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特表2024-526809アトピー性皮膚炎の治療のためのIL-13抗体
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  • 特表-アトピー性皮膚炎の治療のためのIL-13抗体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】アトピー性皮膚炎の治療のためのIL-13抗体
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240711BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P37/08
A61P17/00
A61K31/573
A61P43/00 121
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502469
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 US2022035663
(87)【国際公開番号】W WO2023287590
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21382645.6
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22382098.6
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524019623
【氏名又は名称】デルミラ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Dermira, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100221523
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】アヘル,ヒメノ エレン
(72)【発明者】
【氏名】アルメンゴル トゥバウ,クララ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ヒル,マリア エステル
(72)【発明者】
【氏名】マエソ ナバル,シルビア
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB13
4C086ZC75
(57)【要約】
アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための方法、ヒトIL-13に結合する抗体(「抗IL-13抗体」)の使用及び医薬組成物が本明細書で提供される。アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための方法、及び抗IL-13抗体の使用のための用量及び投与レジメンも本明細書で提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療すること、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減することを必要とする患者においてそれを行う方法であって、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を前記患者に投与することを含み、
前記患者が、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが、前記患者にとって医学的に推奨されず、
前記抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項2】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための方法であって、
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有し、かつシクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが前記患者にとって医学的に推奨されない、患者を選択することと、
ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を前記患者に投与することと、を含み、
前記抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項3】
前記患者が、少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記中程度から重度のアトピー性皮膚炎が、Hanifin及びRajka基準によって決定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記中程度から重度のアトピー性皮膚炎が、Rajka及びLangeland基準によって決定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記患者が、前記医薬組成物の投与前に、16以上の湿疹面積及び重症度指数(EASI)スコア、3以上の治験責任医師による全般的評価(IGA)スコア、並びに10%超のアトピー性皮膚炎に罹患した体表面積(BSA)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記患者が、局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記患者が、12歳以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための方法であって、
i.12歳以上である、
ii.Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、
iii.16以上のEASIスコアを有する、
iv.3以上のIGAスコアを有する、
v.アトピー性皮膚炎に罹患した体表面積の10%超を有する、
vi.局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ
vii.シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者を選択することと、
ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を前記患者に投与することと、を含み、
前記抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項10】
前記シクロスポリンが、シクロスポリンAである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記患者が、シクロスポリンに対する不十分な応答を示した、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記患者が、前記医薬組成物を投与する少なくとも4週間前に、シクロスポリンに対する不十分な応答を示した、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記患者が、シクロスポリンに対する不耐性を示した、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
シクロスポリンが、以下の理由:
i.医学的禁忌、
ii.禁止された併用薬の使用。
iii.シクロスポリン誘導性腎損傷及び/若しくは肝損傷に対する感受性の増加、
iv.重篤な感染症のリスクの増加、又は
v.シクロスポリン活性物質若しくは賦形剤に対する過敏症、のうちの1つにより、前記患者にとって医学的に推奨されない、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記患者が、前記医薬組成物を投与する少なくとも2週間前に、局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記患者が、以前にデュピルマブに曝露されていない、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記患者が、以前にデュピルマブに曝露されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体が、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLとを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖とを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が、レブリキズマブである、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記医薬組成物が、250mg又は500mgの前記抗体を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記医薬組成物が、前記患者に皮下投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物が、前記患者に2週間に1回皮下投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記患者が、16~52週間の期間にわたって前記医薬組成物で治療される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記患者が、16週間の治療期間にわたって前記医薬組成物で治療される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記治療期間中に、前記患者が、2週間に1回、2回の用量にわたって、500mgの前記抗体を含む負荷用量の前記医薬組成物で治療され、2週間に1回、7回の用量にわたって、250mgの前記抗体を含む後続用量の前記医薬組成物で治療される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記治療期間後に前記患者の前記EASIスコアを決定することを更に含む、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記治療期間後に決定された前記EASIスコアが、前記抗体の第1の負荷用量の投与前に決定された前記EASIスコアと比較して50%以上低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記治療期間後に決定された前記EASIスコアが、前記抗体の第1の負荷用量の投与前に決定された前記EASIスコアと比較して75%以上低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記治療期間後に決定された前記EASIスコアが、前記抗体の第1の負荷用量の投与前に決定された前記EASIスコアと比較して90%以上低減される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記治療期間後に前記患者の前記IGAスコアを決定することを更に含む、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記治療期間後に決定された前記IGAスコアが、0又は1であり、前記治療期間後に決定された前記IGAスコアが、前記抗体の前記第1の負荷用量の投与前に決定される前記IGAスコアと比較して2ポイント以上低減される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記治療期間後に前記患者のアトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージを決定することを更に含む、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記治療期間後に前記患者のそう痒数値評価尺度(NRS)スコアを決定することを更に含む、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記治療期間後に決定されたそう痒NRSスコアが、前記抗体の前記第1の負荷用量の投与前に決定された前記そう痒NRSスコアと比較して4ポイント以上低減される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記治療期間後に、前記患者の以下の特徴:
i.アトピー性皮膚炎の重症度評価法(SCORAD)、
ii.睡眠不足尺度、
iii.皮膚疼痛NRSスコア、
iv.患者による湿疹尺度(POEM)総スコア、
v.皮膚科生活の質指数(DLQI)スコア、小児皮膚科生活の質指数(CDLQI)、又はDLQI関連(DLQI-R)スコア、
vi.World Health Organisation-5ウェルビーイング指数(WHO-5)スコア、
vii.アトピー性湿疹のRecap(RECAP)スコア、
