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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】画像センサ及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240711BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20240711BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20240711BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G02B5/26
H04N25/76
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502126
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2021106697
(87)【国際公開番号】W WO2023283919
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ヨンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、リアン
【テーマコード(参考)】
2H148
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
2H148FA01
2H148FA05
2H148FA09
2H148FA15
2H148FA22
2H148FA24
4M118AA01
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA01
4M118CA22
4M118CB01
4M118FA06
4M118GA09
4M118GC20
4M118GD03
4M118GD11
5C024CX41
5C024GX07
5C024GY31
(57)【要約】
本願の実施形態は、感光性を増加させ、画像センサに入射する光の利用を改善し、帯域管のクロストークを低減するために、画像センサ及び電子デバイスを提供する。画像センサは少なくとも1つの感光性画素を含む。各感光性画素は複数のナノアンテナ層を含む。複数のナノアンテナ層は重複して配置されている。各ナノアンテナ層は少なくとも1つのナノアンテナを含む。少なくとも1つのナノアンテナは入射光のための共振を生成するように構成されている。異なるナノアンテナ層は、異なる帯域又は異なる偏光方向の入射光のための共振を生成する。ナノアンテナ層の出力信号は、画像を取得するのに使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの感光性画素を備える画像センサであって、
各感光性画素が複数のナノアンテナ層を有し、前記複数のナノアンテナ層が重複して配置されており、各ナノアンテナ層が少なくとも1つのナノアンテナを含み、前記少なくとも1つのナノアンテナが、入射光のための共振を生成するように構成されており、異なるナノアンテナ層におけるナノアンテナは、異なる入射光のための共振を生成するように構成されており、前記ナノアンテナの出力信号は画像を取得するのに使用される
画像センサ。
【請求項2】
前記画像センサが複数のピンを更に備え、前記複数のピンは少なくとも1つの感光性画素と接触しており、前記複数のピンは、前記少なくとも1つの感光性画素によって出力された電気信号を受信するように構成されており、前記電気信号は画像を取得するのに使用される、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのナノアンテナが入射光のための共振を生成するように構成されていることは:前記少なくとも1つのナノアンテナが前記入射光のための共振を生成してプラズモン信号を生成するように構成されていることを含み、前記プラズモン信号は電気信号を生成するのに使用される、請求項1又は2に記載の画像センサ。
【請求項4】
各ナノアンテナ層が光電センシング構造を更に含み、前記光電センシング構造が、前記少なくとも1つのナノアンテナの少なくとも1つの表面と接触しており、前記光電センシング構造が、前記少なくとも1つのナノアンテナの前記出力信号を電気信号に変換するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項5】
前記複数のナノアンテナ層のうちの隣接するナノアンテナ層の間に選択層が更に配設されており、前記選択層は、前記隣接するナノアンテナ層の間で送信される光をフィルタリングするように構成されている、請求項4に記載の画像センサ。
【請求項6】
前記選択層が第1のナノアンテナ層及び第2のナノアンテナ層に配設されており、前記第1のナノアンテナ層及び前記第2のナノアンテナ層が前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接する層であり、前記入射光の透過方向は、前記入射光が前記第1のナノアンテナ層を通過し、前記第2のナノアンテナ層へと送信されることであり、前記選択層は、異なる屈折率を有する少なくとも2つの材料を有し、前記選択層は、第1の帯域の光を反射し、第2の帯域の光を透過させるように構成されており、前記第1の帯域は、前記第1のナノアンテナ層における共振した入射光の帯域であり、前記第2の帯域は、前記第2のナノアンテナ層における共振した入射光の帯域である、請求項5に記載の画像センサ。
【請求項7】
各ナノアンテナ層が複数のナノアンテナ副層を有し、各ナノアンテナ副層が少なくとも1つのナノアンテナを含み、前記複数のナノアンテナ副層が、同一の帯域の入射光のための共振を生成する、請求項4から6のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項8】
前記画像センサが光電センシング層を更に備え、前記光電センシング層は、前記複数のナノアンテナ層の下に配設されており、前記光電センシング層は、前記複数のナノアンテナ層によって生成された出力信号を電気信号に変換するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項9】
各ナノアンテナ層に含まれる前記少なくとも1つのナノアンテナの一端が導波管の一端に接続されており、前記導波管の他端が前記光電センシング層に接続されており、前記少なくとも1つのナノアンテナによって生成された前記出力信号が、前記導波管を通して前記光電センシング層に送信される、請求項8に記載の画像センサ。
【請求項10】
前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層に含まれるナノアンテナ間の垂直距離が、前記2つの隣接するナノアンテナ層のうちのいずれか1つの共振した入射光の波長の10分の1より大きい又はそれに等しい、請求項8又は9に記載の画像センサ。
【請求項11】
前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層において、上に配置されたナノアンテナ層の厚さが、下に配置されたナノアンテナ層の厚さより小さい又はそれに等しい、請求項1から10のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項12】
上に配置された前記ナノアンテナ層における共振した入射光の波長が、下に配置された前記ナノアンテナ層における共振した入射光の波長より小さい又はそれに等しい、請求項1から11のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項13】
