(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】脳標的化組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240711BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240711BHJP
A61K 38/46 20060101ALI20240711BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240711BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20240711BHJP
C12N 9/26 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/56 20060101ALI20240711BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P25/28
A61K39/395 D
A61K38/46
A61P43/00 121
C07K16/18 ZNA
C12N9/26
C12N15/13
C12N15/56
C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503534
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 US2022074007
(87)【国際公開番号】W WO2023004386
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドルトン, マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クアルティーノ, アンジェリカ リネア
(72)【発明者】
【氏名】シンク, ケイシー ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】カーシュナー, ジェフリー アレン
(72)【発明者】
【氏名】チェスターマン, アーロン デーヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA44
4C084DC22
4C084MA17
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZA15
4C084ZA16
4C084ZC75
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB36
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG04
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045DA89
4H045EA21
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、高容量又は高用量の脳標的化抗体又はその抗原結合断片を皮下投与することによってアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項2】
アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項3】
対象における認知障害を治療するための方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項4】
対象における認知障害を減少させるための方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項5】
認知障害が軽度認知障害(MCI)である、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における機能的又は認知的能力の悪化を減少させる方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項7】
有害事象のリスクを増加させることなく早期又は軽度から中等度のADを治療する方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項8】
早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象におけるADの進行を遅延させる方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項9】
早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における臨床的悪化を遅らせる方法であって、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である、方法。
【請求項10】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度が、約140mg/mLから約190mg/mLである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度が、約150mg/mLから約180mg/mLである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度が約150mg/mLである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度が約170mg/mLである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項14】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度が約180mg/mLである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項15】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約400mgと約7500mgの間の用量で投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が、約600mgから約7200mgである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約600mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約1200mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項19】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約1700mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項20】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約1800mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項21】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約2400mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項22】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約3400mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項23】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約3600mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項24】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約4320mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項25】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約5760mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項26】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約6800mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項27】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量が約7200mgである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項28】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約4mLから約60mLの注入量で投与される、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
注入量が約10mLから約40mLである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
注入量が約4mLである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
注入量が約8mLである、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
注入量が約10mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項33】
注入量が約12mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項34】
注入量が約16mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項35】
注入量が約20mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項36】
注入量が約24mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項37】
注入量が約32mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項38】
注入量が約40mLである、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項39】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、約1mL/分から約5mL/分の流量で投与される、請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
流量が約2mL/分から約4mL/分である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
流量が約2mL/分である、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
流量が約4mL/分である、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項43】
対象に透過促進剤を投与することをさらに含む、請求項1から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
透過促進剤が組み換えヒトヒアルロニダーゼである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とが、同時に投与される、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とが、連続して投与される、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項47】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とが、同じ組成物中にある、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項48】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とが、別々の組成物中にある、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項49】
組み換えヒトヒアルロニダーゼが、約300U/mLから約2200U/mLの濃度である、請求項44から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が、約500U/mLから約2000U/mLである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が約500U/mLである、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が約1000U/mLである、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項53】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が約2000U/mLである、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項54】
組成物が腹部の四半部に投与される、請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
組成物が1回又は複数回の用量として投与される、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
アルツハイマー病が常染色体優性アルツハイマー病である、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
常染色体優性アルツハイマー病が、前駆期、軽度、中等度、又は軽度から中等度である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
常染色体優性アルツハイマー病が軽度から中等度である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
アルツハイマー病(AD)が散発性ADである、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
アルツハイマー病(AD)が早期又は軽度のADである、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
脳標的化抗体がヒト化モノクローナルIgG4抗体である、請求項1から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
脳標的化抗体が抗アミロイドβ抗体である、請求項1から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む、請求項62又は63に記載の方法。
【請求項65】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、請求項62から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
抗アミロイドβ抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項62から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
抗アミロイドβ抗体が、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項62から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
抗アミロイドβ抗体がクレネズマブである、請求項62から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
対象がヒトである、請求項1から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量が、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量が、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される、
方法。
【請求項71】
第1の用量が1日目に投与され、第2の用量が15日目に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量が、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量が、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量が、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量が、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される、
方法。
【請求項73】
第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)が1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)が15日目に投与される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量が、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量が、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される、
方法。
【請求項75】
第1の用量が1日目に投与され、第2の用量が15日目に投与される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量が、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量が、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量が、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される、
方法。
【請求項77】
第1の用量が1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼが15日目に投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量が、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量が、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量が、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量が、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される、
方法。
【請求項79】
第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)が1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)が15日目に投与される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法であって、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む、方法。
【請求項81】
脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である、請求項70から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む、請求項81又は82に記載の方法。
【請求項84】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、請求項81から83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
抗アミロイドβ抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項81から84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
抗アミロイドβ抗体が、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項81から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
抗アミロイドβ抗体がクレネズマブである、請求項81から86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
アルツハイマー病が常染色体優性アルツハイマー病である、請求項70から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
常染色体優性アルツハイマー病が、前駆期、軽度、中等度、又は軽度から中等度である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
常染色体優性アルツハイマー病が軽度から中等度である、請求項88又は89に記載の方法。
【請求項91】
アルツハイマー病が散発性ADである、請求項70から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
アルツハイマー病が早期又は軽度のADである、請求項70から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
約400mgから約7500mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物。
【請求項94】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約600mgから約7200mgである、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約600mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項96】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約1200mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項97】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約1700mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項98】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約1800mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項99】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約2400mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項100】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約3400mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項101】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約3600mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項102】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約4320mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項103】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約5760mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項104】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約6800mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項105】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が約7200mgである、請求項93又は94に記載の組成物。
【請求項106】
組み換えヒトヒアルロニダーゼをさらに含む、請求項93から105のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項107】
組み換えヒトヒアルロニダーゼが、約500U/mLから約2000U/mLである、請求項106に記載の組成物。
【請求項108】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が約500U/mLである、請求項107に記載の組成物。
【請求項109】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が約1000U/mLである、請求項107に記載の組成物。
【請求項110】
組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度が約2000U/mLである、請求項107に記載の組成物。
【請求項111】
約130mg/mLから約200mg/mLの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物。
【請求項112】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度が約140mg/mLから約190mg/mLである、請求項111に記載の組成物。
【請求項113】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度が約150mg/mLから約180mg/mLである、請求項111に記載の組成物。
【請求項114】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度が約150mg/mLである、請求項111から113のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項115】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度が約170mg/mLである、請求項111から113のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項116】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度が約180mg/mLである、請求項111から113のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項117】
約4mLから約60mLの注入量で抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している、請求項93から116のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項118】
注入量が約10mLから約40mLである、請求項117に記載の組成物。
【請求項119】
注入量が約4mLである、請求項117に記載の組成物。
【請求項120】
注入量が約8mLである、請求項117に記載の組成物。
【請求項121】
注入量が約10mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項122】
注入量が約12mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項123】
注入量が約16mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項124】
注入量が約20mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項125】
注入量が約24mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項126】
注入量が約32mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項127】
注入量が約40mLである、請求項117又は118に記載の組成物。
【請求項128】
約1mL/分から約5mL/分の流量で抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している、請求項93から127のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項129】
流量が約2mL/分から約4mL/分である、請求項128に記載の組成物。
【請求項130】
流量が約2mL/分である、請求項128又は129に記載の組成物。
【請求項131】
流量が約4mL/分である、請求項128又は129に記載の組成物。
【請求項132】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む、請求項93から131のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項133】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む、請求項93から132のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項134】
抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片が、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、請求項93から133のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項135】
抗アミロイドβ抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項93から134のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項136】
抗アミロイドβ抗体が、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項93から135のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項137】
抗アミロイドβ抗体がクレネズマブである、請求項93から136のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年7月22日に出願された米国仮特許出願第63/224,848号及び2021年7月30日に出願された米国仮特許出願第63/227,895号の優先権及び利益を主張し、これらの内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
配列表
[0002]本出願は、XML形式にて電子的に提出された配列表(その全体が参照により本明細書に援用される)を含む。2022年7月21日に作成された前記XMLコピーの名称は000218-0048-WO1_SL.xmlであり、サイズは14,727バイトである。
【背景技術】
【0003】
[0003]従来の静脈内(IV)治療薬は、皮下(SC)投与と比較して、投与時間が長く、医療費が増加し、利便性が低下する。IV療法は、熟練した医療専門家による投与が必要であり、通常は病院や診療所での投与となるため、薬剤への患者のアクセスが制限され、医療資源の負担が増加する。SC送達は、同じ薬物のIV製剤と比較して有効性及び安全性を維持しながら、自己投与及び/又は病院ベースの診療所を超えた幅広いケア環境での投与の可能性を通じて、患者の利便性を高めることができる。しかし、モノクローナル抗体又はその他の粘性流体などの大きな分子の場合、細胞外マトリックスの制約により、皮下投与できる流体の量は制限されている。歴史的に、注入部位の腫脹などの忍容性の問題により、より高用量/容量のSC投与(>10~15mL)の使用が制限されてきたが、バイオアベイラビリティの低下も潜在的な懸念事項である。これらの制限は、SC製剤が、IV製剤と同等の薬物曝露を達成するために、複数のSC注入又は注入部位、より頻繁な投与、及び用量調節を必要とする可能性があることを意味する。治療薬の全身投与もまた、非常に高用量レベルの治療薬が必要であるため制限されている。
【0004】
