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特表2024-526863消費財のための容器の作製方法および消費財のための容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】消費財のための容器の作製方法および消費財のための容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
B65D85/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503448
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022071288
(87)【国際公開番号】W WO2023006928
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】21188237.8
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】アンドロセンコ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツェッティ チェーザレ
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA21
3E068AB02
3E068AC02
3E068BB06
3E068BB08
3E068CC03
3E068CD01
3E068CE01
3E068EE40
(57)【要約】
本発明は、消費財のための容器(1)の作製方法に関し、方法は、
-第1のセルロース系層(30)を折り畳んでパッケージ(10)を形成することであって、パッケージが消費財用のハウジングを画定する、折り畳むことと、
-外側ラッパーを形成することであって、外側ラッパーが、内側領域を画定する内表面(44)および外側領域を画定する外表面(45)を有する第2のセルロース系層(40)と、内側表面上に設けた第1のポリマー層(41)と、外表面の30パーセント未満上に設けた第2のポリマー層(42)と、を含み、
-第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層である、形成することと、
-パッケージを外側ラッパーで包装することであって、包装は、第1のポリマー層が第2のセルロース系層の内側上に設けられるように行われる、包装することと、
-パッケージおよび外側ラッパーを加熱して、外側ラッパーをパッケージ上にシールして容器を形成することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財のための容器の作製方法であって、
-第1のセルロース系層を折り畳んでパッケージを形成することであって、前記パッケージが前記消費財用のハウジングを画定する、折り畳むことと、
-外側ラッパーを形成することであって、前記外側ラッパーが、内側領域を画定する内表面および外側領域を画定する外表面を有する第2のセルロース系層と、前記内表面上に設けた第1のポリマー層と、前記外表面の30パーセント未満上に設けた第2のポリマー層と、を含み、
-前記第1のポリマー層および前記第2のポリマー層は、ヒートシール性層である、形成することと、
-前記パッケージを前記外側ラッパーで包装することであって、前記包装は、前記第1のポリマー層が前記第2のセルロース系層の内側上に設けられるように作製される、包装することと、
-前記パッケージおよび前記外側ラッパーを加熱して、前記外側ラッパーを前記パッケージ上にシールして前記容器を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
-リッド部分およびボックス部分を含むパッケージを形成するために前記第1のセルロース系層を折り畳むことであって、前記ボックス部分および前記リッド部分は、開封線によって分割され、前記リッド部分は、前記ボックス部分にヒンジ留めされる、折り畳むことと、
-前記ボックス部分および前記リッド部分を前記外側ラッパーで包装することであって、前記外側ラッパーは、前記開封線を少なくとも部分的に覆う、包装することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開封線は、第1の虚弱線を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
パッケージを形成する第1のセルロース系層を折り畳む前記工程が、前記第1のセルロース系層を折り畳んで、基部壁および上部壁を画定するパッケージを形成することを含み、前記方法が、
-前記外側ラッパーで前記パッケージの周りを包装したときに、前記パッケージの前記上部壁または前記基部壁を覆う前記第2のセルロース系層の前記外表面の部分上に前記第2のポリマー層を設ける工程を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
外側ラッパーを形成する前記工程は、第3のポリマー層を含む外側ラッパーを形成する工程を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第3のポリマー層が、前記第2のセルロース系層と前記第1のポリマー層との間に位置する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3のポリマー層が防湿バリア層である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
-前記第1のセルロース系層を折り畳んで、リッド部分およびボックス部分を含むパッケージを形成することであって、前記ボックス部分および前記リッド部分は、開封線によって分割され、前記リッド部分は、前記ボックス部分にヒンジ留めされる、折り畳むことと、
-前記ボックス部分および前記リッド部分を前記外側ラッパーで包装することであって、前記外側ラッパーは、前記開封線を少なくとも部分的に覆う、包装することと、
-前記開封線を覆う前記外側ラッパーの前記一部分上に第2の虚弱線を形成することと、を含む、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1のポリマー層を設けること、または第2のポリマー層を設けること、または第3のポリマー層を設けることが、
・エチレンのポリマーまたはコポリマー、
・プロピレンのポリマーまたはコポリマー、
・スチレンアクリレートのコポリマー、
・スチレンブタジエンのコポリマー、
・スチレンイソプレンのコポリマー、
・水添スチレンブタジエンのコポリマー、
・水添スチレンイソプレンのコポリマー、
・アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのコポリマー、
・酢酸ビニルのコポリマー、
・ポリブテンのコポリマーのうちの一つ以上を含む組成物を形成すること、を含む、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物がワックスをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、
・炭化水素樹脂を含む、請求項9または10の一方に記載の方法。
【請求項12】
消費財のための容器であって、
-ボックス部分およびリッド部分を含むパッケージであって、前記パッケージが、前記消費財のためのハウジングを画定し、前記リッド部分が、ヒンジ線によって前記ボックス部分にヒンジ留めされ、開封線が、前記ボックス部分および前記リッド部分を前記ヒンジ線の外側で分離し、前記ボックス部分および前記リッド部分が、第1のセルロース系層を含む第1の多層ブランクを折り畳むことによって形成される、パッケージと、
-前記パッケージ上に包装およびシールされ、前記開封線を少なくとも部分的に覆う、外側ラッパーであって、
・内表面および外表面を有する第2のセルロース系層と、
・前記第2のセルロース系層の前記内表面上に設けた第1のポリマー層と、
・前記第2のセルロース系層の前記外表面の30パーセント未満上に提供された第2のポリマー層と、を含む、外側ラッパーと、を含み、
-前記第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層である、容器。
【請求項13】
開封線は、第1の虚弱線を含む、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記外側ラッパーが、前記開封線を覆う前記外側ラッパーの前記一部分上に形成された第2の虚弱線を含む、請求項12または13に記載の容器。
【請求項15】
前記パッケージが、基部壁および上部壁と、前記基部壁または前記上部壁を覆う前記第2のセルロース系層の前記外表面の部分の上に設けた第2のポリマー層とを備える、請求項12~14の何れか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を作製する方法、および消費財のための容器に関する。容器は、好ましくは、エアロゾル発生物品などの細長い物体を収容するために使用される。
【背景技術】
【0002】
紙巻たばこ、およびより一般的にエアロゾル発生物品を、二軸配向ポリプロピレンフィルム(BOPPフィルム)で、言い換えればプラスチックフィルムで包まれたカートンボックスに包装することは公知である。このソリューションは、数十年来業界標準である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、プラスチック包装は、ポイ捨ての可能性だけでなく、再生不可能資源の使用および地球温暖化への潜在的な影響に対して環境に有害な影響を及ぼす可能性がある。したがって、利用可能なものよりも少ないプラスチックを含有する包装ソリューションを有することが望ましい。
【0004】
同時に、エアロゾル発生物品のための包装ソリューションは、好ましくは、湿気の取り込みまたは損失からの製品の保護を提供する。実際に、エアロゾル発生物品中の湿気が多すぎるか、または不十分であると、ユーザーの喫煙の体験を変化させる場合がある。したがって、製品を水分から保護する包装ソリューションを有することが望ましい。
【0005】
さらに、エアロゾル発生物品の包装は、「不正開封防止」であることが望ましい、すなわち、包装が既に開封されたかどうかがすぐにわかることが好ましい。
【0006】
したがって、とりわけ、先行技術の容器に対して低減されたプラスチック含有量を有するエアロゾル発生物品を収容するように適合された、容器を作製する方法、および消費財のための容器が必要である。また、とりわけ、容器が既に開封されたかどうかが明らかであるエアロゾル発生物品を収容するように適合された、容器を作製する方法、および消費財のための容器も必要である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による容器の構成要素の斜視概略図である。
図2図1の容器の構成要素の要素の正面図である。
図3図2の要素の拡大側面図である。
図4】本発明による容器の別の構成要素の要素の正面図である。
図5図4の要素の拡大側面図である。
図6図4の要素の異なる実施形態の側面図である。
図7図4図6の要素の一実施形態の正面図である。
図8図4図6の要素の別の実施形態の正面図である。
図9図4図6の要素の別の実施形態の正面図である。
図10図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図11図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図12図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図13図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図14図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図15図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図16図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図17図1の容器の実現のための方法の工程の斜視図である。
図18図10の詳細の概略拡大図である。
図19図11の詳細の概略拡大図である。
図20】本発明の容器と先行技術の容器との間の比較試験を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一態様によると、本発明は、消費財のための容器の作製方法に関する。この方法は、第1のセルロース系層を折り畳んでパッケージを形成することを含んでもよく、パッケージは消費財用のハウジングを画定する。この方法は、外側ラッパーを形成することを含んでもよく、外側ラッパーは、内側領域を画定する内表面および外側領域を画定する外表面を有する第2のセルロース系層と、内表面上に設けられた第1のポリマー層と、外表面の30パーセント未満上に設けられた第2のポリマー層と、を含む。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層であってもよい。この方法は、パッケージを外側ラッパーで包装することを含んでもよく、包装は、第1のポリマー層が第2のセルロース系層の内側上に設けられるように行われる。本方法は、前記パッケージおよび前記外側ラッパーを加熱して、前記外側ラッパーを前記パッケージ上にシールして前記容器を形成することを含んでいてもよい。
【0009】
本発明による容器を形成するために、パッケージが形成される。パッケージは、第1のセルロース系層を折り畳んで形成される。第1のセルロース系層は、セルロース系材料を含む層である。第1のセルロース系層は、紙層またはボール紙層である、すなわち、紙またはボール紙で作製された層であることが好ましい。
第1のセルロース系層は、ブランクを形成することが好ましい。ブランクは、当業界における標準的な形状を有し、例えば、長方形の材料のシートを画定することが好ましい。
【0010】
次いで、第1のセルロース系層、例えば、ブランクは、パッケージを生成するために折り畳まれる。ブランクが折り畳まれる方法は、パッケージの所望の幾何学的形状次第である。例えば、典型的には、パッケージは、平行六面体の形態を有する。ブランクは、パッケージが閉じられるように、すなわち、周囲から完全に分離された、完全に閉じられた内部容積を画定するように、折り畳まれることが好ましい。パッケージによって画定される内部容積は、外部から完全に分離されることが好ましい。内部容積内に、消費財が保存されることが好ましい。
【0011】
パッケージは、パッケージ前部壁、パッケージ左側壁、パッケージ右側壁、パッケージ後部壁、パッケージ上部壁、およびパッケージ底部壁を含むことが好ましい。パッケージは、内表面および外表面を画定する。
【0012】
第1のセルロース系層に加えて、パッケージ内に他の層が存在しないことが好ましい。
第1の多層が形成され、外側ラッパーの機能を有する。外側ラッパーは、第2のセルロース系層、第1のポリマー層、および第2のポリマー層を含む。第2のセルロース系層の定義は、第1のセルロース系層と同じであり、そのため、第2のセルロース系層はセルロース系材料を含む層であることが好ましい。第2のセルロース系層は、紙層またはボール紙層である、すなわち、紙またはボール紙で作製された層であることが好ましい。
【0013】
第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層である。
