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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】治療台フレームのシフト決定
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240711BHJP
   A61N 5/10 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B6/03 523A
A61N5/10 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503500
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022069110
(87)【国際公開番号】W WO2023006385
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/108447
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】21202884.9
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ チェン ボー
(72)【発明者】
【氏名】チェン チー フー
【テーマコード(参考)】
4C082
4C093
【Fターム(参考)】
4C082AL06
4C093AA22
4C093CA16
4C093CA35
4C093ED03
4C093ED06
4C093ED07
4C093FC27
4C093FD08
(57)【要約】
一実施形態では、方法200が説明される。この方法は、治療台アセンブリ100の可動支持体106上の重量の標示を受信202することを含む。可動支持体は、治療台アセンブリの治療台フレーム110に対して可動である。方法は、治療台アセンブリに関連する撮像装置102に対する治療台フレームの水平シフトを、可動支持体上の標示される重量、及び治療台フレームに対する可動支持体の水平位置の関数として、水平シフトを示すシフトモデルに基づいて決定204することを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実現方法であって
治療台アセンブリの可動支持体上の重量の標示を受け取るステップであって、前記可動支持体は、前記治療台アセンブリの治療台フレームに対して可動である、ステップと、
前記治療台アセンブリに関連する撮像装置に対する前記治療台フレームの水平シフトを、前記水平シフトを示すシフトモデルに基づいて、前記可動支持体上の前記標示の重量及び前記治療台フレームに対する前記可動支持体の水平位置の関数として決定するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記受け取るステップは、前記撮像装置に対する指定位置に前記可動支持体を提供するために、前記治療台フレームに対する期待位置に前記可動支持体を移動させる該期待位置の標示を受信するステップと、前記期待位置に対する前記水平シフトを決定するステップとを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可動支持体が前記指定位置に提供されるように、前記可動支持体を前記期待位置と前記水平シフトとの間の差に基づいて決定される修正位置に移動させるステップを更に有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記可動支持体を前記修正位置に移動させるステップが、前記治療台アセンブリの可動支持体アクチュエータに、前記可動支持体を前記修正位置に移動させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記可動支持体を前記修正位置に移動させるステップが、前記可動支持体アクチュエータに前記可動支持体を前記修正位置に移動させるためのコマンドを生成すること、及び前記コマンドを前記可動支持体アクチュエータに送信して前記コマンドに従って前記可動支持体アクチュエータの作動を引き起こすことを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記可動支持体アクチュエータは、前記可動支持体が前記指定位置に提供されるように、前記治療台アセンブリを支持する表面に対して水平方向に前記可動支持体を移動させるよう構成される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記重量の前記標示が、前記治療台アセンブリの治療台フレームアクチュエータに供給される電流の標示を含み、前記治療台フレームアクチュエータは、前記治療台アセンブリを支持する表面に対する前記可動支持体の高さを制御するように構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記治療台フレームアクチュエータは、前記治療台フレームに対する前記可動支持体の水平移動中に、前記可動支持体を特定の高さに維持するように構成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電流の前記標示を受け取ることによって前記重量の前記標示を受け取るステップと、
指定された高さで前記可動支持体を提供するために必要とされる電流の垂直力平衡モデルを使用することによって前記重量を推定するステップと、
前記可動支持体が前記治療台フレームに対して移動する期待位置を指定するコマンドを受信するステップと、
前記推定された重量及び前記期待位置に基づいて、前記シフトモデルに従って前記治療台フレームの期待されるシフトを決定するステップと、
前記期待位置と前記期待位置に対する前記期待されるシフトとの間の差に基づいて、前記可動支持体が前記治療台フレームに対して移動される修正位置を指定する修正されたコマンドを生成するステップと、
を有する、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記シフトモデルが、前記水平シフトの測定値のセットと、前記水平シフトが測定される前記可動支持体の前記水平位置についての対応する標示値のセットとから決定される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記シフトモデルは、前記水平シフトの測定値のセットと、前記可動支持体の前記水平位置の対応する標示値のセットとにフィットされた線形関数に基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シフトモデルは、前記可動支持体上の前記重量についての標示値のセットの各標示値について前記可動支持体の前記水平位置についての標示値のセットから決定される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、少なくとも1つのプロセッサに請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を有する有形機械可読媒体。
【請求項14】
