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特表2024-526822柔軟なエクソスケルトン用フレームおよび腕支持システム、並びにそれらを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】柔軟なエクソスケルトン用フレームおよび腕支持システム、並びにそれらを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502642
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037579
(87)【国際公開番号】W WO2023003868
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/223,490
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515027004
【氏名又は名称】レヴィテイト テクノロジーズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEVITATE TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ドイル,マーク,シー.
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707HT04
3C707HT36
3C707XK06
3C707XK16
3C707XK28
3C707XK42
3C707XK43
(57)【要約】
エクソスケルトン用のフレームが提供され、このフレームが、第1および第2の独立したスパイン構造を備え、各スパイン構造が、第1の端部にほぼ垂直なピボット軸を有し、第2の端部に臀部接触支柱を有し、スパイン構造が、複数の平面、角度および方向において互いに独立して関節運動するように構成されている。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エクソスケルトン用のフレームであって、
下端部および上端部を含む一対の細長いスパイン部材であって、各々がそれぞれの垂直軸にほぼ沿って整列しているスパイン部材と、
それぞれのスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定するピボットアセンブリと、
前記スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、前記スパイン部材が動くときに前記水平軸が水平方向に変化するのを防止する回転防止部材と、
前記スパイン部材の上端部に回動可能に結合され、前記ピボットアセンブリからユーザの胴体に荷重を伝達しながら、当該フレームを装着したユーザの動きに対応するリンケージを提供する腰背部反力部材とを備えることを特徴とするフレーム。
【請求項2】
請求項1に記載のフレームにおいて、
それぞれのピボットアセンブリに結合された肩ブラケットをさらに備え、前記肩ブラケットが、前記肩ブラケットに結合されたアームサポートの動きに対応するように、略水平面内で垂直軸を中心に回転するようになっていることを特徴とするフレーム。
【請求項3】
請求項2に記載のフレームにおいて、
前記肩ブラケットの各々が、前記肩ブラケットにアームサポートを結合するためのコネクタを有する下端部を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項4】
請求項3に記載のフレームにおいて、
アームサポートをさらに含み、前記アームサポートが、前記肩ブラケットの1つの下端部にあるコネクタに結合するためのコネクタを含むことを特徴とするフレーム。
【請求項5】
請求項2に記載のフレームにおいて、
前記肩ブラケットの下端部に結合されたアームサポートをさらに含み、前記アームサポートが、垂直軸を中心に回動可能となっていることを特徴とするフレーム。
【請求項6】
請求項4または5に記載のフレームにおいて、
前記アームサポートが、垂直軸に直交する第2の軸を中心に回動可能なカセットと、ユーザの上腕を受け入れるためのアームレストとを備え、前記カセットが、前記第2の軸を中心とする垂直方向の運動中に、前記アームレスト内の上腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加えるように構成された1または複数の補償要素を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項7】
請求項6に記載のフレームにおいて、
前記カセットが、弾性要素を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項8】
請求項7に記載のフレームにおいて、
前記カセットが、前記オフセット力を生成するために前記弾性要素に結合された1または複数のプーリおよびケーブルを含むとを特徴とするフレーム。
【請求項9】
請求項1に記載のフレームにおいて、
前記スパイン部材の下端部に結合され、前記下端部をユーザの胴体に固定する1または複数のベルトストラップをさらに含むことを特徴とするフレーム。
【請求項10】
請求項1に記載のフレームにおいて、
前記スパイン部材が、前記上端部と前記下端部との間の距離を調節するために軸方向に動くことができ、前記スパイン部材が、前記上端部と前記下端部とを1または複数の距離で前記スパイン部材を固定するためのロック要素を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項11】
