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特表2024-526853シリンジプランジャのための振動運動コンベヤシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】シリンジプランジャのための振動運動コンベヤシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 27/18 20060101AFI20240711BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B65G27/18
A61M5/315 512
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503404
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022037540
(87)【国際公開番号】W WO2023003841
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/223,159
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エス.ベニンカサ
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム.ラローズ
【テーマコード(参考)】
3F037
4C066
【Fターム(参考)】
3F037AA07
3F037BA03
3F037CA01
4C066HH14
(57)【要約】
複数のシリンジプランジャ(20a)を支持するように構成された長さを有する振動運動コンベヤシステム用のトラック(12)であって、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャ(20a)は、頂部(33)、底部(1)、及び、前記シリンジプランジャの頂部と底部との間に位置する接触機構(23)を有する。トラック(12)は、トラック(12)の長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分(16)と、トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分(18)とを含む。第一の内縁及び第二の内縁は、第一の支持面及び第二の支持面が各シリンジプランジャ(20a)の接触機構を支持するように構成され、各シリンジプランジャの一部がそれぞれ第一の支持面及び第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間を通過するように、互いに対向して配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部、底部及び接触機構を有し、前記接触機構は、場合により、周囲リブ機構であり、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部と底部の間に位置し、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの一部が前記第一の支持面及び前記第二の支持面の前記第一の内縁及び前記第二の内縁の間をそれぞれ通過するように、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている、トラック。
【請求項2】
底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する、請求項1に記載のトラック。
【請求項3】
前記ベース部分はU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部は前記ベース部分の底部から直角に延在している、請求項2に記載のトラック。
【請求項4】
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部と位置合わせされている、請求項2又は3に記載のトラック。
【請求項5】
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の縁及び第二の縁が前記ベース部分の第一の側部と第二の側部との間の幅に対して狭められた幅を画定するように、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部から内向きに延在している、請求項2又は3に記載のトラック。
【請求項6】
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャの最大外径よりも小さい幅を画定するように互いに離間されている、請求項4に記載のトラック。
【請求項7】
振動運動コンベヤシステムであって、前記システムは、
振動周波数発生器、及び、
前記振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、底部と、場合により周囲リブ機構である接触機構とを有するトラック、
を含み、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの一部がそれぞれ前記第一の支持面及び前記第二の支持面の前記第一の内縁及び前記第二の内縁の間を通過するように、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されており、各シリンジプランジャの底部は前記トラックに接触しない、振動運動コンベヤシステム。
【請求項8】
前記トラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ベース部分はU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部は前記底部から直角に延在している、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記振動周波数発生器は、1~180ヘルツの振動周波数を適用するように動作可能である、請求項7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
振動運動コンベヤシステムを用いて複数のシリンジプランジャを搬送する方法であって、前記方法は、
複数のシリンジプランジャを、振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックに供給すること、ここで、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、場合により周囲リブ機構である接触機構を有し、前記トラックは、前記トラックに沿って延在する第一の肩部分、及び、前記第一の肩部分とは反対側で前記トラックに沿って延在する第二の肩部分を有する、
各シリンジプランジャが第一の支持面及び第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間にそれぞれ延在するように、そして各シリンジプランジャの底部がトラックに接触しないように、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構を、前記第一の肩部分の第一の支持面及び前記第二の肩部分の第二の支持面で支持すること、及び、
前記複数のシリンジプランジャが前記トラックに沿って移動するように、前記振動周波数発生器で前記トラックを振動させること、
を含む、方法。
【請求項12】
前記トラックは1~180ヘルツの周波数で振動される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの前記周囲リブ機構は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの最大外径に対応する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれはシリコーンオイルを含まない、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記トラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれは、前記トラックのベース部分の底部に接触することなく前記トラックに沿って移動する、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記接触機構はフルオロポリマー材料、場合により、ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは複数のシリンジプランジャを支持するように構成されており、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは接触機構を有し、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部表面と底部表面との間に配置されており、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
【請求項18】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構は、周囲リブ機構である、請求項17に記載のトラック。
【請求項19】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構は、各シリンジプランジャのほぼ凹んだ部分である、請求項17に記載のトラック。
【請求項20】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの一部は、前記トラックの前記第一の肩部分の第一の内縁と前記第二の肩部分の第二の内縁との間を通過する、請求項17~19のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項21】
前記接触機構は、前記シリンジプランジャのそれぞれの底部表面と前記シリンジプランジャのそれぞれの質量中心との間の長手方向の距離よりも短い、前記シリンジプランジャのそれぞれの質量中心から長手方向の距離に配置されている、請求項17~20のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項22】
各シリンジプランジャは質量中心を有し、前記接触機構は各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置する、請求項17~21のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項23】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは少なくとも1つの接触機構及び底部表面を有し、前記少なくとも1つの接触機構は、前記底部表面の平面投影の表面積よりも小さい接触表面領域を有し、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの少なくとも1つの接触機構を支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
【請求項24】
前記接触表面領域は、前記接触表面領域と前記トラックとの間のスティクションが低減されるように、下限値及び上限値を備える、請求項23に記載のトラック。
【請求項25】
前記接触表面領域は、各プランジャの底部表面の平面投影の表面積の0.1%~5%である、請求項23に記載のトラック。
【請求項26】
前記接触表面領域は、前記第一の内縁と前記第二の内縁との間に画定される幅に対して1.0%~12.0%の比率を有する、請求項23又は請求項24に記載のトラック。
【請求項27】