[0004]高用量/高容量の治療薬、特に脳を標的とする治療薬を投与するための方法及び組成物が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示は、高容量及び高用量の脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む、皮下投与に適した組成物を提供する。これらの組成物は、例えばアルツハイマー病の治療に有用である。
【0006】
[0006]一態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0007】
[0007]一態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0008】
[0008]一態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0009】
[0009]一態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。
【0010】
[0010]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象におけるADの進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0011】
[0011]一態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0012】
[0012]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0013】
[0013]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0014】
[0014]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約140mg/mLから約190mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約150mg/mLから約180mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約150mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約170mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約180mg/mLである。
【0015】
[0015]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約400mgと約7500mgの間の用量で投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約600mgから約7200mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約600mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約1200mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約1700mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約1800mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約2400mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約3400mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約3600mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約4320mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約5760mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約6800mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約7200mgである。
【0016】
[0016]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約4mg/mLから約60mLの注入量で投与される。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLから約40mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約4mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約8mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約12mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約16mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約20mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約24mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約32mLである。
【0017】
いくつかの実施態様では、注入量は約40mLである。
【0018】
[0017]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約1mL/分から約5mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分から約4mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約4mL/分である。
【0019】
[0018]いくつかの実施態様では、方法は、対象に透過促進剤をさらに投与することを含む。いくつかの実施態様では、透過促進剤は、ヒアルロニダーゼ(例えば、Amphadase(登録商標)、Hydase(登録商標)、Hylenex(登録商標)、及びVitrase(登録商標))である。いくつかの実施態様では、透過促進剤は、組み換えヒトヒアルロニダーゼである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、rHuPH20のようなヒト可溶性PH20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、同時に投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、連続して投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、同じ組成物中にある。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、別々の組成物中にある。
【0020】
[0019]いくつかの実施態様では、透過促進剤は、約300U/mLから約2200U/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約2000U/mLである。
【0021】
[0020]いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼは、約300U/mLから約2200U/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0022】
[0021]いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、約300U/mLから約2200U/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0023】
[0022]いくつかの実施態様では、組成物は腹部の四半部に投与される。いくつかの実施態様では、組成物は、1回又は複数回の用量として投与される。
【0024】
[0023]いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、常染色体優性アルツハイマー病である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、前駆期、軽度、中等度、又は軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、散発性ADである。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、早期又は軽度のADである。
【0025】
[0024]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体は、ヒト化モノクローナルIgG4抗体である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体は、抗アミロイドβ抗体である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0026】
[0025]いくつかの実施態様では、対象はヒトである。
【0027】
[0026]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0028】
[0027]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0029】
[0028]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0030】
[0029]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0031】
[0030]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0032】
[0031]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0033】
[0032]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0034】
[0033]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0035】
[0034]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0036】
[0035]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0037】
[0036]いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、常染色体優性アルツハイマー病である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、前駆期、軽度、中等度、又は軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、散発性ADである。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、早期又は軽度のADである。
【0038】
[0037]一態様では、本開示は、高容量及び高用量の抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適した組成物を提供する。一態様では、本開示は、約400mgから約7500mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。一態様では、本開示は、約600mgから約7200mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。いくつかの実施態様では、組成物は、約600mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1200mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約2400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原-結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約3600mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約4320mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約5760mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7200mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0039】
[0038]いくつかの実施態様では、組成物は、透過促進剤をさらに含む。いくつかの実施態様では、組成物は、ヒアルロニダーゼ(例えば、Amphadase(登録商標)、Hydase(登録商標)、Hylenex(登録商標)、及びVitrase(登録商標))をさらに含む。いくつかの実施態様では、組成物は、組み換えヒトヒアルロニダーゼをさらに含む。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、rHuPH20のようなヒト可溶性PH20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質である。
【0040】
[0039]いくつかの実施態様では、透過促進剤は、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約2000U/mLである。
【0041】
[0040]いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼは、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0042】
[0041]いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0043】
[0042]いくつかの実施態様では、本開示は、約130mgから約200mg/mLの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。
【0044】
[0043]いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約140mg/mLから約190mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約150mg/mLから約180mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約150mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約170mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約180mg/mLである。
【0045】
[0044]いくつかの実施態様では、組成物は、約4mLから約60mLの注入量で抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLから約40mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約4mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約8mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約12mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約16mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約20mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約24mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約32mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約40mLである。
【0046】
[0045]いくつかの実施態様では、組成物は、約1mL/分から約5mL/分の流量で抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分から約4mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約4mL/分である。
【0047】
[0046]いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
【0048】
いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。
【0049】
いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0050】
[0047]本特許又は出願ファイルには、カラーで作成された少なくとも一つの図面が含まれる。カラー図面を伴う本特許又は特許出願公報のコピーは、請求及び必要な料金の支払いに応じて特許庁より提供される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1A】[0048]試験デザイン及び治療スキーマ試験1:単回上行投与試験。
【
図1B】[0048]試験デザイン及び治療スキーマ試験2:組み換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)あり又はなしの複数回投与試験。
【
図2】[0049]試験1:皮下(SC)注入後のVAS疼痛スコア(全コホート)。Durは間を表す。SCは皮下を表す。VASは視覚的アナログスケールを表す。VASは0から100mmのスケールで測定される。ベースライン:カテーテル挿入後、注入前(投与前);0分dur:注入を受けている間に対象がどのように感じたかを記述するために0分の時点で遡及的評価が収集された;シリンジポンプ停止直後、カテーテル抜去前;0分now:注入直後;シリンジポンプ停止直後、カテーテル抜去前;t=5:注入後5分;t=20:注入後20分;t=60:注入後60分。ひげは外れ値でない最高値と最低値を表し、箱は上下四分位を表し、中央線が中央値である。外れ値データはひげの上に表される。外れ値は、値のセットの中で他の値と大きく異なる極値を表す。極値は、第1四分位より少なくとも1.5四分位範囲下、又は第3四分位範囲より少なくとも1.5四分位範囲上にある場合、外れ値とみなされた。破線は中央値を表す。
【
図3A-3F】[0050]試験2:A:コホート2、B:コホート3、C:コホート4、D:コホート5(1日目)、E:コホート5A+5B、及びF:コホート6(1日目+15日目)のSC注入後のVAS疼痛スコア。VASは視覚的アナログスケールを表す。VASは0から100mmで測定される。ベースライン:カテーテル挿入後、注入前(投与前)。注入中、注入を受けている間に対象がどのように感じたかを記述するために0分の時点で遡及的評価が収集された;シリンジポンプ停止直後、カテーテル抜去前;t=0分:注入直後;シリンジポンプ停止直後、カテーテル抜去前;t=5:注入後5分;t=20:注入後20分;t=60:注入後60分。
【
図4A-4B】[0051]試験2における注入部位紅斑面積。試験1のコホートE(20mLクレネズマブ)及びコホートH(40mLクレネズマブ)を、注入後0分の時点A)及び注入後60分の時点B)での注入量とrHuPH20の共投与によって層別化。実線は中央値を表し、破線は25パーセンタイル及び75パーセンタイルを表す。Crenはクレネズマブを表す。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。
【
図5A-5B】[0052]A:試験1及びB:試験2におけるクレネズマブSC注入後の平均血清濃度-時間プロファイル。試験1:コホートA~HのSCクレネズマブの単回上行用量(600mgから7200mg)。試験2:コホート2:注入1、1700mgクレネズマブ(10mLを2mL/分で)(SC);注入2、3400mgクレネズマブ(20mLを2mL/分で)(SC)。コホート3:注入1、3400mgクレネズマブ+2000U/mL rHuPH20(20mLを4mL/分で)(SC);注入2、6800mgクレネズマブ+1000U/mL rHuPH20(40mLを4mL/分で)(SC)。コホート4:注入1、1700mgクレネズマブ(10mLを4mL/分で)(SC);注入2、3400mgクレネズマブ(20mLを4mL/分で)(SC)。コホート5A:注入1、3400mgクレネズマブ(20mLを4mL/分で)(SC);注入2、6800mgクレネズマブ+500U/mL rHuPH20(40mLを4mL/分で)(SC)。コホート5B:注入1、3400mgクレネズマブ+2000U/mL rHuPH20(20mLを4mL/分で)(SC);注入2、6800mgクレネズマブ+500U/mL rHuPH20(40mLを4mL/分で)(SC)。試験2のプロファイルはコホート2~5における15日目の用量であり、これらの参加者はすべて1日目に投与され、15日目までにウォッシュアウトされなかった。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。SCは皮下を表す。
【
図6】[0053]試験1:全参加者の言語記述スケール(VDS)データのひげ箱。Durは間を表す。VDSは言語記述スケールを表す。VDSに使用されるスケールは以下の通りである:1=疼痛なし、2=非常に軽度、3=軽度、4=それほど重症ではない、5=かなり重症、6=非常に重症、7=耐え難い。ひげは外れ値でない最高値と最低値を表し、箱は上下四分位を表し、中央線が中央値である。外れ値データはひげの上に表される。外れ値は、値のセットの中で他の値と大きく異なる極値を表す。極値は、第1四分位より少なくとも1.5四分位範囲下、又は第3四分位範囲より少なくとも1.5四分位範囲上にある場合、外れ値とみなされた。破線は中央値を表す。
【
図7A-7F】[0054]試験2:A:コホート2、B:コホート3、C:コホート4、D:コホート5(1日目)、E:コホート5A+5B、及びF:コホート6(1日目+15日目)の言語記述スケール(VDS)データの箱ひげ図。Durは間を表す。VDSは言語記述スケールを表す。VDSに使用されるスケールは以下の通りである:1=疼痛なし、2=非常に軽度、3=軽度、4=それほど重症ではない、5=かなり重症、6=非常に重症、7=耐え難い。VDSはベースライン及びt=0の時点でのみ評価された。
【
図8】[0055]プラセボ注入後の組織背圧の分布(コホート6、試験2)。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。組織背圧はpsiで測定される。
【
図9A-9B】[0056]最終モデルの視覚的予測チェック(VPC)。A:線形スケールでの試験及び投与経路によって層別化したクレネズマブ集団PKモデルの予測補正視覚的予測チェック。B:対数スケールでの試験及び投与経路によって層別化したクレネズマブ集団PKモデルの予測補正視覚的予測チェック。IVは静脈内を表す。PKは薬物動態を表す。SCは皮下を表す。白丸は、観察されたクレネズマブ濃度を時間に対して示したものである。線は、観察値の中央値、5パーセンタイル、及び95パーセンタイルを表す。赤と青の影の部分はモデルによって予測された中央値、5パーセンタイル、及び95パーセンタイルの95%信頼区間を表す。
【
図10】[0057]試験、用量(試験1)又はコホート(試験2)による集団PKモデルからのクレネズマブSCバイオアベイラビリティ個別推定値。中央値は線で示す。PKは薬物動態を表す。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。SCは皮下を表す。
【
図11】[0058]試験1(単回上行用量試験)及び試験2(複数回投与-rHuPH20試験)の人口統計学的特性及びベースライン特性。BMIは肥満指数を表す。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。SCは皮下を表す。SDは標準偏差を表す。
【
図12】[0059]試験1(単回上行用量試験)及び試験2(複数回投与-rHuPH20試験)のLocal Injection Site Symptom Assessment(LISSA)の要約表。Cはクレネズマブ注入部位を表す。Injは注入を表す。IVは静脈内を表す。Pはプラセボ注入を表す。Rは基準プラセボ注入を表す。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。SCは皮下を表す。Tは試験プラセボ注入を表す。
aは最も一般的な「他の」注入部位反応であった硬結と腫脹を表す。圧痛、赤い部分の隆起/赤みの隆起、浮腫、疼痛も複数回報告されが、程度ははるかに低かった。他のすべての反応(過敏症、丘疹、刺痛、膨疹形成、無傷の水疱を含む)はそれぞれ1回のみ報告された。
bは、特定の時点ですべての参加者がこれらの反応について評価できるわけではないことを表す。データは、注入後の異なる時点で捕捉された注入部位反応事象の合計を表す。
【
図13】[0060]試験1(単回上行用量試験)及び試験2(複数回投与-rHuPH20試験)の治療中に発生した有害事象の要約表。AEは有害事象を表す。IVは静脈内を表す。rHuPH20は組み換えヒトヒアルロニダーゼを表す。SAEは重篤な有害事象を表す。SCは皮下を表す。
aは注入1のみを表す。コホート5Aの参加者はクレネズマブ単独を、コホート5Bの参加者はクレネズマブ+rHuPH20を投与された。
bは、注入2のみを表す。全参加者がクレネズマブ+rHuPH20を投与された。
【
図14】[0061]クレネズマブ集団PKモデルからのパラメータ推定値の表。
aは、ロジスティック分布のSDを表す。CVは変動係数を表す。IIVは個人間変動を表す。RSEは相対標準誤差を表す。SHRは縮小を表す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
[0062]本開示は、高容量及び高用量の脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む皮下投与に適した組成物、例えばアルツハイマー病を含む認知障害を治療するためのその使用方法を提供する。
【0053】
定義
[0063]本明細書に開示される方法の実施、並びに組成物の調製及び使用には、別途指示がない限り、分子生物学、生化学、クロマチン構造と分析、計算化学、細胞培養、組み換えDNA及び関連分野における、当分野の技術の範囲内の一般的な技術が用いられる。これら技術は文献で十分に説明されている。例えば、Sambrook et al.MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Fourth edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2014;Ausubel et al.,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York,2012;the series METHODS IN ENZYMOLOGY,Academic Press,San Diego;Wolffe,Murphy et al.JANEWAY’S IMMUNOBIOLOGY,Tenth Edition,W.W.Norton&Company,2022を参照のこと。
【0054】
[0064]用語「本明細書」は、明細書全体を意味する。
【0055】
[0065]本明細書で別途定義しない限り、本出願で使用される科学用語及び技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有するものとする。概して、本明細書に記載される化合物、組成物及び方法に関連して使用される命名法は、当該技術分野において周知かつ一般的に使用されるものである。
【0056】
[0066]本明細書に記載される実施態様のいずれもが、本開示の異なる態様及び明細書の異なる部分(実施例にのみ記載される実施態様を含む)に記載されるものを含め、明確に否定されるか又は不適切であると明記されない限り、本明細書に開示される1つ又は複数の他の実施態様と組み合わせることができると理解すべきである。実施態様の組み合わせは、複数の従属項により特許請求される特定の組み合わせに限定されない。
【0057】
[0067]本明細書において言及されるいずれの出版物、特許、及び公開済み特許出願も、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。矛盾する場合は、その特異的定義を含む本明細書が優先する。
【0058】
[0068]本明細書全体を通して、「含む(comprise)」という用語、又は「含む(including)」、「含有する(containing)」若しくは「~によって特徴付けられる(characterized by)」と同義である「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)]などの変形語は、包括的又はオープンエンドであり、追加の、再現されていない要素又は方法工程を除外するものではない。
【0059】
[0069]「~からなる(consisting of)」という用語は、具体的に記載されていない要素、工程、又は成分を除外する。
【0060】
[0070]「本質的に~からなる(consisting gessentially of)」という用語は、特定の材料若しくは工程、及び本開示の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないものに開示範囲を限定する。
【0061】
[0071]本明細書を通して、組成物が特定の成分を有する、含む、又は備える(又はその変形)と記載される場合、組成物が言及された成分から本質的になっても、又はそのような成分からなってもよいと考慮される。同様に、方法又は過程が特定の工程段階を有する、含む、又は備えると記載される場合、その過程は、言及された工程段階から本質的になっても、又はそのような工程段階からなってもよい。さらに、本明細書に記載される組成物及び方法が作用可能である限り、工程の順序又は特定の動作を実施する順序は重要でないと理解すべきである。さらに、2つ以上の工程又は動作を同時に実行することができる。
【0062】
[0072]「例えば(「e.g.」又は「for example」)」という用語に続く1つ又は複数の例は、排他的又は限定的であることを意味しない。
【0063】
[0073]冠詞(「a」及び「an」)は、本明細書では、冠詞の文法的対象の1つ、又は2つ以上(即ち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(「element」)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0064】
[0074]本明細書において使用されるとき、本開示の方法に用いられる組成物の成分、パラメータ、計算、又は測定値の数量を修飾する用語「約」は、例えば、実世界において単離されたポリペプチド又は薬学的組成物を作製するために使用される一般的な測定及び液体取り扱い手順により;これら手順の不注意による誤差により;組成物を作製するか又は方法を実行するために用いられる成分の製造、供給源、又は純度の差などにより;本開示の組成物又は方法の化学的又は物理的属性に実質的な影響を及ぼすことなく生じ得る数量の変動を指す。このような変動は、所与の値又は範囲の、一般的には10%以内,さらに一般的には5%以内の大きさの範囲内であり得る。用語「約」は、特定の初期混合物に起因する組成物の異なる平衡条件により異なる量も包含する。用語「約」によって修飾されているかどうかに関わらず、パラグラフは、その数量に相当するものを含む。本明細書中の「約」の値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ自体に対する実施態様を含む(記載する)。例えば、「約X」に言及する記載には、「X」の記載が含まれる。数値範囲は、その範囲を規定する数値を包含する。
【0065】
[0075]本明細書において使用される用語「又は」は、文脈上そうでないことが明白でない限り、「及び/又は」を意味すると理解されるべきである。
【0066】
本開示の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。さらに、本明細書に開示されるすべての範囲は、そこに含まれるすべての下位範囲を包含すると理解されたい。例えば、「1から10」と記述される範囲は、最小値1と最大値10の間のすべての下位範囲(1と10を含む);即ち、1以上の最小値で始まるすべての下位範囲、例えば、1から6.1、及び10以下の最大値で終わるすべての下位範囲、例えば、5.5から10を含むと考えるべきである。範囲の開示は、その範囲の端点の開示としても考慮されるべきである。
【0067】
[0077]例示的方法及び材料が以下に記載されるが、本明細書に開示されるものと類似又は同等の方法及び材料も、本出願の実施又は試験に使用できる。材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、限定を意図しない。
【0068】
[0078]本明細書に記載される実施態様のいずれもが、本開示の異なる態様及び明細書の異なる部分(実施例にのみ記載される実施態様を含む)に記載されるものを含め、明確に否定されるか又は不適切であると明記されない限り、本開示の1つ又は複数の他の実施態様と組み合わせることができると理解すべきである。実施態様の組み合わせは、複数の従属項により特許請求される特定の組み合わせに限定されない。
