(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】バックミラー組立体
(51)【国際特許分類】
B60R 1/26 20220101AFI20240711BHJP
G02F 1/157 20060101ALI20240711BHJP
B60R 1/12 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B60R1/26 100
G02F1/157
B60R1/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502044
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022073665
(87)【国際公開番号】W WO2023288238
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ランディー エリック エス
(72)【発明者】
【氏名】ロス マーク アール
(72)【発明者】
【氏名】ロック ナイジェル ティー
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101EA01
2K101EB01
2K101EB81
2K101EK05
(57)【要約】
【課題】センサ及び表示装置の両方を有するバックミラー組立体に関連付けられる問題を低減又は排除することを目的とする。
【解決手段】バックミラー組立体は、電気光学素子、表示要素、センサを備える。電気光学素子は、第1の基板、第2の基板、電気光学媒体、スペクトルフィルタを含む。第1の基板及び第2の基板は、間隔を空けて配置され、それぞれ第1のエッジ及び第2のエッジを有する。電気光学媒体は、第1の基板と第2の基板との間に配置される。スペクトルフィルタは、外観が不透明であり、第1の基板上に周辺的形態で配置される。第1の基板及び第2の基板は、第1の基板を二等分する線が第2の基板を二等分しないミスマッチを有する。表示要素は、デジタル画像を表示するように動作可能である。センサは、状態を感知し、それに基づいて信号を生成するように動作可能である。センサは、ミスマッチに光学的に位置合わせされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックミラー組立体であって、
電気光学素子であって、
第1の表面と、第2の表面と、第1のエッジとを有する第1の基板と、
第3の表面と、第4の表面と、第2のエッジとを有する第2の基板であって、前記第2の表面及び前記第3の表面が互いに向き合うように、前記第1の基板に対して実質的に間隔を空けて配置された関係で第1の方向に配置されている、第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学媒体と、
前記第2の表面に周辺的形態で配置されたスペクトルフィルタであって、ユーザに対して実質的に不透明な外観を有する、スペクトルフィルタと、を備え、
前記第1の基板及び前記第2の基板が、ミスマッチで前記第1の方向に延在する線が前記第1の基板を二等分するが、前記第2の基板を二等分しないような、少なくとも1つの実質的なミスマッチを有する、電気光学素子と、
前記電気光学素子に対して前記第1の方向に配置された表示要素であって、車両に対して後方又は側方に視野を有するデジタル画像を表示するように動作可能である、表示要素と、
状態を感知し、それに基づいて信号を生成するように動作可能なセンサであって、第1のミスマッチと光学的に位置合わせされている、センサと、を備える、バックミラー組立体。
【請求項2】
前記センサが、前記車両の乗員を撮像するために動作可能なカメラである、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項3】
前記第1のミスマッチでない場合、前記センサが、前記第2の基板が占有する空間を占有する、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項4】
1つのミスマッチが前記バックミラー組立体の下部隅に位置している、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項5】
前記第1の基板が、前記表示要素よりも実質的に大きい幅及び高さを有する、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項6】
前記ミスマッチに位置合わせしたとき、前記スペクトルフィルタが実質的に大きい幅を有する、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項7】
前記スペクトルフィルタが、前記ミスマッチの実質的な全体にわたって延在している、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項8】
通常の動作条件下で視認したとき、前記第1のミスマッチが前記バックミラー組立体の下部隅と位置合わせされる、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項9】
