(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】可撓性の及び変形可能なコア層を有するサンディングパッド
(51)【国際特許分類】
B24D 3/00 20060101AFI20240711BHJP
B24D 11/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B24D3/00 310Z
B24D11/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502443
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037275
(87)【国際公開番号】W WO2023288053
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524019081
【氏名又は名称】コンボイ ジョン エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】コンボイ ジョン エス
【テーマコード(参考)】
3C063
【Fターム(参考)】
3C063AA02
3C063AB07
3C063BA33
3C063BE04
3C063BG01
3C063BG15
3C063BG22
3C063BG23
(57)【要約】
サンディングパッドは、第1の面及び反対側の第2の面を画定する可撓性の及び変形可能なコア層の積層構造を備え、第1の面及び第2の面の各々は、その上に貼り付けられたサンドペーパー層を有し、サンドペーパー層の各々は、第1及び第2のコア面のそれぞれの一方を画定するパイルループなどの複数の繊維特徴部に接着され、これにより、コア層が変形して屈曲した場合、第1のコア表面を画定するパイルループは、第2のコア表面を画定するパイルループとは反対方向に屈曲することができる。この点で、コア層は、様々な方向に屈曲することができ、凸輪郭及び凹輪郭を含む様々な形状及び幾何学的形状に適合することができる。サンドペーパー層の各々は、コア層のパイルループに接着された裏打ち層に取り付けられる研磨砥粒を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を画定する第1の複数のパイルループと、反対側の第2の面を画定する第2の複数のパイルループとを含む、テリー織布構造を有する、可撓性の及び変形可能なコア層と、
前記コア層の前記第1の面に取り付けられた第1のサンドペーパー層と、
前記コア層の前記第2の面に取り付けられた第2のサンドペーパー層と、を備え、
前記第1のサンドペーパー層及び前記第2のサンドペーパー層の各々は、裏打ち層に取り付けられた研磨砥粒を含む、
ことを特徴とするサンディングパッド。
【請求項2】
前記コア層は、3ピックのテリー織布を含む、
請求項1に記載のサンディングパッド。
【請求項3】
前記コア層は、約100%の綿素材で構成されている、
請求項2に記載のサンディングパッド。
【請求項4】
前記コア層は、約80%の綿と約20%のスパンデックスの材料混合物で構成されている、
請求項2に記載のサンディングパッド。
【請求項5】
前記第1のサンドペーパー層及び前記第2のサンドペーパー層の各々の前記裏打ち層は、前記コア層のそれぞれの複数のパイルループに接着されている、
請求項1に記載のサンディングパッド。
【請求項6】
前記第1のサンドペーパー層及び前記第2のサンドペーパー層の各々は、接着剤又は粘着剤を用いて前記コア層の前記それぞれの複数のパイルループに接着されている、
請求項5に記載のサンディングパッド。
【請求項7】
前記第1のサンドペーパー層及び前記第2のサンドペーパー層の各々の前記研磨砥粒は、粗さを有し、前記第1のサンドペーパー層の前記研磨砥粒の粗さは、前記第2のサンドペーパー層の前記研磨砥粒の前記粗さとは異なる、
請求項1に記載のサンディングパッド。
【請求項8】
第1の面を画定する第1の複数のパイルループを含む、テリー織布構造を有する、可撓性の及び変形可能なコア層と、
前記コア層の前記第1の面に取り付けられ、裏打ち層に取り付けられた研磨砥粒を含む、第1のサンドペーパー層と、を備える、
ことを特徴とするサンディングパッド。
【請求項9】
前記コア層は、2ピックのテリー織布を含む、
請求項8に記載のサンディングパッド。
【請求項10】
前記コア層は、約100%の綿素材で構成されている、
請求項9に記載のサンディングパッド。
【請求項11】
