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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】熱電素子
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/817 20230101AFI20240711BHJP
【FI】
H10N10/817
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501693
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 KR2022010134
(87)【国際公開番号】W WO2023287167
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090956
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,マンヘ
(72)【発明者】
【氏名】イ,セウン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンウイ
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る熱電素子は第1基板、前記第1基板上に配置された絶縁層、前記絶縁層上に配置された第1電極、前記第1電極上に配置された接合層、前記接合層上に配置された半導体構造物、前記半導体構造物上に配置された第2電極、そして前記第2電極上に配置された第2基板を含み、前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重なる第1凹面を含み、前記接合層は前記第1凹面および前記半導体構造物と垂直に重なる第1領域および前記第1凹面と垂直に重なり前記半導体構造物と垂直に重ならない第2領域を含み、前記第1領域のボイド(void)密度は前記第2領域のボイド密度より小さい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板、
前記第1基板上に配置された絶縁層、
前記絶縁層上に配置された第1電極、
前記第1電極上に配置された接合層、
前記接合層上に配置された半導体構造物、
前記半導体構造物上に配置された第2電極、そして
前記第2電極上に配置された第2基板を含み、
前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重なる第1凹面を含み、
前記接合層は前記第1凹面および前記半導体構造物と垂直に重なる第1領域および前記第1凹面と垂直に重なり前記半導体構造物と垂直に重ならない第2領域を含み、
前記第1領域のボイド(void)密度は前記第2領域のボイド密度より小さい、熱電素子。
【請求項2】
前記第2領域は前記第1領域を囲むように配置された、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項3】
前記第2領域の最高厚さは前記第1領域の最高厚さより大きい、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項4】
前記第2領域の少なくとも一部は前記半導体構造物の側面に配置された、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項5】
前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重ならない第2凹面をさらに含み、前記接合層は前記第1電極の側面で前記第2凹面と垂直に重なる第3領域をさらに含む、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項6】
前記接合層の面積は前記半導体構造物の面積の1.4倍以下である、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項7】
前記半導体構造物は前記第1電極上で互いに離隔するように配置された第1半導体素子および第2半導体素子を含み、
前記接合層は前記第1電極と前記第1半導体素子間に配置された第1接合層および前記第1電極と前記第2半導体素子間に配置された第2接合層を含み、
前記第1接合層および前記第2接合層はそれぞれ前記第1半導体素子および前記第2半導体素子と垂直に重ならない領域を含む、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項8】
前記第1接合層および前記第2接合層は前記第1電極上で互いに離隔するように配置された、請求項7に記載の熱電素子。
【請求項9】
前記第1電極と前記第1接合層間に配置された第1メッキ層および前記第1電極と前記第2接合層間に配置された第2メッキ層をさらに含み、
前記第1メッキ層および前記第2メッキ層それぞれの面積は前記第1半導体素子および前記第2半導体素子が前記第1電極に向かうように配置された面それぞれの面積以上であり、前記第1メッキ層の面積および前記第2メッキ層の面積の和は前記第1電極の面積より小さい、請求項7に記載の熱電素子。
【請求項10】
前記絶縁層は前記第1基板上に配置された第1絶縁層、そして前記第1絶縁層上に配置された第2絶縁層を含み、前記第1凹面および前記第2凹面は前記第2絶縁層に含まれる、請求項1に記載の熱電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電現象は材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象であって、熱と電気の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
【0003】
熱電素子は熱電現象を利用する素子を総称し、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合対を形成する構造を有する。
【0004】
熱電素子は電気抵抗の温度変化を利用する素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を利用する素子、電流による吸熱または発熱が発生する現象であるペルティエ効果を利用する素子などに区分され得る。
【0005】
熱電素子は家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これに伴い、熱電素子の熱電性能に対する要求はますます高まっている。
【0006】
熱電素子は基板、電極および熱電レッグを含み、上部基板と下部基板の間に複数の熱電レッグがアレイ形態で配置され、複数の熱電レッグと上部基板の間に複数の上部電極が配置され、複数の熱電レッグとおよび下部基板の間に複数の下部電極が配置される。
【0007】
熱電素子の製造工程上基板、電極および熱電レッグ間の接合のために高温の環境で処理され得る。一般的に、電極および熱電レッグはソルダー層が塗布された電極上に熱電レッグを配置した後、高温で処理するリフロー(reflow)過程を通じて接合され得る。リフロー過程を経たソルダー層内には多数のボイド(void)が存在し得る。図1は、リフロー後のソルダー層内に存在するボイドを示す写真である。図1を参照すると、電極と熱電レッグの間に配置される領域内に多数のボイドが存在することが分かる。このようなボイドによって電極と熱電レッグ間の接合力、熱伝導度および電気伝導度が低くなり得、その結果、熱電素子の信頼性が低くなり得る。
【0008】
また、電極上にソルダー層が過量塗布された場合、リフロー過程を経ながら溶けたソルダー層上で熱電レッグが滑ったり歪んだりし得る。これに伴い、熱電レッグと電極が互いに密接に接合され得なかったり、一対の熱電レッグ間でショートが発生する問題が発生したりし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が達成しようとする技術的課題は、信頼性が優秀な熱電素子を提供することである。