【0069】
[0079]対象に対して物質、化合物又は薬剤「を投与すること」又は対象への物質、化合物又は薬剤「の投与」は、その物質,化合物又は薬剤の、対象又は対象の細胞,組織,器官又は体液への接触を指す。このような投与は、当業者に既知の様々な方法のうちの1つを使用して実行することができる。例えば、化合物又は薬剤は皮下などの非経口で投与され得る。投与は、例えば、1回、複数回、及び/又は1つ又は複数の延長期間にわたって実施することもできる。いくつかの実施態様では、投与には、自己投与を含む直接投与と、薬物の処方行為を含む間接投与との両方が含まれる。例えば、本明細書において使用される場合、対象に薬物を自己投与すること、又は別の人に薬物を投与してもらうことを指示する医師、及び/又は対象に薬物の処方を提供する医師は、薬物を対象に投与している。
【0070】
[0080]本明細書において使用されるとき、「抗体」又は「Ab」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する特異的な標的又は抗原、例えば、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどを認識して少なくとも1つの抗原認識部位を通して結合することのできる、免疫グロブリン分子(例えば、完全抗体、抗体断片又は修飾抗体)を指す。本明細書において使用されるとき、「抗体」という用語は、あらゆる種類の抗体を含むことができ、これには、限定されないが、所与の抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、操作された抗体(ヒト化抗体、完全ヒト抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、人工的に選択された抗体、CDR-付与抗体、完全長抗体又はインタクトな抗体などを含む)が含まれる。いくつかの実施態様では、「抗体」及び/又は「免疫グロブリン」(Ig)は、任意選択的にジスルフィド結合により相互接続した、少なくとも2つの重(H)鎖(約50-70kDa)と2つの軽(L)鎖(約25kDa)とを含むポリペプチドを指す。軽鎖には、λとκの二種類がある。ヒトにおいて,λ及びκ軽鎖は類似しているが、各抗体には一種類のみが存在する。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ、又はイプシロンとして分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEとして定義する。概して、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))(参照によりその全体が本明細書に援用される)を参照のこと。
【0071】
[0081]「対象」及び「患者」という用語は、本明細書において互換的に使用され、ヒト及びヒト以外の動物を含むがこれらに限定されない哺乳動物を指す。これらの用語には、哺乳動物、例えばヒト、及び霊長類(例えば、サル)が含まれる。いくつかの実施態様では、対象はヒトである。したがって、本明細書で使用される「対象」又は「患者」という用語は、本開示の組成物が投与され得る任意の哺乳動物患者又は対象を意味する。
【0072】
[0082]「治療(treatment)」(及び「治療する(treat)」又は「治療すること(treating)」など、その文法的変形)は、治療されている個体の自然経過を変えようと試みる臨床的介入を指し、臨床病理の過程において実施され得る。治療の望ましい効果には、限定されないが、1つ又は複数の症状の軽減又は改善、疾患のいずれかの直接的又は間接的な病理学的帰結の出現又は悪化の縮小又は遅延、疾患の進行速度の減少、及び疾患状態の改善又は緩和が含まれる。いくつかの実施態様では、抗体は、疾患の発症を遅延させるか又は疾患の進行を遅くするために使用される。
【0073】
[0083]「治療的有効量」及び「有効量」という用語は、本明細書で互換的に使用され、治療される状態の症状のうちの1つ又は複数をある程度まで軽減するであろう、単剤として又は1つ若しくは複数の追加の薬剤との組み合わせで投与される治療剤の量を指す。いくつかの実施態様では、治療的有効量は、有効な又は所望の臨床結果をもたらすために十分な量である。状態(例えば、アルツハイマー病)の治療に関して、治療的有効量とは、AD、特に軽度から中等度のADの進行を修正すること、及び/又はADの1つ又は複数の症状を緩和及び/又は予防することなど、状態(及び/又はそれに関連する症状)の進行を緩和、改善、安定化、逆転、予防、遅らせること、又は遅延させることの少なくとも1つの効果を有する量を指す。いくつかの実施態様では、記憶力低下の速度を減少させるために有効量が使用される。本開示において使用され得る有効量は、投与方式、対象の年齢、体重、及び健康全般に応じて変化する。適切な量及び投薬レジメンは、当技術分野で常套的なスキルを使用して決定することができる。
【0074】
[0084]「治療剤」という用語は、疾患の症状を治療する薬剤を含むがこれらに限定されない、疾患を治療するために使用される任意の薬剤を指す。
【0075】
[0085]本明細書で使用されるとき、疾患の進行を「遅延させる」又は「遅らせる」とは、AD、特に軽度から中等度のADの進行を修正するように、疾患の発症を予防する、延期する、妨げる、遅らせる、安定化させる、及び/又は延期することを指す。このような遅延は、治療される疾患及び/又は個体の病歴に応じて、時間の長さが変化し得る。
【0076】
[0086]「症状」とは、本明細書で使用されるとき、対象によって経験される、正常な機能、感覚、又は構造から逸脱する現象又は感覚を指す。
【0077】
[0087]本明細書で使用される場合の「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味し、即ち、少量で存在し得る可能な天然発生バリアントを除き、該集団を含む個々の抗体は同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原に対するものである。更に、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を通常含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。
【0078】
[0088]本明細書におけるモノクローナル抗体には、
具体的には、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が、特定の種に由来するか又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一又は相同である一方で、1つ又は複数の鎖の残りが、別の種に由来するか又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びにそれらが所望の生物学的活性を呈する限りはそのような抗体の断片が含まれる(米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855(1984))。
【0079】
[0089]抗体の「クラス」は、その重鎖が有する定常ドメイン又は定常領域の種類を指す。抗体には5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは、更にサブクラス(又は「アイソタイプ」)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl及びIgA2に分けることができる。免疫グロブリンの様々なクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
【0080】
[0090]非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。大抵の場合、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域由来の残基が、非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類の超可変領域由来の残基により置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの事例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体において見出されない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに洗練させるためになされる。概して、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべて又は実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRのすべて又は実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のものである。また、ヒト化抗体は、任意選択的に、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常はヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含む。さらなる詳細については、例えば、Jones et al,Nature 321 :522-525(1986);Riechmann et al,Nature 332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照のこと。またこれらの文献中で引用されている次の概説及び参考文献も参照のこと:Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy,Asthma & Immunol.1:105-115(1998);Harris,Biochem.Soc.Transactions 23:1035-1038(1995);Hurle and Gross,Curr.Op.Biotech.5:428-433(1994)。
【0081】
[0091]「ヒト抗体」は、ヒト若しくはヒト細胞により産生された抗体のアミノ酸に対応するアミノ酸配列を含むもの、及び/又はヒト抗体レパートリー若しくは他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト源に由来した抗体のアミノ酸配列(例えば本明細書で開示されるようなヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製されたもの)に対応するアミノ酸を含むものである。そのような技術は、ファージディスプレイ等のヒト由来のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすること(例えば、Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581-597(1991)及びHoogenboom et al.,Nucl.Acids Res.,19:4133-4137(1991)参照);ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株を使用すること(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.55-93(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)参照);及び内因性免疫グロブリン産生の非存在下で、ヒト抗体の全レパートリーを産生可能なトランスジェニック動物(例えばマウス)においてモノクローナル抗体を生成すること(例えば、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA,90:2551(1993);Jakobovits et al.,Nature,362:255(1993);Bruggermann et al.,Year in Immunol.,7:33(1993)参照)を含むが、これらに限定されない。ヒト抗体のこの定義は、特に非ヒト動物由来の抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除く。
【0082】
[0092]「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定されて分離され、及び/又は回収されたものである。その自然環境の混入成分は、抗体の診断的及び治療的使用を妨害し得る物質であり、これらとしては、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性若しくは非タンパク質性溶質が挙げられ得る。いくつかの実施態様では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフ(例えば、イオン交換又は逆相HPLC)によって決定される、95%超又は99%超の純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の総説については、例えば、Flatman et al,J.Chromatogr.B 848:79-87(2007)を参照されたい。
【0083】
[0093]「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖又は軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、一般に、類似の構造を有しており、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの超可変領域(HVR)とを含む。(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.,91頁(2007)を参照)。抗原結合特異性を付与するには、単一のVH又はVLドメインで十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体からVH又はVLドメインを使用して単離され、それぞれ相補的なVL又はVHドメインのライブラリーをスクリーニングし得る。例えば、Portolano et al,J.Immunol.150:880-887(1993);Clarkson et al,Nature 352:624-628(1991)を参照。
【0084】
[0094]本明細書で使用されるとき、「超可変領域」、「HVR」、又は「HV」という用語は、配列が超可変性であり、且つ/又は構造的に画定されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。概して、抗体は、VH中に3つ(HI、H2、H3)及びVL中に3つ(LI、L2、L3)の、6つの超可変領域を含む。いくつかの超可変領域記述法が使用されており、本明細書に包含される。Kabat相補性決定領域(CDR)は配列可変性に基づいており、最も一般的に使用される(Kabat et ah,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))。Chothiaは、代わりに、構造ループの位置を指す(Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。AbM超可変領域は、KabatのCDRとChothiaの構造的ループとの折衷物であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されている。「接触」超可変領域は、利用可能な複合体結晶構造の解析に基づく。これらのHVRのそれぞれからの残基を以下の表1に記す。
【0085】
[0095]超可変領域は、以下のような「拡張された超可変領域」を含んでいてよい:VL内の24~36又は24~34(LI)、46~56又は49~56又は50~56又は52~56(L2)、及び89~97(L3)、並びにVH内の26~35(HI)、50~65又は49~65(H2)、及び93~102、94~102、又は95~102(H3)。可変ドメイン残基には、これら各々を定義するために、上掲のKabatらに従って番号を付した。
【0086】
[0096]「フレームワーク」又は「FR」残基は、本明細書で定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。したがって、HVR及びFR配列は、一般に、VH(又はVL)中で以下の配列:FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4で現れる。
【0087】
[0097]本明細書の目的では、「アクセプターヒトフレームワーク」とは、下記に定義されるように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含んでもよく、又はアミノ酸配列の変化を含んでもよい。いくつかの実施態様では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。いくつかの実施態様では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列に対して、配列が同一である。
【0088】
[0098]「親和性」又は「結合親和性」は、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合相互作用の総和の強度を指す。別途示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば抗体及び抗原結合アーム)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。一般的に、分子XのそのパートナーYに対する親和性は、解離定数(kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含め、当該技術分野で知られる一般的な方法によって測定することができ、そのいずれもが本開示の目的のために使用することができる。結合親和性を測定するための具体的且つ説明的な例示的な実施態様が、本明細書に記載されている。
【0089】
[0099]「親和性成熟」抗体とは、超可変領域(HVR)に改変を有しない親抗体と比較して、1つ又は複数の超可変領域に1つ又は複数の改変を有し、そのような改変が抗体の抗原に対する親和性の改善をもたらす抗体を指す。
【0090】
[0100]「抗アミロイドβ」、「抗Aβ」、「抗Aベータ」、「抗アミロイドβ免疫グロブリン」、及び「Aβに結合する抗体」という用語は、本明細書では互換的に使用され、ヒトAベータ(Aβ)に特異的に結合する抗体を指す。抗アミロイドβ抗体の非限定的な例は、クレネズマブである。抗アミロイドβ抗体の他の非限定的な例としては、ソラネズマブ、バピネズマブ、アデュカヌマブ、ガンテネルマブがある。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、IgG抗体である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、IgG4抗体である。いくつかの実施態様では、IgG4抗体は、セリン228が代わりにプロリンになるような変異をその定常ドメインに含む。
【0091】
[0101]「クレネズマブ」及び「MABT5102A」という用語は、本明細書で互換的に使用され、単量体形態、オリゴマー形態及びフィブリル形態のAβに結合し、CAS登録番号1095207に関連する特異的抗アミロイドβ抗体を指す。クレネズマブは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
【0092】
[0102]「アミロイドβ」、「Aβ」、又は「β-アミロイド」という用語は、本明細書では互換的に使用され、当該技術分野で認識されている用語であり、アミロイドβタンパク質及びペプチド、アミロイドβ前駆体タンパク質(APP)(βセクレターゼ1切断によって産生されるものを含む)、並びにそれらの修飾形、断片、及び任意の機能的等価物を指す。本明細書で使用される場合のアミロイドβとは、APPのタンパク質分解切断によって産生される任意の断片を意味し、これには、Aβ1-38、Aβ1-39、Aβ1-40、Aβ1-41、Aβ1-42、Aβ1-43を含むがこれらに限定されないアミロイド病理に関与又は関連する断片が含まれる。
【0093】
[0103]本明細書に開示されているようなアミロイドβペプチドの構造及び配列は当業者によく知られており、前記ペプチドを産生する方法又はそれらを脳及び他の組織から抽出する方法は、例えば、Glenner and Wong,Biochem Biophys Res Comm 129,885-890(1984)に記載されている。さらに、アミロイドβペプチドは、様々な形態で市販もされている。
【0094】
[0104]抗体に関して「特異的に結合する」という用語は、抗体が構造的に異なる抗原よりも高い親和性でその標的抗原に結合する抗体を指す。
【0095】
[0105]「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において、最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的に、ヒト免疫グロブリンVL配列又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般的に、配列のサブグループは、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,NIH Publication 91-3242,Bethesda MD(1991),第1~3巻にあるようなサブグループである。
【0096】
本明細書で使用される場合の「早期アルツハイマー病」又は「早期AD」という用語(例えば、「早期ADを有すると診断された患者」又は「早期ADに罹患している患者」)は、記憶欠損などの、ADによる軽度認知障害を有する患者、及びADバイオマーカーを有する患者、例えばアミロイド陽性患者を含む。
【0097】
[0107]本明細書で使用される場合の「軽度のアルツハイマー病」又は「軽度のAD」という用語(例えば、「軽度のADを有すると診断された患者」)は、20~26の精神状態短時間検査(MMSE)スコアを特徴とするADの段階を指す。
【0098】
[0108]本明細書で使用される場合の「軽度から中等度のアルツハイマー病」又は「軽度から中等度のAD」という用語は、軽度及び中等度の両方のADを包含し、18~26のMMSEスコアを特徴とする。
【0099】
[0109]本明細書で使用される場合の「中等度のアルツハイマー病」又は「中等度のAD」という用語(例えば、「中等度のADを有すると診断された患者」)は、18~19のMMSEスコアを特徴とするADの段階を指す。
【0100】
[0110]本明細書で使用される場合の「アミロイド関連画像異常(ARIA)」という用語は、治療中に発生した有害事象を指す。いくつかの実施態様では、ARIAはアミロイド関連画像異常-浮腫である。いくつかの実施態様では、ARIAはアミロイド関連画像異常-出血である。
【0101】
[0111]「アミロイド関連画像異常-浮腫」又は「ARIA-E」という用語は、脳血管原性浮腫及び脳溝浸出を包含する。いくつかの実施態様では、本開示のアルツハイマー病を治療する方法は、治療中に発生した有害事象のリスクを増加させず、ここで、有害事象はアミロイド関連画像異常-浮腫(ARIA-E)である。
【0102】
[0112]「アミロイド関連画像異常-出血」又は「ARIA-H」という用語は、中枢神経系の微小出血及び表在性シデローシスを包含する。いくつかの実施態様では、本開示のアルツハイマー病を治療する方法は、治療中に発生した有害事象のリスクを増加させず、ここで、有害事象はアミロイド関連画像異常-浮腫(ARIA-E)である。
【0103】
[0113]本明細書で使用される場合の「脳血管原性浮腫」という用語は、脳の細胞内空間又は細胞外空間における血管内液又はタンパク質の過剰蓄積を指す。脳血管原性浮腫は、例えば、FLAIR MRIを含むがこれに限定されない脳MRIによって検出可能であり、無症状の場合もあれば(「無症候性血管原性浮腫」)、錯乱、めまい、嘔吐、及び嗜眠などの神経症状を伴う場合もある(「症候性血管原性浮腫」)(Sperling et al.Alzheimer’s&Dementia,7:367,2011参照)。
【0104】
[0114]本明細書で使用される場合の「脳溝浸出」という用語は、脳のしわ又は溝における流体の浸出を指す。脳溝浸出は、例えば、FLAIR MRIを含むがこれに限定されない脳MRIによって検出可能である。Sperling et al.Alzheimer’s&Dementia,7:367,2011を参照のこと。
【0105】
[0115]本明細書で使用される場合の「中枢神経系の表在性シデローシス」という用語は、脳のくも膜下腔への出血を指し、例えば、T2*強調GRE MRIを含むがこれに限定されない脳MRIによって検出可能である。中枢神経系の表在性シデローシスを示す症状には、感音性難聴、小脳性運動失調、及び錐体路徴候が含まれる。Kumara-N,Am J Neuroradiol.31:5,2010を参照のこと。
【0106】
[0116]本明細書で使用される場合の「進行」という用語は、経時的な疾患の悪化を指す。疾患の「進行率」又は「進行速度」は、その疾患を有すると診断された患者において、その疾患が経時的にどの程度の速さ又は遅さで進行するかを指す。疾患の進行率は、その疾患の特定の特徴の経時的な測定可能な変化によって表すことができる。特定の遺伝的形質を担持する患者の病態が、そのような遺伝的形質を担持していない患者よりも早く進行する場合、「進行率の増加」がある、又はその可能性が高いと言われる。他方では、ある療法に反応している患者の疾患進行が、治療前の病態又は治療を受けていない他の患者と比較して、治療後に遅くなる場合、「進行率の低下」がある、あるいはその可能性が高いと言われる。
【0107】
[0117]本明細書で使用される場合の「エフェクター機能」という用語は、抗体のFc領域に帰属可能な生物学的活性を指し、抗体アイソタイプによって変わる。抗体エフェクター機能の例には:C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション;並びにB細胞活性化が挙げられる。野生型IgG4抗体は野生型IgG1抗体よりもエフェクター機能が低いことが、当該技術分野で知られている。
【0108】
[0118]本明細書で使用される場合の「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を指す。この用語は、天然配列Fc領域及びバリアントFc領域を含む。一実施態様では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、又はPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在してもしなくてもよい。本明細書に明記されていない限り、Fc領域又は定常領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付け方式に従う。
【0109】
[0119]用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書中で互換的に使用されて、天然抗体構造と実質的に類似の構造を有するか又は本明細書で定義されているFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
【0110】
[0120]本明細書で使用される場合の1つ又は複数の「天然抗体」とは、天然に存在する、様々な構造を有する免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合されている2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖で構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)を有し、続いて3つの定常ドメイン(CHI、CH2、及びCH3)を有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)を有し、これに定常軽(CL)ドメインが続く。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)とラムダ(λ)と呼ばれる2つの型のうちのいずれかに割り当てることができる。
【0111】
[0121]本開示は、高容量及び高用量の脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む、皮下投与に適した組成物を提供する。これらの組成物は、例えばアルツハイマー病の治療に有用である。
【0112】
使用方法
[0122]一態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0113】
[0123]一態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0114】
[0124]一態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0115】
[0125]一態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0116】
[0126]一態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0117】
[0127]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象におけるADの進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0118】
[0128]一態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0119】
[0129]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を対象に皮下投与することを含み、ここで、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。
【0120】
[0130]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約400mgと約7500mgの間の用量で投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の用量は、約600mgから7200mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約1700mg、約3400mg、又は約6800mgの用量で投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体は、約400mgと約7500mgとの間の用量で投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体の用量は、約600mgから約7200mgである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体は、約1700mg、約3400mg、又は約6800mgの用量で投与される。
【0121】
[0131]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約4mg/mLから約60mLの注入量で投与される。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLから約40mLである。
【0122】
[0132]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約1mL/分から約5mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分から約4mL/分である。
【0123】
[0133]いくつかの実施態様では、方法は、対象に透過促進剤をさらに投与することを含む。いくつかの実施態様では、組成物は、ヒアルロニダーゼ(例えば、Amphadase(登録商標)、Hydase(登録商標)、Hylenex(登録商標)、及びVitrase(登録商標))をさらに含む。いくつかの実施態様では、透過促進剤は、組み換えヒトヒアルロニダーゼである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、rHuPH20のようなヒト可溶性PH20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質である。いくつかの実施態様では、透過促進剤(例えば、ヒアルロニダーゼ)は、約500U/mlから約2000U/mLの用量で投与される。いくつかの実施態様では、透過促進剤(例えば、ヒアルロニダーゼ)は、約500U/mlの用量で投与される。いくつかの実施態様では、透過促進剤(例えば、ヒアルロニダーゼ)は、約1000U/mlの用量で投与される。いくつかの実施態様では、透過促進剤(例えば、ヒアルロニダーゼ)は、約1500U/mlの用量で投与される。いくつかの実施態様では、透過促進剤(例えば、ヒアルロニダーゼ)は、約2000U/mlの用量で投与される。
【0124】
[0134]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、同時に投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、連続して投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、同じ組成物中にある。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、別々の組成物中にある。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片とヒアルロニダーゼとは、同時に投与される。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片とヒアルロニダーゼとは、連続して投与される。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片とヒアルロニダーゼとは、同じ組成物中にある。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片とヒアルロニダーゼとは、別々の組成物中にある。