各シリンジプランジャの接触機構は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの周囲リブ機構である、請求項23~26のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項28】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成されており、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、前記トラックとの1つ以上の接触点を有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部表面と底部表面との間に質量中心を有し、前記1つ以上の接触点は、頂部表面と底部表面との間にあり、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、前記少なくとも1つの接触点で各シリンジプランジャを支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
【請求項29】
前記1つ以上の接触点は、各シリンジプランジャの底部表面が各シリンジプランジャの質量中心に対して位置するよりも、各シリンジプランジャの質量中心に長手方向で近くに位置する、請求項28に記載のトラック。
【請求項30】
前記1つ以上の接触点は、各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置する、請求項28又は29に記載のトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年7月19日に出願された仮出願第63/223,159号の利益を主張し、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、一般に、シリンジプランジャなどの材料を輸送するための振動トラックを使用する装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
振動供給システムは、振動ボウル又は線形トラック内で構成要素を移動させるための既知の技術であり、Choyらの米国特許第8,733,539号明細書に記載されているものを含む。このようなシステムは、振動供給ボウル及び直線供給トラックの動きを駆動するための2つのモータを備えた振動供給ボウル及び直線振動供給トラックを含むことができる。直線供給トラックは、一緒にU字形トラックを形成する水平ベースと2つの側部とを含むことができる。1つの例として、Musschootの米国特許第5,131,525号明細書は、振動運動によって材料搬送トラフで構成要素を駆動するための振動コンベヤシステムを開示している。Musschootのトラフは、幾つかの例ではU字形であり、他の例では長方形であることが示されており、トラフは2つの側部、底部及び頂部を有して、トラックを包囲する。
【0004】
このようなシステムの特定の用途に関して、振動トラックを使用してシリンジプランジャを輸送することが知られている。例えば、韓国ソウルのHutem社は、U字形を有する1つ以上の振動トラックを含む「ゴム栓供給システム」を含むHFS-4000製品の形で振動トラックシステムを提供している。
【発明の概要】
【0005】
要約
第一の例(「例1」)によれば、振動運動コンベヤシステム用のトラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部、底部及び接触機構を有し、前記接触機構は、場合により、周囲リブ機構であり、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部と底部との間に位置する。トラックは、トラックの長さに沿って延在する第一の肩部分をさらに含み、前記第一の肩部分は、第一の内縁を画定する第一の支持面を有し、前記第一の肩部分とは反対側のトラックの長さに沿って延在する第二の肩部分を含み、前記第二の肩部分は、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する。第一の内縁及び第二の内縁は互いに対向して配置され、その結果、第一の支持面及び第二の支持面は各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成され、各シリンジプランジャの一部はそれぞれ前記第一の支持面及び前記第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間を通過する。
【0006】
第二の例(「例2」)によれば、例1のトラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分を含み、前記第二の側部は前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は第二の側部の頂部に位置する。
【0007】
第三の例(「例3」)によれば、例2のトラックは、前記ベース部分がU字形であり、第一の側部及び第二の側部が前記ベース部分の底部から直角に延在していることを含む。
【0008】
第四の例(「例4」)によれば、例2又は例3のトラックは、第一の肩部分及び第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁が前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部と位置合わせされていることを含む。
【0009】
第五の例(「例5」)によれば、例2又は例3のトラックは、第一の肩部分及び第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁が、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部から内向きに延在し、その結果、第一の肩部分及び第二の肩部分の第一の縁及び第二の縁が前記ベース部分の第一の側部と第二の側部との間の幅に対して狭められた幅を画定することを含む。
【0010】
第六の例(「例6」)によれば、例4のトラックは、前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁が、複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャの最大外径よりも小さい幅を画定するように互いに間隔を置いて配置されていることをさらに含む。
【0011】
第七の例(「例7」)によれば、振動運動コンベヤシステムは、振動周波数発生器と、該振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックとを含む。トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、底部と、場合により周囲リブ機構である接触機構とを有する。トラックは、トラックの長さに沿って延在する第一の肩部分をさらに含み、前記第一の肩部分は、第一の内縁を画定する第一の支持面を有し、前記第一の肩部分の反対側でトラックの長さに沿って延在する第二の肩部分をさらに含み、前記第二の肩部分は、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する。第一の内縁及び第二の内縁は互いに対向して配置され、その結果、第一の支持面及び第二の支持面は各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成され、各シリンジプランジャの一部はそれぞれ第一の支持面及び第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間を通過し、そして各シリンジプランジャの底部はトラックに接触しない。
【0012】
第八の例(「例8」)によれば、例7のシステムは、底部、底部から延在する第一の側部、底部から延在する第二の側部を有するベース部分を含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側にあり、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する。
【0013】
第九の例(「例9」)によれば、例8のシステムは、前記ベース部分がU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部が底部から直角に延在することをさらに含む。
【0014】
第十の例(「例10」)によれば、例7~9のいずれかのシステムは、前記振動周波数発生器が1~180ヘルツの振動周波数を適用するように動作可能であることをさらに含む。
【0015】
第十一の例(「例11」)によれば、振動運動コンベヤシステムを用いて複数のシリンジプランジャを搬送する方法は、複数のシリンジプランジャを、振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラック内に供給すること、ここで、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、場合により周囲リブ機構である接触機構を有し、前記トラックは、トラックに沿って延在する第一の肩部分と、前記第一の肩部分の反対側でトラックに沿って延在する第二の肩部分を有する、各シリンジプランジャが、それぞれ前記第一の支持面及び前記第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間に延在し、各シリンジプランジャの底部が前記トラックに接触しないように、複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構を前記第一の肩部分の第一の支持面及び前記第二の肩部分の第二の支持面で支持することを含む。この方法は、前記複数のシリンジプランジャが前記トラックに沿って移動するように、振動周波数発生器で前記トラックを振動させることをさらに含む。
【0016】
第十二の例(「例12」)によれば、例11の方法は、前記トラックが1~180ヘルツの周波数で振動されることをさらに含む。
【0017】
第十三の例(「例13」)によれば、例11又は例12の方法は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの周囲リブ機構が、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの最大外径に対応することをさらに含む。
【0018】
第十四の例(「例14」)によれば、例11~13のいずれかの方法は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれがシリコーンオイルを含まないことをさらに含む。
【0019】
第十五の例(「例15」)によれば、例11~14のいずれか1つの方法は、前記トラックが、底部、底部から延在する第一の側部、底部から延在する第二の側部を有するベース部分を含み、前記第二の側部は前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれは、前記トラックの前記ベース部分の底部に接触することなく前記トラックに沿って移動することをさらに含む。
【0020】
第十六の例(「例16」)によれば、例11~15のいずれか1つの方法は、前記接触機構がフルオロポリマー材料、場合により、ポリテトラフルオロエチレンを含むことを含む。
【0021】
第十七の例(「例17」)によれば、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャが接触機構を有し、前記接触機構が前記シリンジプランジャの頂部表面と底部表面との間に位置する、トラックは、トラックの長さに沿って延在する第一の肩部分を含み、前記第一の肩部分は第一の内縁を画定する第一の支持面を有し、そして前記第一の肩部分の反対側でトラックの長さに沿って延在する第二の肩部分を含み、前記第二の肩部分は第二の内縁を画定する第二の支持面を有し、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は互いに対向するように配置され、その結果、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている。
【0022】
第十八の例(「例18」)によれば、例17のトラックは、複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構が周囲リブ機構であることを含む。
【0023】
