(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】サイトカインとのSTINGアゴニスト併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7084 20060101AFI20240711BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20240711BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240711BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20240711BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240711BHJP
A61K 47/62 20170101ALI20240711BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240711BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240711BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20240711BHJP
C07K 14/54 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61K31/7084
A61K45/06
A61K39/395 N
A61K38/20
A61K47/68
A61K47/62
A61P35/00
A61P43/00 121
C07K16/28 ZNA
C07K14/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503506
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022074120
(87)【国際公開番号】W WO2023004440
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522018907
【氏名又は名称】イミューンセンサー セラピューティクス、インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】508152917
【氏名又は名称】ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF REGENTS OF THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジージエン
(72)【発明者】
【氏名】サン、リジュン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ユートン
(72)【発明者】
【氏名】タン、フイリン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB16
4C076CC27
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA02
4C084AA20
4C084BA41
4C084BA44
4C084DA12
4C084DA14
4C084MA02
4C084MA52
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA18
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA02
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、とりわけ、疾患または障害、特にがん患者の腫瘍を処置するための方法および使用であって、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカイン、および任意選択的な免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法および使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインは、前記患者に腫瘍内投与される方法。
【請求項2】
前記患者が、処置後に前記腫瘍の再発の低減を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される方法。
【請求項4】
がん患者における免疫細胞(T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せなど)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが前記患者に腫瘍内投与される方法。
【請求項5】
前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインの腫瘍内投与部位の遠位の腫瘍におけるアブスコパル効果を生じる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインの腫瘍内投与部位の遠位の腫瘍を処置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが前記患者に腫瘍内投与される方法。
【請求項8】
前記STINGアゴニストが、前記患者に腫瘍内投与される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記STINGアゴニストが、前記患者に全身投与される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記STINGアゴニストが、前記患者に静脈内投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記STINGアゴニストが、前記患者に筋肉内投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記STINGアゴニストが、前記患者に皮下投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記STINGアゴニストが、前記患者に経口投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記サイトカインが、前記患者に全身投与される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記サイトカインが、前記患者に静脈内投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サイトカインが、前記患者に筋肉内投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記サイトカインが、前記患者に皮下投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記STINGアゴニストと前記サイトカインの両方が、前記患者に腫瘍内投与される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインと共に、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を前記患者に共同投与することをさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に腫瘍内投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に全身投与される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に静脈内投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に筋肉内投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に皮下投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記患者が、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤である、請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を前記患者に共同投与することを含み、
前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインが前記患者に腫瘍内投与され、前記免疫チェックポイント阻害剤が前記患者に全身投与され、および
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である、請求項1、3、4または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を前記患者の体内に同時に存在させることを含む方法。
【請求項33】
がん患者における腫瘍の再発を予防する方法であって、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者の体内に同時に存在させることを含む方法。
【請求項34】
有効量の前記STINGアゴニストを前記患者に投与することを含み、前記患者には、前記サイトカインおよび前記免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている、請求項32または請求項33に記載の方法。
【請求項35】
有効量の前記サイトカインを前記患者に投与することを含み、前記患者には、前記STINGアゴニストおよび前記免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている、請求項32または請求項33に記載の方法。
【請求項36】
有効量の前記免疫チェックポイント阻害剤を前記患者に投与することを含み、前記患者には、前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインが既に投与されている、請求項32または請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記STINGアゴニストが、前記患者に腫瘍内投与される、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記STINGアゴニストが、前記患者に全身投与される、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記STINGアゴニストが、前記患者に静脈内投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記STINGアゴニストが、前記患者に筋肉内投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記STINGアゴニストが、前記患者に皮下投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記STINGアゴニストが、前記患者に経口投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される、請求項32から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記サイトカインが、前記患者に全身投与される、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記サイトカインが、前記患者に静脈内投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記サイトカインが、前記患者に筋肉内投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記サイトカインが、前記患者に皮下投与される、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記STINGアゴニストと前記サイトカインの両方が、前記患者に腫瘍内投与される、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に腫瘍内投与される、請求項32から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に全身投与される、請求項32から36に記載の方法。
【請求項51】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に静脈内投与される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に筋肉内投与される、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に皮下投与される、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤である、請求項32から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
併用療法であって、好ましくはそれを必要とするがん患者における腫瘍を処置するためのものであり、STINGアゴニストおよびサイトカインを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが、前記患者への腫瘍内投与のために製剤化される併用療法。
【請求項59】
前記STINGアゴニストが、前記患者への腫瘍内投与のために製剤化される、請求項58に記載の併用療法。
【請求項60】
前記STINGアゴニストが、前記患者への全身投与のために製剤化される、請求項58に記載の併用療法。
【請求項61】
前記STINGアゴニストが、前記患者への静脈内投与のために製剤化される、請求項60に記載の併用療法。
【請求項62】
前記STINGアゴニストが、前記患者への筋肉内投与のために製剤化される、請求項60に記載の併用療法。
【請求項63】
前記STINGアゴニストが、前記患者への皮下投与のために製剤化される、請求項60に記載の併用療法。
【請求項64】
前記STINGアゴニストが、前記患者への経口投与のために製剤化される、請求項60に記載の併用療法。
【請求項65】
前記サイトカインが、前記患者への腫瘍内投与のために製剤化される、請求項58から64のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項66】
前記サイトカインが、前記患者への全身投与のために製剤化される、請求項58に記載の併用療法。
【請求項67】
前記サイトカインが、前記患者への静脈内投与のために製剤化される、請求項66に記載の併用療法。
【請求項68】
前記サイトカインが、前記患者への筋肉内投与のために製剤化される、請求項66に記載の併用療法。
【請求項69】
前記サイトカインが、前記患者への皮下投与のために製剤化される、請求項66に記載の併用療法。
【請求項70】
前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインの両方が、前記患者への腫瘍内投与のために製剤化される、請求項58に記載の併用療法。
【請求項71】
免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、請求項58から70のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項72】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者への腫瘍内投与のために製剤化される、請求項71に記載の併用療法。
【請求項73】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者への全身投与のために製剤化される、請求項71に記載の併用療法。
【請求項74】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者への静脈内投与のために製剤化される、請求項73に記載の併用療法。
【請求項75】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者への筋肉内投与のために製剤化される、請求項73に記載の併用療法。
【請求項76】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者への皮下投与のために製剤化される、請求項73に記載の併用療法。
【請求項77】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤である、請求項71から76のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項78】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項77に記載の併用療法。
【請求項79】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項77に記載の併用療法。
【請求項80】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項77に記載の併用療法。
【請求項81】
好ましくはそれを必要とするがん患者における腫瘍を処置するためのものであり、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を含み、
前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインが、前記患者への腫瘍内投与のために製剤化され、前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者への全身投与のために製剤化され、
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である、請求項58に記載の併用療法。
【請求項82】
前記サイトカインが、インターロイキンである、請求項1から81のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項83】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである、請求項81に記載の方法または併用療法。
【請求項84】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、またはこれらの組合せである、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項85】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項86】
前記インターロイキンが、IL-12である、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項87】
前記インターロイキンが、IL-2である、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項88】
前記インターロイキンが、タンパク質に融合して融合タンパク質を形成する、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項89】
前記タンパク質が抗体である、請求項88に記載の方法または併用療法。
【請求項90】
前記抗体が、DNA/ヒストン複合体を認識する抗体である、請求項89に記載の方法または併用療法。
【請求項91】
前記タンパク質が抗体断片である、請求項88に記載の方法または併用療法。
【請求項92】
前記抗体断片が、免疫グロブリンscFvドメインである、請求項91に記載の方法または併用療法。
【請求項93】
前記抗体断片が、免疫グロブリンFcドメインである、請求項91に記載の方法または併用療法。
【請求項94】
前記インターロイキンが、抗体または抗体断片ではないタンパク質に融合される、請求項88に記載の方法または併用療法。
【請求項95】
前記インターロイキンが、IL-2受容体アルファ鎖、前立腺特異的抗原切断配列、マトリックスメタロプロテイナーゼ切断配列、またはミョウバン結合ペプチドに融合される、請求項94に記載の方法または併用療法。
【請求項96】
前記インターロイキンが、コラーゲン結合タンパク質に融合される、請求項94に記載の方法または併用療法。
【請求項97】
前記コラーゲン結合タンパク質がルミカンである、請求項96に記載の方法または併用療法。
【請求項98】
前記インターロイキンが、IL-2である、請求項88から97のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項99】
前記インターロイキンが、IL-12である、請求項88から97のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項100】
前記インターロイキンが、融合タンパク質、例えばFc融合インターロイキンである、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項101】
前記インターロイキンが、Fc融合IL-12である、請求項100に記載の方法または併用療法。
【請求項102】
前記インターロイキンが、融合タンパク質ではない、請求項82に記載の方法または併用療法。
【請求項103】
前記STINGアゴニストが、環状ジヌクレオチド(CDN)、例えば、2’3’-CDNである、請求項1から102のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項104】
前記STINGアゴニストが、2’3’-cGAMPである、請求項103に記載の方法または併用療法。
【請求項105】
前記STINGアゴニストが、化合物A、化合物Bもしくは化合物Cまたはその薬学的に許容される塩、好ましくは化合物Aまたはその薬学的に許容される塩である2’3’-CDNである、請求項103に記載の方法または併用療法。
【化1】
【請求項106】
前記STINGアゴニストが、化合物A
【化2】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1から105のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項107】
前記STINGアゴニストが、BMS-986301、CRD5500、CMA(10-カルボキシメチル-9-アクリダノン)、diABZI STINGアゴニスト-1(例えば、CAS番号2138299-34-8)、DMXAA(ASA404/バジメザン)、E7766、GSK-532、GSK-3745417、MK-2118、SB-11285、SRCB-0074、TAK-676、TTI-10001、SR-717またはMSA-2である、請求項1から102のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項108】
前記STINGアゴニストが、抗体にコンジュゲートされ、したがって、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を形成する、請求項1から107のいずれか一項に記載の方法または併用療法。
【請求項109】
前記ADCが、式IAの構造を有する:
(IA)Ab-[-L-D]
n
[式中、
「D」は、式IIaの構造を有するCDN:
【化3】
(式中、
W、X、YおよびZは独立してCHまたはNであり、
R
1は、チオール基、アミノ基、またはC
1~6アルキルアミノ基で置換されたC
2~4アルキルであり、
R
pは、出現ごとに独立して、ヒドロキシル、チオール、C
1~6アルキル、-BH
3
-、または-NR’R”であり、式中、R’およびR”は、出現ごとに独立して、水素、またはハロゲン、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、C
1~6アルコキシ、C
1~6ヒドロキシアルコキシ、-OC(O)C
1~6アルキル、-N(H)C(O)C
