(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】固定半径コンベアベルトシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 15/02 20060101AFI20240711BHJP
B65G 17/08 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B65G15/02
B65G17/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502113
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 DK2022050158
(87)【国際公開番号】W WO2023284927
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524016976
【氏名又は名称】アメガ グループ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ケネト ベスタゴー アナスン
【テーマコード(参考)】
3F023
3F034
【Fターム(参考)】
3F023AA03
3F023BB01
3F023BC01
3F023DA03
3F034CA05
3F034CB01
(57)【要約】
本発明は、実質的に同一な複数のベルトモジュールから組立てられる種類の固定半径コンベアベルトシステムに向けられている。本発明は、以下の固定半径コンベアベルトシステムを提供することにより、これに対処する。即ち、上記コンベアベルトシステムは、複数のベルトモジュールから組立てられ、ベルトモジュールの各々は、前方エッジ及び後方エッジ、ならびに内側部及び外側部を備え、さらに、前方エッジと後方エッジと外側部と内側部の間に、モジュラー型のベルト体を備え、かつ複数のアイ部分が、前方エッジ及び後方エッジから延びており、1つのエッジ上のアイ部分は、2つの隣接する同様のモジュラー型のベルトリンクが一緒になるよう押されたとき、後方エッジ上のアイ部分が前方エッジ上のアイ部分の間に嵌合するように、かつアイ部分に開口が設けられている場合には、開口が前方エッジ又は後方エッジに平行な軸に沿って配置されるように、他方のエッジに対してずらされている、固定半径コンベアベルトシステムにおいて、前方エッジ及び後方エッジが相互角度βを有するように配置され、前方軸を通る軸が、後方エッジを通る軸と、回転中心で交わり、かつアイ部分は、前方エッジ又は後方エッジから延びる2つの側部と、2つの側部を接続する遠位端と、によって画定され、回転中心に最も近いアイ部分の第1側部が、第1半径に沿って湾曲させられ、かつアイ部分の他方の側部が、第1半径よりも大きな第2半径に沿って湾曲させられ、回転中心からより遠く離れたアイ部分が、さらに大きな円半径に沿う湾曲した側部を有している、固定半径コンベアベルトシステム、を提供することにより、これに対処する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定半径コンベアベルトシステムであって、コンベアベルト(10)は、複数のベルトモジュール(30)から組立てられ、ベルトモジュール(30)の各々は、前方エッジ(16)及び後方エッジ(18)、ならびに内側部(12)及び外側部(14)を備え、さらに、前記前方エッジ(16)と前記後方エッジ(18)と前記外側部(14)と前記内側部(12)の間に、モジュラー型のベルト体(22)を備え、かつ複数のアイ部分(34)が、前記前方エッジ(16)及び前記後方エッジ(18)から延びており、1つのエッジ上の前記アイ部分(34)は、2つの隣接する同様のモジュラー型のベルトモジュール(30)が一緒になるよう押されたとき、後方エッジ(18)上のアイ部分(34)が前方エッジ(16)上のアイ部分(34)の間に嵌合するように、かつ前記アイ部分(34)に開口(35)が設けられている場合には、前記開口(35)が前記前方エッジ(16)又は前記後方エッジ(18)に平行な軸に沿って配置されるように、他方のエッジに対してずらされている、固定半径コンベアベルトシステムにおいて、前記前方エッジ(16)及び前記後方エッジ(18)が相互角度αを有するように配置され、前記前方エッジ(16)に平行かつそれを通る軸が、前記後方エッジ(18)に平行かつそれを通る軸と、回転中心で交わり、かつ前記アイ部分(34)は、前記前方エッジ又は前記後方エッジから延びる2つの側部と、前記2つの側部を接続する遠位端と、によって画定され、前記回転中心に最も近いアイ部分の第1側部(42)が、第1半径に沿って湾曲させられ、かつ前記アイ部分の他方の側部(44)が、前記第1半径よりも大きな第2半径に沿って湾曲させられ、前記回転中心からより遠く離れたアイ部分(34)が、さらに大きな円半径に沿う湾曲した側部を有している、ことを特徴とする、固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項2】
前記回転中心に最も近い内側部から前記回転中心から最も遠い外側部までの、前記コンベアベルトの幅が、2つ以上のベルトモジュール(30)から組立てられ、かつタップ(46)が、第1ベルトモジュール(30)の内側部(42)又は外側部から延びており、かつモジュラー型の第1ベルトリンクに半径方向で隣接するように配置される、隣り合うモジュラー型の第2ベルトリンクの内側部又は外側部は、使用時には前記タップ(46)の部分を収容する受け入れキャビティを備えている、請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項3】
ベルトモジュール(30)の各々は、隣り合う前記内側部及び前記外側部の下側に、補強リブ(42、44)を備え、1つ以上の補強リブは、前記前方エッジ(16)に沿ったアイ部分(34)と前記後方エッジ(18)に沿ったアイ部分を接続する、請求項1又は2に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項4】
意図されている進行方向に直交する前記コンベアベルトの幅は、複数の異なるモジュラー型のベルトモジュールから組立てられ、前記後方エッジ(18)及び前記前方エッジ(16)は、前記コンベアベルトの全体の幅にわたって異なる半径方向に平行であり、かつ前記進行方向における前記後方エッジ(18)と前記前方エッジ(16)の間の距離は、放射状に広がっており、前記前方エッジと前記後方エッジの間の前記距離が、前記2つのエッジが前記回転中心から離れるにつれて大きくなる、請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項5】
