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特表2024-5268641,3-シクロペンタンジオール製造用触媒、これを用いた1,3-シクロペンタンジオールの製造方法、およびこれによって製造された1,3-シクロペンタンジオール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒、これを用いた1,3-シクロペンタンジオールの製造方法、およびこれによって製造された1,3-シクロペンタンジオール
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/46 20060101AFI20240711BHJP
   B01J 35/37 20240101ALI20240711BHJP
   B01J 35/60 20240101ALI20240711BHJP
   B01J 35/63 20240101ALI20240711BHJP
   B01J 23/02 20060101ALI20240711BHJP
   C07C 29/145 20060101ALI20240711BHJP
   C07C 35/06 20060101ALI20240711BHJP
   C07C 45/59 20060101ALI20240711BHJP
   C07C 49/707 20060101ALI20240711BHJP
   C07C 29/17 20060101ALN20240711BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240711BHJP
【FI】
B01J23/46 301Z
B01J35/37
B01J35/60 A
B01J35/63
B01J23/02 Z
C07C29/145 CSP
C07C35/06
C07C45/59
C07C49/707
C07C29/17
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503449
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2022010093
(87)【国際公開番号】W WO2023008778
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0100038
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミ
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ミ ヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ダ キョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,キ ヒョン
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA03
4G169AA11
4G169AA14
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA02A
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4G169BB04B
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4G169BC09B
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4G169BC70B
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4G169BC75A
4G169BD12A
4G169BE08A
4G169BE22A
4G169BE37A
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4H006AC28
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4H039CB10
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4H039CH60
(57)【要約】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(4-hydroxy-2-cyclopentenone)を水添反応させて1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)を製造するための触媒であって、α-Alを含む担体、および前記担体に担持された活性金属を含む、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(4-hydroxy-2-cyclopentenone)を水添反応させて1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)を製造するための触媒であって、
α-Alを含む担体、および
前記担体に担持された活性金属を含む、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項2】
前記α-Alは、アンモニア昇温脱離法で測定時、酸点が10mmol/g以下である、請求項1に記載の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項3】
前記α-Alは、
比表面積(BET)が0.1m/g~50.0m/gであり、
細孔容積(pore volume)が0.10ml/g~0.85ml/gであり、
側面粉砕強度が20N/粒子~200N/粒子である、請求項1に記載の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項4】
前記担体は、前記α-Al、および
結晶性シリカアルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカアルミナ、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項5】
前記担体は、前記担体全体の重量に対して、
前記α-Alを65重量%~99.9重量%、および
前記結晶性シリカアルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカアルミナ、またはこれらの組み合わせを0.1重量%~35重量%で含む、請求項4に記載の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項6】
