(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】駐車支援システム用超音波センサアレイ
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
H04R17/00 332A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502202
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022036704
(87)【国際公開番号】W WO2023287713
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500454987
【氏名又は名称】ロバート ボッシュ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Postfach 300220, D-70442 Stuttgart (DE)
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ペトコフ,ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】イ,セオウ ユン
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019BB19
5D019FF01
(57)【要約】
【構成】本発明の超音波センサはフレームを有し、このフレームは外周部、内周部、および中央部を有し、この中央部が内周部間に延在する。本センサはさらに2つかそれ以上のトランスデューサ素子を有する。これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子が内周部内に位置し、かつ第1圧電層および第2圧電層を備える底部を有する1つかそれ以上の膜を有する。また、これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子がそれぞれ中央部から分離し、それぞれ送信モードおよび受信モードを作動する。送信モードでは信号を送信し、そして受信モードでは信号を受信する。第2トランスデューサ素子が送信モードを作動しない場合には、第1トランスデューサ素子が送信モードを作動する。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波センサであって、
外周部、内周部、および中央部を有し、前記中央部が前記内周部を横切って延びるフレームと、
前記内周部内に位置し、かつ第1圧電層および第2圧電層を備えた底部を有する1つかそれ以上の膜を有する2つかそれ以上のトランスデューサ素子と、を有し、
前記2つかそれ以上のトランスデューサ素子がそれぞれ前記中央部から離間し、これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子がそれぞれ送信モードおよび受信モードを作動するように構成され、前記送信モードが信号を送信するように構成され、かつ、前記受信モードが信号を受信するように構成され、第2トランスデューサ素子が前記送信モードを作動しない場合に第1トランスデューサ素子が上記送信モードを作動し、そして前記第1トランスデューサ素子および前記第2トランスデューサ素子がさらに前記送信モードおよび前記受信モードに対応する画角を調節するように構成された、超音波センサ。
【請求項2】
前記第1トランスデューサ素子が前記送信モードを作動しない場合に、前記第2トランスデューサ素子が前記送信モードを作動する請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記画角が前記超音波センサに対して実質的に垂直な水平面に対して+/-20度までの角度を有する請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項4】
ガスケットが前記内周部を取り囲む請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記第1トランスデューサ素子および前記第2トランスデューサ素子のそれぞれの中心点がほぼ半波長離間するように該第1トランスデューサ素子および該第2トランスデューサ素子を配置する請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記フレームは、前記1つかそれ以上のトランスデューサ素子の上面及び前記中央部から離間して延在する前記フレームの底部に取り付けられる延在部分を有する請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項7】
前記フレームはハウジングによって取り囲まれ、前記センサが前記フレームと前記ハウジングとの間にシール部分を有し、このシール部分が前記フレームを取り囲む請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項8】
前記の2つかそれ以上のトランスデューサ素子が同期して動作するように構成され、かつ、前記送信モードと前記受信モードとの間で多重化される請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項9】
前記の2つかそれ以上のトランスデューサ素子が前記送信モードおよび前記受信モードの両者を使用するフェーズドアレイとして動作するように構成された請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項10】
前記フェーズドアレイが+/-20度でのビームステアリングを制限するように構成された請求項9に記載の超音波センサ。
【請求項11】
超音波センサであって、
フレームであって、外周部、内周部、該フレームの上面から離間して延在する垂直中央部、および水平中央部を有し、この水平中央部が該フレームの前記内周部を横切って延び、そして前記垂直中央部が上側列のトランスデューサ素子と下側列のトランスデューサ素子とを分離するフレームと、
前記内周部内に位置する4つかそれ以上のトランスデューサ素子と、を有し、
前記4つかそれ以上のトランスデューサ素子はそれぞれ送信モードおよび受信モードを動作させ、前記送信モードが信号を送信するように構成され、かつ前記受信モードが信号を受信するように構成され、第2トランスデューサ素子が前記送信モードを作動しない場合に、第1トランスデューサ素子が前記送信モードを作動し、そして前記第1および第2トランスデューサ素子がさらに前記送信モードおよび前記受信モードに対応する迎角を調節するように構成された、超音波センサ。
【請求項12】
第2対のトランスデューサ素子が前記送信モードを作動しない場合に、第1対のトランスデューサ素子が前記送信モードを作動する請求項11に記載の超音波センサ。
【請求項13】
前記第1対のトランスデューサ素子が前記上側列であり、そして前記第2対のトランスデューサ素子が前記下側列である請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項14】
前記第1対のトランスデューサ素子が前記下側列であり、そして前記第2対のトランスデューサ素子が前記上側列である請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項15】
前記第1対のトランスデューサ素子の位相および前記第2対のトランスデューサ素子の位相がずれている請求項14に記載の超音波センサ。
【請求項16】
前記第1対のトランスデューサ素子の位相および前記第2対のトランスデューサ素子の位相が一致している請求項14に記載の超音波センサ。
【請求項17】
超音波センサであって、
外周部、内周部、および水平中央部を有し、前記水平中央部が前記内周部を横切って延びるフレームと、
前記内周部内に位置する2つかそれ以上のトランスデューサ素子と、を有し、
前記2つかそれ以上のトランスデューサ素子は、相互に離間した第1圧電層および第2圧電層を備える底部を有する1つかそれ以上の膜を有し、これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子はそれぞれ送信モードおよび受信モードを作動するように構成され、前記送信モードは信号を送信し、かつ前記受信モードは信号を受信するように構成され、第2トランスデューサ素子が前記送信モードを作動しない場合に、第1トランスデューサ素子が前記送信モードを作動し、そして前記第1トランスデューサ素子および前記第2トランスデューサ素子がさらに前記送信モードおよび前記受信モードに対応する画角を調節するように構成された、超音波センサ。
【請求項18】
前記フレームは、前記水平中央部及び該フレームの上面から離間して延在する垂直中央部を有する請求項17に記載の超音波センサ。
【請求項19】
前記画角が前記超音波センサに対して実質的に垂直な水平面に対して+/-20度の角度を有する請求項17に記載の超音波センサ。
【請求項20】
前記第1トランスデューサ素子および前記第2トランスデューサ素子のそれぞれの中心点がほぼ半波長離間するように該第1トランスデューサ素子および該第2トランスデューサ素子を配置する請求項17に記載の超音波センサ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年7月12日に出願された米国出願第17/373,246号の利益および優先権を主張する。この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、駐車支援システムで利用されるものなど、超音波センサまたは他のタイプのセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
既存の駐車支援システムは、車両の1つのバンパーまたは各バンパーに沿った別個の位置に取り付けられた超音波センサ(例えば、4~6個のバルク)を利用することができる。各センサは、典型的にはアルミニウムから構築され、音圧波を送受信する屈曲膜を用いて実施されてもよい。送信された波は、特定の距離にある標的物体に移動し、反射した後に膜に戻り、そこで電圧信号を生成する。電圧は読み出し電子回路によって検出され、飛行時間が推定され、ターゲットまでの距離の推定値が得られる。
【発明の概要】
【0004】
一つの実施態様の超音波センサはフレームを有し、このフレームは外周部、内周部、および中央部を有し、中央部は内周部間に延在する。本センサはさらに2つかそれ以上のトランスデューサ素子を有する。2つかそれ以上のトランスデューサ素子は内周部内に位置し、第1圧電層および第2圧電層を備える底部を有する1つかそれ以上の膜を有する。2つかそれ以上のトランスデューサ素子はそれぞれ中央部から分離し、これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子はそれぞれ送信モードおよび受信モードを作動する。送信モードでは信号を送信し、そして受信モードでは信号を受信する。第2トランスデューサ素子が送信モードを作動しない場合には、第1トランスデューサ素子が送信モードを作動する。第1トランスデューサ素子および第2トランスデューサ素子はさらに送信モードおよび受信モードに対応する画角ないし視野角(field-of-view angle)を調節する構成を有する。
【0005】
第2実施態様の超音波センサはフレームを有し、このフレームは外周部、内周部、フレームの上面から離間延在する垂直中央部、および水平中央部を有する。水平中央部はフレームの内周部間に延在し、垂直中央部が上側列のトランスデューサ素子および下側列のトランスデューサ素子を分離する。本センサはさらに4つかそれ以上のトランスデューサ素子を有する。これら4つかそれ以上のトランスデューサ素子は内周部内に位置し、それぞれ送信モードおよび受信モードを作動し、送信モードでは信号を送信し、かつ受信モードでは信号を受信する。第2トランスデューサ素子が送信モードを作動しない場合には第1トランスデューサ素子が送信モードを作動し、第1トランスデューサ素子および第2トランスデューサ素子がさらに送信モードおよび受信モードに対応する迎角を調節する構成を有する。