前記コア層は、約80%の綿と約20%のスパンデックスの材料混合物で構成されている、
請求項9に記載のサンディングパッド。
【請求項12】
前記コア層は、3ピックのテリー織布を含む、
請求項8に記載のサンディングパッド。
【請求項13】
前記第1のサンドペーパー層の前記裏打ち層は、前記コア層の前記第1の複数のパイルループに接着されている、
請求項8に記載のサンディングパッド。
【請求項14】
前記第1のサンドペーパー層は、接着剤又は粘着剤を用いて前記コア層の前記第1の複数のパイルループに接着されている、
請求項13に記載のサンディングパッド。
【請求項15】
第1の面及び反対側の第2の面を画定する可撓性の及び変形可能なコア層の積層構造、を備え、
前記第1の面及び前記第2の面の各々は、前記第1の面及び前記第2の面に貼り付けられたサンドペーパー層を有し、
前記サンドペーパー層の各々は、前記第1のコア面及び前記第2のコア面のそれぞれの一方を画定する複数のパイルループに接着されており、
前記コア層が変形及び屈曲した場合に、前記第1のコア面を画定する前記パイルループは、前記第2のコア面を画定する前記パイルループとは反対方向に屈曲することができる、
ことを特徴とするサンディングパッド。
【請求項16】
前記コア層は、3ピックのテリー織布を含む、
請求項15に記載のサンディングパッド。
【請求項17】
前記コア層は、約100%の綿素材で構成されている、
請求項16に記載のサンディングパッド。
【請求項18】
前記コア層は、約80%の綿と約20%のスパンデックスの材料混合物で構成されている、
請求項16に記載のサンディングパッド。
【請求項19】
前記第1のサンドペーパー層及び前記第2のサンドペーパー層の各々の前記裏打ち層は、前記コア層のそれぞれの複数のパイルループに接着されている、
請求項1に記載のサンディングパッド。
【請求項20】
前記第1のサンドペーパー層及び前記第2のサンドペーパー層の各々は、接着剤又は粘着剤を用いて前記コア層の前記それぞれの複数のパイルループに接着されている、
請求項5に記載のサンディングパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年7月15日出願の米国特許出願番号17/376,992号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、サンドペーパー及びサンディングパッドに関し、より詳細には、湾曲した、曲線輪郭の及び/又は複雑な形状を有するカスタムプロジェクトにおけるサンドペーパーの使用を容易にするために設けられた、可撓性の及び変形可能なコア層を有するサンディングパッドに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のサンドペーパーは、一般に、平坦な又は薄板状の裏打ち材に貼り付けられた研磨材を含む。この点で、サンドペーパーは、一般に、木材、金属、ガラス繊維、プラスチックなどで作られている加工物を平滑に仕上げ加工するために、手での使用に又は電動サンダーに取り付けるのに適応する薄いシートで提供される。サンドペーパーは、建築、大工仕事、家具製造及び他の木工作業、自動車の車体製作及び修理、ボート製作及び修理など、さまざまな用途で使用されている。これらの代表的な用途のそれぞれにおいて、サンドペーパーは、一般に、様々な表面の輪郭及び形状を滑らかにして仕上げるのに必要とされる。
【0004】
サンドペーパーの最も基本的な使用法では、使用者は、サンドペーパーのシートを手に持ち、加工物の表面を滑らかに仕上げるために加工物に当てる。サンドペーパーシートは薄っぺらな性質のため、使用時に大きな力又は速度を加えると簡単に折れ曲がる、しわが寄る、座屈する、最終的には裂ける可能性がある。そのため、使用者は、使用時にサンドペーパーシートを折り曲げて強化することが多い。同様に、使用者は、サンドペーパーを折り曲げて狭いスペースに合わせること又は特定の形状又は輪郭に適合させることになる。しかしながら、サンドペーパーは、サンドペーパーのシートがそのように折り曲げられても使用時に簡単に損傷する可能性があり、多くの場合、使用者によって作成された粗い折り目に沿って損傷する。
【0005】