前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層において、上に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナが共振を生成する入射光の波長は、下に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナが共振を生成する入射光の波長より大きい、請求項1から10のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項14】
各ナノアンテナ層に含まれる前記ナノアンテナの厚さ及び各ナノアンテナ層の前記出力信号の波長の間には正の相関関係がある、請求項1から13のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項15】
同一の形状であり、2つの隣接するナノアンテナ層に含まれるアンテナが、異なる偏光方向を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのナノアンテナがダイポールアンテナである場合、2つの隣接するナノアンテナ層におけるダイポールアンテナが異なる延在方向を有する;又は
前記少なくとも1つのナノアンテナがスパイラルアンテナである場合、2つの隣接するナノアンテナ層におけるスパイラルアンテナが異なる回転方向を有する
請求項15に記載の画像センサ。
【請求項17】
電子デバイスであって、前記電子デバイスが請求項1から16のいずれか一項に記載の画像センサを備える、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は撮像の分野に関し、特に、画像センサ及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像センサは、消費者及びセキュリティ保護等の分野で広く使用されている。現在、2つの技術開発の傾向がある:一方は解像度の改善であり、これは、感光領域が限定されているときに画素サイズが低減されることを意味し;他方は、低光撮影の要件を満たす感光能力の向上である。
【0003】
積層型画像センサは、感光層における異なる色の光の異なる透過深さに基づいて、積層型の多色画素を実装する。具体的には、センサの各画素は、上から下の順に青色、緑色、及び赤色である3つの層に分割される。しかしながら、光は透過プロセスにおいてある程度吸収される場合があり、したがって、高クロストーク、特に、短波長の光の検出信号に対する長波長の光のクロストーク、例えば、青色光の検出信号に対する赤色及び緑色光のクロストークの問題が引き起こされる。したがって、各帯域の光の間のクロストークをどのようにして低減させるかが解決すべき喫緊の問題となる。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施形態は、感光性を増加させ、画像センサに入射する光の利用を改善し、各帯域の入射光の間のクロストークを低減するために、画像センサ及び電子デバイスを提供する。
【0005】
これを鑑みて、第1の態様によれば、本願は画像センサを提供する。前記画像センサは少なくとも1つの感光性画素を含む。各感光性画素は複数のナノアンテナ層を含む。前記複数のナノアンテナ層は重複して配置されている。各ナノアンテナ層は少なくとも1つのナノアンテナを含む。前記少なくとも1つのナノアンテナは入射光のための共振を生成するように構成されている。異なるナノアンテナ層には、異なる入射光のための共振を生成するように構成されている。前記ナノアンテナの出力信号は画像を取得するのに使用される。前記異なる入射光は、異なる帯域の光又は異なる偏光方向の光等を含む。
【0006】
本願において提供される画像センサにおいて、電気信号を取得するために、ナノアンテナを通る入射光のために共振が生成される。複数の感光性層を配設することと比較して、本願において、ナノアンテナを通る入射光のために共振が生成され、その結果、入射光の吸収を高めることができ、各帯域の入射光のクロストークを低減することができる。加えて、厚さは、一般的な感光層の厚さより小さい。したがって、本願において、複数の感光性層を配設することと比較して、すべての帯域を吸収するアンテナ層の厚さを低減するために、より小さいナノアンテナが使用されてよく、これにより、各帯域の光の間のクロストークが低減され、光の利用が改善される。
【0007】
可能な実装形態において、前記画像センサは複数のピンを更に含む。前記複数のピンは少なくとも1つの感光性画素と接触しており、前記複数のピンは、前記少なくとも1つの感光性画素によって出力された電気信号を受信するように構成されている。前記電気信号は画像を取得するのに使用される。したがって、本願の本実装形態において、画像センサの出力を取得するために、各感光性画素の出力信号は、ピンを通して送信されてよい。
【0008】
可能な実装形態において、ナノアンテナは、光を用いてプラズモン信号を生成することができる材料を含む。前記少なくとも1つのナノアンテナは、入射光のための共振を生成してプラズモン信号を生成するように構成されている。前記プラズモン信号は電気信号を生成するのに使用される。したがって、本願の本実装形態において、入射光のための共振は、比較的小さいナノアンテナ及び入射光のプラズモン効果を参照することによって実装されてよい。感光層を直接配設することと比較して、ナノアンテナは、共振を通して入射光を吸収してよく、これにより、入射光の利用が改善され、ナノアンテナがより多くの入射光を吸収することに基づいて、各帯域の入射光のクロストークが低減される。
【0009】
可能な実装形態において、各ナノアンテナ層の厚さ及び各ナノアンテナ層によって生成される出力信号の波長の間には正の相関関係がある。本願の本実装形態において、各アンテナ層の厚さ及び波長の間に正の相関関係がある。したがって、実際の適用シナリオにおいて、様々なシナリオに適応するために、吸収する必要がある波長に基づいて一致するアンテナ層の厚さが選択されてよい。
【0010】
可能な実装形態において、各ナノアンテナ層は光電センシング構造を更に含む。前記光電センシング構造は、前記少なくとも1つのナノアンテナの少なくとも1つの表面と接触している。前記光電センシング構造は、前記複数のナノアンテナ上のプラズモン信号を電気信号に変換するように構成されている。したがって、本願の本実装形態において、光電センシング構造はナノアンテナ層内に配設されてよく、その結果、プラズモン信号が、各ナノアンテナ層において電気信号に直接変換されることができ、ピンを通して電気信号が出力される。
【0011】
任意選択で、光電センシング構造は、ナノアンテナの1つの表面と接触していてよく、又は、ナノアンテナを包んでいてもよい。
【0012】
可能な実装形態において、前記複数のナノアンテナ層のうちの隣接するナノアンテナ層の間に選択層が更に配設される。前記選択層は、前記隣接するナノアンテナ層の間で送信される入射光をフィルタリングするように構成されている。
【0013】
したがって、本願の本実装形態において、選択層を配設することによって、異なる帯域であり、層の間で吸収される入射光間のクロストークが低減されてよく、最終的に取得される出力画像の質が改善される。
【0014】
可能な実装形態において、前記選択層は第1のナノアンテナ層及び第2のナノアンテナ層に配設される。前記第1のナノアンテナ層及び前記第2のナノアンテナ層は前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接する層である。前記入射光の透過方向は、前記入射光が前記第1のナノアンテナ層から前記第2のナノアンテナ層に送信されることである。前記選択層は異なる屈折率を有する少なくとも2つの材料を含む。前記選択層は、第1の帯域の光を反射し、第2の帯域の光を透過させるように構成されている。前記第1の帯域は、前記第1のナノアンテナ層における共振した入射光の帯域である。前記第2の帯域は、前記第2のナノアンテナ層における共振した入射光の帯域である。
【0015】
