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特表2024-526779酵母から食品を製造するための方法及び酵母ベースの食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】酵母から食品を製造するための方法及び酵母ベースの食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 31/10 20160101AFI20240711BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20240711BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240711BHJP
【FI】
A23L31/10
A23L13/00 Z
A23L5/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502104
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022073663
(87)【国際公開番号】W WO2023288237
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/221,755
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524016677
【氏名又は名称】ウサリウム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】マンチュリアンツァウ,アレー
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4B042
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018MD44
4B018MD58
4B018MD81
4B018MF08
4B035LC06
4B035LC16
4B035LE01
4B035LG04
4B035LG33
4B035LG50
4B035LP32
4B035LT05
4B042AC10
4B042AD36
4B042AE02
4B042AK02
4B042AK13
4B042AK16
4B042AP22
(57)【要約】
酵母から食品を製造するための方法及び酵母ベースの食品が提供される。この方法は、少なくとも摂氏90度の温度及び少なくとも8バールの高圧を利用して、液体酵母及び二次タンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理して食品を形成することを含む。混合物は、混合物の総重量に基づいて、40%~80%の範囲の液体酵母を含み、食品中のリボ核酸含有量は、食品の乾燥タンパク質重量の4%未満である。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体酵母を食品に加工する方法であって、
少なくとも摂氏90度の温度及び少なくとも8バールの高圧を利用して、液体酵母及び二次タンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理して前記食品を形成することを含み、
前記混合物が、前記混合物の総重量に基づいて、40%~80%の範囲の前記液体酵母を含み、前記食品中のリボ核酸含有量が、前記食品の乾燥タンパク質重量の4%未満である、方法。
【請求項2】
前記温度が、摂氏90度~摂氏180度の範囲内にあり、前記高圧が、8バール~150バールの範囲内にあり、前記温度及び前記高圧が、1分~5分の範囲内の時間一緒に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合物が、前記混合物の総重量に基づいて、40重量%~80重量%、例えば、全て前記混合物の総重量に基づいて、60重量%~80重量%、65重量%~70重量%、40重量%~70重量%、又は40重量%~60重量%の範囲の液体酵母を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物が、前記混合物の総重量に基づいて、20重量%~60重量%、例えば、全て前記混合物の総重量に基づいて、20重量%~40重量%、20重量%~50重量%、又は40重量%~60重量%の範囲の前記二次タンパク質成分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記液体酵母が、使用済みビール酵母、使用済み蒸留酵母、パン酵母、栄養酵母、エタノール製造からの余剰酵母、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、前記液体酵母が、使用済みビール酵母を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液体酵母が、乾燥酵母を液体と混合することによって得られる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記二次タンパク質成分が、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質、又はそれらの組み合わせを含み、前記二次タンパク質が、天然形態、濃縮形態、単離形態、又はそれらの組み合わせである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱機械的処理が、押出プロセス、せん断セルプロセス、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、前記熱機械的処理が、押出プロセスを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法によって形成される、食品。
【請求項10】
食品であって、
前記食品の乾燥重量に基づいて、少なくとも20重量%の酵母と、
前記食品の乾燥重量に基づいて、4重量%未満、例えば、全て前記食品の乾燥重量に基づいて、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.14重量%以下のリボ核酸(RNA)含有量と、を含む、食品。
【請求項11】
液体酵母が、使用済みビール酵母、使用済み蒸留酵母、パン酵母、栄養酵母、エタノール製造からの余剰酵母、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、前記液体酵母が、使用済みビール酵母を含む、請求項10に記載の食品。
【請求項12】
前記食品の総重量に基づいて、少なくとも20重量%の二次タンパク質成分を更に含み、前記二次タンパク質成分が、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質、又はそれらの組み合わせを含み、前記二次タンパク質が、天然形態、濃縮形態、単離形態、又はそれらの組み合わせである、請求項10又は11に記載の食品。