【0125】
[0135]いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、常染色体優性アルツハイマー病である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、前駆期、軽度、中等度、又は軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、散発性ADである。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、早期又は軽度のADである。
【0126】
[0136]いくつかの実施態様では、対象はヒトである。
【0127】
[0137]いくつかの実施態様では、本方法は、脳標的化抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第1の用量と、脳標的化抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第2用量とを対象に皮下投与することを含む。いくつかの実施態様では、第2の用量は、第1用量の2倍の量の脳標的抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、脳標的抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第1の用量と第2の用量とは、2週間間隔で投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第1の用量は、1日目に投与され、脳標的化抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第2の用量は15日目に投与される。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第1の用量は、浸透促進剤(例えば、ヒアルロニダーゼ)の第1用量とともに投与され、脳標的化抗体(例えばクレネズマブ)又はその抗原結合断片の第2の用量は、浸透促進剤(例えばヒアルロニダーゼ)の第2の用量とともに投与される。いくつかの実施態様では、浸透促進剤(例えばヒアルロニダーゼ)の第2の用量は、浸透促進剤(例えばヒアルロニダーゼ)の第1の用量の半分の量を含む。いくつかの実施態様では、浸透促進剤(例えばヒアルロニダーゼ)の第2の用量は、浸透促進剤(例えばヒアルロニダーゼ)の第1の用量の4分の1の量を含む。
【0128】
[0138]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0129】
[0139]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0130】
[0140]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0131】
[0141]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0132】
[0142]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0133】
[0143]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0134】
[0144]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0135】
[0145]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0136】
[0146]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0137】
[0147]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0138】
[0148]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0139】
[0149]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0140】
[0150]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0141】
[0151]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0142】
[0152]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0143】
[0153]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0144】
[0154]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0145】
[0155]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0146】
[0156]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0147】
[0157]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0148】
[0158]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0149】
[0159]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0150】
[0160]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0151】
[0161]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0152】
[0162]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0153】
[0163]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0154】
[0164]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0155】
[0165]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0156】
[0166]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0157】
[0167]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0158】
[0168]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0159】
[0169]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0160】
[0170]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0161】
[0171]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0162】
[0172]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0163】
[0173]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0164】
[0174]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0165】
[0175]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0166】
[0176]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0167】
[0177]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0168】
[0178]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0169】
[0179]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0170】
[0180]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0171】
[0181]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0172】
[0182]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0173】
[0183]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0174】
[0184]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0175】
[0185]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0176】
[0186]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0177】
[0187]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0178】
[0188]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0179】
[0189]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0180】
[0190]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0181】
[0191]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0182】
[0192]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0183】
[0193]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0184】
[0194]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0185】
[0195]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0186】
[0196]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0187】
[0197]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0188】
[0198]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0189】
[0199]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0190】
[0200]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0191】
[0201]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0192】
[0202]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0193】
[0203]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0194】
[0204]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0195】
[0205]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0196】
[0206]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0197】
[0207]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0198】
[0208]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0199】
[0209]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0200】
[0210]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0201】
[0211]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0202】
[0212]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0203】
[0213]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0204】
[0214]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0205】
[0215]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0206】
[0216]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0207】
[0217]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0208】
[0218]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0209】
[0219]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0210】
[0220]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0211】
[0221]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0212】
[0222]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0213】
[0223]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0214】
[0224]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0215】
[0225]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0216】
[0226]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0217】
[0227]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0218】
[0228]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0219】
[0229]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0220】
[0230]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0221】
[0231]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0222】
[0232]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0223】
[0233]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0224】
[0234]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0225】
[0235]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0226】
[0236]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0227】
[0237]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0228】
[0238]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0229】
[0239]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0230】
[0240]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0231】
[0241]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0232】
[0242]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0233】
[0243]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0234】
[0244]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0235】
[0245]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0236】
[0246]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0237】
[0247]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0238】
[0248]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0239】
[0249]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0240】
[0250]前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、完全長の脳標的化抗体であり得る。
【0241】
[0251]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインと配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインとを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0242】
[0252]いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、約400mgと約7500mgの間の用量で投与される。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の用量は、約600mgから7200mgである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、約1700mg、約3400mg、又は約6800mgの用量で投与される。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、約400mgと約7500mgとの間の用量で投与される。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体の用量は、約600mgから約7200mgである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、約1700mg、約3400mg、又は約6800mgの用量で投与される。いくつかの実施態様では、クレネズマブは、約400mgと約7500mgの間の用量で投与される。いくつかの実施態様では、クレネズマブの用量は、約600mgから7200mgである。いくつかの実施態様では、クレネズマブは、約1700mg、約3400mg、又は約6800mgの用量で投与される。
【0243】
[0253]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0244】
[0254]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0245】
[0255]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0246】
[0256]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0247】
[0257]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0248】
[0258]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0249】
[0259]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0250】
[0260]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0251】
[0261]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0252】
[0262]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0253】
[0263]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0254】
[0264]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0255】
[0265]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0256】
[0266]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0257】
[0267]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0258】
[0268]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0259】
[0269]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0260】
[0270]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0261】
[0271]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0262】
[0272]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0263】
[0273]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0264】
[0274]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0265】
[0275]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0266】
[0276]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0267】
[0277]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0268】
[0278]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0269】
[0279]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0270】
[0280]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0271】
[0281]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0272】
[0282]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0273】
[0283]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0274】
[0284]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0275】
[0285]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0276】
[0286]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0277】
[0287]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0278】
[0288]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0279】
[0289]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0280】
[0290]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0281】
[0291]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0282】
[0292]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0283】
[0293]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0284】
[0294]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0285】
[0295]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0286】
[0296]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0287】
[0297]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0288】
[0298]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0289】
[0299]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0290】
[0300]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0291】
[0301]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0292】
[0302]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0293】
[0303]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0294】
[0304]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0295】
[0305]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0296】
[0306]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0297】
[0307]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0298】
[0308]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0299】
[0309]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0300】
[0310]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0301】
[0311]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0302】
[0312]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0303】
[0313]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0304】
[0314]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0305】
[0315]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0306】
[0316]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0307】
[0317]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0308】
[0318]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0309】
[0319]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0310】
[0320]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0311】
[0321]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0312】
[0322]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0313】
[0323]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0314】
[0324]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0315】
[0325]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0316】
[0326]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0317】
[0327]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0318】
[0328]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0319】
[0329]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0320】
[0330]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0321】
[0331]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0322】
[0332]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0323】
[0333]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0324】
[0334]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0325】
[0335]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0326】
[0336]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0327】
[0337]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0328】
[0338]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0329】
[0339]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0330】