viii.薬物療法に対する治療満足度質問票-9項目(TSQM-9)スコア、のうちの1つ以上を決定することを更に含む、請求項25~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記患者が、最大36週間の維持期間にわたって前記医薬組成物で更に治療される、請求項25~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記患者が、前記維持期間中、2週間に1回、250mgの前記抗体を含む維持用量の前記医薬組成物で治療される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記維持期間中又は前記維持期間後に前記患者の前記EASIスコアを決定することを更に含む、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記維持期間中又は前記維持期間後に決定された前記EASIスコアが、前記治療期間後に決定された前記EASIスコアと比較して50%以上低減される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記維持期間中又は前記維持期間後に決定された前記EASIスコアが、前記治療期間後に決定された前記EASIスコアと比較して75%以上低減される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記維持期間中又は前記維持期間後に決定された前記EASIスコアが、前記治療期間後に決定された前記EASIスコアと比較して90%以上低減される、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記維持期間中又は前記維持期間後に前記患者の前記IGAスコアを決定することを更に含む、請求項37~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記維持期間中又は前記維持期間後に決定された前記IGAスコアが、0又は1であり、前記維持期間中又は前記維持期間後に決定された前記IGAスコアが、前記治療期間後に決定される前記IGAスコアと比較して2ポイント以上低減される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記維持期間中又は前記維持期間後に前記患者のアトピー性皮膚炎に罹患したBSAの前記パーセンテージを決定することを更に含む、請求項37~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記維持期間中又は前記維持期間後に前記患者の前記そう痒NRSスコアを決定することを更に含む、請求項37~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記維持期間中又は前記維持期間後に決定された前記そう痒NRSスコアが、前記治療期間後に決定された前記そう痒NRSスコアと比較して4ポイント以上低減される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記維持期間後に、前記患者の以下の特徴:
i.SCORAD、
ii.睡眠不足尺度、
iii.皮膚疼痛NRSスコア、
iv.POEM総スコア、
v.DLQIスコア、CDLQI、又はDLQI-Rスコア、
vi.WHO-5スコア、
vii.RECAPスコア、
viii.TSQM-9スコア、のうちの1つ以上を決定することを更に含む、請求項37~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記医薬組成物が、皮下投与デバイスを使用して前記患者に投与される、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記皮下投与デバイスが、充填済みシリンジ、使い捨てペン型注射デバイス、マイクロニードルデバイス、マイクロインフューザデバイス、針なし注射デバイス、又は自動注射器デバイスから選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が、1つ以上の局所コルチコステロイドを前記患者に投与することを更に含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、前記抗体と同時に投与される、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない前記患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒の低減に使用するための、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、医薬組成物。
【請求項55】
前記患者が、
i.12歳以上である、
ii.Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、
iii.16以上のEASIスコアを有する、
iv.3以上のIGAスコアを有する、
v.BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、
vi.局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ
vii.シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが前記患者にとって医学的に推奨されない、請求項54に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項56】
前記医薬組成物が、1つ以上の局所コルチコステロイドと組み合わせて投与するためのものである、請求項54又は55に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項57】
シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない前記患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療のための、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒の低減のための薬剤の製造における、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物の使用であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、使用。
【請求項58】
前記患者が、
i.12歳以上である、
ii.Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、
iii.16以上のEASIスコアを有する、
iv.3以上のIGAスコアを有する、
v.BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、
vi.局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ
vii.シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが前記患者にとって医学的に推奨されない、請求項57に記載の使用。
【請求項59】
前記医薬組成物が、1つ以上の局所コルチコステロイドと組み合わせて投与するためのものである、請求項57又は58に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法、ヒトIL-13に結合する抗体(「抗IL-13抗体」)の使用及び医薬組成物に関する。本発明はまた、アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法及び抗IL-13抗体の使用のための用量及び投与レジメンに関する。
【背景技術】
【0002】
アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis、AD)は、全ての年齢群に影響を及ぼす慢性再発性で寛解性炎症皮膚障害である。臨床的に、ADは、乾燥症、紅斑性痂皮性発疹、苔癬化、皮膚バリア障害、及び強いそう痒を特徴とする(Bieber T.,N Engl J Med 2008;358:1483-94)。ADを有する患者の疾患負荷は高く、彼らの生活の質は著しく影響を受ける。1つの研究において、ADは、糖尿病及び高血圧よりも患者のメンタルヘルスに対してより大きな負の効果を有することが示された(Zuberbier T,et al.,J Allergy Clin Immunol 2006;118:226-32)。中程度から重度のADを有する患者は、社会的機能不全及び睡眠障害の有病率がより高く、これは疾患の重症度に直接関連する(Williams H,et al.,J Allergy Clin Immunol 2008;121:947-54.e15)。うつ病、不安、及び社会的機能不全は、AD患者だけでなく、その介護者にも影響を及ぼす(Zuberbier T,et al.,J Allergy Clin Immunol 2006;118:226-32)。
【0003】
インターロイキン(Interleukin、IL)-13は、Tヘルパー2型(T-helper type 2、Th2)炎症の重要なメディエータであり、ヘテロ二量体受容体IL-4Rα/IL-13Rα1を介してシグナル伝達する。いくつかの証拠が、IL-13がADにおける重要な病原性構成要素であることを示唆している。IL-13の発現の増加は、AD皮膚において一貫して報告されており(Hamid Q,et al.,J Allergy Clin Immunol 98:225-31[1996]、Jeong CW,et al.,Clin Exp Allergy 33:1717-24[2003]、Tazawa T,et al.,Arch Dermatol Res 295:459-64[2004]、Neis MM,et al.,J Allergy Clin Immunol 118:930-7[2006]、Suarez-Farinas M,et al.,J Allergy Clin Immunol 132:361-70[2013]、Choy DF,et al.,J Allergy Clin Immunol.130:1335-43[2012])、いくつかの報告は、IL-13発現と疾患の重症度との間の関係を示唆している(La Grutta S,et al.,Allergy 60:391-5[2005])。IL-13の増加はまた、AD患者の血清において報告されており(Novak N,et al.,J Invest Dermatol 2002;119:870-5、国際公開第2016149276号)、いくつかの研究は、AD患者の血液中のIL-13発現T細胞の増加を報告している(Akdis M,et al.,J Immunol 1997;159:4611-9、Aleksza M,et al.,Br J Dermatol 2002;147:1135-41、La Grutta S,et al.,Allergy 2005;60:391-5)。
【0004】
ADに対する治療アプローチには、主に、トリガー回避、入浴による皮膚水和、並びに皮膚軟化薬及び局所コルチコステロイド(topical corticosteroids、TCS)などの抗炎症療法の使用が含まれる。多くの患者において、TCSによる治療は、ある程度の症状緩和を提供するが、患者の疾患を十分に制御しない。加えて、TCSの使用は、高い患者負担を含む多くの併存疾患及び制限に関連する。TCSの長期適用は、皮膚萎縮症、色素沈着異常、ざ瘡様発疹のリスク、及び全身吸収(例えば、視床下部下垂体軸効果、クッシング病)に関連するリスクのために推奨されない。
【0005】
持続性の中程度から重度のADを有し、TCSに十分に応答しない患者については、いくつかのステップアップ治療選択肢がある(Ring J,et al.,J Eur Acad Dermatol Venereol 2012;26:1176-93、Schneider L,et.al.,J Allergy Clin Immunol 2013;131:295-9.e1-27)。ステップアップの選択肢には、局所カルシニューリン阻害剤、光線療法、並びに経口コルチコステロイド、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、及びミコフェノレートなどの免疫抑制剤が含まれる。これらの中で、シクロスポリンは、多くの欧州諸国において中程度から重度のADの治療に承認されているが、米国では承認されておらず、その使用は、16歳以上の患者に限定されている(最大8週間の[NEORAL(登録商標)]に対する)。シクロスポリンが実質的な有効性を示した場合であっても、療法休止後、患者の約50%が2週間以内に再発し、80%が6週間以内に再発する(Amor KT,et al.,J Am Acad Dermatol 2010;63:925-46)。シクロスポリンA(Cyclosporine A、CsA)は、体液性及び細胞性免疫応答の両方に影響を及ぼす強力な免疫抑制剤であり、感染に対する感受性の増加及びがん免疫監視の減少をもたらし得る。CsAの他の一般的に認識されている毒性としては、高血圧並びに腎機能障害及び肝機能障害が挙げられる。加えて、CsAは、他の一般的に使用される薬剤と相互作用し、それらの代謝及び効果に影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