ヒートシール性層は、フィルムの一体性を損なうことなく、隣接するフィルム接触面への伝導と、表面間の接着界面を形成するために、少なくとも一つのフィルム接触面上に十分な熱を生成する、従来の間接的加熱手段によって融着接着可能な層である。連続層間の接着界面は、包装工程およびその後の処理に耐えるだけの十分な物理的強度を有することが好ましい。ヒートシール性層は、所期の使用の異なる条件を満たすように設計され得、様々なヒートシール性層の形成が当技術分野で公知であり、本発明において採用され得る。
【0014】
第1のポリマー層は、第1のセルロース系層と結合するために最適化されたヒートシール性層であることがさらに好ましい。第1のポリマー層の特性は、ヒートシール特性を有する場合、ヒートシール性である特性が第1のセルロース系層と結合するために最適化されるようなものである。
【0015】
第2のポリマー層は、第2のセルロース系層と結合するために最適化されたヒートシール性層であることがさらに好ましい。第2のポリマー層の特性は、ヒートシール特性を有する場合、ヒートシール性である特性が第2のセルロース系層と結合するために最適化されるようなものである。
【0016】
ヒートシール性層は、第1のポリマー層、または、第2のポリマー層、またはその両方が、示差走査熱量測定(DSC)に従って測定された摂氏120度未満の融点を有することが好ましい。ヒートシール性層は、DSCに従って測定された、摂氏100度未満の融点を有することがより好ましい。ヒートシール性層は、DSCに従って測定された、好ましくは摂氏80度未満の融点を有することがなおより好ましい。
【0017】
第2のセルロース系層、第1のポリマー層、および第2のポリマー層は、互いに永久的に取り付けられる。それらは、実質的に「ブランク」を形成することが好ましい。ブランクは、好ましくは、当業界における標準的な形状を有し、例えば、長方形の多層材料のシートを形成する。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、第2のセルロース系層の対向する表面に取り付けられる。
【0018】
第2のセルロース系層は、内表面および外表面を画定することが好ましい。したがって、第1のポリマー層は、第2のセルロース系層の内表面上に塗布され、第2のポリマー層は、第2のセルロース系層の外表面上に塗布されることが好ましい。
【0019】
第1のポリマー層および第2のセルロース系層は、相互に取り付けられる。任意の技術を使用して、好ましくは永久的に、第2のセルロース系層と第1のポリマー層を一緒に取り付けることができる。第1のポリマー層は、第2のセルロース系層の内表面上に接着されてもよい。第1のポリマー層は、第2のセルロース系層の内表面上に被覆されてもよい。第1のポリマー層および第2のセルロース系層は、同じ幾何学的寸法を有することが好ましい。第1のポリマー層および第2のセルロース系層は、一致していることが好ましい。第1のポリマー層は、第2のセルロース系層の内表面を完全に被覆することが好ましい。
【0020】
第2のポリマー層および第2のセルロース系層は、相互に取り付けられる。任意の技術を使用して、好ましくは永久的に、第2のセルロース系層と第2のポリマー層を一緒に取り付けることができる。第2のポリマー層は、第2のセルロース系層の外表面上に接着されてもよい。第2のポリマー層は、第2のセルロース系層の外表面上に被覆されてもよい。第2のポリマー層は、第2のセルロース系層の外表面の面積の30パーセント未満の面積のみを覆うことが好ましい。第2のポリマー層は、第2のセルロース系層の外表面の一つ以上の部分を覆う。第2のセルロース系層の外表面の第2のポリマー層により覆われた部分の面積の合計は、第2のセルロース系層の外表面の総面積の30パーセント未満である。
【0021】
第2のセルロース系層は、第1の端および第2の端を画定することが好ましい。第2のポリマー層は、第1の端または第2の端に位置する第2のセルロース系層の外表面の一部分を覆うことが好ましい。第2のポリマー層は、第1の端および第2の端に位置する第2のセルロース系層の外表面の一部分を覆うことがより好ましい。
【0022】
第2のポリマー層は、異なるパターンに従って塗布されてもよい。第2のポリマー層は、外側ラッパーでパッケージの周りを包装したときに形成される外側ラッパーのフラップを「封筒型の折り畳み」でシールする機能を有することが好ましい。次いで、第2のポリマー層のこうしたパターンを有する外側ラッパーは、パッケージの外側に面する第1のポリマー層のおかげで、パッケージ上のヒートシール性被覆を施すことなく、パッケージの外表面上を包装し、シールできる。これにより、容器の製造工程が大幅に簡略化される一方で、防湿性は依然として確保される。
【0023】
外側ラッパーは、金属化層を含むことが好ましい。
金属化層を有する外側ラッパー、または金属化外側ラッパーを設けることによって、外側ラッパーのバリア特徴が改善され得る。金属化外側ラッパーは、酸素または水分などの気体または蒸気に対する透過性が著しく低いため、容器内に収容された消費財をさらに保護し得る。
【0024】
外側ラッパーは追加的な層を含んでもよく、例えば追加的なバリア層を、結果として得られる容器のバリア性能を強化する目的で追加してもよい。例えば、予め被覆された第2のセルロース系層を、本発明の外側ラッパーの製造のための基体として使用してもよい。予め被覆された第2のセルロース系層は、例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレン-co-ビニルアルコール(EVOH)、二塩化ポリ塩化ビニリデン被覆(PVDC)、およびスチレン-ブタジエンまたはスチレン-アクリレート系ラテックスの一つ以上の層を含んでもよい。これらの予め塗布された被覆(多くの場合、ペーパーミルに塗布される)は、優れた表面平面性を有する第2のセルロース系層を達成するのに役立ち、よって本発明に記述される被覆の性能をさらに強化し得る。さらに、PVOH、EVOH、およびPVDCなどの予め塗布された被覆は、臭気、芳香、および酸素に対するバリアなどの追加的な機能性を、本発明の結果として得られる容器に追加することができる。このようにして予め塗布された被覆は、炭酸カルシウム、カオリン、タルカム、雲母、または他の血小板型ミネラルなどのミネラル充填剤を含有することが多い。
【0025】
第1の多層(外側ラッパー)で、パッケージの外表面の周りを包装する。第1の多層は、パッケージの外表面を完全に覆うことが好ましい。パッケージが外側ラッパーによって包装されたときに、外側から見えるパッケージの外表面の部分がないことが好ましい。包装は、第1のポリマー層が第2のポリマー層に対して内側にくるように実施される。したがって、パッケージが外側ラッパーによって包装されたときには、第1のポリマー層は第1のセルロース系層と接触する。
さらに、第1の多層は、第1のポリマー層が第2のポリマー層に対して内向きに位置するようにして折り畳まれる。
【0026】
第1のセルロース系層は、パッケージの内表面を含むことが好ましい。したがって、第1のセルロース系層の内表面は、パッケージの内表面であり、次に容器の内表面となる。第2のセルロース系層は、容器の外表面を含むことが好ましい。容器の外表面は、少なくとも部分的に、第2のセルロース系層の自由表面であることが好ましい。
【0027】
このようにして、包装されたパッケージが形成される。包装は、パッケージの外表面全体を外側ラッパーで覆うために、パッケージの周りに外側ラッパーのブランクを折り畳んで行われることが好ましい。得られる包装されたパッケージの幾何学的形状は、パッケージの幾何学的形状と実質的に同一であるか、または非常に類似している。外側ラッパーは、パッケージの壁と外側ラッパーとの間に接触が生じるようにパッケージの周りに折り畳まれる。外側ラッパーは、パッケージのすべての壁と接触することが好ましい。外側ラッパーは、パッケージ前部壁、パッケージ左側壁、パッケージ右側壁、パッケージ後部壁、パッケージ上部壁、およびパッケージ底部壁と接触していることが好ましい。
【0028】
その後、第1の多層によって包装されたパッケージに熱が加えられる。熱は、包装されたパッケージの外側から加えられることが好ましい。熱および圧力の両方が包装されたパッケージに加えられることが好ましい。熱または圧力、またはその両方が第1のポリマー層をパッケージの外表面上にシールする。第1のポリマー層は、第1のセルロース系層上に接着される。さらに、熱および圧力を加えることにより、第2のポリマー層をそれ自体の上、または第2のセルロース系層上でシールし、外側ラッパーをそれ自体の上で「閉じる」。外側ラッパーに加えられる熱は、第1のポリマー層または第2のポリマー層が、摂氏100度未満、より好ましくは摂氏80度未満の温度に達するようなものであることが好ましい。外側ラッパーに加えられる圧力は、1キロパスカル~100キロパスカルから成ることが好ましい。
【0029】
第1のポリマー層の材料は、それら自体をパッケージ上にシールするために部分的に溶融し、このようにして外側ラッパーをパッケージ上にシールする。第1のポリマー層の材料は、第1のセルロース系層に接着する。
【0030】
第2のポリマー層の材料は、第1の多層が折り畳まれ、パッケージの周りを包装すると、容器の上部壁および底部壁に位置する。言い換えれば、第2のポリマー層は、ブランクが折り畳まれたときに、容器の上部壁または底部壁またはその両方に対応する、第2のセルロース系層の外表面の部分を覆う。第2のポリマー層の材料が溶融すると、外側ラッパーを自体にシールし、パッケージの底部壁および上部壁に形成された折り目を遮断する。
【0031】
容器の製造は、一度熱を加えることで、第1のポリマー層および第2のポリマー層の両方が溶融し、パッケージ上に外側ラッパーをシールするという事実により簡略化される。
【0032】
熱または圧力、またはその両方を加えた後、本発明による容器が形成される。容器は、外側ラッパーがパッケージに永久的に取り付けられるように、熱または圧力、またはその両方が加えられた後の包装されたパッケージである。
【0033】
熱または圧力、またはその両方を加えた後、外側ラッパーはパッケージに永久的に取り付けられ、容器を変形または損傷することなく外側ラッパーを取り外すことは不可能である。
【0034】
容器は、容器前部壁、容器左側壁、容器右側壁、容器後部壁、容器上部壁、および容器底部壁を含むことが好ましい。これらの壁は、包装されたパッケージ前部壁、包装されたパッケージ左側壁、包装されたパッケージ右側壁、包装されたパッケージ後部壁、包装されたパッケージ上部壁、および包装されたパッケージ底部壁にそれぞれ対応する。容器は、内表面および外表面を有する。容器内表面は、パッケージの内表面である。
【0035】
第1のセルロース系層は、容器の内表面を含むことが好ましい。第2のセルロース系層は、外表面を含むことが好ましい。容器の内表面は、第1のセルロース系層の自由表面であることが好ましい。容器の外表面は、第2のセルロース系層の自由表面(少なくとも部分的に)であることが好ましい。
【0036】
第1のポリマー層および第2のポリマー層は、同じポリマー材料で形成されてもよい。例えば、第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール特性および防湿バリア特性の両方を有するポリマー材料によって形成されてもよい。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、略同一の融点を有することが好ましい。
第1のポリマー層および第2のポリマー層は、二つの異なるポリマー材料によって形成されてもよい。
【0037】
第1のセルロース系層および第2のセルロース系層は、同じセルロース系材料によって形成され得る。
包装後、本発明により実現された容器の外表面を、製造元またはブランドのロゴ、商標、スローガンおよびその他の消費者情報およびしるしで、印刷、エンボス加工、デボス加工またはその他の方法で装飾してもよい。セルロース系材料で作製された容器の外表面であるため、その上に印刷することは、容易であり、かつ当該技術分野で標準的な技術に従って行うことが可能である。
【0038】
さらに、他の要素は、本発明の方法により形成された容器の一部であってもよい。例えば、容器は、エアロゾル発生物品などの、消費財を収容する内側パッケージを含み得る。内側パッケージは、パッケージ内部に位置してもよい。内側パッケージは、金属箔または金属化紙で形成されることが好ましい。内側パッケージ材料は、金属化ポリエチレンフィルムおよびライナー材料のラミネートとして形成されてもよい。
【0039】
本発明による容器は、現在の包装ソリューションと同等またはより良好なリサイクル性を有する。透明なプラスチックフィルムで包装されたセルロース系容器と比較して、本発明の容器の実現において、同量またはより少ない量のプラスチックが使用され、同量またはより多くの量のセルロース系材料が使用される。
【0040】
同時に、第2のセルロース系層が実質的に容器の外表面を形成するため、消費者は、容器の環境への優しさが増大したと認識する。さらに、任意のしるし、例えば商標などを第2のセルロース系層の外表面上に設ける場合でも、これらは、依然として標準的なプロセスに従って容易に形成することができる。
【0041】
本発明による容器は製造が簡単で、かつ既存の包装装置の大幅な変更を必要としない。特に、第1の多層のブランクを使用したパッケージを形成するための折り畳みプロセス、またはブランクを処理する包装機の形式を変更する必要が実質的にない。
【0042】
さらに、外側ラッパーは、パッケージに永久的に取り付けられているため、ユーザーが容器を開いたときに廃棄物は生成されない。逆に、標準的な容器では、通常は、外部プラスチックフィルムは除去される。
【0043】
別の態様によると、本発明は、消費財のための容器に関する。容器は、ボックス部分およびリッド部分を含むパッケージを備え、パッケージは、消費財のためのハウジングを画定し、リッド部分は、ヒンジ線によってボックス部分にヒンジ留めされ、開封線は、ボックス部分およびリッド部分をヒンジ線の外側に分離し、ボックス部分およびリッド部分は、第1のセルロース層を含む第1の多層ブランクを折り畳むことによって形成される。容器はまた、好ましくは、パッケージを包装し、シールされ、開封線を少なくとも部分的に覆う外側ラッパーを備えていてもよい。外側ラッパーは、内表面および外表面を有する第2のセルロース系層を備えていてもよい。外側ラッパーは、第2のセルロース系層の内表面上に設けた第1のポリマー層を備えていてもよい。外側ラッパーは、第2のセルロース系層の外表面の面積の30パーセント未満上に設けた第2のポリマー層を備えていてもよい。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層であってもよい。
【0044】
消費財のための容器は、容器内部に収容された消費財に容易にアクセスするために、リッド部分を有することが好ましい。リッド部分は、閉位置と開位置との間で移動可能である。リッド部分が閉位置にあるとき、容器は、消費財の閉じられたハウジングを画定する。さらに、リッド部分が開位置にあるとき、消費財を収容するハウジングはアクセス可能である。
【0045】
公知のソリューションでは、リッド部分を有する容器では、不正開封防止を証明できない場合がある、言い換えれば、容器が初めて開封されたときを評価することが困難である。本発明によると、容器は、本発明の第1の態様によって詳述されるように形成され、前の態様で既に概説した利点を有する。加えて、本発明の容器は、リッド部分を開封するためには外側ラッパーを破断する必要があるため、不正開封防止対応でもある。
【0046】
