを判定し、医療装置110および医療機器120による標的部位の光学的検査および治療を容易にすることを可能にする実行可能命令を含み得る。また、照明制御ロジック146は、光源132,134の制御が標的部位内の現在の状態に基づいてリアルタイムで自動化されるように、標的治療部位の解剖学的プロファイルに基づいて照度要件を決定する実行可能命令を含み得る。
【0017】
照明制御ロジック146は、ユーザの入力を必要とすることなく自動的に標的部位の周期的なまたは連続的な視認性評価を実行し得る。他の実施形態では、演算装置140は、例えば、ディスプレイ150を介して演算装置140と通信(例えば、無線、有線等)するユーザ入力等から、標的部位の照度評価を開始するためのユーザ入力を受信するように構成され得る。本実施形態では、ディスプレイ150は、情報のグラフィカル表示を生成し、プロセッサ142にコマンドを送信するためのユーザ入力を受信するように構成されるとともに動作可能なユーザインターフェースを含み得る。例えば、ディスプレイ150は、タッチスクリーンインターフェースディスプレイを含み得る。
【0018】
なお、医療装置110の動作をサポートする種々のプログラミングアルゴリズムおよびデータは、全体的または部分的に、メモリ144内に常駐し得る。メモリ144は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、および/または機械可読命令を記憶し得る任意の装置など、データおよびアルゴリズムを記憶するのに適した任意の種類のコンピュータ可読媒体を含み得る。メモリ144は、医療システム100の1つまたは複数の構成要素(例えば、医療装置110、医療機器120、撮像装置130等)からの診断データを含むが、それに限定されない1つまたは複数のデータセットを含み得る。本例では、メモリ144は、処置における医療システム100の使用中に撮像装置130によって記録される標的治療部位の画像データ148を受信して記憶し得る。
【0019】
引き続き
図1を参照すると、医療装置110は、例えば、医療機器120等の対象者(例えば、患者)に対する医療システム100の1つまたは複数の構成要素の配置を容易化するように構成され得る。実施形態では、医療装置110は、任意の種類の内視鏡、十二指腸鏡、胃鏡、結腸鏡、尿管鏡、気管支鏡、カテーテル、または光および撮像能力を提供するための他の器具とすることができる。医療装置110は、ハンドル112と、作動機構114と、少なくとも1つのポート116と、シャフト118とを含み得る。ハンドル112は、医療システム100の1つまたは複数の他の構成要素の管腔と連通する1つまたは複数の管腔(図示略)を有し得る。ハンドル112は、医療装置110の1つまたは複数の管腔内に開口する少なくとも1つのポート116を含み得る。本明細書でさらに詳細に説明するように、少なくとも1つのポート116は、例えば医療機器120等の1つまたは複数の装置を受容するサイズおよび形状を有している。
【0020】
医療システム100はさらに、ハンドル112に沿った少なくとも1つのポートを介して医療装置110に結合される臍アセンブリ108を含み得る。臍アセンブリ108は、医療装置110と医療システム100の1つまたは複数の装置との間の接続を容易化するように構成され得る。臍アセンブリ108は、医療装置110に結合された第1の端部と、複数の接続部(例えば、電気、流体等)を含む第2の(反対側の)端部とを有する臍チューブを含み得る。本例では、臍アセンブリ108は、1つまたは複数の装置(例えば、撮像装置130、第1の光源132、第2の光源134、演算装置140等)からの1つまたは複数の電子ケーブル、ワイヤ等と接続するおよび/またはそれらを受容するように構成され得る。1つまたは複数の装置からの電子ケーブルおよび/またはワイヤは、ハンドル112を通じてシャフト118内に(例えば、1つまたは複数のそれぞれの管腔を介して)受容され得る。他の実施形態では、第1の光源132および/または第2の光源134のうちの1つ以上は、遠位端119等のシャフト118内に配置され得る。
【0021】
シャフト118は、十分な可撓性を有する管を含み得る。したがって、シャフト118は、対象者の蛇行した生体構造内におよび/またはそれを通じて標的治療部位に挿入されたときに選択的に屈曲、回転、および/または捻転するように構成されている。シャフト118は、シャフト118を貫通する1つまたは複数の管腔(図示略)を有し得る。この管腔は、例えば、装置(例えば、医療機器120)を受容するための作業管腔117(
図3)を含む。他の例では、シャフト118は、1つまたは複数の遠位部分/ツール(例えば、関節継手、エレベータなど)を作動させるための1つまたは複数の制御ワイヤを受容するための制御ワイヤ管腔、流体を送達するための流体管腔、第1の光源132に通信可能に結合された第1のライト133および第2の光源134に通信可能に結合された第2のライト135を受容するための1つまたは複数の照明管腔、および/または撮像装置130(
図3)の撮像センサ131を受容するための撮像管腔などの追加の管腔を含み得る。第1のライト133および第2のライト135は、これらに限定されないが、光ファイバ、LED、および/または種々の他の適切な撮像装置を含み得る。撮像センサ131は、これらに限定されないが、電荷結合素子(CCD)、CMOS、および/または種々の他の適切なカメラセンサを含み得る。
【0022】
引き続き
