(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】グラフェンの生成方法およびその組成物
(51)【国際特許分類】
C01B 32/198 20170101AFI20240711BHJP
【FI】
C01B32/198
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502434
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022038083
(87)【国際公開番号】W WO2023004162
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518294029
【氏名又は名称】ナノテック エナジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エル-カディ,マヘル エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ヂーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ファラー,リタ ベタル
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AB07
4G146AC02A
4G146AC02B
4G146AC04A
4G146AC04B
4G146AC08A
4G146AC08B
4G146AC09A
4G146AC09B
4G146AC16B
4G146AC20A
4G146AC20B
4G146AC22A
4G146AC22B
4G146AC27A
4G146AC27B
4G146BA01
4G146CB14
(57)【要約】
本明細書には、活性化酸化グラフェン(AGO)および活性化還元型酸化グラフェン(ARGO)の組成物、およびその生成方法が提供される。本明細書で提供されるAGOおよびARGOは、大きな表面積および高い伝導率を呈し、本明細書中の方法は、容易な大規模生産を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化酸化グラフェンシートを形成するための方法であって、
エッチング剤および酸化グラフェンを含む第1の溶液を加熱することで、面内欠陥を含む活性化酸化グラフェンシートを形成する工程と、
前記第1の溶液を濾過することで、前記活性化酸化グラフェンシートを精製する工程と、
前記活性化酸化グラフェンシートを噴霧乾燥させる工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記噴霧乾燥が、約1ml/時間~約6,000ml/時間の流速で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記噴霧乾燥が、約10psi~約50psiの圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記噴霧乾燥が、約120℃~約340℃の入口温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記噴霧乾燥の出口温度が、約30℃~約200℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
活性化酸化グラフェンを還元することで、活性化還元型酸化グラフェンシートを形成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化酸化グラフェンを還元することが、前記活性化酸化グラフェンシートを乾燥させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記活性化酸化グラフェンのシートを還元することが、熱還元後に前記活性化酸化グラフェンをマイクロ波加熱することで、活性化還元型酸化グラフェンを形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロ波加熱が、約5秒間~約300秒間の時間にわたって、約500W~約2,000Wの電力で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記活性化酸化グラフェンを還元することが、
(a)第2の溶液であって、
(i)前記活性化酸化グラフェン、および
(ii)強塩基
を含む第2の溶液を加熱すること、
(b)前記第2の溶液に還元剤を添加すること、ならびに
(c)前記還元剤および前記第2の溶液を濾過し、かつ洗浄すること
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記活性化酸化グラフェンのシートを還元することが、噴霧乾燥された酸化グラフェンシートを焼戻しすることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記焼戻しが、約150℃~約1,500℃の温度で行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性化還元型酸化グラフェンシートが、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
約0.1~約2の欠陥密度、および少なくとも約30重量%の酸素含有量を有する、活性化酸化グラフェン。
【請求項15】
約0.5nm~約5nmの大きさを有する面内孔を有する、請求項14に記載の活性化酸化グラフェン。
【請求項16】
約0.2g/cm
3~約1.5g/cm
3の密度を有する、請求項14に記載の活性化酸化グラフェン。
【請求項17】
約25重量%~約30重量%の酸素含有量を有する、請求項14に記載の活性化酸化グラフェン。
【請求項18】
最大約1.5重量%の灰分含量を有する、請求項14に記載の活性化酸化グラフェン。
【請求項19】
最大約500cm
2/V/sの電気移動度を有する、請求項14に記載の活性化酸化グラフェン。
【請求項20】
約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する、請求項14に記載の活性化酸化グラフェン。
【請求項21】
酸化グラフェンが、実質的にいずれのOH官能基も含まない、請求項14に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項22】
酸化グラフェンが、1~15nmの間の深さを有する複数の表面欠陥を含む、請求項14に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項23】
約0.1~約2の欠陥密度、および約20重量%以下の酸素含有量を有する、活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項24】
約0.2μm~約0.9μmの平均横寸法を有する、請求項23に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項25】
約650m
2/g~約1,500m
2/gの表面積を有する、請求項23に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項26】
約85重量%~約98重量%の炭素含有量を有する、請求項23に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項27】
約0.5~約1.3の欠陥密度を有する、請求項23に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項28】
約0.002g/cm
3~約0.005g/cm
3の密度を有する、請求項23に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項29】
走査電子顕微鏡下、50,000倍の倍率で観察されたとき、酸化グラフェンが、複数の横方向シートの間に複数の孔を画定する、複数の湾曲した横方向シート内に配置されている、請求項23に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【請求項30】
前記複数の孔のうちのいずれか1つが、少なくとも1つの他の孔と相互連結される、請求項29に記載の活性化還元型酸化グラフェン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年7月23日に出願された米国非仮特許出願第17/384,545号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
容易に入手できるバルクグラファイトは、強いファンデルワールス相互作用により付加された多くのグラフェン層を含むが、バルクグラファイトには、いくつかの電子用途に必要とされる十分なアクセス可能表面積が不足している。グラフェンは、sp2炭素原子を含む六角形のハニカム格子構造を有する二次元材料である。グラフェンは、その特有の構造のため、優れた導電性、熱伝導性、機械的強度、および表面積を呈する。それゆえに、グラフェンは、畜エネルギーデバイス、フレキシブル導電性フィルム、電磁シールドなど、さまざまな用途に導入されている。グラフェンはまた、界面活性剤、フォトニクスデバイス、光電子デバイス、水の濾過システム、保護コーティング剤を改良するためにも使用されている。そのため、単層および/または数層のグラフェンを工業的な規模およびスループットで生産することが強く望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示される態様は、活性化酸化グラフェンシートを形成する方法を提供し、本方法は、エッチング剤および酸化グラフェンを含む第1の溶液を加熱することで面内欠陥を含む活性化酸化グラフェンシートを形成する工程と、第1の溶液を濾過することで活性化酸化グラフェンシートを精製する工程と、活性化酸化グラフェンシートを噴霧乾燥させる工程とを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、酸化グラフェンの濃度が約1mg/ml~約20mg/mlである。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、酸化グラフェンの濃度が約1mg/ml~約20mg/mlである。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、エッチング剤の濃度が約60体積%~約98体積%である。いくつかの実施形態では、エッチング剤は、過酸化水素、臭素、ヨウ素、過マンガン酸カリウム、塩素酸カリウム、重クロム酸カリウム、酸化マンガン、塩化鉄(III)、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、次亜塩素酸、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、エッチング剤および酸化グラフェンを含む第1の溶液は、約60℃~約120℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、本方法は、活性化酸化グラフェンシートを焼戻しすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、焼戻しは、空気中、窒素中、アルゴン中、またはそれらの任意の組合せにおいて行われる。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、加熱後に、第1の溶液に氷、氷水、または冷水を添加することによって冷却される。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、加熱後に、約70℃~約90℃の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、第1の溶液の濾過は、約0.5μm~約3μmのメッシュサイズで行われる。いくつかの実施形態では、濾過された第1の溶液は、pHが約1~約7になるように洗浄される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、約1ml/時間~約6,000ml/時間の流速で行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、約10psi~約50psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、約120℃~約340℃の入口温度で行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥の出口温度は、約30℃~約150℃である。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約0.1~約2の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートの面内欠陥は、約0.5nm~約5nmの大きさを有する孔を含む。いくつかの実施形態では、単層である活性化酸化グラフェンシートの割合は、少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約0.2μm~約4μmの平均横寸法を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約450m2/g~約1,500m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約0.2g/cm3~約1.5g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約60%~約75%の原子状炭素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約20%~約65%の原子状酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約35重量%~約60重量%の炭素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約35重量%~約55重量%の酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、最大約1.5重量%の灰分含量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、最大約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する。