前記回転中心に最も近いモジュラー型のベルトモジュールは、1000mmの半径に沿った内側のエッジを有し、横方向に隣接するベルトモジュールの最も内側のエッジは、前記回転中心からより遠くに隔てられた連続的なモジュール型ベルトリンクごとに200mmずつ増加する半径に沿っている、請求項4に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項6】
1000mmの半径に沿った内側部を有する前記ベルトモジュールの内側に、1つ以上の特別なベルトモジュールが配置されることができる、請求項5に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項7】
前記前方エッジ(16)と前記後方エッジ(18)の間の前記相互角度αは、0.5度から1.2度の間であり、より好ましくは、0.6度から0.75度の間であり、最も好ましくは、0.65度と選択される、請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項8】
モジュラー型の前記コンベアベルトは、下部構造(100)によって運搬され、前記下部構造は、
a.運搬フレームを備え、前記運搬フレームは、前記コンベアベルトがさらされ得る荷重を運搬するように設計され、かつ前記コンベアベルトの意図されている搬送路に沿うように湾曲させられ、前記運搬構造(100)は、放射状に配置された複数の支持ビームを有し、さらに、
b.複数の実質的に部分環状低摩擦である搬送用摺動レール(114)を備え、前記搬送用摺動レールは、前記回転中心に対して異なる半径で配置され、さらに、
c.前記下部構造の半径方向の一方の端に配置された駆動アクスル(118)を備え、前記駆動アクスル(118)は、前記コンベアベルトの下側と駆動的に係合するための少なくとも1つのスプロケットホイール(116)を備え、かつ前記駆動アクスル(116)は、推進手段(122)と駆動係合し、かつ前記駆動アクスル(116)は前記回転中心に対する半径方向に配置された軸を中心に回転し、さらに、
d.前記下部構造の前記駆動アクスル(118)に対する反対端に、回転アクスル(120)を備え、前記回転アクスル(120)は、前記コンベアベルトの下側と係合するための少なくとも1つのスプロケットホイール(116)を備え、かつ前記回転アクスル(120)は、前記回転中心に対して半径方向に配置された軸を中心に回転する、請求項1から7のいずれか一項に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項9】
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)は、前記スプロケットホイール(116)の間又は前記スプロケットホイール(116)の各側に、弾力性パディング(124)を備える、請求項8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項10】
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)は、円錐形状をしており、前記アクスルの前記回転中心に最も近い径は、前記アクスルの前記回転中心から最も遠い径よりも小さい、請求項8又は9に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項11】
前記駆動アクスルの軸と前記回転アクスルの軸の間の相互角度は、15度から120度の間である、請求項8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の実質的に同一なベルトモジュールから組立てられた種類の、固定半径コンベアベルトシステムに向けられている。
【0002】
コンベアベルトの分野、特に実質的に同一なコンベアベルトモジュールから組立てられたコンベアベルトの分野においては、各ベルトモジュールはアイ(eye)部分を重ね合わせることによって隣り合うベルトモジュールと組立てられ、かつアイ部分は横方向の開口を備えている、従来型の直線方向コンベアベルトが存在する。隣り合うベルトモジュールの重なり合った開口を通るように接続ペンを挿入することによって、コンベアベルトであって、そのコンベアベルトの平面に対して直交する方向に屈曲可能であるコンベアベルトを、組立てることができる。同様にして、コンベアベルトモジュールの1つのエッジに沿ったアイ部分のうち少なくとも1つの組において、アイ部分の開口は、意図されているコンベアベルトの進行方向に長手方向拡張部を有する。このようにして、接続ピンが開口の中で動くことが可能になり、それにより、隣り合うコンベアベルトモジュールを隣り合うコンベアベルトモジュールの他方に対して僅かに変位させることが容易になる。このようにして、コンベアベルトは、追加的に、輸送方向に直交する平面内で回動可能であり、また、意図されている輸送方向に平行な平面内でいずれかの側に向かって方向転換することも可能である。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、本発明は、特別な種類のコンベアベルトに向けられている。即ち、本発明は、隣り合うコンベアベルトモジュールが互いに対して変位させられることがなく、堅固な係合を維持するような、固定半径を有するコンベアベルトに、向けられている。これらの種類の固定半径コンベアベルトは、例えば90度の方向転換(他の角度での方向転換も考えられ得る)を経る搬送路を有することが望ましい場合に、搬送機構において用いられる。これらの例では、長い表面寿命を提供するために、かつ同時に複数のモジュラー型のベルトリンクが湾曲した搬送路に沿って進む際の騒音を最小化するために、摩耗及び磨滅が限定的である搬送機構を提供することが望ましい。
【0004】
本発明は、以下の固定半径コンベアベルトシステムを提供することにより、これに対処する。即ち、上記コンベアベルトシステムは、複数のベルトモジュールから組立てられ、ベルトモジュールの各々は、前方エッジ及び後方エッジ、ならびに内側部及び外側部を備え、さらに、上記前方エッジと上記後方エッジと上記外側部と上記内側部の間に、モジュラー型のベルト体を備え、かつ複数のアイ部分が、上記前方エッジ及び上記後方エッジから延びており、1つのエッジ上の上記アイ部分は、2つの隣接する同様のモジュラー型のベルトリンクが一緒になるよう押されたとき、後方エッジ上のアイ部分が前方エッジ上のアイ部分の間に嵌合するように、かつ上記アイ部分に開口が設けられている場合には、上記開口が上記前方エッジ又は上記後方エッジに平行な軸に沿って配置されるように、他方のエッジに対してずらされている、固定半径コンベアベルトシステムにおいて、上記前方エッジ及び上記後方エッジが相互角度βを有するように配置され、前方軸を通る軸が、上記後方エッジを通る軸と、回転中心で交わり、かつ上記アイ部分は、上記前方エッジ又は上記後方エッジから延びる2つの側部と、上記2つの側部を接続する遠位端と、によって画定され、上記回転中心に最も近いアイ部分の第1側部が、第1半径に沿って湾曲させられ、かつ上記アイ部分の他方の側部が、上記第1半径よりも大きな第2半径に沿って湾曲させられ、上記回転中心からより遠く離れたアイ部分が、さらに大きな円半径に沿う湾曲した側部を有している、固定半径コンベアベルトシステム、を提供することにより、これに対処する。