【0010】
本発明が達成しようとする技術的課題は、電極と熱電レッグ間の接合力を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例に係る熱電素子は第1基板、前記第1基板上に配置された絶縁層、前記絶縁層上に配置された第1電極、前記第1電極上に配置された接合層、前記接合層上に配置された半導体構造物、前記半導体構造物上に配置された第2電極、そして前記第2電極上に配置された第2基板を含み、前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重なる第1凹面を含み、前記接合層は前記第1凹面および前記半導体構造物と垂直に重なる第1領域および前記第1凹面と垂直に重なり前記半導体構造物と垂直に重ならない第2領域を含み、前記第1領域のボイド(void)密度は前記第2領域のボイド密度より小さい。
【0012】
前記第2領域は前記第1領域を囲むように配置され得る。
【0013】
前記第2領域の最高厚さは前記第1領域の最高厚さより大きくてもよい。
【0014】
前記第2領域の少なくとも一部は前記半導体構造物の側面に配置され得る。
【0015】
前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重ならない第2凹面をさらに含み、前記接合層は前記第1電極の側面で前記第2凹面と垂直に重なる第3領域をさらに含むことができる。
【0016】
前記第3領域は前記第2凹面と接触しなくてもよい。
【0017】
前記接合層はソルダーを含むことができる。
【0018】
前記接合層の面積は前記半導体構造物の面積の1.4倍以下であり得る。
【0019】
前記半導体構造物は前記第1電極上で互いに離隔するように配置された第1半導体素子および第2半導体素子を含み、前記接合層は前記第1電極と前記第1半導体素子間に配置された第1接合層および前記第1電極と前記第2半導体素子間に配置された第2接合層を含み、前記第1接合層および前記第2接合層はそれぞれ前記第1半導体素子および前記第2半導体素子と垂直に重ならない領域を含むことができる。
【0020】
前記第1接合層および前記第2接合層は前記第1電極上で互いに離隔するように配置され得る。
【0021】
前記第1接合層および前記第2接合層は前記第1半導体素子および前記第2半導体素子の間の前記第1電極上で互いに連結され得る。
【0022】
前記第1電極と前記第1接合層間に配置された第1メッキ層および前記第1電極と前記第2接合層間に配置された第2メッキ層をさらに含み、前記第1メッキ層および前記第2メッキ層それぞれの面積は前記第1半導体素子および前記第2半導体素子が前記第1電極に向かうように配置された面それぞれの面積以上であり、前記第1メッキ層の面積および前記第2メッキ層の面積の和は前記第1電極の面積より小さくてもよい。
【0023】
前記絶縁層は前記第1基板上に配置された第1絶縁層、そして前記第1絶縁層上に配置された第2絶縁層を含み、前記第1凹面および前記第2凹面は前記第2絶縁層に含まれ得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例によると、熱伝導性能および接合性能が優秀で、信頼性が高い熱電素子を得ることができる。また、本発明の実施例によると、低温部と高温部間の要求される性能差をすべて満足させる熱電素子を得ることができる。
【0025】
本発明の実施例に係る熱電素子は小型で具現されるアプリケーションだけでなく、車両、船舶、製鉄所、焼却炉などのように大型で具現されるアプリケーションでも適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】リフロー後のソルダー層内に存在するボイドを示す写真である。
【0027】
図2】熱電素子の断面図である。
【0028】
図3】熱電素子の斜視図である。
【0029】
図4】シーリング部材を含む熱電素子の斜視図である。
【0030】
図5】シーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
【0031】
図6】本発明の一実施例に係る熱電素子の断面図である。
【0032】
図7】本発明の一実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0033】
図8】本発明の一実施例に係る熱電素子に含まれる第1電極および接合層の上面図である。
【0034】
図9】本発明の他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
図10】本発明の他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
図11】本発明の他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0035】
図12】本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
図13】本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0036】
図14】本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0037】
図15】本発明の実施例に係る熱電素子内のソルダー層に存在するボイドを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0039】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0040】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0041】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
【0042】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0043】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0044】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0045】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0046】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は2個の構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上のさらに他の構成要素が2個の構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0047】
図2は熱電素子の断面図であり、図3は熱電素子の斜視図である。図4はシーリング部材を含む熱電素子の斜視図であり、図5はシーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
【0048】
図2~3を参照すると、熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0049】
