(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】標的遺伝子を調節するための系および方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/68 20180101AFI20240711BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20240711BHJP
C07K 14/005 20060101ALI20240711BHJP
C12N 9/22 20060101ALI20240711BHJP
C40B 40/08 20060101ALI20240711BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/33 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/86 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20240711BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20240711BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20240711BHJP
C12N 5/071 20100101ALN20240711BHJP
C12N 5/0735 20100101ALN20240711BHJP
C12N 5/074 20100101ALN20240711BHJP
【FI】
C12Q1/68
C12Q1/02 ZNA
C07K14/005
C12N9/22
C40B40/08
C12N5/10
C12N15/33
C12N15/63 Z
C12N15/86 Z
C12N15/09 100
C12N15/11 Z
C07K19/00
C12N5/071
C12N5/0735
C12N5/074
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503594
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 US2022073920
(87)【国際公開番号】W WO2023004338
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523471839
【氏名又は名称】エピクリスパー バイオテクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハート, ダニエル オー.
(72)【発明者】
【氏名】チー, レイ エス.
(72)【発明者】
【氏名】デイリー, ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ゲイナス, トーマス ブレア
(72)【発明者】
【氏名】カロッソ, ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】コ, テンギュ
(72)【発明者】
【氏名】イェオ, ロビン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】スティル, クリストファー ダリル ザ セカンド
【テーマコード(参考)】
4B063
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QQ34
4B063QQ42
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4B063QR72
4B063QR77
4B063QS36
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4H045BA10
4H045BA50
4H045CA01
4H045DA89
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現をモジュレートするための組成物、方法、および系を提供する。本開示の複合体は、1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターを標的遺伝子または標的遺伝子調節配列の極めて近傍に位置させ、それにより、標的遺伝子の発現または活性レベルのモジュレーションを容易にするために有用であり得る。本開示は、例えば、特定の標的遺伝子(複数可)の発現をモジュレートするために、ハイスループットスクリーンを行って、異種遺伝子エフェクタードメイン、およびエフェクタードメインとガイド部分との複合体を同定するための組成物、系、および方法を提供する。本開示は、研究などの他の目的のためにまたは治療薬として使用することができる、本明細書に開示される系によって同定される複合体も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)細胞の集団を複合体のライブラリーと接触させるステップであって、前記ライブラリーの個々の複合体が、
(i)前記ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および
(ii)前記ライブラリーの他の複合体内のガイド核酸配列に対して100%の配列同一性を示すガイド核酸配列
を含み、
前記異種遺伝子エフェクターと前記ガイド核酸配列が、前記細胞の集団内の標的内因性遺伝子に対して特異的結合性を示す個々の複合体を形成しており、
前記ライブラリーが、少なくとも25種の異なる複合体を含む、ステップ、
(b)前記接触させるステップの後、前記細胞の集団を、前記細胞の集団内の前記標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化に基づいて選別するステップ、ならびに
(c)前記変化をもたらす、前記ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定するステップ
を含む方法。
【請求項2】
(a)細胞の集団を複合体のライブラリーと接触させるステップであって、前記ライブラリーの個々の複合体が、
(i)前記ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および
(ii)前記ライブラリーの他の複合体内のガイド核酸配列に対して100%の配列同一性を示すガイド核酸配列
を含み、
前記異種遺伝子エフェクターと前記ガイド核酸配列が、前記細胞の集団内の標的内因性遺伝子に対して特異的結合性を示す個々の複合体を形成しており、
前記異種遺伝子エフェクターが、ウイルス遺伝子エフェクターを含む、ステップ、
(b)前記接触させるステップの後、前記細胞の集団を、前記細胞の集団内の前記標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化に基づいて選別するステップ、ならびに
(c)前記変化をもたらす、前記ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定するステップ
を含む方法。
【請求項3】
前記ウイルス遺伝子エフェクターが、Adenoviridae、Arenaviridae、Bornaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Hepadnaviridae、Herpesviridae、Orthomyxoviridae、Papillomaviridae、Paramyxoviridae、Parvoviridae、Peribunyaviridae、Phenuiviridae、Pneumoviridae、Polyomaviridae、Poxviridae、Retroviridae、およびRhabdoviridaeからなる群から選択されるヒトウイルスに由来する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウイルス遺伝子エフェクターが、Flaviviridae、Lyssaviridae、Filoviridae、Paramyxoviridae、Orthomyxoviridae、Coronaviridae、Reoviridae、Togaviridae、Phenuviridae、およびHantaviridaeからなる群から選択されるヒト-コウモリ共通ウイルスに由来する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ウイルス遺伝子エフェクターが、古細菌トロピックウイルス、Siphoviridae、podoviridae、Mimiviridae、Nimaviridae、Ligamenvirales、Globuloviridae、Fuselloviridae、Bicaudaviridae、サテライトウイルス、Iridoviridae、Turriviridae、Caudovirales、PhycodnaviridaeおよびMyoviridaeからなる群から選択されるウイルスに由来する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ライブラリーが、少なくとも30種、50種、100種、200種、500種、1,000種、2,000種、5,000種、または10,000種の異なる複合体を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ガイド核酸配列が、約10~約30ヌクレオチド、約15~約25ヌクレオチド、または約15ヌクレオチドを含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記個々の複合体が、異種エンドヌクレアーゼをさらに含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記個々の複合体の異種エンドヌクレアーゼが、他の複合体の異種エンドヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記異種遺伝子エフェクターと前記異種エンドヌクレアーゼが互いに融合している、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記異種遺伝子エフェクターと前記異種エンドヌクレアーゼが互いに非共有結合によりカップリングしている、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記異種エンドヌクレアーゼが、Casタンパク質である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記Casタンパク質が、核酸切断活性を欠く、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ガイド核酸配列が、ガイドRNA分子の一部である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記異種遺伝子エフェクターが、異種転写調節因子を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記異種遺伝子エフェクターが、異種クロマチン調節因子を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記変化が、前記標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの増強である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記変化が、前記標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの低減である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号16~16154、16~13605、または49353~50052のうちのいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を示す、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つまたは配列番号16155~43953のうちのいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を示す、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記異種遺伝子エフェクターが、複数の異なる異種遺伝子エフェクターを含み、前記個々の複合体の前記複数の異なる異種遺伝子エフェクターの組合せが、前記ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターの組合せとは異なる、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の異なる異種遺伝子エフェクターのうちの少なくとも1つが、P300、TET1、TET2、TET3、および/またはHSF1ではない、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の異なる異種遺伝子エフェクターのうちの少なくとも1つが、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)ではない、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の異なる異種遺伝子エフェクターのうちの少なくとも1つが、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aではない、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記異種遺伝子エフェクターが、P300、TET1、TET2、TET3、および/またはHSF1ではない、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記異種遺伝子エフェクターが、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)ではない、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記異種遺伝子エフェクターが、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aではない、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターが、最大で1種の異種遺伝子エフェクター、最大で2種の異種遺伝子エフェクター、最大で5種の異種遺伝子エフェクター、最大で10種の異種遺伝子エフェクター、最大で15種の異種遺伝子エフェクター、最大で20種の異種遺伝子エフェクター、または最大で50種の異種遺伝子エフェクターである、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターによってもたらされる前記標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化の程度が、対照によるものより少なくとも2倍大きい、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記程度が、対照によるものより少なくとも5倍、10倍、20倍、50倍、または100倍大きい、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記対照が、前記複合体のライブラリーを伴わない細胞の集団である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記対照が、対照異種遺伝子エフェクターと接触させた細胞の集団である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記対照異種遺伝子エフェクターが、P300、TET1、TET2、TET3、および/またはHSF1である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記対照異種遺伝子エフェクターが、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記対照異種遺伝子エフェクターが、KRAB、SID、ERD、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
追加の細胞の集団において追加の標的内因性遺伝子に対して(a)~(c)を実施することをさらに含み、(1)前記標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらす前記ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターが、(2)前記追加の標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらす前記ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターと異なる、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記細胞の集団と前記追加の細胞の集団が同じ細胞型のものである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記細胞の集団と前記追加の細胞の集団が異なる細胞型のものである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記細胞の集団が、哺乳動物細胞を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記細胞の集団が、ヒト細胞を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記細胞の集団が、幹細胞を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記細胞の集団が、分化した細胞を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記標的内因性遺伝子が、疾患関連遺伝子である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記標的内因性遺伝子が、分化関連遺伝子である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記標的内因性遺伝子が、加齢関連遺伝子である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前述の請求項のいずれか一項に記載の方法の複合体のライブラリーを含む系。
【請求項47】
前述の請求項のいずれか一項に記載の方法の複合体のライブラリーを含むキット。
【請求項48】
前述の請求項のいずれか一項に記載の方法の複合体のライブラリーの異種遺伝子エフェクターをコードする核酸ライブラリー。
【請求項49】
前述の請求項のいずれか一項に記載の方法の複合体のライブラリーをコードする核酸ライブラリー。
【請求項50】
前述の請求項のいずれか一項に記載の方法の複合体のライブラリーの異種遺伝子エフェクターを集合的に発現する細胞の集団。
【請求項51】
前述の請求項のいずれか一項に記載の方法の複合体のライブラリーを集合的に発現する細胞の集団。
【請求項52】
ガイド部分と異種遺伝子エフェクターとを含む複合体であって、前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号23631、1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つと少なくとも約70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、複合体。
【請求項53】
前記アミノ酸配列が、配列番号23631、1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項52に記載の複合体。
【請求項54】
前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号23631、1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の複合体。
【請求項55】
前記アミノ酸配列が、配列番号23631と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項52に記載の複合体。
【請求項56】
前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号23631のアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の複合体。
【請求項57】
前記アミノ酸配列が、配列番号33890と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項52に記載の複合体。
【請求項58】
前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号33890のアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の複合体。
【請求項59】
前記アミノ酸配列が、配列番号40985と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項52に記載の複合体。
【請求項60】
前記異種遺伝子エフェクターが、配列番号40985のアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の複合体。
【請求項61】
前記異種遺伝子エフェクターが、500未満のアミノ酸を含有する、請求項52から60のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項62】
前記異種遺伝子エフェクターが、100未満のアミノ酸を含有する、請求項52から61のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項63】
前記ガイド部分が、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列に特異的に結合する、請求項52から62のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項64】
前記ガイド部分が、ガイド核酸配列を含む、請求項52から63のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項65】
前記ガイド核酸配列が、約10~約30ヌクレオチドを含むまたはそれからなる、請求項64に記載の複合体。
【請求項66】
前記ガイド核酸配列が、ガイドRNAである、請求項64から65のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項67】
前記ガイド核酸配列が、シングルガイドRNA(sgRNA)である、請求項64から66のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項68】
前記ガイド部分が、ヌクレアーゼまたはその一部を含む、請求項52から67のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項69】
前記ヌクレアーゼまたはその一部が、野生型バージョンのヌクレアーゼと比較してヌクレアーゼ活性が低下した改変ヌクレアーゼである、請求項68に記載の複合体。
【請求項70】
前記ヌクレアーゼまたはその一部が、核酸切断活性を実質的に欠く、請求項68または69に記載の複合体。
【請求項71】
前記ヌクレアーゼまたはその一部が、Casタンパク質またはその一部である、請求項68から70のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項72】
前記ヌクレアーゼまたはその一部が、ヌクレアーゼ不活性化Cas(dCas)タンパク質またはその一部である、請求項68から71のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項73】
前記ガイド部分と前記異種遺伝子エフェクターが、必要に応じてリンカーを介して、互いに融合している、請求項52から72のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項74】
前記ガイド部分と前記異種遺伝子エフェクターが、互いに非共有結合によりカップリングしている、請求項52から72のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項75】
請求項52から74のいずれか一項に記載の異種遺伝子エフェクターを含むベクター。
【請求項76】
前記ガイド部分をさらに含む、請求項75に記載のベクター。
【請求項77】
請求項52から76のいずれか一項に記載の複合体を含むベクター。
【請求項78】
請求項52から74のいずれか一項に記載の異種遺伝子エフェクターをコードする核酸を含むベクター。
【請求項79】
前記ベクターが、前記ガイド部分またはその構成要素をコードする核酸をさらに含む、請求項78に記載のベクター。
【請求項80】
前記ベクターが、ウイルスベクターである、請求項75から79のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項81】
前記ベクターが、非ウイルスベクターである、請求項75から79のいずれか一項に記載のベクター。
【請求項82】
請求項52から74のいずれか一項に記載の複合体を含む細胞の集団。
【請求項83】
標的遺伝子の発現または活性をモジュレートする方法であって、前記標的遺伝子を含む細胞の集団を、請求項52から74のいずれか一項に記載の複合体または請求項75から81のいずれか一項に記載のベクターと接触させるステップを含む、方法。
【請求項84】
前記細胞の集団が、哺乳動物細胞を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記細胞の集団が、ヒト細胞を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記細胞の集団が、幹細胞を含む、請求項83から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記細胞の集団が、分化した細胞を含む、請求項83から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記接触させるステップが、in vitroまたはex vivoである、請求項83から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記接触させるステップが、in vivoである、請求項83から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
それを必要とする対象を処置する方法であって、前記対象に、請求項52から74のいずれか一項に記載の複合体または請求項75から81のいずれか一項に記載のベクターを投与するステップを含み、それにより、前記対象における細胞の集団における標的遺伝子の発現または活性をモジュレートする、方法。
【請求項91】
前記標的遺伝子が、標的内因性遺伝子である、請求項83から90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記標的遺伝子が、疾患関連遺伝子である、請求項83から91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記標的遺伝子が、分化関連遺伝子である、請求項83から92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
発現または活性をモジュレートすることが、前記標的遺伝子の発現または活性レベルを増大させることを含む、請求項83から93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
発現または活性をモジュレートすることが、前記標的遺伝子の発現または活性レベルを低減させることを含む、請求項83から93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記標的遺伝子の発現または活性が、対照と比較して少なくとも2倍に増大する、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記標的遺伝子の発現または活性が、対照と比較して少なくとも2分の1に低減する、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記標的遺伝子の発現または活性が、対照よりも少なくとも10%長い期間にわたってモジュレートされる、請求項83から97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記標的遺伝子の発現または活性が、少なくとも12時間にわたってモジュレートされる、請求項83から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記標的遺伝子の発現または活性が、少なくとも28日間にわたってモジュレートされる、請求項83から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記対照が、前記接触させるステップの前の前記細胞の集団である、請求項96から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記対照が、前記複合体と接触させていない細胞の集団である、請求項96から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記対照が、対照複合体と接触させた細胞の集団である、請求項96から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
複数の異種ポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターであって、前記複数の異種ポリヌクレオチド配列の各異種ポリヌクレオチド配列が、配列番号49334~49338のうちのいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも約80%の配列同一性を示す、発現ベクター。
【請求項105】
(i)CRISPR標的配列と、(ii)CRISPRプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列およびそれとは異なる追加のCRISPR PAM配列とを含むキメラ配列である異種ポリヌクレオチド配列
を含む核酸分子であって、
前記CRISPR標的配列が、前記CRISPR PAM配列および前記追加のCRISPR PAM配列によって挟まれている、核酸分子。
【請求項106】
複数の異種ポリヌクレオチド配列
を含む核酸分子であって、
(i)前記複数の異種ポリヌクレオチド配列の各異種ポリヌクレオチド配列が、ポリヌクレオチド配列およびそれとは異なるヒト染色体に由来する追加のポリヌクレオチド配列を含み、
(ii)前記各異種ポリヌクレオチド配列のサイズが、最大で約50核酸塩基である、核酸分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年7月20日出願の米国仮特許出願第63/223,842号の優先権および利益を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、当該配列表はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。前記ASCIIコピーは2022年7月17日に作成され、名称は55176-715_601_SL.txt、サイズは41,277,379バイトである。
【背景技術】
【0003】
背景
複雑なネットワークにより遺伝子発現が調節され、細胞の生存、成長、分化、および種々の生理機能が支えられている。一部の場合では、細胞におけるそのような調節をもたらすために1つまたは複数種の特定の遺伝子のスイッチがオンまたはオフになり得る。一部の場合では、特定の遺伝子の異常発現が多くの疾患および状態の一因となる。目的の遺伝子の異常発現は、遺伝子の発現レベルが異常な増大、遺伝子の発現レベルの異常な低減、遺伝子の発現の持続時間の異常な延長、または遺伝子の発現の持続時間の異常な短縮であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
特定の遺伝子の発現を望ましいやり方でモジュレートすることが可能な作用剤には治療的利点があり得るが、現在用いられている多くの戦略では、頑強で、持続的、かつ/または可逆的な効果を引き出すことができない。さらに、選択されたわずかな遺伝子エフェクターのみが多種多様な標的遺伝子を調節するために探究され、利用されている。したがって、本開示の種々の態様は、特定の標的遺伝子を調節する(例えば、発現を上方調節する、発現を下方調節する、発現の持続時間を延長または短縮させるなど)の目的に合わせることができる1つまたは複数種の遺伝子エフェクターを含む系、方法、および組成物を提供する。
【0005】
本明細書において、一部の態様では、(a)細胞の集団を複合体のライブラリーと接触させるステップであって、ライブラリーの個々の複合体が、(i)ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および(ii)ライブラリーの他の複合体内のガイド核酸配列と100%の配列同一性を示すガイド核酸配列を含み、異種遺伝子エフェクターとガイド核酸分子が、細胞の集団内の標的内因性遺伝子に対して特異的結合性を示す個々の複合体を形成しており、ライブラリーが、少なくとも25種の異なる複合体を含む、ステップ、(b)接触させるステップの後、細胞の集団を、細胞の集団内の標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化に基づいて選別するステップ、ならびに(c)変化をもたらす、ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定するステップを含む方法が開示される。
【0006】
本明細書において、一部の態様では、(a)細胞の集団を複合体のライブラリーと接触させるステップであって、ライブラリーの個々の複合体が、(i)ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および(ii)ライブラリーの他の複合体内のガイド核酸配列と100%の配列同一性を示すガイド核酸配列を含み、異種遺伝子エフェクターとガイド核酸配列が、細胞の集団内の標的内因性遺伝子に対して特異的結合性を示す個々の複合体を形成しており、異種遺伝子エフェクターが、ウイルス遺伝子エフェクターを含む、ステップ、(b)接触させるステップの後、細胞の集団を、細胞の集団内の標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化に基づいて選別するステップ、ならびに(c)変化をもたらす、ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定するステップを含む方法が開示される。
【0007】
