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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】合成潤滑油の酸価検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/30 20060101AFI20240711BHJP
   C10M 107/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01N33/30
C10M107/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502701
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2022102048
(87)【国際公開番号】W WO2023000934
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110815654.X
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520455014
【氏名又は名称】西安熱工研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xi’an Thermal Power Research Institute CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.136 Xingqing Road,Beilin District,Xi’an City,Shaanxi Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】付▲龍▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】王娟
(72)【発明者】
【氏名】王▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼永洛
(72)【発明者】
【氏名】封▲強▼▲鎖▼
(72)【発明者】
【氏名】▲嚴▼涛
(72)【発明者】
【氏名】王笑微
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼▲麗▼苹
(72)【発明者】
【氏名】唐金▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼晋▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼佳林
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BA07A
(57)【要約】
合成潤滑油の酸価検出方法であって、測定対象合成油サンプルを秤量して三角フラスコに入れ、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤を加え、よく振り混ぜてサンプルを完全に溶解させ、合成油、エステル系溶剤、及び炭化水素系溶剤を均一に混合した溶液にp-ナフトールベンゼン指示薬を加え、室温で濃度既知の水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウム溶液の添加体積を記録して、合成油の酸価を算出する、。合成油の酸価検出方法は、具体的な操作の際に、測定対象合成油サンプルに対して溶解、室温滴定、結果の計算を順次行うことにより、測定対象合成油サンプルの酸価を得るものであり、操作が簡単で、経済的で、環境に優しく、効率的かつ正確であるという特徴があるため、普及させる価値がある。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成潤滑油の酸価検出方法であって、
測定対象合成油サンプルを容器に入れた後、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤を加え、振り混ぜて測定対象合成油サンプルを溶解させた後、指示薬を加え、水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の添加体積から、合成潤滑油の酸価を算出することを特徴とする、合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項2】
測定対象合成油サンプルを三角フラスコに入れ、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤を加え、均一に混合するまで振り混ぜるステップ1)と、
均一に混合した溶液に指示薬を加えるステップ2)と、
室温で水酸化カリウム含有標準溶液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の添加体積を記録するステップ3)と、
試薬空白試験を行うステップ4)と、
水酸化カリウムイソプロパノール標準液濃度及び体積から、合成潤滑油の酸価を算出するステップ5)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項3】
エステル系溶剤は、酢酸メチル、ギ酸n-プロピル、プロピオン酸メチル、又は酢酸エチルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項4】