治療台アセンブリの可動支持体上の重量の標示を受け取るように構成されたインタフェースに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサであって、前記可動支持体が前記治療台アセンブリの治療台フレームに対し移動可能である、プロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能かつ実行可能な命令を記憶する有形機械可読媒体であって、前記命令は、
前記重量の標示を受け取るステップと、
前記治療台アセンブリに関連する撮像装置に対する前記治療台フレームの水平シフトを、前記水平シフトを示すシフトモデルに基づいて、前記可動支持体上の標示される重量及び前記治療台フレームに対する前記可動支持体の水平位置の関数として決定するステップと、
を有する方法を実行する命令である、有形機械可読媒体と、
を有する装置。
【請求項15】
前記インタフェースが更に、
前記撮像装置に対する指定位置に前記可動支持体を提供するために、前記可動支持体が前記治療台フレームに対して移動される期待位置の標示を受信すること、及び
前記治療台アセンブリの可動支持体アクチュエータにコマンドを送信することであって、前記コマンドが前記可動支持体アクチュエータを作動させるように構成される、送信すること、
を行うように構成され、
前記命令が更に、前記少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能かつ実行可能な命令であって、
前記期待位置の標示を受信するステップと、
前記期待位置に対する前記水平シフトを決定するステップと、
前記可動支持体が前記指示位置に提供されるように、前記期待位置と前記水平シフトとの間の差に基づいて決定される修正位置に前記可動支持体を移動させるステップであって、前記移動は、前記可動支持体アクチュエータに前記可動支持体を前記修正位置に移動させるように構成されたコマンドを生成し、前記コマンドに従って前記可動支持体アクチュエータの作動を引き起こすよう前記コマンドを前記インタフェースを介して前記可動支持体アクチュエータに送信することによって実行される、ステップと、
を有する方法を実行する命令を有する、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関連する治療台フレームのシフトを決定する方法、有形の機械可読媒体及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者撮像オペレーションの最中、治療台アセンブリの可動支持体は、コンピュータトモグラフィ(CT)スキャナなどの撮像装置が、患者の身体の指定された部分に対応する撮像面において撮像データを取得し得るように、指定位置に患者を移動させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、撮像面に対する患者のポジショニングの精度は、撮像オペレーションの結果に影響を及ぼし得る。例えば、撮像面に対する患者の位置にエラーがある場合、撮像データは、患者の指定された部分に対応しなくなりうる。場合によっては、患者の指定された部分が撮像されるように、患者を再び動かす必要があり得、これは、放射線に対する患者の曝露を不必要に増加させ、及び/又は撮像オペレーションを実行するのに費やされる時間を増加させ得る。場合によっては、エラーが認識されないことがあり、これは、撮像データの不正確な解析につながる可能性がある。垂直方向における撮像面に対する患者の位置のエラーは、独国特許出願公開第102007060690A1号明細書及び米国特許出願公開第2016/0113598号明細書に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で説明する態様又は実施形態は、撮像装置に対する患者などの被検体のポジショニングの精度を向上させることに関する。本明細書で説明する態様又は実施形態は、撮像オペレーション中の被検体の不正確なポジショニングに関連する、又はそれから生じる1つ又は複数の問題を回避することができる。
【0005】
第1の態様では、方法が説明される。この方法は、コンピュータにより実現される方法である。この方法は、治療台アセンブリの可動支持体上の重量の標示を受け取ることを含む。可動支持体は、治療台アセンブリの治療台フレームに対して可動である。本方法は、治療台アセンブリに関連する撮像装置に対する治療台フレームの水平シフトを、可動支持体上の標示される重量、及び治療台フレームに対する可動支持体の水平位置の関数として、水平シフトを示すシフトモデルに基づいて決定することを更に含む。
【0006】
第1の態様及び他の態様に関するいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本方法は、撮像装置に対する指定位置に可動支持体を提供するために、治療台フレームに対する期待位置に可動支持体を移動させるための該期待位置の標示を受け取ることを含む。この方法は、期待位置の水平シフトを決定することを更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法は、期待位置と水平シフトとの間の差に基づいて決定される修正された位置(以下「修正位置」という)に可動支持体を移動させることを含み、その結果、可動支持体は、指定位置に提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、可動支持体を修正位置に移動させることは、治療台アセンブリの可動支持体アクチュエータに、可動支持体を修正位置に移動させることを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、可動支持体を修正位置に移動させることは、可動支持体アクチュエータが可動支持体を修正位置に移動させるように構成されたコマンドを生成することと、コマンドを可動支持体アクチュエータに送信して、コマンドに従って可動支持体アクチュエータを作動させることとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、可動支持体アクチュエータは、治療台アセンブリを支持する表面に対して水平方向に可動支持体を移動させるように構成され、その結果、可動支持体は、指定位置に提供される。
【0012】
いくつかの実施形態では、重量の標示は、治療台アセンブリの治療台フレームアクチュエータに供給される電流の標示を含む。治療台フレームアクチュエータは、治療台アセンブリを支持する表面に対する可動支持体の高さを制御するように構成されることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、治療台フレームアクチュエータは、治療台フレームに対する可動支持体の水平移動中に、可動支持体を特定の高さに維持するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、電流の標示を受信することによって、重量の標示を受け取ることを含む。方法は、指定された高さで可動支持体を提供するために必要とされる電流の垂直力平衡モデルを使用することによって、重量を推定することを更に含むことができる。本方法は、可動支持体が治療台フレームに対する期待位置に移動される該期待位置を指定するコマンドを受信することを更に含むことができる。本方法は、推定された重量及び予測された位置に基づいて、シフトモデルに従って治療台フレームの予測されたシフトを決定することを更に有することができる。本方法は、期待位置と期待位置に対する予想シフトとの間の差に基づいて、可動支持体が治療台フレームに対する修正位置に移動される該修正位置を指定するための改正された(revised)又は「修正された(modified)」コマンドを生成することを更に含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、シフトモデルは、水平シフトについての測定値のセット、及び水平シフトが測定される可動支持体の水平位置についての対応する標示値のセット、から決定される。