一部の実施形態では、ウイルス遺伝子エフェクターは、Adenoviridae、Arenaviridae、Bornaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Hepadnaviridae、Herpesviridae、Orthomyxoviridae、Papillomaviridae、Paramyxoviridae、Parvoviridae、Peribunyaviridae、Phenuiviridae、Pneumoviridae、Polyomaviridae、Poxviridae、Retroviridae、およびRhabdoviridaeからなる群から選択されるヒトウイルスに由来する。一部の実施形態では、ウイルス遺伝子エフェクターは、Flaviviridae、Lyssaviridae、Filoviridae、Paramyxoviridae、Orthomyxoviridae、Coronaviridae、Reoviridae、Togaviridae、Phenuviridae、およびHantaviridaeからなる群から選択されるヒト-コウモリ共通ウイルスに由来する。一部の実施形態では、ウイルス遺伝子エフェクターは、古細菌トロピックウイルス、Siphoviridae、podoviridae、Mimiviridae、Nimaviridae、Ligamenvirales、Globuloviridae、Fuselloviridae、Bicaudaviridae、サテライトウイルス、Iridoviridae、Turriviridae、Caudovirales、PhycodnaviridaeおよびMyoviridaeからなる群から選択されるウイルスに由来する。一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも30種、50種、100種、200種、500種、1,000種、2,000種、5,000種、または10,000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、ガイド核酸配列は、約10~約30ヌクレオチド、約15~約25ヌクレオチド、または約15ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、個々の複合体は、異種エンドヌクレアーゼをさらに含む。一部の実施形態では、個々の複合体の異種エンドヌクレアーゼは、他の複合体の異種エンドヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示す。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターと異種エンドヌクレアーゼは互いに融合している。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターと異種エンドヌクレアーゼは互いに非共有結合によりカップリングしている。一部の実施形態では、異種エンドヌクレアーゼはCasタンパク質である。一部の実施形態では、Casタンパク質は核酸切断活性を欠く。一部の実施形態では、ガイド核酸配列はガイドRNA分子の一部である。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、異種転写調節因子を含む。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、異種クロマチン調節因子を含む。一部の実施形態では、変化は、標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの増強である。一部の実施形態では、変化は、標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの低減である。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、または配列番号16~13605のうちのいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を示す。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つまたは配列番号16155~43953のうちのいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を示す。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、複数の異なる異種遺伝子エフェクターを含み、個々の複合体の複数の異なる異種遺伝子エフェクターの組合せは、ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターの組合せとは異なる。一部の実施形態では、複数の異なる異種遺伝子エフェクターは、P300、TET1、TET2、TET3、および/またはHSF1ではない。一部の実施形態では、複数の異なる異種遺伝子エフェクターのうちの少なくとも1つは、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)ではない。一部の実施形態では、複数の異なる異種遺伝子エフェクターのうちの少なくとも1つは、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aではない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、P300、TET1、TET2、TET3、および/またはHSF1ではない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)ではない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aではない。一部の実施形態では、1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターは、最大で1種の異種遺伝子エフェクター、最大で2種の異種遺伝子エフェクター、最大で5種の異種遺伝子エフェクター、最大で10種の異種遺伝子エフェクター、最大で15種の異種遺伝子エフェクター、最大で20種の異種遺伝子エフェクター、または最大で50種の異種遺伝子エフェクターである。一部の実施形態では、1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターによってもたらされる標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化の程度は、対照によるものより少なくとも2倍大きい。一部の実施形態では、程度が、対照によるものより少なくとも5倍、10倍、20倍、50倍、または100倍大きい。一部の実施形態では、対照は、複合体のライブラリーを伴わない細胞の集団である。一部の実施形態では、対照は、対照異種遺伝子エフェクターと接触させた細胞の集団である。一部の実施形態では、対照異種遺伝子エフェクターは、P300、TET1、TET2、TET3、および/またはHSF1である。一部の実施形態では、対照異種遺伝子エフェクターは、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)である。一部の実施形態では、対照異種遺伝子エフェクターは、KRAB、SID、ERD、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aである。一部の実施形態では、方法は、追加の細胞の集団において追加の標的内因性遺伝子に対して(a)~(c)を実施することをさらに含み、(1)標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらすライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターは、(2)追加の標的内因性遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらすライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターと異なる。一部の実施形態では、細胞の集団および追加の細胞の集団は、同じ細胞型のものである。一部の実施形態では、細胞の集団および追加の細胞の集団は、異なる細胞型のものである。一部の実施形態では、細胞の集団は、哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞の集団は、ヒト細胞を含む。一部の実施形態では、細胞の集団は、幹細胞を含む。一部の実施形態では、細胞の集団は、分化した細胞を含む。一部の実施形態では、標的内因性遺伝子は、疾患関連遺伝子である。一部の実施形態では、標的内因性遺伝子は、分化関連遺伝子である。一部の実施形態では、標的内因性遺伝子は、加齢関連遺伝子である。
【0008】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの方法の複合体のライブラリーを含む系が開示される。
【0009】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの方法の複合体のライブラリーを含むキットが開示される。
【0010】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの方法の複合体のライブラリーの異種遺伝子エフェクターをコードする核酸ライブラリーが開示される。
【0011】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの方法の複合体のライブラリーをコードする核酸ライブラリーが開示される。
【0012】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの方法の複合体のライブラリーの異種遺伝子エフェクターを集合的に発現する細胞の集団が開示される。
【0013】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの方法の複合体のライブラリーを集合的に発現する細胞の集団が開示される。
【0014】
本明細書において、一部の態様では、ガイド部分と異種遺伝子エフェクターとを含む複合体であって、異種遺伝子エフェクターが、配列番号23631、1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つと少なくとも約70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、複合体が開示される。
【0015】
一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号23631、1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号23631、1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号23631と少なくとも90%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号23631のアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号33890と少なくとも90%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号33890のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号40985と少なくとも90%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号40985のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、500未満のアミノ酸を含有する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、100未満のアミノ酸を含有する。一部の実施形態では、ガイド部分は、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列に特異的に結合する。一部の実施形態では、ガイド部分は、ガイド核酸配列を含む。一部の実施形態では、ガイド核酸配列が、約10~約30ヌクレオチドを含むまたはそれからなる。一部の実施形態では、ガイド核酸配列は、ガイドRNAである。一部の実施形態では、ガイド核酸配列は、シングルガイドRNA(sgRNA)である。一部の実施形態では、ガイド部分は、ヌクレアーゼまたはその一部を含む。一部の実施形態では、ヌクレアーゼまたはその一部は、野生型バージョンのヌクレアーゼと比較してヌクレアーゼ活性が低下した改変ヌクレアーゼである。一部の実施形態では、ヌクレアーゼまたはその一部は、核酸切断活性を実質的に欠く。一部の実施形態では、ヌクレアーゼまたはその一部は、Casタンパク質またはその一部である。一部の実施形態では、ヌクレアーゼまたはその一部は、ヌクレアーゼ不活性化Cas(dCas)タンパク質またはその一部である。一部の実施形態では、ガイド部分と異種遺伝子エフェクターは、必要に応じてリンカーを介して、互いに融合している。一部の実施形態では、ガイド部分と異種遺伝子エフェクターは、互いに非共有結合によりカップリングしている。
【0016】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの異種遺伝子エフェクターを含むベクターが開示される。一部の実施形態では、ベクターは、ガイド部分をさらに含む。
【0017】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの複合体を含むベクターが開示される。
【0018】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの異種遺伝子エフェクターをコードする核酸を含むベクターが開示される。
【0019】
一部の実施形態では、ベクターは、ガイド部分またはその構成要素をコードする核酸をさらに含む。一部の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。一部の実施形態では、ベクターは、非ウイルスベクターである。
【0020】
本明細書において、一部の態様では、前述の実施形態のいずれか1つの複合体を含む細胞の集団が開示される。
【0021】
本明細書において、一部の態様では、標的遺伝子の発現または活性をモジュレートする方法であって、標的遺伝子を含む細胞の集団を、前述の実施形態のいずれか1つの複合体またはベクターと接触させるステップを含む、方法が開示される。
【0022】
一部の実施形態では、細胞の集団は、哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞の集団は、ヒト細胞を含む。一部の実施形態では、細胞の集団は、幹細胞を含む。一部の実施形態では、細胞の集団は、分化した細胞を含む。一部の実施形態では、接触させるステップは、in vitroまたはex vivoである。一部の実施形態では、接触させるステップは、in vivoである。
【0023】
本明細書において、一部の態様では、それを必要とする対象を処置する方法であって、対象に、前述の実施形態のいずれか1つの複合体またはベクターを投与するステップを含み、それにより、対象における細胞の集団における標的遺伝子の発現または活性をモジュレートする、方法が開示される。
【0024】
一部の実施形態では、標的遺伝子は、標的内因性遺伝子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、疾患関連遺伝子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、分化関連遺伝子である。一部の実施形態では、発現または活性をモジュレートすることは、標的遺伝子の発現または活性レベルを増大させることを含む。一部の実施形態では、発現または活性をモジュレートすることは、標的遺伝子の発現または活性レベルを低減させることを含む。一部の実施形態では、標的遺伝子の発現または活性が対照と比較して少なくとも2倍に増大する。一部の実施形態では、標的遺伝子の発現または活性が対照と比較して少なくとも2分の1に低減する。一部の実施形態では、標的遺伝子の発現または活性が対照よりも少なくとも10%長い期間にわたってモジュレートされる。一部の実施形態では、標的遺伝子の発現または活性が少なくとも12時間にわたってモジュレートされる。一部の実施形態では、標的遺伝子の発現または活性が少なくとも28日間にわたってモジュレートされる。一部の実施形態では、対照は、接触させるステップの前の細胞の集団である。一部の実施形態では、対照は、複合体と接触させていない細胞の集団である。一部の実施形態では、対照は、対照複合体と接触させた細胞の集団である。
【0025】
本明細書において、一部の態様では、複数の異種ポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターであって、複数の異種ポリヌクレオチド配列の各異種ポリヌクレオチド配列が、配列番号49334~49341または49344~49352のうちのいずれか1つまたは複数のポリヌクレオチド配列と少なくとも約80%の配列同一性を示す、発現ベクターが開示される。
【0026】
本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49334と少なくとも約80%の配列同一性を示す。
本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49335と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49336と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49337と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49338と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49339と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49340と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49341と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49344と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49345と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49346と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49347と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49348と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49349と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49350と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49351と少なくとも約80%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49352と少なくとも約80%の配列同一性を示す。
【0027】
本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49334~49341または49344~49352のうちのいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも約90%の配列同一性を示す。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、配列番号49334~49341または49344~49352のうちのいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも約95%の配列同一性を示す。
【0028】
本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、各異種ポリヌクレオチド配列は、(i)CRISPR標的配列および(ii)1つまたは複数のCRISPRプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を含む。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR標的配列は、2つの異なるCRISPR PAM配列によって挟まれている。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、1つまたは複数のCRISPR PAM配列は、Cas12 PAM配列を含む。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、1つまたは複数のCRISPR PAM配列は、Cas9 PAM配列を含む。
【0029】
本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、複数には、4つまたはそれよりも多くの異種ポリヌクレオチド配列が含まれる。本明細書に開示される発現ベクターのいずれか1つの一部の実施形態では、複数には、6つまたはそれよりも多くの異種ポリヌクレオチド配列が含まれる。
【0030】
別の態様では、本開示は、(i)CRISPR標的配列と、(ii)CRISPRプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列およびそれとは異なる追加のCRISPR PAM配列とを含むキメラ配列である異種ポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、CRISPR標的配列が、CRISPR PAM配列と追加のCRISPR PAM配列によって挟まれている、核酸分子を提供する。
【0031】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、異種ポリヌクレオチド配列は一本鎖である。
【0032】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR PAM配列と追加のCRISPR PAM配列の間の距離は、最大で約50核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約40核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約35核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約25核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約20核酸塩基である。
【0033】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR標的配列のサイズは少なくとも約10核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、サイズは少なくとも約15核酸塩基である。
【0034】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR PAM配列と追加のCRISPR PAM配列は、異なるCRISPR型によって認識される。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR PAM配列と追加のCRISPR PAM配列のうちの一方は、Cas12またはそのバリアントによって認識される。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR PAM配列と追加のCRISPR PAM配列のうちの一方は、Cas9またはそのバリアントによって認識される。
【0035】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、異種ポリヌクレオチド配列は非コード配列である。
【0036】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、CRISPR標的配列は、配列番号49334と少なくとも約80%の配列同一性を示す。
【0037】
別の態様では、本開示は、複数の異種ポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、(i)複数の異種ポリヌクレオチド配列の各異種ポリヌクレオチド配列が、ポリヌクレオチド配列およびそれとは異なるヒト染色体に由来する追加のポリヌクレオチド配列を含み、(ii)各異種ポリヌクレオチド配列のサイズが最大で約50核酸塩基である、核酸分子を提供する。
【0038】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、サイズは最大で約40核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、サイズは最大で約30核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、サイズは最大で約25核酸塩基である。
【0039】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、ポリヌクレオチド配列のサイズは少なくとも約5核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、追加のポリヌクレオチド配列のサイズは少なくとも約5核酸塩基である。
【0040】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、複数のうちの1つの異種ポリヌクレオチド配列と追加の異種ポリヌクレオチド配列の間の距離は最大で約100核酸塩基である。
【0041】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約80核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約60核酸塩基である。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、距離は最大で約50核酸塩基である。
【0042】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、異種ポリヌクレオチド配列はそれぞれが非コード配列である。
【0043】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、ポリヌクレオチド配列および追加のポリヌクレオチド配列のうちの少なくとも1つが表面抗原分類(CD)タンパク質に由来する。
【0044】
本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、複数には、4つまたはそれよりも多くの異種ポリヌクレオチド配列が含まれる。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、複数には、6つまたはそれよりも多くの異種ポリヌクレオチド配列が含まれる。
【0045】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される核酸配列のいずれか1つを含む発現ベクターを提供する。
【0046】
本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、発現ベクターまたは核酸分子は、異種ポリヌクレオチド配列(1つまたは複数)の下流に上流活性化配列(Upstream Activating Sequence)(UAS)をさらに含む。本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、UASは非ヒトUASである。本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、UASは、酵母GAL4プロモーターに由来する。
【0047】
本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、発現ベクターまたは核酸分子は、プロモーターをさらに含む。
【0048】
本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、複数の異種ポリヌクレオチド配列の少なくとも1つはプロモーターの上流にある。本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、プロモーターは、強力なヒト構成的プロモーターである。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、プロモーターは、弱いウイルス性最小プロモーターである。本明細書に開示される核酸分子のいずれか1つの一部の実施形態では、発現ベクターまたは核酸分子は、プロモーターの制御下にある標的遺伝子をさらに含む。
【0049】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される発現ベクターまたは核酸配列のいずれか1つを含む細胞を提供する。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞であり得る。
【0050】
別の態様では、本開示は、細胞における標的遺伝子の発現を調節する方法であって、(a)(i)本明細書に開示される核酸配列のいずれか1つ、(ii)プロモーター、および(ii)標的遺伝子を含むベクターを準備するステップ、ならびに、核酸配列を、プロモーターと相互作用して、標的遺伝子の発現レベルをモジュレートすることが可能なアクチュエーター部分と接触させるステップを含む、方法を提供する。
【0051】
本明細書に開示される方法のいずれか1つの一部の実施形態では、アクチュエーター部分は、CRISPRエンドヌクレアーゼと遺伝子エフェクターとを含む複合体である。本明細書に開示される方法のいずれか1つの一部の実施形態では、遺伝子エフェクターは、遺伝子活性化因子である。本明細書に開示される方法のいずれか1つの一部の実施形態では、遺伝子エフェクターは、遺伝子リプレッサーである。本明細書に開示される方法のいずれか1つの一部の実施形態では、複合体は、異種ポリヌクレオチド配列(1つまたは複数)に対して特異的結合性を示すガイド核酸分子をさらに含む。
参照による組込み
【0052】
本明細書において言及されている全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的にかつ個別に参照により組み込まれることが示されたものと同じく参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
本開示の新規特色は、添付の特許請求の範囲において詳細に記載されている。本発明の原理が利用されている例示的な実施形態が記載されている以下の詳細な説明および付属図を参照することにより、本開示の特色および利点のより良好な理解が得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、CD45発現を活性化するまたはCD71発現を低減させるヒト核タンパク質を同定するための例示的なエフェクタースクリーン設計の概要を提示する。
【0055】
【
図2】
図2は、本開示のベクターを生成するために使用することができる出発ベクター骨格を例示する。
【0056】
【
図3】
図3は、下流のレポーター遺伝子のIRES駆動性発現を伴う、異種エフェクターと融合したdCas9をコードする本開示のベクターを例示する。
【0057】
【
図4】
図4は、例示的な細胞株における相対的なベースラインCD45発現を示す。
【0058】
【
図5】
図5は、例示的な細胞株における相対的なベースラインCD71発現を示す。
【0059】
【
図6】
図6は、本開示の複合体によるCD45およびCD71のモジュレーション、ならびに得られたCD45およびCD71の発現プロファイルに基づいた細胞選別を示す。活性化因子スクリーンの実験条件でCD45発現の増大を観察することができ(右上のパネル)、リプレッサースクリーンの実験条件でCD71発現の低減を観察することができる(右下のパネル)。
【0060】
【
図7】
図7は、本開示のコンビナトリアルスクリーンのための発現構築物の例示的な概略図を提示する。
【0061】
【
図8】
図8は、GAI-dCas9-ABIを安定に発現する細胞株を生成するための発現構築物の例示的な概略図を提示する。この試薬を本開示のコンビナトリアルスクリーンに使用することができる。
【0062】
【
図9】
図9は、dCas9と会合した転写調節因子とクロマチン調節因子の組合せを含む本開示の複合体によるCD45発現およびCD71発現のモジュレーションを例示する。上の画像は、CD45についての例示的な活性化因子スクリーンを示すものであり、下の画像は、CD71についての例示的なリプレッサースクリーンを示す。右のグラフは、本開示の複合体によるCD45発現の増大、および本開示の複合体によるCD71発現の抑制を例示する。
【0063】
【
図10】
図10は、工学的に操作された合成レポーター(ESR)の発現ベクターの構造の例を概略的に示す。
図10には配列番号49340(完全な配列が示されている)が開示され、この配列には、配列番号49334(「合成ガイド標的」)配列番号49341(「UAS」)、配列番号49335(Cas12a/MINI PAM+合成ガイド標的)、配列番号49336(合成ガイド標的+SpCas9 PAM)、配列番号49337(合成ガイド標的+SpCas9 PAMおよびSaCas9 PAM)、配列番号49338(Cas12a/mini PAM+合成ガイド標的+SpCas9 PAMおよびSaCas9 PAM)、および配列番号49339(Cas12a/mini PAM+合成ガイド標的+SpCas9 PAM)が含まれる。
【0064】
【
図11】
図11は、ESRの配列の例を概略的に示す。
図11には、配列番号49344(Cas12a/mini PAM(TTTA)、異種ガイド標的(配列番号49334)、Cas9 PAM(CGG)、およびUAS(配列番号49341)を含む単一ESRリピート);配列番号49345(7コピーのESRリピート);配列番号49346(miniCMVプロモーター);ならびに配列番号49347(EF1αプロモーター)が開示される。
【0065】
【
図12】
図12は、対照レポーターベクターの配列の例を概略的に示す。
図12には、配列番号49348(Cas12a/mini PAM(TTTA)、Cas9 PAM(CCC)、Cas9スペーサー(配列番号49349)、およびCasMINI/Cas12aスペーサー(配列番号49350)を含む単一TRE3G_リピート);ならびに完全なTRE3GS_プロモーター(7コピーのTRE3Gリピートおよび改変miniCMVプロモーター(配列番号49352)を含む配列番号49351)が開示される。
【0066】
【
図13】
図13は、miniCMV-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR121)のフローサイトメトリーデータ解析を示す。
【0067】
【
図14】
図14は、EF1a-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR221)のフローサイトメトリーデータ解析を示す。
【0068】
【
図15】
図15は、miniCMV-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーターK562細胞株(ESR111)のフローサイトメトリーデータ解析を示す。
【0069】
【
図16】
図16は、EF1a-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーターK562細胞株(ESR211)のフローサイトメトリーデータ解析を示す。
【0070】
【
図17】
図17は、miniCMV-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR121)の異なるフローサイトメトリーデータ解析を示す。
【0071】
【
図18】
図18は、EF1a-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR221)の異なるフローサイトメトリーデータ解析を示す。
【0072】
【
図19】
図19は、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(クローン1)、GFPをコードするESRを用いて工学的に操作された追加のレポーター293T細胞株(クローン2)、GFPをコードする対照発現ベクターを発現する対照レポーター293T細胞株(TRE3G-GFP)、およびGFPをコードする対照発現ベクターを発現する追加の対照レポーター293T細胞株(SV40-GFP)のフローサイトメトリーデータ解析を示し、ここで、ESR-EF1a 293Tクローン細胞株では既存のレポーター細胞よりも狭いGFP発現の分布が示される。
【0073】
【
図20】
図20は、標的遺伝子(例えば、CD45、CD71)の発現を活性化するもしくは低減させる異種遺伝子エフェクター、またはGFPレポーター遺伝子を同定するための例示的なスクリーン設計の概要を提示する。
【0074】
【
図21】
図21Aは、それぞれ陽性対照構築物VPRまたはKRABからのESR-GFP転写活性化または抑止の高いダイナミックレンジを示す代表的なフローサイトメトリーヒストグラムを提示する。
【0075】
図21Bは、2つの内因性ヒト遺伝子標的:活性化については低度に発現されるCD45、または抑止については高度に発現されるCD71の転写活性化または抑制を示す代表的なヒストグラムを提示する。
【0076】
【
図22】
図22Aは、増強された合成レポーター系を使用した候補活性化因子異種遺伝子エフェクターについてのスクリーンにおけるヒットを示す火山プロットである。
【0077】
図22Bは、増強された合成レポーター系を使用した候補リプレッサー異種遺伝子エフェクターについてのスクリーンにおけるヒットを示す火山プロットである。
【0078】
【
図23】
図23Aは、野生型K562細胞における内因性遺伝子(CD45)を使用した候補活性化因子異種遺伝子エフェクターについてのスクリーンにおけるヒットを示す火山プロットである。
【0079】
図23Bは、野生型K562細胞における内因性遺伝子(CD71)を使用した候補リプレッサー異種遺伝子エフェクターについてのスクリーンにおけるヒットを示す火山プロットである。
【0080】
【
図24-1】
図24Aは、sgRNAによってCXCR4に標的化される本明細書に開示される異種遺伝子エフェクターを含む複合体をコードするプラスミドを用いたトランスフェクションの3日後および7日後のCXCR4発現の幾何平均を示す。
【0081】
【
図24-2】
図24Bは、1つの新規活性化因子(EPICXV.1)の標準活性化因子(VPR)に対する相対的な性能、および1つの新規サプレッサー(EPICXV.71)の標準サプレッサー(KRAB)に対する相対的な性能を示す。示されているモジュレーターはdCasMiniと融合したものである。
【0082】
図24Cは、dCas9、dCasMini、標準活性化因子VPR、およびこれらの融合物をコードする配列の相対的なサイズ(bp)を本明細書に開示される新規候補エフェクター(EPICXV)と比較して例示する。