【請求項13】
前記食品が、液体酵母及び前記第2のタンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理することによって生産される、請求項12に記載の肉代用品。
【請求項14】
前記液体酵母が、前記液体酵母の総重量に基づいて、8重量%~25重量%、例えば、全て前記液体酵母の総重量に基づいて、8重量%~11重量%又は15重量%~25重量%の範囲の固形分を含む、請求項13に記載の食品。
【請求項15】
前記熱機械的処理が、押出プロセス、せん断セルプロセス、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、前記熱機械的処理が、押出プロセスを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記混合物が、前記混合物の総重量に基づいて、40重量%~80重量%、例えば、全て前記混合物の総重量に基づいて、60重量%~80重量%、65重量%~70重量%、40重量%~70重量%、又は40重量%~60重量%等の範囲の液体酵母を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の食品。
【請求項17】
前記食品が、前記食品の総乾燥重量に基づいて、3重量%~20重量%の範囲の前記酵母由来のタンパク質を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の食品。
【請求項18】
前記食品が、テクスチャー化植物性タンパク質、肉代替品、それらの応用品、又はそれらの組み合わせを含む、請求項10~17のいずれか一項に記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者
Aleh Manchuliantsau
相互参照
本出願は、2022年1月10日に出願された米国特許出願第17/571,995号、2022年1月10日に出願された米国特許出願第17/572,036号、2021年9月14日に出願された米国特許出願第17/474,075号、2021年9月15日に出願された米国特許出願第17/475,664号、及び2021年7月14日に出願された米国仮特許出願第63/221,755号に対する優先権を主張する。各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
使用済みビール酵母(SBY)は、醸造産業の副産物である。使用済み酵母細胞は、バルク発酵の最後に除去される。少量の使用済み酵母細胞が、次の発酵バッチを開始するために使用され得、使用済み酵母細胞の残りの部分は、典型的には廃棄される。使用済み酵母細胞は、タンパク質、ビタミン、及びミネラル等の栄養価が高く、ポリフェノール、抗酸化物質、β-グルカン、及びマンノタンパク質等の機能的及び生物学的に活性な化合物を含有し得る。
【0003】
SBY及び大豆タンパク質からの肉代用品の生産は、D.L.Gibson and B.K.Dwivedi in Can Inst.Food Technol.J Vol3,No.3,1970によって記載されている。高レベルの酵母を摂取することによる若い男性の尿酸代謝に関する懸念が存在し、Nature vol228,1970においてJ.C.Edozienらによって表明されている。この懸念に基づいて、彼らは、ヒトの食事に関してリボ核酸(RNA)の安全な制限を1日当たり2gに設定した。SBYは、典型的には、乾燥重量で約10~15%のRNAを含む。高いRNA含有量のために、SBYベースのタンパク質摂取量は、1日当たり13~20gに制限される場合があり、米国における2,000カロリーの1日の食事、並びに赤身肉、家禽、及び魚(骨なし体重)からの1日当たり60gの平均タンパク質摂取量に基づいて50gのタンパク質のFDA推奨許容量を考慮すると、このことは、SBY含有肉代用品を利用することを困難にする可能性がある。したがって、食品用途でのSBYの使用は、20重量%以下に制限される。
【0004】
SBY中のRNA含有量を低減する既知の化学的、酵素的、及び熱処理方法は、依然として、SBYベースのタンパク質の摂取量を制限し、ヒトへの適用のためのSBYの使用は、食品中に最大2重量%包含される脱苦味処理された、乾燥された、又は自己消化された香味増強抽出物に限定される。現在、液体SBYの大部分は、コンポスト化されるか、又は動物飼料として使用されている。SBYをヒトが摂取できる食品に加工することには課題がある。
【発明の概要】
【0005】
ある一般的な態様では、液体酵母を食品に加工する方法が提供される。この方法は、少なくとも摂氏90度の温度及び少なくとも8バールの高圧を利用して、液体酵母及び二次タンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理して食品を形成することを含む。混合物は、混合物の総重量に基づいて40%~80%の範囲の液体酵母を含み、食品中のリボ核酸含有量は、食品の乾燥タンパク質重量の4%未満である。
【0006】
別の一般的な態様では、食品が提供される。食品は、食品の乾燥重量に基づいて少なくとも20重量%の酵母と、食品の乾燥重量に基づいて4重量%未満のリボ核酸(RNA)含有量とを含む。
【0007】
本明細書に開示及び記載される発明は、本発明の概要に要約された態様に限定されないことを理解されたい。読者は、本開示による様々な非限定的かつ非包括的な態様の以下の詳細な説明を考慮すると、前述の詳細及び他の詳細を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
例の特徴及び利点、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と併せて実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかになり、例はより良く理解されるであろう。
【0009】
図1A】本開示の実施例1に従って作製された、筋肉のような質感を有する肉様製品である。
図1B】本開示の実施例1に従って作製された、筋肉のような質感を有する肉様製品である。
図1C】本開示の実施例1に従って作製された、筋肉のような質感を有する肉様製品である。
図2】本開示の実施例2に従って作製された、植物性ベーコンビッツに類似したテクスチャー化製品である。
図3】本開示の実施例3に従って作製された鶏肉の串刺しである。
図4】本開示の実施例4に従って作製されたHop-charバーガーである。
図5】本開示の実施例5に従って作製されたビーフシチューである。
図6】本開示の実施例6に従って作製されたプルドポークレモングラスベジボウルである。
【0010】