したがって、本願の本実装形態において、上位層によって吸収された帯域の光の、下位層に送信された採光を低減するために、選択層は、上位層によって吸収された帯域の光を反射し、下位層によって吸収された帯域の光を透過させてよく、これにより、層によって吸収された異なる帯域の光の間のクロストークが低減される。
【0016】
可能な実装形態において、各ナノアンテナ層は複数のナノアンテナ副層を含む。各ナノアンテナ副層は少なくとも1つのナノアンテナを含む。前記複数のナノアンテナ副層におけるナノアンテナは、同一の帯域の入射光のための共振を生成する。
【0017】
したがって、本願の本実装形態において、各ナノアンテナ層に複数のナノアンテナ副層が配設されており、カップリング効果を通じてプラズモン効果が高められ、これにより、入射光の感光性が増加し、入射光の吸収が改善される。
【0018】
可能な実装形態において、前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層において、上に配置されたナノアンテナ層の厚さは、下に配置されたナノアンテナ層の厚さより大きくない。
【0019】
したがって、アンテナ層の厚さも薄いものから厚いものの順に配置されており、その結果、短波長の光が最初に吸収されてよく、すべての波長の入射光の間のクロストークが回避されてよく、各帯域の光の吸収強度が増加する。
【0020】
本願の本実装形態において、入射光の入射方向は上から下と理解され得ることが理解されるべきである。下は、入射光源から離れる方向であり、上は、入射光源に近い方向である。
【0021】
可能な実装形態において、上に配置されたナノアンテナ層における共振した入射光の波長(すなわち、共振を生成するための波長)は、下に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナがそのために共振を生成する入射光の波長より大きくない。
【0022】
したがって、本願の本実装形態において、ナノアンテナは、上から下に、吸収波長、すなわち共振した入射光の波長の小さい順に配置されてよい。対応して、アンテナ層の厚さも、厚さの小さい順に配置されてよい。したがって、短波長の光が最初に吸収されてよく、吸収される光の波長が徐々に増加してよく、その結果、すべての波長の入射光の間のクロストークを回避することができ、各帯域の光の吸収強度を増加させることができる。
【0023】
可能な実装において、前記画像センサは、光電センシング層を更に含む。前記光電センシング層は前記複数のナノアンテナ層の下に配設されている。前記光電センシング層は、前記複数のナノアンテナ層によって生成された出力信号を電気信号に変換するように構成されている。
【0024】
したがって、本願の本実装形態において、光電センシング層は別個に配設されてよく、その結果、プラズモン信号が光電センシング層を通して電気信号に変換される。
【0025】
可能な実装形態において、各ナノアンテナ層に含まれる前記少なくとも1つのナノアンテナの一端が導波管の一端に接続されており、前記導波管の他端が前記光電センシング層に接続されている。前記少なくとも1つのナノアンテナによって生成された前記出力信号は、前記導波管を通して前記光電センシング層に送信される。本願の本実装形態において、光電センシング層を別個に配設する特定の実装形態が提供され、その結果、ナノアンテナ上のプラズモン信号が導波管を通して光電センシング層に送信されることができる。
【0026】
可能な実装形態において、前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層に含まれるナノアンテナの間の垂直距離は、前記2つの隣接するナノアンテナ層のうちのいずれか1つにおける共振した入射光の波長の10分の1より小さくない。したがって、本願の本実装形態において、層に含まれるナノアンテナ間の距離が過剰に近いことによって引き起こされるカップリング効果を回避するために、アンテナ層に含まれるナノアンテナ間の垂直距離は、2つの隣接するナノアンテナ層によって吸収される光の波長の10分の1より小さくない。
【0027】
可能な実装形態において、前記複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層において、上に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナが共振を生成する入射光の波長は、下に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナが共振を生成する入射光の波長より大きい。
【0028】
本願の本実装形態において、光電センシング層が別個に配設されている場合、上に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナによって吸収される波長は、下に配置されるナノアンテナ層におけるナノアンテナによって吸収される波長より大きく、その結果、導波管を通る信号伝送中の損失を低減することができ、光の利用を改善することができる。
【0029】
可能な実装形態において、2つの隣接するナノアンテナ層は、同一の形状のアンテナを含んでよく、同じ形状のアンテナは、異なる偏光方向を有する。したがって、本願の本実装形態において、異なる偏光の光を吸収し、これにより光の利用を改善するために、アンテナ層は、異なる偏光を有するが同一の帯域である光のために別個に配設されてよい。
【0030】
可能な実装形態において、前述のアンテナがダイポールアンテナである場合、2つの隣接するナノアンテナ層におけるダイポールアンテナは異なる延在方向を有する;又は、少なくとも1つのナノアンテナがスパイラルアンテナである場合、2つの隣接するナノアンテナ層におけるスパイラルアンテナは異なる回転方向を有する。
【0031】
本願の本実装形態において、ナノアンテナは複数の方式を使用してよく、ナノアンテナの2つの隣接する層のアンテナ偏光方向は異なっており、その結果、隣接する層におけるアンテナ間のカップリング効果を回避することができ、異なる帯域又は異なる偏光の光の吸収率を改善することができ、光の利用を改善することができる。
【0032】
第2態様によれば、本願は電子デバイスを提供する。電子デバイスは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの実装形態における画像センサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本願の一実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
【0034】
図2】本願の一実施形態による画像センサの構造の概略図である。
【0035】
図3】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0036】
図4】本願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
【0037】
図5】本願の一実施形態による別のアンテナの構造の概略図である。
【0038】
図6】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0039】
図7】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0040】
図8】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0041】
図9】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0042】
図10】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0043】
図11】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0044】