【0083】
【
図25】
図25Aは、野生型HEK293T細胞をdCasMini-エフェクター融合物およびヒトIFNGを標的化するsgRNAで処理した3日後にELISAによって決定されたIFNg分泌を示す。
【0084】
図25Bは、野生型HEK293T細胞をdCasMini-エフェクター融合物およびCD45を標的化するsgRNAで処理した2日後にフローサイトメトリーによって決定されたCD45表面発現を示す。
【0085】
図25Cは、野生型HEK293T細胞をdCasMini-エフェクター融合物およびCD2を標的化するsgRNAで処理した3日後にフローサイトメトリーによって決定されたCD2表面発現を示す。
【0086】
図25Dは、野生型HEK293T細胞をdCasMini-エフェクター融合物およびCD2を標的化するsgRNAで処理した5日後にフローサイトメトリーによって決定されたCD2表面発現を示す。
【0087】
【
図26】
図26Aは、フローサイトメトリーによって決定された、dCasMini-エフェクター融合物およびレポーターを標的化するsgRNAで処理した2日後の、TRE3Gプロモーターにより駆動されるGFPが安定に組み込まれたHEK293T細胞のGFPレポーター発現を示す。
【0088】
図26Bは、フローサイトメトリーによって決定された、dCasMini-エフェクター融合物およびレポーターを標的化するsgRNAで処理した2日後の、低発現miniCMVプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞のGFPレポーター発現を示す。
【0089】
【
図27】
図27Aは、フローサイトメトリーによって決定された、dCasMini-エフェクター融合物およびレポーターを標的化するsgRNAで処理した5日後の、高発現EF1αプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞のGFPレポーター発現を示す。
【0090】
図27Bは、フローサイトメトリーによって決定された、dCas9-エフェクター融合物およびレポーターを標的化するsgRNAで処理した5日後の、高発現EF1αプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞のGFPレポーター発現を示す。
【0091】
【
図28-1】
図28Aは、フローサイトメトリーによって決定された、dCasMini-エフェクター融合物およびCXCR4を標的化するsgRNAを用いたトランスフェクションの3日後、7日後、15日後、および28日後の異種遺伝子エフェクターの、内因性遺伝子CXCR4の発現に対する効果を要約する。
【0092】
【
図28-2】
図28Bは、sgRNAによってCXCR4に標的化される、本明細書に開示される異種遺伝子エフェクターを含む複合体または対照をコードするプラスミドを用いたHEK293T細胞のトランスフェクションの3日後、7日後、15日後、および28日後の正規化されたCXCR4発現値を示す。エフェクターが各時点における効果量によって順位付けされている。
【0093】
【
図29-1】
図29Aは、対照エフェクター(破線)と比較した、本明細書に開示される候補異種遺伝子エフェクターの遺伝子発現に対する経時的な効果を示す。示されているエフェクターはdCasMiniと融合したものである。
【0094】
図29Bは、持続的な抑制のための、dCas9と融合したKRAB、DNMT3A、およびDNMT3Lドメインを含む構築物である陽性対照dCas9-KALについての代表的なフローサイトメトリーヒストグラムを提示する。時点が進むにつれて標的遺伝子発現の抑制が増大することが示されている。
【0095】
図29Cは、dCasMiniと融合したエフェクターを比較する代表的なフローサイトメトリーヒストグラムを提示する。陰性対照(モジュレーターを伴わないdCasMini)および陽性対照リプレッサーが新規サプレッサー(EPICXV.67)と比較して示されている。
【0096】
【
図29-2】
図29Dは、ESR-GFP HEK293T細胞におけるプラスミドトランスフェクション後のdCasMini-エフェクターの経時的な発現を実証する測定値を示す(mCherryレポーターに反映される)。
【0097】
図29Eは、本発明でスクリーニングされた新規のコンパクトなモジュレーター(接頭辞EPICXV)と比較した、陽性対照融合物(KAL)およびそれを構成する構成要素の相対的なサイズ(bp)を比較する棒グラフを提示する。
【0098】
図29Fは、本発明で試験した本dCasMini-EPICXV構築物と比較した、遺伝子発現の持続的な抑止のためのdCas9-KAL対照の相対的なサイズ(bp)を比較する棒グラフを提示する。
【0099】
【
図29-3】
図29Gは、ESR-GFP細胞についての77d.p.t.における陽性対照および選択された候補異種遺伝子エフェクター(EPICXV)の各実験的反復についての正規化されたレポーターGFP蛍光値を示す。
【0100】
【
図30】
図30は、ESR-GFP合成レポーター細胞における正規化されたGFP蛍光(3d.p.t.から77d.p.t.までの全ての時点にわたって平均したもの;y軸)と正規化されたCXCR4-APC蛍光(3d.p.t.から28d.p.t.までの全ての時点にわたって平均したもの;x軸)の相関を示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
詳細な説明
遺伝子発現は、細胞および組織における種々の生理的および病理学的作用を支えるものであり、多くの疾患および状態の一因となっている。したがって、特定の遺伝子の発現を望ましいやり方でモジュレートする作用剤には治療的利点があり得る。
【0102】
しかし、多くの候補治療薬では、わずかであるか長続きしない効果しか実現されない、または逆にオフターゲット作用が生じるので、遺伝子発現の頑強、持続的かつ/または可逆的な変化を引き出す作用剤を開発することは困難であることが証明されている。さらに、遺伝子編集およびゲノム工学のための多くの現行の手法では、望ましくない毒性プロファイルを伴い得るオフターゲット作用がもたらされる恐れがあり、一部の場合では、望ましくない効果は恒久的なものであり得る。したがって、標的遺伝子の発現および活性、例えば、ヒト疾患に影響を及ぼす遺伝子の発現の頑強、持続的かつ/または可逆的モジュレーションを可能にする遺伝子発現を調節するための新規戦略が必要とされている。
【0103】
エピジェネティックに作用する分子ツールには、効率的であり、たいきゅうせいがあり、かつリスクが低い、遺伝子発現の治療的モジュレーションを引き出す潜在性がある。一部の実施形態では、本開示は、標的遺伝子発現を効率的、効果的、かつ持続的にエピジェネティック改変することが可能な新規エフェクタードメインを同定するための組成物および方法を提供する。例えば、特定の標的遺伝子(複数可)(例えば、標的内因性遺伝子(複数可))の発現または活性をモジュレートする(例えば、上方調節または下方調節する)ための異種遺伝子エフェクタードメインおよびエフェクタードメインとガイド部分の複合体が提供される。
【0104】
異種遺伝子エフェクターの組合せには、遺伝子発現の調節に関して、例えば相乗効果によって、有利なアウトカムを実現する潜在性もある。一部の実施形態では、本開示は、異種遺伝子エフェクターの新規組合せ、例えば、ヒト核プロテオーム、ウイルス性供給源、および/または本明細書に開示される他の型の異種遺伝子エフェクターに由来するクロマチン調節因子および/または転写調節因子であるエフェクタードメインの組合せを含む組成物および方法を提供する。
【0105】
状況依存的効果により、遺伝子発現および活性の治療的モジュレーションに関する追加の困難が示される。例えば、特定の標的遺伝子(例えば、特定の標的内因性遺伝子)の発現、細胞型、対象などに対する望ましい効果を実現する戦略または転写モジュレーターにより、異なる標的遺伝子(例えば、異なる標的内因性遺伝子)、細胞型、または対象に対しては所望の効果が実現されない場合がある。一部の場合では、本開示の系および方法は、特定の標的遺伝子(例えば、特定の標的内因性遺伝子)、特定の細胞型、特定の標的疾患、特定の対象などに対してカスタマイズされる、または適用可能である、または特に適する。
【0106】
一部の実施形態では、本開示は、特定の標的遺伝子(複数可)(例えば、特定の標的内因性遺伝子(複数可))の発現をモジュレートするために、ハイスループットスクリーンを行って、異種遺伝子エフェクタードメインおよびエフェクタードメインとガイド部分との複合体を同定するための組成物および方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、研究などの他の目的のためにまたは治療薬として使用することができる、本明細書に開示される系によって同定される複合体を提供する。
異種遺伝子エフェクター
【0107】
本開示は、異種遺伝子エフェクター(例えば、本開示の複合体内の遺伝子エフェクターおよび/または別の構成要素を含む細胞に対して異種である遺伝子エフェクター)を利用する組成物、系、方法および方法(例えば、複合体およびライブラリー)を提供する。異種遺伝子エフェクターは、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現をモジュレートする、例えば、遺伝子の発現レベルまたは活性レベルを活性化させる、抑制する、上方調節する、下方調節する、または安定化させることが可能である、またはそのための候補であるドメインを含む。異種遺伝子エフェクターは、複合体に存在する別の構成要素、例えば、ガイド部分(例えば、本明細書に開示されるヌクレアーゼおよび/またはガイド核酸)に対して異種であり得る。一部の場合では、異種遺伝子エフェクターは、それらが導入される宿主細胞に対して異種であり得る。
【0108】
異種遺伝子エフェクターは、任意の適切な供給源由来の配列、例えば、ヒトタンパク質、ウイルスタンパク質、または本明細書に開示される他のタンパク質由来のアミノ酸配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、主に核に局在しているタンパク質、例えば、ヒト核プロテオームのメンバー由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、1つまたは複数の天然のアミノ酸残基であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、1つまたは複数の合成アミノ酸残基であり得るまたはそれを含み得る。
【0109】
異種遺伝子エフェクターは、哺乳動物タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、ヒトタンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、ウイルスタンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、ヒト霊長類タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、非ヒト哺乳動物タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、非齧歯類哺乳動物タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、植物タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、ブタタンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、ウサギタンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、イヌタンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、トリタンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、爬虫類タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、細菌タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、古細菌タンパク質由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。
【0110】
異種遺伝子エフェクターは、クロマチン調節因子(CR)由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。クロマチン調節因子としては、種々のクラスのヒストンおよびDNA修飾酵素(例えば、DNMT、HAT、HMTなど)由来の機能的ドメインが挙げられる。
【0111】
異種遺伝子エフェクターは、クロマチン調節因子由来の2つまたはそれよりも多くのドメイン、例えば、ポリペプチド配列のC末端、N末端、または内部に、タンデムにまたは別々に位置するドメインを含み得る。
【0112】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ヘテロクロマチン形成を容易にするものである。ヘテロクロマチン形成を容易にし得るタンパク質の非限定的な例としては、HP1α、HP1β、KAP1、KRAB、SUV39H1、およびG9aが挙げられる。
【0113】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ヒストンをメチル化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、アセチル化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、リン酸化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ADP-リボシル化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、グリコシル化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、SUMO化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ユビキチン化によってモジュレートする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、例えば、ATP加水分解依存性プロセスによってヒストン構造をリモデリングすることによってヒストンをモジュレートする。
【0114】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、標的ポリヌクレオチド、例えば、転写リプレッサー、転写因子、ヒストンなどまたはその付近へのタンパク質の空間的位置づけを容易にする。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、例えば、多様な細胞機能を調節するために、核および/または細胞質におけるゲノムDNAおよびRNA構成要素の時空間的組織化を操作するために有用である。
【0115】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、関連するヒストンアセチルトランスフェラーゼのファミリーに由来する。ヒストンアセチルトランスフェラーゼの非限定的な例としては、GNATサブファミリー、MYSTサブファミリー、p300/CBPサブファミリー、HAT1サブファミリー、GCN5、PCAF、Tip60、MOZ、MORF、MOF、HBO1、p300、CBP、HAT1、ATF-2、SRC1、およびTAFII250が挙げられる。
【0116】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼに由来する。ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼの非限定的な例としては、EZHサブファミリー、非SETサブファミリー、他のSETサブファミリー、PRDMサブファミリー、SET1サブファミリー、SET2サブファミリー、SUV39サブファミリー、SYMDサブファミリー、ASH1L、EHMT1、EHMT2、EZH1、EZH2、MLL、MLL2、MLL3、MLL4、MLL5、NSD1、NSD2、NSD3、PRDM1、PRDM10、PRDM11、PRDM12、PRDM13、PRDM14、PRDM15、PRDM16、PRDM2、PRDM4、PRDM5、PRDM6、PRDM7、PRDM8、PRDM9、SET1、SET1L、SET2L、SETD2、SETD3、SETD4、SETD5、SETD6、SETD7、SETD8、SETDB1、SETDB2、SETMAR、SUV39H1、SUV39H2、SUV420H1、SUV420H2、SYMD1、SYMD2、SYMD3、SYMD4、およびSYMD5が挙げられる。
【0117】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、クロマチンリモデリング複合体の構成要素に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、BAF、例えば、アクチン、ARIDA/B、BAF155、BAF170、BAF45 A/B/C/D、BAF53 A/B、BAF57、BAF60 A/B/C、BRG1/BRM、INI1、またはSS18の構成要素である。
【0118】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、PBAF、例えば、アクチン、ARID2、BAF155、BAF170、BAF180、BAF45 A/B/C/D、BAF53 A/B、BAF57、BAF60 A/B/C、BRD7、BRG1、またはINI1の構成要素に由来する。
【0119】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ISWIファミリークロマチンリモデリング複合体、例えば、ACFサブファミリー、RSFサブファミリー、CERFサブファミリー、CHRACサブファミリー、NURFサブファミリー、NoRCサブファミリー、WICHサブファミリー、b-WICHサブファミリー、ACF1、ATPアーゼ、BPTF、CECR2、CHRAC15、CHRAC17、CSB、DEK、MYBBP1A、NM1、RBAP46/48、RHII/Gua、RSF1、SAP155、SNF2H、SNF2H/L、SNF2L、TIP5、またはWSTFの構成要素に由来する。
【0120】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、CHDファミリー複合体、例えば、NuRD複合体、NuRD様複合体、またはCHD複合体の構成要素に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、CHD1/2/6/7/8/9、CHD3/4、CHD5、GATAD2 A/B、GATAD2 B、HDAC1、HDAC2、HDAC2、MBD2/3、MTA1/2/3、MTA3、またはRBAP46、RBAP46/48に由来する。
【0121】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、INO80ファミリー複合体の構成要素、例えば、INO80複合体、Tip60/p400複合体、SRCAP複合体、AMIDA、ARP6、BAF53、BAF53、BAF53A、BRD8、DMAP1、DMAP1、EPC1/2、FLJ11730、GAS41、GAS41、IES2、IES6、ING3、INO80、INO80E、MCRS1、MRG15、MRGBP、MRGX、NFRKB、p400、RUVBL1/2、RUVBL1/2、RUVBL1/2、SRCAP、Tip60、TRRAP、UCH37、YL-1、YL-1、YY1、またはZnF-HIT1に由来する。
【0122】
異種遺伝子エフェクターは、転写調節因子(TR)由来の配列であり得るまたはそれを含み得る。TR遺伝子エフェクターとしては、種々のファミリーの転写因子(例えば、KRAB、p65、MED、GTFなど)由来の転写調節ドメインが挙げられる。
【0123】
異種遺伝子エフェクターは、転写活性化因子ドメインを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、例えば、ポリペプチド配列のC末端、N末端、または内部に位置する2つまたはそれよりも多くのタンデムな転写活性化ドメインを含み得る。
【0124】
転写活性化ドメインの非限定的な例としては、GAL4、単純ヘルペス活性化ドメインVP16、VP64(単純ヘルペス活性化ドメインVP16の四量体)、NF-KB p65サブユニット、エプスタイン・バーウイルスRトランス活性化因子(Rta)が挙げられる。転写活性化ドメインの例は、Chavez et al., Nat Methods, 2015, 12 (4): 326-328および米国特許出願公開第20140068797号に記載されている。一部の実施形態では、そのような転写活性化ドメインを本開示の方法において対照として使用する。一部の実施形態では、そのような転写活性化ドメインを、少なくとも1つの追加の異種遺伝子エフェクター(例えば、異なるエフェクター)を含む複合体内の1つの異種遺伝子エフェクターとして使用する。
【0125】
異種遺伝子エフェクターは、転写リプレッサードメインを含み得る。異種遺伝子エフェクターは、例えば、ポリペプチド配列のC末端、N末端、または内部にタンデムにまたは別々に位置する2つまたはそれよりも多くの転写リプレッサードメインを含み得る。
【0126】
転写リプレッサードメインの非限定的な例としては、KoxlのKRAB(Kruppel関連ボックス)ドメイン、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、およびERFリプレッサードメイン(ERD)が挙げられる。転写リプレッサードメインの例は、Chavez et al., Nat Methods, 2015, 12 (4): 326-328および米国特許出願公開第20140068797号に記載されている。一部の実施形態では、そのような転写リプレッサードメインを本開示の方法において対照として使用する。一部の実施形態では、そのような転写リプレッサードメインを、少なくとも1つの追加の異種遺伝子エフェクター(例えば、異なるエフェクター)を含む複合体内の1つの異種遺伝子エフェクターとして使用する。
【0127】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、転写因子である遺伝子産物に由来する。
【0128】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、造血幹細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。造血幹細胞転写因子の非限定的な例としては、AHR、Aiolos/IKZF3、CDX4、CREB、DNMT3A、DNMT3B、EGR1、FoxO3、GATA-1、GATA-2、GATA-3、Helios、HES-1、HHEX、HIF-1アルファ/HIF1A、HMGB1/HMG-1、HMGB3、Ikaros、c-Jun、LMO2、LMO4、c-Maf、MafB、MEF2C、MYB、c-Myc、NFATC2、NFIL3/E4BP4、Nrf2、p53、PITX2、PRDM16/MEL1、Prox1、PU.1/Spi-1、RUNX1/CBFA2、SALL4、SCL/Tal1、Smad2、Smad2/3、Smad4、Smad7、Spi-B、STAT活性化因子、STAT阻害剤、STAT3、STAT4、STAT5a、STAT6、およびTSC22が挙げられる。
【0129】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、間葉系幹細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。間葉系幹細胞転写因子の非限定的な例としては、DUX4、DUX4/DUX4c、DUX4c、EBF-1、EBF-2、EBF-3、ETV5、FoxC2、FoxF1、GATA-4、GATA-6、HMGA2、c-Jun、MYF-5、ミオカルディン(Myocardin)、MyoD、ミオゲニン(Myogenin)、NFATC2、p53、Pax3、PDX-1/IPF1、PLZF、PRDM16/MEL1、RUNX2/CBFA1、Smad1、Smad3、Smad4、Smad5、Smad8、Smad9、Snail、SOX2、SOX9、SOX11、STAT活性化因子、STAT阻害剤、STAT1、STAT3、TBX18、Twist-1、およびTwist-2が挙げられる。
【0130】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、胚性幹細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。胚性幹細胞転写因子の非限定的な例としては、ブラキウリ(Brachyury)、EOMES、FoxC2、FoxD3、FoxF1、FoxH1、FoxO1/FKHR、GATA-2、GATA-3、GBX2、グースコイド(Goosecoid)、HES-1、HNF-3アルファ/FoxA1、c-Jun、KLF2、KLF4、KLF5、c-Maf、Max、MEF2C、MIXL1、MTF2、c-Myc、Nanog、NFkB/IkB活性化因子、NFkB/IkB阻害剤、NFkB1、NFkB2、Oct-3/4、Otx2、p53、Pax2、Pax6、PRDM14、Rex-1/ZFP42、SALL1、SALL4、Smad1、Smad2、Smad2/3、Smad3、Smad4、Smad5、Smad8、Snail、SOX2、SOX7、SOX15、SOX17、STAT活性化因子、STAT阻害剤、STAT3、SUZ12、TBX6、TCF-3/E2A、THAP11、UTF1、WDR5、WT1、ZNF206、およびZNF281が挙げられる。
【0131】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、人工多能性幹細胞(iPSC)転写因子である遺伝子産物に由来する。iPSC転写因子の非限定的な例としては、KLF2、KLF4、c-Maf、c-Myc、Nanog、Oct-3/4、p53、SOX1、SOX2、SOX3、SOX15、SOX18、およびTBX18が挙げられる。
【0132】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、上皮幹細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。上皮幹細胞転写因子の非限定的な例としては、ASCL2/Mash2、CDX2、DNMT1、ELF3、Ets-1、FoxM1、FoxN1、GATA-6、Hairless、HNF-4アルファ/NR2A1、IRF6、c-Maf、MITF、Miz-1/ZBTB17、MSX1、MSX2、MYB、c-Myc、ニューロゲニン(Neurogenin)-3、NFATC1、NKX3.1、Nrf2、p53、p63/TP73L、Pax2、Pax3、RUNX1/CBFA2、RUNX2/CBFA1、RUNX3/CBFA3、Smad1、Smad2、Smad2/3、Smad4、Smad5、Smad7、Smad8、Snail、SOX2、SOX9、STAT活性化因子、STAT阻害剤、STAT3、SUZ12、TCF-3/E2A、およびTCF7/TCF1が挙げられる。
【0133】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、がん幹細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。がん幹細胞転写因子の非限定的な例としては、アンドロゲン(Androgen)R/NR3C4、AP-2ガンマ、ベータカテニン、ベータカテニン阻害剤、ブラキウリ(Brachyury)、CREB、ERアルファ/NR3A1、ERベータ/NR3A2、FoxM1、FoxO3、FRA-1、GLI-1、GLI-2、GLI-3、HIF-1アルファ/HIF1A、HIF-2アルファ/EPAS1、HMGA1B、c-Jun、JunB、KLF4、c-Maf、MCM2、MCM7、MITF、c-Myc、Nanog、NFkB/IkB活性化因子、NFkB/IkB阻害剤、NFkB1、NKX3.1、Oct-3/4、p53、PRDM14、Snail、SOX2、SOX9、STAT活性化因子、STAT阻害剤、STAT3、TAZ/WWTR1、TBX3、Twist-1、Twist-2、WT1、およびZEB1が挙げられる。
【0134】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、がん関連転写因子である遺伝子産物に由来する。がん関連転写因子の非限定的な例としては、ASCL1/Mash1、ASCL2/Mash2、ATF1、ATF2、ATF4、BLIMP1/PRDM1、CDX2、CDX4、DLX5、DNMT1、E2F-1、EGR1、ELF3、Ets-1、FosB/G0S3、FoxC1、FoxC2、FoxF1、GADD153、GATA-2、HMGA2、HMGB1/HMG-1、HNF-3アルファ/FoxA1、HNF-6/ONECUT1、HSF1、ID1、ID2、JunD、KLF10、KLF12、KLF17、LMO2、MEF2C、MYCL1/L-Myc、NFkB2、Oct-1、p63/TP73L、Pax3、PITX2、Prox1、RAP80、Rex-1/ZFP42、RUNX1/CBFA2、RUNX3/CBFA3、SALL4、SCL/Tal1、Sirtuin 2/SIRT2、Smad3、Smad4、Smad5、SOX11、STAT5a/b、STAT5a、STAT5b、TCF7/TCF1、TORC1、TORC2、TRIM32、TRPS1、およびTSC22が挙げられる。
【0135】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、免疫細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。免疫細胞転写因子の非限定的な例としては、AP-1、Bcl6、E2A、EBF、Eomes、FoxP3、GATA3、Id2、Ikaros、IRF、IRF1、IRF2、IRF3、IRF3、IRF7、NFAT、NFkB、Pax5、PLZF、PU.1、RORガンマT、STAT、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5、STAT5A、STAT5B、STAT6、T-bet、TCF7、およびThPOKが挙げられる。
【0136】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、RNAポリメラーゼ関連タンパク質である遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、塩基性ドメインを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、亜鉛配位DNA結合性ドメインを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ヘリックスターンヘリックスドメインを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、アルファヘリックスDNA結合性ドメインを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ベータ構造によって露出したアルファヘリックスを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、免疫グロブリンフォールドを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、アルファ/ベータ足場によって露出したベータヘアピンを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、DNAに結合するベータシートを有する転写因子に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ベータバレルDNA結合性ドメインを有する転写因子に由来する。
【0137】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、核受容体、例えば核ホルモン受容体である遺伝子産物に由来する。核ホルモン受容体の非限定的な例としては、NR0B1、NR0B2、NR1A1、NR1A2、NR1B1、NR1B2、NR1B3、NR1C1、NR1C2、NR1C3、NR1D1、NR1D2、NR1F1、NR1F2、NR1F3、NR1H4、NR1H5、NR1H3、NR1H2、NR1I1、NR1I2、NR1I3、NR2A1、NR2A2、NR2B1、NR2B2、NR2B3、NR2C1、NR2C2、NR2E1、NR2E3、NR2F1、NR2F2、NR2F6、NR3A1、NR3A2、NR3B1、NR3B2、NR3B3、NR3C4、NR3C1、NR3C2、NR3C3、NR4A1、NR4A2、NR4A3、NR5A1、NR5A2、およびNR6A1によってコードされるものが挙げられる。
【0138】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ヌクレオソームアセンブリに関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、DNA代謝に関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、ヌクレオチド代謝に関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、リボソーム生合成に関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、タンパク質フォールディングに関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、翻訳に関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、シグナル伝達に関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、タンパク質分解に関与する遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、エンドペプチダーゼ活性の負の調節に関与する遺伝子産物に由来する。
【0139】
一部の実施形態では、候補異種遺伝子エフェクターの一覧を、活性化するものであるか抑制するものであるか、標的細胞経路、進化的な配列の制約、DNA/RNA/その両方との結合性、タンパク質フォールディングパターン、宿主/細胞トロピズム、直接的/間接的活性、結合の柔軟な許容性、核/細胞質での作用、および他の基準などの因子によって層別化することができる。一部の実施形態では、そのような層別化により、広範囲の潜在的な分子機能を包含する本開示のスクリーンライブラリーを設計することが可能になり、それにより、本明細書に開示される目的に適した異種遺伝子エフェクターが発見される可能性が増大する。
【0140】
一部の実施形態では、例えば、in silicoで、予測的フィルタリング技法を候補異種遺伝子エフェクター配列に適用する。予測的フィルタリング技法には、例えば、酵母における実験によるコア活性化因子ドメイン(例えば、13bpに至るまで)に適切な生物物理学的特性の同定;酸性のかさのある疎水性のアルファヘリックス、および/または負電荷の存在;効果の持続時間に影響を及ぼす可能性があるモチーフリピートの存在;ならびにPADDLE様畳み込みニューラルネットワーク/トランスフォーマアルゴリズムまたは同様の予測技法が含まれ得る。
【0141】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、宿主対象に対して外因性である標的遺伝子、例えば、病原体標的遺伝子または治療介入の結果として発現される外因性遺伝子の発現を調節することができる。
【0142】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くに対して、例えば全長にわたって、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約95.5%、少なくとも約96%、少なくとも約96.5%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.99%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0143】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くに対して、例えば、全長にわたって、最大で約70%、最大で約71%、最大で約72%、最大で約73%、最大で約74%、最大で約75%、最大で約76%、最大で約77%、最大で約78%、最大で約79%、最大で約80%、最大で約81%、最大で約82%、最大で約83%、最大で約84%、最大で約85%、最大で約86%、最大で約87%、最大で約88%、最大で約89%、最大で約90%、最大で約91%、最大で約92%、最大で約93%、最大で約94%、最大で約95%、最大で約95.5%、最大で約96%、最大で約96.5%、最大で約97%、最大で約97.5%、最大で約98%、最大で約98.5%、最大で約99%、最大で約99.1%、最大で約99.1%、最大で約99.3%、最大で約99.4%、最大で約99.5%、最大で約99.6%、最大で約99.7%、最大で約99.8%、最大で約99.9%、最大で約99.95%、最大で約99.99%、または最大で約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0144】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くに対して、例えば、全長にわたって、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約95.5%、約96%、約96.5%、約97%、約97.5%、約98%、約98.5%、約99%、約99.1%、約99.1%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、約99.9%、約99.95%、約99.99%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0145】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比較して1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するペプチド配列を含む。