請求項10に記載のフレームにおいて、
前記スパイン部材が、距離を調節するために互いに相対的に動くことができる伸縮部材を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項12】
請求項1に記載のフレームにおいて、
前記回転防止部材が、前記スパイン部材の両側の下端部に結合された両側の端部を備え、前記両側の端部が、前記両側の下端部間の距離を調節するために動くことができ、前記回転防止部材が、前記両側の下端部が1または複数の距離で離間した状態で前記回転防止部材を固定するための1または複数のロック要素を備えることを特徴とするフレーム。
【請求項13】
請求項1に記載のフレームにおいて、
前記腰背部反力部材が、前記ユーザが動く際に前記上端部間の距離を変更して、その動きに対応するために、垂直軸に直交する方向に軸方向にスライド可能な複数の部材を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項14】
請求項1に記載のフレームにおいて、
前記第1および第2のピボットアセンブリの水平軸が、互いに非平行であることを特徴とするフレーム。
【請求項15】
請求項14に記載のフレームにおいて、
前記第1および第2のピボットアセンブリの水平軸を1または複数の非平行な角度で調整および固定するためのロック機構をさらに含むことを特徴とするフレーム。
【請求項16】
エクソスケルトン用のフレームであって、
垂直軸にほぼ沿って整列された下端部および上端部を含む一対の細長いスパイン部材と、
前記細長いスパイン部材のうちの第1のスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定するピボットアセンブリと、
前記スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、前記スパイン部材が動くときに、前記スパイン部材が垂直軸を中心に回転するのを防止して、前記水平軸が水平方向に変化するのを防止する回転防止部材と、
前記スパイン部材の上端部に回動可能に結合され、前記ピボットアセンブリからユーザの胴体に荷重を伝達しながら、当該フレームを装着したユーザの動きに対応するリンケージを提供する腰背部反力部材と、
前記ピボットアセンブリに結合された肩ブラケットであって、前記肩ブラケットに結合されたアームサポートの動きに対応するように、略水平面内で垂直軸を中心に回転する肩ブラケットとを備えることを特徴とするフレーム。
【請求項17】
請求項16に記載のフレームにおいて、
前記肩ブラケットの各々が、前記肩ブラケットにアームサポートを結合するためのコネクタを有する下端部を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項18】
請求項17に記載のフレームにおいて、
アームサポートをさらに含み、前記アームサポートが、前記肩ブラケットの1つの下端部にあるコネクタに結合するためのコネクタを含むことを特徴とするフレーム。
【請求項19】
請求項17に記載のフレームにおいて、
前記肩ブラケットの下端部に結合されたアームサポートをさらに含み、前記アームサポートが、垂直軸を中心に回動可能となっていることを特徴とするフレーム。
【請求項20】
請求項18または19に記載のフレームにおいて、
前記アームサポートが、垂直軸に直交する第2の軸を中心に回動可能なカセットと、ユーザの上腕を受け入れるためのアームレストとを備え、前記カセットが、前記第2の軸を中心とする垂直方向の運動中に、前記アームレスト内の上腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加えるように構成された1または複数の補償要素を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項21】
請求項1または16に記載のフレームにおいて、
前記スパイン部材の各々が、それぞれのスパイン部材の上端部および下端部を規定する実質的に剛性または半剛性の支柱を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項22】
請求項21に記載のフレームにおいて、
前記スパイン部材が、前記上端部と前記下端部との間の距離を調節するために互いに相対的に動くことができる伸縮部材を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項23】
請求項1または16に記載のフレームにおいて、
各スパイン部材が、他のスパイン部材とは独立して、各ピボットアセンブリに結合されたアームサポートから前記腰背部反力部材に荷重を伝達するように構成されていることを特徴とするフレーム。
【請求項24】
腕支持システムにおいて、
エクソスケルトンを含み、このエクソスケルトンが、フレームであって、垂直軸にほぼ沿って整列された下端部および上端部を含む一対の細長いスパイン部材と、第1のスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定する第1のピボットアセンブリと、前記スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、前記スパイン部材が動くときに前記水平軸が水平方向に変化するのを防止する回転防止部材と、前記スパイン部材の上端部に回動可能に結合され、前記ピボットアセンブリからユーザの胴体に荷重を伝達しながら、前記フレームを装着したユーザの動きに対応するリンケージを提供する腰背部反力部材とを備えるフレームと、