電動サンダーなどの電動工具は、機械的サンディングのために工具ヘッドに取り付けられる事前にカットされたサンドペーパー片を使用するものが利用可能である。このような電動サンダーは、作業を容易にし、スピードアップを図ることができるが、一般に、平坦面又は大きな半径の曲面をサンディングすることに対してのみ有効である。カスタム作業は、電動サンダーが適合できない又は適さないような精密な複雑な幾何形状、輪郭、形状を多く含む。そのため、電動サンダーはほとんどのカスタム作業に適していない。同様に、サンドペーパーシートを把持するサンディングブロック又は型枠(form)は、使用中にサンドペーパーの剛支持をもたらすことが良く知られており、電動サンダーが利用できない場合にサンディング作業を容易にすることができる。例えば、サンディングのための一般的なDIY手法は、使用者が従来のサンドペーパーシートをしっかり把持しようとするのではなく、サンドペーパーシートをより把持しやすい木製ブロックに貼り付けることである。しかしながら、このような硬質サンディングブロックは一般的に平坦面にしか使えず、曲面又は曲線輪郭面には適していない。加えて、サンドペーパーは、このような硬質裏板の端部に沿ってより早く摩耗する傾向がある。さらに、サンドペーパーがブロックに適切に貼り付けられていないと、しわ及び座屈の影響を受けやすくなり、最終的には早期に裂けてしまう。
【0006】
変形可能なサンディングブロックも利用可能であり、それによってサンディングブロックは所望の輪郭に曲げること及び形作ることができ、湾曲及び曲線輪郭形状の選択肢をもたらす。例えば、いくつかの従来の変形可能なサンディングブロックは、所望の輪郭に予め形作ることができる内部金属製型枠を含む。変形可能な発泡材を利用するものもある。これは、変形可能なサンディングブロックの形状が加工物の形状に適切に合致する場合に有利である。ばらつきがある場合、サンディングブロックは硬質サンディングブロックと変わらない。さらに、剛性サンディングブロックと同様に、このような変形可能なサンディングブロックでは、使用者がサンドペーパーをブロックに取り付ける必要がある。サンドペーパーが適切に取り付けられていない場合、使用時に簡単にしわが寄る又は座屈する可能性がある。サンドペーパーにしわ又は座屈が生じると、これはサンドペーパーの使用に影響を及ぼし、加工物に損傷を与える可能性がある。加えて、このようなしわ及び座屈は、サンドペーパーが裂ける原因になる。加えて、サンドペーパーがブロックの変形前にこれに取り付けられる場合、サンドペーパーシートが過度に緩く取り付けられると、ブロックが形作られる際にサンドペーパーにしわが寄る又は座屈する場合がある、又は、サンドペーパーシートが過度にきつく取り付けられると、ブロックが裂ける又はその変形が制限される場合がある。さらに、ブロックが形作られた後にサンドペーパーシートがブロックに取り付けられる場合、ブロック上のサンドペーパーの張力によって、一般に、使用時にブロックの形状が固定され、使用時にブロックが曲がることが制限されることになる。事実上、このようなシナリオにおける変形可能なブロックは、特定の輪郭での使用にのみ適した剛性サンディングブロックとなっている。多くの用途において、加工物の輪郭は変化し、このようなサンディングブロックは、例え変形可能であっても、サンドペーパーを取り外し、ブロックの形状を調整し、次にサンドペーパーを再度適用する必要なしに、変化する輪郭に使用することはできず、これは作業時間を増やす。
【0007】
従って、多くの場合、湾曲した複雑な幾何形状に対してはサンドペーパーシートを手で使用することが最良の手法であり、その理由は、電動サンダー及びサンディングブロックの剛性代替手段が、一般に、加工物の形状に適切に適合しないか、又は、成形品、家具の脚及び細部、手すり及び手すり又は欄干の支柱等のようなカスタム加工物のきつい凹形状又は凸形状に適合しないからである。
【0008】
以上のことから、サンディングを必要とする凹面、凸面又は他の複雑な表面を有する加工物を含む、湾曲した複雑な幾何形状を含むカスタムプロジェクトに使用できるサンディングパッドが必要とされている。加えて、湾曲した又は複雑な幾何形状を有するカスタムプロジェクトで使用するための適切な可撓性を有するサンディングパッドが必要とされており、サンディングパッドは、手でのサンディング作業を容易にするように、外側サンドペーパー層の表面を均一なままにして、加工物の形状を補完するように屈曲すること又は変形することができる。より好ましくは、可撓性の及び剛性の適切なバランスを有するサンディングパッドが必要とされており、サンディングパッドは、サンディングパッドの使用に影響を及ぼす折れ曲がり、座屈、又は裂けを回避するように所定の剛性レベルを維持しながら所望の形状に変形することができ、さらに、様々な輪郭及び幾何形状を補完して適応するように使用時に変形することができる。