前記活性金属は、Pt、Pd、Ru、Ir、Ni、Co、Cu、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項7】
前記触媒は、前記触媒全体の重量に対して前記活性金属を0.1重量%~10重量%で含む、請求項1に記載の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒。
【請求項8】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを触媒の存在下で水添反応させて1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階を含み、
前記触媒はα-Alを含む担体、および
前記担体に担持された活性金属を含む、1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項9】
前記1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、前記4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを有機溶媒に溶解した溶液に前記触媒を添加して行われる、請求項8に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項10】
前記4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンは、前記溶液全体の重量に対して0.01重量%~50重量%で含まれる、請求項9に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒としては、2-メチルテトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項12】
前記1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、前記4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン100重量部に対して、前記触媒を0.05重量部~0.3重量部で添加する、請求項8に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項13】
前記1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、水素雰囲気で70℃~200℃の温度、および10bar~70barの圧力下で行われる、請求項8に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項14】
前記1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は10分間~2時間行われる、請求項8に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項15】
前記1,3-シクロペンタンジオールの製造方法は、前記1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階の前に、フルフリルアルコール水溶液に触媒を添加して4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造する段階をさらに含む、請求項8に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項16】
前記フルフリルアルコールは、バイオマス由来化合物である、請求項15に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項17】
前記触媒としては、酸化カルシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、パラトルエンスルホン酸、塩化第一錫、硫酸第一錫、酸化第一錫、酸化第二錫、オクチル酸第一錫、テトラフェニルスズ、錫粉、四塩化チタン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項18】
前記4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造する段階は、前記フルフリルアルコール100重量部に対して前記触媒を0.1重量部~10重量部で添加する、請求項15に記載の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法。
【請求項19】
請求項8~18のいずれか一項に記載の方法で製造される、1,3-シクロペンタンジオール。
【請求項20】
前記1,3-シクロペンタンジオールはシクロペンタノン(cyclopentanone)、シクロペンタノール(cyclopentanol)、1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)、またはこれらの組み合わせを含む副産物の含有量が1重量%以下である、請求項19に記載の1,3-シクロペンタンジオール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒、これを用いた1,3-シクロペンタンジオールの製造方法、およびこれにより製造された1,3-シクロペンタンジオールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポリカーボネート、ポリエステルなどの高分子は石油資源から誘導される原料を使用して製造される。しかし、近来、石油資源の枯渇が心配されており、植物などのバイオマス資源から得られる原料を使用した高分子樹脂の提供が求められているのが実情である。
【0003】
また、二酸化炭素排出量の増加および蓄積による地球温暖化が気候変動などを引き起こすことが心配されている観点からも、製造工程中に炭素排出が極めて少ない植物由来モノマーを原料とする高分子の開発が要求されている。
【0004】
フルフラール(furfural)は、トウモロコシの穂軸、燕麦、ふすま、米ぬか、バガス、およびおがくずなどの植物材料から抽出した有機化合物である。つまり、フルフラールはバイオマスを基盤とする化学物質で、フルフラールから1,3-シクロペンタンジオールを製造することができる。
【0005】
バイオマス由来のフルフラールから1,3-シクロペンタンジオールは、下記反応式1により3つの段階から製造することができる。
【0006】
【化1】
【0007】
