(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】複数のレーザの可変ビーム拡張を用いたディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240711BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20240711BHJP
H04N 13/344 20180101ALI20240711BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B26/10 B
G02B26/10 104Z
H04N13/344
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501813
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022036445
(87)【国際公開番号】W WO2023287647
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アディーマ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース,イアン
【テーマコード(参考)】
2H045
2H199
【Fターム(参考)】
2H045AB01
2H045AB81
2H045BA12
2H045BA22
2H045BA24
2H045CB01
2H045DA11
2H199CA02
2H199CA12
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA53
2H199CA56
2H199CA58
2H199CA59
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA92
(57)【要約】
ディスプレイシステム(100)は、光学エンジン(202)および光学スキャナ(204)を有するレーザ投影システム(200)を含むことができる。光学エンジンによって出力された光は、2つの角度的に分離されたレーザ光ビーム(1002、1102)として第1の走査ミラー(206)に方向付けることができる。角度的に分離されたレーザ光ビームは、通常、光学スキャナの第2の走査ミラー(208)に対し異なる入射角(1010、1110)を有する。第1の次元において、それぞれ異なるレベルの拡大が角度的に分離されたレーザ光ビームの各々のビーム直径に適用され、それによって、角度的に分離されたレーザ光ビームは、第2の走査ミラーにおける入射時にそれぞれ異なるビーム直径(1012、1112)を有する。角度的に分離されたレーザ光ビームの異なるビーム直径により、結果として、第2の走査ミラーにおける角度的に分離されたレーザ光ビームの各々の入射領域が等しくなるかまたは実質的に類似し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ投影システムであって、
第1のレーザ光ビームおよび第2のレーザ光ビームを受け取り、中継し、前記第1のレーザ光ビームおよび前記第2のレーザ光ビームにそれぞれ異なるレベルの拡大を適用して、第1の拡大レーザ光ビームおよび第2の拡大レーザ光ビームを生成するように構成された光中継器を備え、
前記第1のレーザ光ビームおよび前記第2のレーザ光ビームは角度的に分離され、前記第1の拡大レーザ光ビームおよび前記第2の拡大レーザ光ビームは前記光中継器内に走査され、
前記レーザ投影システムは、
前記光中継器から前記拡大された第1のレーザ光ビームおよび前記拡大された第2のレーザ光ビームを受け取るように構成された第1の走査ミラーをさらに備える、レーザ投影システム。
【請求項2】
前記第1の拡大レーザ光ビームおよび前記第2の拡大レーザ光ビームを前記光中継器内に走査するように構成された第2の走査ミラーをさらに備える、請求項1に記載のレーザ投影システム。
【請求項3】
前記光中継器は、
前記第1のレーザ光ビームに第1のレベルの拡大を適用するように構成された第1の反射面と、
前記第2のレーザ光ビームに第2のレベルの拡大を適用するように構成された第2の反射面と、
を備える、請求項1または請求項2に記載のレーザ投影システム。
【請求項4】
前記光中継器はモールド型反射性中継器であり、前記第1の反射面は前記モールド型反射性中継器の第1の反射面であり、前記第2の反射面は前記モールド型反射性中継器の第2の反射面である、請求項3に記載のレーザ投影システム。
【請求項5】
前記第1の拡大レーザ光ビームは前記第1の走査ミラーに対する第1の入射領域を有し、前記第2の拡大レーザ光ビームは前記第1の走査ミラーに対する第2の入射領域を有し、前記第1の入射領域は前記第2の入射領域と面積が実質的に類似している、請求項1~請求項4のいずれかに記載のレーザ投影システム。
【請求項6】
前記第1の走査ミラーは、第1の入射角で前記第1の拡大レーザ光ビームを受け取り、第2の入射角で前記第2の拡大レーザ光ビームを受け取るように構成され、前記第1の入射角は前記第2の入射角とは異なる、請求項5に記載のレーザ投影システム。
【請求項7】
前記第1の入射領域および前記第2の入射領域はそれぞれ、前記第1の走査ミラーの反射面によって結合される、請求項5に記載のレーザ投影システム。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに記載のレーザ投影システムを備えるニアアイディスプレイであって、
前記レーザ投影システムの少なくとも一部分を含む眼鏡フレームと、
眼鏡レンズとをさらに備え、
前記レーザ投影システムは、前記眼鏡レンズの少なくとも一部分を通して前記第1のレーザ光ビームおよび前記第2のレーザ光ビームを出力するように構成される、ニアアイディスプレイ。
【請求項9】
ニアアイディスプレイであって、
レーザ投影システムを備え、前記レーザ投影システムは、
角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取り、前記角度的に分離されたレーザ光ビームにそれぞれ異なるレベルの拡大を適用し、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを中継するように構成された光中継器と、
前記光中継器から前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取り、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを走査するように構成された走査ミラーと、
を備える、ニアアイディスプレイ。
【請求項10】
前記角度的に分離されたレーザ光ビームは第1のレーザ光ビームおよび第2のレーザ光ビームを含み、前記光中継器は、
前記第1のレーザ光ビームに第1のレベルの拡大を適用するように構成された第1の反射面と、
前記第2のレーザ光ビームに第2のレベルの拡大を適用するように構成された第2の反射面と、
を備える、請求項9に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項11】
前記光中継器はモールド型反射性中継器であり、前記第1の反射面は前記モールド型反射性中継器の第1の反射面であり、前記第2の反射面は前記モールド型反射性中継器の第2の反射面である、請求項10に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項12】
前記第1のレーザ光ビームは前記走査ミラーに対する第1の入射領域を有し、前記第2のレーザ光ビームは前記走査ミラーに対する第2の入射領域を有し、前記第1の入射領域は前記第2の入射領域と面積が実質的に類似している、請求項10に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項13】
前記走査ミラーは、第1の入射角で前記第1のレーザ光ビームを受け取り、第2の入射角で前記第2のレーザ光ビームを受け取るように構成され、前記第1の入射角は前記第2の入射角とは異なる、請求項12に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項14】
方法であって、
光中継器を用いて、第1の走査ミラーから、角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取ることと、
前記光中継器を用いて、前記角度的に分離されたレーザ光ビームの各々にそれぞれ異なるレベルの拡大を適用することと、
前記光中継器を用いて、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを第2の走査ミラーに中継することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記第2の走査ミラーを用いて、前記光中継器から前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取ることをさらに含み、
前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームの第1のレーザ光ビームは、前記第2の走査ミラーに対する第1の入射角および第1の入射領域を有し、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームの第2のレーザ光ビームは、前記第2の走査ミラーに対する第2の入射角および第2の入射領域を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光中継器を用いて、前記角度的に分離されたレーザ光ビームの各々にそれぞれ異なるレベルの拡大を適用することは、
前記光中継器の第1の反射面を用いて、前記第1のレーザ光ビームの第1のビーム直径に第1のレベルの拡大を適用することと、
前記光中継器の第2の反射面を用いて、前記第2のレーザ光ビームの第2のビーム直径に第2のレベルの拡大を適用することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の入射領域は、前記第1のビーム直径および前記第1の入射角によって少なくとも部分的に定義された第1の面積を有し、前記第2の入射領域は、前記第2のビーム直径および前記第2の入射角によって少なくとも部分的に定義された第2の面積を有し、前記第1の面積は前記第2の面積に実質的に類似している、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
いくつかのディスプレイシステムは、画像またはビデオを別の物体上にまたは別の物体を介して表示するために、光のパターンをその別の物体上に(例えば、投影画面上等、別の物体の表面上)に投影するかまたは照らす光学デバイスであるプロジェクタを用いる。光源としてレーザを用いるプロジェクタ(すなわち、「レーザプロジェクタ」)において、レーザプロジェクタによって生成されるレーザ光の各ビームは、時間的に変調され、レーザ光のパターンを提供し、デジタルマイクロミラー等の制御可能なミラーが、別の物体の2次元エリアにわたってレーザ光の変調パターンを空間的に分散させるために一般的に用いられる。レーザ光の変調パターンの空間分布は、この別の物体の画像を生成する。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、添付の図面を参照することによって、より良好に理解することができ、その多数の特徴および利点が当業者に明らかとなる。異なる図面における同じ参照符号の使用は、類似のまたは同一のアイテムを示す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】いくつかの実施形態による、一体化されたレーザ投影システムを有するディスプレイシステムを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、2つの走査ミラー間に配設された光中継器を含む光学スキャナを有するレーザ投影システムを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、入力カプラ、出力カプラおよび射出瞳拡張器を有する導波路を示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、2つの走査ミラー間に配設されたモールド型反射性中継器を含むレーザ投影システムを示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、2つの走査ミラー間に配設されたモールド型反射性中継器を含むレーザ投影システムを示し、モールド型反射性中継器を通る光路を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、レーザ投影システムを含むウェアラブルヘッドアップディスプレイ(WHUD)の部分透過図を示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、WHUD内に配設されたレーザ投影システムの部分透過前面等角図を示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、WHUD内に配設されたレーザ投影システムの部分透過背面等角図を示す図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、一対の角度的に分離されたレーザが、光学スキャナを介してルーティングされ、入力カプラに入射する、レーザ投影システムの一部分の上面図を示す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、レーザ光ビームが第2の走査ミラーの反射面において入射する、レーザ投影システムの一部分の上面図を示す図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、レーザ光ビームのビーム直径に依拠してレーザ光ビームの一部分が結果的に反射面を逃し得る角度で、レーザ光ビームが第2の走査ミラーの反射面に入射する、レーザ投影システムの一部分の上面図を示す図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、第1の大きさのビーム拡張が光中継器の第1の反射面によって第1のレーザ光ビームに適用される、レーザ投影システムの光学スキャナの上面図を示す図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、第2の大きさのビーム拡張が光中継器の第2の反射面によって第2のレーザ光ビームに適用される、レーザ投影システムの光学スキャナの上面図を示す図である。