中程度から重度のAD患者、特にADがシクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない患者のための、より安全でより有効な療法及び治療レジメンに対する、満たされていない医学的必要性が残存する。また、既存の治療と比較して毒性が限られた改善された安全性プロファイルを提供するか、又は患者により高い忍容性若しくは利便性を提供し、それによって患者のコンプライアンスを改善する治療的処置及び治療レジメンも必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
アトピー皮膚炎を治療するか、又はアトピー皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法、レブリキズマブなどの抗IL-13抗体の使用及び医薬組成物が本明細書で提供される。アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法及びレブリキズマブなどの抗IL-13抗体の使用のための用量及び投与レジメンも本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、シクロスポリンで十分に制御されない(例えば、シクロスポリンに対する不十分な応答又は不耐性)、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者において、アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法及び抗IL-13抗体の使用が本明細書で提供される。
【0008】
一態様では、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療すること、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減することを必要とする患者において、それを行う方法が本明細書で提供され、これには、抗IL-13抗体を含む医薬組成物を患者に投与することが含まれる。いくつかの実施態様では、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はそう痒を低減するための方法が本明細書で提供され、これには、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有し、かつシクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者を選択することと、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を患者に投与することと、が含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、12歳以上である。いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する。いくつかの実施形態では、患者は、医薬組成物の投与前に、16以上の湿疹面積及び重症度指数(Eczema Area and Severity Index、EASI)スコア、3以上の治験責任医師による全般的評価(Investigator Global Assessment、IGA)スコア、並びに10%超のアトピー性皮膚炎に罹患した体表面積(body surface area、BSA)を有する。
【0009】
また、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための方法が本明細書で提供され、これには、(i)12歳以上である、(ii)Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、(iii)16以上のEASIスコアを有する、(iv)3以上のIGAスコアを有する、(v)BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、(vi)局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ(vii)シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者を選択することと、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を患者に投与することと、が含まれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、シクロスポリンは、シクロスポリンA(CsA)である。いくつかの実施形態では、患者は、例えば、医薬組成物を投与する少なくとも4週間前に、シクロスポリン(例えば、CsA)に対する不十分な応答を示した。いくつかの実施形態では、患者は、シクロスポリン(例えば、CsA)に対する不耐性を示した。いくつかの実施形態では、シクロスポリンは、以下の理由:(i)医学的禁忌、(ii)禁止された併用薬の使用、(iii)シクロスポリン誘導性腎障害及び/若しくは肝損傷に対する感受性の増加、(iv)重篤な感染症のリスクの増加、又は(v)シクロスポリン活性物質若しくは賦形剤に対する過敏症、のうちの1つにより、患者にとって医学的に推奨されない。いくつかの実施形態では、患者は、局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した。
【0011】
いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、高い親和性でIL-13に結合し、活性IL-4Rアルファ/IL-13Rアルファ1ヘテロ二量体を介したシグナル伝達を遮断する。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLは、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLとを含む。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、レブリキズマブである。
【0012】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、250mg又は500mgの抗IL-13抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、患者に皮下投与される。
【0013】
いくつかの実施形態では、患者は、約16~52週間の期間にわたって医薬組成物で治療される。いくつかの実施形態では、患者は、治療期間(又は誘導期間)、例えば、約16週間、医薬組成物で治療される。16週間のこの治療期間中、患者は、2週間に1回、2回の用量にわたって、500mgの抗体を含む負荷用量の医薬組成物、及び2週間に1回、7回の用量にわたって、250mgの抗体を含む後続用量の医薬組成物で治療される。
【0014】
治療期間又は誘導期間の完了後、患者は、例えば、最大36週間の維持期間に入る。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間中、2週間に1回、250mgの抗体を含む維持用量の医薬組成物で治療される。
【0015】
別の態様では、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減に使用するための、抗IL-13抗体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。また、(i)12歳以上である、(ii)Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、(iii)16以上のEASIスコアを有する、(iv)3以上のIGAスコアを有する、(v)BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、(vi)局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ(vii)シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減に使用するための、抗IL-13抗体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、患者に皮下投与するためのものである。
【0016】
別の態様では、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減のための薬剤の製造における、抗IL-13抗体を含む医薬組成物の使用が本明細書で提供される。また、(i)12歳以上である、(ii)Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、(iii)16以上のEASIスコアを有する、(iv)3以上のIGAスコアを有する、(v)BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、(vi)局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ(vii)シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減のための薬剤の製造における、抗IL-13抗体を含む医薬組成物の使用が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、患者に皮下投与するためのものである。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、使用、及び医薬組成物は、1つ以上の局所コルチコステロイドを患者に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、局所コルチコステロイドは、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである。いくつかの実施形態では、局所コルチコステロイドは、抗IL-13抗体と同時に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1に記載の第3相研究デザインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法、抗IL-13抗体の使用及び医薬組成物が本明細書で提供される。アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法、及び抗IL-13抗体の使用のための用量及び投与レジメンも本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、シクロスポリンで十分に制御されない(例えば、シクロスポリンに対する不十分な応答又は不耐性)、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者において、アトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための、方法及び抗IL-13抗体の使用が本明細書で提供される。
【0020】
一態様では、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減する方法が本明細書で提供され、これには、抗IL-13抗体を含む医薬組成物を患者に投与することが含まれる。いくつかの実施態様では、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はそう痒を低減するための方法が本明細書で提供され、これには、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有し、かつシクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者を選択することと、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を患者に投与することと、が含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、12歳以上である。いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する。いくつかの実施形態では、患者は、医薬組成物の投与前に、16以上のEASIスコア、3以上のIGAスコア、及び10%超のアトピー性皮膚炎に罹患したBSAを有する。
【0021】
また、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するか、又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒を低減するための方法が本明細書で提供され、これには、(i)12歳以上である、(ii)Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、(iii)16以上のEASIスコアを有する、(iv)3以上のIGAスコアを有する、(v)BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、(vi)局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ(vii)シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者を選択することと、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物を患者に投与することと、が含まれる。
【0022】
