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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】マイクロニードル装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61M37/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501770
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 SG2022050541
(87)【国際公開番号】W WO2023009073
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10202108366T
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524014019
【氏名又は名称】ナスメティックス ピーティーイー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ダック-ヴェト
(72)【発明者】
【氏名】カスリア,ヒマンシュ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA72
4C267BB23
4C267BB62
4C267CC01
4C267EE08
4C267GG02
4C267GG21
4C267GG26
(57)【要約】
表面を係合するためのマイクロニードル装置100が提供され、装置100は、ソケット106を備えるハウジング104と、ソケット106内部で移動可能なマイクロニードルデバイス102であって、実質的に球形の基材102a、及び、基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bを有する、マイクロニードルデバイス102と、を備え、マイクロニードルデバイス102は、使用中、複数のマイクロニードル102bが表面を係合するように、ソケット106内部で表面に対して3次元運動で移動するように構成される。マイクロニードル装置100を使用することなどによって、表面を係合する方法も提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を係合するためのマイクロニードル装置であって、
ソケットを備えるハウジングと、
前記ソケット内部で移動可能なマイクロニードルデバイスであって、実質的に球形の基材と、前記基材から突き出た複数のマイクロニードルと、を有する、マイクロニードルデバイスと、を備え、
前記マイクロニードルデバイスは、使用中、前記複数のマイクロニードルが前記表面を係合するように、前記ソケット内部で前記表面に対して3次元運動で移動するように構成される、装置。
【請求項2】
使用中、前記複数のマイクロニードルは前記表面上に開口を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
使用中、前記マイクロニードルデバイスは、物質、混合物、又は調合物を、前記開口を介して前記表面へと送達する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロニードルデバイスは、前記表面の1つ以上の特性を検出するように構成された1つ以上のセンサを更に備える、請求項1から3の何れか一項に記載のマイクロニードル装置。
【請求項5】
前記マイクロニードルデバイスは、前記表面上及び/又は前記表面下の物質の1つ以上の特性を検出するように構成された、1つ以上のセンサを更に備える、請求項1から4の何れか一項に記載のマイクロニードル装置。
【請求項6】
前記マイクロニードルデバイスは、前記ソケットに取り外し可能に取り付け可能である、請求項1から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングに接続可能であるか又は一体化された容器を更に備え、
前記容器は、前記物質、前記混合物、又は前記調合物を貯蔵するように構成される、請求項3から6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記マイクロニードルデバイスは、前記容器と流体接続された少なくとも1つの開口を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記マイクロニードルデバイスの前記基材は、前記物質を前記表面へと送達するように構成された細孔を備える、請求項3から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記マイクロニードルデバイス及び/又は前記ソケットは、前記マイクロニードルデバイスを前記ソケット内部に保持するための磁性材料を備える、請求項1から9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記マイクロニードルデバイスと前記ソケットとの間に接着又は保持層を更に備える、請求項1から10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
複数の前記ソケット及び複数の前記マイクロニードルデバイスを備え、
各マイクロニードルデバイスは、前記複数のソケットのうちのそれぞれ1つ内に保持される、請求項1から11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記物質は、1つ以上の治療剤及び/又は美容剤を含む、請求項3から12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記基材は、1.2以下のアスペクト比を有する、請求項1から13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のマイクロニードルの各々は、0.1~10000μmの高さを有する、請求項1から14の何れか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記複数のマイクロニードルのうちの各々は、プラスチック、セラミック、ポリマー、金属、又はそれらの組み合わせで形成される、請求項1から15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記基材上の前記複数のマイクロニードルの密度は、1/dm以上である、請求項1から16の何れか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記ハウジングは、円筒形であるか、又は、それぞれの端部において接続された複数の円筒形体を備える、請求項1から17の何れか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記マイクロニードルデバイスを振動させるための振動要素を更に備える、請求項1から18の何れか一項に記載の装置。
【請求項20】
請求項3から19の何れか一項に記載の前記装置と、
前記物質、前記混合物、又は、前記調合物と、
を備える、キット。
【請求項21】
前記物質は、1つ以上の治療剤及び/又は美容剤を含む、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
表面を係合する方法であって、
ソケットを伴うハウジングを備えるマイクロニードル装置を取り扱うこと、
マイクロニードルデバイスを前記ソケット内部で前記表面に対して3次元運動で移動させることであって、前記マイクロニードルデバイスは、実質的に球形の基材、及び、前記基材から突き出た複数のマイクロニードルを備えること、及び、
前記複数のマイクロニードルを介して前記表面を係合すること、
を含む、方法。
【請求項23】
前記マイクロニードルデバイスが前記表面に対して移動する際に、前記複数のマイクロニードルと共に、前記表面上に開口を形成すること、及び、