【0005】
コンベアベルトを、特に公共空間において使用されるコンベアベルトを作製する際の課題の1つとして、多数の実質的に同一なベルトモジュールによって形成されたコンベアベルトは、ガタガタと音を立てるか、又はより多くの騒音を発する傾向があるという事実がある。従って、これまでは、騒音の問題が実質的により小さかったために、連続的な布地又はベルト材料から成るコンベアベルトが、そのような多くの適用例において用いられてきた。
【0006】
しかしながら、本発明を用いることによって、特に、隣り合うベルトモジュールを組立てるやり方が、アイ部分をかみ合わせ、隣り合うアイ部分を接続すべく横方向にピンを挿入することである、比較的小型の複数のモジュールを組立てる場合に、成功することが証明されている。この成功は、特に、アイ部分が、回転点に対して存在する半径に沿うような湾曲した設計で作製されてもいるという事実による。続いて、このことにより、側方においてそのような構成である各モジュールが、固有のモールドを必要とするので、より高価なモールドシステムが創出される。上記の各モジュールは、スムースに曲がりかつ走ることができるようにするために、さらに、そのことによって、騒音の発生を最小化し、長期的には摩耗及び磨滅をも最小化するために、曲率を有するアイ部分をかみ合わせるときに、アイ部分は同様の曲率を有するアイ部分と絶対的にかみ合わせられる必要があるので、非常に精確に設計されるべきでもある。
【0007】
本発明のさらなる有利な実施形態では、上記回転中心に最も近い内側部から上記回転中心から最も遠い外側部までの、上記コンベアベルトの幅が、2つ以上のベルトモジュールから組立てられ、かつタップが、第1ベルトモジュールの内側部又は外側部から延びており、かつモジュラー型の第1ベルトリンクに半径方向で隣接するように配置される、隣り合うモジュラー型の第2ベルトリンクの内側部又は外側部は、使用時には上記タップの部分を収容する受け入れキャビティを備えている。
【0008】
回転中心から見て横方向に隣り合う側部にタップ及び受け入れ開口を設けることで、隣り合うコンベアベルトモジュールの間に着脱可能な接続が存在するように、隣り合うコンベアベルトモジュールを横方向に一緒に掣子止めする/組立てることが可能になる。この方向では、即ち半径方向に沿った横方向では、コンベアベルトとして、隣り合うベルトモジュールの隣り合う側部の表面の間の係合は最小化されるので、そのようにしてこの係合から発生する騒音もまた最小化される。
【0009】
本発明のさらなる有利な実施形態では、ベルトモジュールの各々は、隣り合う上記内側部及び上記外側部の下側に、補強リブを備え、1つ以上の補強リブは、上記前方エッジに沿ったアイ部分と上記後方エッジに沿ったアイ部分を接続する。
【0010】
上記の位置では、下側の補強ウェブは、典型的には、下部構造の駆動ローラからのスプロケットホイールがコンベアベルトに係合し、かつコンベアベルトを進ませるように設計される。さらに、コンベアベルトのエッジ部分は、通常、中央部よりも大きな張力及び圧力を受けるので、補強ウェブをコンベアベルトの横側の部分のみに設けるだけで、中央部の重量削減が達成され、かつ、従って、ベルトを進ませるために必要とされる推進力は小さくなるのだが、同時にコンベアベルトの構造及び完全性及び強度も達成される。このことは、下部構造に関連して記述される本発明から明らかであろう。スプロケットホイールは、コンベアベルトの下側に係合し、その際、スプロケットホイールは、特に、隣り合う補強リブの間で係合し、それによって、推進力がスプロケットホイールからコンベアベルトの側方限定部へと、そしてそこからモジュラー型のベルトモジュール体全体へと、伝達される。このようにして、モジュラー型のベルトモジュールが製造される材料は、可能な限り最良の方法で利用される。
【0011】
本発明のさらなる有利な実施形態では、意図されている進行方向に直交する上記コンベアベルトの幅は、複数の異なるモジュラー型のベルトリンクから組立てられ、上記後方エッジ及び上記前方エッジは、上記コンベアベルトの全体の幅にわたって異なる半径方向に平行であり、かつ上記進行方向における上記後方エッジと上記前方エッジの間の距離は、放射状に広がっており、上記前方エッジと上記後方エッジの間の上記距離が、上記2つのエッジが上記回転中心から離れるにつれて大きくなる。
【0012】
モジュールが回転中心から段々と離れた場所で嵌合されていくにつれ、それらが設計されねばならない半径もまた段々と大きくなっていくことは明らかである。同様にして、モジュールが回転中心から離れるにつれ、前方エッジと後方エッジの間の距離も大きくならなければならない。
【0013】
本発明のさらなる有利な実施形態では、上記回転中心に最も近いモジュラー型のベルトリンクは、1000mmの半径に沿った内側のエッジを有し、横方向に隣接するベルトモジュールの最も内側のエッジは、上記回転中心からより遠くに隔てられた連続的なモジュール型ベルトリンクごとに200mmずつ増加する半径に沿っている。
【0014】
実用的な目的のための試験によれば、最小で1000mmの回転半径を有するコンベアベルトがほとんどの用途に対して適用可能であり、同時に強度、安定性、及び低騒音を提供し、首尾よく実装されるということが示唆されている。1000mmの回転半径を起点として、横方向のモジュールごとに200mmのステップをさらに設けることにより、モジュールベルトの長さの幅が200mmのステップで連続的であり得ることが達成される。それらのステップは、十分に大きいため、所望のコンベアベルト幅を作り出すために必要とされる異なるベルトモジュールは、実質的に限られた量である。固定ラジオベルトが考慮されるほとんどの用途について、ベルトモジュールのこの段階的な利用の可能性は、同時に異なったモジュラー型のベルトモジュールの数が限られていることを示しており、また、保管されるべきモジュールの数及びモールドの量も限られていることを要する。
【0015】