いくつかの実施形態では、本方法は、活性化酸化グラフェンを還元することで活性化還元型酸化グラフェンシートを形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンを還元することは、活性化酸化グラフェンシートを乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、乾燥は、約1分間~約180分間の間行われる。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートを還元することは、熱還元後に、活性化酸化グラフェンをマイクロ波加熱することで活性化還元型酸化グラフェンを形成することを含む。いくつかの実施形態では、マイクロ波加熱は、約5秒間~約300秒間の間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、マイクロ波加熱は、約500W~約2,000Wの電力で行われる。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンの還元は、a)第2の溶液であって、i)活性化酸化グラフェン、およびii)強塩基を含む第2の溶液を加熱すること、b)第2の溶液に還元剤を添加すること、ならびにc)還元剤および第2の溶液を濾過し、かつ洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶液は、約60℃~約120℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、強塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、尿素、メラミン、炭酸ナトリウム、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、アスコルビン酸、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ピロガロール、水素化アルミニウムリチウム、アンモニアボラン、二酸化チオ尿素、ヨウ化水素酸、臭化水素、エタンチオール-塩化アルミニウム、Lawesson試薬、重亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、アルミニウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶液は、第2の溶液への還元剤の添加後、約0.5時間~約10時間以内に濾過され、かつ洗浄される。いくつかの実施形態では、第2の溶液の濾過および洗浄は、第2の溶液のpHが約8~約11であるときに行われる。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートの還元は、噴霧乾燥された酸化グラフェンシートを焼戻しすることを含む。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンを還元することは、噴霧乾燥された第1の溶液を焼戻しすることを含まない。いくつかの実施形態では、精製された酸化グラフェンシートは、噴霧乾燥中に除去される水分を有するペーストを形成する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンシートは、加熱室内で焼戻しされる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、約150℃~約1,500℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、火炎トーチ、加熱ストリップ、加熱コイル、またはそれらの任意の組合せによって行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、空気中、窒素中、アルゴン中、またはそれらの任意の組合せにおいて行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、約1分間~約1,500分間の間行われる。いくつかの実施形態では、活性化還元型酸化グラフェンシートは、約0.2μm~約0.9μmの平均横寸法を有する。いくつかの実施形態では、活性化還元型酸化グラフェンシートは、約650m2/g~約1,500m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、活性化還元型酸化グラフェンシートは、約0.0001g/cm3~約0.05g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、活性化還元型酸化グラフェンシートは、最大約1重量%の灰分含量を有する。いくつかの実施形態では、活性化還元型酸化グラフェンシートは、最大約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、活性化還元型酸化グラフェンシートは、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する。いくつかの実施形態では、酸化グラフェンは、いずれのOH官能基も実質的に含まない。
【0004】
本明細書に開示される態様は、約0.1~約2の欠陥密度、および少なくとも約30重量%の酸素含有量を有する活性化酸化グラフェンを提供する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約0.5nm~約5nmの大きさを有する面内孔を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、単層である活性化酸化グラフェンの割合が少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約0.2μm~約4μmの平均横寸法を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約450m2/g~約1,500m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約0.2g/cm3~約1.5g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約65重量%~約75重量%の炭素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約25重量%~約30重量%の酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、最大約1.5重量%の灰分含量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、最大約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、酸化グラフェンは、走査電子顕微鏡下、50,000倍の倍率で観察されたとき、各層の間に複数の空隙部を画定する複数の層内に配置される。いくつかの実施形態では、酸化グラフェンは、1~15nmの間の深さを有する複数の表面欠陥を含む。いくつかの実施形態では、酸化グラフェンは、いずれのOH官能基も実質的に含まない。
【0005】
本明細書に開示される態様は、約0.1~約2の欠陥密度、および約20重量%以下の酸素含有量を有する活性化酸化グラフェンを提供する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約0.2μm~約0.9μmの平均横寸法を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約650m2/g~約1,500m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約0.002g/cm3~約0.005g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約85重量%~約98重量%の炭素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約2重量%~約15重量%の酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、最大約1重量%の灰分含量を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、最大約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、約0.5~約1.3の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンは、走査電子顕微鏡下、50,000倍の倍率で見たときに、複数の横方向シートの間に複数の孔を画定する、複数の湾曲した横方向シート内に配置される。いくつかの実施形態では、複数の孔のうちのいずれか1つは、少なくとも1つの他の孔と相互連結される。いくつかの実施形態では、酸化グラフェンは、いずれのOH官能基も実質的に含まない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲においてより具体的に記載される。本開示の特徴および利点は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【
図1】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、熱還元のための例示的な装置の図を示す。
【
図2A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの第1の原子間力顕微鏡(AFM)画像を示す。
【
図2B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、
図3Aの例示的なAGOの粒度分布チャートを示す。
【
図2C】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、
図3Aの例示的なAGOの粒度分布グラフを示す。
【
図3A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
【
図3B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
【
図4A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1の活性化還元型酸化グラフェン(ARGO)の、低倍率および高倍率での視覚顕微鏡検査画像の第1のセットを示す。
【
図4B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なARGOの低倍率および高倍率での視覚顕微鏡検査画像の第2のセットを示す。
【
図5A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのAFM画像を示す。
【
図5B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、
図6Aの例示的な第1のARGOの粒度分布グラフを示す。
【
図6】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのAFM画像を示す。
【
図7】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOの第1のSEM画像を示す。
【
図8】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOの第2のSEM画像を示す。
【
図9】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOの第3のSEM画像を示す。
【
図10】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOの第4のSEM画像を示す。
【
図11】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのTEM画像を示す。
【
図12A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第1のAFM画像を示す。
【
図12B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第2のAFM画像を示す。
【
図12C】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第3のAFM画像を示す。
【
図13A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第1のSEM画像を示す。
【
図13B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第2のSEM画像を示す。
【
図14】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOのTEM画像を示す。
【
図15A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOのC1スペクトルグラフを示す。
【
図15B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOのラマン分光グラフ示す。
