(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】サーボ制御機械ライン
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240711BHJP
B65G 47/84 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G05B23/02 302Z
B65G47/84 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502164
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037177
(87)【国際公開番号】W WO2023288006
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514117427
【氏名又は名称】ベルヴァック・プロダクション・マシーナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BELVAC PRODUCTION MACHINERY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラリー・ディー・マッキニー
(72)【発明者】
【氏名】デニス・イー・グリーン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エル・ショートリッジ
(72)【発明者】
【氏名】リック・キーシー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・エム・パッカー
【テーマコード(参考)】
3C223
3F072
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB02
3C223EB07
3C223FF02
3C223FF12
3C223FF35
3C223FF42
3C223GG01
3F072AA27
3F072KC02
(57)【要約】
物品の成形に使用される機械ライン内のサーボモータを用いてタレットの回転を制御するためのシステム及び方法が、開示される。機械ラインの問題を解決するためにサーボモータを使用して、エラー状態を検出することができる。サーボモータによるタレットの制御は、問題を解決するために、他のタレットに対して各タレットを独立して回転させることを可能にする。アブソリュートエンコーダは、タレットが一連の歯車によって互いに機械的に結合されていないにもかかわらず、機械ライン内のタレットの同期回転のために、サーボモータ及びそれらのそれぞれのタレットを仮想軸と位置合わせされるように戻すために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御器によって、一連のモジュール内で一連のサーボモータを同期して動作させるステップであって、一連の前記モジュールの前記モジュールそれぞれが、一連の前記モジュールを物品が通過するために、または前記物品の形状を変更するために、対応するタレットを回転させる一連の前記サーボモータそれぞれの前記サーボモータを含む、ステップと、
前記制御器によって、一連の前記モジュール内のエラー状態を検出するステップであって、前記エラー状態が、一連の前記サーボモータのうちの少なくとも1つの前記サーボモータにおいてトルク閾値、位置閾値、または前記トルク閾値と前記位置閾値との組合せを超えることであり、前記エラー状態が、少なくとも1つの前記物品の損傷、少なくとも1つの前記サーボモータの対応する前記タレット内の少なくとも1つの前記物品の詰まり、またはそれらの組合せを示す、ステップと、
前記制御器によって、一連の前記モジュール内の前記サーボモータそれぞれを個別に停止することによって、前記エラー状態を検出するステップに基づいて、一連の前記モジュール内の一連の前記サーボモータを動作させるステップを停止するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記エラー状態が、少なくとも1つの前記物品の詰まりであり、
前記方法が、
前記制御器によって少なくとも1つの前記サーボモータを無効にし、少なくとも1つの前記容器の詰まりを除去するために、一連の前記タレットとは別個である、対応する前記タレットの手動回転を可能にするステップ、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一連の前記サーボモータを動作させるステップの前に、仮想軸に従って、一連の前記サーボモータを互いに位置合わせするステップと、
少なくとも1つの前記容器の除去の後に、前記制御器によって、少なくとも1つの前記サーボモータを前記仮想軸と再位置合わせするステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御器によって少なくとも1つの前記サーボモータの1以上の隣接する前記サーボモータを無効にし、一連の前記タレットとは別個である、1以上の隣接する前記サーボモータの対応する前記タレットの手動回転を可能にするステップ、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
一連の前記サーボモータを動作させるステップの前に、仮想軸に従って、一連の前記サーボモータを互いに位置合わせするステップと、
前記エラー状態を修正した後に、前記制御器によって、少なくとも1つの前記サーボモータ及び1以上の隣接する前記サーボモータを前記仮想軸と再位置合わせするステップと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
カウント閾値を超える少なくとも1つの前記サーボモータに対応する前記モジュールに関連付けられたエンコーダカウントに基づいて、前記エラー状態を検証するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御器が、前記エラー状態を検証するステップを実施する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の制御器が、前記制御器から前記エラー状態を受信すると、前記エラー状態を検証するステップを実施する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