【
図14】いくつかの実施形態による、角度的に分離されたレーザ光ビームにそれぞれ異なるレベルの拡大をもたらす、
図12の例の第1の反射面および
図13の例の第2の反射面を含むレーザ投影システムの光学スキャナの上面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
図1~
図14は、光中継器の異なる反射面によってそれぞれ異なる大きさのビーム拡張が適用される、複数の角度的に分離されたレーザ入力を有するニアアイディスプレイシステム(例えば、ウェアラブルヘッドアップディスプレイ(WHUD))または別のディスプレイシステムをコンパクトに配置するための実施形態を示す。本明細書に記載の技術を用いて、そのようなディスプレイシステムの2つ以上のレーザ入力(場合によっては、本明細書において「レーザ光ビーム」と呼ばれる)が互いに対し角度的に分離され、それによってこれらの2つ以上のレーザ光ビームは、互いに対し平行でも垂直でもなく、代わりに傾いた(すなわち、「角度的にオフセットされた」、「角度的に分離された」)光路に沿って伝播する。2つ以上のレーザ光ビームの角度分離に起因して、システムの光学スキャナの1つまたは複数の走査ミラーに対するそのようなレーザ光ビームのそれぞれの入射角は通常異なり、結果として、同じまたは類似のビーム直径を有するレーザ光ビームについて、そのような走査ミラーに対するレーザ光ビームのそれぞれ異なるサイズの入射領域が得られ、これはWHUDでの性能およびユーザ体験に影響を及ぼし得る。そのような角度的に分離された光ビームの入射領域のそれぞれの入射角および対応する面積の差を補うために、それぞれ異なるレベルのビーム拡張(すなわち、拡大)が、角度的に分離されたレーザ光ビームの各々に適用され、それによって、いくつかの実施形態では、光学スキャナの所与の走査ミラーにおける角度的に分離されたレーザ光ビームのそれぞれの入射領域の面積は、同じであるかまたは概ね同じである。
【0005】
さらに説明するために、いくつかの例において、走査ミラーの反射面よりも大幅に大きいかまたは小さい入射領域を有するレーザ光ビームを走査ミラー上に提供する。例えば、角度的に分離されたレーザ光ビームの一部分が走査ミラーの反射面を逃す結果として、ニアアイディスプレイシステムによって投影される画像の明るさが損失する。そうでなければ走査ミラーの反射面よりも大きな面積の入射領域を有することになる、角度的に分離されたレーザ光ビームの任意のレーザ光ビームに適用されるレベル拡大を低減することによって、画像の明るさを比較的高いレベルに維持することができる。別の例として、走査ミラーの反射面よりも小さな面積の入射領域を有するレーザ光ビームを提供する結果として、走査ミラーの反射面の過少利用、およびニアアイディスプレイの光学的分解能の対応する低減が生じる。そうでなければ走査ミラーの反射面よりも小さな面積の入射領域を有することになる、角度的に分離されたレーザ光ビームの任意のレーザ光ビームに適用される拡大のレベルを増大させることによって、反射面のこの過少利用が軽減される。
【0006】
本明細書に開示される技術のいくつかの実施形態において、ディスプレイシステムは、少なくとも2つの変調可能なレーザ光源を有する光学エンジンと、2つの走査ミラーと、光中継器と、導波路とを含むレーザ投影システムを含む。動作時に、少なくとも2つの変調可能なレーザ光源が、レーザ光(2つ以上の角度的に分離されたレーザ光ビームとして出力される)を提供し、2つの走査ミラーがレーザ光を順に受け取り、各々がそれぞれの方向にわたってレーザ光を走査する(例えば、第1の走査ミラーは、第1の次元に沿って光を走査し、第2の走査ミラーは第2の次元に沿って光を走査し、ここで、第2の次元は実質的に第1の次元と垂直であり得る)。導波路は入力カプラを含み、この入力カプラにおいて、走査されたレーザ光を第2の走査ミラーから受け取る。入力カプラは、導波路を通じて、いくつかの例では、介在する射出瞳拡張器(EPE)を介して、受け取った光を導波路の出力カプラに向けてリダイレクトし、光が導波路から出て(例えば、ユーザの眼の上に)投影されるようにする。
【0007】
そのようなディスプレイシステムのいくつかの実施形態において、2つの角度的に分離されたレーザ光ビームは、(例えば、光学エンジンおよびビームコンバイナを介して)第1および第2の走査ミラーならびに光中継器を含む光学スキャナに出力される。ディスプレイシステムは、2つの角度的に分離されたレーザ光ビームのうちの第1のレーザ光ビームが第1の走査ミラーに入射し、第1の走査ミラーが、第1のレーザ光ビームを第1の走査次元に沿って光中継器の第1の反射面上に走査するように構成される。2つの角度的に分離されたレーザ光ビームの第2のレーザ光ビームは、第1の走査ミラーにも入射し、第1の走査ミラーが、第2のレーザ光ビームを第1の走査次元に沿って光中継器の第2の反射面上に走査する。第1の反射面は第1のレーザ光ビームを光中継器の第3の反射面に向けて方向付ける。第2の反射面は第2のレーザ光ビームを光中継器の第4の反射面に向けて方向付ける。第3の反射面は、第1のレーザ光ビームを第2の走査ミラーに向けて方向付け、第2の走査ミラーは、第1の走査次元に対し少なくとも実質的に垂直な第2の走査次元に沿って、導波路の入力カプラの第1の領域にわたって第1のレーザ光ビームを走査する。第4の反射面は、第2のレーザ光ビームを第2の走査ミラーに向けて方向付け、第2の走査ミラーは、第2の走査次元に沿って導波路の入力カプラの第2の領域にわたって第2のレーザ光ビームを走査する。いくつかの実施形態では、入力カプラの第1の領域は、入力カプラの第2の領域に部分的に重複する。
【0008】
いくつかの実施形態では、光中継器の第1および第2の反射面は、モールドされた光中継器の重複しない反射面である。いくつかの実施形態では、光中継器の第3および第4の反射面は、モールドされた光中継器の重複しない面である。いくつかの実施形態では、第1の反射面は、走査次元および第1のレーザ光ビームの伝播方向に垂直なまたは実質的に垂直な第1の「非走査」次元に沿って、第1の大きさを有する第1のレーザ光ビームのビーム直径を拡張する(場合によっては、本明細書において、ビーム拡張または拡大の実行と呼ばれる)。いくつかの実施形態では、第2の反射面は、走査次元および第2のレーザ光ビームの伝播方向に垂直なまたは実質的に垂直な第2の非走査次元に沿って、第2の大きさを有する第2のレーザ光ビームのビーム直径を拡張する。いくつかの実施形態では、第1の大きさは第2の大きさとは異なる。いくつかの実施形態では、第1の反射面は、第2の反射面の第2の光学的処方とは異なる光学的処方を有し、結果として、それぞれ第1および第2の非走査次元に沿って、第1の反射面によって第1のレーザ光ビームに、および第2の反射面によって第2のレーザ光ビームに、それぞれ異なる大きさのビーム拡張が適用される。
【0009】
一般的に、(走査ミラーのもの等の)表面に対する所与のレーザ光ビームの入射角がその表面に対する法線から逸れると、レーザ光ビームが入射する表面領域の面積が増大する。レーザ光ビームが入射する表面領域は、場合によっては、本明細書において「入射領域」と呼ばれる。レーザ投影システムの例において、所与のレーザ光ビームおよび所与の走査ミラーの入射領域が走査ミラーの反射面よりも大きい場合、反射面に入射しないレーザ光ビームの部分は、走査ミラーによって反射されず(場合によっては「クリッピング」または「アパーチャクリッピング」と呼ばれるシナリオ)、結果として、レーザ投影システムを用いて表示される画像の明るさが損失する。特に、入力として2つ以上の角度的に分離されたレーザ光ビームを利用する本開示のレーザ投影システムの実施形態において、各レーザ光ビームは、通常、第2の走査ミラーに対しそれぞれ異なる入射角を有することになり、結果として、第2の走査ミラーにおける入射領域がそれぞれ異なるサイズとなる。レーザ投影システムに入力されるレーザ光ビームの各々が最初に同じまたは実質的に同じビーム直径を有し、第2の走査ミラーに対しそれぞれ異なる入射角を有すると仮定すると、第2の走査ミラーに対するレーザ光ビームの入射領域は、光中継器の反射面を介してレーザ光ビームの各々のそれぞれの非走査次元に沿って同じレベル(すなわち大きさ)のビーム拡張が適用される場合、異なるサイズを有することになり、非理想性を結果としてもたらす。例えば、レーザ光ビームの入射領域のうちの少なくとも1つが第2の走査ミラーの反射面のサイズを超える場合、望ましくないことに、投影画像のクリッピングおよび明るさの損失が結果として生じることになる。この明るさの損失は、第2の走査ミラーの反射面のものを超える(例えば、大幅に超える)それぞれの面積を有する入射領域を有する任意のレーザ光ビームに、低減されたレベルの拡大を代わりに適用することによって、軽減することができる。別の例として、レーザ光ビームのうちの少なくとも1つが、第2の走査ミラーの反射面よりも小さい(例えば、大幅に小さい)第2の走査ミラーにおける入射領域を有する場合、投影画像の光学的分解能は望ましくないことに低減されることになる。この光学的分解能の低減は、第2の走査ミラーの反射面よりも小さい(例えば、大幅に小さい)それぞれの面積を有する入射領域を有する任意のレーザ光ビームに、より大きなレベルの拡大を代わりに適用することによって、軽減することができる。
【0010】
上記で確認したように、それぞれ異なるレベルのビーム拡張を、それぞれの非走査次元に沿ってそのようなレーザ投影システムの角度的に分離されたレーザ光ビームに適用することによって(異なるレベルのビーム拡張は、例えば、それぞれ異なる光学的処方を有するそれぞれ異なる反射面を介して適用される)、第2の走査ミラーにおける角度的に分離されたレーザ光ビームの各々のそれぞれの入射領域のサイズを独立して選択することができる。例えば、それぞれの非走査次元に沿って第1および第2の角度的に分離されたレーザ光ビームにそれぞれ異なるレベルのビーム拡張を適用することによって(ここで、第1および第2の角度的に分離されたレーザ光ビームは、同じ初期ビーム直径と、第2の走査ミラーに対するそれぞれ異なる入射角を有する)、第1のレーザ光ビームの第1の入射領域は、第2のレーザ光ビームの第2の入射領域に等しいか概ね等しくなるように設定され、いくつかの実施形態では、第2の走査ミラーの反射面のサイズに等しいかまたは概ね等しくなるように設定される。
【0011】
本開示の実施形態によれば、異なる光学的処方を有する反射面を有する光中継器を含むレーザ投影システムが設けられ、これにより、それぞれ異なるレベルのビーム拡張が、それぞれ反射面に入射する角度的に分離されたレーザ光ビームに適用されることになる。いくつかの実施形態では、異なるレベルのビーム拡張は、角度的に分離されたレーザ光ビームのそれぞれの非走査次元に沿って適用され、角度的に分離されたレーザ光ビームが、互いに対し、第2の走査ミラーの反射面に対し、またはその双方で、第2の走査ミラーにおいて、それぞれ類似または同じサイズのそれぞれの入射領域を有するようにする。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態は、ウェアラブルヘッドアップディスプレイ(WHUD)の形態の特定の例示的なニアアイディスプレイシステムを参照して説明および例示されているが、本開示の装置および技術はこの特定の例に限定されるものではなく、代わりに、本明細書に提供されるガイドラインを用いて多岐にわたるディスプレイシステムのうちの任意のものにおいて実施することができることが理解されることに留意されたい。