反応式1中、2段階の反応物である4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(4-hydroxy-2-cyclopentenone)は水素添加反応により中間体(intermediate)である3-ヒドロキシシクロペンタノン(3-hydroxycyclopentanone)が形成され、3-ヒドロキシシクロペンタノンは水素添加反応により1,3-シクロペンタンジオールを形成することができる。
【0008】
しかし、従来の1,3-シクロペンタンジオールの製造方法は、2段階および3段階で使用する触媒の種類が異なり、反応条件が複雑で、反応時間が長くかかるという問題がある。また、中間体の生成によって1,3-シクロペンタンジオールの収率が非常に低いという問題がある。
【0009】
したがって、この問題を解決することができる1,3-シクロペンタンジオールの製造方法が必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2015-0067788号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、表面に酸点が少なく、水添反応中の副産物の発生が少なく、1,3-シクロペンタンジオール選択度に優れ、成形性に優れ、工程的に使用が容易な1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(4-hydroxy-2-cyclopentenone)を水添反応させて1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)を製造するための触媒であって、α-Alを含む担体、および担体に担持された活性金属を含む1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒が提供される。
【0013】
α-Alはアンモニア昇温脱離法で測定時の酸点が10mmol/g以下であり得る。
【0014】
α-Alは、比表面積(BET)が0.1m/g~50.0m/gであり、細孔容積(pore volume)が0.10ml/g~0.85ml/gであり、側面粉砕強度が20N/粒子~200N/粒子であり得る。
【0015】
担体は、α-Al、および結晶性シリカアルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカアルミナ、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0016】
担体は、担体全体の重量に対してα-Alを65重量%~99.9重量%、および結晶性シリカアルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカアルミナ、またはこれらの組み合わせを0.1重量%~35重量%で含むことができる。
【0017】
活性金属としてはPt、Pd、Ru、Ir、Ni、Co、Cu、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0018】
触媒は、触媒全体の重量に対して活性金属を0.1重量%~10重量%で含むことができる。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを触媒の存在下で水添反応させて1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階を含み、触媒はα-Alを含む担体、および担体に担持された活性金属を含むことができる。
【0020】
1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを有機溶媒に溶解した溶液に触媒を添加して行うことができる。
【0021】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンは、溶液全体の重量に対して0.01重量%~50重量%で含まれ得る。
【0022】
有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン100重量部に対して触媒を0.05重量部~0.3重量部で添加することができる。
【0024】
1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、水素雰囲気で70℃~200℃の温度、および10bar~70barの圧力下で行うことができる。
【0025】
1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、10分間~2時間行うことができる。
【0026】
1,3-シクロペンタンジオールの製造方法は、1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階の前に、フルフリルアルコール水溶液に触媒を添加して4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造する段階をさらに含むことができる。
【0027】
フルフリルアルコールは、バイオマス由来化合物であり得る。
【0028】
触媒としては、酸化カルシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、パラトルエンスルホン酸、塩化第一錫、硫酸第一錫、酸化第一錫、酸化第二錫、オクチル酸第一錫、テトラフェニルスズ、錫粉、四塩化チタン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0029】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造する段階は、フルフリルアルコール100重量部に対して触媒を0.1重量部~10重量部で添加することができる。
【0030】
本発明の他の実施形態によれば、上記方法で製造される1,3-シクロペンタンジオールを提供する。
【0031】
1,3-シクロペンタンジオールは、シクロペンタノン(cyclopentanone)、シクロペンタノール(cyclopentanol)、1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)、またはこれらの組み合わせを含む副産物の含有量が1重量%以下であり得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は、表面に酸点が少なく、水添反応中の副産物の発生が少なく、1,3-シクロペンタンジオール選択度に優れ、成形性に優れ、工程的に使用が容易である。
【0033】