略水平面内で回転するように、前記第1のピボットアセンブリに結合された第1の肩ブラケットと、
アームレストを含み、前記第1の肩ブラケットに結合された第1のアームサポートであって、略垂直面内で回転して前記アームレスト内の腕の垂直方向の動きに対応する第1のアームサポートと、
前記第1のアームサポートに結合され、腕の垂直方向の動きの間に前記アームレスト内の腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加える1または複数の補償要素であって、前記第1のアームサポートがユーザの腕の動きに追従する、1または複数の補償要素とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムにおいて、
前記1または複数の補償要素が、ユーザが腕を上げ下げするときに、垂直面内での前記アームサポートの回転に基づいて変化するオフセット力を提供するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項24に記載のシステムにおいて、
前記1または複数の補償要素が、前記アームサポート上に担持されたカセット内のバネ機構を含むことを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項24に記載のシステムにおいて、
前記アームサポートが、前記肩ブラケットの下端部に取り外し可能に連結可能であることを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項24に記載のシステムにおいて、
第2の水平軸を規定するように、第2のスパイン部材の上端部に結合された第2のピボットアセンブリと、
略水平面内で回転するように、前記第2のピボットアセンブリに結合された第2の肩ブラケットと、
アームレストを含み、前記第2の肩ブラケットに結合された第2のアームサポートであって、略垂直面内で回転して前記アームレスト内の腕の垂直方向の動きに対応する第2のアームサポートと、
前記第2のアームサポートに結合され、腕の垂直方向の動きの間に前記アームレスト内の腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加える1または複数の補償要素であって、前記第2のアームサポートがユーザの腕の動きに追従する、1または複数の補償要素とをさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムにおいて、
前記回転防止部材が、前記スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、前記スパイン部材が動く際に水平軸が水平方向に変化するのを防止することを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムにおいて、
前記第1および第2のピボットアセンブリの水平軸が、互いに非平行であることを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムにおいて、
前記第1および第2のピボットアセンブリの水平軸を1または複数の非平行な角度で調整および固定するためのロック機構をさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項32】
エクソスケルトン用のフレームであって、
第1および第2の独立した細長いスパイン部材を備え、各スパイン部材が、第1の端部に、ほぼ垂直なピボット軸を有し、前記第1の端部とは反対側の第2の端部に臀部接触支柱を有し、前記スパイン部材が、複数の平面、角度および方向において互いに独立して関節運動するように構成されていることを特徴とするフレーム。
【請求項33】
エクソスケルトン用のフレームであって、
第1および第2の独立した細長いスパイン構造を備え、各スパイン構造が、第1の端部に、ほぼ垂直なピボット軸を有し、第2の端部に臀部接触支柱を有し、前記スパイン構造が、複数の平面、角度および方向において互いに独立して関節運動するように構成されていることを特徴とするフレーム。
【請求項34】
エクソスケルトン用のフレームであって、
下端部および上端部を含む一対の独立した細長いスパイン部材であって、各々がそれぞれの垂直軸にほぼ沿って整列しているスパイン部材と、
それぞれのスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定するピボットアセンブリと、
前記スパイン部材に臀部反力を付与することができるそれぞれのスパイン部材の各々の下端部から延びる支柱とを備え、
前記スパイン部材が、複数の平面において、複数の軸を中心として、互いに相対的に平行移動および回転するように構成されていることを特徴とするフレーム。
【請求項35】
請求項32~34の何れか一項に記載のフレームにおいて、
各スパイン構造が、その長手方向軸を中心とする前記スパイン構造の実質的な回転を防止すると同時に、複数の平面、角度および方向についての独立した関節運動を依然として可能にする回転防止要素を備えることを特徴とするフレーム。
【請求項36】
請求項32~34の何れか一項に記載のフレームにおいて、
複数の平面、角度および方向についての独立した関節運動を妨げることなく、当該フレームからエクソスケルトンを装着したユーザの胴体へ荷重を伝達するように構成された1または複数の腰背部反力要素をさらに含むことを特徴とするフレーム。
【請求項37】
請求項32または33に記載のフレームにおいて、