前記表面上に形成された前記開口を介して前記物質を前記表面へと送達すること、
を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記送達することは、前記マイクロニードルデバイスを介する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記表面の1つ以上の特性を検出することを更に含む、請求項22から24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記表面上及び/又は前記表面下の物質の1つ以上の特性を検出することを更に含む、請求項22から25の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面を係合するためのマイクロニードル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
治療成分及び化粧品成分などの物質の皮膚表面への経皮及び/又は局所送達は、他の送達経路、(i)初回通過代謝、胃腸刺激、及び劣化の迂回、(ii)非侵襲性、並びに(iii)自己投与を上回る、いくつかの利点を提供する。しかしながら、この経路は、異物の穿通及び治療法を妨げる角質層などの吸収バリア及び密着結合によって制限される。好適な親油性を伴う治療法(500Daより小さい)は、最小限に皮膚に吸収される。高分子、ペプチド、インスリン、ワクチンなどの、高分子量治療成分及び化粧品成分の送達は難易度が高く、ほとんどの皮膚関連製品もこの制限に直面する。皮膚バリアは、活性物の吸収及び/又は局在化及び/又は分配を強化するために、ミクロサイズの通路を作成するマイクロニードルの使用によって、克服可能である。
【0003】
従来のマイクロニードルデバイスは、皮膚浸透を強化することが知られた、マイクロニードルパッチ、マイクロニードルスタンプ、ダーマローラー、ダーマペンを含むが、限定されない。しかしながら、これらのデバイスは、主に平坦面にのみ適用可能であるなどの制限を有する。特定の皮膚領域に対するそれらの適用は、不完全な挿入、したがって非効率且つ不均一な送達を有し得る。これに対して、ダーマローラーは、湾曲面に適用可能であり得るが、その動きは1次元に転がることによってのみ制限される。更に、ダーマローラーは、まぶたなどの特定の皮膚表面に達することが困難である。更に、再使用に起因して感染症の原因にもなる。ダーマペンは、小さな皮膚領域に適用可能であり、ニードル軸に沿った皮膚上でのニードルの上下振動を使用して効果的に皮膚を刺す。しかしながら、ダーマペンは、皮膚上での水平の切断/損傷を防止するために、適用時に、皮膚上でニードルを垂直に保持し、皮膚の輪郭に沿ってゆっくりと移動させることが必要である。結果として、ダーマペンは、動きがダーマローラーのように滑らか且つ柔軟でない場所での皮膚表面上での動きを制限する。
【0004】
したがって、より良好なマイクロニードル装置が求められる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、これらの問題に対処すること及び/又は改良されたマイクロニードル装置を提供することを目指す。
【0006】
第1の態様によれば、表面を係合するためのマイクロニードル装置が提供され、装置は、
ソケットを備えるハウジングと、
ソケット内部で移動可能なマイクロニードルデバイスであって、実質的に球形の基材、及び、基材から突き出た複数のマイクロニードルを備える、マイクロニードルデバイスと、を備え、
マイクロニードルデバイスは、使用中、複数のマイクロニードルが表面を係合するように、ソケット内部で表面に対して3次元運動で移動するように構成される。
【0007】
第2の態様によれば、第1の態様に従った装置、及び、物質、混合物、又は調合物を備える、キットが提供される。
【0008】
第3の態様によれば、表面を係合する方法が提供され、方法は、
ソケットを伴うハウジングを備えるマイクロニードル装置を取り扱うこと、
マイクロニードルデバイスをソケット内部で表面に対して3次元運動で移動させることであって、マイクロニードルデバイスは、実質的に球形の基材、及び、基材から突き出た複数のマイクロニードルを備える、移動させること、及び、
複数のマイクロニードルを介して表面を係合すること、
を含む。
【0009】
本開示が完全に理解され、容易に実用化され得るために、次に、非限定的な例を用いて単なる例示的な実施形態を説明し、説明は添付の例示的図面を参照しながら行われる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】マイクロニードル装置の例示的実施形態を示す概略図である。
図2】ソケット内部にマイクロニードルデバイスを保持し、マイクロニードルデバイスを3D方向に移動可能にするための、磁気保持機構を示す概略図である。
図3】ソケット内部でマイクロニードルデバイスを保持し、マイクロニードルデバイスを3D方向に移動可能にするために、接着又は支持層を使用する化学及び物理保持機構を示す概略図である。
図4】複数のソケットを備えるマイクロニードル装置の例示的実施形態を示す概略図であって、マイクロニードルデバイスは、基材から突き出た複数のマイクロニードルを備える実質的に球形の基材を有し、複数のソケットの各々の内部に保持される。
図5】ソケット内部でマイクロニードルデバイスを保持し、マイクロニードルデバイスを3D方向に移動可能にするための、機械的保持機構及び数学的パラメータを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一般に、本開示は、表面を係合するための図1に示されるようなマイクロニードル装置100に関し、それらを使用する。
【0012】
本開示の様々な実施形態に従ったマイクロニードル装置100は、多くの利点を与える。例えば、マイクロニードル装置100は、任意の領域又は表面上で効果的に使用され得、皮膚上を任意の方向に転がされ得る。これは、特定の皮膚表面及び領域のみでの使用に限定され、1次元運動(マイクロニードルパッチ又はマイクロニードルスタンプの場合のように押し付けるだけ)、又は、2次元運動(ダーマローラーの場合のように、押し付けて一方向に転がる)を可能にする、従来のマイクロニードル装置とは対照的である。マイクロニードルデバイス102は、押し付けられ得、表面上で任意の方向に転がされ得、それによって3次元運動を達成する。マイクロニードル装置100は、ペン、又はハンドル、又はスタイラス、又は任意のハンドヘルドデバイスのように成形され得る。
【0013】
図1に示されるように、本開示の様々な実施形態によれば、表面を係合するためのマイクロニードル装置100が提供される。
【0014】
特定の実施形態では、使用中、複数のマイクロニードル102bが表面上に開口を形成する。
【0015】
特定の実施形態では、物質、混合物、又は調合物は、その後、開口を介して表面へと送達され得る。特定の実施形態では、使用中、マイクロニードルデバイス102は、開口を介して物質を表面へと送達し得る。このようにして、マイクロニードル装置100は、治療剤及び/又は美容剤などの物質を、皮膚などの表面へと送達するためであり得る。本開示では、物質は化合物、混合物、又はそれらの調合物を含むものと見なされ得る。
【0016】
特定の実施形態では、装置100は、例えば、電気抵抗率、導電率を含むが限定されない表面電気特性、pH、酸性度を含むが限定されない表面化学特性、圧力、表面粗さ、硬さ、接着、摩擦、ヤング率、又はそれらの組み合わせを含むが限定されない表面物理特性などの、表面の1つ以上の特性を検出するように構成され得る、好適なセンサを含み得る。装置100は、例えば、物質の密度、濃度、物質の化学的又は熱力学的活性、バルク電気抵抗率又は導電率、バルクpH、バルク圧力、キャパシタンスなどの、表面上及び/又は表面下のバルク特性、及び/又は、表面上及び/又は表面下の物質の特性を、検出するために使用され得る。装置100は、生物学的マーカー、酵素、グルコース、内部の物質の化学的活性、pH、電解質、血液ガス、などを含むが限定されない、体液特性又は血液特性を検出するために使用され得る。