一連の前記サーボモータが、動作させるステップを停止するステップ時に、4秒以内に完全停止する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一連の前記サーボモータが、動作させるステップを停止するステップ時に、2.5秒以内に完全停止する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
一連の前記サーボモータの前記サーボモータそれぞれが、一連の前記モジュール内の対応する前記タレットに直接結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
対応する前記タレットのシャフトが、前記サーボモータそれぞれに挿入され、前記サーボモータをそれぞれの対応する前記タレットに結合する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
一連の前記サーボモータの前記サーボモータそれぞれが、1以上の歯車によって、対応する前記モジュール内の対応する前記タレットに機械的に接続され、隣接する前記モジュールの1以上の前記歯車が、互いに機械的に分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
一連の前記サーボモータの前記サーボモータそれぞれが、デフォルトアライメント位置を有するように予め構成され、
前記デフォルトアライメント位置が、一連の前記モジュール内の一連の前記サーボモータのデフォルト仮想軸に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
一連の前記モジュール内の1以上の前記タレットが、異なる慣性モーメントを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記エラー状態が、少なくとも1つの前記サーボモータが前記位置閾値を超えることであるとき、少なくとも1つの前記サーボモータによって障害をトリガするステップと、
前記エラー状態を修正した後に、障害をクリアするために、前記制御器によって、少なくとも1つの前記サーボモータを再設定するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの前記サーボモータを再設定するステップの後に、一連の前記モジュールの仮想軸に基づいて、障害状態の前に、少なくとも1つの前記サーボモータを回転構成に戻すステップ
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月15日に出願された米国仮特許出願第63/222,178号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、物品処理システムのための機器の分野に関する。より具体的には、本発明は、容器または容器プリフォームなど、物品を処理するためのサーボ制御機械ライン、及びそれを動作させる対応する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
容器を形成するための従来の機械ラインは、他の構成要素が取り付けられる一連のモジュールを含み、これらモジュールは、容器または容器プリフォームをモジュール間で移送するためのタレットと、容器に対して作業動作を実施するためのタレットと、を含む。従来の機械ラインの一連のモジュール内のタレットは、機械ライン全体のタレットを互いに接続する一連の歯車を駆動するモータによって駆動される。そのような構成によって引き起こされる例示的な問題には、歯車の回転の開始または停止中に歯車内の遊びが吸収されるときに発生するバックラッシュを含み、これは歯車が高速に回転することによって増大され得る。そのような構成によって引き起こされる別の例示的な問題は、各タレットが一連の歯車を介して一連のタレットに接続されているので、一連のタレット内で1つのタレットのみを回転させることができないことである。そのような構成によって引き起こされるさらに別の例示的な問題は、一連のタレット内の詰まりまたは他の問題を検出する能力が限られていること、及び一連のタレット内の問題の一般的な位置を検出することができないこと、である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、そのような機械ラインを動作させるために、関連するプロセスと共に、上記の欠点の1以上に悩まされない一連のモジュールで形成された機械ラインを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの例示的な実施形態は、制御器によって、一連のモジュール内で一連のサーボモータを同期して動作させるステップ、を含むプロセスに関する。一連のモジュールの各モジュールは、一連のモジュールを物品が通過するために、または物品の形状を変更するために、対応するタレットを回転させる一連のサーボモータのそれぞれのサーボモータを含む。プロセスは、制御器によって、一連のモジュール内のエラー状態を検出するステップ、をさらに含む。エラー状態は、トルク閾値、位置閾値、またはトルク閾値と位置閾値との組合せを超える、一連のサーボモータのうちの少なくとも1つのサーボモータである。エラー状態は、少なくとも1つの物品の損傷、少なくとも1つのサーボモータの対応するタレット内の少なくとも1つの物品の詰まり、またはそれらの組合せを示す。プロセスは、制御器によって、一連のモジュール内の各サーボモータを個別に停止することによって、エラー状態の検出に基づいて、一連のモジュール内の一連のサーボモータの動作を停止するステップ、をさらに含む。
【0006】