図1を参照すると、シャフト118はさらに、遠位端119を含み得る。遠位端119は、シャフト118の1つまたは複数の管腔と連通する1つまたは複数の開口部を含み得る。例えば、遠位端119は、作業開口部を含み得る。医療機器120は、この作業開口部を通じてシャフト118の外に出る。他の例では、遠位端119は、例えば、流体がシャフト118の流体管腔から放出され得る流体開口部またはノズル、第1のライト133および第2のライト135からの光が放出され得る照明開口部/窓、および/または撮像センサ131が画像を生成するために使用され得る撮像開口部/窓など追加のおよび/またはより少ない開口部を含み得る。作動機構114は、ハンドル112上に配置され得るとともに、1つまたは複数のノブ、ボタン、レバー、スイッチ、および/または他の適切なアクチュエータを含み得る。作動機構114は、シャフト118の(例えば、制御ワイヤの作動を通じた)たわみ、流体の送達、(例えば、第1の光源132および/または第2の光源134からの)照明の放出、および/または(例えば、撮像装置130を介した)種々の撮像機能のうちの少なくとも1つを制御するように構成され得る。
【0023】
引き続き
図1を参照すると、医療機器120は、近位端と遠位端126との間に画定された長手方向本体124を有するカテーテルを含み得る。長手方向本体124は、医療機器120が医療装置110の作業管腔に挿入されるときに屈曲、回転、および/またはねじれるように構成され得るように可撓性を有し得る。医療機器120の近位端は、長手方向本体124を移動、回転、および/または屈曲するように構成されたハンドル122を含み得る。さらに、ハンドル122は、医療機器120の長手方向本体124を通じて1つまたは複数のツールを受容するサイズを有する1つまたは複数のポート(図示略)を画定し得る。代替的に、医療機器120の遠位端126は、切断または把持鉗子、生検装置、スネアループ、注射針、切断刃、鋏、格納式バスケット、回収装置、切除および/または電気生理学ツール、ステント留置装置、外科用ステープル留め装置、バルーンカテーテル、レーザ放射装置、および/または任意の他の適切な診断治療エンドエフェクタ等のエンドエフェクタを含み得る。
【0024】
医療装置110は、少なくとも1つのポート116を介して、作業管腔を通じたシャフト118を経由した遠位端119における作業開口部まで、医療機器120を受容するように構成され得る。本例では、医療機器120は、作業開口部から遠位に延在するとともに、例えば対象者の標的治療部位などの遠位端119の周囲環境に延在し得る。遠位端126は、シャフト118の作業管腔を通る長手方向本体124の平行移動に応じてシャフト118の作業開口部から遠位に延在し得る。
【0025】
ここで
図2を参照すると、長手方向本体124の遠位端126が、対象者の解剖学的管腔10内に示されている。解剖学的管腔10は、医療システム100によって観察され得る対象者の身体内の種々の領域を含み得る。解剖学的管腔10は、少なくとも第1の(外側)領域12および第2の(中央)領域14によって画定され得る。第1の領域12は、第2の領域14の隣接する周囲の周りに位置している。換言すれば、解剖学的管腔10は、第1の領域12が第2の領域14の周りの周辺領域を画定する概して狭いプロファイルを有するサイズおよび/または形状を有し得る。
【0026】
遠位端119が解剖学的管腔10内に配置された状態で、第1のライト133および第2のライト135は、遠位端119から遠位方向に光を放射するように構成され得る。第1のライト133は、第1の光源132に通信可能に結合され得るとともに、第2のライト135は、第2の光源134に通信可能に結合され得る。第1のライト133は、第1のエミッタンスプロファイルを有する広い光ビームを放射するように構成され得る。第2のライト135は、第1のエミッタンスプロファイルとは異なる第2のエミッタンスプロファイルを有する狭い光ビームを放射するように構成され得る。本実施形態では、第1のエミッタンスプロファイルは、第2のエミッタンスプロファイルよりも大きい(例えば、広い)。換言すれば、第2のライト135は、第1の光源132から第1のライト133によって伝送される光よりもサイズおよび/または形状が狭い集束された照明プロファイルを有する第2の光源134からの光を伝送するように動作可能であり得る。
【0027】
引き続き
図2を参照すると、遠位端119が解剖学的管腔10内に配置された状態で、撮像センサ131は、遠位端119の遠位に位置する解剖学的管腔10の部分の画像を捕捉するように構成され得る。撮像センサ131は、撮像装置130に通信可能に結合され得る。撮像センサ131は、1つまたは複数のカメラレンズに隣接し得る。撮像センサ131により捕捉されたデータは、撮像装置130によって演算装置140に通信され、画像データ148としてメモリ144に保存され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、撮像装置130により生成された画像データ148は、解剖学的管腔10等の対象内の管腔通路の1つまたは複数の特徴および/または特性を視覚的に強調するピクセル値の部分解像度フレームを有する処理画像を含み得る。なお、撮像センサ131は、撮像センサ131により捕捉されたデジタル画像が、モザイクパターンで配置された種々のカラーピクセル値を有する生画像(例えば、画像データ148)を提供し得るようにカラーフィルタセンサアレイを含んでもよい。パターンの各ピクセルアレイは、1つまたは複数のカラーピクセル値がピクセルアレイ上で省略され得るように単一のカラーピクセル値を含み得る。撮像装置130により生成されたデジタル画像は、ピクセル値の2次元アレイを含み得る。各ピクセル値は、解剖学的管腔10の捕捉画像内の特定のピクセル位置における複数のスペクトル帯域のうちの1つにおける光強度(例えば、カラーピクセル値)に対応する。
【0029】
ここで
図3を参照すると、解剖学的管腔10の撮像センサ131によって捕捉された画像の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、医療システム100、特に演算装置140は、領域12,14の間に画定された境界Aを識別することによって、解剖学的管腔10内の第1の領域12および第2の領域14の位置を決定するように構成され得る。換言すれば、境界Aは、領域12,14間に位置する解剖学的管腔10の境界領域を画定し得る。なお、境界Aは、情報目的のみのための視覚的基準として機能するように示されており、第2の領域14は、境界A内に実質的に一致してもよく、第1の領域12は、概して境界Aの外側に位置付けられ得る。