前記スペクトルフィルタが、前記カメラと位置合わせされたアパーチャを含む、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項10】
前記表示要素が、前記第2の基板を超えて延在していない、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項11】
第2のミスマッチと実質的に位置合わせされたタッチスクリーンユーザインターフェースを更に備える、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項12】
コントローラが、少なくとも部分的に前記信号に基づいて、生体認証、運転者監視及び乗員監視動作のうちの少なくとも1つを実施することができる、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項13】
前記ミスマッチが、前記第2のエッジの少なくとも一部が前記第1のエッジに対して実質的に内側にあることによって引き起こされる、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項14】
前記ミスマッチが、少なくとも部分的には前記第2の基板の凹部によって画定される、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項15】
前記電気光学媒体が、エレクトロクロミックである、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項16】
前記表示装置が、前記デジタル画像によって画定された表示領域を有し、
前記表示領域が、前記第2の基板と実質的に位置合わせされている、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項17】
前記表示装置が、前記デジタル画像によって画定された表示領域を有し、
前記表示領域が前記第1の基板の幅よりも小さい幅及び高さを有する、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項18】
前記第1の基板及び前記第2の基板が、2つの実質的なミスマッチを有する、請求項1に記載のバックミラー組立体。
【請求項19】
前記2つの実質的なミスマッチが、互いにミラーリングしている、請求項18に記載のバックミラー組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、バックミラー組立体、特に、機能を強化したバックミラー組立体に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月15日に出願された「REARVIEW ASSEMBLY」と題する米国仮出願第63/222,081号に対する米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
本開示により、センサ及び表示装置の両方を有するバックミラー組立体に関連付けられる問題が実質的に低減又は排除された。
【0003】
一態様によれば、バックミラー組立体が開示される。バックミラー組立体は、電気光学素子、表示装置、及び/又はセンサを備え得る。電気光学素子は、第1の基板、第2の基板、電気光学媒体、及びスペクトルフィルタを含む。第1の基板は、第1の表面、第2の表面、及び第1のエッジを有する。第2の基板は、第3の表面、第4の表面、及び第2のエッジを有する。更に、第2の基板は、第2及び第3の表面が互いに向き合うように、第1の基板に対して実質的に間隔を空けて配置された関係で第1の方向に配置され得る。電気光学媒体は、第1の基板と第2の基板との間に配置され得る。スペクトルフィルタは、第2の表面上に周辺的形態で配置され得る。更に、スペクトルフィルタは、ユーザに対して実質的に不透明な外観を有してもよい。付加的に、第1の基板及び第2の基板は、ミスマッチで第1の方向に延在する線が第1の基板を二等分するが、第2の基板を二等分しないような、第1の基板及び第2の基板に少なくとも1つの実質的なミスマッチを有し得る。表示要素は、電気光学素子に対して第1の方向に配置され得る。更に、表示要素は、車両に対して後方又は側方に対して視野を有するデジタル画像を表示するように動作可能であってもよい。センサは、状態を感知し、それに基づいて信号を生成するように動作可能であり得る。更に、第1のセンサは、ミスマッチに光学的に位置合わせされ得る。したがって、第1のミスマッチでない場合、センサは、第2の基板が占有するであろう空間を占有し得る。いくつかの実施形態では、センサは、車両の乗員を撮像するように動作可能なカメラであってもよい。いくつかの実施形態では、1つのミスマッチは、バックミラー組立体の下部隅に位置してもよい。いくつかの実施形態では、第1の基板は、表示要素よりも実質的に大きい幅及び高さを有する。いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタは、ミスマッチと位置合わせするとき、実質的により大きい幅を有し得る。いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタは、ミスマッチの実質的な全体にわたって延在し得る。いくつかの実施形態では、通常の動作条件下で視認したとき、第1のミスマッチは、バックミラー組立体の下部隅と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタは、カメラと位置合わせされたアパーチャを含み得る。いくつかの実施形態では、表示要素は、第2の基板を超えて延在しない。いくつかの実施形態では、バックミラー組立体は、第2のミスマッチと実質的に位置合わせされたタッチスクリーンユーザインターフェースを更に備え得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、少なくとも部分的に信号に基づいて、生体認証、運転者監視及び乗員監視動作のうちの少なくとも1つを実施可能であり得る。
【0004】
本開示のこれらの態様及び他の態様、目的、特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、添付図面を考察することで当業者によって理解かつ認識されるであろう。本明細書に開示の各実施形態の特徴は、他の実施形態における特徴と併せて、又はその代わりとして使用されてもよいことも理解されるであろう。
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】バックミラー組立体の一実施形態の概略表現。
【
図3】バックミラー組立体の一実施形態の展開概略図。
【
図4】システムに組み込まれたバックミラー組立体の概略表現。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書における説明の目的のために、添付の図面に例解され、かつ本開示に説明された特定のデバイス及びプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義された発明の概念の単なる例示的な実施形態である。よって、特許請求の範囲で別途明示的に述べられていない限り、本明細書で開示された実施形態に関連する具体的な特性は限定的であるとみなすべきではない。
【0007】
本開示は、強化された特徴及び機能性を有するバックミラー組立体を対象とする。したがって、
図1~
図3は、バックミラー組立体10の様々な態様の実施形態を例解する。バックミラー組立体10は、電気光学素子100、表示要素200、ハウジング300、1つ以上のセンサ400、及び/又はユーザインターフェース500を備え得る。更に、バックミラー組立体10は、車両上及び/又は車両内に配置されてもよく、車両に対して後方及び/又は側方に対する視界をユーザに提供するように動作可能であってもよい。ユーザは、運転手などの車両の乗員であってもよい。したがって、バックミラー組立体10は、内部又は外部バックミラー組立体10であってもよい。いくつかの実施形態では、バックミラー組立体10は、
図4に示すように、カメラ600及び/又はコントローラ700を備えるシステム1を更に備えてもよく、及び/又はその一部であってもよい。バックミラー組立体10の実施形態は、表示要素200及びセンサ400の両方を組み込む一方で、魅力的な審美性を達成するという利点を有し得る。
【0008】
更に、電気光学素子100は、第1の基板110、第2の基板120、第1の電極130、第2の電極140、シール150、チャンバ160、電気光学媒体170、及び/又はスペクトルフィルタ180を備え得る。更に、電気光学素子100は、実質的に活性化された状態と実質的に非活性化された状態との間で動作するように構成され得る。このような状態間の動作は、電気光学素子100の透過率又は反射率の程度の変化に対応し得る。
【0009】
第1の基板110は、電磁スペクトルの可視及び/又は赤外領域において実質的に透明であり得る。第1の基板110は、第1の表面111、第2の表面112、及び第1のエッジ113を有し得る。第1の表面111及び第2の表面112は、互いに反対側に配置され、第2の表面112は、第1の表面111に対して第1の方向11に配置されてもよい。第1の方向11は、第1の表面111に実質的に直交する方向として定義され得る。このように、第1の方向11は、第1の表面111に向かって配向されたユーザの視点からZ軸に平行であるか及び/又は対応し得る。したがって、第1の方向11は、深さに対応し得る。第1のエッジ113は、第1の表面111と第2の表面112との間を囲み、それらの間に延在する第1の基板110の周囲によって画定されるエッジであってもよい。