【0017】
装置100は、ソケット106、及び、ソケット106内部で移動可能なマイクロニードルデバイス102を備える、ハウジング104を備える。マイクロニードルデバイス102は、実質的に球形の基材102a、及び、基材から突き出た複数のマイクロニードル102bを備える。マイクロニードルデバイス102は、使用中、複数のマイクロニードルデバイス102bが表面を係合するように、ソケット106内部で表面に対して3次元運動で移動するように、又は、表面上に開口を形成するように構成され、それによって、物質、混合物、又は調合物を、開口を介して表面へと送達し得る。
【0018】
ハウジング104は、マイクロニードル装置100の使用中にユーザが保持するための任意の好適な形状及びサイズであり得る。例えば、ハウジング104は、細長い、テーパー型、湾曲、対称、非対称、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。ハウジング104は、円筒形、又は、円筒形と滑らかな接合を介して一方の端部で互いに接続している様々な直径との組み合わせを、有し得る。特定の態様において、ハウジング104は円筒形であり得るか、又は、それぞれの端部において接続された複数の円筒形体を備え得る。例えば、ハウジング104は高さ0.1~50cmであり得る。装置100は、ハウジング104を閉じるためのハウジングキャップ108を備え得る。
【0019】
マイクロニードル装置100は、マイクロニードルデバイス102を保持するためのソケット106を含む。ソケット106は、マイクロニードルデバイス102の1次元、2次元、又は3次元の運動を支持するための、保持機構を提供し得る。ソケット106は、マイクロニードルデバイスが内部にフィットする、任意の好適な中空/凹形部材又は空洞であり得る。装置100は、マイクロニードルデバイス102をソケット106に固定するためのソケットリング110を更に備え得る。例えば、ソケット106はボールソケットであり得る。ソケット106は、1つ以上の内部開口を伴う外部本体を有し得る。1つ以上の内部開口は、実質的に球形の基材102aを収容するために凹形様式で実質的に球形であり得る。1つ以上の内部開口は、180°までの開放角を有し得る。ソケット106は、金属、金属合金、金属酸化物、ポリマー、セルロース、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、木材、炭素ベース材料、シリコンベース材料、ポリマーベース材料、無機又は有機材料、合成物、複合体、又はそれらの組み合わせを含むが限定されない、機能化を伴うか又は伴わない、任意の好適な材料で作られ得る。
【0020】
マイクロニードルデバイス102は、実質的に球形の基材102a及び基材102aから突き出たマイクロニードルデバイス102bを備える。特定の実施形態では、マイクロニードルデバイス102は、皮膚又は組織又は粘膜又は他の生体膜又は他の表面であることが可能な、表面を穿通することによるなど、表面上に開口を形成するために表面を係合するために使用される。マイクロニードル装置100は、治療剤及び/又は美容剤などの物質の、局所送達、粘膜送達、経皮送達のために使用され得る。使用中、マイクロニードルデバイス102は、ソケット106内部で表面に対して3次元運動で移動され、したがって、物質が印加される前、間、又は後に、表面内及び/又は上に微小細孔、微小摩耗などの開口を作成するために使用され得る。
【0021】
本開示では、治療剤又は美容剤は、管理の対象である際に、治療又は予防又は化粧品の効果を発揮する、任意の物質であり得る。任意の好適な治療剤及び/又は美容剤が、本開示のために使用され得る。例えば、治療剤は、リドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、ジクロフェナク、ケタミン、ミダゾラム、プロポフォール、抗炎症薬、酸化防止剤、アミノ酸、アミン、アミド、酸、保護又は再生剤、抗増殖剤、抗がん剤、成長因子、生物学的製剤、RNA、DNA、ペプチド、プロテイン、リポタンパク質、又はそれらの組み合わせなどの、麻酔薬、鎮痛薬、又は鎮痛剤であるが、限定されず、美容剤は、ヒアルロン酸、プルラン、コラーゲン、ペプチド、ビタミン、エクソソーム、セクレトーム、天然又は合成起源の派生小胞、スキンケア活性化合物、保湿剤、再生、若返り、又はアンチエイジング剤、油、セラミド、脂質、脂質誘導体、又はそれらの組み合わせであり得るが、限定されない。特に、治療剤は、局所用、表皮性、真皮、粘膜、又は経皮送達の薬、エキス、分子、又は混合物であり得る。本開示では、調合物は、特定用途のための様々な含有物の任意の組み合わせ又は化学物質の混合物であり得る。
【0022】
本開示では、1次元、2次元、又は3次元運動は、線、平面、又は空間の、それぞれの上での運動として定義される。1次元運動の一例は直線上での運動であり、2次元運動の一例は平面上での運動であり、3次元運動の一例はいずれの制約もない空間内での運動である。固定された直線の制約を伴う空間内での運動は1次元運動であり、固定された平面の制約を伴う空間内での運動は2次元運動である。いずれの制約もない空間内での運動は3次元運動であるか、又は運動は多方向に生じる。
【0023】
一例として、マイクロニードルデバイス102の表面に対する3次元運動は、急上昇(表面に対して平行なX軸上での前方及び/又は後方運動)、揺れ(表面に対して平行且つX軸に対して垂直なY軸上での左及び/又は右運動)、うねり(表面又はXY面に対して垂直なZ軸上での上方及び/又は下方運動)、転がり(X軸上での左右交互の傾動)、ピッチ(Y軸上での前方及び/又は後方の傾動)、ヨーイング(Z軸上での左及び/又は右回転)、及び/又は、それらの組み合わせを含み得る。マイクロニードルデバイス102は、高い皮膚穿通を有し得、1次元、2次元、又は3次元に、容易に移動し得る。特に、マイクロニードルデバイス102は、表面に沿って3次元に容易に転がることが可能である。したがって、マイクロニードル装置100は、変化する皮膚表面、皮膚条件、あるいはマイクロニードルデバイス102の運動の方向の制限なしに、皮膚上で容易に使用され得る。このようにして、マイクロニードル装置100は、有利なことに、たとえ手が届かない領域であっても、皮膚の様々な部分上で、ユーザがマイクロニードリングを容易に実行できるようにする。
【0024】
マイクロニードルデバイス102はソケット106と一体化され得、取り外すことができない。代替として、マイクロニードルデバイス102は、取り外し可能であり得るか、又はソケット106に取外し可能なように取り付け可能であり得る。マイクロニードルデバイス102は、変更又は交換し易くするためにソケット106から脱着可能であり得る。マイクロニードルデバイス102は溶解し得る。このようにしてユーザは、装置100を使用する前又は後に毎回、好都合なことにマイクロニードルデバイス102を交換することができる。ソケット106は取り外し可能、交換可能、及び/又は、再使用可能であり得る。したがって、マイクロニードルデバイス102は、1回限りの使用に好適であり得る。このようにして、使用後の不適切なクリーニングの問題はなく、したがって、汚染及び感染のいずれのリスクも排除することになる。マイクロニードルデバイス102の無菌状態も維持され得る。マイクロニードルデバイス102は、個々の無菌包装を使用しても無菌状態を保持し得る。使用後は処分され得るため、いずれの感染のリスクも防ぐことができる。マイクロニードルデバイス102は、皮膚又は粘膜、あるいは生体膜などの表面上にマイクロニードルデバイス102を印加する際、ソケット106内部で転がり得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、マイクロニードル装置100は、ハウジング104に接続可能であるか又は一体化される容器を更に備え、容器は、物質、混合物、又は調合物を貯蔵するように構成される。容器はハウジング104内部に収容され得るか、又はハウジング104に接続されるべき外部容器であり得る。このようにして、マイクロニードル装置100は、様々なサイズ及び形状のチューブ又はコンテナを含み得るが限定されない、使用可能なスキンケア製品/コンテナとも接続され得る。例えば容器は、ボトル、バイアル、ジャー、スティック、又はチューブの形であり得る。マイクロニードル装置100は、他のチューブ/コンテナに接続するためのアダプタを含み得る。例えば、チューブ/コンテナは、アダプタを介してハウジング104に接続され得る。