第十九の例(「例19」)によれば、例17のトラックは、複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構が各シリンジプランジャのほぼ凹んだ部分であることをさらに含む。
【0024】
第二十の例(「例20」)によれば、例17~19のいずれか1つのトラックは、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの一部が、前記トラックの第一の肩部分の第一の内縁と第二の肩部分の第二の内縁との間を通過することをさらに含む。
【0025】
第二十一の例(「例21」)によれば、例17~例20のいずれか1つのトラックは、前記接触機構が、各シリンジプランジャの質量中心から長手方向のある距離に位置し、該距離は、各シリンジプランジャの底部表面と各シリンジプランジャの質量中心との間の長手方向距離よりも小さいことをさらに含む。
【0026】
第二十二の例(「例22」)によれば、例21のトラックは、各シリンジプランジャが質量中心を有し、前記接触機構が各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置することを含む。
【0027】
第二十三の例(「例23」)によれば、振動運動コンベヤシステム用のトラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有するトラックを含み、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、少なくとも1つの接触機構及び底部表面を有し、前記少なくとも1つの接触機構は、底部表面の平面投影の表面積よりも小さい接触表領域を有する。前記トラックは、トラックの長さに沿って延在する第一の肩部分をさらに含み、前記第一の肩部分は、第一の内縁を画定する第一の支持面を有し、前記第一の肩部分の反対側でトラックの長さに沿って延在する第二の肩部分をさらに含み、前記第二の肩部分は、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する。前記第一の内縁及び前記第二の内縁は互いに対向して配置され、その結果、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は各シリンジプランジャの少なくとも1つの接触機構を支持するように構成されている。
【0028】
第二十四の例(「例24」)によれば、例23のトラックは、前記接触表面領域と前記トラックとの間のスティクションが低減されるように、前記接触表面領域は下限値及び上限値を備えることをさらに含む。
【0029】
第二十五の例(「例25」)によれば、例23のトラックは、前記接触表面領域が、各プランジャの底部表面の平面投影の表面積の0.1%~5%であることをさらに含む。
【0030】
第二十六の例(「例26」)によれば、例23又は例24のトラックは、前記接触表面領域が、前記第一の内縁と前記第二の内縁との間に画定される幅に対する比が1.0%~12.0%であることをさらに含む。
【0031】
第二十七の例(「例27」)によれば、例23~26のいずれか1つのトラックは、各シリンジプランジャの接触機構が、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの周囲リブ機構であることをさらに含む。
【0032】
第二十八の例(「例28」)によれば、振動運動コンベヤシステム用のトラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成され、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは前記トラックとの1つ以上の接触点を有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは頂部表面と底部表面との間に質量中心を有し、前記1つ以上の接触点は頂部表面と底部表面との間にある。前記トラックはトラックの長さに沿って延在する第一の肩部分を含み、前記第一の肩部分は、第一の内縁を画定する第一の支持面を有し、前記第一の肩部分の反対側でトラックの長さに沿って延在する第二の肩部分を含み、前記第二の肩部分は、第二の内縁を画定する第二の支持面を有し、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は互いに対向して配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は少なくとも1つの接触点で各シリンジプランジャを支持するように構成されている。
【0033】
第二十九の例(「例29」)によれば、例28のトラックは、各シリンジプランジャの底部表面が各シリンジプランジャの質量中心に対して位置するよりも、1つ以上の接触点が各シリンジプランジャの質量中心に長手方向に近く位置することをさらに含む。
【0034】
第三十の例(「例30」)によれば、例28又は例29のトラックは、1つ以上の接触点が各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置することをさらに含む。
【0035】
前述の例は単なる実施例であり、本開示によって別途提供される本発明の概念の範囲を限定したり又は狭めたりするように解釈されるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的なものではなく、本質的に例示的なものとして考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面の簡単な説明
添付図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0037】
図1図1は、幾つかの実施形態による、振動運動コンベヤシステムを示す。そして
【0038】
図2図2は、幾つかの実施形態による、図1の振動周波数コンベヤシステムのトラックの斜視図である。そして
【0039】
図3図3は、幾つかの実施形態による、図2のトラックの断面図である。そして
【0040】
図4図4は、幾つかの実施形態による、シリンジプランジャを支持する図3のトラックの追加の断面図である。そして
【0041】
図5A図5Aは、幾つかの実施形態による、シリンジプランジャを支持する図3のトラックの断面図である。そして
【0042】
図5B図5Bは、幾つかの実施形態による、シリンジプランジャを支持する図3のトラックの断面図である。そして
【0043】
図6図6は、幾つかの実施形態によるトラックの断面図である。
【0044】
図7A図7Aは、幾つかの実施形態による、シリンジプランジャを支持する図6のトラックの断面図である。そして
【0045】
図7B図7Bは、幾つかの実施形態による、図7Aのトラックの上面図である。そして
【0046】
図8図8は、幾つかの実施形態による、図7Aのシリンジプランジャの底面図である。そして
【0047】
図9図9は、幾つかの実施形態による、図1の振動運動コンベヤシステムを用いて複数のシリンジプランジャを搬送する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
詳細な説明
定義と用語
本開示は、限定的に読まれることを意図したものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の専門家がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0049】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含む測定値、及び記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために互換的に使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さな量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解できる。
【0050】
本明細書で使用されるときに、「シリンジプランジャ」という用語は、バレル内に収容されるストッパーとも呼ばれるプランジャと、バレル内でプランジャを変位させて、バレル内に保持された内容物を排出するか、又はデリバリーするように構成された作動機構とを含む、様々な注射デバイスのいずれかを含むことを意味する。注射デバイスの例には、シリンジ、オートインジェクタ、ペンなどが挙げられる。
【0051】
シリンジプランジャに対応する空間内の質量分布の質量中心は、シリンジプランジャの分布質量の加重相対位置の合計がゼロになる固有の点である。これは、シリンジプランジャの角加速度を伴わずに直線加速度を引き起こすために力を加えることができる点である。
【0052】
様々な実施形態の説明
本記載の様々な態様は、シリコーンオイルなどの潤滑剤を含まない、シリンジストッパーとも呼ばれるシリンジプランジャなどの構成要素を搬送するためのシステムに関する。一般にゴム材料又はゴム様材料から形成されるシリンジプランジャ及び同様の構成要素は、独特の振動トラック要件を提示することが判明している。例えば、搬送される構成要素(例えば、シリンジプランジャ)及びトラック自体は、構成要素がトラックと接触する領域に潤滑剤(例えば、シリコーン又はシリコーンオイル)を実質的に含なくてよい。「潤滑剤を含まない」というこの特徴により、従来のトラック設計ではスループットの問題が発生する可能性がある。この記載における様々な概念は、構成要素の幾何学的形状を利用して、搬送時に構成要素がトラック内で所望の配置(例えば、プランジャの長手方向軸と垂直方向に配置してほぼ垂直配向とするか、又は所望に応じて他の配向とする)を維持することを保証するのに役立ち、そして、転倒したり、線形トラック内で位置がずれたり又は外れたりしないこと、また、トラック内で詰まり(例えば、シリンジプランジャとトラックの間のスティクションが克服できない場合)が生じることがないことを保証するのに役立つ。さらに、幾つかの例において、構成要素がトラックと接触する接触界面は、そのようなスループットの問題を回避するのに役立つ比較的低摩擦材料(例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン又は「ePTFE」)を含む構成要素の1つ以上の部分に対応する。参考として、詰まりが発生するときに、修正にはオペレータの介入が必要となり、効率が低下し、汚染の可能性が増大し、その他の様々な望ましくない結果が生じる。
【0053】
図1は、幾つかの実施形態による振動運動コンベヤシステム10を示す。振動運動コンベヤシステム10は、システム10のトラック12に沿って複数のシリンジプランジャ20を搬送又は並進移動させるように構成されている。1つのトラック12が図1に示されているが、システム10は、所望に応じて任意の数(例えば、2つ、4つ、11つなど)のトラック12を含むことができる。図示のように、システム10は、コントローラ17、トラック12、トラック12に動作可能に結合された振動周波数発生器13、ならびにトラック12に隣接して配置され、振動周波数発生器13に動作可能に結合されたフィーダボウル15を含む。コントローラ17は、様々な実施形態に従って、振動周波数発生器13を動作させるために使用される。
【0054】
様々な実施形態において、コントローラ17は、コントロールパネル又は他のユーザインターフェースを含むことができる。振動周波数発生器13は、0~300ヘルツ、例えば60ヘルツなどの振動周波数を適用するように動作可能であるが、様々な条件が考えられる。図示のように、トラック12は、複数のシリンジプランジャ20を比較的均一かつ反復可能な方法で支持しそして並進移動させるように構成されている。振動周波数発生器13は、電磁作動が振動周波数を生成させるように構成されたアクチュエータを含むことができ、この振動周波数は、ばねを介してトラック12及びフィーダボウル15に加えられる。この電磁アクチュエータとしては、限定するわけではないが、例えば、電気モータ、1つ以上のソレノイドアクチュエータ、及び1つ以上の可動コイルアクチュエータを挙げることができる。
【0055】
