(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】シトロネロールアルコキシレート界面活性剤
(51)【国際特許分類】
C08G 65/331 20060101AFI20240711BHJP
C08G 65/28 20060101ALI20240711BHJP
C07C 309/68 20060101ALI20240711BHJP
C07C 53/126 20060101ALI20240711BHJP
C07C 57/03 20060101ALI20240711BHJP
C07C 69/708 20060101ALI20240711BHJP
C07C 235/74 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
C08G65/331
C08G65/28
C07C309/68 CSP
C07C53/126
C07C57/03
C07C69/708 Z
C07C235/74
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501891
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022073805
(87)【国際公開番号】W WO2023288322
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517257629
【氏名又は名称】ピー2・サイエンス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】P2 Science, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100221578
【氏名又は名称】林 康次郎
(72)【発明者】
【氏名】フォリー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】アナスタシウ,テッド
【テーマコード(参考)】
4H006
4J005
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB68
4H006BN10
4H006BP10
4H006BS10
4H006BT12
4H006BV22
4H006KA31
4J005AA04
4J005AA12
4J005BD03
(57)【要約】
本発明は、シトロネロールおよびポリシトロネロールの新規誘導体、特にシトロネロールおよびポリシトロネロールのアルコキシル化誘導体、ならびにそれらの製造方法、それらを含む組成物、およびそれらの使用方法、特に界面活性剤としての使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離または塩形態の、一般式(I-A)の化合物もしくは一般式(I-B)の化合物:
【化1】
または一般式(II-A)の化合物もしくは一般式(II-B)の化合物:
【化2】
または一般式(III-A)の化合物もしくは一般式(III-B)の化合物:
【化3】
または一般式(IV-A)の化合物もしくは一般式(IV-B)の化合物:
【化4】
〔式中、
nは0~20(例えば、0~10)の整数であり;
mは1~100(例えば、25~75)の整数であり;
Xは結合、CH
2、CH
2CH
2、CH
2C(O)-、-CH
2CH
2C(O)-、CH
2C(O)O-、-CH
2CH
2C(O)O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
式I-A、I-B、III-AおよびIII-Bについて、YはCH
2、CH
2CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
式II-A、II-B、IV-AおよびIV-Bついて、YはCH
2CH
2、-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-O-、-S(O)-または-S(O
2)-から選択され;
RはHおよび1以上のOHで場合により置換されていてよいC
1-C
6アルキル(例えば、メチル)から選択され;
R
1は結合、C
1-C
20アルキル、C
2-C
20アルケニルおよびC
6-C
20アリールから選択され;
R
2はH、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、C
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
6-C
20アリール、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-C(O)-NH-アリール、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-C(O)-NH-アリール、-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
6-C
20アリール,-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択され;
前記C
1-C
12アルキルおよびC
6-C
20アリール部分の各々は独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基で場合によりさらに置換されていてよく;
各R
3は、独立して、H、C
1-C
20アルキル、C
2-C
20アルケニル、-C(O)-C
1-C
20アルキル、-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2OH、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)OH、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C(O)-C
1-C
20アルキルおよび-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHおよび-P(O)
2(OH)から選択されるか、または
式II-AまたはII-Bの化合物について、一方または両方のR
3は式:
【化5】
を有する構造であるか、または
式IV-AまたはIV-Bの化合物について、一方または両方のR
3は式:
【化6】
の構造である〕
【請求項2】
化合物が式I-AまたはI-Bの化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物が式III-AまたはIII-Bの化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
nが0~10、例えば、0~8、または0~6、または0~5の整数または0、1、2、3または4のいずれかである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
mが1~75、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75の整数またはそのいずれかの組合せである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Xが結合、CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Xが結合である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
YがCH
2、CH
2CH
2および-C(O)-から選択される、またはYがCH
2CH
2、-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-および-CH
2CH
2-C(O)-O-から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
1が結合、C
1-C
20アルキルおよびC
2-C
20アルケニルから選択される、請求項2~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
R
2がH、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)および-COOHから選択される、請求項2~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R
2がC
1-C
6アルキル,-O-C
1-C
12アルキル、-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
6-C
20アリール、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-C(O)-NH-アリール、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2)および-O-C(O)-NH-アリールから選択される、請求項2~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R
2がH、OH、NH
2、NHCH
3、NH(CH
3)
2、OCH
3、-C(O)CH
3、-O-C(O)-CH
3、-COOH、-SO
3H、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、請求項2~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
R
2が-O-C
1-C
3アルキル、-C(O)-C
1-C
3アルキル、-O-C(O)-C
1-C
3アルキル、-C(O)-O-C
1-C
3アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
3アルキルから選択され、前記C
1-C
3アルキルの各々が、CH
2CH
2OH、CH(OH)CH
2(OH)、CH
2CH(OH)CH
3、CH
2CH(OH)CH
2OH、CH(OH)CH(OH)CH
2OH、-OCH
2CH
2OH、-OCH
2CH(OH)CH
3、-OCH
2CH(OH)CH
2OH、-(CO)-CH
2CH
2OH、-(CO)-CH
2CH(OH)CH
3、-C(O)-CH
2CH(OH)CH
2OH、-O(CO)-CH
2CH
2OH、-O(CO)-CH
2CH(OH)CH
3、-OC(O)-CH
2CH(OH)CH
2OH、-(CO)-O-CH
2CH
2OH、-(CO)-O-CH
2CH(OH)CH
3および-C(O)-O-CH
2CH(OH)CH
2OHから選択される、請求項2~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
化合物が式II-AまたはII-Bの化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
化合物が式IV-AまたはIV-Bの化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R
3がH、C
1-C
20アルキルおよびC
2-C
20アルケニルから選択される、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項17】