さらに、ある程度の弾性を有する可撓性の及び変形可能なサンディングパッドが必要とされており、サンディングパッドは、使用時に適合することができ、一方で、様々な輪郭の加工物を有する複数のプロジェクトに再利用可能である。従って、本発明の一形態は、現在市販されている従来のサンドペーパーシート及び支持体を改良し、そのような従来のサンドペーパー及びサンディング製品に関連する問題及び欠点を克服する、可撓性の及び変形可能なコア層を有するサンディングパッドを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、湾曲した、曲線輪郭の、又は複雑な形状を有するカスタムプロジェクトに適応可能なサンディングパッドが提供される。特に、サンディングパッドは、サンドペーパー層又は加工物に損傷を与えることなく、加工物の形状及び幾何学的形状に適合して及びそれを補完するように屈曲及び変形することができる。本発明のサンディングパッドは、特に、加工物の形状に適合するように、又は、成形品、家具の脚及び細部、手すり又は手すり又は欄干の支柱、自動車の車体又は部品、ボートの船体又は部品などのようなカスタム加工物のきつい凹形状又は凸形状に適するように適応可能である。
【0010】
一般に、本発明によるサンディングパッドは、可撓性の及び変形可能なコア層と、それに貼り付けられた少なくとも1つのサンドペーパー層と、を備える。好ましい実施形態では、コア層は、テリー織布構造、より好ましくは3ピックのテリー織布を含み、概してパイルループの形態であり、第1のサンドペーパー層が貼り付けられる第1の面を画定する、多方向に独立して可撓性の第1の複数の織物特徴部と、同じく概してパイルループの形態であり、第2のサンドペーパー層が貼り付けられる反対側の第2の面を画定する、多方向に独立して可撓性の第2の複数の織物特徴部と、を含む。サンドペーパー層の各々は、コア層のパイルループに接着された裏打ち層に取り付けられた研磨砥粒を含む。使用時、サンディングパッドは、サンドペーパー層が折れ曲がる、しわになる、座屈する、裂けることなく、所望の形状に屈曲及び変形することができる。より詳細には、パイルループは、サンディングパッドの屈曲及び変形中にループが必要に応じて異なる反対方向に屈曲することができるように、独立して変形可能であり、多方向に可撓性である。有利には、サンディングパッドのサンドペーパー層は、折れ曲がる、しわが寄る、座屈する又は裂けることなく、凹形状及び凸形状に同様に屈曲することができる。
【0011】
本発明の実施形態では、コア層は、第1のサンドペーパー層が貼り付けられる少なくとも第1の面を画定する複数のパイルループを含む。この点で、コア層は、テリー織布構造を含み、より詳細には、2ピックのテリー織布を含むことができる。より好ましくは、コア層は、コア層の両側面上にパイルループを含み、各側面上にサンドペーパー層が取り付けられた3ピックのテリー織布を含む。
【0012】
本発明の代替の実施形態では、コア層は、一般に結合繊維を含み、第1のサンドペーパー層が取り付けられる第1の面と、第2のサンドペーパー層が取り付けられる反対側の第2の面と、を画定する、複数の多方向で独立した可撓性の織物特徴部を含む不織布構造を備える。不織布コア層は、フェルト化又はニードルパンチされた中綿材料を含むことができ、繊維は、マット化、フェルト化、接着又は融着されて不織布層を画定するが、個々の繊維は独立したままであり、多方向に屈曲することができる。実施形態では、繊維は、使用のための所望の可撓性及び剛性を達成するために、異なるデュロメータ及び長さとすることができる。
【0013】
本発明の一形態では、コア層は、綿織物、又は綿とスパンデックスとの組み合わせを含む。綿及びスパンデックスの相対的割合は、コア層の剛性及び/又は弾性を調整するために調整することができる。例えば、本発明の実施形態では、サンディングパッドの「柔軟な」構造は、約100%のコットン構造の中央コア層を含むことができ、サンディングパッドの「中間の」構造は、約80%のコットンと約20%のスパンデックスとの混合物から作られた中央コア層を含むことができる。使用可能な代替材料としては、限定されるものではないが、竹繊維、絹、ポリエステル、とうもろこし、プラスチック、又は、綿/ポリ混合物などが挙げられる。
【0014】