【0030】
ここで
図4のフロー図と併せて
図1~
図3を参照すると、標的治療部位(例えば解剖学的管腔10)を照明するために医療システム100を使用する例示的な方法200が概略的に示されている。
図4の図示および関連する以下の説明は、本明細書で説明する主題を特定の方法に限定することを意味しない。
【0031】
まず、医療装置110は、対象者の身体(図示略)内に挿入され、遠位端119を解剖学的管腔10(
図2および
図3)等の標的部位に隣接して配置され得る。シャフト118は、遠位端119を対象者の身体の鼻または口(または他の適切な自然身体開口部)内に挿入されることによって、対象者の消化管を通じて誘導され、解剖学的管腔10に到達するまで、対象者の身体の胃腸管(例えば、食道、胃、小腸等)を通じて横断し得る。なお、シャフト118の長さは、医療装置110(ハンドル112を含む)の近位端が対象者の外部に位置し、遠位端119が対象者の身体の内部に位置するような十分な長さであり得る。また、本開示は、対象者の消化管における医療装置110の使用に関するものであるが、本開示の特徴は、対象者の身体内の様々な他の位置(例えば、他の器官、組織等)においても使用され得る。
【0032】
医療装置110が患者の体内に受け入れられた状態で、医療機器120は、少なくとも1つのポート116を介して医療装置110内に受容され得る。長手方向本体124は、シャフト118を通じて、具体的にはシャフト118の管腔のうちの少なくとも1つ(例えば、作業管腔)を通じて並進され得る。遠位端126は、例えば、シャフト118の作業管腔と連通している作業開口部等の遠位端119における開口部から遠位に延在し得る。したがって、
図2に見られるように、遠位端126は、解剖学的管腔10内に配置され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、遠位端119を含むシャフト118の少なくとも遠位部分は、シャフト118の関節運動継手に沿って選択的に関節運動され得る。例えば、ハンドル112は、解剖学的管腔10に対する遠位端119の位置、場所、および/または配向を調節するように作動され得る。したがって、ユーザは、撮像センサ131、第1のライト133、および第2のライト135(これらはシャフト118の管腔内に受容される)を第1の領域12および第2の領域14に対して選択的に配向し得る。
【0034】
遠位端119が解剖学的管腔10内に配置された状態で、処置中の解剖学的管腔10の目視観察を容易化するために撮像センサ131、第1のライト133、および第2のライト135が利用され得る。例えば、第1のライト133および第2のライト135は、遠位端119から遠位に光を伝送するように構成され得る。撮像センサ131は、第1のライト133および第2のライト135により提供される照明によって促進される解剖学的管腔10の画像データを検出、記録、および捕捉するように構成され得る。
【0035】
したがって、ここで
図4を参照すると、ユーザは、解剖学的管腔10、特に解剖学的管腔10内の標的治療部位を可視化するために、撮像装置130を用いて組織の画像(例えば、画像データ148)を生成し得る。例えば、ステップ202において、プロセッサ142は、照明制御ロジック146に従って1つまたは複数の命令を実行することで、撮像装置130により解剖学的管腔10の画像を捕捉し得る。画像データ148は、演算装置140に通信され、メモリ144上に記録され、医療システム100のユーザによるリアルタイム観察のためにディスプレイ150上に表示され得る。
【0036】
ステップ204において、プロセッサ142は、画像データ148に基づいて解剖学的管腔10の第1の領域12および第2の領域14の各々の位置を決定し得る。例えば、プロセッサ142は、撮像センサ131により検出された画像データ148によって決定される解剖学的管腔10のサイズ、形状、プロファイル、および/または構成に基づいて各領域12,14の位置を決定し得る。プロセッサ142は、第1の領域12と第2の領域14との間の解剖学的管腔10の境界領域を画定する境界Aの位置を決定し得る。上述したように、境界A内に一致するエリアは概して第2の領域14を含むように決定され得るとともに、境界Aの外側に位置するエリアは第1の領域12を示し得る。
【0037】
ステップ206において、プロセッサ142は、第1のライト133による第1の領域12の第1の照度測定値を決定し得る。ステップ208において、プロセッサ142は、第2のライト135による第2の領域14の第2の照度測定値を決定し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ142は、画像データ148に基づいて、解剖学的管腔10の領域12,14を画定する表面(例えば、組織壁)上で受光される可視光の量(ルーメン)を測定するように構成され得る。第1の光源132および第2の光源134の光強度は、撮像センサ131により捕捉された生画素データ(例えば、画像データ148)に基づいて測定され得る。
【0038】
一例では、プロセッサ142は、画像データ148からそれぞれの領域12,14内に位置する各ピクセルの平均輝度値を決定し得る。別の例では、プロセッサ142は、各領域12,14について複数のピクセル値の合計を決定し、その合計の所定の割合(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、およびそれ以上)として対応する照度測定値を計算し得る。さらなる例では、プロセッサ142は、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の他の適切なプロセスを介して、第1の領域12および第2の領域14の各々の上に放出される光束を決定し得る。
【0039】