R
3が-C(O)-C
1-C
20アルキルまたは-C(O)-C
2-C
20アルケニルである、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項18】
R
3が-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)である、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項19】
R
3が:
【化7】
である、請求項14に記載の化合物。
【請求項20】
R
3が:
【化8】
である、請求項14に記載の化合物。
【請求項21】
R
3が:
【化9】
である、請求項15に記載の化合物。
【請求項22】
R
3が:
【化10】
である、請求項15に記載の化合物。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物を、場合により、1以上の薬学的に許容される、美容的に許容される、または産業的に許容される賦形剤または担体、例えば、溶媒、油、界面活性剤、皮膚軟化剤、希釈剤、流動促進剤、研磨剤、湿潤剤、ポリマー、可塑剤、触媒、抗酸化剤、着色剤、香味剤、芳香剤、制汗剤、抗細菌剤、抗真菌剤、炭化水素、安定化剤または粘性調節剤との混合物で含む、組成物。
【請求項24】
組成物が、医薬組成物、または化粧品組成物、または日焼け止め組成物、または塑剤組成物、または滑沢剤組成物、またはパーソナルケア組成物(例えば、石鹸、皮膚クリーム剤またはローション剤、香油、シャンプー、ボディウォッシュ、水和クリーム剤、消臭剤、制汗剤、アフターシェーブローション、コロン、香水または他のヘアケアもしくはスキンケア製品)、または洗浄組成物(例えば、表面洗浄剤、金属洗浄剤、木材洗浄剤、ガラス洗浄剤、石鹸などのボディクリーナー、食器洗浄用洗剤または洗濯用洗剤)、または空気清浄剤、または作物ケア製剤(例えば、除草剤、殺虫剤)である、請求項23に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互引用
本出願は、2021年6月15日に出願された米国仮出願番号第63/222,170号についての優先権およびその利益を主張する国際特許出願であり、その内容は、その全体を引用することにより本明細書に包含させる。
【0002】
本発明は、シトロネロールおよびポリシトロネロールの新規誘導体、特にシトロネロールおよびポリシトロネロールのプロポキシ化およびエトキシ化誘導体、ならびにそれらの製造方法、それらを含む組成物、およびそれらの使用方法、特に界面活性剤としての使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤は、年間数百万ドル規模の産業である。界面活性剤は一般に、少なくとも1つの強力な極性またはイオン性官能基および少なくとも1つの強力な非極性または疎水性官能基を有する分子であり、一般に大部分が直鎖状分子の対向する末端に位置する。したがって、界面活性剤分子の一方の末端は、通常は親水性であり、もう一方の末端は疎水性である。界面活性剤の独特な化学的性質は、この両親媒性の分割構造によって、水性媒体および非極性(疎水性)媒体の両方に溶解する能力である。界面活性剤は多様な製品に使用されており、特に石鹸および洗浄剤に使用されるとき、水性および疎水性環境の結合で使用されることが多い。機能的に、界面活性剤はしばしば、湿潤剤、洗剤、石鹸、乳化剤、発泡剤および分散剤として使用される。それらは一般に、疎水性および親水性成分間の相互作用を安定化させるために、多様な多成分組成物に使用される。
【0004】
多様な異なる分類の商業的に利用可能な界面活性剤が存在し、それらの多くは石油化学原料に由来する。これらは、硫酸塩、スルホネート、ホスフェートおよびカルボキシレートなどのアニオン性界面活性剤;四級アミンなどのカチオン性界面活性剤;ベタイン、スルタインおよびアミンオキシドなどの双性イオン界面活性剤;ならびにアルコキシレートおよびポリヒドロキシ脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤を含む。
【0005】
アルコキシレート、すなわち、ポリ(エチレングリコール)またはポリ(プロピレングリコール)部分の使用は、界面活性剤のいくつかの分類に共通である。これらは、ノニルフェノール エトキシレートなどのアルキルフェノール エトキシレートおよびプロポキシレート、脂肪アルコール エトキシレートおよびプロポキシレート、例えばセチル プロポキシレートなどの脂肪族アルコール エトキシレート、脂肪酸エトキシレートおよびプロポキシレート、脂肪アミン エトキシレートおよびプロポキシレート、モノアルカノールアミド エトキシレート、ソルビタンエステル エトキシレート、エトキシ化グリコシドならびにグリセロールエステル(例えば、グリセロールプロポキシレート)、ならびにポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーなどのポリエーテルポリマーを含む。
【0006】
多くのアルコキシレート化界面活性剤は、それらの毒性のため、または環境への残留をもたらす生分解性の欠如のため、厳密な監視を受けることが多くなっている。例えば、かつて洗剤、繊維製造および土地掘削で非常に一般的であったノニルフェノール エトキシレートは、環境毒性および残留性のため、2005年以降、欧州で禁止されている。しかし、2013年には、国際レベルでの禁止の呼びかけが増加しているにもかかわらず、世界の非イオン性界面活性剤製品のほぼ半分を、依然としてノニルフェノール エトキシレートが占めている。
【0007】
したがって、アルコキシレート化界面活性剤、特に、改善された安定性、改善された生分解性および/または改善された環境への影響を有する新規な界面活性剤が緊急に必要とされている。再生可能な資源から供給される新規な界面活性剤が得られることが、特に重要である。
【0008】
シトロネロールなどのテルペンアルコールは、再生可能な資源である。シトロネロールは、シトロネラグラスのような植物種から天然に供給され得るか、またはそれぞれゲラニウムグラスおよびレモングラスに由来するゲラニオールまたはネロールの水素化により、半合成的に製造される。ゲラニオールおよびネロールならびに他の関連するテルペン類はまた、β-ピネンの熱分解生成物に由来し得て、多くの植物類(例えば、クミン、麻、ホップ、大麻、パイナップル果実およびクラウセナ・アニサタ(Clausena anisata)など)から広く入手可能である。
【0009】
テルペンアルコール誘導体は、テルペンアルコールのポリマーおよびオリゴマーを含む。例えば、シトロネロールは、次の構造:
【化1】
〔式中、nは0~20の整数(例えば、0~3)である〕
を有する有用なオリゴマーおよびポリマー生成物に形成されている。シトロネロールのダイマー、トリマーおよび他のオリゴマーが発表されている。例えば、全体を引用することにより内容を本明細書に包含させる、米国特許出願第2017/0283553号、米国特許出願第2020/0165383号および米国特許出願第2020/0392287号がある。このクラスのポリマーの利益の一つは、シトロネロールからポリマーを生成する重合化学の可逆性である。結果として、これらのポリエーテルポリマーは生分解性であり、自発的にシトロネロールへ戻る。したがって、ポリシトロネロールに基づくアルコキシレート化ポリマーもまた、生分解性であると考えられ、これはより環境に優しく再生可能な資源を提供する。
【発明の概要】
【0010】
第一の態様において、本発明は、シトロネロールモノマーまたはポリシトロネロールオリゴマーおよびその誘導体に由来する、シトロネロールおよびポリシトロネロール アルコキシレート界面活性剤を提供する。これらの化合物は、膨大なタイプの組成物および広範な用途において有用である。例えば、これらの化合物は、湿潤剤、洗剤、石鹸、乳化剤、発泡剤、分散剤、緩衝剤、防腐剤として使用され得て、特に、パーソナルケア組成物、化粧品組成物、食品組成物および作物ケア組成物中の成分として有用である。
【0011】
第二の態様において、本発明は、このような化合物の製造方法を提供する。
【0012】
第三の態様において、本発明は、このような化合物を含む組成物および製品を提供する。いくつかの実施態様において、前記化合物は、化粧品、石鹸、ヘアケア製品、芳香剤、日焼け止め、家庭用洗浄製品(例えば、洗濯用洗剤)、可塑性添加剤、塗料、コーティング剤、滑沢剤、界面活性剤、殺虫剤および除草剤として、またはそれらに含まれる成分として、多様な用途において有用である。
【0013】
発明の詳細な説明
本明細書で使用される用語「ポリシトロネロール」とは、次の構造:
【化2】
〔式中、nは0~20(例えば、0~3)の整数である〕
を有する飽和または不飽和のポリマーをいう。シトロネロールの他の(すなわち、異なる構造または結合の性質を有する)ポリマー誘導体も可能性があるが、これらは本明細書で使用される用語「ポリシトロネロール」に包含されない。本明細書に記載のポリシトロネロールポリマーは、アルケン付加反応によるシトロネロールのアルコール基とアルケン基との重合に由来する。これらのポリマーは、脱離機構に基づく脱重合を受け、アルコールおよびアルケン生成物を与え得る。
【0014】
第一の態様の第一の実施態様において、本発明は、各々遊離または塩形態の、一般式(I-A)の化合物(化合物1A)または一般式(I-B)の化合物(化合物1B)を提供する:
:
【化3】
【化4】
〔式中、
nは0~20(例えば、0~10)の整数であり;
mは1~100(例えば、25~75)の整数であり;
Xは結合、CH
2、CH
2CH
2、CH
2C(O)-、-CH
2CH
2C(O)-、CH
2C(O)O-、-CH
2CH
2C(O)O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
YはCH
2、CH
2CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
RはHおよび1以上のOHで場合により置換されていてよいC
1-C
6アルキル(例えば、メチル)から選択され;
R
1は結合、C
1-C
20アルキル、C
2-C
20アルケニルおよびC
6-C
20アリールから選択され;
R
2はH、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、C
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
6-C
20アリール、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-C(O)-NH-アリール、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-C(O)-NH-アリール、-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択され;
ここで前記C
1-C
12アルキルおよびC
6-C
20アリール部分は、独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基で場合によりさらに置換されていてよい〕
【0015】
第一の態様のさらなる実施態様において、本発明は、次のものを提供する:
1.1 式I-Aの化合物。