【0016】
いくつかの実施形態では、シフトモデルは、水平シフトについての測定値のセット、及び可動支持体の水平位置についての対応する標示値のセット、にフィットされる線形関数に基づく。
【0017】
いくつかの実施形態では、シフトモデルは、可動支持体上の重量についての標示値のセットの各標示値についての可動支持体の水平位置についての標示値のセットから決定される。
【0018】
第2の態様では、有形の機械可読媒体が説明される。有形の機械可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、第1の態様又は任意の関連する実施形態の方法を実行させる命令を有する。
【0019】
第3の態様では、装置が説明される。装置は、治療台アセンブリの可動支持体上の重量の標示を受信するように構成されたインタフェースに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを有する。可動支持体は、治療台アセンブリの治療台フレームに対して可動である。装置は、方法を実行するために少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能かつ実行可能な命令を記憶する有形の機械可読媒体を更に有する。本方法は、重量の標示を受信することを含む。本方法は、治療台アセンブリに関連する撮像装置に対する治療台フレームの水平シフトを、可動支持体上の標示される重量及び治療台フレームに対する可動支持体の水平位置と関数として、水平シフトを示すシフトモデルに基づいて決定することを更に含む。
【0020】
第3の態様及び他の態様に関する実施形態を以下に説明する。
【0021】
いくつかの実施形態では、インタフェースは更に、撮像装置に対する指定位置に可動支持体を提供するために、可動支持体が治療台フレームに対する期待位置に移動される該期待位置の標示を受け取るように構成される。インタフェースは、治療台アセンブリの可動支持体アクチュエータにコマンドを送るように更に構成されることができる。コマンドは、可動支持体アクチュエータを作動させるように構成されることができる。命令は、方法を実行するために、少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能かつ実行可能な命令を更に有することができる。この方法は、期待位置の標示を受信することを含む。本方法は、期待位置に対する水平シフトを決定することを更に含むことができる。方法は、可動支持体が指定位置に提供されるように、期待位置と水平シフトとの間の差に基づいて決定される修正位置に可動支持体を移動させることを更に含むことができ、前記修正位置への前記移動は、可動支持体アクチュエータに、可動支持体を修正位置に移動させるためのコマンドを生成することと、前記コマンドを、インタフェースを介して可動支持体アクチュエータに送って、前記コマンドに従って可動支持体アクチュエータの作動を引き起こすことと、によって実行される。
【0022】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、これを参照して説明される。
【0023】
図面の簡単な説明発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して、単に例として記載される:
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】様々な実施形態において言及されるような、治療台アセンブリの可動支持体のポジショニングにおけるエラーを描写するシナリオの概略図。
図2】一実施形態による治療台フレームシフトを決定する方法を示す図。
図3】様々な実施形態による、治療台フレームシフトを決定し補正する方法を示す図。
図4】重量を推定するための治療台アセンブリのモデルを描写する概略図。
図5】一実施形態による、治療台フレームシフトを決定し補正する方法を示す図。
図6】可動支持体の位置の関数として、治療台フレームシフトの測定値のセットを示すグラフ。
図7図6のデータにフィッティングされた曲線に基づいて、一実施形態によるシフトモデルの係数を計算する方法を示すグラフ。
図8】一実施形態による治療台フレームシフトを決定するための機械可読媒体の概略図。
図9】様々な実施形態による治療台フレームシフトを決定及び/又は補正する装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、コンピュータトモグラフィ(CT)スキャナなどの撮像装置102に関連する例示的な治療台アセンブリ100の概略図である。治療台アセンブリ100は、患者などの被検体104を支持するために使用される。治療台アセンブリ100の2つのコンフィギュレーション(a)及び(b)が示されている。説明を容易にするために、特定の参照符号又は接続素子は、両方のコンフィギュレーションにおいて示されていない。
【0026】
コンフィギュレーション(a)によって示されるように、被検体104は、治療台アセンブリ100の可動支持体106上に配置される。可動支持体106は、「テーブル」、「テーブルトップ」、又は「治療台(couch)」と呼ばれることがある。コンフィギュレーション(b)によって示されるように、コンフィギュレーション(a)に示される位置からの可動支持体106の移動は、撮像装置102に関連する撮像平面108内に被検体104をポジショニングしている。こうして、可動支持体106を撮像平面108に対して移動させることによって、被検体104のそれぞれ異なる部分を撮像することができる。例えば、複数の撮像「スライス」は、撮像平面108に対して被検体104を移動させ及び軸方向位置の各々で画像を取得することによって、被検体104に沿ったそれぞれ異なる軸方向位置で取得されることができる。
【0027】
治療台アセンブリ100はまた、可動支持体106を支持し、撮像装置102に対する可動支持体106の移動(例えば、水平移動)を容易にするための治療台フレーム110を有する。治療台フレーム110は、被検体104(及び可動支持体106によって支持される任意の他の機器)の重量Wをバランスするように構成され、その結果、被検体104は、治療台アセンブリ100が配置される床などの表面112の上の特定の距離(例えば、高さ)に配置されることができる。
【0028】
この例示的な治療台アセンブリ100では、治療台フレーム110は、可動支持体106が取り付けられるベース部材116を支持するためのシザー機構114を有する。以下に説明するように、他の機構も可能である。この例では、シザー機構114は、2つの(「レバー」)部材118を有しており、2つのレバー部材118は、各部材118の中心にあるピボット120を介して互いに対してレバー運動するように構成されている。