図12】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【0045】
図13】本願の一実施形態による別の画像センサの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、本願の実施形態における添付図面を参照して本願の実施形態における技術的解決手段を説明する。説明される実施形態は、本願の実施形態の全部ではなく一部に過ぎないことは明確である。本願の実施形態に基づいて創造的努力を行うことなく当業者により取得される他の実施形態は全て、本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0047】
本願の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面において、「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」等(存在する場合)の用語は、類似の物体間で区別することを意図しているが、必ずしも特定の順序又はシーケンスを示すものではない。そのような方法で用語づけられたデータは適切な状況において交換可能であり、そのため、本明細書で説明される実施形態を、本明細書で例示又は説明される順序とは別の順序で実装することができることが理解されるべきである。また、「含む」、「含有する」という用語、及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図している。例えば、段階又はユニットのリストを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、明示的に列挙されているそれらの段階又はユニットに必ずしも限定されるものではなく、明示的に列挙されていない、又はプロセス、方法、製品、又はデバイスに固有である、他の段階又はユニットを含んでよい。
【0048】
本願の説明において、「複数の」は、別途具体的に限定されない限り、2つ又は2つよりも多いことを意味する。
【0049】
本願において、別途指定及び限定されない限り、「取り付ける」、「接続する」、「接続」「固定する」、及び「配設する」等の用語は、広義で理解されるべきである。例えば、そのような用語は、固定接続、取り外し可能な接続、又は組み込みを示してよく;機械的接続又は電気的接続を示してよく;又は、直接接続、中間媒体を通した間接的接続、又は2つの要素間の内部接続又は2つの要素間の相互作用関係を示してよい。当業者であれば、具体的な事例に従って、本願の前述の用語の具体的な意味を理解し得る。
【0050】
本願の説明において、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下」、「内側」、又は「外側」等の用語によって示される向き又は位置関係は、添付図面において示される向き又は位置関係であり、単に、説明を容易にして本願の説明を簡略することを意図しているに過ぎず、問題の装置又は要素が特定の配向を有する必要がある、又は特定の配向で構築及び動作する必要があることを示す又は暗示することを意図するものではないことが理解されるべきである。したがって、そのような用語を、本願に対する限定と解釈することはできない。
【0051】
一部の用語は、特定の構成要素を指すために本明細書及び特許請求の範囲において使用される。当業者は、同じ構成要素がハードウェア製造者によって異なって名付けられ得ることを理解するべきである。本明細書及び後続の特許請求の範囲において、構成要素は、名付けの違いではなく、機能的な違いに基づいて互いに区別されている。本明細書及び特許請求の範囲において言及される「含む」及び「備える」という用語はオープンな用語であり、「含むが限定されるものではない」又は「備えるが限定されるものではない」として解釈されるべきである。
【0052】
まず、理解を容易にするために、本願で使用される一部の用語を説明する。
【0053】
プラズモン効果:特定のキャリア濃度を有する固体系(例えば、特定のキャリア濃度を有する金属及び半導体)において、キャリア間のクーロン相互作用により、空間のある位置におけるキャリア濃度の変動が他の位置におけるキャリア濃度の振動を引き起こす。キャリア濃度の振動を特徴とするこの素励起がプラズモン効果と呼ばれる。
【0054】
以下では、添付図面を参照して、本願の技術的解決手段を説明する。
【0055】
本願の実施形態における電子デバイスは、ハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、コンピューティングデバイス、又は、無線モデムに接続された別の処理デバイスを含んでよい。電子デバイスは更に、デジタルカメラ(digital camera)、携帯電話(cellular phone)、スマートフォン(smartphone)、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA(登録商標))コンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ(laptop computer)、マシンタイプ通信(machine type communication,MTC)端末、販売時点情報管理(point of sales,POS)、車載コンピュータ、ヘッドマウントデバイス、ウェアラブルデバイス(例えば、リストバンド又はスマートウォッチ)、セキュリティ保護デバイス、仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、拡張現実(augmented reality,AR)デバイス、及び、撮像機能を有する別の電子デバイスを含んでよい。
【0056】
一例としてデジタルカメラを使用する。デジタルカメラは、デジタルスチールカメラの略であり、光電センサを使用することによって光学画像をデジタル信号に変換するカメラである。画像を記録するためにフィルム上の感光化学物質の変化に頼る従来のカメラとは異なり、デジタルカメラのセンサは、感光性の電荷結合素子(charge-coupled device,CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor,CMOS)である。従来のカメラと比較して、デジタルカメラは、光電変換画像センサを直接使用することから、便利でより速く、反復可能であり、より適時的であること等の利点を有する。CMOS処理技術の開発に伴い、デジタルカメラは、より強力な機能を有しており、従来のフィルムカメラにほぼ完全に取って代わっている。デジタルカメラは、家電製品、セキュリティ保護、人・マシンインタラクション(human-machine interaction)、コンピュータビジョン、及び自己運転等の分野で広く使用されている。
【0057】
図1は、本願による電子デバイスの概略図を示す。図に示されるように、電子デバイスは、レンズ(lens)群110、画像センサ(sensor)120、及び電気信号プロセッサ130を含んでよい。電気信号プロセッサ130は、アナログ・デジタル(analog-to-digital,A/D)変換器131及びデジタル信号プロセッサ132を含んでよい。アナログ・デジタル変換器131は、アナログ信号・デジタル信号変換器であり、アナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するように構成されている。
【0058】
図1に示される電子デバイスは前述の構成要素に限定されるものではなく、バッテリ、フラッシュ、ボタン、及びセンサ等、より多くの又はより少ない他の構成要素を更に含んでよいことが理解されるべきである。本願の本実施形態において、画像センサ120が取り付けられている電子デバイスのみが説明のための一例として使用されているが、電子デバイス上に取り付けられた要素はこれに限定されるものではない。