本発明のさらなる有利な実施形態では、上記前方エッジと上記後方エッジの間の上記相互角度βは、0.5度から1.2度の間であり、より好ましくは、0.6度から0.75度の間であり、最も好ましくは、0.65度と選択される。各モジュールが、その前方エッジと後方エッジの間にこの非常に限定された角度範囲を有するように、設けることにより、比較的多くの数のモジュラー型のベルトモジュールがコンベアベルトの長手方向で用いられなければならないことが予見されるが、一方では、組立てられたコンベアベルトをよりタイトな回転で回転させることが可能になる。この際、よりタイトな回転とは、この種類のコンベアベルトの場合に使用される駆動ローラの半径がより小さいことを意味している。このことによって比較的低い構造上の高さが容易になり、同時に、各横列のモジュールは同一であるので、余計な成形コスト又は保管コストが発生せず、これは、ベルトコンベアの構造において用いられるのが、多数ではあるが同一のモジュールであるからである。さらに、比較的低い構造上の高さは、上記されたようなモジュラー型のベルトモジュールを有するこの種のコンベアが、構造を実質的に再構築する必要なくして既存の構造に組み入れられることを、可能にする。
【0016】
固定半径コンベアベルトに関する本発明は、さらなる有利な実施形態では、さらに以下を開示する。モジュラー型の上記コンベアベルトは、下部構造によって運搬され、上記下部構造は、
a.運搬フレームを備え、上記運搬フレームは、上記コンベアベルトがさらされ得る荷重を運搬するように設計され、かつ上記コンベアベルトの意図されている搬送路に沿うように湾曲させられ、上記運搬構造は、放射状に配置された複数の支持ビームを有し、さらに、
b.複数の実質的に部分環状低摩擦である搬送用摺動レールを備え、上記搬送用摺動レールは、上記回転中心に対して異なる半径で配置され、さらに、
c.上記下部構造の半径方向の一方の端に配置された駆動アクスル(axle)を備え、上記駆動アクスルは、上記コンベアベルトの下側と駆動的に係合するための少なくとも1つのスプロケットホイールを備え、かつ上記駆動アクスルは、推進手段と駆動係合し、かつ上記駆動アクスルは上記回転中心に対する半径方向に配置された軸を中心に回転し、さらに、
d.上記下部構造の上記駆動アクスルに対する反対端に、回転アクスルを備え、上記回転アクスルは、上記コンベアベルトの下側と係合するための少なくとも1つのスプロケットホイールを備え、かつ上記
【0017】
モジュラー型のベルトモジュールは、その内側部と外側部の間で実質的に自己支持的であるので、モジュラー型のベルトモジュールの下の下部構造で横方向に連続的な支持を提供する必要がない。搬送路の下に同心円状に配置された不連続的な低摩擦の搬送用摺動レールを有することにより、可能な限り小さい係合が、運動中のベルトモジュールと下部構造の間で発生することが、達成される。これは、支持レールに沿って摺動するベルトモジュールによって発生する騒音が低減され、同時に、ベルトモジュールはベルトモジュールに内在する強度によって、荷重を横方向に運搬することができるため、下部構造はより軽く、かつ単純に構築される、という1つの大きな利点を有する。
【0018】
さらなる有利な実施形態では、上記駆動アクスル及び上記回転アクスルは、上記スプロケットホイールの間又は上記スプロケットホイールの各側に、弾力性パディングを備える。弾力性パディングは、多くの有利な点を提供し、2つの主要な有利な点は、コンベアベルトが駆動アクスル及び回転アクスルに係合する場合に、弾力性パディングが騒音の発生を弱め、それにより、これらの種類のコンベアから発生する騒音を低減する、という事実である。第2に、弾力性パディングは、コンベアベルトモジュールの下側を乗せ、そのようにして、駆動アクスルにわたって多かれ少なかれ均等に分布させられた荷重を搬送し、同時に比較的大きな摩擦が弾力性パディングとコンベアベルトの下側に生じる場合があり、それにより、回転駆動アクスルからの荷重は特に、スプロケットホイールによってのみ伝達されるのではなく、弾力性パディングによっても伝達される。このようにして、コンベアベルト全体にわたるより均等な力の分布が、即ちより均等な荷重の分布が、達成される。
【0019】
本発明のさらなる有利な実施形態では、上記駆動アクスル及び上記回転アクスルは、円錐形状をしており、上記アクスルの上記回転中心に最も近い径は、上記アクスルの上記回転中心から最も遠い径よりも小さい。回転中心に最も近い位置でより小さな径を、かつ回転中心から離れるにつれてより大きな径を、有するアクスルの設計は、また、ベルトをよく張った状態で保つのに役立つと同時に、アクスル/スプロケットホイールからモジュラー型のコンベアベルト構造への均等な力の分布にも役立つ。
【0020】
さらなる有利な実施形態では、上記駆動アクスルの軸と上記回転アクスルの軸の間の相互角度は、15度から120度の間である。回転アクスルと駆動アクスルの間のこの相互角度が、コンベアが経る回転の角度を規定するのであって、例えば、これら2つのアクスルの間の角度が90度である場合、コンベアベルトは90度の角度を経て表面上の物品を輸送する。理論上は、コンベアベルトがほぼ円全体を掃くように、アクスルが多かれ少なかれ平行であってもよい。もっとも、この円は、コンベアベルトモジュールが近接した駆動アクスルと回転アクスルの間で回転するために必要なスペースによって分断される。しかしながら、ほとんどの実用上の目的について、回転角度は45度から120度の間である。
【0021】
以下、本発明は、添付の図面を参照しつつ記述される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明による、モジュラー型のコンベアベルトの一区画を示している。
【
図2】
図2は、上から見た単一のベルトモジュールを示している。
【
図3】
図3は、下から見た固定半径コンベアの一区画を示している。
【
図4】
図4は、下から見た単一のベルトモジュールを示している。
【
図5】
図5は、上から見た固定半径コンベアの一区画を示している。
【
図6】
図6は、固定半径コンベアベルトの下部構造の例を示している。
【0023】
図1では、本発明による、モジュラー型のコンベアベルトの一区画が示されている。この実施形態における、モジュラー型のコンベアベルトの上記区画は、横方向に配置された8つの異なるベルトモジュールから作製されている。この実施形態では、最も内側のベルトモジュール2は、回転点20に対する900mmの半径に沿った内側部12を有する。回転点又は円の中心20は、軸a1、a2が横切っている。
【0024】
図2を見ると、モジュラー型のベルトリンクの各々は、内側部12及び外側部14を備えている。内側部12及び外側部14は、両方とも、それぞれの半径に沿い、例えば、そのモジュラー型のベルトリンク30が、半径方向に4番目に配置されている場合(
図1を参照)には、内側半径は、回転点20から1200mmに対応し、一方、外側半径は、かつそれにより、外側部14は、回転点に対して1400mmの半径を有するように対応して湾曲される。より大きな半径を有する次の連続するベルトモジュールは、1400mmの内側半径、1600mmの外側半径等を有する。