上述のように、好ましい実施形態は、コア層の各側面に設けられるサンドペーパー層を含む。より詳細には、第1及び第2のサンドペーパー層は、コア層の第1及び第2の面の各々を画定するそれぞれのパイルループに接着される。サンドペーパー層の各々は、裏打ち層に取り付けられた研磨砥粒を含む。本発明によれば、第1及び第2のサンドペーパー層の各々に関する研磨砥粒の粗さは、サンディングパッドの実用性を高めるために異なることができる。
【0015】
さらに、各サンドペーパー層は、各サンドペーパー層の湿潤強度を向上させるための積層体を含むことができ、サンドペーパー層は、屈曲又は湾曲してもその形状を保持し、曲がっても又は湾曲しても亀裂が生じないようになっている。
【0016】
本発明の一形態では、サンドペーパー層は、接着剤又は粘着剤を使用してコア層のパイルループに接着されている。
【0017】
本発明の別の形態では、繊維特徴部がサンディングパッドから落下又は抜けないように、コア層の端部をシールすることができる。例えば、端部は接着剤又はエラストマーコーティング材料を使用して被覆されることができる。さらに、端部は、例えばレーザー又はホットナイフで材料を切断することで、製造プロセスの間にシール又は焼灼されることができる。
【0018】
本発明によれば、サンディングパッドの可撓性及び剛性は、構造内で変化させることができる。例えば、サンディングパッドは、軟質、中間又は硬質などの様々なレベルの剛性で製造することができる。剛性は、コア層の厚さ、コア層の材料、コア層の各表面上のパイルループの数、パイルループの長さ、サンドペーパー層(複数可)の裏打ち層の厚さ及び/又は剛性、及びそれらの組み合わせの少なくとも1つを変えることによって変化させることができる。
【0019】
本発明のサンディングパッドは、使用時に、サンドペーパー層(複数可)が折れ曲がる、しわになる、又は座屈することなく、加工物の形状に適合することができる。コア層のパイルループは、サンディングパッドの形状を所望の輪郭及び曲率に調整するように独立して屈曲し、曲がり、及び縮み、一般に加工物の形状を補完し、加工物の幾何形状が変化する可能性があるため使用時の変形を許容することも含まれる。コア層の可撓性及び組み込まれた弾性により、サンディングパッドは、不使用時に静止状態に戻ることができる。その結果、一旦変形したサンディングパッドは、特定の形状又は変形に制限されず、様々な形状、輪郭及び幾何形状で使用することができる。
【0020】
本発明の別の形態では、サンディングパッドは、第1の面と、反対側の第2の面とを画定する規定する可撓性の及び変形可能なコア層の積層構造を備え、各面はその上に貼り付けられたサンドペーパー層を有し、各サンドペーパー層は、第1及び第2のコア面のそれぞれの一方を画定する複数のパイルループに接着されており、コア層が変形及び屈曲した場合に、第1のコア面を画定するパイルループは、第2のコア面を画定するパイルループとは反対方向に屈曲することができる。この点で、コア層は、様々な方向に屈曲することができ、凸輪郭及び凹輪郭を含む様々な形状に適合することができる。
【0021】
本発明の上記の及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面に示された実施形態の詳細な説明に照らして明らかになるであろう。本発明の特徴の図示された実施形態は、本発明を説明することを意図しているが、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるサンディングパッドの実施形態の斜視図を示す。
【
図3】
図1のサンディングパッドの詳細な断面図を示す。
【
図4】第1の変形状態における
図1のサンディングパッドの斜視図を示す。
【
図5】
図4の変形したサンディングパッドの断面図を示す。
【
図6】
図4の変形したサンディングパッドの詳細な断面図を示す。
【
図7】本発明によるサンディングパッドの代替実施形態の詳細な断面図を示す。
【
図8】本発明によるサンディングパッドの別の代替実施形態の詳細な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面及び以下の説明では、本発明は、本発明を具現化するサンディングパッドのデザインを参照して図示及び説明されている。より詳細には、
図1-6には、本発明による可撓性の及び変形可能なコア層及び少なくとも1つの外側サンドペーパー層を有するサンディングパッドが示されている。
図1では、全体的に参照数字10で指定されるサンディングパッドは、弛緩状態で示されている。比較として、