【0006】
第3実施態様の超音波センサはフレームを有し、このフレームが外周部、内周部、および中央部を有し、この中央部が内周部間に延在する。本センサは2つかそれ以上のトランスデューサ素子を有し、これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子は内周部内に位置し、第1圧電層および第2圧電層を備える底部を有する1つかそれ以上の膜を有する。これら2つかそれ以上のトランスデューサ素子はそれぞれ中央部から分離し、それぞれ送信モードおよび受信モードを作動する。送信モードでは信号を発信し、そして受信モードでは信号を受信する。第2トランスデューサ素子が送信モードを作動しない場合には第1トランスデューサ素子が送信モードを作動し、そしてさらに第1トランスデューサ素子および第2トランスデューサ素子が送信モードおよび受信モードに対応する画角ないし視野角を調節する構成を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】トランスデューサの例示的な実施形態の図である。
【
図2】ピストンモードのトランスデューサの例示的な実施形態の図である。
【
図3A】平行な屈曲モードおよびピストンモードの側面図の一例である。
【
図3B】トランスデューサが作動しているときの屈曲モードを示す図である。
【
図3C】トランスデューサの屈曲モードとピストンモードとの両方が作動しているときの側面図である。
【
図4】様々なピストンモード設計の様々な実施形態を全体の変形と比較するグラフである。
【
図5A】矩形形状の膜を有する実施形態の断面図である。
【
図5B】膜が除去されたトランスデューサの実施形態の上面図である。
【
図6】トランスデューサ内のピストン膜のシミュレートされた変位を示す図である。
【
図7】フレームまたはガスケットのないトランスデューサの作動の側面図である。
【
図8】トランスデューサの作動の側面図の代替実施形態を示す図である。
【
図9】支持構造内に2つのトランスデューサを有するアレイの実施形態を示す図である。
【
図10A】底部のハードストップ実施態様を利用するトランスデューサの側面図の一例である。
【
図10B】半径方向外側に延在するハードストップ実施態様の一例を示す。
【
図10C】支持構造の頂部におけるハードストップ実施態様を利用するトランスデューサの側面図の一例である。
【
図11】屈曲カンチレバーの上面透視図の実施形態を開示する図である。
【
図12】カンチレバーが分布された上面透視図の実施形態を開示する図である。
【
図13A】ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第1の実施形態を開示する図である。
【
図13B】ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第2の実施形態を開示する図である。
【
図13C】ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第3の実施形態を開示する図である。
【
図13D】ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第4の実施形態を開示する図である。
【
図14A】ピストン膜の中心に質量を加えた代替的な実施形態の底面斜視図の実施形態を開示する図である。
【
図14B】8つのカンチレバーを含む、ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の実施形態を開示する図である。
【
図15A】膜に取り付けられた懸架部分を有するカンチレバーの例示的な実施形態を開示する図である。
【
図15B】ハードストップとして作用する基板を有するカンチレバーの例示的な実施形態を開示する図である。
【
図15C】基板に取り付けられていないカンチレバー部分の例示的な実施形態を開示する図である。
【
図16A】カンチレバーと基板との間の小さな追加の層を利用する実施形態を開示する図である。
【
図16B】カンチレバーと基板との間のキャビティを含む実施形態を開示する図である。
【
図17A】カンチレバーにボトムスタブを有するカンチレバーの実施形態を示す図である。
【
図17B】両端にスタブを有し、基板に接続されたカンチレバーの実施形態を開示する図である。
【
図17C】2つのカンチレバーを利用する実施形態を開示する図である。
【
図18】静電作動を利用するカンチレバーの実施形態を開示する図である。
【
図19A】自由端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図19B】自由端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図19C】自由端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図19D】自由端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図19E】自由端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図19F】自由端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図20A】固定ガイド端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図20B】固定ガイド端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図20C】固定ガイド端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図20D】固定ガイド端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図20E】固定ガイド端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図20F】固定ガイド端を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図21A】支持構造に接続されたブリッジの様々な実施形態を開示する図である。
【
図21B】支持構造に接続されたブリッジの様々な実施形態を開示する図である。
【
図21C】支持構造に接続されたブリッジの様々な実施形態を開示する図である。
【
図21D】支持構造に接続されたブリッジの様々な実施形態を開示する図である。
【
図21E】支持構造に接続されたブリッジの様々な実施形態を開示する図である。
【
図21F】支持構造に接続されたブリッジの様々な実施形態を開示する図である。
【
図22A】カンチレバーの第1の例示的な実施形態を開示する図である。
【
図22B】ボトムスタブを有するカンチレバーの実施例を開示する図である。
【
図23A】分散された質量負荷の不整合の実施例を開示する図である。
【
図23B】ボトムスタブおよび底部上のハードストップを有するカンチレバーの実施例を開示する図である。
【
図24A】ギャップがカンチレバーに接続する材料(例えば、接着剤、シールガラスなど)層によって判定される実施形態を開示する図である。
【
図24B】ギャップが基板上の予めエッチングされた凹部によって判定され得るカンチレバーの実施形態を開示する図である。
【
図24C】静電作動による分散質量負荷を有するカンチレバーの実施形態を開示する図である。
【
図24D】キャビティの静電作動による分散質量負荷を有するカンチレバーの実施形態を開示する図である。
【
図25A】ほぼ完全から完全に整列したカンチレバーを開示する図である。
【
図25B】オフセットして整列したカンチレバーを開示する図である。
【
図26A】トップスタブ設計を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図26B】トップスタブ設計を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図26C】トップスタブ設計を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図26D】トップスタブ設計を有するカンチレバーの様々な実施形態を開示する図である。
【
図27A】駐車支援センサの実施形態を開示する図である。
【
図27B】動作中の駐車支援センサの図を開示する図である。
【
図28】正方形のトランスデューサ素子を有するトランスデューサのアレイを有するセンサ素子の上面図を開示する図である。
【
図29A】送信する要素の一方の列と受信する要素の他方の列とを利用する実施形態、ならびに付随する図およびグラフを開示する図である。
【
図29B】すべての要素が送信と受信との両方のために同期して動作するように構成され、標準的な駐車支援システムと同様の性能をもたらす動作モードを示す実施形態、ならびに付随する図およびグラフを開示する図である。
【
図29C】位相シフトステアリングで動作し、FoVが短距離検出のために下方に向けられる結果となる、1つまたは複数のトランスデューサ素子の実施形態、ならびに付随する図およびグラフを開示する図である。
【
図29D】位相シフトステアリングで動作し、FoVが長距離検出のために上方に向けられる結果となる、1つまたは複数のトランスデューサ素子の実施形態、ならびに付随する図およびグラフを開示する図である。
【
図30】矩形ビームを含むように開示されたセンサ素子構成を開示する図である。
【
図31A】2つのトランスデューサ素子を有するフレームを含むアレイの実施形態を開示する図である。
【
図31B】2つの素子のアレイに関連するフレームを開示する図であり、トランスデューサ素子が欠落していることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態を本明細書で説明する。しかしながら、開示された実施形態は単なる例であり、他の実施形態は様々な代替形態をとることができることを理解されたい。図は必ずしも縮尺通りではない。特定の構成要素の詳細を示すために、いくつかの特徴を誇張または最小化することができる。したがって、本明細書に開示された特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に当業者に実施形態を様々に使用することを教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。当業者が理解するように、図のいずれか1つを参照して図示および説明された様々な特徴は、1つまたは複数の他の図に示された特徴と組み合わせて、明示的に図示または説明されていない実施形態を生成することができる。図示の特徴の組み合わせは、典型的な用途の代表的な実施形態を提供する。しかしながら、本開示の教示と一致する特徴の様々な組み合わせおよび修正は、特定の用途または実施態様に望ましい可能性がある。
【0009】
以下の実施態様に機能を強化した超音波センサを示す。以下に記載する例示的な実施態様では、標準的な超音波センサ単体のフォームファクター内に含まれるいくつかのピストン形式トランスデューサを使用する。トランスデューサ領域を独立した素子に仕切ることで、センサ機能にいくつかの改善を得ることができる。下記の実施態様では、異なる個数の素子の作動時に、視野を動的に変更できる。本センサでは個別の素子からの送受信を同時に実施できるため、最小検出可能範囲を改善できる。さらに、トランスデューサがフェーズドアレイとして動作する場合に、ビームステアリング機能を実現でき、ターゲットイメージングの回数を増やすことができる。
【0010】