【0059】
撮影された物体によって反射された光信号は、レンズ群110を通って収束され、画像センサ120上で撮像される。画像センサ120は、光信号をアナログ電気信号に変換する。アナログ電気信号は、電気信号プロセッサ130におけるアナログ・デジタル(A/D)変換器131を通してデジタル電気信号に変換され、デジタル電気信号はデジタル信号プロセッサ132を通して処理される。例えば、データ電気信号は、一連の複雑な数値計算用アルゴリズムの演算を通して最適化され、最終的に、画像が出力される。電気信号プロセッサ130は更に、画像センサによって送信されたアナログ電気信号を事前処理し、事前処理されたアナログ電気信号をアナログ・デジタル変換器131に出力するように構成されたアナログ信号プリプロセッサ133を含んでよい。
【0060】
画像センサ120の性能は、最終的に出力される画像の質に影響を及ぼす。画像センサ120はまた、感光性チップ又は感光素子等と称されてよく、数十万~数百万の光電変換素子を含む。光を照射されると、画像センサ120は電荷を生成し、アナログ・デジタル変換器チップを通して電荷をデジタル信号に変換する。画像センサ、すなわち、複数の画素を含む感光素子は、感光応答を通して撮像を実装する。
【0061】
例えば、積層型画像センサは、感光層における異なる色の光の異なる透過深さに基づいて、積層型の多色画素を実装する。具体的には、センサの各画素は、上から下の順に青色、緑色、及び赤色である3つの層に分割される。しかしながら、光は透過プロセスにおいてある程度吸収される場合があり、したがって、高クロストーク、特に、短波長の光の検出信号に対する長波長の光のクロストークの問題が引き起こされる。例えば、入射光における赤色及び緑色光による青色光の吸収によりクロストークが引き起こされる。
【0062】
したがって、本願は、異なる色の検出信号間のクロストークを低減させ、光の吸収率を強化するために、画像センサを提供し、その結果、画像センサの出力データがより正確になる。照度が低い場合でさえも、より鮮明な画像を取得することができる。以下では、本願において提供される画像センサの構造を説明する。
【0063】
画像センサは少なくとも1つの感光性画素を含む。各感光性画素は複数のナノアンテナ層を含む。複数のナノアンテナ層は重複して配置されている。各ナノアンテナ層は少なくとも1つのナノアンテナを含む。少なくとも1つのナノアンテナは入射光のための共振を生成するように構成されている。ナノアンテナ層に含まれるナノアンテナは、同一の帯域の入射光のための共振を生成し、異なるナノアンテナ層は異なる入射光のための共振を生成する。異なる入射光は、異なる帯域の光又は同一の帯域であるが共振方向が異なる光を含む。ナノアンテナの出力信号は画像を取得するのに使用される。
【0064】
本願の本実装形態において、ナノアンテナ層が配設され、ナノアンテナは、プラズモン効果を生成することができる材料を使用することによって形成されており、その結果、入射光上でより強力な集束効果が生成される。したがって、より小さいサイズのアンテナ層を使用することによって、入射光のより強力な吸収が実装される。光電センシング層を別個に配設することと比較して、入射光のより強力な吸収を実装することができる。加えて、光電吸収材料の厚さが低減され、その結果、帯域間のクロストークを低減することができる。
【0065】
可能な実装形態において、画像センサは複数のピンを更に含む。複数のピンは少なくとも1つの感光性画素と接触しており、複数のピンは、少なくとも1つの感光性画素によって出力された電気信号を受信するように構成されている。電気信号は画像を取得するのに使用される。したがって、本願の本実装形態において、画像センサの出力を取得するために、各感光性画素の出力信号は、ピンを通して送信されてよい。
【0066】
可能な実装形態において、ナノアンテナは、光を用いてプラズモン信号を生成することができる材料を含む。少なくとも1つのナノアンテナは、入射光のための共振を生成してプラズモン信号を生成するように構成されている。プラズモン信号は電気信号を生成するのに使用される。したがって、本願の本実装形態において、入射光のための共振は、小さいナノアンテナ及び入射光のプラズモン効果を参照することによって実装されてよい。感光層を直接配設することと比較して、ナノアンテナは、共振を通して入射光を吸収してよく、これにより、入射光の利用が改善され、ナノアンテナがより多くの入射光を吸収することに基づいて、各帯域の入射光のクロストークが低減される。
【0067】
以下では、本願で提供される画像センサを詳細に説明する。例えば、図2は、本願による画像センサの例示的な構造の概略図である。
【0068】
画像センサは、少なくとも1つの感光性画素20及び複数のピン21を含んでよい。
【0069】
図2は、複数の感光性画素を示す。複数の感光性画素がある場合、複数の感光性画素は、アレイの形態で配置されて、感光性画素アレイを形成する。複数のピンは、複数の感光性画素と接触している。複数のピンは、複数の感光性画素によって生成された電気信号を出力するように構成されている。電気信号は画像を取得するのに使用される。
【0070】
例えば、図2に示されるように、複数の感光性画素はマトリックスアレイの形態で配置されている。複数のピンは、行ピン211及び列ピン212に分割されてよい。行ピンは、感光性画素の各行の上面と接触していてよく、列ピンは、感光性画素の各列と接触していてよい。具体的には、各感光性画素は、行ピン又は列ピンに接続されていてよく、その結果、各感光性画素によって生成された電気信号を、ピンを通して出力することができる。
【0071】
具体的には、図3に示されるように、感光性画素は複数のナノアンテナ層201を含む。複数のナノアンテナ層201は重複して配置されている。各ナノアンテナ層は、特定の波長又は特定の偏光の光のための共振を生成してプラズモン信号を生成するように構成された少なくとも1つのナノアンテナ2011を含んでよい。異なるナノアンテナ層は、異なる入射光のための共振を生成してよい。異なるとは、帯域又は入射光の共振方向が異なることを意味する。プラズモン信号は電気信号に変換され、次に、電気信号は、感光性画素と接触しているピンを通して出力される。
【0072】
本願の以下の実装形態において、例えば、各ナノアンテナ層は、代替的には少なくとも1つのナノアンテナと交換され得る複数のナノアンテナを含むことに留意されたい。詳細について、再度後述することはしない。
【0073】
本願の本実装形態において、ナノアンテナで共振を生成する、入射光の一部は、ナノアンテナによって吸収され、表面上にプラズモン信号を形成する。プラズモン信号は、光電センシング材料を通して電気信号に変換されてよく、次に、ピンを通して出力される。したがって、光電吸収材料の厚さは、ナノアンテナの強力な集束機能によって大きく低減されてよく、これによりクロストーク光の吸収が低減される。加えて、ナノアンテナの波長選択機能もクロストーク光の吸収を低減させ、これにより、クロストークを大きく低減させる効果が達成される。加えて、ナノアンテナの強力な集束機能のため、光吸収機能が高められ、感光性が改善され、その結果、最終的に取得される出力画像がより鮮明になる。照度が低い場合でさえも、より高い輝度を有するより鮮明な画像を取得することができる。
【0074】
任意選択で、ナノアンテナは、概して、表面プラズモン効果を有する材料、例えば金、銀、又はグラフェンを含んでよい。概して、異なる帯域は異なる材料に対応してよい。例えば、銀は、可視光帯域のためのナノアンテナの材料として選択されてよく、グラフェンは、遠赤外線帯域のためのナノアンテナの材料として選択されてよく、又は、複数の材料が複数の帯域のためのナノアンテナの材料として選択されてよい。これは、実際の適用シナリオに基づいて具体的に選択されてよい。これは、本願において限定されるものではない。
【0075】