実施形態の一態様は、エラー状態が少なくとも1つの物品の詰まりであることを含み、プロセスは、少なくとも1つの容器の詰まりを除去するために、一連のタレットとは別個である、対応するタレットの手動回転を可能にするために、制御器によって、少なくとも1つのサーボモータを無効にするステップ、をさらに含む。第1の態様によれば、プロセスは、一連のサーボモータの動作前に、仮想軸に従って一連のサーボモータを互いに位置合わせするステップと、少なくとも1つの容器を除去した後に、制御器によって、少なくとも1つのサーボモータを仮想軸と再位置合わせするステップと、をさらに含むことができる。態様によれば、プロセスは、一連のタレットとは別個である、1以上の隣接するサーボモータの対応するタレットの手動回転を可能にするために、制御器によって、少なくとも1つのサーボモータの1以上の隣接するサーボモータを無効にするステップ、をさらに含むことができる。その場合、プロセスは、一連のサーボモータの動作の前に、仮想軸に従って、一連のサーボモータを互いに位置合わせするステップと、エラー状態を修正した後に、制御器によって、少なくとも1つのサーボモータ及び1以上の隣接するサーボモータを仮想軸と再位置合わせするステップと、をさらに含むことができる。
【0007】
実施形態の別の態様によれば、プロセスは、カウント閾値を超える少なくとも1つのサーボモータに対応するモジュールに関連付けられたエンコーダカウントに基づいて、エラー状態を検証するステップ、をさらに含む。制御器は、エラー状態の検証を実施することができる。あるいは、第2の制御器は、制御器からエラー状態を受信すると、エラー状態の検証を実施することができる。第2の制御器は、例えば、サーボモータ内の制御器であってもよい。
【0008】
実施形態のさらなる態様によれば、一連のサーボモータは、動作の停止時に4秒以内に完全停止することができる。より好ましくは、一連のサーボモータは、動作の停止時に2.5秒以内に完全に停止することができる。
【0009】
実施形態のさらなる態様によれば、一連のサーボモータの各サーボモータは、一連のモジュール内の対応するタレットに直接結合される。対応するタレットのシャフトが、各サーボモータに挿入され、サーボモータをそれぞれの対応するタレットに結合することができる。
【0010】
実施形態の別の態様によれば、一連のサーボモータの各サーボモータは、1以上の歯車によって、対応するモジュール内の対応するタレットに機械的に接続することができ、隣接するモジュールの1以上の歯車は、互いに機械的に分離される。
【0011】
実施形態のさらなる態様によれば、一連のサーボモータの各サーボモータは、デフォルトのアライメント位置を有するように予め構成され、デフォルトのアライメント位置は、一連のモジュール内の一連のサーボモータのデフォルトの仮想軸に対応する。
【0012】
実施形態の別の態様によれば、一連のモジュール内の1以上のタレットは、異なる慣性モーメントを有する。
【0013】
実施形態のさらに別の態様によれば、プロセスは、エラー状態が位置閾値を超える少なくとも1つのサーボモータであるとき、少なくとも1つのサーボモータによって障害をトリガするステップと、エラー状態を修正した後に、その障害をクリアするために、制御器によって少なくとも1つのサーボモータを再設定するステップと、をさらに含む。この態様によれば、少なくとも1つのサーボモータを再設定した後に、プロセスは、一連のモジュールの仮想軸に基づいて、障害状態の前に、少なくとも1つのサーボモータを回転構成に戻すステップ、をさらに含むことができる。
【0014】
前述の一般的な説明と、以下の詳細な説明との両方は、例示的で、説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。さらに、上記の態様の1以上を共に組み合わせて、例示的な実施形態の1以上の追加の態様を形成することができる。
【0015】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び以下に簡単に説明する図面に示す添付の例示的な実施形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態を組み込んだ機械ラインの概略図である。
【
図2】ユーザワークステーション及びガードカバーを示す、
図1の機械ラインの一部の正面斜視図である。
【
図3A】
図1の機械ライン内に本発明の一実施形態を組み込んだモジュールの斜視図である。
【
図4】本開示の態様による、
図1の機械ラインのシステムビューを示す図である。
【
図5】本開示の態様による、制御器を使用して機械ライン内のサーボモータを制御するプロセスを示す図である。
【
図6】本開示の態様による、
図5のプロセス内で報告されたエラー状態を修正するプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
機械ラインは、物品に対して様々な動作を実施するために使用される。例えば、機械ラインは、容器プリフォームから容器を形成するために容器プリフォームに対して様々な作業動作を実施するために使用される。機械ラインは一連のモジュールを含む。各モジュールは、作業動作もしくは移送動作、または作業動作と移送動作との両方など、物品に対して特定の動作を実施する。一連の作業動作が、例えば、容器プリフォームから容器を形成する、または容器プリフォームから容器の少なくとも一部を形成するように、作業動作は、物品の形状を変更する。移送動作は、2つの作業動作をそれぞれ適用する2つのモジュール間で物品を移送する。容器が機械ライン内の最後のモジュールを通過した後に、容器は、機械ラインから排出される。機械ラインは、再循環機械ライン、直線ライン、または任意の他のタイプの機械ラインであってもよい。
【0018】
図1は、本開示の1つの例示的な実施形態による、一連のモジュール102から形成される機械ライン100の一実施形態を示している。各モジュール102は、機械ラインを介して供給される容器プリフォームなど、物品104に対して、一連の移送動作及び/または作業動作を実施するように構成される。物品104は、缶、任意の適切な食品または飲料容器、ジャー、ボトル、あるいは容器または容器の少なくとも一部などの物品から最終バージョンまたは製品を製造するプロセスにおいて物品の形状を再構成するための一連の作業動作を適用した任意の他の適切な物品とすることができる。物品104が容器プリフォームであるとき、容器プリフォームは、開放端部と、反対側の閉鎖端部と、開放端部及び閉鎖端部から延在し、開放端部と閉鎖端部とを架橋する側壁と、を有する。あるいは、容器プリフォームは、両端部が開放していてもよい。頂部、蓋、底部、または他のクロージャが、機械ライン100における動作中または後の段階で容器プリフォームに追加されてもよい。物品が容器プリフォームであるとき、作業動作は、例えば、ネッキング、フランジング、再成形、改質、漏れ/光試験、または任意の他の適切な作業動作を含んでもよい。機械ライン100は、単一の作業動作の段階を、または作業動作の任意の適切な組合せを、動作させるように構成されてもよい。