図1は、トランスデューサ100の第1の実施形態の一例である。トランスデューサは、支持領域101および膜105を含むことができる。支持領域101は、膜の固定支持領域であってもよい。トランスデューサが自動車、産業、医療、または他の用途(完全なシールが必要なマイクロポンプなど)などの過酷な環境に曝されると、トランスデューサは、高速粒子からの衝撃に耐え、汚染に対するバリアを提供し、寒冷な気候で凍結する可能性がある空気中の水分への曝露を防止し、過酷な化学物質または流体への曝露を回避し、高圧洗浄プロセスに耐えるなどする必要があり得る。そのような用途では、設計の選択は、通常、衝撃に耐えるための特定の厚さの連続膜、または、より脆弱な膜であるが、過酷な環境から膜を保護することができるハウジングまたは包装を有する。しかしながら、ハウジングまたはパッケージは、信号または性能の損失を引き起こすことが多く、望ましくない。さらに、特定の厚さを有する連続膜の場合、膜の厚さが厚いほど、衝撃によりよく耐えることができるが、同時に、そのような膜を撓ませることがより困難でもある。したがって、本発明の記録では、大きな信号または膜の変位を達成しながら過酷な環境に対処するための新しいトランスデューサ設計方法が導入される。
【0011】
パークパイロットトランスデューサの車両用途では、このような過酷な環境(例えば、泥、氷、石の衝突)に耐えることができ、共振周波数を特定のパラメータ(例えば48kHz)に設定し、測定範囲を5.5mにし、製造コストを最小限に抑えることが重要であり得る。広い測定範囲を達成するために、トランスデューサは、十分な音圧レベルを生成することができなければならず、これはひいては、十分な量の空気を変位させることができる膜を意味し、また、顕著な機械的振動が電気出力信号に変換されなければならないような方法で膜によって吸収されなければならない到来波にも敏感でなければならない。
【0012】
実施形態によれば、膜の屈曲モードは、膜103、104のすべての境界が固定支持体に接続され、膜の中心105のみが撓む(例えば、膜105の中心は最も大きく撓むが、支持領域101は撓まない)場合であり得る。したがって、膜の境界103,104は、膜の中心105自体よりも少ない動きを生成し得る。中心105が支持領域101から離れるように面外に移動するにつれて、支持構造101の近くに位置する他の境界は、中心105よりも少ない振動を有することができる。例えば、境界103は、境界104よりも少ない面外移動を有することができる。
【0013】
図2は、トランスデューサのピストンモードの一例である。ピストンモードでは、膜のすべての境界が自由に動き、膜は、表面全体が等しく変位するように撓む。固定支持領域201は、トランスデューサ200の膜の中心205を囲むことができる。中心膜205は、ガスケット203またはシール203を介して固定支持領域201に接続することができる。固定支持領域201は、固定支持領域201に対して運動を有さなくてもよく、または面外運動をほとんど有さなくてもよい。トランスデューサ200は、膜205の運動に基づいて超音波信号の送信を生成することができる。膜205に対する運動が多いほど、超音波信号の送信のパワーが大きくなる。
【0014】
図3Aは、平行な屈曲モードおよびピストンモードの側面図の一例である。
図3Bは、トランスデューサが作動しているときの屈曲モードの側面図である。
図3Cは、屈曲モードとピストンモードとの両方が作動されている状態の側面図である。多くの実施形態では、超音波トランスデューサの屈曲モードとピストンモードとを組み合わせる複数の方法があり得る。一実施形態では、屈曲モードとピストンモードとの両方が同じ膜に作用する。代替的な実施形態では、屈曲モードのカンチレバーまたは膜は、運動をピストンモードの膜に移行する。そのような実施形態は、固定支持体および境界条件がどのように判定されるかに応答することができる。いくつかの実施形態では、圧電(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))作動および感知を例として説明しているが、そのような実施形態は、静電作動または容量性感知、ならびに電磁などに拡張することができる。一実施形態では、システムは屈曲モードとピストンモードとの並列接続を有してもよい。
【0015】
従来、屈曲モードの膜の場合、圧電層を膜の中心に配置することができ、電圧が印加されると、圧電層は膜上に面外変位を生成しながら膜と面内で膨張または収縮(例えば、逆圧電効果として知られている)することができる。膜の縁部は、固定支持体に境界付けられ、縁部の動きを制限することができる。この屈曲モードは、大きな変位を達成することができる可撓性の薄い膜に最も効果的であり得る。同様に、感知のために、膜への圧力は圧電層に撓みを引き起こし、機械エネルギーを電気エネルギーに変換し(圧電効果として知られている)、電圧変化が記録される。膜の可撓性が高いほど、撓みが大きくなり、したがって電圧変化が大きくなる。
【0016】
図3Aに示すように、膜301の縁部上の固定支持体の代わりに、膜301は、支持構造305に接続され、外側縁部上でも膜301の平面外への移動を可能にし、屈曲モード変位のみよりも高い膜変位を生成する。膜は、中間圧電層303または外側圧電層303を含むことができる圧電層303を含むことができる。中間圧電層303は、膜301の中間または中心に配置されてもよい。外側圧電層303は、膜301を支持構造305に接続していてもよい。したがって、圧電層は、膜301と支持構造305との間の層であってもよいが、変換器は、圧電層または支持構造を含まない膜301の底面の下の部分を含んでもよい。圧電層303は、様々な信号および作動に応答して電気信号を生成するために利用することができる。圧電層303は、膜の中心にあってもよく、膜と同心であってもよい。さらに、第1の圧電層は、膜の外縁と位置合わせされた第2の圧電層に接触または当接しなくてもよい。第1および第2の圧電層は、軸方向に整列し、互いに平行であってもよい。
図3Aに示すように、膜の上面および底面は実質的に平行である。膜301の縁部上の固定支持体の代わりに、膜301は、支持構造305に接続され、平面外への移動を可能にし、屈曲モード変位のみよりも高い膜変位を生成する。別の実施形態では、中間圧電層303は、中空中心を有するリングであってもよく、したがって中実ディスクでなくてもよい。
【0017】
図3Bは、トランスデューサが作動されるときの屈曲モード310である。そのような実施形態では、屈曲モードのみを作動させることができ、したがってピストンモードは作動されない。そのようなシナリオにおける支持構造305は、剛性であり、膜301の上面および底面から離れる動きをほとんど提供しない場合がある。支持構造305は、シリコンまたは任意の他の材料であってもよく、第1のパッシブピストン移動(図示せず)を可能にする。したがって、中心圧電層303は、膜の中心部分に向かって膜301の面外移動を引き起こすことができる。
【0018】
図3Cは、トランスデューサの屈曲モードとピストンモード320との両方が作動しているときの側面図である。図示されているように、そのようなモードは、膜301の上面から離れる移動と、平行に膜を横切って延びる軸からの面外移動とを引き起こす。両方の支持構造を横切る水平軸から軸方向に離れた膜301の一部もまた、水平軸から離れる動きを引き起こすことができる。
図3Cに示すように、膜301の上面から離れる動きは、圧電層303に隣接する膜の各領域にある。
【0019】
図4は、様々なピストンモード設計の様々な実施形態を全体の変形と比較するグラフの図である。グラフは、様々な設計の変形を示すことができ、本出願の実施形態は右端にある。本出願は、膜の中心に圧電層を含み、支持構造および膜を取り付ける。グラフは、すべての側に固定支持体を有するトランスデューサの一例を示すことができ、したがって、固定支持体は、膜の各軸方向側にあり、膜の中央部分に圧電層を有することができる。別の例では、固定支持体は、膜および圧電層に取り付けられてもよい。さらに別の例では、圧電層は、膜の中心セクションのみにあってもよい。シミュレーションから、屈曲モード設計とピストンモード設計との組み合わせで10倍もの改善を達成することができる。これを
図4に示す。
【0020】
もちろん、代替的な実施形態では、システムに連続面が必要な場合、材料のばね定数が縁部の膜の動きを制限しないように十分に低い限り、構造全体をより低いヤング率の材料と接続してトランスデューサとその周囲のシステムとの間のギャップをシールすることができる。
【0021】
厚いビーム/膜を有する従来のセンサ用のクランプ締め-クランプ締めされたビームまたは円形膜を囲むガスケットでは、2umの厚さのPZT層に堆積されたMEMSを用いてそのような構造を作動させることは非常に非効率的であり得る。したがって、別の実施形態では、周囲のガスケットを有するピストン設計が
図5に示されている。ピストン膜は、その下の屈曲モードのカンチレバーによって作動され得る。移行は屈曲モードからピストンモードに変化する。このような設計では、薄いカンチレバーの作動に費やされるエネルギーは、厚いビームを屈曲させるために費やされるエネルギーよりも効率的であり得る。
【0022】
図5Aは、トランスデューサ500の矩形形状の膜501を有する実施形態の透視図の断面を示す。膜501はピストンのように(例えば、均一に)機能することができ、一方、ガスケット503のリングは、膜の動きを知覚的に制限することなく環境に対してシールするのに十分な支持を提供することに留意されたい。この実施形態は、依然として過酷な環境に耐えながら大きな撓みを達成することができる。カンチレバーも利用することができる。カンチレバーは、ガスケット503を囲む領域内の膜の動きを可能にするピストンモードへの駆動部として作用することができる。カンチレバーは、膜を作動させるために利用されるように、膜または膜の一部を取り囲む1つの完全な包囲または複数のカンチレバーを含むことができる。ガスケット503は、膜501を囲み、膜501を支持構造に取り付けるために利用することができる。そのような代替の実施形態では、構造は、屈曲モードとピストンモードとの直列接続を含むことができる。
【0023】
屈曲モードとピストンモードとの並列接続を含む実施形態は、可撓性で薄い膜に対してより大きな変位を達成することができるが、より剛性でより厚い膜を偏向させることはより困難であり得る。並列接続は、トランスデューサの支持構造に剛性を付加するために利用することができる構成または設定で支持体またはカンチレバービームを配置することを指すことができる。代替的な実施形態では、変位をピストンモード膜に移行するために屈曲モードのカンチレバーを利用することができる。したがって、薄くて柔軟なカンチレバー(約1~100μm)を偏向させることは、厚くて堅い膜(厚さ>100μm)を撓ませることよりも容易である。粒子からの衝撃に耐えるために、より厚い膜(>100μm)が必要とされ得るので、より厚い膜は、ピストンモード構成で可撓性カンチレバーによって作動され得る。さらに、環境への連続面のために、より低いヤング率の材料(例えば、シリコーンゲルまたはゴムシリコーン)を使用して、より厚い膜の周りのリングをシールすることができ、ガスケットの効果が縁部での膜の動きを制限する際に比較的低いガスケットと同様である。
【0024】
圧電作動のための実施形態の1つの例示的な構成では、カンチレバーまたは屈曲要素は、圧電厚さ2μmに対して100μmよりも薄く、またはそれに対応して、圧電厚さ1μmに対して50μmよりも薄くなければならない。さらに、代替的な設計では、カンチレバー505のばね定数は、ガスケット材料の温度または環境に対する変動性がトランスデューサの全体的な性能に与える影響が少なくなるように、ガスケット材料のばね定数よりも少なくとも一桁大きくなければならない。剛性のこの大きさの差の程度は、カンチレバービームがシステムの主要な剛性であることを保証する。したがって、超音波センサの共振周波数は主にカンチレバービームの剛性によって判定されるが、ガスケットの剛性の変化はほとんど影響を及ぼさない。したがって、共振周波数は、カンチレバービームの剛性に関連付けられる。共振周波数の変動を低減するために、カンチレバービームをシリコンで作ることができ、これはガスケットに使用される典型的な材料(例えば、ゴムまたはシリコーン)よりも機械的に安定し得る。
【0025】