【0146】
例えば、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて少なくとも1アミノ酸、少なくとも2アミノ酸、少なくとも3アミノ酸、少なくとも4アミノ酸、少なくとも5アミノ酸、少なくとも6アミノ酸、少なくとも7アミノ酸、少なくとも8アミノ酸、少なくとも9アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも11アミノ酸、少なくとも12アミノ酸、少なくとも13アミノ酸、少なくとも14アミノ酸、少なくとも15アミノ酸、少なくとも16アミノ酸、少なくとも17アミノ酸、少なくとも18アミノ酸、少なくとも19アミノ酸、少なくとも20アミノ酸、少なくとも25アミノ酸、少なくとも30アミノ酸、少なくとも35アミノ酸、少なくとも40アミノ酸、少なくとも45アミノ酸、または少なくとも50アミノ酸の挿入を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0147】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて最大で1アミノ酸、最大で2アミノ酸、最大で3アミノ酸、最大で4アミノ酸、最大で5アミノ酸、最大で6アミノ酸、最大で7アミノ酸、最大で8アミノ酸、最大で9アミノ酸、最大で10アミノ酸、最大で11アミノ酸、最大で12アミノ酸、最大で13アミノ酸、最大で14アミノ酸、最大で15アミノ酸、最大で16アミノ酸、最大で17アミノ酸、最大で18アミノ酸、最大で19アミノ酸、最大で20アミノ酸、最大で25アミノ酸、最大で30アミノ酸、最大で35アミノ酸、最大で40アミノ酸、最大で45アミノ酸、または最大で50アミノ酸の挿入を有するアミノ酸配列を含む。
【0148】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸の挿入を有するアミノ酸配列を含む。
【0149】
1つまたは複数の挿入は、アミノ酸配列のN末端、C末端、内部、またはこれらの組合せにおけるものであり得る。1つまたは複数の挿入は、連続したもの、連続していないもの、またはこれらの組合せであり得る。
【0150】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50アミノ酸の欠失を有するアミノ酸配列を含む。
【0151】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて最大で1、最大で2、最大で3、最大で4、最大で5、最大で6、最大で7、最大で8、最大で9、最大で10、最大で11、最大で12、最大で13、最大で14、最大で15、最大で16、最大で17、最大で18、最大で19、最大で20、最大で25、最大で30、最大で35、最大で40、最大で45、または最大で50アミノ酸の欠失を有するアミノ酸配列を含む。
【0152】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸の欠失を有するアミノ酸配列を含む。
【0153】
1つまたは複数の欠失はアミノ酸配列のN末端、C末端、内部、またはこれらの組合せにおけるものであり得る。1つまたは複数の欠失は、連続したもの、連続していないもの、またはこれらの組合せであり得る。
【0154】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50アミノ酸の置換を有するアミノ酸配列を含む。
【0155】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて最大で1、最大で2、最大で3、最大で4、最大で5、最大で6、最大で7、最大で8、最大で9、最大で10、最大で11、最大で12、最大で13、最大で14、最大で15、最大で16、最大で17、最大で18、最大で19、最大で20、最大で25、最大で30、最大で35、最大で40、最大で45、または最大で50アミノ酸の置換を有するアミノ酸配列を含む。
【0156】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される任意のアミノ酸配列、例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸の置換を有するアミノ酸配列を含む。
【0157】
1つまたは複数の置換はアミノ酸配列のN末端、C末端、内部、またはこれらの組合せにおけるものであり得る。1つまたは複数の置換は、連続したもの、連続していないもの、またはこれらの組合せであり得る。1つまたは複数の置換は、N末端メチオニンの、異なる残基、例えばロイシンによる置換を含み得る。
【0158】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、N末端メチオニンを含有しない。一部の実施形態では、配列番号16~16154、16~13605、16155~47350、16155~43953、47351~49333、または16~49333のうちのいずれか1つにおいて見いだされるN末端メチオニンは欠失しているか、存在しないか、または異なる残基によって置換されている。例えば、配列番号49353~50052は、N末端メチオニンがN末端ロイシンによって置換された配列の実例を提示する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、N末端メチオニンを含む。
【0159】
1つまたは複数の置換は、保存的置換、非保存的置換、またはこれらの組合せであり得る。保存的アミノ酸置換は、1アミノ酸の、生化学的特性(例えば、電荷、サイズ、および/または疎水性)が同様の別のアミノ酸による置換であり得る。非保存的アミノ酸置換は、1アミノ酸の、生化学的特性(例えば、電荷、サイズ、および/または疎水性)が異なる別のアミノ酸による置換であり得る。保存的アミノ酸の変化は、例えば、ポリペプチドの二次構造または三次構造に対する影響が最小限の置換であり得る。
【0160】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23631、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つと少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0161】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号1102と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0162】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号2057と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0163】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号5543と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0164】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号9066と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0165】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号11948と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0166】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号15646と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0167】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号17629と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0168】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号19860と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0169】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号21015と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0170】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号21166と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0171】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号22149と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0172】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号22707と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0173】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号23631と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0174】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号23639と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0175】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号25430と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0176】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号25555と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0177】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号32678と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0178】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号33890と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0179】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号34047と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0180】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号35737と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0181】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号38138と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0182】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号38780と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0183】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号40913と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0184】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号40985と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0185】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号40986と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0186】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号42623と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0187】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16、17、23、26、35、66、67、71、74、126、148、159、160、166、171、172、174、176、178、185、188、189、210、225、237、240、245、253、259、298、302、308、316、334、335、360、362、375、377、394、398、415、426、460、476、480、486、515、527、539、548、565、571、604、630、643、676、720、734、746、774、797、812、833、835、841、852、871、874、879、881、927、934、947、952、967、986、993、1009、1033、1042、1044、1054、1075、1076、1077、1079、1084、1094、1102、1111、1113、1120、1129、1131、1149、1156、1161、1186、1190、1225、1253、1258、1261、1262、1265、1289、1295、1299、1303、1308、1311、1313、1315、1328、1350、1355、1368、1374、1375、1380、1388、1395、1400、1406、1424、1427、1430、1437、1440、1493、1498、1502、1510、1511、1519、1522、1581、1591、1597、1615、1630、1644、1662、1675、1714、1718、1720、1730、1735、1745、1778、1785、1791、1803、1812、1820、1828、1835、1869、1870、1888、1889、1908、1911、1912、1940、1980、1981、2011、2046、2057、2086、2109、2119、2192、2204、2233、2247、2257、2276、2285、2296、2304、2309、2316、2335、2338、2339、2347、2352、2378、2382、2394、2397、2429、2493、2507、2519、2534、2557、2572、2595、2642、2650、2681、2707、2725、2767、2768、2804、2807、2825、2837、2865、2878、2888、2889、2899、2966、2980、3069、3073、3078、3081、3093、3116、3130、3175、3191、3217、3222、3225、3244、3254、3255、3256、3261、3287、3292、3299、3309、3330、3353、3361、3363、3379、3383、3389、3392、3402、3407、3416、3424、3425、3444、3445、3457、3462、3486、3508、3528、3531、3535、3541、3550、3561、3563、3572、3586、3590、3597、3608、3630、3714、3718、3723、3726、3730、3735、3764、3771、3786、3803、3804、3851、3869、3873、3907、3911、3914、3918、3926、3946、3965、4010、4016、4025、4032、4047、4063、4065、4072、4082、4131、4143、4150、4161、4201、4225、4231、4239、4261、4274、4284、4289、4295、4298、4325、4327、4346、4358、4362、4368、4444、4459、4516、4547、4549、4562、4571、4598、4610、4618、4640、4653、4669、4684、4706、4721、4751、4753、4763、4770、4776、4807、4812、4820、4826、4852、4857、4867、4880、4886、4892、4899、4958、4961、4972、4991、4998、5002、5005、5006、5009、5025、5027、5028、5038、5045、5055、5062、5081、5093、5095、5129、5169、5172、5189、5211、5219、5245、5250、5272、5273、5274、5285、5294、5306、5307、5351、5359、5395、5402、5405、5412、5444、5448、5497、5502、5524、5543、5559、5570、5577、5604、5612、5646、5649、5655、5667、5697、5699、5724、5734、5735、5743、5747、5758、5764、5782、5783、5849、5856、5858、5875、5898、5901、5913、5921、5928、5954、5959、5963、5969、5980、5985、5998、6003、6021、6033、6036、6050、6052、6073、6075、6102、6107、6121、6134、6158、6173、6179、6182、6198、6205、6236、6272、6276、6298、6310、6332、6335、6356、6384、6386、6389、6414、6431、6446、6447、6470、6502、6508、6522、6533、6545、6558、6580、6588、6604、6608、6610、6628、6632、6648、6651、6652、6659、6673、6681、6682、6698、6699、6752、6757、6761、6795、6813、6818、6819、6828、6838、6842、6848、6868、6873、6874、6882、6893、6895、6900、6902、6903、6928、6931、6941、6952、6953、6955、6984、7027、7029、7030、7034、7070、7076、7106、7115、7128、7140、7143、7166、7171、7187、7226、7259、7279、7281、7286、7291、7296、7304、7320、7325、7336、7375、7391、7405、7414、7432、7433、7443、7462、7489、7500、7501、7508、7520、7551、7570、7576、7590、7596、7608、7611、7613、7621、7625、7637、7643、7651、7661、7696、7701、7703、7705、7711、7717、7722、7728、7736、7770、7781、7803、7807、7809、7831、7833、7834、7856、7888、7890、7894、7926、7927、7943、7949、7965、7984、8010、8018、8027、8028、8041、8068、8089、8097、8102、8105、8111、8129、8149、8186、8189、8219、8223、8227、8236、8243、8249、8255、8256、8258、8259、8272、8278、8280、8283、8297、8301、8308、8314、8324、8328、8347、8357、8363、8371、8386、8394、8408、8420、8421、8429、8432、8436、8437、8439、8468、8485、8488、8489、8505、8538、8551、8563、8564、8574、8579、8628、8629、8631、8634、8636、8637、8641、8670、8692、8699、8729、8730、8752、8779、8805、8841、8854、8865、8886、8893、8931、8933、8973、8981、8985、8998、9000、9003、9017、9021、9024、9026、9027、9040、9050、9053、9055、9066、9069、9072、9078、9094、9095、9100、9110、9119、9130、9152、9153、9189、9194、9222、9223、9225、9231、9262、9264、9267、9273、9283、9297、9304、9307、9314、9320、9324、9328、9338、9380、9386、9397、9403、9413、9442、9472、9516、9528、9534、9542、9552、9568、9602、9611、9626、9632、9648、9649、9663、9667、9669、9670、9672、9673、9675、9678、9682、9700、9741、9750、9761、9771、9829、9845、9853、9854、9879、9880、9891、9893、9894、9899、9901、9903、9922、9933、9937、9940、9943、9948、9962、9965、9971、9988、9990、10007、10014、10016、10025、10040、10058、10069、10072、10095、10097、10113、10123、10160、10230、10234、10235、10236、10238、10250、10252、10279、10289、10292、10309、10313、10314、10315、10316、10329、10348、10357、10364、10383、10394、10405、10407、10414、10420、10421、10423、10427、10428、10436、10437、10439、10446、10451、10459、10463、10466、10489、10490、10491、10512、10516、10555、10566、10570、10584、10587、10588、10607、10615、10624、10637、10648、10663、10701、10732、10759、10778、10788、10796、10813、10853、10865、10878、10919、10943、10945、10950、10955、10957、10969、10984、10991、10998、10999、11018、11019、11027、11035、11036、11042、11045、11079、11090、11095、11106、11129、11187、11207、11218、11223、11233、11260、11265、11272、11290、11297、11306、11326、11374、11386、11396、11411、11432、11437、11455、11459、11471、11481、11485、11486、11506、11511、11550、11555、11557、11577、11601、11621、11642、11652、11670、11673、11705、11709、11712、11713、11715、11716、11723、11730、11737、11741、11749、11750、11778、11784、11785、11794、11797、11799、11804、11810、11835、11888、11893、11895、11904、11931、11932、11948、11969、11982、11985、12020、12024、12029、12055、12061、12066、12067、12069、12072、12096、12114、12121、12132、12161、12183、12187、12191、12199、12227、12254、12266、12344、12345、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58、31059、31060、31112、31131、31153、31160、31211、31213、31234、31240、31253、31257、31316、31339、31347、31372、31413、31430、31484、31488、31527、31550、31583、31608、31623、31628、31641、31654、31663、31697、31701、31703、31721、31750、31755、31784、31786、31797、31832、31846、31878、31889、31954、31969、31975、31993、32009、32014、32034、32055、32057、32076、32077、32127、32133、32205、32236、32293、32301、32360、32365、32379、32386、32419、32453、32454、32455、32464、32466、32489、32514、32520、32534、32538、32542、32573、32592、32634、32642、32653、32659、32678、32679、32725、32758、32767、32771、32788、32816、32829、32851、32874、32875、32881、32883、32885、32887、32891、32892、32900、32905、32912、32913、32922、32932、32940、32961、33008、33021、33048、33059、33108、33110、33115、33151、33166、33207、33210、33220、33223、33230、33261、33314、33326、33349、33351、33359、33365、33368、33379、33391、33423、33438、33473、33497、33527、33538、33555、33576、33582、33607、33613、33619、33625、33630、33641、33670、33671、33689、33696、33730、33733、33777、33799、33830、33869、33882、33886、33890、33915、33974、34043、34047、34048、34059、34074、34079、34134、34149、34163、34182、34234、34244、34260、34291、34365、34373、34384、34415、34421、34423、34445、34452、34462、34481、34483、34487、34501、34507、34509、34524、34560、34563、34584、34642、34660、34672、34685、34689、34723、34754、34755、34778、34794、34801、34816、34818、34819、34824、34826、34856、34883、34886、34888、34902、34933、34945、34949、35017、35106、35138、35158、35183、35216、35226、35274、35275、35293、35297、35329、35368、35371、35382、35440、35470、35503、35517、35530、35543、35557、35571、35597、35605、35617、35654、35676、35730、35737、35755、35762、35763、35781、35787、35833、35863、35871、35907、35928、35953、35973、36062、36067、36071、36122、36159、36160、36165、36179、36180、36190、36238、36241、36270、36271、36275、36276、36312、36329、36388、36450、36453、36460、36464、36480、36512、36513、36525、36541、36547、36550、36566、36593、36602、36652、36656、36716、36754、36760、36763、36777、36790、36792、36793、36808、36813、36818、36839、36862、36887、36900、36977、36987、37000、37014、37039、37041、37067、37076、37101、37114、37116、37125、37175、37195、37197、37199、37200、37203、37204、37320、37321、37324、37379、37394、37397、37422、37426、37436、37456、37481、37485、37486、37495、37540、37560、37564、37584、37593、37595、37617、37619、37663、37687、37734、37736、37738、37739、37749、37782、37783、37792、37832、37839、37841、37856、37871、37876、37900、37931、37932、37946、37971、38002、38014、38025、38059、38064、38080、38099、38100、38102、38103、38110、38116、38131、38134、38135、38138、38146、38147、38167、38170、38214、38220、38250、38255、38264、38291、38303、38308、38325、38331、38347、38352、38368、38382、38397、38399、38448、38456、38457、38504、38515、38520、38524、38536、38540、38560、38567、38601、38610、38632、38637、38641、38687、38690、38704、38765、38780、38789、38803、38847、38850、38853、38855、38860、38879、38882、38896、38905、38937、39020、39049、39109、39110、39117、39132、39137、39161、39165、39166、39171、39180、39231、39239、39243、39249、39266、39298、39329、39332、39385、39389、39409、39413、39419、39435、39457、39463、39511、39512、39525、39527、39551、39559、39576、39606、39646、39670、39675、39695、39702、39772、39783、39785、39802、39804、39818、39875、39879、39890、39891、39924、39997、40000、40027、40033、40048、40067、40119、40132、40170、40226、40261、40268、40284、40292、40314、40321、40324、40338、40341、40345、40357、40385、40395、40411、40462、40476、40477、40479、40486、40489、40511、40524、40531、40561、40562、40577、40614、40632、40648、40651、40661、40673、40677、40680、40686、40690、40691、40704、40710、40711、40733、40747、40763、40764、40788、40830、40900、40909、40913、40918、40925、40932、40935、40966、40970、40973、40985、40986、41006、41008、41032、41040、41041、41061、41069、41081、41119、41173、41175、41176、41179、41180、41227、41230、41234、41272、41299、41314、41318、41382、41385、41417、41424、41435、41481、41513、41522、41524、41536、41567、41578、41654、41701、41702、41707、41709、41752、41762、41765、41768、41771、41781、41795、41804、41805、41824、41876、41900、41902、41922、41926、41968、42008、42021、42081、42103、42115、42139、42147、42174、42185、42186、42262、42270、42277、42279、42299、42301、42302、42303、42310、42327、42339、42343、42348、42350、42354、42373、42406、42450、42462、42472、42486、42507、42540、42571、42581、42582、42587、42592、42623、42656、42667、42673、42689、42718、42723、42772、42781、42800、42805、42835、42838、42872、42963、42964、42966、42977、43010、43039、43040、43043、43053、43080、43122、43126、43148、43156、43224、43228、43236、43237、43260、43292、43314、43394、43434、43446、43451、43465、43477、43481、43492、43523、43531、43571、43612、43615、43640、43656、43725、43737、43751、43769、43803、43810、43819、43881、43885、43902、43903、43911、43941、43946、43952、49354、49374、49390、49498、49518、49520、49532、49547、49559、49588、49594、49595、49606、49619、49622、49625、49646、49649、49662、49675、49680、49687、49691、49695、49712、49720、49728、49737、49738、49747、49760、49772、49779、49780、49788、49832、49850、49874、49894、49904、49955、49969、49971、および49974のうちのいずれか1つと少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0188】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、最大で約500、最大で約450、最大で約400、最大で約350、最大で約300、最大で約250、最大で約200、最大で約190、最大で約180、最大で約170、最大で約160、最大で約150、最大で約140、最大で約130、最大で約120、最大で約110、最大で約100、最大で約90、最大で約85、最大で約80、最大で約75、最大で約70、最大で約65、最大で約60、最大で約55、最大で約50、最大で約45、最大で約40、最大で約35、最大で約30、最大で約25、または最大で約20アミノ酸の長さのアミノ酸配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0189】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、または少なくとも約85アミノ酸の長さのアミノ酸配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0190】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、約20~500、約20~400、約20~300、約20~250、約20~200、約20~150、約20~125、約20~100、約20~75、約20~50、50~500、約50~400、約50~300、約50~250、約50~200、約50~150、約50~125、約50~100、約50~75、約80~500、約80~400、約80~300、約80~250、約80~200、約80~150、約80~125、約80~100、または約80~90アミノ酸の長さのアミノ酸配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、約85アミノ酸の長さのアミノ酸配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0191】