【0026】
容器は、ソケット106を介してマイクロニードルデバイス102に物質を分配するように構成され得る。マイクロニードルデバイス102は、容器から物質を受け取るために容器と流体接続する少なくとも1つの開口を備え得る。ソケット106は同様に、容器及びマイクロニードルデバイス102と流体連結する。したがってソケット106は、容器と流体接続する少なくとも1つの開口、及び/又は、マイクロニードルデバイス102と流体接続する少なくとも1つの開口を備え得る。このようにして、マイクロニードルデバイス102は、ソケット106を介して容器から物質を受け取ることが可能である。流体接続は、物質が容器からマイクロニードルデバイスへとパスすることを可能にする、任意の好適な接続であり得る。例えば、流体接続は、容器及びマイクロニードルデバイス102内の位置合わせされた開口を介した、あるいは、物質が通過できるようなチューブ、パイプ、又は任意の好適な構造を介した、直接接続であり得る。
【0027】
マイクロニードルデバイス102は、物質を表面へと送達可能であり得る。特に、マイクロニードルデバイス102の基材102aは、細孔を介して物質を表面へと送達するように構成された細孔を備え得、及び/又は、複数のマイクロニードル102bは、マイクロニードル102bを介して物質を表面へと送達するように構成され得る。マイクロニードル装置100及び/又はマイクロニードルデバイス102は、振動要素を備え得る。例えば振動要素は、モータ、圧電要素などであり得る。このようにして、マイクロニードルデバイス102は、装置100が使用中のとき、表面上の開口の形成を強化し、物質送達の有効性を増加させるように、振動が可能であり得る。マイクロニードルデバイス102の振動は、任意の好適な被制御周波数で作られ得る。周波数は、毎分1~200000回であり得る。特に、周波数は、毎分100~190000回、毎分1000~180000回、2000~170000回、毎分3000~160000回、毎分4000~150000回、毎分5000~140000回、毎分6000~130000回、毎分7000~120000回、毎分8000~110000回、毎分9000~100000回、毎分10000~90000回、毎分15000~85000回、毎分20000~80000回、毎分25000~75000回、毎分30000~70000回、毎分35000~65000回、毎分40000~60000回、毎分45000~55000回であり得る。更に特に多くは、周波数は毎分6,000~60,000回であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、容器から物質を受け取る代わりに、又は受け取ることに加えて、マイクロニードルデバイス102は物質を含み得る。例えば、基材102aは物質を含む。物質は、治療剤及び/又は美容剤を含み得る。治療剤は、リドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、ジクロフェナク、ケタミン、ミダゾラム、プロポフォール、抗炎症薬、抗増殖剤、抗がん剤、成長因子、生物学的製剤、RNA、DNA、ペプチド、プロテイン、又はそれらの組み合わせなどの、麻酔薬、又は鎮痛剤であり得るが、限定されない。美容剤は、ヒアルロン酸、コラーゲン、ペプチド、ビタミン、スキンケア活性化合物、保湿剤、若返り又はアンチエイジング剤、油、脂質、脂質誘導体、又はそれらの組み合わせであり得るが、限定されない。特に、治療剤は、局所用、又は経皮送達活性剤であり得る。
【0029】
マイクロニードルデバイス102内に含まれる物質は、任意の好適な形であり得る。例えば物質は、マイクロニードルデバイス102上にコーティングされ得、内部にカプセル化され得、注入され得、又は配置され得る。コーティングは、任意の好適な方法によって形成され得る。例えば、物質を含むコーティングは、スプレーコーティング、ディップコーティング、ドライコーティング、静電コーティングなど、又はそれらの組み合わせによって、マイクロニードルデバイス102上に印加され得るが、限定されない。例えば、コーティングは、マイクロニードルデバイス102の複数のマイクロニードル102bの各々に、及び/又は、マイクロニードル102bのうちのいくつかのみに、及び/又は、マイクロニードルデバイス102の基材102a上に、形成され得る。コーティングは、マイクロニードル102bの先端部分のみ、又はマイクロニードル102bの表面全体に、形成され得る。
【0030】
マイクロニードルデバイス102は、任意の好適な保持機構を介してソケット106内に保持され得る。特に、基材102aは、マイクロニードルデバイス102をソケット106内部に保持し、マイクロニードルデバイス102の運動を支持するために、化学、物理、機械、磁気、電気機構、又はそれらの組み合わせによって、ソケット106内に保持される。
【0031】
一実施形態において、マイクロニードルデバイス102は、ソケット106内に機械的に保持され得、n≧1000Rρ/σAであり、ここで、nはマイクロニードル102bの密度であり、Rはソケット106の内径であり、ρはマイクロニードルデバイス102の質量密度であり、σはマイクロニードルデバイス102の圧縮強度であり、Aはマイクロニードル102bの先端のソケット106との接触領域である。機械的機構は、内部にマイクロニードルデバイス102を固定するための空洞又は凹形コンパートメント又は任意の機械的支持を含み得、それによって、マイクロニードルデバイス102は内部で1D、2D、及び3Dでの移動ができるようになる。
【0032】
図2に示されるような一実施形態では、マイクロニードルデバイス102及びソケット106は、磁性材料又は層112を備え得るか、あるいは、磁性材料を使用して全体的又は部分的に作られ得、磁力がマイクロニードルデバイス102をソケット106に固定することになる。例えば、マイクロニードルデバイス102の基材102aのコアは、磁性材料で形成される。磁性材料は強磁性材料、フェリ磁性材料、又は常磁性材料であり得る。例えば、磁性材料は、鉄、ニッケル、コバルト、マグネタイト、希土類金属、磁鉄鉱、アルミニウム、プラチナ、それらの合金、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0033】
図3に示されるような一実施形態では、ソケット106は、ソケット106内でマイクロニードルデバイス102を保持するために、接着又は保持材料又は層114を備え得る。接着又は保持層114は、ソケット106内部でのマイクロニードルデバイス102の3次元運動を可能にする、任意の好適な材料を備え得る。接着又は保持材料114は、皮膚との接触に好適な任意の接着材料を含み得る。例えば、接着又は保持材料114は、アクリル、親水コロイド、シリコン、ヒドロゲル、粘液、ペースト、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0034】