下部電極120は下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の下部底面の間に配置され、上部電極150は上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の上部底面の間に配置される。これに伴い、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140は下部電極120および上部電極150によって電気的に連結される。下部電極120と上部電極150の間に配置され、電気的に連結される一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は単位セルを形成することができる。
【0050】
例えば、口出し線181、182を通じて下部電極120および上部電極150に電圧を印加すると、ペルティエ効果によってP型熱電レッグ130からN型熱電レッグ140に電流が流れる基板は熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電レッグ140からP型熱電レッグ130に電流が流れる基板は加熱して発熱部として作用することができる。または下部電極120および上部電極150間に温度差を加えると、ゼーベック効果によってP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140内の電荷が移動し、電気が発生することもある。
【0051】
図2図5で口出し線181、182が下部基板110に配置されるものとして図示されているが、これに制限されるものではなく、口出し線181、182が上部基板160に配置されたり、口出し線181、182のうち一つが下部基板110に配置され、残りの一つが上部基板160に配置されてもよい。
【0052】
ここで、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はビスマス(Bi)およびテルル(Te)を主原料で含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。P型熱電レッグ130はアンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、P型熱電レッグ130は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Sb-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。N型熱電レッグ140はセレン(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、N型熱電レッグ140は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Se-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。これに伴い、本明細書で熱電レッグは半導体構造物、半導体素子、半導体材料層、半導体物質層、半導体素材層、導電性半導体構造物、熱電構造物、熱電材料層、熱電物質層、熱電素材層などで指称されてもよい。
【0053】
P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はバルク型または積層型で形成され得る。一般的にバルク型P型熱電レッグ130またはバルク型N型熱電レッグ140は熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕し篩分けして熱電レッグ用粉末を獲得した後、これを焼結して、焼結体をカッティングする過程を通じて得られ得る。この時、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグであり得る。このように、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグである場合、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の強度が高くなり得る。積層型P型熱電レッグ130または積層型N型熱電レッグ140はシート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層しカッティングする過程を通じて得られ得る。
【0054】
この時、一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は同じ形状および体積を有するか、互いに異なる形状および体積を有することができる。例えば、P型熱電レッグ130とN型熱電レッグ140の電気伝導特性が異なるので、N型熱電レッグ140の高さまたは断面積をP型熱電レッグ130の高さまたは断面積と異なるように形成してもよい。
【0055】
この時、P型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は円筒形状、多角柱形状、楕円形柱形状などを有することができる。
【0056】
またはP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は積層型構造を有してもよい。例えば、P型熱電レッグまたはN型熱電レッグはシート状の基材に半導体物質が塗布された複数の構造物を積層した後、これを切断する方法で形成され得る。これに伴い、材料の損失を防ぎ電気伝導特性を向上させることができる。各構造物は開口パターンを有する伝導性層をさらに含むことができ、これに伴い、構造物間の接着力を高め、熱伝導度を低くし、電気伝導度を高めることができる。
【0057】
またはP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は一つの熱電レッグ内で断面積が異なるように形成されてもよい。例えば、一つの熱電レッグ内で電極に向かうように配置される両端部の断面積が両端部の間の断面積より大きく形成されてもよい。これによると、両端部間の温度差を大きく形成できるので、熱電効率が高くなり得る。
【0058】
本発明の一実施例に係る熱電素子の性能は熱電性能指数(figure of merit、ZT)で示すことができる。熱電性能指数(ZT)は数学式1のように示すことができる。
【0059】
【数1】
【0060】
ここで、αはゼーベック係数[V/K]であり、σは電気伝導度[S/m]であり、ασはパワー因子(Power Factor、[W/mK])である。そして、Tは温度で、kは熱伝導度[W/mK]である。kはa・cp・ρで示すことができ、aは熱拡散度[cm/S]で、cpは比熱[J/gK]であり、ρは密度[g/cm]である。
【0061】
熱電素子の熱電性能指数を得るために、Zメーターを利用してZ値(V/K)を測定し、測定したZ値を利用して熱電性能指数(ZT)を計算することができる。
【0062】
ここで、下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される下部電極120、そして上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される上部電極150は銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)およびニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含み、0.01mm~0.3mmの厚さを有することができる。下部電極120または上部電極150の厚さが0.01mm未満である場合、電極として機能が落ちることになって電気伝導性能が低くなり得、0.3mmを超過する場合、抵抗の増加によって伝導効率が低くなり得る。
【0063】
そして、互いに対向する下部基板110と上部基板160は金属基板であり得、その厚さは0.1mm~1.5mmであり得る。金属基板の厚さが0.1mm未満であるか、1.5mmを超過する場合、放熱特性または熱伝導率が過度に高くなり得るため、熱電素子の信頼性が低下し得る。また、下部基板110と上部基板160が金属基板である場合、下部基板110と下部電極120の間および上部基板160と上部電極150の間にはそれぞれ絶縁層170がさらに形成され得る。絶縁層170は1~20W/mKの熱伝導度を有する素材を含むことができる。