パッケージは、第1のセルロース系層を折り畳むことによって形成される。ブランクの形状をした第1のセルロース系層は、ブランクが折り畳まれてパッケージを形成するときに、パッケージが開封線によって、およびヒンジ線によってリッド部分およびボックス部分に分割されるように構成された開封線およびヒンジ線を含み得る。ヒンジ線および開封線は、連続的であることが好ましい。開封線およびヒンジ線は、パッケージ外表面上に閉ループを形成することが好ましい。開封線は、第1の端および第2の端を含むことが好ましい。ヒンジ線は、第1の端および第2の端を含むことが好ましい。ヒンジ線の第1の端は、開封線の第1の端に触れる(接触する)ことが好ましい。ヒンジ線の第2の端は、開封線の第2の端に触れることが好ましい。
【0047】
開封線は、第1の虚弱線である。第1の虚弱線は開封用切り込みであってもよい。開封用切り込みは、ボックス部分上で閉じるリッド部分の縁によって形成されてもよい。リッド部分は、リッド部分をボックス部分上で閉じられたまま維持する外側ラッパーの存在により、ボックス部分に対して緊密に閉じられたままである。
【0048】
第1の虚弱線は、連続的であっても非連続的であっても(例えば、穿孔されていても)よい。さらに、第1の虚弱線は、任意の適切な技法または複数の技法の組み合わせ、例えばレーザー切断または機械的切断(例えば、ダイ切断、キス切断)を使用して形成されてもよい。
【0049】
第1のセルロース系層は、所与の厚さを有することが好ましい。第1の虚弱線は、第1のセルロース系層の内表面および外表面の横断方向に任意の適切な深さを有し得る。第1の虚弱線は、第1のセルロース系層の合計厚さの少なくとも約90パーセントの深さを有することが好ましい。第1の虚弱線は、第1のセルロース系層の合計厚さの約100パーセントの深さを有する、すなわち、切り込みであることがより好ましい。
【0050】
リッド部分は、リッド前部壁、リッド左側壁、リッド右側壁、リッド後部壁、およびリッド上部壁を含むことが好ましい。リッド部分は、内表面および外表面を有する。
【0051】
ボックス部分は、ボックス前部壁、ボックス左側壁、ボックス右側壁、ボックス後部壁、およびボックス上部壁を含むことが好ましい。ボックス部分は、内表面および外表面を有する。
【0052】
ヒンジ線は、パッケージの後部壁上に実現されることが好ましい。ヒンジ線は、パッケージの後部壁を、二つの部分:リッド部分の後部壁およびボックス部分の後部壁に分割する。ヒンジ線は、パッケージの底部壁に平行に形成されることが好ましい。
【0053】
パッケージの前部壁は、好ましくは、開封線のセグメントを含む。開封線は、パッケージの前部壁を、二つの部分:リッド部分の前部壁およびボックス部分の前部壁に分割する。開封線のセグメントは、パッケージの底部壁に平行に実現されることが好ましい。
【0054】
パッケージの左側壁および右側壁はまた、好ましくは、各々開封線のセグメントを含む。側壁上の開封線の各セグメントは、パッケージの後部壁上のヒンジ線を前部壁上の開封線のセグメントに接続することが好ましい。開封線は、パッケージの側壁の各々を、二つの部分:リッド部分の左(右)側壁およびボックス部分の左(右)側壁に分割する。
【0055】
側壁上の開封線は、後部壁と90度とは異なる角度を形成し得る。したがって、パッケージの右側壁および左側壁上の開封線のセグメントは、好ましくは、パッケージの底部壁と平行ではない。ヒンジ線の高さは、パッケージの前部壁上の開封線のセグメントの高さとは異なることが好ましい。
【0056】
パッケージが外側ラッパーによって包装され、その後、加熱されてパッケージ上にシールされると、外側ラッパーはパッケージの一体部となり、本発明の容器を形成する。外側ラッパーは、外側ラッパーおよびパッケージの両方を損傷することなく、パッケージから分離することができない。
【0057】
外側ラッパーは、開封線を少なくとも部分的に覆う。外側ラッパーは、開封線を完全に覆うことが好ましい。外側ラッパーは、開封線およびヒンジ線を覆うことが好ましい。したがって、ボックス部分からリッド部分を開封し、パッケージによって画定されるハウジング内に保管される消費財にアクセスするためには、外側ラッパーが少なくとも部分的に開封線を覆うため、外側ラッパーを破断する必要がある。閉位置から開位置へのリッド部分の移動を可能にするために、外側ラッパーを破断する必要がある。開封線は、リッド部分の縁である。
【0058】
第1の虚弱線および外側ラッパーの両方は、好ましくは、容器が開封されたときに引き裂かれるか、または破断される。
【0059】
ボックス部分をリッド部分から分離するために力が加えられる場合、外側ラッパーが破断する可能性が最も高い場所は、開封線の付近である。パッケージは、開封線において開封される。外側ラッパーが破断されると、リッド部分がヒンジ線の周りを回転して移動し、パッケージが開封される。この動きの開始において、リッド部分は、開封線を少なくとも部分的に覆う外側ラッパーを破断する。
【0060】
外側ラッパーは破断するため、容器が製造後に少なくとも一度開封されたという事実を隠すことは不可能である。さらに、外側ラッパーは、パッケージ上に永久的にシールされているため、交換できない。このようにして、本発明による容器を購入するユーザーは、外側ラッパー上に損傷がないことが分かれば、容器が一度も開封されていないことを確信する。その結果、ユーザーは、パッケージ内に挿入された後にその中に存在する消費財を誰も不正開封していないことを確信することができる。
【0061】
以下では、外側ラッパーで包装されたリッド部分は、外側ラッパーを引き裂いた後、すなわち、「第1の開封」後、容器のリッドと呼ばれ、外側ラッパーで包装されたボックス部分は、外側ラッパーを引き裂いた後、すなわち、「第1の開封」後、容器のボックスと呼ばれる。
【0062】
パッケージおよび外側ラッパーを加熱する工程は、圧力を加えながらパッケージおよび外側ラッパーを加熱して、外側ラッパーをパッケージ上にシールすること、を含むことが好ましい。外側ラッパーをパッケージ上に適切にシールするために、第1のポリマー層が第1のセルロース系層上に接着され、それにより、第2のポリマー層がそれ自体の上で外側ラッパーを閉じるように、熱および圧力の両方が加えられることが好ましい。
【0063】
方法は、第1のセルロース系層を折り畳んで、リッド部分およびボックス部分を含むパッケージを形成すること、を含むことが好ましく、ボックス部分およびリッド部分は、開封線によって分割され、リッド部分は、ボックス部分にヒンジ留めされる。方法は、ボックス部分およびリッド部分を外側ラッパーで包装すること、を含むことが好ましく、外側ラッパーは、開封線の少なくとも一部を覆う。リッド部分およびボックス部分を有するパッケージが、好ましくは実現される。リッド部分およびボックス部分は、開封線によって分割される。この構成の利点については、本発明の一態様を参照しながら既に概説しているため、ここでは繰り返さない。
【0064】
開封線は、第1の虚弱線を含むことが好ましい。第1の虚弱線は完全な切断部であってもよい。
【0065】
方法は、開封線を外側ラッパーで完全に覆う工程を含むことが好ましい。外側ラッパーは、そのすべての延長部において開封線を覆う。例えば、開封線は、パッケージの前部壁、および左右側壁上に延びる。したがって、外側ラッパーは、その前部壁、左側壁および右側壁を覆ってパッケージを包装する。外側ラッパーは、パッケージの外表面全体を覆うことが好ましい。得られる容器の構造的一体性の良好な制御が得られる。
【0066】
パッケージを形成する第1のセルロース系層を折り畳む工程は、基部壁および上部壁を画定するパッケージを形成する第1のセルロース系層を折り畳むことを含み、方法は、外側ラッパーでパッケージの周りを包装したときにパッケージの上部壁または基部壁を覆う第2のセルロース系層の外表面の部分上に第2のポリマー層を設ける工程を含むことが好ましい。第2のポリマー層は、上部壁および基部壁でパッケージの周りに折り畳まれたときに、外側ラッパーのフラップを「閉じる」ために主に使用される。第2のセルロース系層の外表面の残りの部分は、第2のセルロース系層が見えるように、第2のポリマー層で覆われないことが好ましい。
【0067】
外側ラッパーを形成する工程は、第3のポリマー層を含む外側ラッパーを形成する工程を含むことが好ましい。第3のポリマー層は、第2のセルロース系層と第1のポリマー層との間に位置することがより好ましい。第3のポリマー層は、水分バリア層であることがなおより好ましい。
【0068】
第3のポリマー層が存在する場合、前記第1のポリマー層がパターンで塗布され、前記第3のポリマー層の表面を部分的にのみ覆ってもよい。
第3のポリマー層が存在するとき、第1のポリマー層は、ポリマー層の表面の30%未満のみを覆ってもよい。
【0069】
本発明の目的のために、防湿バリア層は、ISO 2528:1995またはASTM F3299によって判定する場合に、摂氏38度かつ90パーセントの相対湿度において、24時間あたり60グラム/(平方メートル)以下の水蒸気または湿気透過率(VWTR)を有する層である。本発明の容器の防湿バリア層は、摂氏38度かつ90パーセントの相対湿度において、24時間あたり20グラム/(平方メートル)未満、また、さらに好ましくは10グラム/(平方メートル)未満のWVTRを有することが好ましい。
【0070】
内部容積を画定するパッケージの周りを包装したとき、外側ラッパーは内部容積内の相対湿度を制御してもよい。この目的のために、外側ラッパーに属する第3のポリマー層は、防湿バリア層である。第3のポリマー層は、炭酸カルシウム、カオリン、タルカム、雲母、または他の血小板型ミネラルなどの充填剤を含んでもよい。好ましくは、第3のポリマー層はシール可能ではなく、架橋されてもよく、または架橋剤を含んでもよい。
【0071】
パッケージは開閉できることが好ましい。内部容積内の相対湿度は、所与の所望の範囲内であることが好ましい。望ましい範囲は、内部容積内に保管された消費財にとって最適な相対湿度の範囲である。容器を開封して内部容積内に保存される一つ以上の消費財にアクセスするときに、内部容積の相対湿度が外部環境と平衡し始め、内部容積の相対湿度が所望の範囲から逸脱する場合がある。容器が閉じられている場合、防湿バリア層は、所望の相対湿度を所望の範囲内に戻すのに役立ち得る。これは、開閉後に容器内に一つ以上の消費財が残っている場合に特に有利である。
【0072】
第2のセルロース系層は、内表面および外表面を画定することが好ましい。外側ラッパーを形成する工程は、第2のセルロース系層の内表面を第1のポリマー層で被覆すること、を含むことが好ましい。方法は、第2のセルロース系層の内表面全体を第1のポリマー層で被覆する工程を含むことがより好ましい。多層の様々な層が一体部を形成する多層を形成する、多層を形成するための可能な技術の中で、その確実性、および比較的容易に実行できるために、被覆が好ましい技術である。第1のポリマー層の引張強さに起因して、第1の多層によって形成されたブランクは、従来技術に従って実現される紙巻きたばこ容器のためのブランクよりも、少ないセルロース系材料を含有し得る。
【0073】
第2のセルロース系層を第1のポリマー層を形成する材料で被覆する間に、ピンホールの形成を防止し、被覆された材料の防湿バリア性能またはヒートシール特性に悪影響を及ぼし得るその他の欠陥を防止するために、注意が払われることが好ましい。欠陥の形成は、ポリマーの塗布技術、乾燥条件、および塗布された分散液のレオロジーを注意深く選択することによって最小限に抑えることができる。特に、ロッド被覆、スロットダイ被覆、およびカーテン被覆などの技術は、欠陥が低減された、したがってバリア特性が強化されたポリマー層の調製を可能にする。しかしながら、フレキソ印刷またはグラビア被覆などの印刷技術を使用して、満足のいく被覆を塗布することも可能である。これらの後者の技術の場合、被覆は、第1のポリマー層の所望の厚さに達するまで、複数の層によって塗布されることが好ましい。実際に、印刷の後続の層または工程それぞれは、前の被覆工程の間に残ったピンホールの欠陥を充填することを可能にする。第1のポリマー材料で作製された被覆は、ホットメルト被覆または押出被覆などの当該技術分野で周知の技術を使用して、溶融状態から、例えば紙またはボール紙シートなどの第2のセルロース系層上にキャスティングされてもよい。これらのプロセスの詳細は、例えば、「The Definitive Processing Guide and Handbook」Plastics Design Library Editor, 2014, Pages 551~554(https://doi.org/10.1016/B978-1-4377-3481-2.00047-8)に見出すことができる。
【0074】
別の方法として、外側ラッパーが第3のポリマー層を含むとき、外側ラッパーを形成する工程は、第2のセルロース系層の内表面を第3のポリマー層で被覆することと、第3のポリマー層の内表面を第2のポリマー層で被覆することと、を含む。第3のポリマー層は防湿バリア層であることが好ましい。この層は、第2のセルロース系層と第1のポリマー層との間に位置付けられる。外側ラッパーでパッケージの周りを包装し、熱または圧力またはその両方が加えられると、第1のポリマー層は溶融し、パッケージの外表面に接着する。第3のポリマー層は影響を受けず、防湿バリア特性を提供することが好ましい。2つの異なる層を有することにより、容器の特性が改善される。なぜなら、2つ以上の層を設けることで、第1のポリマー層と第3のポリマー層との間の各層に特殊な組成物を使用して、防湿バリアまたはシール性能またはその両方を向上させることができるからである。
【0075】
外側ラッパーを形成することは、第2セルロース系層の外表面を第2のポリマー層で被覆すること、を含むことが好ましい。このようにして、外側ラッパーの二つの対向する側面上に二つのヒートシール性層が形成される。このようにして、パッケージ上への外側ラッパーのシールが最適化される。第2のポリマー層による第2のセルロース系層の被覆は、第1のポリマー層による第2のセルロース系層の被覆を参照して説明した好ましい特性に従って実施されることが好ましい。
【0076】
方法は、第1のセルロース系層を折り畳んで、リッド部分およびボックス部分を含むパッケージを形成すること、を含むことが好ましく、ボックス部分およびリッド部分は、開封線によって分割され、リッド部分は、ボックス部分にヒンジ留めされる。方法は、ボックス部分およびリッド部分を外側ラッパーで包装すること、を含むことが好ましく、外側ラッパーは、開封線の少なくとも一部を覆う。方法は、開封線を覆う外側ラッパーの一部分上に第2の虚弱線を形成すること、を含むことが好ましい。方法は、第2の虚弱線を引き裂く、または破断することによってリッド部分を開封すること、を含むことがより好ましい。ヒンジ線を中心としてリッド部分を回転させてパッケージを適切に開封して容器内に保管された消費財にアクセスするために、ユーザーが力を加えすぎることなく開封を実施することを可能にする容易な開封を有することが好ましい。さらに、外側ラッパーが開封線の少なくとも一部を覆うという事実に起因して、外側ラッパーを引き裂く、または破断する必要性が幾分制御されることが好ましい。この目的のために、第2の虚弱線が外側ラッパー上に形成される。第2の虚弱線は、外側ラッパーの外表面上に形成されることが好ましい。第2の虚弱線は、開封線の延長部に続くことが好ましい。正面図では、第2の虚弱線は、開封線と同じ高さに位置付けられていることが好ましい。左側面図および右側面図では、第2の虚弱線は、開封線と同じ高さに位置付けられていることが好ましい。このようにして、リッド部分を開封するために容器に力を加えるときに、例えば、リッド部分を、ヒンジ線を中心として回転させることによって、第2の虚弱線において外側ラッパーを破断または引き裂くのに必要な力は、第2の虚弱線が存在しない場合に外側ラッパーを破断または引き裂くのに必要な力よりも小さい。加えて、外側ラッパーは制御された方法で引き裂かれ、または破断し、開封された容器の審美が改善される。
【0077】
