(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】NOxの選択的接触還元用触媒
(51)【国際特許分類】
B01J 29/76 20060101AFI20240711BHJP
B01J 35/57 20240101ALI20240711BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B01J29/76 A
B01J35/57 E ZAB
B01J35/57 L
B01D53/94 222
B01D53/94 228
B01D53/94 280
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024503540
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2022071182
(87)【国際公開番号】W WO2023006870
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ザベル、クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】フリーベ、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ラング、マリア
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、イーディス
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、貫通して延在する基材の内壁によって画定される複数の通路を含むウォールフローフィルタ基材を含む、NOxの選択的接触還元のための触媒であって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、触媒に関し、基材の多孔質壁が、コーティングを含み、コーティングが、ゼオライト材料と、銅と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)におけるゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1(g/立方インチ)における第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)が、最大で10:1であり、かつ第1の非ゼオライト酸化物材料の90~100重量%が、ZrO2として計算されるジルコニウムからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NOxの選択的接触還元のための触媒であって、
入口端と、出口端と、前記入口端から前記出口端まで延在する基材軸方向長さと、前記基材を通って延在する前記基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材であって、前記複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材を含み、
前記基材の多孔質壁が、コーティングを含み、前記コーティングが、ゼオライト材料と、銅と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、
前記コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)における前記ゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における前記第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)が、最大で10:1であり、かつ
前記第1の非ゼオライト酸化物材料の90~100重量%が、ZrO
2として計算されるジルコニウムからなる、触媒。
【請求項2】
前記コーティングに含まれる前記ゼオライト材料の骨格構造の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%が、Si、Al及びOからなり、前記骨格構造において、モルSiO
2:Al
2O
3として計算されるSi対Alのモル比が、好ましくは2:1~30:1の範囲、より好ましくは5:1~25:1の範囲、より好ましくは7:1~22:1の範囲、より好ましくは8:1~20:1の範囲、より好ましくは9:1~18:1の範囲、より好ましくは10:1~17:1の範囲、より好ましくは12:1~16:1の範囲である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
CuOとして計算される前記コーティングに含まれる銅の量が、前記ゼオライト材料の重量に基づいて、2~10重量%の範囲、好ましくは2.5~5.5重量%の範囲、より好ましくは3~5重量%の範囲である、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
前記コーティング中に含まれる前記第1の非ゼオライト酸化物材料の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%が、ZrO
2として計算されるジルコニウムからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項5】
前記コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)における前記ゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における前記第1の非ゼオライト酸化物材料、好ましくはジルコニアと、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)が、10:1~1.1:1の範囲、好ましくは9:1~1.25:1の範囲、より好ましくは8:1~2:1の範囲、より好ましくは7.5:1~2.5:1の範囲、より好ましくは7:1~3.5:1の範囲、より好ましくは5.5:1~4:1の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
前記コーティングが、第2の非ゼオライト酸化物材料を更に含み、前記第2の非ゼオライト酸化物材料が、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくはアルミナ、シリカ、及びチタニア、Al、Si、及びTiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルミナ、シリカ、Al、及びSiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルミナとシリカとの混合物であり、
好ましくは、アルミナとシリカとの前記混合物の80~99重量%、より好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~98重量%が、アルミナからなり、かつアルミナとシリカとの前記混合物の1~20重量%、好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%が、シリカからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項7】
前記コーティングが、前記ゼオライト材料の重量に基づいて、2~20重量%の範囲、好ましくは5~15重量%の範囲、より好ましくは7~13重量%の範囲の量で前記第2の非ゼオライト酸化物材料を含む、請求項6に記載の触媒。
【請求項8】
90~100重量%、好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%の前記コーティングが、前記基材の前記多孔質壁に含まれる、請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項9】
前記基材が、コージエライトウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上、好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項10】
NOxの選択的接触還元のための触媒、好ましくは請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒を調製するためのプロセスであって、
(i’)水と、銅源と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体と、を含む、第1の水性混合物を調製することと、
(ii’)銅を含まないゼオライト材料を、(i’)に従って得られた前記第1の混合物と混合し、第2の水性混合物を得ることであって、前記第2の水性混合物において、酸化物として計算される前記第1の非ゼオライト酸化物成分の前記前駆体の量が、前記ゼオライト材料の重量に基づいて少なくとも10重量%である、得ることと、
(iii’)前記第2の水性混合物を、入口端と、出口端と、前記入口端から前記出口端まで延在する基材軸方向長さと、前記基材を通って延在する前記基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、前記複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、任意選択で、前記混合物を含む前記基材を乾燥させることと、
(iv’)(iii’)で得られた前記基材を焼成することと、を含む、プロセス。
【請求項11】
(i’)において調製された前記第1の水性混合物中に含まれる第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体が、ジルコニウム塩又は酸化ジルコニウム、好ましくはジルコニウム塩、より好ましくは酢酸ジルコニウムである、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
(i’.1)水及び前記銅源を含む混合物を調製することであって、前記混合物が、好ましくは酸、より好ましくは有機酸、より好ましくは酢酸を更に含み、より好ましくは前記混合物が、スクロースを含み、より好ましくはスクロースに対するCuOとして計算される銅の重量比が、2:1~1:2の範囲、より好ましくは1.5:1~1:1.5の範囲、より好ましくは1.2:1~1:1.2の範囲である、調製することと、
(i’.2)前記第1の非ゼオライト酸化物成分の前記前駆体を、(i’.1)に従って得られた混合物に添加して、前記第1の水性混合物を得ることと、
を含む、請求項10又は11に記載のプロセス。
【請求項13】
90~100重量%、好ましくは93~99重量%、より好ましくは96~99重量%の前記銅源が、(i’.1)において調製された前記混合物中に非溶解状態で存在し、(i’.1)による前記混合物中の銅の粒子が、0.1~15マイクロメートルの範囲、好ましくは0.5~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有する、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
(ii’)が、
(ii’.1)好ましくはCuを含まないゼオライト材料を、(i’)に従って得られた前記第1の水性混合物と混合することと、
(ii’.2)好ましくは、前記得られた混合物(ii’.1)を、より好ましくは前記混合物の粒子が0.5~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv90を有するまで、粉砕することと、
(ii’.3)(ii’.1)において、好ましくは(ii’.2)において得られた第2の混合物を、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される第2の非ゼオライト酸化物材料と混合して、第2の水性混合物を得ることと、
を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
(iii’)に従って配置することが、
(iii’.1)(ii’)で得られた前記第2の水性混合物の第1の部分を、入口端と、出口端と、前記入口端から前記出口端まで延在する基材軸方向長さと、前記基材を通って延在する前記基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、前記複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、前記第2の水性混合物の前記第1の部分を含む前記基材を乾燥させることと、
(iii’.2)(ii’)で得られた前記第2の水性混合物の第2の部分を、(iii’.1)で得られた第3の水性混合物の第1の部分を含む前記基材上に配置することと、任意選択で、前記第2の水性混合物の前記第1の部分及び前記第2の部分を含む前記基材を乾燥させることと、
を含む、請求項10~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
圧縮点火エンジンから出る排気ガスを処理するための排気ガス処理システムであって、前記排気ガス処理システムが、前記排気ガス流を前記排気ガス処理システムに導入するための上流端を有し、前記排気ガス処理システムが、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒と、ディーゼル酸化触媒、選択的接触還元触媒、アンモニア酸化触媒、NOxトラップ及び微粒子フィルタのうちの1つ以上と、を含み、
前記システムが、好ましくは、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒と、ディーゼル酸化触媒と、選択的接触還元触媒と、を含み、
前記ディーゼル酸化触媒が、より好ましくは、前記選択的接触還元触媒の上流に位置し、前記選択的接触還元触媒が、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒の上流に位置するか、又は
前記ディーゼル酸化触媒が、より好ましくは、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒の上流に位置し、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒が、前記選択的接触還元触媒の上流に位置する、排気ガス処理システム。
【請求項17】
NOxの選択的接触還元のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NOxの選択的接触還元のための触媒、NOxの選択的接触還元のための触媒を調製するプロセス、並びに当該プロセスによって得ることができる触媒及び得られた触媒に関する。更に、本発明は、当該触媒を含む排気ガス処理システム及び当該触媒の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