2つの配列間の配列同一性の程度は、例えば、この目的のために一般に使用されるコンピュータプログラム、例えば、グローバルまたはローカルアラインメントアルゴリズムを使用して2つの配列を比較することによって決定することができる。非限定的な例として、BLASTp、BLASTn、Clustal W、MAFFT、Clustal Omega、AlignMe、Praline、GAP、BESTFIT、または別の適切な方法またはアルゴリズムが挙げられる。NeedlemanおよびWunschグローバルアラインメントアルゴリズムを使用して、2つの配列をそれらの全長にわたって、マッチの数を最大にし、ギャップの数を最小限にしながらアラインメントすることができる。デフォルト設定を使用することができる。
【0192】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、本明細書に開示される2つまたはそれよりも多くの配列、例えば、配列番号16~49333および49353~50052のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、2またはそれよりも多く、3またはそれよりも多く、4またはそれよりも多く、5またはそれよりも多く、6またはそれよりも多く、7またはそれよりも多く、8またはそれよりも多く、9またはそれよりも多く、または10またはそれよりも多くを含む。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの配列は、同じDNA配列を起源とするまたは同じDNA配列によってコードされ、例えば、同じ供給源遺伝子またはゲノム由来の隣接する一続きのヌクレオチド、例えば、推定または予測される終止コドンの前後のヌクレオチドによってコードされる。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの配列は、異なるDNA配列、例えば異なる遺伝子を起源とする、または異なるDNA配列、例えば異なる遺伝子によってコードされる。
【0193】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、以前に同定されているクロマチン調節因子由来の配列ではない、またはそれを含有しない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、以前に遺伝子の発現を調節するために本明細書に開示されるガイド部分を使用して標的化されているクロマチン調節因子由来の配列ではない、またはそれを含有しない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、P300、TET1、TET2、TET3、および/もしくはHSF1ではない、またはP300、TET1、TET2、TET3、および/もしくはHSF1由来の配列を含有しない。
【0194】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、以前に同定されている転写活性化因子由来の配列ではない、またはそれを含有しない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、以前に遺伝子の発現を調節するために本明細書に開示されるガイド部分を使用して標的化されている転写活性化因子由来の配列ではない、またはそれを含有しない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)由来の配列ではない、またはそれを含有しない。
【0195】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、以前に同定されている転写リプレッサー由来の配列ではない、またはそれを含有しない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、以前に遺伝子の発現を調節するために本明細書に開示されるガイド部分を使用して標的化されている転写リプレッサー由来の配列ではない、またはそれを含有しない。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3A由来の配列ではない、またはそれを含有しない。
【0196】
異種遺伝子エフェクターは、文献およびデータベースという供給源から引き出すことができ、多様なタンパク質ファミリーが含まれるように標的化することができる。
ウイルス異種遺伝子エフェクター
【0197】
本明細書において、一部の実施形態では、ウイルス性供給源由来の異種遺伝子エフェクター、例えばウイルス遺伝子エフェクターを利用する組成物および方法が開示される。
【0198】
ヒトに感染するウイルスは数百種存在する。遺伝子エフェクタードメインをウイルスゲノムにコードさせて、宿主および/またはウイルス遺伝子の発現をモジュレートすることができる。20種のウイルスの科由来のウイルス転写調節因子のセンサスにより、419種の転写調節因子が同定され、そのうち171種がDNA結合性であった(Liu, Xing, et al. "Human virus transcriptional transcriptionalregulators." Cell 182.1 (2020): 24-37)。さらに、存在すると推定された膨大な数のウイルス粒子が、その大多数は特徴付けられていないが、本開示の組成物および方法に組み入れた場合に有用であり得る異種遺伝子エフェクターを有する可能性がある。例えば、そのようなウイルス性供給源由来のウイルス異種遺伝子エフェクターは、新規エフェクター活性、ゲノム組織化制御、および/または核酸パッケージング機能を含む可能性がある。ヒトトロピズムを欠くウイルスでも、それにもかかわらず、本開示の組成物および方法に使用した場合(例えば、本明細書に開示される工学的に作製された複合体に使用した場合)に望ましい活性がもたらされる可能性がある。疫学研究により、コウモリなどの重要なウイルス保有宿主における恵まれた進化プロセスで出現する、ヒトトロピック活性が検証された人畜共通感染ウイルス種が同定されており、ヒトトロピズムを欠くウイルスにも遺伝子エフェクター活性が存在する可能性があるという観念が裏付けられる。したがって、一部の実施形態では、本開示は、メタゲノム調査によって収集された配列データを包含する。
【0199】
ウイルス異種遺伝子エフェクターの転写調節活性は、例えば、クロマチンリモデリング、RNAポリメラーゼ動員(例えば、RNA Pol II)、転写模倣、転写延長、DNA複製、ウイルス転写、核酸輸送、またはこれらの組合せを含み得るまたはそれに影響を及ぼし得る。ウイルス異種遺伝子エフェクターの転写調節活性は、例えば、核酸への直接的な結合(例えば、E2、ICP4、Zta、IRF)、核酸への間接的な結合(例えば、EBNA2、E1A)、転写機構またはその構成要素の調節(例えば、Tat、E1A、IE2)、クロマチンの修飾(例えば、E1A、Hbx、Tat)、またはこれらの組合せに関与し得る。
【0200】
ヒト転写調節因子と比較して、ウイルス転写調節因子では、DNA結合性ドメインの配列保存がわずかしか示されず、より高い変異率が示され、また、不十分にしか構造的に定義されない(<12%)可能性がある。別個のウイルス転写調節因子の定義には種オルソログ相同性に関する信頼性が必要になり得、DNAモチーフに関する知見が限られていることは、標的に結合するウイルス転写調節因子の定義に実験データ(ChIP、EMSA、DNA分解酵素フットプリンティングなど)が必要であることを意味し得る。
【0201】
一部の実施形態では、候補ウイルス異種遺伝子エフェクターの一覧は、活性化するものであるか抑制するものであるか、標的細胞経路、進化的な配列の制約、DNA/RNA/その両方との結合性、タンパク質フォールディングパターン、宿主/細胞トロピズム、直接的/間接的活性、結合の柔軟な許容性、核/細胞質での作用、および他の基準などの因子によって層別化することができる。一部の実施形態では、そのような層別化により、広範囲の潜在的な分子機能を包含する本開示のスクリーンライブラリーを設計することが可能になり、それにより、新規エフェクターが発見される可能性が増大する。
【0202】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、検証されたヒトウイルス転写調節因子に由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。そのような転写調節因子は、例えば、ChIP/ChIP-seq、EMSA、SELEX、レポーターアッセイ、結合アッセイ、または結晶構造によって検証され得る。検証されたヒトウイルス転写調節因子を有し得るウイルスの科の非限定的な例としては、Adenoviridae、Arenaviridae、Bornaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Hepadnaviridae、Herpesviridae、Orthomyxoviridae、Papillomaviridae、Paramyxoviridae、Parvoviridae、Peribunyaviridae、Phenuiviridae、Pneumoviridae、Polyomaviridae、Poxviridae、Retroviridae、およびRhabdoviridaeが挙げられる。
【0203】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、ヒトに人畜共通感染することが可能であることが示されているウイルスまたはウイルスの科に由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。ウイルスは、例えば、哺乳動物、鳥類、ブタ、非ヒト霊長類、齧歯類、有蹄動物、爬虫類、または両生類に感染することが可能であり得る。ヒトに人畜共通感染することが可能であることが示されているウイルスの科の非限定的な例としては、Flaviviridae、Lyssaviridae、Filoviridae、Paramyxoviridae、Orthomyxoviridae、Coronaviridae、Reoviridae、Togaviridae、Phenuviridae、Hantaviridae、Bunyaviridae、およびRhabdoviridaeが挙げられる。
【0204】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、ヒトおよびコウモリに感染し得るウイルスまたはウイルスの科に由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。一部の実施形態では、ヒトおよびコウモリに感染し得るウイルスまたはウイルスの科に由来する候補異種遺伝子エフェクターの配列データは、dBatVirなどのデータベースから得られる。ヒトおよびコウモリに感染し得るウイルスの科の非限定的な例としては、Flaviviridae、Lyssaviridae、Filoviridae、Paramyxoviridae、Orthomyxoviridae、Coronaviridae、Reoviridae、Togaviridae、Phenuviridae、Hantaviridae、Bunyaviridae、およびRhabdoviridaeが挙げられる。
【0205】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、メタゲノムウイルス配列に由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。ウイルスメタゲノムデータの供給源の非限定的な例としては、ヒト腸内ビローム、極限環境(例えば、例えば古細菌トロピックウイルス(例えば、Sulfolobus)、海洋、熱水噴出孔を含めた、最適なエフェクター品質が富化され得る高温および/または高酸生態系、非ヒト種に感染するウイルスおよび/またはヒトへの人畜共通感染を示すウイルスの科由来のウイルス、ならびに公共データベースからの構造データ(例えば、X線、NMR)を利用する供給源が挙げられる。一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、古細菌、細菌、シアノバクテリア、藻類、植物などに感染するウイルスに由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。メタゲノム供給源から配列データが得られるウイルスの種の非限定的な例としては、sulfolobus、Siphoviridae、podoviridae、myoviridae、Mimiviridae、Nimaviridae、Ligamenvirales、Globuloviridae、Fuselloviridae、Bicaudaviridae、サテライトウイルス、Iridoviridae、Turriviridae、Caudovirales、およびPhycodnaviridaeが挙げられる。
【0206】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、以下の科:Abyssoviridae、Ackermannviridae、Adenoviridae、Adintoviridae、Aliusviridae、Alloherpesviridae、Alphaflexiviridae、Alphasatellitidae、Alphatetraviridae、Alvernaviridae、Amalgaviridae、Amnoonviridae、Ampullaviridae、Anelloviridae、Arenaviridae、Arteriviridae、Artoviridae、Ascoviridae、Asfarviridae、Aspiviridae、Astroviridae、Atkinsviridae、Autographiviridae、Avsunviroidae、Bacilladnaviridae、Baculoviridae、Barnaviridae、Belpaoviridae、Benyviridae、Betaflexiviridae、Bicaudaviridae、Bidnaviridae、Birnaviridae、Blumeviridae、Bornaviridae、Botourmiaviridae、Bromoviridae、Caliciviridae、Carmotetraviridae、Caulimoviridae、Chaseviridae、Chrysoviridae、Chuviridae、Circoviridae、Clavaviridae、Closteroviridae、Coronaviridae、Corticoviridae、Cremegaviridae、Crepuscuviridae、Cruliviridae、Curvulaviridae、Cystoviridae、Deltaflexiviridae、Demerecviridae、Dicistroviridae、Drexlerviridae、Duinviridae、Endornaviridae、Euroniviridae、Fiersviridae、Filoviridae、Fimoviridae、Finnlakeviridae、Flaviviridae、Fuselloviridae、Gammaflexiviridae、Geminiviridae、Genomoviridae、Globuloviridae、Gresnaviridae、Guelinviridae、Guttaviridae、Halspiviridae、Hantaviridae、Hepadnaviridae、Hepeviridae、Herelleviridae、Herpesviridae、Hypoviridae、Hytrosaviridae、Iflaviridae、Inoviridae、Iridoviridae、Kitaviridae、Kolmioviridae、Lavidaviridae、Leishbuviridae、Lipothrixviridae、Lispiviridae、Malacoherpesviridae、Marnaviridae、Marseilleviridae、Matonaviridae、Matshushitaviridae、Mayoviridae、Medioniviridae、Megabirnaviridae、Mesoniviridae、Metaviridae、Metaxyviridae、Microviridae、Mimiviridae、Mitoviridae、Mononiviridae、Mymonaviridae、Myoviridae、Mypoviridae、Myriaviridae、Nairoviridae、Nanghoshaviridae、Nanhypoviridae、Nanoviridae、Narnaviridae、Natareviridae、Nimaviridae、Nodaviridae、Nudiviridae、Nyamiviridae、Olifoviridae、Orthomyxoviridae、Ovaliviridae、Papillomaviridae、Paramyxoviridae、Partitiviridae、Parvoviridae、Paulinoviridae、Peribunyaviridae、Permutotetraviridae、Phasmaviridae、Phenuiviridae、Phycodnaviridae、Picobirnaviridae、Picornaviridae、Plasmaviridae、Plectroviridae、Pleolipoviridae、Pneumoviridae、Podoviridae、Polycipiviridae、Polydnaviridae、Polymycoviridae、Polyomaviridae、Portogloboviridae、Pospiviroidae、Potyviridae、Poxviridae、Pseudoviridae、Qinviridae、Quadriviridae、Redondoviridae、Reoviridae、Retroviridae、Rhabdoviridae、Roniviridae、Rountreeviridae、Rudiviridae、Salasmaviridae、Sarthroviridae、Schitoviridae、Secoviridae、Simuloviridae、Sinhaliviridae、Siphoviridae、Smacoviridae、Solemoviridae、Solinviviridae、Solspiviridae、Sphaerolipoviridae、Spiraviridae、Steitzviridae、Sunviridae、Tectiviridae、Thaspiviridae、Tobaniviridae、Togaviridae、Tolecusatellitidae、Tombusviridae、Tospoviridae、Totiviridae、Tristromaviridae、Turriviridae、Tymoviridae、Virgaviridae、Wupedeviridae、Xinmoviridae、Yueviridae、Zobellviridae、またはこれらの任意の組合せからの1つまたは複数のウイルスに由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。
【0207】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、以下の亜科:Actantavirinae、Agantavirinae、Aglimvirinae、Alphaherpesvirinae、Alphairidovirinae、Alpharhabdovirinae、Arquatrovirinae、Avulavirinae、Azeredovirinae、Bastillevirinae、Bclasvirinae、Beephvirinae、Beijerinckvirinae、Betaherpesvirinae、Betairidovirinae、Betarhabdovirinae、Braunvirinae、Brockvirinae、Bronfenbrennervirinae、Bullavirinae、Calvusvirinae、Ceronivirinae、Chebruvirinae、Chimanivirinae、Chordopoxvirinae、Cleopatravirinae、Cobavirinae、Colwellvirinae、Comovirinae、Corkvirinae、Crocarterivirinae、Crustonivirinae、Cvivirinae、Dclasvirinae、Deejayvirinae、Denniswatsonvirinae、Densovirinae、Dolichocephalovirinae、Eekayvirinae、Emmerichvirinae、Enquatrovirinae、Entomopoxvirinae、Equarterivirinae、Ermolyevavirinae、Erskinevirinae、Eucampyvirinae、Firstpapillomavirinae、Fuhrmanvirinae、Gammaherpesvirinae、Gammarhabdovirinae、Geminialphasatellitinae、Gochnauervirinae、Gofosavirinae、Gokushovirinae、Gorgonvirinae、Guernseyvirinae、Gutmannvirinae、Hamaparvovirinae、Hendrixvirinae、Heroarterivirinae、Hexponivirinae、Humphriesvirinae、Hyporhamsavirinae、Jasinkavirinae、Krylovirinae、Langleyhallvirinae、Letovirinae、Mammantavirinae、Markadamsvirinae、Mccleskeyvirinae、Mccorquodalevirinae、Mclasvirinae、Medionivirinae、Melnykvirinae、Metaparamyxovirinae、Migulavirinae、Molineuxvirinae、Mononivirinae、Nanoalphasatellitinae、Nclasvirinae、Nefertitivirinae、Northropvirinae、Nymbaxtervirinae、Okabevirinae、Okanivirinae、Orthocoronavirinae、Orthoparamyxovirinae、Orthoretrovirinae、Ounavirinae、Parvovirinae、Pclasvirinae、Peduovirinae、Petromoalphasatellitinae、Picovirinae、Piscanivirinae、Pontosvirinae、Procedovirinae、Queuovirinae、Quinvirinae、Rakietenvirinae、Regressovirinae、Remotovirinae、Repantavirinae、Reternivirinae、Rhodovirinae、Rodepovirinae、Rogunavirinae、Rothmandenesvirinae、Rubulavirinae、Sarlesvirinae、Secondpapillomavirinae、Sedoreovirinae、Sepvirinae、Serpentovirinae、Simarterivirinae、Skryabinvirinae、Slopekvirinae、Spinareovirinae、Spounavirinae、Spumaretrovirinae、Studiervirinae、Tatarstanvirinae、Tempevirinae、Tevenvirinae、Tiamatvirinae、Torovirinae、Trabyvirinae、Trivirinae、Tunavirinae、Tunicanivirinae、Twarogvirinae、Twortvirinae、Tybeckvirinae、Variarterivirinae、Vequintavirinae、Zealarterivirinae、またはこれらの任意の組合せ1つまたは複数のウイルスに由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。
【0208】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有するウイルス、例えば、poxviridae、Herpesviridae、またはAdenoviridae科に由来する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。一部の実施形態では、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有するウイルスに由来する異種遺伝子エフェクターは、他の遺伝子エフェクターとの組合せで有用であり得、例えば、遺伝子転写に対するコンビナトリアルまたは相乗効果を容易にする可能性がより高い可能性がある。
【0209】
いかなる特定の理論にも制約されることなく、ウイルスエフェクターは、代替供給源由来の遺伝子エフェクターと比較して、コンパクトなサイズおよび新規機能特性という利点をもたらす。
ガイド部分
【0210】
本開示の組成物および方法では、ガイド部分を利用して、異種遺伝子エフェクターを標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列に方向付けることができる。ガイド部分により、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列を認識し、それに特異的に結合することができるようになる。
【0211】
ガイド部分は、ガイド核酸を含み得る。ガイド部分は、本明細書に開示されるヌクレアーゼおよびガイド核酸を含み得る。ガイド部分は、ヌクレアーゼまたはその一部、例えばエンドヌクレアーゼ、例えば異種エンドヌクレアーゼを含み得る。ヌクレアーゼは、例えば、DNAヌクレアーゼおよび/またはRNAヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ欠損もしくは野生型ヌクレアーゼと比較してヌクレアーゼ活性が低下した改変ヌクレアーゼ、その誘導体、そのバリアント、またはその断片であり得る。一部の実施形態では、ガイド部分は最小限のヌクレアーゼ活性を有する。
【0212】
任意の適切なヌクレアーゼ、その断片、または誘導体をガイド部分に使用することができる。適切なヌクレアーゼとしては、これだけに限定されないが、I型CRISPR関連(Cas)ポリペプチド、II型CRISPR関連(Cas)ポリペプチド、III型CRISPR関連(Cas)ポリペプチド、IV型CRISPR関連(Cas)ポリペプチド、V型CRISPR関連(Cas)ポリペプチド、およびVI型CRISPR関連(Cas)ポリペプチドを含めたCRISPR関連(Cas)タンパク質またはCasヌクレアーゼ;ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN);転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN);メガヌクレアーゼ;RNA結合性タンパク質(RBP);CRISPR関連RNA結合性タンパク質;リコンビナーゼ;フリッパーゼ;トランスポザーゼ;アルゴノート(Ago)タンパク質(例えば、原核生物アルゴノート(pAgo)、古細菌アルゴノート(aAgo)、および真核生物アルゴノート(eAgo));任意のその誘導体;任意のそのバリアントおよび任意のその断片が挙げられる。
【0213】
一部の実施形態では、ガイド部分は、DNAヌクレアーゼ、例えば、ヌクレアーゼ欠損である工学的に操作された(例えば、プログラム可能なまたは標的化可能な)DNAヌクレアーゼを含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、本開示の1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターとの複合体に存在していない限りは標的DNA配列の転写活性化または抑制を誘導しないDNAヌクレアーゼに由来するヌクレアーゼヌルDNA結合性タンパク質を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、標的DNA配列の転写活性化または抑制を誘導し得る(例えば、本開示の異種遺伝子エフェクターが存在することで変更または強化され得る)DNAヌクレアーゼに由来するヌクレアーゼヌルDNA結合性タンパク質を含む。
【0214】
一部の実施形態では、ガイド部分は、RNAヌクレアーゼ、例えば、工学的に操作された(例えば、プログラム可能なまたは標的化可能な)RNAヌクレアーゼを含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、本開示の1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターとの複合体に存在していない限りは標的RNA配列の転写活性化または抑制を誘導しないRNAヌクレアーゼに由来するヌクレアーゼヌルRNA結合性タンパク質を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、標的RNA配列の転写活性化または抑制を誘導し得る(例えば、本開示の異種遺伝子エフェクターが存在することで変更または強化され得る)RNAヌクレアーゼに由来するヌクレアーゼヌルRNA結合性タンパク質を含む。
【0215】
一部の実施形態では、ガイド部分は、核酸によりガイドされる標的化系を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、DNAによりガイドされる標的化系を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、RNAによりガイドされる標的化系を含む。ガイド部分は、例えば、CRISPR-Cas系(例えば、そのヌクレアーゼ欠損型、例えばdCas9)の標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列に対する特異的結合を容易にするガイド核酸配列を含み、それを利用し得る。結合特異性は、ガイド核酸、例えばシングルガイドRNA(sgRNA)またはその一部を使用することによって決定することができる。一部の実施形態では、異なるsgRNAを使用することにより、本開示の組成物および方法を、異なる標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列に対して使用する(例えば、それに標的化する)ことができる。
【0216】
原核生物CRISPR-Cas(クラスター化された規則的な配置の短い回文配列リピート(Clustered regularly interspaced short palindromic repeats)-CRISPR関連)系、例えば、クラスII CRISPR-Cas系、例えば、Cas9およびCpf1を本開示の組成物および方法における遺伝子発現、エピゲノム編集、およびクロマチンループ形成を調節するためのツールとして転用することができる。異種遺伝子エフェクターと複合体を形成したヌクレアーゼ不活性化Cas(dCas)タンパク質により、dCasが結合した部位に隣接する標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節することが可能になり得る。
【0217】
一部の実施形態では、ガイド部分は、天然に存在しないCRISPR(クラスター化された規則的な配置の短い回文配列リピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat))/Cas(CRISPR関連)系において機能するCRISPR関連(Cas)タンパク質またはCasヌクレアーゼを含む。細菌では、この系により、外来DNAに対する適応免疫がもたらされ得る。
【0218】
多様な哺乳動物、動物、植物、微生物、および酵母を含めた多種多様な生物体において、CRISPR/Cas系(例えば、改変されたものおよび/または改変されていないもの)をゲノム工学ツールとして利用することができる、または、工学的に操作されたタンパク質の本明細書に開示される標的遺伝子座に対する特異的結合を方向付けるように改変することができる。CRISPR/Cas系は、遺伝子発現および/または活性または核酸結合の標的化調節のための、Casタンパク質と複合体を形成したガイドRNA(gRNA)などのガイド核酸を含み得る。RNAによりガイドされるCasタンパク質(例えば、Cas9ヌクレアーゼなどのCasヌクレアーゼ)は、標的ポリヌクレオチド(例えば、DNA)に配列依存的に特異的に結合し得る。Casタンパク質は、ヌクレアーゼ活性を有する場合、DNAを切断し得る。
【0219】
一部の場合では、Casタンパク質を変異させるおよび/または改変して、ヌクレアーゼ欠損タンパク質または野生型Casタンパク質と比べてヌクレアーゼ活性が低下したタンパク質を得る。ヌクレアーゼ欠損タンパク質は、DNAに結合する能力は保持し得るが、核酸切断活性を欠くまたは核酸切断活性が低下したものであり得る。
【0220】
一部の実施形態では、ガイド部分は、ガイド核酸、例えばガイドRNAまたはその一部と複合体を形成するCasタンパク質を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、シングルガイド核酸、例えばシングルガイドRNA(sgRNA)と複合体を形成するCasタンパク質を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、Casタンパク質と複合体を形成することができるガイド核酸、例えばガイドRNA(例えば、sgRNA)と必要に応じて複合体を形成したRNA結合性タンパク質(RBP)を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、標的DNA配列の転写活性化または抑制を誘導し得るDNAヌクレアーゼに由来するヌクレアーゼヌルDNA結合性タンパク質を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、RNAに由来するヌクレアーゼヌルRNA結合性タンパク質を含む。
【0221】
本開示の組成物および方法に使用されるガイド核酸は、例えば、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、または少なくとも40ヌクレオチドであり得る。
【0222】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法に使用されるガイド核酸は、最大で10、最大で11、最大で12、最大で13、最大で14、最大で15、最大で16、最大で17、最大で18、最大で19、最大で20、最大で21、最大で22、最大で23、最大で24、最大で25、最大で26、最大で27、最大で28、最大で29、最大で30、最大で31、最大で32、最大で33、最大で34、最大で35、最大で36、最大で37、最大で38、最大で39、または最大で40ヌクレオチドである。
【0223】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法に使用されるガイド核酸は、約8~約40ヌクレオチド、約10~約40ヌクレオチド、約11~約40ヌクレオチド、約12~約40ヌクレオチド、約13~約40ヌクレオチド、約14~約40ヌクレオチド、約15~約40ヌクレオチド、約16~約40ヌクレオチド、約17~約40ヌクレオチド、約18~約40ヌクレオチド、約19~約40ヌクレオチド、約20~約40ヌクレオチド、約22~約40ヌクレオチド、約24~約40ヌクレオチド、約26~約40ヌクレオチド、約28~約40ヌクレオチド、約30~約40ヌクレオチド、約8~約30ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、約11~約30ヌクレオチド、約12~約30ヌクレオチド、約13~約30ヌクレオチド、約14~約30ヌクレオチド、約15~約30ヌクレオチド、約16~約30ヌクレオチド、約17~約30ヌクレオチド、約18~約30ヌクレオチド、約19~約30ヌクレオチド、約20~約30ヌクレオチド、約22~約30ヌクレオチド、約24~約30ヌクレオチド、約26~約30ヌクレオチド、約28~約30ヌクレオチド、約8~約25ヌクレオチド、約10~約25ヌクレオチド、約11~約25ヌクレオチド、約12~約25ヌクレオチド、約13~約25ヌクレオチド、約14~約25ヌクレオチド、約15~約25ヌクレオチド、約16~約25ヌクレオチド、約17~約25ヌクレオチド、約18~約25ヌクレオチド、約19~約25ヌクレオチド、約20~約25ヌクレオチド、約22~約25ヌクレオチド、約24~約25ヌクレオチド、約8~約20ヌクレオチド、約10~約20ヌクレオチド、約11~約20ヌクレオチド、約12~約20ヌクレオチド、約13~約20ヌクレオチド、約14~約20ヌクレオチド、約15~約20ヌクレオチド、約16~約20ヌクレオチド、約17~約20ヌクレオチド、約18~約20ヌクレオチド、約19~約20ヌクレオチド、約8~約18ヌクレオチド、約10~約18ヌクレオチド、約11~約18ヌクレオチド、約12~約18ヌクレオチド、約13~約18ヌクレオチド、約14~約18ヌクレオチド、約15~約18ヌクレオチド、約16~約18ヌクレオチド、約8~約16ヌクレオチド、約10~約16ヌクレオチド、約11~約16ヌクレオチド、約12~約16ヌクレオチド、約13~約16ヌクレオチド、約14~約16ヌクレオチド、または約15~約16ヌクレオチドである。