いくつかの実施形態では、シクロスポリンは、シクロスポリンA(CsA)である。いくつかの実施形態では、患者は、例えば、医薬組成物を投与する少なくとも4週間前に、シクロスポリン(例えば、CsA)に対する不十分な応答を示した。いくつかの実施形態では、患者は、シクロスポリン(例えば、CsA)に対する不耐性を示した。いくつかの実施形態では、シクロスポリンは、以下の理由:(i)医学的禁忌、(ii)禁止された併用薬の使用、(iii)シクロスポリン誘導性腎障害及び/若しくは肝損傷に対する感受性の増加、(iv)重篤な感染症のリスクの増加、又は(v)シクロスポリン活性物質若しくは賦形剤に対する過敏症、のうちの1つにより、患者にとって医学的に推奨されない。いくつかの実施形態では、患者は、局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した。
【0023】
いくつかの実施形態では、患者は、以前に、中程度から重度のアトピー皮膚炎を治療するための抗IL-4Rαモノクローナル抗体であるデュピルマブに曝露されている。いくつかの実施形態では、患者は、以前にデュピルマブに曝露されていない。
【0024】
いくつかの実施形態では、中程度から重度のアトピー性皮膚炎は、Hanifin及びRajka基準によって決定することができる。Hanifin及びRajka診断基準は、Acta Derm Venereol(Stockh)1980;Suppl 92:44-7に記載されている。アトピー性皮膚炎の診断を確立するために、患者は、以下に列挙される少なくとも3つの「基本的特徴」及び3つ以上の副次的特徴の存在を必要とする。基本的な特徴としては、そう痒、屈曲苔癬化又は線形などの典型的な形態及び分布、慢性又は慢性再発性皮膚炎、及びアトピーの個人歴又は家族歴、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎が挙げられる。副次的特徴としては、乾燥症、魚鱗癬、手掌の多紋理、又は毛孔性角化症、即時型(1型)皮膚試験反応性、血清中IgEの上昇、若年齢での発症、皮膚感染(特にS.aureus及び単純ヘルペス)への傾向、細胞性免疫障害、非特異的手又は足皮膚炎への傾向、乳頭湿疹、口唇炎、再発性結膜炎、Dennie-Morgan眼窩下しわ、円錐角膜、前嚢下白内障、眼窩暗色化、顔面蒼白/顔面紅班、白色粃糠疹、前頸しわ、並びに発汗時のかゆみが挙げられる。更なる副次的な基準としては、羊毛及び脂肪溶媒に対する不耐性、毛包周囲強調、食物不耐性、環境的又は感情的要因によって影響される経過、並びに白色皮膚描記症/遅延白化が挙げられる。
【0025】
アトピー性皮膚炎の重症度は、Rajka G and Langeland T,Acta Derm Venereol(Stockh)1989;144(Suppl):13-4に記載されるように、「Rajka及びLangelandの診断基準」によって決定することもできる。3つの疾患重症度評価カテゴリーは1~3でスコア化される:i)関係する身体領域の程度、ii)経過、例えば、1年の間に3ヶ月以上若しくは未満又は連続した経過)、及びiii)軽度のかゆみから重度のかゆみ(通常、夜の睡眠を妨げる)の範囲の強度。1.5又は2.5のスコアは許容される。全体的な疾患重症度は、3つの疾患評価カテゴリーからの個々のスコアの合計によって決定され、重症度はこれらのスコアの合計によって決定され、軽度は3~4の合計スコアとして定義され、中程度は4.5~7.5のスコアとして定義され、重度は8~9の合計スコアとして定義される。
【0026】
本明細書で提供される方法及び使用における使用に好適な抗IL-13抗体は、以前に、例えば、国際公開第2005062967号に記載されている。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、高い親和性でIL-13に結合し、活性IL-4Rアルファ/IL-13Rアルファ1ヘテロ二量体を介したシグナル伝達を遮断する。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLは、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLとを含む。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、抗IL-13抗体は、レブリキズマブである。レブリキズマブのアミノ酸配列を表1に提供する。IgG抗体のC末端の切り取りは、1つ又は2つのC末端アミノ酸がIgG抗体の重鎖から除去される場合に起こり得る。例えば、C末端リジン(K)が存在する場合、重鎖から切り詰められるか、又は切り取られ得る。最後から2番目のグリシンも、同様に重鎖から切り詰められるか、切り取られ得る。IgGのN末端アミノ酸の修飾も起こり得る。例えば、N末端グルタミン(Q)又はグルタミン酸(E)は、ピログルタミン酸(pE)に自発的に環化することができる。配列番号9は、レブリキズマブ重鎖のこれらの潜在的な修飾を反映する。
【0027】
表1.レブリキズマブ配列
【表1】
【0028】
抗IL-13抗体、例えば、レブリキズマブは、適切な担体又は賦形剤と共に、患者への投与に好適な医薬組成物に製剤化することができる。例えば、抗IL-13抗体、例えば、レブリキズマブは、国際公開第2013/066866号に記載されているような医薬組成物中に製剤化することができる。医薬組成物は、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、又は500mgの抗IL-13抗体を含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、250mg又は500mgの抗IL-13抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の抗IL-13抗体濃度は、100mg/mL~150mg/mL、例えば、125mg/mLである。医薬組成物はまた、5mM~40mMのヒスチジン酢酸緩衝液、pH5.4~6.0を含み得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、100mM~200mMの濃度を有するポリオール(例えば、糖)、及び/又は0.01%~0.1%の濃度を有する界面活性剤(例えば、ポリソルベート20)を更に含む。一実施形態では、医薬組成物は、125mg/mLの抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)、20mMの酢酸ヒスチジン緩衝液、pH5.7、175mMのスクロース、及び0.03%のポリソルベート20を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、患者に皮下投与される。医薬組成物は、約1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、又は8週間に1回の投与頻度で患者に投与することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2週間に1回又は4週間に1回患者に投与される。いくつかの実施形態では、250mg又は500mgの抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、2週間に1回又は4週間に1回患者に皮下投与される。
【0030】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮下投与デバイスを使用して患者に投与される。皮下投与デバイスは、充填済みシリンジ、使い捨てペン型注射デバイス、マイクロニードルデバイス、マイクロインフューザデバイス、針なし注射デバイス、又は自動注射器デバイスから選択され得る。自動注射器デバイスを含む様々な皮下投与デバイスが当技術分野で既知であり、市販されている。例示的なデバイスとしては、限定されるものではないが、充填済みシリンジ(例えば、Becton DickinsonからのBD HYPAK SCF(登録商標)、READYFILL(商標)、及びSTERIFILL SCF(商標)、BaxterからのCLEARSHOT(商標)コポリマー充填済みシリンジ、並びにWest Pharmaceutical Servicesから入手可能なDaikyo Seiko CRYSTAL ZENITH(登録商標)充填済みシリンジなど)、Becton DickinsonからのBD Penなどの使い捨てペン型注射デバイス、ウルトラシャープ及びマイクロニードルデバイス(Becton DickinsonからのINJECT-EASE(商標)及びマイクロインフューザデバイス、並びにValeritasから入手可能なH-PATCH(商標)など)、並びに針なし注射デバイス(例えば、Biojectから入手可能なBIOJECTOR(登録商標)及びIJECT(登録商標)、並びにMedtronicから入手可能なSOF-SERTER(登録商標)及びパッチデバイスなど)が挙げられる。いくつかの実施形態では、皮下投与デバイスは、国際公開第2008/112472号、国際公開第2011/109205号、国際公開第2014/062488号、及び/又は国際公開第2016/089864号に記載されている自動注入デバイスである。
【0031】
いくつかの実施形態では、患者は、約16~52週間、例えば、16週間、20週間、24週間、28週間、32週間、36週間、40週間、44週間、48週間、52週間の期間わたって医薬組成物で治療される。
【0032】
いくつかの実施形態では、患者は、約16週間の治療期間(又は誘導期間)にわたって医薬組成物で治療される。16週間の治療期間中、患者は、2週間に1回、2回の用量にわたって(例えば、ベースライン(0週目)及び2週目)、500mgの抗体を含む負荷用量、及び2週間に1回、7回の用量にわたって(例えば、4週目、6週目、8週目、10週目、12週目、14週目、及び16週目)、250mgの抗体を含む後続用量で治療される。
【0033】
治療期間中及び治療期間後に、患者は、アトピー皮膚炎に関連し、定量的又は定性的に評価することができるある特定の徴候、症状、特徴、又はパラメータを決定するアトピー皮膚炎疾患重症度尺度(Atopic Dermatitis Disease Severity Measures、ADDSM)のうちの1つ以上の特徴について評価され得る。例示的なADDSMとしては、湿疹面積及び重症度指数(EASI)、治験責任医師による全般的評価(IGA)、体表面積(BSA)、アトピー性皮膚炎の重症度評価法(Severity Scoring of Atopic Dermatitis、SCORAD)、そう痒数値評価尺度(Numerical Rating Scale、NRS)、睡眠不足尺度、皮膚疼痛NRSスコア、患者による湿疹尺度(Patient-Oriented Eczema Measure、POEM)総スコア、皮膚科生活の質指数(Dermatology Life Quality Index、DLQI)スコア、小児皮膚科生活の質指数(Children Dermatology Life Quality Index、CDLQI)、DLQI関連(DLQI-Relevant、DLQI-R)スコア、World Health Organization-5ウェルビーイング指数(World Health Organization-Five Well-Being Index、WHO-5)スコア、アトピー性湿疹のRecap(RECAP)スコア、薬物療法に対する治療満足度質問票-9項目(Treatment Satisfaction Questionnaire for Medication-9 items、TSQM-9)スコアが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
ADDSMは、ベースライン(医薬組成物の投与前)及び医薬組成物の投与後の1つ以上の時点で測定することができる。例えば、ADDSMは、医薬組成物での最初の治療後、1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目、7週目、8週目、9週目、10週目、11週目、12週目、13週目、14週目、15週目、16週目以上の終わりに測定され得る。治療の開始後の特定の時点でのADDSMの値とベースラインでのADDSMの値との間の差を使用して、ADDSMの改善(例えば、低減)があったかどうかを確立する。
【0035】
「湿疹面積及び重症度指数」又は「EASI」は、ADの重症度及び程度を評価するために臨床設定で使用される有効な尺度である(Hanifin et al.,Exp Dermatol.2001;10:11-18)。EASIは、0~72の範囲のスコアによる複合指数であり、値が高いほど、より重度及び/又は広範な疾患を示す。紅班、硬結/丘疹形成、擦過傷、及び苔癬化の重症度は、臨床医又は他の医療専門家によって、4つの身体領域:頭及び首、胴体、上肢、並びに下肢のそれぞれについて0(なし)~3(重症)の尺度で評価することができ、半点が許容される。加えて、4つの身体領域のそれぞれにおけるADの関与の程度は、頭部、胴体、上肢、及び下肢の体表面積によるパーセンテージとして評価され得、0~6のスコアに変換され得る。4つの身体領域スコアのそれぞれについての総スコアの合計に基づいて、総スコア(0~72)が割り当てられる。
【0036】
「治験責任医師による全般的評価」又は「IGA」は、患者のADの重症度を評価するために世界的に使用される評価尺度である(Simpson E,et al.J Am Acad Dermatol.2020;83(3):839-846)。これは、0(なし)~4(重度)の範囲の5ポイント尺度に基づき、スコアは、所与の時点での病変の全体的な外観を最もよく説明する記述語を使用して選択される(表2参照)。