英国特許第2528737号は、排気ガスを処理するための方法を開示しており、当該方法は、遷移金属交換小細孔ゼオライトを含有する選択的接触還元触媒組成物の使用を含む。更に、国際公開第2020/040944号は、白金族金属及び金属で促進されたゼオライト材料を含む選択的接触還元触媒組成物を開示している。しかしながら、これらの出願は、コールドフロー背圧又は煤ローディングを伴う背圧を扱っておらず、選択的接触還元触媒技術の要件は、全温度範囲にわたる良好なDeNOx活性、良好な生産性、許容可能なコールドフロー背圧、良好な濾過効率、及び煤ローディングを伴う良好な背圧挙動であることが知られている。実際に、異なる要因が、煤によるフィルタ挙動に強い影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
国際公開第2020/088531(A1)号は、銅イオン交換ゼオライト材料を含む、NOxの選択的接触還元のための触媒を調製するためのプロセスを開示している。しかしながら、大きなNOx転化率を示し、かつ減少した背圧を示す、NOxの選択的接触還元のための新しい触媒を見出す必要性が依然として存在する。更に、熱的に非常に安定な触媒が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、NOxの選択的接触還元のための新規な触媒であって、優れたNOx転化率を示し、熱安定性を向上させ、背圧を低減する、NOxの選択的接触還元のための新規な触媒を提供することであった。驚くべきことに、本発明の触媒は、大きなNOx転化率を示し、背圧の低減を示すことを可能にすることが見出された。更に、当該触媒は、従来技術と比較して改善された熱安定性を有する。
【0005】
したがって、本発明は、NOxの選択的接触還元のための触媒であって、
入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材であって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材を含み、
基材の多孔質壁が、コーティングを含み、コーティングが、ゼオライト材料と、銅と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、
コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)におけるゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)が、最大で10:1であり、かつ
第1の非ゼオライト酸化物材料の90~100重量%が、ZrO2として計算されるジルコニウムからなる、触媒に関する。
【0006】
好ましくは、コーティングに含まれるゼオライト材料は、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらのうちの2種以上の混合物、及びそれらのうちの2種以上の混合タイプからなる群から選択され、より好ましくはCHA、AEI、RTH、LEV、DDR、KFI、ERI、AFX、それらのうちの2種以上の混合物、及びそれらのうちの2種以上の混合タイプからなる群から選択され、より好ましくはCHA、AEI、RTH、AFX、それらのうちの2種以上の混合物、及びそれらのうちの2種以上の混合タイプからなる群から選択され、より好ましくはCHA及びAEIからなる群から選択される骨格型を有する。より好ましくは、コーティングに含まれるゼオライト材料は、骨格型CHAを有する。
【0007】
ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%は、Si、Al及びOからなる。
【0008】
好ましくは、コーティングに含まれるゼオライト材料の骨格構造において、モルSiO2:Al2O3として計算されるSi対Alのモル比は、2:1~30:1の範囲、より好ましくは5:1~25:1の範囲、より好ましくは7:1~22:1の範囲、より好ましくは8:1~20:1の範囲、より好ましくは9:1~18:1の範囲、より好ましくは10:1~17:1の範囲、より好ましくは12:1~16:1の範囲である。
【0009】
好ましくは、コーティングに含まれるゼオライト材料、より好ましくは骨格型CHAを有するゼオライト材料は、走査型電子顕微鏡によって測定して、少なくとも0.1マイクロメートル、より好ましくは0.1~3.0マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.3~1.5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.4~1.0マイクロメートルの範囲の平均結晶子サイズを有する。
【0010】
好ましくは、CuOとして計算されるコーティングに含まれる銅の量は、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~10重量%の範囲、好ましくは2.5~5.5重量%の範囲、より好ましくは3~5重量%の範囲である。
【0011】
好ましくは、コーティング中に含まれるゼオライト材料は、銅を含む。
【0012】
好ましくは、コーティングは、ゼオライト材料を、0.5~5g/立方インチの範囲、より好ましくは0.75~3g/立方インチの範囲、より好ましくは1~2.5g/立方インチの範囲、より好ましくは1.25~2g/立方インチの範囲のローディング量で含む。
【0013】
コーティング中に含まれる第1の非ゼオライト酸化物材料の好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%は、ZrO2として計算されるジルコニウムからなる。第1の非ゼオライト酸化物材料は、好ましくはジルコニア(ZrO2)である。換言すれば、コーティングに含まれる第1の非ゼオライト酸化物材料は、ジルコニア(ZrO2)から実質的になることが好ましく、ジルコニアからなることがより好ましい。
【0014】
コーティングは、g/立方インチで表したローディングL(z)におけるゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における第1の非ゼオライト酸化物材料、より好ましくはジルコニアと、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)は、10:1~1.1:1の範囲、より好ましくは9:1~1.25:1の範囲、より好ましくは8:1~2:1の範囲、より好ましくは7.5:1~2.5:1の範囲、より好ましくは7:1~3.5:1の範囲、より好ましくは5.5:1~4:1の範囲である。
【0015】
したがって、本発明は、好ましくは、NOxの選択的接触還元のための触媒であって、
入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材であって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材を含み、
基材の多孔質壁が、コーティングを含み、コーティングが、骨格型CHAを有するゼオライト材料と、銅と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み
コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)におけるゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)は、9:1~1.25:1の範囲、より好ましくは8:1~2:1の範囲、より好ましくは7.5:1~2.5:1の範囲、より好ましくは7:1~3.5:1の範囲、より好ましくは5.5:1~4:1の範囲であり、かつ
第1の非ゼオライト酸化物材料の90~100重量%、より好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%は、ZrO2として計算されるジルコニウムからなる。
【0016】
本発明の文脈において、コーティングが、第2の非ゼオライト酸化物材料を更に含み、第2の非ゼオライト酸化物材料が、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくはアルミナ、シリカ、及びチタニア、Al、Si、及びTiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルミナ、シリカ、Al、及びSiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルミナとシリカとの混合物であることが好ましい。
【0017】
好ましくは、アルミナとシリカとの混合物の80~99重量%、より好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~98重量%が、アルミナからなり、かつ好ましくはアルミナとシリカとの混合物の1~20重量%、好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%が、シリカからなる。
【0018】
好ましくは、コーティングは、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~20重量%の範囲、より好ましくは5~15重量%の範囲、より好ましくは7~13重量%の範囲の量で、第2の非ゼオライト酸化物材料を含む。
【0019】
好ましくは、0~0.001重量%、より好ましくは0~0.0001重量%、より好ましくは0~0.00001重量%のコーティングは、白金族金属からなる。換言すれば、コーティングは、白金族金属を実質的に含まないことが好ましく、白金族金属を含まないことがより好ましい。
【0020】
好ましくは、コーティングは、基材の入口端から出口端に向かって、又は基材の出口端から入口端に向かって、基材軸方向長さのx%にわたって延在し、xは、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である。
【0021】
好ましくは90~100重量%、より好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%のコーティングが、基材の多孔質壁に含まれる。
【0022】
本発明の触媒のコーティングは、実質的に基材の多孔質壁内にのみ存在することが好ましく、基材の多孔質壁内にのみ存在することがより好ましい。基材軸方向長さの中間ゾーンにおいて、少量のコーティングが内壁の表面上に存在し得ることが更に考えられる。
【0023】
好ましくは、コーティングは、基材軸方向長さに沿って均一に配置される。
【0024】
コーティングの量は、基材の入口端及び基材の出口端のそれぞれに存在する量と比較して、基材軸方向長さの中間ゾーンにおいてより多いことも好ましい場合がある。これは、以下に記載されるコーティング方法のうちの1つによるものであり、基材は、好ましくは、入口端から出口端に向かって、又は出口端から入口端に向かって、基材軸方向長さの約50~90%、より好ましくは約60~80%、より好ましくは約65~75%にわたって、基材軸方向長さ未満にわたって最初にコーティングされ、次いで、基材は、入口端又は出口端の他方から、基材軸方向長さの約50~90%、より好ましくは約60~80%、より好ましくは約65~75%にわたって、基材軸方向長さ未満にわたって更にコーティングされる。
【0025】
本発明の文脈において、基材は、コージエライトウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材、及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であることが好ましく、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であることがより好ましい。
【0026】
好ましくは、基材は、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材又はチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材である。
【0027】
触媒は、ウォールフローフィルタ基材及びコーティングからなることが好ましい。
【0028】
本発明は更に、NOxの選択的接触還元のための触媒、好ましくは本発明による触媒を調製するためのプロセスであって、
(i)水と、銅源と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体と、を含む、第1の水性混合物を調製することと、
(ii)水と、ゼオライト材料と、を含む、第2の水性混合物を調製することであって、ゼオライト材料が銅を含まない、調製することと、
(iii)(i)に従って得られた第1の水性混合物と、(ii)に従って得られた第2の水性混合物とを混合することであって、第3の水性混合物を得て、第3の水性混合物において、酸化物として計算される第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体の量が、ゼオライト材料の重量に基づいて少なくとも10重量%である、混合することと、
(iv)第3の水性混合物を、入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、任意選択で、当該混合物を含む基材を乾燥させることと、
(v)(iv)で得られた基材を焼成することと、を含む、プロセスに関する。
【0029】
好ましくは、(i)において調製された第1の水性混合物中に含まれる銅源は、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、及びそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは酢酸銅、酸化銅、及びそれらのうちの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである。
【0030】
好ましくは、(i)において調製された第1の水性混合物中に含まれる第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体は、ジルコニウム塩又は酸化ジルコニウム、より好ましくはジルコニウム塩、より好ましくは酢酸ジルコニウムである。
【0031】
好ましくは、(i)において調製された第1の水性混合物は、(ii)において調製された第2の水性混合物中に含まれるゼオライト材料の重量に基づいて、2~10重量%の範囲、より好ましくは2.5~5.5重量%の範囲、より好ましくは3~5重量%の範囲の量で、CuOとして計算される銅を含む。
【0032】
第1の水性混合物において、酸化物として計算される第1の非ゼオライト酸化物材料の前駆体の量は、(ii)において調製された第2の水性混合物中に含まれるゼオライト材料の重量に基づいて、10~80重量%の範囲、より好ましくは11~80重量%の範囲、より好ましくは12.5~50重量%の範囲、より好ましくは13~40重量%の範囲、より好ましくは14.3~28.5重量%の範囲、より好ましくは18~25重量%の範囲であることが、好ましい。第1の水性混合物において、ZrO2として計算される酢酸ジルコニウムの量は、(ii)において調製された第2の水性混合物中に含まれるゼオライト材料の重量に基づいて、10~80重量%の範囲、より好ましくは11~80重量%の範囲、より好ましくは12.5~50重量%の範囲、より好ましくは13~40重量%の範囲、より好ましくは14.3~28.5重量%の範囲、より好ましくは18~25重量%の範囲であることが、より好ましい。
【0033】
(i)に関して、
(i.1)水と、銅源と、を含む混合物を調製することであって、混合物が、より好ましくは酸、より好ましくは有機酸、より好ましくは酢酸を、更に含む、調製することと、