【0013】
図1は、ユーザが、投影画像を、レンズ素子108、110の一方または双方においてディスプレイの視野(FOV)エリア106内に表示されているものとして知覚するように、ユーザの眼に向けて画像を投影するように構成されたレーザ投影システムを収容する、アーム104を含む支持構造体102を有する、いくつかの実施形態による走査ベースの光学系を用いた例示的なディスプレイシステム100を示す。示される実施形態において、ディスプレイシステム100は、支持構造体102が、ユーザの頭部に装着されるように構成され、眼鏡(例えば、サングラス)フレームの一般的形状および外観(すなわち、フォームファクタ)を有する、WHUDの形態のニアアイディスプレイシステムである。支持構造体102は、レーザプロジェクタ、光学スキャナおよび導波路等の、ユーザの眼に向けたそのような画像の投影を容易にするための様々な構成要素を含有するかまたは他の形で含む。いくつかの実施形態では、支持構造体102は、1つまたは複数の前面カメラ、後面カメラ、他の光センサ、動きセンサ、加速度計等のような様々なセンサをさらに含む。支持構造体102は、Bluetooth(商標)インタフェース、WiFiインタフェース等のような1つまたは複数の無線周波数(RF)インタフェースまたは他の無線インタフェースをさらに含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、支持構造体102は、ディスプレイシステム100の電気構成要素に電力を供給するための1つまたは複数のバッテリまたは他のポータブル電源をさらに含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム100のこれらの構成要素のうちのいくつかまたは全ては、支持構造体102の領域112内のアーム104内等、支持構造体102の内部容積内に完全にまたは部分的に含有される。例示的なフォームファクタが示されているが、他の実施形態において、ディスプレイシステム100は、
図1に示す眼鏡フレームとは異なる形状および外観を有してもよいことが理解されることに留意されたい。本明細書における用語「または」の実例は、別段の記載がない限り、「または」の非排他的定義を指すことを理解されたい。例えば、本明細書において、「XまたはY」というフレーズは、「X、またはY、または双方」を意味する。
【0014】
レンズ素子108、110の一方または双方が、ディスプレイシステム100によって、拡張現実(AR)ディスプレイを提供するために用いられる。ARディスプレイにおいて、レンダリングされるグラフィックコンテンツは、レンズ素子108、110を通してユーザによって知覚される際、現実世界のビューの上に重ね合わせるか、または他の形で現実世界のビューと組み合わせて提供することができる。例えば、知覚可能な画像または一連の画像を形成するために用いられるレーザ光は、ディスプレイシステム100のレーザプロジェクタによって、少なくとも部分的に、対応するレンズ素子、1つまたは複数の走査ミラー、および1つまたは複数の光中継器において形成される導波路等の一連の光学素子を介してユーザの眼に投影することができる。このため、レンズ素子108、110の一方または双方は、少なくとも、導波路の入力カプラによって受け取られたディスプレイ光を、導波路の出力カプラにルーティングする、導波路の一部分を含み、出力カプラは、ディスプレイ光をディスプレイシステム100のユーザの眼に向けて出力する。ディスプレイ光は、ユーザが画像としてディスプレイ光を知覚するように、変調され、ユーザの眼の上に走査される。加えて、レンズ素子108、110の各々は、ユーザがレンズ素子を透かして見ることを可能にし、画像が現実世界の環境の少なくとも一部分の上に重ね合わされて見えるようにユーザの現実世界の環境の視野を提供するのに十分透明である。
【0015】
いくつかの実施形態では、プロジェクタは、デジタル光処理ベースのプロジェクタ、走査レーザプロジェクタ、または、レーザもしくは1つまたは複数の発光ダイオード(LED)等の変調可能光源と、1つまたは複数の動的スキャナもしくはデジタル光プロセッサ等の動的反射体機構との任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、プロジェクタは、複数のレーザダイオード(例えば、赤色レーザダイオード、緑色レーザダイオード、および青色レーザダイオード)と、少なくとも1つの走査ミラー(例えば、微小電気機械システム(MEMS)ベースまたは圧電ベースとすることができる2つの1次元走査ミラー)とを含む。プロジェクタは、コントローラと、コントローラによって実行されると、コントローラにプロジェクタの動作を制御させるプロセッサ実行可能命令および他のデータを記憶する、非一時的プロセッサ可読ストレージ媒体またはメモリとに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラは、プロジェクタの走査エリアのサイズおよび走査エリアのロケーションを制御し、ディスプレイシステム100において表示されるコンテンツを生成するプロセッサ(図示せず)に通信可能に結合される。プロジェクタは、ディスプレイシステム100のFOVエリア106として指定される可変エリアにわたって光を走査する。走査エリアのサイズは、FOVエリア106のサイズに対応し、走査エリアロケーションは、FOVエリア106がユーザに可視である、レンズ素子108、110のうちの1つの領域に対応する。一般的に、ディスプレイが、広い範囲の角度にわたる光の出力結合に適応する広いFOVを有することが望ましい。本明細書において、ディスプレイを見ることができることになる異なるユーザの眼の位置の範囲は、ディスプレイのアイボックスと呼ばれる。
【0016】
いくつかの実施形態では、プロジェクタは、第1および第2の走査ミラーと、第1および第2の走査ミラー間に配設された光中継器と、第2の走査ミラーの出力に配設された導波路とを介して光をルーティングする。いくつかの実施形態では、導波路の出力カプラの少なくとも一部分は、FOVエリア106に重複することができる。これらの態様は、以下でさらに詳細に説明される。
【0017】
図2は、レーザ光を介してユーザの眼の上に画像を直接投影するレーザ投影システム200の概略ブロック図を示す。レーザ投影システム200は、光学エンジン202と、光学スキャナ204と、導波路205とを含む。光学スキャナ204は、第1の走査ミラー206と、第2の走査ミラー208と、光中継器210とを含む。導波路205は、入力カプラ212と出力カプラ214とを含み、出力カプラ214は、本例において、ユーザの眼216と光学的に位置合わせされている。いくつかの実施形態では、レーザ投影システム200は、
図1のディスプレイシステム100等のウェアラブルヘッドアップディスプレイまたは別のディスプレイシステムにおいて実施される。
【0018】
光学エンジン202は、レーザ光218(例えば、赤色、青色、および緑色レーザ光等の可視レーザ光、ならびにいくつかの実施形態では、赤外レーザ光等の不可視レーザ光)を生成および出力するように構成された1つまたは複数のレーザ光源を含む。いくつかの実施形態では、光学エンジン202はドライバまたは他のコントローラ(図示せず)に結合され、ドライバまたは他のコントローラは、結合されたコンピュータプロセッサからこのコントローラまたはドライバによって受け取られた命令に従って、光学エンジン202のレーザ光源からのレーザ光の放出のタイミングを制御して、ユーザの眼216の網膜への出力時に画像として知覚されるレーザ光218を変調する。
【0019】
例えば、レーザ投影システム200の動作中、それぞれ異なる波長を有する複数のレーザ光ビームが光学エンジン202のレーザ光源によって出力され、次に、ユーザの眼216に向けられる前に、ビームコンバイナ(図示せず)を介して結合される。光学エンジン202は、結合されたレーザ光が画像の一連のピクセルを反射するように、レーザ光ビームのそれぞれの強度を変調する。任意の所与の時点における各レーザ光ビームの特定の強度は、その時点に結合されたレーザ光によって表されるピクセルの対応する色内容および明るさの量に寄与する。
【0020】
いくつかの実施形態において、光学スキャナ204の第1および第2の走査ミラー206および208の一方または双方がMEMSミラーである。例えば、第1の走査ミラー206および第2の走査ミラー208は、レーザ投影システム200の活性動作中に振動するようにそれぞれの作動電圧によって駆動されるMEMSミラーであり、これにより第1および第2の走査ミラー206および208はレーザ光218を走査する。第1の走査ミラー206の振動により、光学エンジン202によって出力されたレーザ光218が、光中継器210を通じて、および第2の走査ミラー208の表面にわたって走査されることになる。第2の走査ミラー208は、第1の走査ミラー206から受け取ったレーザ光218を、導波路205の入力カプラ212に向けて走査する。いくつかの実施形態では、第1の走査ミラー206は、振動するか、または他の形で第1の軸219の周りを回転し、レーザ光218が第2の走査ミラー208の表面にわたって1つの次元にのみ(すなわち、直線状に)走査されるようにする。いくつかの実施形態では、第2の走査ミラー208は、振動するか、または他の形で第2の軸221の周りを回転する。いくつかの実施形態では、第1の軸219は第2の軸221に対し傾斜する。
【0021】
いくつかの実施形態では、入力カプラ212は、実質的に矩形の外形を有し、レーザ光218を受け取り、レーザ光218を導波路205内に方向付けるように構成される。入力カプラ212は、小さい方の寸法(すなわち、幅)およびより大きい方の直交する寸法(すなわち、長さ)によって定義される。実施形態において、光中継器210は、第1の走査ミラー206により第1の次元(例えば、入力カプラ212の小さな寸法に対応する第1の次元)において走査されたレーザ光218を受け取り、レーザ光218を第2の走査ミラー208にルーティングし、第1の次元において、第2の走査ミラー208を越えた光中継器210の射出瞳面へのレーザ光218の集中を(例えば、コリメーションにより)もたらすライン走査光中継器である。本明細書において、「瞳面」は、1つまたは複数の次元に沿ったアパーチャにレーザ光が集中する光学系を通じたレーザ光の光路に沿ったロケーションを指す。例えば、光中継器210は、光学系を通じてレーザ光の光路に沿って位置する1つまたは複数の入射瞳面に関連付けることができ、ここで、レーザ光は、光中継器210に入る前に仮想アパーチャに集中する。例えば、光中継器210は、光学系を通じてレーザ光の光路に沿って位置する1つまたは複数の射出瞳面に関連付けることができ、ここで、レーザ光は、光中継器210を出た後に1つまたは複数の次元に沿った仮想アパーチャに集中する。いくつかの実施形態では、光中継器210の入射瞳面は、第1の走査ミラー206に一致して配置され得る。いくつかの実施形態では、光中継器210の入射瞳面は、第1の走査ミラー206と光中継器210との間の中間ロケーションに位置することができる。いくつかの実施形態では、光中継器210の射出瞳面は、第2の走査ミラー208に一致して配置され得る。いくつかの実施形態では、光中継器210の射出瞳面は、入力カプラ212に一致して配置され得る。
【0022】
いくつかの例において、レーザ光は、第1の次元に沿って第1の入射瞳面の仮想アパーチャに集中し(例えば、レーザ光が、x軸、y軸およびz軸を有するデカルト座標系に対し、x-y次元に沿って、z次元に沿った点または線に集中する)、第2の次元に沿って第2の入射瞳面の仮想アパーチャに集中する(例えば、第2の次元は、第1の次元に実質的に垂直である)。ここで、第1および第2の入射瞳面はロケーションに関して異なる。いくつかの例において、レーザ光は、第1の次元に沿って第1の射出瞳面の仮想アパーチャに集中し(例えば、レーザ光が、x軸、y軸およびz軸を有するデカルト座標系に対し、x-y次元に沿って、z次元に沿った点または線に集中する)、第2の次元に沿って射出瞳面の仮想アパーチャに集中する(例えば、第2の次元は、第1の次元に実質的に垂直である)。ここで、第1および第2の射出瞳面はロケーションに関して異なる。他の例において、レーザ光は、全ての次元に沿って単一の入射瞳面の仮想アパーチャに集中し(例えば、レーザ光が、x、yおよびz次元の各々に沿って仮想アパーチャに集中する)、全ての次元に沿って単一の射出瞳面の仮想アパーチャに集中する。本例において、光学エンジン202は、第1の走査ミラーに向けてレーザ光218の単一のビーム(それ自体が、それぞれ異なる偏光または波長を有する2つ以上の光ビームの結合であり得る)を出力するように示されているが、いくつかの実施形態では、光学エンジン202は、第1の走査ミラーに向けて2つ以上のレーザ光ビームを生成および出力するように構成され、ここで、2つ以上のレーザ光ビームは、互いに対し角度的に分離されている(すなわち、それらは「角度的に分離されたレーザ光ビーム」である)。上記で説明したように、2つ以上のレーザ光ビームは、互いに対し傾斜した(例えば、角度的にオフセットされた)それぞれ異なる非平行で非垂直の光路に沿って伝播するとき、「角度的に分離」されており、いくつかの例において、光路の角度分離は、2つ以上のレーザ光ビームを、1つまたは複数の次元に沿って互いに重複するように集中させる(例えば、そのような重複は瞳面の仮想アパーチャに対応する)。