【0064】
この時、下部基板110と上部基板160の大きさは異なるように形成されてもよい。例えば、下部基板110と上部基板160のうち一つの体積、厚さまたは面積は他の一つの体積、厚さまたは面積より大きく形成され得る。これに伴い、熱電素子の吸熱性能または放熱性能を高めることができる。例えば、ゼーベック効果のために高温領域に配置されたり、ペルティエ効果のために発熱領域に適用されたりまたは熱電モジュールの外部環境から保護のためのシーリング部材が配置される基板の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つが異なる基板の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つよりさらに大きくてもよい。
【0065】
また、下部基板110と上部基板160のうち少なくとも一つの表面には放熱パターン、例えば凹凸パターンが形成されてもよい。これに伴い、熱電素子の放熱性能を高めることができる。凹凸パターンがP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140と接触する面に形成される場合、熱電レッグと基板間の接合特性も向上し得る。熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
【0066】
図4図5に図示された通り、下部基板110と上部基板160の間にはシーリング部材190がさらに配置されてもよい。シーリング部材190は下部基板110と上部基板160の間で下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150の側面に配置され得る。これに伴い、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150は外部の湿気、熱、汚染などからシーリングされ得る。ここで、シーリング部材190は、複数の下部電極120の最外郭、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140の最外郭および複数の上部電極150の最外郭の側面から所定距離離隔して配置されるシーリングケース192、シーリングケース192と下部基板110の間に配置されるシーリング材194およびシーリングケース192と上部基板160の間に配置されるシーリング材196を含むことができる。このように、シーリングケース192はシーリング材194、196を媒介として下部基板110および上部基板160と接触することができる。これに伴い、シーリングケース192が下部基板110および上部基板160と直接接触する場合、シーリングケース192を通じて熱伝導が起きることになり、その結果、下部基板110と上部基板160間の温度差が低くなる問題を防止することができる。ここで、シーリング材194、196はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つを含むか、エポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つが両面に塗布されたテープを含むことができる。シーリング材194、194はシーリングケース192と下部基板110の間およびシーリングケース192と上部基板160の間を気密にする役割をし、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150のシーリング効果を高めることができ、仕上げ材、仕上げ層、防水材、防水層などと混用され得る。ここで、シーリングケース192と下部基板110の間をシーリングするシーリング材194は下部基板110の上面に配置され、シーリングケース192と上部基板160の間をシーリングするシーリング材196は上部基板160の側面に配置され得る。一方、シーリングケース192には電極に連結された口出し線181、182を引き出すためのガイド溝Gが形成され得る。このために、シーリングケース192はプラスチックなどからなる射出成形物であり得、シーリングカバーと混用され得る。ただし、シーリング部材に関する以上の説明は例示に過ぎず、シーリング部材は多様な形態に変形され得る。図示してはいないが、シーリング部材を囲むように断熱材がさらに含まれてもよい。またはシーリング部材は断熱成分を含んでもよい。
【0067】
以上で、下部基板110、下部電極120、上部電極150および上部基板160という用語を使っているが、これは理解の容易および説明の便宜のために任意に上部および下部と指称したものに過ぎず、下部基板110および下部電極120が上部に配置され、上部電極150および上部基板160が下部に配置されるように位置が逆転されてもよい。
【0068】
一方、本発明の実施例によると、電極と熱電レッグはソルダーによって接合され得る。電極と熱電レッグを接合するためのリフロー工程後、ソルダーに残っているボイド(void)は熱電素子の信頼性を低下させ得る。本発明の実施例によると、電極と熱電レッグ間のソルダー内ボイドを最小化して熱電素子の長期的な信頼性を改善しようとする。
【0069】
図6は、本発明の一実施例に係る熱電素子の断面図である。図2図5で説明した内容と同じ内容については重複した説明を省略する。
【0070】
図6を参照すると、本発明の実施例に係る熱電素子300は第1基板310、第1基板310上に配置された第1絶縁層320、第1絶縁層320上に配置された複数の第1電極330、複数の第1電極330上に配置された複数のP型熱電レッグ340および複数のN型熱電レッグ350、複数のP型熱電レッグ340および複数のN型熱電レッグ350上に配置された複数の第2電極360、複数の第2電極360上に配置された第2絶縁層370および第2絶縁層370上に配置された第2基板380を含む。
【0071】
第1基板310、第1電極330、P型熱電レッグ340、N型熱電レッグ350、第2電極360および第2基板380それぞれに対して、図2図5の第1基板110、第1電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、第2電極150および第2基板160に対する説明が同一に適用され得る。
【0072】
図6に図示してはいないが、第1基板310または第2基板380にはヒートシンクがさらに配置され得、第1基板310と第2基板380の間にはシーリング部材がさらに配置されてもよい。
【0073】
本発明の実施例によると、第1基板310上に第1絶縁層320が配置され、第1絶縁層320上に第1電極330が配置される。この時、第1電極330の側面の一部は第1絶縁層320内に埋め立てられ得る。例えば、第1絶縁層320内に埋め立てられた複数の第1電極330の側面の高さH1は複数の第1電極330の厚さHの0.1~1倍、好ましくは0.2~0.9倍、さらに好ましくは0.3~0.8倍であり得る。このように、複数の第1電極330の側面の一部が第1絶縁層320内に埋め立てられると、複数の第1電極330と第1絶縁層320間の接触面積が広くなることになり、これに伴い、複数の第1電極330と第1絶縁層320間の熱伝達性能および接合強度がさらに高くなり得る。第1絶縁層320内に埋め立てられた複数の第1電極330の側面の高さH1が複数の第1電極330の厚さHの0.1倍未満である場合、複数の第1電極330と第1絶縁層320間の熱伝達性能および接合強度を十分に得ることが困難であり得、第1絶縁層320内に埋め立てられた複数の第1電極330の側面の高さH1が複数の第1電極330の厚さHの1倍を超過する場合、第1絶縁層320が複数の第1電極330上に上がってき得、これに伴い、電気的に短絡される可能性がある。
【0074】