【0037】
表2.治験責任医師による全般的評価
【表2】
【0038】
体表面積(BSA)評価は、ADに関する疾患又は皮膚の関与の程度を推定し、全体表面積のパーセンテージとして表される。BSAは、約1%BSAルールである患者の手掌を使用して臨床医又は他の医療専門家によって決定される。
【0039】
「アトピー性皮膚炎の重症度評価法」又は「SCORAD」は、European Task Force on Atopic Dermatitisによって開発されたADの程度及び強度を評価するための有効な臨床ツールである(Consensus report of the European Task Force on Atopic Dermatitis.Dermatology.1993;186(1):23-31)。評価には3つの構成要素がある:(i)ADの程度は、それぞれの定義された身体領域のパーセンテージとして評価され、0~100の範囲のスコアを有する全ての領域の合計として報告される;(ii)SCORADの強度パートは6つの項目からなる:発赤、腫脹、滲出/痂皮形成、擦過痕、皮膚の肥厚/苔癬化、乾燥。各項目は、以下のように等級付けされる:なし(0)、軽度(1)、中程度(2)、又は重度(3)(合計最大18ポイント);(iii)かゆみ及び不眠の主観的評価を、視覚的アナログ尺度(visual analogue scale、VAS)を使用して各症状について記録し、0はかゆみ(又は不眠)がなく、10は想像可能な最悪のかゆみ(又は不眠、最大可能スコアは20))である。SCORAD指数の式は、A/5+7B/2+Cである。この式において、Aは範囲(0~100)として定義され、Bは強度(0~18)として定義され、Cは主観的症状(0~20)として定義される。SCORAD指数の最大スコアは103である。
【0040】
そう痒数値評価尺度(NRS)は、過去24時間にわたって最悪のかゆみの重症度を評価するために、患者によって(妥当な場合、必要に応じて親/介護者の助けにより)使用される11ポイント尺度であり、0は「かゆみなし」を示し、10は「想像可能な最悪のかゆみ」を示す(Phan NQ,et al.Acta Derm Venereol 2012;92:502-507)。評価は、電子日記を使用して、16週目まで毎日、そして16週目以降は毎週、患者によって記録される。ベースラインそう痒NRSは、ベースライン直前の7日間の毎日のそう痒NRSの平均に基づいて決定される。この計算には、ベースライン直前の7日間のうち最低4日のスコアが必要である。
【0041】
皮膚疼痛NRSは、過去24時間にわたって最悪の皮膚疼痛(例えば、不快感又はヒリヒリするような痛み)を評価するために、患者によって(妥当な場合、必要に応じて親/介護者の助けにより)記入された11ポイント尺度であり、0は「疼痛なし」を示し、10は「想像可能な最悪の疼痛」を示す(Newton L,et al.J Patient Rep Outcomes.2019 Jul 16;3:42)。評価は、電子日記を使用して、16週目まで毎日、そして16週目以降は毎週、患者によって記録される。ベースライン皮膚疼痛NRSは、ベースライン直前の7日間の毎日の皮膚疼痛NRSの平均に基づいて決定される。この計算には、ベースライン直前の7日間のうち最低4日のスコアが必要である。
【0042】
睡眠不足尺度は、睡眠妨害について5ポイントLikert尺度で(0[全くない]、1[少し]、2[中程度]、3[かなり]から4[全く眠ることができない]までの範囲のスコアを用いて)患者の睡眠を評価する。それは、患者報告アウトカム(Patient-Reported Outcome、PRO)手段、例えば、eDiaryを使用して患者によって評価される。
【0043】
患者による湿疹尺度(POEM)は、疾患症状を評価するために患者によって(妥当な場合、必要に応じて親/介護者の助けにより)記入される7項目の有効な質問票である(Centre of Evidence Based Dermatology.POEM-Patient Oriented Eczema Measure.https://www.nottingham.ac.uk/research/groups/cebd/resources/poem.aspx)。患者は、皮膚の乾燥、かゆみ、剥離、ひび割れ、睡眠不足、出血、及び滲出についての質問に答えるように求められる。全ての回答は、等しい重みを有し、可能総スコアは0~28である(回答は、以下のようにスコア化される:日なし=0、1~2日=1、3~4日=2、5~6日=3、毎日=4)。高いスコアは生活の質が悪いことを示す。POEMの回答を、電子日記を使用して毎週捕捉する。
【0044】
皮膚科生活の質指数(DLQI)は、患者の生活の質に対する皮膚疾患の影響を評価するために使用される、患者又は介護者によって記入された10項目の有効な質問票である(Finlay,A.Y.and Khan,G.K.1994.Clinical and Experimental Dermatology 1993 Sep 23;19:210-216)。10の質問は以下の題目を網羅する:前週にわたって、症状、困惑、ショッピング及びホームケア、衣類、社交及びレジャー、スポーツ、仕事又は勉強、密接な関係、性交、並びに治療。各質問は、0~3(「全くない」、「少し」、「多い」、及び「非常に多い」)でスコア化され、0~30の範囲の総スコアが得られる。高いスコアは生活の質が悪いことを示す。
【0045】
16歳未満の青年に対しては、小児DLQI(CDLQI)を用い、これは、DLQIのものとは異なる一連の10の質問に基づく(Lewis-Jones MS,Finlay AY.British Journal of Dermatology,1995;132:942-949)。
【0046】
DLQI関連(DLQI-R)は、最近開発された評価法であり、DLQI質問表の総スコアを、患者によって示された非関連回答(not relevant response、NRR)の数について調整するものである(Rencz F,et al.Br J Dermatol.2020;182(5):1167-1175)。
【0047】
World Health Organisation-5ウェルビーイング指数(WHO-5)評価は、前向きな気分(元気、リラックス)、活力(活発であり、爽やかで休息がとれて目覚める)、及び一般的興味(物事に関心がある)に関連する、5つの肯定的に表現された項目を網羅する現在の精神的ウェルビーイングの自己報告尺度である(Topp CW,et al.Psychother Psychosom.2015;84(3):167-176.)。各項目は、0(時間なし)~5(全ての時間)の範囲の6ポイントLikert尺度で評価される。生のスコアは0~100のスコアに変換され、スコアが低いほどウェルビーイングが良くないことを示す。
【0048】
アトピー性湿疹のRecap(RECAP)は、前週にわたって湿疹制御を捕捉するための、7項目の患者報告手段である(Howells,L.,et al.British Journal of Dermatology 2019;183:524-536)。各項目は、0(非常に良い)~4(非常に悪い)の範囲の5ポイントLikert尺度でスコア化される。スコアが高いほど、湿疹制御の経験が良くないことを示す。
【0049】
薬物療法に対する治療満足度質問票-9項(TSQM-9)は、患者が自分の薬剤を評価するために使用する最も一般的な側面(すなわち、全般的な満足度、有効性、及び利便性)を評価する9項目の尺度である(Bharmal M,et al.Health Qual Life Outcomes.2009;7:36)。各尺度の結果を0~100で表し、スコアが高いほど満足度が良いことを表す。
【0050】
いくつかの実施形態では、患者のEASIスコアは、治療期間後、例えば、16週目に決定される。いくつかの実施形態では、治療期間後に決定された患者のEASIスコアは、抗体の第1の負荷用量の投与前に決定されたEASIスコアと比較して50%以上低減され、これは、患者が「EASI50」を達成したことを意味する。いくつかの実施形態では、治療期間後に決定された患者のEASIスコアは、抗体の第1の負荷用量の投与前に決定されたEASIスコアと比較して75%以上低減され、これは、患者が「EASI75」を達成したことを意味する。いくつかの実施形態では、治療期間後に決定された患者のEASIスコアは、抗体の第1の負荷用量の投与前に決定されたEASIスコアと比較して90%以上低減され、これは、患者が「EASI90」を達成したことを意味する。
【0051】
いくつかの実施形態では、患者のIGAスコアは、治療期間後に決定される。いくつかの実施形態では、治療期間後に決定された患者のIGAスコアは、0又は1であり、治療期間後に決定されたIGAスコアは、抗体の第1の負荷用量の投与前に決定されるIGAスコアと比較して2ポイント以上低減される。
【0052】
いくつかの実施形態では、患者のそう痒NRSスコアは、治療期間後に決定される。いくつかの実施形態では、治療期間後に決定された患者のそう痒NRSスコアは、抗体の第1の負荷用量の投与前に決定されたそう痒NRSスコアと比較して4ポイント以上低減される。
【0053】
治療期間又は誘導期間の完了後、患者は維持期間に入る。維持期間は、最大36週間(例えば、約4週間、8週間、12週間、16週間、20週間、24週間、28週間、32週間、36週間)であり得る。いくつかの実施形態では、患者は、維持期間中、2週間に1回、250mgの抗体を含む維持用量の医薬組成物で治療される。
【0054】
維持期間中及び維持期間後に、患者は、ADDSM、例えば、EASI、IGA、BSA、SCORAD、そう痒NRS、睡眠不足尺度、皮膚疼痛NRSスコア、POEM総スコア、DLQIスコア、CDLQI、DLQI-Rスコア、WHO-5スコア、RECAPスコア、TSQM-9スコアのうちの1つ以上の特徴について評価される。ADDSMは、維持期間の開始時及び維持期間中の1つ以上の時点で測定され得る。例えば、ADDSMは、維持期間の1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目、7週目、8週目、9週目、10週目、11週目、12週目、13週目、14週目、15週目、16週目、17週目、18週目、19週目、20週目、21週目、22週目、23週目、24週目、25週目、26週目、27週目、28週目、29週目、30週目、31週目、32週目、33週目、34週目、35週目、又は36週目の終わりに測定され得る。治維持期間中の特定の時点でのADDSMの値と維持期間の開始時のADDSMの値との間の差を使用して、ADDSMの改善(例えば、低減)があったかどうかを確立する。
【0055】
いくつかの実施形態では、患者のEASIスコアは、維持期間中又は維持期間後に決定される。いくつかの実施形態では、患者は、治療期間後に決定されたEASIスコアと比較して、維持期間中又は維持期間後にEASI50、EASI75、又はEASI90を達成した。いくつかの実施形態では、患者のIGAスコアは、維持期間中又は維持期間後に決定される。いくつかの実施形態では、維持期間中又は維持期間後に決定された患者のIGAスコアは、0又は1であり、維持期間中又は維持期間後に決定されたIGAスコアは、治療期間後に決定されるIGAスコアと比較して2ポイント以上低減される。いくつかの実施形態では、患者のそう痒NRSスコアは、維持期間中又は維持期間後に決定される。いくつかの実施形態では、維持期間中又は維持期間後に決定された患者のそう痒NRSスコアは、治療期間後に決定されたそう痒NRSスコアと比較して4ポイント以上低減される。
【0056】
別の態様では、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減に使用するための、抗IL-13抗体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。また、(i)12歳以上である、(ii)Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、(iii)16以上のEASIスコアを有する、(iv)3以上のIGAスコアを有する、(v)BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、(vi)局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ(vii)シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減に使用するための、抗IL-13抗体を含む医薬組成物の使用が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、患者に皮下投与するためのものである。
【0057】