前述のように、マイクロニードルデバイス102は、基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bを備える。マイクロニードル102bは、基材102aから延在する少なくとも1次元のマイクロスケールでの任意の形状の何かを指すことが可能な、微小突起又は微小突起状構造である。基材102a又は基材102aの一部は、球体、実質的に球体形状、立方体、直方体、三角柱、円筒形、ピラミッド形、円錐形、トーラス、ダンベル、4面体、5面体、6面体、8面体、又は任意の多面体、不規則形であり得るか、又は含み得る。
【0035】
微小突起状構造は、微小突起を含む何かを指す。例えば、立方結晶は、4つの角に4つの微小突起を伴う微小突起状構造として定義可能であり、星形正又は不正8面体は、8つの角に8つの微小突起を伴う微小突起状構造であり、星形正/不正多面体は、対応する角に多くの微小突起を伴う微小突起状構造である。
【0036】
実質的に球形の基材102aは、基材102aから突き出る複数のマイクロニードル102bを支持する本体である。本開示では、実質的に球形とは、基材102aを球体として識別することを明らかに損なわないように十分に小さい偏差の度合いを指す。特に、実質的に球形という用語は、球形又はほぼ球形の基材を含み得る。球形又はほぼ球形は、3Dプリントに好適であり、低アスペクト比を有し、ギザギザ又は不規則な形状を回避する寸法を有する基材を備え得る。例えば、実質的に球形の基材102aは、4以下のアスペクト比を有し得る。特に、基材102aのアスペクト比は1.2以下であり得る。アスペクト比は、基材の最長寸法及び基材102aの最短寸法の比として定義され得る。
【0037】
基材102aは、実質的に球形であるか、又は、ダンベル又はマルチボール形状を有するか、又はそれらの組み合わせである。
【0038】
基材102aは、任意の好適なサイズであり得る。例えば、基材102aの平均直径は、0.05~1000mmであり得る。特に、平均直径は、0.1~900mm、0.2~800mm、0.3~700mm、0.4~600mm、0.5~500mm、1~400mm、10~300mm、50~250mm、100~200mmであり得る。更に特に多くは、基材102aの直径は0.5~50mmであり得る。
【0039】
基材102aは、金属、金属合金、金属酸化物、ポリマー、セルロース、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、木材、炭素ベース材料、シリコンベース材料、ポリマーベース材料、合成物、又はそれらの組み合わせを含むが限定されない、任意の好適な材料を含み得る。基材102aは、中実、中空であり得、及び/又は、内部に物質を注入するための開口を有し得、及び/又は、表面への物質の送達を容易にするために基材外部上に細孔を有し得る。
【0040】
基材102aは、機能特性を向上させるため、又はデバイスの機能性を向上させるための、好適な添加物を更に含み得る。例えば添加物は、マイクロニードル102bの機械的強度を向上させるための材料であり得る。特に、添加物は、ヒドロゲル、塩、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ、グラフェン、カーボンナノチューブ、ナノ結晶、ナノ粒子、微粒子、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0041】
マイクロニードルデバイス102は、複数の好適なサイズ及び形状のマイクロニードル102bを備える。マイクロニードル102bは、中空又は中実のマイクロニードル102bであり得る。特定の態様によれば、複数のマイクロニードル102bの各々は、同じか又は異なる高さ(長さ)を有し得る。特に、高さは、治療剤又は美容剤などの物質の管理を達成するように、好適な高さであり得るが、同時に、痛みの可能性を減らし、出血の可能性を回避するように、皮膚内の神経への接触を回避するのに十分に短い。マイクロニードル102bの高さは、マイクロニードルデバイス102が使用されるべき表面にも依存する。例えば、複数のマイクロニードル102bの各々の平均高さは、0.1~10000μmであり得る。特に、複数のマイクロニードル102bの各々の高さは、0.1~1μm、0.1~300μm、1~4900μm、100~4800μm、200~4700μm、300~4600μm、又は400~4500μm、500~4400μm、600~4300μm、700~4200μm、800~4100μm、900~4000μm、1000~3900μm、1100~3800μm、1200~3700μm、1300~3600μm、1400~3500μm、1500~3400μm、1600~3300μm、1700~3200μm、1800~3100μm、1900~3000μm、2000~2900μm、2100~2800μm、2200~2700μm、2300~2600μm、又は2400~2500μmであり得る。更に特に多くは、高さは10~500μmであり得る。
【0042】
複数のマイクロニードル102bの各々は、同じか又は異なる形状を有し得る。基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bは、針形であり得るか、又は、針形を含む構造であり得る。しかしながら本開示では、マイクロニードル102bは、先細の先端を有する針形の構造に限定され得ず、先細の先端のない構造を備え得る。複数のマイクロニードル102bの各々は、皮膚又は組織又は粘膜などの表面を貫通する機能を有する限り、円錐形又はピラミッド形であり得る。例えば、複数のマイクロニードル102bの各々は、円錐形状、あるいは、三角錐、四角錐、又は他の好適な形状などの角錐形状を有し得る。
【0043】
マイクロニードルデバイス102のマイクロニードル102bは、間隔を置いて配設され得る。例えば、マイクロニードルデバイス102は、好適なマイクロニードル密度を有し得る。好適なマイクロニードル密度は、皮膚の効率的な貫通を達成するため、及び、マイクロニードル102bがソケット106内部を移動するときに壊れないことを保証するために、必要である。しかしながら、マイクロニードル密度が高すぎる場合、マイクロニードル102bの強度を維持することは困難になり得る。マイクロニードルデバイス102のマイクロニードル102bは中空であり得、及び/又は、物質の表面への送達を容易にするために、マイクロニードル102b内部に開口を有し得る。
【0044】
マイクロニードルデバイス102は、任意の好適な材料で作られ得る。マイクロニードル102b又は微小突起は、基材102aから脱着可能であるか又は固定され得る、基材102aと同じか又は異なる材料で作られ得る。例えば、マイクロニードルデバイス102は、プラスチック、ヒドロゲル又はオルガノゲル、ゼラチン、ゼラチンメタクリレートヒドロゲル、ヒアルロン酸、シリコン、ポリマー、糖、ガラス、セラミック金属、金属合金、金属酸化物、及び/又は、合成物を含み得る。
【0045】
ポリマーは任意の好適なポリマーであり得る。例えば、ポリマーは、セルロース、セルロース誘導体、セルロース合成物、セルロース複合体、オイドラギット、ポリメタクリレートベースコポリマー、Resomer、ポリエステル、プルラン、シリカベースポリマー、ゼイン、ケラチン、アクリレート、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はナトリウムCMC、アミロペクチン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ-L-乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸-co-グリコール酸(PLGA)、環状オレフィンポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、又はポリエチレングリコール(PEG)-フィブリノゲンヒドロゲルであり得るが、限定されない。
【0046】
糖は、ガラクトース、マルトース、又はデキストリンであり得るが、限定されない。
【0047】