これによると、第1絶縁層320の上面は第1電極330と垂直に重なる第1凹面320R1および第1電極330と垂直に重ならない第2凹面320R2を含むことができる。第1電極330は第1凹面320R1上に配置され、第1凹面320R1と第1基板310間の第1垂直距離T1は第2凹面320R2と第1基板310間の第2垂直距離T2~T3より小さくてもよい。さらに詳しくは、複数の第1電極330の間で第1絶縁層320の厚さはそれぞれの電極の側面から中心領域に行くほど減少して、頂点がゆるやかな「V」状を有し得る。したがって、複数の第1電極330の間の第1絶縁層320は厚さの偏差を有し、複数の第1電極330の側面と直接接触する領域での高さT2が最も高く、中心領域での高さT3は複数の第1電極330の側面と直接接触する領域での高さT2より低くてもよい。すなわち、複数の第1電極330の間の第1絶縁層320の中心領域の高さT3は複数の第1電極330の間の第1絶縁層320内で最も低くてもよい。また、複数の第1電極330の下の第1絶縁層320の高さT1は複数の第1電極330の間の第1絶縁層320の中心領域の高さT3より低くてもよい。第1絶縁層320が第2凹面320R2を含むことによって、第1絶縁層に印加される応力を緩和でき、絶縁層のクラックや剥離などの問題を改善することができる。
【0075】
また、第1凹面320R1の幅は第2凹面320R2の幅より大きく配置され得る。したがって、電極を基板上にコンパクトに配置する構造が可能となり得、熱電素子の発電性能または温度調節性能を改善することができる。
【0076】
一方、図示してはいないが、第1絶縁層320は第1基板310上に配置される第1-1絶縁層および第1-1絶縁層上に配置される第1-2絶縁層を含むことができ、第1凹面320R1および第2凹面320R2は第1-2絶縁層に含まれ得る。この時、第1-1絶縁層は例示的に樹脂物質を含むことができ、シリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)および無機充填材を含むことができる。ここで、複合体はSi元素とAl元素を含む無機物とアルキルチェーンで構成された有機/無機複合体であり得、シリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物および窒化物のうち少なくとも一つであり得る。例えば、複合体はAl-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合およびAl-O結合のうち少なくとも一つを含むことができる。このように、Al-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合およびAl-O結合のうち少なくとも一つを含む複合体は絶縁性能が優秀であり、これに伴い高い耐電圧性能を得ることができる。または複合体はシリコンおよびアルミニウムと共にチタン、ジルコニウム、ホウ素、亜鉛などをさらに含む酸化物、炭化物、窒化物であってもよい。このために、複合体は無機バインダーおよび有機/無機混合バインダーのうち少なくとも一つとアルミニウムを混合した後、熱処理する過程を通じて得られ得る。無機バインダーは、例えばシリカ(SiO)、金属アルコキシド、酸化ホウ素(B)および酸化亜鉛(ZnO)のうち少なくとも一つを含むことができる。無機バインダーは無機粒子であるものの、水に接するとゾルまたはゲル化されてバインディングの役割をすることができる。この時、シリカ(SiO)、金属アルコキシドおよび酸化ホウ素(B)のうち少なくとも一つはアルミニウム間密着力または第1基板310との密着力を高める役割をし、酸化亜鉛(ZnO)は第1-1絶縁層の強度を高め、熱伝導率を高める役割をすることができる。無機充填材は複合体内に分散され得、酸化アルミニウムおよび窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素および窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0077】
一方、第1-2絶縁層はエポキシ樹脂および無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物およびPDMS(polydimethylsiloxane)を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなり得る。これに伴い、第1-2絶縁層は第1-1絶縁層と第1電極330間の絶縁性、接合力および熱伝導性能を向上させることができる。
【0078】
ここで、無機充填材は樹脂層の60~80wt%で含まれ得る。無機充填材が60wt%未満で含まれると、熱伝導効果が低くなり得、無機充填材が80wt%を超過して含まれると無機充填材が樹脂内に均一に分散され難く、樹脂層は容易に壊れ得る。
【0079】
そして、エポキシ樹脂はエポキシ化合物および硬化剤を含むことができる。この時、エポキシ化合物10体積比に対して硬化剤1~10体積比で含まれ得る。ここで、エポキシ化合物は結晶性エポキシ化合物、非結晶性エポキシ化合物およびシリコンエポキシ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。無機充填材は酸化アルミニウムおよび窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素および窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0080】
これによると、第1-1絶縁層および第1-2絶縁層の組成は互いに異なり、これに伴い、第1-1絶縁層および第1-2絶縁層の硬度、弾性係数、引張強度、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つが変わり得、これに伴い、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能および熱衝撃緩和性能などを制御することが可能である。この時、第1-2絶縁層の厚さは第1-1絶縁層の厚さの1倍超過3.5倍以下、好ましくは1.05倍以上2倍以下、さらに好ましくは1.1倍以上~1.5倍以下であり得る。第1-1絶縁層の厚さおよび第1-2絶縁層の厚さがそれぞれこのような数値範囲を満足させる場合、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能および熱衝撃緩和性能を同時に得ることが可能である。そして、第1-1絶縁層および第1-2絶縁層は異なる熱膨張係数を有することができる。これによると、熱電素子300が長期間高温に露出される場合、応力によって熱電素子300が曲がる現象が発生し得、熱電素子の長期的な信頼性、耐久性が低下し、熱電素子が発電装置に適用される場合、発電装置の発電性能を減少させ得る。
【0081】
本発明の実施例によると、第1電極330と熱電レッグ340、350は接合層600によって接合され得る。
【0082】
以下、図2図6で説明した内容と同じ内容については重複した説明を省略する。
【0083】
図7は本発明の一実施例に係る熱電素子の一部断面図であり、図8は本発明の一実施例に係る熱電素子に含まれる第1電極および接合層の上面図である。
【0084】
図7を参照すると、本発明の実施例によると、第1電極330上に接合層600が配置され、接合層600上にP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350が配置される。ここで、接合層600はソルダーを含むことができる。ソルダーは、例えば錫(Sn)、アンチモン(Sb)およびこれを含む化合物のうち少なくとも一つを含むことができるが、これに制限されず、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、銅(Cu)および鉛(Pb)のうち少なくとも一つの化合物を含んで形成され得る。