【0023】
本例において、レーザ光218の可能な光路は、第1の走査ミラー206による反射に続いて、第1の走査次元に沿って最初に拡散されるが、後に、これらの光路は、光中継器210によってもたらされる集中に起因して、第2の走査ミラー208を越えた射出瞳面において交差する。例えば、所与の射出瞳面の幅(すなわち、最も小さな寸法)は、概ね、その射出瞳面に対応するレーザ光の直径に対応する。したがって、射出瞳面は、「仮想アパーチャ」とみなすことができる。いくつかの実施形態では、光中継器210の射出瞳面は、入力カプラ212に一致する。いくつかの実施形態では、光中継器210の入射瞳面は、第1の走査ミラー206に一致する。
【0024】
様々な実施形態によれば、光中継器210は、第2の走査ミラー208に対するレーザ光218を成形し中継する、1つもしくは複数の球面、非球面、放物面もしくは自由形状レンズを含むか、または、第2の走査ミラー208に対するレーザ光218を成形し方向付ける、限定ではないが、球面、非球面、放物面もしくは自由形状レンズもしくは反射体(本明細書において、場合によっては「反射面」と呼ばれる)を含む2つ以上の光学面を含むモールド型反射性中継器を含む。第2の走査ミラー208は、レーザ光218を受け取り、第2の次元においてレーザ光218を走査する。第2の次元は、導波路205の入力カプラ212の長い次元に対応する。いくつかの実施形態では、第2の走査ミラー208は、レーザ光218の射出瞳面が、第2の次元に沿った線に沿って掃引されるようにする。いくつかの実施形態では、入力カプラ212は、第2の走査ミラー208がレーザ光218を入力カプラ212にわたる列または行として走査するように、第2の走査ミラー208から下流の掃引線にまたはその付近に位置決めされる。
【0025】
いくつかの実施形態では、光学エンジン202は、実質的に楕円形の非円形断面を有するレーザ光218を発する端面発光型レーザ(EEL)を含み、光中継器210は、第1の方向(例えば、レーザ光218のビーム外形の長半径)または第2の方向(例えば、レーザ光218のビーム外形の短半径)の一方または双方に沿ってレーザ光218を拡大または最小化して、第2の走査ミラー208におけるレーザ光218の集中前にレーザ光218を再成形(例えば、円形化)する。いくつかのそのような実施形態において、第1の走査ミラー206のミラー板の表面は、楕円形で非円形である(例えば、レーザ光218の断面エリアに形状およびサイズが類似している)。他のそのような実施形態において、第1の走査ミラー206のミラー板の表面は円形である。
【0026】
レーザ投影システム200の導波路205は、入力カプラ212および出力カプラ214を含む。「導波路」という用語は、本明細書において用いられるとき、全内反射(TIR)、特殊フィルタ、または反射面のうちの1つまたは複数を用いて入力カプラ(入力カプラ212等)から出力カプラ(出力カプラ214等)に光を伝送するコンバイナを意味することが理解されよう。いくつかのディスプレイ用途において、光はコリメート画像であり、導波路は、コリメート画像を眼に伝送し、複製する。一般的に、「入力カプラ」および「出力カプラ」という用語は、限定ではないが、回折格子、ホログラム、ホログラフィック光学素子(例えば、1つまたは複数のホログラムを用いる光学素子)、体積型回折格子、体積型ホログラム、表面レリーフ型回折格子、または表面レリーフ型ホログラムを含む、任意のタイプの光学格子構造を指すことが理解されよう。いくつかの実施形態では、所与の入力カプラまたは出力カプラは、入力カプラまたは出力カプラが光を送出し、送出中、設計された光学機能を光に適用するようにする透過型格子(例えば、透過型回折格子または透過型ホログラフィック格子)として構成される。いくつかの実施形態では、所与の入力カプラまたは出力カプラは、入力カプラまたは出力カプラが光を反射し、反射中、設計された光学機能を光に適用するようにする反射型格子(例えば、反射型回折格子または反射型ホログラフィック格子)である。本例において、入力カプラ212において受け取られたレーザ光218は、TIRを用いて、導波路205を介して出力カプラ214に中継される。次に、レーザ光218は、出力カプラ214を介してユーザの眼216に出力される。上記で説明したように、いくつかの実施形態において、導波路205は、眼鏡フォームファクタを有し、レーザ投影システム200を利用するディスプレイシステムのレンズ素子108または110(
図1)等の眼鏡レンズの一部として実施される。
【0027】
図2の例には示されていないが、いくつかの実施形態において、追加の光学構成要素が、光学エンジン202と第1の走査ミラー206との間、第1の走査ミラー206と光中継器210との間、光中継器210と第2の走査ミラー208との間、第2の走査ミラー208と入力カプラ212との間、入力カプラ212と出力カプラ214との間、または出力カプラ214と眼216との間(例えば、ユーザの眼216によって見るようにレーザ光を成形するため)の光路のうちの任意のものに含まれる。いくつかの実施形態では、プリズムを用いて、第2の走査ミラー208から入力カプラ212への光をステアリングし、光がTIRによって導波路205における光の伝播を促進するのに適した角度で入力カプラ212に結合されるようにする。また、いくつかの実施形態では、フォールド格子等の射出瞳拡張器(例えば、以下で説明する
図3の射出瞳拡張器304)は、入力カプラ212と出力カプラ214との間の中間ステージに配置され、入力カプラ212によって導波路205内に結合された光を受け取り、光を拡張し、光を出力カプラ214に向けてリダイレクトし、ここで、次に出力カプラ214は、導波路205から出たレーザ光を(例えば、ユーザの眼216に向かって)結合する。
【0028】
図3は、いくつかの実施形態による、
図2のレーザ投影システム200の導波路205内の光伝播の例を示す。示すように、走査次元302に沿って走査された、入力カプラ212を介して受け取られた光は、射出瞳拡張器304に方向付けられ、次に、出力カプラ214にルーティングされ、(例えば、ユーザの眼に向かって)出力される。いくつかの実施形態では、射出瞳拡張器304は、(例えば、射出瞳拡張器304がない場合のディスプレイのアイボックスの寸法に対し)レーザ投影システム200を含むディスプレイシステム(例えば、
図1のディスプレイシステム100、
図6および
図7のWHUD600、702)のアイボックスの1つまたは複数の寸法を拡張する。いくつかの実施形態では、入力カプラ212および射出瞳拡張器304は各々、それぞれの1次元回折格子(すなわち、1つの次元に沿って延びる回折格子)を含み、この回折格子は、入射光の入射角、および回折格子の構造的態様に依拠して、特定の方向に入射光を回折する。
図3は、入力カプラ212が、走査次元302に垂直な第1の方向に光を(現在示されているビューに対し)真っ直ぐ下に方向付ける実質的に理想的な事例を示し、射出瞳拡張器304が、第1の方向に垂直な第2の方向に光を(現在示されているビューに対し)右に方向付けることを理解されたい。本例には示されていないが、いくつかの実施形態では、入力カプラ212が光を方向付ける第1の方向は、走査次元302に対し、厳密に垂直ではなく、僅かにまたは実質的に傾いていることを理解されたい。
【0029】
図4は、光中継器210がモールド型反射性中継器を含むレーザ投影システム200の例示的な実施形態を示す。示すように、レーザ投影システム200は基板402を含み、基板402上に、ビームコンバイナ404、プライマリレンズ406およびミラー408が配設される。様々な実施形態によれば、基板402はプリント回路基板(PCB)またはそうでなければ別の適用可能な基板である。
【0030】
光学エンジン202は、図示される赤色レーザ光源410-1、緑色レーザ光源410-2、および青色レーザ光源410-3等の1つまたは複数のレーザ光源410(例えば、レーザダイオード)のセットを備え、プロセッサまたは他のコントローラは、光学エンジン202を操作して、ユーザに表示するために生成されている画像の対応するピクセルに対する対応する赤色光、緑色光および青色光の寄与を提供するように、各レーザ光源410のそれぞれの強度を変調する。プライマリレンズ406は、各々が光学エンジン202のそれぞれのレーザ光源410とビームコンバイナ404との間の光路に介在する、対応する数のコリメーションレンズ(例えば、上記の例において、3つのレーザ光源410の場合3つ)を含む。例えば、各レーザ光源410は、プライマリレンズ406を通じて、ビームコンバイナ404において結合されることになる、異なる波長のレーザ光(例えば、それぞれの赤色、青色および緑色の波長に対応する)を出力し、レーザ投影システム200によって投影されることになるレーザ光(すなわち、
図2に示すレーザ光218)を生成する。ビームコンバイナ404は、個々のレーザ光入力を受け取り、結合されたレーザ光218をミラー408に出力し、ミラー408は、レーザ光218を第1の走査ミラー206の反射面412上にリダイレクトする。第1の走査ミラー206は、第1の走査次元に沿って、レーザ光218を光中継器210内に走査する。
【0031】
図4の例において、光中継器210は、例えば、固体の透明な構成要素(例えばガラスまたはZeonex等の光学プラスチック)からモールドすることができる、モールド型反射性中継器であり、その反射面は、ミラーコーティングまたはメタ表面として実施される。いくつかの実施形態では、モールド型反射性中継器1802の1つまたは複数の反射面は、TIRを介して光を反射し、したがって、ミラーコーティングまたは製造されたメタ表面が光を反射することを必要としない。そのようなモールドにより、中継器の光学面のうちのいくつかまたは全てを、いくつかの独立した別個の要素ではなく単一の要素に組み込むことが容易になるため、レーザ投影システム200の製造を単純化することができる。さらに、いくつかの実施形態では、モールド型構造の使用により、ミラーコーティングを用いてモールド型反射性中継器1802の1つまたは複数の領域を通じて光を伝播するのではなく、光が、TIRを介してこれらの領域を通って伝播されることが可能になる。
【0032】
光中継器210は、第2の走査ミラー208の反射面414に向けてレーザ光218をルーティングするように構成される。第2の走査ミラー208は、第2の走査次元に沿って導波路205の入力カプラ(入力カプラ212等)にわたってレーザ光218を走査する。いくつかの実施形態では、第2の走査次元は、レーザ光が光中継器210を通って伝播する際に沿う平面に垂直である。
【0033】
図5は、光学エンジン202によって出力される同時発生のレーザ光が、光中継器210がモールド型反射性中継器である実施形態の場合に光中継器210を通って取ることができる経路の例を示す。示すように、光学エンジン202は、赤色レーザ光218-1、緑色レーザ光218-2および青色レーザ光218-3をビームコンバイナ404に向けて出力する。ビームコンバイナ404は、レーザ光218-1、218-2、218-3の個々のビームを結合してレーザ光218にし、レーザ光218をミラー408に向けてリダイレクトする。ミラー408は、レーザ光218を第1の走査ミラー206上に反射する。第1の走査ミラー206は、第1の走査次元502に沿ってレーザ光218を光中継器210内に走査する。光中継器210は、反射面504、506、508および510からレーザ光218を反射し、次に、レーザ光218を第2の走査ミラー208の反射面414に向かって出力する。次に、第2の走査ミラー208は、第2の走査次元512に沿って入力カプラ212にわたってレーザ光218を走査する。ここで、レーザ光218は、第1の走査ミラー206のほとんどまたは全ての達成可能な走査角で入力カプラ212上に集中する。本例では、ビームコンバイナ404は、レーザ光218の単一のビームを出力するように示されているが、いくつかの実施形態では、ビームコンバイナ404は、第1の走査ミラー206上に方向付けられた、2つ以上の角度的に分離されたレーザ光ビームを出力するように構成されることを理解されたい。
【0034】
図6は、
図2のレーザ投影システム200を含むWHUD600の一部分を示す。いくつかの実施形態では、WHUD600は、