【0019】
図1の図示の実施形態では、物品104は、インフィード機構106を介して機械ラインに供給される。次いで、物品104は、左から第1のモジュール102の第1の移送タレット108内のポケット108aに渡される。次いで、移送タレット108は、左から第2のモジュール102の別の移送タレット108の対応するポケット108aに物品104を渡す。あるいは、両方の第1の移送タレット108を同じモジュール102に関連付けることができる。次いで、第2のモジュール102の移送タレット108から、物品104は、左から第3のモジュール102の作業タレット110内のポケット110aに進む。機械ライン100内の作業タレット110は、物品104に対して上述の作業動作のうちの1以上を実施する。具体的には、作業タレット110の各々のポケット110aにおいて、物品104は、作業動作(例えば、ネッキング動作)される。物品104は、交互の移送タレット108及び作業タレット110のそれぞれにおいて、対応する移送タレットポケット108a及び作業タレットポケット110aを通過することによって機械ライン100を通って続く。作業タレット110及び移送タレット108、したがって物品104は、物品104が任意のモジュール102から次のモジュール102に通る際に、機械ライン100全体にわたって連続的に回転する。機械ライン100の端部において、物品104は、排出機構または経路112を介して機械ライン100から出る。
【0020】
モジュール102を使用することにより、必要な数の形成段階を提供するために、機械ライン100を組み立てて、変更することができ、必要に応じて追加及び/または除去され得るフランジング、ネッキング、トリミング、カール、ねじ切り、及び/またはベース改質/再輪郭形成段階などの段階を追加または削減することができる。
【0021】
図2は、非限定的な一実施形態による、モジュールガードカバー(カバーまたはエンクロージャと呼ぶこともある)200が各モジュール102で閉じた状態で示している機械ライン100の一部の詳細な正面斜視図を示している。機械ライン100は、オペレータが機械ライン100を制御及び/または監視することを可能にするワークステーション202を含み得る。図示するワークステーション202及びガードカバー200は、単なる例示である。
【0022】
図3A~
図3Cは、本開示の態様による、上記で開示した一連のモジュール102の代表的なモジュール102の詳細図を示している。
図3Aを参照すると、各モジュール102は、移送タレット108及び/または作業タレット110などの少なくとも1つのタレットを保持するモジュール式の交換可能なベース300を含む。
図3Aに示すように、ベース300は、移送タレット108と作業タレット110との両方を含む。
【0023】
作業タレット110は、
図3Aに示すように、ベース300の脚部304のベース端部部分302に支持されてもよい。作業タレット110の要素は、当技術分野で知られており、したがって、本明細書では詳細に説明しない。しかしながら、簡単に説明すると、作業タレット110は、一般に、物品104が作業タレット110を通過するときに、物品104に作業動作を適用する片持ち支持された作業端部部分306を含む。作業タレット110はまた、作業タレット110をベース300に接続するシャフト310を含む。
【0024】
移送タレット110はまた、
図3Aに示すように、ベース300の脚部304のベース端部部分302に支持されてもよい。移送タレット108の要素は、当技術分野で知られており、したがって、本明細書では詳細に説明しない。しかしながら、簡単に説明すると、移送タレット108は、一般に、片持ち支持された移送端部部分308を含む。
【0025】
上記の説明に基づいて、ベース300、移送タレット108、及び作業タレット110を含むモジュール102は、従来の機械ラインにおけるベース、移送タレット、及び作業タレットを有するモジュールと同様である。しかしながら、従来の機械ラインのモジュールは、移送タレット及び作業タレットを回転させる一連の相互接続された歯車を有する。対照的に、本実施形態のモジュール102は、一連の接続された歯車を必要としない。その代わりに、モジュール102の各々は、移送タレット108及び作業タレット110をそれぞれ独立して回転させる別個のサーボモータ320を有する。具体的には、サーボモータ320a(
図3A及び
図3B)が、作業タレット110を回転させる。また、サーボモータ320b(
図3C)は、移送タレット108を回転させる。作業タレット110及び移送タレット108をそれぞれ回転させるサーボモータ320a及び320bに基づいて、機械ライン100を介した一連の接続された歯車の代わりに、作業タレット110及び移送タレット108の各々を、機械ライン100内で互いに独立して、ならびに他の作業タレット110及び移送タレット108から独立して、回転させることができる。さらに、
図4に関して以下でさらに説明するように、機械ライン100内で、すべてのモジュール102を含む、同じモジュール102及び異なるモジュール102の作業タレット110及び移送タレット108は、機械ライン100を通って物品104を移動させるために、引き続き同期して動作することができる。
【0026】
一般にサーボモータと呼ばれるが、本開示のサーボモータは、正確であり、制御されたモータの動きのための関連する制御器を有する任意のモータとすることができる。例えば、サーボモータを、代替的に、ステッパモータまたは回転アクチュエータまたは回転サーボと呼ぶことができる。したがって、サーボモータという用語は、説明のためのものにすぎず、具体的に「サーボモータ」と呼ばれるデバイスのみに限定することを意味しない。
【0027】
様々な要因に応じて、異なるタレットに異なるサーボモータを使用することができる。そのような要因には、例えば、タレットの慣性モーメント、タレットの具体的な作業動作(例えば、ネッキング、フランジング、及び改質モジュールはすべて、異なるサイズ要件を有する)、ならびにタレット及び機械ラインを全体的に回転させるための停止及び開始時間が含まれる。一般に、サーボモータが機械ライン内で出力する必要がある連続的な電力負荷が、その総電力負荷の約80%であるように、サーボモータは選択される。