1.2 式I-Bの化合物。
1.3 nが0~10の整数、例えば、0~8、または0~6または0~5であるか、または0、1、2、3または4のいずれかである、化合物1.2。
1.4 nが0、1、2または3である、化合物1.2。
1.5 nが0である、化合物1.2。
1.6 nが1である、化合物1.2。
1.7 mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75またはそのいずれかの組合せである、化合物1.1~1.6のいずれかの化合物。
1.8 Xが結合、CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、化合物1.1~1.7のいずれかの化合物。
1.9 Xが-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択される、化合物1.1~1.7のいずれかの化合物。
1.10 Xが結合、CH
2、-C(O)-および-C(O)-O-から選択される、化合物1.1~1.7のいずれかの化合物。
1.11 Xが結合である、化合物1.1~1.7のいずれかの化合物。
1.12 YがCH
2、CH
2CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、化合物1.1~1.11のいずれかの化合物。
1.13 Yが-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択される、化合物1.1~1.11のいずれかの化合物。
1.14 YがCH
2、CH
2CH
2および-C(O)-から選択される、化合物1.1~1.11のいずれかの化合物。
1.15 YがCH
2およびCH
2CH
2から選択される、化合物1.1~1.11のいずれかの化合物。
1.16 RがHである、化合物1.1~1.13のいずれかの化合物。
1.17 RがC
1-C
6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)である、化合物1.1~1.13のいずれかの化合物。
1.18 Rが1以上のOHで置換されたC
1-C
6アルキル、例えば、Rがヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルおよびヒドロキシヘキシルから選択されるものである、化合物1.1~1.13のいずれかの化合物。
1.19 Rが-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH
2CH
2OH、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OH、-CH(OH)CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH(OH)CH
3および-CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物1.18。
1.20 R
1が結合、C
1-C
20アルキルおよびC
2-C
20アルケニルから選択される、化合物1.1~1.19のいずれかの化合物。
1.21 R
1がC
6-18アルキル、例えば、C
6-12アルキル、C
12-18アルキル、C
6-10アルキル、C
10-14アルキルまたはC
14-18アルキルである、化合物1.20。
1.22 R
1がC
6-18アルケニル、例えば、C
6-12アルケニル、C
12-18アルケニル、C
6-10アルケニル、C
10-14アルケニルまたはC
14-18アルケニルであり、これらの各々が、場合により一不飽和または二不飽和であってよいものである、化合物1.20。
1.23 R
1がC
1-3アルキル、例えば、CH
2またはCH
2CH
2である、化合物1.20。
1.24 R
2がH、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)および-COOHから選択される、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.25 R
2がC
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
6-C
20アリール、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-C(O)-NH-アリール、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2および-O-C(O)-NH-アリールから選択される、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.26 R
2が-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
6-C
20アリール、-S(O)
2、NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.27 R
2がC
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2)、-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2、NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.28 R
2がH、OH、NH
2、NHCH
3、NH(CH
3)
2、OCH
3、-C(O)CH
3、-O-C(O)-CH
3、-COOH、-SO
3H、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.29 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々非置換である、化合物1.1~1.28のいずれかの化合物。
1.30 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物1.1~1.28のいずれかの化合物。
1.31 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物1.1~1.28のいずれかの化合物。
1.32 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-OH、NH
2、-COOH、-SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物1.1~1.28のいずれかの化合物。
1.33 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-OH、NH
2、-COOHおよび-SO
3Hから選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物1.1~1.28のいずれかの化合物。
1.34 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、1以上のOHでさらに置換されているものである、化合物1.1~1.28のいずれかの化合物。
1.35 R
2がC
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
6アルキル、-C(O)-C
1-C
6アルキル、-O-C(O)-C
1-C
6アルキル、-C(O)-O-C
1-C
6アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
6アルキルから選択され、前記アルキルの各々は、1以上のOHで場合により置換されていてよいものである、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.36 R
2が-O-C
1-C
3アルキル、-C(O)-C
1-C
3アルキル、-O-C(O)-C
1-C
3アルキル、-C(O)-O-C
1-C
3アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
3アルキルから選択され、前記アルキルの各々は1以上のOHで場合により置換されていてよいものである、化合物1.1~1.23のいずれかの化合物。
1.37 前記C
1-C
3アルキルの各々が、-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH
2CH
2OH、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OH、-CH(OH)CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH(OH)CH
3および-CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物1.36。
1.38 前記C
1-C
3アルキルの各々が、-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OHおよび-CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物1.37。
1.39 R
2が-OCH
2CH
2OH、-OCH
2CH(OH)CH
3、-OCH
2CH(OH)CH
2OH、-(CO)-CH
2CH
2OH、-(CO)-CH
2CH(OH)CH
3、-C(O)-CH
2CH(OH)CH
2OH、-O(CO)-CH
2CH
2OH、-O(CO)-CH
2CH(OH)CH
3、-OC(O)-CH
2CH(OH)CH
2OH、-(CO)-O-CH
2CH
2OH、-(CO)-O-CH
2CH(OH)CH
3および-C(O)-O-CH
2CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物1.37。
1.40 Xが結合であり、YがHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1がCH
2またはCH
2CH
2であり、R
2が-COOHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1がCH
2またはCH
2CH
2であり、R
2が-SO
3Hまたは-O-S(O)
2OHである;または
Xが結合であり、Yが-S(O)
2-、R
1が結合であり、R
2がOHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1が結合であり、R
2がCH
2CH
2OH;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1が結合であり、R
2がCH
2CH(OH)CH
2OHであり;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1が結合であり、R
2がCH
3である、
上記1.1~1.39のいずれかの化合物。
1.41 -COOH、-SO
3H、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)または-P(O)(OH)