図1のディスプレイシステム100を表す。光学エンジン202、光学スキャナ204、入力カプラ212、および導波路205の一部分は、本例において、WHUD600のアーム602に含まれる。
【0035】
WHUD600は、第1のレンズ606、第2のレンズ608および導波路205を含む光学コンバイナレンズ604を含み、導波路205は、第1のレンズ606と第2のレンズ608との間に配設される。出力カプラ214を通って出る光は、第2のレンズ608(例えば、ディスプレイシステム100のレンズ素子110に対応する)を通って進行する。使用時に、第2のレンズ608を出る光は、WHUD600を装着するユーザの眼610の瞳に入り、ユーザに、光学エンジン202によって出力されるレーザ光によって搬送される表示画像を知覚させる。光学コンバイナレンズ604は、実質的に透明であり、WHUD600の周りの環境に対応する現実世界のシーンからの光が第1のレンズ606、第2のレンズ608および導波路205を通過してユーザの眼610に達するようになっている。このようにして、レーザ投影システム200によって出力された画像または他のグラフィックコンテンツは、ユーザの眼610の上に投影されるとき、ユーザの環境の現実世界の画像と結合され(例えば、重ね合わされ)、ユーザにAR体験を提供する。
【0036】
図示される例には示されていないが、いくつかの実施形態において、追加の光学素子が、(例えば、ユーザの眼610が見るようにレーザ光を成形するために)光学エンジン202と入力カプラ212との間、入力カプラ212と出力カプラ214との間、または出力カプラ214とユーザの眼610との間の光路のうちの任意のものに含まれる。例として、プリズムを用いて、光学スキャナ204から入力カプラ212への光をステアリングし、光がTIRによって導波路205における光の伝播を促進するのに適した角度で入力カプラ212に結合されるようにする。また、いくつかの実施形態では、フォールド格子等の射出瞳拡張器(例えば、射出瞳拡張器304)は、入力カプラ212と出力カプラ214との間の中間ステージに配置され、入力カプラ212によって導波路205内に結合された光を受け取り、光を拡張し、光を出力カプラ214に向けてリダイレクトし、ここで、次に出力カプラ214は、導波路205から出たレーザ光を(例えば、ユーザの眼610に向かって)結合する。
【0037】
図7および
図8は、2つの異なる斜視図、すなわち、
図6のWHUD600または
図1のディスプレイシステム100を表すWHUD702の一部分の部分的に透明な
図700(
図7)および800(
図8)を示す。WHUD702は、光中継器210がモールド型反射性中継器である実施形態について、
図2、
図4および
図5のレーザ投影システム200の例示的な構成を含む。いくつかの実施形態では、WHUD702は、
図1のディスプレイシステム100に対応し、WHUD702の示される部分は、ディスプレイシステム100の領域112に対応する。
【0038】
図7のビュー700および
図8の800によって示されるように、WHUD702のアーム704は、光学エンジン202と、プライマリレンズ406と、第1の走査ミラー206、光中継器210および基板402の少なくとも一部分とを収容する。WHUD702のフレームセクション706は、第2の走査ミラー208と、第1の走査ミラー206、光中継器210および基板402の一部分とを収容する。
図7のビュー700によって示すように、導波路205の入力カプラ212および出力カプラ214(
図7および
図8の図には完全に示されていない)はそれぞれ、レンズ708(例えば、
図1のレンズ110の1つの実施形態)に埋め込まれるか、またはそうでない場合このレンズ上に配設される。上記で説明したように、光学エンジン202によって出力されるレーザ光(例えば、
図5のレーザ光218)は、少なくとも、第1の走査ミラー206、光中継器210および第2の走査ミラー208を介して入力カプラ212にルーティングされる。第1の走査ミラー206は、振動するかまたはそうでなければ回転して、第1の走査次元に沿ってレーザ光を走査し、第2の走査ミラー208は、振動するかまたはそうでなければ回転して、第1の走査次元に垂直な第2の走査次元に沿ってレーザ光を走査する。第2の走査ミラー208によって反射されたレーザ光は、入力カプラ212における線に集中する。入力カプラ212において受け取られた中継レーザ光は、導波路205を介して出力カプラ214にルーティングされる。次に、出力カプラ214において受け取られたレーザ光は、導波路205から出るように(例えば、WHUD702のユーザの眼に向けて)方向付けられる。
【0039】
図9は、2つの角度的に分離されたレーザ光ビームを用いて投影のための画像情報を搬送するレーザ投影システム900(
図2のレーザ投影システム200の1つの実施形態)の例示的な斜視図を示す。本例において、レーザ投影システム900の斜視図は、それぞれ直交するx軸、y軸およびz軸を有する3次元デカルト座標系に関して提供され、ここで、斜視図は正のz軸を見下ろす視点を提供する。
【0040】
光学エンジン202は、各々がビームコンバイナ404に向けてレーザ光のそれぞれ異なる波長を出力するように構成された2つ以上のレーザ光源を含む。ビームコンバイナ404は、光学エンジン202によって出力されるレーザ光の波長を、互いに角度的に(例えば、約0度~約10度の角度)分離された第1のレーザ光ビーム902および第2のレーザ光ビーム904に結合し、第1および第2のレーザ光ビーム902および904(場合によっては、本明細書において、第1および第2の角度的に分離されたレーザ光ビーム902および904と呼ばれる)を第1の走査ミラー206に向けて出力する。いくつかの実施形態では、第1のレーザ光ビーム902および第2のレーザ光ビーム904の各々は、ビームコンバイナ404を介して結合される複数のレーザ光波長を含むため、「集約」レーザ光ビームとみなされる。本例において、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の中心光線のみが示されているが、第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、第1および第2の走査ミラー206および208によってそれぞれの走査領域にわたって走査され、図示される中心光線は走査領域内で中心合わせされていることを理解されたい。第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、(図示される軸に対し)x-y次元に沿って集中し、第1の走査ミラー206の反射面(例えば、
図4の反射面412)において重複し(例えば、z次元に関する重複であり、単数または複数の重複点において同じまたは実質的に同じz座標を有する)、重複点は光中継器210の第1の入射瞳面に対応する。様々な実施形態によれば、他の次元または面(例えば、x-y次元に実質的に垂直な次元または面)に沿った仮想アパーチャへの第1および第2のレーザ光ビーム902および904の集中に対応する他の入射瞳面が、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の光路に沿って、第1の入射瞳面と同じまたは実質的に同じロケーションに配設されてもよく、代わりに、これらの光路に沿って他のロケーションに配設されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の走査ミラー206がその周りで振動するように構成される第1の軸219は、x-y次元に沿って位置合わせまたは実質的に位置合わせされ、z軸に垂直であるかまたは実質的に垂直である。
【0041】
第1の走査ミラー206は、第1および第2のレーザ光ビーム902および904を、x-y次元に対し実質的に直交するx-z次元に対応するかまたは実質的に対応する第1の走査次元(例えば、
図3の走査次元302、
図5の第1の走査次元502)に沿って光中継器210内に走査する。第1の走査ミラー206による反射時に、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の光路は再び発散し、x-y次元に沿って角度的に分離されることとなる。いくつかの実施形態では、光中継器210は、1つまたは複数の次元に沿って第1および第2のレーザ光ビーム902および904の各々を拡大する(例えば、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の各々を円形化する)。様々な実施形態によれば、それぞれの非走査次元に沿った第1および第2のレーザ光ビーム902および904のそれぞれ異なるレベル(すなわち、大きさ)の拡大(場合によっては、ビーム拡張と呼ばれる)が光中継器210の反射面によって適用される。本明細書において、2つの次元(例えば、線、面、方向等)は、それらが互いに対し約15度以内の直交性または垂直性であるとき、互いに「実質的に直交」または「実質的に垂直」とみなされる。光中継器210は、第1および第2のレーザ光ビーム902および904を第2の走査ミラー208に向けて中継し、第1および第2のレーザ光ビーム902および904をx-y次元に沿って集中させ、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の各々の走査領域に、それぞれの伝播方向に沿ったz次元に対し集中させる。
【0042】
本例において、第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、第2の走査ミラー208の反射面(例えば、
図4の反射面414)の2つのそれぞれ別個のロケーションに入射する(すなわち、x-y次元に沿った光中継器の射出瞳面は第2の走査ミラー208に配設されない)。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、代わりに、第2の走査ミラー208の反射面のエリアと実質的に同じであるかまたは少なくとも部分的に重複するエリアにおいて第2の走査ミラー208の反射面上に入射し、いくつかのそのような実施形態において、第2の走査ミラー208の反射面は、x-y次元に沿った光中継器210の射出瞳面として作用することを理解されたい。本明細書において、2つのエリア(例えば、入射領域のエリアおよび反射面のエリア、2つの入射領域のエリア等)は、2つのエリアのうちの第1のエリアが2つのエリアのうちの第2のエリアのサイズの約66%~約133%以内である場合、「実質的に同じ」とみなされる。第2の走査ミラー208は、x-y次元(例えば、
図5の第2の走査次元512)に沿って第1および第2のレーザ光ビーム902および904を入力カプラ212に向けて走査する。
【0043】
本例において、第2の走査ミラー208によって反射されると、第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、x-y次元に沿って集中し、入力カプラ212における光中継器210の第1の射出瞳面において重複する(例えば、z次元に関して重複する)。しかしながら、光中継器210の射出瞳面が第2の走査ミラー208の反射面にまたは実質的に反射面に配設される実施形態の場合、第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、代わりに、第2の走査ミラー208によって反射された後にx-y次元に沿って発散し、入力カプラ212に沿ったそれぞれの異なるロケーションにおいて入射する。様々な実施形態によれば、他の次元または面(例えば、z次元等、x-y次元に実質的に垂直な次元または面)に沿った仮想アパーチャへの第1および第2のレーザ光ビーム902および904の集中に対応する他の射出瞳面が、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の光路に沿って、第1の射出瞳面と同じまたは実質的に同じロケーションに配設されてもよく、代わりに、これらの光路に沿って他のロケーションに配設されてもよい。加えて、第1および第2のレーザ光ビーム902および904のそれぞれの走査領域は、各々、それらのそれぞれの伝播方向に沿ってz次元に対し集中し、それによって、第2の走査ミラー208は、第1および第2のレーザ光ビーム902および904のそれぞれを、入力カプラ212において(例えば、第1の射出瞳面908において)それぞれの実質的に1次元の経路に沿って(例えば、それぞれの線または弧において)走査する。本明細書において、「実質的に1次元」の経路は、単一の直線または湾曲線(例えば、弧)を辿る経路を指す。
【0044】