カンチレバーを有するこの代替実施形態を使用することによるさらなる利点は、ピストンモード装置が他の実施形態とは対照的に約1/2のサイズ(上記の例)であり、依然として同じ体積の空気を移動させることができるため、はるかに小さくすることができることである。また、屈曲膜の場合、円形または楕円形の幾何学的形状を使用して、2次元の所望の指向性の音響および/または超音波信号を生成することが必須である。しかしながら、ピストン運動のための膜の形状はいずれの方法でも限定されない。この点は、膜形状が音響または超音波発生器用のセンサの作動容積を画定し、新しい機能的特徴および構成要素の小型化に関する可能性を許容するので、特に重要である。
【0026】
デバイス(膜なしで示されている)の上面図を示す
図5Bに示されているように、8つのカンチレバー507の組み合わせは、カンチレバー509の中心に示されている部分を有する膜のピストン運動の駆動部としての役割を果たす)。
図5Bのそのような図では、膜の正方形部分は、カンチレバー507を強調するために透明である。8つのカンチレバー507は、圧電材料を収容するために利用することができ、これは膜の上面および面外変位で正方形膜を移動させるために利用することができる。ガスケット503は、図示されていない膜の外縁に取り付けるために利用することができる。
【0027】
図6は、トランスデューサ600におけるピストン膜のシミュレートされた変位を示す。
図6に示すように、膜605およびガスケット603は、ピストンモードで移動することができる。
図6は、ピストン膜の中心セクションにおけるピストン膜605のシミュレートされた変位を示す。したがって、膜605は変位することができ、要素のカンチレバーまたは他の剛性部分601(例えば、支持構造)の残りは堅固であり得る。したがって、トランスデューサのピストンモードが作動されると、膜およびガスケットは移動を可能にするが、支持構造はいかなる移動も可能にしない。
【0028】
図7は、トランスデューサ700の作動の側面図を示す。図示のように、膜705は、正のz方向に面外になるように作動される。膜711の上面および膜712の底面は、支持構造またはガスケット(図示せず)からの支持なしで互いに平行である。膜705は、膜の底面をカンチレバー706および支持構造701に接続する中心部分709を含むことができる。そのような実施形態では、作動は、図示のように正のz方向において面外であり、膜705が面外であるとき、支持構造701と膜705との間にギャップが存在し得る。
【0029】
図8は、トランスデューサ800の作動の別の側面図/断面図を示す。図示のように、膜805は、負のz方向(または側面透視で半径方向内側)において面外の作動を有することができる。膜805は、
図7で説明したように支持構造801に接続することができる。したがって、膜805が負のz方向において面外で作動しているとき、膜805は支持構造801と接触していてもよく、またはそれに近接していてもよい。したがって、
図7および
図8はトランスデューサの作動を示し(ガスケットはよりよく説明するために示されていない)、
図7は正のz方向の面外作動を示し、
図8は負のz方向の面外作動を示す。
【0030】
図9は、支持構造901内の2つのトランスデューサ膜905のアレイ900の実施形態を示し、一方は正のz方向(例えば905a)を有するピストンモードで作動され、他方は負のz方向(例えば905b)で作動される。このような実施形態では、2素子アレイ構成がある。そのような実施形態では、一方のピストン膜の作動は、作動中に他方の膜に影響を及ぼさない(例えば、ここではクロスカップリング効果がない)。これらの個々の要素は、アレイ構成で配置された複数の要素に複製することができる。例えば、アレイ内に任意の数のトランスデューサが存在してもよい。トランスデューサ905(a、b)は、同期的または非同期的に(例えば、
図9に示すように)作用することができる。アレイおよびフレームのさらなる実施例を以下に説明する。
【0031】
図10Aは、底部のハードストップ実施態様を利用するカンチレバーアクチュエータの側面図の一例を示している。図示のように、カンチレバー1003は、支持構造1004に取り付けられた一端と、膜1001における一端または膜に取り付けられた接続部分とを有することができる。ハードストップ1005は底部にあり、カンチレバー1003が内側に移動して破断点を通過するのを防止することができる。したがって、作動中のカンチレバー1003の破損および故障を防止することができる。さらに、ハードストップ1005は、支持構造1004の一部として形成されてもよい。したがって、ハードストップ部1005は、支持構造1004から軸方向外側に延在してもよい。したがって、ハードストップ1005と支持構造1004との両方が軸方向外側に延在してもよい。
【0032】
図10Bは、支持構造1015の間にギャップを有して半径方向外側に延在するハードストップ実施態様の一例を示す。カンチレバー1013は、一端で膜1011に取り付けられてもよい。そのような実施態様におけるハードストップ1016は、カンチレバー1013が下方に移動して破断点を通過するのを防止することができる。そのような実施形態に示すように、カンチレバー1013は、支持構造1015から離れて軸方向に延在してもよい。しかしながら、ハードストップ1016の実施態様は、カンチレバー1013が軸に向かって半径方向内側に移動することおよび面内で移動することを防止することができる。そのような実施形態では、停止は、ハードストップ1016の上面で起こり得る。
【0033】
図10Cは、支持構造1024の上部のハードストップ実施態様を利用するカンチレバーアクチュエータの側面図の一例を示す。そのような実施形態では、ハードストップ1025は、カンチレバー1023と比較して半径方向外側にある支持構造1024の点から半径方向外側に延在してもよい。したがって、ハードストップ部は支持構造1024から軸方向外側に延在してもよい。ピストン運動するように曲がる設計に加えて、カンチレバーの破断点を越えて曲がるよりもさらに変位すること(押す力または引く力)を制限するために、カンチレバーの片側または両側にハードストップを実施することもできる。したがって、移動が半径方向内側になるのを防止するために、底部ハードストップ1025が実施されてもよい。また、上部ハードストップ1027は、半径方向上方への移動を防止することができる。ハードストップにより、ピストン膜1021は過酷な環境にさらに耐えることができる。
【0034】
図11は、屈曲カンチレバーの上面図の一例である。構造は、屈曲カンチレバーが、純粋に支持体を接続するためにそこにある未使用の角1101を有することを含む。領域は必要とされない場合があり、そのようなデバイスを製造する全体的なコストを増加させる可能性がある。さらに、質量の追加された重量は、車両の全重量に追加し得る。機能領域1103は、屈曲カンチレバーに実際の支持を提供するために利用することができる。したがって、機能領域1103は、十分に強固で堅固な構造を有する必要があり得る。フレーム1105は、構造を支持することができる。
【0035】
図12は、カンチレバーが分散された上面透視図の実施形態を開示する図である。一方、
図12では、分散カンチレバーを用いて、面積を浪費することなくカンチレバーに面積が最適に利用される。カンチレバーに必要な面積がより小さいと、利用される材料および製造コストを低減することができるため、コストを低減することができる。トランスデューサ1200は、各カンチレバーに必要な機能領域を含むことができる。この例では、各関連するカンチレバーに対して4つの機能領域1201a、1201b、1201c、1201dが存在してもよい。したがって、そのような実施形態におけるカンチレバーは、不要な材料(例えば、シリコン材料)を取り除き、カンチレバーを広げることができる。膜は、1つの固体材料であってもよい。膜は、カンチレバーよりも大きくてもよい。
【0036】
図13Aは、ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第1の実施形態を開示する図である。そのような設計では、機能領域は、トランスデューサのフレーム/基板の内周の四隅に配置されてもよい。機能領域は、カンチレバーの機能領域として利用するために、4つの側部のそれぞれの外周から離れるように延在する長方形または正方形の支持体を有することができる。
図13Bは、ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第2の実施形態を開示する図である。そのような実施形態では、機能領域は、膜の内周の2つの平行な側部のみから離れて延在する。したがって、側部のうちの2つは、利用される機能領域を有さないが、隣接していてもよい。
図13Cは、ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第3の実施形態を開示する図である。
図13Dは、ピストン膜に対するカンチレバーの変位構成の第4の実施形態を開示する図である。したがって、
図13A~
図13Dは、ピストン膜に対するカンチレバーの異なる配置および構成の例を示す。第1モード共振周波数、および高次モード共振周波数は、カンチレバーの配置、および膜に対するカンチレバーの配向によって判定され得る。特定の構成では、揺動モード周波数は、望ましくないピストンモード周波数よりも低くなり得る。
【0037】
図14Aは、膜1400の代替的な実施形態の底面斜視図の実施形態を開示する。膜1400は、ピストン膜1400の中心に付加質量1401を含むことができる。付加質量1401は、膜の中心に位置してもよい。カンチレバーの設計を超音波トランスデューサのプラットフォームまたは膜1400から切り離すことにより、トランスデューサ設計をスケーリングまたは変更することがより容易かつ便利になる。膜1400は、膜足部1403a、1403b、1403c、1403dを含むことができる。膜足部はすべて、上述のように、分散カンチレバーの実施形態に一致およびマッチするように異なる構成を有してもよい。膜足部1403aは、右下コーマに延在し、外周の底面に当接してもよい。膜足部1403bは、左下隅に延在し、外周の左側に当接してもよい。膜足部1403cは、左上隅から延在し、上側に当接してもよい。膜足部1403dは、右上隅から延在し、右側に当接してもよい。
【0038】
図14Bは、膜のプラットフォームに取り付けられるカンチレバー設計の一例を開示する。そのような例では、プラットフォームまたは膜を拡大する必要がある場合(例えば、音波の音圧レベルまたは開口角)、カンチレバーの厚さを変更するだけで、または同じ共振周波数を維持するために異なる数のカンチレバーを使用しながら、カンチレバーの設計を同じままにすることができる。これにより、デザインの汎用性が高まる。そのような実施形態では、機能領域1410は各カンチレバーに必要とされ得る。
【0039】
図15Aは、膜に取り付けられた懸架部分を有するカンチレバーの一例を開示する。膜1501はまた、プラットフォームであってもよい。膜1501は、膜1501の底面から離れて延在し、カンチレバーに取り付けられる足部を含むことができる。カンチレバーは、膜1501に接続する接続部分1503を含むことができる。カンチレバーはまた、PCBまたは別の基板もしくは構造の上に懸架された懸架カンチレバー部分1505を含むことができる。カンチレバーは、圧電層1507を含むことができる。圧電層1507は、反対の極性を有する2つ以上の層、および代替の実施形態では単層を含んでもよい。カンチレバーはまた、基板(例えば、PCB)に取り付けられる支持部分1509を含むことができる。このように、カンチレバーは、懸架部分1505と、接続部分1503と、支持部分1509とを含んでいてもよい。本開示では、圧電またはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の作動および感知を例として説明しているが、この方法は、静電作動または容量性感知、および電磁などに拡張することができる。さらに、トランスデューサは、感知装置、送信装置、または感知送信装置としてその両方で機能することができる。
【0040】