2基を含む上記1.1~1.40のいずれかの化合物であって、前記基が塩の形態、例えば、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムまたはカルシウム塩)のものである、化合物。
1.42 塩基性アミン基(例えば、-NH
2)を含む上記1.1~1.41のいずれかの化合物であって、前記基が酸付加塩、例えば、強いブレンステッド酸との塩の形態(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩)である、化合物。
1.43 式I-AまたはI-Bの化合物の末端基
【化5】
が各々、
【化6】
である、上記1.1~1.42のいずれかの化合物。
1.44 式I-AまたはI-Bの化合物の末端基
【化7】
が各々、
【化8】
である、上記1.1~1.43のいずれかの化合物。
【0016】
第一の態様の第二の実施態様において、本発明は、各々遊離または塩形態の、一般式(II-A)の化合物(化合物2A)または一般式(II-B)の化合物(化合物2B)を提供する:
【化9】
【化10】
〔式中、
nは0~20(例えば、0~10)の整数;
mは1~100(例えば、25~75)の整数;
Xは結合、CH
2、CH
2CH
2、CH
2C(O)-、-CH
2CH
2C(O)-、CH
2C(O)O-、-CH
2CH
2C(O)O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
YはCH
2CH
2、-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-O-、-S(O)-または-S(O
2)-から選択され;
RはHおよび1以上のOHで場合により置換されていてよいC
1-C
6アルキル(例えば、メチル)から選択され;
各R
3は独立して、H、C
1-C
20アルキル、C
2-C
20アルケニル、-C(O)-C
1-C
20アルキル、-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2OH、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)OH、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C(O)-C
1-C
20アルキルおよび-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHおよび-P(O)
2(OH)から選択されるか、または
R
3の一方または両方は、式:
【化11】
(式中、X、Y、nおよびmは、各々独立して、上記で定義されるとおりである)
を有する〕
【0017】
第一の態様のさらなる実施態様において、本発明は次のものを提供する:
2.1 式II-Aの化合物。
2.2 式II-Bの化合物。
2.3 nが0~10の整数、例えば、0~8、または0~6、または0~5、または0、1、2、3もしくは4のいずれかである、化合物2.2。
2.4 nが0、1、2または3である、化合物2.2。
2.5 nが0である、化合物2.2。
2.6 nが1である、化合物2.2。
2.7 mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75またはいずれかのその組合せである、化合物2.1~2.6のいずれかの化合物。
2.8 CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、化合物2.1~2.7のいずれかの化合物。
2.9 Xが-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択される、化合物2.1~2.7のいずれかの化合物。
2.10 Xが結合、CH
2、-C(O)-および-C(O)-O-から選択される、化合物2.1~2.7のいずれかの化合物。
2.11 Xが結合である、化合物2.1~2.7のいずれか一つの化合物。
2.12 YがCH
2CH
2、-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-および-CH
2CH
2-C(O)-O-から選択される、化合物2.1~2.11のいずれか一つの化合物。
2.13 Yが-S(O)-および-S(O
2)-から選択される、化合物2.1~2.11のいずれかの化合物。
2.14 YがCH
2CH
2である、化合物2.1~2.11のいずれかの化合物。
2.15 Yが-C(O)-である、化合物2.1~2.11のいずれかの化合物。
2.16 RがHである、化合物2.1~2.15のいずれかの化合物。
2.17 RがC
1-C
6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)である、化合物2.1~2.15のいずれかの化合物。
2.18 Rが1以上のOHで置換されたC
1-C
6アルキル、例えば、Rがヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルおよびヒドロキシヘキシルから選択される、化合物2.1~2.15のいずれか一つの化合物。
2.19 Rが-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH
2CH
2OH、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OH、-CH(OH)CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH(OH)CH
3、および -CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物2.18。
2.20 R
3がH、C
1-C
20アルキルおよびC
2-C
20アルケニルから選択される、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。
2.21 R
3がC
6-18アルキル、例えば、C
6-12アルキル、C
12-18アルキル、C
6-10アルキル、C
10-14アルキルまたはC
14-18アルキルである、化合物2.20。
2.22 R
3がC
6-18アルケニル、例えば、C
6-12アルケニル、C
12-18アルケニル、C
6-10アルケニル、C
10-14アルケニルまたはC
14-18アルケニルであり、これらの各々が、場合により一不飽和または二不飽和であってよいものである、化合物2.20。
2.23 R
3がC
1-3アルキル、例えば、CH
2またはCH
2CH
2である、化合物2.20。
2.24 R
3が-C(O)-C
1-C
20アルキルまたは-C(O)-C
2-C
20アルケニルである、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。
2.25 R
3が-C(O)-C
6-18アルキル、例えば、-C(O)-C
6-12アルキル、-C(O)-C
12-18アルキル、-C(O)-C
6-10アルキル、-C(O)-C
10-14アルキルまたは-C(O)-C
14-18アルキルである、化合物2.24。
2.26 R
3が-C(O)-C
6-18アルケニル、例えば、-C(O)-C
6-12アルケニル、-C(O)-C
12-18アルケニル、-C(O)-C
6-10アルケニル、-C(O)-C
10-14アルケニルまたは-C(O)-C
14-18アルケニルであり、これらの各々が、場合により一不飽和または二不飽和であってよいものである、化合物2.24。
2.27 R
3が-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2OHであり、mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75、またはそのいずれかの組合せであるものである、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。
2.28 R
3が-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
1-C
20アルキルおよび-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
2-C
20アルケニルから選択される、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。
2.29 mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75またはそのいずれかの組合せである、化合物2.28。
2.30 前記C
1-C
20アルキルがC
6-18アルキル、例えば、C
6-12アルキル、C
12-18アルキル、C
6-10アルキル、C
10-14アルキルまたはC
14-18アルキルである、化合物2.28または2.29。
2.31 C
2-C
20アルケニルがC
6-18アルケニル、例えば、C
6-12アルケニル、C
12-18アルケニル、C
6-10アルケニル、C
10-14アルケニルまたはC
14-18アルケニルである、化合物2.28または2.29。
2.32 R
3が:
【化12】
〔式中、X、Yおよびmは、2.1~2.19のいずれかで定義されるとおりである〕
である、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。
2.33 R
3が:
【化13】
〔式中、X、Yおよびmは、2.1~2.19のいずれかで定義されるとおりである〕
である、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。である、化合物2.1~2.19のいずれか一つの化合物。
2.34 R
3が-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)である、化合物2.1~2.19のいずれかの化合物。
2.35 Xが結合であり、YがCH
2CH
2である;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-である;または
Xが結合であり、Yが-CH
2CH
2-C(O)-である;または
Xが結合であり、Yが-S(O)
2-である、
上記2.1~2.34のいずれかの化合物。
2.36 R
3がHである、化合物2.35。
2.37 R
3が-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)である、化合物2.35。
2.38 化合物が式II-Aの化合物であり、ここでR
3が:
【化14】
〔式中、X、Yおよびmは式II-Aの化合物で定義されるとおりである(すなわち、X、Yおよびmの全ての値は、化合物を通して同一である)〕
である、化合物2.35。
2.39 化合物が式II-Bの化合物であり、ここでR
3が:
【化15】
〔式中、X、Yおよびmは式II-Aの化合物で定義されるとおりである(すなわち、X、Yおよびmの全ての値は、化合物を通して同一である)〕
である、化合物2.34。
2.40 -COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)基を含む上記2.1~2.39のいずれかの化合物であって、前記基が塩の形態、例えば、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムまたはカルシウム塩)のものである、化合物。