【0025】
さらに、モジュラー型のベルトリンク30は、前方エッジ16及び後方エッジ18を備えている。軸a1、a2が特定の角度αの角度を有していることが明らかである
図1を参照して示されているように、前方エッジ16と後方エッジ18の間の角度関係によって、内側部12により近い場所での前方エッジ16と後方エッジ18の間の距離は、外側部14により近い場所で計測される同じ距離よりも小さくされる。前方エッジ16、後方エッジ18、内側部12、及び外側部14によって画定されるモジュールの部分は、ベルト体22と呼称され得る。ベルト体の幾何学的形状は、それが実質的に楔状の設計を有しているものの、楔に通常備わっている尖端を有していないという点において、截頭楔状とも呼称され得る。理論上は、回転点に対して有する半径がゼロである最も内側のモジュールであれば、尖端を有することになる。
【0026】
図1に示されている実施形態では、コンベアベルトの幅の段階的な分割は、ここでは、区画10を構成するベルトモジュールの多くについて、200mmに選択されている。特定の目的のために、追加的なベルトモジュール31、32が回転中心に対してより近い場所に加えられ、この方向により大きな広がりを有する搬送表面を提供するという場合がある。しかしながら、横方向の長さが、即ちモジュラー型のベルト長さ30の内側部と外側部の間の距離が、例えば
図1に示されているように、200mmの計測長を有するように、製造することにより、異なる/連続的な回転半径36を有する複数のベルト長さを組立てるだけで、広範な範囲の横方向幅を有する固定半径で回転するモジュラー型のコンベアベルトを、標準化されたやり方で形成することが可能になる。
【0027】
図2に戻ると、モジュラー型のベルトの長さ30は、それぞれ前方エッジ16、後方エッジ18から突出したアイ部分34を有している。アイ部分34は、一方の側のアイ部分が反対側のアイ部分の間に嵌合され得るように、横方向にずらされている。このようにして、
図3に示されているような、実質的に連続的なモジュラー型のコンベアベルトの表面を組立てることが可能になる。しかしながら、ベルト体は穴を開けられていてもよいし、さもなくば連続的でなくてもよいということも、考慮されたい。
【0028】
図4に移ると、
図2に示されたベルトリンクが、下側から見られる。下側からは、補強リブ42、44が、モジュラー型のベルトリンク30のエッジ16、18の各側でアイ部分34、34’を接続するように配置されていることを、見ることができる。補強リブ42、44が設けられている位置は、典型的には、
図6のこの接続を見ると、スプロケットホイールがコンベアベルトを係合させ、かつ進ませるような位置である。
【0029】
モジュラー型のベルト30は、内側部12又は外側部14から突出しているタップ46を、さらに備えている。
図2及び4に示されている実施形態では、タップ46は、外側部14から突出している。このタップは、隣り合うベルトリンクの内側部12に係合し、かつこのようにして2つの隣り合うベルトリンクを一緒に結合するように、配置される。このようにして、隣り合うベルトリンクの間の相互運動は最小化され、かつそれによって騒音及び摩耗の発生もまた最小化される。騒音は、様々な適用例においてどの種類のコンベアベルトを実装するかを決定するに際して重要なファクターであり、かつ、このモジュラー型のベルトリンクの構成の騒音発生を相当に減少させることが可能であることにより、モジュラー型のベルトリンクから組立てられたモジュラー型のコンベアの観点から考えた場合、従来では考慮されてこなかった多数の適用例についてこの構成を考えることができる。
【0030】
図3に戻ると、組立てられたコンベアベルト10’の一区画を見ることができるが、その区画では、この実施形態においては、複数のモジュラー型のベルトリンク30、30’、30’’が示されている。別個のモジュラー型のベルトリンク30、30’、30’’の各々は、示されている半径36’’、36、及び36’によって、横方向に限定されている。この区画は、
図1の部分的な図に対応している。見ることができるように、アイ部分34は、接続ピン(図示されてはいない)が、開口35を通るように挿入され、軸a1、a2と平行な貫通開口を有することができるように、かみ合わせられている。
【0031】
アイ部分自体は、それらが半径R
eに沿ってもいるように設計されている。このようにして、モジュラー型のベルトモジュールが
図1及び3に示されたように組み合わせられたときの、隣り合うアイ部分の間の係合は、アイ部分34を直線に代わって半径R
eに沿うように設計することによって、隣り合うアイ部分の間での干渉が最小化され、騒音ならびに摩耗及び磨滅がより小さくなることを、予見する。
【0032】
図5に移ると、コンベアベルトの区画10の下側が、
図3を参照しつつ示されている。補強リブ42、44で、この実施形態は、コンベアベルトの補強された「レーン」を明確に示唆している。この際、例えば駆動アクスル上に取付けられたスプロケットホイールからの力が、これらの「レーン」にあるコンベアベルトに伝達されることができるように、ベルトに特別強度が提供されている。
【0033】
図6に移ると、運搬構造100が示されている。この運搬構造は、コンベアベルトを、特に回転を通じてコンベアベルト上で運搬される物体を、ガイドするように設けられた側方限定部110、112を備えている。
【0034】
下部構造100の各端に、アクスル118、120が配置され、その上にスプロケットホイール116が配置されている。1つのアクスル118は、力を供給するモータ122に接続されており、モータ122は、アクスル118を回転させることにより、コンベアベルト(図示されてはいない)を搬送路に沿って進ませる。反対端では、モジュラー型のコンベアベルトの回転を可能にするために、同様にして非駆動アクスル120が配置されており、アクスル120はスプロケットホイールを備えている場合もあれば備えていない場合もあるが、スプロケットホイールを備えている場合には、さらにコンベアベルトのトラッキングのガイドもする。
【0035】
スプロケットホイール116の間には、弾力層124が配置されており、この弾力層124は、部分的にはモジュラー型のベルトリンクがアクスル118、120の周囲を通過して回転させられるときの騒音を弱めるためであるが、モジュラー型のベルトリンクを弾力的に支持し、かつ摩擦によってそれに係合し、コンベアベルトを進ませることを助けもする。
【0036】