開封線は、第1の虚弱線を含むことが好ましい。方法は、開封線および第2の虚弱線を引き裂く、または破断することによってリッド部分を開封すること、を含むことがより好ましい。開封線が第1の虚弱線である場合、同じ動きを用いて、ユーザーは第1の虚弱線および第2の虚弱線の両方を破断または引き裂く。
【0078】
第2の虚弱線は、第2のセルロース系層の任意の適切な部分切断プロセスによって製造され得ることが好ましい(すなわち、切断プロセスは、第2のセルロース系層の厚さの100%未満を切断するか、または切断プロセスは、折り畳まれない状態にあるときに、第2のセルロース系層の幅の100%未満を切断する)。
【0079】
この方法は、第2のセルロース系層に第1のポリマー層または第2のポリマー層を設ける前に、第2のセルロース系層上に第2の虚弱線を形成する工程を含むことが好ましい。第2のセルロース系層の部分切断後、第1のポリマー層および第2のポリマー層が第2のセルロース系層に塗布される。この第2の虚弱線は、好ましくは、外側ラッパーによるパッケージの包装前に外側ラッパー上に作製され得る。第2の虚弱線は、第2のポリマー層または第1のポリマー層によって被覆される前に、第2のセルロース系層上に形成されることが好ましい。別の方法として、第2の虚弱線は、第2のセルロース系層が既に第1のポリマー層によって、または第2のポリマー層(または第3のポリマー層があればその第3のポリマー層)によって、またはその両方によって被覆されている場合、第2のセルロース系層上に形成される。
【0080】
方法は、消費財、または消費財の製造元に関するしるしを第2のポリマー層によっておおわれていない第2のセルロース系層の外表面の部分上に印刷すること、を含むことが好ましい。容器は、外表面を画定することが好ましい。容器の外表面は、第2のセルロース系層の外表面によって-少なくとも部分的に-形成されることが好ましい。容器の外表面は、紙またはボール紙で作製されることが好ましい。したがって、標準的な印刷技術を使用して、この外表面上に任意のしるしを印刷することができる。印刷は簡単には除去できず、長期間にわたって実質的に変化しないままである。これにより、例えば、簡単に除去され得るリスクなしに(外側ラッパーは、シール後にパッケージから取り外せない)、容器上に健康警告を印刷することが可能になる。
【0081】
第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、エチレンのポリマーまたはコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、プロピレンのポリマーまたはコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、スチレンアクリレートのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、スチレンブタジエンのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、スチレンイソプレンのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、水添スチレンブタジエンのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、水添スチレンイソプレンのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、酢酸ビニルのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、ポリブテンのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。
上記で列挙したポリマーまたはコポリマーは、組成物の総重量に対して重量で30パーセントから50パーセントから成ることが好ましい。
【0082】
組成物は、エチレンおよびプロピレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよび1-ブテンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよびイソブチレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよび1-オクテンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよび1-エキセンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよびノルボルネンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよび酢酸ビニルのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよびアクリルエステルまたはメタクリルエステルのポリマー、コポリマーまたはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸のポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、エチレンおよびジシクロペンタジエンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。
【0083】
組成物は、プロピレンおよび1-ブテンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよびイソブチレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよび1-オクテンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよび1-エキセンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよびノルボルネンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよび酢酸ビニルのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよびアクリルエステルまたはメタクリルエステルのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸のポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよびジシクロペンタジエンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。組成物は、プロピレンおよびポリブテンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーを含むことがより好ましい。
【0084】
組成物はワックスをさらに含むことがより好ましい。好ましいワックスは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、または炭化水素系ワックスである。上記に列挙したポリマーまたはコポリマーのうちの一つ以上への一定量のワックスへの添加は、ポリマーまたはコポリマーの透湿性を減少させる。これは、例えばUS 4117199に詳述されている。これらの可能な組成物の例は、例えば、米国特許第2580050号、米国特許第2595911号、米国特許第2945398号、または欧州特許第0688793号に見出し得る。
【0085】
ワックスの含有量は、組成物の総重量に対して、重量で10パーセント~70パーセントから成ることが好ましい。ワックスの含有量は、組成物の総重量に対して、重量で10パーセント~40パーセントから成ることがより好ましい。このようにして、適切な防湿バリア特性が得られ、良好なエマルションが達成される。
【0086】
組成物は、炭化水素樹脂をさらに含むことが好ましい。炭化水素樹脂は水添炭化水素樹脂であることがより好ましい。炭化水素樹脂はポリテルペン樹脂であることがより好ましい。炭化水素樹脂の含有量は、組成物の総重量に対して30重量パーセント~50重量パーセントから成ることが好ましい。
【0087】
炭化水素樹脂は、C5およびC9モノマーのポリマーまたはコポリマー、またはポリテルペン樹脂であること(1997年にWileyによって公開された本、Hydrocarbon Resins,Dr.R.Mildenberg,Dr.M.Zander,Dr.G.Collin,ISBN:9783527286171に記載される通り)が好ましい。
【0088】
炭化水素樹脂は、C5およびC9モノマーの水添ポリマーもしくはコポリマー、または修飾ポリテルペン樹脂であること(1997年にWileyによって公開された本、Hydrocarbon Resins,Dr.R.Mildenberg,Dr.M.Zander,Dr.G.Collin,ISBN:9783527286171に記載されている通り)が好ましい。
【0089】
第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、スチレンブタジエン、炭化水素樹脂、およびワックスのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、スチレンイソプレン、炭化水素樹脂、およびワックスのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、水添スチレンブタジエン、炭化水素樹脂、およびワックスのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、水添スチレンイソプレン、炭化水素樹脂、およびワックスのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、炭化水素樹脂、およびワックスのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。第1のポリマー層を設ける工程、または第2のポリマー層を設ける工程、または第3のポリマー層を設ける工程は、酢酸ビニル、炭化水素樹脂、およびワックスのコポリマーを含む組成物を形成すること、を含むことが好ましい。
組成物はホットメルト組成物であることが好ましい。
【0090】
第2のセルロース系層が、ポリマー層(第1のポリマー層、または第2のポリマー層、または第3のポリマー層のいずれか)によって被覆されている、押出被覆プロセス、またはホットメルト被覆プロセスの場合、第1のポリマー層または第2のポリマー層または第3のポリマー層を形成する材料として、非晶質または低結晶性ポリマーおよびプロピレンのコポリマーなどのポリマー、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、ポリエチレン石膏、ポリプロピレン石膏、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましい。これらの組成物は、対象の温度で所望のヒートシール性を有し、好都合なことに、レオロジー特性、バリア特性、および接着特性を最適化することを可能にする炭化水素樹脂およびワックスなどの成分で好都合に製剤化されてもよい。これらの組成物はまた、溶融状態にあるときに高い流動性を有し得るため好ましい。材料の流動性は、190Cおよび2.16kgの加圧におけるMFI(メルトフローインデックス)で表すことができる(ASTM D1238)。好ましいヒートシール性層(第1のポリマー層および第2のポリマー層として)は、100グラム/分超、より好ましくは500グラム/分超のMFIを有する。MFIは、第1のポリマー層または第2のポリマー層のレオロジーの表示を与えることができる。MFIが高いほど、低いせん断速度での流動性が高い(この場合、せん断速度は、シール中に加えられる圧力にリンクされている)。これは、比較的低い圧力におけるパッケージ上への外側ラッパーの良好なシールを達成するためには、高いMFIが好ましい。加えられる圧力が低いほど、MFIが高いことが好ましい。
【0091】
本明細書で使用されるLDPE、MDPEおよびHDPEの定義は、ASTM D0883-20B(Standard Terminology Relating to Plastics)に従ったものであり、以下の通りである:LDPEの密度は、0.910グラム/立方センチメートル(g/cm3)~0.925グラム/立方センチメートル(g/cm3)から成り、HDPEの密度は、0.941グラム/立方センチメートル(g/cm3)以上であり、MDPEの密度は、0.926グラム/立方センチメートル(g/cm3)~0.940グラム/立方センチメートル(g/cm3)から成る。
【0092】
外側ラッパーは、開封線を覆う外側ラッパーの一部分上に形成される第2の虚弱線を含むことが好ましい。第2の虚弱線は、外側ラッパーの外表面上に形成されることが好ましい。
【0093】
第2のセルロース系層は、第1の厚さを有し、第2の虚弱線は、第1の厚さの80パーセント以下の深さを有するエッチングされた線を含むことが好ましい。第2の虚弱線は、第2のセルロース系層上のみに実現されることが好ましい。第2の虚弱線は、第2のポリマー層または第3のポリマー層上にもエッチングを形成するのに十分な深さではないことが好ましい。第2のポリマー層がヒートシール性特性を有することで、その上に第2の虚弱線が存在しないことにより、熱が加えられたときに略均一なシールを確保することができる。第3のポリマー層が存在する場合、エッチングは、湿気がない交換が可能な領域を生じ得る。第2のセルロース系層の第1の厚さは、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成ることが好ましい。第2の虚弱線の深さは、第1の厚さの少なくとも50パーセントであることが好ましい。第2の虚弱線の深さは、第2のセルロース系層の厚さの50パーセント~80パーセントから成ることが好ましい。このようにして、容器の容易な開封が可能であり、第2のポリマー層の特性は妨げられない。
【0094】
第1の高分子層と第2の高分子層は同一の材料で形成されていることが好ましい。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、同じ物理的および化学的特性を有することが好ましい。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、同一融点を有していることが好ましい。このようにして、一度熱を加えることで、第1のポリマー層および第2のポリマー層の両方が溶融し、パッケージ上の外側ラッパーを閉じる。容器の形成プロセスは単純化されている。
【0095】
第1のセルロース系層は、170グラム/平方メートル(gsm)~270グラム/平方メートル(gsm)から成る坪量を有することが好ましい。第1のセルロース系層の平方メートル当たりの重量は、第2のセルロース系層の平方メートル当たりの重量よりも大きいことが好ましい。第1のセルロース系層は、当技術分野で公知の紙巻きたばこの標準的なパッケージを形成するために使用されるセルロース層と同等またはそれよりも低い、平方メートル当たりの重量を有する。本発明による容器の剛性および機械的特性は、当技術分野で公知の紙巻きたばこパッケージの剛性および機械的特性と類似することが好ましい。平方メートル当たりの低い重量に起因する剛性の「損失」は、第1のポリマー層の存在によって補償される。
第1のポリマー層の厚さは、15マイクロメートル未満、より好ましくは10マイクロメートル未満であることが好ましい。
【0096】
第2のセルロース系層は、40グラム/平方メートル~70グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。外側ラッパーに含まれる第2のセルロース系層は、容器に構造安定性を与える必要がないため、比較的軽量であることが好ましい。