図2は、幾つかの実施形態による、図1のシステム10のトラック12の斜視図を示す。トラック12は、複数のシリンジプランジャ20(図1)を支持するのに適した長さ14を有する。様々な例において、トラック12は、限定するものではないが、ステンレス鋼合金などの金属材料から形成されるが、振動搬送に適した任意の材料が考えられる。トラック12は、トラック12の性能を促進するために、任意の様々な表面処理(例えば、コーティング、表面研磨など)を含むことができる。トラックは、例えば、キャスティング、モールディング、ミリング、機械加工及び/又は押出プロセスによって形成されうる。様々な例において、トラック12は、シリコーン(例えば、シリコーンオイル)などの追加の潤滑剤を実質的に含まない。
【0056】
図3は、幾つかの実施形態による、図2のトラック12の断面図を示す。図示のように、トラック12はベース部分38を含み、ベース部分38は、底部32と、底部32から延在する第一の側部34と、底部32から延在する第二の側部36とを含む。トラック12は、ベース部分38の第一の側部34の頂部に位置する第一の肩部分16を含み、ベース部分38の第二の側部36の頂部に位置する第二の肩部分18を含む。第一の肩部分及び第二の肩部分16、18は、それぞれ、トラック12の長さ14(図2)(例えば、トラックの全長に沿って、又はその1つ以上の部分のみに沿って)延在する。第一の肩部分16は、第一の内縁28を画定する第一の支持面22を含む。また、第二の肩部分18は、第二の内縁30を画定する第二の支持面24を含む。
【0057】
図示されるように、ベース部分38の第二の側部36は、第一の側部34の反対側に位置する。幾つかの実施形態によれば、ベース部分38は概してU字形であり、第一の側部34と第二の側部36は両方とも底部32から延在している。幾つかの例において、第一の側部34及び第二の側部36は、底部32から直角に延在し、それぞれが等しい高さを有する。第一の側部34及び第二の側部36のそれぞれの高さは、複数のシリンジプランジャ20(図1)の寸法に基づいて選択することができる。様々な実施形態において、トラック12の寸法は、第一の側部34及び第二の側部36の高さが、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの吊り下げられた部分又は第一の部分の高さよりも高くなるように選択される。
【0058】
第一の内縁及び第二の内縁28、30は、ベース部分38の第一の側部及び第二の側部34、36とそれぞれ位置合わせされうる。このようにして、第一の内縁及び第二の内縁28、30は、互いに離間されて、幅40を画定する。幅40は、図4、5A及び5Bを参照してさらに説明するように、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの一部がトラック12の第一の肩部分及び第二の肩部分16、18によって支持されるように、複数のシリンジプランジャ20(図1)のそれぞれの特徴に基づいて選択されうる。
【0059】
ベース部分38の第一の側部34と第二の側部36との間の幅40は、一般に、第一の側部34と第二の側部36との間に受け入れられるストッパー20のそれぞれの部分の直径よりも大きい。例えば、様々な実施形態において、幅40は、第一の内縁及び第二の内縁28、30の下に延在するシリンジプランジャ20のそれぞれの部分の直径よりも大きい。
【0060】
様々な実施形態において、第一の内縁及び第二の内縁28、30のそれぞれは、内縁28、30に沿った搬送中の潜在的なプランジャ損傷を低減するために、丸みを付けられ、面取りされ、又はその他の方法で変更される。例えば、第一の内縁28は第一の曲率半径44を画定することができ、第二の内縁30は第二の曲率半径46を画定することができる。第一の曲率半径44と第二の曲率半径46は実質的に同じであってもよい。様々な実施形態において、第一の曲率半径44及び第二の曲率半径46はそれぞれ、典型的に、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの本体から接触機構が広がる距離を超えない値を有する(図2)。言い換えれば、曲率半径は、典型的に、接触機構の幅よりも大きくない。トラック12の性能を促進するために、縁の表面コーティング、又は曲率半径44、46の変更など、様々な表面変性を第一の内縁及び第二の内縁28、30に適用することができる。
【0061】
図4は、図3のトラック12の断面図を示し、複数のシリンジプランジャ20のうちの第一のシリンジプランジャ20aはトラック12内に配置されている。第一のシリンジプランジャ20aは図3のトラック12内に使用されている状態で示されているが、第一のシリンジプランジャ20aは、図6に示されるトラック12'とともに同様に使用されうることも考えられる。将来の参考のために、第一のシリンジプランジャ20aに関する以下の説明は、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれに適用可能であるが、様々なシリンジプランジャの設計が考えられる。
【0062】
図示のように、第一のシリンジプランジャ20a、したがって複数のシリンジプランジャ20のそれぞれは、頂部表面33及び底部表面31を含む。図7A及び8を参照してさらに説明するように、頂部表面33は頂部表面積を備え、底部表面31は底部表面積を備える。幾つかの実施形態において、頂部表面積及び底部表面積はほぼ等しい。図示されるように、第一のシリンジプランジャ20aは、第一の周囲リブ機構21、第二の周囲リブ機構25及び第三の周囲リブ機構26を含む。3つの周囲リブ機構又はリブが示されているが、任意の数の周囲リブ機構が考えられる。第一のシリンジプランジャ20aはまた、第一の凹み領域37など、溝とも呼ばれる少なくとも1つの凹み領域を含む。図4に示されるように、第二の周囲リブ機構25は、第一のシリンジプランジャ20aの最大外径42に対応する。第二の周囲リブ機構25は、幾つかの例では最大直径に対応するが、複数のリブを有する様々な実施形態において、任意のリブは最大外径42を画定するように構成されうる。図示されるように、第一のシリンジプランジャ20aは第二の周囲リブ機構25の下に配置された第三の周囲リブ機構26を含む。図示されるように、第三の周囲リブ機構26は第二の周囲リブ機構25よりわずかに小さい直径を有するが、より小さな直径又はより大きな直径を有する周囲リブ機構、又は、より多くの又はより少ない周囲リブ機構を含む、任意の様々な構成が考えられる。
【0063】
第一のシリンジプランジャ20aは、第一のシリンジプランジャ20aの頂部表面33と底部表面31との間に第一のシリンジプランジャ20aに沿って配置された1つ以上の接触機構23を含む。1つ以上の接触機構23は、トラック12と係合する第一のシリンジプランジャ20aの1つ又は複数の部分に対応する。一般的に、第一のシリンジプランジャ20aは、第一のシリンジプランジャ20aがトラック12に沿って横断するときに、1つ以上の接触機構23の上に乗る。接触機構23は、図4に示されるような第二の周囲リブ機構25などの1つ以上の周囲リブ機構を含むことができる。第二の周囲リブ機構25が接触機構23として機能するように示されているが、別の周囲リブ機構が接触機構23として機能するようにトラック12を構成できることを理解されたい。
【0064】
図4に示されるように、第一のシリンジプランジャ20aは、第一の部分27及び第二の部分29を画定する。第一の部分27は、第一のシリンジプランジャ20aの底部表面31と、トラック12によって支持された1つ以上の接触機構23との間の、第一のシリンジプランジャ20aの長さ又は部分を含む。図4に示されるように、第一の部分27は、第一のシリンジプランジャ20aの底部表面31と第二の周囲リブ機構25との間の第一のシリンジプランジャ20aの部分を含む。第二の部分29は、トラック12によって支持される1つ以上の接触機構23(図4の第二の周囲リブ機構25)と、第一のシリンジプランジャ20aの頂部表面33との間の第一のシリンジプランジャ20aの長さ又は部分として画定される。
【0065】
図示されるように、第一の部分27は、第三の周囲リブ機構26と、第二の周囲リブ機構25と第三の周囲リブ機構26の間に位置する第一の凹み領域37である相対的に凹み領域37とを含む。第一の凹み領域37は、第一のシリンジプランジャ20aの最小外径39によって画定されうる。接触機構23は、最大直径を有する周囲リブ機構(例えば、図4に示されるように第二の周囲リブ機構25)によって画定されることができ、又は別の相対直径を有する周囲リブ機構によって画定されることができる。図4に示されるように、第一の部分27の各追加の周囲リブ機構(図4に示されるような第三の周囲リブ機構26)の直径は、図4中の第二の周囲リブ機構25である接触機構23における最大外径42よりも小さい。
【0066】
第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27が接触機構23よりも小さい直径を画定することによって、第一の部分27は、第一の側部34と第二の側部36との間によって画定される正方形のスロット内に受け入れられることができる。別の言い方をすれば、第一の部分27のより小さい直径により、第一の部分27が第一の側部34と第二の側部36との間に確実に配置されうる。第二の部分29は、所望に応じて、1つ以上の接触機構23よりも小さい直径又は大きい直径を画定することができる。第二の部分29は、追加の周囲リブ機構(例えば、図示のような第一の周囲リブ機構21)を含むことができる。 いずれにせよ、第二の部分29の長手方向の任意の位置で画定される直径は、最大外径42より大きくても、最大外径42に等しくても、又はそれより小さくてもよい。上記から、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの1つ以上の接触機構23は、図5A、5B及び7Aを参照してなおもさらに説明されるように、数、サイズ、形状、及び位置に関して変化しうることを理解されたい。
【0067】
複数のシリンジプランジャ20は、モールディング、レーザ加工、機械加工などを含む様々な技術を使用して形成することができる。様々な実施形態において、第一のシリンジプランジャ20aは、限定するわけではないが、熱可塑性エラストマー、ブチルゴム及びシリコーンなどの様々なポリマー材料、弾性材料及び/又はエラストマー材料から形成することができる。幾つかの実施形態において、第一のシリンジプランジャ20aの全体を含む、第一のシリンジプランジャ20aの1つ以上の部分はバリアフィルムでコーティングされうる。様々な例において、底部表面31はコーティングされておらず、及び/又は露出したエラストマー表面(例えば、ブチルゴム又はシリコーン)を含む。適切なバリアフィルムの非限定的な例としては、限定するわけではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)フィルムなどのフルオロポリマーフィルム及び膨張フルオロポリマーフィルムが挙げられる。ePTFE系のバリアフィルムは、浸出物及び抽出物に対して薄くて強力なバリア層を提供する。バリアフィルムは、フィブリルによって相互接続されたノードを特徴とする微細構造を有する機能性テトラフルオロエチレン(TFE)コポリマー材料を含む膨張ポリマー材料を含むこともでき、ここで、機能性TFEコポリマー材料としては、TFEとPSVE(ペルフルオロスルホニルビニルエーテル)、TFEと別の適切な機能性モノマーの機能性コポリマーが挙げられ、上記の別の機能性モノマーは、限定するわけではないが、例えばフッ化ビニリデン(VDF)、酢酸ビニル又はビニルアルコールなどである。
【0068】
図4に示されるように、使用中に、トラック12は、第一のシリンジプランジャ20a、したがって複数のシリンジプランジャ20の各シリンジプランジャを支持するように構成されている。前述したように、第一のシリンジプランジャ20aの一部(図示されるとおりの第一の部分27)は、トラック12の第一の内縁及び第二の内縁28、30(図3)の間を通過する。第一の肩部分及び第二の肩部分16、18の第一の内縁及び第二の内縁28、30は、それぞれ、第一のシリンジプランジャ20aに関して示されるように、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの1つ以上の接触機構23(第二の周囲リブ機構25)と係合する。
【0069】