アームサポートを支持するために、各スパイン構造の上端部から延びるピボットアセンブリをさらに含むことを特徴とするフレーム。
【請求項38】
請求項34に記載のフレームにおいて、
それぞれのピボットアセンブリに結合された肩ブラケットをさらに備え、前記肩ブラケットが、前記肩ブラケットに結合されたアームサポートの動きに対応するように、略水平面内で垂直軸を中心に回転するようになっていることを特徴とするフレーム。
【請求項39】
請求項38に記載のフレームにおいて、
前記肩ブラケットの各々が、前記肩ブラケットにアームサポートを結合するためのコネクタを有する下端部を含むことを特徴とするフレーム。
【請求項40】
請求項39に記載のフレームにおいて、
アームサポートをさらに含み、前記アームサポートが、前記肩ブラケットの1つの下端部にあるコネクタに結合するためのコネクタを含むことを特徴とするフレーム。
【請求項41】
請求項38に記載のフレームにおいて、
前記肩ブラケットの下端部に結合されたアームサポートをさらに含み、前記アームサポートが、垂直軸を中心に回動可能となっていることを特徴とするフレーム。
【請求項42】
請求項40または41に記載のフレームにおいて、
前記アームサポートが、垂直軸に直交する第2の軸を中心に回動可能なカセットと、ユーザの上腕を受け入れるためのアームレストとを備え、前記カセットが、前記第2の軸を中心とする垂直方向の運動中に、前記アームレスト内の上腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加えるように構成された1または複数の補償要素を含むことを特徴とするフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ユーザの腕を支持するためのシステム、デバイスおよび方法に関し、例えば、実質的に自由な動きを可能にしながら、ユーザの腕の一方または両方を支持し、それにより、例えば、ユーザが、一方または両方の腕を伸ばした状態で、長時間にわたって1または複数の作業を行うことを可能にする適応型腕支持システムに関する。
【0002】
関連出願データ
本出願は、2021年7月19日に出願された同時係属中の米国仮出願第63/223,490号に関連するものであり、その開示全体が、引用により本明細書に明示的に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
作業者の腕を支持するためのエクソスケルトンは、ユーザの腕を上げたり伸ばしたりする必要がある様々な作業のために産業界で導入されている。そのいくつかは、ユーザの腕の重量および腕が保持する荷重を、実質的に剛性のフレームを介してユーザの胴体および臀部に導き、それによりユーザの肩、上背部、上腕および腰部にかかる負荷を軽減することができる。それらの実質的に剛性のフレームは、肩、上背部、上腕、腰部を通って荷重を伝えるのに非常に効果的であるが、腰をひねったり曲げたりするような特定の動作を妨げることもある。それらの動作を妨げることは、特定の作業をより困難にする可能性がある。
【0004】
このため、所望の負荷軽減を提供する一方で、ユーザがより容易に胴体をひねったり曲げたりすることを可能にし、あるいはユーザが動いている間に柔軟性を高めることを可能にするエクソスケルトン用のフレームが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、ユーザの腕を支持するシステム、デバイスおよび方法を対象とし、例えば、実質的に自由な動きを可能にしながら、ユーザの腕の一方または両方を支持し、それにより、例えば、ユーザが、一方または両方の腕を伸ばした状態で、長時間にわたって1または複数の作業を行うことを可能にする適応型腕支持システムを対象とする。より詳細には、本出願は、エクソスケルトン用の柔軟なフレームおよび/またはそのようなエクソスケルトンを含む腕支持システムを対象とする。
【0006】
一例によれば、エクソスケルトン用のフレームが提供され、このフレームが、第1および第2の独立したスパイン構造を備え、各スパイン構造が、第1の端部に、ほぼ垂直なピボット軸を有し、第2の端部に臀部接触支柱を有し、スパイン構造が、複数の平面、角度および方向において互いに独立して関節運動するように構成されている。
【0007】
別の例によれば、エクソスケルトン用のフレームが提供され、このフレームが、下端部および上端部を含む一対の細長いスパイン部材であって、各々がそれぞれの垂直軸にほぼ沿って整列しているスパイン部材と、それぞれのスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定するピボットアセンブリと、スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、スパイン部材が動くときに水平軸が水平方向に変化するのを防止する回転防止部材と、スパイン部材の上端部に回動可能に結合され、ピボットアセンブリからユーザの胴体に荷重を伝達しながら、当該フレームを装着したユーザの動きに対応するリンケージを提供する腰背部反力部材とを備える。
【0008】