1~6アルキル、-N(C
1~3アルキル)C(O)C
1~6アルキル、アミノ、C
1~6アルキルアミノ、ジ(C
1~6アルキル)アミノ、オキソ、アジド、およびシアノから選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されているC
1~6アルキルであるか、または同じ窒素上のR’およびR”が一緒になってC
3~5複素環を形成する)
またはその薬学的に許容される塩を表し、
「Ab」は、標的抗原に結合する抗体またはその結合断片を表し、
「L」は、出現ごとに独立して、Dの1つまたは複数の出現をAbに連結するリンカーを表し、
「n」は、リンカー(L)を介してAbに連結されたDの出現数を表し、
CDN(D)は、CDNのR
1位におけるチオール基、アミノ基またはC
1~6アルキルアミノ基においてリンカー(L)に共有結合している]
請求項108に記載の方法または併用療法。
【請求項110】
STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を含む混合物。
【請求項111】
ヒト血漿をさらに含む、請求項110に記載の混合物。
【請求項112】
前記STINGアゴニストが、環状ジヌクレオチド(CDN)、例えば、2’3’-CDNである、請求項110または請求項111に記載の混合物。
【請求項113】
前記STINGアゴニストが、2’3’-cGAMPである、請求項112に記載の混合物。
【請求項114】
前記STINGアゴニストが、化合物A、化合物Bもしくは化合物Cまたはその薬学的に許容される塩、好ましくは化合物Aまたはその薬学的に許容される塩である2’3’-CDNである、請求項112に記載の混合物。
【化4】
【請求項115】
前記STINGアゴニストが、化合物A
【化5】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項110から112のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項116】
前記STINGアゴニストが、BMS-986301、CRD5500、CMA(10-カルボキシメチル-9-アクリダノン)、diABZI STINGアゴニスト-1(例えば、CAS番号2138299-34-8)、DMXAA(ASA404/バジメザン)、E7766、GSK-532、GSK-3745417、MK-2118、SB-11285、SRCB-0074、TAK-676、TTI-10001、SR-717またはMSA-2である、請求項110または請求項111に記載の混合物。
【請求項117】
前記STINGアゴニストが、抗体にコンジュゲートされ、したがって、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を形成する、請求項110から116のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項118】
前記ADCが、式IAの構造を有する:
(IA)Ab-[-L-D]
n
[式中、
「D」は、式IIaの構造を有するCDN:
【化6】
(式中、
W、X、YおよびZは独立してCHまたはNであり、
R
1は、チオール基、アミノ基、またはC
1~6アルキルアミノ基で置換されたC
2~4アルキルであり、
R
pは、出現ごとに独立して、ヒドロキシル、チオール、C
1~6アルキル、-BH
3
-、または-NR’R”であり、式中、R’およびR”は、出現ごとに独立して、水素、またはハロゲン、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、C
1~6アルコキシ、C
1~6ヒドロキシアルコキシ、-OC(O)C
1~6アルキル、-N(H)C(O)C
1~6アルキル、-N(C
1~3アルキル)C(O)C
1~6アルキル、アミノ、C
1~6アルキルアミノ、ジ(C
1~6アルキル)アミノ、オキソ、アジド、およびシアノから選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されているC
1~6アルキルであるか、または同じ窒素上のR’およびR”が一緒になってC
3~5複素環を形成する)
またはその薬学的に許容される塩を表し、
「Ab」は、標的抗原に結合する抗体またはその結合断片を表し、
「L」は、出現ごとに独立して、Dの1つまたは複数の出現をAbに連結するリンカーを表し、
「n」は、リンカー(L)を介してAbに連結されたDの出現数を表し、
CDN(D)は、CDNのR
1位におけるチオール基、アミノ基またはC
1~6アルキルアミノ基においてリンカー(L)に共有結合している]
請求項117に記載の混合物。
【請求項119】
前記サイトカインがインターロイキンである、請求項110から118のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項120】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである、請求項119に記載の混合物。
【請求項121】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、またはこれらの組合せである、請求項119に記載の混合物。
【請求項122】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである、請求項119に記載の混合物。
【請求項123】
前記インターロイキンが、IL-12である、請求項119に記載の混合物。
【請求項124】
前記インターロイキンが、IL-2である、請求項119に記載の混合物。
【請求項125】
前記インターロイキンがタンパク質に融合して融合タンパク質を形成する、請求項119に記載の混合物。
【請求項126】
前記タンパク質が抗体である、請求項125に記載の混合物。
【請求項127】
前記抗体が、DNA/ヒストン複合体を認識する抗体である、請求項126に記載の混合物。
【請求項128】
前記タンパク質が、抗体断片である、請求項126に記載の混合物。
【請求項129】
前記抗体断片が、免疫グロブリンscFvドメインである、請求項128に記載の混合物。
【請求項130】
前記抗体断片が、免疫グロブリンFcドメインである、請求項128に記載の混合物。
【請求項131】
前記インターロイキンが、抗体または抗体断片ではないタンパク質に融合される、請求項125に記載の混合物。
【請求項132】
前記インターロイキンが、IL-2受容体アルファ鎖、前立腺特異的抗原切断配列、マトリックスメタロプロテイナーゼ切断配列、またはミョウバン結合ペプチドに融合される、請求項131に記載の混合物。
【請求項133】
前記インターロイキンが、コラーゲン結合タンパク質に融合される、請求項131に記載の混合物。
【請求項134】
前記コラーゲン結合タンパク質がルミカンである、請求項133に記載の混合物。
【請求項135】
前記インターロイキンが、IL-2である、請求項153から134のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項136】
前記インターロイキンが、IL-12である、請求項125から134のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項137】
免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤である、請求項110から136のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項138】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項137に記載の混合物。
【請求項139】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項137に記載の混合物。
【請求項140】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項137に記載の混合物。
【請求項141】
それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用であって、処置することが、有効量の前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される使用。
【請求項142】
がん患者における抗腫瘍応答を増強するための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用であって、増強することが、有効量の前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される使用。
【請求項143】
がん患者における免疫細胞(T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せなど)の集団または機能を増加させるための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用であって、有効量の前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが前記患者に腫瘍内投与される使用。
【請求項144】
それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減するための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用であって、低減することが、有効量の前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインを前記患者に共同投与することを含み、前記STINGアゴニストまたは前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される使用。
【請求項145】
前記STINGアゴニストが、前記患者に腫瘍内投与される、請求項141から144のいずれか一項に記載の使用。
【請求項146】
前記STINGアゴニストが、前記患者に全身投与される、請求項141から144のいずれか一項に記載の使用。
【請求項147】
前記STINGアゴニストが、前記患者に静脈内投与される、請求項146に記載の使用。
【請求項148】
前記STINGアゴニストが、前記患者に筋肉内投与される、請求項146に記載の使用。
【請求項149】
前記STINGアゴニストが、前記患者に皮下投与される、請求項146に記載の使用。
【請求項150】
前記STINGアゴニストが、前記患者に経口投与される、請求項146に記載の使用。
【請求項151】
前記サイトカインが、前記患者に腫瘍内投与される、請求項139から148のいずれか一項に記載の使用。
【請求項152】
前記サイトカインが、前記患者に全身投与される、請求項141から144のいずれか一項に記載の使用。
【請求項153】
前記サイトカインが、前記患者に静脈内投与される、請求項152に記載の使用。
【請求項154】
前記サイトカインが、前記患者に筋肉内投与される、請求項152に記載の使用。
【請求項155】
前記サイトカインが、前記患者に皮下投与される、請求項152に記載の使用。
【請求項156】
前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインの両方が、前記患者に腫瘍内投与される、請求項141から144のいずれか一項に記載の使用。
【請求項157】
前記STINGアゴニストおよび前記サイトカインと共に、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を前記患者に共同投与することをさらに含む、請求項141から156のいずれか一項に記載の使用。
【請求項158】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に腫瘍内投与される、請求項157に記載の使用。
【請求項159】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に全身投与される、請求項157に記載の使用。
【請求項160】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に静脈内投与される、請求項159に記載の使用。
【請求項161】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に筋肉内投与される、請求項159に記載の使用。
【請求項162】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、前記患者に皮下投与される、請求項159に記載の使用。
【請求項163】
前記患者が、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている、請求項157から162のいずれか一項に記載の使用。
【請求項164】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤である、請求項157から163のいずれか一項に記載の使用。
【請求項165】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項164に記載の使用。
【請求項166】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項164に記載の使用。
【請求項167】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項164に記載の使用。
【請求項168】
前記サイトカインがインターロイキンである、請求項141から167のいずれか一項に記載の使用。
【請求項169】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである、請求項168に記載の使用。
【請求項170】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、またはこれらの組合せである、請求項168に記載の使用。
【請求項171】
前記インターロイキンが、IL-2、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである、請求項168に記載の使用。
【請求項172】
前記インターロイキンが、IL-12である、請求項168に記載の使用。
【請求項173】
前記インターロイキンが、IL-2である、請求項168に記載の使用。
【請求項174】
前記インターロイキンが、タンパク質に融合して融合タンパク質を形成する、請求項168に記載の使用。
【請求項175】
前記タンパク質が抗体である、請求項174に記載の使用。
【請求項176】
前記抗体が、DNA/ヒストン複合体を認識する抗体である、請求項175に記載の使用。
【請求項177】
前記タンパク質が抗体断片である、請求項174に記載の使用。
【請求項178】
前記抗体断片が、免疫グロブリンscFvドメインである、請求項177に記載の使用。
【請求項179】
前記抗体断片が、免疫グロブリンFcドメインである、請求項177に記載の使用。
【請求項180】
前記インターロイキンが、抗体または抗体断片ではないタンパク質に融合される、請求項174に記載の使用。
【請求項181】
前記インターロイキンが、IL-2受容体アルファ鎖、前立腺特異的抗原切断配列、マトリックスメタロプロテイナーゼ切断配列、またはミョウバン結合ペプチドに融合される、請求項180に記載の使用。
【請求項182】
前記インターロイキンが、コラーゲン結合タンパク質に融合される、請求項180に記載の使用。
【請求項183】
前記コラーゲン結合タンパク質がルミカンである、請求項182に記載の使用。
【請求項184】
前記インターロイキンが、IL-2である、請求項174から183のいずれか一項に記載の使用。
【請求項185】
前記インターロイキンが、IL-12である、請求項174から183のいずれか一項に記載の使用。
【請求項186】
前記STINGアゴニストが、環状ジヌクレオチド(CDN)、例えば、2’3’-CDNである、請求項141から185のいずれか一項に記載の使用。
【請求項187】
前記STINGアゴニストが、2’3’-cGAMPである、請求項186に記載の使用。
【請求項188】
前記STINGアゴニストが、化合物A、化合物Bもしくは化合物Cまたはその薬学的に許容される塩、好ましくは化合物Aまたはその薬学的に許容される塩である2’3’-CDNである、請求項186に記載の使用。
【化7】
【請求項189】
前記STINGアゴニストが、化合物A
【化8】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項141から186のいずれか一項に記載の使用。
【請求項190】
前記STINGアゴニストが、BMS-986301、CRD5500、CMA(10-カルボキシメチル-9-アクリダノン)、diABZI STINGアゴニスト-1(例えば、CAS番号2138299-34-8)、DMXAA(ASA404/バジメザン)、E7766、GSK-532、GSK-3745417、MK-2118、SB-11285、SRCB-0074、TAK-676、TTI-10001、SR-717またはMSA-2である、請求項141から185のいずれか一項に記載の使用。
【請求項191】
前記STINGアゴニストが、抗体にコンジュゲート化され、したがって、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を形成する、請求項141から190のいずれか一項に記載の使用。
【請求項192】
前記ADCが、式IAの構造を有する:
(IA)Ab-[-L-D]
n
[式中、
「D」は、式IIaの構造を有するCDN:
【化9】
(式中、
W、X、YおよびZは独立してCHまたはNであり、
R
1は、チオール基、アミノ基、またはC
1~6アルキルアミノ基で置換されたC
2~4アルキルであり、
R
pは、出現ごとに独立して、ヒドロキシル、チオール、C
1~6アルキル、-BH
3
-、または-NR’R”であり、式中、R’およびR”は、出現ごとに独立して、水素、またはハロゲン、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、C
1~6アルコキシ、C
1~6ヒドロキシアルコキシ、-OC(O)C
1~6アルキル、-N(H)C(O)C
1~6アルキル、-N(C
1~3アルキル)C(O)C
1~6アルキル、アミノ、C
1~6アルキルアミノ、ジ(C
1~6アルキル)アミノ、オキソ、アジド、およびシアノから選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されているC
1~6アルキルであるか、または同じ窒素上のR’およびR”が一緒になってC
3~5複素環を形成する)
またはその薬学的に許容される塩を表し、
「Ab」は、標的抗原に結合する抗体またはその結合断片を表し、
「L」は、出現ごとに独立して、Dの1つまたは複数の出現をAbに連結するリンカーを表し、
「n」は、リンカー(L)を介してAbに連結されたDの出現数を表し、
CDN(D)は、CDNのR
1位におけるチオール基、アミノ基またはC
1~6アルキルアミノ基においてリンカー(L)に共有結合している]
請求項191に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.配列表
本出願は、USPTO Patent Centerを介して提出され、参照により全体が本明細書に組み込まれる、3つの配列を含む配列表を含む。2022年7月18日に作成された前記XMLコピーは、「39143-52882 008WO_Sequence Listing.xml」という名称であり、サイズは14キロバイトである。
【0002】
2.分野
本開示は、とりわけ、がんを含むある特定の疾患または障害を処置するための免疫系を活性化するためのサイトカインと組み合わせた、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING:STimulator of INterferon Genes)のアゴニストの使用に関する。本開示は、がんを含むある特定の疾患または障害を処置するためのSTINGアゴニスト(環状ジヌクレオチドなど)、サイトカイン(インターロイキンなど)、および免疫チェックポイント阻害剤の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
3.背景
進行性固形腫瘍悪性腫瘍および多くの血液悪性腫瘍の処置は、満たされていない高い医学的必要性によって定義され続けている。ほとんどの状況において、細胞傷害性化学療法および標的化キナーゼ阻害剤による処置は、薬物耐性腫瘍クローンの出現ならびにその後の腫瘍の進行および転移をもたらす。
【0004】
近年、免疫介在性腫瘍破壊の活性化を中心とした代替アプローチを通じて注目すべき成功が達成されている。免疫系は、ヒトおよび動物をがんから防御するのに極めて重要な役割を果たす。抗腫瘍効果は、抗腫瘍免疫を活性化する陽性因子および免疫系を阻害する陰性因子によって制御される。抗腫瘍免疫を阻害する陰性因子には、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)、プログラム細胞死1(PD-1)、およびプログラム死リガンド1(PD-L1)などの免疫チェックポイントタンパク質が含まれる。これらのチェックポイントタンパク質に対する抗体を含む免疫腫瘍学(IO)アプローチは、いくつかのタイプのヒトのがんにおいて顕著な有効性を示している。
【0005】
しかしながら、免疫チェックポイント遮断を介した既存のがん免疫療法は、がん患者のごく一部(平均20~30%)に有効である。免疫チェックポイントの遮断に対して難治性である患者は、炎症を起こさない腫瘍、またはいわゆる「冷たい」腫瘍細胞を有することが多く、すなわち、腫瘍浸潤白血球(TIL)、例えば、分化抗原群8(CD8)T細胞を欠くか、または腫瘍微小環境がTILの機能を抑制する。進行中のがん薬物開発研究の主な推進力は、より幅広い患者にわたってより良好な腫瘍制御を達成するために、「冷たい」腫瘍細胞を「熱い」腫瘍細胞に変換することに集中したままである。
【0006】
病原体およびがん細胞に対する防御の第一線である自然免疫系は、非炎症性腫瘍(「冷たい」)を炎症性(「熱い」)微小環境に変えるために重要である。最近発見された自然免疫経路、cGAS-STING経路(タンパク質環状GMP-AMPシンターゼ(cGAS)を含む)は、抗腫瘍免疫において重要な役割を果たす。cGASは、I型インターフェロン経路を活性化するDNA感知酵素である。DNAに結合すると、cGASが活性化されて環状ジヌクレオチド(CDN)2’3’-環状GMP-AMP(2’3’-cGAMP)を合成し、次いで、これがアダプタータンパク質STINGに結合してこれを活性化する二次メッセンジャーとして機能する。次いで、STINGは、I型インターフェロン、サイトカインおよび他の免疫メディエーターの産生をもたらすシグナル伝達カスケードを活性化する。
【0007】
サイトカイン産生は抗腫瘍免疫を生成するために不可欠であるが、高いサイトカインレベルは安全性の懸念をもたらす。具体的には、高いサイトカインレベルは、免疫療法を受けているがん患者において危険な炎症反応を誘発する可能性があり、それによってIO用途におけるサイトカインの使用を妨げる。その全身毒性を低減または制限しながらその抗腫瘍効果を活用するための適切なサイトカインの種類および量の選択は、依然として困難な満たされていない必要性を残したままである。結果として、例えば腫瘍の位置またはサイズに起因して、直接処置されないかまたは直接処置することができない腫瘍を含む(すなわち、アブスコパル効果を介して)、全身の腫瘍に対して特異的かつ全身的な免疫応答を引き起こすことができる治療法を開発することを必要とする重大な満たされていない医学的ニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【0008】
4.概要