(i.2)第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体、より好ましくは酢酸ジルコニウムを、(i.1)に従って得られた混合物に添加して、第1の水性混合物を得ることと、を含むことが、好ましい。
【0034】
好ましくは90~100重量%、より好ましくは93~99重量%、より好ましくは96~99重量%の銅源が、(i.1)において調製された混合物中に非溶解状態で存在する。
【0035】
好ましくは、(i.1)による混合物中の銅の粒子は、0.1~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、より好ましくは参考例3に記載されているように決定される。
【0036】
好ましくは、(i.1)による混合物中の銅の粒子は、0.1~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~3マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.75~2マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv50は、より好ましくは参考例3に記載されているように決定される。
【0037】
好ましくは、(i.1)で得られた混合物は、(i.1)で得られた混合物の重量に基づいて、4~30重量%の範囲、より好ましくは4~21重量%の範囲の固形分を有する。
【0038】
好ましくは、(ii)で得られた第2の混合物は、第2の混合物の重量に基づいて、15~50重量%の範囲、より好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは30~40重量%の範囲の固形分を有する。
【0039】
好ましくは、第2の混合物中のゼオライト材料の粒子は、1~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは2~6マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、より好ましくは参考例3に記載されるように決定される。
【0040】
(ii)で得られる第2の混合物において、ゼオライト材料は、好ましくはそのH型である。
【0041】
好ましくは、第2の混合物中のゼオライト材料の粒子は、0.5~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.75~3マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される。
【0042】
(iii)に関して、
(iii.1)(i)に従って得られた第1の水性混合物と、(ii)に従った第2の水性混合物と、を混合することと、
(iii.2)より好ましくは、得られた混合物(iii.1)を、より好ましくは当該混合物の粒子が0.5~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv90を有するまで、粉砕することであって、Dv90は、より好ましくは参考例3に記載されるように決定される、粉砕することと、
(iii.3)水と、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される第2の非ゼオライト酸化物材料と、を含む混合物を調製することと、
(iii.4)(iii.3)で得られた混合物を、(iii.1)で、より好ましくは(iii.2)で得られた混合物と混合して、第3の水性混合物を得ることと、を含むことが、好ましい。
【0043】
好ましくは、(iii.3)において調製された混合物は、当該混合物の重量に基づいて、15~60重量%の範囲、より好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは25~40重量%の範囲の固形分を有する。
【0044】
好ましくは、(iii.3)において調製された混合物中の第2の非ゼオライト酸化物材料の粒子は、2~12マイクロメートルの範囲、より好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、より好ましくは参考例3に記載されているように決定される。
【0045】
好ましくは、第2の混合物中のゼオライト材料の粒子は、0.75~6マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv90は、より好ましくは参考例3に記載されるように決定される。
【0046】
好ましくは、(iii.3)において調製された混合物中に含有される第2の非ゼオライト酸化物材料は、アルミナ、シリカ、及びチタニア、Al、Si、及びTiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、アルミナ、シリカ、Al、及びSiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、アルミナとシリカとの混合物である。
【0047】
好ましくは、アルミナとシリカとの混合物の80~99重量%、より好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~98重量%は、アルミナからなり、かつより好ましくはアルミナとシリカとの混合物の1~20重量%、より好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%が、シリカからなる。
【0048】
好ましくは、(iii.3)において調製された混合物は、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~20重量%の範囲、より好ましくは5~15重量%の範囲、より好ましくは7~13重量%の範囲の量で、第2の非ゼオライト酸化物材料を含む。
【0049】
(iii)、好ましくは(iii.4))において得られた第3の水性混合物に関して、当該混合物は、第3の水性混合物の重量に基づいて、15~50重量%の範囲、より好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは25~40重量%の範囲の固形分を有することが、好ましい。
【0050】
(iii)において調製された第3の水性混合物の好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%は、水、ゼオライト材料、銅源、第1の非ゼオライト酸化物材料の前駆体、より好ましくは酢酸ジルコニウム、より好ましくは上記で定義された第2の非ゼオライト酸化物材料からなる。
【0051】
好ましくは、(iv)による混合物の配置は、混合物を基材上に噴霧することによって、又は基材を混合物中に浸漬することによって、より好ましくは基材を混合物中に浸漬することによって行われる。
【0052】
好ましくは、(iii)に従って得られた第3の水性混合物は、(iv)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx%にわたって配置され、xは、95~100の範囲、より好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である。
【0053】
(iv)の基材としては、ウォールフローフィルタ基材であればいずれの基材も用いることができる。しかしながら、(iv)における基材は、コージエライトウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であることが好ましく、より好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であり、より好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材又はチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材である。
【0054】
(iv)による乾燥に関しては、60~300℃の範囲、より好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われることが好ましく、ガス雰囲気はより好ましくは酸素を含む。
【0055】
(iv)による乾燥に関して、10分~4時間の範囲、より好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で実施されることが好ましく、ガス雰囲気はより好ましくは酸素を含む。
【0056】
(iv)に従って配置することに関して、代替の好ましい方法が存在し、それによれば、(iv)に従って配置することは、好ましくは
(iv.1)(iii)で得られた第3の水性混合物の第1の部分を、入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、第3の水性混合物の第1の部分を含む基材を乾燥させることと、
(iv.2)(iii)で得られた第3の水性混合物の第2の部分を、(iv.1)で得られた第3の水性混合物の第1の部分を含む基材上に配置することと、任意選択で、第3の水性混合物の第1の部分及び第2の部分を含む基材を乾燥させることと、を含む。
【0057】
好ましくは、(iii)による第3の水性混合物の第1の部分は、(iv.1)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置され、x1は、95~100の範囲、より好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である。
【0058】
好ましくは、(iii)による第3の水性混合物の第2の部分は、(iv.2)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置され、x2は、95~100の範囲、より好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である。x1が95~100の範囲、より好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲であり、x2=x1であることが、より好ましい。
【0059】
あるいは、(iii)による第3の水性混合物の第1の部分は、(iv.1)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置されることが好ましく、x1は、50~90の範囲、より好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲である。
【0060】
好ましくは、(iii)による第3の水性混合物の第2の部分は、(iv.2)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置され、x2は、50~90の範囲、より好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲である。x1が50~90の範囲、より好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲であり、x2=x1であることがより好ましい。
【0061】
(iii)による第3の水性混合物の第1の部分が、(iv.1)に従って、基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置され、(iii)による第3の水性混合物の第2の部分が、(iv.2)に従って、基材の入口端から出口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置されることが、より好ましい。他のプロセスも考えられる。
【0062】
好ましくは、(iv.1)による乾燥は、60~300℃の範囲、より好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素を含む。
【0063】
好ましくは、(iv.1)による乾燥は、10分~4時間の範囲、より好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素を含む。
【0064】
好ましくは、(iv.2)による乾燥は、60~300℃の範囲、より好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素を含む。
【0065】
好ましくは、(iv.2)による乾燥は、10分~4時間の範囲、より好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素を含む。
【0066】
(v)による焼成に関して、300~900℃の範囲、より好ましくは400~650℃の範囲、より好ましくは400~500℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われることが好ましく、ガス雰囲気はより好ましくは酸素を含む。
【0067】
(v)による焼成に関しては、0.1~4時間の範囲、より好ましくは0.5~2.5時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われることが好ましく、ガス雰囲気はより好ましくは酸素を含む。
【0068】
本発明の文脈において、プロセスは、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)からなることが好ましい。
【0069】
本発明は更に、本発明に従って得られたプロセス及び上記で定義された通りのプロセスによって得ることができるか、又は得られたNOxの選択的接触還元のための触媒に関する。触媒は、好ましくは、本発明の触媒であり、先に定義されている。
【0070】
本発明は更に、圧縮点火エンジンから出る排気ガスを処理するための排気ガス処理システムに関し、当該排気ガス処理システムは、当該排気ガス流を当該排気ガス処理システムに導入するための上流端を有し、当該排気ガス処理システムは、本発明による触媒と、前述で定義されたように、ディーゼル酸化触媒、選択的接触還元触媒、アンモニア酸化触媒、NOxトラップ及び微粒子フィルタのうちの1つ以上と、を含む。圧縮点火エンジンは、ディーゼルエンジンであることが好ましい。
【0071】
好ましくは、システムは、本発明による触媒、ディーゼル酸化触媒及び選択的接触還元触媒を含み、
ディーゼル酸化触媒は、より好ましくは、選択的接触還元触媒の上流に位置し、選択的接触還元触媒が、本発明による触媒の上流に位置する。
【0072】
あるいは、システムは、好ましくは、本発明による触媒、NOxトラップ及び選択的接触還元触媒を含み、
NOxトラップは、より好ましくは、選択的接触還元触媒の上流に位置し、選択的接触還元触媒は、本発明による触媒の上流に位置する。
【0073】
あるいは、システムは、好ましくは、本発明による触媒、ディーゼル酸化触媒及び選択的接触還元触媒を含み、
より好ましくは、ディーゼル酸化触媒は、本発明による触媒の上流に配置され、本発明による触媒は、選択的接触還元触媒の上流に位置する。
【0074】
あるいは、システムは、好ましくは、本発明による触媒、NOxトラップ及び選択的接触還元触媒を含み、
NOxトラップは、より好ましくは、本発明による触媒の上流に位置し、本発明による触媒は、選択的接触還元触媒の上流に位置する。より好ましくは、システムは、より好ましくは選択的接触還元触媒の下流に位置する、アンモニア酸化触媒又は選択的接触還元/アンモニア酸化触媒を更に含む。