【0097】
第1のポリマー層は、4グラム/平方メートル~15グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。
第3のポリマー層は、5グラム/平方メートル~10グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。
第2のポリマー層は、3グラム/平方メートル~15グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。
ポリマー層は、所望のヒートシール性または防水バリア特性を達成するのに十分な重量を有するように選択される。
【0098】
第1のポリマー層または第2のポリマー層は、示差走査熱量測定(DSC)に従って測定された摂氏120度未満の融点を有することが好ましい。ヒートシール性層(複数可)は、示差走査熱量測定(DSC)に従って測定された摂氏100度未満の融点を有することが好ましい。ヒートシール性層は、示差走査熱量測定(DSC)に従って測定された摂氏80度未満の融点を有することがより好ましい。特許請求された範囲における温度は、容器を損傷することなく、容器を形成する材料との最適なシールを得ることを可能にする。
【0099】
第3のポリマー層は、第1のポリマー層および第2のポリマー層の融解温度よりも高い示差走査熱量測定(DSC)に従って測定される融点を有することが好ましい。
防湿バリア層の機能を有する第3のポリマー層は、ヒートシール性層の機能を有する第1のポリマー層および第2のポリマー層よりも高い融点を有するように配合されることが好ましい。第3のポリマー層は、包装するプロセスで使用する温度および圧力の範囲で熱可塑性挙動を示さないことが好ましい。第3のポリマー層および第1のポリマー層(第2のポリマー層)を形成するための組成物の調製のための成分は、同じ系列に属してもよいが、特定の成分/グレードの選択は、互いの層に対してより低いまたはより高い融点が決定されることがある。より一般的には、特定の原料またはグレードを選択することで、特定の温度で流動性のある材料または流動性がない材料を作ることができる。特定の圧力および温度での流動性の概念は、特に、非晶質コポリマーに基づく組成物、またはDSCによって測定された際に複数の融点を呈する組成物に関連する。
【0100】
一例として、パラフィンワックスは、摂氏60度の融点を有するもの、または摂氏100度を超える融点を有するものから選択することができる。2つのパラフィンワックスのうちの一方または他方を組成物に添加することにより、組成物全体の融点が変化する。
【0101】
同様に、水添スチレンエチレンブチレンコポリマー(SEBS-完全に非晶質であり、したがって、決まった融点を示さない)は、分子量(最も高い流動性が低いほど)に基づいて選択して、特定の温度および圧力で熱可塑性/流動性のある配合、または熱可塑性/流動性のない配合で設計してもよい。
【0102】
第3のポリマー層の組成は、層が、包装するプロセスに必要な温度または圧力では熱可塑性/流動性がなく、よってプロセス自体の間、その一体性を維持するような組成である。このようにして、第1のポリマー層および第2のポリマー層がシール/包装プロセス中に損傷されたとしても、より耐性を有する第3のポリマー層は、より高い融点を有することによって、または包装/接着プロセス温度(複数可)で無視できる程度の流動性を示すことによって、ほとんど影響を受けない。
【0103】
外側ラッパーは、金属化層を含むことが好ましい。例えば、予め被覆されたセルロース系層は、金属化紙であってもよい。本発明の目的のために、セルロース系層は、一つ以上のポリマー層を塗布する前に金属化されてもよい。金属化層は、結果として得られる容器のバリア性能を強化することを目的としたバリア層であってもよい。金属化層を有する外側ラッパー、または金属化外側ラッパーを設けることによって、外側ラッパーのバリア特徴が改善され得る。金属化外側ラッパーは、酸素または水分などの気体または蒸気に対する浸透性が著しく低いため、容器内に収容された消費財をさらに保護し得る。金属化は、後に、また、装飾目的で使用することができる。
外側ラッパーを設ける工程は、金属化層を第2のセルロース系層に塗布すること、を含むことが好ましい。
【0104】
金属化層は、第2のセルロース系層の内表面上にあってもよい。別の方法として、金属化層は、第2のセルロース系層の外表面上にあってもよい。金属化層が第2のセルロース系層の外表面上にある場合、金属化層は、外側ラッパーにより魅力的な外観を付与することができる。
金属化層は、アルミニウム層であることが好ましい。しかしながら、金属化層は、任意の適切な金属を含む層であってもよい。
金属化層は、第2のセルロース系層と第1のポリマー層との間にあることが好ましい。
【0105】
第1のポリマー層は、金属化層の内表面の少なくとも50パーセント上にあってもよく、第1のポリマー層は金属化層の内表面の少なくとも80パーセント上にあることが好ましく、第1のポリマー層は金属化層の内表面全体上にあることがより好ましい。
【0106】
金属化層は、少なくとも10ナノメートルの厚さを有してもよく、金属化層は、少なくとも15ナノメートルの厚さを有することが好ましい。
金属化層は、高真空下で物理蒸着(PVD)技術を使用して蒸着されてもよい。
【0107】
プライマー層は、第2のセルロース系層と金属化層との間にあってもよい。プライマー層は、第2のセルロース系層の表面を平滑化し、金属化層の蒸着に好適な固定層を提供することができる。
【0108】
保護層で、金属化層を覆ってもよい。保護層は、容器の取り扱いおよび形成中に起こりうる損傷から金属化層を保護しうる。保護層は、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸の重縮合物などの適切なポリエステル樹脂、およびエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4プロパンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオールなどの一種以上のジオールの溶液または分散液を塗布することによって製造することができる。保護層はまた、少なくとも二種の二塩基酸またはそのメチルエステルモノマーと、金属層に対する溶解性および接着性に優れたポリマーを得ることができる少なくとも一種以上のグリコールとの混合物から製造することもできる。トップコーティングの製造に適したその他の適切な組成物は、酢酸セルロースまたはプロピオン酸セルロースなどのポリマーの溶液、エチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸などの様々なオレフィンのコポリマーの分散液、水添炭化水素樹脂の溶液または分散液を含む。
【0109】
本発明により実現された容器には、たばこを燃焼するのではなく、例えば電気熱源または炭素熱源によって加熱することに依存する細長いエアロゾル発生物品(例えば、紙巻たばこ、葉巻たばこ、シガリロまたはその他のエアロゾル発生器など)用の容器としての特定の用途がある。当然のことながら、その寸法を適切に選択することによって、本発明による容器は、異なる数の従来サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリムまたはスーパースリムのエアロゾル発生物品用に設計されてもよい。別の方法として、その他の消費財を容器内に収容してもよい。
【0110】
例えば、寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、合計十個~三十個のエアロゾル発生物品を保持するように設計されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の合計数に応じて、異なる並べ方で配設されてもよい。
【0111】
本発明により形成される容器は、長軸方向の直角の縁および横断方向の直角の縁を有する直方体の形状であってもよい。別の方法として、容器は、一つ以上の長軸方向の丸み付きの縁、横断方向の丸み付きの縁、長軸方向の面取り付きの縁、または横断方向の面取り付きの縁、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、容器は、例えば、多角形(三角形または六角形など)、半楕円形、または半円形といった、非長方形の横断断面を有してもよい。
【0112】
典型的には、容器の外部寸法は容器内部に収容されるエアロゾル発生物品の束(複数可)の寸法よりも約0.5mm~約5mm大きい。
【0113】
本発明による容器の高さは約60mm~約150mmであることが好ましく、高さは約70mm~約125mmであることがより好ましく、高さは、容器の底部壁から上部壁まで測定される。本発明による容器の幅は約12mm~約150mmであることが好ましく、幅が約70mm~約125mmであることがより好ましく、幅は、容器の一方の側壁から他方の側壁までを測定したものである。
【0114】
本発明による容器の奥行きは約6mm~約150mmであることが好ましく、奥行きが約12mm~約25mmであることがより好ましく、奥行きは、容器の前部壁から後部壁までを測定したものである(ボックスとリッドの間のヒンジを含む)。
【0115】
容器の高さ対容器の奥行きの比は、約0.3対1~約10対1であることが好ましく、約2対1~約8対1であることがより好ましく、約3対1~5対1であることが最も好ましい。
容器の幅に対する容器の奥行きの比は、約0.3対1~約10対1であることが好ましく、約2対1~約8対1であることがより好ましく、約2対1~3対1であることが最も好ましい。
【0116】
容器がエアロゾル発生物品を含む場合、容器は、廃棄物用(例えば、灰や吸い殻用)の区画、またはその他の消費財(例えば、マッチ、ライター、消火手段、口臭消臭剤もしくは電子部品など)をさらに備えてもよい。その他の消費財は、容器の外側に取り付けられてもよく、容器内にエアロゾル発生物品とともに容器の別の区画内に収容されてもよく、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0117】
「内表面」という用語は本明細書全体を通して、容器が閉位置にあるときに、その容器の内部の方(例えば、消費財の方)を向いている、組み立てられた容器の構成要素の表面を指すために使用される。「外表面」という用語は本明細書全体を通して、容器の外部の方を向いている容器の構成要素の表面を指すために使用される。例えば、容器の前部壁は、容器および消費財の内側を向いている内表面と、消費財に背いている外表面とを有する。注目すべきは、内表面または外表面が容器の組立に使用されるブランクの一定の側に必ずしも相当しないことである。消費財の周りにブランクがどのように折り畳まれるかに依存して、ブランクの同一の側にある区域は、容器の内側を向く可能性も外側を向く可能性もある。
【0118】
本明細書で使用される「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、「上部」、「底部」および「側部」という用語は、容器が直立の位置にあり、容器のアクセス開口部が容器の上部にあるときの、本発明による容器の一部分とその構成要素の相対的な位置を指す。本発明による容器を説明するとき、説明されている容器の向きに関係なく、これらの用語が使用される。外側ヒンジリッド容器の後部壁は、ヒンジ線を含む壁である。
【0119】
「幅」という用語は、横断方向に測定した、ブランクのパネル、または容器の壁などの要素の寸法を説明するために使用される。
【0120】
「パネル」という用語は、組み立てられた容器の壁を形成するために使用されるブランクの一部分に言及するために本明細書を通して使用される。パネルは、一つ以上の折り目に沿って一つ以上の他のパネルに従属してもよい。
【0121】
「折り目」という用語は、二つの隣接するパネルの間の折り畳みを指す。容器を形成するとき、隣接するパネルは、その共通の折り目に沿って折り畳まれ、これは容器の、または容器の部分の縁を画定しうる。
【0122】
組み立てられた容器では、「壁」は一つのまたは幾つかの重なり合うパネルで形成され得る。幾つかの重なり合うパネルがある場合、これらは、例えば接着剤によって互いに取り付けられうる。さらに、壁は二つ以上の当接しているまたは重なっているパネルで形成されてもよい。
【0123】
「高さ」という用語は、要素の幅に直角を成す方向に測定される、一つのこうした要素の寸法を説明するために使用される。ブランクの要素を説明するときは概して、ブランクの平坦な状態での要素について説明される。
【0124】
本明細書で使用される「厚さ」という用語は、シート状ブランクまたはシートブランクの層の二つの対向する表面の間で測定した最小距離を指す。実際には、所与の位置の距離は、対向する面に対して局所的に直角を成す方向に沿って測定される。
層の「厚さ」は一般に、層(平坦な断面)全体で実質的に一定である。
【0125】
しかし、シート状ブランクの部分が例えば、エンボス加工、デボス加工、虚弱化などが施されている場合には、局所的な変動があってもよい。
【0126】
「ヒンジ線」という用語は、ヒンジ・リッドハウジングを開封するために、それを中心にリッドが旋回し得る線を指す。ヒンジ線は、例えば容器の後部壁を形成するパネル内の折り目またはスコアラインであってもよい。
【0127】
「虚弱線」という用語は本明細書において、容器またはパッケージ(または容器またはパッケージを形成するブランク)の表面の一部分であって、それから容器またはパッケージ(またはブランク)が形成される材料の構造強度が、例えば虚弱線に沿った曲げ、折り畳み、または引き裂きに関して任意の適切な技法によって弱化されている部分を説明するために使用される。例えば、虚弱線は、スコアライン、筋付け線、切除線、または穿孔線として形成されてもよい。虚弱線は、材料を除去することによって、材料を変位させることによって、材料を圧縮することによって、材料を一緒に保持する力を局所的に低減することによって(例えば、繊維質材料内の繊維を破断することによって)、また上記すべての組み合わせによって作り出すことができる。虚弱線は、直線、曲線、断片的もしくは連続的な線、またはそれらの組み合わせであってもよい。数多くの例において、虚弱線は、ブランク内での折り目の位置付けを助けるために使用される。虚弱線はまた、例えば圧縮によって、虚弱線と直角を成す方向に材料を強化するためにも使用されうる。さらに、虚弱線は装飾目的で使用できる。
【0128】
「スコアライン」という用語は、ブランクの材料に部分的に切り込みを入れることによって形成される線を説明するために使用される。スコアラインは、ブランクから材料を除去することによって形成されてもよい(その場合、スコアラインはブランク内の溝または谷を形成する)。別の方法として、スコアラインはブランクからの任意の材料を除去することなく形成されてもよく、これには部分的な側方向の変位と材料の圧縮が典型的に伴い、厚さがゼロではないナイフが材料を貫通することによって引き起こされる。スコアラインの深さはブランクの厚さより小さくなる。
【0129】
「筋付け線」という用語は、材料の一部分をブランクの平面に対して垂直に変位することによって形成され、ブランクに溝または谷を形成する線を説明するために使用される。変位は圧縮を伴う場合があり、ローラーなどの圧縮ツールの使用を典型的に伴う。別の方法として、または追加的に、筋付け線内の材料は、ブランクの反対側から少なくとも部分的に突き出るように変位されてもよい。一般的に、筋付け線が形成されるときに、材料は除去されない。
【0130】
「切除線」という用語は、ブランクの表面から、切除によって所定の深さだけ材料を除去することによって(例えば、レーザービームまたはブレードによって)形成される線を説明するために使用される。