【0028】
図3Bを参照すると、作業タレット110のシャフト310は、サーボモータ320a内に延在することができる。この接続構成により、シャフト310は、サーボモータ320から延在するロータ(図示せず)を介してサーボモータ320に結合するのではなく、サーボモータ320自体に直接結合することができる。この直接結合構成は、2つの物体が機械的に結合するときに通常見られるバックラッシュをさらに低減する。しかしながら、代替的に、サーボモータ320から延在し、シャフト310に結合するロータ(図示せず)を、サーボモータ320は代わりに有することができる。
【0029】
さらなる代替として、サーボモータ320に直接結合する代わりに、作業タレット110のシャフト310は、サーボモータ320から延在するロータ(図示せず)に接続された、またはそのロータと一体化された歯車(図示せず)に噛み合う、一体型歯車(図示せず)に代わりに接続されるか、またはその一体型歯車を含むことができる。作業タレット110のシャフト310と、サーボモータ320との間の歯車接続は、作業タレット110とサーボモータ320との間に機械的な利点をもたらす。その機械的な利点により、異なる作業タレット及び/または異なる移送タレットが、異なる動力要件、トルク要件、速度要件、慣性モーメントなどを有するにもかかわらず、機械ライン100全体にわたって同じサーボモータの種類(例えば、動力仕様、トルク仕様、速度仕様など)を、異なる作業タレット及び/または異なる移送タレットに使用することができる。
【0030】
図3Cを参照すると、移送タレット108のシャフト312とサーボモータ320bとの間の接続は、代替形態を含む、作業タレット110のサーボモータ320及びシャフト310に関して、上述したものと同じタイプの接続とすることができる。
【0031】
図4は、非限定的な一実施形態による、一連のモジュール102a~102nを含む機械ライン100のシステムビューを示している。各モジュール102は、それぞれのサーボモータ320a~320nに別々に接続された少なくとも1つのタレット(例えば、移送タレット108及び/または作業タレット110)を含む。各サーボモータ320は、サーボモータ320の動作を制御するための制御器400に接続される。制御器400は、機械ライン100に物品(
図1の物品104)を通過させるために、移送タレット108及び作業タレット110を回転させるように、サーボモータ320を同期制御する。したがって、機械ライン100は、移送タレット108及び作業タレット110を回転させるために、モジュール102の各々を貫通して接続する従来の機械ラインに見られる一連の歯車を必要としない。
【0032】
一実施形態によれば、
図4に示すように、制御器は、それぞれの通信線402a~402nを介して一連のサーボモータ320a~320nに接続される。各通信線402a~402nは、制御器400と、それぞれのサーボモータ320a~320nとの間で情報を移送する単一の接続とすることができる。あるいは、各通信線402a~402nを、制御器400と、それぞれのサーボモータ320a~320nとの間で情報を移送し、それぞれのサーボモータ320a~320nに電力を供給する単一の接続としてもよい。あるいは、各通信線402a~402nを、制御器400とそれぞれのサーボモータ320a~320nとの間で情報を移送するものと、それぞれのサーボモータ320a~320nに電力を供給するものと、の2つの別個の接続としてもよい。通信線402a~402nは、例えば、それらの機能に応じて、有線または無線とすることができる。
【0033】
図4は、サーボモータ320(例えば、320a~320n)の各々に対して別々に接続された制御器400を示しているが、制御器400がサーボモータ320の各々と通信し得る他の通信接続構成は、当業者に知られている。したがって、図示した通信接続構成は、本開示を、図示した実施形態のみに限定することを意味せず、多重通信接続構成などの当技術分野で知られているすべての通信接続構成を包含する。
【0034】
制御器400は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアベースの制御器とすることができる。例えば、制御器400は、制御器400内のメモリに記憶されたコンピュータ可読命令を実行する1以上のプロセッサを有することができ、コンピュータ可読命令は、1以上のプロセッサに本明細書で説明した方法及び動作を実施させる。同様に、各サーボモータ320は、制御器400と通信するサーボモータ320に関して本明細書で説明した動作及び方法を実施するハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアベースの制御器である1以上の制御器(図示せず)を含むことができる。
【0035】
1以上の実施形態では、各モジュール102a~102nは、1以上のセンサ404a~404nをさらに含むことができる。1以上のセンサ404a~404nは、物品104がモジュール102a~102nを通過するときに物品を検知する。センサ404a~404nは、指定された期間、または指定された数のエンコーダティックの間に、通過する缶の欠如をセンサによって検知することに基づいて、モジュール102a~102nのうちの1つに詰まりがあるか否かを示すことができる。例えば、モジュール102a~102nの各々は、インフィードセンサ及びアウトフィードセンサなどのセンサ404a~404nのうちの2つを含むことができる。インフィードセンサ404及び/またはアウトフィードセンサ404が、特定の期間にわたって異なる数の物品104を示す場合、または物品104を検知することなくエンコーダティックの閾値数を超えることを示す場合、インフィードセンサ404及び/またはアウトフィードセンサ404は、対応するモジュール102a~102n内の詰まりを報告するために、それぞれのサーボモータ320a~320n及び/または制御器400に信号を与えることができる。以下でさらに説明するように、センサ404a~404nから与えられる信号を使用して、サーボモータ320a~320nによって検出されたエラー状態の存在を検証することができる。
【0036】