図9の本例において、光学スキャナ204に入力される第1および第2のレーザ光ビーム902および904が、角度的に分離され、第1の走査ミラー206における第1の入射瞳面および入力カプラ212における第1の射出瞳面においてx-y軸に沿って集中するように示されているが、レーザ投影システム900のいくつかの代替的な実施形態において、第1および第2のレーザ光ビーム902および904は、実質的に非ゼロ量で角度的に分離されておらず、代わりに平行または共線状である。そのような代替的な実施形態において、第1および第2のレーザ光ビーム902および904の各々は、第1の入射瞳面および第1の射出瞳面におけるx-y軸に沿った仮想アパーチャへの(すなわち、必須ではないが他のビームに対する、各個々のビームの光の)独立した集中を受ける。
【0045】
図10は、レーザ光ビーム1002(場合によっては、本明細書において「第1のレーザ光ビーム1002」と呼ばれる)が、反射面414がそれに沿って向けられた面(場合によっては、本明細書において反射面414の平面と呼ばれる)に対し、ここではθとして表される入射角1010で第2の走査ミラー208の反射面414に入射する、レーザ投影システム(
図2のレーザ投影システム200の1つの実施形態)の一部分の例示的な斜視
図1000を示す。本例において、第1のレーザ光ビーム1002は、第2の走査ミラー208に対する第1のレーザ光ビーム1002の入射領域が反射面414によって画定される境界の中に完全に収まるようなビーム直径1012および入射角1010を有する。すなわち、第1のレーザ光ビーム1002の全てまたは実質的に全てが反射面414上に入射する。いくつかの実施形態では、第1のレーザ光ビーム1002は、例えばビームコンバイナ(例えば、
図4、
図9のビームコンバイナ404の実施形態)を用いて以前に結合された複数のレーザ光波長を含む集約レーザ光ビームである。
【0046】
本例において、第1のレーザ光ビーム1002の光路は、中心光線1006、第1の境界光線1004および第2の境界光線1008を介して示される。例えば、第1のレーザ光ビーム1002の光は、第1の境界光線1004および第2の境界光線1008によって画定される領域内に実質的にまたは完全に配設され、中心光線1006に沿って中心を合わせられるかまたは実質的に中心を合わせられる。第1の境界光線1004と第2の境界光線1008との間の最短距離は、ビーム直径1012を定義する。
【0047】
示すように、第2の走査ミラー208は、幅1014を有する反射面414を含む。反射面414における第1のレーザ光ビーム1002の入射角1010は、ここでは、x-y平面に対し、第1のレーザ光ビーム1002が反射面414に接近する際の反射面414の平面と第1のレーザ光ビーム1002の中心光線1006との間の角度θとして定義される。ビーム直径1012、入射角1010、および反射面414の幅1014により、集合的に、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1002の入射領域が完全に反射面414上に位置するか否か、または入射領域の一部分が反射面を逃すか否かが決まる。いくつかの実施形態では、第1のレーザ光ビーム1002のビーム直径1012は、光中継器210に適用される第1のレーザ光ビーム1002の拡大を介して(例えば、そのような拡大を結果としてもたらす光学的処方を有するその1つまたは複数の反射面を介して)設定される。
【0048】
第2の走査ミラー208は、本明細書において、特定の向き(すなわち、第1の向き)に示されているが、第2の走査ミラー208の反射面414は、振動するかまたはそうでない場合(例えば、
図2に示す第2の軸221等のz次元における軸の周りを)回転することを理解されたい。いくつかの実施形態では、反射面414は、第2の走査ミラー208の本体部分と無関係に振動するかまたはそうでない場合回転するが、他の実施形態において、反射面414は、第2の走査ミラー208の本体部分の全てまたは一部分と共に振動するかまたはそうでない場合回転する。反射面414のそのような回転は、通常、反射面414における第1のレーザ光ビーム1002の入射領域のサイズを、入射角1010において結果として生じる変化に起因して変化させる(例えば、入射角1010が反射面414に対し垂直状態に近づく際、入射領域のサイズが減少し、入射角1010が反射面414に平行な状態に近づく際、増大する)。いくつかの実施形態では、第1のレーザ光ビーム1002のビーム直径1012は、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1002の入射領域が、反射面414の振動または回転の各期間全体にわたって、実質的に(例えば、第1のレーザ光ビーム1002の少なくとも約80%が反射面414上に入射している状態)または完全に、反射面414上に配設されるように設定される。すなわち、第1のレーザ光ビーム1002は、反射面が動作中に回転または振動の極値にあるときであっても、反射面414上に実質的にまたは完全に入射するままである。ここで、動作中に走査ミラーが所与の方向に回転または振動する最大範囲が、その方向における回転または振動の極値と呼ばれる。
【0049】
図11は、レーザ光ビーム1102(場合によっては、本明細書において「第2のレーザ光ビーム1102」と呼ばれる)が、反射面414がそれに沿って向けられた面に対し、ここではφとして表される入射角1110で第2の走査ミラー208の反射面414に入射する、レーザ投影システム(
図2のレーザ投影システム200の1つの実施形態)の一部分の例示的な斜視
図1100を示す。いくつかの実施形態では、第2のレーザ光ビーム1102は、例えばビームコンバイナ(例えば、
図4、
図9のビームコンバイナ404の実施形態)を用いて以前に結合された複数のレーザ光波長を含む集約レーザ光ビームである。
【0050】
様々な実施形態によれば、
図10の第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102は、角度的に分離されたレーザ光ビームとして第2の走査ミラー208に共に提供することができる。いくつかの実施形態では、第2のレーザ光ビーム1102の入射角1110は、第1のレーザ光ビーム1002の入射角1010と比較して、反射面414の平面に対し垂直な状態から離れており、結果として、第2のレーザ光ビーム1102および第1のレーザ光ビーム1002が同じまたは類似のそれぞれのビーム直径を有する例の場合、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1002の入射領域と比較して、第2の走査ミラー208における第2のレーザ光ビーム1102の入射領域がより大きくなる。
【0051】
第1の例において、第2のレーザ光ビーム1102は、入射角1110を所与として、第2の走査ミラー208における第2のレーザ光ビーム1102の入射領域が、反射面414によって画定される境界を部分的に越えるようなビーム直径1112を有する。すなわち、第1の例において、第2のレーザ光ビーム1102の一部分が反射面414を逃し(したがって反射面414によって反射されず)、結果として、レーザ投影システムによって生成される画像の明るさが低減する。第1の例のいくつかの実施形態において、第2のレーザ光ビーム1102のビーム直径1112は、第1のレーザ光ビーム1002のビーム直径1012と同じまたは実質的に同じである。第1の例のいくつかの実施形態において、ビーム直径1116は、光中継器210の反射面によって印加される第2のレーザ光ビーム1102の拡大を介して設定される。
【0052】
第1の例において、第2のレーザ光ビーム1102の光路は、中心光線1106、第1の境界光線1104および第2の境界光線1108を介して示される。第2のレーザ光ビーム1102の光は、第1の境界光線1104および第2の境界光線1108によって画定される領域内に実質的にまたは完全に配設され、中心光線1106に沿って中心を合わせられるかまたは実質的に中心を合わせられる。第1の境界光線1104と第2の境界光線1108との間の最短距離は、ビーム直径1112を定義する。示されるように、境界光線1104および1108付近の第2のレーザ光ビーム1102の光の一部分は、第2のレーザ光ビーム1102の入射領域が反射面414の幅1114を超えていることに起因して、反射面414を逃す。
【0053】
第2の例において、第2のレーザ光ビーム1102は、入射角1110の観点において、第2の走査ミラー208における第2のレーザ光ビーム1102の入射領域が、反射面414によって画定される境界内に完全に収まるような、第1の例のビーム直径1112よりも小さいビーム直径1116を有する。すなわち、第2の例において、第2のレーザ光ビーム1102の全てまたは実質的に全てが反射面414上に入射する。第2の例のいくつかの実施形態において、第2のレーザ光ビーム1102のビーム直径1116は、第1のレーザ光ビーム1002のビーム直径1012よりも小さい。
【0054】
第2の例のいくつかの実施形態において、第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102は、一致するまたは実質的に一致するビーム直径で最初に生成され、異なるそれぞれのレベルの拡大が、光中継器210の反射面によって第1のレーザ光ビーム1102および第2のレーザ光ビーム1102の各々に適用され、結果として、第2のレーザ光ビーム1102が第1のレーザ光ビーム1002のビーム直径1012よりも小さいビーム直径1116を有することになる。第2の例のいくつかの実施形態において、ビーム直径1116は、第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102のそれぞれの入射領域が同じサイズまたは実質的に同じサイズとなるように光中継器210の反射面によって適用される第2のレーザ光ビーム1102の拡大により設定される。このようにして第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102にそれぞれ異なるレベルの拡大を適用することによって、第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102が最初に同じまたは実質的に類似のビーム直径で生成された場合であっても、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102の入射角1010および1110の差ならびに入射領域における対応する差を考慮に入れるために、第2のレーザ光ビーム1102のビーム直径は、第1のレーザ光ビーム1002の直径よりも小さくされ得る。
【0055】
第2の例において、第2のレーザ光ビーム1102の光路は、中心光線1106、第3の境界光線1118および第4の境界光線1120を介して示される。第2のレーザ光ビーム1102の光は、第3の境界光線1118および第4の境界光線1120によって画定される領域内に実質的にまたは完全に配設され、中心光線1106に沿って中心を合わせられるかまたは実質的に中心を合わせられる。第3の境界光線1118と第4の境界光線1120との間の最短距離は、ビーム直径1116を定義する。示されるように、第2のレーザ光ビーム1102がビーム直径1116を有するとき、第2のレーザ光ビーム1102の全てまたは実質的に全てが反射面414に入射する。
【0056】
第1および第2の例の双方において、反射面414に対する第2のレーザ光ビーム1102の入射角1110は、x-y平面に対し、第2のレーザ光ビーム1102が反射面414に接近する際の反射面414の平面と第2のレーザ光ビーム1102の中心光線1106との間の角度φとして定義される。ビーム直径1112または1116、入射角1110、および反射面414の幅1114により、集合的に、第2の走査ミラー208に対する第2のレーザ光ビーム1102の入射領域が完全に反射面414上に位置するか否か、または入射領域の一部分が反射面を逃すか否かが決まる。
【0057】
走査ミラー208の示される向きは、(例えば、それぞれの入射角1010および1110間の比較を容易にするために)
図10に示す走査ミラー208の向きに対応するように意図されることに留意されたい。上記で説明したように、反射面414の回転は、通常、反射面414における第2のレーザ光ビーム1102の入射領域のサイズを、入射角1110において結果として生じる変化に起因して変化させる(例えば、入射角1110が反射面414に対し垂直状態に近づく際、入射領域のサイズが減少し、入射角1110が反射面414に平行な状態に近づく際、増大する)。いくつかの実施形態では、第2のレーザ光ビーム1102のビーム直径1116は、第2の走査ミラー208におけるレーザ光ビーム1102の入射領域が、反射面414の振動または回転の各期間全体にわたって、実質的に(例えば、第2のレーザ光ビーム1102の90%以上が反射面414上に入射している状態で)または完全に、反射面414上に配設されるように設定される。すなわち、第2のレーザ光ビーム1102は、反射面が動作中に回転または振動の極値にあるときであっても、反射面414上に実質的にまたは完全に入射するままである。