ステップ210において、プロセッサ142は、第1の照度測定値(ステップ206)が第1の光源132の第1の輝度閾値を超えているか否かを判定し得る。ステップ212において、プロセッサ142は、第2の照度測定値(ステップ208)が第2の光源134の第2の輝度閾値を超えているか否かを判定し得る。いくつかの実施形態では、第1の輝度閾値は、第2の輝度閾値とは異なる光強度許容範囲を定義し得る。例えば、第1の輝度閾値は、第1の領域12を適切に照明するのに必要な所定の最小光度に対応し得る。第2の輝度閾値は、第2の領域14を適切に照明するために必要な所定の最小光度に対応し得る。
【0040】
いくつかの例では、所定の輝度閾値は、画像データ148から決定された所定の飽和度に基づき得る。本例では、所定の飽和度は、画像データ148からの各領域12,14内に位置する複数の画素において捕捉された光強度の約30%~約60%の範囲であってよい。他の実施形態では、輝度閾値のうちの1つ以上は、演算装置140および/または医療システム100のユーザによって(例えば、ディスプレイ150を介して)変更され得る。例えば、プロセッサ142は、撮像装置130により検出された画像データ148に基づいて、解剖学的管腔10、特に第1の領域12および第2の領域14の検出されたサイズ、形状、プロファイル、および/または構成をもとに、第1および/または第2の輝度閾値を自動的にかつ選択的に調整し得る。
【0041】
プロセッサ142は、ステップ210で第1の照度測定値が第1の輝度閾値を超えていると判定したことに応答して、ステップ218において、第1の光源132からの光のエミッタンスを減少させ得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ142は、第1の照度測定値と第1の輝度閾値(例えば、カンデラで測定される)との間の分散を決定して、第1の光源132からの光放射をその分散だけ減少させ得る。
【0042】
他の実施形態では、プロセッサ142は、第1の光源132からの光のエミッタンスを所定の(負の)光度変数だけ減少させることによって第1のライト133を制御し得る。本例では、所定の(負の)光度変数は、第1の領域12の第1の照度測定値にかかわらず、第1の光源132からの光放出を自動的に減少させるために使用される固定(静的)パラメータを含み得る。
【0043】
あるいは、プロセッサ142は、ステップ210で第1の照度測定値が第1の輝度閾値を超えていないと判定したことに応答して、ステップ214において、第1の光源132からの光のエミッタンスを増加させ得る。プロセッサ142は、第1の照度測定値と第1の輝度閾値との間の分散を決定し、第1の光源132からの光放射をその分散だけ増加させることによって光放射を増加させ得る。代替的に、プロセッサ142は、第1の領域12の第1の照度測定にかかわらず、自動的に所定の(正の)光度変数(例えば、固定(静的)パラメータ)だけ光のエミッタンスを増加させ得る。
【0044】
プロセッサ142は、ステップ212で第2の照度測定値が第2の輝度閾値を超えていると判定したことに応答して、ステップ218における上述した第1の光源132と同様な方法(例えば、分散、所定の(負の)光度変数等)で、ステップ220において、第2の光源134からの光のエミッタンスを減少させ得る。あるいは、プロセッサ142は、ステップ212で第2の照度測定値が第2の輝度閾値を超えていないと判定したことに応答して、ステップ214における上述した第1の光源132と同様の方法(例えば、分散、所定の(正の)光度変数等)で、ステップ216において、第2の光源134からの光のエミッタンスを増加させ得る。したがって、光源132,134による解剖学的管腔10の照明は、各領域12,14の現在の可視性条件によってリアルタイムで自動的に決定され得る。
【0045】
プロセッサ142は、第1の光源132および/または第2の光源134からの光のエミッタンスをそれぞれ増加(ステップ214,216)および/または減少(ステップ218,220)させると、ステップ202に戻り得る。本例では、プロセッサ142は、照明制御ロジック146の1つまたは複数の命令を実行する際に、複数の周期で(または連続的に)撮像装置130を用いて画像データ148を再捕捉することによって、方法200を周期的に(または連続的に)実行し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ142は、所定の間隔で照明制御ロジック146の実行を繰り返し得る。また、他の実施形態では、プロセッサ142は、医療システム100の継続的な使用による作動中に、本明細書で説明するステップを継続的に繰り返し得る。他の実施形態では、プロセッサ142は、第1の照度測定値および/または第2の照度測定値がそれぞれ第1の輝度閾値および/または第2の輝度閾値に等しいと判定すると、方法200の実行を停止し得る。
【0046】
ここで
図5を参照すると、標的治療部位(例えば、解剖学的管腔10)を照射するために医療システム100を使用する別の例示的方法300が概略的に示されている。
図5の図示および関連する以下の説明は、本明細書で説明する主題を特定の方法に限定することを意味しない。以下に別段の記載がある場合を除いて、方法300のステップのうちの1つ以上は、上述したおよび図示された方法200と同様とすることができる。例えば、プロセッサ142は、上述した方法200と同様な方法で、画像データ148を捕捉し(ステップ302)、画像データ148に基づいて解剖学的管腔10内の各領域12,14の対応する位置を決定する(ステップ304)ように構成され得る。さらに、プロセッサ142は、ステップ206,208とそれぞれ同様に、第1の領域12の第1の照度測定値(ステップ306)および第2の領域14の第2の照度測定値(ステップ308)を決定し得る。
【0047】