本明細書に示される例示は、一形態における特定の実施形態を示し、そのような例示は、決して添付の特許請求の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示される方法、システム、組成物、及び製品の構造、機能、及び使用の全体的な理解を提供するために、様々な実施例が本明細書に記載及び図示される。本明細書に記載され、図示される様々な例は、非限定的であり、包括的ではない。したがって、本発明は、本明細書に開示される様々な非限定的かつ非包括的な例の記載によって限定されない。むしろ、本発明は、特許請求の範囲によってのみ定義される。様々な例に関連して例示及び/又は記載される特徴及び特性は、他の例の特徴及び特性と組み合わせてもよい。そのような修正及び変形は、本明細書の範囲内に含まれることが意図される。このように、特許請求の範囲は、本明細書に明示的に若しくは本質的に記載される、又は本明細書によって明示的に若しくは本質的に支持される、任意の特徴又は特性を列挙するように修正され得る。更に、出願人は、先行技術に存在し得る特徴又は特性を肯定的に否定するために特許請求の範囲を修正する権利を留保する。本明細書に開示及び記載される様々な例は、本明細書に様々に記載される特徴及び特性を含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になることができる。
【0012】
例えば、使用済みビール酵母(SBY)等の酵母は、望ましくない高いRNA含有量を有する場合があり、したがって、食品には好適ではない場合がある。現在、SBYは、典型的には、コンポスト化される、かつ/又は動物飼料として使用されている。これらの課題に照らして、本開示は、酵母から食品を製造するための方法と、低減されたRNA含有量を有し得、ヒトによる摂取に好適であり得る酵母ベースの食品と、を提供する。
【0013】
液体酵母を食品に加工する方法が提供される。この方法は、液体酵母及び二次タンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理して食品を形成することを含む。
【0014】
液体酵母は、SBY、使用済み蒸留酵母、パン酵母、栄養酵母、エタノール製造からの余剰酵母、又はそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、液体酵母は、SBYを含む。様々な例において、液体酵母は、例えば、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、及びSaccharomyces carlsbergensis等のSaccharomycetes綱の様々な株に由来する。液体酵母は、乾燥重量で5%未満の液体酵母、例えば、全て液体酵母の乾燥重量に基づいて、10%以上の液体酵母の乾燥物、11%以上の液体酵母の乾燥物、乾燥重量で12%以上、乾燥重量で15%以上、又は乾燥重量で20%以下等のリボ核酸(RNA)含有量を有することができる。
【0015】
液体酵母は、例えば、8%~60%の固形分、例えば、8%~11%、8%~25%、10%~40%、15%~25%、20%~60%、20%~50%、30%~60%、又は40%~60%等の範囲の固形分含有量を含有し得る。混合物の水分含有量及び対応する固形分含有量は、AND ML-50水分分析器によって測定することができる。
【0016】
液体酵母を形成する酵母の供給源は、乾燥形態、濃縮形態、液体形態、又はそれらの組み合わせであり得る。例えば、液体酵母は、乾燥酵母を液体(例えば、水、油、ミルク(動物性、植物性)、乳清)と混合することによって、例えば、乾燥SBYと液体とを混合すること等によって得ることができ、混合物の総重量に基づいて8重量%~60重量%の範囲の固形分を含む混合物がもたらされる。様々な例において、液体酵母は、脱苦味処理、自己消化、加水分解され得るか、又はそれらの組み合わせであり得る。SBYは、乾燥形態でヒトによる摂取のために使用されてきた。液体SBY(例えば、8重量%~11重量%の範囲の固形分を含有する)及び液体濃縮SBY(例えば、15重量%~25重量%の範囲の固形分を含有する)の使用は、高水分肉アナログの製造に有益であり、同時に、乾燥に関連するコストを削減し得る。
【0017】
二次タンパク質成分は、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質、又はそれらの組み合わせを含むことができる。二次タンパク質は、天然形態、濃縮形態、単離形態、又はそれらの組み合わせであり得る。様々な例において、二次タンパク質成分はまた、脂肪、炭水化物、香味料、着色添加剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、第2のタンパク質成分は、1~15%の範囲の脂肪、0.5~2乾燥重量%の塩化カルシウム、0.5~1.5乾燥重量%のガム(例えば、アルギン酸ナトリウム)、及び0.2~0.6乾燥重量%のレシチンを含んでもよい。
【0018】
混合物は、混合物の総重量に基づいて、40%~80%、例えば、全て混合物の総重量に基づいて、60重量%~80重量%、65重量%~70重量%、40重量%~70重量%、又は40重量%~60重量%等の範囲の液体酵母を含むことができる。
【0019】
混合物は、混合物の総重量に基づいて、20重量%~60重量%、例えば、全て混合物の総重量に基づいて、20重量%~50重量%、20重量%~40重量%、又は40重量%~60重量%等の範囲の二次タンパク質成分を含むことができる。例えば、製品は、80%の液体酵母及び20%の二次タンパク質成分、70%の液体酵母及び30%の二次タンパク質成分、60%の液体酵母及び40%の二次タンパク質成分、50%の液体酵母及び50%の二次タンパク質成分、40%の液体酵母及び60%の二次タンパク質成分、又は他の範囲の成分を含むことができる。
【0020】
二次タンパク質成分に対する液体酵母の比率を変更することにより、得られる製品の質感を変化させることができる。例えば、二次タンパク質成分に対する液体酵母の比率を増加させることで、動物の肉と同様に、得られる製品の水分を増加させることができる(例えば、得られる製品は、高水分肉アナログ(HMMA)であり得る)。混合物の総重量の20%~40%の範囲の液体酵母含有量、及び混合物の総重量の60%~80%の範囲の二次タンパク質含有量は、テクスチャー化植物性タンパク質に類似した、より乾燥した食品をもたらすことができる。
【0021】