[0340]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0331】
[0341]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4vmL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0332】
[0342]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0333】
[0343]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0334】
[0344]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0335】
[0345]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0336】
[0346]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0337】
[0347]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0338】
[0348]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0339】
[0349]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの含む抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0340】
[0350]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療する方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0341】
[0351]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0342】
[0352]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0343】
[0353]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0344】
[0354]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0345】
[0355]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、(a)第1の用量は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;(b)第2の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0346】
[0356]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤は15日目に投与される。
【0347】
[0357]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0348】
[0358]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼは15日目に投与される。
【0349】
[0359]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤と共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0350】
[0360]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及びヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及びヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0351】
[0361]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、対象に第1の用量及び第2の用量を皮下投与することを含み、
(a)第1の用量は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量で投与され;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼと共投与される。いくつかの実施態様では、第1の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0352】
[0362]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の透過促進剤とを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0353】
[0363]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量のヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0354】
[0364]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせる方法を提供し、この方法は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量で投与される約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と、約500U/mLの用量の組み換えヒトヒアルロニダーゼとを含む組成物を対象に皮下投与することを含む。
【0355】
[0365]前述の実施態様のいずれかでは、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、完全長の抗アミロイドβ抗体であり得る。
【0356】
[0366]いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、常染色体優性アルツハイマー病である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、前駆期、軽度、中等度、又は軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、常染色体優性アルツハイマー病は、軽度から中等度である。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、散発性ADである。いくつかの実施態様では、アルツハイマー病は、早期又は軽度のADである。
【0357】
[0367]任意の脳標的化抗体又はその抗原結合断片が、本明細書に開示される方法、組成物及び使用で使用され得る。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0358】
[0368]一態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0359】
[0369]一態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療するための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0360】
[0370]一態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0361】
[0371]一態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0362】
[0372]一態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0363】
[0373]一態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0364】
[0374]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者におけるADの進行を遅延させるための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0365】
[0375]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための医薬の調製のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又は抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0366】
[0376]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0367】
[0377]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0368】
[0378]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0369】
[0379]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0370】
[0380]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0371】
[0381]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0372】
[0382]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療するための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0373】
[0383]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0374】
[0384]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0375】
[0385]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0376】
[0386]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0377】
[0387]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0378】
[0388]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0379】
[0389]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療するための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0380】
[0390]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0381】
[0391]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0382】
[0392]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0383】
[0393]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0384】
[0394]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0385】
[0395]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0386】
[0396]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療する医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0387】
[0397]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0388】
[0398]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0389】
[0399]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0390】
[0400]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0391】
[0401]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0392】
[0402]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0393】
[0403]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させるための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0394】
[0404]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0395】
[0405]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0396】
[0406]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0397】
[0407]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0398】
[0408]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0399】
[0409]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0400】
[0410]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させるための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0401】
[0411]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0402】
[0412]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0403】
[0413]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0404】
[0414]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0405】
[0415]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0406】
[0416]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0407】
[0417]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させるための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0408】
[0418]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0409】
[0419]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0410】
[0420]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0411】
[0421]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0412】
[0422]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0413】
[0423]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0414】
[0424]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療するための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0415】
[0425]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0416】
[0426]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0417】
[0427]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0418】
[0428]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、ここで、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適している。
【0419】
[0429]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与される。
【0420】
[0430]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための1つ又は複数の医薬の製造における第1の用量及び第2の用量の使用を提供し、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での皮下投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。
【0421】
[0431]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせるための医薬の製造における、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物の使用を提供し、ここで、医薬は、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での対象への皮下投与に適しており;医薬は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与するのに適している。
【0422】
[0432]前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、完全長の脳標的化抗体であり得る。前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に開示される抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片であり得る。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、完全長の抗アミロイドβ抗体である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体はクレネズマブであり得る。
【0423】
組成物
[0433]本開示は、高容量及び高用量の脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む、皮下投与に適した組成物を提供する。よって、一態様では、本開示は、高容量及び高用量の脳標的化抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適した組成物を提供する。
【0424】
[0434]一態様では、本開示は、高容量及び高用量の抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適した組成物を提供する。
【0425】
[0435]一態様では、本開示は、高容量及び高用量のクレネズマブを投与するのに適した組成物を提供する。
【0426】
[0436]一態様では、本開示は、約400mgから約7500mg/mLの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。
【0427】
[0437]一態様では、本開示は、約600mgから約7200mg/mLの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。いくつかの実施態様では、組成物は、約400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約500mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約600mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1200mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約2400mgの脳標的化抗体又はその抗原-結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約3600mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約4320mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約5760mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7200mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7300mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7500mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0428】
[0438]いくつかの実施態様では、組成物は、透過促進剤をさらに含む。いくつかの実施態様では、透過促進剤は、ヒアルロニダーゼ(例えば、Amphadase(登録商標)、Hydase(登録商標)、Hylenex(登録商標)、及びVitrase(登録商標))である。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、rHuPH20のようなヒト可溶性PH20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質である。
【0429】
[0439]いくつかの実施態様では、透過促進剤は、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約2000U/mLである。
【0430】
[0440]いくつかの実施態様では、透過促進剤はヒアルロニダーゼである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼは、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0431】
[0441]いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼは、組み換えヒトヒアルロニダーゼである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0432】
[0442]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、同じ組成物中にある。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、別々の組成物中にある。
【0433】
[0443]いくつかの実施態様では、本開示は、約130mgから約200mg/mLの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。
【0434】
[0444]いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約140mg/mLから約190mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約150mg/mLから約180mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約150mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約170mg/mLである。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片の濃度は約180mg/mLである。
【0435】
[0445]いくつかの実施態様では、組成物は、約4mLから約60mLの注入量で脳標的化抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLから約40mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約4mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約8mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約12mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約16mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約20mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約24mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約32mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約40mLである。
【0436】
[0446]いくつかの実施態様では、組成物は、約1mL/分から約5mL/分の流量で脳標的化抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分から約4mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約4mL/分である。
【0437】
[0447]一態様では、本開示は、約400mgから約7500mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。
【0438】
[0448]一態様では、本開示は、約600mgから約7200mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。いくつかの実施態様では、組成物は、約400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約500mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約600mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1200mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1700mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約1800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約2400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原-結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約3400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約3600mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約4320mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約5760mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約6800mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7200mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7300mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7400mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、約7500mgの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0439】
[0449]いくつかの実施態様では、組成物は、透過促進剤をさらに含む。いくつかの実施態様では、透過促進剤は、ヒアルロニダーゼ(例えば、aphadase(登録商標)、hydase(登録商標)、hylenex(登録商標)、及びvitrase(登録商標))である。いくつかの実施態様では、透過促進剤は、組み換えヒトヒアルロニダーゼである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、rHuPH20のようなヒト可溶性PH20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質である。
【0440】
[0450]いくつかの実施態様では、透過促進剤は、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、透過促進剤の濃度は、約2000U/mLである。
【0441】
[0451]いくつかの実施態様では、組成物は、ヒアルロニダーゼをさらに含む。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼは、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、ヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0442】
[0452]いくつかの実施態様では、組成物は、組み換えヒトヒアルロニダーゼをさらに含む。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼは、約500U/mLから約2000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約500U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約1000U/mLである。いくつかの実施態様では、組み換えヒトヒアルロニダーゼの濃度は、約2000U/mLである。
【0443】
[0453]いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、同じ組成物中にある。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片と透過促進剤とは、別々の組成物中にある。
【0444】
[0454]いくつかの実施態様では、本開示は、約130mgから約200mg/mLの抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を含む組成物を提供する。
【0445】
[0455]いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約140mg/mLから約190mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約150mg/mLから約180mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約150mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約170mg/mLである。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片の濃度は、約180mg/mLである。
【0446】
[0456]いくつかの実施態様では、組成物は、約4mLから約60mLの注入量で抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLから約40mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約4mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約8mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約10mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約12mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約16mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約20mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約24mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約32mLである。いくつかの実施態様では、注入量は約40mLである。
