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特表2024-526785自動車両の部分に部品を固定する装置
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  • 特表-自動車両の部分に部品を固定する装置 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】自動車両の部分に部品を固定する装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/08 20060101AFI20240711BHJP
   B60K 15/035 20060101ALI20240711BHJP
   F16L 3/13 20060101ALI20240711BHJP
   F16L 3/24 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
F16L3/08 Z
B60K15/035 B
F16L3/13
F16L3/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502152
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 EP2022069560
(87)【国際公開番号】W WO2023285512
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】LU102844
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515269659
【氏名又は名称】プラスチック・オムニウム・アドヴァンスド・イノベーション・アンド・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ブティエ
(72)【発明者】
【氏名】コウロッシュ・バーラミアン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・パッテ
【テーマコード(参考)】
3D038
3H023
【Fターム(参考)】
3D038CA15
3D038CA27
3D038CB01
3D038CC03
3D038CD12
3H023AA05
3H023AB01
3H023AC08
3H023AD02
3H023AE06
(57)【要約】
自動車両の支持部3に部品を固定する装置1であって、部品の保持手段5と、手段5と一体で支持部に固定することができる本体7とを備える装置1。本体は、互いに一体となって隣接して弾性変形する第1の部分9及び第2の部分11を備える。両部分9、11は、それぞれ凹形の内側面9i、11iを有する。両部分は、互いに交差する平面P9、P11内に延びて、第1の部分は、支持部の第1のゾーンに、平面P9内の係合方向D1に位置決めすることができ、第1の部分の位置決めは、支持部の第2のゾーンに対する第2の部分の位置決めを可能にし、第2の部分は、第2のゾーンの形状に合わせてその平面P11内で変形する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両の部分によって、好ましくは自動車タンクの内面もしくは外面によって、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンク構成要素によって、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部(3)に対して部品を固定する装置(1)であって、
-前記部品の保持手段(5)と、
-前記支持部(3)に固定することができる本体(7)であって、前記保持手段(5)と一体をなす本体(7)と
を備える固定装置(1)において、
-前記本体(7)が、互いに一体となって隣接して弾性変形する第1の部分(9)及び第2の部分(11)であって、
-それぞれ凹形の内側面(9i、11i)を有し、
-互いに交差する異なる平面(P9、P11)内に延びる第1の部分(9)及び第2の部分(11)を備えており、
前記第1の部分(9)が、前記支持部(3)の第1のゾーン(13)に、前記第1の部分(9)の前記平面(P9)内にある係合方向(D1)に位置決めすることができ、前記第1のゾーン(13)を部分的に拘束することが可能で、好ましくはクリップ留めすることが可能であり、前記支持部(3)の前記第1のゾーン(13)への前記第1の部分(9)の位置決め、好ましくはクリップ留めが、前記支持部(3)の第2のゾーン(15)に対する前記第2の部分(11)の位置決めを可能にし、前記第2の部分(11)は、前記支持部(3)の前記第2のゾーン(15)の形状に合わせて前記第2の部分(11)の前記平面(P11)内で変形することができる、固定装置(1)。
【請求項2】
前記第1の部分(9)が、前記第1の部分(9)によって画定される前記平面(P9)と平行な平面(P19)内に配置されることが好ましい第1の剛性強化リブ(19)を有する、請求項1に記載の固定装置(1)。
【請求項3】
前記第2の部分(11)が、前記第1の部分(9)に隣接するその端部(11a)とは反対側の端部(11b)に、前記本体(7)の前記第2の部分(11)を前記第2のゾーン(15)に対して拘止することができる拘止手段(21)をさらに備える、請求項1または2に記載の固定装置(1)。
【請求項4】