熱機械的処理は、高温及び高圧を利用することができる。高温、高圧、及び機械的作用の組み合わせは、望ましい栄養含有量、質感、及び処理時間を維持しながら、液体酵母から得られる混合物中のRNA含有量を低減することが、驚くべきことに見出された。高温は、一定であり得るか、又は変化し得る。高温は、少なくとも摂氏90度、例えば、少なくとも摂氏100度、少なくとも摂氏110度、少なくとも摂氏120度、少なくとも摂氏140度等であり得る。高温は、摂氏180度以下、例えば、摂氏170度以下、摂氏160度以下、又は摂氏150度以下等であり得る。様々な例において、高温は、摂氏90度~摂氏180度、例えば、摂氏100度~摂氏180度、摂氏120度~摂氏180度、摂氏140度~摂氏170度、又は摂氏140度~摂氏160度等の範囲であり得る。高圧は、一定であり得るか、又は変化し得る。高圧は、少なくとも8バール、例えば、少なくとも9バール、少なくとも10バール、少なくとも15バール、少なくとも20バール、少なくとも30バール、又は少なくとも50バール等であり得る。高圧は、150バール以下、140バール以下、120バール以下、100バール以下、又は80バール以下であり得る。様々な例において、高圧は、8バール~150バール、例えば、10バール~150バール、15バール~150バール、10バール~80バール、20バール~150バール、又は20バール~60バール等の範囲であり得る。例えば、60重量%~80重量%の範囲の液体SBY及び20重量%~40重量%の範囲の二次タンパク質成分を含む混合物の場合、摂氏150度、20バールの圧力、及び2分の期間で熱機械的処理を行うことができる。押出を含む例では、高圧及び高温は、押出機のバレルで測定することができる。押出を含む特定の例では、押出機の回転数は、250RPM~1800RPMの範囲であり得る。
【0022】
混合物の熱機械的処理は、連続処理又はバッチ処理であり得、少なくとも1分の期間、例えば、少なくとも2分、少なくとも3分、又は少なくとも4分等にわたって行うことができる。期間は5分を超えることはできない。様々な例において、期間は、1分~5分の範囲であり得る。
【0023】
熱機械的処理は、例えば、押出プロセス、せん断セルプロセス、又はそれらの組み合わせ等の様々なプロセスを含むことができる。押出プロセスは、高水分押出プロセスを含むことができる。押出プロセスは、参照により本明細書に組み込まれる、2020年9月24日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/052385号に記載される押出プロセスを含むことができる。押出は、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、又は3つ以上のスクリューを有する押出機で行うことができる。せん断セルプロセスは、参照により本明細書に組み込まれるSteven H.V.Cornet,et al.(2021):“Thermo-mechanical processing of plant proteins using shear cell and high-moisture extrusion cooking”,Critical Reviews in Food Science and Nutritionに記載されるせん断セルプロセスを含むことができる。
【0024】
混合物の熱機械的処理は、食品(例えば、テクスチャー化植物性タンパク質、肉代替品、それらの応用品、それらの組み合わせ)を生産することができる。食品は、4重量%未満の食品の乾燥タンパク質重量、例えば、全て食品の乾燥タンパク質重量に基づいて、3重量%以下の乾燥タンパク質重量、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.14重量%以下等の、食品中のリボ核酸(RNA)含有量を有することができる。様々な例において、食品中のRNA含有量は、1食当たり2g未満である。
【0025】
様々な例において、食品は、食品の乾燥重量に基づいて、5パーセント~70パーセントのタンパク質、例えば、食品の乾燥重量に基づいて、10パーセント~70パーセントのタンパク質、20パーセント~70パーセントのタンパク質、30パーセント~70パーセントのタンパク質、40パーセント~70パーセントのタンパク質、又は50パーセント~70パーセントのタンパク質等を含むことができる。
【0026】
様々な例において、食品は、食品の総重量に基づいて、5パーセント~70パーセントの水分、例えば、食品の総重量に基づいて、10パーセント~70パーセントの水分、15パーセント~50パーセントの水分、20パーセント~60パーセントの水分、60パーセント~70パーセントの水分、又は25パーセント~45パーセントの水分等を含むことができる。製品の水分含有量は、AND ML-50水分分析器によって測定することができる。様々な例において、食品は、食品の総重量に基づいて、1パーセント~20パーセントの脂肪、例えば、食品の総重量に基づいて、1パーセント~15パーセントの脂肪、2パーセント~15パーセントの脂肪、2パーセント~5パーセントの脂肪、5パーセント~15パーセントの脂肪、又は5パーセント~20パーセントの脂肪等を含むことができる。
【0027】
食品は、食品の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で3%~20%、例えば、全て食品の総乾燥重量に基づいて、酵母源からのタンパク質の乾燥重量で、3%~17.5%、3%~15%、5%~20%、10%~20%、又は7%~16%等の範囲の酵母源からのタンパク質を含むことができる。
【0028】
食品は、食品の乾燥重量に基づいて、少なくとも20重量%の酵母を含むことができる。
【0029】
様々な例において、食品は、30乾燥重量%のSBY酵母、10乾燥重量%の大豆タンパク質単離物、動物の肉のような外観及び嗜好性、24.4重量%の総タンパク質含有量(例えば、動物の肉に類似)、及び食品の総乾燥重量で0.099%のRNAを含むことができるが、これは予想外である。
【0030】
本開示による食品は、2022年にFDAが推奨する1日当たりのタンパク質量の10倍超が摂取され得、これは、2kgを上回る動物の肉(例えば、USDAによる米国における赤身肉、家禽、及び魚(骨なし重量)からの1日当たりの平均肉摂取量の8.96倍)に相当する。
【0031】
液体形態での酵母の使用は、典型的には、脱苦味処理、乾燥、抽出、及び/又は副産物利用に関連する製造コストを削減することができる。天然酵母及び二次タンパク質成分は、肉の風味及びBBQのような色を有することができ、遮蔽剤、苦味遮断剤、香味料、及び着色料の必要性を低減することができる。
【0032】
SBY及び二次タンパク質成分の同時熱機械的処理は、望ましい後味を提供し、天然繊維のために肉厚な口当たりを改善し、肉の風味及びBBQのような色を加え、脱苦味処理及び乾燥のコストを削減することができる。得られた低いRNA濃度は、混合物中に包含されるSBYの増加を可能にして、鶏肉、魚類、牛肉、及び豚肉のような用途のために外観及び味を微調整し、ガムを追加することなく水分を保持することを可能にし、遮蔽剤、苦味遮断剤、香味料、ガム、及び着色料等の二次成分のコストを削減し、結果として動物の肉よりも安価なコストとなる。
【0033】
本開示と、先行技術の方法及び製品との比較を下の表1に示す。
【表1】
【実施例
【0034】
本開示は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解されるであろう。本開示は、必ずしも本項に記載される実施例に限定されないことを理解されたい。
【0035】
実施例1.液体SBY及び大豆粉
20%の固形分を含有する70重量%の液体SBYと、乾燥重量で10~15%のRNAとを、乾燥重量で50重量%のタンパク質を含有する30重量%の大豆粉と混合し、摂氏150度の温度、20バールの圧力、RPM400の回転数、及び2分の期間で高水分押出に供した。