本開示は、STINGアゴニストを、サイトカインと組み合わせて、任意選択的に1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤、例えばCTLA-4、PD-1および/またはPD-L1の阻害剤、特にこれらのタンパク質の抗体阻害剤とさらに組み合わせて、患者、例えばヒトがん患者に投与する方法を提供する。本開示は、そのような方法および処置において使用することができる併用療法も提供する。
【0009】
一態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインは、患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与される。特定の一態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、患者は、さらなる処置の非存在下を含めて、処置後の腫瘍の再発低下を示す方法を提供する。ある特定のこれらの実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与される。
【0010】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)をがん患者に全身的に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0011】
他の特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニスト(例えば、CDN)、サイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤ががん患者に全身投与される方法を提供する。
【0012】
別の態様では、本開示は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインは、患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与される。
【0013】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)をがん患者に全身的に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0014】
他の特定の実施形態では、本開示は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニスト(例えば、CDN)、サイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤ががん患者に全身投与される方法を提供する。
【0015】
さらに別の態様では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与される。
【0016】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)をがん患者に全体的に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0017】
他の特定の実施形態では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニスト(例えば、CDN)およびサイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤ががん患者に全身投与される方法を提供する。
【0018】
さらに別の態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与される。
【0019】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)をがん患者に全身的に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0020】
他の特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニスト(例えば、CDN)、サイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤ががん患者に全身投与される方法を提供する。
【0021】
別の態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、STINGアゴニスト(例えば、CDN)、サイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者の体内に同時に存在させることを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本方法は、有効量のSTINGアゴニストを患者に投与することを含み、患者には、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。別の特定の実施形態では、本方法は、有効量のサイトカインを患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。さらに別の特定の実施形態では、本方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよびサイトカインが既に投与されている。
【0022】
別の態様では、本開示は、患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、STINGアゴニスト(例えば、CDN)、サイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者の体内に同時に存在させることを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本方法は、有効量のSTINGアゴニストを患者に投与することを含み、患者には、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。別の特定の実施形態では、本方法は、有効量のサイトカインを患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。さらに別の特定の実施形態では、本方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよびサイトカインが既に投与されている。
【0023】
別の態様では、本開示は、患者における腫瘍の再発を予防する方法であって、STINGアゴニスト(例えば、CDN)、サイトカイン(例えば、インターロイキン)、および免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)を患者の体内に同時に存在させることを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本方法は、有効量のSTINGアゴニストを患者に投与することを含み、患者には、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。別の特定の実施形態では、本方法は、有効量のサイトカインを患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。さらに別の特定の実施形態では、本方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよびサイトカインが既に投与されている。
【0024】
さらなる態様では、本開示は、例えば、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法であって、STINGアゴニストおよびサイトカインを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインは、患者への腫瘍内投与のために製剤化される併用療法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者への腫瘍内投与のために製剤化される。
【0025】
特定の実施形態では、本開示は、例えば、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストおよびサイトカインの両方は、患者への腫瘍内投与のために製剤化され、併用療法は、がん患者への全身投与のために製剤化された免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体)をさらに含む。
【0026】
一部の実施形態では、本開示は、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を含む混合物を提供する。一部の実施形態では、混合物は、ヒト血漿をさらに含む。
【0027】
特定の実施形態では、本開示は、CDNであるSTINGアゴニスト、インターロイキンであるサイトカイン、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤、およびヒト血漿を含む混合物を提供する。
【0028】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、患者が処置後に腫瘍の再発の低減を示す方法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与される。
【0029】
特定の実施形態では、本明細書に開示される方法、使用、および併用療法で用いられるSTINGアゴニストは、CDN、例えば以下の構造を有する化合物(「化合物A」)またはその薬学的に許容される塩である:
【化1】
【0030】
化合物Aは、STINGを活性化することができる環状ジヌクレオチドであり、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0230177号に記載されている。様々な塩形態の化合物Aをがん患者に投与することができる。例えば、一実施形態では、有効量の化合物Aのナトリウム塩は、がん患者に投与される。本開示における化合物Aへの任意の言及は、その薬学的に許容される塩も含むことが理解されよう。ある特定の実施形態では、化合物Aは、サイトカインIL-12と組み合わせて、本明細書に開示される方法、使用、および併用療法において使用される。
【0031】
特定の実施形態では、本明細書に開示される方法、使用、および併用療法において用いられるサイトカインは、インターロイキン、例えば、ヒトインターロイキンIL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15またはこれらの組合せである。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、またはこれらの組合せである。一部の実施形態では、インターロイキンは、IL-2、IL-12、IL-15またはこれらの組合せである。一実施形態では、インターロイキンはIL-2である。別の実施形態では、インターロイキンはIL-7である。別の実施形態では、インターロイキンはIL-10である。別の実施形態では、インターロイキンはIL-15である。特定の実施形態では、インターロイキンはIL-12である。ある特定の他の実施形態では、本明細書に開示される方法、使用および併用療法で用いられるサイトカインは、タンパク質に融合して融合タンパク質、例えばコラーゲン結合ルミカンに融合したIL-12を形成するインターロイキンである。他の特定の実施形態では、本明細書に開示される方法、使用および併用療法において用いられるサイトカインは、タンパク質に融合して融合タンパク質(例えば、コラーゲン結合ルミカンに融合したIL-2)を形成するインターロイキンである。ルミカンに融合したIL-12またはIL-2は、参照により本明細書に組み込まれるPCT公開国際公開第2020/068261号に記載されている。ある特定の実施形態では、化合物Aは、ルミカンに融合されたサイトカインIL-12と組み合わせて、本明細書に開示される方法、使用および併用療法において使用される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
5.図面の簡単な説明
【
図1】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とサイトカイン(IL-2、IL-12、またはIL-15)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。
図1のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。データを平均±SEMとして示す。
図1のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。
【0033】
【
図2】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とサイトカイン(IL-7またはIL-10)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。
図2のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。データを平均±SEMとして示す。
図2のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。
【0034】
【
図3A】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(50ng)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。パネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。パネルBは、マウスの生存を経時的に示す。パネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【
図3B】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(200ng)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。パネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。パネルBは、マウスの生存を経時的に示す。パネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【
図3C】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(1μg)のと三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。パネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。パネルBは、マウスの生存を経時的に示す。パネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【0035】
【
図4】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(3ng、10ngまたは30ng)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。
図4のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。
図4のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。
図4のパネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【0036】
【
図5】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とIL-12-Fcとの組合せの抗腫瘍効果を示す。
図5のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。
図5のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。
図5のパネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【0037】
【
図6】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(5ng、17ngまたは50ng)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。
図6のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。
図6のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。
図6のパネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【0038】
【
図7】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とインターロイキンIL-12-Fc(30ng)またはIL12-MSA-ルミカン(20ng、60ngまたは200ng)との三重の組合せの抗腫瘍効果を示す。
図7のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。
図7のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。
図7のパネルCは、マウスの体重変化を経時的に示す。パネルAおよびCのデータを平均±SEMとして示す。
【0039】
【
図8】マウスモデルにおけるSTINGアゴニスト(化合物A)、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)およびインターロイキンIL12-MSA-ルミカンの様々な組合せの抗腫瘍効果を示す。
図8のパネルAは、原発性および遠位の腫瘍成長を経時的に示す。
図8のパネルBは、マウスの生存を経時的に示す。パネルAのデータを平均±SEMとして示す。
【0040】
【
図9】ナイーブマウスまたはSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とインターロイキンIL12-MSA-ルミカン(20ng、60ngまたは200ng)との三重の組合せで以前に処置したマウスにおける腫瘍成長を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
6.詳細な説明
6.1.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、反対に指定されない限り、以下の用語および略語は示される意味を有する。
【0042】
「併用療法」は、本明細書では、列挙された疾患を処置するための特定の列挙された投与経路のための列挙された物質の投与レジメンを指す。例えば、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者への腫瘍内投与のために製剤化される、STINGアゴニストおよびサイトカインを含む本明細書に開示されるがん患者における腫瘍を処置するための併用療法は、がん患者における腫瘍を処置するのに十分な投与量および頻度でのSTINGアゴニストおよびサイトカインのそれぞれに対する腫瘍内投与レジメンを含むことになる。
【0043】
「共同投与する」は、本明細書では、最初に投与された治療用化合物が依然として体内で有効である(例えば、2つの化合物は患者において同時に有効であり、2つの化合物の相加効果または相乗効果を含み得る)間に第2の投与された化合物が投与されるような、2つ以上の異なる治療用化合物の任意の投与形態を指す。例えば、本明細書に開示されるSTINGアゴニストおよびサイトカインは、同じ製剤または別個の製剤のいずれかで、同時にまたは連続的に投与することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示されるSTINGアゴニストおよびサイトカインは、互いに1時間以内、2時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内または1週間以内に投与することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニストが最初に投与され、他の実施形態では、サイトカインが最初に投与される。よって、そのような処置を受ける個体は、異なる治療用化合物の複合効果から利益を得ることができる。
【0044】
「有効量」は、本明細書で使用される場合、別の記載された物質(例えば、本明細書に開示されているSTINGアゴニスト、サイトカインまたは免疫チェックポイント阻害剤)と組み合わせた場合に、がん患者などのヒト対象において、記載された疾患、障害、もしくは状態を処置するか、または疾患、障害、もしくは状態に対して、または疾患、障害、もしくは状態の根底にある1つもしくは複数の機序に対して所望の記載された効果を有するか、または所望の記載された生物学的効果(例えば、抗腫瘍応答を増強すること、免疫細胞の集団もしくは機能を増加させること、または腫瘍浸潤白血球の増殖もしくは機能を増加させること)を有するのに十分な、本明細書に開示されている物質(例えば、本明細書に開示されているSTINGアゴニスト、サイトカインまたは免疫チェックポイント阻害剤)の量を指す。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストは、腫瘍の処置のためにサイトカイン(好ましくは、しかし任意選択的に免疫チェックポイント阻害剤)と共同投与される場合、有効量は、ヒトへの共同投与時に、ヒトにおける腫瘍を処置するかもしくは改善するか、またはヒトにおいて検出可能な治療効果もしくは生物学的効果を示すSTINGアゴニストの量とサイトカインの量(およびチェックポイント阻害剤の量)との両方を指す。治療効果は、例えば、1つまたは複数の腫瘍のサイズの低減、腫瘍の増殖の低減、および生存時間の増加によって検出することができる。生物学的効果は、CD45などの表面マーカーを使用して腫瘍浸潤白血球の数を測定すること、腫瘍生検および血液中のT細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞またはマクロファージを含むがこれらに限定されない特定の免疫細胞の集団を決定すること、ならびに腫瘍中の単一細胞およびバルク細胞における遺伝子発現を測定することによって評価することができる。治療の生物学的効果および安全性はまた、腫瘍および血液中の種々の炎症性サイトカインを測定することによって、体重および体温測定によって、ならびに認可された臨床医によって必要かつ適切であると考えられる標準的な臨床的および解剖学的評価によって調べることができる。
【0045】
がん患者における「腫瘍の再発を低減する」または「腫瘍の再発を予防する」は、本明細書で使用される場合、指定された薬剤(例えば、STINGアゴニスト、サイトカイン、好ましくは任意選択的な免疫チェックポイント阻害剤)を投与されたことがあるがん患者における腫瘍の再発を、指定された薬剤を投与されたことがない同様に罹患したがん患者または患者のタイプと比較して低減するかまたは予防することを指す。ある特定の好ましい実施形態では、腫瘍の再発の低減または予防は、患者が指定された薬剤によるさらなる処置を受けない場合でも起こる。理論に拘束されることを望むものではないが、場合によっては、既存のがん/腫瘍の処置に加えて、指定された薬剤による処置が終了した後の将来における腫瘍の再発を低減または予防するように、指定された薬剤による処置が患者の免疫系の抗腫瘍応答を増強する。
【0046】
「処置」または「処置すること」は、本明細書で使用される場合、がん患者などのヒト対象における疾患、障害、もしくは状態、または1つもしくは複数の根底にある機序の進行を遅らせるかまたは停止させることを含む、示された疾患、障害、もしくは状態、または前記疾患、障害、もしくは状態の1つもしくは複数の根底にある機序を改善する、本明細書に開示されるSTINGアゴニストおよびサイトカイン(好ましくは、しかし任意選択的に免疫チェックポイント阻害剤)の共同投与に関連する治療適用を指す。ある特定の実施形態では、本明細書中に開示されているSTINGアゴニストおよびサイトカイン(好ましくは、しかし任意選択的に免疫チェックポイント阻害剤を伴う)は、処置する腫瘍(例えば、がんを処置する際の)の処置のために共同投与される場合、処置は、腫瘍もしくはがんの進行および/または腫瘍もしくはがんの逆転を遅らせるかまたは停止させるための治療適用を指す。腫瘍またはがんの逆転は、腫瘍またはがんの進行を停止させるだけでなく逆転させる方法によって、腫瘍またはがんの非存在下で観察される正常状態に向かって細胞挙動がある程度移動するという点で、腫瘍またはがんを遅延または停止させる治療適用とは異なる。