【
図16A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの第1のX線粉末回折(XRD)グラフを示す。
【
図16B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの第2のXRDグラフを示す。
【
図17A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの第1のX線光電子分光(XPS)グラフを示す。
【
図17B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの第2のXPSグラフを示す。
【
図18A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOのフーリエ変換赤外(FTIR)グラフを示す。
【
図18B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的なAGOの熱分析を示す。
【
図19A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのC1スペクトルグラフを示す。
【
図19B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのラマン分光グラフを示す。
【
図20A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのXPSグラフを示す。
【
図20B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのXRDグラフを示す。
【
図21】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOのFTIRグラフを示す。
【
図22A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOの熱分析を示す。
【
図22B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第1のARGOの等温分析および孔径分布を示す。
【
図23A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOのC1スペクトルグラフを示す。
【
図23B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOのラマン分光グラフを示す。
【
図24A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第1のXPSグラフを示す。
【
図24B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの第2のXRDグラフを示す。
【
図25】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの熱分析を示す。
【
図26A】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの粒度分布対数グラフを示す。
【
図26B】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの粒度分布グラフを示す。
【
図26C】本明細書における1つまたは複数の実施形態による、例示的な第2のARGOの粒度分布チャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
第1のグラフェン試料を、スコッチテープを使用してグラファイトの単層を剥離することによって得た。このプロセスは単純かつ簡単であるが、大規模なグラフェン製造には実用的ではない。グラフェンは、膨張化グラファイトを剥離することにより形成され得るが、このような方法では、1層または数層で形成されるグラフェン生成物よりも表面積の小さい、多層グラフェンプレートレットが形成されることが多い。表面積は、多くの用途で不可欠である。表面積が大きくなければ、グラフェンは、その切望される特徴の多くを失い、よりグラファイトに似た挙動を示す。
【0008】
このように、本明細書では、還元型酸化グラフェン(reduced graphene oxide)(RGO)および活性化還元型酸化グラフェン(activated reduced graphene oxide)(ARGO)を大規模で、かつ高スループットで調製するための方法およびシステムが提供される。本明細書で開示される方法およびシステムは、その意図された目的に基づいて、制御可能な、かつ正確な炭素/酸素含有量、シートの大きさ、形態(例えば、粉末、ペースト、分散液)、濃度、pH、またはそれらの任意の組合せにより、RGOおよびARGOを形成する。本明細書で開示される方法およびシステムにより、大きな表面積、優れた光学特性、またはその両方を有するRGOおよびARGOの高スループット生産が可能となる。
【0009】
本明細書で開示される方法によって生成されるRGOおよびARGOの高い純度、低い酸素含有量、分散性、および単層形態により、改良された畜エネルギーデバイス(例えば、電池、スーパーキャパシタ、燃料電池)、水素貯蔵、エレクトロニクス、RFIDアンテナ、透明電極、導電性コーティング、導電性インク、導電性フィルム、防食コーティング、帯電防止コーティング、膜、フィルタ、生体機械コンポーネント、センサ、ガス分離器、界面活性剤、潤滑剤、およびその他多くの用途への使用が可能となる。
【0010】
酸化グラフェンの活性化
本明細書では、活性化酸化グラフェンを形成する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、(a)エッチング剤および酸化グラフェン溶液を含む第1の溶液を加熱する工程と、(b)第1の溶液を冷却する工程と、(c)第1の溶液を濾過し、かつ洗浄する工程と、(d)第1の溶液を噴霧乾燥させる工程とを含む。酸化グラフェンを活性化することで、個々の酸化グラフェンシート内に面内欠陥を生成することができる。シート中のこれらの欠陥の数および/または大きさは、例えば、反応温度および/またはエッチング剤の濃度を調節することによって、この活性化の工程を通じて調節可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の溶液は、酸化グラフェンの濃度が約1mg/ml~約20mg/mlである。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、酸化グラフェンの濃度が少なくとも約1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、6mg/ml、8mg/ml、10mg/ml、12mg/ml、14mg/ml、16mg/ml、18mg/ml、またはそれを超える値であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、酸化グラフェンの濃度が最大約2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、6mg/ml、8mg/ml、10mg/ml、12mg/ml、14mg/ml、16mg/ml、18mg/ml、20mg/ml、またはそれを超える値であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、エッチング剤の濃度が約60体積%~約98体積%である。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、エッチング剤の濃度が少なくとも約60体積%、65体積%、70体積%、75体積%、80体積%、85体積%、90体積%、95体積%、またはそれを超える値であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、エッチング剤の濃度が、最大約65体積%、70体積%、75体積%、80体積%、85体積%、90体積%、95体積%、98体積%、またはそれを超える値であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液中のエッチング剤の濃度は、グラフェンシート中の欠陥の大きさおよび/または密度を決定する。いくつかの実施形態では、酸化グラフェン、エッチング剤、またはその両方の濃度は、AGOの酸素含有量に影響を及ぼす。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の溶液は、約60℃~約120℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、少なくとも約60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、またはそれを超える温度に加熱され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、最大約70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃またはそれを超える温度に加熱され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、約70℃~約90℃の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、少なくとも約70℃、75℃、80℃、85℃、またはそれを超える温度に冷却され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、最大約75℃、80℃、85℃、90℃、またはそれを超える温度に冷却され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、この加熱温度および/または冷却温度は、AGOの含水量、ひいては酸素含有量に影響を及ぼす。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の溶液の濾過は、約0.5μm~約3μmのメッシュサイズを有するフィルタを用いて行われる。いくつかの実施形態では、第1の溶液の濾過は、少なくとも約0.5μm、1μm、1.5μm、2μm、2.5μm、またはそれを超えるメッシュサイズを有するフィルタを用いて行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液の濾過は、最大約1μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、またはそれを超えるメッシュサイズを有するフィルタを用いて行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、フィルタは、2つ以上のフィルタ層を含む。いくつかの実施形態では、フィルタは、少なくとも1層、2層、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、または10層のフィルタ層を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメッシュフィルタ層は、金属である。いくつかの実施形態では、フィルタは、真空フィルタを含む。いくつかの実施形態では、真空フィルタは、第1の溶液および洗浄液のうちの少なくとも1つをフィルタに吐出するように配置された、少なくとも1つのsプレーバーアセンブリを備える。いくつかの実施形態では、真空フィルタは、濾過を促進するためにフィルタに負圧をかけるように構成された真空源を備える。いくつかの実施形態では、真空フィルタは、第1の溶液のpHを測定するためのpHセンサを備える。いくつかの実施形態では、濾過され、かつ洗浄された第1の溶液のpHは、約1~約5である。いくつかの実施形態では、濾過され、かつ洗浄された第1の溶液のpHは、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、またはそれを超える値であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、濾過され、洗浄された第1の溶液のpHは、最大約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、またはそれを超える値であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液のpH、濾過方法、またはその両方は、グラフェンシート中の欠陥の大きさおよび/または密度を決定する。