ステップ307において、プロセッサ142は、照明制御ロジック146に従って1つまたは複数の命令を実行することで、第1の交差項パラメータによって第1の照度測定値(ステップ306)を調整し得る。ステップ309において、プロセッサ142は、第2の交差項パラメータによって第2の照度測定値(ステップ308)を調整し得る。第1の交差項パラメータは、第2の交差項パラメータと同じであってもよいし、異なっていてもよい。これらの交差項パラメータは、各領域12,14に対する最終的な(調整された)照度測定値を計算するときに、他の領域12,14に存在する輝度強度の少なくとも一部を考慮に入れる重み付け変数を含み得る。
【0048】
プロセッサ142は、ステップ307で交差項パラメータによって第1の照度測定値を調整することで、第1の領域12の全体の輝度に少なくとも部分的に影響を与える第2の領域14の輝度を考慮し得る。さらに、プロセッサ142は、ステップ309で交差項パラメータによって第2の照度測定値を調整することで、第2の領域14の全体の輝度に少なくとも部分的に影響を与える第1の領域12の輝度を考慮し得る。
【0049】
換言すれば、第1の領域12が第2の領域14に隣接して配置され、逆もまた同様であると仮定して、各光源132,134が(対応するライト133,135が向けられていない)他の領域12,14に与える輝度効果を考慮に入れるべく、プロセッサ142は、交差項パラメータを取り入れて第1の照度測定値(ステップ307)および第2の照度測定値(ステップ309)を調整し得る。いくつかの実施形態において、交差項パラメータは、各光源132,134が他の領域12,14に対して有し得る最小の影響度を示す所定の固定変数であってよい。他の実施形態では、交差項パラメータは、対向する領域12,14において測定された輝度の割合であってよい。例として、交差項パラメータは、約0~約1の値の範囲であってよく、ここで、0に近い値は、隣接する領域12,14間の結合が最小であるか無い(すなわち、各領域の輝度が、対向する領域に寄与する影響を有さない)ことを示し得る。また、1に近い値は、隣接する領域12,14間の結合が最大または完全である(すなわち、各領域の輝度が、対向する領域に寄与する影響を有する)ことを示し得る。
【0050】
他の実施形態では、交差項パラメータは、第1の領域12および第2の領域14のそれぞれの内部等の解剖学的管腔10の1つまたは複数の特性に基づいてプロセッサ142によって自動的に決定される動的変数であってよい。本例では、プロセッサ142は、各領域12,14の照度条件に基づいて交差項パラメータを自動的に調整し得る。例えば、プロセッサ142は、約10%~約90%の範囲の割合等の、対向する領域12,14の照度測定値の対応する割合に応じて交差項パラメータを決定し得る。
【0051】
他の例では、プロセッサ142は、対向する領域12,14の総面積の約10%~約90%の範囲のサブ領域等の、対向する領域12,14の空間サブ領域の照度測定値に応じて交差項パラメータを決定し得る。本例では、対向する領域12,14のサブ領域内に位置する複数のピクセルの照度測定値が決定されて、交差項パラメータの形態で各領域12,14の最終の(調整された)照度測定値に組み込まれ得る。
【0052】
さらなる例では、プロセッサ142は、これに限定されないが、各領域12,14内の複数のピクセル値の全ての度数分布(例えば、ヒストグラム分析)を含む1つまたは複数のプロセスに基づいて交差項パラメータを決定し得る。本例では、プロセッサ142は、複数のピクセル値の平均、メジアンピクセル値、複数のピクセル値のモード等に基づいて交差項パラメータを決定し得る。他の例では、領域12,14からの複数の画素値のヒストグラム分析は、2つ以上のガウス曲線(例えば、正規ベル曲線分布)に適合させることができる。本例では、交差項パラメータは、互いにガウス曲線の振幅および/または幅に基づいて決定(および調整)され得る。例として、プロセッサ142は、ヒストグラム分析の結果、高い強度値を表す第1のガウス曲線が、低い強度値を表す第2のガウス曲線に対して高い振幅および小さい(狭い)幅を有する場合、比較的低い交差項パラメータを計算し得る。さらなる例として、プロセッサ142は、ヒストグラム分析の結果、高い強度値を表す第1のガウス曲線が、低い強度値を表す第2のガウス曲線に対して低い振幅および大きい(広い)幅を有する場合、比較的高い交差項パラメータを計算し得る。
【0053】
例として、プロセッサ142は、それぞれの領域12,14のうちの1つ内における局所ピクセル値が外れ値照明強度(例えば、標的輝点および/または局所暗点)を含むと判定したことに応答して、照度測定値の調整(ステップ307,309)に対する外れ値測定値の過度の影響を緩和するように交差項パラメータを設定し得る。したがって、プロセッサ142は、第1の交差項パラメータによって第1の照度測定値を自動的に調整(ステップ307)することにより最終的な(調整された)第1の照度測定値を決定し、第2の交差項パラメータによって第2の照度測定値を自動的に調整(ステップ309)することにより最終的な(調整された)第2の照度測定値を決定し得る。
【0054】
ステップ310において、プロセッサ142は、上述したステップ210と同様な方法で、最終的な(調整された)第1の照度測定値(ステップ307)が第1の光源132の第1の輝度閾値を超えているかどうかを判定し得る。ステップ312において、プロセッサ142は、上述したステップ212と同様な方法で、最終的な(調整された)第2の照度測定値(ステップ309)が第2の光源134の第2の輝度閾値を超えているかどうかを判定し得る。
【0055】
ステップ310において、最終的な(調整された)第1の照度測定値が第1の輝度閾値を超えていると判定したことに応答して、プロセッサ142は、ステップ318において、第1の光源132からの光のエミッタンスを(ステップ218と同様に)減少させ得る。あるいは、ステップ310において、最終的な(調整された)第1の照度測定値が第1の輝度閾値を超えていないと判定したことに応答して、プロセッサ142は、ステップ314において、第1の光源132からの光のエミッタンスを(ステップ214と同様に)増加させ得る。
【0056】