【0047】
6.2.サイトカインと関連する併用療法とを組み合わせたSTINGアゴニストの投与
本開示は、それを必要とする患者における、疾患または障害、特にがんを処置する方法、例えばそれを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。共同投与は、STINGアゴニストがサイトカインの投与と同時に、投与前に、または投与後に投与され得ることを企図する。
【0048】
特定の態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、患者が処置後に腫瘍の再発の低減を示す方法を提供する。ある特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。共同投与は、STINGアゴニストがサイトカインの投与と同時に、投与前に、または投与後に投与され得ることを企図する。
【0049】
さらなる態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。共同投与は、STINGアゴニストがサイトカインの投与と同時に、投与前に、または投与後に投与され得ることを企図する。
【0050】
別の態様では、本開示は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。本明細書で論じられるように、増強された抗腫瘍応答は、例えば、1つもしくは複数の腫瘍の縮小によって、または生存期間の延長によって示すことができる。
【0051】
さらに別の態様では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。本明細書で論じられるように、免疫細胞の集団または機能の増加は、例えば、腫瘍生検および血液中のT細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞、もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せを含むがこれらに限定されない特定の免疫細胞の集団を決定することによって示すことができる。
【0052】
なおさらなる態様では、本開示は、がん患者における腫瘍浸潤白血球の増殖または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与される方法を提供する。ある特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。腫瘍浸潤白血球の増殖または機能の増加は、例えば、CD45などの表面マーカーを使用して腫瘍浸潤白血球の数を測定することによって示すことができる。
【0053】
本開示の方法および使用の一部の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインは両方、患者に腫瘍内投与することができる。これらの実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、同じ医薬組成物中または別々の医薬組成物中で一緒に投与することができる。他の実施形態では、サイトカインは患者に腫瘍内投与することができ、STINGアゴニストは患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、または経口的)に投与することができる。特定の実施形態では、サイトカインは患者に腫瘍内投与することができ、STINGアゴニストは患者に静脈内投与することができる。特定の実施形態では、サイトカインは患者に腫瘍内投与することができ、STINGアゴニストは患者に筋肉内投与することができる。他の実施形態では、サイトカインは患者に腫瘍内投与することができ、STINGアゴニストは患者に経口投与することができる。他の実施形態では、STINGアゴニストは患者に腫瘍内投与することができ、サイトカインは患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与することができる。特定の実施形態では、STINGアゴニストは患者に腫瘍内投与することができ、サイトカインは患者に静脈内投与することができる。特定の実施形態では、STINGアゴニストは患者に腫瘍内投与することができ、サイトカインは患者に筋肉内投与することができる。特定の実施形態では、STINGアゴニストは患者に腫瘍内投与することができ、サイトカインは患者に皮下投与することができる。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を予防する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法である。
【0054】
STINGアゴニストおよびサイトカインが別々の組成物で投与される実施形態では、2つの組成物は、同時にまたは連続的に投与することができる。サイトカインおよびSTINGアゴニストが連続的に投与される特定の実施形態では、STINGアゴニストは、サイトカインの投与前に投与することができる。あるいは、STINGアゴニストは、サイトカインの投与後に投与することができる。
【0055】
一部の実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、追加の治療剤なしで組み合わせて、例えば共同投与することができる。驚くべきことに、いくつかの腫瘍、例えば本明細書で例示される腫瘍では、STINGアゴニストとサイトカインとの組合せは、さらなる化学療法剤または免疫療法剤がさらなる腫瘍阻害をもたらさないように十分な腫瘍阻害をもたらす。
【0056】
しかしながら、他の実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、1つまたは複数さらなる抗がん剤と組み合わせて、例えば、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体および抗CTLA-4抗体を含むPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤と組み合わせて、投与される。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。したがって、一部の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に腫瘍内投与される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、筋肉内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、皮下投与される。特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている。
【0057】
特定の態様では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含み、患者が処置後に腫瘍の再発の低減を示す方法を提供する。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に腫瘍内投与される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、筋肉内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、皮下投与される。特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている。
【0058】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および使用は、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインは患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤は患者に体系的に投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を予防する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法である。
【0059】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および使用は、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインは患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤は患者に体系的に投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体であり、STINGアゴニストは環状ジヌクレオチド(CDN)である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を予防する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法である。
【0060】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法および使用は、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインは患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤は患者に体系的に投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体であり、サイトカインはインターロイキンであり、STINGアゴニストは環状ジヌクレオチド(CDN)である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法である。ある特定のそのような実施形態では、インターロイキンは、IL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を予防する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者の抗腫瘍応答を増強する方法である。ある特定の実施形態では、本方法は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法である。
【0061】
一部実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者の体内に同時に存在させることを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、有効量のSTINGアゴニストを患者に投与することを含み、患者には、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。一部の実施形態では、本方法は、有効量のサイトカインを患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。一部の実施形態では、本方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよびサイトカインが既に投与されている。
【0062】
一部の実施形態では、本開示は、患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者の体内に同時に存在させることを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、有効量のSTINGアゴニストを患者に投与することを含み、患者には、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。一部の実施形態では、本方法は、有効量のサイトカインを患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。一部の実施形態では、本方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよびサイトカインが既に投与されている。
【0063】
一部の実施形態では、本開示は、患者における腫瘍の再発を予防する方法であって、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者の体内に同時に存在させることを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、有効量のSTINGアゴニストを患者に投与することを含み、患者には、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。一部の実施形態では、本方法は、有効量のサイトカインを患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよび免疫チェックポイント阻害剤が既に投与されている。一部の実施形態では、本方法は、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を患者に投与することを含み、患者には、STINGアゴニストおよびサイトカインが既に投与されている。
【0064】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、および/またはサイトカインはインターロイキンである。
【0065】
さらなる特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含み、患者が処置後に腫瘍の再発の低減を示す方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNである。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、インターロイキン、例えばIL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、サイトカインは、インターロイキン、例えばIL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。特定の実施形態では、患者は、処置後に腫瘍の再発の低減を示す。
【0066】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNである。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、インターロイキン、例えばIL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、サイトカインは、インターロイキン、例えばIL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。特定の実施形態では、患者は、処置後に腫瘍の再発の低減を示す。
【0067】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびIL-12であるサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0068】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインががん患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に全身投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である方法を提供する。
【0069】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニスト、IL-12であるサイトカイン、および抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、CDNとIL-12の両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、IL-12は、IL-12の融合タンパク質、例えば、IL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。特定の実施形態では、患者は、処置後に腫瘍の再発の低減を示す。
【0070】
さらなる特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量の、化合物AであるSTINGアゴニスト、サイトカインおよび抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に共同投与することを含み、化合物Aとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。特定の実施形態では、患者は、処置後に腫瘍の再発の低減を示す。
【0071】
さらなる特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびIL-12であるサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含み、患者が処置後に腫瘍の再発の低減を示す方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、IL-12は、IL-12の融合タンパク質、例えば、IL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。
【0072】
他の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に腫瘍内投与される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、筋肉内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、皮下投与される。特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている。
【0073】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、および/またはサイトカインはインターロイキンである。
【0074】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびIL-12であるサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0075】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインが患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に全身投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である方法を提供する。
【0076】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニスト、IL-12であるサイトカイン、および抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、CDNとIL-12の両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、IL-12は、IL-12の融合タンパク質、例えば、IL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。
【0077】
さらなる特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量の、化合物AであるSTINGアゴニスト、サイトカインおよび抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に共同投与することを含み、化合物Aとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。
【0078】
他の実施形態では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に腫瘍内投与される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、筋肉内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、皮下投与される。特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている。ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。
【0079】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、および/またはサイトカインはインターロイキンである。ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。
【0080】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびIL-12であるサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。
【0081】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞もしくはマクロファージ、またはこれらの組合せ)の集団または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインが患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に全身投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である方法を提供する。ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。
【0082】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニスト、IL-12であるサイトカイン、および抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、CDNとIL-12の両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤ががん患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、IL-12は、IL-12の融合タンパク質、例えば、IL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。
【0083】
さらなる特定の実施形態では、本開示は、がん患者における抗腫瘍応答を増強する方法であって、有効量の、化合物AであるSTINGアゴニスト、サイトカインおよび抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に共同投与することを含み、化合物Aとサイトカインの両方ががん患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。
【0084】
ある特定の実施形態では、そのような方法は、T細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、NK細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、B細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、樹状細胞の集団または機能を増加させる。他の実施形態では、そのような方法は、マクロファージの集団または機能を増加させる。