別の態様では、シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減のための薬剤の製造における、抗IL-13抗体を含む医薬組成物の使用が本明細書で提供される。また、(i)12歳以上である、(ii)Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、(iii)16以上のEASIスコアを有する、(iv)3以上のIGAスコアを有する、(v)BSAの10%超がアトピー性皮膚炎に罹患している、(vi)局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、かつ(vii)シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない、患者における、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はそう痒の低減のための薬剤の製造における、抗IL-13抗体を含む医薬組成物の使用が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、患者に皮下投与するためのものである。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用は、1つ以上の局所コルチコステロイドを患者に投与することを更に含む。例示的な局所コルチコステロイドとしては、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、並びにトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。トリアムシノロンアセトニドは、典型的にはクリーム中に0.1%の濃度で製剤化され、ヒドロコルチゾンは、典型的にはクリーム中に1%又は2.5%の濃度で製剤化される。例えば、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、二酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、及びプロピオン酸ハロベタゾールなどのある特定の局所コルチコステロイドは、効力が非常に高いと考えられる。例えば、アムシノニド、デソキシメタゾン、ハルシノニド、及びトリアムシノロンアセトニドなどのある特定の局所コルチコステロイドは、効力が高いと考えられる。例えば、吉草酸ベタメタゾン、ピバル酸クロコルトルロン、フルオシノロンアセトニド、フルランドレノリド、フルオシノニド、プロピオン酸フルチカゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾン、及びプレドニカルベートなどのある特定の局所コルチコステロイドは、効力が中程度であると考えられる。例えば、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、デソニド、及びヒドロコルチゾンなどのある特定の局所コルチコステロイドは、効力が低いと考えられる。TCSは、罹患領域に1日1回、1日2回、1日3回、又は必要に応じて適用することができる。いくつかの実施形態では、患者は、局所コルチコステロイドにより不十分に制御される。いくつかの実施形態では、局所コルチコステロイドは、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである。いくつかの実施形態では、局所コルチコステロイドは、抗IL-13抗体と同時に又は連続して投与される。いくつかの実施形態では、局所コルチコステロイドは、抗IL-13抗体と同時に投与される。
【0059】
本明細書で使用される場合、本開示の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用される「a」、「an」、「the」という用語及び同様の用語は、別段の定めがない限り、又は文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。
【0060】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、記載される数値に十分近接していること、例えば、記載される数値の±10%を意味する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原に結合する免疫グロブリン分子を指す。抗体の実施形態には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、又はコンジュゲート抗体が含まれる。抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA)、及び任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)のものであってもよい。
【0062】
例示的な抗体は、4つのポリペプチド鎖:鎖間ジスルフィド結合を介して架橋される2つの重鎖(HC)及び2つの軽鎖(LC)から構成された免疫グロブリンG(immunoglobulin G、IgG)型抗体である。4つのポリペプチド鎖の各々のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100~125個以上のアミノ酸の可変領域を含む。4つのポリペプチド鎖の各々のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を含有する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域から構成される。IgGアイソタイプは、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)に更に分割され得る。
【0063】
VH及びVL領域は、フレームワーク領域(framework region、FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)と呼ばれる、超可変領域に更に細分され得る。CDRはタンパク質の表面上に露出しており、抗原結合特異性のための抗体の重要な領域である。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成されており、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置される。本明細書では、重鎖の3つのCDRを「HCDR1、HCDR2、及びHCDR3」と称し、軽鎖の3つのCDRを「LCDR1、LCDR2、及びLCDR3」と称する。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含有する。アミノ酸残基のCDRへの割り当ては、Kabat(Kabat et al.,「Sequences of Proteins of Immunological Interest,」National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))、Chothia(Chothia et al.,「Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins」,Journal of Molecular Biology,196,901-917(1987)、Al-Lazikani et al.,「Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins」,Journal of Molecular Biology,273,927-948(1997))、North(North et al.,「A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations」,Journal of Molecular Biology,406,228-256(2011))、又はIMGT(the international ImMunoGeneTics database、www.imgt.orgで利用可能、Lefranc et al.,Nucleic Acids Res.1999;27:209-212)に記載されるものを含む、周知のスキームに従って行うことができる。
【0064】
本開示の抗体の例示的な実施形態はまた、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、scFv、scFab、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd断片、及び線状抗体などの、抗原と特異的に相互作用する能力を保持する抗体の少なくとも一部分を含む、抗体断片又は抗原結合断片を含む。
【0065】
本明細書で使用される場合、「結合する(bind)」及び「結合する(binds)」という用語は、別段の定めがない限り、ある種の化学結合又は別のタンパク質若しくは分子との引力相互作用を形成するタンパク質又は分子の能力を意味し、当該分野において既知である一般的な方法によって決定されるように、2つのタンパク質又は分子の密接な近接をもたらす。
【0066】
本明細書で使用される場合、「フレア」という用語は、用量の増加、より高い効力クラスの薬物への切り替え、又は別の薬物の開始であり得る、療法の漸増をもたらす徴候及び/又は症状の増加を指す。
【0067】
本明細書で使用される場合、「高親和性」という用語は、約10-8M未満、例えば、10-15M~10-8M、又は10-12M~10-9Mの平衡解離定数(K)を有するヒトIL-13への抗体の結合の強度を指す。
【0068】
「ヒトIL-13」という用語は、主に活性化Th2細胞によって産生される免疫調節サイトカインであるヒトインターロイキン13(P600としても知られる)を指す。2つの既知のヒトIL-13アイソフォーム、アイソフォームa及びアイソフォームbが存在する。本明細書で使用される場合、「ヒトIL-13」という用語は、全てのヒトIL-13アイソフォームを集合的に指す。ヒトIL-13アイソフォームaのアミノ酸配列は、NCBI受入番号NP_002179.2に見出すことができる。ヒトIL-13アイソフォームbのアミノ酸配列は、NCBI受入番号NP_001341922.1に見出すことができる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「不十分な応答」という用語は、製品処方情報によって推奨される期間の治療の使用後にアトピー性皮膚炎の良好な疾患制御を達成できないこと(例えば、IGA≦2又はEASI-75を達成できないこと)、又は治療中にアトピー性皮膚炎のフレアが起こることを指す。
【0070】
本明細書で使用される場合、「不耐性(intolerance)」又は「不耐性(intolerant)」という用語は、許容できない毒性(例えば、クレアチニンの上昇、肝機能検査の上昇、制御されない高血圧、対知覚麻痺(paranesthesia)、頭痛、悪心、多毛症)、又は処方情報に指定されている用量若しくは期間を超える用量若しくは期間での薬物の必要性を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、ヒト患者を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「局所コルチコステロイド」又は「TCS」という用語は、I群、II群、III群、及びIV群の局所コルチコステロイドを含む。World Health OrganizationのAnatomical Therapeutic Chemical(Anatomical Therapeutic Chemical、ATC)Classification Systemによれば、コルチコステロイドは、ヒドロコルチゾンと比較したそれらの活性に基づいて、弱い(I群)、中程度に強力(II群)、及び強力(III群)、並びに非常に強力(IV群)に分類される。IV群のTCS(非常に強力)は、ヒドロコルチゾンの最大600倍ほど強力であり、クロベタゾール及びハルシノニドが挙げられる。III群のTCS(強力)は、ヒドロコルチゾンの50~100倍強力であり、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、ヒドロコルチゾン-17-ブチレート、フロ酸モメタゾン、及びアセポン酸メチルプレドニゾロンが挙げられるが、これらに限定されない。II群のTCS(中程度に強力)は、ヒドロコルチゾンの2~25倍強力であり、酪酸クロベタゾン及びトリアムシノロンアセトニドが挙げられるが、これらに限定されない。I群のTCS(弱い又は軽度)には、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、及びメチルプレドニゾロンが挙げられる。
【0073】
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療すること」は、本明細書に開示の障害若しくは疾患の進行の減速、制御、遅延、若しくは停止、又は障害若しくは疾患の症状の改善があり得る全てのプロセスを指すが、必ずしも全ての障害又は疾患の症状の完全な排除を示すわけではない。治療は、患者、特に、ヒトにおける疾患又は状態の治療のためのタンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の投与を含む。
【実施例
【0074】
実施例1.シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する成人及び青年患者における、局所コルチコステロイドと組み合わせたレブリキズマブの有効性及び安全性を評価するための無作為化二重盲検プラセボ対照第3相臨床試験。
【0075】