図5は、本開示の態様による、制御器400を用いて機械ライン100内のサーボモータ320を制御するプロセス500を示している。プロセス500のステップは、単独で、またはサーボモータ320のそれぞれの制御器と組み合わせて、制御器400によって実施することができる。
【0037】
プロセス500は、ステップ502において、制御器400がモジュール102内のそれぞれのサーボモータ320を動作させることから始まる。制御器400は、上述したように、物品104が機械ライン100を通過するように、サーボモータ320を同期して動作させ、タレット108及び110のそれぞれを機械ライン100内で回転させる。このように、タレット108及び110は、物品104を一連のモジュール102に通過させ、物品104の形状を変更する対応するステップをそれぞれ実施する。
【0038】
ステップ504において、制御器400は、一連のモジュール102内のエラー状態を検出する。より具体的には、制御器400は、サーボモータ320がエラー状態を報告するとき、サーボモータ320から信号を受信する。1以上の実施形態では、エラー状態は、トルク閾値を超えるサーボモータ320とすることができる。トルク閾値は、サーボモータ320がそれぞれのタレット108または110を回転させる際に加えると予想されるトルク量の制限とすることができる。サーボモータ320がトルク閾値を超えることは、物品104が、対応するモジュール102内で詰まっているなど、それぞれのモジュール102内の問題を示し得る。さらに、単一のサーボモータ320に由来するものとして説明したが、エラー状態は、サーボモータ320のうちの1以上(例えば、サーボモータ320a~320nのうちの1以上)に由来することができる。例えば、2つの調整サーボモータ320の間に物品104が詰まった場合、隣接する2つのサーボモータ320は、エラー状態を報告してもよい。この場合、詰まったサーボモータ320の両方は、エラー状態を報告することができる。例えば、機械ライン100内でほぼ同時に複数の詰まりが発生した場合に、複数のサーボモータ320はまた、互いに隣接していないエラー状態を報告することもできる。
【0039】
あるいは、エラー状態は、位置閾値を超えるサーボモータ320とすることができる。例えば、各サーボモータ320は、制御器400からサーボモータ320に与えられる制御信号に基づいて、特定の位置にあることが期待される。サーボモータ320が予想位置から位置閾値だけずれている場合、サーボモータ320は、位置誤り状態を報告する。そのようなエラー状態は、任意の物品及び/または物品104の損傷が、対応するモジュール102内で詰まっていることを示すことができる。
【0040】
ステップ506において、制御器400は、エラー状態の検出に基づいて、機械ライン100の一連のモジュール102内の一連のサーボモータ320の動作を停止する。制御器400は、一連のモジュール102内で各サーボモータ320を個別に停止させることにより、動作を停止させる。制御器400が、各サーボモータ320を個別に停止させ、その結果、他のサーボモータ320の停止とは無関係に、対応する各タレット108及び110を個別に停止させることができるので、一連の歯車によって接続されたモジュールを有する従来の機械ラインと比較して、機械ライン内のバックラッシュが少ない。例えば、モジュールを連結する一連の歯車全体を停止させる単一のモータの動作が、一連の歯車全体を伝播しなければならないので、従来の機械ラインのタレットのすべてを停止させるには8秒以上かかる場合がある。さらに、機械ライン内のそれぞれのタレットを停止するために停止されなければならないシステムに、歯車自体の追加の運動量が加わる。対照的に、本開示の機械ライン100の対応するサーボモータ320を個別に停止することによって、タレット108及び110のすべてを停止するには、約4秒未満、より好ましくは約2.5秒未満で可能である。対応するタレット108及び110を停止させる動作は、それぞれのサーボモータ320の各々によって別々にもたらされ、これにより、各サーボモータ320は、それぞれのタレット108または110を停止させることができる。例えば、制御器400は、サーボモータ320(例えば、サーボモータ320a~320n)の各々に、個別の停止信号を送り、回転を停止させる。サーボモータ320は、タレット108または110を単にそれぞれ停止させればよい。
【0041】
制御器400が機械ライン100内のすべてのサーボモータ320の動作を停止すると、オペレータは、詰まりの除去、またはサーボモータ320のうちの1つの再位置合わせなどの措置が必要か否かを決定するために、機械ライン100を検査することができる。制御器400が、1以上のサーボモータ320からエラー状態を受信するので、制御器400はまた、エラー状態に関連する特定のモジュール102及び特定のサーボモータ320を報告することができ、これは、オペレータによる検査を簡素化し、検査に要する時間を短縮することができる。例として、制御器400は、問題のモジュール102に特に関連付けられたワークステーション202など、機械ライン100内のワークステーション202(
図2)のうちの1以上を通してオペレータに情報を与えることができる。オペレータはまた、制御器400を使用して、ワークステーション202を通して問題のモジュール102及び/または機械ライン100全体を安全なモード/状態にすることができ、これにより、例えば、オペレータは、検査のために問題のモジュール102のモジュールガードカバー200を開くことができる。
【0042】
詰まりがない場合など、エラー状態自体がエラーで報告された場合、オペレータは、制御器400を使用して機械ライン100を簡単に再始動することができる。しかしながら、オペレータのさらなる介入が必要とされるようにエラー状態が正しかった場合、本開示の機械ライン100は、従来の機械ラインと比較して、以下に説明するように、エラーの迅速な修正を可能にする。エラーの迅速な修正は、機械ライン100のダウンタイムを短縮し、これにより、毎分に数千の物品を製造する場合、ダウンタイムの短い差でさえも製造速度を大幅に増加させる。
【0043】
図6は、本開示の態様による、上述したプロセス500内で報告されたエラー状態を修正するプロセス600を図示している。プロセス600のステップは、単独で、またはサーボモータ320のそれぞれの制御器と組み合わせて、制御器400によって実施することができる。
【0044】