【0058】
図12は、レーザ投影システム(
図2のレーザ投影システム200の1つの実施形態)の一部分の例示的な斜視
図1200を示し、ここで、レーザ光ビーム1202(場合によっては、本明細書において「第1のレーザ光ビーム1202」と呼ばれ、
図10の第1のレーザ光ビーム1002の1つの実施形態である)は、第1の走査ミラー206の反射面412による反射に続いて、示される光路に沿って進行し、第1の反射面1204上に対し入射し、次に、第2の反射面1206に対し入射し、次に第2の走査ミラー208の反射面414に対し入射する。第2の走査ミラー208は、入力カプラ212において経路(例えば、線または弧)に沿って第1のレーザ光ビーム1202を走査する。第1の反射面1204および第2の反射面1206は、例えば、
図2、
図4、
図5、
図7、
図8および
図9のうちの任意のものの光中継器210の実施形態等の光中継器の反射面である。
【0059】
第1の反射面1204は、x-y次元に対する中間瞳面1208に第1のレーザ光ビーム1202を集束させるように構成される。その後、第1のレーザ光ビーム1202のビーム幅は、第2の反射面1206にぶつかるまでx-y次元に対し拡張する。第2の反射面1206は第1のレーザ光ビーム1202をコリメートし、第1のレーザ光ビーム1202を第2の走査ミラー208に向けて反射する。様々な実施形態によれば、第1の反射面1204および第2の反射面1206のいずれかまたは双方が、第1のレーザ光ビーム1202を効果的に拡大する光学的処方を有する。すなわち、第1の反射面1204および第2の反射面1206のいずれかまたは双方によって引き起こされる拡大により、第1の走査ミラー206と第1の反射面1204との間の第1のレーザ光ビーム1202の第1の次元におけるビーム直径と比較して、第1のレーザ光ビーム1202が、第2の反射面1206によって反射された後、第1の次元においてより大きなビーム直径を有することになる。ここで、「第1の次元」における第1のレーザ光ビーム1202のビーム直径は、x-y次元に沿った、または第1の走査ミラー206の走査次元に実質的に垂直な次元に沿った、第1のレーザ光ビーム1202の直径を指す。第1の反射面1204および第2の反射面1206のいずれかまたは双方によって第1の次元において第1のレーザ光ビーム1202のビーム直径に適用される拡大の大きさは、場合によっては、本明細書において「第1の拡大レベル」と呼ばれる。
【0060】
図13は、レーザ投影システム(
図2のレーザ投影システム200の1つの実施形態)の一部分の例示的な斜視
図1300を示し、ここで、レーザ光ビーム1302(場合によっては、本明細書において「第2のレーザ光ビーム1302」と呼ばれ、
図11の第2のレーザ光ビーム1102の1つの実施形態である)は、第1の走査ミラー206の反射面412による反射に続いて、示される光路に沿って進行し、第3の反射面1304上に入射し、次に、第4の反射面1306に入射し、次に第2の走査ミラー208の反射面414に入射する。第2の走査ミラー208は、入力カプラ212において経路(例えば、線または弧)に沿って第2のレーザ光ビーム1302を走査する。第3の反射面1304および第4の反射面1306は、例えば、
図2、
図4、
図5、
図7、
図8および
図9のうちの任意のものの光中継器210の実施形態等の光中継器の反射面である。
【0061】
第3の反射面1304は、x-y次元に対する中間瞳面1308に第2のレーザ光ビーム1302を集束させるように構成される。その後、第2のレーザ光ビーム1302のビーム幅は、第4の反射面1306にぶつかるまでx-y次元に対し拡張する。第4の反射面1306は第2のレーザ光ビーム1302をコリメートし、第2のレーザ光ビーム1302を第2の走査ミラー208に向けて反射する。様々な実施形態によれば、第3の反射面1304および第4の反射面1306のいずれかまたは双方が、第2のレーザ光ビーム1302を効果的に拡大する光学的処方を有する。すなわち、第3の反射面1304および第4の反射面1306のいずれかまたは双方によって引き起こされる拡大により、第1の走査ミラー206と第3の反射面1304との間の第2のレーザ光ビーム1302の第1の次元におけるビーム直径と比較して、第2のレーザ光ビーム1302が、第4の反射面1306によって反射された後、第1の次元においてより大きなビーム直径を有することになる。ここで、「第1の次元」における第2のレーザ光ビーム1302のビーム直径は、x-y次元に沿った、または第1の走査ミラー206の走査次元に実質的に垂直な次元に沿った、第2のレーザ光ビーム1302の直径を指す。第3の反射面1304および第4の反射面1306のいずれかまたは双方によって第1の次元において第2のレーザ光ビーム1302のビーム直径に適用される拡大の大きさは、場合によっては、本明細書において「第2の拡大レベル」と呼ばれる。
【0062】
図14は、
図12の例の第1のレーザ光ビーム1202ならびに第1および第2の反射面1204および1206と、
図13の例の第2のレーザ光ビーム1302ならびに第3および第4の反射面1304および1306との実施形態を含むレーザ投影システム(
図2のレーザ投影システム200の1つの実施形態)の一部分の例示的な斜視
図1400を示す。本例に示すように、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302は互いに対し角度的に分離されている。示されるように、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれの光路は、様々な点で交差することに留意されたい。
【0063】
本例において、
図2、
図4、
図5、
図7、
図8および
図9のうちの任意のものの光中継器210の実施形態等の光中継器は、反射面1204、1206、1304および1306を含む。いくつかの実施形態では、反射面1204、1206、1304、および1306の各々は、ミラー、メタ表面等の別個の反射性素子である。いくつかの実施形態では、反射面1204、1206、1304、および1306の各々は、モールド型反射性中継器(例えば、モノリシックモールド型反射性中継器)の表面として含まれる。
【0064】
第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302の角度分離に起因して、第1のレーザ光ビーム1202は、反射面414における第2のレーザ光ビーム1302の第2の入射角(例えば、
図10の入射角1110)とは異なる第2の走査ミラー208の反射面414における第1の入射角(例えば、
図10の入射角1010)を有する。本例において、反射面414における第1のレーザ光ビーム1202の第1の入射角は、第2のレーザ光ビーム1302の第2の入射角よりも、反射面414の平面に対し垂直な状態に近く、それによって、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1202の入射領域は、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302が第2の走査ミラー208に対する入射時に同じビーム直径を有するとした場合、第2のレーザ光ビーム1302の入射領域よりも小さくなる。第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれの入射角の差に適応するために、示されるように、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302は、最初に、類似のまたは一致するビーム直径を有しているが、第1の反射面1204および第2の反射面1206の一方または双方によって第1の次元(すなわち、x-y次元)において第1のレーザ光ビーム1202のビーム直径に第1のレベルの拡大が適用され、一方で、第3の反射面1304および第4の反射面1306の一方または双方によって第1の次元において第2のレーザ光ビーム1302のビーム直径に第2のレベルの拡大が適用される。例えば、第1のレベルの拡大は第2のレベルの拡大よりも大きく、それによって、第1および第2のビームが第2の走査ミラー208に入射するとき、第1の次元における第1のレーザ光ビーム1202のビーム直径(例えば、約1mmのビーム直径)は、第1の次元における第2のレーザ光ビーム1202のビーム直径(例えば、約0.9mmのビーム直径)よりも大きい。いくつかの実施形態では、それぞれ反射面1204および1206、ならびに反射面1304および1306によって第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれのビーム直径に適用される第1および第2のレベルの拡大は、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれの入射領域が等しいまたは実質的に等しい面積、形状または双方であり、各々が第2の走査ミラー208の反射面414によって画定される外周内に完全にまたは実質的に収まるように設定される。第1の次元において異なるレベルの拡大を角度的に分離された第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれのビーム直径にこのように適用することによって、第2の走査ミラー208に対する第2のレーザ光ビーム1302の他のより大きな入射領域を、反射面414のサイズを増大させることなく適応させることができる。この手法は、例えば、第2の走査ミラーの反射面(例えば、反射面414)のサイズが制限因子であり、2つの角度的に分離された入力レーザ光ビームのより広い角度のレーザ光ビーム(例えば、第2のレーザ光ビーム1302)のより大きな入射領域に適応するように反射面のサイズを増大させることが望ましくないレーザプロジェクタの場合に有利であり得る。
【0065】
第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302は、本例において、類似または同じそれぞれの初期ビーム直径(本明細書における「初期ビーム直径」は、第1の走査ミラー206における反射後、かつ反射面1204および1304による反射前の第1および第2のレーザ光ビーム1202のビーム直径を指す)を有するように示されているが、いくつかの実施形態では、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302は、代わりに、少なくとも第1の次元に関して異なる初期ビーム直径を有することを理解されたい。いくつかのそのような実施形態において、反射面1204および1206によって第1のレーザ光ビーム1202に適用される第1のレベルの拡大は、反射面1304および1306によって第2のレーザ光ビーム1302に適用される第2のレベルの拡大とは異なり、ここで、第1のレベルの拡大は第2のレベルの拡大とは異なる。第1のレベルの拡大および第2のレベルの拡大は、反射面1206および1306による反射後に、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のビーム直径を、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれの入射領域が同じまたは実質的に同じになるように、いくつかの実施形態では、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれ異なる入射角を所与として、第2の走査ミラー208の反射面414のものと同じまたは実質的に同じそれぞれの形状、面積または双方を有するようにさせる大きさにすることができる。
【0066】
代替的な実施形態において、反射面1204、1206、1304および1306の各々は、第1および第2のレーザ光ビーム1202および1302に同じレベルの拡大を提供し、第1および第2のレーザ光ビーム1202および1302の初期ビーム直径は、第2の走査ミラー208におけるそれらの入射領域が同じまたは実質的に同じであり、いくつかの実施形態では、第2の走査ミラー208の反射面414と同じ面積、形状または双方を有するように、(例えば、第1の次元に関して)それぞれ異なるように選択される。すなわち、様々なレベルの拡大をレーザ光ビーム1202および1302に適用するのではなく、レーザ光ビーム1202および1302は、それぞれ異なる初期ビーム直径で光中継器に導入され、反射面1204、1206、1304および1306によってレーザ光ビーム1202および1302の各々に同じレベルの拡大が適用され、第2の走査ミラー208におけるレーザ光ビーム1202および1302のそれぞれ異なる入射角を所与として、レーザ光ビーム1202および1302のそれぞれ異なる初期ビーム直径により、第1のレーザ光ビーム1202および第2のレーザ光ビーム1302のそれぞれの入射領域が、同じまたは実質的に同じとなり、いくつかの実施形態では、第2の走査ミラー208の反射面414のものと同じまたは実質的に同じそれぞれの形状、面積または双方を有するようにされる。