図15Bは、ハードストップとして作用する基板を有するカンチレバーの例示的な実施形態を開示する図である。第1の圧電体層部分1517および第2の圧電体層1517部分は、懸架カンチレバー部分上にあってもよい。第1の圧電体層部分と第2の圧電体層部分とは、例えば、反対の極性を有していてもよい。カンチレバーは、カンチレバーの一端で基板1518の一部である支持部1519から離れて延在するが、カンチレバー1513の反対側の端部のスタブ(図示せず)または膜に取り付けられてもよい。カンチレバー1513は、トランスデューサまたは車両システムのワイヤまたは他の構成要素に接続するためのボンド電気接続1516を含むことができる。
【0041】
図15Cは、それ自体では基板に取り付けられていないカンチレバー1523の実施形態を開示している。カンチレバーは、一または複数の圧電層1527を含むことができる。圧電層1527は、一実施形態では反対の極性であってもよく、別の実施形態では転舵位相シフトされてもよい。圧電層1527は、すべて同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。そのような実施形態では、カンチレバー1523は、支持体、ハードストップ、または基板などのトランスデューサの構成要素とは別個の材料であってもよい。カンチレバー1523は、接着剤または機械的接続を介して別の構成要素に接続されてもよい。次いで、カンチレバー1523を別の基板(例えば、PCB)に取り付けることができる。カンチレバー1523は、トランスデューサまたは車両システムのワイヤまたは他の構成要素に接続するためのボンド電気接続1526を含むことができる。
【0042】
図16Aは、カンチレバーと基板との間に小さな層(例えば、シールガラス、エピタキシャル成長シリコン、接着剤など)を利用する実施形態を開示する。カンチレバー1603は、接着層1602を介して基板1601に接続されてもよい。接着層1602は、接着層、ガラス、またはカンチレバー1603を基板1601に取り付けるための任意の他の種類の材料であってもよい。構成要素の高さは、接着層1602の高さに基づいて調整することができる。したがって、接着層1602が多いほど、カンチレバー1603の底面と基板1601の最上層との間の空隙が大きくなる。
【0043】
図16Bは、カンチレバーと基板との間のキャビティを含む実施形態を開示する図である。キャビティ1614は、基板1611の底面および側面によって画定されてもよい。キャビティ1614は、基板1611が典型的に提供するハードストップの多くを排除するため、カンチレバー1613の屈曲の柔軟性を高めることができる。キャビティ1614は、カンチレバーのさらなる屈曲を可能にする任意の形状およびサイズであってもよい。
【0044】
図17Aは、カンチレバーにボトムスタブを有するカンチレバーの実施形態を示す図である。電気ボンド1702は、様々なワイヤをカンチレバーに接続するために利用することができる。カンチレバーは、第1のスタブ1704aおよび第2のスタブ1704bを含んでもよい。そのような実施形態では、カンチレバーはスタブ1704a、1704bと共に示されているが、いずれの基板にも取り付けられておらず、したがって分離されている。一実施形態では、スタブ1704a、1704bは同じ高さを有さなくてもよいが、異なる高さであってもよい。別の実施形態では、スタブは、
【0045】
図17Bは、両端にスタブを有し、基板に接続されたカンチレバーの実施形態を開示する図である。破断点を超える屈曲によるカンチレバーの損傷を防止するために、そのような損傷を回避するためにハードストップを見ることができる。カンチレバーの破断は、わずか1~50um(またはそれより小さいか大きい)の大きさの屈曲で発生する可能性がある。このような実施形態では、
図15Bの実施形態とは対照的に、カンチレバーは、単一の連続的な構成要素ではなく、両端にスタブ1741a、1741bが取り付けられた構成要素である。ギャップ1716は、ある程度の柔軟性を可能にし得るスタブ1741bの一端間に存在し得る。ハードストップ1717は、極端な屈曲を緩和し、可撓性の破損を防止するために実施されてもよい。一実施形態では、圧電層1703は反対の極性を含むことができる。代替的な実施形態では、ハードストップ1717はカンチレバーの別個の構成要素または1つの連続した構成要素であってもよい。電気ボンドパッド1712は、様々なワイヤをカンチレバーに接続するために利用することができる。
【0046】
図17Cは、2つのカンチレバーを利用する設計を開示する図である。2つのカンチレバー1724a、1724bは、ハードストップ保護に接続された共通の中間スタブ1728(例えば、中間柱)によって接続することができる。ハードストップ保護はシリコン製であってもよい。電気ボンディング接続部は、電線を介した作動を可能にするように配置されてもよい(1722)。ギャップ1726は、カンチレバーの自由な振動を可能にすることができる。ギャップ1726は、典型的には1~50μmの間であり得る。ギャップ1726は、カンチレバー1724a、1724bの支持部分の底部または中間柱1728の間に形成されてもよい。複数の圧電層1723が含まれ、カンチレバー上に配置されてもよい。圧電層1723は、各対がそのグループ内で反対の極性を含む対であってもよい。
【0047】
図18は、静電作動を利用するカンチレバーを開示する。圧電層の代替として、静電作動を利用することができる。そのような実施形態では、カンチレバー1801と基板1807との両方に電極を堆積させることができる。カンチレバー上の電極1805が図の上部に示されているが、電極はカンチレバーの底部にあるように構成することもできる。様々な実施形態では、電極1805は、カンチレバーの上部または下部のいずれかにあってもよく、また、カンチレバー1801の上部および下部の両方にあってもよい。カンチレバー1801は、作動のためにワイヤをカンチレバー1801に接続するための電気接合接続部1803を含むことができる。実施形態では、電極がカンチレバーの底部にあるとき、プラットフォームの取り付けは、電極の位置によって妨げられ得る。
【0048】
図19A~
図19Fは、自由端を有し、カンチレバーの上に質量が分布している様々なカンチレバーを開示している。
図19Aは、支持構造1903の上面に取り付けられたカンチレバー1901を開示している。カンチレバー1901は、円形、長方形などの様々な形状およびサイズを含むことができる。プラットフォームは、カンチレバーとして利用することができる。プラットフォームは、基板とプラットフォームの底部との間に空隙を含むことができる。様々な実施形態では、プラットフォームはまた、カンチレバー設計に加えて、ブリッジ設計またはダイアフラム設計を含むことができる。プラットフォームは、長方形、円形、丸い形などの任意の形状であってもよい。そのような実施形態では、カンチレバーは、カンチレバーの移動またはカンチレバーの屈曲を防止する支持構造1903のアンカー底部を有してもよい。
図19Bは、上面とは反対側の支持構造1903の側部に取り付けられたカンチレバー1901を開示している。
【0049】
図19Cは、支持構造1903の上面に取り付けられたカンチレバー1901を開示している。そのような実施形態では、カンチレバーは、支持構造の反対側の端部で上下に移動する可撓性を有することができる。上記の実施形態とは異なり、カンチレバーの移動またはカンチレバーの屈曲を防止するアンカー底部はなくてもよい。
図19Dは、支持構造1903の側部に取り付けられたカンチレバー1901を開示している。そのような実施形態では、支持構造の側部にアンカーが存在しないため、カンチレバー1901は自由端の変位を有することができる。
【0050】
図19Eは、支持質量1907を有する支持構造1903の上面に取り付けられたカンチレバー1901を開示している。そのような実施形態では、カンチレバーは、支持構造の反対側の端部で上下に移動する可撓性を有することができる。上記の実施形態とは異なり、カンチレバーの移動またはカンチレバーの屈曲を防止するアンカー底部はなくてもよい。
図19Fは、支持質量1907を有する、支持構造1903の側部に取り付けられたカンチレバー1901を開示している。そのような実施形態では、支持構造の側部にアンカーが存在しないため、カンチレバー1901は自由端の変位を有することができる。カンチレバー1901はまた、超音波センサの膜であり得るか、または膜へのアタッチメントであり得る支持質量1907を含むことができる。したがって、分散質量および支持構造へのカンチレバー取り付けに関して超音波トランスデューサに利用することができる様々な実施形態がある。
【0051】
図20Aは、支持構造2003の上面に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。
図20Aは、支持構造2003の上面に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。そのような実施形態では、カンチレバーは、カンチレバーの移動またはカンチレバーの屈曲を防止する支持構造2003にアンカー底部を有してもよい。
図20Bは、上面とは反対側の支持構造2003の側部に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。そのような実施形態に示すように、カンチレバーは、支持構造に取り付けられた端部から離れるにつれて、分散質量に向かって上方に移動する。
【0052】
図20Cは、支持構造2003の上面に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。そのような実施形態では、カンチレバーは、支持構造の反対側の端部で上下に移動する可撓性を有することができる。これにより、自由端が固定され、案内される。そのような実施形態では、カンチレバー2001はガイドされてもよく、したがって平坦で基板と平行でなくてもよい。自由端カンチレバーと固定ガイドビームとの間の差は、移動端の軌道にあり得る。一方の側は基板に固定されてもよく、まったく移動しない。他方の側は、自由端カンチレバーの湾曲軌道に沿って自由に揺動することができる。言い換えれば、ビームは、移動端上で何も移動を抑制することなく固定端の周りで屈曲する。したがって、変曲点が存在しなくてもよい。固定ガイドビームでは、移動端が基板と平行になるように制限されてもよい。したがって、ビームは、両端で基板に平行であってもよい。一方の端部は上下に動くことができ、他方の端部は基板に固定または取り付けられる。これは、中心に変曲点を強制し、変位したビームの「S」形状をもたらすことができる。上記の実施形態とは異なり、カンチレバーの移動またはカンチレバーの屈曲を防止するアンカー底部はない。
図20Dは、支持構造2003の側部に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。そのような実施形態では、支持構造の側部にアンカーが存在しないため、カンチレバー2001は自由端の変位を有することができる。そのような実施形態では、自由端は固定され、案内される。
【0053】
図20Eは、支持構造2003の上面に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。そのような実施形態では、カンチレバーは、支持構造の反対側の端部で上下に移動する可撓性を有することができる。これにより、自由端が固定され、案内される。一実施形態では、カンチレバーの移動またはカンチレバーの屈曲を防止するアンカー底部はなくてもよい。
図20Fは、支持構造2003の側部に取り付けられたカンチレバー2001を開示している。そのような実施形態では、支持構造の側部にアンカーが存在しないため、カンチレバー2001は自由端の変位を有することができる。そのような実施形態では、自由端は固定され、案内される。
【0054】
一方、ブリッジは、カンチレバーと同様であり、最も一般的な構成は、長方形のブリッジの短い方の縁部の両方が支持体に固定され、長い方の縁部が自由に曲がるか、または撓むことである。実施形態は、すべての縁部が支持体に境界付けられるかまたは固定される完全にクランプされた膜およびダイアフラムであってもよい。膜およびダイアフラムの中心のみが屈曲するか、または撓む。
【0055】