前記第2の部分(11)が、前記第1の部分(9)に隣接するその端部(11a)とは反対側の端部(11b)に、前記第2のゾーン(15)に位置決めされたその位置での錠止のために、前記第2のゾーン(15)の錠止手段(25)を補完する第2の錠止手段(23)をさらに備える、請求項3に記載の固定装置(1)。
【請求項5】
前記第2の錠止手段(23)が、前記第2のゾーン(15)にあるリブ(25)に固定することができるフックである、請求項4に記載の固定装置(1)。
【請求項6】
前記部品の前記保持手段(5)が、前記支持部(3)に対してオフセットされた形で前記第2の部分(11)の1つの部位(27)から延びる、請求項1から5のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項7】
前記部位(27)が、第2の剛性強化リブ(29)を備える、請求項6に記載の固定装置(1)。
【請求項8】
前記第2の剛性強化リブ(29)の断面が、前記第2のゾーン(15)に位置決めされる方の側(35)に前記第2のゾーン(15)の面の形状(33)にぴったり合うようにされた角度(α)をもつ、請求項7に記載の固定装置(1)。
【請求項9】
前記第1の部分(9)が、前記第2の部分(11)に隣接するその端部(9a)とは反対側の端部(9b)に、前記第1の部分(9)をそれが位置決めされたその位置に錠止する、好ましくはクリップ留めされた形で錠止することができる第1の手段(37)をさらに備える、請求項8に記載の固定装置(1)。
【請求項10】
前記第1の部分(9)及び前記第2の部分(11)、ならびに前記部品の前記保持手段(5)が、同じ材料を主体とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項11】
前記部品の前記保持手段(5)が、前記部品と互いに作用することになる側(39)とは反対の側(41)に、少なくとも1つの対向補強部(43)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項12】
自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされた前記タンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部(3)に固定することができる、請求項1から11のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項13】
自動車両に部品を固定するシステム(17)であって、
-自動車両の部分によって、好ましくは自動車タンクの内面もしくは外面によって、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされた前記タンクの構成要素によって、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部(3)と、
-請求項1から12のいずれか一項に記載の固定装置(1)と
を含む固定システム(17)。
【請求項14】
自動車両の部分(3)が、自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされた前記タンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームである、請求項13に記載の固定システム(17)。
【請求項15】
前記支持部(3)が、給油制限ベント弁(FLVV、fill limiting vent valve)や複合弁(CFLVV)、またはガス抜きピペットである、請求項13または14に記載の固定システム(17)。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載の固定システム(17)によってその表面または内部に部品が固定される自動車両の部分(3)。
【請求項17】
自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームからなる、請求項16に記載の車両の部分(17)。
【請求項18】
請求項13から15のいずれか一項に記載の固定システム(17)によって設置が行われる自動車両への部品の設置方法であって、
-前記固定システム(17)の前記支持部(3)への前記本体(7)の取付けの前または後に前記部品を前記保持手段(5)と組み立てるステップと、
-前記本体(7)の前記第1の部分(9)を前記第1の部分(9)の係合方向(D1)に沿って前記支持部(3)の第1のゾーン(13)に位置決めし、前記第1の部分(9)によって前記第1のゾーン(13)を部分的に拘束し、好ましくはクリップ留めするステップと、
-前記本体(7)の前記第2の部分(11)を、前記第1の部分の係合方向(D1)がある平面(P9)と交差する平面(P11)内の方向(D2)に沿って前記第2の部分(11)を延ばすことによって、前記支持部(3)の前記第2のゾーン(15)に位置決めし、好ましくはクリップ留めするステップと、
を含む設置方法。
【請求項19】