【0075】
本発明は更に、NOxの選択的接触還元のための、本発明による、前述で定義された触媒の使用に関する。
【0076】
本発明は更に、NOxの選択的接触還元のための方法であって、
(1)排気ガス流、より好ましくはディーゼルエンジンから出る排気ガス流を提供することと、
(2)(1)で供給された排気ガス流を、本発明によるNOxの選択的接触還元のための触媒と接触させることと、を含むプロセスに関する。
【0077】
本発明は更に、以下の実施形態のセット、及び示されるような依存関係及び逆参照から生じる実施形態の組み合わせによって説明される。特に、実施形態の範囲が言及される各場合において、例えば、「実施形態1~4のうちのいずれか1つの触媒」などの用語の文脈において、この範囲内の全ての実施形態は、当業者に明示的に開示されることを意味し、すなわち、この用語の表現は、「実施形態1、2、3、及び4のうちのいずれか1つの触媒」と同義であると当業者によって理解されることに留意されたい。更に、以下の一連の実施形態は、本発明の好ましい態様を対象とする一般的な説明の適切に構造化された部分を表し、したがって、本発明の特許請求の範囲を適切に支持するが、表すものではないことに明確に留意されたい。
1.NOxの選択的接触還元のための触媒であって、
入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材であって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材を含み、
基材の多孔質壁が、コーティングを含み、コーティングが、ゼオライト材料と、銅と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、
コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)におけるゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における第1の非ゼオライト酸化物材料と、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)が、最大で10:1であり、かつ
第1の非ゼオライト酸化物材料の90~100重量%が、ZrO2として計算されるジルコニウムからなる、触媒に関する。
2.実施形態1の触媒であって、コーティングに含まれるゼオライト材料は、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFV、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AVL、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOF、BOG、BOZ、BPH、BRE、BSV、CAN、CAS、CDO、CFI、CGF、CGS、CHA、-CHI、-CLO、CON、CSV、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EEI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、*-EWT、EZT、FAR、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFO、IFR、-IFU、IFW、IFY、IHW、IMF、IRN、IRR、-IRY、ISV、ITE、ITG、ITH、*-ITN、ITR、ITT、-ITV、ITW、IWR、IWS、IWV、IWW、JBW、JNT、JOZ、JRY、JSN、JSR、JST、JSW、KFI、LAU、LEV、LIO、-LIT、LOS、LOV、LTA、LTF、LTJ、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、*MRE、MSE、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MVY、MWF、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NPT、NSI、OBW、OFF、OKO、OSI、OSO、OWE、-PAR、PAU、PCR、PHI、PON、POS、PSI、PUN、RHO、-RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAF、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBN、SBS、SBT、SEW、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SFS、*SFV、SFW、SGT、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*-SSO、SSY、STF、STI、*STO、STT、STW、-SVR、SVV、SZR、TER、THO、TOL、TON、TSC、TUN、UEI、UFI、UOS、UOV、UOZ、USI、UTL、UWY、VET、VFI、VNI、VSV、WEI、-WEN、YUG、ZON、それらのうちの2種以上の混合物、及びそれらのうちの2種以上の混合タイプからなる群から選択され、好ましくはCHA、AEI、RTH、LEV、DDR、KFI、ERI、AFX、それらのうちの2種以上の混合物、及びそれらのうちの2種以上の混合タイプからなる群から選択され、より好ましくはCHA、AEI、RTH、AFX、それらのうちの2種以上の混合物、及びそれらのうちの2種以上の混合タイプからなる群から選択され、より好ましくはCHA及びAEIからなる群から選択される骨格型を有し、コーティングに含まれるゼオライト材料は、骨格型CHAを有することがより好ましい。
3.ゼオライト材料の骨格構造の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%が、Si、Al及びOからなり、骨格構造において、モルSiO2:Al2O3として計算されるSi対Alのモル比は、好ましくは2:1~30:1の範囲、より好ましくは5:1~25:1の範囲、より好ましくは7:1~22:1の範囲、より好ましくは8:1~20:1の範囲、より好ましくは9:1~18:1の範囲、より好ましくは10:1~17:1の範囲、より好ましくは12:1~16:1の範囲である、実施形態1又は2の触媒。
4.コーティングに含まれるゼオライト材料、好ましくは骨格型CHAを有するゼオライト材料が、走査型電子顕微鏡によって測定して、少なくとも0.1マイクロメートル、好ましくは0.1~3.0マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.3~1.5マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.4~1.0マイクロメートルの範囲の平均結晶子サイズを有する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の触媒。
5.CuOとして計算されるコーティングに含まれる銅の量が、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~10重量%の範囲、好ましくは2.5~5.5重量%の範囲、より好ましくは3~5重量%の範囲である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒。
6.コーティングに含まれるゼオライト材料が、銅を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の触媒。
7.コーティングが、ゼオライト材料を、0.5~5g/立方インチの範囲、より好ましくは0.75~3g/立方インチの範囲、より好ましくは1~2.5g/立方インチの範囲、より好ましくは1.25~2g/立方インチの範囲のローディング量で含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の触媒。
8.コーティング中に含まれる第1の非ゼオライト酸化物材料の95~100重量%、好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%が、ZrO2として計算されるジルコニウムからなる、実施形態1~7のいずれか1つに記載の触媒。
9.コーティングが、g/立方インチで表したローディングL(z)におけるゼオライト材料と、g/立方インチで表したローディングL1における第1の非ゼオライト酸化物材料、好ましくはジルコニアと、を含み、ローディング比L(z)(g/立方インチ):L1(g/立方インチ)は、10:1~1.1:1の範囲、好ましくは9:1~1.25:1の範囲、より好ましくは8:1~2:1の範囲、より好ましくは7.5:1~2.5:1の範囲、より好ましくは7:1~3.5:1の範囲、より好ましくは5.5:1~4:1の範囲である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の触媒。
10.コーティングが、第2の非ゼオライト酸化物材料を更に含み、第2の非ゼオライト酸化物材料が、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくはアルミナ、シリカ、及びチタニア、Al、Si、及びTiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルミナ、シリカ、Al、及びSiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルミナとシリカとの混合物である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の触媒。
11.アルミナとシリカとの混合物の80~99重量%、好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~98重量%が、アルミナからなり、かつアルミナとシリカとの混合物の1~20重量%、好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%が、シリカからなる、実施形態10に記載の触媒。
12.コーティングが、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~20重量%の範囲、好ましくは5~15重量%の範囲、より好ましくは7~13重量%の範囲の量で第2の非ゼオライト酸化物材料を含む、実施形態10又は11に記載の触媒。
13.0~0.001重量%、好ましくは0~0.0001重量%、より好ましくは0~0.00001重量%のコーティングが、白金族金属からなる、実施形態1~12のいずれか1つに記載の触媒。
14.コーティングが、基材の入口端から出口端に向かって、又は基材の出口端から入口端に向かって、基材軸方向長さのx%にわたって延在し、xは、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の触媒。
15.90~100重量%、好ましくは95~100重量%、より好ましくは98~100重量%のコーティングが、基材の多孔質壁に含まれる、実施形態1~14のいずれか1つに記載の触媒。
16.コーティングが、基材軸方向長さに沿って均一に配置されているか、又はコーティングの量が、基材の入口端及び基材の出口端のそれぞれに存在する量と比較して、基材軸方向長さの中間ゾーンにおいてより多い、実施形態1~15のいずれか1つに記載の触媒。
17.基材が、コージエライトウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上、好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の触媒。
18.基材が、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材又はチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材である、実施形態17に記載の触媒。
19.触媒が、ウォールフローフィルタ基材及びコーティングからなる、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒。
20.NOxの選択的接触還元のための触媒、好ましくは実施形態1~19のいずれか1つに記載の触媒を調製するためのプロセスであって、
(i)水と、銅源と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体と、を含む、第1の水性混合物を調製することと、
(ii)水と、ゼオライト材料と、を含む、第2の水性混合物を調製することであって、ゼオライト材料が銅を含まない、調製することと、
(iii)(i)に従って得られた第1の水性混合物と、(ii)に従って得られた第2の水性混合物とを混合することであって、第3の水性混合物を得て、第3の水性混合物において、酸化物として計算される第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体の量が、ゼオライト材料の重量に基づいて少なくとも10重量%である、混合することと、
(iv)第3の水性混合物を、入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、任意選択で、当該混合物を含む基材を乾燥させることと、
(v)(iv)で得られた基材を焼成することと、を含む、プロセスに関する。
21.(i)において調製された第1の水性混合物中に含まれる銅源は、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、及びそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは酢酸銅、酸化銅、及びそれらのうちの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである、実施形態20に記載のプロセス。
22.(i)において調製された第1の水性混合物中に含まれる第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体が、ジルコニウム塩又は酸化ジルコニウム、好ましくはジルコニウム塩、より好ましくは酢酸ジルコニウムである、実施形態20又は21に記載のプロセス。
23.(i)において調製された第1の水性混合物が、(ii)において調製された第2の水性混合物中に含まれるゼオライト材料の重量に基づいて、2~10重量%の範囲、好ましくは2.5~5.5重量%の範囲、より好ましくは3~5重量%の範囲の量で、CuOとして計算される銅を含む、実施形態20~22のいずれか1つに記載のプロセス。
24.第1の水性混合物において、酸化物として計算される第1の非ゼオライト酸化物材料の前駆体の量は、(ii)において調製された第2の水性混合物中に含まれるゼオライト材料の重量に基づいて、10~80重量%の範囲、より好ましくは11~80重量%の範囲、より好ましくは12.5~50重量%の範囲、より好ましくは13~40重量%の範囲、より好ましくは14.3~28.5重量%の範囲、より好ましくは18~25重量%の範囲である、実施形態20~23のいずれか1つに記載のプロセス。
25.