ステップ312において、最終的な(調整された)第2の照度測定値が第2の輝度閾値を超えていると判定したことに応答して、プロセッサ142は、ステップ320において、第2の光源134からの光のエミッタンスを(ステップ220と同様に)減少させ得る。あるいは、ステップ312において、最終的な(調整された)第2の照度測定値が第2の輝度閾値を超えていないと判定したことに応答して、プロセッサ142は、ステップ316において、第2の光源134からの光のエミッタンスを(ステップ216と同様に)増加させ得る。したがって、光源132,134による解剖学的管腔10の照明は、各領域12,14の現在の可視性条件によってリアルタイムで自動的に決定され得る。
【0057】
プロセッサ142は、第1の光源132および/または第2の光源134からの光のエミッタンスをそれぞれ増加(ステップ314,316)および/または減少(ステップ318,320)させると、ステップ302に戻り得る。本例では、プロセッサ142は、照明制御ロジック146の1つまたは複数の命令を実行する際に、複数の周期で、所定の間隔で、および/または処置における医療システム100の連続使用中に連続的に、撮像装置130を用いて画像データ148を再捕捉することによって、方法300を周期的に(または連続的に)実行し得る。他の実施形態では、プロセッサ142は、第1の照度測定値および/または第2の照度測定値がそれぞれ第1の輝度閾値および/または第2の輝度閾値に等しいと判定すると、方法300の実行を停止し得る。
【0058】
ここで
図6を参照すると、標的治療部位(例えば、解剖学的管腔10)を照射するために医療システム100を使用する別の例示的方法400が概略的に示されている。
図6の図示および関連する以下の説明は、本明細書で説明する主題を特定の方法に限定することを意味しない。以下に別段の記載がある場合を除いて、方法400のステップのうちの1つ以上は、上述したおよび図示した方法200,300と同様とすることができる。例えば、プロセッサ142は、上述した方法200と同様な方法で、画像データ148を捕捉し(ステップ402)、画像データ148に基づいて解剖学的管腔10内の各領域12,14の対応する位置を決定する(ステップ404)ように構成され得る。
【0059】
ステップ405において、プロセッサ142は、照明制御ロジック146に従って1つまたは複数の命令を実行することで、画像データ148に基づいて解剖学的管腔10内の第1の領域12の面積および/またはサイズを決定し得る。ステップ407において、プロセッサ142は、画像データ148に基づいて解剖学的管腔10内の第2の領域14の面積および/またはサイズを決定し得る。第1の領域12および第2の領域14の面積および/またはサイズは、各領域12,14において受光される、それぞれ対応する第1のライト133および第2のライト135による光の分布を示し得る。換言すれば、各領域12,14のサイズは、解剖学的管腔10のそれぞれの領域12,14上に伝達される各光源132,134からの輝度の集中を決定し得る。
【0060】
例えば、比較的狭いサイズおよび/またはプロファイルを有する領域12,14は、他の領域12,14に向けられたそれぞれのライト133,135によってより大きな分布の光を受け取ることができ、これにより、当該領域12,14内の照度測定値は、比較的広いサイズおよび/またはプロファイルを有する別の領域12,14よりも相対的に大きくなり得る。換言すれば、プロセッサ142は、比較的小さいサイズを有する領域12,14は、他の光源132,134(当該領域12,14を照明するように向けられていない)が、その狭いプロファイルを与えられた当該領域12,14の全照明に対してより大きな寄与をもたらし得ることを決定し得る。
【0061】
対照的に、プロセッサ142は、比較的大きいサイズを有する領域12,14は、その広いプロファイルを前提として、他の光源132,134(当該領域12,14を照明するように向けられていない)が当該領域12,14の全照明に対して最小の寄与をもたらし得ることを決定し得る。プロセッサ142は、深さ、幅、高さ、形状等の各領域12,14のサイズを決定する際に、解剖学的管腔10の種々の寸法特性を考慮し得る。いくつかの実施形態では、捕捉画像(画像データ148)内で鮮明なコントラストを示すピクセル値は、領域12,14の周囲境界を画定するピクセル位置に対応し得る。
【0062】
さらなる例では、プロセッサ142は、これに限定されないが、各領域12,14内の複数のピクセル値の頻度分布(例えば、ヒストグラム分析)を含む1つまたは複数のプロセスに基づいて各領域12,14のサイズを決定し得る。本例では、プロセッサ142は、解剖学的管腔10内の領域12,14のそれぞれの広がりおよび深さを決定し得る。一実施形態では、各領域12,14のサイズは、各領域12,14での得られた強度の表面プロットまたは勾配に基づいて決定され得る。本例では、領域12,14のうちの1つ内における強度の比較的急激な変化は、(例えば、他の領域からの)二次光源の影響が漸減し得る、対応する領域12,14の境界の位置を示し得る。したがって、プロセッサ142は、撮像センサ131により捕捉された画像データ148に基づいて、ステップ405で第1の領域12のサイズを自動的に調整し得るとともに、ステップ407で第2の領域14のサイズを自動的に調整し得る。
【0063】
ステップ406において、プロセッサ142は、上述したステップ206と同様な方法で、第1の領域12の決定されたサイズ(ステップ405)に基づいて第1の領域12の第1の照度測定値を決定し得る。ステップ408において、プロセッサ142は、上述したステップ208と同様な方法で、第2の領域14の決定されたサイズ(ステップ407)に基づいて第2の領域14の第2の照度測定値を決定し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、各領域12,14のサイズを決定した際に、プロセッサ142は、ステップ307で上述したように、第1の交差項パラメータを利用することにより、第1の領域12の第1の照度測定値を決定するときに第1の領域12に対する第2のライト135の影響を考慮し得る。さらに、プロセッサ142は、ステップ309で上述したように、第2の交差項パラメータを利用することにより、第2の領域14の第2の照度測定値を決定するときに第2の領域14に対する第1のライト133による照明のオーバーラップを考慮し得る。