【0224】
ガイド核酸は、ガイドRNAまたはその一部であり得る。
【0225】
任意の適切なCRISPR/Cas系を使用することができる。CRISPR/Cas系は、種々の命名方式を使用して称され得る。CRISPR/Cas系は、I型、II型、III型、IV型、V型、VI型系、または任意の他の適切なCRISPR/Cas系であり得る。CRISPR/Cas系は、本明細書で使用される場合、クラス1、クラス2、または任意の他の適切に分類されるCRISPR/Cas系であり得る。クラス1であるかクラス2であるかの決定は、エフェクターモジュールをコードする遺伝子に基づき得る。クラス1系は、一般に、マルチサブユニットcrRNA-エフェクター複合体を有し、一方、クラス2系は、一般に、単一のタンパク質、例えば、Cas9、Cpf1、C2c1、C2c2、C2c3またはcrRNA-エフェクター複合体を有する。クラス1 CRISPR/Cas系では、複数のCasタンパク質の複合体を使用して調節をもたらすことができる。クラス1 CRISPR/Cas系は、例えば、I型(例えば、I、IA、IB、IC、ID、IE、IF、IU)、III型(例えば、III、IIIA、IIIB、IIIC、IIID)、およびIV型(例えば、IV、IVA、IVB)CRISPR/Cas型を含み得る。クラス2 CRISPR/Cas系では、単一の大きなCasタンパク質を使用して調節をもたらすことができる。クラス2 CRISPR/Cas系は、例えば、II型(例えば、II、IIA、IIB)およびV型CRISPR/Cas型を含み得る。CRISPR系は、互いに補完的であり得る、および/または、機能単位をトランスでもたらしてCRISPRによる遺伝子座の標的化を容易にし得る。
【0226】
本明細書に開示されるガイド部分は、ヌクレアーゼ、例えば、異種ヌクレアーゼ(例えば、異種遺伝子エフェクターに作動可能にカップリングするCasタンパク質)を含み得る。ヌクレアーゼは、閾値長未満の長さを有し得る。閾値長は、最大で約1,000アミノ酸、最大で約950アミノ酸、最大で約900アミノ酸、最大で約850アミノ酸、最大で約800アミノ酸、最大で約750アミノ酸、最大で約700アミノ酸、最大で約650アミノ酸、最大で約600アミノ酸、最大で約550アミノ酸、最大で約500アミノ酸、最大で約450アミノ酸、最大で約400アミノ酸、最大で約350アミノ酸、または最大で約300アミノ酸であり得る。閾値長は、少なくとも約300アミノ酸、少なくとも約350アミノ酸、少なくとも約400アミノ酸、少なくとも約450アミノ酸、少なくとも約500アミノ酸、少なくとも約550アミノ酸、少なくとも約600アミノ酸、少なくとも約650アミノ酸、少なくとも約700アミノ酸、少なくとも約750アミノ酸、少なくとも約800アミノ酸、少なくとも約850アミノ酸、少なくとも約900アミノ酸、少なくとも約950アミノ酸、または少なくとも約1,000アミノ酸であり得る。
【0227】
ガイド部分がCasタンパク質またはその誘導体を含む場合、Casタンパク質またはその誘導体は、クラス1 Casタンパク質またはクラス2 Casタンパク質であり得る。Casタンパク質は、I型、II型、III型、IV型、V型Casタンパク質、またはVI型Casタンパク質であり得る。Casタンパク質は、1つまたは複数のドメインを含み得る。ドメインの非限定的な例としては、ガイド核酸認識および/または結合性ドメイン、ヌクレアーゼドメイン(例えば、DNA分解酵素またはRNaseドメイン、RuvC、HNH)、DNA結合性ドメイン、RNA結合性ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質間相互作用ドメイン、および二量体形成ドメインが挙げられる。ガイド核酸認識および/または結合性ドメインは、ガイド核酸と相互作用し得る。ヌクレアーゼドメインは、核酸を切断するための触媒活性を含み得る。ヌクレアーゼドメインは、核酸の切断を防止するために触媒活性を欠くものであり得る。Casタンパク質は、他のタンパク質またはポリペプチドと融合したキメラCasタンパク質またはその断片であり得る。Casタンパク質は、種々のCasタンパク質のキメラ、例えば、異なるCasタンパク質由来のドメインを含むキメラであり得る。
【0228】
Casタンパク質の非限定的な例としては、c2c1、C2c2、c2c3、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cash、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8a、Cas8a1、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(Csn1またはCsx12)、Cas10、Cas10d、Cas10、Cas12a、Cas10d、CasF、CasG、CasH、Cpf1、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cu1966、Cas13a、Cas13b、Cas13c、Cas13d、Cas13X、Cas13Y、およびホモログまたはその改変バージョンが挙げられる。
【0229】
一部の場合では、本明細書に開示されるCasタンパク質は、Cas9またはCas12aでなくてもよく、また、Cas9またはCas12aである必要はない。本明細書に開示されるCasタンパク質は、Cas9またはCas12a比較してサイズが小さいものであり得る。本明細書に開示されるCasタンパク質は、Un1Cas12f1(またはCas14a1)に由来し得る。例えば、本明細書に開示されるCasタンパク質は、配列番号49342のポリペプチド配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または実質的に約100%同一のアミノ酸配列を含み得る。別の例では、本明細書に開示されるCasタンパク質は、配列番号49343のポリペプチド配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または実質的に約100%同一のアミノ酸配列を含み得る。本明細書に開示される場合、配列番号49342は、Un1Cas12f1(またはCas14a1)のポリペプチド配列をコードする。本明細書に開示される場合、配列番号49343は、ヌクレアーゼ活性が低下した、Un1Cas12f1の工学的に操作されたバリアントをコードする。一部の実施形態では、Un1Cas12f1またはその誘導体、例えば、ヌクレアーゼ活性が低下した、Un1Cas12f1の工学的に操作されたバリアントは、CasMiniまたはdCasMiniと称され得る。
【0230】
【0231】
Casタンパク質またはその断片、または誘導体は、任意の適切な生物体に由来し得る。非限定的な例として、Streptococcus pyogenes、Streptococcus thermophilus、Streptococcus sp.、Staphylococcus aureus、Nocardiopsis dassonvillei、Streptomyces pristinae spiralis、Streptomyces viridochromogenes、Streptomyces viridochromo genes、Streptosporangium roseum、Streptosporangium roseum、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus pseudomycoides、Bacillus selenitireducens、Exiguobacterium sibiricum、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus salivarius、Microscilla marina、Burkholderiales bacterium、Polaromonas naphthalenivorans、Polaromonas sp.、Crocosphaera watsonii、Cyanothece sp.、Microcystis aeruginosa、Pseudomonas aeruginosa、Synechococcus sp.、Acetohalobium arabaticum、Ammonifex degensii、Caldicellulosiruptor bescii、Candidatus Desulforudis、Clostridium botulinum、Clostridium difficile、Finegoldia magna、Natranaerobius thermophilus、Pelotomaculum thermopropionicum、Acidithiobacillus caldus、Acidithiobacillus ferrooxidans、Allochromatium vinosum、Marinobacter sp.、Nitrosococcus halophilus、Nitrosococcus watsoni、Pseudoalteromonas haloplanktis、Ktedonobacter racemifer、Methanohalobium evestigatum、Anabaena variabilis、Nodularia spumigena、Nostoc sp.、Arthrospira maxima、Arthrospira platensis、Arthrospira sp.、Lyngbya sp.、Microcoleus chthonoplastes、Oscillatoria sp.、Petrotoga mobilis、Thermosipho africanus、Acaryochloris marina、Leptotrichia shahii、およびFrancisella novicidaが挙げられる。一部の態様では、生物体は、Streptococcus pyogenes(S.pyogenes)である。一部の態様では、生物体は、Staphylococcus aureus(S.aureus)である。一部の態様では、生物体は、Streptococcus thermophilus(S.thermophilus)である。
【0232】
Casタンパク質は、これだけに限定されないが、Veillonella atypical、Fusobacterium nucleatum、Filifactor alocis、Solobacterium moorei、Coprococcus catus、Treponema denticola、Peptoniphilus duerdenii、Catenibacterium mitsuokai、Streptococcus mutans、Listeria innocua、Staphylococcus pseudintermedius、Acidaminococcus intestine、Olsenella uli、Oenococcus kitaharae、Bifidobacterium bifidum、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus gasseri、Finegoldia magna、Mycoplasma mobile、Mycoplasma gallisepticum、Mycoplasma ovipneumoniae、Mycoplasma canis、Mycoplasma synoviae、Eubacterium rectale、Streptococcus thermophilus、Eubacterium dolichum、Lactobacillus coryniformis subsp.Torquens、Ilyobacter polytropus、Ruminococcus albus、Akkermansia muciniphila、Acidothermus cellulolyticus、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium dentium、Corynebacterium diphtheria、Elusimicrobium minutum、Nitratifractor salsuginis、Sphaerochaeta globus、Fibrobacter succinogenes subsp.Succinogenes、Bacteroides fragilis、Capnocytophaga ochracea、Rhodopseudomonas palustris、Prevotella micans、Prevotella ruminicola、Flavobacterium columnare、Aminomonas paucivorans、Rhodospirillum rubrum、Candidatus Puniceispirillum marinum、Verminephrobacter eiseniae、Ralstonia syzygii、Dinoroseobacter shibae、Azospirillum、Nitrobacter hamburgensis、Bradyrhizobium、Wolinella succinogenes、Campylobacter jejuni subsp.Jejuni、Helicobacter mustelae、Bacillus cereus、Acidovorax ebreus、Clostridium perfringens、Parvibaculum lavamentivorans、Roseburia intestinalis、Neisseria meningitidis、Pasteurella multocida subsp.Multocida、Sutterella wadsworthensis、proteobacterium、Legionella pneumophila、Parasutterella excrementihominis、Wolinella succinogenes、およびFrancisella novicidaを含めた種々の細菌種に由来し得る。
【0233】
本明細書で使用されるCasタンパク質は、野生型Casタンパク質またはCasタンパク質の改変形態であり得る。Casタンパク質は、野生型または改変Casタンパク質の活性バリアント、不活性バリアント、または断片であり得る。Casタンパク質は、野生型バージョンのCasタンパク質と比べて欠失、挿入、置換、バリアント、変異、融合、キメラ、またはこれらの任意の組合せなど、アミノ酸の変化を含み得る。Casタンパク質は、野生型Casタンパク質と少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性または配列類似性を有するポリペプチドであり得る。Casタンパク質は、野生型の例示的なCasタンパク質に対して最大で約5%、最大で約10%、最大で約20%、最大で約30%、最大で約40%、最大で約50%、最大で約60%、最大で約70%、最大で約80%、最大で約90%、または最大で約100%の配列同一性および/または配列類似性を有するポリペプチドであり得る。バリアントまたは断片は、野生型または改変Casタンパク質またはその一部と少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性または配列類似性を含み得る。バリアントまたは断片は、ガイド核酸との複合体内の核酸遺伝子座に標的化することができるが、核酸切断活性を持たない。
【0234】
Casタンパク質は、1つまたは複数のヌクレアーゼドメイン、例えば、DNA分解酵素ドメインを含み得る。例えば、Cas9タンパク質は、RuvC様ヌクレアーゼドメインおよび/またはHNH様20ヌクレアーゼドメインを含み得る。Cas9のヌクレアーゼ活性形態では、RuvCドメインとHNHドメインは、それぞれが二本鎖DNAの異なる鎖をカットしてDNAに二本鎖切断を生じさせ得る。Casタンパク質は、ヌクレアーゼドメインを1つのみ含み得る(例えば、Cpf1はRuvCドメインを含むがHNHドメインを欠く)。一部の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは存在しない。一部の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは存在するが不活性であるまたは活性が低下しているもしくは最小限である。一部の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは存在し、かつ活性である。
【0235】
Casタンパク質の1つまたは複数のヌクレアーゼドメイン(例えば、RuvC、HNH)を欠失または変異させ、その結果、もはや機能的でないまたは低下したヌクレアーゼ活性を含むものにすることができる。例えば、少なくとも2つのヌクレアーゼドメインを含むCasタンパク質(例えば、Cas9)において、ヌクレアーゼドメインのうちの1つを欠失または変異させた場合、得られるCasタンパク質はニッカーゼとしてとして公知であり、二本鎖DNA内のCRISPR RNA(crRNA)認識配列において一本鎖切断を生じさせるが、二本鎖切断は生じさせない。そのようなニッカーゼは、相補鎖または非相補鎖を切断することができるが、両方を切断することはできない。Casタンパク質のヌクレアーゼドメインの全て(例えば、Cas9タンパク質のRuvCおよびHNHヌクレアーゼドメインの両方;Cpf1タンパク質のRuvCヌクレアーゼドメイン)を欠失または変異させた場合、得られるCasタンパク質は、二本鎖DNAの両方の鎖を切断する能力が低下しているまたはその能力を有さない可能性がある。Cas9タンパク質をニッカーゼに変換することができる変異の例は、S.pyogenes由来のCas9のRuvCドメインにおけるD10A(Cas9の10位におけるアスパラギン酸からアラニン)変異である。S.pyogenes由来のCas9のHNHドメインにおけるH939A(アミノ酸839位におけるヒスチジンからアラニン)またはH840A(アミノ酸840位におけるヒスチジンからアラニン)により、Cas9をニッカーゼに変換することができる。Cas9タンパク質を不活性型Cas9に変換することができる変異の例は、RuvCドメインにおけるD10A(Cas9の10位におけるアスパラギン酸からアラニン)変異およびS.pyogenes由来のCas9のHNHドメインにおけるH939A(アミノ酸839位におけるヒスチジンからアラニン)またはH840A(アミノ酸840位におけるヒスチジンからアラニン)である。
【0236】
ヌクレアーゼ不活性型Casタンパク質は、当該タンパク質の野生型バージョンと比べて1つまたは複数の変異を含み得る。変異は、野生型Casタンパク質の複数の核酸切断ドメインのうちの1つまたは複数における核酸切断活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下をもたらし得る。変異は、複数の核酸切断ドメインのうちの1つまたは複数を、標的核酸の相補鎖を切断する能力は保持するが、標的核酸の非相補鎖を切断する能力が低下したものにし得る。変異は、複数の核酸切断ドメインのうちの1つまたは複数を、標的核酸の非相補鎖を切断する能力は保持するが、標的核酸の相補鎖を切断する能力が低下したものにし得る。変異は、複数の核酸切断ドメインのうちの1つまたは複数を、標的核酸の相補鎖および非相補鎖を切断する能力を欠くものにし得る。ヌクレアーゼドメイン内の変異させる残基は、ヌクレアーゼの1つまたは複数の触媒残基に対応し得る。例えば、野生型の例示的なS.pyogenes Cas9ポリペプチド内の残基、例えば、Asp10、His840、Asn854およびAsn856を変異させて、複数の核酸切断ドメインのうちの1つまたは複数(例えば、ヌクレアーゼドメイン)を不活化することができる。Casタンパク質のヌクレアーゼドメイン内の変異させる残基は、例えば、配列および/または構造アラインメントによって決定される野生型S.pyogenes Cas9ポリペプチド内の残基Asp10、His840、Asn854およびAsn856に対応し得る。
【0237】
非限定的な例として、残基D10、G12、G17、E762、H840、N854、N863、H982、H983、A984、D986、および/またはA987(またはCasタンパク質のいずれかの対応する変異)を変異させることができる。例えば、D10A、G12A、G17A、E762A、H840A、N854A、N863A、H982A、H983A、A984A、および/またはD986A。アラニン置換以外の変異も適切であり得る。
【0238】
D10A変異をH840A、N854A、またはN856A変異のうちの1つまたは複数と組み合わせて、DNA切断活性を実質的に欠くCas9タンパク質(例えば、不活性型Cas9タンパク質)を作製することができる。H840A変異をD10A、N854A、またはN856A変異のうちの1つまたは複数と組み合わせて、DNA切断活性を実質的に欠く部位特異的ポリペプチドを作製することができる。N854A変異をH840A、D10A、またはN856A変異のうちの1つまたは複数と組み合わせて、DNA切断活性を実質的に欠く部位特異的ポリペプチドを作製することができる。N856A変異をH840A、N854A、またはD10A変異のうちの1つまたは複数と組み合わせて、DNA切断活性を実質的に欠く部位特異的ポリペプチドを作製することができる。
【0239】
一部の実施形態では、Casタンパク質はクラス2 Casタンパク質である。一部の実施形態では、Casタンパク質はII型Casタンパク質である。一部の実施形態では、Casタンパク質はCas9タンパク質、Cas9タンパク質の改変バージョンであり、またはCas9タンパク質に由来する。例えば、切断活性を欠くCas9タンパク質。一部の実施形態では、Cas9タンパク質は、S.pyogenes由来のCas9タンパク質(例えば、SwissProt受託番号Q99ZW2)である。一部の実施形態では、Cas9タンパク質は、S.aureus由来のCas9(例えば、SwissProt受託番号J7RUA5)である。一部の実施形態では、Cas9タンパク質は、S.pyogenesまたはS.Aureus由来のCas9タンパク質の改変バージョンである。一部の実施形態では、Cas9タンパク質は、S.pyogenesまたはS.Aureus由来のCas9タンパク質に由来する。例えば、切断活性を欠くS.pyogenesまたはS.Aureus Cas9タンパク質。
【0240】
一部の実施形態では、Cas9は、一般に、野生型の例示的なCas9ポリペプチド(例えば、S.pyogenes由来のCas9)と少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%の配列同一性および/または配列類似性を有するポリペプチドを指し得る。一部の実施形態では、Cas9は、野生型Cas9ポリペプチド(例えば、S.pyogenes由来)に対して最大で約5%、最大で約10%、最大で約20%、最大で約30%、最大で約40%、最大で約50%、最大で約60%、最大で約70%、最大で約80%、最大で約90%、または約100%の配列同一性および/または配列類似性を有するポリペプチドを指し得る。Cas9は、野生型Cas9タンパク質、またはアミノ酸の変化、例えば、欠失、挿入、置換、バリアント、変異、融合、キメラ、もしくはこれらの任意の組合せを含み得るCas9タンパク質の改変形態を指し得る。
【0241】
Casタンパク質は、野生型Casタンパク質のヌクレアーゼドメイン(例えば、RuvCドメイン、HNHドメイン)と少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性または配列類似性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0242】
Casタンパク質、そのバリアントまたは誘導体を、例えば、本明細書に開示される複合体の一部として、本開示の組成物および方法による遺伝子発現の調節を増強するように改変することができる。Casタンパク質を、核酸結合親和性、核酸結合特異性、酵素活性、および/またはヘテロ二量体形成もしくはオリゴマー形成ドメインなどの他の因子に対する結合を増大または低減させ、また、リガンドを誘導するように改変することができる。Casタンパク質を、タンパク質の任意の他の活性または特性、例えば安定性を変化させるように改変することもできる。例えば、Casタンパク質の1つまたは複数のヌクレアーゼドメインを、改変する、欠失させる、もしくは不活化することができる、またはCasタンパク質を短縮して、タンパク質または複合体の所望の機能に必須ではないドメインを除去することができる。Casタンパク質を、異種遺伝子エフェクターを含む本開示の複合体によって遺伝子発現を調節するためにCasタンパク質の活性をモジュレートする(例えば、増強するまたは低下させる)ように改変することができる。
【0243】
例えば、Casタンパク質を異種遺伝子エフェクター(例えば、エピジェネティック改変ドメイン、転写活性化ドメイン、および/または転写リプレッサードメイン)とカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)することができる。Casタンパク質を本明細書に開示されるオリゴマー形成または二量体形成ドメイン(例えば、ヘテロ二量体形成ドメイン)とカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)することができる。Casタンパク質を、安定性の増大または低減をもたらす異種ポリペプチドとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)することができる。Casタンパク質を、Casタンパク質またはCasタンパク質を含有する複合体の分解を容易にすることができる配列、例えば、デグロン、例えば誘導性デグロン(例えば、オーキシン誘導性)とカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)することができる。
【0244】
Casタンパク質を、任意の適切な数のパートナー、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8のパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)することができる。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、最大で2、最大で3、最大で4、最大で5、最大で6、最大で7、最大で8、または最大で10のパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、1~5、1~4、1~3、1~2、2~5、2~4、2~3、3~5、3~4、または4~5のパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、1つのパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、2つのパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、3つのパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、4つのパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、5つのパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。一部の実施形態では、本開示のCasタンパク質を、6つのパートナーとカップリング(例えば、融合、共有結合によりカップリング、または非共有結合によりカップリング)する。
【0245】
Casタンパク質は、融合タンパク質であり得る。融合したドメインまたは異種ポリペプチド(例えば、異種遺伝子エフェクター)は、Casタンパク質のN末端、C末端、または内部に位置してよい。
【0246】
Casタンパク質は、任意の形態で提供することができる。例えば、Casタンパク質を、タンパク質の形態で、例えば、Casタンパク質単独で、またはガイド核酸と複合体を形成したリボ核タンパク質として提供することができる。Casタンパク質を、複合体、例えば、ガイド核酸および/または本開示の1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターとの複合体として提供することができる。Casタンパク質を、Casタンパク質をコードする核酸、例えば、RNA(例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))、またはDNAの形態で提供することができる。Casタンパク質をコードする核酸を特定の細胞または生物体におけるタンパク質への効率的な翻訳のためにコドン最適化することができる。
【0247】
Casタンパク質、その断片または誘導体をコードする核酸を細胞のゲノムに安定に組み込むことができる。Casタンパク質をコードする核酸をプロモーター、例えば、細胞において構成的に活性であるまたは誘導的に活性になるプロモーターに作動可能に)連結することができる。Casタンパク質をコードする核酸を発現構築物内でプロモーターに作動可能に連結することができる。発現構築物は、目的の遺伝子または他の核酸配列(例えば、Cas遺伝子)の発現を方向付けることが可能であり、そのような目的の核酸配列を標的細胞に移入することができる任意の核酸構築物を含み得る。
【0248】
一部の実施形態では、Casタンパク質、そのバリアントまたは誘導体は、ヌクレアーゼ不活性型Cas(dCas)タンパク質である。不活性型Casタンパク質は、核酸切断活性を欠くタンパク質であり得る。
【0249】
Casタンパク質は、野生型Casタンパク質の改変形態を含み得る。野生型Casタンパク質の改変形態は、Casタンパク質の核酸切断活性を低下させるアミノ酸の変化(例えば、欠失、挿入、または置換)を含み得る。例えば、Casタンパク質の改変形態は、野生型Casタンパク質(例えば、S.pyogenes由来のCas9)の核酸切断活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下を有し得る。Casタンパク質の改変形態は、実質的な核酸切断活性を有さないものであり得る。Casタンパク質が実質的な核酸切断活性を有さない改変形態である場合、酵素的に不活性な、「不活性化された」および/または「不活性型」(「d」と省略される)と称される。不活性型Casタンパク質(例えば、dCas、dCas9)は、標的ポリヌクレオチドに結合することができるが、標的ポリヌクレオチドを切断することはできないかまたは最小限に切断する。一部の態様では、不活性型Casタンパク質は、不活性型Cas9タンパク質である。
【0250】
dCas9ポリペプチドは、シングルガイドRNA(sgRNA)と会合して、例えば、本明細書に開示される異種遺伝子エフェクター(複数可)と組み合わさって、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の転写を活性化するまたは抑制する。sgRNAを、Casまたは本開示のガイド部分構成要素を発現する細胞に導入することができる。一部の場合では、そのような細胞は、同じ標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列を標的化する1つまたは複数の異なるsgRNAを含有し得る。他の場合では、sgRNAは、細胞内の異なる核酸(例えば、異なる標的遺伝子、異なる標的遺伝子調節配列、または同じ標的遺伝子もしくは標的遺伝子調節配列内の異なる配列)を標的化する。
【0251】
酵素的に不活性とは、ポリヌクレオチド内の核酸配列に配列特異的に結合することができるが、標的ポリヌクレオチドを切断しない、または実質的に低減した頻度で切断するヌクレアーゼを指し得る。酵素的に不活性なガイド部分は、酵素的に不活性なドメイン(例えば、ヌクレアーゼドメイン)を含み得る。酵素的に不活性とは、活性がないことを指し得る。酵素的に不活性とは、活性が実質的にないことを指し得る。酵素的に不活性とは、活性が本質的にないことを指し得る。酵素的に不活性とは、活性が比較可能な野生型活性(例えば、核酸切断活性、野生型Cas9活性)と比較して1%以下、2%以下、3%以下、4%以下、5%以下、6%以下、7%以下、8%以下、9%以下、または10%以下の活性であることを指し得る。
【0252】
一部の実施形態では、ガイド部分は、核酸によりガイドされる標的化系を含有しない。例えば、ガイド部分は、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列に、タンパク質の構造的特色に基づいて結合するタンパク質、例えば、本明細書に開示されるある特定のヌクレアーゼを含み得る。
【0253】
一部の実施形態では、ガイド部分は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)またはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を含む。ZFNは、切断ドメイン、例えばFok1の切断ドメインと、DNAおよびRNAなどのポリヌクレオチドに結合することができる少なくとも1つのジンクフィンガーモチーフ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つのジンクフィンガーモチーフ)との融合物を指し得る。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列)への結合のためにZFNを本開示の標的化部分に使用するが、ZFNはポリヌクレオチドを切断しないまたは実質的に切断しない、例えば、ヌクレアーゼ不活性型ZFNである。ZFNまたはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を形成することができる。
【0254】
ヌクレアーゼ活性ZFNでは、2つの個々のZFNのポリヌクレオチドのある特定の位置におけるある特定の向きおよび間隔でのヘテロ二量体形成によりポリヌクレオチドの切断がもたらされ得る。例えば、DNAに結合するZFNにより、DNAにおける二本鎖切断を誘導することができる。2つの切断ドメインが二量体を形成してDNAを切断することを可能にするために、2つの個々のZFNがDNAの逆の鎖に、それらのC末端がある特定の間隔になるように結合し得る。一部の場合では、ジンクフィンガードメインと切断ドメインの間のリンカー配列により、各結合性部位の5’端が約5~7塩基対離れることが必要になり得る。一部の場合では、切断ドメインを各ジンクフィンガードメインのC末端と融合する。
【0255】
一部の実施形態では、ZFNを含むガイド部分の切断ドメインは、野生型切断ドメインの改変形態を含む。切断ドメインの改変形態は、切断ドメインの核酸切断活性を低下させるアミノ酸の変化(例えば、欠失、挿入、または置換)を含み得る。例えば、切断ドメインの改変形態は、対応する野生型切断ドメインの核酸切断活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下を有し得る。切断ドメインの改変形態は、実質的な核酸切断活性を有さないものであり得る。一部の実施形態では、切断ドメインは、酵素的に不活性である。
【0256】
一部の実施形態では、ガイド部分は、「TALEN」または「TAL-エフェクターヌクレアーゼ」またはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を含む。TALENとは、DNA結合性タンデムリピートの中心ドメインおよび切断ドメインを一般に含有する工学的に操作された転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼを指す。TALENは、TALエフェクターDNA結合性ドメインとDNA切断ドメインを融合することによって作製することができる。一部の場合では、DNA結合性タンデムリピートは、33~35アミノ酸長を含み、少なくとも1つの特異的なDNA塩基対を認識することができる超可変アミノ酸残基を2つ、12位と13位に含有する。転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質を野生型または変異型Fok1エンドヌクレアーゼまたはFok1の触媒ドメインヌクレアーゼと融合することができる。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列)への結合のためにTALENを本開示の標的化部分に使用するが、TALENはポリヌクレオチドを切断しないまたは実質的に切断しない、例えば、ヌクレアーゼ不活性型TALENである。TALENまたはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を形成することができる。
【0257】
一部の実施形態では、TALENを、ヌクレアーゼ活性が低下するように工学的に操作する。一部の実施形態では、TALENのヌクレアーゼドメインは、野生型ヌクレアーゼドメインの改変形態を含む。ヌクレアーゼドメインの改変形態は、ヌクレアーゼドメインの核酸切断活性を低下させるアミノ酸の変化(例えば、欠失、挿入、または置換)を含み得る。例えば、ヌクレアーゼドメインの改変形態は、野生型ヌクレアーゼドメインの核酸切断活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下を有し得る。ヌクレアーゼドメインの改変形態は、実質的な核酸切断活性を有さないものであり得る。一部の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、酵素的に不活性である。TALENまたはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を形成することができる。