【0085】
他の実施形態では、本開示は、がん患者における腫瘍浸潤白血球の増殖または機能を増加させる方法であって、STINGアゴニストおよびサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に腫瘍内投与される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。
【0086】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における腫瘍浸潤白血球の増殖または機能を増加させる方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、および/またはサイトカインはインターロイキンである。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。
【0087】
特定の実施形態では、本開示は、がん患者における腫瘍浸潤白血球の増殖または機能を増加させる方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびIL-12であるサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。
【0088】
一態様では、本開示は、ヒトがん患者における転移を処置または予防する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、必要に応じて有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含む方法を提供する。例えば、本方法は、免疫チェックポイント療法に対して抵抗性である原発性または転移性の腫瘍を処置するために使用することができる。一部のそのような実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、PD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤と共同投与されるか、またはがん患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を現在受けている。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。
【0089】
他の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストとサイトカインを組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインが患者に腫瘍内投与され、有効量の免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせて(例えば、共同的に)患者に投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に腫瘍内投与される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、患者に全身的(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)に投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、筋肉内投与される。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、皮下投与される。特定の実施形態では、患者は、抗腫瘍療法の一部として免疫チェックポイント阻害剤を受けている。
【0090】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNである。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、インターロイキン、例えばIL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、サイトカインは、インターロイキン、例えばIL-12、例えばIL-12の融合タンパク質、例えばIL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。
【0091】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびIL-12であるサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。
【0092】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、有効量の、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に全身的(例えば、静脈内)に共同投与することをさらに含む方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、免疫グロブリンFcドメインに融合される。
【0093】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量の、CDNであるSTINGアゴニスト、IL-12であるサイトカイン、および抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、CDNとIL-12の両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、IL-12は、IL-12の融合タンパク質、例えば、IL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。
【0094】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量のSTINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を患者に共同投与することを含み、STINGアゴニストおよびサイトカインががん患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に全身投与され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である方法を提供する。
【0095】
さらなる特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍の再発を低減する方法であって、有効量の、化合物AであるSTINGアゴニスト、サイトカインおよび抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をがん患者に共同投与することを含み、化合物Aとサイトカインの両方が患者に腫瘍内投与され、免疫チェックポイント阻害剤が患者に静脈内投与される方法を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、コラーゲン結合タンパク質、例えばルミカンに融合される。
【0096】
一部の実施形態では、本開示は、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を含む混合物を提供する。一部の実施形態では、混合物は、ヒト血漿をさらに含む。
【0097】
特定の実施形態では、本開示は、CDNであるSTINGアゴニスト、サイトカイン、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤、およびヒト血漿を含む混合物を提供する。さらなる特定の実施形態では、本開示は、CDNであるSTINGアゴニスト、インターロイキンであるサイトカイン、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤、およびヒト血漿を含む混合物を提供する。さらにさらなる特定の実施形態では、本開示は、化合物AであるSTINGアゴニスト、インターロイキン(例えば、IL-12)であるサイトカイン、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤、およびヒト血漿を含む混合物を提供する。ある特定のそのような特定の実施形態では、IL-12は、IL-12の融合タンパク質、例えば、IL-12-FcまたはIL-12-MSA-ルミカンである。
【0098】
したがって、一部の実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、本明細書に記載のものなどのPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤と組み合わせて、例えば共同的に、がん患者に投与することができる。そのような場合には、PD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤は、STINGアゴニストおよび/またはサイトカインの投与と同時に、投与前または投与後に投与することができる。一部の実施形態では、PD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤は腫瘍内投与することができる。他の実施形態では、PD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤は、全身的に、例えば静脈内、皮下または筋肉内に投与することができる。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が、がん患者に腫瘍内投与され、PD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤が、全身的に、例えば静脈内、皮下または筋肉内に投与される。他の実施形態では、サイトカインは、がん患者に腫瘍内投与され、STINGアゴニストとPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤の両方が、全身的に、例えば、静脈内、皮下、筋肉内または経口的に投与される。他の実施形態では、STINGアゴニストは、がん患者に腫瘍内投与され、サイトカインとPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤の両方が、全身的に、例えば、静脈内、皮下または筋肉内に投与される。ある特定の実施形態では、サイトカインとPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤の両方が、がん患者に腫瘍内投与され、STINGアゴニストは、全身的に、例えば静脈内、皮下、筋肉内または経口的に投与される。一部の実施形態では、STINGアゴニストとPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤の両方が、がん患者に腫瘍内投与され、サイトカインは、全身的に、例えば静脈内、皮下または筋肉内に投与される。他の実施形態では、STINGアゴニスト、サイトカイン、およびPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤はすべて、がん患者に腫瘍内投与される。
【0099】
本開示の方法の特定の実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、CTLA-4阻害剤およびPD-1阻害剤またはPD-L1阻害剤のいずれかと組み合わせて、例えば共同投与される。ある特定のそのような実施形態では、CTLA-4阻害剤は、腫瘍内投与または全身投与、特に腫瘍内投与される抗CTLA-4抗体である。
【0100】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および使用は、STINGアゴニストおよびサイトカインならびに任意選択的に免疫チェックポイント阻害剤を投与すると、STINGアゴニストまたはサイトカインの腫瘍内投与部位より遠位の腫瘍においてアブスコパル効果を生じる。例えば、一部の実施形態では、本明細書の方法および使用は、STINGアゴニストおよび/またはサイトカインの腫瘍内投与部位の遠位の腫瘍を処置する。一部の実施形態では、本明細書の方法および使用は、STINGアゴニストの腫瘍内投与部位の遠位の腫瘍を処置する。一部の実施形態では、本明細書の方法および使用は、STINGアゴニストおよび/またはサイトカインの腫瘍内投与部位の遠位の腫瘍を処置する。
【0101】
一実施形態では、STINGアゴニストおよびサイトカインは、免疫チェックポイント阻害療法を既に受けているがん患者、例えば腫瘍またはがんが安定化しているがん患者に投与される。特定の実施形態では、がん患者は、STINGアゴニストおよびサイトカインの投与前に少なくとも1または2サイクルの免疫チェックポイント阻害剤療法を受けている。例えば、がん患者は、STINGアゴニストおよびサイトカインの投与前に、2、3、4、5、6、7または8サイクルの免疫チェックポイント阻害療法を受けていてもよい。ある特定のこれらの実施形態では、がん患者は、STINGアゴニストおよびサイトカインの連続サイクルによる免疫チェックポイント阻害療法を受け続ける。
【0102】
一部の実施形態では、本開示は、例えば、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法であって、STINGアゴニストおよびサイトカインを含み、STINGアゴニストまたはサイトカインは、患者への腫瘍内投与のために製剤化される併用療法を提供する。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が患者への腫瘍内投与のために製剤化される。一部の実施形態では、サイトカインは腫瘍内投与のために製剤化され、STINGアゴニストは、患者への全身投与、例えば静脈内、皮下、筋肉内または経口投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストは、静脈内投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストは、皮下投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストは、筋肉内投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、STINGアゴニストは、経口投与のために製剤化される。他の実施形態では、STINGアゴニストは、腫瘍内投与のために製剤化され、サイトカインは、患者への全身投与、例えば静脈内、皮下または筋肉内投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、サイトカインは、静脈内投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、サイトカインは、皮下投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、サイトカインは、筋肉内投与のために製剤化される。
【0103】
特定の実施形態では、本開示は、例えば、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストおよびサイトカインの両方が、患者への腫瘍内投与のために製剤化され、併用療法は、がん患者への全身投与のために製剤化された、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストはCDNであり、および/またはサイトカインはインターロイキンである。
【0104】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストはCDNであり、サイトカインはIL-12であり、STINGアゴニストとサイトカインの両方が、患者への腫瘍内投与のために製剤化され、併用療法は、がん患者への全身投与のために製剤化された、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。
【0105】
特定の実施形態では、本明細書に開示される併用療法は、免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に開示される併用療法は、PD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体)などの免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4抗体である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、がん患者への腫瘍内投与のために製剤化される。他の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、がん患者への全身投与、例えば静脈内、皮下または筋肉内投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、皮下投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、筋肉内投与のために製剤化される。
【0106】
特定の実施形態では、本開示は、例えば、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストまたはサイトカインは、患者への腫瘍内投与のために製剤化され、併用療法は、がん患者への全身投与のために製剤化された、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。特定の実施形態では、本開示は、例えば、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストおよびサイトカインの両方が、患者への腫瘍内投与のために製剤化され、併用療法は、がん患者への全身投与のために製剤化された、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体である免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む。
【0107】
特定の実施形態では、本開示は、例えばそれを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤を含み、STINGアゴニストおよびサイトカインは、患者への腫瘍内投与のために製剤化され、免疫チェックポイント阻害剤は患者への全身投与のために製剤化され、免疫チェックポイント阻害剤は抗PD-1抗体、および抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
【0108】
特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストはCDNであり、サイトカインはインターロイキンであり、STINGアゴニストとサイトカインの両方は患者への腫瘍内投与のために製剤化され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体であり、がん患者への全身投与のために製剤化される。ある特定のそのような特定の実施形態では、STINGアゴニストは化合物Aである。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、IL-12であるインターロイキンである。特定の実施形態では、本開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための併用療法を提供し、STINGアゴニストは化合物Aであり、サイトカインはIL-12であり、STINGアゴニストとサイトカインの両方は患者への腫瘍内投与のために製剤化され、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体または抗CTLA-4抗体であり、がん患者への全身投与のために製剤化される。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインをタンパク質に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体または抗体断片である。ある特定のそのような特定の実施形態では、サイトカインは、タンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質は、抗体でも抗体断片でもない。
【0109】
6.3.STINGアゴニスト、サイトカインおよび免疫チェックポイント阻害剤
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法、使用、併用療法および混合物において使用されるSTINGアゴニストは、環状ジヌクレオチド(CDN)化合物である。例えば、STINGアゴニストは、以下に示される2’3’-CDN、例えば、2’3’-cGAMP、化合物A、化合物B、または化合物C、特に化合物Aであり得る。他の実施形態では、STINGアゴニストは、3’3’-CDN、2’2’-CDN、または3’2’-CDN、例えば、3’3’-cGAMP、2’2’-cGAMP、または3’2’-cGAMPである。一部の実施形態では、STINGアゴニストは、2’3’-cGAMP(すなわち、グアニン核酸塩基およびアデニン核酸塩基を含む2’3’-CDN)のアナログであるCDN、例えば化合物Aおよび化合物B、特に化合物Aである。
【0110】
一部の実施形態では、STINGアゴニストは、ベンゾフェノン類似体である。さらなる実施形態では、STINGアゴニストは、二量体アミドベンズイミダゾールである。
【0111】
本開示に従って使用することができるSTINGアゴニストの例としては、ADU-S100(MIW815)、BMS-986301、CRD5500、CMA(10-カルボキシメチル-9-アクリダノン)、diABZI STINGアゴニスト-1(例えば、CAS番号:2138299-34-8)、DMXAA(ASA404/バジメザン)、E7766、GSK-532、GSK-3745417、MK-1454、MK-2118、SB-11285、SRCB-0074、TAK-676、TTI-10001、SR-717およびMSA-2が挙げられる。
【0112】
一実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用されるCDNは、以下の化合物(「化合物A」)またはその薬学的に許容される塩である:
【化2】
【0113】
化合物Aは、局所的および全身的の両方に作用して、強力な抗腫瘍効果を発揮することができる。化合物Aは、それを必要とするがん患者に特定の投与量で投与された場合、転移の拡大を実質的に低減または予防することができる。本開示によれば、転移の発症および/または進行を低減または予防する化合物Aの能力は、サイトカインと組み合わせて、例えば共同投与した場合に強化され得る。さらに、本開示によれば、化合物Aは、サイトカインと組み合わせて投与された場合に強力なアブスコパル効果を発揮することが発見されている。
【0114】
化合物Aがサイトカインと組み合わせて投与されるSTINGアゴニストとして作用する一部の実施形態では、化合物Aを複数サイクルにわたって投与することができる。例えば、一実施形態では、最初のサイクルは、4週間の期間の1、8および15日目に化合物Aを投与することを含み、その後のサイクルは、4週間の期間の1および15日目(すなわち、隔週)に化合物Aを投与することを含む。化合物Aは、皮下、筋肉内または静脈内を含めて、腫瘍内または全身的に投与することができる。一部の実施形態では、投与のために指定されたサイクルの日に、化合物Aを50μg~6,500μgの範囲の投与量で投与することができる。一部の実施形態では、投与のために指定されたサイクルの日に、化合物Aを100μg~3,000μgの範囲の投与量で投与することができる。一部の実施形態では、投与のために指定されたサイクルの日に、化合物Aを100μg~1,200μgの範囲の投与量で投与することができる。
【0115】
一実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用されるCDNは、以下の化合物(「化合物B」)またはその薬学的に許容される塩である:
【化3】
【0116】
別の実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用されるCDNは、以下の化合物(「化合物C」)またはその薬学的に許容される塩である:
【化4】
【0117】
別の実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用されるSTINGアゴニストは、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2019/165032号に開示されている化合物である。そのようなSTINGアゴニストは、患者に、経口、全身、または腫瘍内投与することができる。本開示に従って使用することができる1つのそのようなSTINGアゴニストの例は、以下の構造を有するSR-717(「化合物D」)またはその薬学的に許容される塩である:
【化5】
【0118】
別の実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用されるSTINGアゴニストは、MSA-2(「化合物E」)またはその薬学的に許容される塩であり、これは、以下の構造を有する:
【化6】
MSA-2は、患者に、経口、全身、または腫瘍内投与することができる。
【0119】
本方法および併用療法においてSTINGアゴニストとして使用することができるCDNのさらなる例は、以下の刊行物、すなわち国際公開第2014/144666号、国際公開第2014/179335号、国際公開第2014/189806号、国際公開第2015/161762号、国際公開第2016/096174号、国際公開第2017/027646号、国際公開第2017/027645号、国際公開第2017/161349号、国際公開第2018/118664号、国際公開第2018/118665号、国際公開第2018/208667号、国際公開第2019/165032号および国際公開第2019/046511号に開示されており、これらの各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
他の実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用されるSTINGアゴニストは、抗体または抗原結合断片にコンジュゲートさせることができ、したがって抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を生成する。
【0121】
一実施形態では、本明細書に開示される方法および併用療法に従って投与されるADCは、米国特許出願公開第2017/0298139号、国際公開第2017/100305号、国際公開第2018/200812号または国際公開第2018/140831号に記載されている構造を有し、その各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0122】
特定の実施形態では、本開示に従う方法および併用療法で使用することができるADCは、式IAの構造を有する:
(IA)Ab-[-L-D]
n
[式中、
「D」は、式IIaの構造を有するCDN:
【化7】
(式中、
W、X、YおよびZは独立してCHまたはNであり、
R
1は、チオール基、アミノ基、またはC
1~6アルキルアミノ基で置換されたC
2~4アルキルであり、
R
pは、出現ごとに独立して、ヒドロキシル、チオール、C
1~6アルキル、ボラノ
(-BH
3
-)、または-NR’R”であり、式中、R’およびR”は、出現ごとに独立して、水素、またはハロゲン、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、C
1~6アルコキシ、C
1~6ヒドロキシアルコキシ、-OC(O)C
1~6アルキル、-N(H)C(O)C
1~6アルキル、-N(C
1~3アルキル)C(O)C
1~6アルキル、アミノ、C
1~6アルキルアミノ、ジ(C
1~6アルキル)アミノ、オキソ、アジド、およびシアノから選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換されているC
1~6アルキルであるか、または同じ窒素上のR’およびR”が一緒になってC
3~5複素環を形成する)
またはその薬学的に許容される塩を表し、
「Ab」は、標的抗原に結合する抗体またはその結合断片を表し、
「L」は、出現ごとに独立して、Dの1つまたは複数の出現をAbに連結するリンカーを表し、
「n」は、リンカー(L)を介してAbに連結されたDの出現数を表し、
CDN(D)は、CDNのR
1位におけるチオール基、アミノ基またはC
1~6アルキルアミノ基においてリンカー(L)に共有結合している]。
【0123】
STINGアゴニストが式IAのADCの一部である一部の実施形態では、ADCのCDNは、式IIbの構造:
【化8】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0124】
STINGアゴニストが式IAのADCの一部である一部の実施形態では、ADCのCDNは、式IIcの構造:
【化9】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0125】
STINGアゴニストが式IAのADCの一部である一部の実施形態では、ADCは、式IIIの構造:
【化10】
を有する。
【0126】
STINGアゴニストが式IAのADCの一部である一部の実施形態では、ADCは、式IVの構造:
【化11】
を有する。
【0127】
STINGアゴニストが式IAのADCの一部である一部の実施形態では、ADC(「化合物F」)は、以下の構造:
【化12】
を有する。
【0128】
STINGアゴニストが式IAのADCの一部である一部の実施形態では、ADC(「化合物G」)は、以下の構造:
【化13】
を有する。
【0129】
本明細書に開示される方法、使用、併用療法および混合物において使用することができるサイトカインの例としては、様々なインターロイキン、例えば、ヒトインターロイキンIL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15またはこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、またはこれらの組合せである。一部の実施形態では、インターロイキンは、IL-2、IL-12、IL-15またはこれらの組合せである。一実施形態では、インターロイキンはIL-2である。別の実施形態では、インターロイキンはIL-7である。別の実施形態では、インターロイキンはIL-10である。別の実施形態では、インターロイキンはIL-15である。特定の実施形態では、インターロイキンはIL-12である。
【0130】
ある特定の実施形態では、インターロイキンがタンパク質に融合されて融合タンパク質を形成し、タンパク質が抗体または抗体断片である。ある特定の実施形態では、インターロイキンを抗体に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定の実施形態では、インターロイキンを抗体断片に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定の実施形態では、インターロイキンがタンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体でも抗体断片でもない。
【0131】
本方法、使用および併用療法で使用することができるルミカンとのインターロイキン融合タンパク質の例は、PCT公開国際公開第2020/068261号に開示されており、その各々の内容は参照により組み込まれる。
【0132】
ある特定の実施形態では、インターロイキンがタンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体でも抗体断片でもない。特定の実施形態では、インターロイキンは、コラーゲン結合タンパク質に融合される。特定の実施形態では、コラーゲン結合タンパク質はルミカンである。特定の実施形態では、融合タンパク質のインターロイキンはIL-12である。特定の実施形態では、融合タンパク質のインターロイキンはIL-2である。
【0133】
ある特定の実施形態では、インターロイキンがタンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体でも抗体断片でもない。特定の実施形態では、インターロイキンは、IL-2受容体アルファ鎖、前立腺特異的抗原切断配列、マトリックスメタロプロテイナーゼ切断配列、またはミョウバン結合ペプチドに融合される。特定の実施形態では、融合タンパク質のインターロイキンはIL-12である。特定の実施形態では、融合タンパク質のインターロイキンはIL-2である。
【0134】
ある特定の実施形態では、インターロイキンはIL-12であり、タンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体または抗体断片である。ある特定の実施形態では、インターロイキンを抗体に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定の実施形態では、インターロイキンを抗体断片に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定の実施形態では、インターロイキンがタンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体でも抗体断片でもない。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、DNA/ヒストン複合体を認識する抗体に融合される。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、ヒトモノクローナルIgG1抗体NHS76に融合される。IgG1抗体NHS76に融合したIL-12の例は、Greiner et al.,2021,Immunotargets Ther.May 27;10:155-169に開示されている。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、IL-2受容体アルファ鎖、前立腺特異的抗原切断配列、マトリックスメタロプロテイナーゼ切断配列、または抗体断片scFvに融合され得る。そのようなインターロイキン融合タンパク質の例は、Puskas et al.,2011,Immunology,Jun;133(2):206-20に開示されている。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、ミョウバン結合ペプチド(ABP)に融合され得る。ABPに結合したインターロイキンの例は、Agarwal et al.,2022,Nat Biomed Eng 6,129-143;およびPuskas et al.,2011,Immunology,Jun;133(2):206-20に開示されている。
【0135】
ある特定の実施形態では、インターロイキンはIL-2であり、タンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体または抗体断片である。ある特定の実施形態では、インターロイキンを抗体に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定の実施形態では、インターロイキンを抗体断片に融合させて融合タンパク質を形成する。ある特定の実施形態では、インターロイキンがタンパク質に融合して融合タンパク質を形成し、タンパク質は抗体でも抗体断片でもない。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、融合タンパク質である。
【0136】
ある特定の実施形態では、インターロイキンは、融合タンパク質、例えばFc融合インターロイキン、例えばFc融合IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである。ある特定の実施形態では、インターロイキンは、Fc融合IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、またはこれらの組合せである。一部の実施形態では、インターロイキンは、Fc融合IL-2、IL-12、IL-15、またはこれらの組合せである。一実施形態では、インターロイキンはFc融合IL-2である。別の実施形態では、インターロイキンはFc融合IL-7である。別の実施形態では、インターロイキンはFc融合IL-10である。別の実施形態では、インターロイキンはFc融合IL-15である。特定の実施形態では、インターロイキンはFc融合IL-12である。他の実施形態では、インターロイキンは融合タンパク質ではない。
【0137】
上で議論されたように、免疫チェックポイント阻害剤は、本明細書に開示される方法および併用療法において使用される場合、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体および抗CTLA-4抗体を含むPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、またはCTLA-4阻害剤であり得る。
【0138】
本開示に従って使用することができるCTLA-4阻害剤の例としては、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))およびトレメリムマブ(チシリムマブ)、CBT-509、CS1002、BMS-986249、AGEN1181、AGEN1194、AGN2041、BA3071、ATOR-1015、ATOR-1144、ADV-1604およびBCD-145が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))およびトレメリムマブから選択される抗CTLA-4抗体である。CTLA-4阻害剤は、一般に、全身投与または腫瘍内投与することができ、特定の実施形態では、CTLA-4阻害剤は、腫瘍内投与される抗CTLA-4抗体である。
【0139】
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤がCTLA-4阻害剤、例えば抗CTLA-4抗体である場合、CTLA-4阻害剤は、T細胞上のCTLA-4と、腫瘍微小環境における樹状細胞またはマクロファージなどの抗原提示細胞上のCD80(B7.1)またはCD86(B7.2)との間の相互作用を阻害する。
【0140】
本開示に従って使用することができるPD-1阻害剤の例としては、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、セミプリマブ(Libtayo(登録商標))、AMP-224、AMP-514、またはPDR001が挙げられるが、これらに限定されない。PD-1阻害剤は、一般に全身投与または腫瘍内投与することができる。
【0141】
本開示に従って使用することができるPD-L1阻害剤の例としては、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))、デュルバルマブ(Imfinzi(登録商標))、BMS-936559またはCK-301が挙げられるが、これらに限定されない。PD-L1阻害剤は、一般に全身投与または腫瘍内投与することができる。
【0142】
6.4.さらなる処置方法
一部の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が、患者の原発性腫瘍内に腫瘍内投与される。特定のSTINGアゴニスト(例えば、化合物A)が原発性腫瘍内に腫瘍内投与される場合、腫瘍成長は、原発性腫瘍の部位だけでなく、遠隔腫瘍の部位でも抑制されることが見出されている。したがって、そのようなSTINGアゴニストは、アブスコパル効果を示す。さらに、STINGアゴニストは、注射部位と遠位領域の両方で、腫瘍微小環境におけるT細胞プライミングおよび炎症を増強することができる。インターロイキンなどのサイトカインは、T細胞を拡大させることができる。したがって、本開示は、STINGアゴニストとサイトカインの組合せは、T細胞の増加した、さらには相乗的な増殖および/または機能をもたらし、サイトカインの非存在下でSTINGアゴニストを投与するよりもさらに大きなアブスコパル効果をもたらすことを企図する。しかしながら、本開示は、サイトカインからの全身毒性を低減または制限しながら、STINGアゴニストおよびサイトカインを含むそのような併用療法を提供する。
【0143】
したがって、本開示は、本明細書に開示される併用療法を投与することによって原発性腫瘍および遠隔腫瘍(接近可能ながんおよび接近不可能ながんを含む)の両方を処置する方法を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、STINGアゴニストおよび/またはサイトカインの腫瘍内投与部位から遠位の腫瘍を処置する。
【0144】
本開示はまた、本明細書に記載されているSTINGアゴニストにより全身的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、経口的)に、または腫瘍内で同時に処置されている患者を処置する方法であって、本明細書に記載されているサイトカインを患者に投与することを含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、サイトカインは、静脈内投与される。他の実施形態では、サイトカインは全身的(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)に投与される。一部の実施形態では、本方法は、本明細書に記載のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)、PD-L1阻害剤(例えば、抗PD-L1抗体)、またはCTLA-4阻害剤(例えば、抗CTLA-4抗体)を患者に投与することをさらに含む。ある特定のこれらの実施形態では、患者は、本明細書に記載のものなどのがんに罹患している。一部の実施形態では、患者を処置する方法は、がんについて患者を処置する。
【0145】
特定の実施形態では、本開示の併用療法は、肺、骨、膵臓、皮膚、頭部、頸部、子宮、卵巣、胃、結腸、乳房、食道、小腸、腸、内分泌系、甲状腺、副甲状腺、副腎、尿道、前立腺、陰茎、精巣、尿管、膀胱、腎臓または肝臓のがんを処置するために使用することができる。本開示の併用療法によって処置可能なさらなるがんとしては、直腸がん;肛門領域のがん;卵管、子宮内膜、子宮頸部、膣、外陰部、腎盂、および腎細胞のがん;軟部組織肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫;奇形腫;胆管癌;肝芽腫;血管肉腫;血管腫;肝癌;線維肉腫;軟骨肉腫;骨髄腫;慢性または急性の白血病;リンパ球性リンパ腫;原発性CNSリンパ腫;CNSの新生物;脊髄軸腫瘍;扁平上皮癌;滑膜肉腫;悪性胸膜中皮腫;脳幹神経膠腫;下垂体腺腫;気管支腺腫;軟骨腫性過誤腫;類皮腫;ホジキン病;または前述のがんのうちの1つもしくは複数の組合せが挙げられる。
【0146】
特定の実施形態では、本開示の併用療法は、免疫チェックポイント阻害療法に対して難治性または非応答性であるがんを処置するために使用することができる。場合によっては、そのようながんは、低い免疫原性の腫瘍を示す。そのようながんには、前立腺がん、膵臓がん、リンパ腫、頭頸部がん、腎臓がん、黒色腫、結腸がん、乳がん、および肺がんが含まれ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、がんは、前立腺がん、膵臓がん、リンパ腫、頭頸部がんおよび腎臓がんから選択される。一部の実施形態では、がんは、黒色腫、結腸がん、乳がん、および肺がんから選択される。
【0147】
ある特定の実施形態では、本開示の併用療法および方法は、固形腫瘍、例えば黒色腫または腎臓、肺、肝臓、結腸、膵臓、脳、頭頸部、膀胱、前立腺、乳房、卵巣、子宮頸部および甲状腺のがんに関連する腫瘍を処置するのに有用である。場合によっては、本併用療法および方法は、腫瘍が原発性腫瘍である場合、そのような腫瘍を処置するのに有用である。
【0148】
他の実施形態では、本開示の併用療法および方法は、複数の器官に拡大することができるかまたは既に拡大している転移性がんを処置する際に有用である。
【0149】
特定の実施形態では、本開示の併用療法を使用して、初期処置後の腫瘍の再発を低減することができる。
【0150】
本明細書に開示される方法は、対応する「スイス型」または「EPC2000」均等物としても開示されることが当業者に認識されよう。よって、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含む、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置する方法は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用であって、処置することは、有効量のSTINGアゴニストおよびサイトカインを患者に共同投与することを含む使用、またはそれを必要とするがん患者における腫瘍を処置するための医薬の製造におけるサイトカインの使用であって、処置することが有効量のサイトカインおよびSTINGアゴニストを患者に共同投与することを含む使用も開示すると理解される。同様に、上記方法の開示は、それを必要とするがん患者における腫瘍を処置するためのSTINGアゴニストとサイトカインとの組合せを開示すると理解される。
【0151】
6.5.医薬組成物およびキット
本開示は、STINGアゴニスト、サイトカインおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物をさらに提供する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、例えば腫瘍内注射用の注射可能な医薬組成物である。一部の実施形態では、薬学的に許容される担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含み得る。本開示によって提供される特定の利点は、STINGアゴニストおよびサイトカインを単一の組成物で腫瘍内投与することができることである。単一組成物の投与は、必要とされる注射回数を低減し、個々の治療剤の複数用量の投与に関連する副作用の発生率を低減する。さらに、サイトカインがSTINGアゴニストと一緒に投与される場合に観察される相乗効果のために、有効性を達成するための薬剤のいずれかの用量は、薬剤のいずれかを単剤療法として投与した場合に有効性を達成するための用量よりも少ない。したがって、この相乗効果により、刺激などの副作用の発生がより低減される。
【0152】
他の実施形態では、本開示は、がんを含む疾患または障害を処置するためのキットであって、STINGアゴニストおよびサイトカインを含むキットを提供する。特定の実施形態では、キットは、腫瘍内投与のために製剤化されたサイトカインおよび腫瘍内または全身(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、または経口)投与のために製剤化されたSTINGアゴニストを提供する。他の実施形態では、キットは、腫瘍内投与のために製剤化されたSTINGアゴニストおよび腫瘍内または全身(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)投与のために製剤化されたサイトカインを提供する。一部の実施形態では、STINGアゴニストとサイトカインの両方が、腫瘍内投与のために製剤化される。
【0153】