さらに別の例によれば、エクソスケルトン用のフレームが提供され、このフレームが、垂直軸にほぼ沿って整列された下端部および上端部を含む一対の細長いスパイン部材と、細長いスパイン部材のうちの第1のスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定するピボットアセンブリと、スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、スパイン部材が動くときに、スパイン部材が垂直軸を中心に回転するのを防止して、水平軸が水平方向に変化するのを防止する回転防止部材と、スパイン部材の上端部に回動可能に結合され、ピボットアセンブリからユーザの胴体に荷重を伝達しながら、当該フレームを装着したユーザの動きに対応するリンケージを提供する腰背部反力部材と、ピボットアセンブリに結合された肩ブラケットであって、肩ブラケットに結合されたアームサポートの動きに対応するように、略水平面内で垂直軸を中心に回転する肩ブラケットとを備える。
【0009】
さらに別の例によれば、腕支持システムが提供され、この腕支持システムが、エクソスケルトンを含み、エクソスケルトンが、フレームであって、垂直軸にほぼ沿って整列された下端部および上端部を含む一対の細長いスパイン部材と、第1のスパイン部材の上端部から延び、水平軸を規定する第1のピボットアセンブリと、スパイン部材の下端部に回動可能に結合され、スパイン部材が動くときに水平軸が水平方向に変化するのを防止する回転防止部材と、スパイン部材の上端部に回動可能に結合され、ピボットアセンブリからユーザの胴体に荷重を伝達しながら、フレームを装着したユーザの動きに対応するリンケージを提供する腰背部反力部材とを備えるフレームと、略水平面内で回転するように、第1のピボットアセンブリに結合された第1の肩ブラケットと、アームレストを含み、第1の肩ブラケットに結合された第1のアームサポートであって、略垂直面内で回転してアームレスト内の腕の垂直方向の動きに対応する第1のアームサポートと、第1のアームサポートに結合され、腕の垂直方向の動きの間にアームレスト内の腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加える1または複数の補償要素であって、第1のアームサポートがユーザの腕の動きに追従する、1または複数の補償要素とを備える。
【0010】
本発明の他の態様および特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明を検討することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の特定の例の説明からより良好に理解されると考えられる。図面において、同様の符号は同じ要素を特定している。
図1図1Aは、ユーザによって装着されるフレームと、ユーザの腕を支持して腕の動きに対応するための1または複数の補償要素を含むカセットおよびアームレストを担持するアームサポートとを含む柔軟なエクソスケルトンの一例を示している。図1Bは、アームサポートがフレームから取り外された状態の図1Aのエクソスケルトンを示している。
図2図2Aおよび図2Bは、それぞれ、アームサポートなしの図1Aおよび図1Bのフレームの斜視図および上面図である。
図3図3は、個々のユーザの解剖学的構造に適合するように図1Aおよび図1Bのフレームに対して行うことができる様々な調整を示している。
図4図4Aおよび図4Bは、フレームを装着したユーザの動きに対応するために図1Aおよび図1Bのフレームに設けることができる様々な可動リンクまたはジョイントを示している。
図5図5Aおよび図5Bは、図1Aおよび図1Bのフレームがユーザに装着されたときに適応し得る追加の動きを示している。
【0012】
図面は、決して限定することを意図したものではなく、本発明の様々な例は、必ずしも図面に描かれていないものも含めて、他の様々な方法で実施され得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を示しており、詳細な説明とともに本発明の原理を説明するのに役立つが、本発明は、図示の正確な配置構成に限定されないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の特定の例に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態および利点は、本発明を実施するために考えられる最良の態様の1つである例示としての以下の説明から当業者には明らかになるであろう。理解されるように、本発明はいずれも、本発明から逸脱することなく、他の様々な自明の態様も可能である。このため、図面および説明は、本質的に例示であって限定的なものではないとみなされるべきである。
【0014】
実施例を説明する前に、本発明は、記載の特定の実施例に限定されるものではなく、当然のことながら、変更し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであるため、本明細書で使用する用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、限定することを意図したものではないことを理解されたい。
【0015】
値の範囲が与えられる場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値も具体的に開示されているものと理解されたい。任意の記載値または記載の範囲内の介在値と、任意の他の記載値または記載の範囲内の介在値との間の小さい各範囲は、本発明に包含される。それら小さい範囲の上限値および下限値は、それぞれ独立に範囲に含まれることも除外されることもあり、その両方または一方が小さい範囲に含まれる場合においても、またはどちらも小さい範囲に含まれない場合においても、各範囲は、記載の範囲内の特に除外された限界値を条件として、本発明に包含される。記載の範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界値の一方または両方を除外した範囲もまた本発明に含まれるものとする。