【0029】
各部材118の一端は、ベース部材116に旋回可能に接続され、一方、各部材118の他端は、表面112に旋回可能に取り付けられる。ベース部材116に旋回可能に接続された2つの部材118の端部は、ベース部材116がシザー機構114によって適切に支持されるように(例えば、ベース部材116が表面112に平行になるように)、互いに移動可能に離間される。同様に、表面112に旋回可能に取り付けられた2つの部材118の他端は、互いに移動可能に離間される。治療台アセンブリ100は、部材118を互いに対してレバー運動させることによって(また、ベース部材116に接続された部材118の端部間の相対移動を引き起こすことによって)、被検体104の高さを制御/調整するように構成された治療台フレームアクチュエータ122(例えば、電気モータ)を有する。この実施形態では、治療台フレームアクチュエータ122は、表面112に取り付けられているとともに、表面112に取り付けられた部材118のうちの1つの端部に力を加えるように構成される。表面112に取り付けられた他の部材118の端部は、固定マウント124によって示されるように、適所に固定される。
【0030】
従って、使用時には、治療台フレームアクチュエータ122は、部材118に力を加えて、表面112に取り付けられた部材118の端部を互いに近づけることができる。ピボット120を中心とするレバー運動により、部材118のこの運動は、ベース部材116を上昇させ、こうして、被検体104も上昇させる。重量Wは、治療台フレームアクチュエータ122によって加えられる特定の力を使用してバランスされることができる。この力を変化させることによって、被検体104は、表面112に対して上昇又は下降されることができる。治療台フレームアクチュエータ122が電気モータを有する場合、電気モータに供給される電流は、被検体104の高さを制御可能に調整するように変更されることができる。
【0031】
上記で強調されているように、シザー機構114及び治療台アセンブリ100の関連する部分のコンフィギュレーションは、図1に関連して示され説明されたものと異なっていてもよい。例えば、2つの部材118は、図1によって示されるようなシザー状の構成にコンフィギュレーションされなくてもよく、代わりに、互いに独立して移動することも可能である(例えば、部材118は、ピボット120を介して互いに接続されなくてもよい)。更に、部材118の数は異なっていてもよい(例えば、3つ以上の部材118が使用されることができ、又は1つの部材が使用されることができる)。更に、治療台フレームアクチュエータ122のコンフィギュレーションは異なりも異なっていてもよい(例えば、治療台フレームアクチュエータ122は、部材118の異なる部分に接続されることができる、など)。
【0032】
従って、機能的には、治療台アセンブリ100は、重量Wをバランスさせながら、被検体104の高さの調整/制御を容易にするように構成され、その結果、被検体104は、指定された高さに提供されることができる。そのような機能を容易にする治療台アセンブリ100の任意のコンフィギュレーションが、本開示に関連し得る。
【0033】
図1に示されるコンフィギュレーションは、治療台アセンブリ100の考えられるコンポーネントをより良く示すために概略的であり、従って、コンポーネントのコンフィギュレーション及び設計は、図1によって示されるものと異なり得ることを理解されたい。
【0034】
以下に述べるように、治療台アセンブリ100のコンフィギュレーションは、撮像装置102に対する被検体104のポジショニングに関してエラーをもたらし得る。
【0035】
治療台アセンブリ100は、治療台フレーム110に対して可動支持体106を移動させるための可動支持体アクチュエータ126を有する。この例では、可動支持体アクチュエータ126は、ベース部材116と可動支持体106との間に取り付けられる。使用中、可動支持体アクチュエータ126(電気モータ、油圧システムなど)は、ベース部材116と可動支持体106との間に力を加え、それらの間に相対運動を引き起こす。可動支持体106は、ベース部材116に取り付けられた摺動機構128(例えば、少なくとも1つのローラ)に取り付けられ、可動支持体106とベース部材116との間の移動(例えば、摺動移動)を容易にする。
【0036】
コンフィギュレーション(a)と(b)との間を移動するために、コマンド(「L1_cmd」)が、可動支持体アクチュエータ126に通信可能に結合されたコントローラ130によって送信されることで、可動支持体106が距離「L1」だけ移動し、その結果、治療台フレーム110の上方にある可動支持体106の端部が、指定位置132にあるようにする(これは、被検体104が、コマンドL1_cmdによって規定される指定位置に提供されることを意味する)。実際の移動距離にエラー(誤差)「err1」がある場合がある。従って、サーボモータ(図示せず)などの補正機構は、このエラーerr1を補正することができる。
【0037】
コントローラ130(又は異なるコントローラ)はまた、治療台フレームアクチュエータ122に通信可能に結合されることができる。従って、使用中、コントローラ130は、撮像装置102に対する被検体104の位置(例えば、水平位置)を制御/調整するために、被検体104及び/又は可動支持体アクチュエータ126の垂直位置(例えば、高さ)を制御/調整するためのコマンドを治療台フレームアクチュエータ122に送信することができる。コントローラ130は、治療台フレームアクチュエータ122及び/又は可動支持体アクチュエータ126から、供給される電流の標示及び/又は治療台フレームアクチュエータ122及び/又は可動支持体アクチュエータ126のコンフィギュレーションの標示などのフィードバックを受信することができる。
【0038】
2つのコンフィギュレーション(a)と(b)との間では、被検体104が可動支持体106によって撮像平面108に向かって、及びその中に移動されるときに、重心の位置がシフトされ、その結果、治療台フレーム110に張り出している可動支持体106の端部が、指定位置132に提供される。
【0039】
コンフィギュレーション(a)では、力F1が、図1に示される点(すなわち、部材118の端部がベース部材116に接続される点)において、治療台フレーム110に作用する。
【0040】
コンフィギュレーション(b)では、重心が、コンフィギュレーション(a)により示されように、治療台フレーム110の中心を超えて作用しなくなった位置にシフトしているので、より大きな力F2が、同じ点で治療台フレーム110に作用する。
【0041】
このより大きな力F2は、治療台フレーム110の対応する水平シフトを伴う治療台フレーム110の追加の加圧をもたらす。これは、表面112に対する治療台フレーム110の、撮像装置102に向かう移動をもたらす。場合によっては、この加圧はまた、治療台フレーム110の高さの(比較的小さい)減少をもたらし得る。コンフィギュレーション(b)に示されるように、治療台フレーム110の位置は、治療台フレーム110の直前の位置から距離L2だけシフトされる。特に、コンフィギュレーション(a)におけるベース部材116の端部は、コンフィギュレーション(b)における線134によって示される。ベース部材116の端部と線134との間の距離は、シフトL2に対応する。従って、距離L1が大きいほど、距離L2が大きくなり、重心がシフトすることにより治療台フレーム110に作用する力が大きくなり、シザー機構114に作用するレバー効果が大きくなる。