【0014】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、第1の溶液を噴霧乾燥ノズルに通すことによって行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは超音波ノズルであり、第1の溶液は、第1の溶液における音速よりも速い速度でそこを通過する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは亜音速ノズルであり、第1の溶液は、第1の溶液における音速よりも遅い速度でそこを通過する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは、第1の溶液を霧化する単純オリフィスノズル(plain-orifice nozzle)である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは、第1の溶液の粒度を低減するための圧力旋回スプレーを有する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは単一効果ノズル(single-effect nozzle)である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは多重効果ノズル(multiple-effect nozzle)である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥ノズルは、アトマイザを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、約1ml/時間~約6,000ml/時間の流速で行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、少なくとも約1ml/時間、5ml/時間、10ml/時間、50ml/時間、100ml/時間、500ml/時間、1,000ml/時間、2,000ml/時間、4,000ml/時間、またはそれを超える流速で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、最大約5ml/時間、10ml/時間、50ml/時間、100ml/時間、500ml/時間、1,000ml/時間、2,000ml/時間、4,000ml/時間、6,000ml/時間、またはそれを超える流速で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、約10psi~約50psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、少なくとも約10psi、15psi、20psi、25psi、30psi、35psi、40psi、45psi、またはそれを超える圧力で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、最大約15psi、20psi、25psi、30psi、35psi、40psi、45psi、50psi、またはそれを超える圧力で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、約120℃~約340℃の入口温度で行われる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、少なくとも約120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、220℃、240℃、260℃、280℃、300℃、320℃、340℃またはそれを超える入口温度で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥は、最大約130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、220℃、240℃、260℃、280℃、300℃、320℃、340℃、360℃、またはそれを超える入口温度で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥の出口温度は、約30℃~約150℃である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥の出口温度は、少なくとも約30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、またはそれを超える温度であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥の出口温度は、最大約40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、またはそれを超える温度であり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、出口温度が低いと、乾燥室内に酸化グラフェン堆積物が形成され、そこを通るスループットが低下する。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の溶液の加熱は、第1の溶液を撹拌することを含む。いくつかの実施形態では、焼戻しは、空気中、窒素中、アルゴン中、またはそれらの任意の組合せにおいて行われる。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、第1の溶液に氷を添加することによって冷却される。いくつかの実施形態では、エッチング剤は、過酸化水素、臭素、ヨウ素、過マンガン酸カリウム、塩素酸カリウム、重クロム酸カリウム、酸化マンガン、塩化鉄(III)、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、次亜塩素酸、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、AGOを溶媒媒体に分散させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、溶媒媒体は、極性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒または水性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、n-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジクロロベンゼン、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、例えば、剪断混合、超音波撹拌、ボールミル、またはそれらの任意の組合せとして、機械的力を加える工程をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、AGOを溶媒媒体に分散させる工程は、AGOと溶媒媒体を約2分間~約60分間超音波処理することを含む。いくつかの実施形態では、AGOを溶媒媒体に分散させる工程は、少なくとも約2分間、5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、またはそれを超える時間、AGOおよび溶媒媒体を超音波処理することを含み、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOを溶媒媒体に分散させる工程は、最大約5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、またはそれを超える時間、AGOおよび溶媒媒体を超音波処理することを含み、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、最大約0.5mg/mLの濃度で、AGOを溶媒媒体に分散させる工程をさらに含む。
【0019】
グラフェンは、溶媒媒体に分散しにくい場合があるが、本明細書におけるAGOの酸素含有官能基は、グラフェンが極性溶媒に分散することを可能にする。いくつかの実施形態では、本明細書におけるAGOは、界面活性剤を添加し、かつ、例えば、剪断混合、超音波撹拌、ボールミル、またはそれらの任意の組合せとして機械的力を加えることによって、有機溶媒または水性溶媒(例えば、n-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、およびジクロロベンゼン)に分散される。
【0020】
活性化酸化グラフェンの形態学
いくつかの実施形態では、AGOは、ナノプレート(nanoplate)、ナノシート(nanosheet)、ナノ粒子(nanoparticle)、ナノフレーク(nanoflake)、ナノプレートレット(nanoplatelet)、またはそれらの任意の組合せを含む形態を有する。いくつかの実施形態では、AGOは無臭である。いくつかの実施形態では、AGOの色は、褐色または黄金褐色である。
【0021】
いくつかの実施形態では、AGOの少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超える値は、単一の炭素層で形成され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOの少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超える値は、単一の炭素層のみで形成され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、それによって生成されたAGOにおける単層炭素の濃度を増大させることを可能にする。
【0022】
図2Aは、雲母基板上に堆積した例示的なAGOの第1の原子間力顕微鏡(AFM)画像を示す。図に示されるように、例示的なAGOは、単層レベルまで剥離されており、検出された2層領域は、大部分が自己折畳み(self-folding)単層である。図に見られるAGOの厚さは、表面官能基を含めて約0.7nm~約2nmである。いくつかの実施形態では、AGOの厚さは、単一の炭素原子の厚さである。いくつかの実施形態では、AGOは、厚さが最大約2nm、1.5nm、1nm、0.9nm、0.8nm、0.7nm、0.6nm、0.5nm、0.4nm、または0.3nmであり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOの厚さを低減させることで、AGOの伝導率と表面積を増大させることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、
図2Bおよび2Cの通り、AGOの粒度は約0.1μm~約3.4μmの範囲にわたり、中央値は約0.75μmである。いくつかの実施形態では、AGOの粒度は、少なくとも約0.1μm、0.25μm、0.5μm、0.75μm、1μm、1.25μm、1.5μm、2μm、2.5μm、または約3μmであり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOの粒度は、最大約0.25μm、0.5μm、0.75μm、1μm、1.25μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、または3.5μmであり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOの粒度は、平均粒度または中央値粒度として測定される。いくつかの実施形態では、AGOの粒度は、AGO粒子の長さ、幅、または対角線長さとして測定される。
図3Aおよび
図3Bはそれぞれ、例示的なAGOの粒子の走査電子顕微鏡(SEM)画像、および透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。図に示されるように、AGOの粒子は、大きさが約6μmであり、複数の溝(furrows)および畝(ridge)を有する、皺の寄った形態を有する。
図3BのAGO粒子の透明度は、その炭素原子の厚さを示す。いくつかの実施形態では、粒度は、表面積や伝導率など、AGOの特性および用途に直接影響を与える。
【0024】
活性化酸化グラフェンの特徴評価
図15Aによると、例示的な活性化酸化グラフェン(AGO)のC1スペクトルは、それぞれがピークエネルギーおよび相対強度を有する5つのピークにデコンボリューション可能である。示されるように、sp
2、sp
3、C-O、C=O、およびO-C=O結合の5つのエネルギーピークは、それぞれ284.5eV、285.5eV、287.5eV、および288.9eV、289.8eVである。さらに、示されるように、sp
2、sp
3、C-O、C=O、およびO-C=O結合に対する、各官能基の寄与度に相関する相対強度は、それぞれ4.9%、30.2%、57.1%、3.2%、および3.5%である。
【0025】
図15Bは、約460auの強度で約1350cm-1にピークを有する「D」ピーク、および約515auの強度で約1600cm-1にピークを有する「G」ピークを示す、例示的なAGOのラマン分光グラフを示す。DピークおよびGピークは、それぞれsp
3およびsp
2の混成炭素に対応し、DピークとGピークの強度の比は、AGOの欠陥密度に対応する。この例では、D:G比は約1:1.2であり、約0.8の欠陥密度を表す。
【0026】
いくつかの実施形態では、このような欠陥は電子移動部位として機能し、リチウムイオンがそこを流れることを可能にする。このように、AGOの欠陥密度により、充電/放電速度、充電サイクル能力、および電気活性が改前された電極ならびに畜エネルギーデバイスの形成が可能となる。いくつかの実施形態では、欠陥密度は、AGOの結晶化度および電子移動度に反比例する。
【0027】
いくつかの実施形態では、AGOのD:G比は、約0.1:1~約1:5である。いくつかの実施形態では、AGOのD:G比は、少なくとも約0.1:1、0.3:1、0.5:1、0.8:1、1:1、1:1.2、1:1.5、1:1.8、1:2、1:3、1:4、または約1:5である。いくつかの実施形態では、AGOのD:G比は、約0.1:1以下、0.3:1以下、0.5:1以下、0.8:1以下、1:1以下、1:1.2以下、1:1.5以下、1:1.8以下、1:2以下、1:3以下、1:4以下、または約1:5以下である。
【0028】
いくつかの実施形態では、AGOは、約0.1~約1.5の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、約0.1~約0.2、約0.1~約0.3、約0.1~約0.4、約0.1~約0.5、約0.1~約0.6、約0.1~約0.7、約0.1~約0.8、約0.1~約0.9、約0.1~約1、約0.1~約1.2、約0.1~約1.5、約0.2~約0.3、約0.2~約0.4、約0.2~約0.5、約0.2~約0.6、約0.2~約0.7、約0.2~約0.8、約0.2~約0.9、約0.2~約1、約0.2~約1.2、約0.2~約1.5、約0.3~約0.4、約0.3~約0.5、約0.3~約0.6、約0.3~約0.7、約0.3~約0.8、約0.3~約0.9、約0.3~約1、約0.3~約1.2、約0.3~約1.5、約0.4~約0.5、約0.4~約0.6、約0.4~約0.7、約0.4~約0.8、約0.4~約0.9、約0.4~約1、約0.4~約1.2、約0.4~約1.5、約0.5~約0.6、約0.5~約0.7、約0.5~約0.8、約0.5~約0.9、約0.5~約1、約0.5~約1.2、約0.5~約1.5、約0.6~約0.7、約0.6~約0.8、約0.6~約0.9、約0.6~約1、約0.6~約1.2、約0.6~約1.5、約0.7~約0.8、約0.7~約0.9、約0.7~約1、約0.7~約1.2、約0.7~約1.5、約0.8~約0.9、約0.8~約1、約0.8~約1.2、約0.8~約1.5、約0.9~約1、約0.9~約1.2、約0.9~約1.5、約1~約1.2、約1~約1.5、または約1.2~約1.5の欠陥密度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.2、または約1.5の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、または約1.2の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.2、または約1.5の欠陥密度を有する。