【0036】
得られた製品は、57.8%の水分、23.3乾燥重量%のタンパク質、及び製品の乾燥重量で0.089%のRNAを有していた。タンパク質含有量を、AACC46-30及びAOAC992.15に従って測定した。RNA抽出を行い、分光光度計によってRNA定量を測定し、RNA濃度に基づいて残留RNAの割合を計算した。製品は、肉の風味と、図1に示されるように筋肉のような繊維質の質感を有していた。
【0037】
実施例2.液体SBY及び黄エンドウ豆
20%の固形分を含有する40重量%の液体SBYと、乾燥重量で10~15%のRNAとを、乾燥重量で24%のタンパク質を含有する60重量%の黄エンドウ豆と混合し、摂氏130度の温度、圧力10バール、RPM400で1分間、押出に供した。
【0038】
得られた製品は、36.2%の水分、18.4乾燥重量%のタンパク質、及び製品の乾燥重量で0.094%のRNAを有していた。タンパク質含有量を、AACC46-30及びAOAC992.15に従って測定した。RNA抽出を行い、分光光度計によってRNA定量を測定し、RNA濃度に基づいて残留RNAの割合を計算した。得られた製品は、図2の植物性ベーコンビッツに類似した肉の風味及び繊維質の質感を有していた。
【0039】
実施例3.鶏肉の串刺し、22.2乾燥換算重量%のSBY
11%の固形分を含有する65重量%の液体SBY、乾燥重量で49.6%のタンパク質、並びに乾燥重量で51.2%のタンパク質及び乾燥重量で10~15%のRNAを含有する15重量%の乾燥した固形SBYを、乾燥重量で50.4%のタンパク質を含有する20重量%の大豆粉と混合し、摂氏150度の温度、20バールの圧力、RPM400の回転数、及び2分の期間で高水分押出に供した。
【0040】
鶏肉のような串刺しは、以下の指示に従って調製した。0.5kgのSBYベースの食品を25mm角の小片に切り、冷蔵庫で2~6時間マリネした(マリネ液:味噌大さじ2、ライム果汁1/4カップ、ビーガンフィッシュソース小さじ1、醤油小さじ1、蜂蜜小さじ2、薄切りにしたハラペーニョ1、炒りごま油大さじ1)。野菜及びSBYベースの食品を串に刺した。野菜は、クリミニマッシュルーム又はシイタケ、スイートオニオン、スイートペッパーであった。次いで、串の各側を30秒間ずつ焼いた。
【0041】
得られた製品は、味噌ライム風味のさっぱりした鶏肉のような味、及び図3に示されるように、筋肉のような繊維質の質感を有していた。得られた製品は、22.2乾燥換算重量%のSBY、59.5%の水分含有量、乾燥重量で21.3%のタンパク質、及び0.072%のRNAを有していた。タンパク質含有量を、AACC46-30及びAOAC992.15に従って測定した。RNA抽出を行い、分光光度計によってRNA定量を測定し、RNA濃度に基づいて残留RNAの割合を計算した。
【0042】
実施例4.Hop-charバーガー、27.5乾燥換算重量%のSBY
25%の固形分を含有する70重量%の液体濃縮SBY、乾燥重量で49.6%のタンパク質、並びに乾燥重量で51.2%のタンパク質及び乾燥重量で10~15%のRNAを含有する10重量%の乾燥した固形SBYを、50.4%のタンパク質を含有する20重量%の大豆粉と混合し、摂氏150度の温度、20バールの圧力、RPM400の回転数、及び2分の期間で高水分押出に供した。
【0043】
Hop-charバーガーは、以下の指示に従って調製した。SBYベースの肉1ポンド、調理済みシイタケ6オンス、スモークパプリカ大さじ1、蜂蜜大さじ1、濃口醤油大さじ1、小さな卵2個分に相当するアイリッシュモス、並びに総重量約0.05%の塩及び胡椒を、フードプロセッサーで、分解するまで、しかし完全にはブレンドされないように合わせた。きのこ、香辛料、蜂蜜、醤油、及びハーブを加えて、牛ひき肉の粘稠度が得られるまでブレンドした。次いで、ボウルに移して、新鮮な牛ひき肉と同等の水分含有量になるまで卵の代用品と混合した。次いで、35mmの厚さのパテを形成し、チャーブロイラーで調理した。
【0044】
得られた製品は、肉厚な口当たり、うま味、及び図4に示されるような牛ひき肉の質感を有していた。得られた製品は、27.5乾燥換算重量%のSBY、57.6%の水分含有量、23.9%のタンパク質、及び0.089%のRNAを有していた。タンパク質含有量を、AACC46-30及びAOAC992.15に従って測定した。RNA抽出を行い、分光光度計によってRNA定量を測定し、RNA濃度に基づいて残留RNAの割合を計算した。
【0045】
実施例5.ビーフシチュー、30乾燥換算重量%のSBY
51.2%のタンパク質及び乾燥重量で10~15%のRNAを含有する30重量%の乾燥した固形SBYを、乾燥重量で90%のタンパク質を含有する10重量%の大豆タンパク質単離物、及び水と混合し、60重量%の水分の混合物を得た。混合物を、摂氏150度の温度、20バールの圧力、RPM400の回転数、及び2分の期間で高水分押出に供した。
【0046】
ビーフシチューは、以下の指示に従って調製した。約25mmの三角形に切ったSBYベースの肉1ポンド、大きなさいの目切りにした黄玉ねぎ8オンス、1インチのさいの目切り又は斜め切りにしたニンジン8オンス、皮を剥き、大きなさいの目切りにしたラセットポテト6オンス、たまり醤油(又は醤油)1/2カップ、常温の水3及び1/2カップ、粗糖大さじ3、カレー粉大さじ2、調合済みカレールー3~3.5オンス、中性油(グレープシード、アボカド、キャノーラ)大さじ3。マリネ液を作るために、たまり醤油、砂糖、カレー粉、及び水1カップを合わせ、砂糖が溶けるまで一緒に泡立てた。中くらいの片手鍋で、SBYベースの肉を大さじ2の油で片側約2分ずつ焼いた。焼き色が付いてから、食品をマリネ液に投入し、室温で10分間放置した。同じ鍋を使用して、残りの油を加え、ニンジン及び玉ねぎを、頻繁に攪拌しながら中火で約3分間炒めた。ジャガイモを加えて攪拌した。次いで、カレールーを砕き入れ、均等に分布しているように見えるまで攪拌した。これには約30秒かかった。残りの水(2及び1/2カップ)を加え、攪拌し、混合物全体を沸騰させた。沸騰してから、熱を弱火にし、蓋をして、頻繁に攪拌しながら約15分間煮込んだ。この時点で、ナイフで突き刺すと、ジャガイモ及びニンジンがやや柔らかく、完成したことが示された。ご飯とともに提供された。
【0047】
得られた製品は、強い牛肉のうま味及び、図5に示されるように、筋肉のような繊維質の質感を有していた。得られた製品は、30乾燥換算重量%のSBY、60%の水分含有量、24.4重量%のタンパク質、及び0.099%のRNAを有していた。タンパク質含有量を、AACC46-30及びAOAC992.15に従って測定した。RNA抽出を行い、分光光度計によってRNA定量を測定し、RNA濃度に基づいて残留RNAの割合を計算した。
【0048】
実施例6.プルドポーク、40乾燥換算重量%のSBY