トラック12の幅40(図3)は、シリンジプランジャ20aの最大外径42よりも小さく(例えば、1つ以上の接触機構23の直径よりも小さく)なるように、しかし、それは、第三の周囲リブ機構26を含む、第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27の直径よりも大きくなるように構成されている。このようにして、第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27は、トラック12に挿入され、そして図示のとおりの1つ以上の接触機構23、第二の周囲リブ機構25は、トラック12の第一の肩部分16の第一の支持面22及び第二の肩部分18の第二の支持面24によって支持される。図4に示されるように、第一の内縁及び第二の内縁28、30は、直下の部分の直径よりも大きい直径を有する第一のシリンジプランジャ20aの一部との1つ以上の接触点で第一のシリンジプランジャ20aと係合する。このようにして、シリンジプランジャ20aは、第一の内縁及び第二の内縁28、30の間に受け入れられて吊るされるが、シリンジプランジャ20aの最大直径42での直接接触又は係合を必要としない。例えば、第一の内縁及び第二の内縁28、30は、接触点又は接触位置の直下の直径よりも大きいが、最大直径42よりも小さい直径で、第二の周囲リブ機構25の部分と係合することもできる。したがって、第一の内縁及び第二の内縁28、30と第一のシリンジプランジャ20aとの間の接触点又は接触位置には、リブ機構25がトラック12と第一のシリンジプランジャ20aとの間の接触表面領域を画定する例が含まれる。
【0070】
前述したように、図4は、第二の周囲リブ機構25で支持された第一のシリンジプランジャ20aを示しているが、他の周囲リブ機構などの他の接触機構を使用して、第一のシリンジプランジャ20aを支持し、したがって複数のシリンジプランジャ20を支持することができる。繰り返すが、第一のシリンジプランジャ20aとトラック12との間の接触点は、第一のシリンジプランジャ20aの高さに沿った様々な位置のいずれであってもよい。換言すれば、第一のシリンジプランジャ20aは、複数のシリンジプランジャの他の任意の接触機構23の下での又は任意の他の接触機構23での1つ以上の接触点で係合することができる。
【0071】
図示のように、トラック12の第一の側部34及び第二の側部36は、第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27の外径に比較的に近い間隔を置くか、又は幅を画定し、第一のシリンジプランジャ20aの横方向又はサイドツーサイドの傾きを最小限に抑えることができる。ベース部分38の第一の側部34及び第二の側部36のそれぞれによって画定される高さは、第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27の長さよりも大きくてよい。このように、又は別の方法で、トラック12は、第一のシリンジプランジャ20aの底部表面31がベース部分38の底部32と接触しないように構成されうる。幾つかの実施形態において、第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27の高さの変化、又は周囲リブ機構26の配置及び/又はサイズの変化により、トラック12の1つ以上の寸法の設計変化を生じさせることができる。
【0072】
移動を容易にするという点では、ベース部分38の底部32と第一のシリンジプランジャ20a、ひいては複数のシリンジプランジャ20の底部表面31との間の接触がないことにより、第一のシリンジプランジャ20aの底部表面31間のスティクションを減少させることができ、これにより、スループットが向上し、トラック12に沿った複数のシリンジプランジャ20の所望の配置を維持するためにオペレータが必要とする介入の回数が減少することができる。この特徴は、第一のシリンジプランジャ20aの底部表面31がシリコーンオイル又は他の潤滑剤(乾燥した、油ベースの又は別の性質のいずれでも)を含まないエラストマーである底部表面31が形成されている場合に特に有利となりうる。さらに、これらの実施形態において、第一のシリンジプランジャ20aがトラック12と係合する場所を画定する1つ以上の接触点は、底部表面31が第一のシリンジプランジャ20aの質量中心に対して長手方向に位置するよりも、第一のシリンジプランジャ20aの質量中心に近くに位置し、又は幾つかの場合には、第一のシリンジプランジャ20aの質量中心より上である。したがって、1つ以上の接触点は、底部表面31と第一のシリンジプランジャ20aの質量中心との間の長手方向距離よりも短い、第一のシリンジプランジャ20aの質量中心からの長手方向距離に位置する。シリンジプランジャ20aがその底部表面31上で、又はシリンジプランジャ20aの質量中心より上の位置で支持される場合よりも、第一のシリンジプランジャ20aの質量中心に近い位置でシリンジプランジャ20aを支持することによって、第一のシリンジプランジャ20aが傾くリスクが減少する。別の言い方をすれば、第一の内縁及び第二の内縁28、30によって支持されることによって、第一のシリンジプランジャ20aが傾く傾向が低減され又は減少され、トラック12内の複数のシリンジプランジャ20のそれぞれに同様の効果がもたらされ、これにより、スループットの向上と介入の事例の減少に貢献する。
【0073】
図4は、第一の周囲リブ機構21、第二の周囲リブ機構25及び第三の周囲リブ機構26を有する第一のシリンジプランジャ20aでのトラック12の使用を示しているが、トラック12は、第一のシリンジプランジャ20aの異なる実施形態と組み合わせて使用することができる。これらに倣って、図5A及び図5Bを参照して、様々な追加の例を示し、説明する。
【0074】
図5Aは、シリンジプランジャの追加の実施形態、例えば第二のシリンジプランジャ20bとともに使用されるトラック12の追加の例の断面図である。以下は、トラック12とともに使用される第二のシリンジプランジャ20bを参照して説明されるが、この説明は、複数のシリンジプランジャ20のいずれにも適用されうる。この実施形態において、第二のシリンジプランジャ20bは、1つ以上の接触機構23、この場合は第二の周囲リブ構造25を含む。図5Aに示されるように、第一の周囲リブ機構及び第二の周囲リブ機構21、25は、ほぼ同じ直径を有する。様々な実施形態において、第一の周囲リブ機構21は、第二の周囲リブ機構25の直径よりも大きな直径を有してもよいが、第二の周囲リブ機構25の直径は、トラックの幅40(図3)よりも大きい。図示されるように、第二のシリンジプランジャ20bの第一の部分27は、トラック12の第一の側部34と第二の側部36との間に配置される。この例示的な実施形態において、第二の周囲リブ機構25は、トラック12の第一の肩部分16及び第二の肩部分18によって支持される。トラック12の幅40(図3)は、第二のシリンジプランジャ20bが第一の肩部分及び第二の肩部分16、18から吊り下げられるように、第二の周囲リブ機構25の直径よりも小さい値を有する。
【0075】
図5Bは、複数のシリンジプランジャ20のうちの1つ、例えば第三のシリンジプランジャ20cとともに使用されるトラック12の追加の例を示す。この実施形態において、第三のシリンジプランジャ20cは、第一の周囲リブ機構21及び第二の周囲リブ機構25を含む。図示されるように、第一の周囲リブ機構21は、第二の周囲リブ機構25の直径よりも大きい直径を有する。図示されているように、トラック12とともに使用するときに、第一の周囲リブ機構21は、接触機構23として機能し、第一の肩部分16及び第二の肩部分18によって支持される。第二の周囲リブ機構25の直径は、第一の周囲リブ機構21の下の第三のシリンジプランジャ20cの第一の部分27が第一の側部34と第二の側部36との間のトラック12の部分の内部に適合するように、トラック12の幅40(図3)よりも小さい。このようにして、第三のシリンジプランジャ20c、したがって複数のシリンジプランジャ20のそれぞれは、シリンジプランジャ20cの底部表面31がトラック12のベース部分38の底部32に接触しないように、第一の肩部分及び第二の肩部分16、18から吊り下げられる。
【0076】
様々な実施形態において、トラック12は、第一の肩部分及び第二の肩部分16、18によって支持される1つの周囲リブ機構を有するシリンジプランジャなど、様々なシリンジプランジャとともに使用されうる。他の実施形態において、シリンジプランジャは3つ以上の周囲リブ機構及び/又はほぼ凹んだ部分を有することができる。これらの実施形態において、トラック12を参照すると、選択された接触機構の下のシリンジプランジャの残りの直径が幅40(図3)より小さい限り、周囲リブ機構のいずれも、第一の肩部分及び第二の肩部分16、18によって支持される接触機構として機能することができる。
【0077】
図6は、幾つかの実施形態によるトラック12’の断面図を示す。図示のように、トラック12'はベース部分38を含み、ベース部分38は、底部32、底部32から延在する第一の側部34及び底部32から延在する第二の側部36を含む。トラック12’はまた、ベース部分38の第一の側部34の頂部に位置する第一の肩部分16’、及び、ベース部分38の第二の側部36の頂部に位置する第二の肩部分18’を含む。第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’はそれぞれ、トラック12’の長さ14(図2)に沿って(例えば、トラックの全長に沿って、又はその1つ以上の部分にのみ沿って)延在する。第一の肩部分16’は、第一の内縁28を画定する第一の支持面22を含む。第二の肩部分18’は、第二の内縁30を画定する第二の支持面24を含む。
【0078】
様々な実施形態において、図3を参照して前述したように、第一の内縁及び第二の内縁28、30のそれぞれは、内縁28、30に沿った搬送中の潜在的なプランジャ損傷を低減するために、丸められ、面取りされ、又はその他の方法で変更される。例えば、第一の内縁28は第一の曲率直径44を画定することができ、第二の内縁30は第二の曲率半径46を画定することができる。第一の曲率半径44及び第二の曲率半径46は、実質的に同じであることができる。トラック12’の性能を向上するために、縁の表面コーティング、又は曲率半径44、46の変更などの様々な表面変性を第一の内縁及び第二の内縁28、30に適用することができる。
【0079】
図示のように、ベース部分38の第二の側部36は、第一の側部34の反対側に位置する。幾つかの実施形態によれば、ベース部分38はほぼU字形であり、第一の側部34と第二の側部36は両方とも底部32から延在している。幾つかの例において、第一の側部34及び第二の側部36は、底部32から直角に延在し、それぞれが等しい高さを有する。
【0080】
図示のように、第一の内縁28及び第二の内縁30はそれぞれ、等しい高さを画定することができる。様々な実施形態において、第一の内縁28及び第二の内縁30の寸法は、第一の内縁28とベース部分38の第一の側部34とを合わせた高さ、及び第二の内縁30と第二の側部36を合わせた高さが、複数のシリンジプランジャ(図1)のそれぞれの吊り下げられた部分又は第一の部分の高さよりも大きくなるように選択される。
【0081】
図6に示されるように、第一の肩部分16’の第一の内縁28は、ベース部分38の第一の側部34から内向きに延在し、第二の肩部分18’の第二の内縁30は、第二の側部36から内向きに延在する。肩部分16'、18'は図7A及び7Bを参照してさらに説明するように、トラック12'内で複数のシリンジプランジャ20のそれぞれを吊るすように構成された突出部を形成する。
【0082】