【0016】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、いくつかの可能性のある例示的な方法および材料をここで説明する。
【0017】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。このため、例えば、「化合物」に対する言及は、複数のそのような化合物を含み、「ポリマー」に対する言及は、当業者に公知の1または複数のポリマーおよびその均等物に対する言及を含む。
【0018】
本明細書では、特定の範囲が、数値の前に「約」という用語が付されて示される。「約」という用語は、本明細書において、その用語の後の正確な数値と、その用語の後の数値に近い数値または近似値に対する文字通りの裏付けを提供するために使用される。ある数値が具体的に言及された数値に近いかまたは近似しているか否かを判断する際に、その近いまたは近似している未言及の数値は、それが提示される文脈において、具体的に言及された数値と実質的に同等のものを提供する数値であり得る。
【0019】
図面を参照すると、図1Aおよび図1Bは、例えば、米国特許第9,205,017号、第9,737,374号、第9,427,865号および第10,617,551号(これらの開示内容はすべて、引用により本明細書に明示的に援用される)に開示されたシステムと同様に、ユーザUの上半身に装着され、ユーザの一方または両方の腕を支持するように設計されたエクソスケルトン1の斜視図を示している。
【0020】
図示のように、エクソスケルトン1は、フレーム5、腕支持カセット7(片腕用または両腕用、各腕に1つずつ示される)、およびアームレスト9(同様に片腕用または両腕用)の3つの基本構成要素を含む。カセット7は、例えば引用により本明細書に援用される参考文献に開示されたシステムと同様に、カセット7内に収容されたバネ機構を介してユーザの上腕を支持する。アームレスト9は、カセット7に取り付けられ、カセット7からの支持力をユーザの腕に伝達する。フレーム5は、いくつかの有利な改良を具現化したものであり、ユーザの腕の重量およびユーザが保持している荷重をユーザの胴体および腰に伝達する。
【0021】
カセット7は、実質的に水平なピボット軸A2を有し、このピボット軸を中心に回転することができ、それにより、垂直面内で軸A2を中心とする、ユーザの上腕を比較的自由ではあるが支持された動きを可能にする。フレーム5は、1または複数の実質的に垂直なピボット軸A1を有し、水平面内で軸A1を中心とした実質的に自由な動きを可能にする。軸A1、A2は、交差するようにしてもよく、かつ/またはユーザの肩を中心とするジンバルを形成するようにしてもよい。
【0022】
カセット7は、例えば腕の垂直方向の動きの間に、アームレスト9内の上腕に作用する重力を少なくとも部分的に相殺するためのオフセット力を加えるように構成された1または複数の補償要素(図示せず)を含むことができる。例えば、補償要素は、カセット7とカセット7および/またはフレーム5の他の構成要素との間に結合されてオフセット力を提供する1または複数のバネまたは他の弾性部材(図示せず)を含むことができる。様々な例では、カセット7は、本明細書の他の箇所で引用される特許における腕支持システムと同様に、1または複数の弾性部材に結合され、かつ/またはオフセット力に所望の力プロファイルを提供するように他の方法で構成された1または複数のプーリおよび/またはケーブル(同様に図示せず)を含むことができる。
【0023】
一例では、例えば疲労を軽減するためにユーザが長時間腕を伸ばした状態で作業するときに対応する、例えば実質的に水平な向きにユーザの腕が完全に伸長されたときに、最大オフセット力を提供するように、カセット7を構成することができる。力プロファイルは、例えば、アームが下げられるにつれて必要とされるオフセット力をより小さくすることができるため、実質的に水平な向きの上下に、カセットによって低減され得る。例えば、力プロファイルは、例えばユーザがリラックスして単に腕を下げたときに対応する、例えば実質的に垂直下向きに腕が下げられたときに、ゼロオフセット力に近づき得る。
【0024】
任意選択的には、例えば接続ソケット8を介して、カセット7をフレーム5から取り外し可能とすることができ、接続ソケットは、必要に応じて、フレーム5上の接続シャフト12と協働して、カセット7をフレーム5に取り付けたり、あるいはフレームから取り外したりすることを可能にすることができる。任意選択的には、フレーム5は、複数のストラップ、例えば、一対の肩ストラップおよび腰ベルト(図示せず)を含むことができ、それらストラップは、フレーム5をユーザの胴体および臀部に固定して保持することができ、かつ/またはフレームは、1または複数のパッド、例えば、肩パッド、背中パッドなど、例えば、腰背部パッド60を含むことができ、それにより、フレーム5とユーザの身体上の接触点との間にクッションを提供し、かつ/または他の方法で快適性を向上させることができ、かつ/またはフレームは、1または複数の構成要素を覆う1または複数のカバー(同様に図示せず)を含むことができる。
【0025】
図2Aは、カセットおよびアームレストを取り外した状態のフレーム5の斜視図である。ストラップ、ベルトおよびパッドは、明瞭にするために図示していない。フレーム5は、外側スパインチューブ40、41および内側スパインチューブ42、43からなる一対のデュアル伸縮スパインを含む。外側スパインチューブ40、41および内側スパインチューブ42、43は、剛性であっても可撓性であってもよく、鋼、アルミニウム、プラスチック、複合材など、任意の実用的な材料で作ることができる。内側スパインチューブ42、43は外側スパインチューブ40、41の上に示されているが、必要に応じてそれらを逆にしてもよいことが理解されよう。