前記本体(7)の前記第1の部分(9)の前記位置決めステップが、前記支持部(3)の前記第2のゾーン(15)に対する前記本体(7)の前記第2の部分(11)の位置決めステップに先行して行われる、請求項18に記載の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両の部分に部品を固定する装置、その固定装置と自動車両のその部分とを含む固定システム、その固定システムを含む自動車両の部分、及び自動車両への部品の設置方法に関する。自動車両の部分とは、とりわけ、自動車タンクの内面もしくは外面、前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンク構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームである。タンクは、車両の作動流体、すなわち、燃料、尿素溶液、水、ブレーキ液、ウィンドウォッシャー液等々のタンクである。本発明は、たとえば燃料タンクへの燃料導入ラインの固定に関する。部品はまた、ベンチレーション管路など、他の管路であってもよい。しかし、タンクの熱遮蔽、電気ハーネス、ブレーキケーブル、冷却システムの冷却ライン、車両のサービス時に使用するストラップのような仮止めシステムなど、タンク周辺に固定される必要のあるそれ以外のあらゆる部品であることもできる。
【背景技術】
【0002】
現在の技術では、ブレーキ回路の管路を燃料タンクに留める金具が特許文献1などによって知られている。この文献で説明されている固定システムは、固定のための専用装置、すなわち支持部を、タンクに設置する必要がある。その支持部は、たとえば、タンクのジャケットに溶着される。したがってこのようなシステムでは、専用の支持部の製作とタンクへのその設置とが必要になる。そのため、タンクには、そこに追加の構成要素を溶着または接着するための、アクセス可能な十分な広さのゾーンが用意されることが欠かせない。しかし、タンクの内面または外面に追加の構成要素を固定することのできるそうしたゾーンを確保できるとは限らない。
【0003】
また、特許文献2によって自動車両のための配管固定脚が知られている。その固定脚は、自動車の車体パネルの穴にラチェット式にはめ込むことができる。固定脚はまた、配管の保持クレイドルを備える。
【0004】
また、特許文献3では、自動車両の原動機周辺に位置する機構の周りに電気ハーネスを保持するリングも知られている。押えリングは、機構の円筒形ゾーンの周りにリングを押さえ付ける部位を有する。押え部位は、ハーネスの保持部位に連結される。ハーネスを取り付ける際には、押え部位を円筒形ゾーンにクリップ留めし、保持部位のインデックス手段が、それと相補的な制動機構のインデックス手段と協働するように保持部位を平行移動させる。そのため、押えリングが電気ハーネスを固定するためには、原動機近くへの電気ハーネスの配置に供されるためのゾーンが、すなわちインデックス手段が電動機近くの機構に存在する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2942289号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2824615号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第3052605号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、タンク表面における専用ゾーンの使用を必要とせず、より一般的には、自動車両の表面における専用ゾーンの使用を必要としない固定システムを提案することを特に目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、自動車両の部分によって、好ましくは自動車タンクの内面もしくは外面によって、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンク構成要素によって、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部に対して部品を固定する装置であって、
-前記部品の保持手段と、
-支持部に固定することができる本体であって、保持手段と一体をなす本体と
を備える固定装置において、
-その本体が、互いに一体となって隣接して弾性変形する第1の部分及び第2の部分であって、
-それぞれ凹形の内側面を有し、
-互いに交差する異なる平面内に延びる第1の部分及び第2の部分を備えており、
第1の部分は、支持部の第1のゾーンに、第1の部分の平面内にある係合方向に位置決めすることができ、第1のゾーンを部分的に拘束することが可能であり、支持部の第1のゾーンへの第1の部分の位置決めは、支持部の第2のゾーンに対する第2の部分の位置決めを可能にし、第2の部分は、支持部の第2のゾーンの形状に合わせて第2の部分の平面内で変形することができる、固定装置を対象とする。第1の部分は、第1のゾーンにクリップ留めできることが好ましい。第2の部分は、第2のゾーンにクリップ留めできることが好ましい。
【0008】
本発明によれば、凹形面は、突起状の凸形面とは対照的に窪みをなす。
【0009】
凹形の内側面は、たとえば円弧の形をなす。第1の部分の凹状の内側面は、U字形であることができる。
【0010】
本発明で「クリップ留め」とは、バネをなすクリップによって固定することをいう。
【0011】
第1の部分は、第1のゾーンの少なくとも50%を覆ったとき、第1のゾーンを部分的に拘束していると考える。
【0012】
「ある部分の平面」とは、その部分の正中面をいう。
【0013】