第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’は、略矩形の突出部として図示されているが、突出部は、例えば、他の形状とともに略三角形又は半円形であることができる。平らな又は水平な支持面を備えて水平に突出するように図示されているが、様々な実施形態において、第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’は、概して上向き又は下向きの角度で延在して、角度付きの支持面を呈することができる。第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’の第一の内縁及び第二の内縁28、30はそれぞれ、ベース部分38の第一の側部34と第二の側部36との間の幅40’に対して狭められた幅48を画定する。一般的に言えば、後述するように、様々な例において、第一の内縁及び第二の内縁28、30は、シリンジプランジャ20がシリンジプランジャ20の頂部表面33と底部表面31との間に支持されるように、シリンジプランジャ20の頂部表面33と底部表面31との間のある位置で、シリンジプランジャ20のそれぞれの一部と係合するように構成されている。
【0083】
ベース部分38の第一の側部34と第二の側部36との間の幅40'は、一般に、第一の側部34と第二の側部36との間に受け入れられる各ストッパー20の部分の直径よりも大きい。例えば、様々な実施形態において、幅40'は、第一の内縁及び第二の内縁28、30の下に延在するシリンジプランジャ20のそれぞれの部分の直径よりも大きい。また、様々な実施形態において、第一の肩部分及び第二の肩部分16'、18'の第一の内縁及び第二の内縁28、30により画定される、狭められた幅48は、図7A及び7Bを参照してさらに説明するように、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの接触機構の直径よりも小さい値を有する。
【0084】
図7Aは、複数のシリンジプランジャ20のうちのプランジャ、具体的には第四のシリンジプランジャ20dとともに使用される図6のトラック12'の断面図を示す。図示されるように、様々な実施形態において、第四のシリンジプランジャ20dは、1つ以上の接触機構23、具体的には第二の周囲リブ機構25を含む。図7Aに示されるように、第一の肩部分及び第二の肩部16'、18'は、第二の周囲リブ機構25が第一の肩部分及び第二の肩部16'、18'の上に位置し、これらによって支持されるように、第四のシリンジプランジャ20dの第一の凹み領域37内に受け入れられる。図示のように、第四のシリンジプランジャ20dの最大外径42はトラック12’内に位置するが、他の実施形態では最大外径42はトラック12’の上に位置してもよい。図7Aに示されるように、最大外径42は、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの吊り下げを妨げることなく、トラック12’内に位置する。これは、ベース部分38の第一の側部34と第二の側部36との間の幅40’の、第一の肩部分及び第二の肩部分16'、18'の第一の内縁及び第二の内縁28、30によって画定される狭められた幅48に対する比を1より大きい値に確保することによって容易にすることができる。これらの状況下において、狭められた幅48の値より大きい直径を有する第四のシリンジプランジャ20dの部分は、幅40’によって画定されるトラック12の部分内に収容されうる。例えば、図7Aの例示的な実施形態において、第三の周囲リブ機構26は、狭められた幅48よりも大きい直径を有する。図示されるように、第一の内縁28と組み合わせた第一の側部34の高さ、及び第二の内縁30と組み合わせた第二の側部36の高さは、第四のシリンジプランジャ20dの底部表面31がベース部分38の底部32と接触しないように、それぞれ第四のシリンジプランジャ20dの第一の部分27の高さよりも大きい。端部での接触を回避するこの特徴により、前述したように様々な利点が得られる。
【0085】
図7Bは、図7Aに示されるとおりの第四のシリンジプランジャ20dとともに使用されるトラック12’の上面図を示す。第一のシリンジプランジャ20a(図4)を参照して前述したように、第四のプランジャ20dの頂部表面33はある表面積を有し、第四のプランジャ20dの頂部表面33の平面投影もある表面積(以下で詳細に規定される)を有する。実施形態において、頂部表面33の平面投影の表面積は、底部表面31の平面投影の表面積(図7A)とほぼ同じであり、図8を参照して以下にさらに記載するとおりである。さらに、この例示的な実施形態において、トラック12’と第四のシリンジプランジャ20dとの間に接触領域が形成されるように、第二の周囲リブ機構25は第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’と重なって示されている。接触領域は、トラック12’との重なり接触に利用可能な表面領域によって画定される接触表面領域を含む。
【0086】
図8は、幾つかの例による、図7Bの第四のプランジャ20dの底面図を示す。図8に示されるように、底部表面31は、第三の周囲リブ26が底部表面31のほぼ上方に位置し、底部表面31に対して半径方向外向きに延在しているように見られる。三次元空間において、第四のプランジャ20dの底部は丸く、表面特徴を有する。しかしながら、第四のプランジャ20dの底部表面領域は平面投影として表現することもできる。これらの用語において、底部表面31の平面投影は、底部表面31の中心内の中央開口部50の領域を含むほぼ平面である。底部表面31及び底部表面31の関連する平面投影は、外周52を境界としている。様々な実施形態において、底部表面31は、複数の突起54(例えば、ほぼ半球状又はドーム状の突起)を含む。底部表面31の平面投影の表面領域は、開口部50の断面領域を含む底部表面31の平面投影の総面積を含むものとして規定されることができ、底部表面31の平面投影の表面領域は、底部表面31の外周52内の全表面領域を指す。このようにして、底部表面31の平面投影の表面領域は頂部表面33(図7B)の平面投影の表面積とほぼ同じである。
【0087】
少なくとも上記の説明から、様々な実施形態に従って、トラック12’などのトラックとともに使用されうるシリンジプランジャの様々な構成が存在することは明らかである。例えば、前述の第一のシリンジプランジャ、第二のシリンジプランジャ及び第三のシリンジプランジャ20a、20b、20cはそれぞれ、トラック12’とともに使用されうる。また、第四のシリンジプランジャ20dも、トラック12とともに使用されうる(例えば、第四のシリンジプランジャ20dをフリップするか、又は上下の向きを変えることによって)。さらに他の構成も本実施形態の範囲内で想定される。例えば、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれは、トラック12’の第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’によって支持される単一の周囲リブ機構を含むことができる。他の実施形態において、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれは、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の周囲リブ機構及び/又は全体的に凹んだ部分を含む。トラック12、12’は、周囲リブ機構又は他の接触機構のいずれかが第一の肩部分及び第二の肩部分16、18、又は第一の肩部分及び第二の肩部分16’、18’によって支持されうるように適切に変更されうる。
【0088】
本開示全体にわたって提示される様々な寸法及び値は、寸法例であり、参照目的のみで与えられる。全体を通して開示される原理は、様々なシリンジプランジャサイズのいずれにも適用可能であり、例示的な寸法は、様々なシリンジプランジャサイズに適用するために拡大縮小又は変更することができる。さらに、トラックの例示的な寸法は、シリンジプランジャの様々な寸法に適応するように拡大縮小又は変更することができる。例えば、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれに関して、1つ以上の接触機構23によって画定される接触表面積は、例えば、特定のシリンジプランジャの底部表面領域の平面投影又頂部表面領域の平面投影の面積の0.1%~5.0%であることができる。トラック設計に関して、1つ以上の接触機構の接触表面は、幅40(図4)又は狭められた幅48(図6)に対する比率を、例えば1.0%~12.0%と規定することができる。
【0089】
様々な例において、比較的に小さな接触面積を使用して(すなわち、比較的に狭い接触機構を使用して)特定のシリンジプランジャを支持することによって、接触機構表面積は最小化される。これは、次に、乗っているトラック(例えば、トラック12、12’)とシリンジプランジャとの間のスティクションを低減するのに役立つことができる。しかしながら、接触機構表面積に対して値が小さすぎると、トラック12、12’上の複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの安定性が低下する可能性がある。複数のシリンジプランジャ20のそれぞれとトラック12、12’との間の過剰なスティクションを避けるために、接触機構表面積が上限を超えないことが望ましい。
【0090】
図9は、振動運動コンベヤシステムを使用して複数のシリンジプランジャ20を搬送する方法60を示すフローチャートである。方法60は、図1の振動運動コンベヤシステム10ならびに図3、4、5A及び5Bを参照して説明されるトラック12及び複数のシリンジプランジャ20を参照して説明される。方法60は、図6を参照して説明したトラック12’とともに同様に使用することができる。
【0091】
ブロック62において、方法60は、複数のシリンジプランジャ20をトラック12内に供給することを含む。トラック12は、振動周波数発生器13に動作可能に結合されうる。幾つかの例において、複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、トラック12において搬送されるときに、シリコーンオイルを実質的に含まない。説明したように、トラック12は、トラック12に沿って延在している第一の肩部分16と、第一の肩部分16とは反対側でトラック12に沿って延在している第二の肩部分18とを含む。参考までに、同様のプロセスは、トラック12'で場合により使用される。
【0092】
ブロック64において、方法60は、図4を参照して説明したように、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれをトラック12(又はトラック12’)で支持することをさらに含む。第二の周囲リブ機構25などの各シリンジプランジャの頂部と底部との間の接触機構は、トラック12の第一の肩部分16の第一の支持面22と、トラック12の第二の肩部分18の第二の支持面24によって支持される。このようにして、複数のシリンジプランジャ20の各シリンジプランジャは、それぞれ第一の支持面及び第二の支持面22、24の第一の内縁及び第二の内縁28、30の間に延在する。複数のシリンジプランジャ20のそれぞれは、第一の支持面22及び第二の支持面24による支持の結果として、トラック12のベース部分38の底部32と接触しない。別の言い方をすると、シリンジプランジャの頂部表面及び底部表面はトラック12に接触しない。
【0093】
様々な実施形態において、方法60はトラック12'(図6)及び複数のシリンジプランジャ20(図7A、7B)とともに使用されるときに、第一のシリンジプランジャ20aの第一の凹んだ領域37などの、シリンジプランジャ20のそれぞれの略凹んだ部分、したがって複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの略凹んだ部分は、トラック12'の狭められた幅48内に配置されうる。このようにして、第一のシリンジプランジャ20aの第一の部分27の全体ではなく、部分(例えば、大部分)がトラック12’によって密に包囲される。トラック12との使用と同様に、第一のシリンジプランジャ20aの底部表面31は、ベース部分38の底部32との直接接触を避けるように配置されたままである。
【0094】