【0131】
「穿孔線」という用語は、ブランク内の個別の孔またはスロットの線または配列を説明するために使用される。穴は、ブランクを通して物体を押すことによって形成されてもよい。これは、例えばパンチングによってブランクから取り除かれている材料を結果的にもたらす場合がある。別の方法として、穴は材料を除去することなく、その代わりに単に物体を使用して穴の中心から外向きに材料を押すことによって作り出される可能性がある。別の代替の方法として、穴はレーザービームによって形成されてもよい。
【0132】
「折り目」という用語は、それを中心としてブランクが折り畳まれるブランクの任意の線を説明するために使用される。折り目は、折り畳み作用を支援するための虚弱線によって画定されてもよい。別の方法として、例えばブランク材料およびその他の材料の曲がりやすさの特徴に応じて、虚弱線の存在なしに折り畳みを形成することができる。
【0133】
本発明のフレームワークにおいて、紙は、水中でセルロース繊維を機械的および/または化学的に加工することによって製造される材料のシートである。セルロース繊維は、木材、ラグ、草、またはその他の植物源に由来し得る。次いで、水は、例えば、微細なメッシュを通して排出され、繊維を表面上に均等に分布させ、その後、加圧および乾燥する。紙のシートはまた、パルプに加えて、充填剤および添加剤を含んでもよい。使用されるパルプは、漂白または無漂白とすることができ、様々なプロセスから得られる。とりわけ、適切なパルプの種類は、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、亜硫酸パルプまたは他の化学パルプ、機械パルプ、熱機械パルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、または他のタイプの機械パルプであり、再生紙パルプも使用することができる。本発明の目的のためには、熱機械パルプ、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、化学パルプ、またはそれらのブレンドが好ましい。
【0134】
本明細書で使用される場合、エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体が加熱されたときに吸入可能なエアロゾルを生成する任意の物品である。この用語は、電気発熱体などの外部熱源によって加熱されるエアロゾル形成基体を備える物品を含む。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体の燃焼を用いずに揮発性化合物を放出する物品である、不燃性エアロゾル形成物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品である、加熱式エアロゾル形成物品であってもよい。この用語は、エアロゾル形成基体と、一体型の熱源(例えば、可燃性熱源)と、を備える物品を含む。
【0135】
本発明によるエアロゾル形成物品は、フィルター付き可燃性紙巻たばこ、またはたばこ材料が燃焼して煙を形成するその他の喫煙物品の形態であってもよい。
【0136】
エアロゾル形成物品は、好ましくは実質的に円筒形の形状でありうる。エアロゾル形成物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成物品は、約30ミリメートル~約100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル形成物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。
【0137】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0138】
実施例1:消費財のための容器の作製方法であって、
-第1のセルロース系層を折り畳んでパッケージを形成することであって、パッケージが前記消費財用のハウジングを画定する、折り畳むことと、
-外側ラッパーを形成することであって、外側ラッパーが、内側領域を画定する内表面および外側領域を画定する外表面を有する第2のセルロース系層と、内側表面上に設けた第1のポリマー層と、外表面の30パーセント未満上に設けた第2のポリマー層と、を含み、
-第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層である、形成することと、
-パッケージを外側ラッパーで包装することであって、第1のポリマー層が第2のセルロース系層の内側上に設けられるように行われる、包装することと、
-パッケージおよび外側ラッパーを加熱して、外側ラッパーをパッケージ上にシールして容器を形成することと、を含む、方法。
【0139】
実施例2:パッケージおよび外側ラッパーを加熱することは、
-圧力を加えながらパッケージおよび外側ラッパーを加熱して、外側ラッパーをパッケージ上にシールすること、を含む、実施例1に記載の方法。
【0140】
実施例3:
-第1のセルロース系層を折り畳んで、リッド部分およびボックス部分を含むパッケージを形成することであって、ボックス部分およびリッド部分は、開封線によって分割され、リッド部分は、ボックス部分にヒンジ留めされる、折り畳むことと、
-ボックス部分およびリッド部分を外側ラッパーで包装することであって、外側ラッパーは、開封線を少なくとも部分的に覆う、包装することと、を含む実施例1または実施例2に記載の方法。
【0141】
実施例4:開封線は、第1の虚弱線を含む、実施例3に記載の方法。
【0142】
実施例5:-開封線を外側ラッパーで完全に覆う工程を含む、
実施例3または4に記載の方法。
【0143】
実施例6:パッケージを形成する第1のセルロース系層を折り畳む工程が、基部壁および上部壁を画定するパッケージを形成する第1のセルロース系層を折り畳むことを含み、方法が、
-外側ラッパーでパッケージの周りを包装したときに、パッケージの上部壁または基部壁を覆う第2のセルロース系層の外表面の部分上に第2のポリマー層を設ける工程を含む、先行する実施例1~実施例5の一つ以上に記載の方法。
【0144】
実施例7:外側ラッパーを形成する工程が、
-第2のセルロース系層の内表面を第1のポリマー層で被覆すること、を含む、先行する実施例1~実施例6の一つ以上に記載の方法。
【0145】
実施例8:外側ラッパーを形成する工程は、第3のポリマー層を設ける工程を含む、実施例1~実施例6のうちの一つ以上に記載の方法。
【0146】
実施例9:第3のポリマー層が、第2のセルロース系層と第1のポリマー層との間に位置する、実施例8に記載の方法。
【0147】
実施例10:第3のポリマー層が防湿バリア層である、実施例8または実施例9に記載の方法。
【0148】
実施例11:
-第2のセルロース系層の内表面を第3のポリマー層で被覆することと、
-第3のポリマー層の内表面を第2のポリマー層で被覆することと、を含む、実施例8~実施例10のいずれかに記載の方法。
【0149】
実施例12:外表面を形成する工程が、
-第2のセルロース系層の外表面を第2のポリマー層で被覆すること、を含む、先行する実施例1~実施例11の一つ以上に記載の方法。
【0150】
実施例13:
-第1のセルロース系層を折り畳んで、リッド部分およびボックス部分を含むパッケージを形成することであって、ボックス部分およびリッド部分は、開封線によって分割され、リッド部分は、ボックス部分にヒンジ留めされる、折り畳むことと、
-ボックス部分およびリッド部分を外側ラッパーで包装することであって、外側ラッパーは、開封線を少なくとも部分的に覆う、包装することと、
-開封線を覆う外側ラッパーの一部分上に第2の虚弱線を形成することと、を含む、先行する実施例1~実施例12のうちの一つ以上に記載の方法。
【0151】
実施例14:
-第2の虚弱線を引き裂く、または破断することによって、リッド部分を開封すること、を含む、実施例13に記載の方法。
【0152】
実施例15:
-第1の虚弱線および第2の虚弱線を引き裂く、または破断することによって、リッド部分を開封すること、を含む、実施例14および実施例4に記載の方法。
【0153】
実施例16:第2の虚弱線を形成することが、
-第2のセルロース系層に第1のポリマー層または第2のポリマー層を設ける前に、第2のセルロース系層上に第2の虚弱線を形成すること、を含む、実施例13~実施例15の一つ以上に記載の方法。
【0154】
実施例17:
-消費財または消費財の製造元に関するしるしを、第2のセルロース系層によって被覆されていない第2のセルロース系層の外表面の部分上に印刷すること、を含む、先行する請求項のうちの一項以上に記載の方法。
【0155】
実施例18:第1のポリマー層を設けること、または第2のポリマー層を設けること、または第3のポリマー層を設けることが、
・エチレンのポリマーまたはコポリマー、
・プロピレンのポリマーまたはコポリマー、
・スチレンアクリレートのコポリマー、
・スチレンブタジエンのコポリマー、
・スチレンイソプレンのコポリマー、
・水添スチレンブタジエンのコポリマー、
・水添スチレンイソプレンのコポリマー、
・アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのコポリマー、
・酢酸ビニルのコポリマーのうちの一つ以上を含む組成物を形成すること、を含む、先行する実施例1~実施例17のうちの一つ以上に記載の方法。
【0156】
実施例19:組成物が、エチレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーおよび、
・プロピレン、
・1-ブテン、
・イソブチレン、
・1-オクテン、
・1-エキセン、
・ノルボルネン、
・酢酸ビニル、
・アクリルエステルまたはメタクリルエステル、
・アクリル酸またはメタクリル酸、および、
・ジシクロペンタジエンから選ばれた一つを含む、実施例18に記載の方法。
【0157】
実施例20:組成物が、プロピレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマー、および、
・エチレン、
・1-ブテン、
・イソブチレン、
・1-オクテン、
・1-エキセン、
・ノルボルネン、
・酢酸ビニル
・アクリルエステルまたはメタクリルエステル、
・アクリル酸またはメタクリル酸、および、
・ジシクロペンタジエンから選ばれた一つを含む、実施例18に記載の方法。
【0158】
実施例21:組成物がワックスをさらに含む、実施例18~実施例20の一つに記載の方法。
【0159】
実施例22:ワックスが、
・パラフィンワックス、
・ポリエチレンワックス、
・微結晶ワックス、
・ポリプロピレンワックスのうちの一つ以上を含む実施例21に記載の方法。
【0160】
実施例23:組成物が
・炭化水素樹脂をさらに含む、実施例18~実施例22のうちの一つ以上に記載の方法。
【0161】
実施例24:炭化水素樹脂が、
・水添炭化水素樹脂、
・ポリテルペン樹脂のうちの一つ以上を含む実施例23に記載の方法。
【0162】
実施例25:組成物がホットメルト組成物である、実施例18~実施例25のうちの一つ以上に記載の方法。
【0163】
実施例26:消費財のための容器であって、
-ボックス部分およびリッド部分を含むパッケージであって、パッケージが、消費財のためのハウジングを画定し、リッド部分が、ヒンジ線によってボックス部分にヒンジ留めされ、開封線が、ボックス部分およびリッド部分をヒンジ線の外側で分離し、ボックス部分およびリッド部分が、第1のセルロース系層を含む第1の多層ブランクを折りたたむことによって形成されている、パッケージと、
-パッケージ上に巻かれ、且つシールされ、開封線を少なくとも部分的に覆う、外側ラッパーであって、
・内表面および外表面を有する第2のセルロース系層と、
・第2のセルロース系層の内表面上に設けられた第1のポリマー層と、
・第2のセルロース系層の外表面の30パーセント未満上に設けられた第2のポリマー層と、を含む外側ラッパーと、を含み、
-第1のポリマー層および第2のポリマー層は、ヒートシール性層である、容器。
【0164】
実施例27:開封線は、第1の虚弱線を含む、実施例26に記載の容器。
【0165】
実施例28:外側ラッパーは、第3のポリマー層を含む、実施例26または実施例27に記載の容器。
【0166】
実施例29:第3のポリマー層が、第2のセルロース系層と第1のポリマー系層との間に位置する、実施例28に記載の容器。
【0167】
実施例30:第3のポリマー層は、防湿バリア層である、実施例28または実施例29に記載の容器。
【0168】
実施例31:外側ラッパーは、開封線を覆う外側ラッパーの一部分上に形成された第2の虚弱線を含む、実施例27に記載の容器。
【0169】
実施例32:パッケージが、基部壁および上部壁を含み、第2のポリマー層が、基部壁または上部壁を覆う第2のセルロース系層の外表面の部分の上に提供される、請求項実施例26~実施例31のうちの一つ以上に記載の容器。
【0170】
実施例33:第2のセルロース系層は、第1の厚さを有し、第2の虚弱線は、第1の厚さの80パーセント以下の深さを有するエッチングされた線を含む、実施例31に記載の容器。
【0171】
実施例34:第1のポリマー層、または第2のポリマー層、または第3のポリマー層が
・エチレンのポリマーまたはコポリマー、
・プロピレンのポリマーまたはコポリマー、
・スチレンアクリレートのコポリマー、
・スチレンブタジエンのコポリマー、
・スチレンイソプレンのコポリマー、
・水添スチレンブタジエンのコポリマー、
・水添スチレンイソプレンのコポリマー、
・アクリル酸またはメタクリル酸のエステルのコポリマー、
・酢酸ビニルのコポリマー、のうちの一つ以上を含む組成物を含む、実施例26~実施例33のうちの一つ以上に記載の容器。
【0172】
実施例35:組成物が、エチレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーと、
・プロピレン、
・1-ブテン、
・イソブチレン、
・1-オクテン、
・1-エキセン、
・ノルボルネン、
・酢酸ビニル
・アクリルエステルまたはメタクリルエステル、
・アクリル酸またはメタクリル酸、および、
・ジシクロペンタジエンから選ばれた一つを含む、実施例34に記載の容器。
【0173】
実施例36:組成物が、プロピレンのポリマー、コポリマー、またはオモポリマーと、
・エチレン、
・1-ブテン、
・イソブチレン、
・1-オクテン、
・1-エキセン、
・ノルボルネン、
・酢酸ビニル
・アクリルエステルまたはメタクリルエステル、
・アクリル酸またはメタクリル酸、および、
・ジシクロペンタジエンから選ばれた一つを含む、実施例35に記載の容器。
【0174】
実施例37:組成物がワックスをさらに含む、実施例34~実施例36の一つに記載の容器。
【0175】
実施例38:ワックスが、
・パラフィンワックス、
・ポリエチレンワックス、
・微結晶ワックス、
・ポリプロピレンワックスのうちの一つ以上を含む、実施例37に記載の容器。
【0176】
実施例39:組成物が、
・炭化水素樹脂をさらに含む、実施例34~実施例38のうちの一つ以上に記載の容器。
【0177】
実施例40:炭化水素樹脂が、
・水添炭化水素樹脂、
・ポリテルペン樹脂のうちの一つ以上を含む、実施例39に記載の容器。
【0178】
実施例41:重量で、ワックスの含有量は、組成物の総重量に対して10パーセント~70パーセントから成る、実施例37もしくは実施例38に記載の容器または実施例21~実施例22に記載の方法。
【0179】
実施例42:重量で、ワックスの含有量は、組成物の総重量に対して10パーセント~40パーセントから成る、実施例37もしくは実施例38に記載の容器または実施例21もしくは実施例22に記載の方法。
【0180】