コンベアベルトを輸送路に沿って支持するために、複数のレール114が設けられている。このレールは、低摩擦の表面を備えており、この際、レールは、コンベアベルトの下側と係合して騒音発生及び力の消費を低減させる。また、このガイドレールは、回転中心への距離に対応する半径に沿っている。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
コンベアベルトの分野、特に実質的に同一なコンベアベルトモジュールから組立てられたコンベアベルトの分野においては、各ベルトモジュールはアイ(eye)部分を重ね合わせることによって隣り合うベルトモジュールと組立てられ、かつアイ部分は横方向の開口を備えている、従来型の直線方向コンベアベルトが存在する。隣り合うベルトモジュールの重なり合った開口を通るように接続ピンを挿入することによって、コンベアベルトであって、そのコンベアベルトの平面に対して直交する方向に屈曲可能であるコンベアベルトを、組立てることができる。同様にして、コンベアベルトモジュールの1つのエッジに沿ったアイ部分のうち少なくとも1つの組において、アイ部分の開口は、意図されているコンベアベルトの進行方向に長手方向拡張部を有する。このようにして、接続ピンが開口の中で動くことが可能になり、それにより、隣り合うコンベアベルトモジュールを隣り合うコンベアベルトモジュールの他方に対して僅かに変位させることが容易になる。このようにして、コンベアベルトは、追加的に、輸送方向に直交する平面内で回動可能であり、また、意図されている輸送方向に平行な平面内でいずれかの側に向かって方向転換することも可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記の位置では、下側の補強リブは、典型的には、下部構造の駆動ローラからのスプロケットホイールがコンベアベルトに係合し、かつコンベアベルトを進ませるように設計される。さらに、コンベアベルトのエッジ部分は、通常、中央部よりも大きな張力及び圧力を受けるので、補強リブをコンベアベルトの横側の部分のみに設けるだけで、中央部の重量削減が達成され、かつ、従って、ベルトを進ませるために必要とされる推進力は小さくなるのだが、同時にコンベアベルトの構造及び完全性及び強度も達成される。このことは、下部構造に関連して記述される本発明から明らかであろう。スプロケットホイールは、コンベアベルトの下側に係合し、その際、スプロケットホイールは、特に、隣り合う補強リブの間で係合し、それによって、推進力がスプロケットホイールからコンベアベルトの側方限定部へと、そしてそこからモジュラー型のベルトモジュール体全体へと、伝達される。このようにして、モジュラー型のベルトモジュールが製造される材料は、可能な限り最良の方法で利用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
実用的な目的のための試験によれば、最小で1000mmの回転半径を有するコンベアベルトがほとんどの用途に対して適用可能であり、同時に強度、安定性、及び低騒音を提供し、首尾よく実装されるということが示唆されている。1000mmの回転半径を起点として、横方向のモジュールごとに200mmのステップをさらに設けることにより、モジュールベルトの長さの幅が200mmのステップで連続的であり得ることが達成される。それらのステップは、十分に大きいため、所望のコンベアベルト幅を作り出すために必要とされる異なるベルトモジュールは、実質的に限られた量である。固定半径ベルトが考慮されるほとんどの用途について、ベルトモジュールのこの段階的な利用の可能性は、同時に異なったモジュラー型のベルトモジュールの数が限られていることを示しており、また、保管されるべきモジュールの数及びモールドの量も限られていることを要する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
固定半径コンベアベルトに関する本発明は、さらなる有利な実施形態では、さらに以下を開示する。モジュラー型の上記コンベアベルトは、下部構造によって運搬され、上記下部構造は、
a.運搬フレームを備え、上記運搬フレームは、上記コンベアベルトがさらされ得る荷重を運搬するように設計され、かつ上記コンベアベルトの意図されている搬送路に沿うように湾曲させられ、上記運搬構造は、放射状に配置された複数の支持ビームを有し、さらに、
b.複数の実質的に部分環状低摩擦である搬送用摺動レールを備え、上記搬送用摺動レールは、上記回転中心に対して異なる半径で配置され、さらに、
c.上記下部構造の半径方向の一方の端に配置された駆動アクスル(axle)を備え、上記駆動アクスルは、上記コンベアベルトの下側と駆動的に係合するための少なくとも1つのスプロケットホイールを備え、かつ上記駆動アクスルは、推進手段と駆動係合し、かつ上記駆動アクスルは上記回転中心に対する半径方向に配置された軸を中心に回転し、さらに、
d.上記下部構造の上記駆動アクスルに対する反対端に、回転アクスルを備え、上記回転アクスルは、上記コンベアベルトの下側と係合するための少なくとも1つのスプロケットホイールを備え、かつ上記回転アクスルは、上記回転中心に対して半径方向に配置された軸を中心に回転する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
コンベアベルトを輸送路に沿って支持するために、複数のレール114が設けられている。このレールは、低摩擦の表面を備えており、この際、レールは、コンベアベルトの下側と係合して騒音発生及び力の消費を低減させる。また、このガイドレールは、回転中心への距離に対応する半径に沿っている。
また、本開示は、以下の態様を含む。
〔態様1〕
固定半径コンベアベルトシステムであって、コンベアベルト(10)は、複数のベルトモジュール(30)から組立てられ、ベルトモジュール(30)の各々は、前方エッジ(16)及び後方エッジ(18)、ならびに内側部(12)及び外側部(14)を備え、さらに、前記前方エッジ(16)と前記後方エッジ(18)と前記外側部(14)と前記内側部(12)の間に、モジュラー型のベルト体(22)を備え、かつ複数のアイ部分(34)が、前記前方エッジ(16)及び前記後方エッジ(18)から延びており、1つのエッジ上の前記アイ部分(34)は、2つの隣接する同様のモジュラー型のベルトモジュール(30)が一緒になるよう押されたとき、後方エッジ(18)上のアイ部分(34)が前方エッジ(16)上のアイ部分(34)の間に嵌合するように、かつ前記アイ部分(34)に開口(35)が設けられている場合には、前記開口(35)が前記前方エッジ(16)又は前記後方エッジ(18)に平行な軸に沿って配置されるように、他方のエッジに対してずらされている、固定半径コンベアベルトシステムにおいて、前記前方エッジ(16)及び前記後方エッジ(18)が相互角度αを有するように配置され、前記前方エッジ(16)に平行かつそれを通る軸が、前記後方エッジ(18)に平行かつそれを通る軸と、回転中心で交わり、かつ前記アイ部分(34)は、前記前方エッジ又は前記後方エッジから延びる2つの側部と、前記2つの側部を接続する遠位端と、によって画定され、前記回転中心に最も近いアイ部分の第1側部(42)が、第1半径に沿って湾曲させられ、かつ前記アイ部分の他方の側部(44)が、前記第1半径よりも大きな第2半径に沿って湾曲させられ、前記回転中心からより遠く離れたアイ部分(34)が、さらに大きな円半径に沿う湾曲した側部を有している、ことを特徴とする、固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様2〕