【0447】
[0457]いくつかの実施態様では、組成物は、約1mL/分から約5mL/分の流量で抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片を投与するのに適している。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分から約4mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約2mL/分である。いくつかの実施態様では、流量は約4mL/分である。
【0448】
[0458]いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
【0449】
いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。
【0450】
いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0451】
[0459]一態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0452】
[0460]一態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0453】
[0461]一態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0454】
[0462]一態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0455】
[0463]一態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。いくつかの実施態様では、認知障害は軽度認知障害(MCI)である。いくつかの実施態様では、対象は、アルツハイマー病に罹患している。
【0456】
[0464]一態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0457】
[0465]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者におけるADの進行を遅延させることにおける使用のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0458】
[0466]一態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための組成物の使用を提供し、ここで、組成物は、皮下投与に適しており、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、約130mg/mLから約200mg/mLの濃度である。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。
【0459】
[0467]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0460】
[0468]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の組み換えヒトヒアロニダーゼとの共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0461】
[0469]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0462】
[0470]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0463】
[0471]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0464】
[0472]いくつかの実施態様では、本開示は、対象におけるアルツハイマー病を治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0465】
[0473]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0466】
[0474]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0467】
[0475]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0468】
[0476]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0469】
[0477]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0470】
[0478]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0471】
[0479]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0472】
[0480]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0473】
[0481]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0474】
[0482]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0475】
[0483]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0476】
[0484]いくつかの実施態様では、本開示は、アルツハイマー病のリスクを有する対象を治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0477】
[0485]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0478】
[0486]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0479】
[0487]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0480】
[0488]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0481】
[0489]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0482】
[0490]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害を減少させることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0483】
[0491]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0484】
[0492]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0485】
[0493]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0486】
[0494]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0487】
[0495]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0488】
[0496]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0489】
[0497]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0490】
[0498]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0491】
[0499]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0492】
[0500]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0493】
[0501]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0494】
[0502]いくつかの実施態様では、本開示は、対象における認知障害の進行を遅延させることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0495】
[0503]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0496】
[0504]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0497】
[0505]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0498】
[0506]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0499】
[0507]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0500】
[0508]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された対象における進行を遅延させることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0501】
[0509]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0502】
[0510]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0503】
[0511]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0504】
[0512]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0505】
[0513]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0506】
[0514]いくつかの実施態様では、本開示は、有害事象のリスクを増加させることなく、早期又は軽度から中等度のADを治療することにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0507】
[0515]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約2mL/分の流量での投与に適している。
【0508】
[0516]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものであり;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約1000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約1000U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0509】
[0517]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、(a)第1の用量は、約1700mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、10mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;(b)第2の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適している。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量は15日目に投与される。
【0510】
[0518]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)は15日目に投与される。
【0511】
[0519]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための第1の用量及び第2の用量を含む組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、
(a)第1の用量は、約3400mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、20mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第1の用量は、約2000U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)と共投与され;
(b)第2の用量は、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含み、40mLの注入量で、約4mL/分の流量での投与に適しており;前記第2の用量は、約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)との共投与のためのものである。いくつかの実施態様では、第1の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約2000U/mLの用量)は1日目に投与され、第2の用量及び透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)(約500U/mLの用量)は15日目に投与される。
【0512】
[0520]いくつかの実施態様では、本開示は、早期又は軽度から中等度のアルツハイマー病(AD)を有すると診断された患者における臨床的悪化を遅らせることにおける使用のための組成物を提供し、ここで、組成物は皮下投与に適しており、組成物は、約40mLの注入量で約4mL/分の流量での投与に適した、約6800mgの脳標的化抗体又はその抗原結合断片と;約500U/mLの用量の透過促進剤(例えば、組み換えヒトヒアルロニダーゼを含めたヒアルロニダーゼ)とを含む。
【0513】
[0521]前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、完全長の脳標的化抗体であり得る。前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片であり得る。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片は、完全長の抗アミロイドβ抗体である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体はクレネズマブである。前述の実施態様のいずれかでは、脳標的化抗体はクレネズマブであり得る。
【0514】
例示的な抗体
[0522]いくつかの実施態様では、方法及び組成物は、脳標的化抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施態様では、脳標的化抗体又はその抗原結合断片は、抗アミロイドβ抗体又はその抗原結合断片である。本明細書に開示される組成物及び方法において使用される抗アミロイドβ抗体には、例えば、米国特許第7,892,544号及び国際公開2015/120233号(これらはどちらもその全体が参照により本明細書に援用される)に開示される抗アミロイドβ抗体が含まれる。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施態様では、抗アミロイドβ抗体は、本開示の実施態様のうちのいずれか一つに見られるHVRを含み、アクセプターヒトフレームワーク、例えば、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークをさらに含む。
【0515】
[0523]いくつかの実施態様では、2005年12月1日に受託番号DSM ACC2750の下でBraunchweigのDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ),Mascheroder Weg 1 B,38124 Braunchweigに寄託された、マウスドナー抗体、特にマウス抗体ACI-01-Ab7C2(本開示全体を通して、ヒト化C2抗体について「mC2」及び「hC2」と命名)から得られた少なくとも1つ、特に2つ、より具体的には3つのCDR領域を組み込んだ少なくとも1つの軽鎖若しくはその断片又は少なくとも1つの重鎖若しくはその断片を含む、本開示によるヒト化抗体又はその断片が提供され、ここで、前記抗体又はその断片は、マウスドナー抗体のそれよりも少なくとも5倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、又は少なくとも15倍高いAβ抗原に対する親和性を有する。
【0516】
[0524]本開示の抗体は、一実施態様では、任意のアイソタイプ及びサブタイプ(例えば、IgM、IgD、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgE、IgA1及びIgA2)の全抗体(例えば、2つの完全長軽鎖及び2つの完全長重鎖を有するもの);特にIgG4アイソタイプの抗体;あるいは別の実施態様では、全抗体の抗原結合断片(例えば、Fab、F(ab’)2及びFv)であり得る。いくつかの実施態様では、断片は、Fab免疫グロブリン発現ライブラリーの産物並びに上記の抗体及び断片のいずれかのエピトープ結合断片を含めた、Fab断片、Fab’断片、F(ab)2断片、及びFv断片からなる群より選択される。
【0517】
1.抗体親和性
[0525]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8Mから10-13M、例えば、10-9Mから10-13M)の解離定数(Kd)を有する。
【0518】
[0526]いくつかの実施態様では、Kdは、以下のアッセイによって説明されるように、目的とする抗体のFabバージョン及びその抗原を用いて実施される放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、非標識抗原の滴定系列の存在下で、最小濃度の(I)標識抗原でFabを平衡化し、次いで、結合した抗原を抗Fab抗体でコーティングされたプレートで捕捉することにより測定される(例えば、Chen et al、J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照されたい)。アッセイの条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mLの捕捉用抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングし、その後、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで2~5時間にわたって室温(およそ23℃)で遮断する。非吸着プレート(Nunc #269620)において、100pM又は26pMの[125I]抗原を、目的のFabの段階希釈液と混合する(例えば、Presta et al.,Cancer Res.57:4593-4599(1997)の抗VEGF抗体、Fab-12の評価と一致する)。その後、目的のFabを一晩インキュベートするが、インキュベーションは、平衡状態に達したことを確認するためにさらに長い時間にわたって(例えば約65時間)継続してもよい。その後、混合物を捕捉プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。その後、溶液を除去し、プレートを、PBS中0.1%のポリソルベート20(TWEEN-20(登録商標))で8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μL/ウェルのシンチラント(scintillant)(MICROSCINT-20(商標);Packard)を添加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマ計数器(Packard)上で10分間、計数する。20%以下の最大結合をもたらす各Fabの濃度を、競合結合アッセイにおける使用のために選択する。
【0519】
[0527]別の実施態様によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)-2000又はBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を使用した表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、25℃で、約-10の応答ユニット(RU)で固定化抗原CM5チップを用いて測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサチップ(CM5、BIACORE Inc.)を、供給業者の指示に従って、N-エチル-N′-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて活性化させる。抗原を、pH4.8の10mMの酢酸ナトリウムで5μg/ml(約-0.2μM)に希釈した後、5μL/分の流量でインジェクトし、カップリングされたタンパク質のおよそ10応答ユニット(RU)を達成する。抗原の注入後、反応しない群を遮断するために、1Mのエタノールアミンを注入する。動態測定のため、Fabの2倍段階希釈液(0.78nMから500nM)を、およそ25μL/分の流量で25℃で0.05%のポリソルベート20(TWEEN-20(商標))界面活性剤(PBST)を含むPBS中に注入する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)を、会合センサグラム及び解離センサグラムを同時に適合することによって、単純1対1Langmuir結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して計算する。平衡解離定数(Kd)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al、J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照。上記表面プラズモン共鳴アッセイによる会合速度が106M-1s-1を超える場合、会合速度は、流動停止を備えた分光光度計(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-AMINCOTM分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計で測定される場合に、増加する抗原濃度の存在下で、25℃で、PBS中20nMの抗原抗体(Fab型)(pH7.2)の蛍光放出強度(励起=295nm、放出=340nm、16nm帯域通過)の増加又は減少を測定する蛍光消光技法を使用することにより決定することができる。
【0520】
2.抗体断片
[0528]特定の実施態様では、本明細書で提供される抗体は、抗体断片である。抗体断片には、Fab断片、Fab’断片、Fab’-SH断片、F(ab’)2断片、Fv断片、及びscFv断片、並びに以下に記載される他の断片が含まれるが、これらに限定されない。特定の抗体断片の総説については、Hudson et al Nat.Med.9:129-134(2003)を参照。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag,New York),pp.269-315(1994)を参照のこと;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5571894号及び同第5587458号も参照。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつ、in vivo半減期を増加させたFab及びF(ab’)2断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。
【0521】
[0529]ダイアボディは、二価又は二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えばEP第404097号;国際公開第1993/01161号;Hudson et al,Nat.Med.9:129-134(2003);及びHollinger et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)を参照のこと。トリアボディ及びテトラボディも、Hudson et al,Nat.Med.9:129-134(2003)に記載されている。
【0522】
[0530]単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部若しくは一部又は軽鎖可変ドメインの全部若しくは一部を含む抗体断片である。特定の実施態様では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA;例えば、米国特許第6,248,516号B1を参照)。いくつかの実施態様では、2つ以上の単一ドメイン抗体を接合して、多価親和性を有する免疫グロブリンコンストラクトを形成することができる(即ち、第1の単一ドメイン抗体のN末端又はC末端を、第2の単一ドメイン抗体のN末端又はC末端に融合又は他の方法で接合することができる)。
【0523】
[0531]抗体断片は、本明細書に記載の組み換え宿主細胞(例えば大腸菌(E.Coli )又はファージ)による産生だけでなく、インタクトな抗体のタンパク質消化を含むがこれらに限定されない様々な技術で作製することができる。
【0524】
3.キメラ抗体及びヒト化抗体
[0532]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号、及びMorrison et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984)に記載されている。一例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ又は非ヒト霊長類(サルなど)由来の可変領域)とヒト定常領域とを含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
【0525】
[0533]いくつかの実施態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持したままヒト化されている。一般的に、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(又はその一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(又はその一部)がヒト抗体配列に由来する、1つ又は複数の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。いくつかの実施態様では、ヒト化抗体のいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を回復又は改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
【0526】
[0534]ヒト化抗体及びそれらの作製方法については、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に総説があり、さらに、例えばRiechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5821337号,同第7527791号,同第6982321号,及び同第7087409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)グラフティングについて記載);Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「リサーフェシング」について記載);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」について記載);及びOsbourn et al.,Methods 36:61-68(2005)及びKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252-260(2000)(FRのシャッフリングへの「誘導選択」手法について記載)に記載がある。
【0527】
[0535]ヒト化に使用され得るヒトフレームワーク領域には、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照);軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域又はヒトの生殖細胞系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照);及びスクリーニングFRライブラリー由来のフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)及び Rosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照)が含まれる。
【0528】
4.ヒト抗体
[0536]特定の実施態様では、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野において既知の様々な技術を用いて産生することができる。ヒト抗体は、概して、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)に記載されている。
【0529】
[0537]ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように修飾されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することによって調製され得る。このような動物は、典型的には内因性免疫グロブリン遺伝子座を置き換えるか、又は染色体外に存在するか若しくは動物の染色体にランダムに組み込まれているヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべて又は一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、通常は不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照のこと。例えば、XENOMOUSETM技術について記載している米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号;HUMAB(登録商標)技術について記載している米国特許第5,770,429号;K-M MOUSE(登録商標)技術について記載している米国特許第7,041,870号、並びにVELOCIMOUSE(登録商標)技術について記載している米国特許出願公開第2007/0061900号も参照のこと。かかる動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組合せることによって更に改変され得る。
【0530】
[0538]ヒト抗体は、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記述されている。(例えば、Kozbor J.Immunol,133:3001(1984);Brodeur et al,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);及びBoerner et al,J.Immunol,147:86(1991)を参照のこと。)ヒトB細胞ハイブリドーマ技術により生成されるヒト抗体もLi et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。さらなる方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生について記載)及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマについて記載)に記載されるものが含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)は、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)及びVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)にも記載されている。
【0531】
[0539]ヒト抗体は、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成することもできる。その後、このような可変ドメイン配列を、所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。
【0532】
5.ライブラリー由来の抗体