炭化水素系溶剤は、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、又はn-ヘプタンであることを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項5】
測定対象合成油サンプルと、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤との比が、1.0g~5.0g:20mL~50mLであることを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項6】
混合溶液中のエステル系溶剤と炭化水素系溶剤との体積比が、2:1~5:1であることを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項7】
前記指示薬は、5~15g/Lのp-ナフトールベンゼン溶液であることを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項8】
測定対象合成油サンプルと指示薬との比が、(1.0g~5.0g):(0.1~1.0mL)であることを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項9】
水酸化カリウム含有標準溶液は、水酸化カリウムイソプロパノール標準液であることを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【請求項10】
測定対象合成油サンプル1.0g~5.0gを容器に入れ、酢酸エチルと石油エーテルの混合溶液20mL~50mLを加え、均一に混合するまで振り混ぜるステップ1)と、
均一に混合した溶液をp-ナフトールベンゼン溶液0.1~1.0mLに加えるステップ2)と、
室温で溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の添加体積を記録するステップ3)と、
試薬空白試験を行うステップ4)と、
水酸化カリウムイソプロパノール標準液濃度及び体積から、合成潤滑油の酸価を算出するステップ5)と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の合成潤滑油の酸価検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年7月19日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110815654.X、発明の名称が「合成潤滑油の酸価検出方法」の中国特許出願の優先権を主張しており、そのすべての内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、潤滑油製品の酸価をテストする技術分野に属し、合成潤滑油の酸価検出方法に関する。
【背景技術】
【0003】
酸価とは、油製品に含まれる酸性成分の量を示す指標で、油製品1gを滴定するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を指す。酸価の大きさは、新油の精製の度合い及び作動油の油品質の劣化の度合いを表し、油製品の品質を判断する重要な指標である。
【0004】
油製品の酸価のテストには、通常、電位滴定法及び色指示薬法が使用される。電位滴定を用いた酸価テスト方法は、高価な精密機器や電極を使用しなければならず、機器コストが高い。色指示薬を用いた酸価テスト方法は、2種類あり、1つは95%エタノールの加熱還流を必要とし、しかも、比較的に短い時間内に滴定を完了しなければならない。もう1つは有毒化学品のトルエンを使用する必要があり、しかも、テスト後の廃液の回収難度が高く、処理費用が高く、テストプロセスがテスト員の健康に危害を与える。
【0005】
合成油は、ポリαオレフィンを基油とし、様々な添加剤を添加することにより、様々な使用条件に対応して優れた油製品の特性を得ることができる。装置の稼働時間が長くなると、装置の金属部品を腐食させる様々な酸性劣化物質が発生する。現在、合成油の汎用酸価テスト方法は、トルエンとイソプロパノールを溶剤とする色指示薬法であり、そのため、現在の酸価検出方法は、いずれも、経済的で環境にやさしく、効率的かつ正確に合成油の酸価を検出することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の課題を解決するために、本願は、経済的で、環境に優しく、効率的かつ正確に合成油の酸価を検出することができる、合成潤滑油の酸価検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成させるために、本願が採用する技術的解決手段は以下の通りである。
【0008】
合成潤滑油の酸価検出方法であって、
測定対象合成油サンプルを容器に入れた後、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤を加え、振り混ぜて測定対象合成油サンプルを溶解させた後、指示薬を加え、水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の添加体積から、合成潤滑油の酸価を算出する。
【0009】
本願の更なる改良として、具体的には、
測定対象合成油サンプルを三角フラスコに入れ、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤を加え、均一に混合するまで振り混ぜるステップ1)と、
均一に混合した溶液に指示薬を加えるステップ2)と、
室温で水酸化カリウム含有標準溶液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の添加体積を記録するステップ3)と、