また、本発明の1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は、中間体である3-ヒドロキシシクロペンタノンを形成させず、製造段階を減らすことができ、製造工程を単純化させることができ、反応時間を減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下で説明する技術の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になる。しかし、具現される形態は、以下で開示される実施形態に限定されるものではないといえる。他の定義がなければ、本明細書で使用される全ての用語(技術および科学的用語を含む)は、当該技術分野で通常の知識を有する者に共通的に理解され得る意味として使用され得る。また、一般に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
【0035】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、単数型は文句で特に言及しない限り、複数型も含む。
【0036】
本発明の一実施形態による1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒はα-Alを含む担体、および担体に担持された活性金属を含む。
【0037】
1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(4-hydroxy-2-cyclopentenone)を水添反応させて1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)を生成する。
【0038】
【化2】
【0039】
つまり、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は、α-Alを含む担体、および担体に担持された活性金属を含むことで、中間体である3-ヒドロキシシクロペンタノンの形成なしに4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンから直接1,3-シクロペンタンジオールを製造することができる。
【0040】
また、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は、担体として表面に酸点が少ないα-Alを含むことで、水添反応中の副産物が少なく、1,3-シクロペンタンジオール選択度に優れる。
【0041】
一例として、α-Alは、アンモニア昇温脱離法(NH-TPD)で測定時の酸点が10mmol/g以下であり、例えば、0.1mmol/g以下であり、または0.001~10mmol/gであり得る。
【0042】
アンモニア昇温脱離法(NH-TPD)は、塩基性であるアンモニアを100℃で等温吸着した後、一定の昇温速度(例えば、10℃/min)で昇温しながら脱離するアンモニア分子を測定して酸点の量を測定する方法である。
【0043】
また、担体としてα-Alを含む場合、成形性に優れ、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は工程的に使用が容易である。反面、炭素(C)担体を使用する場合、触媒活性は良好であるが、工程的に成形することが難しく、主に粉末形態で使用される。α-Alは環型、球型、カラム型、多孔質カラム型などの当該分野で通常の形態に成形することができる。
【0044】
α-Alは、比表面積(BET)が0.1m/g~50.0m/gであり得る。α-Alの比表面積は、国際規格ISO-9277に準拠して窒素物理吸着を利用するBET法によって測定することができる。例えば、α-Alの比表面積の測定のために窒素物理吸着装置(Quantachrome、NOVA2000e)が用いられる。α-Alの比表面積(BET)が0.1m/g未満の場合、金属担持が容易ではなく、50.0m/gを超える場合、空気中の水分吸着が容易になり、担持された金属の活性が低下することがある。
【0045】
α-Alは、細孔容積(pore volume)が0.10ml/g~0.85ml/gであり得る。α-Alの細孔容積は、例えば、窒素物理吸着を利用するBET法によって測定することができる。α-Alの細孔容積が0.10ml/g未満の場合、金属担持が容易ではなく、0.85ml/gを超える場合、空気中の水分吸着が容易になり、担持された金属の活性が低下することがある。
【0046】
α-Alは、側面粉砕強度が20N/粒子~200N/粒子であり得る。α-Alの側面粉砕強度が20N/粒子未満の場合、工程的に触媒耐久性が弱くなり、200N/粒子を超える場合、触媒の製造にあたって成形が容易ではない。α-Alの側面粉砕強度は、例えば、大連化学工業研究および設計協会(Dalian Chemical Industrial Research and Design Institute)によって製造されたDLII知能型粒子強度試験装置を用いて測定することができる。サンプルとして担体粒子30個を無作為に選択し、それらの側面粉砕強度を測定することができる。平均値を計算することで、担体の側面粉砕強度を得ることができる。
【0047】
α-Alは、1次粒子径が0.01μm~100μmであり、例えば、0.1μm~20μm、0.5μm~10μm、または1μm~5μmであり得る。α-Alは、2次粒子径が0.1μm~1000μmであり、例えば、1μm~500μm、10μm~200μm、30μm~100μmであり得る。
【0048】
担体は、α-Al、および結晶性シリカアルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカアルミナ、またはこれらの組み合わせを含むことができる。この場合、担体はα-Alを主成分として含むことができる。例えば、担体は、担体全体の重量に対して、α-Alを65重量%~99.9重量%、および結晶性シリカアルミナ、非晶質シリカ、非晶質シリカアルミナ、またはこれらの組み合わせを0.1重量%~35重量%で含むことができる。
【0049】
担体は、結晶性シリカアルミナをさらに含み得る。担体に結晶性シリカアルミナを含む方法としては、担体の製造時にアルミノケイ酸塩を原料として添加して焼成する方法が挙げられる。また、他の方法として、予め焼成されたアルミノケイ酸塩鉱物(結晶性シリカアルミナ)を担体の原料として添加することもできる。
【0050】
担体中の結晶性シリカアルミナの含有量は、担体の全体重量に対して0.01重量%~15重量%であり、例えば、0.1重量%~13重量%、または5.0重量%~10重量%であり得る。
【0051】