【0258】
Fok1をTALENに使用するために、Fok1に対して、いくつかの変異、例えば切断の特異性または活性を改善する変異がなされている。そのようなTALENを、任意の所望のDNA配列に結合するように工学的に操作することができる。TALENを使用して、標的DNA配列内に二本鎖切断を創出し、それにより今度はNHEJまたはHDRを受けさせることによって遺伝子改変(例えば、核酸配列編集)を生じさせることができる。
【0259】
TALEまたはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を形成することができる。一部の実施形態では、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質を異種遺伝子エフェクターと融合し、ヌクレアーゼは含めない。一部の実施形態では、TALENは、ポリヌクレオチドを切断しないまたは実質的に切断しない、例えば、ヌクレアーゼ不活性型TALEである。TALEまたはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を形成することができる。
【0260】
一部の実施形態では、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質と異種遺伝子エフェクターの複合体を、転写活性化因子として機能するように設計する。一部の実施形態では、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質と異種遺伝子エフェクターの複合体を、転写リプレッサーとして機能するように設計する。例えば、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質のDNA結合性ドメインを転写活性化ドメインを含む1つもしくは複数の異種遺伝子エフェクター、または転写抑制ドメインを含む1つもしくは複数の異種遺伝子エフェクターと融合(例えば、連結)することができる。
【0261】
一部の実施形態では、ガイド部分は、メガヌクレアーゼを含む。メガヌクレアーゼとは、一般に、高度に配列特異的であり得るレアカッティングエンドヌクレアーゼまたはホーミングエンドヌクレアーゼを指す。メガヌクレアーゼは、少なくとも12塩基対の長さ、例えば、12塩基対から40塩基対まで、12塩基対から50塩基対まで、または12塩基対から60塩基対までの長さにわたるDNA標的部位を認識することができる。メガヌクレアーゼは、モジュラーDNA結合性ヌクレアーゼ、例えば、少なくとも1つのエンドヌクレアーゼの触媒ドメインと、少なくとも1つのDNA結合性ドメインまたは核酸標的配列を指定するタンパク質とを含む任意の融合タンパク質であり得る。DNA結合性ドメインは、一本鎖DNAまたは二本鎖DNAを認識する少なくとも1つのモチーフを含有し得る。ヌクレアーゼとして活性なメガヌクレアーゼは、二本鎖切断を生じさせ得る。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド(例えば、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列)への結合のためにメガヌクレアーゼを本開示の標的化部分に使用するが、メガヌクレアーゼは、ポリヌクレオチドを切断しないまたは実質的に切断しない、例えば、ヌクレアーゼ不活性型メガヌクレアーゼである。メガヌクレアーゼまたはそのバリアント、断片、もしくは誘導体を1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を形成することができる。
【0262】
メガヌクレアーゼは、単量体または二量体であり得る。一部の実施形態では、メガヌクレアーゼは、天然に存在する(天然に見いだされる)または野生型メガヌクレアーゼであり、他の場合では、メガヌクレアーゼは、非天然、人工、工学的に操作された、合成、合理的に設計された、または人造メガヌクレアーゼである。一部の実施形態では、本開示のメガヌクレアーゼには、I-CreIメガヌクレアーゼ、I-CeuIメガヌクレアーゼ、I-Msolメガヌクレアーゼ、I-SceIメガヌクレアーゼ、そのバリアント、その誘導体、およびその断片が含まれる。
【0263】
一部の実施形態では、メガヌクレアーゼのヌクレアーゼドメインは、野生型ヌクレアーゼドメインの改変形態を含む。ヌクレアーゼドメインの改変形態は、ヌクレアーゼドメインの核酸切断活性を低下させるまたは除去するアミノ酸の変化(例えば、欠失、挿入、または置換)を含み得る。例えば、ヌクレアーゼドメインの改変形態は、野生型ヌクレアーゼドメインの核酸切断活性の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下を有し得る。ヌクレアーゼドメインの改変形態は、実質的な核酸切断活性を有さないものであり得る。一部の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、酵素的に不活性である。一部の実施形態では、メガヌクレアーゼは、DNAに結合することができるが、DNAを切断することはできない。一部の実施形態では、ヌクレアーゼとして不活性なメガヌクレアーゼを1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターと融合または会合させて、本開示の複合体を生成する。
【0264】
一部の実施形態では、ガイド部分は、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性を調節することができる。一部の実施形態では、ガイド部分は、核酸(例えば、遺伝子および/または遺伝子産物)の配列を編集することができる。ヌクレアーゼとして活性なCasタンパク質により、標的ポリヌクレオチドにおいて二本鎖切断または一本鎖切断を生じさせることによって核酸配列を編集することができる。
【0265】
一部の実施形態では、ヌクレアーゼを含むガイド部分により、DNAなどの標的ポリヌクレオチドにおいて二本鎖切断を生じさせることができる。DNAにおける二本鎖切断により、DNA切断修復をもたらすことができ、それにより、遺伝子改変(複数可)を導入することが可能になる(例えば、核酸編集)。一部の実施形態では、ヌクレアーゼにより、部位特異的一本鎖DNA切断またはニックが誘導され、したがって、HDRがもたらされる。
【0266】
DNAにおける二本鎖切断により、DNA切断修復をもたらすことができ、それにより、遺伝子改変(複数可)を導入することが可能になる(例えば、核酸編集)。DNA切断修復は、非相同末端結合(NHEJ)または相同組換え修復(HDR)によって起こり得る。HDRでは、標的DNAの部位を挟む相同アームを含有するドナーDNA修復鋳型または鋳型ポリヌクレオチドを提供することができる。
【0267】
一部の実施形態では、ヌクレアーゼを含むガイド部分または複合体は、DNAなどの標的ポリヌクレオチドにおける二本鎖切断を生じさせない。
複合体
【0268】
本明細書において、一部の態様では、異種遺伝子エフェクター、およびガイド部分、例えば、ガイド核酸および/またはヌクレアーゼ、例えば、切断活性を欠くまたは実質的に欠くエンドヌクレアーゼを含む複合体が開示される。
【0269】
本開示の複合体は、例えば、1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターを標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列の極めて近傍に位置させ、それにより、標的遺伝子の発現または活性レベルのモジュレーションを容易にするために有用であり得る。
【0270】
一部の実施形態では、本開示の複合体は、DNA、例えば、ゲノムDNAに結合する。一部の実施形態では、本開示の複合体は、RNA、例えば、mRNA、マイクロRNA、siRNA、または非コードRNAに結合する。一部の実施形態では、本開示の複合体は、DNAおよびRNAに結合する。
【0271】
一部の実施形態では、複合体により、ポリヌクレオチド配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサー、オペレーター、またはサイレンサー、インスレーター、シス調節エレメント、トランス調節エレメント、エピジェネティック改変(例えば、DNAメチル化)部位、コード配列)を物理的に妨害することによって標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性をモジュレートする(例えば、増大または低減させる)ことができる。
【0272】
一部の実施形態では、複合体により、標的遺伝子の発現を抑止または増強するために有効な追加の因子を動員することによって標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性をモジュレートする(例えば、増大または低減させる)ことができる。
【0273】
一部の実施形態では、本開示の複合体を、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター、シス調節エレメント、トランス調節エレメント、またはエピジェネティック改変(例えば、DNAメチル化)部位)にエピジェネティック改変を導入するために使用する。一部の実施形態では、本開示の複合体を、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列(例えば、標的遺伝子に対して遠位または近位の遺伝子)を含む三次元構造、位相幾何学的に関連するドメイン、またはゲノム境界を生じさせるために使用する。
【0274】
一部の場合では、本明細書に開示される複合体、例えば、1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターとガイド核酸とを含む複合体による標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の調節には、標的遺伝子と作動的にカップリングした内因性標的遺伝子調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサー、サイレンサー、インスレーター、シス調節エレメント、トランス調節エレメント、エピジェネティック改変(例えば、DNAメチル化)部位など)を利用することができる。したがって、複合体による標的遺伝子のそのような調節は、対象または宿主細胞に対して異種である外因性、合成、および/または異種の調節配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサー、サイレンサー、インスレーター、シス調節エレメント、トランス調節エレメント、エピジェネティック改変(例えば、DNAメチル化)部位などを伴わなくてよく、また、伴う必要はない。一部の実施形態では、複合体による標的遺伝子の調節は、工学的に操作された誘導性系、抑制可能な系、および/またはレポーター系の使用を伴わない。一部の実施形態では、複合体による標的遺伝子の調節は、外因性、工学的に操作された、または合成の調節エレメントの使用を伴わない、例えば、テトラサイクリンまたはその類似体によってモジュレートされる応答エレメントを伴わない。一部の実施形態では、複合体による標的遺伝子の調節は、工学的に操作された誘導性系、抑制可能な系、および/またはレポーター系の一部として機能するトランス活性化因子またはリバーストランス活性化因子の使用を伴わない。一部の実施形態では、複合体による標的遺伝子の調節は、Tet offまたはtTA依存性系、またはその構成要素を伴わない。一部の実施形態では、複合体による標的遺伝子の調節は、Tet OnまたはrtTA依存性系、またはその構成要素を伴わない。
【0275】
一部の場合では、本明細書に開示される複合体(例えば、1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターとガイド核酸とを含む複合体)は、モジュレート剤、例えば、複合体により標的遺伝子の発現を増大または低減させることを直接的または間接的に可能にする作用剤によるいかなるさらなる制御を伴わずに標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)を調節することが可能なものであり得る。一部の実施形態では、複合体は、トランス活性化剤、リバーストランス活性化剤、小分子、薬物、二量体形成もしくは多量体形成の化学的誘導物質、追加の誘導剤、追加の抑制剤、またはこれらの任意の組合せを伴うことなく標的遺伝子を調節することが可能である。例えば、個々の複合体を宿主細胞に導入する(例えば、個々の複合体の個々の構成要素を宿主細胞に発現させるおよび/またはトランスフェクトする)際、そのような導入は、個々の複合体が標的遺伝子の発現または活性を調節することを可能にするために十分なものであり得る。
【0276】
一部の実施形態では、複合体は、異種遺伝子エフェクターとガイド部分とを含む。一部の実施形態では、複合体は、1つの異種遺伝子エフェクターと1つのガイド部分とを含む。一部の実施形態では、複合体は、2つの異種遺伝子エフェクターと1つのガイド部分とを含む。一部の実施形態では、複合体は、3つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターと1つのガイド部分とを含む。
【0277】
一部の実施形態では、複合体は、異種遺伝子エフェクターとガイド核酸とを含む。一部の実施形態では、複合体は、1つの異種遺伝子エフェクターと1つのガイド核酸とを含む。一部の実施形態では、複合体は、2つの異種遺伝子エフェクターと1つのガイド核酸とを含む。一部の実施形態では、複合体は、3つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターと1つのガイド核酸とを含む。
【0278】
一部の実施形態では、複合体は、異種遺伝子エフェクターとヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼなどのヌクレアーゼを含むガイド部分)とを含む。ヌクレアーゼと異種遺伝子エフェクターの組合せは、ヌクレアーゼと異種遺伝子エフェクターとを含むキメラ融合ポリペプチドであり得る。一部の実施形態では、ヌクレアーゼと異種遺伝子エフェクターは、キメラ融合ポリペプチドの一部ではない、例えば、同じポリペプチド鎖内には存在しない。ヌクレアーゼと異種遺伝子エフェクターの組合せの長さは、閾値長未満であり得る。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターとヌクレアーゼの合わせた長さは、最大で約1,200アミノ酸、最大で約1,100アミノ酸、最大で約1,000アミノ酸、最大で約950アミノ酸、最大で約900アミノ酸、最大で約850アミノ酸、最大で約800アミノ酸、最大で約750アミノ酸、最大で約700アミノ酸、最大で約650アミノ酸、最大で約600アミノ酸、最大で約550アミノ酸、最大で約500アミノ酸、最大で約450アミノ酸、最大で約400アミノ酸、最大で約350アミノ酸、または最大で約300アミノ酸である。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターとヌクレアーゼの合わせた長さは、少なくとも約300アミノ酸、少なくとも約350アミノ酸、少なくとも約400アミノ酸、少なくとも約450アミノ酸、少なくとも約500アミノ酸、少なくとも約550アミノ酸、少なくとも約600アミノ酸、少なくとも約650アミノ酸、少なくとも約700アミノ酸、少なくとも約750アミノ酸、少なくとも約800アミノ酸、少なくとも約850アミノ酸、少なくとも約900アミノ酸、少なくとも約950アミノ酸、少なくとも約1,000アミノ酸、少なくとも約1,100アミノ酸、または少なくとも約1,200アミノ酸である。
【0279】
本明細書に開示される複合体は、(i)ガイド部分(例えば、必要に応じてガイド核酸配列を伴う、ヌクレアーゼ不活性化Cas、例えば、ヌクレアーゼ不活性化Cas9、Cas12a、またはUn1Cas12f1などのヌクレアーゼまたはその一部)と(ii)異種遺伝子エフェクターとを含み得、ここで、異種遺伝子エフェクターは、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くに対して、例えば、全長にわたって、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0280】
一部の実施形態では、本明細書に開示される複合体は、(i)ガイド部分(例えば、ガイド核酸配列および/またはヌクレアーゼ不活性化Cas、例えば、ヌクレアーゼ不活性化Cas9、Cas12a、またはUn1Cas12f1などのヌクレアーゼまたはその一部)と(ii)異種遺伝子エフェクターとを含み、ここで、異種遺伝子エフェクターは、配列番号1102、2057、5543、9066、11948、15646、17629、19860、21015、21166、22149、22707、23631、23639、25430、25555、32678、33890、34047、35737、38138、38780、40913、40985、40986、および42623のうちのいずれか1つに対して、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、または約100%の配列同一性または配列類似性を有するペプチド配列を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0281】
複合体に存在する2つの構成要素を、共有結合により連結する、例えば、融合タンパク質として存在させることができ、または架橋させる、例えば、架橋剤で処理することができ、または本明細書に開示されるペプチドもしくは非ペプチドリンカーによって接合することができる。
【0282】
一部の実施形態では、複合体に存在する2つの構成要素は、同じ融合タンパク質の一部である。構成要素を必要に応じてペプチドリンカーまたは非ペプチドリンカーなどのリンカーによって接合することができる。
【0283】
一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)をリンカーによって異種遺伝子エフェクターと接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部を同じまたは異なる第2のリンカーによって第2の異種遺伝子エフェクターとさらに接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)をリンカーを伴わずに異種遺伝子エフェクターと融合する。
【0284】
一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)をリンカーによってオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部を同じまたは異なる第2のリンカーによって第2のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインとさらに接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)をリンカーを伴わずに第2のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと融合する。
【0285】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターをリンカーによって第2の異種遺伝子エフェクターと接合する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターを同じまたは異なる第2のリンカーによって第3の異種遺伝子エフェクターとさらに接合する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターをリンカーを伴わずに第2の異種遺伝子エフェクターと融合する。
【0286】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターをリンカーによってオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと接合する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターを同じまたは異なる第2のリンカーによって第2のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインとさらに接合する。一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターをリンカーを伴わずに第2のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと融合する。
【0287】
任意の適切なリンカーを使用することができる。柔軟なリンカーは、グリシン残基とセリン残基の一続きを含有する配列を有し得る。グリシン残基およびセリン残基はサイズが小さいので、柔軟性がもたらされ、接続された機能的ドメインが動きやすくなる。セリンまたはトレオニンを組み入れることにより、水溶液中で、水分子との水素結合が形成され、それにより、リンカーとタンパク質部分の好ましくない相互作用が低減することにより、リンカーの安定性を維持することができる。柔軟なリンカーは、柔軟性を維持するためにトレオニンおよびアラニンなどの追加のアミノ酸、ならびに、溶解性を改善するためにリシンおよびグルタミンなどの極性アミノ酸も含有し得る。柔軟でないリンカーは、例えば、アルファヘリックス構造を有し得る。柔軟でないアルファヘリックスリンカーは、タンパク質ドメイン間のスペーサーとして作用し得る。リンカーの非限定的な例としては、表2の配列、およびそのリピート、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10リピートが挙げられる。配列番号1~6に柔軟なリンカーまたはそのサブユニットを提示する。配列番号7~10に柔軟でないリンカーまたはそのサブユニットを提示する。
【表2-1】
【表2-2】
【0288】
リンカー配列は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸残基長であり得る。
【0289】
一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも9、少なくとも11、少なくとも13、少なくとも15、または少なくとも20アミノ酸である。一部の実施形態では、リンカーは、最大で5、最大で7、最大で9、最大で11、最大で13、最大で15、最大で20、最大で25、最大で30、最大で40、または最大で50アミノ酸である。
【0290】
一部の実施形態では、非ペプチドリンカーを使用する。非ペプチドリンカーは、例えば、化学的リンカーであり得る。本開示の複合体の2つの部分を化学的リンカーによって接続することができる。本開示の各化学的リンカーは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり得、いずれも、必要に応じて置換されている。一部の実施形態では、本開示の化学的リンカーは、エステル、エーテル、アミド、チオエーテル、またはポリエチレングリコール(PEG)であり得る。一部の実施形態では、リンカーにより、化合物内のアミノ酸配列の順序を逆転させることができ、例えば、その結果、リンカーによって連結したアミノ酸配列が頭尾ではなく頭頭になる。そのようなリンカーの非限定的な例として、ジカルボン酸のジエステル、例えば、オキサリルジエステル、マロニルジエステル、サクシニルジエステル、グルタリルジエステル、アジピルジエステル、ピメチルジエステル、フマリルジエステル、マレイルジエステル、フタリルジエステル、イソフタリルジエステル、およびテレフタリルジエステルが挙げられる。そのようなリンカーの非限定的な例として、ジカルボン酸のジアミド、例えば、オキサリルジアミド、マロニルジアミド、サクシニルジアミド、グルタリルジアミド、アジピルジアミド、ピメチルジアミド、フマリルジアミド、マレイルジアミド、フタリルジアミド、イソフタリルジアミド、およびテレフタリルジアミドが挙げられる。そのようなリンカーの非限定的な例として、ジアミノリンカーのジアミド、例えば、エチレンジアミン、1,2-ジ(メチルアミノ)エタン、1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジ(メチルアミノ)プロパン、1,4-ジ(メチルアミノ)ブタン、1,5-ジ(メチルアミノ)ペンタン、1,6-ジ(メチルアミノ)ヘキサン、およびピピリジン(pipyrizine)が挙げられる。必要に応じた置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボキシアルデヒド基、イミン基、アルキル基、ハロ-アルキル基、アルケニル基、ハロ-アルケニル基、アルキニル基、ハロ-アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロシクリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバメート基、アミド基、ウレイド基、エポキシ基、およびエステル基が挙げられる。
【0291】
複合体内に存在する2つの構成要素を、例えば、イオン結合、水素結合、本明細書に開示されるオリゴマー形成または二量体形成ドメインによって媒介される相互作用などによって非共有結合によりカップリングすることができる。
【0292】
一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)を非共有結合カップリングによって異種遺伝子エフェクターと接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部を非共有結合カップリングによって第2の異種遺伝子エフェクターとさらに接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部を共有結合により第1の異種遺伝子エフェクターと接合し(例えば、融合タンパク質として、必要に応じてリンカーを伴って)、ガイド部分またはその一部を非共有結合カップリングによって第2の異種遺伝子エフェクターとさらに接合する。
【0293】
一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)を非共有結合カップリングによってオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部を非共有結合カップリングによって第2のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインとさらに接合する。一部の実施形態では、ガイド部分またはその一部(例えば、dCas9などのヌクレアーゼ)を共有結合カップリングによって第1のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと融合し(例えば、必要に応じてリンカーによって融合する)、非共有結合カップリングによって第2のオリゴマー形成ドメインまたは二量体形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメインと接合する。
【0294】
一部の実施形態では、ガイド部分の第1の構成要素(例えば、ガイド核酸)を非共有結合によりガイド部分の第2の構成要素(例えば、ヌクレアーゼ)と接合する。一部の実施形態では、ガイド部分の第1の構成要素(例えば、ガイド核酸)を共有結合によりガイド部分の第2の構成要素(例えば、ヌクレアーゼ)と接合する。
【0295】
共有結合カップリングと非共有結合カップリングの任意の組合せを本開示の複合体に使用することができ、例えば、1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターを非共有結合によりガイド部分と融合し、1つまたは複数のオリゴマー形成ドメインを共有結合により複合体の構成要素(例えば、ヌクレアーゼ)と結合させることができる。
【0296】
一部の実施形態では、安定性の増大または低減をもたらすポリペプチドを本開示の複合体の構成要素、例えば、ガイド部分または異種遺伝子エフェクターと融合するまたは他のやり方で会合させる。融合させるポリペプチドは、融合タンパク質のN末端、C末端、または内部に位置してよい。
【0297】
一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数の複合体の構成要素を、望ましい細胞内局在を方向付けるドメイン、例えば、核局在化シグナルまたは核内膜、核外膜、カハール体、核スペックル、核膜孔複合体、PML体、核小体、P顆粒、GW体、ストレス顆粒、海綿体、小胞体、ミトコンドリアなどへの標的化のためのタンパク質と融合する。
【0298】
一部の実施形態では、本開示の複合体は、第1のオリゴマー形成(例えば、二量体形成)ドメインと連結した第1のタンパク質と、第2のオリゴマー形成(例えば、二量体形成)ドメインと連結した第2のタンパク質とを含む。一部の実施形態では、オリゴマー形成ドメインまたは二量体形成ドメインは、ペプチド相互作用ドメイン、例えば、sgRNA2.0、SAM、SunTag、RAB、FLAG-ビオチンを利用する系、または本明細書に開示される誘導性オリゴマー形成(例えば、二量体形成)系を含み得る。
異種遺伝子エフェクターの組合せを含む複合体
【0299】
本明細書において、一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターを含む複合体、ならびにそれを同定する系および方法が開示される。
【0300】
一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターを本明細書に開示される目的の遺伝子座に動員することにより、いずれかの異種遺伝子エフェクター単独と比較して優れた転写のモジュレーション、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)発現のより強力かつ/または持続的なモジュレーションをもたらすことができる。
【0301】
一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターを本開示の複合体内の本明細書に開示される目的の遺伝子座に動員することにより、異種遺伝子エフェクターの組合せを別々に、すなわち、本開示の複合体内に存在させずに動員した場合と比較して優れた転写のモジュレーションをもたらすことができる。優れた転写のモジュレーションには、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)発現のより強力かつおよび/または持続的なモジュレーション(例えば、活性化または抑制)が含まれ得る。
【0302】
一部の実施形態では、本開示のアッセイ系、例えば、ハイスループットスクリーンを使用して、所望の結果、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または遺伝子のセットの発現の増大、標的遺伝子または遺伝子のセットの発現の低減、ある特定の閾値を上回る発現の増大、ある特定の閾値を下回る発現の低減、望ましい時間量の所望の閾値を上回るまたは下回る発現の持続性などを実現するために適した異種遺伝子エフェクターの組合せを同定する。
【0303】
標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節する、本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される異種遺伝子エフェクターの組合せは、通常のin vivoの状況では相互作用しないが(例えば、細胞型供給源、生物体、組織特異的発現、所与の細胞内区画もしくは細胞小器官への局在、補因子、構造的、または複合体の要件などに起因する)、それにもかかわらず、例えば本開示の複合体内の標的目的の遺伝子座に直交性に動員されると望ましいエピジェネティックおよび/または転写作用を媒介する因子の組合せであり得る。
【0304】
一部の実施形態では、本開示の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターの組合せは、異なる供給源に由来する、例えば、ヒトタンパク質、ウイルスタンパク質、哺乳動物タンパク質、核に主に局在化するタンパク質、クロマチン調節因子、ヘテロクロマチン形成を容易にする因子、ヒストンをメチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをアセチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをリン酸化によってモジュレートする因子、ヒストンをADP-リボシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをグリコシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをSUMO化によってモジュレートする因子、ヒストンをユビキチン化によってモジュレートする因子、ヒストンを、例えばATP加水分解依存性プロセスによってヒストン構造をリモデリングすることによってモジュレートする因子、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼ、クロマチンリモデリング複合体の構成要素、転写調節因子、転写活性化因子、転写リプレッサードメイン、転写因子、間葉系幹細胞転写因子、胚性幹細胞転写因子、人工多能性幹細胞(iPSC)転写因子、上皮幹細胞転写因子、がん幹細胞転写因子、がん関連転写因子、免疫細胞転写因子、核受容体、核ホルモン受容体、検証されたヒトウイルス転写調節因子、ウイルス(例えば、本明細書に開示されるウイルスの科、亜科、属、種などのもの)のゲノム由来の因子、ヒトに人畜共通感染することが可能なウイルスのゲノム由来の因子、ヒト/コウモリ共通ウイルス由来の因子、メタゲノム調査によるウイルスゲノム由来の因子、ヒト腸内に見いだされるウイルス由来の因子、極限環境において見いだされるウイルス由来の因子、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有するウイルスもしくはタンパク質クラス由来の因子、または本明細書に開示される別の供給源のうちの任意の2つまたはそれよりも多くに由来する。
【0305】
一部の実施形態では、本開示の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターの組合せは、同じまたは同様の供給源に由来する、例えば、2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターのそれぞれが、ヒトタンパク質、ウイルスタンパク質、哺乳動物タンパク質、核に主に局在化するタンパク質、クロマチン調節因子、ヘテロクロマチン形成を容易にする因子、ヒストンをメチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをアセチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをリン酸化によってモジュレートする因子、ヒストンをADP-リボシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをグリコシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをSUMO化によってモジュレートする因子、ヒストンをユビキチン化によってモジュレートする因子、ヒストンを、例えばATP加水分解依存性プロセスによってヒストン構造をリモデリングすることによってモジュレートする因子、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼ、クロマチンリモデリング複合体の構成要素、転写調節因子、転写活性化因子、転写リプレッサードメイン、転写因子、間葉系幹細胞転写因子、胚性幹細胞転写因子、人工多能性幹細胞(iPSC)転写因子、上皮幹細胞転写因子、がん幹細胞転写因子、がん関連転写因子、免疫細胞転写因子、核受容体、核ホルモン受容体、検証されたヒトウイルス転写調節因子、ウイルス(例えば、本明細書に開示されるウイルスの科、亜科、属、種などのもの)のゲノム由来の因子、ヒトに人畜共通感染することが可能なウイルスのゲノム由来の因子、ヒト/コウモリ共通ウイルス由来の因子、メタゲノム調査によるウイルスゲノム由来の因子、ヒト腸内に見いだされるウイルス由来の因子、極限環境において見いだされるウイルス由来の因子、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有するウイルスもしくはタンパク質クラス由来の因子、または本明細書に開示される別の供給源に由来する配列を含有する。
【0306】
一部の実施形態では、複合体は、同じまたは同様の供給源に由来する2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクター、および異なる供給源に由来する2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターを含む。
【0307】
本開示の複合体内に存在する2つの異種遺伝子エフェクターは、共有結合により複合体と連結する、例えば、融合タンパク質内に存在させることができ、本明細書の他の箇所で開示されている任意の様式で、架橋剤などで処理することができる。