図4は、サンディングパッド10を屈曲させて変形させることによってサンディングパッド10を形作り適合させることができる輪郭形状を有する加工物をサンディングする際に使用するのに適した、屈曲状態のサンディングパッド10を示す。
図5は、加工物200の湾曲形状に適合するサンディングパッド10を示す。
図4に示す屈曲状態は、説明のために提示したサンディングパッド10を変形させるための1つの選択肢である。サンディングパッド10は、サンディングパッド10のいずれかの側面を加工物に使用できるように、複数の方向に屈曲可能であることに留意されたい。
【0024】
図2を参照すると、サンディングパッド10は、一般に、第1のサンドペーパー層16が貼り付けられる第1の面14と、第2のサンドペーパー層20が貼り付けられる第2の反対面18と、を画定する内側コア層12を有する積層構造で構成される。好ましい実施形態では、コア層12は、テリー織布構造で構成され、より好ましくは、3ピックのテリー織布であるが、本発明の原理及び精神から逸脱することなく4ピック及び5ピックのような代替のピック構造を使用することができる。
図3をより詳細に参照すると、コア層12は、概して第1の面14を画定するパイルループ22の形態の、多方向で独立した可撓性を有する第1の複数の織布特徴部と、同じく概して第2の表面18を画定するパイルループ24の形態の、多方向で独立した可撓性を有する第2の複数の織布特徴部と、を備える。サンドペーパー層16及び20の各々は、パイルループ22及び24に接着されている。
【0025】
サンドペーパー層16及び20の各々は、紙、厚紙、又はサンドペーパー層16及び20に剛性を与える同様の材料などの裏打ち層28a及び28bに取り付けられた研磨砥粒26a及び26bを含む。研磨砥粒26は、本技術分野でよく知られているように、サンドペーパー層に粗さを与える。上述のように、第1のサンドペーパー層16はコア層12の第1の面14に貼り付けられ、第2のサンドペーパー層20は第2の面18に貼り付けられている。より詳細には、
図3に示すように、第1及び第2のサンドペーパー層16及び20は、コア層12の第1及び第2の面14及び18の各々を画定するそれぞれのパイルループ22及び24に接着されている。本発明によれば、サンドペーパー層16及び20は、接着剤又は粘着剤を使用してコア層12のパイルループ22及び24に接着されている。
【0026】
本発明によれば、各サンドペーパー層は、各サンドペーパー層の湿潤強度を向上させるための積層体を含むことができ、サンドペーパー層は、屈曲又は湾曲してもその形状を保持し、曲がっても又は湾曲しても亀裂が生じないようになっている。例えば、
図7に示されるように、サンドペーパー層16及び20は、裏打ち層28a及び28bにそれぞれ取り付けられた研磨砥粒26a及び26bから形成された第1の層を備えることができる。第1の層は、それぞれの第2の層29a及び29bに接着することができ、第2の層29a及び29bは、一般に紙、厚紙、又は類似の材料を含み、各サンドペーパー層16及び20の可撓性を損なうことなくサンドペーパー層16及び20に剛性を与える。厚さ及び剛性を増加させるために追加の層を、所望通りに追加することができる。
【0027】
パイルループ22及び24の可撓性は、このように取り付けられると、損傷を与えることなくサンドペーパー層16及び20の屈曲及び移動を容易にする。例えば、
図4に示されるように、サンディングパッド10を曲げる場合、コア層12の凹面側のパイルループ22がコア層12の屈曲に伴って圧縮される及び/又は層状になるので、(
図4-5では層16として示されている)凹面側のサンドペーパー層は、座屈する又は折れ曲がることはないであろう。実際には、
図5-6から分かるように、サンディングパッド10の中央付近のコア層12の部分は、厚さに関して両端のコア層12の部分よりも圧縮されている。同様に、(
図4-5では層20として示されている)凸面側のサンドペーパー層は、裂けること又はサンディングパッド10の屈曲を制限することはおそらくなく、その理由は、コア層12の凸面側のパイルループ24が、通常、サンドペーパー層がパッド10の屈曲に対応できるように、コア層12の反対側のパイルループ22とは異なる方向に広がる、伸長する、及び/又は層状になることができるからである。パッド10は、使用時、サンドペーパー層に損傷を与えることなく、例えば、詳細には研磨剤の粗さが異なるサンドペーパー層の場合にこれらを交換するために、一方のサンドペーパー層を凹状から凸状へ、他方のサンドペーパー層を凸状から凹状へ変えるために迅速に反転させることができる。サンドペーパー層16及び20の両方は、使用時、それらがどのように屈曲され変形されても、均一なままである、すなわち、しわ、凹凸、又は裂け目がないままである。