【0029】
図16Aおよび16Bによる、X線粉末回折(XRD)グラフは、酸素官能基の導入による約0.78nmの層間間隔に対応する約11°の2θ、ならびに0.34nmのグラファイト積層が存在しないため、例示的なAGOが効果的に剥離していることを示す約26°でのXRDピークを示す。効果的な剥離により、AGOの表面積および伝導率が増大する。さらに、
図16Aおよび
図16BによるX線光電子分光(XPS)グラフは、約70.8%の高炭素含有量、約27.8%の高酸素含有量、ならびに約1.4%未満という、例示的なAGO内の他の成分の、窒素および他の不純物の濃度の低さを示す。このように炭素含有量が高く、不純物含有量が低いことは、例示的なAGOの高い伝導率および高いエネルギー貯蔵特性を可能にする。例示的なAGOの分析結果は、以下の表1に示される。
【0030】
【0031】
いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約40%、45%、50%、55%、またはそれを超える原子状炭素含量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約60重量%、65重量%、70重量%、またはそれを超える炭素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約40%、45%、50%、55%、またはそれを超える原子状酸素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約20重量%、25重量%、30重量%またはそれを超える酸素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書におけるAGOの高い炭素含有量は、炭素層のより大きな電気移動度およびより高い結晶化度を可能にする。いくつかの実施形態では、本明細書におけるAGOの高い酸素含有量は、剥離を可能にし、かつ再スタッキングを防止するのに十分に広い層間間隔を確保する、多量の酸素官能基を形成する。いくつかの実施形態では、本明細書におけるAGOの高い炭素含有量および酸素含有量は、不純物準位の低減を示す。このように炭素含有量が高く、不純物含有量が低いことは、例示的なAGOの高い伝導率および高いエネルギー貯蔵特性を可能にする。
【0032】
図18Aは、約3350cm
-2でのO-H伸縮、約1720cm
-2でのC=O伸縮、約1570cm
-2での芳香族C=C伸縮、および約1050cm
-2でのC-O伸縮を有する例示的なAGOのフーリエ変換赤外(FTIR)グラフを示す。
図18Bは、例示的なAGOの熱分析を示し、3つのピークはそれぞれ、蒸発散、熱還元、および燃焼に対応する。
【0033】
【0034】
例示的なAGOの特性は、上記の表2に列挙される。いくつかの実施形態では、単層であるAGOの割合は、少なくとも約85%である。いくつかの実施形態では、AGOは、約0.2g/cm3~約1.5g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約0.2g/cm3、0.3g/cm3、0.4g/cm3、0.5g/cm3、0.6g/cm3、0.7g/cm3、0.8g/cm3、0.9g/cm3、1.0g/cm3、1.1g/cm3、1.2g/cm3、1.3g/cm3、1.4g/cm3、または1.5g/cm3の密度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書におけるAGOの密度の低さおよび表面積の大きさは、高電力および高エネルギー密度を有する畜エネルギーデバイスにおける電極の形成を可能にする。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約0.2g/cm3、0.3g/cm3、0.4g/cm3、0.5g/cm3、0.6g/cm3、0.7g/cm3、0.8g/cm3、0.9g/cm3、1.0g/cm3、1.1g/cm3、1.2g/cm3、1.3g/cm3、または約1.4g/cm3の密度を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、AGOは、約0.2μm~約4μmの平均横寸法を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約0.2μm、0.4μm、0.6μm、0.8μm、1μm、2μm、3μm、またはそれを超える平均横寸法を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約0.4μm、0.6μm、0.8μm、1μm、2μm、3μm、4μm、またはそれを超える平均横寸法を有し、その中に増分を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、AGOは、約0.5nm~約5nmの大きさを有する面間孔を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約0.5nm、1nm、1.5nm、2nm、2.5nm、3nm、3.5nm、4nm、4.5nmまたはそれを超える大きさを有する面間孔を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約1nm、1.5nm、2nm、2.5nm、3nm、3.5nm、4nm、4.5nm、5nm、またはそれを超える大きさを有する面間孔を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、面間孔の大きさは、表面積に影響し、それゆえにAGOの伝導率に影響する。
【0037】
いくつかの実施形態では、AGOは、約450m2/g~約1,500m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約450m2/g、500m2/g、625m2/g、750m2/g、875m2/g、1,000m2/g、1,250m2/g、またはそれを超える表面積を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書におけるAGOの表面積が増大することにより、AGOの伝導率、電力密度、エネルギー密度、またはそれらの任意の組合せが増大する。
【0038】
いくつかの実施形態では、AGOは、約65重量%~約75重量%の炭素含有量を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、またはそれを超える炭素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、約25重量%~約30重量%の酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、またはそれを超える酸素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、またはそれを超える酸素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約1.5重量%の灰分含量を有する。いくつかの実施形態では、炭素含有量が高く、灰分含量が低いことは、抵抗を減少させ、それゆえにAGOの伝導率を増大させる。
【0039】
いくつかの実施形態では、AGOは、約1cm2/V/s~約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、約1cm2/V/s~約2cm2/V/s、約1cm2/V/s~約5cm2/V/s、約1cm2/V/s~約10cm2/V/s、約1cm2/V/s~約25cm2/V/s、約1cm2/V/s~約50cm2/V/s、約1cm2/V/s~約75cm2/V/s、約1cm2/V/s~約100cm2/V/s、約1cm2/V/s~約200cm2/V/s、約1cm2/V/s~約300cm2/V/s、約1cm2/V/s~約400cm2/V/s、約1cm2/V/s~約500cm2/V/s、約2cm2/V/s~約5cm2/V/s、約2cm2/V/s~約10cm2/V/s、約2cm2/V/s~約25cm2/V/s、約2cm2/V/s~約50cm2/V/s、約2cm2/V/s~約75cm2/V/s、約2cm2/V/s~約100cm2/V/s、約2cm2/V/s~約200cm2/V/s、約2cm2/V/s~約300cm2/V/s、約2cm2/V/s~約400cm2/V/s、約2cm2/V/s~約500cm2/V/s、約5cm2/V/s~約10cm2/V/s、約5cm2/V/s~約25cm2/V/s、約5cm2/V/s~約50cm2/V/s、約5cm2/V/s~約75cm2/V/s、約5cm2/V/s~約100cm2/V/s、約5cm2/V/s~約200cm2/V/s、約5cm2/V/s~約300cm2/V/s、約5cm2/V/s~約400cm2/V/s、約5cm2/V/s~約500cm2/V/s、約10cm2/V/s~約25cm2/V/s、約10cm2/V/s~約50cm2/V/s、約10cm2/V/s~約75cm2/V/s、約10cm2/V/s~約100cm2/V/s、約10cm2/V/s~約200cm2/V/s、約10cm2/V/s~約300cm2/V/s、約10cm2/V/s~約400cm2/V/s、約10cm2/V/s~約500cm2/V/s、約25cm2/V/s~約50cm2/V/s、約25cm2/V/s~約75cm2/V/s、約25cm2/V/s~約100cm2/V/s、約25cm2/V/s~約200cm2/V/s、約25cm2/V/s~約300cm2/V/s、約25cm2/V/s~約400cm2/V/s、約25cm2/V/s~約500cm2/V/s、約50cm2/V/s~約75cm2/V/s、約50cm2/V/s~約100cm2/V/s、約50cm2/V/s~約200cm2/V/s、約50cm2/V/s~約300cm2/V/s、約50cm2/V/s~約400cm2/V/s、約50cm2/V/s~約500cm2/V/s、約75cm2/V/s~約100cm2/V/s、約75cm2/V/s~約200cm2/V/s、約75cm2/V/s~約300cm2/V/s、約75cm2/V/s~約400cm2/V/s、約75cm2/V/s~約500cm2/V/s、約100cm2/V/s~約200cm2/V/s、約100cm2/V/s~約300cm2/V/s、約100cm2/V/s~約400cm2/V/s、約100cm2/V/s~約500cm2/V/s、約200cm2/V/s~約300cm2/V/s、約200cm2/V/s~約400cm2/V/s、約200cm2/V/s~約500cm2/V/s、約300cm2/V/s~約400cm2/V/s、約300cm2/V/s~約500cm2/V/s、または約400cm2/V/s~約500cm2/V/sの電気移動度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、約1cm2/V/s、約2cm2/V/s、約5cm2/V/s、約10cm2/V/s、約25cm2/V/s、約50cm2/V/s、約75cm2/V/s、約100cm2/V/s、約200cm2/V/s、約300cm2/V/s、約400cm2/V/s、または約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約1cm2/V/s、約2cm2/V/s、約5cm2/V/s、約10cm2/V/s、約25cm2/V/s、約50cm2/V/s、約75cm2/V/s、約100cm2/V/s、約200cm2/V/s、約300cm2/V/s、または約400cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、最大約2cm2/V/s、約5cm2/V/s、約10cm2/V/s、約25cm2/V/s、約50cm2/V/s、約75cm2/V/s、約100cm2/V/s、約200cm2/V/s、約300cm2/V/s、約400cm2/V/s、または約500cm2/V/sの電気移動度を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、AGOは、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する。いくつかの実施形態では、AGOは、少なくとも約1,000S/m、1,250S/m、1,500S/m、1,750S/m、2,000S/m、2,250S/m、2,500S/m、2,750S/m、またはそれを超える伝導率を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、AGOの電気移動度および伝導率により、より迅速な充電ならびにより大きなエネルギー貯蔵が可能となる。
【0041】
活性化酸化グラフェンの還元
いくつかの実施形態では、本明細書における方法は、活性化酸化グラフェン(AGO)を還元することで、第1の活性化還元型酸化グラフェン(ARGO)を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、AGOは熱還元によって還元される。いくつかの実施形態では、本方法は、AGOの化学還元を含む。いくつかの実施形態では、AGOは、化学還元によって還元されない。いくつかの実施形態では、本明細書における熱還元の方法は、AGOの酸素含有量を減少させる。