実施例43:重量で、炭化水素樹脂の含有量は、組成物の総重量に対して30パーセント~50パーセントから成る、実施例39もしくは実施例40に記載の容器、または実施例23もしくは実施例24に記載の方法。
【0181】
実施例44:重量で、一つ以上のポリマーまたはコポリマーの含有量は、組成物の総重量に対して30パーセント~50パーセントから成る、実施例34~実施例43の一つ以上に記載の容器、または実施例18~実施例24もしくは実施例41~実施例43のうち一つ以上に記載の方法。
【0182】
実施例45:第1のセルロース系層は、170グラム/平方メートル~270グラム/平方メートルから成る坪量を有する、実施例1~実施例25、もしくは実施例41~実施例44のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例44のうちの一つ以上に記載の容器。
【0183】
実施例46:第2のセルロース系層は、40グラム/平方メートル~70グラム/平方メートルから成る坪量を有する、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例45のうちの一つに記載の方法または実施例26~実施例45のうちの一つ以上に記載の容器。
【0184】
実施例47:第1のポリマー層は、4グラム/平方メートル~15グラム/平方メートルから成る坪量を有する、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例46のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例46のうちの一つ以上に記載の容器。
【0185】
実施例48:第2のポリマー層は、3グラム/平方メートル~15グラム/平方メートルから成る坪量を有する、実施例1~25もしくは実施例41~実施例47のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例47のうちの一つ以上に記載の容器。
【0186】
実施例49:第3のポリマー層は、5グラム/平方メートル~10グラム/平方メートルから成る坪量を有する、実施例1~25もしくは実施例41~実施例48のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例48のうちの一つ以上に記載の容器。
【0187】
実施例50:第1のセルロース系層は、170マイクロメートル~400マイクロメートルから成るの厚さを有する、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例49のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例49のうちの一つ以上に記載の容器。
【0188】
実施例51:第2のセルロース系層は、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成る厚さを有する、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例50のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例50のうちの一つ以上に記載の容器。
【0189】
実施例52:第1のポリマー層または第2のポリマー層は、示差走査熱量測定法(DSC)に従って測定された摂氏120度未満の融点を有する、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例51のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例51のうちの一つ以上に記載の容器。
【0190】
実施例53:第3のポリマー層は、第1のポリマー層および第2のポリマー層を結合するために使用する温度および圧力にて熱可塑性挙動を示さない、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例52に記載の方法、または実施例26~実施例52のうちの一つ以上に記載の容器。
【0191】
実施例54:第3のポリマー層が、第1のポリマー層および第2のポリマー層の融解温度よりも高い示差走査熱量測定(DSC)に従って測定される融点を有する、実施例1~実施例25もしくは実施例41~実施例53のうちの一つ以上に記載の方法、または実施例26~実施例53のうちの一つ以上に記載の容器。
【0192】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0193】
図1は、本発明によって実現した容器で使用するパッケージ10を示す。パッケージ10は、直方体の形状を有し、ボックス部分14およびリッド部分16を含む。平行六面体は、後部壁21、前部壁22、左側壁23、右側壁24、底部壁25、および上部壁26を画定する。
【0194】
パッケージは、パッケージ10の第1の右角27および第2の右角28をさらに備える。第1の右角27は後部壁21と右側壁24との間に形成され、第2の右角28は前部壁22と右側壁24との間に形成される。パッケージ10はまた、後部壁21と左側壁23との間に形成された第1の左角29と、前部壁22と左側壁23との間に形成された第2の左角51とを備える(図14では、角29が視認できる)。
【0195】
リッド部分16は、平行六面体の後部壁を横切って延びるヒンジ線17の周りにヒンジ留めされている。さらに、パッケージ10は、例えば、エアロゾル発生物品(図面には示されていない)の群を収容するハウジングまたは内部容積を画定する。パッケージ10が閉じているとき、リッド部分16およびボックス部分14は、リッド部分とボックス部分との間の分離線である開封線19を画定する。開封線19は、ヒンジ線17の幾何学的連続である。開封線19は、左側壁23、右側壁24、および前部壁22上に形成される。
【0196】
開封線19は、切断部などの第1の虚弱線であり、これによってパッケージ10を直ちに開封することができ、または穿孔することができ、従って開封線が破断19されない限りパッケージ10を開封することができない。
【0197】
パッケージ10は、図2および3に示すシートブランク100から形成される。図3の側面図に示すように、シートブランク100は、セルロース系材料を含む第1のセルロース系層30を含む。シート状ブランクは、セルロース系材料の第1のシート30から成ることがより好ましい。より詳細には、第1のセルロース系層30は、紙ベース材料のシートから形成される。第1のセルロース系層30は、170gsm~270gsmから成る坪量を有することが好ましい。第1のセルロース系層の厚さは、170マイクロメートル~400マイクロメートルから成ることが好ましい。
【0198】
シート状ブランク100は、当分野で周知のように折り畳まれてパッケージ10を形成する。任意の幾何学的形状のパッケージが可能である。
【0199】
シートブランク100を適切に折り畳むことによって形成されたパッケージ10は、次に、例えば、エアロゾル発生物品を収容するために消費財(図示せず)を収容する容器1(図17に示す)を形成するために、外側ラッパーを使用して包装される。
【0200】
外側ラッパーは、図4図9に示すシートブランク101から形成される。図5に示す第1の実施形態では、シートブランク101は、第2のセルロース系材料を含む第2のセルロース系層40と、両方がヒートシール特性および防湿バリア特性を有する第1のポリマー層41および第2のポリマー層42と、を含む。第2のセルロース層40は、内表面44および外表面45を有する。第1のポリマー層41は、図4に示すように、第2のセルロース系層40の内表面44を完全に覆う。第2のポリマー層42は、第2のセルロース系層の外表面45の一つ以上の部分を覆う。第2のポリマー層が蒸着される部分によって覆われた面積は、外表面45の総面積の30パーセント未満である。
【0201】
より詳細には、第2のセルロース系層40は、紙ベース材料のシートから形成される。第2のセルロース系層40は、40gsm~70gsmから成る坪量を有することが好ましい。第2のポリマー層42は、3gsm~15gsmから成る重量を有することが好ましい。第1のポリマー層は、4gsm~15gsmから成る重量を有することが好ましい。第2のセルロース系層40の厚さは、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成ることが好ましい。
【0202】
図6に示す異なる実施形態では、外側ラッパーを形成するシートブランク101’は、第3のポリマー層43を含む。第3のポリマー層43は、防湿バリア層である。第3のポリマー層は、第2のセルロース系層40の内表面44と第1のポリマー層41との間に位置することが好ましい。第3のポリマー層43は、5グラム/平方メートル~10グラム/平方メートルから成る坪量を有することが好ましい。
【0203】
図5および図6の両方の実施形態では、第2のポリマー層42は、好ましいパターンに従って、第2のセルロース系層40の外表面45の一つ以上の部分を覆っている。これらのパターンの可能な実施形態を図7~9に示す。第2のポリマー層は、外側ラッパーでパッケージ10の周りを包装したときに、パッケージの上部壁26または底部壁25の部分に対応する外表面の部分を覆うことが好ましい。図7図9では、第2のポリマー層によって覆われた領域は灰色の領域である。視認できるように、これらの領域は、折り畳まれたときにパッケージ10の上部壁または底部壁を覆うブランク101、101’の部分に位置する。
【0204】
容器1を形成するために、図10図17に示すように、ブランクシート101によって形成される外側ラッパーでパッケージ10の周りが包装される。
【0205】
まず、ブランクシート101または101’上に、第2の虚弱線48が形成される。図15図17で視認できるように、第2の虚弱線48は、ブランクシート101、101’でパッケージ10の周りを包装したときに、第2の虚弱線48が開封線19と合致するように、ブランクシート101、101’上に形成される。
【0206】
第2の虚弱線48は、シール性層および防湿バリア層を損傷することなく、厚さにわたる第2のセルロース系層40のレーザースコアリングプロセスまたは部分機械切断を用いて製造されてもよい。
【0207】
第2の虚弱線48は、第2のセルロース系層40上に形成される。スコアリングは、容器1の外表面となる第2のセルロース系層40の外表面45上で行われる。スコアリングの深さは、第3のポリマー層43の防湿バリア特性または第1のポリマー系層41のヒートシール性に影響を与えないように制御される。第2の虚弱線48は、第2のポリマー層42によって覆われた外表面45の領域では実現されない。
【0208】
レーザープロセスおよび機械プロセスの両方のスコアリング公差、および良好な機能性(開封し易さ)を有することを考慮すると、スコアリングの深さは、好ましくは、第2のセルロース系層40の厚さの50パーセント~80パーセントである。レーザースコアリングのために、1000ワットのCO2レーザーを使用してもよい。レーザーのビーム制御は、スキャナを介して行われてもよい。プロセスは、200メートル/分の速度のリール・ツー・リールであってもよい。
【0209】
機械的スコアリングの場合、回転切断ユニットが使用されてもよい。動作は、切断ユニットのナイフとブラインドカウンターローラーとの間に第2のセルロース系層を挿入して実施される。ナイフとカウンターローラーの間の距離は、基体に応じて15マイクロメートル~30マイクロメートルである。
【0210】
図10~19ではブランク101のみが示されているが、同じプロセスがブランク101’に適用される。
【0211】
外側ラッパーのシートブランク101、101’は、パッケージ10の右側壁24と当接される(図10を参照)。シートブランク101、101’は、第1のポリマー層41が右側壁24において第1のポリマー層40と接触するように位置付けられる。したがって、第1のポリマー層41は、外側ラッパーの内側層であり、第2のセルロース系層40は、外側ラッパーの外側層である。
【0212】
図18の拡大図(図10に示す円形で囲んだ特徴部に相当)は、ブランク101をパッケージ10に塗布して、ブランクをパッケージと接触させる方法を示す。シートブランク101にパッケージ10の第1および第2の右角27、28の位置に対応する2本の折り目102、103が形成される。これを図11に示す。次に、シートブランク101を、図19図11に示す円形部に相当)の入口における矢印によって示される側壁24に対して圧縮する。
【0213】
次に、ブランクシート101を、パッケージ10の前部壁22および後部壁21が外側ラッパーとも接触するように、二つの折り目102、103で折り畳む。これを図12に示す。
【0214】
次に、パッケージ10は、好ましくは、包装を容易にするために再配され、例えば、左側壁23は、図13に示すように上向きに面してもよい。
【0215】
次いで、シートブランク101に、第1の左角29および第2の左角51の位置に対応する二つの追加的な折り目、折り目104、105が形成される。次に、シートブランク101が二本の折り目104、105で折り畳まれ、シートブランクの二つの対向するフラップが左側壁23上で重複する。これを図14に示す。このようにして、シートブランク101のパネルが、パッケージ10の左側壁23、右側壁24、前部壁22および後部壁21上に形成される。このようにして、開封線19全体およびヒンジ線17は、外側ラッパーによって覆われる。
【0216】
次に、パッケージ10および外側ラッパーは、好ましくは、図15に示すように、前部壁22が上向きに面するように、再配向される。
【0217】
次に、シートブランク101が、パッケージ10の上部壁26および底部壁25を覆うために、公知の方法(封筒折り」と呼ばれる)で折り畳まれる。これを図16および17に示す。図17では、パッケージ10全体が外側ラッパーによって覆われており、これはパッケージ10の各壁上にパネルを形成する。第2の虚弱線48は、その下に位置する開封線19に一致して位置する。
【0218】
外側ラッパーをパッケージ10に固定して接合するために、熱および圧力が加えられる。例えば、摂氏110度の温度、および1ニュートン/平方センチメートル(N/cm2)の圧力が、100ミリ秒の間加えられる。これらの条件は、満足のいくシールおよび高い接着性を提供する。
【0219】
実施例1 外側ラッパー
シートブランク101の第1の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
第1のポリマー層を形成する組成物は、
18重量パーセントの酢酸ビニルコモノマー含有量および190℃で500グラム/分を超えるMFI(メルトフローインデックス)を有する、重量が2.16kg(SKポリマー製のEVATANE 18~550)の、40重量パーセントのエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
35.6重量パーセントのC9水添炭化水素樹脂(Novares Pure 1120、レインカーボン製)と、
20重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
4重量パーセントの微結晶性PEワックス(Sonneborn製のMultiwax 180-MH)と、
0.4重量パーセントのペンタエリスリトールテトラキス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)、例えば、Irganox 1010(BASF製、CAS番号6683-19-8)と、を含む。この物質は、処理中のホットメルト組成物の望ましくない分解/酸化を防止する。
