(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】内部バルーンプロジェクタ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
G09F 19/00 20060101AFI20240711BHJP
A63H 27/10 20060101ALI20240711BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G09F19/00 D
A63H27/10 Z
G03B21/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503418
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022037413
(87)【国際公開番号】W WO2023003789
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521062321
【氏名又は名称】リアル シンプル アイディアズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003937
【氏名又は名称】弁理士法人前川知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ドイチュ
【テーマコード(参考)】
2C150
2K203
【Fターム(参考)】
2C150DG13
2C150EE07
2C150FA02
2K203FA17
2K203FA44
2K203FA80
2K203FB02
2K203GC02
2K203GC05
2K203HA02
2K203KA13
2K203KA16
2K203KA27
2K203MA30
(57)【要約】
内部バルーンプロジェクタは、電源モジュールと投影モジュールとを有する、バルーン開口部に挿入可能な基部を含んでいる。投影モジュールは、電源モジュールから電力を供給され、挿入時においてバルーンの内表面に画像を投影するように動作可能である。バルーンアセンブリは、プロジェクタを挿入したバルーンを含んでいる。バルーンは、基部の内部に形成された膨張通路を介して膨張可能であり、収縮及び再膨張可能である。内部バルーンプロジェクタは、複数の画像をバルーンの内表面に順次投影可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部バルーンプロジェクタであって、
近位端と遠位端との間に延在している基部を備えており、
前記遠位端はバルーンのネックに挿入可能であり、
前記近位端は外部に残っており、
前記基部は、前記基部から画像を前記バルーンの内表面に投影するように動作可能な投影モジュールと、前記投影モジュールに電力を供給する電源モジュールとを含んでいる、
内部バルーンプロジェクタ。
【請求項2】
前記基部において、前記近位端の入口から前記遠位端の付近の出口まで延在している膨張通路が設けられており、
前記遠位端が前記バルーンの前記ネックに挿入されており、
前記入口が前記バルーンの外部に残っており、
前記出口が前記バルーンの内部にある、
請求項1に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項3】
前記入口が前記近位端の端面に位置している、
請求項2に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項4】
前記入口と前記出口との間にある前記膨張通路に逆止弁が配置されており、
前記逆止弁は、前記入口から前記出口への空気の流れを許容し、前記出口から前記入口への空気の流れを阻止するように動作可能である、
請求項2に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項5】
前記電源モジュールが前記投影モジュールから着脱可能であり、
複数の別々の前記投影モジュールが前記電源モジュールに対して使用可能である、
請求項1に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項6】
前記電源モジュールは、スイッチを介して前記電源モジュールに電気的に接続された少なくとも1つのバッテリを含んでいる、
請求項1に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項7】
前記基部の外部に位置している前記スイッチの手動操作部をさらに備える、
請求項6に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項8】
前記遠位端が前記バルーンの前記ネックに挿入されており、
前記手動操作部が前記バルーンの内部において動作可能である、
請求項7に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項9】
前記投影モジュールは、前記基部の投影開口部の外部に対して、イメージフィルムを通過するように光を向ける光源を含んでいる、
請求項1に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項10】
前記投影モジュールは、前記光源と前記投影開口部との間にレンズアレンジメントをさらに含んでいる、
請求項9に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項11】
前記光源は、前記光を前記基部の前記遠位端に向けるものであり、
前記投影開口部は、前記基部の側面に形成されており、
前記投影モジュールは、前記光を前記投影開口部の外部に反射させるアングルミラーをさらに含んでいる
請求項9に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項12】
前記光源は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含んでいる。
請求項9に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項13】
前記光源は、前記少なくとも1つのLEDからの前記光を向けられるビームアイソレータチューブをさらに含んでいる。
請求項12に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項14】