そこで提案されるのは、本体の各々の部分を支持部の2つの別々のゾーンに位置決めして、部品を取り付けることであって、本体の各々の部分を異なる係合方向で支持部のゾーンと係合させることである。その場合、第2の部分は、第1の部分の係合方向がある平面と交差する平面の方向に沿って延ばすことによって設置されることがわかる。ここで「交差」は、好ましい実施形態である直交または垂直を必ずしも意味するものでないことが理解される必要がある。そのため、たとえばタンクの内側または外側にあって、タンク及び/またはタンク構成要素の表面のアクセス可能な形状からなる既存の形状が部品設置のために利用される。
【0014】
本発明は、タンク構成要素の溶着の前または後に容易に利用することができ、追加の構成要素を溶着または接着するための十分な広さとアクセス性を備えるゾーンがタンク表面またはタンク内部に存在することを必要としない。本発明は、溶着、接着またはネジ留めのステップを避けつつ、特別な工具も必要とすることなく、部品を迅速かつ安価に設置することを可能にする。本発明では、構成要素の正しい位置決めも保証される。また、本体及び保持手段は、それによって脱着可能に固定される。本体及び保持手段は、簡単に取り外すことができる。たとえば、本体及び保持手段はリサイクルの前に支持部から簡単に切り離すことができ、材料の分別に資することができる。
【0015】
好ましくは、部品の保持手段は、クリップ、ボルト留め、組立てネジ、留めピン、クランプ、留め金具、圧着接合、リベット、固定手段の受け穴であることができる。
【0016】
有利には、第1の部分の平面は、第1の部分の凹形内側面に対して交差方向にあり、任意選択では直交する方向にある。同様に有利には、第2の部分の平面は、第2の部分の凹形内側面に対して交差方向にあり、任意選択では直交する方向にある。凹形内側面に対して直交する平面は、2つの割線によって画定される平面であり、その各々の割線は、凹形内側面に対して垂直をなす。
【0017】
この固定装置の任意選択によるその他の特徴を、それぞれ単独または組み合わせで採り入れたものによれば、
-第1の部分は、第1の部分によって画定される平面と平行な平面内に配置されることが好ましい第1の剛性強化リブを有する。
-第2の部分は、第1の部分に隣接するその端部とは反対側の端部に、本体の第2の部分を第2のゾーンに対して拘止することができる拘止手段をさらに備える。拘止手段は、たとえば第2の部分から突き出たツメである。
-第2の部分は、第1の部分に隣接するその端部とは反対側の端部に、第2のゾーンに位置決めされたその位置での錠止のために、第2のゾーンの錠止手段を補完する第2の錠止手段をさらに備える。
-第2の錠止手段は、第2のゾーンにあるリブに固定することができるフックである。支持部として働く構成要素にその設置(溶着)の際の目印機能を果たすリブが存在することから、それを有効に活用することなども可能である。このような目印リブは、たとえば、燃料タンクに通常装備される構成要素である給油制限ベント弁(FLVV、fill limiting vent valve)や複合弁(CFLVV)またはガス抜きピペットなどで使用される。こうした構成要素などの円筒形の支持部では、第2の錠止手段を活用することによって、第2の部分の長さを短くすることができる。実際、円筒形支持部では、第2の錠止手段のおかげで、第2の部分を構成要素の外周の半分ほどまで延ばすだけで、その位置決め位置での錠止を行うことができる。あるいは、第2の部分は、構成要素の外周に、好ましくは構成要素の外周の最大で4分の3にクリップ留めすることができる。
-部品の保持手段は、支持部に対してオフセットされた形で第2の部分の1つの部位から延びる。それにより、支持部から距離をおいて十分なスペースに部品を受け入れることができる。
-保持手段がそこから延びる第2の部分の部位は、第2の剛性強化リブを備える。それにより、第2の部分の変形に関連して、また保持手段及び部品を支持する機能に関連して、応力にさらされる固定装置の当該部位を補強することができる。
-第2の剛性強化リブの断面は、第2のゾーンに位置決めされる方の側に第2のゾーンの表面の形状にぴったり合うようにされた角度をもつ。そうすることによって、そのリブを、ベント弁やガス抜きピペットの形状など、ある特定の具体的形状に合わせることができる。実際、発明者が想定したのは、円筒形の支持部に対する固定装置の使用であり、その円筒形支持部は、円筒形の表面との間に135°の角度をなすカラーを備える。この特定の形状に合わせるため、固定手段を有する第2の剛性強化リブは、45°の角度をもつ相補的な部分を備えるものであることが提案される。
【0018】
有利には、第2の部分の拘止手段も第2のゾーンの形状にぴったり合うようにされた角度を有する。
-第1の部分は、第2の部分に隣接するその端部とは反対側の端部に、第1の部分をそれが位置決めされた第1のゾーン上の位置に錠止する、好ましくはクリップ留めされた形で錠止することができる第1の手段をさらに備える。有利には、第1の錠止手段は、支持部の表面下側に配置して、第1の部分が意に反して離脱するのを防ぐようにされた歯である。カラーと第2の剛性強化リブとによって形成される角度により、第1の部分の係合/離脱方向に加えられる力によって、(第1の部分の離脱により)固定装置の開放がもたらされる可能性がある。そのような力が加わることになると考えられるのは、たとえば車両の急減速時や路面のコブを乗り越えるときである。第1の錠止手段は、そのような条件のもとで固定装置が開放されるのを防ぐ。
-第1の部分及び第2の部分、ならびに部品の保持手段は、同じ材料を主体とする。それによって、2つの部分の間の一体性が高められた固定装置を得ることができ、部品の保持手段は、固定装置の2つの部分に安定的に連結されて、部品の定位置での保持が容易となる。