【0042】
しかしながら、L1に関連するエラーerr1を補正するための補正機構が、シフトL2を補正することは不可能であり得る。
【0043】
コンフィギュレーション(a)にある間、可動支持体106の移動制御基準フレームは、治療台フレーム110に基づく(すなわち、可動支持体106の移動は、治療台フレーム110によって規定される基準フレームに対して規定される)。しかしながら、治療台フレーム110自体の基準フレームは、表面112(例えば、「グラウンド」基準フレーム)に対して規定される。同様に、撮像装置102は、表面112に対して固定される。従って、治療台フレーム110及び撮像装置102が互いに対して固定されていると仮定すると、可動支持体106の移動は、表面112自体に対するものである。例えば、コンフィギュレーション(a)によって示されるように、治療台フレーム110がシフトされていないとき、可動支持体106及び治療台フレーム110の基準フレームは同じである。
【0044】
しかしながら、コンフィギュレーション(b)によって示されるように治療台フレーム110がシフトされる場合、偏差/オフセットが導入され、これは、撮像装置102に対する被検体104の正確なポジショニングを確実にするために、基準フレームについての仮定に依拠することができないことを意味する。偏差/オフセットは、撮像オペレーションの品質及び/又は結果に影響を及ぼし得る。場合によっては、偏差は、追加の画像が取得される必要があるようなものであり得、これは、放射線への患者の曝露を不必要に増加させ、かつ/又は撮像オペレーションを実行するのに費やされる時間を増加させることができる。場合によっては、エラーが認識されないことがあり、これは、撮像データの不正確な分析につながる可能性がある。
【0045】
現在、治療台フレーム110の偏差/オフセットは考慮されず、従って、移動距離L1に比例するシステマチックエラーが導入されうる。本明細書に記載の実施形態は、この偏差/オフセットの補正を容易にすることができる。例えば、本明細書で説明される特定の実施形態は、治療台フレームシフトを決定することができる。特定の実施形態は、決定された治療台フレームシフトを補正するためのアクションをとることができる。
【0046】
図2は、一実施形態による、治療台フレームシフトを決定する方法200(例えば、コンピュータ実現方法)を示す。方法200の説明では、図1を参照する。図1は、方法200を実現することができるコントローラ130を示す。コントローラ130は、ユーザインタフェースに通信可能に結合されたユーザコンピュータなどのコンピュータ、又はサーバもしくはクラウドベースのサービス(例えば、ユーザコンピュータ及び/又はユーザインタフェースに通信可能に結合されたもの)によって実現されることができる。従って、方法200は、現場で(例えば、治療台アセンブリ100の場所のユーザコンピュータ上で)、又は別の場所で(例えば、サーバ上又はクラウド内で)実現されることができる。コマンド及び/又はフィードバックは、コントローラ130と治療台フレームアクチュエータ122及び/又は可動支持体アクチュエータ126との間で通信されて、本明細書に記載される特定の方法(例えば、方法200)の実現を容易にすることができる。
【0047】
方法200は、ブロック202において、治療台アセンブリ100の可動支持体106上の重量の標示を受け取ることを含む。可動支持体106は、治療台アセンブリ100の治療台フレーム110に対して可動である。重量の標示に関する更なる議論は、以下に提供される。
【0048】
方法200は、ブロック204において、治療台アセンブリ100に関連する撮像装置102に対する治療台フレーム110のシフトL2を決定することを更に含む。シフトL2の決定は、可動支持体106上の標示される重量、及び治療台フレーム110に対する可動支持体106の位置の関数として、前記シフトを示すシフトモデル(その説明は以下に与えられる)に基づく。可動支持体106の位置は、移動された距離L1に対して規定されることができる。例えば、可動支持体106の端部は、移動された距離L1に従って、指定位置132にある。
【0049】
方法200は、治療台フレームシフトが決定されることを可能にすることができる。従って、以下でより詳細に説明するように、被検体104が指定位置に提供されることを確実にするために、コマンドL1_cmdに補正を適用することができる。例えば、撮像オペレーション中、オペレータは、可動支持体106に、指定位置(例えば、指定位置132に提供される可動支持体106の端部などの固定点によって規定される)に移動するように命令することができる。しかしながら、ともすれば被検体104が不正確な(例えば、期待しない)位置に移動されることにつながり得る治療台フレームシフトを補正するために、コマンドは、被検体104が正しい位置(例えば、期待位置、又は指定される位置)に移動されるように、(期待される)治療台フレームシフトを考慮するように修正されることができる。
【0050】
そのような補正は、撮像オペレーションの品質及び/又は結果を改善することができる。場合によっては、補正は、追加の画像を取得する必要性を回避することができる。場合によっては、補正は、撮像データの分析の品質及び/又は結果を改善することができる。
【0051】
図3は、様々な実施形態による、治療台フレームシフトを決定及び補正する方法300(例えば、コンピュータ実現方法)を示す。方法300は、方法200と同じ方法で(例えば、コントローラ130を使用して)実現されることができる。例えば、方法300は、方法200と同じ又は同様の機能を有することができる。必要に応じて、図1及び2を参照する。方法300のいくつかのブロックは、実現される必要がない場合があり、及び/又は方法300のいくつかのブロックは、図3によって示されるものとは異なる順序で実行されることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック302において、可動支持体106を撮像装置102に対する指定位置132に提供するために、可動支持体106が治療台フレーム110に対する期待位置に移動される該期待位置の標示を受信すること(302)を含む。「期待位置」は、可動支持体106が位置に移動される該位置(すなわち、コマンドL1_cmdが実行された後)をさすことができる。「期待位置」は、治療台フレーム110の基準フレームが、可動支持体106を指定位置132に移動させる際にシフトしないという仮定に基づく。しかしながら、コマンドL1_cmdは、可動支持体106が指定位置132に移動されることにつながらない場合がある。むしろ、コマンドL1_cmdは、上述のシフトを考慮に入れない。従って、方法300は、ブロック304において、(例えば、方法200に従って)期待位置に関するシフトを決定することを更に含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック306において、期待位置とシフトとの間の差に基づいて決定される修正位置に可動支持体106を移動させて、可動支持体106が指定位置132に(すなわち、期待通りに)提供されるようにすることを含む。従って、「修正位置」は、シフトL2を考慮する。