前記光源は、複数のLEDを含んでおり、
前記投影モジュールは、前記複数のLEDにおけるオン及びオフを順次切り替えるように構成された制御電子機器をさらに含んでいる、
請求項12に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項15】
前記イメージフィルムが前記複数のLEDに対応する複数の画像を含んでおり、
前記複数のLEDにおけるオン及びオフを順次切り替えることにより、前記複数の画像それぞれを別々にハイライトする、
請求項14に記載の内部バルーンプロジェクタ。
【請求項16】
バルーンアセンブリであって、
ネックを有するバルーンと、
請求項1に記載の内部バルーンプロジェクタとを備え、
前記遠位端が前記ネックに挿入されており、
前記近位端が外部に残っている、
バルーンアセンブリ。
【請求項17】
前記内部バルーンプロジェクタは、前記バルーンの内表面に画像を投影するものである、
請求項16に記載のバルーンアセンブリ。
【請求項18】
内部バルーンプロジェクタを使用する方法であって、
前記内部バルーンプロジェクタの基部の遠位端をバルーンのネックに挿入する工程と、ただし前記基部の近位端は前記バルーンの外部に残したままとし、
前記内部バルーンプロジェクタを操作することにより、前記バルーンの内表面に画像を投影する工程と、
を備える方法。
【請求項19】
前記バルーンの前記ネックに前記遠位端を挿入する工程の実施後において、
前記基部の膨張通路を介して前記バルーンを膨張させる工程をさらに備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
その後、前記バルーンを収縮させてから、前記膨張通路を介して前記バルーンを再膨張させる工程をさらに備える、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
所望の画像を投影するために構成された前記内部バルーンプロジェクタの投影モジュールを選択し、前記バルーンの前記ネックに前記遠位端を挿入する工程の実施前に前記投影モジュールを電源モジュールに接続する工程をさらに備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記内部バルーンプロジェクタから前記バルーンの前記内表面に複数の画像を順次投影する工程をさらに備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の画像を順次投影する工程は、
複数の発光ダイオード(LED)におけるオン及びオフを順次切り替えることにより、前記内部バルーンプロジェクタの内部においてイメージフィルムに前記複数の画像を別々にハイライトする工程を含んでいる、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
【0002】
本願は、2021年7月20日に出願された米国仮特許出願番号63/223,708に基づく優先権を主張しており、その内容は、全て本明細書において参照によって組み込まれている。
【0003】
本発明は、バルーンに関するものであり、特にバルーンの表面に画像を投影するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0004】
バルーンは、100年以上にわたって、誕生日、休日、及びその他の様々な特別な機会で若者及び年配者を楽しませてきた。一般的に、バルーンは、特別な声明を作成したり、又は、単に視覚的な魅力を高めたりするために、言葉及び絵を用いて装飾される。これらの装飾は、通常バルーンの製造に関連して適用され、顧客は、小売業者において入手可能な色及び装飾から選択する。
【0005】
一般的ではないが、別の外観を楽しむために、バルーン(典型的には透明なバルーン)の内部に物品が配置される。例えば、バルーン創作物は、グリッタ、LEDライト、ぬいぐるみ、及び他のバルーンを詰め込まれて製造される。しかし、これらの創作物は、製造が困難であって時間がかかることがあり、場合によっては詰込及び膨張のための特別な装置を必要とする。楽しく面白いバルーンのオプションがいろいろ存在する一方で、さらなる改善が考えられる。
【発明の概要】
【0006】
上記の視点において、本発明の目的は、内部バルーンプロジェクタ及び関連する方法を提供することである。本発明の一実施形態によれば、内部バルーンプロジェクタは、バルーンの開口部に挿入可能であり、電源モジュール及び投影モジュールを有している基部を含んでいる。前記投影モジュールは、前記電源モジュールから電力を供給され、挿入時において前記バルーンの内表面に画像を投影するように動作可能である。バルーンアセンブリは、前記プロジェクタを挿入したバルーンを含んでいる。
【0007】
本発明の一側面によれば、前記基部は、入口から出口に延在している膨張通路を画成している。前記基部が前記バルーンに挿入されると、前記入口は前記バルーンの外部に残っており、前記出口は前記バルーンの内部にある。前記膨張通路にある内部逆止弁は、前記バルーンの内部に向かう方向にのみ空気を導入させる。本発明の別側面によれば、前記電源モジュール及び前記投影モジュールは着脱可能に接続されている。さらに別側面によれば、前記膨張通路の全体が前記電源モジュールの内部に形成されている。
【0008】
方法の側面によれば、前記内部バルーンプロジェクタの基部の遠位端はバルーンのネックに挿入され、前記基部の近位端は前記バルーンの外部に残っており、前記内部バルーンプロジェクタは前記バルーンの内表面に画像を投影するように動作する。さらなる側面によれば、複数の画像が順次前記内部バルーンプロジェクタから前記バルーンの前記内表面に投影される。
【0009】
本発明の、これら及びその他の目的、側面、及び利点は、図面と、以下の好適な実施形態に関する詳細な説明とを参照することにより、さらに理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態における、電源モジュール及び投影モジュールを有する基部を含むバルーンに挿入された内部バルーンプロジェクタの側面図である。
【
図2】
図2は、電源モジュール及び投影モジュールを分離した状態における、
図1の内部バルーンプロジェクタの側面図である。
【
図3】
図3は、