また、担体は、非晶質シリカまたは非晶質シリカアルミナのうちの少なくとも1つをさらに含み得る。担体に非晶質シリカまたは非晶質シリカアルミナを含む方法としては、担体の製造時にこれらの成分を原料として添加して焼成する方法が挙げられる。
【0052】
担体中の非晶質シリカの含有量は、担体の全体重量に対して0.01重量%~10重量%であり、例えば、0.1重量%~5重量%、または0.2重量%~3重量%であり得る。また、担体中の非晶質シリカアルミナの含有量は、担体の全体重量に対して0.01重量%~10重量%であり、例えば、0.1重量%~5重量%、または0.2重量%~3重量%であり得る。
【0053】
活性金属は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを水添反応させて1,3-シクロペンタンジオールの製造時に生成物の収率の向上に寄与する活性を有し、担体に担持される成分である。
【0054】
活性金属としては、Pt、Pd、Ru、Ir、Ni、Co、Cu、またはこれらの組み合わせを含むことができ、特にRuを含むことができる。活性金属としてRuを含む場合、中間体である3-ヒドロキシシクロペンタノンの形成をさらに減らすことができ、1,3-シクロペンタンジオールの収率がさらに増加する。
【0055】
一例として、Ruは表面酸化層が除去されたルテニウムであり得る。表面酸化層が除去されたルテニウムは、表面に酸化層が除去された純粋な(pure)ルテニウムを意味する。
【0056】
一般に、ルテニウムの周りは自然酸化層(native oxide layer)で囲まれており、反応を阻害し得る。ルテニウム触媒を水素ガス存在下で熱処理すると、周りに存在する酸化層を除去することができる。熱処理は、200℃以上の温度で2時間以上行うことができるが、これに限定されない。
【0057】
熱処理により表面酸化層が除去されたルテニウムを含む触媒を添加すると、1,3-シクロペンタンジオール形成工程でルテニウム表面に水素ガス(H、H-H group)および二重結合を有するアルケン炭化水素が形成される。ルテニウム表面に形成された水素がアルケン炭化水素と反応してアルケン炭化水素は飽和炭化水素となる。
【0058】
表面酸化層が除去されたルテニウム触媒表面に飽和炭化水素が生成される工程と4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンで1,3-シクロペンタンジオールが製造される工程が同時に起こる。これにより、中間体である3-ヒドロキシシクロペンタノンの形成なしに一段階(one step)で1,3-シクロペンタンジオールを製造することができる。
【0059】
もし、1,3-シクロペンタンジオールの製造で表面酸化層を除去しないルテニウムを用いると、触媒の周りの酸化層の反応の阻害によって中間体が形成され、収率が40%未満であるが、表面酸化層が除去されたルテニウム触媒を用いると、中間体が形成されないため1,3-シクロペンタンジオールの収率が45%以上に増加し得る。
【0060】
飽和炭化水素およびアルケン炭化水素の炭素数は2~10、好ましくは2~5であり得るが、これに限定されない。
【0061】
触媒は、触媒全体の重量に対して活性金属を0.1重量%~10重量%で含むことができ、例えば、0.5重量%~5重量%、または0.5重量%超5重量%以下を含むことができる。活性金属の含有量が0.1重量%未満の場合、反応活性が非常に低くなり、10重量%を超える場合、活性金属の分散度が顕著に低くなり、反応活性が低くなる。
【0062】
他の実施形態による1,3-シクロペンタンジオールの製造方法は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを触媒の存在下で水添反応させて1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階を含む。
【0063】
このとき、使用される触媒は、α-Alを含む担体、および担体に担持された活性金属を含む1,3-シクロペンタンジオールの製造方法であり、上述の通りであるので反復的な説明は省略する。
【0064】
一例として、1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを有機溶媒に溶解した溶液に触媒を添加して行うことができる。
【0065】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンは、溶液全体の重量に対して0.01重量%~50重量%で含まれる。4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンの含有量が0.01重量%未満の場合、過剰反応による開環現象または副反応が発生することがあり、50重量%を超える場合、活性低下および反応中の4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンの自発重合が起こる可能性がある。
【0066】
有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、またはこれらの組み合わせを含むことができ、例えば、2-メチルテトラヒドロフランを含むことができる。
【0067】
触媒は4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン100重量部に対して0.05重量部~0.3重量部で添加することができ、例えば、0.1重量部~0.2重量部で添加することができる。触媒の添加量が0.05重量部未満であるとアルケン炭化水素の二重結合が反応せず、飽和炭化水素が形成されないことがあり、0.3重量部を超えて添加すると未反応触媒が多いため経済的損失が発生することがあり、過剰反応によるシクロペンタンの開環(Ring open)現象または副反応が起きることができる。
【0068】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンの水素添加反応により1,3-シクロペンタンジオールが生成されるため、1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は水素(H)雰囲気で行うことができる。
【0069】
また、1,3-シクロペンタンジオールを製造する段階は、水素雰囲気で70℃~200℃の温度および10bar~70barの圧力で10分間~2時間の間反応を行うことができ、例えば、100℃~150℃の温度および30bar~50barの圧力で30分間~1時間の間反応を行うことができる。
【0070】