図21Aは、左支持構造2103aおよび右支持構造2103bに接続されたブリッジ2101を開示している。アンカーは、左右の支持構造に接続するためにブリッジ2101の底部にあってもよい。ブリッジは、長方形ブリッジの短い方の縁部の両方が支持部に固定されているが、長い方の縁部は自由に曲がるか撓むことができるという点で、カンチレバーと同様であってもよい。そのような実施形態では、アンカーはブリッジの底面にあってもよい。
【0056】
図21Bは、ブリッジ2101の左端2120および右端2120において左支持構造2103aおよび右支持構造2103bに接続されたブリッジ2101を開示している。したがって、ブリッジ2101の底面が支持構造上に載置される代わりに、ブリッジの端部が支持構造に接続される。そのような実施形態では、アンカーはブリッジの側部にあってもよい。
【0057】
図21Cは、左支持構造2103aおよび右支持構造2103bに接続されたブリッジ2101を開示しており、ブリッジ2101の中心に屈曲部2115を含んでいる。アンカーは、左右の支持構造に接続するためにブリッジ2101の底部にあってもよい。ブリッジは、長方形ブリッジの短い方の縁部の両方が支持部に固定されているが、長い方の縁部は自由に曲がるか撓むことができるという点で、カンチレバーと同様であってもよい。そのような実施形態では、アンカーはブリッジの底面にあってもよい。ブリッジは、ある程度の可撓性および屈曲を可能にすることができる。
【0058】
図21Dは、左支持構造2103aおよび右支持構造2103bに接続されたブリッジ2101を開示しており、ブリッジ2101の中心に屈曲部2115を含んでいる。アンカーは、ブリッジ2101の側部にあって、表面とは対照的に、側部で左右の支持構造に接続することができる。ブリッジは、長方形ブリッジの短い方の縁部の両方が支持部に固定されているが、長い方の縁部は自由に曲がるか撓むことができるという点で、カンチレバーと同様であってもよい。ブリッジは、ある程度の可撓性および屈曲を可能にすることができる。
【0059】
図21Eは、左支持構造2103aおよび右支持構造2103bに接続されたブリッジ2101を開示しており、ブリッジ2101の中心に屈曲部2115を含み、屈曲部2115に分散質量2117を含んでいる。アンカーは、左右の支持構造に接続するためにブリッジ2101の底部にあってもよい。ブリッジは、長方形ブリッジの短い方の縁部の両方が支持部に固定されているが、長い方の縁部は自由に曲がるか撓むことができるという点で、カンチレバーと同様であってもよい。そのような実施形態では、アンカーはブリッジの底面にあってもよい。ブリッジは、ある程度の可撓性および屈曲を可能にすることができる。
【0060】
図21Fは、左支持構造2103aおよび右支持構造2103bに接続されたブリッジ2101を開示しており、ブリッジ2101の中心に屈曲部2115を含み、屈曲部2215に分散質量2217を含んでいる。アンカーは、ブリッジ2101の側部にあって、表面とは対照的に、側部で左右の支持構造に接続することができる。ブリッジは、長方形ブリッジの短い方の縁部の両方が支持部に固定されているが、長い方の縁部は自由に曲がるか撓むことができるという点で、カンチレバーと同様であってもよい。ブリッジは、ある程度の可撓性および屈曲を可能にすることができる。
【0061】
図6などの上記の図および説明に示すように、ピストンダイアフラムは均一に上方に偏向されてもよく、ピストン構造の支持部分またはフレームまたはキャップは偏向を有さなくてもよい。そのようなピストンダイアフラムはまた、カンチレバーまたはブリッジまたは膜を用いて底部から駆動することができる。例えば、
図5Aおよび
図5Bは、カンチレバーを利用するそのような例を示す。全体として、そのようなシステムの共振周波数は、カンチレバーの質量ばねシステムと同様の方程式からモデル化することができる。カンチレバーが示されているが、ブリッジおよびダイアフラムも利用することができる。
【0062】
質量ばねシステムの周波数応答特性は、カンチレバーの寸法によって判定することができ、これはばね定数およびシステムの質量を判定することができる。分散質量負荷を有する単純な質量ばねシステムでは、分散質量負荷が完全に剛性であると仮定することができる。しかしながら、質量が可撓性であるシステムでは、周波数応答の判定はより複雑であり、さらに分散質量負荷の剛性に依存する。有限要素モデリング(FEM)を、より複雑なこのようなシステムの周波数応答特性を見つけるツールとして利用することができる。
【0063】
シミュレーションまたは計算によってシステムを正確に分析することができるが、製造中の位置ずれは、そのようなシステムの最終的な特性を劇的に変化させる可能性がある。したがって、設計の実施形態は、システム特性の影響を最小限に抑えるために位置ずれを考慮する必要がある。
【0064】
図22Aは、カンチレバーの単純な設計を開示している。カンチレバー自体は、基板への支持部分2205、懸架カンチレバー部分2207、および分散質量負荷2203への接触領域部分2205の3つのセクションに分割することができる。1つまたは複数の圧電体層部分2201は、懸架カンチレバー部分2207を含むカンチレバー上に配置することができる。圧電体層部分2201は、反対の極性であってもよく、または位相遅延によって駆動されてもよい。例えば、一方の圧電体層部分2201が正極性であってもよく、他方が負極性であってもよい。接触領域部分2205は、プラットフォーム、ダイアフラム、または膜に接続されているため、剛性であってもよい。支持領域2209は、基板に支持されるため剛性であってもよい。
【0065】
カンチレバーおよび分散質量が2つの異なる部品からなり、別個のステップで一緒に組み立てられると仮定すると、分散質量負荷は製造に基づいて位置ずれする可能性がある。位置ずれは、固定ガイドカンチレバーの周波数応答を変化させる可能性があり、したがって、位置合わせの方法の精度が重要であり得る。例えば、分布質量負荷が右にずれている場合、懸架カンチレバーの長さが増加するため、ばね定数が減少する。
【0066】
ばね質量システムの共振周波数は以下のようになる。
【0067】
【0068】
ここで、kはばね定数であり、mは質量である。
【0069】
したがって、ばね定数を小さくすると、共振周波数が低下する。逆に、位置ずれが左方および支持基板に向かう場合、懸架カンチレバーの長さは減少し、したがってばね定数および共振周波数の増加が続く。カンチレバーシステムの位置ずれの影響を最小限に抑える1つの方法は、ボトムスタブを有する懸架カンチレバーの長さを事前に判定し、したがって周波数に大きく影響する懸架部分の影響を軽減することである。
【0070】
図22Bは、ボトムスタブを有するカンチレバーの実施例を開示する図である。カンチレバーは、懸架カンチレバー部分2253を含むことができる。ボトムスタブの目的は、それが非可撓性になる部分を判定し、したがって懸架カンチレバー部分の長さおよびカンチレバーのばね定数を固定し、分散質量負荷の位置の影響を低減することである。基板は、支持用の左部分2251および支持用の右部分2255を含むことができる。カンチレバーは、正の層2257aと負の層2257bとの両方を有する圧電層2257を含むことができる。代替的な実施形態では、圧電層2257は、180度の遅延ステアリングで位相シフトされてもよい。
【0071】
図23Aは、右すぎる場合の分布質量負荷の不整合の一例を開示しているが、ボトムスタブが、懸架カンチレバー部分の長さの変化を制限し、したがって共振周波数への影響を制限する。
図23Aに示すように、分散質量負荷2301は、ボトムスタブ2303から少し偏心してシフトしている可能性がある。したがって、その質量負荷は、スタブ2303と同一平面上に位置せず、分散質量負荷の右側に垂れ下がっていてもよい。一実施形態では、基板(図示せず)は、中心に穴を有してもよい。
【0072】
図23Bは、ボトムスタブおよび底部上のハードストップを有するカンチレバーの実施例を開示する図である。
図23Bに示すように、カンチレバーは、ハードストップとして作用する基板とボトムスタブとの間のギャップ2351を伴って基板2355に取り付けることができる。破壊限界を超えないようにカンチレバーの総変位を制限する場合、ギャップが許容される最大変位を判定するように、カンチレバーの底部にハードストップ(例えば、この実施形態における基板2355)を追加することができる。カンチレバーは、基板とカンチレバーとの間に必ずしもギャップを含まない固定接続スタブ2357を含んでもよい。
図23Bの例では、ハードストップ2355はボトムスタブを有するカンチレバーに一体化されてもよい。例えば、ハードストップは、ウエハボンド技術を使用してカンチレバーに取り付けることができる。ボトムスタブ2353を有するカンチレバー用のハードストップ2355を実施するための複数の異なる方法があり得る。
【0073】
図24Aは、ギャップがカンチレバーに接続する層(例えば、接着剤、シールガラス、または別の接着剤または材料)によって判定される実施形態を開示する。層2406は、典型的には1~10μmの範囲の厚さであってもよいが、もちろん任意のサイズであってもよい。層2406は、高さを増加させるために追加されてもよい。したがって、層2406で利用される接着剤が多いほど、高さが高くなる。ボトムスタブ2402を含むカンチレバー2404を利用することができる。いくつかの実施形態では、ボトムスタブ2402は層を含まなくてもよい。基板2408は、層2406が配置され得る上面を含み得る。
【0074】
図24Bは、ギャップが基板上の予めエッチングされた凹部によって判定され得るカンチレバーの実施形態を開示する図である。そのような実施形態では、基板の高さは、分散質量負荷2410の下のボトムスタブ部分2412の下の特定の角でわずかに低減される場合がある。基板2418は、基板2418の上面およびカンチレバー2414の底面に沿ってキャビティ2415を含むことができる。分散質量負荷2410は、ボトムスタブ2412の上方に配置されてもよい。
【0075】
図24Cは、静電作動による分布された質量負荷を有するカンチレバーの実施形態を開示する図である。分散質量負荷2420は、カンチレバー2424の上面に配置することができる。静電アクチュエータ2429は、ボトムスタブ2422の底面および基板2428の上面に配置されてもよい。2つの静電作動層2429の間にはギャップがあってもよい。基板は、一実施形態ではプリント回路基板材料であってもよい。基板2428は、カンチレバーの固定ガイド端の支持体とハードストップとの両方として作用してもよい。
【0076】
図24Dは、キャビティ2435の静電作動による分散質量負荷2430を有するカンチレバーの実施形態を開示する図である。キャビティ2435は、任意選択のキャビティであってもよい。分散質量負荷2430は、カンチレバー2438の上面に配置することができる。静電アクチュエータ2439は、ボトムスタブ2432の底面および基板2438の上面に配置されてもよい。基板は、一実施形態ではプリント回路基板材料であってもよい。基板2438は、カンチレバーの固定ガイド端の支持体とハードストップとの両方として作用してもよい。
【0077】
図25Aは、完全に整列したカンチレバーを開示している。図示のように、足部2501は、ボトムスタブ2503の中心に一致するように位置合わせされる。そのような実施形態では、分散質量負荷は中心にあり、足の当接面はボトムスタブの面積よりも小さく、中心に完全に整列している。
【0078】
図25Bは、オフセットして整列したカンチレバーを開示する図である。図示のように、足部2501は前方に移動し2505、圧電層に近づく。足部2501は、膜と一体であるか、または膜の底面から離れて延在し、カンチレバーの上面に取り付けられた別個の材料片であってもよい。そのような実施形態では、位置ずれは、スタブ2503に起因する共振の任意の変化を緩和することができる。そのような実施形態では、スタブ2503は、カンチレバーの表面から離れるように延在するボトムスタブである。したがって、プラットフォームの足部の面積(例えば、ダイアフラムおよび膜)がカンチレバー上のボトムスタブの面積よりも小さくなるように設計されている場合、位置ずれを最小限に抑えることができる。したがって、足部2501の面積が小さいほど、カンチレバーのばね定数への影響を最小限に抑えて位置ずれを可能にすることができる。