ある特定の実施形態では、キットは、PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)、PD-L1阻害剤(例えば、抗PD-L1抗体)、またはCTLA-4阻害剤(例えば、抗CTLA-4抗体)をさらに含む。そのような実施形態の一部では、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤は、腫瘍内または全身(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、サイトカインとSTINGアゴニストの両方が腫瘍内投与のために製剤化され、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤が全身(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)投与のために製剤化される。他の実施形態では、サイトカインは、腫瘍内投与のために製剤化され、STINGアゴニストとPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、またはCTLA-4阻害剤の両方が、全身(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、または経口)投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、サイトカインとPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤の両方が腫瘍内投与のために製剤化され、STINGアゴニストが全身(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、または経口)投与のために製剤化される。一部の実施形態では、STINGアゴニストとPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤の両方が腫瘍内投与のために製剤化され、サイトカインが全身(例えば、静脈内、筋肉内、または皮下)投与のために製剤化される。他の実施形態では、STINGアゴニスト、サイトカインおよびPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤はすべて、腫瘍内投与のために製剤化される。
【0154】
6.6.投与レジメン
STINGアゴニストの投与量は、特定のSTINGアゴニストおよび投与経路に応じて変化する。一般に、全身投与または腫瘍内投与の場合、STINGアゴニストは、1~1000μg/kgの範囲の用量で投与することができる。経口投与では、STINGアゴニストは、5~5000μg/kgの範囲の用量で投与することができる。
【0155】
特定の実施形態では、STINGアゴニストが化合物Aなどの2’3’-cGAMPアナログである場合、STINGアゴニストは、1~100μg/kgの範囲で腫瘍内または全身に投与することができる。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、1~10μg/kg、5~10μg/kg、5~20μg/kg、5~30μg/kg、5~40μg/kg、5~50μg/kg、10~20μg/kg、10~30μg/kg、10~40μg/kg、10~50μg/kg、15~20μg/kg、15~40μg/kg、20~30μg/kg、20~40μg/kg、20~50μg/kg、30~40μg/kg、30~50μg/kg、5~75μg/kg、10~75μg/kg、15~75μg/kg、20~75μg/kg、25~75μg/kg、35~75μg/kg、5~100μg/kg、10~100μg/kg、15~100μg/kg、20~100μg/kg、25~100μg/kg、35~100μg/kg、または50~100μg/kgの範囲でがん患者に投与することができる。
【0156】
一部の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、10~6,500μg、例えば50~6,500μgの範囲の用量、例えば単回または分割用量で、がん患者に投与することができる。特定の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、100~3,000μgの範囲の投与量、例えば単回または分割用量で、がん患者に投与することができる。他の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、100~1,200μgの範囲の投与量、例えば単回または分割用量で、がん患者に投与することができる。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、10~50μg、10~100μg、10~200μg、50~200μg、100~200μg、100~400μg、100~500μg、100~800μg、200~400μg、400~600μg、400~800μg、100~1,000μg、250~1,000μg、500~1,000μg、500~3,000μg、1,000~3,000μg、500~4,500μg、1,000~4,500μg、500~6,500μg、1,000~6,500μg、2,000~6,500μg、3,000~6,500μg、または4,500~6,500μgの範囲で、がん患者に投与することができる。
【0157】
化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体のプライミング用量および維持用量の投与に関与する実施形態では、プライミング用量は、10~1,000μgの範囲の投与量で、がん患者に投与することができる。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体のプライミング用量は、10~20μg、10~40μg、10~50μg、10~80μg、20~40μg、40~60μg、40~80μg、50~100μg、100~200μg、100~300μg、100~500μg、200~500μg、200~800μg、200~1,000μg、500~800μg、または500~1,000μgの範囲で、がん患者に投与することができる。ある特定の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体のプライミング用量は、0.15~20μg/kg、例えば0.15~1μg/kg、0.25~1μg/kg、0.5~1μg/kg、0.5~2μg/kg、1~3μg/kg、1~5μg/kg、2~5μg/kg、2~7μg/kg、1~10μg/kg、2~10μg/kg、3~10μg/kg、5~10μg/kg、5~15μg/kg、10~20μg/kg、または15~20μg/kgの範囲の投与量で、がん患者に投与することができる。
【0158】
化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体のプライミング用量および維持用量の投与に関与する実施形態では、維持用量は、100~3,000μgの範囲の投与量で、がん患者に投与することができる。他の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体の維持用量は、100~1,200μgの範囲の投与量で、がん患者に投与することができる。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMPアナログの維持用量は、50~200μg、100~200μg、100~400μg、100~500μg、100~800μg、100~1,000μg、200~400μg、200~800μg、200~1,200μg、250~1,000μg、400~600μg、400~800μg、400~1,200μg、500~1,000μg、500~1,200μg、500~1,500μg、500~2,000μg、500~4,500μg、800~1,200μg、800~1,500μg、800~2,000μg、1,000~2,000μg、1,000~3,000μg、1,000~4,500μg、2,000~4,500μg、500~6,500μg、1,000~6,500μg、1,500~6,500μg、2,000~6,500μg、または3,000~6,500μgの範囲で、がん患者に投与することができる。ある特定の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体の維持用量は、1~100μg/kg、例えば1~50μg/kgの範囲の投与量で、がん患者に投与することができる。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体の維持用量は、1~10μg/kg、5~10μg/kg、5~20μg/kg、5~30μg/kg、5~40μg/kg、5~50μg/kg、10~20μg/kg、10~30μg/kg、10~40μg/kg、10~50μg/kg、15~20μg/kg、15~40μg/kg、20~30μg/kg、20~40μg/kg、20~50μg/kg、30~40μg/kg、30~50μg/kg、5~75μg/kg、10~75μg/kg、15~75μg/kg、20~75μg/kg、25~75μg/kg、35~75μg/kg、5~100μg/kg、10~100μg/kg、15~100μg/kg、20~100μg/kg、25~100μg/kg、35~100μg/kg、または50~100μg/kgの範囲でがん患者に投与することができる。
【0159】
別の実施形態では、投与サイクルは、2つの維持投与レジメン下で、処置サイクルの1日目に化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体のプライミング用量を投与し、続いて化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体を投与することを含む。第1の維持投与レジメンは、処置サイクルの8、15および22日目(すなわち、第2、3および4週目の最初の日)、続いて2’3’-cGAMP類似体を患者に投与しない1週間(すなわち、5週目)の期間、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体の維持用量を投与することを含む。第2の維持投与レジメンは、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体を隔週投与レジメンで投与することを含む。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、投与サイクルの6週目および8週目の初めに投与することができる。一部の実施形態では、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体の追加の隔週投与を患者に投与することができる。例えば、化合物Aなどの2’3’-cGAMP類似体は、投与サイクルの10週目、投与サイクルの10および12週目、投与サイクルの10、12および14週目、投与サイクルの10、12、14および16週目などに投与することができる。
【0160】
一般に、全身投与または腫瘍内投与では、がん患者に投与されるインターロイキンなどのサイトカインの量は、使用されるサイトカインまたはインターロイキンに応じて、0.001μg/kg~2mg/kg、特に0.01μg/kg~1mg/kgの範囲であり得る。
【0161】
例えば、IL-12では、がん患者に腫瘍内投与されるサイトカインの量は、0.01~100μg/kgの範囲、例えば0.01~0.1μg/kg、0.01~1μg/kg、0.05~0.5μg/kg、0.05~1μg/kg、0.1~0.5μg/kg、0.1~1μg/kg、0.5~5μg/kg、1~10μg/kg、5~50μg/kg、または10~100μg/kgの範囲であり得る。ある特定の実施形態では、がん患者に腫瘍内投与されるIL-12の量は、0.01、0.05、0.1、0.5または1μg/kg~1.5、5、10、25、50または100μg/kgの範囲であり得る。一部の実施形態では、がん患者に腫瘍内投与されるIL-12の量は、0.01、0.05または0.1μg/kg~0.5、1、1.5または2μg/kgの範囲であり得る。
【0162】
別の実施形態では、IL-2、IL-7、IL-10またはIL-15では、がん患者に腫瘍内投与されるサイトカインの量は、0.1μg/kg~1mg/kgの範囲、例えば0.1~1μg/kg、0.1~10μg/kg、0.5~5μg/kg、0.5~50μg/kg、1~10μg/kg、1~50μg/kg、1~100μg/kg、5~50μg/kg、5~100μg/kg、10~100μg/kg、50~500μg/kgまたは100μg/kg~1mg/kgの範囲であり得る。ある特定の実施形態では、がん患者に腫瘍内投与されるIL-12の量は、0.1、0.5、1、1.5μg/kg~5、10、25、50、100、500または1,000μg/kgの範囲であり得る。
【0163】
免疫チェックポイント阻害剤が体系的に投与される、STINGアゴニストおよびサイトカインと免疫チェックポイント阻害剤との併用療法および投与(例えば、共同投与)に関与する本明細書に記載の方法では、免疫チェックポイント阻害剤は、米国食品医薬品局などの関連する規制当局によって承認されている量で、がん患者に投与することができる。例えば、一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、例えばペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))またはニボルマブ(Opdivo(登録商標))であり、ペンブロリズマブについては200mgまたはニボルマブについては240mgなど、100~400mgの用量で静脈内投与される。別の例では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤、例えばアテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))、またはデュルバルマブ(Imfinzi(登録商標))であり、アテゾリズマブについては840~1680mg、アベルマブについては800mg、またはデュルバルマブについては1500mgまたは10mg/kgなどの400~2,000mgの用量で静脈内投与される。別の例では、免疫チェックポイント阻害剤は、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))などのCTLA-4阻害剤であり、2~5mg/kg、例えば3mg/kgの用量で静脈内投与される。
【0164】
6.7.安全性プロファイルが改善されたSTINGアゴニスト投与レジメン
一部の実施形態では、STINGアゴニストは、プライミング用量とそれに続く複数回の維持用量とを含む投与スケジュールで投与される。プライミング用量は、特定の活性剤(例えば、STINGアゴニスト)に対する身体の耐性を高めるために維持用量よりも低い用量で投与される用量を指す。プライミング用量のSTINGアゴニストの投与は、STINGアゴニストの安全性プロファイルを改善し、そうでなければ忍容されるであろうよりも高い維持投与量レベルで化合物を送達することを可能にすることが見出された。一般に、プライミング投与量は、所与の投与サイクルの経過にわたって維持用量未満である。
【0165】
したがって、本開示は、プライミング用量の投与とそれに続く維持用量の投与とを必要とする特定の投与スケジュールに基づくSTINGアゴニストのための新規投与スケジュールを提供する。特定の実施形態では、本明細書に記載の新規STINGアゴニスト投与スケジュールはまた、本明細書に開示されるサイトカイン、および任意選択的に1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤、特にPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤との共同投与を含む。STINGアゴニストのプライミング/維持投与レジメンとサイトカインとの併用は、改善された治療指数をもたらすことが期待される。
【0166】
本開示のプライミング/維持投与スケジュールを使用して投与することができる特定のSTINGアゴニストが上に記載される。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Aである。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Aではない。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Bである。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Cである。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Dである。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Eである。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Fである。一部の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールと共に投与されるSTINGアゴニストは、化合物Gである。ある特定の実施形態では、本開示のプライミング/維持投与スケジュールで投与されるSTINGアゴニストは、ADCの一部、例えば、本明細書に記載のものとして投与される。
【0167】
一部の実施形態では、STINGアゴニストのプライミング用量は、所与の投与サイクルにおける個々の維持用量よりも2分の1~100分の1倍少ない量(重量基準)で投与することができる。例えば、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも2分の1~70分の1倍少ない、2分の1~50分の1倍少ない、2分の1~30分の1倍少ない、2分の1~20分の1倍少ない、2分の1~10分の1倍少ない、10分の1~50分の1倍少ない、10分の1~30分の1倍少ない、10分の1~20分の1倍少ない、または20分の1~30分の1倍少ない量で投与することができる。一部の実施形態では、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも2分の1~4分の1倍少ない量で投与することができる。一部の実施形態では、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも2分の1~5分の1倍少ない量で投与することができる。一部の実施形態では、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも2分の1~8分の1倍少ない量で投与することができる。一部の実施形態では、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも3分の1~5分の1倍少ない量で投与することができる。一部の実施形態では、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも3分の1~8分の1倍少ない量で投与することができる。一部の実施形態では、プライミング用量は、所与のサイクルにおける維持用量よりも4分の1~8分の1倍少ない量で投与することができる。
【0168】
一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約2分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約3分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約4分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約5分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約10分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約15分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約20分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約50分の1倍少ない用量で送達され得る。一部の実施形態では、プライミング用量は、投与サイクルの経過にわたって維持用量よりも約100分の1倍少ない用量で送達され得る。
【0169】
個々の維持用量に対する上記のプライミング用量の相対量は、比として表すことができることを理解されたい。例えば、プライミング用量が維持用量よりも約2分の1倍少ない用量で投与される実施形態では、個々の維持用量に対するプライミング用量の1:2の比を含む投薬レジメンが記載されている。したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、がんを処置する方法であって、STINGアゴニストとサイトカインとの組合せをそれを必要とする患者に投与することを含み、STINGアゴニストは、プライミング用量対個々の維持用量の1:2~1:100の比、例えば、1:2、2:5、3:8、1:3、2:7、1:4、1:5、1:6、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:15、1:20、1:30、1:50、1:75または1:100の比(これらの比によってもたらされる範囲、例えば、1:2~1:3、1:2~1:4、1:2~1:5、1:2~1:8、1:2~1:10、1:4~1:8、1:4~1:10、1:4~1:15、1:4~1:20、1:8~1:10、1:8~1:15、1:8~1:20、1:8~1:30、1:10~1:15、1:10~1:20、1:10~1:30、1:10~1:50、1:20~1:30、1:20~1:50、1:20~1:75、1:20~1:100、1:30~1:50、1:30~1:75、1:30~1:100、1:50~1:75、1:50~1:100、または1:75~1:100を含む)を含む投与レジメンに従って投与される方法を提供する。
【0170】
一部の実施形態では、本開示は、がんを処置する方法であって、STINGアゴニストとサイトカインとの組合せをそれを必要とする患者に投与することを含み、STINGアゴニストは、プライミング用量対個々の維持用量の1:4または1:5の比、または1:3~1:6の範囲内の比、例えば1:3~1:5、1:4~1:6、または1:4~1:5を含む投薬レジメンに従って投与される方法を提供する。他の実施形態では、比は、1:8または1:10、または1:5~1:15の範囲の比、例えば1:6~1:12、1:8~1:12、1:8~1:10、または1:9~1:10である。
【0171】
一部の実施形態では、プライミング用量は、処置サイクルの1日目に投与することができ、維持用量は、その後、上記の投与スケジュールで投与することができる。初回維持用量は、プライミング用量の投与の少なくとも2日後、すなわち3日目に投与することができる。例えば、初回維持用量は、プライミング用量の投与の2、3、4、5、6、7、8、9または10日後に投与することができる。
【0172】
一実施形態では、投与サイクルは、処置サイクルの1日目にSTINGアゴニストのプライミング用量を投与すること、続いて処置サイクルの8、15および22日目(すなわち、2、3および4週目の最初の日)にSTINGアゴニストの維持用量を投与すること、続いてSTINGアゴニストが患者に投与されない1週間(すなわち、5週目)の期間を含む。維持投与サイクルを繰り返してもよく、または変更された維持投与スケジュールを用いてもよい。
【0173】
別の実施形態では、投与サイクルは、処置サイクルの1日目にプライミング用量のプライミング用量を投与すること、続いて投与スケジュールの8および22日目にSTINGアゴニストの維持用量を投与すること(すなわち、隔週投与)を含む。維持投与サイクルを繰り返してもよくまたは変更された維持投与スケジュールを用いてもよい。
【0174】
7.例