この組成物を、170℃の温度で、シグマブレードミキサー内で調製した。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で11グラム/m2/日の透湿性を有する。
【0220】
実施例2 外側ラッパー
シートブランク101の第2の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
第1のポリマー層を形成する組成物は、
40重量パーセントの低分子量ポリエチレン樹脂(Westlake製のEpolene C-15)であって、このポリマーは、4000グラム/分を超えるMFI(メルトフローインデックス)を有する、低分子量ポリエチレン樹脂と、
25.8重量パーセントのC9水添炭化水素樹脂(Novares Pure 1120、レインカーボン製)と、
17重量パーセントのスチレン修飾ポリテルペン樹脂(Kraton製のSylvares 6100)と、15重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
2重量パーセントの微結晶性PEワックス(Sonneborn製のMultiwax 180-MH)と、
0.2重量パーセントのIrganox 1010(BASF製)と、を含む。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で8グラム/m2/日の透湿性を有する。
【0221】
実施例3 外側ラッパー
シートブランク101の第3の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
39.9重量パーセントのポリオレフィンエラストマー(Dow Inc.製のAffinity GA1900)と、
30重量パーセントのC9水添炭化水素樹脂(Rain Carbon製のNovares Pure 1120)と、
20重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
10重量パーセントのフィッシャー・トロップシュワックス(シェル製のGTL Sarawax SX 105)と、
0.1重量パーセントのIrganox 1010(BASF製)である。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で4グラム/m2/日の透湿性を有する。
【0222】
実施例4 外側ラッパー
シートブランク101の第4の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
第1のポリマー層を形成する組成物は、
結晶化度が低い40重量パーセントのエチレンプロピレンコポリマーの(Exxon製のVistamaxx 8880)と、
25.8重量パーセントのC9水添炭化水素樹脂(Novares Pure 1120、レインカーボン製)と、
17重量パーセントのスチレン修飾ポリテルペン樹脂(Kraton製のSylvares 6100)と、15重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
2重量パーセントの微結晶性PEワックス(Sonneborn製のMultiwax 180-MH)と、
0.2重量パーセントのIrganox 1010(BASF製)と、を含む。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で6.5グラム/m2/日の透湿性を有する。
この組成物は、低分子量ポリエチレンが低結晶化度を有するエチレンプロピレン共重合体(Exxon製のVistamaxx 8880)で置き換えられる、実施例2の組成物と類似している。この組成物は、低温で粘着性および柔軟性が向上している。
【0223】
実施例5 外側ラッパー
シートブランク101の第5の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
第1のポリマー層を形成する組成物は、
エチレンとオクテンとのメタロセン触媒重合から得られた40重量パーセントの低結晶性樹脂(Dow Chemical Company製のAffinity GA1900)と、
25.8重量パーセントのC9水添炭化水素樹脂(Novares Pure 1120、レインカーボン製)と、
17重量パーセントのスチレン修飾ポリテルペン樹脂(Kraton製のSylvares 6100)と、15重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
2重量パーセントの微結晶性PEワックス(Sonneborn製のMultiwax 180-MH)と、
0.2重量パーセントのIrganox 1010(BASF製)と、を含む。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で12グラム/m2/日の透湿性を有する。
この組成物は、低分子量ポリエチレンがエチレンとオクテンのメタロセン触媒重合から得られた低結晶性樹脂で置き換えられた実施例2の組成物と類似している(Dow Chemical CompanyのAffinity GA1900)。この組成物は、柔軟性が向上している。
【0224】
実施例6 外側ラッパー
シートブランク101の第6の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
第1のポリマー層を形成する組成物は、
40重量パーセントの非晶質ポリプロピレン系ポリマー(Eastoflex E1060、Eastman製)と、
25.8重量パーセントのC9水添炭化水素樹脂(Novares Pure 1120、レインカーボン製)と、
17重量パーセントのスチレン修飾ポリテルペン樹脂(Kraton製のSylvares 6100)と、15重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
2重量パーセントの微結晶性PEワックス(Sonneborn製のMultiwax 180-MH)と、
0.2重量パーセントのIrganox 1010(BASF製)と、を含む。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で16グラム/m2/日の透湿性を有する。
この組成物は、低分子量ポリエチレンが非晶質ポリプロピレン系ポリマー(Eastoflex E1060、Eastman製)で置き換えられた、実施例2の組成物と類似している。この組成物は、低温で粘着性が向上している。
【0225】
実施例7 外側ラッパー
シートブランク101の第7の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
第1のポリマー層を形成する組成物は、
20重量パーセントのスチレンイソプレンコポリマー(Kraton D1111 K、Kraton製)と、
40重量パーセントの水添炭化水素樹脂(Eastotac(商標)H-130、Eastman製)と、20重量パーセントのポリテルペン樹脂(Piccolyte S125、DRT製)と、
19.5重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
0.5重量パーセントのIrganox 1010と、を含む。
この組成物は、粘着性が向上している。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で20グラム/m2/日の透湿性を有する。
【0226】
実施例8 外側ラッパー
シートブランク101の第8の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
20重量パーセントのスチレンイソプレンコポリマー(Kraton D1111 K、Kraton製)、
20重量パーセントの非晶質ポリプロピレン系ポリマー(Eastoflex E1060、Eastman製)、
20重量パーセントの低粘度粘着性炭化水素樹脂(Exxon Mobil Chemical製のEscorez 5690)、
20重量パーセントの水添炭化水素樹脂(Eastotac(商標登録)H-130、Eastman製)、
16.5重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製Parvan 1470)、
3重量パーセントの微結晶性PEワックス(Sonneborn製のMultiwax 180-MH)、
0.5重量パーセントのIrganox 1010である。
組成物は高い粘着性を示す。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で13グラム/m2/日の透湿性を有する。
【0227】
実施例9 外側ラッパー
シートブランク101の第9の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
20重量パーセントの水添エチレンノルボルネンポリマー(TOPAS 8007F-600、Topas製)と、
40重量パーセントの水添炭化水素樹脂(Eastotac(商標登録)H-130、Eastman製)と、
20重量パーセントの非晶質ポリプロピレン系ポリマー(Eastoflex E1060、Eastman製)と、
19.9重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
0.1パーセントのIrganox 1010である。
この組成物は、低粘着性および高粘度を示す。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で5グラム/m2/日の透湿性を有する。
【0228】
実施例10 外側ラッパー
シートブランク101の第10の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、スロットダイまたはカーテン被覆プロセスを使用して第1のポリマー層(15グラム/平方メートル)で被覆されている。本技術により、繊維系基材上に均一で薄く、欠陥のない層を都合よく塗布することができる。
第1のポリマー層の組成は以下の通りである。
10重量パーセントのスチレンエチレンブチレンコポリマー(Kraton G1657、Kraton製)と、
エチレンとオクテンとのメタロセン触媒重合から得られた10重量パーセントの低結晶性樹脂(Dow Chemical CompanyのAffinity EG8200G)と、
39.9重量パーセントの水添炭化水素樹脂(Eastman製のRegalite R1125)と、
51℃~54℃から成る融点を有する20重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1270)と、
62℃~65℃から成る融点を有する20重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)と、
0.1重量パーセントのIrganox 1010である。
この組成物は、紙に対して高い粘着性および高い粘度を示す。
結果として得られる被覆されたボール紙(シート状ブランク101)は、38℃および90%RH(ISO 2528:1995によって決定される)で8グラム/m2/日の透湿性を有する。
実施例1~実施例10による被覆された多層材料は、第2のポリマー層(ヒートシール性層)で外表面上に被覆されている。第2のポリマー層は、エチレン酢酸ビニル系ホットメルトシーラントを含む。第2のポリマー層は、図7のパターンに従って蒸着されている。第2のポリマー層の組成物は、実施例1に記載される第1のポリマー層の組成物と同一である。
【0229】
実施例11 外側ラッパー
シートブランク101’の第1の実施形態を説明する。
第2のセルロース系層40は、50グラム/平方メートルの紙である。
紙の内表面全体は、被覆プロセスを使用して第3のポリマー層(10グラム/平方メートル)で被覆される。
第3のポリマー層(防湿バリア層)の組成は以下の通りである。
40重量パーセントの高密度ポリエチレンワックス(三井のExcerex 40800)と、
30重量パーセントの水添炭化水素樹脂(Eastotac(商標)H-130、Eastman製)と、
20重量パーセントの低結晶性エチレンプロピレンコポリマー(Exxon製のVistamaxx 8880)と、
9.9重量パーセントのパラフィンワックス(Exxon Mobil製のParvan 1470)、
BASF製の0.1重量パーセントのIrganox 1010とである。
この“中間”材料は、8グラム/m2/日の浸透性を示し、100℃未満の粘着性または熱可塑性挙動を示さなかった。
上記の材料は、実施例1に記載されたものと同じ組成を持つ6gsmの第1のポリマー層で被覆された。この第1のポリマー層は、カーテンコーティングによって塗布されている。さらに、材料に、図7のパターンに従って第2のポリマー層を設けた。第2のポリマー層の組成物は、実施例1の第1のポリマー層について詳述される組成物である。
多層ブランク101’の最終透湿性は、6グラム/m2/日である。
【0230】
比較例
以下で、下記の容器の性能を比較する比較実施例を作製した:
比較容器(BOPPフィルム):ラッカー加工された180~270gsmのボール紙で形成され、16マイクロメートルのBOPPフィルムで包装した20本の紙巻きたばこヒンジリッドパッケージ。この容器Aは、図20の実線で表されている。
本発明の容器(紙バリア):シートブランク100で作製され、ヒンジリッドパッケージを有する20本の紙巻きたばこパッケージを準備した。このブランク100は、240gsm(厚さ298ミクロン)の漂白セルロースパルプ(SBS)ボール紙(商標Invercote L PM、IGGESUND PAPERBOARD AB製)で作製される。次に、ヒンジリッドは、実施例3に従って実現されたシートブランク101で包装される。この容器は、図20では破線で表される。
容器BOPPおよび本発明の容器は、気候室内に置き、極端な環境条件をシミュレートし、オーブン揮発法により湿気の取り込みまたは損失をモニタリングした。
図20のグラフは、本発明による容器が、BOPPフィルム内に包装された比較容器と同様の湿気の取り込みまたは損失を有することを示す。
オーブン揮発(図面中のOV)を、方法:DETERMINATION OF MOISTURE CONTENT (OVEN VOLATILES) OF TOBACCO AND TOBACCO PRODUCTS, CORESTA Recommended Method No. 76 (2017年7月に出版 https://www.coresta.org/sites/default/files/technical_documents/main/CRM_76-July2017に従って測定した。
結果を図14および図15に示す。
図20では、条件「ジャングル」が適用される。容器BOPPおよび本発明の容器は、摂氏32度の温度および85パーセントの相対湿度に維持される。容器BOPP本発明の容器は、実線および破線によって示されるように、非常に類似した挙動を有する、すなわち、オーブン揮発が90日以内でゆっくりと増大する。
---
【0231】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、数量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。従って、この文脈において、数字AはA±10パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが表す特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10.18】
図11.19】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図20
【国際調査報告】