【0019】
有利には、固定装置は、POM(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリエチレンなどの単一のポリマーの射出成形によって、または、純金属もしくは合金の形の金属の鋳造もしくは曲げ加工による成形によって製造される。
-部品の保持手段は、部品と互いに作用することになる側とは反対の側に、少なくとも1つの対向補強部を備える。この対向補強部により、保持手段を部品と組み立てる際に、支持部に対するカウンターサポートを見出すことができる。
-固定装置は、自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンク構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部に固定することができる。
【0020】
本発明は、自動車両に部品を固定するシステムもまたその対象とする。固定システムは、
-自動車両の部分によって、好ましくは自動車タンクの内面もしくは外面によって、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンクの構成要素によって、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部と、
-上述した固定装置と
を備える。
【0021】
構成要素とは、たとえば、タンクに装備される弁、もしくはガス抜きピペットなどのセンサ、またはそれ以外のあらゆる構成要素であって、タンク上またはその内部に取り付けられて、本発明による装置の設置にふさわしいものであり得る第1のゾーン及び/または第2のゾーンをもたらす構成要素である。同様に、同じ特徴を有するタンク表面はすべて、支持部として利用することが可能である。それは、タンクの本体、さらにはタンクのシェルの接合面を受けることのできる構造を有するタンクの内壁または外壁のゾーンであることができる。第1のゾーン及び第2のゾーンは、いずれも第1の部分の凹形の内側面内また第2の部分の凹形の内側面内にそれぞれ拘束され得るあらゆる表面、すなわち凸形の表面であることができる。
【0022】
第1のゾーン及び第2のゾーンの表面は、円弧の形をなすか、または少なくとも3つの連続するセグメントから構成され、その少なくとも3つのセグメントの端部は、1つの円弧に内接する。
【0023】
固定システムの任意選択によるその他の特徴をそれぞれ単独または組み合わせで採り入れたものによれば、
-自動車両の部分は、自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームである。
- 支持部は、給油制限ベント弁(FLVV、fill limiting vent valve)や複合弁(CFLVV)、またはガス抜きピペットである。これらの構成要素は、燃料タンクに普通に装備されるものであり、固定システムの設置にとりわけ適した2つのゾーンを有するものであることから、特に注目される。実際、これらの構成要素は、第2の部分を位置決めするのに好適であり得る円筒形の表面を有する。これらの構成要素には、弁のガス抜きのための管路など、第1の部分の支持部の役を果たすことができる配管の終点も含まれる。また、これらの構成要素には、目印リブも含まれる。第2の部分の支持ゾーンの始まりから円周の半分以下のところに位置するそのリブを、第2の錠止手段を固定することができる第3の錠止手段として利用することは有利である。
【0024】
本発明は、上に説明した固定システムによってその表面またはその内部に部品が固定される自動車両の部分もまたその対象とする。自動車両の部分とは、自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームであることができる。
【0025】
さらに本発明は、上に説明した固定システムによって設置が行われる自動車両への部品の設置方法であって、
-固定システムの支持部への本体の取付けの前または後に部品を保持手段と組み立てるステップと、
-本体の第1の部分を第1の部分の係合方向に沿って支持部の第1のゾーンに位置決めし、第1の部分によって第1のゾーンを部分的に拘束し、好ましくはクリップ留めするステップと、
-本体の第2の部分を、第1の部分の係合方向がある平面と交差する平面内の方向に沿って第2の部分を延ばすことによって、支持部の第2のゾーン上に位置決めし、好ましくはクリップ留めするステップと
を含む設置方法もその対象とする。
【0026】
好ましくは、本体の第1の部分の位置決めステップは、支持部の第2のゾーンに対する本体の第2の部分の位置決めステップに先行して行われる。
【0027】
本発明については、添付の図面を参照しながらもっぱら例としてのみ示す以下の説明を読むことによって、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a】本発明の実施形態による固定装置の上面図であって、自動車両の部分に部品を設置するステップを示した図である。
図1b】本発明の実施形態による固定装置の上面図であって、自動車両の部分に部品を設置するステップを示した図である。
図2】自動車両の部分に固定された図1a及び図1bの固定装置の側面図である。
図3図1a及び図1bの自動車両の部分に固定された固定装置の部分の斜視図である。
図4a】自動車両の部分への部品の設置ステップを示した図1a及び図1bの固定装置の斜視図である。