図1の電源モジュールの部分断面斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の投影モジュールの部分断面斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の投影モジュールのイメージフィルムの概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、
図1及び
図2を参照し、内部バルーンプロジェクタ10の基部12は、近位端14と遠位端16との間に延在しており、電源モジュール20及び投影モジュール22を含んでいる。使用時には、遠位端16は、バルーン26のネック24に挿入され、近位端14は、外部に残っている。電源モジュール20は、バルーンの内表面30に画像を投影するように動作可能な投影モジュール22に電力を供給する。バルーン26が半透明であるため、その画像は外部から視認可能となっている。
【0012】
図3も参照すると、膨張通路32は、基部12において、バルーン26の外部の入口34からバルーン26の内部の出口36まで延在している。入口34は、近位端14の端面から内部に向かって延在しており、標準のバルーン膨張ノズルをより密封するための縮径部40を含んでいる。出口36は、好ましくは、近位端14の内部に向かって基部12の側面を通過する複数の出口開口部として形成されている。
【0013】
好ましくは、膨張通路32には、バルーンの外部への空気の逆流を防止するための逆弁42が配置されている。逆止弁42は、バルブプレート46によって閉じられたオリフィスプレート44を含んでおり、バネ50によって閉位置に向けて付勢されている。入口34から加わる気圧によりバルブプレート46が取り外されると、空気がオリフィスプレート44を通過して出口36を介してバルーン26を膨張させる。
【0014】
図示の実施形態において、投影モジュール22から着脱可能な電源モジュール20の内部には、膨張通路32の全体が形成されている。電源モジュール20の内端から延在している雄ロックカラー54には、投影モジュール22の雌ロックカラー60における一又は複数のロック要素56に係合する一又は複数のロック要素52があり、これらモジュール20、22が共に固定される。
【0015】
膨張通路32に加えて、電源モジュール20は、スイッチ66を介してコンタクトプレート64に電気的に接続された一又は複数のバッテリ62を含んでいる。スイッチ66の手動操作部68は、モジュール20の外部に位置しており、バルーン26の内部に向けて基部12を挿入する前又は後において操作可能である。操作部68は挿入後にはバルーン26の内部にあるが、バルーン素材の柔軟性と、ネック24に対する操作部68の近接性とによって操作が可能である。バッテリ62は、基部12の内部にあるバッテリカバー70を介して交換可能である。
【0016】
図4を参照すると、上記の投影モジュールは、コンタクトプレート64に係合し、一又は複数の発光ダイオード76(LED)を操作する制御電子機器74に電力を供給するコンタクト72を含んでいる。好ましい実施形態では、3つのホワイトLEDが使用される。
【0017】
好ましくは、LED76からの光は、ビームアイソレータチューブ80と、イメージフィルム82と、一又は複数のレンズ86を含んでいるレンズアレンジメント84とに向けられる。レンズアレンジメント84からの焦点画像は、その後、基部の遠位端16の近傍において、投影モジュール22の壁部を貫通して延在している投影開口部92を通過するように、アングルミラー90から反射する。
【0018】
好ましくは、
図5を参照すると、複数の画像94がイメージフィルム82において形成され、制御電子機器74は、複数の画像のそれぞれを個々的にハイライトするため、LED76をオンとオフとに連続的に切り替えるように構成されている。LED76が高速かつ連続的にサイクルすることで、類似する画像への変化を通してアニメーション効果を生じさせることができる。図示の実施形態では、3つのLED76に対応する3つの画像84が使用されているが、使用するLED及び画像の数を増減してもよい。
【0019】
使用時には、顧客は、バルーン26を選択して投影を希望する画像を決定し、ベンダーは、上記の希望する画像に対応する投影モジュール22を選択する。選択された投影モジュール22は、電源モジュール20に取り付けられ、プロジェクタ10の結合基部の遠位端16は、そのネック24を通過し、選択されたバルーン26の内部に挿入される。ネック24の周りにはタイ、リング又は他の適切なクロージャ94が配置され、バルーン26は基部12に固定され、膨張通路32の出口36はバルーン26の内部にあり、近位端14及び入口34が外部に残っている。
【0020】
バルーン26は、通路32を介してヘリウム、周囲の空気又は他のガスを使用することで適切な体積に膨張し、逆止弁42及びクロージャ94を共に使用することでバルーンの内圧を維持する。そのプロセスの所望の時点において、プロジェクタ10は、操作部68を介して始動し、所望の画像を内表面30に投影する。その後、顧客は、プロジェクタ10をオン、オフにすること、及び、プロジェクタ10を取り外すことを選択することができる。これは、バルーン26を収縮してから再膨張させるために意図的に実施されてもよい(例えば、空港のセキュリティを通過するために必要な場合、又は、旅行中の便宜のためなど)。さらに、プロジェクタ10は、他のバルーンに続いて使用することができる。
【0021】
本発明に係るプロジェクタは、任意の適切なバルーンと組み合わせて使用することができる。必要であれば、事前にデザイン(投影画像を中心とした枠を形成するものなど、投影画像を補完するデザインを含む)が施されたバルーンもプロジェクタと組み合わせて使用することができる。好ましいことに、プロジェクタにより、顧客は、所望の画像を掲載した在庫の中に偶然存在する特定のバルーンの型及び色に限定されるのではなく、自身の選択画像の投影対象とする所望のバルーンを選択することができる。着脱可能な電源モジュール及び投影モジュールを使用することにより、在庫管理を簡易化することができ、かつ、同一の電源モジュールと共に使用するための複数の異なる投影モジュールを顧客側で選択することができる。
【0022】
上記の詳細な実施形態は説明のためのものであり、本発明は必ずしもそれに限定されない。むしろ、本分野の技術者であれば、様々な修正及び環境への適合が、本明細書において示され説明された本発明の範囲、本明細書に添付された各請求項の範囲にあることを認識可能である。
【国際調査報告】