これは、期間が72週間(最大4週間のスクリーニング、52週間の治療[50週目に最後の用量を与える]、及び18週間の最後の用量後の安全性追跡調査)である無作為化二重盲検プラセボ対照並行群研究である。研究は、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない中程度から重度のADを有する青年及び成人において、TCSと同時に投与されたレブリキズマブの有効性及び安全性を確認するように設計される。
【0076】
研究は、16週間の二重盲検治療期間(又は誘導期間)、続いて36週間の非盲検維持期間、の2つの治療期間を有する。研究は、18週目まで二重盲検となり、20週目以降は非盲検となる。最初の治療期間(又は誘導期間)中にプラセボを受けた患者は、16週目及び18週目に負荷用量のレブリキズマブを受けることになる。16週目及び18週目に盲検を維持するために、全患者が、16週目及び18週目に2回の注射(レブリキズマブの注射を2回又はレブリキズマブの注射1回及びプラセボの注射1回のいずれか)を受けることになる。20週目以降、全患者が、レブリキズマブ250mg Q2Wの注射1回を受けることになる。
【0077】
目的:
この研究は、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない中程度から重度のADを有する成人及び青年(年齢12歳以上~18歳未満、体重40kg以上)において、52週目までTCSを併用したレブリキズマブの有効性及び安全性を評価するように設計される。
【0078】
第一の目的は、最大16週目までの、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者におけるプラセボと比較したレブリキズマブの有効性を評価することである。
【0079】
第二の目的は、以下を含む:(1)16週目~52週目の、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者における有効性を評価すること、(2)最大16週目までの、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者におけるレブリキズマブの安全性及び忍容性を評価すること、(3)68週目までの、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者におけるレブリキズマブの安全性及び忍容性を評価すること。
【0080】
探索的目的は、治療に対する応答の予測因子であり得る臨床的改善に関連するバイオマーカーを特定すること、及び治療後のバイオマーカー修飾を探索することである。
【0081】
患者母集団
十分な数の患者をスクリーニングして、中程度から重度のADを有する約312人の患者を無作為化する。
【0082】
組み入れ基準:この試験への組み入れに適格な患者は、以下の基準の全てを満たさなければならない。
1.成人及び青年(12歳以上18歳未満、体重40kg以上)。
2.慢性AD(Hanifin及びRajka基準による)がスクリーニング来院の1年以上前に存在していた。
3.ベースライン来院時のEASIスコアが16以上である。
4.ベースライン来院時のIGAスコアが3以上(中程度)である(0[なし]~4[重度]の尺度)。
5.ベースライン来院時のAD関与の体表面積(BSA)が10%以上である。
6.少なくとも中程度の効力のTCSを少なくとも4週間、又は製品処方情報によって推奨される最大期間(例えば、高/非常に高効力TCSについては14日間)使用した後(どちらか短い方)、良好な疾患制御を達成することができない(例えば、IGA≦2を達成することができない)こととして定義される、スクリーニング前6ヶ月以内の既存の局所薬剤に対する不十分な応答の医師による記録された病歴。
7.以下の医師により記録された病歴:
(a)以前のCsA曝露がなく、かつ
i.医学的禁忌(例えば、投薬中の制御されない高血圧)、又は
ii.禁止された併用薬(例えば、スタチン、ジゴキシン、マクロライド系抗生物質、バルビツレート、抗痙攣薬物、非ステロイド性抗炎症薬物、利尿薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、セイヨウオトギリ)の使用、又は
iii.CsA誘導性腎障害(クレアチニンの上昇)及び/若しくは肝損傷(機能検査の上昇)に対する感受性の増加、又は
iv.重篤な感染症のリスクの増加、又は
v.CsA活性物質若しくは賦形剤に対する過敏症、のために現在CsA治療の候補ではないか、
(b)あるいは以前にCsAに曝露されており、かつCsA治療が、
i.不耐性及び/若しくは許容できない毒性(例えば、クレアチニンの上昇、肝機能検査の上昇、制御されない高血圧、感覚異常、頭痛、悪心、多毛症)、又は
ii.処方情報に指定された用量若しくは期間を超える用量若しくは期間でのCsAの必要性若しくは応答が不十分、のために継続されないか、又は再開されるべきではない、のいずれか。
8.無作為化前の7日間のうち最低4日間のそう痒及び睡眠不足についての電子日記(electronic diary、eDiary)の記入を完了した。
9.全ての臨床来院及び研究関連手順並びに質問票に従う意思があり、従うことができる。
10.研究中及びレブリキズマブ若しくはプラセボの最後の投与後最低18週間、禁欲を続けるか、又は有効な避妊法を使用する。
11.患者は、署名したインフォームドコンセントを提供しなければならない。
【0083】
除外基準:以下の基準のいずれかを満たす患者は、この試験への組み入れに適格ではない。
1.以前のレブリキズマブ臨床研究への参加。
2.ベースライン来院前のIL-4又はIL-13アンタゴニスト生物学的療法による治療。例外:デュピルマブによる以前の治療は、患者のサブセットにおいて許容される。ベースライン来院の少なくとも8週間前のウォッシュアウトが、この亜集団に必要である。
3.ベースライン来院前1週間以内の局所コルチコステロイドによる治療。
4.ベースライン来院前2週間以内の、クリサボロール又はカンナビノイドなどの局所的カルシニューリン阻害剤又はホスホジエステラーゼ-4阻害剤による治療。
5.ベースライン来院前4週間以内の以下の薬剤のいずれかによる治療:
a.免疫抑制/免疫調節薬物(例えば、全身性コルチコステロイド、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン-γ、JAK阻害剤、アザチオプリン、メトトレキサート)。
b.ADのための光線療法及び光化学療法(PUVA)。
6.ベースライン来院前の以下での治療:
a.8週間以内又は5半減期以内(既知の場合)のいずれか長い方の治験薬物。
b.6ヶ月以内の、リツキシマブを含むがこれに限定されないB細胞枯渇性生物製剤。
c.16週間以内又は5半減期(既知の場合)のいずれか長い方の他の生物製剤。
7.研究中に計画されたベースライン来院の12週間以内、又は研究治療が中止された18週間後の、生(弱毒化)ワクチンによる治療。
8.Sampson基準によって定義されるアナフィラキシーの病歴。
9.スクリーニング来院の4週間以内の日焼けブース/パーラーの定期的使用(1週間に2回を超える訪問)。
10.経口コルチコステロイドのバーストを必要とし得る制御されない慢性疾患、例えば、併存する重度の制御されない喘息(ACQ-5スコアが1.5以上、又は全身[経口及び/若しくは非経口]コルチコステロイド治療若しくは24時間超の入院を必要とする過去12ヶ月以内の2回以上の喘息増悪の病歴によって定義される)。
11.スクリーニングの3ヶ月以内に以下の種類の感染症のいずれかを有していたか、又は無作為化前にこれらの感染症のいずれかを発症した:
a.重篤(入院及び/又は静脈内若しくは同等の経口抗生物質治療を必要とする)、
b.日和見的(Winthrop et al.2015において定義される)。注:帯状疱疹は、全ての小胞が乾燥して痂皮になるまで、活性であり進行中であると考えられる。
c.慢性(6週間以上の症状、徴候、及び/又は治療の期間)、
d.再発性(単純ヘルペス、帯状疱疹、再発性蜂巣炎、慢性骨髄炎を含むが、これらに限定されない)。
12.現在、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HBV)による感染を有するか、又は慢性感染を有する。
13.現在、C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus、HCV)に感染している(すなわち、HCV RNA陽性)。
14.肝硬変及び/又は任意の病因の慢性肝炎が既知である。
15.診断された活性な内部寄生性感染又はこれらの感染リスクが高い。
16.感染消散にも関わらず侵襲的日和見感染(例えば、結核、ヒストプラスマ症、リステリア症、コクシジオイデス症、ニューモシスティス症、及びアスペルギルス症)の病歴を含む、既知の若しくは疑われる免疫抑制の病歴、又は治験責任医師の判断による異常に頻繁な感染、再発感染、若しくは長期感染。
17.スクリーニング時のヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)感染又は陽性HIV血清学の病歴。
18.治験責任医師の意見では、スクリーニング来院時に得られた化学検査、血液検査、又は尿検査からの任意の臨床的に顕著な検査結果。
19.研究評価を妨害し得る皮膚併存症の存在。
20.スクリーニング来院前5年以内の菌状息肉症を含む悪性腫瘍の病歴。過去12週間に再発の証拠がない、完全に治療された子宮頸部の上皮内がん、完全に治療され消散した皮膚の非転移性扁平上皮がん又は基底細胞がんを除く。
21.治験責任医師の判断において、患者の研究への参加に悪影響を及ぼすであろう重度の併発疾患。治験責任医師の意見において、新たな疾患及び/又は十分に理解されていない疾患を示唆し得る任意の他の医学的状態又は心理学的状態は、この臨床試験への患者の参加のために研究患者に不当なリスクを提示し得るか、患者の参加を信頼できないものにし得るか、又は研究評価を妨げ得る。
22.妊婦若しくは授乳中の女性、又は研究中に妊婦となる若しくは授乳する予定の女性。
23.更なる使用を妨げるであろう治験責任医師又は治療する医師によって評価される、TCSに対する重要な副作用(例えば、治療に対する不耐性、過敏性反応、顕著な皮膚萎縮症、及び全身作用)を有していた。
【0084】
除外基準には、試験開始日の前にウォッシュアウト期間を必要とする、いくつかの薬剤による以前の治療が含まれる(表3を参照)。
【0085】
表3.以前の治療除外及びウォッシュアウト期間
【表3】
【0086】
研究薬物:
125mg/mLのレブリキズマブ又はプラセボを含有する医薬組成物は、患者への皮下投与のために、事前に組み立てられた針安全デバイス(PFS-NSD)を備えた滅菌充填済みシリンジとして供給される。レブリキズマブ配列を表1に示す。プラセボ溶液は、レブリキズマブを含有しないことを除いて、活性溶液と外観及び容量が同一である。
【0087】
研究デザイン:
研究は、16週間の二重盲検初期治療期間(又は誘導期間)、続いて36週間の非盲検維持期間、の2つの治療期間を有する(図1を参照)。研究は、18週目まで二重盲検となり、20週目以降は非盲検となる。
【0088】
16週間の誘導期間中、約312人の患者を、SC注射Q2W(2週間に1回)により250mgのレブリキズマブ(ベースライン(0週目)及び2週目に与えられる500mgの負荷用量)又はプラセボのいずれかに、2:1で無作為化する。無作為化は、デュピルマブの以前の使用、年齢(12歳以上18歳未満の青年患者は、18歳以上の成人と比較して全母集団の最大12.5%を構成する)、及びベースライン疾患重症度(IGA 3対4)によって階層化される。
【0089】
全ての登録された患者は、ベースラインで中効力又は低効力のTCSによる治療を開始し、研究全体を通してそれを継続することが要求される。中程度の効力のTCS、例えば、トリアムシノロンアセトニド0.1%クリーム、及び軽度のTCS、例えば、ヒドロコルチゾン1%クリーム(敏感な皮膚領域に使用するため)は、この臨床試験においてレブリキズマブと同時に使用するために提供される。
【0090】
16週間の誘導期間の完了後、患者は維持期間に入る。誘導期間にレブリキズマブ250mg Q2Wを受けた患者は、維持期間の間、レブリキズマブ250mg Q2Wを受け続ける。
【0091】
誘導期間にプラセボを受けた患者は、以下のようなレブリキズマブの負荷用量を受ける:16週目及び18週目に500mgのレブリキズマブ。プラセボ群の患者が維持期間中にこれらのレブリキズマブ負荷用量を受けることを可能にするために、盲検は16週目及び18週目で維持されることになる。したがって、研究は20週目以降は非盲検である。誘導期間にプラセボを受けた患者は、維持期間中の20週目以降、レブリキズマブ250mg Q2Wを受ける。
【0092】
応答は、維持期間に沿って再評価される。24、28、32、36、40、44、又は48週目に評価された少なくとも2回の連続した来院についてEASI50を達成しない患者は、研究を中止する。
【0093】
評価項目
この研究の主な目的は、最大16週目までの、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者におけるプラセボと比較したレブリキズマブの有効性を評価することである。有効性は、以下の基準:(i)臨床徴候:EASI、IGA、AD病変に罹患したBSA、(ii)臨床徴候及び患者が報告した症状:SCORAD、(iii)AD患者が報告した症状:そう痒NRS、睡眠不眠尺度、皮膚疼痛NRS、POEM、(iv)生活の質(Quality of Life、QoL)及び疾患の影響:DLQI又はCDLQI、DLQI-R、WHO-5、RECAP、及びTSQM-9、のうちの1つ以上を使用して測定される。