2.41 塩基性アミン基(例えば、-NH
2)を含む上記2.1~2.40のいずれかの化合物であって、前記基が酸付加塩、例えば、強いブレンステッド酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩)の形態のものである、化合物。
2.42 式II-AまたはII-Bの化合物の末端基:
【化16】
が各々、
【化17】
である、上記2.1~2.41のいずれかの化合物
2.43 式II-AまたはII-Bの化合物の末端基:
【化18】
が各々、
【化19】
である、上記2.1~2.42のいずれかの化合物。
【0018】
第一の態様の第三の実施態様において、本発明は、遊離または塩形態の一般式(III-A)化合物(化合物3A)または一般式(III-B)の化合物(化合物3B)を提供する:
【化20】
【化21】
〔式中、
nは0~20(例えば、0~10)の整数;
mは1~100(例えば、25~75)の整数;
Xは結合、CH
2、CH
2CH
2、CH
2C(O)-、-CH
2CH
2C(O)-、CH
2C(O)O-、-CH
2CH
2C(O)O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
YはCH
2、CH
2CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
RはHおよび1以上のOHでから場合により置換されていてよいC
1-C
6アルキル(例えば、メチル)から選択され;
R
1は結合、C
1-C
20アルキル、C
2-C
20アルケニルおよびC
6-C
20アリールから選択され;
R
2はH、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、C
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
6-C
20アリール、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-C(O)-NH-アリール、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-C(O)-NH-アリール、-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
6-C
20アリール,-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択され;
C
1-C
12アルキルおよびC
6-C
20アリール部分の各々は、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基で場合によりさらに置換されていてよい〕
【0019】
第一の態様のさらなる実施態様において、本発明は、次のものを提供する:
3.1 式III-Aの化合物。
3.2 式III-Bの化合物。
3.3 nが0~10の整数、例えば、0~8または0~6、または0~5、または0、1、2、3または4のいずれかである、化合物3.2。
3.4 nが0、1、2または3である、化合物3.2。
3.5 nが0である、化合物3.2。
3.6 nが1である、化合物3.2。
3.7 mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75またはそのいずれかの組合せである、化合物3.1~3.6のいずれかの化合物。
3.8 Xが結合、CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、化合物3.1~3.7のいずれかの化合物。
3.9 Xが-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択される、化合物3.1~3.7のいずれかの化合物。
3.10 Xが結合、CH
2、-C(O)-および-C(O)-O-から選択される、化合物3.1~3.7のいずれかの化合物。
3.11 Xが結合である、化合物3.1~3.7のいずれかの化合物。
3.12 YがCH
2、CH
2CH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、化合物3.1~3.11のいずれかの化合物。
3.13 Yが-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択される、化合物3.1~3.11のいずれかの化合物。
3.14 YがCH
2、CH
2CH
2および-C(O)-から選択される、化合物3.1~3.11のいずれかの化合物。
3.15 YがCH
2およびCH
2CH
2から選択される、化合物3.1~3.11のいずれかの化合物。
3.16 RがHである、化合物3.1~3.13のいずれかの化合物。
3.17 RがC
1-C
6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)である、化合物3.1~3.13のいずれかの化合物。
3.18 Rが1以上のOHで置換されたC
1-C
6アルキルである、例えば、Rがヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルおよびヒドロキシヘキシルから選択されるものである、化合物3.1~3.13のいずれかの化合物。
3.19 Rが-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH
2CH
2OH、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OH、-CH(OH)CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH(OH)CH
3、および -CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物3.18。
3.20 R
1が結合、C
1-C
20アルキルおよびC
2-C
20アルケニルから選択される、化合物3.1~3.19のいずれかの化合物。
3.21 R
1がC
6-18アルキル、例えば、C
6-12アルキル、C
12-18アルキル、C
6-10アルキル、C
10-14アルキルまたはC
14-18アルキルである、化合物3.20。
3.22 R
1がC
6-18アルケニル、例えば、C
6-12アルケニル、C
12-18アルケニル、C
6-10アルケニル、C
10-14アルケニルまたはC
14-18アルケニルであり、これらの各々が、場合により一不飽和または二不飽和であってよいものである、化合物3.20。
3.23 R
1がC
1-3アルキル、例えば、CH
2またはCH
2CH
2である、化合物3.20。
3.24 R
2がH、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)および-COOHから選択される、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.25 R
2がC
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
6-C
20アリール、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
6-C
20アリール、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-C(O)-NH-アリール、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、および -O-C(O)-NH-アリールから選択される、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.26 R
2が-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
6-C
20アリール、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
6-C
20アリール、-S(O)
2、NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.27 R
2がC
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-NH
2、-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-C(O)-NH(C
1-C
12アルキル)、-O-C(O)-N(C
1-C
12アルキル)
2)、-SO
3H、-SO
2NH
2、-S(O)-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-O-S(O)
2-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2-O-C
1-C
12アルキル、-S(O)
2、NH(C
1-C
12アルキル)、-S(O)
2-N(C
1-C
12アルキル)
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.28 R
2がH、OH、NH
2、NHCH
3、NH(CH
3)
2、OCH
3、-C(O)CH
3、-O-C(O)-CH
3、-COOH、-SO
3H、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.29 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々非置換である、化合物3.1~3.28のいずれかの化合物。
3.30 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-O-C
1-C
12アルキル、-C(O)-C
1-C
12アルキル、-O-C(O)-C
1-C
12アルキル、-C(O)-O-C
1-C
12アルキル、-SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物3.1~3.28のいずれかの化合物。
3.31 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-CN、OH、NH
2、NH(C
1-C
12アルキル)、N(C
1-C
12アルキル)(C
1-C
12アルキル)、-COOH、-SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物3.1~3.28のいずれかの化合物。
3.32 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-OH、NH
2、-COOH、-SO
3H、-SO
2NH
2、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)および-P(O)(OH)
2から選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物3.1~3.28のいずれかの化合物。
3.33 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、ハロ(-F、-Cl、-Brまたは-I)、-OH、NH