図4b】自動車両の部分への部品の設置ステップを示した図1a及び図1bの固定装置の斜視図である。
図4c】自動車両の部分への部品の設置ステップを示した図1a及び図1bの固定装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1から図4は本発明の一実施形態による固定装置を示したもので、その全体に対して1の符号が与えられている。装置1は、支持部3に部品(図示せず)を固定する装置である。支持部3は、自動車両の部分によって形成される。図示した例では、支持部3は、自動車タンク、より正確には燃料タンク(図示せず)の構成要素である。特にここでは、複合型給油制限ベント弁(CFLVV、combined fill limiting vent valve)である。固定装置1は、部品の保持手段5を含む。図示した例では、部品の保持手段5はクリップである。固定装置1はまた、支持部3に固定することができる本体7を備える。本体7は、部品の保持手段5と一体をなす。本体7は、第1の部分9と第2の部分11とを備える。両部分は、互いに一体となって隣接する。両部分は、弾性変形する。第1の部分9は凹形の内側面9iを、第2の部分11は凹形の内側面11iを有する。第1の部分9は平面P9内に延びる。第2の部分11は平面P11内に延びる。平面P9と平面P11は異なる。両平面は互いに交わる。図示した実施形態では、平面P9とP11は直交している。第1の部分9の平面P9は、第1の部分9の凹形の内側面9iと交わり、第2の部分11の平面P11は、第2の部分11の凹形の内側面11iと交わる。より具体的には、第1の部分9の平面P9は凹形の内側面9iと直交し、第2の部分11の平面P11は第2の部分11の凹形の内側面11iと直交する。固定装置1は、第1の部分9が、第1の部分9の平面P9内に位置する係合方向D1(図4aに示すもの)に支持部3の第1のゾーン13上に位置決めされて、第1のゾーン13を部分的に拘束することができるように構成され、第1のゾーン13への第1の部分9の位置決めは、支持部3の第2のゾーン15に対する第2の部分11の位置決めを可能にするものであり、第2の部分11は、その平面P11内で変形して支持部3の第2のゾーン15の形状に合わせることができる。そのため、図示した例では、燃料タンクの外側に部品を取り付けるために、既存の形状、すなわちCFLVV弁を用いている。
【0030】
支持部3と固定装置1は、全体として、部品の固定システム17を形成する。
【0031】
図示した実施形態では、第1の部分9は、第1の剛性強化リブ19を具備する。剛性強化リブ19は、図1aに示された平面P19内にあり、第1の部分9によって画定される平面9と平行をなす。
【0032】
固定装置1の第2の部分11は、第1の部分9に隣接する端部11aと、それとは反対側の端部11bとを備える。図示した第2の部分11はまた、本体7の第2の部分11を第2のゾーン15に対して拘止する手段21を備える(図4の各図などでよくわかる)。この実施形態では、その拘止手段21は、第2の部分11から突き出たツメである。
【0033】
この実施形態では、第2の部分11はさらに、支持部3の第2のゾーン15に位置決めされた第2の部分11をその位置に錠止する第2の手段23をその端部11bに備える。この第2の錠止手段23は、第2のゾーン15の錠止手段25を補完するものである。これらの錠止手段23、25は、図4の各図でよくわかる。図示した固定装置1では、第2の錠止手段23は、第2のゾーン15にあるリブ25に固定することができるフックである。図示した例では、リブ25は、CFLVV弁3の目印リブである。このCFLVV弁3などの円筒形の支持部の場合、第2の錠止手段23を活用することによって、第2の部分11の長さを短くすることができる。実際、位置決めされた位置で錠止するためには、図4c及び図1bに見られるように、第2の部分11をCFLVV弁3の円周の半分程度にわたって延ばすだけでよい。
【0034】
図示した実施形態では、部品の保持手段5は、支持部3に対してオフセットされた形で第2の部分11の部位27から延びる。それにより、支持部3から離れた十分なスペースに部品を受け入れることができる。図示した例では、部位27は、第2の剛性強化リブ29を備えている。
【0035】
図2を見るとよくわかるように、CFLVV弁3は、その円筒形の表面との間に135°の角度を形成するカラー31を備えており、それによって第2のゾーン15の表面に特定の形状33が与えられている。その形状33にぴったり合わせるように、第2の部分11の部位27の第2の剛性強化リブ29の断面の側面35は、角度αを有する。図示した例ではその角度αは45°である。図4aを見るとよくわかるように、第2の部分11の拘止手段21も、第2のゾーン15の形状にぴったり合わせるようにされた角度を有することができる。
【0036】
固定装置1の第1の部分9は、第2の部分11に隣接する端部9aと、それとは反対側の端部9bとを備える。図2を見るとよくわかるように、第1の部分9は、そのほか、その端部9bに、第1の部分9をそれが位置決めされた第1のゾーン13上の位置に錠止することができる第1の手段37を備える。図示した例では、第1の錠止手段37は、支持部3の表面下側に配置される歯であって、第1の部分9が意図に反して離脱するのを妨げる歯である。実際、第2のゾーンの表面の形状33(ここでは、カラー31とCFLVV弁3の円筒形の面との間に形成される135°の角度)により、第1の部分の係合/離脱方向にかかる力は、固定装置1を開放させかねない(第1の部分9の離脱による)。そのような力が加わる可能性があるのは、たとえば車両の急減速時や路面のコブを乗り越えるときである。第1の錠止手段37は、そのような条件のもとで固定装置1が開放されるのを防ぐ。