試薬空白試験を行うステップ4)と、
水酸化カリウムイソプロパノール標準液濃度及び体積から、合成潤滑油の酸価を算出するステップ5)と、を含む。
【0010】
本願の更なる改良として、エステル系溶剤は、酢酸メチル、ギ酸n-プロピル、プロピオン酸メチル、又は酢酸エチルである。
【0011】
本願の更なる改良として、炭化水素系溶剤は、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、又はn-ヘプタンである。
【0012】
本願の更なる改良として、測定対象合成油サンプルと、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤との比が、1.0g~5.0g:20mL~50mLである。
【0013】
本願の更なる改良として、混合溶液中のエステル系溶剤と炭化水素系溶剤との体積比が、2:1~5:1である。
【0014】
本願の更なる改良として、前記指示薬は、5~15g/Lのp-ナフトールベンゼン溶液である。
【0015】
本願の更なる改良として、測定対象合成油サンプルと指示薬との比が、(1.0g~5.0g):(0.1~1.0mL)である。
【0016】
本願の更なる改良として、水酸化カリウム含有標準溶液は、水酸化カリウムイソプロパノール標準液である。
【0017】
本願の更なる改良として、具体的には、
測定対象合成油サンプル1.0g~5.0gを容器に入れ、酢酸エチルと石油エーテルの混合溶液20mL~50mLを加え、均一に混合するまで振り混ぜるステップ1)と、
均一に混合した溶液をp-ナフトールベンゼン溶液0.1~1.0mLに加えるステップ2)と、
室温で溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の添加体積を記録するステップ3)と、
試薬空白試験を行うステップ4)と、
水酸化カリウムイソプロパノール標準液濃度及び体積から、合成潤滑油の酸価を算出するステップ5)と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比べて、本願は以下の有益な効果を有する。
【0019】
完成油は、ポリαオレフィンを基油とする合成油に様々な添加剤を添加して得られるため、完成油の酸価測定時に使用される溶剤は、合成油との相溶性が良好であること、及び水酸化カリウムに対する溶解度があることの2つの条件を満たさなければならない。合成油は、炭化水素系溶剤への溶解性が良好であったが、炭化水素系溶剤は水酸化カリウムに対する溶解度が低く、試験の需要を満たすことができなかった。一方、エステル系溶剤は、良好な極性溶剤として、水酸化カリウムに対する溶解能力があるだけでなく、合成油に対する溶解能力もあり、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤との相溶性も良い。そこで、本願では、合成油の酸価を測定するための溶剤としてエステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤が使用される。メーカーの違い、老化度合いの違いにより、合成油の油製品が異なると、成分が異なることから、理想的な溶解効果を達成するには、様々な作動条件に応じてエステル系溶剤と炭化水素系溶剤の比率を調整しなければならない。本願に係る合成油の酸価検出方法は、具体的な操作の際に、測定対象合成油サンプルに対して溶解、室温滴定、結果の計算を順次行うことにより、測定対象合成油サンプルの酸価を得るものであり、操作が簡単で、経済的で、環境に優しく、効率的かつ正確であるという特徴があるため、普及させる価値がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施例を参照して本願についてさらに詳細に説明する。
【0021】
合成油は、ポリαオレフィンを基油として、様々な添加剤を添加して得られる完成油であり、酸価測定時に使用される溶剤は、合成油との相溶性が良好であること、及び水酸化カリウムに対する溶解度があることの2つの条件を満たさなければならない。試験を複数回繰り返した結果、合成油は、炭化水素系溶剤への溶解性が良好であったが、炭化水素系溶剤は水酸化カリウムに対する溶解度が低く、試験の需要を満たすことができなかった。一方、エステル系溶剤は、良好な極性溶剤として、水酸化カリウムに対する溶解能力があるだけでなく、合成油に対する溶解能力もあり、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤との相溶性も良い。上記の試験結果に基づいて、合成油の酸価を測定するための溶剤としてエステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶剤が使用される。メーカーの違い、老化度合いの違いにより、合成油の油製品が異なると、成分が異なることから、理想的な溶解効果を達成するには、様々な作動条件に応じてエステル系溶剤と炭化水素系溶剤の比率を調整しなければならない。
【0022】
本願に係る合成油の酸価検出方法は、合成油溶剤としてエステル系溶剤と炭化水素系溶剤混合溶液を、標準滴定溶液として水酸化カリウムイソプロパノール溶液を用い、具体的には、以下のステップを含む。
【0023】