2、-COOHおよびSO
3Hから選択される1以上の基でさらに置換されているものである、化合物3.1~3.28のいずれかの化合物。
3.34 R
2のアルキルおよび/またはアリール部分が、各々独立して、1以上のOHでさらに置換されているものである、化合物3.1~3.28のいずれかの化合物。
3.35 R
2がC
1-C
6アルキル、-O-C
1-C
6アルキル、-C(O)-C
1-C
6アルキル、-O-C(O)-C
1-C
6アルキル、-C(O)-O-C
1-C
6アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
6アルキルから選択され、アルキルの各々が、1以上のOHで場合により置換されていてよいものである、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.36 R
2が-O-C
1-C
3アルキル、-C(O)-C
1-C
3アルキル、-O-C(O)-C
1-C
3アルキル、-C(O)-O-C
1-C
3アルキル、-O-C(O)-O-C
1-C
3アルキル、アルキルの各々が、1以上のOHで場合により置換されていてよいものである、化合物3.1~3.23のいずれかの化合物。
3.37 前記C
1-C
3アルキルの各々が、-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH
2CH
2OH、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OH、-CH(OH)CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH(OH)CH
3および-CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物3.36。
3.38 前記C
1-C
3アルキルの各々が、CH
2CH
2OH、CH(OH)CH
2(OH)、CH
2CH(OH)CH
3、CH
2CH(OH)CH
2OHおよびCH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物3.37。
3.39 前記C
1-C
3アルキルの各々が、-OCH
2CH
2OH、-OCH
2CH(OH)CH
3、-OCH
2CH(OH)CH
2OH、-(CO)-CH
2CH
2OH、-(CO)-CH
2CH(OH)CH
3、-C(O)-CH
2CH(OH)CH
2OH、-O(CO)-CH
2CH
2OH、-O(CO)-CH
2CH(OH)CH
3、-OC(O)-CH
2CH(OH)CH
2OH、-(CO)-O-CH
2CH
2OH、-(CO)-O-CH
2CH(OH)CH
3および-C(O)-O-CH
2CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物3.37。
3.40 Xが結合であり、YがHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1がCH
2またはCH
2CH
2およびR
2が-COOHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1がCH
2またはCH
2CH
2およびR
2が-SO
3Hまたは-O-S(O)
2OHである;または
Xが結合であり、Yが-S(O)
2-であり、R
1が結合であり、R
2がOHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1が結合であり、R
2がCH
2CH
2OHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1が結合であり、R
2がCH
2CH(OH)CH
2OHである;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-であり、R
1が結合であり、R
2がCH
3である、
3.1~3.39のいずれかの化合物。
3.41 -COOH、-SO
3H、-O-S(O)
2-OH、-O-P(O)
2(OH)または-P(O)(OH)
2の基を含む化合物であって、該基が塩の形態、例えば、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムまたはカルシウム塩)である、3.1~3.40のいずれかの化合物。
3.42 塩基性アミン基(例えば、-NH
2)を含む化合物であって、該記基が酸付加塩の形態、例えば、強いブレンステッド酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩)のものである、上記3.1~3.41のいずれかの化合物。
3.43 式III-Aの化合物またはIII-Bの化合物の末端基
【化22】
が各々、
【化23】
である、
上記3.1~3.42のいずれかの化合物。
3.44 式III-Aの化合物またはIII-Bの化合物の末端基
【化24】
が各々、
【化25】
である、上記3.1~3.43のいずれかの化合物。
【0020】
第一の態様の第四の実施態様において、本発明は、遊離または塩形態の、一般式(IV-A)の化合物(化合物4A)、または一般式(IV-B)の化合物(化合物4B)を提供する:
【化26】
【化27】
〔式中、
nは0~20(例えば、0~10)の整数であり;
mは1~100(例えば、25~75)の整数であり;
Xは結合、CH
2、CH
2CH
2、CH
2C(O)-、-CH
2CH
2C(O)-、CH
2C(O)O-、-CH
2CH
2C(O)O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R)-、-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択され;
YはCH
2CH
2、-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-O-、-S(O)-または-S(O
2)-から選択され;
RはHおよび1以上のOHで場合により置換されていてよいC
1-C
6アルキル(例えば、メチル)から選択され;
各R
3は独立して、H、C
1-C
20アルキル、C
2-C
20アルケニル、-C(O)-C
1-C
20アルキル、-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2OH、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)OH、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C(O)-C
1-C
20アルキルおよび-(CH
2CH(CH
3)O)
m-CH
2CH(CH
3)O-C(O)-C
2-C
20アルケニル、-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHおよび-P(O)
2(OH)から選択されるか、または
R
3の一方または両方は、式:
【化28】
(式中、X、Y、nおよびmは各々独立して、上記で定義されるとおりである)
を有する〕。
【0021】
第一の態様のさらなる実施態様において、本発明は、次のものを提供する:
4.1 式IV-Aの化合物。
4.2 式IV-Bの化合物。
4.3 nが0~10の整数、例えば、0~8、または0~6、または0~5、または0、1、2、3または4のいずれかである、化合物4.2。
4.4 nが0、1、2または3である、化合物4.2。
4.5 nが0である、化合物4.2。
4.6 nが1である、化合物4.2。
4.7 mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75またはそのいずれかの組合せである、化合物4.1~4.6のいずれかの化合物。
4.8 XがCH
2、-C(O)-、-C(O)-O-および-C(O)-N(R)-から選択される、化合物4.1~4.7のいずれかの化合物。
4.9 Xが-S(O)-、-S(O
2)-、-S(O
2)-O-および-S(O
2)-N(R)-から選択される、化合物4.1~4.7のいずれかの化合物。
4.10 Xが結合、CH
2、-C(O)-および-C(O)-O-から選択される、化合物4.1~4.7のいずれかの化合物。
4.11 Xが結合である、化合物4.1~4.7のいずれかの化合物。
4.12 YがCH
2CH
2、-C(O)-、-CH
2CH
2-C(O)-および-CH
2CH
2-C(O)-O-から選択される、化合物4.1~4.11のいずれかの化合物。
4.13 Yが-S(O)-および-S(O
2)-から選択される、化合物4.1~4.11のいずれかの化合物。
4.14 YがCH
2CH
2である、化合物4.1~4.11のいずれかの化合物。
4.15 Yが-C(O)-である、化合物4.1~4.11のいずれかの化合物。
4.16 RがHである、化合物4.1~4.15のいずれかの化合物。
4.17 RがC
1-C
6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)である、化合物4.1~4.15のいずれかの化合物。
4.18 Rが1以上のOHで置換されたC
1-C
6アルキルである、例えば、Rがヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルおよびヒドロキシヘキシルから選択される、化合物4.1~4.15のいずれかの化合物。
4.19 Rが-CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2(OH)、-CH
2CH
2CH
2OH、-CH
2CH(OH)CH
3、-CH(OH)CH
2CH
3、-CH
2CH(OH)CH
2OH、-CH(OH)CH
2CH
2OH、-CH(OH)CH(OH)CH
3および-CH(OH)CH(OH)CH
2OHから選択される、化合物4.18。
4.20 R
3がH、C
1-C
20アルキルおよびC
2-C
20アルケニルである、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.21 R
3がC
6-18アルキル、例えば、C
6-12アルキル、C
12-18アルキル、C
6-10アルキル、C
10-14アルキルまたはC
14-18アルキルである、化合物4.20。
4.22 R
3がC
6-18アルケニル、例えば、C
6-12アルケニル、C
12-18アルケニル、C
6-10アルケニル、C
10-14アルケニルまたはC
14-18アルケニルであり、これらの各々が、場合により一不飽和または二不飽和であってよいものである、化合物4.20。
4.23 R
3がC
1-3アルキル、例えば、CH
2またはCH
2CH
2である、化合物4.20。
4.24 R
3が-C(O)-C
1-C
20アルキルまたは-C(O)-C
2-C
20アルケニルである、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.25 R
3が-C(O)-C
6-18アルキル、例えば、-C(O)-C
6-12アルキル、-C(O)-C
12-18アルキル、-C(O)-C
6-10アルキル、-C(O)-C