(i.1)水と、銅源と、を含む混合物を調製することであって、混合物が、好ましくは酸、より好ましくは有機酸、より好ましくは酢酸を、更に含む、調製することと、
(i.2)第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体を、(i.1)に従って得られた混合物に添加して、第1の水性混合物を得ることと、
を含む、実施形態20~24のいずれか1つに記載のプロセス。
26.90~100重量%、好ましくは93~99重量%、より好ましくは96~99重量%の銅源が、(i.1)において調製された混合物中に非溶解状態で存在する、実施形態25に記載のプロセス。
27.(i.1)による混合物中の銅の粒子は、0.1~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されているように決定される、実施形態26に記載のプロセス。
28.(i.1)で得られた混合物が、(i.1)で得られた混合物の重量に基づいて、4~30重量%の範囲、好ましくは4~21重量%の範囲の固形分を有する、実施形態25~27のいずれか1つに記載のプロセス。
29.(ii)で得られた第2の混合物が、第2の混合物の重量に基づいて、15~50重量%の範囲、より好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは30~40重量%の範囲の固形分を有する、実施形態20~28のいずれか1つに記載のプロセス。
30.第2の混合物中のゼオライト材料の粒子が、1~10マイクロメートルの範囲、好ましくは2~6マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、実施形態20~29のいずれか1つに記載のプロセス。
31.第2の混合物中のゼオライト材料の粒子が、0.5~5マイクロメートルの範囲、好ましくは0.75~3マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、実施形態20~30のいずれか1つに記載のプロセス。
32.(iii)が、
(iii.1)(i)に従って得られた第1の水性混合物と、(ii)に従った第2の水性混合物と、を混合することと、
(iii.2)好ましくは、得られた混合物(iii.1)を、より好ましくは当該混合物の粒子が0.5~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv90を有するまで、粉砕することであって、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、粉砕することと、
(iii.3)水と、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される第2の非ゼオライト酸化物材料と、を含む混合物を調製することと、
(iii.4)(iii.3)で得られた混合物を、(iii.1)で、好ましくは(iii.2)で得られた混合物と混合して、第3の水性混合物を得ることと、を含む、実施形態20~31のいずれか1つに記載のプロセス。
33.(iii.3)において調製された混合物が、当該混合物の重量に基づいて、15~60重量%の範囲、好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは25~40重量%の範囲の固形分を有する、実施形態32に記載のプロセス。
34.(iii.3)で調製された混合物中の第2の非ゼオライト酸化物材料の粒子が、2~12マイクロメートルの範囲、好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されているように決定される、実施形態32又は33に記載のプロセス。
35.第2の混合物中の第2の非ゼオライト酸化物材料の粒子が、0.75~6マイクロメートルの範囲、好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv90が、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、実施形態32~34のいずれか1つに記載のプロセス。
36.(iii.3)において調製された混合物中に含有される第2の非ゼオライト酸化物材料は、アルミナ、シリカ、及びチタニア、Al、Si、及びTiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは、アルミナ、シリカ、Al、及びSiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、アルミナとシリカとの混合物であり、
より好ましくは、アルミナとシリカとの混合物の80~99重量%、より好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~98重量%が、アルミナからなり、かつより好ましくは、アルミナとシリカとの混合物の1~20重量%、より好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%が、シリカからなる、実施形態32~35のいずれか1つに記載のプロセス。
37.(iii.3)において調製された混合物が、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~20重量%の範囲、好ましくは5~15重量%の範囲、より好ましくは7~13重量%の範囲の量で第2の非ゼオライト酸化物材料を含む、実施形態32~36のいずれか1つに記載のプロセス。
38.(iii)において、好ましくは(iii.4)において得られる第3の水性混合物が、第3の水性混合物の重量に基づいて、15~50重量%の範囲、より好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは25~40重量%の範囲の固形分を有する、実施形態32~37のいずれか1つに記載のプロセス。
39.(iii)において調製された第3の水性混合物の98~100重量%、好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、水、ゼオライト材料、銅源、第1の非ゼオライト酸化物材料の前駆体、及び好ましくは実施形態32、及び34~37のいずれか1つに定義される第2の非ゼオライト酸化物材料からなる、実施形態20~38のいずれか1つに記載のプロセス。
40.(iv)による混合物の配置が、混合物を基材上に噴霧することによって、又は基材を混合物中に浸漬することによって、好ましくは基材を混合物中に浸漬することによって行われる、実施形態20~39のいずれか1つに記載のプロセス。
41.(iii)に従って得られた第3の水性混合物が、(iv)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx%にわたって配置され、xは、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である、実施形態20~40のいずれか1つに記載のプロセス。
42.(iv)における基材が、コージエライトウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であり、好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であり、より好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材又はチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材である、実施形態20~41のいずれか1つに記載のプロセス。
43.(iv)による乾燥が、60~300℃の範囲、好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含む、実施形態20~42のいずれか1つに記載のプロセス。
44.(iv)による乾燥が、10分~4時間の範囲、好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含む、実施形態20~43のいずれか1つに記載のプロセス。
45.(iv)に従って配置することが、
(iv.1)(iii)で得られた第3の水性混合物の第1の部分を、入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、第3の水性混合物の第1の部分を含む基材を乾燥させることと、
(iv.2)(iii)で得られた第3の水性混合物の第2の部分を、(iv.1)で得られた第3の水性混合物の第1の部分を含む基材上に配置することと、任意選択で、第3の水性混合物の第1の部分及び第2の部分を含む基材を乾燥させることと、を含む、実施形態20~44のいずれか1つに記載のプロセス。
46.(iii)による第3の水性混合物の第1の部分は、(iv.1)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置され、x1は、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である、実施形態45に記載のプロセス。
47.(iii)による第3の水性混合物の第2の部分が、(iv.2)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置され、x2が、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲であり、より好ましくは、実施形態46が実施形態45に依存する限り、x2=x1である、実施形態45又は46に記載のプロセス。
48.(iii)による第3の水性混合物の第1の部分が、(iv.1)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置され、x1が、50~90の範囲、好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲である、実施形態45に記載のプロセス。
49.(iii)による第3の水性混合物の第2の部分が、(iv.2)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置され、x2が、50~90の範囲、好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲であり、より好ましくは、実施形態48が実施形態45に依存する限り、x2=x1である、実施形態45又は48のプロセス。
50.(iv.1)による乾燥が、60~300℃の範囲、好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む、実施形態45~49のいずれか1つに記載のプロセス。
51.(iv.1)による乾燥が、10分~4時間の範囲、好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含む、実施形態45~50のいずれか1つに記載のプロセス。
52.(iv.2)による乾燥が、60~300℃の範囲、好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む、実施形態45~51のいずれか1つに記載のプロセス。
53.(iv.2)による乾燥が、10分~4時間の範囲、好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含む、実施形態45~52のいずれか1つに記載のプロセス。
54.(v)による焼成が、300~900℃の範囲、好ましくは400~650℃の範囲、より好ましくは400~500℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含む、実施形態20~53のいずれか1つに記載のプロセス。
55.(v)による焼成が、0.1~4時間の範囲、好ましくは0.5~2.5時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む、実施形態20~54のいずれか1つに記載のプロセス。
56.(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)からなる、実施形態19~54のいずれか1つのプロセス。
57.NOxの選択的接触還元のための触媒、好ましくは実施形態1~19のいずれか1つに記載の触媒を調製するためのプロセスであって、
(i’)水と、銅源と、ジルコニウムを含む第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体と、を含む、第1の水性混合物を調製する工程;
(ii’)銅を含まないゼオライト材料を、(i’)に従って得られた第1の混合物と混合し、第2の水性混合物を得ることであって、第2の水性混合物において、酸化物として計算される第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体の量が、ゼオライト材料の重量に基づいて少なくとも10重量%である、得ることと、
(iii’)第2の水性混合物を、入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、任意選択で、当該混合物を含む基材を乾燥させることと、
(iv’)(iii’)で得られた基材を焼成することと、を含む、プロセス。
58.(i’)において調製された第1の水性混合物中に含まれる銅源は、酢酸銅、硝酸銅、硫酸銅、ギ酸銅、酸化銅、及びそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは酢酸銅、酸化銅、及びそれらのうちの混合物からなる群から選択され、より好ましくは酸化銅、より好ましくはCuOである、実施形態57に記載のプロセス。
59.(i’)において調製された第1の水性混合物中に含まれる第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体が、ジルコニウム塩又は酸化ジルコニウム、好ましくはジルコニウム塩、より好ましくは酢酸ジルコニウムである、実施形態57又は58に記載のプロセス。
60.(i’)において調製された第1の水性混合物が、(ii’)に従って得られた第2の水性混合物のゼオライト材料に基づいて、2~10重量%の範囲、好ましくは2.5~5.5重量%の範囲、より好ましくは3~5重量%の範囲の量で、CuOとして計算される銅を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載のプロセス。
61.第1の水性混合物において、酸化物として計算される第1の非ゼオライト酸化物材料の前駆体の量は、(ii’)に従って得られた第2の水性混合物中に含まれるゼオライト材料の重量に基づいて、10~80重量%の範囲、より好ましくは11~80重量%の範囲、より好ましくは12.5~50重量%の範囲、より好ましくは13~40重量%の範囲、より好ましくは14.3~28.5重量%の範囲、より好ましくは18~25重量%の範囲である、実施形態57~60のいずれか1つに記載のプロセス。
62.(i’)が、
(i’.1)水及び銅源を含む混合物を調製することであって、混合物が、好ましくは酸、より好ましくは有機酸、より好ましくは酢酸を更に含み、より好ましくは混合物が、スクロースを含み、より好ましくはスクロースに対するCuOとして計算される銅の重量比が、2:1~1:2の範囲、より好ましくは1.5:1~1:1.5の範囲、より好ましくは1.2:1~1:1.2の範囲である、調製することと、
(i’.2)第1の非ゼオライト酸化物成分の前駆体を、(i’.1)に従って得られた混合物に添加して、第1の水性混合物を得ることと、
を含む、実施形態57~61のいずれか1つに記載のプロセス。
63.90~100重量%、好ましくは93~99重量%、より好ましくは96~99重量%の銅源が、(i’.1)において調製された混合物中に非溶解状態で存在する、実施形態62のプロセス。
64.(i’.1)による混合物中の銅の粒子は、0.1~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.5~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されているように決定される、実施形態63に記載のプロセス。
65.(i’.1)で得られた混合物が、(i’.1)で得られた混合物の重量に基づいて、4~30重量%の範囲、好ましくは4~21重量%の範囲の固形分を有する、実施形態62~64のいずれか1つに記載のプロセス。