【0042】
いくつかの実施形態では、本方法は、AGOの化学還元を含む。いくつかの実施形態では、AGOを還元することは、AGO、強塩基を含む第2の溶液を加熱すること、還元剤を第2の溶液に添加すること、ならびに任意選択で、還元剤および第2の溶液を濾過し、かつ洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、強塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、尿素、メラミン、炭酸ナトリウム、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、アスコルビン酸、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ピロガロール、水素化アルミニウムリチウム、アンモニアボラン、二酸化チオ尿素、ヨウ化水素酸、臭化水素、エタンチオール-塩化アルミニウム、Lawesson試薬、重亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、アルミニウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、AGOを還元することは、噴霧乾燥された第1の溶液を、焼戻しすることを含む。いくつかの実施形態では、焼戻しは、火炎トーチ、加熱ストリップ、加熱コイル、またはそれらの任意の組合せによって行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、空気中、窒素中、アルゴン中、またはそれらの任意の組合せにおいて行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、約3,000℃未満、2,500℃未満、2,000℃未満であり、その中に増分を含む温度で行われる。いくつかの実施形態では、AGOを還元することは、噴霧乾燥された第1の溶液を焼戻しすることを含まない。いくつかの実施形態では、焼戻しは、約150℃~約1,500℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しは、少なくとも約150℃、250℃、500℃、750℃、1,000℃、または1,250℃の温度で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、焼戻しは、最大約250℃、500℃、750℃、1,000℃、または1,250℃、または1,500℃の温度で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、焼戻しは、約1分間~約1,500分間の間行われる。いくつかの実施形態では、焼戻しの温度、手段、時間、またはそれらの任意の組合せは、AGOの発火、爆発、膨張、ひいては形態に影響を与える。いくつかの実施形態では、AGOを還元することは、最初の熱膨張と、その後の焼戻しとを含む。焼戻し処理は、表面積および導電性などのAGOの特性を向上させることができる。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンを焼戻しすることにより、その中の酸素官能基が除去される。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンを焼戻しすることにより、その中の酸素官能基が約25%~約75%除去される。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンから酸素官能基を除去することにより、その伝導率が増大する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンから酸素官能基を除去することにより、その導電率が約75%~約125%だけ増大する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンを焼戻しすることにより、その表面積が増大する。いくつかの実施形態では、活性化酸化グラフェンを焼戻しすることにより、その表面積が約75%から約125%だけ増大する。一例では、活性化酸化グラフェンを焼戻しすることにより、表面積が約350m2/gから700m2/gに増大し、酸素含有量が約30%から約16%に減少し、伝導率が約50S/mから約100S/mに増大する。
【0044】
いくつかの実施形態では、乾燥は、約3分間~約60分間の間行われる。いくつかの実施形態では、乾燥は、少なくとも約3分間、5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、またはそれを超える時間の間行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、乾燥は、最大約5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、またはそれを超える時間の間行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶液は、約60℃~約120℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、第2の溶液は、少なくとも約60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、またはそれを超える温度に加熱され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶液は、最大約70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、またはそれを超える温度に加熱され、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶液を濾過し、かつ洗浄することは、第2の溶液への還元剤の添加後、約0.5時間~10時間の時間内に行われる。いくつかの実施形態では、第2の溶液を濾過し、かつ洗浄することは、第2の溶液のpHが約8~約11であるときに行われる。
【0045】
図1は、AGOを熱還元するための例示的な装置を示す。示されるように、いくつかの実施形態では、第1の窒素入口(111)からの窒素は、AGOを含む加熱室(例えば、オーブンまたは熱反応器)(110)内に供給され、ここで、熱電対が、加熱室(110)内の温度を測定する。加熱されたAGOは、加熱室(110)から出て、圧縮空気入口(121)と第2の窒素入口(122)とを備えた収集室(120)内へと立ち昇る。排気フィルタ(131)を備えたサイクロン(130)は、ARGOを収集室(120)から収集バッグ(140)内に吸引する。いくつかの実施形態では、第1の窒素入口(111)、第2の窒素入口(122)、および圧縮空気入口(121)のうちの1つまたは複数は、バルブ(150)によって流体密封される。いくつかの実施形態では、加熱室(110)と収集室(120)との間の接続は、バルブ(150)によって密封される。
【0046】
いくつかの実施形態では、AGOを還元することは、第1のARGOを形成するための上述の熱還元の方法と、第1のARGOをマイクロ波加熱することで第2のARGOを形成する方法とを含む。いくつかの実施形態では、第2のARGOは、第1のARGOと比較して酸素含有量が低減されている。いくつかの実施形態では、マイクロ波加熱は、約10秒間~約60秒間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、マイクロ波加熱は、約500W~約2,000Wの電力で行われる。いくつかの実施形態では、マイクロ波加熱は、少なくとも約500W、750W、1,000W、1,250W、1,500W、1,750W、またはそれを超える電力で行われ、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ波加熱の時間、ワット数、またはその両方は、AGOの発火、爆発、膨張、ひいては形態学に影響を与える。
【0047】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方を溶媒媒体中に分散させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方を、約0.5mg/mLの濃度で溶媒媒体中に分散させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、溶媒媒体は、極性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、有機溶媒または水性溶媒(例えば、NMP、DMF、THF、クロロホルムおよびジクロロベンゼン)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方の分散液に、例えば、剪断混合超音波攪拌、ボールミル、またはそれらの任意の組合せとして、機械的力を加える工程をさらに含む。
【0048】
活性化還元型酸化グラフェンの形態学
いくつかの実施形態では、第1および/または第2の活性化還元型酸化グラフェン(ARGO)は、ナノプレート、ナノシート、ナノ粒子、ナノフレーク、ナノプレートレット、またはそれらの任意の組合せを含む形態を有する。いくつかの実施形態では、ARGOは無臭である。いくつかの実施形態では、ARGOは黒色である。
【0049】
図4Aおよび4Bは、例示的な第1の活性化還元型酸化グラフェン(ARGO)の低倍率および高倍率での2組の視覚顕微鏡検査画像を示す。光学顕微画像(左)とAFM画像(右)は、本明細書における第1のARGOの単層性、トポグラフィー、および平均粒度を表す。図に示されるように、粒子は、大きさが約1μm~約5μmの範囲にわたり、かつ厚みが約3nm未満である。
【0050】
図5Aは、約1.5nmの均一な厚さを表す、例示的な第1のARGOのAFM画像を示す。
図5Bは、
図5Aの例示的な第1のARGOの粒度分布グラフを示す。
図5Aに示すように、第1のARGO粒子は、大きな周囲長を有する樹枝状形態を有する。さらに、示されるように、第1のARGO粒子の平均高さは、約1.6nmであり、2つの積層された第1のARGO粒子の平均高さは、約4nmである。さらに、
図5Bによる、いくつかの実施形態では、第1のARGOの粒度は、約0.1μm~約1μmの範囲にわたり、中央値が約0.5μmである。いくつかの実施形態では、第1のARGOの粒度は、少なくとも約0.1μm、0.25μm、0.5μm、0.75μm、1μm、1.25μm、1.5μm、2μm、2.5μm、または約3μmであり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGOの粒度は、最大約0.25μm、0.5μm、0.75μm、1μm、1.25μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、または3.5μmであり、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGOの粒度は、平均粒度または中央値粒度として測定される。いくつかの実施形態では、AGOの粒度は、第1のARGO粒子の長さ、幅、または対角線長さとして測定される。
【0051】
図7~10は、例示的な第1のARGOのSEM画像を示す。図に示されるように、例示的な第1のARGOは、その間に層間孔を形成する複数の層を含む。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層間孔は、連続的なネットワークを形成する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層間孔のうちの1つまたは複数は、閉じられている。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層間孔の1つまたは複数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える層によって画定される。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層は、相互接続されている。いくつかの実施形態では、図に示されるように、1つまたは複数の層は、波形になっている。いくつかの実施形態では、図に示されるように、1つまたは複数の層は、皺を有する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、1つまたは複数の層は、折り目を有する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、複数の層はアコーディオン状の構造を形成する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、複数の層は、泡状の構造を形成する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、第1のARGO中の複数の層は、概して平行である。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層は積層されない。図に示される広い層間空間は、例示的な第1のARGOの表面積およびイオン拡散速度を増大させることができる。
【0052】
図11は、完全に剥離した例示的な第1のARGOを表すTEM画像を示し、図中の層は分離しており、再堆積されない。図に示される面内ナノ孔は、例示的な第1のARGOの活性化が成功したことを裏付ける。さらに、図に示される、急激な熱膨張によって生じ得る畝、襞、および皺は、グラフェン層の再堆積を軽減する。
【0053】