[0540]本開示の抗体は、コンビナトリアルライブラリーを所望の1つ又は複数の活性を有する抗体についてスクリーニングすることによって、単離され得る。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてそのようなライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が、当該技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に総説があり、さらに、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554;Clackson et al,Nature 352:624-628(1991);Marks et al,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003);Sidhu et al,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及びLee et al,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)に記載がある。
【0533】
[0541]特定のファージディスプレイ法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により別々にクローニングされ、ファージライブラリーにランダムに再結合され、その後、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングされ得る。ファージは、典型的には、抗体断片を、単鎖Fv(scFv)断片又はFab断片のいずれかとして提示する。免疫化された供給源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要なしに、免疫原に対して高親和性の抗体を提供する。あるいは、Griffiths et al.,EMBO J,12:725-734(1993)に記載されるように、ナイーブなレパートリーは、いかなる免疫感作も無く、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対して抗体の単一起源を提供するために、(例えば、ヒトから)クローニングされ得る。最後に、ナイーブなライブラリーは、幹細胞由来の再配置されていないV遺伝子セグメントをクローニングするとともにランダム配列を含むPCRプライマーを用いて高度に可変のCDR3領域をコードして、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)に記載されるようにin vitroでの再配置を達成することにより、合成的に作製され得る。ヒト抗体ファージライブラリーについて記載する特許公報には、例えば:米国特許第5,750,373号、並びに米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が含まれる。
【0534】
[0542]ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書においてヒト抗体又はヒト抗体の断片とみなされる。
【0535】
6.多重特異性抗体
[0543]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。いくつかの実施態様では、結合特異性のうちの一方はAβに対するものであり、もう一方は任意の他の抗原に対するものである。いくつかの実施態様では、二重特異性抗体は、Aβの2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体はまた、細胞に対して細胞傷害性剤を局在化させるために使用され得る。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製され得る。
【0536】
[0544]多重特異性抗体を作製するための技術は、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組み換え共発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))、国際公開第93/08829号、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)を参照)及び「ノブ・イン・ホール」操作(例えば、米国特許第 5,731,168号を参照)を含む。多重特異性抗体はまた、抗体のFc-ヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果を操作すること(国際公開第2009/089004A1号)、2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照)、二重特異性抗体を産生するためにロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547-1553(1992)を参照)、二重特異性抗体断片を作製するために「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)を参照)、単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照)、及び、例えばTutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載されているように、三重特異性抗体を調製することによって作製され得る。
【0537】
[0545]「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体もまた本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号を参照)。
【0538】
[0546]本明細書中の抗体又は断片はまた、Aβ及び別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む、「二重作用(Dual Acting)FAb」 又は 「DAF」を含む(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号を参照)。
【0539】
7.抗体バリアント
[0547]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適正な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって調製されてもよい。そのような修飾としては、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基への挿入及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が挙げられる。最終コンストラクトに到達するために欠失、挿入、及び置換を任意に組み合わせることができるが、但し、その最終コンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を保有することを条件とする。
【0540】
置換バリアント、挿入バリアント、及び欠失バリアント
[0548]いくつかの実施態様では、1つ又は複数のアミノ酸置換を有する抗体バリアントが提供される。置換変異誘発の対象部位には、HVR及びFRが含まれる。保存的置換を表2に「保存的置換」という見出しの下に示す。より実質的な変更を、表2の「例示的置換」の見出しの下に示し、アミノ酸側鎖のクラスに従って下記にさらに説明する。目的とする抗体中にアミノ酸置換を導入し、その産物を、所望の活性、例えば、保持/改善された抗原結合、減少した免疫原性、又は改善されたADCC若しくはCDCについてスクリーニングすることができる。
【0541】
[0549]アミノ酸は、一般的な側鎖特性に従って分類され得る。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
(6)芳香性:Trp、Tyr、Phe。
【0542】
[0550]非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つの要素を別のクラスと交換することを必要とする。
【0543】
[0551]ある種の置換バリアントは、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の1つ又は複数の超可変領域残基を置換することを含む。概して、さらなる研究のために選択される、得られたバリアントは、親抗体と比較して、特定の生物学的特性(例えば、親和性の増加、免疫原性の低下)に修飾(例えば、改善)を有し、及び/又は親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持することになる。例示的な置換バリアントは、親和性成熟抗体である。特定の実施態様では、親和性成熟抗体は、標的抗原に対して、ナノモル又はピコモルの親和性を有する。親和性成熟抗体は、例えば、本明細書に記載されているようなファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を用いるなど、当該技術分野で公知の手順によって産生される。簡潔には、1つ又は複数のHV残基が突然変異し、バリアント抗体がファージ上にディスプレイされ、特定の生物学的活性(例えば結合親和性)についてスクリーニングされる。他の手順も知られている。Marks et al. Bio/Technology 10:779-783(1992)には、VH及びVLドメインのシャフリングによる親和性成熟が記載されている。HVR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、Barbas et al.Proc Nat.Acad.Sci,USA 91 :3809-3813(1994);Schier et al.Gene 169:147-155(1996);Yelton et al.J.Immunol.155:1994-2004(1995);Jackson et al,J.Immunol.154(7):3310-9(1995);及びHawkins et al.J.Mol.Biol.226:889-896(1992)に記載されている。
【0544】
[0552]改変(例えば置換)は、例えば、抗体の親和性を向上させるために、HVR内で行うことができる。このような改変は、HVRの「ホットスポット」、即ち、体細胞成熟過程中に高頻度で変異を受けるコドンによりコードされた残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照)、及び/又はSDR(a-CDR)で行うことができ、得られたバリアントVH又はVLが結合親和性について試験される。二次ライブラリーから構築し選択し直すことによる親和性成熟が、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O′Brien et al,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001))に記載されている。親和性成熟のいくつかの実施態様では、多様な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、又はオリゴヌクレオチド指向性変異誘発)のいずれかによって、成熟のために選択される可変遺伝子に多様性が導入される。その後、二次ライブラリーが作製される。その後、このライブラリーがスクリーニングされて、所望の親和性を有する任意の抗体バリアントを特定する。多様性を導入するための別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4~6個の残基)をランダム化する、HVR指向性アプローチを含む。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発又はモデリングを使用して、具体的に特定されてもよい。特にCDR-H3及びCDR-L3が標的とされることが多い。
【0545】
[0553]特定の実施態様では、これらの改変が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、1つ又は複数のHVR内で置換、挿入又は欠失が起こり得る。例えば、結合親和性を実質的に低減させない保存的改変(例えば、本明細書に提供されるような保存的置換)が、HVR中で行われてもよい。そのような改変は、HVR「ホットスポット」又はSDRの外側であってもよい。本開示で提供されるようなバリアントVH及びVL配列のいくつかの実施態様では、各HVRは、改変されていないか、又は1つ、2つ若しくは3つ以下のアミノ酸置換を含むかのいずれかである。
【0546】
[0554]突然変異誘発のために標的化され得る抗体の残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085により記載されるように「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基のある残基又はグループ(例えばArg、Asp、His、Lys及びGlu等の荷電残基)が同定され、中性又は負に荷電したアミノ酸(例えばアラニン又はポリアラニン)で置き換えられて、抗原と抗体との相互作用が影響を受けるかどうかを判定する。さらなる置換が、初期置換に対して機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、抗体と抗原との間の接点を同定するための抗原-抗体複合体の結晶構造。そのような接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的化され得るか、又は排除され得る。バリアントは、所望の特性を含むかを判定するためにスクリーニングされ得る。
【0547】
[0555]アミノ酸配列挿入には、1個の残基から100個以上の残基を含むポリペプチドまでの長さの範囲のアミノ末端及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一若しくは複数のアミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。末端挿入物の例には、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入バリアントには、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPT用)又はポリペプチドに対する抗体のN末端又はC末端への融合体が含まれる。
【0548】
グリコシル化バリアント
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加又は減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、1つ又は複数のグリコシル化部位が作成又は除去されるようにアミノ酸配列を改変することにより、簡便に達成され得る。
【0549】
[0557]抗体がFc領域を含む場合には、それに付着する糖質は改変され得る。哺乳動物細胞によって産生された天然の抗体は、通常、N結合によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に一般に付着された分枝状の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照。
オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えばマンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、並びに二分岐オリゴ糖構造の「幹」におけるGlcNAcに付着したフコースを含み得る。いくつかの実施態様では、本開示の抗体におけるオリゴ糖の修飾は、特定の改善された特性を有する抗体バリアントを作成するためになされ得る。
【0550】
[0558]いくつかの実施態様では、Fc領域に(直接又は間接的に)付着したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体バリアントが提供される。例えば、そのような抗体のフコースの量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%>、又は20%から40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されるように、MALDI-TOF質量分析法によって測定する場合、Asn297に付着した全ての糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド、及び高マンノース構造)の合計と比較した、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を算出することによって決定される。Asn297とはFc領域内のおよそ297位(Fc領域残基のEu番号付け)に位置するアスパラギン残基を指すが、Asn297は、抗体のわずかな配列の違いにより、297位のおよそ±3アミノ酸上流又は下流に、即ち294位と300位の間に位置し得る。このようなフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta,L.);同第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」又は「フコース欠乏」抗体バリアントに関連する出版物の例には、米国特許出願公開第2003/0157108号、国際公開第2000/61739号、同第2001/29246号、米国特許出願公開第2003/0115614号、同第2002/0164328号、同第2004/0093621号、同第2004/0132140号、同第2004/0110704号、同第2004/0110282号、同第2004/0109865号、国際公開第2003/085119号、国際公開第2003/084570号、同第2005/035586号、同第2005/035778号、同第2005/053742号、同第2002/031140号、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が含まれる。脱フコシル化抗体を産生する能力を有する細胞株の例には、タンパク質フコシル化が欠乏しているLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108号、Presta,L;及び国際公開第2004/056312号、Adams et al.、特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、例えば、アルファ-1、6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、YYamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);及び国際公開第2003/085107号を参照)が含まれる。
【0551】
[0559]抗体バリアントは、二分オリゴ糖、例えば抗体のFc領域に付着した二分岐オリゴ糖がGlcNAcにより二分されているオリゴ糖をさらに備えている。このような抗体バリアントは、低減されたフコシル化及び/又は改善されたADCC機能を有し得る。このような抗体バリアントの例は、例えば、国際公開第2003/011878(Jean-Mairet et al.);米国特許第6,602,684号(Umana et al.);及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umana et al.)に記載されている。Fc領域に付着したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体バリアントも提供される。このような抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有し得る。このような抗体バリアントは、例えば、国際公開第1997/30087(Patel et al.);国際公開第1998/58964(Raju,S.)、及び国際公開第1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
【0552】
Fc領域バリアント
[0560]いくつかの実施態様では、1つ又は複数のアミノ酸修飾が本明細書で提供される抗体のFc領域に導入され、それによりFc領域バリアントが生成され得る。Fc領域バリアントは、1つ又は複数のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgGl、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fc領域)を含み得る。
【0553】
[0561]特定の実施態様では、本開示は、全てではなく、いくつかのエフェクター機能を有することにより、in vivoでの抗体の半減期が重要ではあるが、特定のエフェクター機能(補体及びADCCなど)が不要又は有害である用途に望ましい候補となる抗体バリアントを企図する。in vitro及び/又はin vivo細胞傷害性アッセイを実施して、CDC及び/又はADCCの活性の低下/枯渇を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行って、抗体がFcγR結合を欠く(ゆえにADCC活性を欠く可能性が高い)が、FcRn結合能を保持していることを確証することができる。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞は、FcRIIIのみを発現する一方、単球は、FcλRI、FcλRII、及びFcRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464ページの表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのin vitroアッセイの非限定的な例は、米国特許第5500362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照)及びHellstrom,I et al,Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 82:1499- 1502(1985);5,821,337(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えば、フローサイトメトリー用のACTITM非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA);及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照)。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核球(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又は加えて、目的の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Nat′l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されているような動物モデルにおいて、in vivoで評価され得る。C1q結合アッセイはまた、抗体がC1qに結合できないこと、それ故CDC活性を欠くことを確認するために行うこともできる。例えば、国際公開第2006/029879号及び同第2005/100402号に記載されている、C1q及びC3c結合ELISAを参照のこと。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施することができる(例えば、Gazzano-Santoro et al,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al,Blood 101 :1045-1052(2003);及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照)。FcRn結合、及びin vivoでのクリアランス/半減期の決定も、当該技術分野で既知の方法を用いて実施することができる(例えば、Petkova,S.B.et al,Int′l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照)。
【0554】
[0562]エフェクター機能が低下した抗体には、Fc領域残基238、265、269、270、297、327及び329のうちの1つ又は複数の置換を伴うものが含まれる(米国特許第6737056号)。このようなFc変異体には、残基265及び297のアラニンへの置換を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸位置265、269、270、297及び327の2つ以上での置換を有するFc変異体が含まれる(米国特許第7,332,581号)。
【0555】
[0563]FcRへの結合が改善又は減少した特定の抗体バリアントが記載されている。(例えば、米国特許第6737056号、国際公開第2004/056312号、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照)。
【0556】
[0564]いくつかの実施態様では、抗体バリアントは、ADCCを改善する1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、及び/又は334位(残基のEU番号付け)における置換を含むFc領域を含む。
【0557】
[0565]いくつかの実施態様では、Fc領域において、例えば米国特許第6194551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載のように、改変された(即ち改善されたか又は減少した)C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)をもたらす改変がなされる。
【0558】
[0566]増加した半減期を有し、かつ母体IgGの胎児への移動を担う新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))が、米国特許出願公開第2005/0014934号(Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する1つ又は複数の置換を伴うFc領域を含む。このようなFcバリアントには、以下のFc領域残基のうちの1つ又は複数に置換を有するものが含まれる:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、又は434、例えば、Fc領域残基434の置換(米国特許第7,371,826号)。また、Duncan & Winter,Nature 322:738-40(1988);米国特許第5648260号;同第5624821号;及び、Fc領域バリアントの他の例に関しては国際公開第94/29351号も参照のこと。
【0559】
システイン改変抗体バリアント
[0567]いくつかの実施態様では、システイン操作抗体、例えば、抗体の1つ又は複数の残基がシステイン残基で置換されている「チオMab」を作成することが望ましい場合がある。いくつかの実施態様では、置換される残基が抗体のアクセス可能な部位で生じる。これらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書でさらに説明するように、薬物部分又はリンカー-薬物部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートして、イムノコンジュゲートを作成するために使用できる。いくつかの実施態様では、次の残基:軽鎖のV205(Kabat番号付け);重鎖のAl 18(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)のいずれか1つ又は複数がシステインで置換され得る。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載のように生成され得る。
【0560】
抗体誘導体
[0568]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体は、当該技術分野で知られているとともに容易に入手可能である追加の非タンパク質部分を含むようにさらに修飾され得る。抗体の誘導体化に適した部位としては、水溶性ポリマーが挙げられるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストラン又はポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール、並びにこれらの混合物が含まれる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水の中でのその安定性に起因して、製造時に有利であり得る。そのポリマーは、任意の分子量であってもよく、分枝状であっても、分枝状でなくてもよい。抗体に付着するポリマーの数は変化してもよく、複数のポリマーが付着する場合、ポリマーは、同じ分子であってもよく、又は異なる分子であってもよい。一般に、誘導体化のために使用されるポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、改良対象の抗体の特定の特性又は機能、抗体誘導体が規定の条件下で治療に使用されるかどうか等を含む考慮事項に基づいて決定され得る。
【0561】
[0569]別の実施態様では、放射線への曝露によって選択的に加熱され得る非タンパク質部分と抗体とのコンジュゲートが提供される。一実施態様では、非タンパク質部分はカーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600-11605(2005)。放射線は、任意の波長であってよく、通常の細胞に害を与えないが抗体-非タンパク質部分の近位細胞が死滅する温度に非タンパク質部分を加熱する波長を含むがこれに限定されない。
【0562】
組み換え方法及び組成物
[0570]抗体は、例えば、米国特許第4816567号に記載されているような組み換え方法及び組成物を用いて産生され得る。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の抗Aβ抗体をコードする単離された核酸が提供される。そのような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。いくつかの実施態様では、そのような核酸を含む1つ又は複数のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。いくつかの実施態様では、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。そのような一実施態様では、宿主細胞は、以下を含む(例えば、以下を用いて形質転換されている):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列と、抗体のVHを含むアミノ酸配列とをコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクター。一実施態様では、宿主細胞は、真核生物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はリンパ系細胞(例えばY0、NSO、Sp20細胞)である。いくつかの実施態様では、上述のように、抗体の発現に適した条件下で、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することと、任意選択的に宿主細胞(又は宿主細胞培地)から抗体を回収することとを含む、抗Aβ抗体を作製する方法が提供される。
【0563】
[0571]抗Aβ抗体の組み換え生産のため、例えば、上述のような、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/又は発現のために1つ又は複数のベクターに挿入される。このような核酸は、容易に単離され得て、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定され得る。
【0564】
[0572]抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に適した宿主細胞は、本明細書に記載の原核生物細胞又は真核細胞を含む。例えば、抗体は、特に、グリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされていない場合には、細菌中で産生されてもよい。細菌中での抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば米国特許第5648237号、同第5789199号、及び同第5840523号を参照。(また、大腸菌における抗体断片発現について記載している、Charlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245-254を参照)。発現後、抗体は、可溶性画分中の細菌細胞ペーストから単離されてもよく、さらに精製され得る。
【0565】
[0573]原核生物に加えて、グリコシル化経路が「ヒト化」されていて、部分的又は完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす、真菌株及び酵母株を含めた糸状菌類又は酵母などの真核微生物も、抗体をコードするベクターのための適切なクローニング宿主又は発現宿主である。例えば、Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004)、及びLi et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006)を参照のこと。
【0566】
[0574]グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)からも得られる。無脊椎動物細胞の例としては、植物細胞及び昆虫細胞が挙げられる。数多くのバキュロウイルス株が同定されており、これらは、特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と組み合わせて使用され得る。