66.(ii’)で得られた第2の水性混合物が、第2の混合物の重量に基づいて、15~50重量%の範囲、より好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは30~40重量%の範囲の固形分を有する、実施形態57~65のいずれか1つに記載のプロセス。
67.第2の水性混合物中のゼオライト材料の粒子が、1~10マイクロメートルの範囲、好ましくは2~6マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、実施形態57~66のいずれか1つに記載のプロセス。
68.第2の水性混合物中のゼオライト材料の粒子が、0.5~5マイクロメートルの範囲、好ましくは0.75~3マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、実施形態57~67のいずれか1つに記載のプロセス。
69.(ii’)が、
(ii’.1)好ましくはCuを含まないゼオライト材料を、(i’)に従って得られた第1の水性混合物と混合することと、
(ii’.2)好ましくは、得られた混合物(ii’.1)を、より好ましくは当該混合物の粒子が0.5~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは1~5マイクロメートルの範囲、より好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv90を有するまで、粉砕することであって、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、粉砕することと、
(ii’.3)(ii’.1)において、好ましくは(ii’.2)において得られた第2の混合物を、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、Al、Si、Ti、及びCeのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される第2の非ゼオライト酸化物材料と混合して、第2の水性混合物を得ることと、
を含む、実施形態57~68のいずれか1つに記載のプロセス。
70.(ii’.3)において調製された混合物が、当該混合物の重量に基づいて、15~60重量%の範囲、好ましくは20~45重量%の範囲、より好ましくは25~40重量%の範囲の固形分を有する、実施形態69に記載のプロセス。
71.(ii’.3)で調製された混合物中の第2の非ゼオライト酸化物材料の粒子が、2~12マイクロメートルの範囲、好ましくは3~7マイクロメートルの範囲のDv90を有し、Dv90は、好ましくは参考例3に記載されているように決定される、実施形態69又は70に記載のプロセス。
72.(ii’.3)において調製された混合物中の第2の非ゼオライト酸化物材料の粒子が、0.75~6マイクロメートルの範囲、好ましくは1.5~4マイクロメートルの範囲のDv50を有し、Dv90が、好ましくは参考例3に記載されるように決定される、実施形態69~71のいずれか1つに記載のプロセス。
73.(ii’.3)において調製された混合物中に含有される第2の非ゼオライト酸化物材料は、アルミナ、シリカ、及びチタニア、Al、Si、及びTiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは、アルミナ、シリカ、Al、及びSiのうちの1つ以上を含む混合酸化物、並びにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、アルミナとシリカとの混合物であり、
より好ましくは、アルミナとシリカとの混合物の80~99重量%、より好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~98重量%が、アルミナからなり、かつより好ましくは、アルミナとシリカとの混合物の1~20重量%、より好ましくは2~15重量%、より好ましくは2~10重量%が、シリカからなる、実施形態69~72のいずれか1つに記載のプロセス。
74.(ii’.2)において調製された混合物が、ゼオライト材料の重量に基づいて、2~20重量%の範囲、好ましくは5~15重量%の範囲、より好ましくは7~13重量%の範囲の量で第2の非ゼオライト酸化物材料を含む、実施形態69~73のいずれか1つに記載のプロセス。
75.(ii’)において調製された第2の水性混合物の98~100重量%、好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、水、ゼオライト材料、銅源、第1の非ゼオライト酸化物材料の前駆体、及び好ましくは実施形態69及び71~74のいずれか1つに定義される第2の非ゼオライト酸化物材料からなる、実施形態57~74のいずれか1つに記載のプロセス。
76.(iii’)による混合物の配置が、混合物を基材上に噴霧することによって、又は基材を混合物中に浸漬することによって、好ましくは基材を混合物中に浸漬することによって行われる、実施形態57~77のいずれか1つに記載のプロセス。
77.(ii’)に従って得られた第2の水性混合物が、(iii’)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx%にわたって配置され、xは、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である、実施形態57~76のいずれか1つに記載のプロセス。
78.(iii’)における基材が、コージエライトウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であり、好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材及びチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材のうちの1つ以上であり、より好ましくは炭化ケイ素ウォールフローフィルタ基材又はチタン酸アルミニウムウォールフローフィルタ基材である、実施形態57~77のいずれか1つに記載のプロセス。
79.(iii’)による乾燥が、60~300℃の範囲、好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む、実施形態57~78のいずれか1つに記載のプロセス。
80.(iii’)による乾燥が、10分~4時間の範囲、好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含む、実施形態57~79のいずれか1つに記載のプロセス。
81.(iii’)に従って配置することが、
(iii’.1)(ii’)で得られた第2の水性混合物の第1の部分を、入口端と、出口端と、入口端から出口端まで延在する基材軸方向長さと、基材を通って延在する基材の内壁によって画定される複数の通路と、を含む、ウォールフローフィルタ基材上に配置することであって、複数の通路が、開放入口端及び閉鎖出口端を有する入口通路と、閉鎖入口端及び開放出口端を有する出口通路と、を含む、配置することと、第2の水性混合物の第1の部分を含む基材を乾燥させることと、
(iii’.2)(ii’)で得られた第2の水性混合物の第2の部分を、(iii’.1)で得られた第3の水性混合物の第1の部分を含む基材上に配置することと、任意選択で、第2の水性混合物の第1の部分及び第2の部分を含む基材を乾燥させることと、
を含む、実施形態57~80のいずれか1つに記載のプロセス。
82.(ii’)による第2の水性混合物の第1の部分は、(iii’.1)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置され、x1は、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲である、実施形態81に記載のプロセス。
83.(ii’)による第2の水性混合物の第2の部分が、(iii’.2)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置され、x2が、95~100の範囲、好ましくは98~100の範囲、より好ましくは99~100の範囲、より好ましくは、x2=x1である、実施形態81又は82のプロセス。
84.(ii’)による第2の水性混合物の第1の部分が、(iii’.1)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx1%にわたって配置され、x1が、50~90の範囲、好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲である、実施形態81のプロセス。
85.(ii’)による第2の水性混合物の第2の部分が、(iii’.2)に従って、基材の入口端から出口端まで、又は基材の出口端から入口端までの基材軸方向長さのx2%にわたって配置され、x2が、50~90の範囲、好ましくは60~80の範囲、より好ましくは65~75の範囲、より好ましくはx2=x1である、実施形態81又は84のプロセス。
86.(iii’.1)による乾燥が、60~300℃の範囲、好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含み、
好ましくは、(iii’.1)による乾燥が、10分~4時間の範囲、より好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われる、実施形態81~85のいずれか1つに記載のプロセス。
87.(iii’.2)による乾燥が、60~300℃の範囲、好ましくは90~150℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含み、
好ましくは、(iii’.2)による乾燥が、10分~4時間の範囲、より好ましくは20分~2時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われる、実施形態81~86のいずれか1つに記載のプロセス。
88.(iv’)による焼成が、300~900℃の範囲、好ましくは400~650℃の範囲、より好ましくは400~500℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で行われ、ガス雰囲気が、好ましくは酸素を含み、
好ましくは、(iv’)による焼成が、0.1~4時間の範囲、より好ましくは0.5~2.5時間の範囲の持続時間にわたってガス雰囲気中で行われる、実施形態57~87のいずれか1つに記載のプロセス。
89.(i’)、(ii’)、(iii’)、及び(iv’)からなる、実施形態57~88のいずれか1つのプロセス。
90.実施形態20~56又は57~89のいずれか1つに記載のプロセスに従って得られた又は得られる、NOxの選択的接触還元のための触媒。
91.圧縮点火エンジンから出る排気ガスを処理するための排気ガス処理システムであって、当該排気ガス処理システムは、当該排気ガス流を当該排気ガス処理システムに導入するための上流端を有し、当該排気ガス処理システムは、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒と、ディーゼル酸化触媒、選択的接触還元触媒、アンモニア酸化触媒、NOxトラップ及び微粒子フィルタのうちの1つ以上と、を含む、排気ガス処理システム。
92.実施形態91のシステムであって、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒と、ディーゼル酸化触媒と、選択的接触還元触媒と、を含み、
ディーゼル酸化触媒が、好ましくは、選択的接触還元触媒の上流に位置し、選択的接触還元触媒が、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒の上流に位置する、システム。
93.実施形態91のシステムであって、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒と、NOxトラップと、選択的接触還元触媒と、を含み、
NOxトラップが、好ましくは、選択的接触還元触媒の上流に位置し、選択的接触還元触媒は、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒の上流に位置する、システム。
94.実施形態91のシステムであって、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒と、ディーゼル酸化触媒と、選択的接触還元触媒と、を含み、
ディーゼル酸化触媒が、より好ましくは、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒の上流に位置し、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒が、選択的接触還元触媒の上流に位置する、システム。
95.実施形態91のシステムであって、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒と、NOxトラップと、選択的接触還元触媒と、を含み、
NOxトラップが、より好ましくは、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒の上流に位置し、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒が、選択的接触還元触媒の上流に位置する、システム。
96.好ましくは選択的接触還元触媒の下流に位置する、アンモニア酸化触媒又は選択的接触還元/アンモニア酸化触媒を更に含む、実施形態95のシステム。
97.NOxの選択的接触還元のための、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載の触媒の使用。
98.NOxの選択的接触還元のための方法であって、
(1)排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンから出る排気ガス流を提供することと、
(2)(1)で提供された排気ガス流を、実施形態1~19及び90のいずれか1つに記載のNOxの選択的接触還元のための触媒と接触させることと、を含む、方法。
【0078】
更に、上記の一連の実施形態は、本発明の好ましい態様を対象とする一般的な説明の適切に構造化された部分を表し、したがって、本発明の特許請求の範囲を適切に支持するが、それを表すものではないことに明確に留意されたい。
【0079】
本発明によるシステムを以下の表に列挙する。
【0080】
【0081】
触媒1は、触媒2の上流に配置され、触媒2は、触媒3の上流に位置し、触媒3は、触媒4の上流に位置する。上記の表において、「Cat.」は、好ましくは基材がウォールフローフィルタ基材である、本発明による触媒を示す。また、「DOC」は、ディーゼル酸化触媒、「SCR」は、選択的接触還元触媒、「AMOx」は、アンモニア酸化触媒を示す。「Cat.」は、フィルタ上の選択的接触還元触媒「SCRoF」である。本発明の文脈において、システム1及び3が好ましい。
【0082】
本発明の文脈において、用語「SCR」は、選択的接触還元触媒を示し、用語「SCRoF」は、ウォールフローフィルタ基材上の選択的接触還元触媒を示す。
【0083】
本発明の文脈において、「基材の多孔質壁がコーティングを含む」という用語は、コーティングの少なくとも一部が、ウォールフローフィルタ基材の壁の細孔内に位置することを意味する。
【0084】
更に、本発明の文脈において、(g/立方インチ又はg/立方フィートで表した)「所与の成分/コーティングのローディング」という用語は、
基板の体積当たりの当該成分/コーティングの質量を指し、基板の体積は、基板の断面に当該成分/コーティングが存在する基材の軸方向の長さを掛けたものによって定義される体積である。例えば、基材軸方向長さのx%にわたって延在し、Xg/立方インチのローディングを有する第1のコーティングのローディングに言及する場合、当該ローディングは、基材全体の体積(立方インチ)のx%当たりの第1のコーティングのXグラムを指す。
【0085】
更に、本発明の文脈において、「ゼオライト材料の重量に基づいて」という用語は、ゼオライト材料単独の重量を指し、銅を含まないことを意味する。更に、本発明の文脈において、「菱沸石の重量に基づいて」という用語は、菱沸石単独の重量を指し、銅を含まないことを意味する。