図12A~Cは、例示的な第2のARGOのAFM画像を示す。図に見られるように、例示的な第1のARGOは、約0.25μm~約2.5μmの幅を有する粒子を有し、この幅は、平均幅、最大幅、最小幅、またはそれらの任意の組合せとして測定される。さらに示されるように、例示的な第2のARGO粒子は、単一の皺層を有するフレークでできており、これにより表面積が大幅に増大し、再堆積が最小限に抑えられる。図に示されるように、例示的な第2のARGOは、最大、最小、または平均約15nmの高さを有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約10nm~約25nmの高さを有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約10nm、15nm、20nm、またはそれを超える高さを有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、最大約25nmの高さを有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方の高さは、表面積を大幅に増大させ、再堆積を最小限に抑える。
【0054】
図13Aおよび
図13Bは、完全に離れて膨張した個々のグラフェンナノシートの泡状構造を示す、例示的な第2のARGOのSEM画像を示す。図に示されるように、例示的な第1のARGOは、その間に層間空間を形成する複数の層を含む。いくつかの実施形態では、層は、堆積されない。図に示される広い層間空間は、例示的な第1のARGOの表面積およびイオン拡散速度を増大させることができる。その特有の構造のため、第2のARGOは、非常に大きな表面積および高い電子伝導率を実証する。図に示されるように、例示的な第2のARGOは、その間に層間孔を形成する複数の層を含む。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層間孔は、連続的なネットワークを形成する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層間孔のうちの1つまたは複数は、閉じられている。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層間孔のうちの1つまたは複数は、2層、3層、4層、5層、6層、7層、8層、9層、10層、またはそれを超える層によって画定される。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層は、相互に連結している。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層のうちの1つまたは複数は、波形になっている。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層のうちの1つまたは複数は、皺が寄せられている。いくつかの実施形態では、図に示されるように、複数の層はアコーディオン状の構造を形成する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、複数の層は、泡状の構造を形成する。いくつかの実施形態では、図に示されるように、第2のARGO中の複数の層は、概して平行である。いくつかの実施形態では、図に示されるように、層は堆積しない。図に示される広い層間空間は、例示的な第2のARGOの大きな表面積および高いイオン拡散速度を可能にする。
【0055】
図14は、例示的な第2のARGOの個別化したグラフェンナノシートを示すTEM画像を示す。図に見られるように、グラフェンナノシートの基底面における大きな皺および畝は、ファンデルワールス相互作用によるグラフェンシートの崩壊および再堆積を防止する。さらに、図中の電子ビームに対して透明な部分は、グラフェンシートが十分に分離され、かつ単層であることをさらに例証する。
【0056】
グラフェンは、溶媒媒体に分散しにくい場合があるが、本明細書におけるARGOの酸素含有官能基は、グラフェンが極性溶媒に分散することを可能にする。いくつかの実施形態では、本明細書におけるARGOは、界面活性剤を添加し、かつ、例えば、剪断混合、超音波撹拌、ボールミル、またはそれらの任意の組合せとして、機械的力を加えることによって、有機溶媒または水性溶媒(例えば、NMP、DMF、THF、クロロホルム、およびジクロロベンゼン)に分散される。いくつかの実施形態では、本明細書におけるARGOを含む分散液は、最大約0.5mg/mLの濃度を含む。
【0057】
図26A~Cは、例示的な第2のARGOの粒度分布を示す。図に示されるように、例示的な第2のARGOは、大きさが約2μm~約90μmの範囲にわたり、中央値が約12μm~約15μmである。
【0058】
活性化還元型酸化グラフェンの特徴評価
図19Aは、例示的な活性化酸化グラフェン(AGO)のC1スペクトルグラフであり、それぞれがピークエネルギーおよび相対強度を有する5つのピークにデコンボリューション可能である。示されるように、sp
2、sp
3、C-O、C=O、O-C=O結合の5つのエネルギーピークは、それぞれ284.5eV、285.6eV、286.5eV、288.0eV、290.9eVである。さらに、示されるように、sp
2、sp
3、C-O、C=O、O-C=O結合に対する、各官能基の寄与に相関する相対強度は、それぞれ56.4%、12.8%、13.4%、6.6%、7.3%である。
【0059】
図19Bは、例示的な第1のARGOのラマン分光グラフを示し、約1350cm
-2での「D」バンド、約1580cm
-2での「G」バンド、約2690cm
-2での「2D」バンド、および約2900cm
-2での「D+G」バンドは、還元後のsp
2結合の回復を実証する。DピークおよびGピークは、それぞれsp
3およびsp
2の混成炭素に対応し、DピークおよびGピークの強度の比は、第1のARGOの欠陥密度に対応する。この例では、D:G比は約1:1.2であり、約0.8の欠陥密度を表す。
【0060】
いくつかの実施形態では、このような欠陥は電子移動部位として機能し、リチウムイオンがそこを流れることを可能にする。このように、第1のARGOの欠陥密度は、充電/放電速度、充電サイクル能力、および電気活性が改善された電極ならびに畜エネルギーデバイスの形成を可能にする。いくつかの実施形態では、欠陥密度は、第1のARGOの結晶化度および電子移動度に反比例する。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1のARGOのD:G比は、約0.1:1~約1:5である。いくつかの実施形態では、第1のARGOのD:G比は、少なくとも約0.1:1、0.3:1、0.5:1、0.8:1、1:1、1:1.2、1:1.5、1:1.8、1:2、1:3、1:4、または約1:5である。いくつかの実施形態では、第1のARGOのD:G比は、約0.1:1以下、0.3:1以下、0.5:1以下、0.8:1以下、1:1以下、1:1.2以下、1:1.5以下、1:1.8以下、1:2以下、1:3以下、1:4以下、または約1:5以下である。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1のARGOは、約0.1~約1.5の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGOは、約0.1~約0.2、約0.1~約0.3、約0.1~約0.4、約0.1~約0.5、約0.1~約0.6、約0.1~約0.7、約0.1~約0.8、約0.1~約0.9、約0.1~約1、約0.1~約1.2、約0.1~約1.5、約0.2~約0.3、約0.2~約0.4、約0.2~約0.5、約0.2~約0.6、約0.2~約0.7、約0.2~約0.8、約0.2~約0.9、約0.2~約1、約0.2~約1.2、約0.2~約1.5、約0.3~約0.4、約0.3~約0.5、約0.3~約0.6、約0.3~約0.7、約0.3~約0.8、約0.3~約0.9、約0.3~約1、約0.3~約1.2、約0.3~約1.5、約0.4~約0.5、約0.4~約0.6、約0.4~約0.7、約0.4~約0.8、約0.4~約0.9、約0.4~約1、約0.4~約1.2、約0.4~約1.5、約0.5~約0.6、約0.5~約0.7、約0.5~約0.8、約0.5~約0.9、約0.5~約1、約0.5~約1.2、約0.5~約1.5、約0.6~約0.7、約0.6~約0.8、約0.6~約0.9、約0.6~約1、約0.6~約1.2、約0.6~約1.5、約0.7~約0.8、約0.7~約0.9、約0.7~約1、約0.7~約1.2、約0.7~約1.5、約0.8~約0.9、約0.8~約1、約0.8~約1.2、約0.8~約1.5、約0.9~約1、約0.9~約1.2、約0.9~約1.5、約1~約1.2、約1~約1.5、または約1.2~約1.5の欠陥密度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGOは、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.2、または約1.5の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGOは、少なくとも約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、または約1.2の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGOは、最大約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.2、または約1.5の欠陥密度を有する。
【0063】
図20Aは、例示的な第1のARGOの低い酸素含有量、および高い純度を立証するXPSグラフを示す。
図19Aおよび
図20Aは、例示的な第1のARGOが、約0.3%の低い不純物含有量、約90%の支配的な炭素元素、約8.5のC/O原子比、多くのsp
2炭素含有量、および少量の酸素含有官能基を有することを示している。
【0064】
図20BによるXRDグラフは、約20°から約30°までの弱く広い盛上りを除いてほとんど特徴がなく、例示的な第1のARGOの剥離単層性質を立証する。
図21は、例示的な第1のARGOのFTIRグラフを示し、約3400cm
-2でO-H伸縮が存在せず、約1740cm
-2ではC=O伸縮が減少し、約1570cm
-2ではC=C伸縮が支配的であり、約1200cm
-2では-O-C伸縮が存在する。いくつかの実施形態では、ARGOは、すべての、または実質的にすべてのOH官能基を含まない可能性がある。
【0065】
図22Aは、例示的な第1のARGOが、最大約400℃の温度の空気中での加熱に対して安定しており、約500℃で完全燃焼することを示す熱分析を示す。
図22Bは、H3型ヒステリシス曲線を有するIV型等温線を表す等温分析であり、スリット状の形態を有するナノプレートレットの例示的な第1のARGOのミクロ-メソポーラス(micro-mesoporous)構造を立証する。さらに、示されるように、BJH吸着を使用して得られた孔径分布図は、約1.3nmを中心とする顕著な微細孔分布を示している。
【0066】
図23Aは、例示的な第2のARGOのC1スペクトルグラフを示し、それぞれがピークエネルギーおよび相対強度を有する5つのピークにデコンボリューション可能である。示されるように、sp
2、sp
3、C-O、C=O、O-C=O結合の5つのエネルギーピークは、それぞれ284.5eV、285.6eV、287.eV、288.0eV、290.9eVである。さらに、示されるように、sp
2、sp
3、C-O、C=O、およびO-C=O結合に対する各官能基の寄与率と相関する相対強度は、それぞれ68.8%、7.4%、7.2%、2.3%、9.4%である。
【0067】
図23AのC1スペクトルグラフおよび
図24AのXRDグラフは、還元中に、酸素含有官能基の例示的な第2のARGOからの除去が成功したことを立証する。
図23Bは、例示的な第2のARGOのラマン分光グラフを示す。
図24Aは、約1350cm
-2での「D」バンド、約1580cm
-2での「G」バンド、約2690cm
-2での「2D」バンド、および約2900cm
-2での「D+G」バンドを特徴とする例示的な第2のARGOのXPSグラフであり、還元後のsp
2結合の回復を実証する。DピークおよびGピークは、それぞれsp
3およびsp
2の混成炭素に対応し、DピークとGピークの強度の比は、第2のARGOの欠陥密度に対応する。この例では、D:G比は約1:1.2であり、約0.8の欠陥密度を表している。
【0068】
いくつかの実施形態では、このような欠陥は電子移動部位として機能し、リチウムイオンがそこを流れることを可能にする。このように、第2のARGOの欠陥密度は、充電/放電速度、充電サイクル能力、および電気活性が改善された電極ならびに蓄エネルギーデバイスの形成を可能にする。いくつかの実施形態では、欠陥密度は、第2のARGOの結晶化度および電子移動度に反比例する。
【0069】
いくつかの実施形態では、第2のARGOのD:G比は、約0.1:1~約1:5である。いくつかの実施形態では、第2のARGOのD:G比は、少なくとも約0.1:1、0.3:1、0.5:1、0.8:1、1:1、1:1.2、1:1.5、1:1.8、1:2、1:3、1:4、または約1:5である。いくつかの実施形態では、第2のARGOのD:G比は、約0.1:1以下、0.3:1以下、0.5:1以下、0.8:1以下、1:1以下、1:1.2以下、1:1.5以下、1:1.8以下、1:2以下、1:3以下、1:4以下、または約1:5以下である。
【0070】