測定対象合成油サンプル1.0g~5.0gを秤量して250mL三角フラスコに入れ、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤との体積比が2:1~5:1の、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤の混合溶液20mL~50mLを加え、よく振り混ぜて溶液を完全に混合した。合成油、エステル系溶剤、及び炭化水素系溶剤を均一に混合した溶液に、5~15g/Lp-ナフトールベンゼン溶液0.1~1.0mLを加えた。室温で濃度既知の水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウム溶液の添加体積を記録した。水酸化カリウム標準溶液の濃度及び体積から、合成油の酸価を算出した。同時に、試薬空白試験を行った。水酸化カリウム溶液の濃度及び体積から、下記式により、合成油の酸価(mgKOH/g)を算出した。
酸価=[(V-V)M×56.1]/W
式中、Vは、試料の滴定に消費される水酸化カリウムイソプロパノール標準液の量(mL)であり、
は、空白の滴定に消費される水酸化カリウムイソプロパノール標準液の量(mL)であり、
Mは、水酸化カリウムイソプロパノール標準液の濃度(mol/L)であり、
Wは、試料量(g)であり、
56.1は、水酸化カリウムのモル質量(g/mol)である。
【0024】
実施例1
本願に係る合成油の酸価検出方法は、以下のステップを含む。
1)測定対象合成油サンプル1.0gを秤量して250mL三角フラスコに入れ、酢酸エチルと石油エーテルとの体積比が5:1の、酢酸エチルと石油エーテルの混合溶液50mLを加え、よく振り混ぜて溶液を完全に均一に混合した。
2)合成油、酢酸エチル、及び石油エーテルを均一に混合した溶液に、濃度15g/Lのp-ナフトールベンゼン溶液0.1mLを加えた。
3)室温で濃度既知の水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウム溶液の添加体積を記録した。
4)同時に、試薬空白試験を行った。
5)水酸化カリウム標準溶液の濃度及び体積から、合成油の酸価を算出した。表1を参照する。
【表1】
表1から、本願による測定結果は、国際標準方法による測定結果に近いことが分かった。本願の計算が正確であることが明らかになった。
【0025】
実施例2
本願に係る合成油の酸価検出方法は、以下のステップを含む。
1)測定対象合成油サンプル2.0gを秤量して250mL三角フラスコに入れ、酢酸エチルと石油エーテルとの体積比が2:1の、酢酸エチルと石油エーテルの混合溶液20mLを加え、よく振り混ぜて溶液を完全に均一に混合した。
2)合成油、酢酸エチル、及び石油エーテルを均一に混合した溶液に、濃度10g/Lのp-ナフトールベンゼン溶液0.5mLを加えた。
3)室温で濃度既知の水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウム溶液の添加体積を記録した。
4)同時に、試薬空白試験を行った。
5)水酸化カリウム標準溶液の濃度及び体積から、合成油の酸価を算出した。表2を参照する。
【表2】
表2から、本願による測定結果が、国際標準方法による測定結果に近いことが分かった。本願の計算が正確であることが明らかになった。
【0026】
実施例3
本願に係る合成油の酸価検出方法は、以下のステップを含む。
1)測定対象合成油サンプル3.0gを秤量して250mL三角フラスコに入れ、酢酸エチルと石油エーテルとの体積比が3:1の、酢酸エチルと石油エーテルの混合溶液30mLを加え、よく振り混ぜて溶液を完全に均一に混合した。
2)合成油、酢酸エチル、及び石油エーテルを均一に混合した溶液に、濃度5g/Lのp-ナフトールベンゼン溶液1.0mLを加えた。
3)室温で濃度既知の水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウム溶液の添加体積を記録した。
4)同時に、試薬空白試験を行った。
5)水酸化カリウム標準溶液の濃度及び体積から、合成油の酸価を算出した。表3を参照する。
【表3】
表3から、本願による測定結果が、国際標準方法による測定結果に近いことが分かった。本願の計算が正確であることが明らかになった。
【0027】
実施例4
本願に係る合成油の酸価検出方法は、以下のステップを含む。
1)測定対象合成油サンプル5.0gを秤量して250mL三角フラスコに入れ、酢酸エチルと石油エーテルとの体積比が4:1の、酢酸エチルと石油エーテルの混合溶液40mLを加え、よく振り混ぜて溶液を完全に均一に混合した。
2)合成油、酢酸エチル、及び石油エーテルを均一に混合した溶液に、濃度8g/Lのp-ナフトールベンゼン溶液0.6mLを加えた。
3)室温で濃度既知の水酸化カリウムイソプロパノール標準液を用いて溶液の色がオレンジ色から濃緑色に変わるまで滴定し、水酸化カリウム溶液の添加体積を記録した。
4)同時に、試薬空白試験を行った。
5)水酸化カリウム標準溶液の濃度及び体積から、合成油の酸価を算出した。表4を参照する。
【表4】
表4から、本願による測定結果が、国際標準方法による測定結果に近いことが分かった。本願の計算が正確であることが明らかになった。
【0028】
実施例5
実施例1と比べて、炭化水素系溶剤がn-ペンタンである点は相違する。
【0029】
実施例6
実施例1と比べて、炭化水素系溶剤がn-ヘキサンである点は相違する。
【0030】
実施例7
実施例1と比べて、炭化水素系溶剤がn-ヘプタンである点は相違する。
【0031】
実施例8
実施例1と比べて、エステル系溶剤が酢酸メチルである点は相違する。
【0032】
実施例9
実施例1と比べて、エステル系溶剤がギ酸n-プロピルである点は相違する。
【0033】
実施例10
実施例1と比べて、エステル系溶剤がプロピオン酸メチルである点は相違する。
【国際調査報告】