付加的に、第1の基板110は、例えば、AGCから市販されているFalconなどのアルミノケイ酸塩ガラス、ボロアルミノケイ酸塩(BAS)ガラス、ポリカーボネート、例えばProLens(登録商標)ポリカーボネート、Professional Plasticsから市販されており、ハードコートされていてもよい、ポリエチレンテレフタレート、例えばクラレ(登録商標)から入手可能なスポールシールド(登録商標)CPET、ソーダ石灰ガラス、例えば超透明ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、天然及び合成のポリマー樹脂及びプラスチック、例えばポリエチレン(例えば、低密度及び/又は高密度)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、アクリルポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA))、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリアミド(例えば、脂環式ジアミンドデカン二酸ポリマー(例えば、Trogamid(登録商標)CX7323))、エポキシ、環状オレフィンポリマー(COP)(例えば、Zeonor1420R)、環状オレフィンコポリマー(COC)(例えば、Topas6013S-04又はMitsui Apel)、ポリメチルペンテン、セルロースエステル系プラスチック(例えば、三酢酸セルロース)、透明なフッ素ポリマー、ポリアクリロニトリル、及び/又はそれらの組み合わせ、のような多くの材料のいずれかから製作され得る。特定の基板材料が開示されているが、これは例解のみを目的としており、材料が少なくとも実質的に透明であり、太陽からの紫外線曝露、湿度及び極端な温度などの電気光学素子100の環境条件に対する強度及び耐性などの適切な物理的特性を示す限り、他の多数の基板材料も同様に好適である。
【0010】
同様に、第2の基板120は、第3の表面123、第4の表面124、及び第2のエッジ125を有し得る。第3の表面123及び第4の表面124は、互いに反対側に配置され、第4の表面124は、第3の表面123に対して第1の方向11に配置されてもよい。第2のエッジ125は、第3の表面123と第4の表面124との間を囲み、それらの間に延在する第2の基板120の周囲によって画定されるエッジであってもよい。付加的に、第2の基板120は、第1の基板110と実質的に平行であり、間隔を空けて配置された第1の方向11に配置され得る。したがって、第3の表面123は、第2の表面112に対向することができる。このように、第1の基板110は、第2の基板120に対して第2の方向12に配置されてもよい。第2の方向12は、第1の方向11と反対の方向であり得る。いくつかの実施形態では、第2の基板120は、可視及び/又は赤外領域において実質的に透明であり得る。したがって、第2の基板120は、第1の基板110に好適な同一又は同様の材料からなっていてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2の基板120は、第1の基板110と少なくとも1つの実質的なミスマッチを有し得る。ミスマッチは、第2のエッジ125の全て又は一部が、第1のエッジ113に対して実質的に内側にあることによって形成されてもよい。結果として、第1の方向11及び/又は第2の方向12に延在し、第1の基板1110を二等分する線は、第2の基板120を二等分しなくてもよい。いくつかの実施形態では、この実質的に内側関係は、第2の基板120の凹部を画定し得る。したがって、第1の基板110は、第2の基板120を越えて、第3の方向及び/若しくは第4の方向13、14、又は電気光学素子100の1つ以上の部分におけるそれらの対向する方向に延在してもよい。第3の方向及び第4の方向13、14は各々、実質的に互いに直交してもよく、並びに第1の方向及び第2の方向11、12の両方に実質的に直交してもよい。このように、第3の方向13は、第1の表面111に向かって配向されたユーザの視点からX軸に平行であるか及び/又は対応し得る。同様に、第4の方向14は、第1の表面111に向かって配向されたユーザの視点からY軸に平行であるか及び/又は対応し得る。したがって、第3の方向13は幅に対応してもよく、第4の方向14は高さに対応してもよい。したがって、第1、第2、第3、及び第4の表面111、112、123、124は各々、第2の方向及び第3の方向11、12に延在する平面に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、第1のエッジ113に対する第2のエッジ125の実質的に内側関係は、ユーザが第1の表面111に向かって配向された通常の動作条件下でユーザによって視認されたときに、バックミラー組立体10の一方又は両方の下側隅で生じてもよい。
【0012】
第1の電極130は、第1の基板110の第2の表面112と関連付けられ得る。したがって、いくつかの実施形態では、第1の電極130は、第1の基板110の第2の表面112上に配置されてもよい。付加的に、第1の電極130は、導電性材料である。いくつかの実施形態では、第1の電極130は、電気光学媒体170と電気的に通信してもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極130は、電磁スペクトルの可視、赤外、及び/又は近赤外領域において、実質的に透明、反射性、及び/又は半透過性であってもよい。したがって、例えば、第1の電極の導電性材料130は、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、又はインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電性酸化物(TCO)であってもよい。