任意選択で、各ナノアンテナ層に含まれるナノアンテナの厚さ、及びナノアンテナの各層によって生成されるプラズモン信号又は出力信号の波長の間には正の相関関係がある。具体的には、ナノアンテナの厚さがより大きいことは、ナノアンテナによって生成されたプラズモン信号の波長がより大きいことを示し、ナノアンテナの厚さがより小さいことは、ナノアンテナによって生成されたプラズモン信号の波長がより小さいことを示す。例えば、図3に示されるように、複数のナノアンテナ層に含まれるナノアンテナの厚さは上から下へ徐々に増加し、これに対応して、生成されるプラズモン信号の波長が徐々に増加する。
【0076】
任意選択で、各ナノアンテナ層に含まれるナノアンテナは同じ厚さを有してよく、具体的には、異なる帯域を吸収するナノアンテナは同じ厚さを有してよいが、異なる平面サイズ又は異なる平面形状等を有してよい。また、例えば、アンテナのサイズ、及びアンテナによって吸収される波長の間に正の相関関係があってよい。具体的には、適切な形状又はサイズは、実際の適用シナリオに基づいて選択されてよい。
【0077】
本願の本実装形態において、理解を容易にするために、入射光の入射方向は上から下の方向であると理解されることに留意されたい。詳細について、再度後述することはしない。
【0078】
任意選択で、画像センサにおける複数のナノアンテナ層は、ナノアンテナ層における共振した入射光の波長に基づいて配置されてよい。例えば、上から下の方向において、ナノアンテナ層は、吸収波長(すなわち、共振した入射光の波長)の大きい順に配置されてよい。例えば、上に配置されたナノアンテナ層に配置されたナノアンテナの吸収波長は、下に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナの吸収波長より大きい又はそれに等しい。換言すると、下に配置されたナノアンテナ層の吸収波長は、上に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナの吸収波長より小さい又はそれに等しい。確かに、ナノアンテナ層は、代替的に、吸収波長の小さい順に配置されてよい。例えば、上に配置されたナノアンテナ層の吸収波長は、下に配置されたナノアンテナ層の吸収波長より小さい又はそれに等しい。
【0079】
概して、アンテナ層の厚さ及びアンテナの吸収波長の間には正の相関関係がある。例えば、上に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナの吸収波長が下に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナの吸収波長より大きい場合、上に配置されたナノアンテナ層の厚さは、下に配置されたナノアンテナ層の厚さより大きい。
【0080】
概して、異なるサイズ及び異なる形状のナノアンテナは、異なる共振光の波長に対応してよい。入射光がナノアンテナに入射するとき、プラズモン効果に起因してナノアンテナの表面上にプラズモン信号が生成される。概して、ナノアンテナの表面上に生成されるプラズモン信号の波長は、送信された光の波長より小さい。例えば、プラズモン信号の波長は概して、光の波長の1/6から1/2であり、これは具体的には、ナノアンテナによって使用される材料による。ナノアンテナの長さは、概して、光の波長より小さく、例えば、ナノアンテナの表面上のプラズモン信号の波長に基づいて決定されてよい。例えば、ナノアンテナの表面上のプラズモン信号の波長及びナノアンテナの長さの間には正の相関関係がある。例えば、ナノアンテナがダイポールアンテナである場合、ダイポールアンテナの長さは、概して、ダイポールアンテナによって受信される波長の1/2であってよい。したがって、ダイポールアンテナの長さは、プラズモン信号の波長の1/2であってよい。
【0081】
例えば、カラー画像センサのナノアンテナ層は、複数の構造に分割されてよく、青色、緑色、及び赤色光を吸収するために上から下に配設されてよい。ナノアンテナが適切な共振応答帯域を実装することを可能にするために、ナノアンテナのサイズ及び形状が設定されてよい。例えば、ナノアンテナの応答帯域は、上から下にそれぞれ、400nm~500nm、500nm~600nm、及び600nm~700nmであってよく、対応するナノアンテナは、それぞれ200nm、240nm、及び280nmの辺の長さを有する四角形の金のナノアンテナであってよい。
【0082】
加えて、アンテナの幅も、アンテナが応答する信号の帯域に影響を及ぼす。例えば、アンテナの幅、及びアンテナによって吸収される波長の帯域の幅の間には正の相関関係があってよい。例えば、ナノアンテナの幅がより大きいことは、ナノアンテナが共振を生成する入射光の帯域がより広いことを示す。したがって、アンテナの幅は、アンテナが応答する必要がある帯域に基づいて調整されてよい。例えば、一部の適用シナリオにおいて、特定の幅を有するアンテナ形状、例えば、ネクタイ形状、四角形状、又は円形状が選択されてよい。具体的には、適切なアンテナ形状は、実際の適用シナリオに基づいて選択されてよい。
【0083】
一部のシナリオにおいて、異なるナノアンテナ層は、異なる帯域又は異なる偏光の光の共振を生成してよく、ナノアンテナの表面上にプラズモン信号が生成される。例えば、第1のナノアンテナ層は、帯域aの、共振方向Aの光の共振を生成してよく、第2のナノアンテナ層は、帯域aの、偏光方向Bの光の共振を生成してよい。代替的には、第1のナノアンテナ層は、帯域aの光の共振を生成してよく、第2のナノアンテナ層は、帯域bの光の共振を生成してよい。したがって、感光性画素によって受信される周波数帯域のカバレッジを増加させるために複数のナノアンテナ層が配設されてよく、その結果、画像センサは、シナリオにおいてより多くの情報を収集することができ、最終的に出力される画像の質が改善される。
【0084】
加えて、ナノアンテナは偏光共振特性を有し、異なる偏光について異なるアンテナ層のセンシングを実装することができる。例えば、ダイポールアンテナの偏光方向は、アンテナの延在方向と一致する直線偏光であり、スパイラルアンテナの偏光方向は、アンテナの回転方向と一致する円偏光である。概して、入射光の偏光方向がナノアンテナの偏光方向と一致する場合、ナノアンテナによる入射光の吸収が改善される。したがって、本願の本実装形態において、同一の帯域であるが異なる偏光方向の入射光を吸収するために、異なるアンテナ層が配設されてよい。例えば、偏光方向Aのナノアンテナが上位層に配設されてよく、偏光方向Bのナノアンテナが下位層に配設されてよく、その結果、異なる偏光の光をより効果的に吸収することができる。概して、同一の帯域であるが異なる偏光の光の場合、より下のナノアンテナ層の厚さは、より上のナノアンテナ層の厚さより大きい。同一の帯域の光が上位層を通過するとき、光の一部が吸収されることが理解され得る。2つの層の吸収バランスを維持するために、より下のナノアンテナ層の厚さを増加させてよく、その結果、同一の帯域であるが異なる偏光の入射光を吸収するナノアンテナ層のセンシング強度がより近くなる。
【0085】
加えて、同一の帯域であるが異なる偏光方向の光を吸収するアンテナ層は、概して、隣接するナノアンテナ層であってよく、その結果、ナノアンテナ層の厚さの分布がより均一となり、各ナノアンテナ層の吸収強度がより近くなる。
【0086】
例えば、図4に示されるように、ナノアンテナがネクタイ形状のアンテナである場合、上層のナノアンテナ及び下層のナノアンテナの偏光方向は異なる。図4に示される上層のアンテナ及び下層のアンテナの偏光方向は、互いに垂直である。
【0087】
別の例として、図5に示されるように、ナノアンテナはスパイラルアンテナであってよく、上層のアンテナ及び下層のアンテナの回転方向は異なる。例えば、上層のアンテナは時計回りの回転方向を使用し、下層のアンテナは反時計回りの回転方向を使用してよい。
【0088】