【0065】
例えば、プロセッサ142は、画像データ148に基づいて解剖学的管腔10が比較的狭い第2の領域14を有すると判定したことに応答して、第1の交差項パラメータを用いて第1の照度測定値を調整することにより、第1の領域12の照度に対する第2のライト135によるより大きな寄与を考慮に入れ得る。代替的に、プロセッサ142は、解剖学的管腔10が比較的広い第2の領域14を有すると判定したことに応答して、第1の照度測定値を第1の交差項パラメータで調整する際に第2のライト135が第1の領域12の最小照度をもたらすと決定し得る。
【0066】
さらなる例として、プロセッサ142は、解剖学的管腔10が比較的狭い第1の領域12を有すると判定したことに応答して、第2の交差項パラメータを用いて第2の照度測定値を調整することにより、第2の領域14の照度に対する第1のライト133によるより大きな寄与を考慮に入れ得る。代替的に、プロセッサ142は、解剖学的管腔10が比較的広い第1の領域12を有すると判定したことに応答して、第2の照度測定値を第2の交差項パラメータで調整する際に第1のライト133が第2の領域14の最小照度をもたらすと判定し得る。
【0067】
ステップ410において、プロセッサ142は、上述したステップ210と同様な方法で、第1の照度測定値(ステップ406)が第1の光源132の第1の輝度閾値を超えているかどうかを判定し得る。ステップ412において、プロセッサ142は、上述したステップ212と同様な方法で、第2の照度測定値(ステップ408)が第2の光源134の第2の輝度閾値を超えているかどうかを判定し得る。プロセッサ142は、ステップ410で第1の照度測定値が第1の輝度閾値を超えていると判定したことに応答して、ステップ418において、第1の光源132からの光のエミッタンスを減少させ得る。あるいは、プロセッサ142は、ステップ410で第1の照度測定値が第1の輝度閾値を超えていないと判定したことに応答して、ステップ414において、第1の光源132からの光のエミッタンスを増加させ得る。
【0068】
プロセッサ142は、ステップ412で第2の照度測定値が第2の輝度閾値を超えていると判定したことに応答して、ステップ420において、第2の光源134からの光のエミッタンスを減少させ得る。あるいは、プロセッサ142は、ステップ412で第2の照度測定値が第2の輝度閾値を超えていないと判定したことに応答して、ステップ416において、第2の光源134からの光のエミッタンスを増加させ得る。したがって、光源132,134による解剖学的管腔10の照明は、各領域12,14の現在の可視性条件によってリアルタイムで自動的に決定され得る。
【0069】
プロセッサ142は、第1の光源132および/または第2の光源134からの光のエミッタンスをそれぞれ増加(ステップ414,416)および/または減少(ステップ418,420)させると、ステップ402に戻り得る。本例では、プロセッサ142は、照明制御ロジック146の1つまたは複数の命令を実行する際に、複数の周期で、所定の間隔で、および/または医療システム100の継続的な使用による作動中に、撮像装置130を用いて画像データ148を再捕捉することによって、方法400を周期的に(または連続的に)実行し得る。他の実施形態では、プロセッサ142は、第1の照度測定値および/または第2の照度測定値がそれぞれ第1の輝度閾値および/または第2の輝度閾値に等しいと判定すると、方法400の実行を停止し得る。
【0070】
上述したシステム、装置、アセンブリ、および方法の各々は、標的部位の位置を検出、測定、および照明するために使用され得る。複数の照明装置の照明出力を自動的に制御する演算装置を含む医療システムを提供することによって、ユーザは、処置中に対象者の身体内で最適な可視性を有することができ、これにより、ユーザは、全体的な処置時間を短縮することを可能とし、処置の効率を高め、標的治療部位における不十分な可視性によって引き起こされる対象者の身体への不必要な害を回避することを可能にする。上述した方法はさらに、ユーザの介入を必要とすることなく上述したシステムおよび装置の処理をシミュレートするように構成されるとともに動作可能なアルゴリズムであって、人工知能の形態での1つまたは複数の自動化機械によるアプリケーション用のアルゴリズムをトレーニングするために使用され得る。
【0071】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示された装置および方法において種々の変形および変更が行われ得ることが当業者には明らかである。開示された装置は、種々の適切なコンピュータシステムおよび/または複数のハードウェアコンポーネントを組み込んだ演算ユニット、例えば、プロセッサおよび非一時的コンピュータ可読媒体などを含み得るものであり、これらは、本明細書に記載された動作にしたがって、装置が処置中に1つまたは複数の動作を実行することを可能にする。本開示の他の態様は、本明細書の考慮および本明細書に開示された特徴の実施から当業者には明らかである。本明細書および実施例は単に例示として考慮されるべきことが意図されている。
【0072】
種々のシステムは、任意の演算装置を含み得る。演算装置は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、モニタ、ディスプレイなどの入力装置および出力装置と接続するための入力ポートおよび出力ポートを含み得る。もちろん、種々のシステム機能は、処理負荷を分散させるために、いくつかの同様のプラットフォーム上において分散方式で実装され得る。代替的に、システムは、1つのコンピュータハードウェアプラットフォームの適切なプログラミングによって実装され得る。