金属、金属合金、又は金属酸化物は、銅、真ちゅう、鉄、酸化鉄、マグネシウム、銀、金、プラチナ、アルミニウム、酸化アルミニウム、コバルト、クロミウム、クロム、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、チタニア、タンタル、パラジウム、パラジウムコバルト合金、ニッケル、ニチノール、ジルコニウム、又はジルコニアであり得るが、限定されない。
【0048】
特定の態様によれば、ゼラチン及び/又はゼラチンメタクリレートヒドロゲルに含まれるゼラチンは、ブタ、ウシ、魚類起源、又はそれらの組み合わせに由来し得る。特に、ゼラチンはブタ又は魚類起源に由来し得る。更に特に多くは、ゼラチンはブタ又は魚類の皮に由来し得る。
【0049】
マイクロニードルデバイス102は、好適な添加物を含み得る。特に、ゼラチン、ゼラチンメタクリレートヒドロゲル、ヒアルロン酸、及び/又はポリマーは、添加物を含み得る。更に特に多くは、ゼラチンメタクリレートヒドロゲルは、好適な添加物を含み得る。例えば添加物は、機械的強化添加物であり得る。特に、添加物は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ、グラフェン、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ結晶、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0050】
図4に示されるようないくつかの実施形態では、マイクロニードル装置100は、各々がマイクロニードルデバイス102を含むための1つ以上のソケット106を備え得る。装置100は、様々な適用例について異なる物質又は調合物を含むための1つ以上の容器を含み得る。容器は、変更又は交換し易くするため、又はクリーニング目的で、装置100から脱着可能であり得るか、あるいは、装置100又は装置100の一部に、永続的に取り付けられ得る。複数の形状又は複数のパターンの1つ以上の容器は、組み合わせ療法のために装置100に接続され得る。1つ以上の物質又は調合物は、組み合わせ療法のために容器内に投入され得る。装置100は、装置100を外部容器、例えば、カートリッジ、ボトル、又は任意のコンテナに取り付けられるようにするために、1つ以上のアダプタを更に備え得る。1つ以上のソケット106は、任意の好適な材料を含み得る。例えば1つ以上のソケット106は、金属、金属合金、金属酸化物、ポリマー、セルロース、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、木、炭素ベース材料、シリコンベース材料、ポリマーベース材料、合成物、ハイブリッド材料、ナノハイブリッド、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0051】
マイクロニードル装置100は、複数のソケット106及び複数のマイクロニードルデバイス102を備え得、マイクロニードルデバイス102は複数のソケット106の各々の内部に保持され、各マイクロニードルデバイス102は実質的に球形の基材102a及び基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bを備え、各マイクロニードルデバイス102は、複数のソケット106各々の内部で3次元運動で移動するように構成される。一実施形態では、マイクロニードルデバイス102は、少なくとも2つのソケット106及び少なくとも2つのマイクロニードルデバイス102を備え得、各マイクロニードルデバイス102は、各ソケット106内に保持される。各ソケット106は、物質が通って流れることができるようにするための、1つ以上の開口を有し得る。各マイクロニードルデバイス102は、物質が通り、その後表面まで流れることができるようにするための、1つ以上の開口を有し得る。
【0052】
マイクロニードル装置100は、1つ以上のマイクロニードルデバイス102と、運動を制約すること、又は特定の空間内で部分的又は完全に運動を制約することなしに、定位置でマイクロニードルデバイス102を保持するための、保持コンパートメント又は保持空間又は保持機構を伴うホルダ又はハンドルと、を備え得る。
【0053】
本開示のマイクロニードル装置100は、送達システム、感知システム、又は収集システムとして、又はそれらの内部で、使用され得る。特に、装置100は、経皮性、経表皮性、表皮性、経口、舌下、経鼻、呼吸、眼内、網膜、網膜下、静脈、術中管理を含むが限定されない、様々な管理ルートを介する活性含有物の吸収を強化するために使用され得る。
【0054】
マイクロニードル装置100は、様々な物質又は調合物、例えば、様々な含有物又は物質の活性又は基本含有物又は調合物を含むための容器として作用する、1つ以上のコンパートメントを備え得る。これらのコンパートメントは、マイクロニードル装置100の印加中に、含有物を分配するための機構に接続され得る。分配機構は、印加中に表面上を転がるマイクロニードルデバイスによって、又は、トリガ又はボタン、タッチセンサ、力センサなどによって、トリガされ得る。
【0055】
マイクロニードルデバイス102は、皮膚、組織、粘膜、又は歯肉を穿通するために使用され得る。特にマイクロニードルデバイス102は、治療剤又は美容剤の局所又は経皮送達に好適であり得る。
【0056】
特定の態様によれば、マイクロニードル102bの先端とソケット106の内面との間の動摩擦係数は、2以下であり得る。マイクロニードル102bの先端とソケット106の内面との間の静摩擦係数は、2以下であり得る。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前述のようなマイクロニードル装置100を備えるキット及び物質が存在する。物質は1つ以上の治療剤及び/又は美容剤を含み得る。治療剤は、リドカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、ジクロフェナク、ケタミン、ミダゾラム、プロポフォール、抗炎症薬、抗増殖剤、抗がん剤、成長因子、生物製剤、RNA、DNA、ペプチド、プロテイン、又はそれらの組み合わせなどの、麻酔薬、又は鎮痛剤であり得るが、限定されず、美容剤は、ヒアルロン酸、コラーゲン、ペプチド、ビタミン、スキンケア活性化合物、保湿剤、若返り又はアンチエイジング剤、油、セラミド、脂質、脂質誘導体、又はそれらの組み合わせであり得るが、限定されない。特に、治療剤は、局所用、又は経皮送達活性剤であり得る。このようにして、ユーザは、キット内に1つ以上の治療剤又は美容剤が提供された装置を好都合に使用可能である。キットは特定ユーザ用にカスタマイズされ得る。
【0058】
表面を係合するためにマイクロニードル装置100を使用する方法は、
ソケット106を伴うハウジング104を備えるマイクロニードル装置100を取り扱うこと、
マイクロニードルデバイス102をソケット106内部で表面に対して3次元運動で移動させることであって、マイクロニードルデバイス102は、実質的に球形の基材102a、及び、基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bを備える、移動させること、及び、
複数のマイクロニードル102bを介して表面を係合すること、
を含む。
【0059】
方法は、マイクロニードルデバイス102が表面に対して移動する際に、複数のマイクロニードル102aと共に、表面上に開口を形成すること、及び、表面上に形成された開口を介して物質を表面へと送達すること、を更に含み得る。特定の実施形態では、送達することはマイクロニードルデバイス102を介し得る。
【0060】
方法は、電気抵抗、導電率、表面圧力、又はそれらの組み合わせを含む、1つ以上の表面特性を検出することを、更に含み得る。方法は、密度、pH、圧力、濃度、化学的又は熱力学的活性、電気抵抗又は導電率、キャパシタンス、又はそれらの組み合わせを含む、1つ以上の物質特性を検出することを、更に含み得る。
【0061】