前記回転中心に最も近い内側部から前記回転中心から最も遠い外側部までの、前記コンベアベルトの幅が、2つ以上のベルトモジュール(30)から組立てられ、かつタップ(46)が、第1ベルトモジュール(30)の内側部(42)又は外側部から延びており、かつモジュラー型の第1ベルトリンクに半径方向で隣接するように配置される、隣り合うモジュラー型の第2ベルトリンクの内側部又は外側部は、使用時には前記タップ(46)の部分を収容する受け入れキャビティを備えている、態様1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様3〕
ベルトモジュール(30)の各々は、隣り合う前記内側部及び前記外側部の下側に、補強リブ(42、44)を備え、1つ以上の補強リブは、前記前方エッジ(16)に沿ったアイ部分(34)と前記後方エッジ(18)に沿ったアイ部分を接続する、態様1又は2に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様4〕
意図されている進行方向に直交する前記コンベアベルトの幅は、複数の異なるモジュラー型のベルトモジュールから組立てられ、前記後方エッジ(18)及び前記前方エッジ(16)は、前記コンベアベルトの全体の幅にわたって異なる半径方向に平行であり、かつ前記進行方向における前記後方エッジ(18)と前記前方エッジ(16)の間の距離は、放射状に広がっており、前記前方エッジと前記後方エッジの間の前記距離が、前記2つのエッジが前記回転中心から離れるにつれて大きくなる、態様1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様5〕
前記回転中心に最も近いモジュラー型のベルトモジュールは、1000mmの半径に沿った内側のエッジを有し、横方向に隣接するベルトモジュールの最も内側のエッジは、前記回転中心からより遠くに隔てられた連続的なモジュール型ベルトリンクごとに200mmずつ増加する半径に沿っている、態様4に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様6〕
1000mmの半径に沿った内側部を有する前記ベルトモジュールの内側に、1つ以上の特別なベルトモジュールが配置されることができる、態様5に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様7〕
前記前方エッジ(16)と前記後方エッジ(18)の間の前記相互角度αは、0.5度から1.2度の間であり、より好ましくは、0.6度から0.75度の間であり、最も好ましくは、0.65度と選択される、態様1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様8〕
モジュラー型の前記コンベアベルトは、下部構造(100)によって運搬され、前記下部構造は、
a.運搬フレームを備え、前記運搬フレームは、前記コンベアベルトがさらされ得る荷重を運搬するように設計され、かつ前記コンベアベルトの意図されている搬送路に沿うように湾曲させられ、前記運搬構造(100)は、放射状に配置された複数の支持ビームを有し、さらに、
b.複数の実質的に部分環状低摩擦である搬送用摺動レール(114)を備え、前記搬送用摺動レールは、前記回転中心に対して異なる半径で配置され、さらに、
c.前記下部構造の半径方向の一方の端に配置された駆動アクスル(118)を備え、前記駆動アクスル(118)は、前記コンベアベルトの下側と駆動的に係合するための少なくとも1つのスプロケットホイール(116)を備え、かつ前記駆動アクスル(116)は、推進手段(122)と駆動係合し、かつ前記駆動アクスル(116)は前記回転中心に対する半径方向に配置された軸を中心に回転し、さらに、
d.前記下部構造の前記駆動アクスル(118)に対する反対端に、回転アクスル(120)を備え、前記回転アクスル(120)は、前記コンベアベルトの下側と係合するための少なくとも1つのスプロケットホイール(116)を備え、かつ前記回転アクスル(120)は、前記回転中心に対して半径方向に配置された軸を中心に回転する、態様1から7のいずれか1つに記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様9〕
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)は、前記スプロケットホイール(116)の間又は前記スプロケットホイール(116)の各側に、弾力性パディング(124)を備える、態様8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様10〕
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)は、円錐形状をしており、前記アクスルの前記回転中心に最も近い径は、前記アクスルの前記回転中心から最も遠い径よりも小さい、態様8又は9に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
〔態様11〕
前記駆動アクスルの軸と前記回転アクスルの軸の間の相互角度は、15度から120度の間である、態様8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定半径コンベアベルトシステムであって、コンベアベルト(10)は、複数のベルトモジュール(30)から組立てられ、
前記ベルトモジュール(30)の各々は、前方エッジ(16)及び後方エッジ(18)、ならびに内側部(12)及び外側部(14)を備え、さらに、前記前方エッジ(16)と前記後方エッジ(18)と前記外側部(14)と前記内側部(12)の間に、モジュラー型のベルト体(22)を備え、かつ複数のアイ部分(34)が、前記前方エッジ(16)及び前記後方エッジ(18)から延びており、1つのエッジ上の前記アイ部分(34)は、2つの隣接する同様のモジュラー型のベルトモジュール(30)が一緒になるよう押されたとき、
前記後方エッジ(18)上のアイ部分(34)が