【0079】
図26Aは、トップスタブ設計を利用したカンチレバー設計の一例である。本質的に、カンチレバー2604は上下逆に反転されてもよいが、依然として位置ずれの影響を軽減する同様の設計を提供する。そのような例では、カンチレバー2604は、上部支持体2601およびトップスタブ2603を有する。トップスタブ2603は、分散質量負荷2600(例えば、膜、足など)に接続することができる。基板2608は、フリップチップボンディング2607を介してカンチレバーに接続されてもよい。フリップチップボンディング2607は、基板2608への電気的接続を提供することができる。
【0080】
図26Bは、接着剤または任意の他の層を含むことができる材料層を有するトップスタブ設計を利用するカンチレバーおよび基板の一例である。基板2618は、カンチレバー2614の固定ガイド端の支持体とハードストップとの両方として作用してもよい。カンチレバー2614は、接着剤層2612を介して基板2618に取り付けられてもよい。接着剤層2612は、カンチレバー2614の高さを増加させ、カンチレバー2614と基板2618との間にギャップを形成するために利用することができる。トップスタブ2613は、カンチレバー2614の上層表面から離れて延在してもよい。トップスタブ2613は、分散質量負荷2610に取り付けることができ、これは、膜、足、または分散質量負荷の他の部分であってもよい。
【0081】
図26Cは、シリコン基板設計のためのトップスタブカンチレバーの別の例である。そのような実施形態では、PCBの代わりにシリコン基板2638を利用することができる。そのような実施形態では、シリコン基板2638は、シリコン基板2638と一体のカンチレバー2634設計を有することができる。カンチレバー部分2634の底面からシリコン基板2638部分の上面にはギャップが存在してもよい。トップスタブ部分2633は、別の部分であってもよい。トップスタブ部分2633は、ウエハボンド2632を介してカンチレバー部分2634に接続されてもよい。ウエハボンディングプロセス2632は、正確な製造のために利用することができる。
【0082】
図26Dは、追加のボトムスタブ(複数可)も含むトップスタブ設計のさらに別の実施形態である。そのような実施形態では、カンチレバー2644は、分散質量負荷2640に接続されたトップスタブ2643と、ボトムスタブ2646との両方を含むことができる。トップスタブ2643およびボトムスタブ2646は、実施形態では同様の表面積を含むことができる。さらに別の実施形態では、ボトムスタブ2646はより短くてもよい。ボトムスタブ2646の表面は、基板2648の上面に隣接していてもよい。上部支持部分2641はまた、カンチレバー2644に取り付けられてもよい。一実施形態では、圧電層2645は、カンチレバー2644の底面に配置されてもよい。別の実施形態では、圧電層2645はまた、カンチレバー2644の上面にあってもよい。圧電層2645は、各層ごとに異なる極性であってもよい。カンチレバー2644は、電気的接続のためにフリップチョップボンディング2647を介して基板2648に取り付けられてもよい。
【0083】
図27Aは、駐車支援システムの個々のセンサを示す。
図27Bは、一般的な駐車支援システムの動作の実施形態を示す。センサのサイズおよびインターフェースは、典型的には、すべての製造業者にわたって標準的であり得る。標準サイズはまた、センサ膜のバンパーの開口部を規定する。図示のように、センサ2701は、様々な形状のハウジングを含むことができる。センサ2701のハウジング内には、1つまたは複数のトランスデューサ素子が利用され収容されてもよい。
【0084】
2750において、駐車支援システムを利用する車両2753の図。車両のセンサは、車両2753に近接する物体を判定するために送信信号2755を発することができる。信号2757は、車両2753の後側の送信信号2755の全カバレッジを示す。物体は信号を反射し、車両2753内のセンサは受信し、主車両2753に近接する一台または複数の車両を識別することを可能にする。
【0085】
超音波駐車支援システムのコストおよび性能を判定することができるいくつかの要因がある。これらの中には、システムが物体を検出することができる最大および最小範囲、ならびにシステムがカバーする視野(FoV)がある。これらのパラメータを最適化することは、特定のトレードオフを伴う。より広い視野を垂直方向に開くことにより、より高い高さの障害物、例えば半開放ガレージドア、ならびに縁石および落下物などの車両に近い地面上の障害物を検出することが可能になる。他方、より広い垂直視野はまた、特により長い距離にある標的が関心対象である場合に、システムにおいて望ましくないより多くの地面反射を引き起こす。水平方向のより広いFoVも空間カバレッジを改善するが、複数のターゲットの同時検出につながり、デジタル処理バックエンドにより高い負荷をかける。理想的には、関心のある小さな領域に焦点を合わせることができると同時に、車両の周囲の空間全体をカバーする機会を得たい。これは、走査ナロービームを使用して空間画像を構築するフェーズドアレイシステムで可能である。そのようなシステムのコストおよびサイズは、短期的に大量採用するには法外である。妥協として、本発明者らは、フェーズドアレイの完全な性能を達成することなく、特定の重要な態様において機能性を向上させる装置を提案する。
【0086】
図28は、トランスデューサ2801のアレイの構成の実施形態の上面図を開示する。第1のステップとして、2つの動作モード、すなわち、より狭いFoVでより大きな距離にある物体を撮像するための動作モードと、広いFoVでより近い物体を撮像するための第2の動作モードとを考える。波放射の原理は、視野が波長に正比例し、放射素子のサイズに反比例することを示している。したがって、適応FoVは、放射(および受信)トランスデューサ表面の適応サイズを必要とする。これを達成するために、本発明者らは、トランスデューサ膜を個別に制御されるセクションに分割することを提案する。各セクションは、独立したトランスデューサまたはビーム2803であってもよい。これは、ピストンのような方法で面外に移動する膜を有する4つの矩形要素2803を含むことができる。トランスデューサ素子は、互いに半波長離れた中心点を有してもよい。ガスケット2805は、水分および汚染に対して各要素の周囲を密封する。装置は、標準的な超音波センサ2801の膜領域内にフィットすることができるが、アレイのフレーム2807に対するセンサのサイズを縮小することも可能である。例として4つの要素を使用するが、装置は、任意の数の要素2803を含む他の構成も使用することができる。アレイのフレーム2807とセンサハウジング2811との間のシーリング2809を利用して、過酷な環境から要素をさらに保護および固定することができるが、ハウジングのフレームとセンサハウジングとをシーリング2809を有さずに一要素として組み合わせることも可能である。
【0087】
図29Aは、トランスデューサ素子の下側列を作動させる実施形態に関連するグラフおよびビームパターンを開示する。
図29Bは、トランスデューサ素子の上側列と下側列との両方を作動させる実施形態に関連するグラフおよびビームパターンを開示する。
図29Cは、上側列のトランスデューサ素子とそれに続く下側列のトランスデューサ素子を作動させる実施形態に関連するグラフおよびビームパターンを開示する。
図29Dは、下側列のトランスデューサ素子とそれに続く上側列のトランスデューサ素子を作動させる実施形態に関連するグラフおよびビームパターンを開示する。
図29Aでは、一方の列の要素を使用して信号を送信し、他方の列を使用して信号を受信するために使用することができる。そのような実施形態では、下側列2903をアクティブ化することができる。これにより、ほぼ+/-90度の視野が得られ、地上の近接物体の検出が可能になり得る。この場合の送信電力は利用可能な合計の半分であり、したがって最大範囲はより低い。さらに、送信および受信に異なる要素が使用されるので、膜リングダウンのためのデッドタイムを導入する必要がなく、センサは、標準的な動作と比較してより近い最小範囲で物体を検出することができる。それにもかかわらず、送信要素のリングダウンはまた、飛行時間測定を可能にする信号を受信するために使用することができ、これにより、受信信号の高さ測定が可能になる。2901において、システムは、上部トランスデューサ素子2902が作動されていない間に、下部トランスデューサ素子2903が作動されて信号を提供することができることを示すことができる。ビームパターン2905は、短距離であるが広い視野を示すことができる。そのようなシナリオでは、車両および運転者が地面を見ることが有用であり得る。
【0088】
図29Bは、すべての要素が同期して動作し、送信と受信との両方に使用される標準動作モードを示す。これは、ほとんどのセンサ機能の動作と同様であり得る。それは、ビームパターン2915において最大信号電力を提供し、関心のある遠くの物体を検出するための長距離を提供する。送信と受信との間のトランスデューサの多重化により、デッドタイムおよび
図29Aよりも高い最小検出可能範囲が存在し得る。また、放射面の有効開口が大きいほど、視野が約半分に減少する。これは、地面反射を低減し、遠くの物体の信号品質をさらに改善することができる。しかしながら、地面上の近接物体は検出されない場合がある。したがって、すべてのトランスデューサ素子2913を作動させることができ、2911においてトランスデューサ素子は同期して送信および受信することができ、飛行時間評価による受信信号の物体の高さ測定も可能にする。
【0089】
図29Cは、短距離で下方に操向するビームパターンの図を示す。トランスデューサ素子2922の上半分を最初に作動させて、トランスデューサ素子2923の下半分と同期させないようにしてもよい。したがって、ビームパターン2925は、様々な障害物のために地面を調べるために下方に傾けられてもよい。したがって、素子は静止しているが、信号間の位相差は異なる素子に印加され、ビームを傾斜させる。そのような実施形態では、要素の上側列2922および要素の下側列2923(例えば、要素によって形成されるビームは1つのみである)は、位相がずれて作動されてもよい。したがって、車両から放射されるビームパターン2925は、地面および地面により近い車両の下部の障害物に向かって向きを変えることができる。
【0090】
図29Dは、長距離で上方に操向するビームパターンの例示的な図を示す。したがって、長距離は、少なくとも5メートルの距離で信号を送信することができる。そのような実施形態では、下側列の要素2935を最初に作動させて送信し、続いて上側列の要素2933を作動させることができる。そのような実施形態では、ビームパターン2935は、地面反射を回避するために上方に向けられてもよく、最終的には、地面反射による望ましくない入力が少なく、遠距離にある障害物を示すことができる。図示のように、要素の列は、2930のグラフに基づいて位相がずれて作動されてもよい。
【0091】
図30では、トランスデューサ素子が長方形のビームで示されている場合がある。トランスデューサ素子3003は、正方形または長方形の形状、および任意の他の形状(例えば、円形)であってもよい。トランスデューサ素子3003は、幅2.6mm、長さ2.6mmであってもよい。ガスケット3005は、水分および汚染に対して各要素の周囲を封止する。外側フレーム3007(例えば、第1のレベルフレーム)は、1.0mmの幅および0.4mmの内側フレーム幅を有することができる。
図30では、
図28の構成とは対照的に、トランスデューサ素子は、3.4mm×2.6mmのトランスデューサ素子を有する長方形の形状であってもよい。これにより、第1のレベルフレーム3007の高さをより高くすることができる(例えば、8.8mmに対して10.4mm)。したがって、シール3009は、より大きくて長方形の形状であってもよい。シーリング3009は、第1のレベルのハウジング3007と第2のレベルのハウジング3011との間にあってもよく、過酷な環境から要素をさらに保護および固定するために利用されてもよい。
【0092】