反応温度が70℃未満であると反応は起こらず、200℃を超えるとシクロペンタンの開環(Ring open)現象または副反応が起こる可能性がある。また、反応圧力が30bar未満であるか、反応時間が30分未満であると活性金属表面のH-H groupが不足して反応が起こらず、70barを超えるとシクロペンタンの開環(Ring open)現象が起こる。また、反応時間が2時間を超えると、それ以上の反応が行われないため経済的ではない。
【0071】
また、1,3-シクロペンタンジオールの製造方法は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンに触媒を添加する前に、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンの水分を除去する段階をさらに含むことができる。
【0072】
水分の除去は、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンにMgSOを添加して行うことができる。
【0073】
水分を除去することで1,3-シクロペンタンジオールをモノマーとして使用して高分子化する場合、高分子の重合率を制御することができる。
【0074】
1,3-シクロペンタンジオールの製造方法は副反応が起こる可能性があり、副反応においてシクロペンタノン(cyclopentanone)、シクロペンタノール(cyclopentanol)、3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)、またはこれらの組み合わせを含む副産物を形成することができる。このような副反応生成物は中間体とは別に形成される物質である。上述のように、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒は、表面に酸点が少ないα-Alを担体として含むことによって、水添反応中の副産物が少なく、1,3-シクロペンタンジオール選択度に優れる。
【0075】
したがって、1,3-シクロペンタンジオールの製造方法により製造された1,3-シクロペンタンジオールは、シクロペンタノン(cyclopentanone)、シクロペンタノール(cyclopentanol)、1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)、またはこれらの組み合わせを含む副産物の含有量が1重量%以下であり、一例として、0.5重量%以下、または0.1重量%~0.5重量%であり得る。副産物の含有量が1,3-シクロペンタンジオール全体の重量に対して1重量%を超える場合、1,3-シクロペンタンジオールを高分子重合単量体として使用する場合、副産物により高分子合成反応が中断する問題が発生し、追加的な精製工程により純度を高めることができる。
【0076】
一方、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンはフルフリルアルコール水溶液から製造され、フルフリルアルコールはバイオマス由来化合物である。
【0077】
フルフリルアルコールは、トウモロコシの穂軸、燕麦、ふすま、米ぬか、およびおがくずなどの植物材料から抽出したフルフラール誘導体である。
【0078】
一例として、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンは、バイオマス由来のフルフリルアルコール水溶液に転位反応触媒を添加して製造することができる。
【0079】
フルフリルアルコール水溶液から4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造する段階は、溶媒として水を使用することで費用が経済的かつ環境にやさしい長所がある。
【0080】
転位反応触媒としては、酸化カルシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、塩化カルシウム、酢酸亜鉛、パラトルエンスルホン酸、塩化第一錫、硫酸第一錫、酸化第一錫、酸化第二錫、オクチル酸第一錫、テトラフェニルスズ、錫粉、四塩化チタン、またはこれらの組み合わせを含むことができ、一例として、酸化カルシウムであり得る。
【0081】
また、転位反応触媒は、フルフリルアルコール100重量部に対して0.1重量部~10重量部で含まれ、例えば、0.1重量部~5重量部で含まれる。転位反応触媒が0.1重量部未満で含まれると転位反応が起こらず、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンが製造されず、10重量部を超えると未反応触媒が多いため、経済的ではない。
【0082】
一例として、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンは、フルフリルアルコール水溶液に転位反応触媒を添加した後、100℃~300℃の温度で10分間~1時間の間反応させて製造することができる。
【0083】
一例として、バイオマス由来のフルフリルアルコールから1,3-シクロペンタンジオールが製造される工程は、下記反応式3で表される。
【0084】
【化3】
【実施例
【0085】
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。但し、下記の実施例は本発明を例示したものに過ぎず、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0086】
[製造例:1,3-シクロペンタンジオールの製造]
【0087】
(実施例1)
バイオマスから抽出したフルフラール誘導体であるフルフリルアルコール14gを水685.97mLに溶解して水溶液を製造した。水溶液に酸化カルシウム触媒0.028gを添加して200℃の温度で0.5時間攪拌して、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造した。
【0088】
α-Alに担持されたRu含有量5重量%触媒(Ru/α-Al)を準備した。ここで、α-Alの酸点は0.001mmol/gであり、BET表面積7.2m/g、および細孔容積0.44cm/gである。α-Alは、Saint-Gobain社製(フランス、製品番号SA52238)を用いて触媒を製造した。
【0089】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(濃度:10重量%、溶媒:エタノール)に準備した触媒0.25gを入れ、水素50barを回分式反応装置に充填した。反応温度120℃で反応時間1時間を維持した。反応終了後、1,3-シクロペンタンジオールを得た。
【0090】
(実施例2)