【0026】
ピボットアセンブリ18は、(この場合は内側)スパインチューブ42、43の上端部に取り付けられ、カセット7(図示せず)が取り付けられるピボットカセットリンク14を提供する。例えば、水平バーが内側スパインチューブ42、43の上端部から延び、例えば、図2Bに示すように、バーが角度ANG1だけオフセットした共通平面内で水平方向に延びるように湾曲部材によって結合され、ピボットアセンブリ18を担持する。任意選択的には、バーは、フレーム5が装着されたとき、例えばユーザが動く際に、たとえスパインチューブ40~43が動いても角度ANG1が実質的に変化しないように実質的に剛性であってもよく、それにより、本明細書の他の箇所に説明するように、ユーザの肩に対するピボットアセンブリ18の相対的な位置を維持することができる。
【0027】
ベルトストラット50は、下側(この場合は外側)スパインチューブ40、41の下端部に取り付けられ、例えば経路P3に沿って、スパイン軸A3、A4を中心に回動することができる。ベルトストラット50は、剛性、可撓性、選択的に可撓性、あるいは調整可能に可撓性であってもよく、かつ/または、鋼、アルミニウム、プラスチック、複合材など、任意の実用的な材料から作ることができる。ベルトストラット50は、異なる特性(例えば、より高い剛性)の必要性に基づいて迅速に交換することもできる。
【0028】
図2Aに示すように、カセット7(図示せず)は、接続シャフト12を介してフレーム5にモーメントM1および垂直力F1を与える。モーメントM1および垂直力F1の影響は、ユーザの胴体および臀部によってフレーム5に加えられる反力によって打ち消され、静的バランスが得られる。例えば、ユーザの背中は腰背部パッド60に作用する反力R1を与え、臀部はベルトストラット50に作用する反力R2を与える。カセット7(図示せず)、カセットリンク14、ピボットアセンブリ18、内側スパインチューブ42、外側スパインチューブ40およびベルトストラット50の相互接続された要素で構成されるアセンブリは、ユーザの腕の重量を肩、上背部および腰部を通って臀部に導く耐荷重構造を提供する。以下にさらに説明するように、2つのスパインアセンブリは独立して動作することができ、それにより、依然としてユーザの臀部に荷重を導く効率的な耐荷重構造を提供しながらも、ユーザにより大きな柔軟性を提供することができる。
【0029】
回転防止チューブ70は、回転防止ロッド72と協働して、上側スパインチューブ42、43(およびそれらに取り付けられたピボットアセンブリ18)の軸A5、A6間の所望の固定角度ANG1を維持する一方で、以下にさらに説明するように、2つのスパインアセンブリ間の他のタイプの相対運動を可能にする。腰背部パッド反力チューブ80は、内側スパインチューブ42、43と腰背部パッド60との間の距離を維持し、それによって内側スパインチューブとユーザの背中との間の不快な接触を防止する。代替的には、フレーム5を装着しているユーザの快適性を高めるために、腰背部パッド60に加えて、またはその代わりに、1または複数のパッド、クッションまたは他の支持部材(図示せず)を設けることもでき、それにより、例えば、スパインチューブ40~43および/またはチューブ70がユーザの背中を圧迫するのを防止することができる。
【0030】
ユーザが背中を伸ばして中立的な姿勢にあるとき、デュアルスパインアセンブリは通常、ほぼ平行で同じ高さにある。以下に開示するように、ユーザが必要とするときにデュアルスパインアセンブリの相対運動を可能にすることによって、フレーム5に固有の追加の自由度が、有利な柔軟性を提供する。
【0031】
図3は、ユーザの解剖学的構造に適合させるために使用される基本的な調整が表示されたフレーム5の斜視図である。例えば、2つのスパイン40/42、41/43の間の距離は、横方向のストラップ(図示せず)を締めたり緩めたりすることによって、経路P7、P8にほぼ沿って調整することができる。回転防止チューブ70および回転防止ロッド72は、固定角度ANG1(例えば、図2B参照)を維持し続けながら、スパイン間の距離に適応するために、経路P7にほぼ沿って分離(または近接)することができる。また、腰背部パッド反力チューブ80および腰背部パッド反力ロッド82も協働して、経路P8にほぼ沿って伸長する(または引き込む)ことにより、スパイン間の新しい距離に対応する一方で、内側スパインチューブ42、43と腰背部パッド60との間の距離を維持し続ける。デュアルスパインの長さは、例えば一般的な伸縮チューブ構造のように、ロックボタン46を押して、内側スパインチューブ42を経路P4にほぼ沿ってスライドさせて外側スパインチューブ40の所望の穴44に合わせ、ボタン46を戻して新しい穴に入れることによって調整することができる。代替的には、スパインを所望の長さで固定するために他のロック機構を設けて、例えば、連続的な調整または複数の利用可能な長さのうちの1つへの調整を提供するようにしてもよい。例えば、外側スパインチューブ40、41内の内側スパインチューブ42、43の内側端部は、外側スパインチューブ40、41の内壁に対して内側端部を係合または解放するために回転させることができるカムロックまたは他の特徴部を含むことができる。
【0032】