51.2%のタンパク質及び乾燥重量で10~15%のRNAを含有する40重量%の乾燥した固体SBYを、90重量%のタンパク質を含有する10重量%の大豆タンパク質単離物、及び水と混合し、50重量%の水分の混合物を得た。次いで、混合物を、摂氏150度の温度、20バールの圧力、RPM400の回転数、及び2分の期間で高水分押出に供した。
【0049】
プルドポークレモングラスベジボウルは、以下の指示に従って調製した。以下の材料を使用して、1杯の大きなボウルを作製した。細切りにしたSBYベースの肉4オンス、調理済み米麺1カップ、千切りした紫キャベツ1/3カップ、千切りしたマンゴー1/2、スナップピー各5個、リトルジェムレタスヘッド4葉、薄切りにした紅芯大根5枚、黒ごま少々及びくさび形のライム。2カップ作製するためのマリネ液及びドレッシングは、以下の材料で調製した。ライム果汁及びライムの皮1/2カップ、醤油大さじ2、フィッシュソース1/3カップ、メープルシロップ1/4カップ、油1/4、にんにく4~8片、みじん切りしたレモングラス2~3本(柔らかい白い部分のみ)、皮を剥いて半分にしたエシャロット1個。マリネ液とドレッシングを作製するために、材料をミキサーで合わせ、塩及び胡椒で味付けした。マリネ液を半分に分け、1/4カップのマリネ液を使用して、細切りにしたSBYベースの食品を小さなボウルで5分間マリネした。ボウルを組み立てるために、鋳鉄鍋を非常に高温になるまで加熱した。SBYベースの食品は、キャラメル化してカリカリになるまで焼いた。必要に応じて、更にマリネ液を加えた。大きな盛り付け用のボウルに、残りの新鮮なボウルの材料を全て並べた。焼いたSBYベースの食品を上に置いた。残りのマリネ液大さじ数杯をその上にかけた。
【0050】
得られた製品は、顕著な肉の風味及び、図6に示されるように、筋肉のような繊維を有していた。得られた製品は、40乾燥換算重量%のSBY、50%の水分含有量、29.5%のタンパク質、及び1.32%のRNAを有していた。タンパク質含有量を、AACC46-30及びAOAC992.15に従って測定した。RNA抽出を行い、分光光度計によってRNA定量を測定し、RNA濃度に基づいて残留RNAの割合を計算した。
【0051】
当業者は、本明細書に記載される方法、プロセス、システム、装置、構成要素、デバイス、動作/行為、及び目的、並びにそれらに付随する考察が、概念的な明確さのための例として使用され、様々な構成修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、記載される具体的な例/実施形態及び付随する考察は、それらのより一般的なクラスの代表であることが意図される。一般に、任意の特定の例示の使用は、そのクラスを代表することを意図しており、特定の構成要素、デバイス、動作/行為、及び目的の非包含は、限定的であると解釈されるべきではない。本開示は、本開示及び/又はその潜在的な用途の様々な態様を例示する目的で、様々な特定の態様の説明を提供するが、変形及び修正が当業者に想到することが理解されよう。したがって、本明細書に記載の1つ又は複数の発明は、本明細書に提供される特定の例示的な態様によってより狭義に定義されるものではなく、それらが請求されるのと少なくとも同程度に広義であると理解されるべきである。
条項1.一次成分としての使用済み液体ビール酵母と、少なくとも1つの二次タンパク質成分とを、安全なヒトによる摂取に好適な食品に加工する方法であって、
一次成分と二次成分との混合物を、少なくとも1分間、少なくとも8バールの高圧で90℃を超える温度での熱処理に供することを含む、方法。
条項2.熱及び圧力処理が押出によって適用される、条項1に記載の方法。
条項3.温度が、90℃~180℃で変化し得、好ましくは150℃であり得る、条項1又は2に記載の方法。
条項4.圧力が、8~150バールで変化し得、好ましくは20バールであり得る、条項1~3のいずれか一項に記載の方法。
条項5.処理時間が、1~5分で変化し得、好ましくは2分であり得る、条項1~4のいずれか一項に記載の方法。
条項6.一次成分が、使用済み蒸留酵母、液体パン酵母、液体栄養酵母、又はエタノール製造からの余剰酵母から選択される、条項1~5のいずれか一項に記載の方法。
条項7.一次成分が、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、Saccharomyces carlsbergensis等のSaccharomycetes綱の様々な株に由来する、条項1~6のいずれか一項に記載の方法。
条項8.一次成分が、乾燥した使用済みビール酵母と液体とを混合することによって得られる、条項1~7のいずれか一項に記載の方法。
条項9.一次成分が、脱苦味処理、自己消化、又は加水分解され得る、条項1~8のいずれか一項に記載の方法。
条項10.二次タンパク質成分が、その天然、濃縮、若しくは単離形態、又はそれらの組み合わせで、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質から選択される、条項1~9のいずれか一項に記載の方法。
条項11.二次タンパク質成分が、脂肪、炭水化物、香味剤、着色剤、塩化カルシウム、ガム、レシチン、又はそれらの組み合わせを含有し得る、条項1~10のいずれか一項に記載の方法。
条項12.使用済み液体ビール酵母の比率が約80%であり、二次タンパク質成分が約20%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項13.使用済み液体ビール酵母の比率が約70%であり、二次タンパク質成分が約30%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項14.使用済み液体ビール酵母の比率が約60%であり、二次タンパク質成分が約40%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項15.使用済み液体ビール酵母の比率が約50%であり、二次タンパク質成分が約50%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項16.使用済み液体ビール酵母の比率が約40%であり、二次タンパク質成分が約60%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項17.使用済み液体ビール酵母の比率が約30%であり、二次タンパク質成分が約70%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項18.使用済み液体ビール酵母の比率が約20%であり、二次タンパク質成分が約80%である、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
条項19.食品中のRNA含有量が、食品のタンパク質乾燥重量の4%未満である、条項1~18のいずれか一項に記載の方法。
条項20.食品中のRNA含有量が、1食当たり2g未満である、条項1~19のいずれか一項に記載の方法。
条項21.食品であって、
20重量%~80重量%の使用済みビール酵母と、
少なくとも1つの二次タンパク質成分と、
0.001~2.000gのRNAと、を含む、食品。