【0037】
変形では、第1の部分9、第2の部分11、及び部品の保持手段5は、同じ材料を主体とする。固定装置1は、POM(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリエチレンなどの単一のポリマーの射出成形によって、または、純金属もしくは合金の形の金属の成形によるなどして製造される。
【0038】
図3を見るとよくわかるように、保持手段は、部品と互いに作用することになる側39と、それとは反対の側41とを備える。部品保持手段5は、その側41に、少なくとも1つの対向補強部43を備える。この対向補強部43により、保持手段5を部品と組み立てる際に、支持部3に対するカウンターサポートを見出すことができる。
【0039】
固定システム17を用いた自動車両における部品の設置は、以下のようにして行われる。固定システム17の支持部3への本体7の取付けの前または後に部品(図示せず)を部品の保持手段5と組み立てる。図4aを見るとよくわかるように、本体7の第1の部分9を第1の部分9の係合方向D1に沿って支持部3の第1のゾーン13に位置決めし、第1の部分9によって第1のゾーン13を部分的に拘束する。次いで、第1の部分の係合方向D1がある平面P9と交わる平面P11内の方向D2に沿って第2の部分11を延ばすことによって、本体7の第2の部分11を支持部3の第2のゾーン15上に位置決めする。それによって、図1b及び図5cに示すように、第2の部分11は、第2のゾーン15上に位置決めされる。必要に応じて、第2のゾーン15に対する第2の部分11の位置決め位置は、錠止手段23及び25によって錠止される。さらに必要に応じて、第1の部分9は、第1のゾーン13上に位置決めされた位置で第1の錠止手段37によって錠止される。
【0040】
本発明は、紹介した実施形態だけに限られるものではなく、当業者にはそれ以外の実施形態が自明のものとして生まれてこよう。固定システムの支持部は、自動車両の他の部分、とりわけ自動車タンクの内側面もしくは外側面、及び/または、前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンクのその他の構成部品、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームなどであることが可能である。また、たとえば、ガス抜きピペットなどのそれ以外の構成要素であることもできる。部品の保持手段は、クリップに限られるものではなく、当業者には周知のあらゆる部品保持手段であることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 固定装置、3 支持部、5 保持手段、7 本体、9 第1の部分、11 第2の部分、13 第1のゾーン、15 第2のゾーン、17 固定システム、19 剛性強化リブ、21 拘止手段、23 第2の錠止手段、25 リブ,錠止手段、27 部位、29 第2の剛性強化リブ、37 第1の錠止手段、43 対向補強部、D1 方向、D2 方向、P9 平面、P11 平面、D1 係合方向
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両の部分によって、好ましくは自動車タンクの内面もしくは外面によって、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンク構成要素によって、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部(3)に対して部品を固定する装置(1)であって、
-前記部品の保持手段(5)と、
-前記支持部(3)に固定することができる本体(7)であって、前記保持手段(5)と一体をなす本体(7)と
を備える固定装置(1)において、
-前記本体(7)が、互いに一体となって隣接して弾性変形する第1の部分(9)及び第2の部分(11)であって、
-それぞれ凹形の内側面(9i、11i)を有し、
-互いに交差する異なる平面(P9、P11)内に延びる第1の部分(9)及び第2の部分(11)を備えており、
前記第1の部分(9)が、前記支持部(3)の第1のゾーン(13)に、前記第1の部分(9)の前記平面(P9)内にある係合方向(D1)に位置決めすることができ、前記第1のゾーン(13)を部分的に拘束することが可能で、好ましくはクリップ留めすることが可能であり、前記支持部(3)の前記第1のゾーン(13)への前記第1の部分(9)の位置決め、好ましくはクリップ留めが、前記支持部(3)の第2のゾーン(15)に対する前記第2の部分(11)の位置決めを可能にし、前記第2の部分(11)は、前記支持部(3)の前記第2のゾーン(15)の形状に合わせて前記第2の部分(11)の前記平面(P11)内で変形することができ
前記第2の部分(11)が、前記第1の部分(9)に隣接するその端部(11a)とは反対側の端部(11b)に、前記第2のゾーン(15)に位置決めされたその位置での錠止のために、前記第2のゾーン(15)の錠止手段(25)を補完する第2の錠止手段(23)をさらに備え、
前記第2の錠止手段(23)が、前記第2のゾーン(15)にあるリブ(25)に固定することができるフックである、固定装置(1)。