【0085】
図7図8を参照すると、接合層600は第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610A、610Bおよび第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620A、620Bを含む。接合層600が第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なる場合、第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350を接合するためのリフロー工程の間第1基板310および第1電極330が高温に露出されても、第1絶縁層320が第1基板310および第1電極330に加えられる熱衝撃を緩衝することができ、特に、第1電極330の底面だけでなく第1電極330の側面に加えられる熱衝撃が緩衝され得る。
【0086】
この時、第2領域620A、620Bは第1領域610A、610Bを囲むように配置され得る。これによると、第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350を接合層600で接合するためのリフロー工程の間、第1領域610A、610B内の気体がP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なっていない第2領域620A、620Bを通じて外部に排出され得る。これによると、第1領域610A、610Bのボイド(void)密度は第2領域620A、620Bのボイド密度より小さくてもよい。例えば、第1領域610A、610Bのボイド(void)密度は第2領域620A、620Bのボイド密度の0.1~0.95倍、好ましくは0.1~0.5倍、さらに好ましくは0.1~0.3倍であり得る。ここで、ボイドは接合層600の内部でソルダーで満たされていない空いた空間を意味し得、ボイド密度は単位体積当たりボイド個数または単位体積当たりボイド体積を意味し得る。またはボイド密度は接合層600内任意の切断面に対して、単位面積当たりボイド個数または単位面積当たりボイド面積を意味してもよい。これによると、第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350の間のボイドを最小化することができ、熱電素子の信頼性を高めることができる。
【0087】
このために、リフロー工程を進めるために、第1電極330上にはP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350の面積の1倍以上、好ましくは1.2倍以上、さらに好ましくは1.4倍以上のソルダーが塗布され得る。これによると、リフロー工程の間ソルダーが収縮しても接合層600はP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なっていない第2領域620A、620Bを含むことができ、第2領域620A、620Bを通じて第1領域610A、610B内の気体が外部に排出され得る。
【0088】
この時、接合層600の面積はP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350の面積の1.4倍以下であり得る。これによると、接合層600の第1領域610A、610B内ボイド密度を最小化しながらも、ソルダーの過量塗布によってP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350が滑ったり歪んだりする問題およびこれによってP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と第1電極330間の接合力が低くなったりP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350がショートされる問題を防止することができる。
【0089】
一方、接合層600は第1電極330とP型熱電レッグ340の間に配置された第1接合層600Aおよび第1電極330とN型熱電レッグ350の間に配置された第2接合層600Bを含むことができる。この時、第1接合層600Aおよび第2接合層600BはそれぞれP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350と垂直に重ならない領域を含むことができる。
【0090】
この時、第1接合層600Aおよび第2接合層600Bは第1電極330上で互いに離隔するように配置され得る。または第1接合層600Aおよび第2接合層600BはP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350の間の第1電極330上で互いに連結されてもよい。
【0091】
図9図11は、本発明の他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0092】
図9(a)を参照すると、接合層600は第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610A、610Bおよび第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620A、620Bを含む。この時、第2領域620A、620Bは第1領域610A、610Bを囲むように配置され得る。
【0093】
この時、第2領域620A、620Bの最高厚さL2は第1領域610A、610Bの最高厚さL1より大きくてもよい。これは第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350を接合層600で接合するためのリフロー工程の間、第1電極330上に塗布されたソルダーが収縮するとともに、第1領域610A、610B内の気体が第2領域620A、620Bを通じて外部に排出され得る経路および面積が増加し得る。例えば、図9(b)を参照すると、第2領域620A、620Bの少なくとも一部はP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350の側面に配置され得る。これによると、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350の縁で第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350の接合強度を高めることができる。
【0094】
図10を参照すると、接合層600は第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610および第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620を含む。この時、第2領域620は第1領域610を囲むように配置され得る。
【0095】
一方、接合層600は第1電極330の側面で第1絶縁層320の第2凹面320R2と垂直に重なる第3領域630をさらに含むことができる。第3領域630は第1電極330の側面の一部に配置されるか、第2凹面320R2と接触しないように配置され得る。これによると、接合層300の一部が第1電極330の外側にあふれて隣り合う第1電極330と電気的に連結される問題を防止することができる。また、第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350を接合層600で接合するためのリフロー工程の間、第1電極330上に塗布されたソルダーが収縮するとともに、第1領域610内の気体が第2領域620および第3領域630を通じて外部に排出されるための経路が増加し得る。
【0096】