いくつかの実施形態では、第2のARGOは、約0.1~約1.5の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、第2のARGOは、約0.1~約0.2、約0.1~約0.3、約0.1~約0.4、約0.1~約0.5、約0.1~約0.6、約0.1~約0.7、約0.1~約0.8、約0.1~約0.9、約0.1~約1、約0.1~約1.2、約0.1~約1.5、約0.2~約0.3、約0.2~約0.4、約0.2~約0.5、約0.2~約0.6、約0.2~約0.7、約0.2~約0.8、約0.2~約0.9、約0.2~約1、約0.2~約1.2、約0.2~約1.5、約0.3~約0.4、約0.3~約0.5、約0.3~約0.6、約0.3~約0.7、約0.3~約0.8、約0.3~約0.9、約0.3~約1、約0.3~約1.2、約0.3~約1.5、約0.4~約0.5、約0.4~約0.6、約0.4~約0.7、約0.4~約0.8、約0.4~約0.9、約0.4~約1、約0.4~約1.2、約0.4~約1.5、約0.5~約0.6、約0.5~約0.7、約0.5~約0.8、約0.5~約0.9、約0.5~約1、約0.5~約1.2、約0.5~約1.5、約0.6~約0.7、約0.6~約0.8、約0.6~約0.9、約0.6~約1、約0.6~約1.2、約0.6~約1.5、約0.7~約0.8、約0.7~約0.9、約0.7~約1、約0.7~約1.2、約0.7~約1.5、約0.8~約0.9、約0.8~約1、約0.8~約1.2、約0.8~約1.5、約0.9~約1、約0.9~約1.2、約0.9~約1.5、約1~約1.2、約1~約1.5、または約1.2~約1.5の欠陥密度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第2のARGOは、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.2、または約1.5の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、第2のARGOは、少なくとも約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、または約1.2の欠陥密度を有する。いくつかの実施形態では、第2のARGOは、最大約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.2、または約1.5の欠陥密度を有する。
【0071】
図25による熱分析は、例示的な第2のARGOが約500℃の温度の空気中での熱に対して安定しており、約610℃で燃焼することを示す。
図24BによるXRDグラフは、約5°~約90°のスペクトル範囲にわたって特徴がなく、例示的な第2のARGOが剥離単層構造を含むことを示している。
【0072】
例示的な第1のARGO試料および第2のARGO試料の特性を以下の表3に示す。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約0.2μm~約0.9μmの平均横寸法を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、またはそれを超える平均横寸法を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、最大約0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、またはそれを超える平均横寸法を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約650m2/g~約1,500m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約650m2/g、700m2/g、750m2/g、800m2/g、850m2/g、900m2/g、1,000m2/g、1,100m2/g、1,200m2/g、1,300m2/g、1,400m2/g、またはそれを超える表面積を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約0.001g/cm3~約0.05g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約85重量%~約98重量%の炭素含有量を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、またはそれを超える炭素含有量を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約2重量%~約15重量%の酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、最大約1重量%の灰分含量を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約0.0001g/cm3~約0.05g/cm3の密度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、最大約0.001g/cm3、0.002g/cm3、0.003g/cm3、0.004g/cm3、0.004g/cm3、0.005g/cm3、0.006g/cm3、0.007g/cm3、0.008g/cm3、0.009g/cm3、0.010g/cm3、0.011g/cm3、0.012g/cm3、0.013g/cm3、0.014g/cm3、0.015g/cm3、0.016g/cm3、0.017g/cm3、0.018g/cm3、0.019g/cm3、0.020g/cm3、0.030g/cm3、0.040g/cm3、または約0.050g/cm3の密度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約0.001g/cm3、0.002g/cm3、0.003g/cm3、0.004g/cm3、0.004g/cm3、0.005g/cm3、0.006g/cm3、0.007g/cm3、0.008g/cm3、0.009g/cm3、0.010g/cm3、0.011g/cm3、0.012g/cm3、0.013g/cm3、0.014g/cm3、0.015g/cm3、0.016g/cm3、0.017g/cm3、0.018g/cm3、0.019g/cm3、0.020g/cm3、0.030g/cm3、0.040g/cm3、または約0.050g/cm3の密度を有し、その中に増分を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約1cm2/V/s~約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約1cm2/V/s~約2cm2/V/s、約1cm2/V/s~約5cm2/V/s、約1cm2/V/s~約10cm2/V/s、約1cm2/V/s~約25cm2/V/s、約1cm2/V/s~約50cm2/V/s、約1cm2/V/s~約75cm2/V/s、約1cm2/V/s~約100cm2/V/s、約1cm2/V/s~約200cm2/V/s、約1cm2/V/s~約300cm2/V/s、約1cm2/V/s~約400cm2/V/s、約1cm2/V/s~約500cm2/V/s、約2cm2/V/s~約5cm2/V/s、約2cm2/V/s~約10cm2/V/s、約2cm2/V/s~約25cm2/V/s、約2cm2/V/s~約50cm2/V/s、約2cm2/V/s~約75cm2/V/s、約2cm2/V/s~約100cm2/V/s、約2cm2/V/s~約200cm2/V/s、約2cm2/V/s~約300cm2/V/s、約2cm2/V/s~約400cm2/V/s、約2cm2/V/s~約500cm2/V/s、約5cm2/V/s~約10cm2/V/s、約5cm2/V/s~約25cm2/V/s、約5cm2/V/s~約50cm2/V/s、約5cm2/V/s~約75cm2/V/s、約5cm2/V/s~約100cm2/V/s、約5cm2/V/s~約200cm2/V/s、約5cm2/V/s~約300cm2/V/s、約5cm2/V/s~約400cm2/V/s、約5cm2/V/s~約500cm2/V/s、約10cm2/V/s~約25cm2/V/s、約10cm2/V/s~約50cm2/V/s、約10cm2/V/s~約75cm2/V/s、約10cm2/V/s~約100cm2/V/s、約10cm2/V/s~約200cm2/V/s、約10cm2/V/s~約300cm2/V/s、約10cm2/V/s~約400cm2/V/s、約10cm2/V/s~約500cm2/V/s、約25cm2/V/s~約50cm2/V/s、約25cm2/V/s~約75cm2/V/s、約25cm2/V/s~約100cm2/V/s、約25cm2/V/s~約200cm2/V/s、約25cm2/V/s~約300cm2/V/s、約25cm2/V/s~約400cm2/V/s、約25cm2/V/s~約500cm2/V/s、約50cm2/V/s~約75cm2/V/s、約50cm2/V/s~約100cm2/V/s、約50cm2/V/s~約200cm2/V/s、約50cm2/V/s~約300cm2/V/s、約50cm2/V/s~約400cm2/V/s、約50cm2/V/s~約500cm2/V/s、約75cm2/V/s~約100cm2/V/s、約75cm2/V/s~約200cm2/V/s、約75cm2/V/s~約300cm2/V/s、約75cm2/V/s~約400cm2/V/s、約75cm2/V/s~約500cm2/V/s、約100cm2/V/s~約200cm2/V/s、約100cm2/V/s~約300cm2/V/s、約100cm2/V/s~約400cm2/V/s、約100cm2/V/s~約500cm2/V/s、約200cm2/V/s~約300cm2/V/s、約200cm2/V/s~約400cm2/V/s、約200cm2/V/s~約500cm2/V/s、約300cm2/V/s~約400cm2/V/s、約300cm2/V/s~約500cm2/V/sまたは約400cm2/V/s~約500cm2/V/sの電気移動度を有し、その中に増分を含む。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約1cm2/V/s、約2cm2/V/s、約5cm2/V/s、約10cm2/V/s、約25cm2/V/s、約50cm2/V/s、約75cm2/V/s、約100cm2/V/s、約200cm2/V/s、約300cm2/V/s、約400cm2/V/s、または約500cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約1cm2/V/s、約2cm2/V/s、約5cm2/V/s、約10cm2/V/s、約25cm2/V/s、約50cm2/V/s、約75cm2/V/s、約100cm2/V/s、約200cm2/V/s、約300cm2/V/s、または約400cm2/V/sの電気移動度を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、または両方は、最大約2cm2/V/s、約5cm2/V/s、約10cm2/V/s、約25cm2/V/s、約50cm2/V/s、約75cm2/V/s、約100cm2/V/s、約200cm2/V/s、約300cm2/V/s、約400cm2/V/s、または約500cm2/V/sの電気移動度を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、約1,000S/m~約3,000S/mの伝導率を有する。いくつかの実施形態では、第1のARGO、第2のARGO、またはその両方は、少なくとも約1,000S/m、1,250S/m、1,500S/m、1,750S/m、2,000S/m、2,250S/m、2,500S/m、2,750S/m、またはそれを超える伝導率を有し、その中に増分を含む。
【0076】
【0077】
用語および定義
別段の規定がない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0078】
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈によって特に明示されない限り、複数の指示対象を含む。本明細書における「または」への言及は、特に記載されない限り、「および/または」を包含するものとする。
【0079】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、場合によっては、記載された量と近似の量を指す。
【0080】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載された量に10%、5%、または1%近い量を指し、その中に増分を含む。
【0081】
本明細書で使用される場合、割合に関する用語「約」は、記載された割合より10%、5%、または1%大きいか、または小さい量を指し、その中に増分を含む。
【0082】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数(one or more)」、および「および/または」という句は、動作において接続語および離接語の両方である非限定的(open-ended)な表現である。例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BまたはCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つまたは複数」、「A、BまたはCのうちの1つまたは複数」、ならびに「A、Bおよび/またはC」という表現はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、AおよびBの両方、AおよびCの両方、BおよびCの両方、またはA、BおよびCのすべてを意味する。
【0083】
本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態が例示としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本開示から逸脱することなく、多くの変形形態、変更形態、置換形態が当業者に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本開示の実施形態に対する様々な代替案が、本開示を実施する際に採用され得ることが理解されるべきである。
【国際調査報告】