10-14アルキルまたは-C(O)-C
14-18アルキルである、化合物4.24。
4.26 R
3が-C(O)-C
6-18アルケニル、例えば、-C(O)-C
6-12アルケニル、-C(O)-C
12-18アルケニル、-C(O)-C
6-10アルケニル、-C(O)-C
10-14アルケニルまたは-C(O)-C
14-18アルケニルであり、これらの各々が、場合により一不飽和または二不飽和であってよいものである、化合物4.24。
4.27 R
3が-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2OHであり、前記mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75またはそのいずれかの組合せであるものである、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.28 R
3が-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
1-C
20アルキル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C
2-C
20アルケニル、-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
1-C
20アルキルおよび-(CH
2CH
2O)
m-CH
2CH
2O-C(O)-C
2-C
20アルケニルから選択される、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.29 mが1~75の整数、例えば、1~25、25~50、50~75、25~75、1~10、11~20、21~30、31~40、41~50、51~60、61~75、またはそのいずれかの組合せであるものである、化合物4.28。
4.30 前記C
1-C
20アルキルがC
6-18アルキル、例えば、C
6-12アルキル、C
12-18アルキル、C
6-10アルキル、C
10-14アルキルまたはC
14-18アルキルである、化合物4.28または4.29。
4.31 C
2-C
20アルケニルがC
6-18アルケニル、例えば、C
6-12アルケニル、C
12-18アルケニル、C
6-10アルケニル、C
10-14アルケニルまたはC
14-18アルケニルである、化合物4.28または4.29。
4.32 R
3が:
【化29】
〔式中、X、Yおよびmは4.1~4.19で定義されるとおりである〕
である、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.33 R
3が:
【化30】
〔式中、X、Y、nおよびmは4.1~4.19で定義されるとおりである〕
である、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.34 R
3が-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)である、化合物4.1~4.19のいずれかの化合物。
4.35 Xが結合であり、YがCH
2CH
2である;または
Xが結合であり、Yが-C(O)-である;または
Xが結合であり、YがCH
2CH
2-C(O)-である;または
Xが結合であり、Yが-S(O)
2-である、
化合物4.1~4.34のいずれかの化合物。
4.36 R
3がHである、化合物4.35。
4.37 R
3が-CH
2CH
2OH、-CH
2CH(CH
3)OH、-CH
2COOH、-CH
2CH
2COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)である、化合物4.35。
4.38 化合物が式II-Aの化合物であり、ここでR
3が:
【化31】
〔式中、X、Yおよびmは式II-Aの化合物で定義されるとおりである(すなわち、X、Yおよびmの全ての値は、化合物中で同一である)〕
である、化合物4.35。
4.39 化合物が式II-Bの化合物であり、ここでR
3が:
【化32】
〔式中、X、Yおよびmは式II-Aの化合物で定義されるとおりである(すなわち、X、Yおよびmの全ての値は、化合物中で同一である)〕
である、化合物4.34。
4.40 -COOH、-S(O)
2-OHまたは-P(O)
2(OH)基を含む上記4.1~4.39のいずれかの化合物であって、前記基が塩の形態、例えば、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムまたはカルシウム塩)である、化合物4.1~4.34のいずれかの化合物。
4.41 塩基性アミン基(例えば、-NH
2)を含む上記4.1~4.40のいずれかの化合物であって、該基が酸付加塩の形態、例えば、強いブレンステッド酸との塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩)である、化合物。
4.42 式II-AまたはII-Bの化合物の末端基
【化33】
が各々、
【化34】
である、上記4.1~4.41のいずれかの化合物。
4.43 式II-AまたはII-Bの化合物の末端基
【化35】
が各々、
【化36】
である、上記4.1~4.42のいずれかの化合物。
【0022】
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、1~20個の炭素原子を有する、典型的には、必ずしもそうではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、オクチルなどの、1~約12個の炭素原子を含む、一価または二価の分岐または非分岐飽和炭化水素基をいう。用語アルキルはまた、シクロアルキル基を含み得る。したがって、例えば、用語C6アルキルはシクロヘキシル基を包含し、用語C5はシクロペンチル基を包含し、用語C4はシクロブチル基を包含し、用語C3はシクロプロピル基を包含する。さらに、アルキル基は分岐または非分岐であり得るため、n個の炭素原子の任意のアルキル基は、さらなるアルキル置換基により置換されたn個未満の炭素のシクロアルキル基を包含する。したがって、例えば、用語C6アルキルはまた、メチルシクロペンチル基、またはジメチルシクロブチルまたはエチルシクロブチル基、またはトリメチルシクロプロピル、エチルメチルシクロプロピルまたはプロピルシクロプロピル基を包含する。
【0023】
本明細書で使用される用語「アルケニル」とは、典型的には、必ずしもそうではないが、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、オクチレンなどの、2~約12個の炭素原子および1~10個の炭素-炭素二重結合を含む、一価または二価の分岐または非分岐不飽和炭化水素基をいう。用語「アルキル」と同様に、用語「アルケニル」もまた、場合により環内部または環外部に二重結合を有する分岐または非分岐両方のシクロアルケニル基を包含する。
【0024】
本明細書で使用される用語「アリール」とは、2つの縮合した環および10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素(すなわち、ナフタレン)を含む、5~6個の炭素原子少なくとも1つの芳香環を含む芳香族炭化水素部分をいう。
【0025】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」などにおける「置換」により、アルキル、アルケニル、アルキニルまたは他の部分において、炭素原子に結合した少なくとも1つの水素原子が1以上の非水素置換基、例えば、官能基により置換されていることが意味される。
【0026】
用語「分岐」および「直鎖」(または「非分岐」)は、例えば、Ca~Cb炭素原子のアルキル部分について使用されるとき、アルキル部分を定義するそれらの炭素原子に適用する。例えば、C4アルキル部分について、その分岐実施態様は、イソブチルを含み、一方で、その非分岐実施態様は、n-ブチルを含む。しかしながら、イソブチルはまた、C1アルキル(メチル)に置換された直鎖C3アルキル部分(プロピル)そのものとして分類される。
【0027】
特に断らない限り、開いた原子価を有する任意の炭素原子は、1以上のさらなる官能基で置換され得る。官能基の例は、限定されないが:ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1-C20アルコキシ、C2-C20アルケニルオキシ、C2-C20アルキニルオキシ、C5-C20アリールオキシ、アシル(C2-C20アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC6-C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C2-C20アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C6-C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、ハロカルボニル(-CO)-X(式中、Xはハロである)、C2-C20アルキルカルボラト(-O-(CO)-O-アルキル)、C6-C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシレート(-COO-)、カルバモイル(-(CO)-NH2)、一置換C1-C20アルキルカルバモイル(-(CO)-NH(C1-C20アルキル))、二置換アルキルカルバモイル(-(CO)-N(C1-C20アルキル)2)、一置換アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH2)、カルバミド(-NH-(CO)-NH2)、シアノ(-C≡N)、イソシアノ(-N+≡C-)、シアナート(-O-C≡N)、イソシアナート(-O-N+≡C-)、イソチオシアナート(-S-C≡N)、アジド(-N=N+=N-)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH2)、モノ-およびジ-(C1-C20アルキル)-置換アミノ、モノ-およびジ-(C5-C20アリール)-置換アミノ、C2-C20アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C5-C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、イミノ(R=水素、C1-C20アルキル、C5-C20アリール、C6-C20アルカリール、C6-C20アラルキルなどである、-CR=NH)、アルキルイミノ(R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなどである、-CR=N(アルキル))、アリールイミノ(R=水素、アルキル、アリール、アルカリール、などである、-CR=N(アリール))、ニトロ(-NO2)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO2-OH)、スルホネート(-SO2-O-)、C1-C20アルキルスルファニル(-S-アルキル;「アルキルチオ」とも称される)、アリールスルファニル(-S-アリール;「アリールチオール」とも称される)、C1-C20アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C5-C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C1-C20アルキルスルホニル(-SO2-アルキル)、C5-C20アリールスルホニル(-SO2-アリール)、ホスホノ(-P(O)(OH)2)、ホスホナト(-P(O)(O-)2)、ホスフィネート(-P(O)(O-))、ホスホ(-PO2)、ホスフィノ(-PH2)、モノ-およびジ-(C1-C20アルキル)-置換ホスフィノ、モノ-およびジ-(C5-C20アリール)-置換ホスフィノ;ならびにC1-C20アルキル(C1-C18アルキルを含み、C1-C12アルキルをさらに含み、C1-C6アルキルをさらに含む)、C2-C20アルケニル(C2-C18アルケニルを含み、C2-C12アルケニルをさらに含み、C2-C6アルケニルをさらに含む)、C2-C20アルキニル(C2-C18アルキニルを含み、C2-C12アルキニルをさらに含み、C2-C6アルキニルをさらに含む)、C5-C30アリール(C5-C20アリールを含み、C5-C12アリールをさらに含む)およびC6-C20アラルキル(C6-C20アラルキルを含み、C6-C12アラルキルをさらに含む)などのヒドロカルビル部分を含む。さらに、前記官能基は、特定の基が許容するならば、上記で具体的に列挙された1以上のさらなる官能基または1以上のヒドロカルビル部分などでさらに置換され得る。例えば、アルキルまたはアルケニル基は分岐であり得る。例えば、「置換基」はアルキル基、例えば、メチル基である。