ブロック66において、方法60は、振動周波数発生器13を用いてトラック12を振動させることをさらに含む。トラック12の振動により、複数のシリンジプランジャ20がトラック12(又は、該当する場合はトラック12')に沿って移動する。幾つかの実施形態において、トラック12は1~180ヘルツの周波数で振動される。好ましい実施形態において、トラック12は60ヘルツの周波数で振動するが、様々な値のいずれかが考えられる。第一の内縁28と第二の内縁30との間の複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの接触機構(例えば、第二の周囲リブ機構25)の支持により、トラック12のベース部分38の底部32(図4)と、複数のシリンジプランジャ20のそれぞれの底部表面31(図4)との間の接触が排除される。再び、これは、他の利点の中でもとりわけ、複数のシリンジプランジャ20とトラック12との間のスティクションを排除することができ、したがって、複数のシリンジプランジャ20の輸送効率を高めることができる。
【0095】
当業者であれば、本開示の様々な態様が、限定されるものではないが、向上したシリンジプランジャの振動搬送を制限するなど、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。このような向上は、シリコーンオイル又は他の潤滑剤を実質的に含まないシリンジプランジャの搬送を改善する手段として有益である可能性がある。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示のさまざまな態様を説明するために誇張されていることがあり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0096】
本開示の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な変更及び追加を行うこともできる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴について言及しているが、本開示の範囲には、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、記載された特徴のすべてを含むわけではない実施形態も含まれる。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲に含まれるすべての代替案、変更及び変形形態を、そのすべての均等形態とともに包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
本開示の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な変更及び追加を行うこともできる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴について言及しているが、本開示の範囲には、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、記載された特徴のすべてを含むわけではない実施形態も含まれる。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲に含まれるすべての代替案、変更及び変形形態を、そのすべての均等形態とともに包含することが意図されている。
本開示は以下の態様を含んでいる:
《態様1》
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部、底部及び接触機構を有し、前記接触機構は、場合により、周囲リブ機構であり、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部と底部の間に位置し、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの一部が前記第一の支持面及び前記第二の支持面の前記第一の内縁及び前記第二の内縁の間をそれぞれ通過するように、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている、トラック。
《態様2》
底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する、態様1に記載のトラック。
《態様3》
前記ベース部分はU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部は前記ベース部分の底部から直角に延在している、態様2に記載のトラック。
《態様4》
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部と位置合わせされている、態様2又は3に記載のトラック。
《態様5》
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の縁及び第二の縁が前記ベース部分の第一の側部と第二の側部との間の幅に対して狭められた幅を画定するように、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部から内向きに延在している、態様2又は3に記載のトラック。
《態様6》
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャの最大外径よりも小さい幅を画定するように互いに離間されている、態様4に記載のトラック。
《態様7》
振動運動コンベヤシステムであって、前記システムは、
振動周波数発生器、及び、
前記振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、底部と、場合により周囲リブ機構である接触機構とを有するトラック、
を含み、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの一部がそれぞれ前記第一の支持面及び前記第二の支持面の前記第一の内縁及び前記第二の内縁の間を通過するように、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されており、各シリンジプランジャの底部は前記トラックに接触しない、振動運動コンベヤシステム。
《態様8》
前記トラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する、態様7に記載のシステム。
《態様9》
前記ベース部分はU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部は前記底部から直角に延在している、態様8に記載のシステム。
《態様10》
前記振動周波数発生器は、1~180ヘルツの振動周波数を適用するように動作可能である、態様7~9のいずれか1つに記載のシステム。
《態様11》
振動運動コンベヤシステムを用いて複数のシリンジプランジャを搬送する方法であって、前記方法は、
複数のシリンジプランジャを、振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックに供給すること、ここで、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、場合により周囲リブ機構である接触機構を有し、前記トラックは、前記トラックに沿って延在する第一の肩部分、及び、前記第一の肩部分とは反対側で前記トラックに沿って延在する第二の肩部分を有する、
各シリンジプランジャが第一の支持面及び第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間にそれぞれ延在するように、そして各シリンジプランジャの底部がトラックに接触しないように、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構を、前記第一の肩部分の第一の支持面及び前記第二の肩部分の第二の支持面で支持すること、及び、
前記複数のシリンジプランジャが前記トラックに沿って移動するように、前記振動周波数発生器で前記トラックを振動させること、
を含む、方法。
《態様12》
前記トラックは1~180ヘルツの周波数で振動される、態様11に記載の方法。
《態様13》
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの前記周囲リブ機構は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの最大外径に対応する、態様11又は12に記載の方法。
《態様14》
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれはシリコーンオイルを含まない、態様11~13のいずれか1つに記載の方法。
《態様15》
前記トラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれは、前記トラックのベース部分の底部に接触することなく前記トラックに沿って移動する、態様11~14のいずれか1つに記載の方法。
《態様16》
前記接触機構はフルオロポリマー材料、場合により、ポリテトラフルオロエチレンを含む、態様11~15のいずれか1つに記載の方法。
《態様17》
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは複数のシリンジプランジャを支持するように構成されており、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは接触機構を有し、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部表面と底部表面との間に配置されており、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
《態様18》
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構は、周囲リブ機構である、態様17に記載のトラック。
《態様19》
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構は、各シリンジプランジャのほぼ凹んだ部分である、態様17に記載のトラック。
《態様20》
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの一部は、前記トラックの前記第一の肩部分の第一の内縁と前記第二の肩部分の第二の内縁との間を通過する、態様17~19のいずれか1つに記載のトラック。
《態様21》
前記接触機構は、前記シリンジプランジャのそれぞれの底部表面と前記シリンジプランジャのそれぞれの質量中心との間の長手方向の距離よりも短い、前記シリンジプランジャのそれぞれの質量中心から長手方向の距離に配置されている、態様17~20のいずれか1つに記載のトラック。
《態様22》
各シリンジプランジャは質量中心を有し、前記接触機構は各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置する、態様17~21のいずれか1つに記載のトラック。
《態様23》
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは少なくとも1つの接触機構及び底部表面を有し、前記少なくとも1つの接触機構は、前記底部表面の平面投影の表面積よりも小さい接触表面領域を有し、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの少なくとも1つの接触機構を支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
《態様24》
前記接触表面領域は、前記接触表面領域と前記トラックとの間のスティクションが低減されるように、下限値及び上限値を備える、態様23に記載のトラック。
《態様25》
前記接触表面領域は、各プランジャの底部表面の平面投影の表面積の0.1%~5%である、態様23に記載のトラック。
《態様26》
前記接触表面領域は、前記第一の内縁と前記第二の内縁との間に画定される幅に対して1.0%~12.0%の比率を有する、態様23又は態様24に記載のトラック。
《態様27》
各シリンジプランジャの接触機構は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの周囲リブ機構である、態様23~26のいずれか1つに記載のトラック。
《態様28》