【0013】
第2の電極140は、第2の基板120の第3の表面123と関連付けられてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、第2の電極140は、第2の基板120の第3の表面123上に配置されてもよい。付加的に、第2の電極140は、導電性材料であり得る。いくつかの実施形態では、第2の電極140は、電気光学媒体170と電気的に通信してもよい。したがって、第1の電極及び第2の電極130、140はともに、電位及び/又は電界を電気光学媒体170に印加するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極140は、電磁スペクトルの可視、赤外、及び/又は近赤外領域において、実質的に透明、反射性、及び/又は半透過性であってもよい。したがって、例えば、第2の電極の導電性材料140は、フッ素ドープスズ酸化物(FTO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)、又はインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電性酸化物(TCO)であってもよい。
【0014】
シール150は、第1の基板110、第2の基板120、第1の電極130、及び第2の電極140の1つ以上と組み合わせてチャンバ160を画定するために周辺的形態で配置され得る。いくつかの実施形態では、シール150は、第1の基板110と第2の基板120との間で実質的に配置されることができる。いくつかのこのような実施形態では、シール150は、第2のエッジ125に実質的に従ってもよい。このような一実施形態では、その様々な部分で、シール150は、第1の基板110に対して実質的に内部に位置合わせされてもよい。更に、シール150は、電気光学媒体170が不用意にチャンバ160から漏れないように、第1の基板110、第2の基板120、第1の電極130、及び第2の電極140のうちの1つ以上に接着してチャンバ160を接合することができる任意の材料を含んでもよい。
【0015】
電気光学媒体170は、チャンバ160内に配置され得る。電気光学媒体170は、第1の電極130と第2の電極140との間に配置され得る。更に、電気光学媒体170は、第1の電極130及び第2の電極140によって印加される特定の電位又は電界への曝露に少なくとも部分的に基づいて、実質的に活性化状態と実質的に非活性化状態との間で動作可能であってもよい。したがって、電気光学媒体170は、例えば、エレクトロクロミック媒体、ポリマー分散液晶(PDLC)媒体、ねじれネマティック液晶媒体、又は浮遊粒子液晶媒体であってもよい。電気光学媒体170がエレクトロクロミックである実施形態では、活性化状態では、電気光学媒体170は、非活性化状態と比較して、電磁スペクトルの1つ以上の波長での消衰係数の変化を提示するように動作可能であり得る。いくつかのsycgの実施形態では、この変化は、電磁スペクトルの可視領域で発生し得る。
【0016】
スペクトルフィルタ180は、周辺的形態で、第1の基板110とシール170及び/又は第2の基板120との間に配置される。したがって、スペクトルフィルタ180は、第2の表面112及び/又は第1の電極130と関連付けられてもよい。付加的に、スペクトルフィルタ180は、第2の方向12に配置され、スペクトルフィルタ180に対して第1の方向11を見るユーザに対して実質的に不透明でありうる。更に、スペクトルフィルタ180は反射性であってもよい。したがって、スペクトルフィルタ180は、クロムリング又は他の同様の仕上げなどの隠蔽層を組み込み、ユーザがバックミラー組立体10に対して第2の方向12に配置され、第1の方向11を見ることによって観察されるとき、その後ろに概して第1の方向11に配置されるものを隠し得る。他の実施形態では、スペクトルフィルタ180は、単一層又は層のスタックから構成されうる。いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタ180は、クロムなどの材料から構築され、第1の基板110内に形成されるレーザー切除線に充填されてもよい。いくつかのこのような実施形態では、レーザー切除線は、変化する線幅を有してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタ180は、概して第1のエッジ113に従い、幅を有してもよい。幅は、第1のエッジ113に対するその延長部内部の第1の基板110の大きさに対応する。付加的に、スペクトルフィルタ180の少なくとも一部は、第1の基板110と第2の基板120との間のミスマッチと実質的に位置合わせされてもよく、第1の基板110は、第3の方向13及び/又は第4の方向14で第2の基板120を越えて延在する。