典型的な円形センサレイ3001は15.5mmの外径を有することができるので、寸法の態様は重要であり得る。これは、外側ハウジングに利用することができる。最後に、トランスデューサのサイジングは、センサがフェーズドアレイとして動作し、ある程度の指向性を提供することも可能にするようなものであってもよい。特に、要素は、グレーティングローブを避けるために半波長(約0.7*ラムダ<空間<1.4*ラムダ)だけ離間されてもよい。これは、フェーズドアレイの条件であり得る。2つの要素のフェーズドアレイは、+/-20度程度の非常に限られたビームステアリング能力を提供する。それにもかかわらず、これは、遠方のターゲットを撮像するときにビームを垂直方向に上方に傾斜させ、したがって地面反射の影響を低減するのに十分であり得る。逆に、それはまた、下方に傾けられ、地面上の近接標的の撮像を可能にすることができる。例えば、
図29Cおよび
図29Dは、2つのモードを示す。それらは、追加の情報を提供し、撮像能力を向上させることができる。同様に、ビームステアリングを水平方向に達成することができる。送信された信号の電力はまた、異なる関心範囲に対して変化させることができる。
【0093】
図30のアレイ3001に開示された実施形態は、異なる水平および垂直視野を得るために利用されるセンサ素子構成を開示する。いくつかの用途は、瞬間電流センサの視野に正確に一致する動作モードをセンサが有することを必要とする場合がある。この場合、個々の要素は、同期して動作するときに元のセンサと同じ等価の開口を提供するようなサイズにする必要がある。指定されたFoVに応じて、これは半波長要件に違反する可能性があり、ビームステアリング能力を制限する。このトレードオフを考慮に入れるべきである。そのような構成では、センサは、より狭い垂直視野を有する必要があり得る。装置のこの構成は、依然として水平ビームステアリングを提供することができるが、垂直方向では、要素が半波長を超えて離間されているため、ステアリング範囲はグレーティングローブの外観によって制限される。
【0094】
図31Aおよび
図31Bは、2つの素子のアレイの例示的な例を示す。
図31Aは、例えば、フレーム3100内の2つのセンサ素子3101を示す。適切な動作のために、要素間の最小限の交差結合が必要とされ得る。例えば、1つの要素が作動されるとき、それは周囲の要素に影響を与えたり振動させたりすべきではない。フレームは、振動または影響の緩和を確実にすることができる。一実施形態では、フレーム材料は、断面部分から延設されてもよい。したがって、これを確実にする1つの方法は、
図31Bに示すように、延長されて底部基板に取り付けられた要素間にフレーム材料を有することである。4つのトランスデューサ素子を有する実施形態では、フレーム材料は、
図30に示す垂直中央セクション3105と水平中央セクション3103との両方から離れて延在してもよい。したがって、垂直中央セクション3105は、トランスデューサ素子3101を分離し、フレーム3100の上面3107から離れて底面(図示せず)に向かって延びることによって振動を緩和することができる。
図31Bでは、垂直中央セクション3105の間にギャップがあってもよいが、他の実施形態では、その部分を充填してもよい。
【0095】
本明細書で開示されるプロセス、方法、またはアルゴリズムは、任意の既存のプログラム可能な電子制御ユニットまたは専用の電子制御ユニットを含むことができる処理デバイス、コントローラ、またはコンピュータによって実現/実施することができる。同様に、プロセス、方法、またはアルゴリズムは、ROMデバイスなどの書き込み不可能な記憶媒体に永続的に記憶された情報、ならびに、フロッピーディスク、磁気テープ、CD、RAMデバイス、ならびに他の磁気および光媒体などの書き込み可能な記憶媒体に変更可能に記憶された情報を含むがこれらに限定されない多くの形態で、コントローラまたはコンピュータによって実行可能なデータおよび命令として記憶することができる。プロセス、方法、またはアルゴリズムは、ソフトウェア実行可能オブジェクトに実施することもできる。あるいは、プロセス、方法、またはアルゴリズムは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ステートマシン、コントローラ、もしくは他のハードウェアコンポーネントもしくはデバイスなどの適切なハードウェアコンポーネント、またはハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアコンポーネントの組み合わせを使用して、全体的または部分的に具現化することができる。
【0096】
例示的な実施形態を上述したが、このことは、これらの実施形態が、特許請求の範囲に包含されるすべての可能な形態を説明することを意図していない。本明細書で使用される文言は、限定ではなく説明の文言であり、本開示の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解される。前述のように、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に説明または図示されていない本発明のさらなる実施形態を形成することができる。様々な実施形態は、1つまたは複数の所望の特性に関して他の実施形態または従来技術の実施態様よりも利点を提供するかまたは好ましいものとして説明することができたが、当業者は、1つまたは複数の特徴または特性が、特定の用途および実施態様に依存する所望の全体的なシステム属性を達成するために損なわれる可能性があることを認識する。これらの属性は、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、保守性、重量、製造性、組み立て易さなどを含むことができるが、これらに限定されない。したがって、任意の実施形態が1つまたは複数の特性に関して他の実施形態または従来技術の実施態様よりも望ましくないものとして説明される限り、これらの実施形態は本開示の範囲外ではなく、特定の用途に望ましい可能性がある。
【符号の説明】
【0097】
100 トランスデューサ
101 支持領域
103 膜
103 膜の境界
103 境界
104 膜
104 膜の境界
104 境界
105 膜
105 膜の中心
105 中心
200 トランスデューサ
201 固定支持領域
203 ガスケット
203 シール
205 膜の中心
205 中心膜
205 膜
301 膜
303 中間圧電層
303 外側圧電層
303 圧電層
303 中心圧電層
305 支持構造
310 屈曲モード
320 ピストンモード
500 トランスデューサ
501 矩形形状の膜
501 膜
503 ガスケット
505 カンチレバー
507 カンチレバー
509 カンチレバー
600 トランスデューサ
601 剛性部分
603 ガスケット
605 膜
605 ピストン膜
700 トランスデューサ
701 支持構造
705 膜
706 カンチレバー
709 中心部分
711 膜
712 膜
800 トランスデューサ
801 支持構造
805 膜
900 アレイ
901 支持構造
905 トランスデューサ膜
905 トランスデューサ
1001 膜
1003 カンチレバー
1004 支持構造
1005 ハードストップ
1011 膜
1013 カンチレバー
1015 支持構造
1016 ハードストップ
1021 ピストン膜
1023 カンチレバー
1024 支持構造
1025 底部ハードストップ
1025 ハードストップ
1027 ハードストップ
1101 角
1103 機能領域
1105 フレーム
1200 トランスデューサ
1201a 機能領域
1201b 機能領域
1201c 機能領域
1201d 機能領域
1400 膜
1401 付加質量
1403a 膜足部
1403b 膜足部
1403c 膜足部
1403d 膜足部
1410 機能領域
1501 膜
1503 接続部分
1505 懸架カンチレバー部分
1507 圧電層
1509 支持部分
1513 カンチレバー
1516 ボンド電気接続
1517 第1の圧電体層部分
1517 第2の圧電体層
1518 基板
1519 支持部
1523 カンチレバー
1526 ボンド電気接続
1527 圧電層
1603 カンチレバー
1602 接着層
1601 基板
1602 接着層
1603 カンチレバー
1611 基板
1613 カンチレバー
1614 キャビティ
1702 電気ボンド
1703 圧電層
1704a 第1のスタブ
1704b 第2のスタブ
1704a スタブ
1704b スタブ
1712 電気ボンドパッド
1716 ギャップ
1717 ハードストップ
1723 圧電層
1724a カンチレバー
1724b カンチレバー
1726 ギャップ
1728 中間スタブ
1741a スタブ
1741b スタブ
1801 カンチレバー
1803 電気接合接続部
1903 支持構造
1805 電極
1807 基板
1901 カンチレバー
1907 支持質量
2001 カンチレバー
2003 支持構造
2101 ブリッジ
2103a 左支持構造
2103b 右支持構造
2115 屈曲部
2117 分散質量
2120 左端
2120 右端
2201 圧電体層部分
2203 分散質量負荷
2205 接触領域部分
2205 支持部分
2207 懸架カンチレバー部分
2209 支持領域
2251 左部分
2253 懸架カンチレバー部分
2255 右部分
2257a 正の層
2257b 負の層
2257 圧電層
2301 分散質量負荷
2303 ボトムスタブ
2303 スタブ
2351 ギャップ
2355 基板
2355 ハードストップ
2357 固定接続スタブ
2402 ボトムスタブ
2404 カンチレバー
2406 層
2408 基板
2410 分散質量負荷
2412 ボトムスタブ部分
2414 カンチレバー
2415 キャビティ
2418 基板
2420 分散質量負荷
2422 ボトムスタブ
2424 カンチレバー
2428 基板
2429 静電アクチュエータ
2429 静電作動層
2430 分散質量負荷
2432 ボトムスタブ
2435 キャビティ
2438 カンチレバー
2439 静電アクチュエータ
2438 基板
2501 足部
2503 ボトムスタブ
2503 スタブ
2600 分散質量負荷
2601 上部支持体
2603 トップスタブ
2604 カンチレバー
2607 フリップチップボンディング
2608 基板
2610 分散質量負荷
2612 接着剤層
2613 トップスタブ
2614 カンチレバー
2618 基板
2632 ウエハボンド
2632 ウエハボンディングプロセス
2633 トップスタブ部分
2634 カンチレバー
2634 カンチレバー部分
2638 シリコン基板
2640 分散質量負荷
2641 上部支持部分
2643 トップスタブ
2644 カンチレバー
2644 カンチレバー
2645 圧電層
2646 ボトムスタブ
2647 フリップチョップボンディング
2648 基板
2701 センサ
2753 車両
2755 送信信号
2757 信号
2801 トランスデューサ
2801 超音波センサ
2803 ビーム
2803 矩形要素
2803 要素
2809 シーリング
2805 ガスケット
2807 フレーム
2811 センサハウジング
2902 上部トランスデューサ素子
2903 下側列
2903 下部トランスデューサ素子
2905 ビームパターン
2915 ビームパターン
2913 トランスデューサ素子
2922 トランスデューサ素子
2922 要素の上側列
2923 トランスデューサ素子
2923 要素の下側列
2925 ビームパターン
2933 上側列の要素
2935 下側列の要素
3001 円形センサレイ
3001 アレイ
3003 トランスデューサ素子
3005 ガスケット
3007 外側フレーム
3007 第1のレベルフレーム
3007 第1のレベルのハウジング
3009 シール
3009 シーリング
3011 第2のレベルのハウジング
3100 フレーム
3101 センサ素子
3101 トランスデューサ素子
3103 水平中央セクション
3105 垂直中央セクション
3107 上面
【国際調査報告】