概して、ナノアンテナによって生成されるプラズモン信号は、光電センシング材料を通して電気信号に変換されてよい。光電センシング材料がナノアンテナ層に追加されてよい。代替的に、ナノアンテナによって生成されるプラズモン信号は、光電センシング材料を含む光電センシング層を通して電気信号に変換され、次に、ピンを通して出力される。
【0089】
光電センシング材料がナノアンテナ層に追加される場合、ナノアンテナ層に含まれる光電センシング材料は、ナノアンテナの表面上に生成されたプラズモン信号を電気信号に直接変換し、電気信号がピンを通して出力される。ナノアンテナが光電センシング材料において連結され、ナノアンテナを通して感光性が高められ、その結果、光電センシング材料の厚さが低減され、光の選択性を改善することによってクロストークが低減されることが理解されてよい。光電センシング層が別個に配設されている場合、ナノアンテナの表面上に生成されたプラズモン信号は、光電センシング層を通して電気信号に変換されてよく、ピンを通して出力される。
【0090】
異なる光電センシング材料が異なる帯域のために使用されてよい。例えば、可視光又は近赤外線帯域では、光電センシング材料はシリコンであってよく、中赤外線又は遠赤外線帯域では、光電センシング材料はInGaA等であってよい。具体的には、実際の適用シナリオに基づいて、一致する光電センシング材料が選択されてよい。これは、本願において限定されるものではない。
【0091】
以下では、光電センシング材料の異なる配設方式を別個に説明する。
【0092】
1.ナノアンテナ層に光電センシング材料を追加する
【0093】
光電センシング構造がナノアンテナ層に配設されてよい。光電センシング構造は、光電変換のための光電センシング材料を含み、光電センシング材料は、ナノアンテナの表面上のプラズモン信号を電気信号に変換するのに使用される。光電センシング構造は、ナノアンテナ層におけるナノアンテナの少なくとも1つの表面と接触している。例えば、光電センシング構造は、ナノアンテナの1つの表面と接触していよく、又は、光電センシング構造は複数のナノアンテナを包む。
【0094】
具体的には、感光性画素の構造は図6に示され得る。感光性画素はn個のナノアンテナ層を含み、光電センシング材料は、光電センシングを通して、ナノアンテナによって生成されたプラズモン信号を電気信号に変換するために、ナノアンテナ層に配設されてよい。
【0095】
例えば、ナノアンテナ層のうちの1つの構造が図7に示され得る。ナノアンテナ層は、ナノアンテナ2011及び光電センシング構造2012を含んでよい。光電センシング構造2012は光電センシング材料を含む。光電センシング材料はナノアンテナ2011を包む。例えば、ナノアンテナ層のうちの1つの上面図が図8に示され得る。ナノアンテナはアレイを形成するように配置されてよく、光電センシング材料がナノアンテナを包み、その結果、プラズモン信号は電気信号に完全に変換されることができる。
【0096】
例えば、ナノアンテナ層の別の構造が図9に示され得る。ナノアンテナ層は、ナノアンテナ2011、光電センシング構造2012、及び充填構造2013を含んでよい。ナノアンテナ2011は光電センシング構造2012の上位層に配設され、ナノアンテナ2011の下面は光電センシング構造2012と接触している。ナノアンテナ2011を固定するために、充填構造2013がナノアンテナ2011間に配設されてよく、すなわち、ナノアンテナ間の間隙を充填するのに充填媒体が使用される。ナノアンテナを固定し、ナノアンテナ層におけるナノアンテナの移動を回避するために、充填媒体は透明材料の媒体であってよい。光電センシング構造は、ナノアンテナの表面上に生成されたプラズモン信号を電気信号に変換するために、ナノアンテナと接触している。
【0097】
概して、異なる波長の光は、特定の光電センシング材料のための異なる透過深さを有する。例えば、シリコンでは、垂直に入射する青色、緑色、及び赤色光の95%を吸収するために必要なシリコンの厚さはそれぞれ、1マイクロメートル、3マイクロメートル、及び9マイクロメートルに近い。しかしながら、ナノアンテナの表面上のプラズモン効果に起因して、入射光は強力に集束されることができ、光電センシング材料の必要な厚さを大きく低減することができる。例えば、ナノアンテナが追加された後、上記の青色、緑色、及び赤色光の95%の吸収を達成するシリコンの厚さは、わずか0.3マイクロメートル、1マイクロメートル、及び3マイクロメートルに低減され得る。したがって、シリコン層の厚さを低減することができ、材料の消費を低減することができ、得られるナノアンテナ層はより柔軟になる。加えて、現在の層においてナノアンテナによって共振されない光について、不要な吸収も大きく低減され、クロストークが低減され、クロストーク光の強度が元の強度の1/3まで、又は更に低く低減され得る。
【0098】
加えて、異なる波長の光が異なる透過深さを有することから、ほとんどの適用シナリオについて、上のナノアンテナ層は概して比較的薄く、比較的短い波長に対応する。しかしながら、層が特定の用途のため、例えば、短波長の光の吸収を強化するために、同じ厚さを有することができるようにすることも可能である。
【0099】
任意選択で、ナノアンテナの表面eのプラズモン効果を強化し、光電センシング材料の必要な厚さを更に低減するために、ナノアンテナ層は複数のナノアンテナ副層に分割されてよい。複数のナノアンテナ副層は、同じ入射光に対して共振を実行する。各ナノアンテナ副層は複数のナノアンテナを含んでよい。副層間の距離が特定の範囲より小さい場合、例えば、50nmより小さい場合、副層は互いに相互作用して、エネルギー結合を形成して吸収を更に強化してよい。
【0100】
例えば、図10に示されるように、各ナノアンテナ層2011は複数のナノアンテナ副層を含んでよい。図8に示されるように、第1のナノアンテナ層はナノアンテナ副層1及びナノアンテナ副層2を含んでよく、第2のナノアンテナ層はナノアンテナ副層3及びナノアンテナ副層4を含んでよく、第3のナノアンテナ層はナノアンテナ副層5、ナノアンテナ副層6、及びナノアンテナ副層7を含んでよい。加えて、第2のナノアンテナ層及び第3のナノアンテナ層の構造において、ナノアンテナ副層3及びナノアンテナ副層5はそれぞれ、光電センシング構造上の光電センシング構造と接触している。光電センシング構造の内側に置かれたナノアンテナ及び光電センシング材料上に置かれたナノアンテナがナノアンテナ副層として別個に見なされてよいと理解され得る。
【0101】
任意の実装形態において、選択層が、隣接するナノアンテナ層間に配設されてよく、隣接するナノアンテナ層間で送信される光をフィルタリングして、次のナノアンテナ層に送信される特定の波長の光をある程度フィルタリングして取り除くように構成されており、これにより、次のナノアンテナ層の光の受信に対して引き起こされるクロストークが回避される。
【0102】
2つの隣接するナノアンテナ層が一例として使用される。差別化を容易にするために、2つの隣接するナノアンテナ層を第1のナノアンテナ層及び第2のナノアンテナ層とする。第1のナノアンテナ層は第1の帯域の光を吸収する。第2のナノアンテナ層は第2の帯域の光を吸収する。選択層は、第1のナノアンテナ層及び第2のナノアンテナ層の間に配設されよい。入射光は、第1のナノアンテナ層を通過した後に第2のナノアンテナ層に送信される。選択層は、第1の帯域の光を反射し、第2の帯域の光を透過させてよい。第2のナノアンテナ層の下に別のナノアンテナ層がある場合、選択層は、第2のナノアンテナ層の下の別のナノアンテナ層によって吸収された帯域の光を更に透過させる。より上のナノアンテナ層に対応する帯域によってより下のナノアンテナ層に対して引き起こされるクロストークを回避し、最終的に出力される画像の質を改善するために、選択層は、選択層の上のナノアンテナ層によって吸収された帯域の光を反射し、選択層の下のナノアンテナ層によって吸収された帯域の光を透過させてよいことが理解され得る。
【0103】