更に、スペクトルフィルタ180の幅は、ミスマッチと位置合わせするとき、実質的に大きくてもよい。いくつかのこのような実施形態では、スペクトルフィルタ180は、スペクトルフィルタ180がミスマッチの実質的な全体を覆うように、幅及び位置合わせを有し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタ180はまた、アパーチャ181を含んでもよく、又は画定してもよい。アパーチャ181は、スペクトルフィルタ180がなくてもよく、又は第1の波長範囲において実質的に第1の方向11に進む光に対して透過性であるその一部分であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の波長範囲は、電磁スペクトルの可視領域内にあってもよい。他の実施形態では、第1の波長範囲は、電磁スペクトルの赤外領域及び/又は近赤外領域内にあってもよい。いくつかの実施形態では、スペクトルフィルタ180は、魅力的な審美性を提供するために、アパーチャ191及びスペクトルフィルタ180の残りの部分に対して実質的に均一な外観を有し得る。スペクトルフィルタ180は、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第17/237,478号に開示されている、「Discreet Opening」と題するものを含む、多数の材料及び方法のうちのいずれか1つから制限され得ることが理解されるであろう。
【0019】
表示要素200は、デジタル画像を表示領域210に表示するように構成及び/又は動作可能な任意のデバイスであってもよい。デジタル画像は、車両のバックミラー及び/又はサイドミラーカメラ600によって捕捉され得る。したがって、表示要素200は、従来車両の内部及び/又は外部バックミラーと関連付けられたものなど、車両からの後方及び/又は側方の視界をユーザに提供するように動作可能であり得る。例えば、表示要素200は、LCD、LED、OLED、マイクロLED、プラズマ、DLP、又は別の技術であってもよい。更に、表示要素200は、光学素子100に対して第1の方向11に配置される。付加的に、表示要素200は、表示領域210内の表示要素200によって表示される画像がユーザによって電気光学素子100を通して見え得るように、電気光学素子100と間隔を空けて配置される関係で、又はそれと関連付けられ、若しくはそれと当接接触して配置され得る。したがって、表示領域210は、第3の方向13及び/又は第4の方向14で、第2の基板120と実質的に位置合わせされてもよい。付加的に、表示要素200は、第2の基板120と関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、表示された画像は、その透過が第2の基板120の第2のエッジ125を超えて、第3の方向13又は第4の方向14のいずれにも実質的に延在しないように、第2の方向12に伝送されてもよい。したがって、画像透過は、第1の基板110と第2の基板120との間のミスマッチ内に実質的に延在しない場合がある。したがって、表示領域210は、第1の基板110の幅及び/又は高さよりも小さい幅及び/又は高さを有してもよい。
【0020】
ハウジング300は、その第2の方向12に開口部を有する空洞を画定する構造であってもよい。表示要素200は、空洞内に配置されてもよい。付加的に、電気光学素子100は、空洞の開口部と実質的に整列して、又はその内部に実質的に配置されてもよい。更に、ハウジング300は、電気光学素子100と当接接触してもよく、電気光学素子100を部分的に包含してもよく、又は電気光学素子100を完全に包含してもよい。いくつかの実施形態では、バックミラー組立体10は、ベゼルなしであってもよい。いくつかのこのような実施形態では、ハウジング300は、ハウジング300が第1の基板110の第1の表面111上に延在しないように、電気光学素子100の一部分の周りに延在してもよい。他のこのような実施形態では、ハウジング300は、ハウジング300が第1の基板110の第1のエッジ113上に延在しないように、光学素子100の一部分の周りに延在してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ハウジング300は、第1の表面111から延在する平面を超えて第2の方向12に延在しなくてもよい。言い換えれば、ハウジング300は、第1の表面111から延在する平面を破断しなくてもよい。他の実施形態では、ハウジング300は、第2の表面112から延在する平面を超えて第2の方向12に延在しなくてもよい。言い換えれば、ハウジング300は、第2の表面112から延在する平面を破断しなくてもよい。
【0021】