任意選択で、プロセス600は、ステップ602において、エラー状態を報告したサーボモータ320に対応するモジュール102に関連付けられたエンコーダカウントに基づいて、エラー状態の検証から始まることができる。具体的には、上述したように、機械ライン100内のモジュール102は、それぞれのモジュール102を通過する各物品104の特定の数のエンコーダティックまたはカウントを監視するセンサ404を含む。センサ404のうちの1以上を通過する物品104を検出することなく、エンコーダカウントが閾値カウントを超えた場合、それぞれのセンサ404は、エンコーダカウントエラーを開始することができる。本開示の機械ライン100と組み合わせて、エンコーダカウントエラーを使用して、プロセス500に関して上述したエラー状態の存在を検証することができる。例えば、エンコーダカウントエラーの存在を、サーボモータ320によって報告されたエラー状態を検証するために、サーボモータ320によって制御器400に報告されたエラー状態と組み合わせて使用することができる。エンコーダカウントエラーがない場合、サーボモータ320が単独で報告したエラー状態をエラーと決定してもよい。エンコーダカウントエラーとエラー状態との両方がある場合、これらの決定は、エラー状態の存在を確認するために互いに検証することを考えてもよい。あるいは、サーボモータ320によって報告されたエラー状態を使用して、エンコーダカウントエラーを検証することができ、その逆も可能である。
【0045】
制御器400は、モジュール102からエンコーダカウントを受信すると、エンコーダカウントを使用してエラー状態の検証を実施することができる。あるいは、サーボモータ320は、エンコーダカウントを使用してエラー状態の検証を実施し、エンコーダカウントを用いてエラー状態を検証した後にのみ、エラー状態を制御器400に報告することができる。
【0046】
ステップ604と同様に、制御器400は、エラー状態を報告したそれぞれのサーボモータ320を無効にする。サーボモータを無効にすることにより、オペレータは、タレット108/110を検査し、詰まりを除去するために、またはタレット108/110に関連する位置エラーを修正するために、サーボモータ320の対応するタレット108/110を手動で回転させることができる。タレット108/110が、他のモジュールのための機械ライン内の他のタレット108/110に機械的に接続されていないので、タレット108/110のすべてを回転させる必要なく、オペレータが、タレット108/110を自由に回転させることができる。これにより、関連するタレットの回転を分離することができずに詰まりを除去しなければならない従来の機械ラインとは異なり、詰まりの迅速な位置特定及び修正が可能になる。
【0047】
エラー状態が位置閾値を超えたことに関連する場合、オペレータはまた、関連するタレット108/110に対して回転調整を細かく行うことができる。その調整により、タレット108/110を機械ライン100内の他のタレット108/110と手動で再同期させることができる。ここでも、これは、タレット108/110が一連の歯車を介して機械ライン100内の他のタレット108/110と機械的に同期していないので、可能である。
【0048】
1以上の実施形態では、エラー状態を報告したサーボモータ320に関連するタレット108/110は、1以上の隣接するタレット108/110とのハンドオフ状態にあり得る。そのようなハンドオフ状態は、物品104がハンドオフされているプロセスであるか、または2つの隣接するタレット108/110と接触している、状態を含み、そのうちの一方は、エラー状態に関連する。ハンドオフ状態では、ハンドオフの状態の物品104は、隣接する2つのタレットが互いに対して自由に回転することを防止することができる。したがって、オペレータは、通常はタレットの自由回転を妨げることになるハンドオフ状態の物品104を除去することができる。同時に、制御器400は、ハンドオフ状態において隣接するタレット108/110に関連する1以上の隣接するサーボモータ320を無効にすることができ、他のタレットとは別個である、1以上の隣接するサーボモータ320の対応するタレット108/110の手動回転を可能にする。これは、所望の領域に直接アクセスすることができず、代わりに工具に頼るのではなく、オペレータが効果的に詰まりを除去するために、タレットをその所望の領域に回転することができる機会をもたらす。
【0049】
制御器400がサーボモータ320を動作させる前に、サーボモータ320を、仮想軸に従って互いに位置合わせすることができる。仮想軸との位置合わせにより、サーボモータ320は、その回転が歯車を介して機械的に連結されていないにもかかわらず、互いに同期して動作することが可能になる。仮想軸を用いたアブソリュートエンコーディングにより、例えばエラー状態を修正するために、手動で回転されているにもかかわらず、無効にされたサーボモータは、制御器400によって再び有効にされると、再度位置合わせすることができる。
【0050】
1以上の実施形態では、各サーボモータ320を、デフォルトのアライメント位置を有するように予め構成することができる。例えば、サーボモータ320は、機械ライン100内で関連付けられることになるモジュール102に関する情報、及び/または接続されることになる特定のタレット108/110に関する情報(例えば、移送または作業タレット、動力要件、回転速度など)を含むことができる。したがって、デフォルトのアライメント位置は、機械ライン100内の一連のサーボモータ320のデフォルトの仮想軸に対応する。これにより、機械ライン100内でサーボモータを最初に動作させる前に、オペレータが手動で位置合わせすることなく、サーボモータ320を自動的に位置合わせすることができる。
【0051】
ステップ606において、制御器は、エラー状態が修正された後に、無効にされ、手動で回転された1以上のサーボモータ320を仮想軸と再位置合わせする。例えば、オペレータは、詰まりの原因である物品104を除去した後、エラー状態が修正されたことを制御器400に示すことができ、これにより、制御器400は、影響を受けるサーボモータ320を再位置合わせする。サーボモータ320は、アブソリュートエンコーダサーボモータとすることができ、これにより、制御器400は、サーボモータ320が無効にされる前に、サーボモータ320をそれらの位置に戻すようにシグナリングすることができる。