図11を参照すると、接合層600は第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610A、610Bおよび第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620A、620Bを含む。この時、第2領域620A、620Bは第1領域610A、610Bを囲むように配置され得る。
【0097】
この時、P型熱電レッグ340とN型熱電レッグ350の間に配置された第2領域620A、620Bの水平方向の幅はP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と第1電極330の縁の間に配置された第2領域620A、620Bの水平方向の幅より小さくてもよい。これによると、P型熱電レッグ340とN型熱電レッグ350の間に配置されたソルダーによって、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350が滑ったり歪んだりすることになってP型熱電レッグ340とN型熱電レッグ350が接合したりショートされる問題を防止しながらも、第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350を接合層600で接合するためのリフロー工程の間、第1電極330上に塗布されたソルダーが収縮するとともに、第1領域610A、610B内の気体が第2領域620A、620Bを通じて外部に排出されるための経路および面積が増加し得る。
【0098】
図12図13は、本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0099】
図12図13を参照すると、接合層600は第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610および第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620A、620Bを含む。この時、第2領域620A、620Bは第1領域610A、610Bを囲むように配置され得る。
【0100】
図12を参照すると、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350はビスマス(Bi)-テルル(Te)を含む熱電素材層900A、900B、そして熱電素材層900A、900Bの一面に配置された拡散防止層910A、910Bを含むことができる。この時、拡散防止層910A、910Bはニッケル(Ni)を含むことができる。これによると、拡散防止層910A、910Bは熱電素材層900A、900B内半導体材料であるBiまたはTeが電極に拡散することを防ぐので、熱電素子の性能低下を防止することができ、接合層600との濡れ性が優秀であるため第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350間の接合力を高めることができる。
【0101】
図13を参照すると、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350はビスマス(Bi)-テルル(Te)を含む熱電素材層900A、900B、熱電素材層900A、900Bの一面に配置された拡散防止層910A、910Bおよび拡散防止層910A、910Bの一面に配置された金属層920A、920Bを含むことができる。ここで、拡散防止層910A、910Bは熱電素材層900A、900Bおよび金属層920A、920Bの間に配置され得る。この時、拡散防止層910A、910Bはニッケル(Ni)を含み、金属層920A、920Bは錫(Sn)を含むことができる。これによると、拡散防止層910A、910Bは熱電素材層900A、900B内半導体材料であるBiまたはTeが電極に拡散することを防ぐので、熱電素子の性能低下を防止することができる。そして、金属層920A、920Bは接合層600との濡れ性が優秀であるため第1電極330とP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350間の接合力を高めることができる。
【0102】
図14は、本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の一部断面図である。
【0103】
図14を参照すると、接合層600は第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610A、610Bおよび第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620A、620Bを含む。この時、第2領域620A、620Bは第1領域610A、610Bを囲むように配置され得る。
【0104】
この時、第1電極330上にはメッキ層334A、334Bが配置され得る。メッキ層334A、334Bは第1電極330の両面のうちP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350を向かうように配置された面に配置され得る。メッキ層334A、334Bは、例えばニッケル(Ni)を含むことができるが、これに制限されず、パラジウム(Pd)、錫(Sn)およびモリブデン(Mo)等、第1電極330と接合層600間の濡れ性が改善され、第1電極330内イオンの拡散を防止できる金属であればすべてメッキ層334A、334Bとして適用され得る。
【0105】
本発明の実施例によると、メッキ層334A、334Bの面積は第1電極330の面積より小さくてもよい。例えば、メッキ層334A、334Bは第1電極330の一部上に配置され得、P型熱電レッグ340に対するメッキ層334AおよびN型熱電レッグ350に対するメッキ層334Bは互いに離隔するように配置されるものの、メッキ層334A、334Bはそれぞれ第1電極330の縁から離隔した領域に配置され得る。これによると、接合層600A、600Bはメッキ層334A、334B周辺に配置されるので、接合層600A、600Bが第1電極330の外にあふれて隣り合う第1電極330と連結されたり、P型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350の間に配置されて電気的に影響を及ぼす可能性を最小化することができる。このために、メッキ層334A、334Bは第1電極330上でマスキングを利用して選択的メッキ技法で形成されるか、第1電極330上に全体メッキされた後、レーザースクライビンググ技法などでパターニングされ得る。そして、メッキ層334A、334Bそれぞれの面積はP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350それぞれの両面のうち第1電極330に向かうように配置された面の面積以上であり得る。例えば、メッキ層334A、334Bそれぞれの面積はP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350それぞれの両面のうち第1電極330に向かうように配置された面の面積の1~1.4倍、好ましくは1~1.3倍、さらに好ましくは1~1.2倍であり得る。これによると、第1電極330とP型熱電レッグ340およびN型熱電レッグ350を接合するための工程で接合層600とメッキ層334A、334B間の濡れ性によって接合層600はメッキ層334A、334B周辺に収縮することになるので、接合層600が第1絶縁層320の第1凹面320R1およびP型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重なる第1領域610A、610Bおよび第1絶縁層320の第1凹面320R1と垂直に重なり、P型熱電レッグ340またはN型熱電レッグ350と垂直に重ならない第2領域620A、620Bを含むことができる。これによると、第1領域610A、610Bの気体が第2領域620A、620Bを通じて外部に排出されるので、第1領域610A、610Bのボイド密度を低くでき、熱電素子の熱電性能および信頼性を高めることができる。