【0028】
さらに、
図4-5に示されるように、コア層20は、サンディングパッド10が屈曲されると、サンディングパッド10の屈曲部に近い中央部分で圧縮され、コア層20の厚さは、(
図1-2のように)静止時よりも薄くなる。同時に、図示されるように、サンディングパッド10外側端部のコア層20は膨張し、コア層20の厚さは、静止時よりも厚くなる。この点で、パイルループ22及び24は、サンディングパッド10の屈曲に対して、所望の構成、形状及び曲率に多方向に動き得ることに加えて、収縮又は膨張するようになっている。
【0029】
本発明によれば、第1のサンドペーパー層16及び第2のサンドペーパー層20の各々に関する研磨砥粒の粗さは、サンディングパッド10の実用性を高めるために異なることができる。例えば、一方の側面は細かいサンドペーパー砥粒を有し、他方の側面はより粗いサンドペーパー砥粒を有することができる。
【0030】
代替の実施形態では、
図8に示されるように、本発明によるサンディングパッド110は、コア層112及び唯一のサンドペーパー層116の積層体で構成することができる。この点で、コア層112は、唯一の第1のサンドペーパー層116が貼り付けられる第1の面114を画定する複数のパイルループ122を含む。この構成に関して、コア層112は、本発明の原理及び精神から逸脱することなく、テリー織布構造を含むことができ、より詳細には、2ピックのテリー織布を含むことができる。コア層112の反対側の第2の面118は露出させる、又は(図示されているように)硬質の裏打ち紙117を含むこと、又はサンディングパッド110の保持を容易にするためのグリップ又はハンドルを含むこともできる。
【0031】
本発明の別の代替の実施形態では、サンディングパッドは、不織布構造を含むコア層を使用して構成することができ、不織布構造は、第1のサンドペーパー層が取り付けられる第1の面と、第2のサンドペーパー層が取り付けられる反対側の第2の面と、を画定する、一般に結合繊維を含む、複数の多方向かつ独立の可撓性を有する織物特徴部を含む。不織布コア層は、フェルト化又はニードルパンチされた中綿材料を含むことができ、繊維は、マット化、フェルト化、接着又は融着されて不織布層を画定するが、個々の繊維は独立したままであり、多方向に屈曲することができる。このような不織布層は、キルティング、詰め物、中綿、又は詰め綿に使用されることが多く、一般に、原綿、羊毛又は合成材料の層又はシートを含む。実施形態では、繊維は、使用のための所望の可撓性及び剛性を達成するために、異なるデュロメータ及び長さとすることができる。
【0032】
本発明の実施形態では、コア層は、綿織布、又は綿とスパンデックスとの組み合わせから構成される。好ましくは、この材料は、サンディングパッド10に可撓性と剛性の適切なバランスを与えることを助長する。さらに好ましくは、この材料は、サンディングパッド10が様々な形状及び輪郭に屈曲及び変形できるように、コア層12に弾性を与えるが、多くの先行技術のサンディングブロックは、本質的に特定の形状に固定されているため、様々な輪郭を有する加工物には役に立たない。この点で、サンディングパッド10は、サンドペーパー層の妥当な寿命まで再利用可能である。
【0033】
綿及びスパンデックスの相対的割合は、コア層12の剛性及び/又は弾性を調整するように調整することができる。例えば、本発明の実施形態では、サンディングパッドの「柔軟な」構造は、約100%のコットン構造の中央コア層を含むことができ、サンディングパッドの「中間の」構造は、約80%のコットンと約20%のスパンデックスとの混合物から作られた中央コア層を含むことができる。使用可能な代替材料としては、限定されるものではないが、竹繊維、絹、ポリエステル、とうもろこし、プラスチック、又は、綿/ポリ混合物などが挙げられる。サンディングパッドの柔軟性又は硬さを調整するために、パイルループは、テリー織布の縦繊維及び横繊維とは異なる繊維で作ることができる。例えば、ループのスパンデックスの集中度を高くすることで、圧縮及び伸張に対するより大きな能力が付与され、その結果、中央コア層は、より可撓性かつ柔軟になる。加えて、コア層の厚さを調整することで、多くの場合ループの長さと組み合わせて、柔軟性又は硬さを調整することもできる。さらに、積層サンドペーパー層の調整は、後述するように、サンドペーパーパッドの剛性を増減させることができる。