【0094】
研究の主要評価項目は、16週目にEASI75(EASIスコアにおけるベースラインから75%以上の低減)を達成する患者のパーセンテージである。副次的評価項目は、16週目にEASI90を達成する患者のパーセンテージ、16週目にIGA 0/1及び2ポイント改善を達成する患者のパーセンテージ、16週目にそう痒NRSの4ポイント改善を達成する患者のパーセンテージ、16週目にEASI90を達成する患者のパーセンテージ、EASI75、EASI90、及びEASI50を(最大16週目の来院までに)達成する患者のパーセンテージ、最大16週目の来院までのベースラインBSAからの変化、最大16週目の来院までのベースラインSCORADからの変化、最大16週目の来院までのベースラインそう痒NRSからの変化、最大16週目の来院までのベースライン睡眠不足からの変化、最大16週目の来院までのベースラインPOEMからの変化、最大16週目の来院までのベースラインDLQI/CDLQIからの変化、最大16週目の来院までのDLQI/CDLQIの4ポイント改善を達成する患者のパーセンテージ、最大16週目の来院までのベースラインからのTCSなしの日数の割合、最大16週目までのTCS無使用までの時間(日数)、最大16週目の来院までのベースライン皮膚疼痛NRSからの変化、16週目に4ポイント改善皮膚疼痛NRSを達成する患者のパーセンテージ、を含む。他の探索的評価項目は、16週目までの来院によるベースラインRECAPからの変化、最大16週目の来院までのベースラインWHO-5からの変化、最大16週目の来院までのTSQM-9、最大16週目の来院までのベースラインDLQI-Rからの変化、最大16週目までのEASI50、EASI75、及びEASI90(日数)までの時間、を含む。
【0095】
第二の目的は、16週目~最大52週目の、シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者における有効性を評価することである。この第二の目的の評価項目は、52週目にEASI-75を示し続ける、16週目にEASI-75を達成する患者のパーセンテージ、EASI75、EASI90、EASI50を(16週目~52週目の来院までに)達成する患者のパーセンテージ、IGA 0/1及び2ポイント改善を(16週目~52週目の来院までに)達成する患者のパーセンテージ、4ポイント改善そう痒NRSを(16週目~52週目の来院までに)達成する患者のパーセンテージ、ベースラインBSAからの(16週目~52週目の来院までの)変化、ベースラインSCORADからの(16週目~52週目の来院までの)変化、ベースラインそう痒NRSからの(16週目~52週目の来院までの)変化、ベースライン睡眠不足からの(16週目~52週目の来院までの)変化、ベースラインPOEMからの(16週目~52週目の来院までの)変化、ベースラインDLQI/CDLQIからの(16週目~52週目の来院までの)変化、DLQI/CDLQIにおいて、4ポイント改善を(16週目~52週目の来院までに)達成する患者のパーセンテージ、ベースラインからの(16週目~52週目の来院までの)TCSなしの日数の割合、TCS無使用までの時間(日数)、ベースライン皮膚疼痛NRSからの(16週目~52週目の来院までの)変化、皮膚疼痛NRSにおいて(16週目~52週目の来院までに)4ポイント改善を達成する患者のパーセンテージ、を含む。他の探索的評価項目は、ベースラインRECAPからの(16週目~52週目の来院までの)変化、ベースラインWHO-5からの(16週目~52週目の来院までの)変化、TSQM-9(16週目~52週目の来院までの)、ベースラインDLQI-Rからの(16週目~52週目の来院までの)変化、EASI75及びEASI90(日数)までの時間(16週目~52週目の来院まで)、を含む。
【0096】
シクロスポリンで十分に制御されないか、又はシクロスポリンが医学的に推奨されない患者におけるレブリキズマブの安全性及び忍容性を評価するために、治療下で発生した有害事象(treatment-emergent adverse event、TEAE)、重篤な有害事象(serious adverse event、SAE)、関連するTEAE、関連するSAE、研究治療の中止につながるTEAE、特に興味深い有害事象(adverse event of special interest、AESI)(例えば、結膜炎又はヘルペス感染症若しくは帯状疱疹)、及び死亡を含む有害事象(adverse event、AE)の発生率を監視し、評価する。血液及び尿試料を各患者から収集し、血液化学、血液学、血清学、凝固、及び尿検査などの臨床検査に供し、結果及びベースラインからの変化を記録し、評価する。少なくとも心血管系、呼吸器系、胃腸系、及び神経系の評価を含む完全な身体検査が行われ、身体検査における任意の異常が記録され、評価される。バイタルサイン、例えば、収縮期及び拡張期の血圧(mmHg)、心拍数(1分当たりの拍動数)、呼吸速度(1分当たりの呼吸数)、及び体温(℃)を測定し、結果及びベースラインからの変化を記録し、評価する。
【0097】
探索的目的は、治療に対する応答の予測因子であり得る臨床的改善に関連するバイオマーカーを特定すること、及び治療後のバイオマーカー修飾を探索することである。患者から血液試料を収集し、トランスクリプトーム分析、ゲノム分析、及びタンパク質分析を行う。EASIアウトカムとの更なる関連が調査される。
【0098】
統計分析を、主要評価項目及び副次的評価項目について行う。
図1
【配列表】
2024526809000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロスポリンに対する不十分な応答若しくは不耐性を示したか、又はシクロスポリンが患者にとって医学的に推奨されない前記患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療又はアトピー性皮膚炎に関連するそう痒の低減に使用するための、ヒトIL-13に結合する抗体を含む医薬組成物であって、前記抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記患者が、
i.12歳以上である、
ii.Hanifin及びRajka基準による慢性アトピー性皮膚炎を1年超有する、
iii.16以上のEASIスコアを有する、
iv.3以上のIGAスコアを有する、
v.10%超のアトピー性皮膚炎に罹患したBSAを有する、かつ/又は
vi.局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項3】
前記シクロスポリンが、シクロスポリンAである、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項4】
前記患者が、シクロスポリンに対する不十分な応答を示した、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項5】
前記患者が、前記医薬組成物を投与する少なくとも4週間前に、シクロスポリンに対する不十分な応答を示した、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項6】
前記患者が、シクロスポリンに対する不耐性を示した、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項7】
シクロスポリンが、以下の理由:
i.医学的禁忌、
ii.禁止された併用薬の使用。
iii.シクロスポリン誘導性腎損傷及び/若しくは肝損傷に対する感受性の増加、
iv.重篤な感染症のリスクの増加、又は
v.シクロスポリン活性物質若しくは賦形剤に対する過敏症、のうちの1つにより、前記患者にとって医学的に推奨されない、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項8】
前記患者が、前記医薬組成物を投与する少なくとも2週間前に、局所コルチコステロイドに対する不十分な応答を示した、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項9】
前記患者が、以前にデュピルマブに曝露されていない、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項10】
前記患者が、以前にデュピルマブに曝露されている、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項11】
前記抗体が、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLとを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項12】
前記抗体が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖とを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項13】
前記抗体が、レブリキズマブである、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
前記医薬組成物が、250mg又は500mgの前記抗体を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物が、前記患者に皮下投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物が、前記患者に2週間に1回皮下投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項17】
前記患者が、16~52週間の期間にわたって前記医薬組成物で治療される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項18】
前記患者が、16週間の治療期間にわたって前記医薬組成物で治療される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項19】
前記患者が、前記治療期間中に、2週間に1回、2回の用量にわたって、500mgの前記抗体を含む負荷用量の前記医薬組成物で治療され、2週間に1回、7回の用量にわたって、250mgの前記抗体を含む後続用量の前記医薬組成物で治療される、請求項18に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項20】
前記患者が、最大36週間の維持期間にわたって前記医薬組成物で更に治療される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項21】
前記患者が、前記維持期間中、2週間に1回、250mgの前記抗体を含む維持用量の前記医薬組成物で治療される、請求項20に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項22】
前記患者が、前記維持期間中、4週間に1回、250mgの前記抗体を含む維持用量の前記医薬組成物で治療される、請求項20に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項23】
前記患者の以下の特徴:
i.EASIスコア、
ii.IGAスコア、
iii.アトピー性皮膚炎に罹患している体表面積(BSA)のパーセンテージ、
iv.そう痒数値評価尺度(NRS)スコア、
v.アトピー性皮膚炎の重症度評価法(SCORAD)、
vi.睡眠不足尺度、
vii.皮膚疼痛NRSスコア、
viii.患者による湿疹尺度(POEM)総スコア、
ix.皮膚科生活の質指数(DLQI)スコア、小児皮膚科生活の質指数(CDLQI)、又はDLQI関連(DLQI-R)スコア、
x.World Health Organisation-5ウェルビーイング指数(WHO-5)スコア、
xi.アトピー性湿疹のRecap(RECAP)スコア、
xii.薬物療法に対する治療満足度質問票-9項目(TSQM-9)スコア、のうちの1つ以上が、前記治療期間及び/又は前記維持期間後に決定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項24】
前記医薬組成物が、皮下投与デバイスを使用して前記患者に投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項25】
前記皮下投与デバイスが、充填済みシリンジ、使い捨てペン型注射デバイス、マイクロニードルデバイス、マイクロインフューザデバイス、針なし注射デバイス、又は自動注射器デバイスから選択される、請求項24に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項26】
前記医薬組成物が、1つ以上の局所コルチコステロイドと組み合わせて投与するためのものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項27】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである、請求項26に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項28】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、前記抗体と同時に投与される、請求項26に記載の使用のための医薬組成物。
【国際調査報告】