条項22.使用済みビール酵母源が、使用済みビール酵母、使用済み蒸留酵母、エタノール製造からの余剰酵母、パン酵母、栄養酵母、又はそれらの組み合わせから選択される、条項21に記載の製品。
条項23.使用済みビール酵母源が、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastorianus、Saccharomyces carlsbergensis等のSaccharomycetes綱の様々な株に由来する、条項21~22のいずれか一項に記載の製品。
条項24.使用済みビール酵母が、乾燥、濃縮、液体形態、又はそれらの組み合わせで使用される、条項21~23のいずれか一項に記載の製品。
条項25.使用済みビール酵母が、約10%~約100%の固形分を含有する、条項21~24のいずれか一項に記載の製品。
条項26.使用済みビール酵母源が、脱苦味処理、自己消化、又は加水分解される、条項21~25のいずれか一項に記載の製品。
条項27.二次タンパク質成分が、その天然、濃縮、若しくは単離形態、又はそれらの組み合わせで、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質から選択される、条項21~26のいずれか一項に記載の製品。
条項28.二次タンパク質成分が、脂肪、炭水化物、香味剤、着色剤、ミネラル、ビタミン、ガム、レシチン、又はそれらの組み合わせを含有し得る、条項21~27のいずれか一項に記載の製品。
条項29.使用済みビール酵母の比率が約80%であり、二次タンパク質成分が約20%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項30.使用済みビール酵母の比率が約70%であり、二次タンパク質成分が約30%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項31.使用済みビール酵母の比率が約60%であり、二次タンパク質成分が約40%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項32.使用済みビール酵母の比率が約50%であり、二次タンパク質成分が約50%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項33.使用済みビール酵母の比率が約40%であり、二次タンパク質成分が約60%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項34.使用済みビール酵母の比率が約30%であり、二次タンパク質成分が約70%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項35.使用済みビール酵母の比率が約20%であり、二次タンパク質成分が約80%である、条項21~28のいずれか一項に記載の製品。
条項36.食品中のRNA含有量が、食品のタンパク質乾燥重量の4%未満である、条項21~35のいずれか一項に記載の製品。
条項37.食品中のRNA含有量が1食当たり2g未満である、条項21~36のいずれか一項に記載の製品。
条項38.食品が、テクスチャー化植物性タンパク質、肉代替品、それらの応用品、又はそれらの組み合わせである、条項21~37のいずれか一項に記載の製品。
条項39.液体酵母を食品に加工する方法であって、
少なくとも摂氏90度の温度及び少なくとも8バールの高圧を利用して、液体酵母及び二次タンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理して食品を形成することを含み、
混合物が、混合物の総重量に基づいて40%~80%の範囲の液体酵母を含み、食品中のリボ核酸含有量が、食品の乾燥タンパク質重量の4%未満である、方法。
条項40.温度が、摂氏90度~摂氏180度の範囲内にあり、高圧が、8バール~150バールの範囲内にあり、温度及び高圧が、1分~5分の範囲内の時間一緒に適用される、条項39に記載の方法。
条項41.混合物が、混合物の総重量に基づいて、40重量%~80重量%、例えば、全て混合物の総重量に基づいて、60重量%~80重量%、65重量%~70重量%、40重量%~70重量%、又は40重量%~60重量%の範囲の液体酵母を含む、条項39又は40に記載の方法。
条項42.混合物が、混合物の総重量に基づいて、20重量%~60重量%、例えば、全て混合物の総重量に基づいて、20重量%~40重量%、20重量%~50重量%、又は40重量%~60重量%の範囲の二次タンパク質成分を含む、条項39~41のいずれか一項に記載の方法。
条項43.液体酵母が、使用済みビール酵母、使用済み蒸留酵母、パン酵母、栄養酵母、エタノール製造からの余剰酵母、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、液体酵母が、使用済みビール酵母を含む、条項39~42のいずれか一項に記載の方法。
条項44.液体酵母が、乾燥酵母を液体と混合することによって得られる、条項39~43のいずれか一項に記載の方法。
条項45.二次タンパク質成分が、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質、又はそれらの組み合わせを含み、二次タンパク質が、天然形態、濃縮形態、単離形態、又はそれらの組み合わせである、条項39~44のいずれか一項に記載の方法。
条項46.熱機械的処理が、押出プロセス、せん断セルプロセス、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、熱機械的処理が、押出プロセスを含む、条項39~45のいずれか一項に記載の方法。
条項47.条項39~46のいずれか一項に記載の方法によって形成される、食品。
条項48.食品であって、
食品の乾燥重量に基づいて、少なくとも20重量%の酵母と、
食品の乾燥重量に基づいて、4重量%未満、例えば、全て食品の乾燥重量に基づいて、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.14重量%以下のリボ核酸(RNA)含有量と、を含む、食品。
条項49.液体酵母が、使用済みビール酵母、使用済み蒸留酵母、パン酵母、栄養酵母、エタノール製造からの余剰酵母、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、液体酵母が、使用済みビール酵母を含む、条項48に記載の食品。
条項50.食品の総重量に基づいて、少なくとも20重量%の二次タンパク質成分を更に含み、二次タンパク質成分が、植物性タンパク質、微生物性タンパク質、真菌性タンパク質、動物性タンパク質、培養タンパク質、又はそれらの組み合わせを含み、二次タンパク質が、天然形態、濃縮形態、単離形態、又はそれらの組み合わせである、条項48又は49に記載の食品。
条項51.食品が、液体酵母及び第2のタンパク質成分を含む混合物を熱機械的に処理することによって生産される、条項50に記載の肉代用品。