【請求項2】
前記第1の部分(9)が、前記第1の部分(9)によって画定される前記平面(P9)と平行な平面(P19)内に配置されることが好ましい第1の剛性強化リブ(19)を有する、請求項1に記載の固定装置(1)。
【請求項3】
前記第2の部分(11)が、前記第1の部分(9)に隣接するその端部(11a)とは反対側の端部(11b)に、前記本体(7)の前記第2の部分(11)を前記第2のゾーン(15)に対して拘止することができる拘止手段(21)をさらに備える、請求項1または2に記載の固定装置(1)。
【請求項4】
前記部品の前記保持手段(5)が、前記支持部(3)に対してオフセットされた形で前記第2の部分(11)の1つの部位(27)から延びる、請求項1からのいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項5】
前記部位(27)が、第2の剛性強化リブ(29)を備える、請求項に記載の固定装置(1)。
【請求項6】
前記第2の剛性強化リブ(29)の断面が、前記第2のゾーン(15)に位置決めされる方の側(35)に前記第2のゾーン(15)の面の形状(33)にぴったり合うようにされた角度(α)をもつ、請求項5に記載の固定装置(1)。
【請求項7】
前記第1の部分(9)が、前記第2の部分(11)に隣接するその端部(9a)とは反対側の端部(9b)に、前記第1の部分(9)をそれが位置決めされたその位置に錠止する、好ましくはクリップ留めされた形で錠止することができる第1の手段(37)をさらに備える、請求項6に記載の固定装置(1)。
【請求項8】
前記第1の部分(9)及び前記第2の部分(11)、ならびに前記部品の前記保持手段(5)が、同じ材料を主体とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項9】
前記部品の前記保持手段(5)が、前記部品と互いに作用することになる側(39)とは反対の側(41)に、少なくとも1つの対向補強部(43)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項10】
自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされた前記タンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部(3)に固定することができる、請求項1から9のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項11】
自動車両に部品を固定するシステム(17)であって、
-自動車両の部分によって、好ましくは自動車タンクの内面もしくは外面によって、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされた前記タンクの構成要素によって、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームによって形成される支持部(3)と、
請求項1から10のいずれか一項に記載の固定装置(1)と
を含む固定システム(17)。
【請求項12】
自動車両の部分(3)が、自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされた前記タンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームである、請求項11に記載の固定システム(17)。
【請求項13】
前記支持部(3)が、給油制限ベント弁(FLVV、fill limiting vent valve)や複合弁(CFLVV)、またはガス抜きピペットである、請求項11または12に記載の固定システム(17)。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載の固定システム(17)によってその表面または内部に部品が固定される自動車両の部分(3)。
【請求項15】
自動車タンクの内面もしくは外面、及び/または前記面のうちの1つに取り付けるようにされたタンクの構成要素、または複数の水素タンクを備えるシャーシもしくはフレームからなる、請求項14に記載の車両の部分(17)。
【請求項16】
請求項11から13のいずれか一項に記載の固定システム(17)によって設置が行われる自動車両への部品の設置方法であって、
-前記固定システム(17)の前記支持部(3)への前記本体(7)の取付けの前または後に前記部品を前記保持手段(5)と組み立てるステップと、
-前記本体(7)の前記第1の部分(9)を前記第1の部分(9)の係合方向(D1)に沿って前記支持部(3)の第1のゾーン(13)に位置決めし、前記第1の部分(9)によって前記第1のゾーン(13)を部分的に拘束し、好ましくはクリップ留めするステップと、
-前記本体(7)の前記第2の部分(11)を、前記第1の部分の係合方向(D1)がある平面(P9)と交差する平面(P11)内の方向(D2)に沿って前記第2の部分(11)を延ばすことによって、前記支持部(3)の前記第2のゾーン(15)に位置決めし、好ましくはクリップ留めするステップと、
を含む設置方法。
【請求項17】
前記本体(7)の前記第1の部分(9)の前記位置決めステップが、前記支持部(3)の前記第2のゾーン(15)に対する前記本体(7)の前記第2の部分(11)の位置決めステップに先行して行われる、請求項16に記載の設置方法。
【国際調査報告】