センサ400は、状態を感知し、それに基づいて信号を生成するように動作可能な任意のデバイスであってもよい。例えば、センサ400は、カメラ又はグレア光センサなどの光学センサであってもよい。更に、光学センサは、第1の波長範囲の光に敏感であり得る。感知された状態は、車両のキャビン内の状態に対応し得る。したがって、センサ400がカメラである実施形態では、カメラは、電磁スペクトルの可視領域、赤外領域、及び/又は近赤外領域で撮像するように動作可能であり得る。したがって、センサ400は、車両及び/又はその中に配置された運転者及び/又は乗員のキャビンを撮像するように動作可能であり得る。他の実施例では、センサ400は、レーダ、ライダ、超音波、及び/又はLED飛行時間センサなどの異なる種類のセンサであってもよい。センサ400は、ハウジング300内に配置されてもよい。更に、センサ400は、第1の基板110と第2の基板120との間のミスマッチと光学的に位置合わせされてもよい。したがって、センサ400は、第1の基板110に対して第1の方向11に配置されてもよい。付加的に、センサ400は、スペクトルフィルタ180及び/又はそのアパーチャ181と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、センサ400は、第1の基板110及び/又は第2の表面112に近接して、又は当接して位置付けられてもよい。具体的には、センサ400は、第1の基板110と第2の基板120との間にミスマッチがない場合、そうでなければ第2の基板120によって占有される空間を占有してもよい。いくつかのこのような実施形態では、この空間は、センサ400のレンズによって占有され得る。付加的に、いくつかの実施形態では、第1の基板110、第2の基板120、スペクトルフィルタ180、及び/又はハウジング300は対称であってもよい。付加的に、いくつかの実施形態では、電気光学素子100は、互いの鏡像であり得る、少なくとも2つの基板のミスマッチを保有し得る。したがって、複数のセンサ400は、バックミラー組立体10に含まれてもよく、各々がそれぞれの基板のミスマッチと関連付けられる。
【0022】
ユーザインターフェース500は、ボタンであってもよい。ボタンは、例えば、静電容量式タッチ、触覚、カーボンピルス、又は他の同様の技術であってもよい。したがって、ユーザインターフェース500は、タッチスクリーン表面であってもよい。更に、ユーザインターフェース500は、センサ400が配置される基板のミスマッチの場所に対して実質的に対称的に位置する領域に配置されてもよい。例えば、センサ400が、バックミラー組立体10の下側右隅などの第1の下側隅で基板のミスマッチと位置合わせして配置される実施形態では、ユーザインターフェース500は、バックミラー組立体10の下側左隅などの第2の下側隅に配置されてもよい。付加的に、ユーザインターフェース500は、第1の基板110の第1の表面111と関連付けられてもよい。更に、ユーザインターフェース500は、スペクトルフィルタ180と位置合わせしてもよい。このような実施形態では、スペクトルフィルタ180は、ユーザインターフェース500の機能を指し示す1つ以上の印を形成してもよく、又は含んでもよい。いくつかのこのような実施形態では、光源は、スペクトルフィルタ180に対して第1の方向11に配置されてもよく、印を照射するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース500の作動は、センサ400に画像を捕捉させるように動作可能であってもよい。
【0023】
カメラ600は、光を捕捉し、デジタル画像などの1つ以上の対応する画像を生成するように構成及び/又は動作可能であってもよい。その結果、カメラ600は、半導体電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術の画素センサであってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の画像はビデオストリームとして連続して捕捉されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ600によって捕捉された画像は、車両の外部の光景に対応する視野を有し得る。したがって、視野は、内部バックミラー組立体、運転席側外部バックミラー組立体、助手席側外部バックミラー組立体、又はバックアップカメラに従来関連付けられた視野に実質的に対応し得る。したがって、光景は、車両に対して後方及び/又は側方であり得る。付加的に、カメラ600は、表示要素200に通信接続され得る。本明細書で使用される「通信的に接続された」は、1つ以上の電気構成要素を介して直接又は間接的に接続されることを意味し得る。したがって、カメラ600は、1つ以上の捕捉された画像のうちの1つ以上を表示要素200に通信するように動作可能であってもよい。
【0024】