ソケット106内部で表面に対して3次元運動でのマイクロニードルデバイス102の移動は、任意の好適な時間期間の間であり得る。例えば移動は、4時間の間であり得る。特に移動は、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、又は4時間の間であり得る。更に特に多くは、移動は1時間の間であり得る。このようにして、表面上に開口を形成すること及び物質を表面へと送達することは、物質の送達を最大にしながら、及び/又は、すべての物質が表面へと完全に送達されるまで、効率的に達成される。
【0062】
マイクロニードル装置100を作成する方法は、任意の好適な材料を使用して、装置100の様々な部分、特にマイクロニードルデバイス102を3Dプリントすることを含み得る。方法は、装置100の様々な部分の微小モールディング又はモールディングを含み得る。モールディング又は微小モールディング方法は、3Dプリント方法を利用することが可能であり、装置の様々な部分のポジティブモールドは直接3Dプリント可能であり、その後、ポジティブモールドからネガティブモールド生成が続く。ネガティブモールドは、3Dプリントモールド(ポジティブモールド)上にモールド可能材料をキャスティングし、続いてプリントされたモールドのネガティブ構造を形成するためにモールド可能材料を硬化させ、その後、硬化したネガティブモールドから3Dプリントされたモールドを除去することによって、生成可能である。方法は、微小加工技術、リソグラフィ、ソフトリソグラフィ、膜蒸着、エッチング、接合、及び微小モールディング、射出モールディング、圧縮モールディング、圧縮、圧縮切断、及びそれらの組み合わせを含み得る。マイクロニードルデバイス102の間接的な3Dプリントの例では、方法は、下記の1つ以上を含み得る。
(a)(i)マイクロニードルデバイス102の3Dプリントされたモールドを提供することであって、マイクロニードルデバイス102のモールドは、基材102a及び基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bを含み、モールドの基材102aは、球体、実質的に球体形状、立方体、直方体、三角柱、円筒形、ピラミッド形、円錐形、トーラス、ダンベル、4面体、5面体、6面体、8面体、又は任意の多面体、不規則形を含むこと、
(ii)前駆体溶液又はモールド可能材料を用いて3Dプリントされたモールドをキャスティングすること、
(iii)マイクロニードルデバイス102のネガティブモールドを形成するために、前駆体溶液又はモールド可能材料を硬化させること、
(iv)3Dプリントされたモールドを硬化されたネガティブモールドから除去すること、
(v)マイクロニードルデバイス102を形成するために、好適な材料でネガティブモールドをキャスティングすること、又は、
(b)材料をモールドに圧縮すること、あるいは、固体、液体、半固体、シート、弾性又はプラスチック材料(ゴムなど)、粉末、又はそれらの組み合わせを含み得るが限定されない、任意の形の材料を、圧縮切断又は圧縮モールディングすることであって、圧縮は、硬いモールド又は柔らかいモールドを使用するか又はパンチを使用して、直接又は間接的であり得、圧縮切断又は圧縮パンチング又は圧縮モールディングは、本開示で説明する好適な材料の圧縮及び/又は切断又はモールディングに関連し得ること。
【0063】
前駆体溶液又は前駆体材料は、ヒドロゲル前駆体溶液、あるいは、モノマー、ポリマー前駆体溶液、硬化性溶液、金属前駆体、金属合金前駆体、金属酸化物前駆体、セルロース前駆体、セラミック前駆体、ガラス前駆体、プラスチック前駆体、ゴム前駆体、木前駆体、炭素ベース前駆体、シリコンベース前駆体、ポリマーベース前駆体、合成物前駆体、又は、それらの組み合わせであり得る。特に、前駆体溶液は、光硬化性溶液及び光開始剤を含み得る。任意の好適な光開始剤が本開示のために使用され得る。
【0064】
前駆体溶液は、好適な添加物を更に含み得る。例えば、添加物は、機械的強度又は機能特性を向上させるための、機械的強化材料又は機能性材料であり得る。特に、添加物は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ、グラフェン、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ粒子、微粒子、ナノ結晶、又はそれらの組み合わせであり得る。機能性材料は、親水性、疎水性、静表面電荷、酸性度を含むが限定されない、マイクロニードルデバイス102の表面特性を変更するのに好適な、あるいは、マイクロニードルデバイス102からの治療剤又は美容剤の被制御解放のための、任意の材料であり得る。
【0065】
本開示の実施形態に従ったマイクロニードル装置100は、以前のマイクロニードルデバイス又は装置を上回る、いくつかの利点を提供する。例えば、マイクロニードル装置100は、より良好な有効性を伴い任意の領域又は表面上で使用され得、制約され得ない複数の方向に、皮膚表面上を移動及び/又は転がり得る。これは、特定の皮膚表面及び領域でのみの使用に限定され、1次元運動(マイクロニードルパッチ又はスタンプの場合、押し付けのみ)、又は、2次元運動(ダーマローラーの場合、押し付けて転がす)のみを可能にする、従来のマイクロニードル又はマイクロニードルデバイスとは対照的である。装置100のマイクロニードルデバイス102の基材102aは、押し付けられ、制約され得ないすべての方向に転がり得、それによって3次元又は多次元の運動を達成する。
【0066】
無限小角θにおけるマイクロニードルデバイス102の無限小ストリップの面積:
ds=2πRsinθdθ
【0067】
ストリップdS上のマイクロニードルの数:
θ=n2πRsinθdθ
【0068】
マイクロニードルデバイス102上にかかる力:
【0069】
【数1】
【0070】
すべてのマイクロニードル102bが、球体基材102aの対称性に起因して、同じ長さ、同一の構造及び特性であるものと想定すると、ストリップdS内に横たわるすべてのマイクロニードル102bにかかる垂直抗力は、異なる方向で同じ大きさFn,iを有し、摩擦力Ff,iも同じ大きさを有する。したがって、
【0071】
【数2】
【0072】
数式(2)をPの方向に提示する:
【0073】
【数3】
【0074】
上式で、kは摩擦係数である。
【0075】
【数4】
【0076】
次いで、以下に続く:
【0077】
【数5】
【0078】
変形なしに力を許容するためのマイクロニードル102bについての条件:
【0079】
【数6】
【0080】
実施例
マイクロニードル102bの強度は、例示的な実施例を用いて下記で説明可能である。マイクロニードルデバイス102は、図1に示されるような概略図に基づいて形成された。304ステンレス鋼は、実質的に球形の基材102a及び基材102aから突き出た複数のマイクロニードル102bとして使用され、鋼はソケット106用の材料として使用された。
【0081】
圧縮強度σ=310MPa、引張強度=620MPa、せん断強度=0.75×引張強度=465MPa、ρ=8.06M g/m、R=1.5cm、及びVneedleは基材102aの容積と比較して無限小的に小さい。Fcompressive strength=圧縮強度×マイクロニードル先端領域、Fshear strength=せん断強度×マイクロニードル先端領域である。
【0082】
前述のように、マイクロニードルデバイス102はステンレス鋼で作られ得、ソケット106は鋼で作られた。Φ=45°と想定すると、ステンレス鋼対鋼の間の静摩擦係数=0.8であり、クリーン及びドライ条件において、動摩擦係数=0.42であり、マイクロニードル長さは250μm、マイクロニードル先端直径はA=50μm、マイクロニードルベース直径は100μmであった。
【0083】
【数7】
【0084】
この結果に基づいて、304ステンレス鋼がマイクロニードルデバイス102用の材料である場合、mm当たり1のマイクロニードル密度は、マイクロニードル102bがソケット106内部に壊れずに着座していることを確実にするのに十分である。