【0034】
本発明によれば、サンディングパッド10の可撓性及び剛性は、構造内で変化させることができる。例えば、サンディングパッドは、軟質、中間又は硬質などの様々なレベルの剛性で製造することができる。より軟質のパッドは、より可撓性があり、より小さくより複雑な細部、より凹凸のある形状、より小さな半径の曲率、及びより多くの輪郭のばらつきを有する加工物に好まれる。より硬質のパッドはより剛性があるが、おそらくより弾性があり、一般的な輪郭及び幾何形状、例えば家具部品、自動車部品、ボートなどの製造ラインでの繰り返し使用に適している。剛性は、コア層の厚さ、コア層の材料、コア層の各表面上のパイルループの数、パイルループの長さ、(複数の)サンドペーパー層の裏打ち層の厚さ及び/又は剛性、及びそれらの組み合わせの少なくとも1つを変えることによって変化させることができる。例えば、より硬質のサンディングパッドの場合、コア層は、より厚くすること、4又は5ピックの織布のようなより入り組んだテリー織布を使用すること、織布により剛性のある糸材料を使用すること、綿に対してより剛性のある材料(スパンデックスなど)の割合を増やすこと、パイルループの数を増やすこと、ループの長さを短くすること、サンドペーパー層のための裏打ち層の厚さ及び剛性を増やすことができる。比較すると、より軟質のサンディングパッドは、綿又は類似の低剛性で低弾性の材料の割合が高いより薄いコア層を使用すること、長さがより長いパイルループの数を低減すること、及び、サンドペーパー層の各々により薄くより可撓性のあるバッキング層を使用することになる。
【0035】
サンドペーパーパッドの剛性は、外側サンドペーパー層の厚さ及び剛性を調整することによっても調整できる。例えば、好ましい実施形態における各サンドペーパー層の厚さの範囲は、約0.005インチから0.01インチの間とすることができる。外側サンドペーパー層の剛性を調整するために、追加ラミネート層を追加することもできる。
【0036】
好ましくは、本発明によるサンディングパッドは、約3インチ×3インチ、3.5インチ×3.5インチ、又は4インチ×4インチのサイズの正方形の積層パッドで提供される。代替案として、パッドは、本発明の原理及び精神から逸脱することなく、円形、楕円形、長方形、又は三角形の形状で作ることができる。
【0037】
好ましくは、サンディングパッドの可撓性及び剛性は、1/2インチの半径に曲げることができるようにバランスさ調整されている。上述のように、サンディングパッド特徴部は可変であり、様々な用途、加工物の形状、及び加工物の材料に適応可能な様々なパッドを提供するために、構造的にパッドの柔らかさ及び硬さを調整できるようになっている。
【0038】
本発明の別の形態では、繊維特徴部がサンディングパッドから落下又は抜けないようにコア層の端部はシールすることができる。例えば、端部は接着剤又はエラストマーコーティング材料を使用して被覆することができる。さらに、端部は、例えばレーザー又はホットナイフで材料を切断することで、製造プロセスの間にてシール又は焼灼することができる。
【0039】
多方向で独立した可撓性の複数の織物特徴部を含むコア層の使用は、そのような織物特徴部が織布のパイルループを含むか又は不織布層の結合繊維を含むか否かにかかわらず、発泡層よりもサンドペーパー構造に効果的であることが分かっている。発泡層は、曲げられる又は折り曲げられるとしわが寄りやすく、これは外側サンドペーパー層に影響を与える。上述のように、サンドペーパー層にしわが寄ると又は裂けると、特にカスタムプロジェクトの場合、使用に影響が出る。それに比べて、サンドペーパーパッドが屈曲する際に、異なる方向に及びランダム方向にさえ独立して屈曲することができる織物特徴部を使用することにより、サンドペーパー層にしわが寄る又は裂けることなく、必要に応じてサンドペーパーパッド全体を屈曲させる又は曲げることができる。
【0040】
本発明の実施形態に関する上述の説明は、図示及び説明を目的として提示されている。これは、本発明を開示された形態に限定するための網羅的なものではない。説明された実施形態は、当業者が、企図された特定の用途に適した様々な実施形態で、様々な変更を加えて本発明を利用できるように、本発明の原理及びその実用的な応用を最もよく説明するために選択されたものである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更を加えることができることは、当業者には理解されるはずである。
【国際調査報告】