【0052】
上記開示によれば、サーボモータが機械ライン内のタレットを個別に制御することにより、すべてのタレットが一連の歯車を介して機械的に互いに同期していないので、機械ライン内の単一のタレットを無効にして回転することができる。また、タレットの始動または停止中に吸収される必要がある一連の歯車内の遊びが解消されているので、タレットを始動し、停止するとき、従来の歯車駆動機械ラインと比較して発生するバックラッシュが、ない、または最小限である。すべてのタレットの回転は、各サーボモータからの個々の動作により、及び一連の歯車がないために停止しなければならない質量の減少により、迅速に停止することができる。さらに、上述したように、各タレットが、一連の歯車を介して一連のタレットに接続されていないので、本機械ラインのタレットは、互いに対して自由に回転することができる。さらに、サーボモータは、サーボモータから送信された情報に基づいて、従来の歯車駆動機械ラインと比較して、一連のタレット及びモジュールに関する詰まりまたは他の問題を正確に検出する能力をもたらす。一連の歯車の欠如はまた、隣接するモジュール間に接続された内歯歯車を、モジュールが必要としないという意味で、本機械ラインのモジュールを、さらにモジュール式にする。したがって、モジュールを接続するために要する時間は、従来の機械ラインよりも短い。歯車の欠如はまた、歯車を潤滑するためのモジュールのベースにおける歯車ボックス及びオイルバスの必要性を排除する。歯車ボックスの欠如は、様々なタレットのための真空ラインの設置及び経路設定など、他の機能のためのモジュールのベース内の空間を開放し、またはそれらが小さくなり得るために、ベースのために必要な床面積の量を減少させる。歯車ボックスがないために改善された真空経路は、小さい真空源であってもよく、エネルギー及びコストを節約する。したがって、本実施形態の機械ラインにおけるタレットの制御は、上述した理由により、従来の機械ラインよりも効率的で、経済的である。
【0053】
本明細書で利用する場合、「およそ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」という用語、及び同様の用語は、本開示の主題が関係する当業者によって一般的で、許容される使用法と調和した広い意味を有することを意図している。本開示を検討する当業者であれば、これらの用語は、これらの特徴の範囲を、提供される正確な数値範囲に限定することなく、記載された特定の特徴、及び特許請求される特定の特徴の説明を可能にすることを意図していることを理解されたい。したがって、これらの用語は、記載され、特許請求される主題の実質的でない、または重要でない、修正または変更が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内にあると見なされることを示すと解釈されるべきである。
【0054】
様々な実施形態を説明するために本明細書で使用する「例示的」という用語は、そのような実施形態が可能な実施形態の可能な例、表現、及び/または例示であることを示すことを意図している(また、そのような用語は、そのような実施形態が必然的に並外れた例または最上の例であることを暗示することを意図していない)ことに留意されたい。
【0055】
本明細書で使用する、「結合された(coupled)」、「接続された(connected)」、「取り付けられた(attached)」などの用語は、2つの部材を互いに、直接的または間接的に接合することを意味する。そのような接合は、固定式(例えば、永久的)、または可動式(例えば、除去可能または取外し可能)であってもよい。そのような接合は、2つの部材、または2つの部材及び任意の追加の中間部材が、互いに単一の一体物として一体的に形成されることによって、あるいは2つの部材、または2つの部材及び任意の追加の中間部材が、互いに取り付けられることによって、実現され得る。
【0056】
本明細書における要素(例えば、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「上方(above)」、「下方(below)」など)の位置への言及は、図中の様々な要素の方向を説明するために使用されているにすぎない。様々な要素の方向は、他の例示的な実施形態に応じて異なってもよく、そのような変形形態は、本開示に包含されることが意図されていることに留意されたい。
【0057】
様々な例示的な実施形態に示されているようなモジュール及び/または機械ラインの構成及び配置は、単なる例示であることに留意することが重要である。本開示ではいくつかの実施形態のみを詳細に説明したが、本開示を検討する当業者は、本明細書に記載の主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合の変動、パラメータの値、取付け構成、材料の使用、色、方向など)が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成したものとして示している要素は、複数の部品または要素から構成されてもよく、要素の位置は、逆であってもよく、または他の方法で変更されてもよく、個別の要素または位置の性質または数は、変更または変動されてもよい。任意のプロセスまたは方法ステップの順序またはシーケンスは、代替実施形態に従って変更または再シーケンスすることができる。他の代替、修正、変更、及び省略も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な例示的な実施形態の設計、動作状態及び構成に対して、行うことができる。
【符号の説明】
【0058】
100 機械ライン、102 モジュール、102a~102n モジュール、104 物品、106 インフィード機構、108 移送タレット、108a 移送タレットポケット、110 作業タレット、110a 作業タレットポケット、112 経路、200 モジュールガードカバー、202 ワークステーション、300 ベース、302 ベース端部部分、304 脚部、306 作業端部部分、308 移送端部部分、310 シャフト、312 シャフト、320 調整サーボモータ、320a~320n サーボモータ、400 制御器、402a~402n 通信線、404 インフィールドセンサ,アウトフィールドセンサ、404a~404n センサ
【国際調査報告】