【0085】
数式(8)から、基材102aのサイズが増加する(Rが増加する)か又は、基材102aの質量密度が増加する(ρが増加する)場合、あるいは、ソケット106の開放角が増加する(φが増加する)場合、あるいは、マイクロニードル密度が減少する場合、単一のマイクロニードル102bにかかる垂直抗力は増加することになる。マイクロニードルデバイス102が垂直に保持されるとき、マイクロニードル102bがソケット106内部で壊れないように保証するために、下記のマイクロニードル密度の推定が使用された:ソケットの開放角φ0=80°、又は緯度角Φ0=10°、動摩擦係数k=0.1、R=1cm、基材102aの質量密度ρ、マイクロニードル密度n、マイクロニードル先端のソケット106との接触領域A、及び圧縮強度σ。
【0086】
数式(8)から、マイクロニードル密度nを下記のように導出することができる。
n≧1000Rρ/σA (9)
【0087】
数式(9)を満たす質量密度、圧縮強度、及びマイクロニードル密度を伴う材料が、マイクロニードル102bがソケット106内部で壊れないことを保証するために選択されるべきである。
【0088】
これらのパラメータを用いて304ステンレス鋼で作られたマイクロニードル102bは、有利なことに強固であり、ソケット106の内部で移動したときに壊れなかった。
【0089】
マイクロニードルデバイス102は、表面、例えば、皮膚表面又は粘膜の効率的な貫通を達成するために任意の好適なマイクロニードル密度を有し得る。基材102a上の複数のマイクロニードル102bの密度は、1/dm以上であり得る。特に、マイクロニードル密度は、1/cm以上であり得る。更に特に多くは、マイクロニードル密度は1/mm以上であり得る。
【0090】
上記の記述では例示的実施形態を説明してきたが、当業者であれば本開示の範囲を逸脱することなく多くの変形形態を作り得ることを理解されよう。本開示の範囲も下記の特許請求の範囲も本明細書に記載の実施形態に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を係合するためのマイクロニードル装置であって、
ソケットを備えるハウジングと、
前記ソケット内部で移動可能なマイクロニードルデバイスであって、実質的に球形の基材と、前記基材から突き出た複数のマイクロニードルと、を有する、マイクロニードルデバイスと、を備え、
前記マイクロニードルデバイスは、使用中、前記複数のマイクロニードルが前記表面を係合するように、前記ソケット内部で前記表面に対して3次元運動で移動するように構成される、装置。
【請求項2】
前記マイクロニードルデバイスは、前記表面の1つ以上の特性及び/又は前記表面下の1つ以上の特性、及び/又は、前記表面上の物質及び/又は前記表面下の物質、を検出するように構成された、1つ以上のセンサを更に備える、請求項1に記載のマイクロニードル装置。
【請求項3】
前記マイクロニードルデバイスは、前記ソケットに取り外し可能に取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングに接続可能であるか又は一体化された容器を更に備え、
前記容器は、物、混合物、又は調合物を貯蔵するように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ソケットは、前記容器と流体接続された少なくとも1つの開口を備え
前記マイクロニードルデバイスは、前記物質、前記混合物、又は前記調合物を、前記ソケットを介して前記容器から受け取るように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記マイクロニードルデバイスの前記基材は、物、混合物、又は調合物を前記表面へと送達するように構成された細孔を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記マイクロニードルデバイス及び/又は前記ソケットは、磁性材料を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記マイクロニードルデバイスと前記ソケットとの間に接着又は保持層を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
複数の前記ソケット及び複数の前記マイクロニードルデバイスを備え、
各マイクロニードルデバイスは、前記複数のソケットのうちのそれぞれ1つ内に保持される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記基材は、1.2以下のアスペクト比を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のマイクロニードルの各々は、0.1~10000μmの高さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記基材上の前記複数のマイクロニードルの密度は、1/dm以上である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ハウジングは、円筒形であるか、又は、それぞれの端部において接続された複数の円筒形体を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記マイクロニードルデバイスを振動させるための振動要素を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ソケットは、球形の空洞を有し、
前記ソケットは、180°以下の開放角を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記マイクロニードルの密度は、n≧1000Rρ/σAの数式を満たすように構成され、
上式で、Rは前記ソケットの内径であり、ρは前記マイクロニードルデバイスの質量密度であり、σは前記マイクロニードルデバイスの圧縮強度であり、Aは前記マイクロニードルの先端の前記ソケットとの接触領域である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
請求項1に記載の前記装置と
、混合物、又は、調合物と、
を備える、キット。
【請求項18】
表面を係合し、物質、混合物、又は調合物を前記表面へと送達する方法であって、
容器、ソケット、及び前記ソケット内部のマイクロニードルデバイスを伴うハウジングを備えるマイクロニードル装置を取り扱うことであって、前記ソケットは、前記容器と流体接続され、前記容器は、前記物質、前記混合物、又は前記調合物を含み、更に前記マイクロニードルデバイスは、実質的に球形の基材及び前記基材から突き出た複数のマイクロニードルを有すること、
前記複数のマイクロニードルを介して前記表面を係合すること、
前記物質、前記混合物、又は前記調合物を、前記ソケットを介して前記容器から前記マイクロニードルデバイスへと分配すること、
マイクロニードルデバイスを前記ソケット内部で前記表面に対して3次元運動で移動させること、及び、
前記物質、前記混合物、又は前記調合物を、前記マイクロニードルデバイスの前記表面への前記係合を介して、前記容器から前記表面へと送達すること、
を含む、方法。
【請求項19】
前記マイクロニードルデバイスが前記表面に対して移動する際に、前記複数のマイクロニードルと共に、前記表面上に開口を形成すること、及び、
前記表面上に形成された前記開口を介して前記物質、前記混合物、又は前記調合物を前記表面へと送達すること、
を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記表面の1つ以上の特性及び/又は前記表面下の1つ以上の特性、及び/又は、前記表面上の物質及び/又は前記表面下の物質、を検出することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】