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成されており、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、前記トラックとの1つ以上の接触点を有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部表面と底部表面との間に質量中心を有し、前記1つ以上の接触点は、頂部表面と底部表面との間にあり、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、前記少なくとも1つの接触点で各シリンジプランジャを支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
《態様29》
前記1つ以上の接触点は、各シリンジプランジャの底部表面が各シリンジプランジャの質量中心に対して位置するよりも、各シリンジプランジャの質量中心に長手方向で近くに位置する、態様28に記載のトラック。
《態様30》
前記1つ以上の接触点は、各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置する、態様28又は29に記載のトラック。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部、底部及び接触機構を有し、前記接触機構は、場合により、周囲リブ機構であり、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部と底部の間に位置し、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの一部が前記第一の支持面及び前記第二の支持面の前記第一の内縁及び前記第二の内縁の間をそれぞれ通過するように、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている、トラック。
【請求項2】
底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する、請求項1に記載のトラック。
【請求項3】
前記ベース部分はU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部は前記ベース部分の底部から直角に延在している、請求項2に記載のトラック。
【請求項4】
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部と位置合わせされている、請求項2又は3に記載のトラック。
【請求項5】
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の縁及び第二の縁が前記ベース部分の第一の側部と第二の側部との間の幅に対して狭められた幅を画定するように、前記ベース部分の第一の側部及び第二の側部から内向きに延在している、請求項2又は3に記載のトラック。
【請求項6】
前記第一の肩部分及び前記第二の肩部分の第一の内縁及び第二の内縁は、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャの最大外径よりも小さい幅を画定するように互いに離間されている、請求項4に記載のトラック。
【請求項7】
振動運動コンベヤシステムであって、前記システムは、
振動周波数発生器、及び、
前記振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、底部と、場合により周囲リブ機構である接触機構とを有するトラック、
を含み、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの一部がそれぞれ前記第一の支持面及び前記第二の支持面の前記第一の内縁及び前記第二の内縁の間を通過するように、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されており、各シリンジプランジャの底部は前記トラックに接触しない、振動運動コンベヤシステム。
【請求項8】
前記トラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記第一の肩部分は前記第一の側部の頂部に位置し、前記第二の肩部分は前記第二の側部の頂部に位置する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ベース部分はU字形であり、前記第一の側部及び前記第二の側部は前記底部から直角に延在している、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記振動周波数発生器は、1~180ヘルツの振動周波数を適用するように動作可能である、請求項7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
振動運動コンベヤシステムを用いて複数のシリンジプランジャを搬送する方法であって、前記方法は、
複数のシリンジプランジャを、振動周波数発生器に動作可能に結合されたトラックに供給すること、ここで、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、場合により周囲リブ機構である接触機構を有し、前記トラックは、前記トラックに沿って延在する第一の肩部分、及び、前記第一の肩部分とは反対側で前記トラックに沿って延在する第二の肩部分を有する、
各シリンジプランジャが第一の支持面及び第二の支持面の第一の内縁及び第二の内縁の間にそれぞれ延在するように、そして各シリンジプランジャの底部がトラックに接触しないように、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構を、前記第一の肩部分の第一の支持面及び前記第二の肩部分の第二の支持面で支持すること、及び、
前記複数のシリンジプランジャが前記トラックに沿って移動するように、前記振動周波数発生器で前記トラックを振動させること、
を含む、方法。
【請求項12】
前記トラックは1~180ヘルツの周波数で振動される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの前記周囲リブ機構は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの最大外径に対応する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれはシリコーンオイルを含まない、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記トラックは、底部、前記底部から延在する第一の側部、及び、前記底部から延在する第二の側部を有するベース部分をさらに含み、前記第二の側部は、前記第一の側部の反対側に位置し、さらに、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれは、前記トラックのベース部分の底部に接触することなく前記トラックに沿って移動する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項16】
前記接触機構はフルオロポリマー材料、場合により、ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項17】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは複数のシリンジプランジャを支持するように構成されており、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは接触機構を有し、前記接触機構は前記シリンジプランジャの頂部表面と底部表面との間に配置されており、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの接触機構を支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
【請求項18】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構は、周囲リブ機構である、請求項17に記載のトラック。
【請求項19】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの接触機構は、各シリンジプランジャのほぼ凹んだ部分である、請求項17に記載のトラック。
【請求項20】
前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの一部は、前記トラックの前記第一の肩部分の第一の内縁と前記第二の肩部分の第二の内縁との間を通過する、請求項17~19のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項21】
前記接触機構は、前記シリンジプランジャのそれぞれの底部表面と前記シリンジプランジャのそれぞれの質量中心との間の長手方向の距離よりも短い、前記シリンジプランジャのそれぞれの質量中心から長手方向の距離に配置されている、請求項17~19のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項22】
各シリンジプランジャは質量中心を有し、前記接触機構は各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置する、請求項17~19のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項23】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成された長さを有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは少なくとも1つの接触機構及び底部表面を有し、前記少なくとも1つの接触機構は、前記底部表面の平面投影の表面積よりも小さい接触表面領域を有し、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、各シリンジプランジャの少なくとも1つの接触機構を支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
【請求項24】
前記接触表面領域は、前記接触表面領域と前記トラックとの間のスティクションが低減されるように、下限値及び上限値を備える、請求項23に記載のトラック。
【請求項25】
前記接触表面領域は、各プランジャの底部表面の平面投影の表面積の0.1%~5%である、請求項23に記載のトラック。
【請求項26】
前記接触表面領域は、前記第一の内縁と前記第二の内縁との間に画定される幅に対して1.0%~12.0%の比率を有する、請求項23又は請求項24に記載のトラック。
【請求項27】
各シリンジプランジャの接触機構は、前記複数のシリンジプランジャのそれぞれの周囲リブ機構である、請求項23~25のいずれか1項に記載のトラック。
【請求項28】
振動運動コンベヤシステム用のトラックであって、前記トラックは、複数のシリンジプランジャを支持するように構成されており、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、前記トラックとの1つ以上の接触点を有し、前記複数のシリンジプランジャの各シリンジプランジャは、頂部表面と底部表面との間に質量中心を有し、前記1つ以上の接触点は、頂部表面と底部表面との間にあり、前記トラックは、
前記トラックの長さに沿って延在し、第一の内縁を画定する第一の支持面を有する第一の肩部分、及び、
前記第一の肩部分の反対側にある、前記トラックの長さに沿って延在し、第二の内縁を画定する第二の支持面を有する第二の肩部分、
を含み、前記第一の内縁及び前記第二の内縁は相互に対向するように配置され、前記第一の支持面及び前記第二の支持面は、前記少なくとも1つの接触点で各シリンジプランジャを支持するように構成されている、振動運動コンベヤシステム用のトラック。
【請求項29】
前記1つ以上の接触点は、各シリンジプランジャの底部表面が各シリンジプランジャの質量中心に対して位置するよりも、各シリンジプランジャの質量中心に長手方向で近くに位置する、請求項28に記載のトラック。
【請求項30】
前記1つ以上の接触点は、各シリンジプランジャの質量中心よりも上に位置する、請求項28又は29に記載のトラック。
【国際調査報告】