前記前方エッジ(16)上のアイ部分(34)の間に嵌合するように、かつ前記アイ部分(34)に開口(35)が設けられている場合には、前記開口(35)が前記前方エッジ(16)又は前記後方エッジ(18)に平行な軸に沿って配置されるように、他方のエッジに対してずらされている、固定半径コンベアベルトシステムにおいて、前記前方エッジ(16)及び前記後方エッジ(18)が相互角度αを有するように配置され、前記前方エッジ(16)に平行かつそれを通る軸が、前記後方エッジ(18)に平行かつそれを通る軸と、回転中心で交わり、かつ前記アイ部分(34)は、前記前方エッジ又は前記後方エッジから延びる2つの側部と、前記2つの側部を接続する遠位端と、によって画定され、前記回転中心に最も近いアイ部分の第1側部(42)が、第1半径に沿って湾曲させられ、かつ前記
回転中心に最も近いアイ部分の他方の側部(44)が、前記第1半径よりも大きな第2半径に沿って湾曲させられ、前記回転中心からより遠く離れたアイ部分(34)が、さらに大きな円半径に沿う湾曲した側部を有している、ことを特徴とする、固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項2】
前記回転中心に最も近い内側部から前記回転中心から最も遠い外側部までの、前記コンベアベルトの幅が、2つ以上の
前記ベルトモジュール(30)から組立てられ、かつタップ(46)が、第1ベルトモジュール(30)の内側部(42)又は外側部から延びており、かつモジュラー型の第1ベルトリンクに半径方向で隣接するように配置される、隣り合うモジュラー型の第2ベルトリンクの内側部又は外側部は、使用時には前記タップ(46)の部分を収容する受け入れキャビティを備えている、請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項3】
前記ベルトモジュール(30)の各々は、隣り合う前記内側部及び前記外側部の下側に、補強リブ(42、44)を備え、1つ以上の
前記補強リブは、前記前方エッジ(16)に沿ったアイ部分(34)と前記後方エッジ(18)に沿ったアイ部分を接続する、
請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項4】
意図されている進行方向に直交する前記コンベアベルトの幅は、複数の異なるモジュラー型のベルトモジュールから組立てられ、前記後方エッジ(18)及び前記前方エッジ(16)は、前記コンベアベルトの全体の幅にわたって異なる半径方向に平行であり、かつ前記進行方向における前記後方エッジ(18)と前記前方エッジ(16)の間の距離は、放射状に広がっており、前記前方エッジと前記後方エッジの間の前記距離が、前記
前方エッジ及び前記後方エッジが前記回転中心から離れるにつれて大きくなる、請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項5】
前記回転中心に最も近いモジュラー型のベルトモジュールは、1000mmの半径に沿った内側のエッジを有し、横方向に隣接するベルトモジュールの最も内側のエッジは、前記回転中心からより遠くに隔てられた連続的なモジュール型ベルトリンクごとに200mmずつ増加する半径に沿っている、請求項4に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項6】
1000mmの半径に沿った内側部を有する前記ベルトモジュールの内側に、1つ以上の特別なベルトモジュールが配置されることができる、請求項5に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項7】
前記前方エッジ(16)と前記後方エッジ(18)の間の前記相互角度αは、0.5度から1.2度の間であり、より好ましくは、0.6度から0.75度の間であり、最も好ましくは、0.65度と選択される、請求項1に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項8】
モジュラー型の前記コンベアベルトは、下部構造(100)によって運搬され、前記下部構造は、
a.運搬フレームを備え、前記運搬フレームは、前記コンベアベルトがさらされ得る荷重を運搬するように設計され、かつ前記コンベアベルトの意図されている搬送路に沿うように湾曲させられ、
運搬用の前記下部構造(100)は、放射状に配置された複数の支持ビームを有し、さらに、
b.複数の実質的に部分環状低摩擦である搬送用摺動レール(114)を備え、前記搬送用摺動レールは、前記回転中心に対して異なる半径で配置され、さらに、
c.前記下部構造の半径方向の一方の端に配置された駆動アクスル(118)を備え、前記駆動アクスル(118)は、前記コンベアベルトの下側と駆動的に係合するための少なくとも1つのスプロケットホイール(116)を備え、かつ前記駆動アクスル(11
8)は、推進手段(122)と駆動係合し、かつ前記駆動アクスル(11
8)は前記回転中心に対する半径方向に配置された軸を中心に回転し、さらに、
d.前記下部構造の前記駆動アクスル(118)に対する反対端に、回転アクスル(120)を備え、前記回転アクスル(120)は、前記コンベアベルトの下側と係合するための少なくとも1つのスプロケットホイール(116)を備え、かつ前記回転アクスル(120)は、前記回転中心に対して半径方向に配置された軸を中心に回転する、請求項1から7のいずれか一項に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項9】
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)は、前記スプロケットホイール(116)の間又は前記スプロケットホイール(116)の各側に、弾力性パディング(124)を備える、請求項8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項10】
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)は、円錐形状をしており、
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)の前記回転中心に最も近い径は、
前記駆動アクスル(118)及び前記回転アクスル(120)の前記回転中心から最も遠い径よりも小さい、
請求項8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【請求項11】
前記駆動アクスルの軸と前記回転アクスルの軸の間の相互角度は、15度から120度の間である、請求項8に記載の固定半径コンベアベルトシステム。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】