具体的には、2つの隣接するナノアンテナ層に配設された選択層が図11に示され得る。選択層202は、2つの隣接するナノアンテナ層201の間に更に配設される。選択層の材料は異なる屈折率を有する少なくとも2つの材料を含んでよく、材料のうちの少なくとも1つは透過特性を有する。例えば、選択層は金属及び異なる屈折率を有する別の材料を含んでよい。代替的には、選択層は異なる屈折率を有する2種類の媒体、例えば、可視光帯域における二酸化ケイ素及び窒化ケイ素等の媒体を含んでよい。周波数選択機能を有する反射表面及び透過表面がアレイ構造を通して実装され、その結果、異なる屈折率を有する材料を通る入射光について位相差が生じ、選択層は、特定の帯域範囲の光を反射し、別の帯域範囲の光を透過させることができる。加えて、1つ又は複数の選択層があってよい。これは、実際の適用シナリオに基づいて具体的に調整されてよい。
【0104】
2つの層、例えば、i番目のナノアンテナ層及び(i+1)番目のナノアンテナ層が一例として使用される。選択層は、i番目のナノアンテナ層及び(i+1)番目のナノアンテナ層の間に更に配設される。選択層はナノ粒子の3つの層を含んでよい。ナノ構造粒子は銀ナノ粒子である。支持材料は、P-SF68ガラスであってよい。第1の層の粒子の間隔は17ナノメートルであり、第1の層の粒子の直径は13ナノメートルである。第2の層の粒子の間隔は34ナノメートルであり、第2の層の粒子の直径は26ナノメートルである。第3の層の粒子の間隔は17ナノメートルであり、第3の層の粒子の直径は13ナノメートルである。シミュレーション結果は、この構造により、505nm~610nmのスペクトルを反射し、別の帯域を透過させることができることを示している。銀ナノ粒子のサイズは入射光の波長よりもはるかに小さく、また、ナノアンテナのサイズよりもはるかに小さい。銀ナノ粒子は主に光選択のために使用される。
【0105】
したがって、本願の本実装形態において、光電吸収材料の厚さは、ナノアンテナの強力な集束機能によって大きく低減され、これによりクロストーク光の吸収が低減される。更に、ナノアンテナの波長選択機能もクロストーク光の吸収を低減させ、これにより、クロストークを大きく低減させる効果が達成される。加えて、ナノアンテナの強力な集束機能に起因して、光吸収機能が高められ、感光性が改善される。照度が低い場合でさえも、より高い輝度を有するより鮮明な画像を最終的に取得することができる。
【0106】
2.光電センシング層を別個に配設する
【0107】
別個に配設された光電センシング層が図12に示され得る。光電センシング層203は、画像センサに配設されてよい。光電センシング層は、複数のナノアンテナ層の下に配設されてよい。光電センシング層は、光電センシングのための光電センシング構造を含んでよく、ナノアンテナ表面上に生成されプラズモン信号を電気信号に変換するように構成されている。
【0108】
本実装形態において、ナノアンテナに加えて、ナノアンテナ層は、ナノアンテナの安定性を改善するために、透明媒体を使用することによって充填されてよく、その結果、入射光は、現在の層を通過して次の層に透過されることができる。
【0109】
具体的には、ナノアンテナは、導波管を通して光電センシング層に接続されており、その結果、導波管を通してプラズモン信号が光電センシング層に送信される。各ナノアンテナ層に含まれる複数のナノアンテナの一端は導波管の一端に接続され、導波管の他端は光電センシング層に接続されている。導波管は、1つ又は複数のナノアンテナ層を通過してよい。複数のナノアンテナによって生成されたプラズモン信号は、導波管を通して光電センシング層に送信される。
【0110】
例えば、ナノアンテナはダイポールアンテナである。図12に示されるように、ナノアンテナの2つの発振器に内側端部はそれぞれ、導波管の2つのセグメントの一端に接続されており、導波管は1つ又は複数のナノアンテナ層を通過してよく、他端は光電センシング層に接続されている。複数の光電センシングユニットが光電センシング層に配設されてよい。各ナノアンテナは、1つの光電センシングユニットに対応してよい。各ナノアンテナに接続された導波管は、ナノアンテナに対応する光電センシングユニットに接続され、ナノアンテナの表面上に生成されたプラズモン信号を光電センシングユニットに伝送する。光電センシングユニットはプラズモン信号を電気信号に変換する。
【0111】
導波管の材料は、ナノアンテナのそれと同じであってよい。代替的には、ナノアンテナのものとは異なり、プラズモン信号を伝送するのに使用され得る材料が選択されてよい。導波管の材料は、伝送プロセスにおいて光吸収を低減さえるために、幅広い帯域ギャップを有する半導体材料、例えば、酸化亜鉛であってよい。
【0112】
概して、導波管における比較的長い波長の伝送損失は比較的低い。したがって、比較的長い波長を有するナノアンテナは概して、上位層に配設される。すなわち、ナノアンテナ層は、吸収波長の大きい順に配置されてよい。例えば、上に配置されたナノアンテナ層の厚さは、下に配置されたナノアンテナ層の厚さより大きくない。加えて、上に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナに対応する波長は、下に配置されたナノアンテナ層におけるナノアンテナに対応する波長より大きくない。具体的には、例えば、赤色、緑色、及び青色に対応するナノアンテナに接続された導波管の長さはそれぞれ、200nm、100nm、及び50nmであってよい。
【0113】
加えて、ナノアンテナ間のカップリング効果を回避するために、概して、異なる層のナノアンテナ間には特定の間隔がある。任意選択で、複数のナノアンテナ層のうちの2つの隣接するナノアンテナ層に含まれるナノアンテナ間の垂直距離は、2つの隣接するナノアンテナ層によって吸収される光の波長の10分の1より小さくない。すなわち、異なる層のナノアンテナ間の間隔は、通常、ナノアンテナによって吸収される光、すなわち共振した入射光の波長の少なくとも1/10より大きい。例えば、層におけるナノアンテナ間の間隔は、概して、少なくとも50nmに設定されてよい。ナノアンテナ層間の高さを更に低減するために、非円形のナノアンテナの場合、隣接する層における同じ形状のナノアンテナは、間隔を増加させるために、異なる角度でずらされてよい。図13に示されるように、上層のナノアンテナ及び下層のナノアンテナはクロス形状のナノアンテナを含んでよい。下層のナノアンテナは、隣接する上層のナノアンテナに関して45度回転する。層間の高さが低減され、その結果、導波管の長さが短縮されてよく、伝播損失が低減される。
【0114】
上で提供される画像センサについて、本願は、画像センサのための製造方法を更に提供する。方法は、具体的には、層ごとにナノアンテナ層を製造する段階を含んでよい。光電センシング材料がナノアンテナの各層に配設される場合、ナノアンテナ層を層ごとに製造するとき、ナノアンテナお湯帯光電センシング材料はナノアンテナの各層において準備される。光電センシング層が別個に配設されている場合、ナノアンテナ層を層ごとに製造するとき、複数のナノアンテナ、充填媒体、及び導波管が各ナノアンテナ層において準備されてよい。導波管は、ナノアンテナに広がってそれに接続される。導波管は、複数の層に広がり、光電センシング層に接続される。更に、光電センシング層は、光電センシング材料を使用することによって準備される。光電センシングユニットは、各光電センシング層において準備される。光電センシングユニットは導波管に接続される。製造された後に、感光性画素がアレイ状に配置される。行ピン及び列ピンがアレイに対して別個に配設される。
【0115】
前述の説明は本願の任意選択の実施形態に過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の趣旨及び原理から逸脱することなく加えられる修正、等価な置き換え、改善等はいずれも、本願の保護範囲に含まれるべきである。
図1
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図13
【国際調査報告】