コントローラ700は、メモリ710及び/又はプロセッサ720を備え得る。メモリ710は、非一時的コンピュータ可読媒体(CRM)であり得る。その結果、メモリ710は、コントローラ700の構成及び動作を提供するために、1つ以上のアルゴリズムなどの1つ以上の命令を記憶するように構成されてもよく、及び/又は動作可能であってもよい。メモリ141の例としては、従来のハードディスク、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、光ディスク又は磁気ディスク、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)が挙げられる。更に、コントローラ700は、センサ400に通信可能に接続され得る。したがって、コントローラ700は、センサ400から収集されたデータを受信するように動作可能であり得る。命令及び/又はアルゴリズムは、センサ400から受信したデータを分析するために動作可能であってもよい。更に、データは、生体認証、運転者監視、又は乗員監視動作のうちの1つ以上の性能に従って分析され得る。プロセッサ720は、メモリ710に通信可能に接続され得る。更に、プロセッサ720は、アルゴリズムなどの電子的命令の1つ以上の組を処理又は実行するように構成された、及び/又は動作可能な任意のデバイス又は電子回路であってもよい。これらの命令は、メモリ710に記憶されてもよい。プロセッサ720の例としては、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)が挙げられてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、2つ以上のアイテムのリストにおいて使用されるときに、リストされたアイテムのうちのいずれか1つを単独で採用することができること、又はリストされたアイテムのうちの2つ以上の任意の組み合わせを採用することができることを意味する。例えば、組成物が成分A、B、及び/又はCを含有するとして説明される場合、その組成物は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを組み合わせて、A及びCを組み合わせて、B及びCを組み合わせて、又はA、B、及びCを組み合わせて含有することができる。
【0026】
この文書では、「第1」、「第2」などの関係用語は、あるエンティティ又はアクションを別のエンティティ又はアクションから区別するためにのみ使用されており、そのようなエンティティ又はアクション間の実際の関係や順序を必ずしも要求又は示唆するものではない。
【0027】
本開示の目的のため、「関連付けられる」という用語は、概して、(電気的な又は機械的な)2つの構成要素を直接的又は間接的に相互に連結することを意味する。こうした連結は、本質的に固定されたものとすることも、本質的に移動可能とすることもできる。こうした連結は、(電気的な又は機械的な)2つの構成要素及び任意の追加的な中間体部材が、互いに又は2つの構成要素と、1つの単一体として一体的に形成されて達成し得る。こうした連結は、特に明記されない限り、本質的に永久的とすることも、本質的に取り外し可能又は分離可能とすることもできる。
【0028】
「実質的に」という用語及びその変形は、値若しくは説明に等しい、又はほぼ等しい特徴を説明するものとして当業者に理解されるであろう。例えば、「実質的に平面状」の表面は、平面状、又はほぼ平面状の表面を示すことが意図されている。更に、「実質的に」は、2つの値が等しい、又はほぼ等しいことを示すことが意図されている。当業者に明確ではない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考えると、「実質的に」は、互いに約10%以内、例えば互いに約5%以内、又は互いに約2%以内の値、を示してもよい。
【0029】
用語「透明」は、相対的に適用される。「透明」とは、問題となる波長で実質的に透過性であり、したがって、概して、このような波長の光が透過することを可能にする、光学素子又は材料を指す。問題の波長は、コンテキストに基づいて変化する。しかしながら、問題の波長が容易には明らかでない場合、問題の波長は、概して、可視光を指すものとする。
【0030】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」という用語又はその用語の他の変形形態は、列挙される要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置がそれらの要素のみを含むものではなく、明白に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置にとって固有のものではない他の要素を含んでもよいように、非排他的包含を網羅することを意図している。「...を備える(comprise)」が前に付く要素は、それ以上の制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置の追加的な同一要素の存在を除外しない。
【0031】
いくつかの実施形態が本開示に記載されているが、多数の変形、変更、変換、及び修正は、当業者によって理解されてもよく、本開示は、それらの言語が明示的に別段の定めをしない限り、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるこれらの変形、変更、変換、及び修正を包含することを意図していることを理解されたい。
【国際調査報告】