【0073】
一実施形態において、開示されたシステム、方法、および/またはグラフィカルユーザインターフェースのうちのいずれかは、本明細書の説明と一致または類似する演算システムによって実行または実装され得る。必須ではないが、本開示の態様は、データ処理装置、例えば、サーバコンピュータ、ワイヤレス装置、および/またはパーソナルコンピュータによって実行されるルーチンなど、コンピュータ実行可能命令のコンテキストにおいて説明される。本開示の態様は、インターネット装置、ハンドヘルド装置(携帯情報端末(「PDA」)を含む)、ウェアラブルコンピュータ、任意の種類のセルラーまたはモバイルフォン(ボイスオーバIP(「VoIP」)フォンを含む)、ダム端末、メディアプレーヤ、ゲーム装置、仮想現実装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのまたはプログラム可能なコンシューマ電子機器、セットトップボックス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む他の通信、データ処理、またはコンピュータシステム構成を用いて実施され得ることが当業者ならば理解し得る。なお、「コンピュータ」、「演算装置」などの用語は、本明細書では概して互換的に使用され、上記した装置およびシステムの任意のいずれか、ならびに任意のデータプロセッサを指す。
【0074】
本開示の態様は、本明細書で詳細に説明したコンピュータ実行可能命令のうちの1つ以上を実行するように特にプログラムされ、構成され、および/または構築される専用コンピュータおよび/またはデータプロセッサにおいて具現化され得る。ある機能などの本開示の態様は、単一の装置上で排他的に実行されるものとして説明されているが、本開示は、機能またはモジュールが、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、および/またはインターネットなどの通信ネットワークを介してリンクされた異なる処理装置間で共有される分散環境で実施することもできる。同様に、複数の装置を含むものとして本明細書で提示されている技術は、単一の装置において実装することができる。分散型の演算環境では、プログラムモジュールは、ローカルおよび/またはリモートのメモリ記憶装置の両方に配置され得る。
【0075】
本開示の態様は、磁気的または光学的に読み取り可能なコンピュータディスク、ハードワイヤードまたは予めプログラムされたチップ(例えば、EEPROM半導体チップ)、ナノテクノロジーメモリ、生物学的メモリ、または他のデータ記憶媒体を含む、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶および/または分散され得る。代替的に、本開示の態様の下でのコンピュータ実装命令、データ構造、画面表示、および他のデータは、ある期間にわたって伝搬媒体上の伝搬信号(例えば、電磁波、音波など)上で、インターネットおよび/または他のネットワーク(ワイヤレスネットワークを含む)を介して配信され得る、ならびに/あるいは任意のアナログまたはデジタルネットワーク(パケット交換、回線交換、または他の方式)上で提供され得る。
【0076】
本技術のプログラム態様は、典型的には、あるタイプの機械可読媒体上で搬送されるかまたはその媒体内に具現化される実行可能コードおよび/または関連データの形態の「製品」または「物品」と考えることができる。「記憶」タイプの媒体は、ソフトウェアプログラミングのための任意のタイミングでの非一時的ストレージを提供し得る、種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなど、コンピュータやプロセッサなどの有形メモリあるいはそれらの関連モジュールの有形メモリのうちのいずれかまたはすべてを含む。ソフトウェアのすべてまたは一部は、場合によってはインターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを介して通信され得る。このような通信は、例えば1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへの、例えば、モバイル通信ネットワークの管理サーバまたはホストコンピュータからサーバのコンピュータプラットフォームへの、および/またはサーバからモバイル装置へのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担持し得る別のタイプの媒体は、ローカル装置間の物理インターフェースにわたって使用されるような、また、有線および光地上通信線ネットワークを通して使用されるような、また、種々のエアリンクを介して使用されるような、光、電気、および電磁波を含む。有線または無線のリンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理的要素も、ソフトウェアを担持する媒体とみなすことができる。本明細書で使用されるコンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、非一時的な有形の「記憶」媒体に限定されない限り、実行のためにプロセッサに命令を与えることに関与する任意の媒体を指す。
【0077】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたシステム、方法、および装置に対して種々の変形および変更が行われ得ることが当業者には明らかである。本開示の他の実施形態は、本明細書の考慮および本明細書に開示された本発明の実施により当業者には明らかである。本明細書および実施例は例示としてのみ考慮されるべきものであり、本発明の真の範囲および思想は特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
【国際調査報告】