言い換えれば、治療台フレームがL2だけシフトされる場合、コマンドL1_cmdは、これを考慮するように修正されることができる。例えば、シフトが距離L2である場合、コマンドは、可動支持体106が距離L1-L2だけ移動することを指定することができる。この修正されたコマンドの結果として、(治療台フレーム110に対する可動支持体106の修正位置L1-L2は、指定位置132に可動支持体106が正しく提供されることをもたらすので、)被検体104は、正しくポジショニングされることができるか、又は期待されるようにポジショニングされることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、可動支持体106を修正位置に移動させることは、ブロック308において、治療台アセンブリ100の可動支持体アクチュエータ126に、可動支持体106を修正位置に移動させることを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、ブロック308に従って可動支持体を修正位置に移動させる方法300は、ブロック310において、可動支持体アクチュエータ126に、可動支持体106を修正位置に(例えば、治療台フレーム110によって規定される基準フレームに対して)移動させるためのコマンドを生成することを含む。ブロック308は、ブロック312において、コマンドを可動支持体アクチュエータ126に送信して、前記コマンドに従って可動支持体アクチュエータ126を作動させることを更に含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、可動支持体アクチュエータ126は、可動支持体106を、治療台アセンブリ100を支持する表面112に対して水平方向に移動させるように構成され、その結果、可動支持体106(例えば、治療台フレーム110に張り出している可動支持体106の端部)は、指定位置132に提供される。
【0057】
いくつかの実施形態では、治療台フレームアクチュエータ122は、表面112に対する可動支持体106の高さを制御するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、重量の標示は、治療台フレームアクチュエータ122に供給される電流の標示を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、治療台フレームアクチュエータ122は、治療台フレーム110に対する可動支持体106の水平移動中に、可動支持体106を特定の高さに維持するように構成される。
【0060】
(重量の標示を提供するために使用される)重量の推定を説明する実施形態は、以下でより詳細に説明される。
【0061】
図4は、図1によって示される治療台アセンブリ100と同様の治療台アセンブリ400の簡略化された図を示す。治療台アセンブリ100の対応する特徴と同じ又は同様の治療台アセンブリ400の特徴に対する参照符号は、300だけ増分されている。いくつかの特徴は、図示を容易にするために図示又は説明されておらず、必要に応じて、図1を参照する。
【0062】
治療台アセンブリ400は、シザー機構を有し、シザー機構は、重量Wを決定するようにモデル化されることができる。ベース部材416及び可動支持体(図示せず)などの治療台アセンブリ400のコンポーネントの重量Wは固定である。しかしながら、前記重量は、被検体の体重、及び可動支持体106上に提供される任意の他の機器(図示せず)の重量に応じて変化し得る。
【0063】
治療台フレームアクチュエータ422は、構成要素及び被検体の重量などによって加えられる垂直方向の力のバランスするために使用される。治療台フレームアクチュエータ422が、垂直方向の力をバランスするための力を加えるための電気モータを有する場合、電気モータに供給される電流は、それに応じて変更されることができる。電流フィードバックに基づいて、重量Wは、以下の垂直力平衡モデルを用いて推定されることができる:
θ=arcsin((H-h1-h2)/2R)
F=W * g * 2 * R/r * cosθ * (1-cosθ)
F * p=T * i * 2 * π * ηT
T=η * KT * I
W=ηe * KT * I * i * 2 * π * (r*ηT)/(p*g*2*R*cosθ*(1-cosθ))
【0064】
ここで、θは、部材118と表面412との間の内角であり、gは、重力係数(定数)であり、Hは、治療台フレーム110の高さであり、h1は、ベース部材116(サブパレット)の高さであり、h2は、治療台ベース436(前に示されていないが、治療台ベース436の上部は、表面112を表す)の高さであり、Fは、治療台フレームアクチュエータ122によって部材118に加えられる力であり、pは、治療台フレームアクチュエータ122によって駆動されるねじ(部材118を治療台フレームアクチュエータ122に接続する)に関連するねじリードであり、Tは、治療台フレームアクチュエータ122に関連するモータトルクであり、iは、伝達率であり、ηはモータ効率であり、KTは、モータトルク係数であり、Iは、治療台フレームアクチュエータ122に供給される電流であり、Rは、部材118の半分の長さであり、rは、ピボット120の半径である。
【0065】
上式において、Hの高さとIのモータ電流は変数であり、他のパラメータは一定である。重量推定を簡略化するために、治療台の高さHは、重量の推定中は固定であると仮定される。また、重量Wと電流Iとの関係は線形であると仮定する。従って、線形曲線が電流の実際の測定データにフィットされることができる。言い換えれば、電流Iは、重量Wに線形に依存し得る。
【0066】
従って、重量は、本明細書で説明するいくつかの方法に従ってシフトを決定するためにこの重量の標示が使用されることができるように推定されることができる。重量を測定するための別個のセンサを有するのではなく、特定の実施形態は、重量を推定する簡単な方法を容易にすることができる。
【0067】
図5は、一実施形態による、治療台フレームシフトを決定し補正する方法500(例えば、コンピュータ実現方法)を示す。この実施形態では、方法500は、図4に関連して説明されたモデルに従って決定された重量推定を使用するが、他の実施形態では、重量の推定は、別個の重量センサによって提供されることができる。方法500は、方法200、300と同じ方法で(例えば、コントローラ130を使用して)実現されることができる。例えば、方法500は、方法200及び/又は300と同じ又は同様の機能を有することができる。必要に応じて、前の図を参照する。方法500のいくつかのブロックは、実現される必要がない場合があり、及び/又は方法500のいくつかのブロックは、図5によって示されるものとは異なる順序で実行されることができる。
【0068】
方法500は、ブロック502において、電流(例えば、図4に参照される電流)の標示を受信することによって、重量の標示を受信することを含む。
【0069】
方法500は、ブロック504において、特定の高さで可動支持体106を提供するのに必要な電流の(例えば、図4に関連して説明したようである)垂直力平衡モデルを使用することによって、重量を推定することを更に含む。
【0070】