任意選択的には、各ピボットアセンブリ18は、例えば、ユーザの胴体の深さに対応するように、それぞれの内側スパインチューブ42、43に沿ってほぼ水平に調節することができる。例えば、ピボットアセンブリ18(カバー19が取り外された状態)は、ピン94を取り外し、内側スパインチューブ43の所望の穴98をピボットアセンブリ18の穴95に合わせ、ピン94を再び挿入することにより、内側スパインチューブ43に沿って経路P5にほぼ沿って調整することができる。代替的には、ピボットアセンブリ18をスパインチューブ42、43に対して所望の水平方向の距離で固定するために、他のロック機構を設けることもできる。
【0033】
追加的または代替的には、カセット接続シャフト12の高さは、カセットリンク延長部100を経路P6にほぼ沿って移動させてユーザの肩に合わせることにより調整することができ、かつ/またはカセット接続シャフト12の角度を調節して、カセット7(図示せず)の高さを変えることができる。例えば、カセット接続シャフト12の角度は、経路P9にほぼ沿って軸A7周りに調整することができる。上側スパインチューブ42の軸A5と上側スパインチューブ43の軸A6との間の固定角度ANG1は、例えば、ピン79を角度ハブ77の穴78から取り外して別の穴(図示せず)に再び挿入して角度を変えることによって、変更することができる。
【0034】
図4Aは、明瞭にするために腰背部パッド60を取り除いた状態のフレーム5の斜視図である。ピボットアセンブリ18、内側スパインチューブ42、外側スパインチューブ40およびベルトストラット50を含む右側スパインアセンブリは、経路P10にほぼ沿って左側スパインアセンブリに対して垂直方向に変位した状態で示されている。この機能により、有利な追加の自由度が提供され、それによりフレーム5の柔軟性が向上する一方で、ユーザの胴体および臀部に荷重を効果的に伝達する機能が維持される。回転防止チューブ70および回転防止ロッド72は、例えば軸A10を中心とする経路P12に沿って、それらのピボット74を中心に回動することができる。同様に、腰背部パッド反力チューブ80および腰背部パッド反力ロッド82は、例えば軸A14を中心とする経路P14に沿って、それらのピボット88を中心に自由に回動することができる。一方のスパインアセンブリが他方のスパインアセンブリに対して相対的に動く機能は、4つのリンクがピボットで結合されている、よく知られている4節リンク機構と同様である。
【0035】
図4Bは、2つのスパインアセンブリの相対運動を可能にするピボット74およびピボット88の位置を明確にするために、図4Aに示すフレーム5の異なる斜視図を示している。
【0036】
図5Aは、別の有利な自由度を示すフレーム5の斜視図である。ピボットアセンブリ18、内側スパインチューブ42、外側スパインチューブ40およびベルトストラット50を含む右側スパインアセンブリは、経路P18にほぼ沿って左側スパインアセンブリに対して前方向に変位した状態で示されている。スパインアセンブリ軸A3、A4は非平行に示されており、右側スパインアセンブリ軸A3’は、その中立の実質的に垂直な軸A3に対して角度ANG2をなしている。回転防止チューブ70は、経路P20にほぼ沿って、軸A20を中心に回転防止ロッド72の周りを回転している。同様に、腰背部パッド反力チューブ80は、経路P24にほぼ沿って、軸A22を中心に腰背部パッド反力ロッド82上を回転することができる。回転防止チューブ70および回転防止ロッド72の伸張および収縮機能(図3参照)、および腰背部パッド反力チューブ80および腰背部パッド反力チューブ82の伸張および収縮機能(図3参照)は、フレーム5の柔軟性をさらに高める。例えば、腰背部パッド反力チューブ80は、経路P28にほぼ沿って距離D2だけ分離された状態で示され、これにより、ユーザ側で努力することなく、角度ANG2を達成することができる。デュアルスパイン間の距離を調節するストラップ、および肩ストラップおよびベルトが伸縮性のあるものであれば、更なる柔軟性を実現することができる。
【0037】
図5Bは、図5Aのフレーム5の側面図であり、2つのスパインアセンブリ間の相対角度ANG2をさらに明確にしている。
【0038】
上述したデュアルスパインの相対運動(すなわち、利用可能な追加の自由度)は、同時に発生するようにしても、あるいは独立して発生するようにしてもよい。それら2つの自由度が同時に利用される例としては、ユーザが腰を曲げながら腰をひねる場合が挙げられる。そのような場合、一方のスパインアセンブリが他方のスパインアセンブリに対して相対的に上昇し、同時に他方のスパインアセンブリに対して相対的に前傾することができる。一方の自由度のみが利用される例としては、梯子を登る場合であり、この場合、一方のスパインアセンブリを他方のスパインアセンブリに対して上昇させるが、2つのスパインアセンブリは実質的に平行のまま維持するように臀部が関節運動する。
【0039】
依然として効率的にユーザの肩と背中を越えて荷重を伝達しながらも2つのスパインアセンブリが互いに相対的に動く機能により、ユーザの肩および背中を保護するために必要な構造を損なうことなく、フレームの柔軟性をさらに高めることができる。
【0040】
本発明は、様々な変更および代替的な形態が可能であるが、その具体的な例が図面に示され、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明は、開示の具体的な形態または方法に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれるすべての変更物、均等物および代替物を網羅するものであることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
【国際調査報告】