バイオマスから抽出したフルフラール誘導体であるフルフリルアルコール14gを水685.97mLに溶解して水溶液を製造した。水溶液に酸化カルシウム触媒0.028gを添加して200℃の温度で0.5時間攪拌して、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造した。
【0091】
α-Alに担持されたRu含有量0.5重量%触媒(Ru/α-Al)を準備した。ここで、α-Alの酸点は0.001mmol/gであり、BET表面積7.2m/g、および細孔容積0.44cm/gである。α-Alは、Saint-Gobain社製(フランス、製品番号SA52238)を用いて触媒を製造した。
【0092】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(濃度:10重量%、溶媒:エタノール)に準備した触媒0.25gを入れ、水素50barを回分式反応装置に充填した。反応温度120℃で反応時間1時間を維持した。反応終了後、1,3-シクロペンタンジオールを得た。
【0093】
(実施例3)
バイオマスから抽出したフルフラール誘導体であるフルフリルアルコール14gを水685.97mLに溶解して水溶液を製造した。水溶液に酸化カルシウム触媒0.028gを添加して200℃の温度で0.5時間攪拌して、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造した。
【0094】
α-Alに担持されたRu含有量1重量%触媒(Ru/α-Al)を準備した。ここで、α-Alの酸点は0.001mmol/gであり、追加的な物性は、BET表面積7.2m/g、および細孔容積0.44cm/gである。α-Alは、Saint-Gobain社製(フランス、製品番号SA52238)を用いて触媒を製造した。
【0095】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(濃度:10重量%、溶媒:エタノール)に準備した触媒0.25gを入れ、水素50barを回分式反応装置に充填した。反応温度120℃で反応時間1時間を維持した。反応終了後、1,3-シクロペンタンジオールを得た。
【0096】
(比較例1)
バイオマスから抽出したフルフラール誘導体であるフルフリルアルコール14gを水685.97mLに溶解して水溶液を製造した。水溶液に酸化カルシウム触媒0.028gを添加して200℃の温度で0.5時間攪拌して、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造した。
【0097】
活性炭素(Activated carbon)に担持されたRu含有量5重量%触媒(Ru/C)を準備した。
【0098】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(濃度:10重量%、溶媒:エタノール)に準備した触媒0.25gを入れ、水素50barを回分式反応装置に充填した。反応温度120℃で反応時間1時間を維持した。反応終了後、1,3-シクロペンタンジオールを得た。
【0099】
(比較例2)
バイオマスから抽出したフルフラール誘導体であるフルフリルアルコール14gを水685.97mLに溶解して水溶液を製造した。水溶液に酸化カルシウム触媒0.028gを添加して200℃の温度で0.5時間攪拌して、4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノンを製造した。
【0100】
γ-Alに担持されたRu含有量5重量%触媒(Ru/γ-Al)を準備した。ここで、γ-Alの酸点は0.8mmol/gであり、追加的な物性は、BET面積187m/g、および細孔容積0.43cm/gである。γ-Alは、Sasol社製(ドイツ)を用いて触媒を製造した。
【0101】
4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(濃度:10重量%、溶媒:エタノール)に準備した触媒0.25gを入れ、水素50barを回分式反応装置に充填した。反応温度120℃で反応時間1時間を維持した。反応終了後、1,3-シクロペンタンジオールを得た。
【0102】
[実験例:1,3-シクロペンタンジオールの転換率および収率]
実施例1~3、比較例1および2で製造された1,3-シクロペンタンジオールの転換率および収率をGC-FID(Agilent 7890B GC/水素炎イオン化検出器(FID))を用いて測定し、その結果を下記表1に示す。
【0103】
GC-FIDの反応条件は以下の通りである。
【0104】
<GC-FIDの反応条件>
インジェクター(Injector):250℃、4μL、Split=20:1
カラム(Column):HP-INNOWAX(30m×0.32mm×0.25um)
流速:2.33mL/min
移動相(Mobile Phase):He、1mL/min
オーブン温度(Oven Temp.):From80℃、10℃/min to 320℃、hold 5min
検出装置(Detector):Flame Ionized Detector
注入方法(Sampling):直接注入(Direct injection)
【0105】
【表1】
a)HCPone:Hydroxycyclopentanone
b)CPone:cyclopentanone
c)CPol:cyclopentanol
d)CPdiol:1,3-cyclopentanediol
【0106】
上記表1を参照すると、α-Alに担持された触媒を水添反応に適用した場合、実施例1~実施例3のように0.5重量%~5重量%含有量のRu金属が担持された触媒上で最終生成物1,3-シクロペンタンジオール(CPdiol)が生成されることを確認することができた。実施例1~実施例3において、反応物4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(HCPenone)は100%転換された。
【0107】
実施例3の場合、比較例1と比較したとき、Ru含有量が1%と少ないにもかかわらず、収率99.6%の1,3-シクロペンタンジオール(CPdiol)を得た。これにより、Ru/α-Al触媒は、カーボン担体に担持されたRu触媒に代えて、工程的に有利に使用できることを確認することができた。
【0108】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、1,3-シクロペンタンジオール製造用触媒に関し、これを利用して4-ヒドロキシ-2-シクロペンテノン(4-hydroxy-2-cyclopentenone)を水添反応させて1,3-シクロペンタンジオール(1,3-cyclopentanediol)を製造することができる。
【国際調査報告】