方法500は、ブロック506において、可動支持体106が治療台フレーム110に対して期待位置まで移動する該期待位置を指定するコマンド(例えば、「L1_cmd」)を受信することを更に含む。
【0071】
方法500は、ブロック508において、推定された重量及び(例えば、「L1」によって定義された)期待位置に基づいて、(図1で参照され、以下でより詳細に説明される)シフトモデルに従って治療台フレームの規定されるシフト(例えば、「L2」)を決定することを更に含む。
【0072】
方法500は、ブロック510において、期待位置と該期待位置(例えば、「L1-L2」)に対し期待されるシフトとの間の差に基づいて、可動支持体106が治療台フレーム110に対し移動すべき修正位置を指定する修正されたコマンドを生成することを更に含む。
【0073】
次に、治療台フレームシフトを決定するための「シフトモデル」を決定する方法について説明する。
【0074】
シフトモデルは、可動支持体106上の異なる重量のセット(75、135、185、217、274、307kg)の各重量ごとに、可動支持体106の(水平)位置のセット(0~1800mmの範囲)について、撮像装置102(例えば、グランド基準フレーム)に対する治療台フレーム110の実際の位置の測定値を得ることによって決定される。「実際の位置」は、可動支持体106上の固定点(例えば、治療台フレーム110又は別の適切な点の上にある可動支持体106の端部)と、表面112に関して定義された固定点(例えば、撮像装置102自体又は別の適切な点)との間の距離の独立した測定値を使用して測定されることができる。そのような独立した測定は、例えば、レーザベースの干渉法を使用して、レーザベースの位置エンコーダによって実行されることができる。
【0075】
従って、この例では、6つのデータセットがあり、すなわち、重量ごとに1つのデータセットがあり、シフト(すなわち、可動支持体106の実際の位置と期待位置との間の差)は、0~1800mmの範囲内の位置のセットについて測定される。
【0076】
図6は、6つのデータセットの各々について、(治療台フレーム110に対する)可動支持体106の(期待される)位置(mm単位)の関数としてのシフト(mm単位)のグラフを示す。最も急な曲線は、最も重い重量307kgに対応し、最も緩やかな曲線は、最も軽い重量75kgに対応する。
【0077】
分かるように、シフト曲線は線形であり、Y=K(W)*P+D(W)(式中、Yは測定されたシフトであり、K(W)は比例係数(重量Wの関数としてのデータセットの傾きに対応する)であり、Pは可動支持体106の期待位置であり、D(W)はオフセット(適合された曲線がy軸を横切る場所に対応する)である)などの線形関数とフィットされることができる。曲線は、線形回帰アルゴリズムなどの任意の適切なアルゴリズムにフィットされることができる。図示されているデータセットに関して、曲線は、95%の信頼限界でフィットされる。
【0078】
重量Wに関するK(W)及びD(W)の線形関数を得るために、以下に説明するように、各重量について、K(W)及びD(W)がプロットされる。
【0079】
図7は、重量Wの関数としてK(W)及びD(W)をプロットするグラフ、ならびに各変数にフィットされた線形曲線を示す。信頼限界は95%である。図7に示す正の傾きはK(W)を表し、負の傾きはD(W)を表す。従って、重量Wが上記のように推定される場合、治療台フレームシフト曲線は、推定された重量についてK(W)及びD(W)を得ることによって(可動支持体106の期待位置の関数として)決定されることができる。従って、値K(W)及びD(W)は、上述の「シフトモデル」を表す。
【0080】
言い換えれば、「シフトモデル」は、比率係数及び測定データのセットにフィットされたオフセットによって表されることができ、測定データは、(「実際の」シフトを決定するための)可動支持体106の期待位置のセットの各々についての(撮像装置102又は「グラウンド」基準フレームに対する)可動支持体106の位置の実際の測定値を含む。測定データは、シフトモデルが、例えば、上述の電流によって示されるように、重量に依存するように、重量によってスケーリングされることができる。
【0081】
シフトモデルに関するいくつかの実施形態を以下に説明する。いくつかの実施形態では、シフトモデルは、シフトについての測定値のセットと、シフトが測定される可動支持体106の位置についての対応する示される値のセットとから決定される。いくつかの実施形態では、シフトモデルは、シフトのための測定値のセットと、可動支持体106の位置について対応する標示値のセットとにフィッティングされた線形関数に基づく。いくつかの実施形態では、シフトモデルは、可動支持体106上の重量についての標示値のセットの各標示値ごとに、可動支持体の位置についての標示値のセットから決定される。
【0082】
シフトモデルに従って決定されるシフトを補正するために、コマンド(例えば、「L1_cmd」)は、可動支持体106の(期待される)位置に基づいて修正されることができる。例えば、コマンドが、可動支持体106を距離「D1」だけ移動させるように構成される場合、シフト「S1」は、S1=K(W)*D1に従ってシフトモデルを使用して推定されることができる(例えば、オフセットが比較的小さい場合)。従って、コマンドは、「D1-S1」又は「(1-K(W))*D1」として修正されることができる。使用中、シフトモデルは、他のやり方で生成されて可動支持体アクチュエータ126に送信されるコマンドを修正するために使用されることができる。言い換えれば、(期待される)距離D1だけ可動支持体106を移動させるためにコントローラ130によって受信されるコマンドは、D1と(推定される)シフトとの間の差、すなわちD1-S1によって修正されることができる。
【0083】
従って、本明細書で説明される特定の実施形態は、セットアップに追加のセンサを追加することなく、シフトによってもたらされる移動エラーを補償することができる。いくつかの実施形態では、力平衡モデルを使用して、可動支持体106上の荷重又は重量を推定することができる。シフトモデルは、測定値のセットに基づいて生成されることができる。シフトモデルは、推定された重量での可動支持体106の所与の位置について治療台フレームシフトを推定するために使用されることができる。従って、特定の実施形態は、被検体104が(シフトが考慮されない場合と比較して)撮像装置102に対してより正確にポジショニングされるように、可動支持体106を指定位置に駆動するために使用される運動コマンドの補正を容易にすることができる。
【0084】
図8は、一実施形態による有形の機械可読媒体800を示す。有形機械可読媒体800は、少なくとも1つのプロセッサ804上で実行されると、少なくとも1つのプロセッサ804に、本明細書で説明するいくつかの方法(例えば、方法200、300、500)を実現させる命令802を有する。本明細書で説明する方法のいずれも、少なくとも1つのプロセッサ804にそのような方法を実現させる有形の機械可読媒体800によって実現されることができる。
【0085】