【0567】
[0575]植物細胞培養物を宿主として利用することもできる。例えば、米国特許第5,959,177号、同第6,040,498号、同第6,420,548号、同第7,125,978号、同第6,417,429号(トランスジェニック植物における抗体産生のためのPLA TIBODIESTM技術について記載)を参照のこと。
【0568】
[0576]脊椎動物細胞も宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で増殖するように適合されている哺乳動物細胞株が有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS-7)で形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胎児腎臓株(例えば、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載された293細胞又は293細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスのセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されるTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカミドリザル腎細胞(VEPvO-76);ヒト子宮頚癌細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(HepG2);マウス乳腺腫瘍細胞(MMT060562);例えばMather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載されるTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、DHFR- CHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));並びにY0、NS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞株の概説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255-268(2003)を参照のこと。
【0569】
アッセイ
[0577]本明細書で提供される抗Aβ抗体が、当該技術分野で既知の様々なアッセイによってその物理的/化学的性質及び/又は生物学的活性について同定、スクリーニング又は特徴付けされ得る。
【0570】
結合アッセイ及びその他のアッセイ
[0578]一態様では、本開示の抗体は、例えば、ELISA、ウエスタンブロットなどの既知の方法により、その抗原結合活性について試験される。
【0571】
[0579]別の態様では、Aβへの結合について本開示の抗Aβ抗体と競合する抗体を同定するために、競合アッセイが使用され得る。特定の実施態様では、このような競合抗体は、本明細書に明記されるクレネズマブ又は別の抗Aβ抗体によって結合される同じエピトープ(例えば、直鎖状又は立体構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的方法が、Morris(1996)によるMethods in Molecular Biology 第66巻の「Epitope Mapping Protocols」(Humana Press,Totowa,NJ)に提供されている。
【0572】
[0580]例示的な競合アッセイでは、所望の形態(例えば、モノマー、オリゴマー、又はフィブリル)の固定化したAβは、Aβに結合する第1の標識抗体(例えば、クレネズマブ)と、Aβへの結合について第1の抗体と競合する能力について試験される第2の非標識抗体とを含む溶液中でインキュベートされる。第2の抗体は、ハイブリドーマ上清中に存在してもよい。コントロールとして、固定化したAβは、第1の標識化抗体を含むが第2の非標識化抗体は含まない溶液中でインキュベートされる。Aβへの第1の抗体の結合を許容する条件下でインキュベートした後、結合していない過剰な抗体が除去され、固定化したAβと会合された標識の量が測定される。固定化したAβと会合された標識の量がコントロールサンプルと比較して試験サンプル中で実質的に減少している場合、それは、第2の抗体がAβへの結合に関して第1の抗体と競合していることを示している。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
【0573】
活性アッセイ
[0581]一態様では、生物学的活性、例えばクレネズマブの生物学的活性を有する抗Aβ抗体を同定するためのアッセイが提供される。生物学的活性には、例えば、モノマーAβのオリゴマーAβへの凝集の防止、又はオリゴマーAβのモノマーAβへの分解が含まれ得るが、これらに限定されない。そのような生物学的活性をin vivo及び/又はin vitroで有する抗体も提供される。いくつかの実施態様では、本開示の抗体は、このような生物学的活性について試験される。
【0574】
[0582]特異的な抗アミロイドβ抗体の配列を表3に示す。
【実施例】
【0575】
実施例1:単回上行量の安全性及び忍容性の試験
[0583]第I相試験(試験1)を実施し、68人の健康な対象を募集し(64人の対象が試験を完了した)、皮下投与されたプラセボの単回上行量及び皮下投与されたクレネズマブの単回上行量(例えば、600~7200mg)の安全性及び忍容性を評価した。皮下(SC)注入後のクレネズマブの薬物動態及び注入部位の漏出についても評価した。対象を8つのコホート(例えば、A~H)に分けた(
図1A)。対象の年齢、体重、体格指数(BMI)、及び人種はコホート間で概ねよく一致していたが、性別の分布は様々であった(
図11)。67人の対象に基準プラセボ輸液を全量注入し、65人の対象に試験プラセボ輸液を全量注入し、63人の対象にクレネズマブ輸液を全量注入し、62人の対象に3つすべてを全量注入した。1日目に、対象に、4mLプラセボの基準輸液を注入し、コホート間で容量が増加したプラセボの試験輸液を注入した(例えば、コホートA:4mL、コホートB:8mL、コホートC:12mL、コホートD:16mL、コホートE:20mL、コホートF:24mL、コホートG:32mL、コホートH:40mL)。2日目に、1日目の試験プラセボ輸液と同量のクレネズマブの単回SC輸液を注入した(例えば、4~40mLはクレネズマブ600~7200mgに相当)。コホートA~Dでは150mg/mLのクレネズマブ製剤を使用し、コホートE~Hでは180mg/mLのクレネズマブ製剤を使用した。クレネズマブ製剤には、コハク酸、L-アルギニン、及びポリソルベート20が含まれていた。Harvard Apparatus PHD UltraTM 4400シリンジポンプ(Harvard Apparatus,Holliston,MA,USA)(例えば、4~20mL輸液)又はCane Crono S-PID 50シリンジポンプ(Cane S.p.A.Medical Technology、Rivoli、Italy)(例えば、24~40mL輸液)を介し、SCカテーテル(例えば、6mmの深さまで挿入された25ゲージのソフトカニューレ)を介して、約1mL/分の流量で輸液を送達した。
【0576】
痛みの評価とLISSA反応
[0584]Local Infusion Site Symptom Assessment tool(LISSA)、100mmの視覚的アナログスケール(VAS)、時間0から60分までのVAS疼痛-時間曲線下面積(AUCVAS0-60min)、及びVerbal Descriptive Scale(VDS)測定によって忍容性をモニタリングした。LISSAを注入ごとに実施し、あらかじめ指定された時点における注入部位反応の有無と大きさを記録した。局所注入部位の紅斑の大きさを推定するため、対象の腹部に定規を当ててLISSA評価とともに匿名化した写真を撮影した。0分と60分の時点では、定規を使用して注入部位の写真を較正し、1cmあたりの適切なピクセルの倍率を決定した。注入部位周辺の紅斑を画像解析ソフトウェア(例えば、ImageJ V1.5.2など)を用いて手動で分割して、面積(例えば、cm2)を決定した。
【0577】
[0585]注入部位の漏れは、カテーテル除去後にその部位上の液体を捕捉するために、あらかじめ計量した吸収性綿棒を用いて評価した。シリンジと輸液セットの間に接続された単回使用の圧力センサを介して、注入部位の背圧評価を各輸液について記録した。圧力モニタリング装置は、注入中の圧力を1秒に1回記録した。
【0578】
[0586]クレネズマブ、試験プラセボ、及び基準プラセボ投与の注入中に報告されたVASスコアの最高平均値は、それぞれ18mm(コホートH)、28mm(コホートB)、及び29mm(コホートC)であった(
図2)。平均VASスコアは注入終了後、ベースラインに戻った。注入後のVAS疼痛スコアの最高平均値は、0分で25mm、5分で12mm、20分で10mm、60分で9mmであった(すべてコホートB、基準プラセボ)。AUC
VAS0-60min値は、コホートB、C、D、E、及びFでは基準プラセボが、コホートA及びGでは試験プラセボが、コホートHではクレネズマブが最も高かった。したがって、基準プラセボ注入と試験プラセボ注入の間、又は試験プラセボ注入と活性クレネズマブの注入の間に疼痛スコアの差はなく、容量又は薬物の影響がないことが示された。痛みのVDSスコアもVAS評価と一致していた(
図6)。
【0579】
[0587]注入部位紅斑は、最も一般的に報告されたLISSA反応であった(
図12)。紅斑は最大100%の対象で報告されたが、受けた注入の種類(クレネズマブ、試験プラセボ、基準プラセボなど)との相関はないようであった。打撲、火傷、ハイブ形成は、より低い割合で報告された(例えば、37.5%以下)。ほとんどのLISSA注入部位反応は、1日目の投与の60分後又は4時間後に報告され、72時間後の評価までに消失した。基準プラセボ注入と試験プラセボ注入の間、又は試験プラセボ注入と活性クレネズマブ注入の間でLISSAを観察したとき、容量又は薬物の影響はなかった。いずれの時点においても、注入部位の腫脹又は硬結は、65歳以上の対象(例えば、38%;10/26人)と比較して、65歳未満の対象(例えば、57%;24/42人)で多く報告された。
【0580】
薬物動態学及び抗薬物抗体分析
[0588]PK評価のための連続血液サンプルを、投与前、並びに3日目(例えば、クレネズマブ注入後24時間)、4日目、5日目、9日目、16日目、30日目、44日目、58日目、及び86日目に採取した。クレネズマブに対する抗薬物抗体(ADA)を評価するため、ベースライン時及び試験完了時又は早期終了時に血液サンプルを採取した。有効な分析方法を使用してサンプルを分析した。クレネズマブに対するADAを、PPD Laboratories(バージニア州リッチモンド)により、有効な分析手順(LLOQ=50ng/mL)を用いて分析した。
【0581】
[0589]ヒト血清中のクレネズマブを検出するように設計された定量アッセイを、生物学的分析に使用した。較正標準物、品質コントロール、及び未知のサンプルを、アッセイ希釈剤でアッセイに必要な最小希釈率1/50に希釈した。希釈したコントロールとサンプルを、プレコーティング及びプレブロックした酵素結合免疫吸着アッセイプレートに移した。1時間のインキュベーションの間に、クレネズマブを含むサンプルを固定化されたaβペプチドと結合させた。結合していない物質は洗浄工程で除去した。その後、検出のために西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗ヒトIgGを添加した。最後に、テトラメチルベンジジンペルオキシダーゼ基質を添加して発色させた。基質の発色は1Mリン酸で15分から30分後に停止した。プレートを、検出吸光度については450nmで、また基準吸光度については630nmでプレートリーダーで読み取った。
【0582】
[0590]ヒト血清中のMABT5102Aに対する抗体を検出するように設計された定量アッセイを、免疫原性分析に使用した。このアッセイでは、MABT5102Aに対する抗体を捕捉するために、ビオチンコンジュゲートMABT5102A(ビオチンコンジュゲートストックI)及びジゴキシゲニンコンジュゲートMABT5102A(ジゴキシゲニンコンジュゲートストックI)の2つのコンジュゲート試薬を用いた。これら2つのコンジュゲート試薬を、希釈したコントロール及びサンプルと室温で一晩共インキュベートした。コントロール/サンプル/ビオチン/ジゴキシゲニン溶液をNeutrAvidinTMタンパク質コートプレートに移し、室温でインキュベートした。洗浄工程の後、西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートしたマウス抗ジゴキシン抗体の溶液を、NeutrAvidinTMをコーティングした高結合プレートの適切なウェルに添加し、室温でインキュベートした。最後の洗浄工程の後、ペルオキシダーゼ基質(テトラメチルベンジジン)をプレートに加えて発色させ、1Mリン酸で反応を停止させた。プレートを、630nm基準フィルタを用いて450nm(検出)でプレートリーダーで読み取った。
【0583】
[0591]クレネズマブに対するADAのベースライン発現率を、ベースライン時の評価可能対象数に対するADA陽性対象数として計算した。クレネズマブ抗体に対するベースライン後のADA発現率は、評価可能なベースライン後の対象数に対するベースライン後のADA陽性対象数として計算した。
【0584】
[0592]試験1、試験2、試験3、及び試験4のPKデータを用いて、クレネズマブ集団PKモデルを開発した。対数変換したクレネズマブ濃度を使用して、線形消失及びSC吸収のためのデポーコンパートメントを備えた2コンパートメントモデルを開発して、クレネズマブのPKを特徴付けた。モデルの開発は、非線形混合効果モデリング(NONMEM)v7.3(Icon plc)及びPirana v2.9.9(Certara,L.P.)で実施し、モデルの評価及び可視化はR v3.5.1で実施した。体重はクリアランスと中心容積(V1;
図14)の共変量であったが、年齢やアルツハイマー病の状態などの他の因子は共変量として同定されなかった。モデルの評価は、
図9A及び
図9Bに示した最終モデルの視覚的予測チェック(VPC)に基づいて行われた。VPCは、モデル開発に使用されたデータと同様のデータをシミュレートするモデルの能力をチェックする。データを試験及びルートに基づいて階層化し、2000回シミュレーションした。VPCのパーセンタイルのそれぞれについて95%信頼区間を算出した。
【0585】
[0593]平均血清濃度-時間プロファイルを、SCクレネズマブ(例えば、600~7200mg)の単回上行投与後に評価した(
図5A及び5B).C
maxは、全コホートで3~7日の中央値(最大濃度観察[T
max]までの時間)で生じた。C
maxに達した後、クレネズマブの血清濃度は低下し、平均終末消失半減期(t
1/2)は17.0~24.9日であった。用量比例を評価するANOVAに基づくと、クレネズマブのC
max及びAUCは、600~7200mgの用量範囲でほぼ用量比例的に増加した。
【0586】
[0594]クレネズマブに対するベースライン後のADA発現率は2.9%(68例中2例)であった。両方の症例は、PK又は治療中に発生した有害事象(TEAE)所見に明らかな影響は観察されず、クレネズマブに対する治療中に発生したADAであると考えられた。
【0587】
治療中に発生した有害事象
[0595]TEAEは、クレネズマブ投与後(214件)63/66人(95.5%)、試験プラセボ投与後(108件)63/67人(94.0%)、基準プラセボ投与後(79件)51/68人(75.0%)が経験した(
図13)。ほとんどのTEAEは重症度グレード1であり、輸液関連であった。クレネズマブ投与後のTEAEは142/214例、試験プラセボ投与後のTEAEは100/108例、基準プラセボ投与後のTEAEは76/79例であった。コホートFでは、クレネズマブに関して6件のグレード≧2のTEAEが報告された(治験責任医師の見解では、いずれも試験薬物に関連するものではなかった)。2名の参加者から5件のグレード2の有害事象が報告された(1人目の参加者では四肢の痛み、感覚異常、末梢の腫脹及び胸椎骨折、2人目の参加者では上気道感染症)。3人目の参加者にグレード3の黄斑円孔が報告された。この試験において、重篤なAEや用量制限AEはなく、試験中止に至ったTEAEもなかった。すべてのTEAEは試験終了までに消失した。TEAEの種類や発生率と、容量、薬物、又は投与用量との関連は認められなかった。
【0588】
実施例2:抗アミロイドβ抗体、輸液量、流量、及び組み換えヒトヒアルロニダーゼ濃度の異なる組み合わせの安全性及び忍容性の試験
[0596]第I相試験(試験2)を実施し、72人の健康な対象を募集し(70人の対象が試験を完了した)、クレネズマブ用量、輸液量、流量、及び皮下投与された組み換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)の濃度の異なる組み合わせの安全性及び忍容性を評価した。rHuPH20の有無にかかわらず、皮下(SC)注入後のクレネズマブの薬物動態(PK)についても評価した。対象は6つのコホートのうちの1つに登録された。対象の年齢、体重、体格指数(BMI)、及び人種はコホート間で概ねよく一致していたが、性別の分布は様々であった(
図11)。コホート1~5はオープンラベルで、コホート6は二重盲検であった(
図1B)。コホート1の対象には、クレネズマブの60mg/kgの単回IV注入がなされた。コホート2~5の対象には、1日目及び15日目に、rHuPH20あり(例えば、コホート3及び5)又はrHuPH20なし(例えば、コホート2及び4)で、2回のSCクレネズマブ注入(例えば、コホート全体で1700~6800mgのクレネズマブに相当する10~40mL)がなされた。コホート5は2つのグループに分けられた:A群にはクレネズマブ単独が1日目にSC注入され、B群にはクレネズマブとrHuPH20が1日目にSC注入された。両群とも15日目にクレネズマブとrHuPH20がSC注入された。コホート6の対象には、1日目に2回のSC注入(90分以上180分未満)、つまり1回のプラセボ及び1回のクレネズマブ(両方ともrHuPH20を含む)が注入された。
【0589】
[0597]コホート1~5のクレネズマブPKの集団モデリングを使用して、60mg/kgのIV用量と同様のクレネズマブ曝露(AUC)を提供すると予想されるコホート6のクレネズマブ用量(例えば、クレネズマブ6800mg)を決定した。注入の順序は無作為化され(例えば、ブロックサイズは4)、二重盲検化された。コホート2~6では、SC注入位置は腹部の異なる四半部に無作為に割り付けられ、同じ四半部で2回の注入を受けた対象はいなかった。すべての輸液を、Harvard Apparatus PHD UltraTM 4400シリンジポンプを用い、SCカテーテル(例えば、深さ6mmまで挿入された25ゲージのソフトカニューレ)を介して送達した。
【0590】
痛みの評価とLISSA反応
[0598]Local Infusion Site Symptom Assessment tool(LISSA;補足情報を参照のこと)、100mmの視覚的アナログスケール(VAS)、時間0から60分までのVAS疼痛-時間曲線下面積(AUCVAS0-60min)、及びVerbal Descriptive Scale(VDS)測定によって忍容性をモニタリングした。LISSAを注入ごとに実施し、あらかじめ指定された時点における注入部位反応の有無と大きさを記録した。局所注入部位の紅斑の大きさを推定するため、対象の腹部に定規を当ててLISSA評価とともに匿名化した写真を撮影した。0分と60分の時点では、定規を使用して注入部位の写真を較正し、1cmあたりの適切なピクセルの倍率を決定した。注入部位周辺の紅斑を画像解析ソフトウェア(例えば、ImageJ V1.5.2など)を用いて手動で分割して、面積(例えば、cm2)を決定した。
【0591】
[0599]注入部位の漏れは、カテーテル除去後にその部位上の液体を捕捉するために、あらかじめ計量した吸収性綿棒を用いて評価した。シリンジと輸液セットの間に接続された単回使用の圧力センサを介して、注入部位の背圧評価を各輸液について記録した。圧力モニタリング装置は、注入中の圧力を1秒に1回記録した。
【0592】
[0600]ベースラインと投与後のVAS評価の間に差はなかった。コホート6の対象は、40mLのクレネズマブとrHuPH20の投与後、及び40mLのプラセボとrHuPH20の投与後に、同様の疼痛スコアを報告した(
図3(f))。したがって、平均VAS反応には治療による差はなく、注入流量、注入量、rHuPH20の有無におけるクレネズマブの用量、rHuPH20濃度、及びクレネズマブ又はプラセボの有無(例えば、コホート6)は、注入に関連する疼痛に影響しないことが示唆された。疼痛のVDSスコアはVAS評価と一致していた(
図6及び7A-7F)。
【0593】
[0601]注入部位紅斑は、報告されたLISSA反応であった(
図12)。紅斑は各コホート内の対象の最大92.3%で報告された。最も発生率が高かったのはコホート6で、注入後60分の時点であった(例えば、クレネズマブ+rHuPH20投与後では92.3%[24/26]であったのに対し、プラセボ+rHuPH20投与後では84.6%[22/26]であった)。発生率はクレネズマブの用量、注入量、又は投与したrHuPH20の量に関係なく同様であった。紅斑の面積を決定するための注入部位の写真の分析も実施した(
図4A及び4B)。注入後0分の時点における紅斑面積は、10mLのクレネズマブ、rHuPH20を含まない20mLのクレネズマブ、又はrHuPH20を含む20mLのクレネズマブを投与された対象において同様であるように見受けられた。40mLの注入量では、rHuPH20を共投与した方がしなかった場合よりも紅斑面積が大きく、40mLを注入された両群とも、注入量が少ない群よりも紅斑面積が大きくなる傾向がみられた。注入後60分の時点で、紅斑面積はrHuPH20を含まない10mLのクレネズマブ又は20mLのクレネズマブを投与された対象で同様であるように見受けられたが、rHuPH20を含む20mLのクレネズマブを投与された対象では紅斑面積が大きくなる傾向がみられた。40mLの注入量では、注入後0分の時点と同様の傾向がみられ、クレネズマブ単独で投与された対象よりもrHuPH20と共投与された対象の方が紅斑面積が大きかった。
【0594】
[0602]注入部位の腫脹は、報告された別のLISSA反応であった(
図12)。コホート2~5では、rHuPH20を含んだ注入と比較して、rHuPH20を含まない注入後に腫脹が多くみられた。コホート6では、注入部位紅斑の発生率はプラセボ又はクレネズマブの投与と相関しなかった。クレネズマブ投与後の腫脹発生率は、投与後0分の時点(例えば、8/26[30.1%]対4/26[15.4%])及び投与後60分の時点(例えば、6/26[23.1%]対3/26[11.5%])で、プラセボ投与後の約2倍であった。コホート2~6では、注入部位の腫脹又は硬結は、いずれの時点においても65歳以上の対象(例えば、14%;5/36人)と比較して、65歳未満の対象(例えば、57%;16/28人)で多く報告された。
【0595】
薬物動態
[0603]すべてのコホートにおいて、連続血液サンプルを、投与前、並びにrHuPH20の有無にかかわらず、クレネズマブのSC注入後24時間、72時間、168時間、及び336時間に採取した。追加のサンプルを、29日目、43日目、57日目、試験終了時(コホート1と6では85日目、その他のコホートでは99日目)に採取した。コホート1では、IV注入後60~90分後にサンプルを採取した。クレネズマブに対する抗薬物抗体(ADA)及び抗rHuPH20抗体を評価するため、ベースライン時及び試験完了時又は早期終了時に血液サンプルを採取した。有効な分析方法を使用してサンプルを分析した。クレネズマブに対するADAを、Syneos(米国ニュージャージー州プリンストン)によって分析した。抗rHuPH20の分析はIcon(米国ニューヨーク州ホワイツボロ)によって、また、rHuPH20に対する中和抗体の分析はMicroConstants(米国カリフォルニア州サンディエゴ)によって実施した。
【0596】
[0604]ヒト血清中のクレネズマブを検出するように設計された定量アッセイを、生物学的分析に使用した。較正標準物、品質コントロール、及び未知のサンプルを、アッセイ希釈剤でアッセイに必要な最小希釈率1/50に希釈した。希釈したコントロールとサンプルを、プレコーティング及びプレブロックした酵素結合免疫吸着アッセイプレートに移した。1時間のインキュベーションの間に、クレネズマブを含むサンプルを固定化されたaβペプチドと結合させた。結合していない物質は洗浄工程で除去した。その後、検出のために西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗ヒトIgGを添加した。最後に、テトラメチルベンジジンペルオキシダーゼ基質を添加して発色させた。基質の発色は1Mリン酸で15分から30分後に停止した。プレートを、検出吸光度については450nmで、また基準吸光度については630nmでプレートリーダーで読み取った。
【0597】
[0605]ヒト血清中のMABT5102Aに対する抗体を検出するように設計された定量アッセイを、免疫原性分析に使用した。このアッセイでは、MABT5102Aに対する抗体を捕捉するために、ビオチンコンジュゲートMABT5102A(ビオチンコンジュゲートストックI)及びジゴキシゲニンコンジュゲートMABT5102A(ジゴキシゲニンコンジュゲートストックI)の2つのコンジュゲート試薬を用いた。これら2つのコンジュゲート試薬を、希釈したコントロール及びサンプルと室温で一晩共インキュベートした。コントロール/サンプル/ビオチン/ジゴキシゲニン溶液をNeutrAvidinTMタンパク質コートプレートに移し、室温でインキュベートした。洗浄工程の後、西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートしたマウス抗ジゴキシン抗体の溶液を、NeutrAvidinTMをコーティングした高結合プレートの適切なウェルに添加し、室温でインキュベートした。最後の洗浄工程の後、ペルオキシダーゼ基質(テトラメチルベンジジン)をプレートに加えて発色させ、1Mリン酸で反応を停止させた。プレートを、630nm基準フィルタを用いて450nm(検出)でプレートリーダーで読み取った。
【0598】
[0606]クレネズマブ及び抗rHuPH20抗体に対するADAのベースライン発現率を、ベースライン時の評価可能対象数に対するADA陽性対象数として計算した。クレネズマブ及び抗rHuPH20抗体に対するベースライン後のADA発現率は、評価可能なベースライン後の対象数に対するベースライン後のADA陽性対象数として計算した。
【0599】
[0607]試験1、試験2、試験3、及び試験4のPKデータを用いて、クレネズマブ集団PKモデルを開発した。対数変換したクレネズマブ濃度を使用して、線形消失及びSC吸収のためのデポーコンパートメントを備えた2コンパートメントモデルを開発して、クレネズマブのPKを特徴付けた。モデルの開発は、非線形混合効果モデリング(NONMEM)v7.3(Icon plc)及びPirana v2.9.9(Certara,L.P.)で実施し、モデルの評価及び可視化はR v3.5.1で実施した。
【0600】
[0608]コホート1におけるIV投与後、クレネズマブの幾何平均Cmax(例えば、1370mg/L)は、投与後0.08日(約2時間)で達成され、クレネズマブ濃度は、19.9日の幾何平均終末消失t1/2で二相性分布となった。コホート2~5におけるクレネズマブのSC投与後、Tmaxの中央値は注入後3~7日目に生じた。rHuPH20は、コホート間の用量比例及びt1/2に影響を及ぼさなかった。全身曝露量(Cmax及びAUC)は、クレネズマブを単独投与された対象(例えば、コホート5A)と、クレネズマブ及びrHuPH20を投与された対象(例えば、コホート5B)とで同様であった。しかし、rHuPH20を含む注入ではTmaxが短くなる傾向があった(例えば、コホート5Bでは中央値3日であったのに対し、コホート5Aでは7日)。PKパラメータはコホート2及び4で同様であった。これは、試験した注入流量(それぞれ2mL/分及び4mL/分)はクレネズマブのPKに影響を及ぼさなかったことを示している。コホート6においてクレネズマブ6800mgとrHuPH20 500U/mLをSC投与した後、Tmaxの中央値は3.1日、t1/2の算術平均は20日であった。このコホートにおけるSC投与後の絶対的バイオアベイラビリティは0.72であった(DN AUC0-∞(コホート6)/DN AUC0-∞(コホート1)として計算)。
【0601】
[0609]線形消去を伴うクレネズマブの2コンパートメントプール集団PKモデルは、観察されたPKデータを捕捉した。プール集団PK解析には、クレネズマブ単回投与又は複数回投与後の191人の健康な対象、及びクレネズマブ複数回投与後の軽度から中等度のアルツハイマー病患者62人のPKデータが含まれた。体重はクリアランスと中心容積(V1;
図14)の共変量であったが、年齢やアルツハイマー病の状態などの他の因子は共変量として同定されなかった。モデルの評価は、
図9A及び
図9Bに示した最終モデルの視覚的予測チェック(VPC)に基づいて行われた。VPCは、モデル開発に使用されたデータと同様のデータをシミュレートするモデルの能力をチェックする。データを試験及びルートに基づいて階層化し、2000回シミュレーションした。VPCのパーセンタイルのそれぞれについて95%信頼区間を算出した。
【0602】
[0610]バイオアベイラビリティ(F)については、0と1の間の推定値を制約するために、ロジスティック分布を導入した。CL、V1、V2、F、及びKaの個人間変動を推定し、CL/V1/V2(BLOCK3)とF/Ka(BLOCK2)の間の非対角要素を推定した。対数領域の付加誤差モデルを用いて残余誤差を特徴付け、正規スケールの比例残余誤差として報告した。全体的なクレネズマブSCバイオアベイラビリティは0.66と推定された。これは実施例1の試験及び実施例2の試験の両方において、クレネズマブをrHuPH20の有無にかかわらず投与した場合と同様であった(
図10)。
【0603】
[0611]クレネズマブ及び抗rHuPH20抗体に対するADAの発生率は、治療後に低く(≦3%)、実施例1の試験及び実施例2の試験において、PK又は安全性に対する明らかな臨床的影響はなかった。rHuPH20を含むSCクレネズマブと含まないSCクレネズマブとの間に免疫原性の差を示す証拠は観察されず、全体的な治療中に発生した免疫原性の発生率はIVクレネズマブで観察されたものと同様であった。
【0604】
[0612]クレネズマブに対するベースラインのADA発現率は2.8%(70例中2例)であった。コホート2の対象1名とコホート4の対象1名は、治療前のADA力価が非常に低く(<1.70)、ベースライン後はADA陰性であった(治療の影響はなかった)。ベースライン後のADA発現率は1.4%(70例中1例)であった。コホート3の対象1名が治療誘発性ADAを発症した。抗rHuPH20抗体のベースライン発現率は2.8%(例えば、コホート3及び6で対象1名、治療による影響なし)であり、ベースライン後の発現率も2.8%であった(例えば、コホート5Bで対象1名、コホート6で対象1名が治療誘発性の陽性力価を有した)。対象4人全員のサンプルはrHuPH20に対する中和抗体が陰性であった。
【0605】
治療中に発生した有害事象
[0613]37.5%(27/72人)の参加者が治療中に発生した有害事象(TEAE)を報告した(44件)。ほとんどのTEAE(86%)の重症度は軽度(グレード1)であり、クレネズマブ関連と考えられる16件が含まれた(
図13)。最も頻繁に報告されたTEAE(全原因)は頭痛であった(参加者の11.1%、全体で9件のTEAE)。グレード3のTEAEには、対象1人における湿疹寸前及び2人目の対象における血中クレアチンホスホキナーゼの増加が含まれた。参加者1名における2件のSAEは、足首を骨折した交通事故に起因するものであり、参加者の試験中止を招いた。ほとんどが注入関連で、重症度はすべて軽度であった。コホート6の対象1名は、クレネズマブに関連した軽度(グレード1)の口腔知覚鈍麻を経験し、試験薬の中止を招いた。このTEAEは解決され、対象は試験を完了した。
【0606】
実施例3:試験薬物の調製、粘度、及び安定性
[0614]試験1では、コホートA~Dではクレネズマブの150mg/mL製剤を使用し、コホートE~Hではクレネズマブの180mg/mL製剤を使用した。試験2では、クレネズマブを含む全ての用量を、170mg/mLの濃度で製剤化した(rHuPH20の有無にかかわらず)。rHuPH20と共製剤化しないクレネズマブの投与については、クレネズマブの180mg/mL製剤をプラセボで希釈し、最終濃度を170mg/mLとした。rHuPH20濃度が2000U/mLのクレネズマブの投与には、バイアルに入った製造済みの製剤をさらに配合することなく直接使用した。より低濃度のrHuPH20が必要な場合は、バイアル製剤(170mg/mL、2000U/mL)を適切な容量のクレネズマブ製剤(180mg/mL)及びプラセボで希釈して、最終的なrHuPH20濃度を低くした。両試験とも、クレネズマブ製剤にはコハク酸、L-アルギニン、ポリソルベート20が含まれ、プラセボ製剤にはクレネズマブの輸液を含まない同じ賦形剤が含まれた。rHuPH20と共製剤化した170mg/mLのクレネズマブ濃度では、5、15、及び25℃での平均粘度はそれぞれ、6.4、9.0、及び13.7センチポアズであった。
【0607】
[0615]バイアル内の長期安定性は、5℃及び25℃で独立して確認された。また、ポリプロピレンシリンジ中で5℃で24時間及び25℃で8時間インキュベートした後、模擬注入を行うことにより、「使用中」の安定性も確認した。
【配列表】
【国際調査報告】