【0067】
上記の様々な実施形態は、光学系を通じてレーザ光を生成およびルーティングする文脈で提供される。しかしながら、そのようなレーザ光および対応するレーザ光源に加えてまたはその代わりに、説明される実施形態と併せて他の適用可能なコリメート光源および対応する光が用いられてもよいことを理解されたい。
【0068】
一般的な説明において上記で説明した全ての動作または要素が必要とされるわけではなく、特定の動作またはデバイスの一部分は必要とされない場合があり、説明されたものに加えて、1つもしくは複数のさらなる動作が実行される場合があるか、または要素が含まれる場合があることに留意されたい。またさらに、動作が列挙される順序は、必ずしも、実行される順序ではない。また、特定の実施形態を参照して概念が説明されてきた。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載されるような本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解する。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的とみなされ、全てのそのような変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0069】
特定の実施形態に関して、利益、他の利点および課題に対する解決策が上述されてきた。しかしながら、利益、利点、課題に対する解決策、および、任意の利益、利点、または解決策が起こるかまたはより顕著になることを引き起こすことができる任意の特徴は、任意のまたは全ての請求項の重要な、必要な、または必須の特徴として解釈されるべきではない。さらに、上記で開示された特定の実施形態は、開示される主題が、本明細書における教示の利益を有する当業者にとって明白である様々な、但し同等の態様で修正および実施され得るので、単に例示的なものにすぎない。添付の請求の範囲に記載されるもの以外の、本明細書中に示される構造または設計の詳細への限定は意図されていない。したがって、上記で開示された特定の実施形態が変更または修正されてもよく、全てのそのような変更が開示された主題の範囲内にあるとみなされることは明らかである。したがって、本明細書において要求される保護は添付の請求の範囲に記載される通りである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ投影システムであって、
第1のレーザ光ビームおよび第2のレーザ光ビームを受け取り、中継し、前記第1のレーザ光ビームおよび前記第2のレーザ光ビームにそれぞれ異なるレベルの拡大を適用して、第1の拡大レーザ光ビームおよび第2の拡大レーザ光ビームを生成するように構成された光中継器を備え、
前記第1のレーザ光ビームおよび前記第2のレーザ光ビームは角度的に分離され、前記第1の拡大レーザ光ビームおよび前記第2の拡大レーザ光ビームは前記光中継器内に走査され、
前記レーザ投影システムは、
前記光中継器から前記
第1の拡大レーザ光ビームおよび前記
第2の拡大レーザ光ビームを受け取るように構成された第1の走査ミラーをさらに備える、レーザ投影システム。
【請求項2】
前記第1の拡大レーザ光ビームおよび前記第2の拡大レーザ光ビームを前記光中継器内に走査するように構成された第2の走査ミラーをさらに備える、請求項1に記載のレーザ投影システム。
【請求項3】
前記光中継器は、
前記第1のレーザ光ビームに第1のレベルの拡大を適用するように構成された第1の反射面と、
前記第2のレーザ光ビームに第2のレベルの拡大を適用するように構成された第2の反射面と、
を備える、請求項1または請求項2に記載のレーザ投影システム。
【請求項4】
前記光中継器はモールド型反射性中継器であり、前記第1の反射面は前記モールド型反射性中継器の第1の反射面であり、前記第2の反射面は前記モールド型反射性中継器の第2の反射面である、請求項3に記載のレーザ投影システム。
【請求項5】
前記第1の拡大レーザ光ビームは前記第1の走査ミラーに対する第1の入射領域を有し、前記第2の拡大レーザ光ビームは前記第1の走査ミラーに対する第2の入射領域を有し、前記第1の入射領域は前記第2の入射領域と面積が実質的に類似している、請求項1
または請求項2に記載のレーザ投影システム。
【請求項6】
前記第1の走査ミラーは、第1の入射角で前記第1の拡大レーザ光ビームを受け取り、第2の入射角で前記第2の拡大レーザ光ビームを受け取るように構成され、前記第1の入射角は前記第2の入射角とは異なる、請求項5に記載のレーザ投影システム。
【請求項7】
前記第1の入射領域および前記第2の入射領域はそれぞれ、前記第1の走査ミラーの反射面によって結合される、請求項5に記載のレーザ投影システム。
【請求項8】
請求項1
または請求項2に記載のレーザ投影システムを備えるニアアイディスプレイであって、
前記レーザ投影システムの少なくとも一部分を含む眼鏡フレームと、
眼鏡レンズとをさらに備え、
前記レーザ投影システムは、前記眼鏡レンズの少なくとも一部分を通して前記第1のレーザ光ビームおよび前記第2のレーザ光ビームを出力するように構成される、ニアアイディスプレイ。
【請求項9】
ニアアイディスプレイであって、
レーザ投影システムを備え、前記レーザ投影システムは、
角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取り、前記角度的に分離されたレーザ光ビームにそれぞれ異なるレベルの拡大を適用し、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを中継するように構成された光中継器と、
前記光中継器から前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取り、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを走査するように構成された走査ミラーと、
を備える、ニアアイディスプレイ。
【請求項10】
前記角度的に分離されたレーザ光ビームは第1のレーザ光ビームおよび第2のレーザ光ビームを含み、前記光中継器は、
前記第1のレーザ光ビームに第1のレベルの拡大を適用するように構成された第1の反射面と、
前記第2のレーザ光ビームに第2のレベルの拡大を適用するように構成された第2の反射面と、
を備える、請求項9に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項11】
前記光中継器はモールド型反射性中継器であり、前記第1の反射面は前記モールド型反射性中継器の第1の反射面であり、前記第2の反射面は前記モールド型反射性中継器の第2の反射面である、請求項10に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項12】
前記第1のレーザ光ビームは前記走査ミラーに対する第1の入射領域を有し、前記第2のレーザ光ビームは前記走査ミラーに対する第2の入射領域を有し、前記第1の入射領域は前記第2の入射領域と面積が実質的に類似している、請求項10に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項13】
前記走査ミラーは、第1の入射角で前記第1のレーザ光ビームを受け取り、第2の入射角で前記第2のレーザ光ビームを受け取るように構成され、前記第1の入射角は前記第2の入射角とは異なる、請求項12に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項14】
方法であって、
光中継器を用いて、第1の走査ミラーから、角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取ることと、
前記光中継器を用いて、前記角度的に分離されたレーザ光ビームの各々にそれぞれ異なるレベルの拡大を適用することと、
前記光中継器を用いて、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを第2の走査ミラーに中継することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記第2の走査ミラーを用いて、前記光中継器から前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームを受け取ることをさらに含み、
前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームの第1のレーザ光ビームは、前記第2の走査ミラーに対する第1の入射角および第1の入射領域を有し、前記拡大された角度的に分離されたレーザ光ビームの第2のレーザ光ビームは、前記第2の走査ミラーに対する第2の入射角および第2の入射領域を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光中継器を用いて、前記角度的に分離されたレーザ光ビームの各々にそれぞれ異なるレベルの拡大を適用することは、
前記光中継器の第1の反射面を用いて、前記第1のレーザ光ビームの第1のビーム直径に第1のレベルの拡大を適用することと、
前記光中継器の第2の反射面を用いて、前記第2のレーザ光ビームの第2のビーム直径に第2のレベルの拡大を適用することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の入射領域は、前記第1のビーム直径および前記第1の入射角によって少なくとも部分的に定義された第1の面積を有し、前記第2の入射領域は、前記第2のビーム直径および前記第2の入射角によって少なくとも部分的に定義された第2の面積を有し、前記第1の面積は前記第2の面積に実質的に類似している、請求項16に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
さらに説明するために、いくつかの例において、走査ミラーの反射面よりも大幅に大きいかまたは小さい入射領域を有するレーザ光ビームを走査ミラー上に提供する。例えば、角度的に分離されたレーザ光ビームの一部分が走査ミラーの反射面を逃す結果として、ニアアイディスプレイシステムによって投影される画像の明るさが損失する。そうでなければ走査ミラーの反射面よりも大きな面積の入射領域を有することになる、角度的に分離されたレーザ光ビームの任意のレーザ光ビームに適用される拡大のレベルを低減することによって、画像の明るさを比較的高いレベルに維持することができる。別の例として、走査ミラーの反射面よりも小さな面積の入射領域を有するレーザ光ビームを提供する結果として、走査ミラーの反射面の過少利用、およびニアアイディスプレイの光学的分解能の対応する低減が生じる。そうでなければ走査ミラーの反射面よりも小さな面積の入射領域を有することになる、角度的に分離されたレーザ光ビームの任意のレーザ光ビームに適用される拡大のレベルを増大させることによって、反射面のこの過少利用が軽減される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
第2の例のいくつかの実施形態において、第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102は、一致するまたは実質的に一致するビーム直径で最初に生成され、異なるそれぞれのレベルの拡大が、光中継器210の反射面によって第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102の各々に適用され、結果として、第2のレーザ光ビーム1102が第1のレーザ光ビーム1002のビーム直径1012よりも小さいビーム直径1116を有することになる。第2の例のいくつかの実施形態において、ビーム直径1116は、第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102のそれぞれの入射領域が同じサイズまたは実質的に同じサイズとなるように光中継器210の反射面によって適用される第2のレーザ光ビーム1102の拡大により設定される。このようにして第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102にそれぞれ異なるレベルの拡大を適用することによって、第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102が最初に同じまたは実質的に類似のビーム直径で生成された場合であっても、第2の走査ミラー208における第1のレーザ光ビーム1002および第2のレーザ光ビーム1102の入射角1010および1110の差ならびに入射領域における対応する差を考慮に入れるために、第2のレーザ光ビーム1102のビーム直径は、第1のレーザ光ビーム1002の直径よりも小さくされ得る。
【国際調査報告】