【0086】
更に、本発明の文脈において、「Xは、A、B、及びCのうちの1つ以上である」という用語(Xは、所与の特徴であり、A、B、及びCのそれぞれは当該特徴の特定の実現を表す)は、Xが、A、若しくはB、若しくはC、又はA、及びB、若しくはA、及びC、若しくはB、及びC、若しくはA、及びB、及びCのいずれかであることを開示するものとして理解されるべきである。これに関して、当業者は、上記の抽象的な用語を具体例に移すことができることに留意されたい。例えば、Xが化学元素であり、A、B、及びCが、Li、Na、及びKなどの具体的な元素であるか、又はXが温度であり、A、B、及びCが、10℃、20℃、及び30℃などの具体的な温度である。この点に関して、当業者は、上記の用語を、当該特徴のより具体的でない認識(例えば、「Xは、A及びBのうちの1つ以上である」は、XがA、若しくはB、若しくはA及びB、のいずれかであることを開示する)、又は当該特徴のより具体的な認識(例えば、「Xは、A、B、C及びDのうちの1つ以上である」は、XがA、若しくはB、若しくはC、若しくはD、若しくはA及びB、若しくはA及びC、若しくはA及びD、若しくはB及びC、若しくはB及びD、若しくはC及びD、若しくはA及びB及びC、若しくはA及びB及びD、若しくはB及びC及びD、若しくはA及びB及びC及びD、のいずれかであることを開示する)に拡張することができることに更に留意されたい。
【0087】
本発明を以下の実施例によって更に説明する。
【実施例】
【0088】
参考例1 BET比表面積及びミクロ細孔表面積(ZSA)の測定
BET比表面積及びZSAは、液体窒素を使用してDIN 66131又はDIN-ISO 9277に従って決定した。
【0089】
参考例2 多孔質ウォールフロー基材の平均多孔率及び平均孔径の測定
多孔質ウォールフロー基材の平均多孔率は、DIN 66133及びISO 15901-1に従って水銀ポロシメトリーを使用する水銀圧入によって決定した。
【0090】
参考例3 体積基準粒度分布の決定
粒度分布は、Sympatec HELOS(3200)&QUIXEL装置を使用して静的光散乱法によって決定し、試料の光学濃度は6~10%の範囲であった。
【0091】
参考例4:本発明によらない銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
1.1マイクロメートルのDv50及び5.8マイクロメートルのDv90を有するCuO粉末を水に添加した。CuOの量を、CuOとして計算される焼成後のコーティング中の銅の総量が、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%であるように計算した。スクロースをCu混合物に更に添加し、スクロースの量を、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%であるように計算した。得られたスラリーに酢酸を加えた。酢酸の量を、Cu-菱沸石の重量に基づいて1.7重量%であるように計算した。得られたスラリーは、当該スラリーの重量に基づいて5重量%の固形分を有していた。酢酸ジルコニウム水溶液を、CuO含有混合物に添加してスラリーを形成した。酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて5重量%であるように計算した。H-菱沸石(Dv10が0.7マイクロメートル、1.5マイクロメートルのDv50、及び3.9マイクロメートルのDv90、SiO2:Al2O3が15.7:1、BET比表面積が590m2/g、及びミクロ細孔表面積(ZSA)が580m2/g)を、銅含有スラリーに添加して、混合物の重量に基づいて37重量%の固形分を有する当該混合物を形成した。菱沸石の量を、焼成後の菱沸石のローディングが、焼成後の触媒中のコーティングのローディングの85%であるように計算した。得られたスラリーを、粒子のDv90値が約2.5マイクロメートルであり、粒子のDv50値が約1.35マイクロメートルであるように、連続粉砕装置を使用して粉砕した。
【0092】
アルミナ粉末(178m2/gのBET比表面積、1.1マイクロメートルのDv10、2.5マイクロメートルのDv50、及び約5.2マイクロメートルのDv90を有する、6重量%のSiO2を有する94重量%のAl2O3)を、Cu/CHA含有スラリーに添加した。アルミナ+シリカの量を、焼成後のアルミナ+シリカの量が、最終触媒中の焼成後の菱沸石の重量に基づいて10重量%であるように計算した。
【0093】
更に、最終スラリーの固形分を、水の添加によって当該スラリーの重量に基づいて34重量%に調整した。
【0094】
多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:0.428L、平均多孔率63%、平均孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12ミルの壁厚、直径:2.3インチ*長さ:6.4インチ)を、基材軸方向長さの100%にわたって、最終スラリーで入口端から出口端まで、2回コーティングした。そうするために、スラリーが基材の上部に到達するまで、基材を入口端から最終スラリー中に浸漬した。更に、圧力パルスを入口端に印加して、スラリーを基材中に均一に分配した。更に、コーティングされた基材を、140℃で30分間乾燥し、450℃で1時間焼成した。これを1回繰り返した。
【0095】
焼成後の最終コーティングローディング量は、約2.0g/立方インチであり、これは、約1.7g/立方インチの菱沸石、0.17g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.085g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、20:1である。
【0096】
参考例5:本発明によらない銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
参考例5の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて2.5重量%であるように計算したことを除いて、参考例4の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2.05g/立方インチであり、これは、約1.75g/立方インチの菱沸石、0.175g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.044g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、40:1である。
【0097】
実施例1:本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
実施例1の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて10重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、参考例4の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2.0g/立方インチであり、これは、約1.65g/立方インチの菱沸石、0.165g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.165g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、10:1である。
【0098】
実施例2:参考例4、5、及び実施例1の調製された触媒の性能の試験
コールドフロー背圧測定を試験した触媒について行い、煤を用いた背圧測定をフレッシュ触媒を用いて、エンジンベンチで行った。DeNOx活性技術の分析のために、試験した触媒を、10%のH2O及び20%のO2を用いて、850℃で16時間オーブンエージングした。評価のために、定常状態条件でエンジンベンチ試験を行った。試験した触媒を、表1に列挙する。
【0099】
【0100】
図1及び
図2は、NOx性能の試験結果(1a)、20ppmのNH
3でのNOx性能ブレークスルー(1b)、及び定常状態条件下での背圧挙動を示す。
【0101】
実施例1は、参考例4及び5と比較して同等のDeNOx活性及び低減された背圧を示す。したがって、本発明の触媒は、背圧を低減しながら、DeNOxなどの優れた触媒性能を維持することを可能にする。
【0102】
図3は、エンジンベンチからの煤条件での背圧における試験結果を示す。実施例1(10重量%のZrO
2)は、特に煤挙動を伴う背圧において最も有望な結果を示す。それは、参考例1と比較して、煤で25%近く低い背圧を示す。
【0103】
参考例6:本発明によらない銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
参考例6の触媒は、フルサイズの基材を添加した以外は参考例4の触媒と同様に調製した。特に、使用される基材は、多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:3L、平均多孔率63%、平均孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12ミルの壁厚、直径:6.43インチ*長さ:6.387インチ)である。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.71g/立方インチの菱沸石、0.171g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.085g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、20:1である。
【0104】
実施例3:本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
実施例3の触媒は、フルサイズの基材を添加した以外は実施例1の触媒と同様に調製した。特に、使用される基材は、多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:3L、平均多孔率63%、平均孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12ミルの壁厚、直径:6.43インチ*長さ:6.387インチ)である。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.63g/立方インチの菱沸石、0.163g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.163g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、10:1である。
【0105】
実施例4:本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
実施例4の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて20重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例3の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
【0106】
実施例5:参考例6、並びに実施例3及び4の調製された触媒の性能の試験
煤ローディングによる背圧測定は、フレッシュ触媒(エージングしていない)を用いて実験室条件で行われた。DeNOx活性及びNH
3貯蔵容量の分析のために、触媒を10%H
2O及び20%O
2を用いて850℃で16時間オーブンエージングし(
図6)、触媒を10%H
2O及び20%O
2を用いて850℃で16時間、次いで800℃で16時間、最後に850℃で16時間オーブンエージングした(
図7)。評価のために、定常状態条件におけるエンジンベンチ試験を行った。試験した触媒を、表2に列挙する。
【0107】
【0108】
図4は、コールドフロー条件における試験結果及び実験室反応器からの煤ローディングを伴う背圧挙動を示す。参考例6の触媒と比較して、より高い割合のジルコニアを含む本発明の触媒を使用した場合、煤ローディングを伴う背圧が有意に減少することが注目される。特に、20重量%のZrO
2を有する触媒は、参考例6と比較して、低減されたコールドフロー背圧(約15%)、及び4g/Lの煤で約44%の低減された煤ローディング背圧を示す。
【0109】
エンジンベンチ評価は、850℃で16時間エージングした後の本発明の実施例3及び4対参考例6の同等のDeNOx活性を示す(
図5a~
図5b)。
図6に見られる低減されたNH
3貯蔵容量は、低減されたゼオライト材料量の結果であるが、DeNOx活性を損なわない。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、熱エージング条件をより長い時間(上記のような3つのエージングステップ)、及びより厳しい条件(エージングステップ中の5~25l/hのより高い流量、より多くのH
2O)に増加させると、ゼオライト材料は、ジルコニア量を増加させることによって安定化されると考えられる。これは、強い水熱エージング後のより良好なSCR活性及びより高いNH
3貯蔵容量で示される(
図6~
図7参照)。
【0110】
実施例6
-A)本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
実施例6Aの触媒は、使用される基材が多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:3.4L、平均多孔率63%、平均孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12.5ミルの壁厚、直径:163.4mm×長さ:162.1mm)であることを除いて、実施例4の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
-B)本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
実施例6Bの触媒は、CuOの量を、CuOとして計算される焼成後のコーティング中の銅の総量が、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%であるように計算したことを除いて、実施例6Aの触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
【0111】
参考例7
-A)本発明によらない銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
参考例7Aの触媒を、使用される基材が多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(NGK)(容積:3.4L、平均多孔率63%、平均細孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12.5ミルの壁厚、径:163.4mm×長さ:162.1mm)であることを除いて、参考例6の触媒と同様に調製した。焼成後の最終的なコーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、約1.71g/立方インチの菱沸石、0.171g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.085g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、20:1である。
-B)本発明によらない銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
参考例7Bの触媒を、使用される基材が多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、チタン酸アルミニウム(容積:3.6L、平均多孔率59%、平均細孔径18マイクロメートル及び350cpsi及び12ミルの壁厚、径:163.4mm×長さ:162.1mm)であることを除いて、参考例6の触媒と同様に調製した。焼成後の最終的なコーティングローディング量は、2g/立方インチであり、約1.71g/立方インチの菱沸石、0.171g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.085g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、20:1である。