【0028】
第二の態様において、本発明は、シトロネロールまたはポリシトロネロールポリマーをアルコキシル化剤と反応させ、アルコキシレート化誘導体を得て、場合により、その後アルコキシレート化誘導体を1以上の適切な試薬と反応させ、最終化合物を得る工程を含む、本明細書に記載のいずれかの化合物、例えば、化合物1または化合物2以降の化合物の製造方法を提供する。例えば、式I-Aの化合物は、次のとおり形成され得る:
【化37】
〔式中、置換基X、Y、R
1およびR
2およびmは、上記で定義されるとおりである〕
【0029】
反応を実施するために適切な反応剤、溶媒および反応条件(濃度、時間、温度)は、当業者に一般に知られるものであり、かつ本発明においていかなる意味によっても限定されるものではない。反応剤の選択に応じて、適切な溶媒は、非極性、極性プロトン性および/または極性非プロトン性溶媒、例えば、炭化水素、エーテルおよびエステルを含み得る。
【0030】
別の態様において、本発明は、化合物1Aまたは1Bまたは1.1~1.42のいずれか、または化合物2Aまたは2Bまたは2.1~2.43のいずれか、または化合物3Aまたは3Bまたは3.1~3.42のいずれか、または化合物4Aまたは4Bまたは4.1~4.43のいずれかを、場合により1以上の薬学的に許容される、美容的に許容される、または産業的に許容される賦形剤または担体、例えば、溶媒、油、界面活性剤、皮膚軟化剤、希釈剤、流動促進剤、研磨剤、湿潤剤、ポリマー、可塑剤、触媒、抗酸化剤、着色剤、香味剤、芳香剤、制汗剤、抗細菌剤、抗真菌剤、炭化水素、安定化剤または粘性調節剤との混合物で含む組成物を提供する。いくつかの実施態様において、組成物は医薬組成物、または化粧品組成物、または日焼け止め組成物、または可塑性組成物、または滑沢性組成物、またはパーソナルケア組成物(例えば、石鹸、皮膚クリームまたはローション、香油、シャンプー、ボディウォッシュ、水和クリーム剤、消臭剤、制汗剤、アフターシェーブローション、コロン、香水または他のヘアケアもしくはスキンケア製品)、または洗浄組成物(例えば、表面洗浄剤、金属洗浄剤、木材洗浄剤、ガラス洗浄剤、石鹸などのボディクリーナー、食器洗浄用洗剤または洗濯用洗剤)、または空気清浄剤、または作物ケア製剤(例えば、除草剤、殺虫剤)である。
【0031】
本発明の化合物、例えば、化合物1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4B以降の化合物は、例えば:香水、石鹸、防虫剤および殺虫剤、除草剤、洗剤、家庭用洗剤、空気清浄剤、部屋スプレー、匂い玉、キャンドル、化粧品、化粧水、プレおよびアフターシェーブローション、タルカムパウダー、ヘアケア製品、ボディデオドラント、制汗剤、シャンプー、コロン、シャワージェル、ヘアスプレーおよびペット用トイレとともに使用され得る。
【0032】
香水組成物の製造のために本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用され得る香水および成分ならびに香水成分の混合物は、限定されないが、抽出物、畜産物およびエッセンシャルオイル、無水物、レジノイド、樹脂およびコンクリートを含む天然物、ならびに限定されないが、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、エステル、アセタール、フェノール、エーテル、ラクトン、フラン、ケタール、ニトリル、酸、および飽和および不飽和の両方の化合物および脂肪族炭素環式およびヘテロ環式化合物および畜産物製品を含む合成香水物質を含む。
【0033】
いくつかの実施態様において、本発明は、限定されないが、石鹸(液体または固体)、ボディウォッシュ、皮膚および頭髪洗浄剤、皮膚クリームおよびローション(例えば、顔用クリームおよびローション、顔用オイル、アイクリーム、他の抗シワ製品)、軟膏剤、日焼け止め剤、保湿剤、ヘアシャンプーおよび/またはコンディショナー、消臭剤、制汗剤、頭髪、皮膚および爪のための他のコンディショニング製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアスタイリングジェル、ヘアムース)、装飾用化粧品(例えば、マニキュア液、アイライナー、マスカラ、リップスティック、ファンデーション、コンシーラー、チーク、ブロンザー、アイシャドウ、リップライナー、リップバーム)およびダーマ化粧品を含むパーソナルケア組成物を提供する。
【0034】
いくつかの実施態様において、パーソナルケア組成物は、有機由来成分、ビーガン成分、グルテンフリー成分、環境調和性成分、天然成分(例えば、大豆油、蜜蝋、ロースマリー油、ビタミンE、ココナッツ油、ハーブ油など)、面皰性(comedogenic)成分、天然閉塞性植物に基づく成分(例えば、ココアバター、シアバター、マンゴーバター)、非面皰性成分、バクチオール(刺激性が低く、レチノールに代わる天然成分として使用される植物由来の化合物)、着色成分(例えば、色素および染料);治療的活性成分(例えば、ビタミン、アルファヒドロキシ酸、コルチコステロイド、アミノ酸、コラーゲン、レチノイド、抗微生物化合物)、日焼け止め成分および/またはUV吸収化合物、反射性化合物、油(例えば、ヒマシ油およびオリーブ油、または高粘性油)、フィルム形成剤、高分子量エステル、制汗活性成分、グリコール溶液、水、アルコール、乳化剤、ゲル化剤、皮膚軟化剤、水、ポリマー、炭化水素、コンディショニング剤および/または脂肪族エステルを含み得る。
【0035】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、グルテンフリーである。
【0036】
いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンとして製剤化され得る。いくつかの実施態様において、組成物は、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、ヘニコサン、ドコサンおよびトリコサンならびにそのいずれかの飽和直鎖または飽和分岐鎖異性体などの1以上の炭化水素をさらに含み得る。
【0037】
本明細書で使用される語句「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「例えば(such as)」または「含む(including)」は、より一般的な主題をさらに明確化する例を導入することを意味する。これらの例は、本発明を理解することのみを目的として提供されるものであり、いかなる態様によっても限定することを意味しない。さらに、本明細書で使用される用語「~であり得る(may)」、「任意的に(optional)」、「場合により(optionally)」または「場合により~であってよい(may optionally)」とは、続いて記載される状況が生じても生じなくてもよく、その結果、その記載は前記状況が生じる場合と生じない場合を含む。例えば、語句「場合により存在する」は、対象物が存在してもしなくてもよく、そのように、その記載は対象物が存在する場合と存在しない場合を含む。
【0038】
本明細書で使用される語句「式を有する」または「構造を有する」は、限定することを意図されず、用語「含む」が一般に使用されるのと同様の方法で使用される。
【0039】
本明細書において、化合物の構造式は、いくつかの場合に便宜的に特定の異性体を表すが、本発明は、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などの全ての異性体を含む。さらに、本明細書に記載の式により表される化合物について、結晶多型が存在し得る。あらゆる結晶形態、結晶形態混合物またはその無水物もしくは水和物が本発明の範囲内に含まれることが留意される。
【0040】
「互変異性体」とは、原子の配置において構造が顕著に異なるが、容易かつ迅速な平衡状態で存在する化合物をいう。本発明の化合物は、異なる互変異性体として示され得ることが理解されるべきである。化合物が互変異性形態を有するとき、全ての互変異性形態が本発明の範囲内であり、かつ化合物の命名はいかなる互変異性形態も排除しないこともまた、理解されるべきである。さらに、一つの互変異性体が記載されているとしても、本発明は、存在する化合物の全ての互変異性体を含む。
【0041】
本明細書で使用される用語「塩」は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキルスルホネート塩、アリールスルホネート塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩および酒石酸塩を含む酸付加塩;Na+、K+、Li+などのアルカリ金属カチオン、Mg2+またはCa2+などのアルカリ土類金属塩または有機アミン塩または有機ホスホニウム塩を含み得る。
【0042】
本明細書で使用される全てのパーセントは、特に断らない限り、体積パーセントである。
【0043】
本明細書で使用される全ての比は、特に断らない限り、モル比である。
【実施例】
【0044】
ポリシトロネロールポリマーおよびそのいくつかの誘導体の製造は、例えば、US2017/0283553、米国特許出願第2020/0165383号、米国特許出願第2021/0230364、国際公開第2021/133994号、国際公開第2021/146461号、国際公開第2021/146448号および国際公開第2021/178217号に記載されており、各々の内容は全体の引用により本明細書に包含させる。
【0045】
本明細書に記載の化合物は、数多くの直接的な化学反応により製造され得る。次の例示的なスキームにおいて、部分「A」は、飽和または不飽和形態のシトロネロールまたはポリシトロネロールを表す:
【化38】
【0046】
本発明の範囲内の他の化合物は、同様の方法により製造され得る。
【国際調査報告】