例1.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびサイトカインを含む併用研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とサイトカインIL-2、IL-12またはIL-15との三重の組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0175】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を7日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、7日目ならびに11、および15日目に、マウスをPBSでモック処置したか、または200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、1μgの化合物Aを単独で、またはIL-2(5μg)、IL-12(2μg)もしくはIL-15(5μg)と組み合わせて右側(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.2mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。抗PD-L1抗体(BE0101)はBioXcell(Lebanon、NH)から購入し、IL-2(212-12)、IL-12(210-12)およびIL-15(210-15)はPeproTech(Rocky Hill、NJ)から購入した。
【0176】
原発性腫瘍に対する抗腫瘍効果の増加は、化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較して、化合物Aと、抗PD-L1抗体とサイトカインIL-2、IL-12、またはIL-15との三重の組合せで観察された(
図1のパネルA)。
【0177】
化合物Aと、抗PD-L1抗体とサイトカインIL-2、IL-12またはIL-15との三重の組合せを使用した場合、化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較した場合に、遠位の未処置腫瘍に対する抗腫瘍効果のより劇的な増加(すなわち、アブスコパル効果)が観察された(
図1のパネルA)。この劇的に増加した抗腫瘍効果は、三重の組合せのマウス生存の増加にも反映された(
図1のパネルB)。
【0178】
例2.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびサイトカインを含むさらなる併用研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とサイトカインIL-7またはIL-10との三重の組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0179】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を7日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、7日目ならびに11、および15日目に、マウスをPBSでモック処置したか、または200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、1μgの化合物Aを単独で、またはIL-7(5μg)もしくはIL-10(5μg)と組み合わせて右側(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.2mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。抗PD-L1抗体(BE0101)はBioXcell(Lebanon、NH)から購入し、IL-7(217-17)およびIL-10(210-10)はPeproTech(Rocky Hill、NJ)から購入した。
【0180】
原発性腫瘍に対する抗腫瘍効果の有意増加は、化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較して、化合物Aと、抗PD-L1抗体とサイトカインIL-7またはIL-10との三重の組合せで観察された(
図2のパネルA)。
【0181】
化合物Aと、抗PD-L1抗体とサイトカインIL-7またはIL-10との三重の組合せを使用した場合、化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較した場合に、遠位の未処置腫瘍に対する抗腫瘍効果の中程度の増加(すなわち、アブスコパル効果)も観察された(
図2のパネルA)。この抗腫瘍効果の増加は、三重の組合せのマウス生存の増加にも反映された(
図2のパネルB)。
【0182】
例3.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびIL-12を含むさらなる併用研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(50ng、200ngおよび1μg)との三重の組合せの抗腫瘍効果を、化合物Aと抗PD-L1抗体またはIL-12と抗PD-L1抗体との二重の組合せと比較して調べた。
【0183】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を6日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。その後、6日目ならびに9、12および15日目に、マウスをPBSでモック処置するか、または200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、1μgの化合物A単独で;50ng、200ngまたは1μgのIL-12を単独で;または1μgの化合物Aと50ng、200ngもしくは1μgのIL-12との組合せで右部位(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.2mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。体重変化(%)を最初の処置の6日前から経時的に測定した。抗PD-L1抗体(BE0101)はBioXcell(Lebanon、NH)から購入し、IL-12(210-12)はPeproTech(Rocky Hill、NJ)から購入した。
【0184】
化合物Aと抗PD-L1抗体またはIL-12と抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較した場合に、化合物Aと、抗PD-L1抗体とIL-12との三重の組合せにより、原発性腫瘍に対する抗腫瘍効果の増加が観察された(
図3A、3B、および3Cの各々のパネルA)。
【0185】
化合物Aと、抗PD-L1抗体とIL-12(50ngまたは200ng)との三重の組合せを使用した場合、化合物Aと抗PD-L1抗体またはIL-12と抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較した場合に、遠位の未処置腫瘍に対する抗腫瘍効果の有意な増加(すなわち、アブスコパル効果)が観察された(
図3Aおよび
図3Bの各々のパネルA)。これらの増大した抗腫瘍効果は、三重の組合せのマウス生存の増加にも反映された(
図3Aおよび3Bの各々のパネルB)。化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せによる処置と比較した場合に、化合物A、抗PD-L1抗体、およびIL-12(1μg)の三重の組合せについても有意なアブスコパル効果が観察された(
図3CのパネルA)。しかしながら、IL-12(1μg)と抗PD-L1抗体との二重の組合せと比較した場合には、この三重の組合せでは、おそらくこのより高い用量でのIL-12の飽和効果のために、さらなるアブスコパル効果は観察されなかった。化合物Aと、抗PD-L1抗体とIL-12(1μg)との三重の組合せは、ある特定のマウスについては生存の増加をもたらしたが、おそらく三重の組合せにおけるより高用量のIL-12に関連する毒性のために、他のマウスでは早期の死亡ももたらした(
図3CのパネルB)。
【0186】
1μgのIL-12を使用した組合せを受けたものを除くすべての処置群は、初期の一過性かつ最小(<5%)の体重低下とそれに続く急速な回復を示し、種々の組合せの低い毒性を示した(
図3Aおよび3Bの各々のパネルC)。しかし、1μgのIL-12を用いる併用処置は、有意な体重低下(最大15%)を引き起こし、この用量についてマウス毒性の増加を示した(
図3CのパネルC)。
【0187】
例4.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびIL-12に関する用量設定研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)と様々な用量のIL-12(3ng、10ngおよび30ng)との三重の組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0188】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を9日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、9日目ならびに12、15および18日目に、マウスをPBSでモック処置したか、または200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、1μgの化合物Aを単独で、または3ng、10ngまたは30ngのIL-12と組み合わせて右側(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.2mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。体重変化(%)を最初の処置の9日前から経時的に測定した。抗PD-L1抗体(BE0101)はBioXcell(Lebanon、NH)から購入し、IL-12(210-12)はPeproTech(Rocky Hill、NJ)から購入した。
【0189】
化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せと比較して、化合物Aと抗PD-L1抗体と3ng、10ngまたは30ngのIL-12との三重の組合せを使用した場合、原発性腫瘍に対する抗腫瘍効果の増加が観察された(
図4のパネルA)。
【0190】
化合物Aと、抗PD-L1抗体と、3ng、10ngまたは30ngのIL-12との三重の組合せを使用した場合、遠位の未処置腫瘍(すなわち、アブスコパル効果)に対する用量応答性抗腫瘍効果が観察された(
図4のパネルA)。この用量応答性抗腫瘍効果はまた、様々な三重の組合せについてマウス生存の増加を反映した(
図4のパネルB)。
【0191】
初期の一過性かつ最小(<5%)の体重低下、その後の急速な回復は、様々な組合せの低い毒性を示した(
図4のパネルC)。
【0192】
例5.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびIL-12-Fcを含む併用研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とIL-12-Fcとの組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0193】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を9日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、9日目ならびに12および15日目に、マウスを、モック処置したか、または化合物A 1μgおよびIL-12-Fc 50ngで右側腹部(原発性)に腫瘍内処置したか、または抗PD-L1抗体200μgで腹腔内および化合物Aを単独で1μg、IL-12-Fcを単独で50ng、もしくは化合物A 1μgとIL-12-Fc 50ngとの組合せで右側(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.2mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。体重変化(%)を最初の処置の9日前から経時的に測定した。抗PD-L1抗体(BE0101)は、BioXcell(Lebanon、NH)から購入した。
【0194】
IL-12-Fcタンパク質は、マウスインターロイキン-12(p35およびp40)の2つのサブユニットを含み、各サブユニットは、以下のアミノ酸配列を有するヒトIgG1のFcドメインに融合していた:
(配列番号1)Mu IL-12 p35-リンカー-huIgG1 Fc(ホール):
【数1】
(配列番号2)Mu IL-12 p40-リンカー-huIgG1 Fc(ノブ):
【数2】
シグナルペプチドには下線が引かれており、リンカー配列は太字+斜体である。
【0195】
各サブユニットをコードするcDNAをpcDNA3.4-TOPOベクター(Invitrogen、A14697)にクローニングした。IL-12-Fcを発現させるために、ExpiFectamine(商標)CHO Transfection Kit(Gibco、A29129)を製造者のプロトコルに従って使用し、両方のプラスミドをCHO(ATCC(CCL-61)細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの7日後、培養培地を回収し、IL-12-Fcタンパク質をBio-Rad NGCクロマトグラフィーシステム(Bio-Rad、NGC Quest 10、7880001)上の5ml HiTrapプロテインAカラム(GE、17-0403-01)に負荷した。カラムを50mlのPBSで洗浄し、25mlの0.1Mグリシン(pH2.5)で溶出した。溶出液を濃縮し、PBSで平衡化したゲルろ過カラム(Bio-Rad、ENrich 650、7801650)でさらに精製した。
【0196】
化合物AとIL-12-Fc、抗PD-L1抗体とIL-12-Fc、または化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せと比較して、化合物Aと、抗PD-L1抗体とIL-12-Fcとの三重の組合せについて、原発性腫瘍において改善された抗腫瘍効果が観察された。遠位未処置腫瘍に対する抗腫瘍効果(すなわち、アブスコパル効果)の増加もまた、抗PDL1抗体とIL-12-Fcとの二重の組合せと同様に三重の組合せにおいても改善された(
図5のパネルA)。しかしながら、三重の組合せに対する抗腫瘍効果の改善は、マウス生存の増加に反映される(
図5のパネルB)。
【0197】
初期の一過性かつ最小(<5%)の体重低下、その後の急速な回復は、様々な組合せの低い毒性を示した(
図5のパネルC)。
【0198】
例6.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびIL-12-Fcを含む用量設定研究
様々な用量のSTINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とIL-12-Fcとの三重の組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0199】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を9日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、9日目ならびに12、15および18日目に、マウスをPBSでモック処置したか、または200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、1μgの化合物Aを単独で、または5ng、17ngまたは50ngのIL-12-Fcと組み合わせて右側(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.2mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。抗PD-L1抗体(BE0101)は、BioXcell(Lebanon、NH)から購入した。上記のようにしてIL-12-Fcタンパク質を得た。
【0200】
原発性腫瘍および遠位未処置腫瘍に対する同等の増加した抗腫瘍効果は、化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せと比較して、化合物Aと、抗PD-L1抗体とIL-12-Fcとの様々な三重の組合せで観察された(
図6のパネルA)。また、三重の組合せに対する抗腫瘍効果の改善は、化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せと比較して、マウス生存の増加に反映された(
図6のパネルB)。
【0201】
初期の一過性かつ最小(<5%)の体重低下、その後の急速な回復は、様々な組合せの低い毒性を示した(
図6のパネルC)。
【0202】
例7.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびインターロイキンIL-12-FcまたはmIL-12-MSA-ルミカンを含む併用研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とIL-12-FcまたはmIL-12-MSA-ルミカンとの組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0203】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を9日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、9日目ならびに12および15日目に、マウスをPBSでモック処置したか、または200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、1μgの化合物Aを単独で、またはIL-12-Fc(30ng)もしくはmIL-12-MSA-ルミカン(20ng、60ngまたは200ng)と組み合わせて、右側腹部(原発性)に腫瘍内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.5%のマウス血清を含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。抗PD-L1抗体(BE0101)は、BioXcell(Lebanon、NH)から購入した。
【0204】
mIL-12-MSA-ルミカンと呼ばれる融合タンパク質は、(N末端からC末端に)マウスインターロイキン-12、マウス血清アルブミン、および腫瘍に分子を固定するコラーゲン結合部分であるルミカンを含有する。このタンパク質を発現させるために、コードcDNAをpcDNA3.4-TOPOベクター(Invitrogen、A14697)にクローニングし、ExpiFectamine(商標)CHO Transfection Kit(Gibco、A29129)を製造者のプロトコルに従って使用してCHO細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの7日後に、培養培地を回収し、Bio-Rad NGCクロマトグラフィーシステム(Bio-Rad、NGC Quest 10、7880001)上の5ml HisTrap Excelカラム(Cytiva、17371206)に負荷した。カラムをPBS 50mlで洗浄し、50mM Tris-HCl溶液(pH8.0)中の0.5Mイミダゾール25mlで溶出した。溶離液を濃縮し、PBSで平衡化したゲルろ過カラム(Bio-Rad、ENrich 650、7801650)でさらに精製した。
(配列番号3)mIL12-MSA-ルミカンのアミノ酸配列:
【数3】
【0205】
化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せは、原発性腫瘍において抗腫瘍効果を示したが、遠位腫瘍においては限定的な抗腫瘍効果しか示さなかった。対照的に、化合物Aと、抗PD-L1抗体とIL-12-FcまたはmIL-12-MSA-ルミカンとの三重の組合せは、原発性腫瘍および遠位腫瘍において抗腫瘍効果を示した(
図7のパネルA)。マウスの生存は、mIL-12-MSA-ルミカンで処置した群において用量依存的であることが示された(
図7のパネルB)。
【0206】
すべての三重の組合せ処置群は、匹敵する体重変動を示し、モック処置群または化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せにおいて観察されたパターンと類似しており、種々の組合せの低い毒性を示している(
図7のパネルC)。
【0207】
例8.STINGアゴニスト、免疫チェックポイント阻害剤およびインターロイキンmIL-12-MSA-ルミカンを含むさらなる併用研究
STINGアゴニスト(化合物A)と、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1抗体)とインターロイキンmIL-12-MSA-ルミカンとの様々な組合せの抗腫瘍効果を調べた。
【0208】
7~8週齢の雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)に、106個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を0日目に右側腹部(原発性腫瘍)に、2日目に左側腹部(遠位腫瘍)に皮下移植した。腫瘍を9日目に測定し、各群が同様の平均腫瘍体積を有するようにマウスを再群分けした。各群は5匹のマウスを含んでいた。続いて、9日目ならびに12および15日目に、マウスをPBSでモック処置したか、または1)60ngのmIL-12-MSA-ルミカンで右側腹部(原発性)に腫瘍内処置し、200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、2)1μgの化合物Aで右側腹部(原発性)に腫瘍内処置し、200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置したか、3)1μgの化合物Aで右側腹部(原発性)に腫瘍内処置し、60ngのmIL-12-MSA-ルミカンで右側腹部(原発性)に腫瘍内処置したか、または4)1μgの化合物Aおよび60ngのmIL-12-MSA-ルミカンで右側腹部(原発性)に腫瘍内処置し、200μgの抗PD-L1抗体で腹腔内処置した。サイトカインおよび化合物Aを、0.5%のマウス血清を含有する50μLのPBSのビヒクル中で投与した。腫瘍体積を2~3日ごとに測定し、生存を毎日モニタリングした。抗PD-L1抗体(BE0101)は、BioXcell(Lebanon、NH)から購入した。
【0209】
mIL-12-MSA-ルミカンと抗PD-L1抗体との二重の組合せは、原発性腫瘍において部分的な抗腫瘍効果を示したが、遠位腫瘍においては抗腫瘍効果を示さなかった。化合物Aと抗PD-L1抗体との二重の組合せは、原発性腫瘍において抗腫瘍効果を示したが、遠位腫瘍においては限定的な抗腫瘍効果しか示さなかった。化合物AとmIL-12-MSA-ルミカンとの二重の組合せは、原発性腫瘍において抗腫瘍効果を示したが、遠位腫瘍においては抗腫瘍効果を低下させた。化合物Aと、抗PD-L1抗体とmIL-12-MSA-ルミカンとの三重の組合せは、原発性腫瘍および遠位腫瘍において抗腫瘍効果を示した(
図8のパネルA)。同様に、マウスの生存は、3つの二重の組合せのいずれに対しても、三重の組合せで処置したマウスで最大であった(
図8のパネルB)。
【0210】
例9.ナイーブマウスおよび前処置マウスにおける腫瘍成長。
ナイーブ雌C57BL6マウス(Jackson Laboratory)(n=3)または例7に記載された化合物Aと、抗PD-L1抗体とmIL-12-MSA-ルミカン(20ng、60ng、200ng)との三重の組合せによる完全な処置サイクルの後で35日間無腫瘍であったマウスに、10
6個のB16F10(ATCC CRL-6475)黒色腫細胞を皮下接種し、腫瘍成長を経時的に評価した。ナイーブマウスは、経時的に腫瘍の進行を示した。対照的に、化合物Aと、抗PD-L1抗体とmIL-12-MSA-ルミカン(20ng)との三重の組合せで事前に処置されたマウスは、ナイーブマウスよりも遅い腫瘍成長を示した。化合物Aと、抗PD-L1抗体とmIL-12-MSA-ルミカン(60ng)および化合物Aと、抗PD-L1抗体とmIL-12-MSA-ルミカン(200ng)との三重の組合せで事前に処置したマウスは、完全な腫瘍抑制を示した(
図9)。
【配列表】
【国際調査報告】