【0112】
実施例7
-A)本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
実施例7Aの最終スラリーを、実施例4と同様に調製した。更に、多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:3.4L、平均多孔率63%、平均孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12.5ミルの壁厚、直径:163.4mm*長さ:162.1mm)を、基材軸方向長さの70%にわたって、最終スラリーで入口端から出口端まで、コーティングした。そうするために、スラリーが基材軸方向長さの70%に達するまで、基材を出口端から最終スラリー中に浸漬した。更に、圧力パルスを入口端に印加して、スラリーを基材中に均一に分配した。更に、コーティングされた基材を140℃で30分間乾燥させ、450℃で1時間焼成して、1.43g/立方インチのローディング量で第1のコート(入口コート)を形成した。更に、コーティングされた基材は、入口端から出口端まで、基材軸方向長さの70%にわたって最終スラリーでコーティングされた。そうするために、スラリーが基材軸方向長さの70%に達するまで、基材を入口端から最終スラリー中に浸漬した。更に、圧力パルスを出口端に印加して、スラリーを基材中に均一に分配した。更に、コーティングされた基材を140℃で30分間乾燥させ、450℃で1時間焼成して、1.43g/立方インチのローディングで第2のコート(出口コート)を形成した。
【0113】
焼成後の最終コーティングローディング量(入口コート+出口コート)は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
- B)本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
【0114】
実施例7Bの触媒は、使用される基材が多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、チタン酸アルミニウム(体積:3.6L、平均多孔率59%、平均細孔径18マイクロメートル及び350cpsi及び12ミルの壁厚、直径:163.4mm×長さ:162.1mm)であることを除いて、実施例7Aの触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量(入口コート+出口コート)は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
【0115】
実施例8
-A)本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
実施例8の最終スラリーは、CuOの量を、CuOとして計算される焼成後のコーティング中の銅の総量が、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%であるように計算したことを除いて、実施例4と同様に調製した。更に、多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:3.4L、平均多孔率59%、平均孔径18マイクロメートル及び350cpsi及び12ミルの壁厚、直径:163.4mm*長さ:162.1mm)を、基材軸方向長さの100%にわたって、最終スラリーで入口端から出口端まで、1回コーティングした。そうするために、スラリーが基材の上部に到達するまで、基材を入口端から最終スラリー中に浸漬した。更に、圧力パルスを入口端に印加して、スラリーを基材中に均一に分配した。更に、コーティングされた基材を、140℃で30分間乾燥し、450℃で1時間焼成した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
-B)本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス:
【0116】
実施例8Bの触媒は、使用される基材が多孔質のコーティングされていないウォールフローフィルタ基材、炭化ケイ素(体積:3.4L、平均多孔率63%、平均孔径20マイクロメートル及び300cpsi及び12ミルの壁厚、直径:163.4mm×長さ:162.1mm)であることを除いて、実施例8Aの触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.51g/立方インチの菱沸石、0.151g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.302g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、5:1である。
【0117】
実施例9:参考例7A~B、並びに実施例6A~B、7A~B、及び8の調製された触媒の性能の試験
コールドフロー背圧測定を、参考例7A、及び7B、並びに実施例6A、7A、7B、及び8Aのフレッシュ触媒(エージングしていない)を用いて実験室条件で行った。結果を以下の表3に示す。DeNOx活性の分析のために、参考例7A、並びに実施例6A、6B、及び8Bの触媒を、10%H
2O及び20%O
2を用いて、850℃で16時間オーブンエージングした(
図8及び
図9)。評価のために、定常状態条件におけるエンジンベンチ試験を行った。
【0118】
【0119】
図8及び
図9は、エンジンベンチ評価からの結果を示す。実施例6Aは、全温度窓にわたって、比較例7Aと比較して、同等の最大DeNOx活性及び20ppmのNH
3ブレークスルーでのDeNOx活性を示すが、実施例6Aの触媒のコールドフロー背圧は減少する。したがって、いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、Zr量を増加させることによるゼオライト量の減少は、DeNOx活性を損なわず、背圧を減少させることさえ可能にすると考えられる。実施例6B、及び実施例8Bは、より高いCuOローディングに起因して、わずかにより高い低温DeNOx活性及び20ppmのNH
3ブレークスルーでわずかにより高いDeNOx活性を示す。高温性能は、比較例7A、及び実施例6Aと同等である。
【0120】
実施例10:本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
-触媒の調製:
実施例10.1の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて20重量%であるように計算し、CuOの量を、CuOとして計算される焼成後のコーティング中の銅の総量が、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例1の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.49g/立方インチの菱沸石、0.149g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.3g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.5重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、4.9:1である。
【0121】
実施例10.2の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて25重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例1の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.44g/立方インチの菱沸石、0.144g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.36g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、4:1である。
【0122】
実施例10.3の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて40重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例1の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.3g/立方インチの菱沸石、0.13g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.52g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、2.5:1である。
【0123】
【表5】
*菱沸石の重量に基づく
-調製された触媒の触媒性能の試験:
背圧測定は、実施例10.1、10.2、及び10.3のフレッシュ触媒(エージングしていない)を用いて実験室条件で行った。背圧はまた、Cu量がゼオライト材料の重量に基づいて4.5重量%であったことを除いて、参考例4と同様に調製した、本発明によらない参考触媒(参考例4’)についても測定した。結果を
図12に示す。
【0124】
DeNOx活性の分析のために、参考例4並びに実施例10.1、10.2、及び10.3の触媒を、10%H
2O及び20%O
2を用いて850℃で16時間オーブンエージングした(
図13及び
図14参照)。評価のために、定常状態条件におけるエンジンベンチ試験を行った。
【0125】
図12、
図13及び
図14から分かり得るように、実施例10.1は、比較例4’と比較して、煤に関して有意に低減された背圧挙動を示す。実施例10.1への追加のゼオライト還元は、背圧の更なる低下をもたらす。特に実施例10.3の低減されたゼオライトローディングは、より低いNH
3貯蔵容量に起因して、最大DeNOx活性及び20ppmのNH
3ブレークスルーでのDeNOx活性に影響を与えるが、使用されたゼオライト量に関連する許容可能な良好な性能に留まる。
【0126】
実施例11:本発明による銅を含むゼオライト材料を含む触媒を調製するためのプロセス
-触媒の調製:
実施例11.1の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて20重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例1の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.49g/立方インチの菱沸石、0.149g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.3g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、4.9:1である。
【0127】
実施例11.2の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて50重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例1の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.22g/立方インチの菱沸石、0.122g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.61g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、2:1である。
【0128】
実施例11.3の触媒は、酢酸ジルコニウムの量を、ZrO2として計算されるコーティング中のジルコニアの量が、菱沸石の重量に基づいて80重量%であるように計算したように、酢酸ジルコニウムの量がプロセスにおいて増加されていることを除いて、実施例1の触媒と同様に調製した。焼成後の最終コーティングローディング量は、約2g/立方インチであり、これは、約1.09g/立方インチの菱沸石、0.109g/立方インチのアルミナ+シリカ、0.872g/立方インチのジルコニア、及びCuとして計算される、菱沸石の重量に基づいて4.15重量%のCuを含んだ。コーティング中のゼオライト材料対ジルコニアの重量比は、1.25:1である。
【0129】
【表6】
*菱沸石の重量に基づく
-調製された触媒の触媒性能の試験:
背圧測定は、実施例11.1、11.2、及び11.3のフレッシュ触媒(エージングしていない)を用いて実験室条件で行った。結果を
図17(a)に示す。DeNOx活性の分析のために、実施例11.1、11.2、及び11.3の触媒を、20%のO
2、及び2.42mL/分のH
2Oを用いて、850℃、25Lの流量で16時間オーブンエージングした(
図15及び
図16参照)。触媒を用いてフレッシュ条件で背圧も測定した(
図17(b)参照)。評価のために、定常状態条件におけるエンジンベンチ試験を行った。
図15~
図17から分かり得るように、実施例11.1、11.2、及び11.3の触媒について測定された背圧は、参考例4’の触媒と比較して低下しており、実施例11.1、11.2、及び11.3の触媒は、大きなNOx転化率を示す。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【
図1】比較例1、2、及び実施例1のエージングした触媒について異なる温度で得られたNOx転化率最大値(a)、及び20ppmアンモニアスリップでのNOx転化率(b)を示す。
【
図2】比較例1、2、及び実施例1のエージングした触媒について異なる温度で得られたNH
3貯蔵容量(a)、及び背圧(b)を示す。
【
図3】参考例1、及び実施例1のフレッシュ触媒を用いて得られた0~2g/Lの範囲の煤ローディングでの背圧を示す。
【
図4】比較例6、並びに実施例3、及び4のフレッシュ触媒を用いて得られたコールドフロー背圧並びに2、4、及び6g/Lの煤ローディングを有する背圧を示す。
【
図5】比較例6、並びに実施例3、及び4のエージングした触媒について異なる温度で得られたNOx転化率最大値(a)、及び20ppmアンモニアスリップでのNOx転化率(b)を示す。
【
図6】比較例6、並びに実施例3、及び4のエージングした触媒(3回エージングした)について異なる温度で得られたNOx転化率最大値(a)、及び20ppmアンモニアスリップでのNOx転化率(b)を示す。
【
図7】参考例6、並びに実施例3、及び4のエージングした触媒(3回エージングした)について得られたNH
3貯蔵容量を示す。
【
図8】異なる温度での比較例7A、並びに実施例6A、6B、及び8Bのエージングした触媒について得られたNOx転化率(最大)を示す。
【
図9】比較例7A、並びに実施例6A、6B、及び8Bのエージングした触媒について異なる温度で得られた20ppmアンモニアスリップでのNOx転化率を示す。
【
図10】参考例4の触媒のSEM画像(a)、及び(b)を示す。
【
図11】実施例6Aの触媒のSEM画像(a)、及び(b)を示す。
【
図12】参考例4’、実施例10.1、10.2、及び10.3のフレッシュ触媒について測定された背圧を示す。
【
図13】比較例4、並びに実施例10.1、10.2、及び10.3のエージングした触媒について異なる温度で得られたNOx転化率最大値(a)、及び20ppmアンモニアスリップでのNOx転化率(b)を示す。
【
図14】参考例4、並びに実施例10.1、10.2、及び10.3のエージングした触媒について得られたNH
3貯蔵容量を示す。
【
図15】実施例11.1、11.2、及び11.3のエージングした触媒について得られた最大NOx転化率(a)、及び20ppmアンモニアスリップでのNOx転化率(b)を示す。
【
図16】実施例11.1、11.2、及び11.3のエージングした触媒について得られたNH
3貯蔵容量を示す。
【
図17】比較例4’、実施例11.1、11.2、及び11.3(a)のフレッシュ触媒、並びに実施例11.1、11.2、及び11.3のエージング触媒(b)について測定した背圧を示す。
【0131】
引用文献
-国際公開第2020/040944(A1)号
-英国特許第2528737(B)号
-国際公開第2020/088531(A1)号
【国際調査報告】