【0106】
図15は、本発明の実施例に係る熱電素子内のソルダー層に存在するボイドを示す写真である。
【0107】
図15を参照すると、熱電レッグと垂直に重なる第1領域610に比べて、熱電レッグと垂直に重ならずに第1領域610の側面に配置される第2領域620のボイド密度が高いことが分かる。
【0108】
図示してはいないが、本発明の一実施例によると、熱電素子の第2基板上にヒートシンクが配置され得、熱電素子とヒートシンクは複数の結合部材によって結合され得る。第2基板にヒートシンクが配置された場合、複数の結合部材はヒートシンクと第2基板を締結したり、ヒートシンク、第2基板と第1基板を締結したり、ヒートシンク、第2基板、第1基板と冷却部(図示されず)を締結することができる。このために、ヒートシンク、第2基板、第1基板、冷却部には結合部材が貫通する貫通ホールが形成され得る。ここで、貫通ホールと結合部材の間には別途の絶縁挿入部材がさらに配置され得る。別途の絶縁挿入部材は結合部材の外周面を囲む絶縁挿入部材または貫通ホールの壁面を囲む絶縁挿入部材であり得る。これによると、熱電素子の絶縁距離を広げることが可能である。
【0109】
図示してはいないが、本発明の実施例に係る熱電素子がゼーベック効果を利用する発電装置に適用される場合、熱電素子は第1流体流動部および第2流体流動部と結合することができる。第1流体流動部は熱電素子の第1基板および第2基板のうち一つに配置され、第2流体流動部は熱電素子の第1基板および第2基板のうち他の一つに配置され得る。第1流体流動部および第2流体流動部のうち少なくとも一つには第1流体および第2流体のうち少なくとも一つが流動するように流路が形成され得、場合により第1流体流動部および第2流体流動部のうち少なくとも一つが省略され、第1流体および第2流体のうち少なくとも一つが熱電素子の基板に直接的に流動してもよい。例えば、第1基板および第2基板のうち一つと隣接して第1流体が流動し、他の一つと隣接して第2流体が流動することができる。この時、第2流体の温度は第1流体の温度よりさらに高くてもよい。これに伴い、第1流体流動部は冷却部と指称されてもよい。他の実施例として、第1流体の温度は第2流体の温度よりさらに高くてもよい。これに伴い、第2流体流動部は冷却部と指称され得る。ヒートシンクは第1流体流動部および第2流体流動部のうちさらに高い温度の流体が流れる側の基板に連結され得る。第1流体と第2流体間温度差の絶対値は40℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは95℃~185℃であり得る。
【0110】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板、
前記第1基板上に配置された絶縁層、
前記絶縁層上に配置された第1電極、
前記第1電極上に配置された接合層、
前記接合層上に配置された半導体構造物、
前記半導体構造物上に配置された第2電極、そして
前記第2電極上に配置された第2基板を含み、
前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重なる第1凹面を含み、
前記接合層は前記第1凹面および前記半導体構造物と垂直に重なる第1領域および前記第1凹面と垂直に重なり前記半導体構造物と垂直に重ならない第2領域を含み、
前記第1領域のボイド(void)密度は前記第2領域のボイド密度より小さい、熱電素子。
【請求項2】
前記第2領域は前記第1領域を囲むように配置された、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項3】
前記第2領域の最高厚さは前記第1領域の最高厚さより大きい、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項4】
前記第2領域の少なくとも一部は前記半導体構造物の側面に配置された、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項5】
前記絶縁層の上面は前記第1電極と垂直に重ならない第2凹面をさらに含み、前記接合層は前記第1電極の側面で前記第2凹面と垂直に重なる第3領域をさらに含む、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項6】
前記接合層の面積は前記半導体構造物の面積の1.4倍以下である、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項7】
前記半導体構造物は前記第1電極上で互いに離隔するように配置された第1半導体素子および第2半導体素子を含み、
前記接合層は前記第1電極と前記第1半導体素子間に配置された第1接合層および前記第1電極と前記第2半導体素子間に配置された第2接合層を含み、
前記第1接合層および前記第2接合層はそれぞれ前記第1半導体素子および前記第2半導体素子と垂直に重ならない領域を含む、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項8】
前記第1接合層および前記第2接合層は前記第1電極上で互いに離隔するように配置された、請求項7に記載の熱電素子。
【請求項9】
前記第1電極と前記第1接合層間に配置された第1メッキ層および前記第1電極と前記第2接合層間に配置された第2メッキ層をさらに含み、
前記第1メッキ層および前記第2メッキ層それぞれの面積は前記第1半導体素子および前記第2半導体素子が前記第1電極に向かうように配置された面それぞれの面積以上であり、前記第1メッキ層の面積および前記第2メッキ層の面積の和は前記第1電極の面積より小さい、請求項7に記載の熱電素子。
【請求項10】
前記絶縁層は前記第1基板上に配置された第1絶縁層、そして前記第1絶縁層上に配置された第2絶縁層を含み、前記第1凹面および前記第2凹面は前記第2絶縁層に含まれる、請求項5に記載の熱電素子。
【請求項11】
前記第1領域のボイド密度は前記第2領域のボイド密度の0.1~0.95倍である、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項12】
前記第3領域は前記第1電極の側面と接触する、請求項5に記載の熱電素子。
【請求項13】
前記第3領域は前記第2凹面と接触しない、請求項12に記載の熱電素子。
【請求項14】
前記半導体構造物は前記第1電極上で互いに離隔するように配置された第1半導体素子および第2半導体素子を含み、
前記第1半導体素子および前記第2半導体素子の間に配置された前記第2領域の水平方向の幅は、前記第1半導体素子または前記第2半導体素子と前記第1電極の縁の間に配置された前記第2領域の水平方向の幅より小さい、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項15】
前記第1電極と前記接合層の間に配置されたメッキ層をさらに含み、前記メッキ層の面積は前記第1電極の面積より小さい、請求項1に記載の熱電素子。
【請求項16】
前記メッキ層はニッケル(Ni),パラジウム(Pd),錫(Sn)およびモリブデン(Mo)のうち少なくとも一つを含む、請求項15に記載の熱電素子。
【請求項17】
前記メッキ層は前記第1電極の縁から離隔して配置された、請求項15に記載の熱電素子。
【請求項18】
前記接合層は前記メッキ層の上面および前記メッキ層の側面と接触する、請求項15に記載の熱電素子。
【請求項19】
前記メッキ層の面積は前記半導体構造物の面積以上である、請求項15に記載の熱電素子。
【請求項20】
前記メッキ層の面積は前記半導体構造物の面積の1~1.4倍である、請求項19に記載の熱電素子。
【国際調査報告】