図9は、様々な実施形態による、治療台フレームシフトを決定するための装置900を示す。装置900は、少なくとも1つのプロセッサ902(例えば、図1によって示されるコントローラ130によって実現される)を有する。少なくとも1つのプロセッサ902は、治療台フレームアクチュエータ122及び/又は可動支持体アクチュエータ126と通信するために(例えば、電流標示などの情報を受信するために、及び/又はそれぞれのアクチュエータ122、126を制御するためのコマンドを送るために)インタフェース904に通信可能に結合される。この実施形態では、インタフェース904は、可動支持体106上の重量の標示を受け取るように構成される。前述のように、可動支持体106は、治療台アセンブリ100の治療台フレーム110に対して可動である。インタフェース904は、図1において参照されるコントローラ130の一部であってもよく、装置900の説明における前述の図の特定の特徴が参照される。
【0086】
装置900は、本明細書で説明するいくつかの方法(例えば、方法200、300、及び/又は500のいずれか)に対応する方法を実行するために少なくとも1つのプロセッサ902によって可読及び実行可能な命令908を記憶する有形機械可読媒体906を更に有する。
【0087】
ある実施形態では、命令908は、少なくとも1つのプロセッサ902に方法200を実行させるように構成される。
【0088】
上記の実施形態に関連するいくつかの実施形態では、インタフェース904は、撮像装置102に対する指定位置132に可動支持体106を提供するために、治療台フレーム110に対する期待位置に可動支持体106が移動される該期待位置の標示を受信するように更に構成される。インタフェース904は、治療台アセンブリ100の可動支持体アクチュエータ126にコマンドを送信するように更に構成されることができる。そのようなコマンドは、可動支持体アクチュエータ126を作動させるように構成されることができる。そのような実施形態では、命令908は、少なくとも1つのプロセッサ902に方法300を実行させるように構成されることができる。装置900のコンテキストにおいて、方法300は、期待位置の標示を受信することと、期待位置に対するシフトを決定することと、可動支持体106が指定位置132に提供されるように、期待位置とシフトとの間の差に基づいて決定される修正位置に可動支持体106を移動させることとを含む。可動支持体106を移動させるために生成された「修正された」コマンドは、可動支持体アクチュエータ126に、可動支持体106を修正位置に移動させるように構成される。修正されたコマンドは、インタフェース904を介して可動支持体アクチュエータ126に送信され、コマンドに従って可動支持体アクチュエータ126を作動させる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明する様々な実施形態による方法の任意の他の方法又は組み合わせは、少なくとも1つのプロセッサ804、902によって実行されたときに方法を実現させる命令(例えば、命令802、908)を記憶することによって実現されることができる。
【0090】
本発明が、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は、説明的又は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。
【0091】
一実施形態で説明される1つ又は複数の特徴は、別の実施形態で説明される特徴と組み合わされてもよく、又は置き換えられてもよい。
【0092】
本開示における実施形態は、方法、システムとして、又は機械可読命令と処理回路との組合せとして提供することができる。そのような機械可読命令は、その中又はその上にコンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(ディスク記憶装置、CD-ROM、光記憶装置などを含むが、これらに限定されない)上に含まれ得る。
【0093】
本開示は、本開示の実施形態による方法、装置、及びシステムのフローチャート及びブロック図を参照して説明される。上述のフローチャートは、特定の命令実行順序を示しているが、命令実行順序は、図示されているものと異なっていてもよい。1つのフローチャートに関連して説明したブロックは、別のフローチャートのブロックと組み合わせることができる。フローチャート及び/又はブロック図中の各ブロック、ならびにフローチャート及び/又はブロック図中のブロックの組合せは、機械可読命令によって実現されることができることを理解されたい。
【0094】
機械可読命令は、例えば、説明及び図に記載された機能を実現するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のフィールドプログラマブルゲートアレイデータ処理装置のプロセッサによって実行されることができる。特に、プロセッサもしくは処理回路、又はそのモジュールは、機械可読命令を実行することができる。従って、本明細書で説明する装置及び他のデバイスの機能モジュールは、メモリに記憶された機械可読命令を実行するプロセッサ、又は論理回路に埋め込まれた命令に従って動作するプロセッサによって実現されることができる。「プロセッサ」という用語は、CPU、処理ユニット、ASIC、論理ユニット、又はプログラマブルゲートアレイなどを含むように広く解釈されるべきである。方法及び機能モジュールはすべて、単一のプロセッサによって実行されることができるか、又はいくつかのプロセッサの間で分割されることができる。
【0095】
そのような機械可読命令はまた、特定のモードで動作するようにコンピュータ又は他のフィールドプログラマブルゲートアレイデータ処理デバイスをガイドすることができるコンピュータ可読記憶装置に記憶されることができる。
【0096】
そのような機械可読命令はまた、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上にロードされ得、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置は、コンピュータ実現処理を生成するための一連の動作を実施し、従って、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイス上で実施される命令は、フローチャート及び/又はブロック図中のブロック(複数可)によって指定される機能を実現する。
【0097】
更に、本明細書の教示は、コンピュータプログラム製品の形態で実現されてもよく、コンピュータプログラム製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置に、本開示の実施形態で列挙された方法を実現させるための複数の命令を有する。
【0098】
一実施形態に関連して説明される構成要素又はステップは、別の実施形態に関連して説明される構成要素又はステップと組み合わされるか、又はそれらによって置き換えられることができる。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する際に当業者によって理解され、及び実施されることができる。請求項において、単語「有する(comprising)」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶又は配布されことができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で配布されることもできる。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】