条項52.液体酵母が、液体酵母の総重量に基づいて、8重量%~25重量%、例えば、全て液体酵母の総重量に基づいて、8重量%~11重量%又は15重量%~25重量%の範囲の固形分を含む、条項51に記載の食品。
条項53.熱機械的処理が、押出プロセス、せん断セルプロセス、又はそれらの組み合わせを含み、例えば、熱機械的処理が、押出プロセスを含む、条項51又は52に記載の方法。
条項54.混合物が、混合物の総重量に基づいて、40重量%~80重量%、例えば、全て混合物の総重量に基づいて、60重量%~80重量%、65重量%~70重量%、40重量%~70重量%、又は40重量%~60重量%等の範囲の液体酵母を含む、条項51~53のいずれか一項に記載の食品。
条項55.食品が、食品の総乾燥重量に基づいて、10重量%~20重量%の範囲の酵母由来のタンパク質を含む、条項48~54のいずれか一項に記載の食品。
【0052】
本明細書で特定される任意の特許、刊行物、又は他の開示材料は、別段の指示がない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれるが、組み込まれた材料が、本明細書に明示的に記載されている既存の定義、記述、又は他の開示材料と矛盾しない場合に限り、本明細書に組み込まれる。したがって、及び必要な範囲で、本明細書に記載の明示的な開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する材料に優先する。参照により本明細書に組み込まれると言われるが、本明細書に記載の既存の定義、記述、又は他の開示材料と矛盾する任意の材料、又はその一部は、組み込まれた材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。出願人は、参照により本明細書に組み込まれる任意の主題又はその一部を明示的に列挙するように、本明細書を修正する権利を留保する。
【0053】
「様々な例」、「いくつかの例」、「1つの例」、又は「例」等への本明細書全体を通しての言及は、例に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した箇所における「様々な例において」、「いくつかの例において」、「一例において」、又は「ある例において」等の句の出現は、必ずしも全てが同じ例に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の例で任意の好適な様式で組み合わせられ得る。したがって、1つの例に関連して例示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、全体又は一部において、限定されないが、1つ以上の他の例の特徴、構造、又は特性と組み合わせられ得る。そのような修正及び変形は、本発明の例の範囲内に含まれることが意図される。
【0054】
本明細書では、別途の指示がない限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において「約」という用語が先行し、該用語によって修飾されるものと理解されるべきであり、ここで、数値パラメータは、パラメータの数値を決定するために使用される基礎となる測定技術の固有の変動特性を有する。少なくとも、また特許請求の範囲への均等論の適用を限定しようとするものとしてではなく、本明細書に記載される各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、及び通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。
【0055】
本明細書に列挙される全ての範囲は、列挙される範囲の終点を含む。例えば、「1~10」の範囲は、終点1及び10を含む。また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、列挙される範囲内に含まれる全ての部分範囲を含む。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1と列挙された最大値10との間の(及びそれを含む)全ての部分範囲を含み、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する。本明細書に列挙される任意の最大数値限定は、それに包含される全てのより低い数値限定を含むことが意図され、本明細書に列挙される任意の最小数値限定は、それに含まれる全てのより高い数値限定を含むことが意図される。したがって、出願人は、明示的に列挙された範囲内に包含される任意の部分範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む本明細書を修正する権利を留保する。そのような範囲は全て、本明細書に本質的に記載される。
【0056】
文法的な冠詞「a」、「an」、及び「the」は、本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、たとえ「少なくとも1つ」又は「1つ以上」が特定の場合において明示的に使用されている場合でも、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を含むことが意図される。したがって、前述の文法的な冠詞は、本明細書において、特定の識別された要素のうちの1つ又は1つより多く(すなわち、「少なくとも1つ」)を指すように使用される。更に、使用の文脈が別途要求しない限り、単数形名詞の使用は複数形を含み、複数形名詞の使用は単数形を含む。
【0057】
本明細書では、別段の指示がない限り、全ての割合(例えば、重量パーセントタンパク質、パーセントタンパク質、パーセント水分)は、重量に基づくものとして理解されるべきである。
【0058】
当業者は、本明細書に記載される方法、プロセス、システム、装置、構成要素、デバイス、動作/行為、及び目的、並びにそれらに付随する考察が、概念的な明確さのための例として使用され、様々な構成修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、記載される具体的な例/実施形態及び付随する考察は、それらのより一般的なクラスの代表であることが意図される。一般に、任意の特定の例示の使用は、そのクラスを代表することを意図しており、特定の構成要素、デバイス、動作/行為、及び目的の非包含は、限定的であると解釈されるべきではない。本開示は、本開示及び/又はその潜在的な用途の様々な態様を例示する目的で、様々な特定の態様の説明を提供するが、変形及び修正が当業者に想到することが理解されよう。したがって、本明細書に記載の1つ又は複数の発明は、本明細書に提供される特定の例示的な態様によってより狭義に定義されるものではなく、それらが請求されるのと少なくとも同程度に広義であると理解されるべきである。
【0059】
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図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】