【0308】
本開示の複合体内に存在する2つの異種遺伝子エフェクターは、複合体と、例えば、イオン結合、水素結合、誘導可能および/または可逆的系を使用することなどによって、本明細書の他の箇所で開示されている任意の様式で、非共有結合により会合させることができる。
【0309】
本開示の複合体内に存在する2つの異種遺伝子エフェクターは、誘導性系を使用することによって複合体と会合させることができる。一部の実施形態では、誘導性系は、例えば、誘導剤を取り除くと、または解離剤で処理すると、可逆的である。
【0310】
複合体の構成要素を会合させるための誘導性系は、二量体形成ドメイン、オリゴマー形成ドメイン、または多量体形成ドメインを、会合対象のタンパク質と融合することを含み得る。一部の実施形態では、二量体形成ドメイン、オリゴマー形成ドメイン、または多量体形成ドメインを、会合対象のタンパク質のN末端と融合する。一部の実施形態では、二量体形成ドメイン、オリゴマー形成ドメイン、または多量体形成ドメインを、会合対象のタンパク質のC末端に融合する。一部の実施形態では、二量体形成ドメイン、オリゴマー形成ドメイン、または多量体形成ドメインを、会合対象のタンパク質のN末端およびC末端に融合する(例えば、N末端およびC末端の同じまたは異なる二量体形成ドメイン、オリゴマー形成ドメイン、または多量体形成ドメインを)。一部の実施形態では、二量体形成ドメイン、オリゴマー形成ドメイン、または多量体形成ドメインを会合対象のタンパク質のアミノ酸配列内部にインフレームで付加する。
【0311】
複合体の構成要素を会合させるための誘導性系は、化学的誘導性系であり得る。化学的誘導性系の非限定的な例としては、小分子誘導性系、テトラサイクリンまたはドキシサイクリンに基づく系、ポナステロンAに基づく系、アブシジン酸(ABA)誘導性ABI-PYL1、ジベレリン(GA)誘導性GID1-GAI、ラパマイシン誘導性FKBP-FRB、TMP-Htagにより誘導されるHaloTag/DHFR二量体形成系、酵素触媒反応を使用する二量体形成系、および誘導性構成要素の組合せを利用する系が挙げられる。
【0312】
複合体の構成要素を会合させるための誘導性系は、光誘導性系(例えば、光遺伝学的系)であり得る。光誘導性系の非限定的な例としては、フィトクロムに基づく赤色光誘導性PHYB-PIF、クリプトクロムに基づく青色光誘導性CRY2PHR-CIBN、光・酸素・電圧に基づく青色光誘導性FKF1-GI、pMAG、nMAG、BphS、および誘導性構成要素の組合せを利用する系が挙げられる。
【0313】
一部の実施形態では、本開示の複合体の構成要素を、Arabidopsis thaliana由来の誘導性かつ可逆的なヘテロ二量体タンパク質対(PYL1-ABIとGID1-GAI)を使用して会合させる。この系由来のヘテロ二量体形成ドメインを2つの別々に発現させたポリペプチドのそれぞれと融合することにより、誘導剤(植物ホルモンABAおよびGA)で処理することでポリペプチドを会合させることが可能になる。
【0314】
例えば、ヘテロ二量体対の一方のタンパク質をガイド部分(例えば、dCas9)と融合し、他方を異種遺伝子エフェクターと融合することで、適当な植物ホルモンを添加することによってガイド部分へのエフェクターの動員を実現することができる。第2のヘテロ二量体対の一方のタンパク質をガイド部分と融合し、他方を第2の異種遺伝子エフェクターと融合することにより、第2の異種遺伝子エフェクターの動員を同様に実現することができる。一部の実施形態では、例えば、1つの異種遺伝子エフェクターとヌクレアーゼの間の複合体形成を可逆的に誘導するために、代替誘導性系として同じ系を使用して、2つまたはそれよりも多くの異なる異種遺伝子エフェクターを含有しない複合体の構成要素を会合させる。
【0315】
一部の実施形態では、誘導性系の構成要素を本開示の細胞において一過性にまたは永久に発現させることができる。例えば、細胞に形質導入を行って、ガイド部分(例えば、dCas9)をGAIおよびABIのヘテロ二量体形成ドメインとの融合を伴って一過性にまたは安定に発現させることができる。
【0316】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有する候補異種遺伝子エフェクターを利用する。一部の実施形態では、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有する異種遺伝子エフェクターは、他の遺伝子エフェクターとの組合せで有用であり得、例えば、遺伝子転写に対するコンビナトリアルまたは相乗効果を容易にする可能性がより高い可能性がある。この系により、例えば、候補エフェクタードメインを試験対象である何千もの可能性のある組合せに不偏的に直交性に動員することが可能になる。系の誘導性および可逆性により、転写活性化または抑制に対する観察される効果の持続性を評価することが可能になる。系の態様(例えば、AND、OR、NAND、およびNOR論理演算子、およびある1つの誘導因子を用いると遺伝子発現を活性化し、別の誘導因子を用いると遺伝子発現を抑制する対立的な調節因子を可能にする)は、Gao et al., "Complex transcriptional modulation with orthogonaland inducible dCas9 regulators." Nature methods 13.12 (2016): 1043-1049に記載されている。
【0317】
一部の実施形態では、複合体は、クロマチン調節因子と転写調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、第1のクロマチン調節因子と第2のクロマチン調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、第1の転写調節因子と第2の転写調節因子の組合せを含む。
【0318】
一部の実施形態では、複合体は、少なくとも1つのクロマチン調節因子と少なくとも1つの転写調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、第1のクロマチン調節因子と少なくとも第2のクロマチン調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、第1の転写調節因子と少なくとも第2の転写調節因子の組合せを含む。
【0319】
一部の実施形態では、複合体は、クロマチン調節因子と2つの転写調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、転写調節因子と2つのクロマチン調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、3つのクロマチン調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、3つの転写調節因子の組合せを含む。
【0320】
一部の実施形態では、複合体は、少なくとも1つのクロマチン調節因子と少なくとも2つの転写調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、少なくとも1つの転写調節因子と少なくとも2つのクロマチン調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、少なくとも3つのクロマチン調節因子の組合せを含む。一部の実施形態では、複合体は、少なくとも3つの転写調節因子の組合せを含む。
【0321】
本開示の複合体は、任意の適切な数の異種遺伝子エフェクター、例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの異種遺伝子エフェクターを含み得る。一部の実施形態では、本開示の複合体は、最大で2つ、最大で3つ、最大で4つ、または最大で5つの異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、本開示の複合体は、1~5つ、1~4つ、1~3つ、1~2つ、2~5つ、2~4つ、2~3つ、3~5つ、3~4つ、または4~5つの異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、本開示の複合体は、最大で1つ、最大で2つ、最大で3、最大で4、最大で5、最大で6、最大で7、最大で8、最大で9、または最大で10の異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、本開示の複合体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、本開示の複合体は、1つの異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、本開示の複合体は、2つの異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、本開示の複合体は、3つの異種遺伝子エフェクターを含む。
【0322】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節する2つの異種遺伝子エフェクターが本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される。一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節する3つの異種遺伝子エフェクターが本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される。一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節する4つの異種遺伝子エフェクターが本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される。一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節する5つの異種遺伝子エフェクターが本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される。
【0323】
標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現を調節する2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターが本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される場合、それらの異種遺伝子エフェクターは、同じであっても異なってもよい。一部の実施形態では、本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される、標的遺伝子の発現を調節する2つの異種遺伝子エフェクターは、互いに異なる(例えば、異なる起源タンパク質に由来する)。一部の実施形態では、本開示の複合体内に存在するおよび/または遺伝子座に動員される、標的遺伝子の発現を調節する3つの異種遺伝子エフェクターは、互いに異なる(例えば、異なる起源タンパク質に由来する)。
【0324】
一部の実施形態では、本開示の複合体は、P300、TET1、TET2、TET3、および/もしくはHSF1ではない、またはP300、TET1、TET2、TET3、および/もしくはHSF1由来の配列を含有しない、少なくとも1つの異種遺伝子エフェクターを含む。
【0325】
一部の実施形態では、本開示の複合体は、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)ではない、またはそれ由来の配列を含有しない少なくとも1つの異種遺伝子エフェクターを含む。
【0326】
一部の実施形態では、本開示の複合体は、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3Aではない、またはそれ由来の配列を含有しない少なくとも1つの異種遺伝子エフェクターを含む。
標的遺伝子
【0327】
本開示は、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現をモジュレートするための組成物、方法、および系を提供する。例えば、本明細書において、ガイド部分と、標的遺伝子の活性または発現レベルを増大または低減させることができる1つまたは複数の異種遺伝子エフェクターとを含む複合体が開示される。
【0328】
一部の実施形態では、標的遺伝子またはその調節配列は、対象に対して内因性である、例えば、対象のゲノム内に存在する。一部の実施形態では、標的遺伝子またはその調節配列は、工学的に操作されたレポーター系の一部ではない。
【0329】
一部の実施形態では、標的遺伝子は、宿主対象に対して外因性であり、例えば、病原体標的遺伝子、または遺伝子治療および/もしくは細胞治療などの治療介入の結果として発現される外因性遺伝子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、外因性レポーター遺伝子、例えば、本明細書に開示されるレポーター遺伝子(例えば、蛍光タンパク質)である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、外因性合成遺伝子である。
【0330】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を増大させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。一部の実施形態では、発現レベルは、RNA発現レベルであり、例えば、RNAseq、qPCR、マイクロアレイ、遺伝子アレイ、FISHなどによって測定することができる。一部の実施形態では、発現レベルは、タンパク質発現レベルであり、例えば、ウエスタンブロット、ELISA、マルチプレックスイムノアッセイ、質量分析、NMR、プロテオミクス、フローサイトメトリー、マスサイトメトリーなどによって測定することができる。
【0331】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも2倍に、少なくとも3倍に、少なくとも4倍に、少なくとも5倍に、少なくとも6倍に、少なくとも7倍に、少なくとも8倍に、少なくとも9倍に、少なくとも10倍に、少なくとも11倍に、少なくとも12倍に、少なくとも13倍に、少なくとも14倍に、少なくとも15倍に、少なくとも20倍に、少なくとも30倍に、少なくとも40倍に、少なくとも50倍に、少なくとも60倍に、少なくとも70倍に、少なくとも80倍に、少なくとも90倍に、少なくとも100倍に、少なくとも150倍に、少なくとも200倍に、少なくとも250倍に、少なくとも300倍に、少なくとも350倍に、少なくとも400倍に、少なくとも500倍に、少なくとも600倍に、少なくとも700倍に、少なくとも800倍に、少なくとも900倍に、少なくとも1000倍に、少なくとも1500倍に、少なくとも2000倍に、または少なくとも3000倍に、増大させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0332】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を最大で50%、最大で60%、最大で70%、最大で80%、最大で90%、最大で2倍に、最大で3倍に、最大で4倍に、最大で5倍に、最大で6倍に、最大で7倍に、最大で8倍に、最大で9倍に、最大で10倍に、最大で11倍に、最大で12倍に、最大で13倍に、最大で14倍に、最大で15倍に、最大で20倍に、最大で30倍に、最大で40倍に、最大で50倍に、最大で60倍に、最大で70倍に、最大で80倍に、最大で90倍に、最大で100倍に、最大で150倍に、最大で200倍に、最大で250倍に、最大で300倍に、最大で350倍に、最大で400倍に、最大で500倍に、最大で600倍に、最大で700倍に、最大で800倍に、最大で900倍に、最大で1000倍に、最大で1500倍に、最大で2000倍に、最大で3000倍に、最大で5000倍に、または最大で10000倍に、増大させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0333】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約2倍に、約3倍に、約4倍に、約5倍に、約6倍に、約7倍に、約8倍に、約9倍に、約10倍に、約11倍に、約12倍に、約13倍に、約14倍に、約15倍に、約20倍に、約30倍に、約40倍に、約50倍に、約60倍に、約70倍に、約80倍に、約90倍に、約100倍に、約150倍に、約200倍に、約250倍に、約300倍に、約350倍に、約400倍に、約500倍に、約600倍に、約700倍に、約800倍に、約900倍に、約1000倍に、約1500倍に、約2000倍に、約3000倍に、約5000倍に、または約10000倍に、増大させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0334】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現レベルを検出限界未満から検出可能なレベルまで増大させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0335】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも2分の1に、少なくとも3分の1に、少なくとも4分の1に、少なくとも5分の1に、少なくとも6分の1に、少なくとも7分の1に、少なくとも8分の1に、少なくとも9分の1に、少なくとも10分の1に、少なくとも11分の1に、少なくとも12分の1に、少なくとも13分の1に、少なくとも14分の1に、少なくとも15分の1に、少なくとも20分の1に、少なくとも30分の1に、少なくとも40分の1に、少なくとも50分の1に、少なくとも60分の1に、少なくとも70分の1に、少なくとも80分の1に、少なくとも90分の1に、少なくとも100分の1に、少なくとも150分の1に、少なくとも200分の1に、少なくとも250分の1に、少なくとも300分の1に、少なくとも350分の1に、少なくとも400分の1に、少なくとも500分の1に、少なくとも600分の1に、少なくとも700分の1に、少なくとも800分の1に、少なくとも900分の1に、少なくとも1000分の1に、少なくとも1500分の1に、少なくとも2000分の1に、または少なくとも3000分の1に、低減させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0336】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を最大で50%、最大で60%、最大で70%、最大で80%、最大で90%、最大で2分の1に、最大で3分の1に、最大で4分の1に、最大で5分の1に、最大で6分の1に、最大で7分の1に、最大で8分の1に、最大で9分の1に、最大で10分の1に、最大で11分の1に、最大で12分の1に、最大で13分の1に、最大で14分の1に、最大で15分の1に、最大で20分の1に、最大で30分の1に、最大で40分の1に、最大で50分の1に、最大で60分の1に、最大で70分の1に、最大で80分の1に、最大で90分の1に、最大で100分の1に、最大で150分の1に、最大で200分の1に、最大で250分の1に、最大で300分の1に、最大で350分の1に、最大で400分の1に、最大で500分の1に、最大で600分の1に、最大で700分の1に、最大で800分の1に、最大で900分の1に、最大で1000分の1に、最大で1500分の1に、最大で2000分の1に、最大で3000分の1に、最大で5000分の1に、または最大で10000分の1に、低減させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0337】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約2分の1に、約3分の1に、約4分の1に、約5分の1に、約6分の1に、約7分の1に、約8分の1に、約9分の1に、約10分の1に、約11分の1に、約12分の1に、約13分の1に、約14分の1に、約15分の1に、約20分の1に、約30分の1に、約40分の1に、約50分の1に、約60分の1に、約70分の1に、約80分の1に、約90分の1に、約100分の1に、約150分の1に、約200分の1に、約250分の1に、約300分の1に、約350分の1に、約400分の1に、約500分の1に、約600分の1に、約700分の1に、約800分の1に、約900分の1に、約1000分の1に、約1500分の1に、約2000分の1に、約3000分の1に、約5000分の1に、または約10000分の1に、低減させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0338】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現レベルを検出可能なレベルから検出限界未満まで低減させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0339】
一部の実施形態では、発現の変化の程度は、複合体が細胞または細胞の集団に導入される前と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、複合体を用いて処理していない、対応する対照細胞または細胞の集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、代替の複合体または遺伝子発現調節因子、例えば、代替の異種遺伝子エフェクターもしくはその組合せを含む複合体、または標的遺伝子の発現をモジュレートする異なる作用剤を用いて処理された、対応する対照細胞または細胞の集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、P300、TET1、TET2、TET3、HSF1、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3A由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。
【0340】
一部の実施形態では、発現の変化の程度は、VPR由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、KRAB由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、VP64由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、Rta由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、p65由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現の変化の程度は、KALである異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。
【0341】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを上昇させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。活性レベルは、標的遺伝子の機能的特徴に応じて、当該の標的遺伝子に対する適切な機能アッセイによって決定することができる。例えば、マイトジェンである標的遺伝子の活性レベルは細胞増殖を測定することによって決定することができ、アポトーシスを誘導する標的遺伝子の活性レベルはアネキシンVアッセイまたは他の適切な細胞死アッセイによって測定することができ、抗炎症性サイトカインの活性レベルはLPSにより誘導されるサイトカイン放出アッセイによって測定することができる。
【0342】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも2倍に、少なくとも3倍に、少なくとも4倍に、少なくとも5倍に、少なくとも6倍に、少なくとも7倍に、少なくとも8倍に、少なくとも9倍に、少なくとも10倍に、少なくとも11倍に、少なくとも12倍に、少なくとも13倍に、少なくとも14倍に、少なくとも15倍に、少なくとも20倍に、少なくとも30倍に、少なくとも40倍に、少なくとも50倍に、少なくとも60倍に、少なくとも70倍に、少なくとも80倍に、少なくとも90倍に、少なくとも100倍に、少なくとも150倍に、少なくとも200倍に、少なくとも250倍に、少なくとも300倍に、少なくとも350倍に、少なくとも400倍に、少なくとも500倍に、少なくとも600倍に、少なくとも700倍に、少なくとも800倍に、少なくとも900倍に、少なくとも1000倍に、少なくとも1500倍に、少なくとも2000倍に、または少なくとも3000倍に、上昇させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0343】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを最大で50%、最大で60%、最大で70%、最大で80%、最大で90%、最大で2倍に、最大で3倍に、最大で4倍に、最大で5倍に、最大で6倍に、最大で7倍に、最大で8倍に、最大で9倍に、最大で10倍に、最大で11倍に、最大で12倍に、最大で13倍に、最大で14倍に、最大で15倍に、最大で20倍に、最大で30倍に、最大で40倍に、最大で50倍に、最大で60倍に、最大で70倍に、最大で80倍に、最大で90倍に、最大で100倍に、最大で150倍に、最大で200倍に、最大で250倍に、最大で300倍に、最大で350倍に、最大で400倍に、最大で500倍に、最大で600倍に、最大で700倍に、最大で800倍に、最大で900倍に、最大で1000倍に、最大で1500倍に、最大で2000倍に、最大で3000倍に、最大で5000倍に、または最大で10000倍に、上昇させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0344】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約2倍に、約3倍に、約4倍に、約5倍に、約6倍に、約7倍に、約8倍に、約9倍に、約10倍に、約11倍に、約12倍に、約13倍に、約14倍に、約15倍に、約20倍に、約30倍に、約40倍に、約50倍に、約60倍に、約70倍に、約80倍に、約90倍に、約100倍に、約150倍に、約200倍に、約250倍に、約300倍に、約350倍に、約400倍に、約500倍に、約600倍に、約700倍に、約800倍に、約900倍に、約1000倍に、約1500倍に、約2000倍に、約3000倍に、約5000倍に、または約10000倍に、上昇させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0345】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを検出限界未満から検出可能なレベルまで上昇させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0346】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも2分の1に、少なくとも3分の1に、少なくとも4分の1に、少なくとも5分の1に、少なくとも6分の1に、少なくとも7分の1に、少なくとも8分の1に、少なくとも9分の1に、少なくとも10分の1に、少なくとも11分の1に、少なくとも12分の1に、少なくとも13分の1に、少なくとも14分の1に、少なくとも15分の1に、少なくとも20分の1に、少なくとも30分の1に、少なくとも40分の1に、少なくとも50分の1に、少なくとも60分の1に、少なくとも70分の1に、少なくとも80分の1に、少なくとも90分の1に、少なくとも100分の1に、少なくとも150分の1に、少なくとも200分の1に、少なくとも250分の1に、少なくとも300分の1に、少なくとも350分の1に、少なくとも400分の1に、少なくとも500分の1に、少なくとも600分の1に、少なくとも700分の1に、少なくとも800分の1に、少なくとも900分の1に、少なくとも1000分の1に、少なくとも1500分の1に、少なくとも2000分の1に、または少なくとも3000分の1に、低下させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0347】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを最大で50%、最大で60%、最大で70%、最大で80%、最大で90%、最大で2分の1に、最大で3分の1に、最大で4分の1に、最大で5分の1に、最大で6分の1に、最大で7分の1に、最大で8分の1に、最大で9分の1に、最大で10分の1に、最大で11分の1に、最大で12分の1に、最大で13分の1に、最大で14分の1に、最大で15分の1に、最大で20分の1に、最大で30分の1に、最大で40分の1に、最大で50分の1に、最大で60分の1に、最大で70分の1に、最大で80分の1に、最大で90分の1に、最大で100分の1に、最大で150分の1に、最大で200分の1に、最大で250分の1に、最大で300分の1に、最大で350分の1に、最大で400分の1に、最大で500分の1に、最大で600分の1に、最大で700分の1に、最大で800分の1に、最大で900分の1に、最大で1000分の1に、最大で1500分の1に、最大で2000分の1に、最大で3000分の1に、最大で5000分の1に、または最大で10000分の1に、低下させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0348】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約2分の1に、約3分の1に、約4分の1に、約5分の1に、約6分の1に、約7分の1に、約8分の1に、約9分の1に、約10分の1に、約11分の1に、約12分の1に、約13分の1に、約14分の1に、約15分の1に、約20分の1に、約30分の1に、約40分の1に、約50分の1に、約60分の1に、約70分の1に、約80分の1に、約90分の1に、約100分の1に、約150分の1に、約200分の1に、約250分の1に、約300分の1に、約350分の1に、約400分の1に、約500分の1に、約600分の1に、約700分の1に、約800分の1に、約900分の1に、約1000分の1に、約1500分の1に、約2000分の1に、約3000分の1に、約5000分の1に、または約10000分の1に、低下させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0349】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の活性レベルを検出可能なレベルから検出限界未満まで低下させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。
【0350】
一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、複合体が細胞または細胞の集団に導入される前と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、複合体を用いて処理していない、対応する対照細胞または細胞の集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、代替の複合体または遺伝子発現調節因子、例えば、代替の異種遺伝子エフェクターもしくはその組合せを含む複合体、または標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の活性レベルをモジュレートする異なる作用剤を用いて処理された、対応する対照細胞または細胞の集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、P300、TET1、TET2、TET3、HSF1、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3A由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。
【0351】
一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、VPR由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、KRAB由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、VP64由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、Rta由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、p65由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、活性レベルの変化の程度は、KALである異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。
【0352】
一部の場合では、本開示の複合体により、代替の組成物および方法を用いて実現することができるよりも長く持続する、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルの変化を引き出すことができる。一部の実施形態では、遺伝子発現の持続的なモジュレーションが一過性のモジュレーションと比較して有利である。
【0353】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、対照よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍長い期間にわたって、ある特定の閾値を上回る発現および/または活性レベルに増大させることができる。
【0354】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、対照よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍長い期間にわたって、ある特定の閾値を下回る発現および/または活性レベルに低減させることができる。
【0355】
一部の実施形態では、例えば、持続的な過剰発現または過少発現により毒性またはオフターゲット作用が導かれる場合、遺伝子発現の一過性のモジュレーションが持続的なモジュレーションと比較して有利である。一部の場合では、本開示の複合体により、代替の組成物および方法を用いて実現することができるよりも短い期間にわたって持続する、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルの変化を引き出すことができる。
【0356】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、対照よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%短い時間、少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも6分の1、少なくとも7分の1、少なくとも8分の1、少なくとも9分の1、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1、または少なくとも100分の1の時間にわたって、ある特定の閾値を上回る発現および/または活性レベルに増大させることができる。
【0357】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、対照よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%短い時間、少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも6分の1、少なくとも7分の1、少なくとも8分の1、少なくとも9分の1、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1、または少なくとも100分の1の時間にわたって、ある特定の閾値を下回る発現および/または活性レベルに低減させることができる。
【0358】
発現および/または活性レベルがモジュレートされる時間量についての対照は、例えば、代替の複合体または遺伝子発現調節因子、例えば、代替の異種遺伝子エフェクターもしくはその組合せを含む複合体、または標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の活性レベルをモジュレートする異なる作用剤を用いて処理された、対応する対照細胞または細胞の集団であり得る。一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、P300、TET1、TET2、TET3、HSF1、VP64、P65、Rta、VPR、AD2、CR3、ELKF1、GATA4、PRVIE、p53、SP1、MYOD、MEF2C、TAX、PPARガンマ、MED1、MED7、MED17、MED26、MED29、TBP、GTF2H-2D、GTF2B、CBP、HSF1、MS2-p65-HSF1、MS2-TET1、NLS-dCas9-VP64、P300、p65、PRDM9、PUFa-GADD45A-TET1、R2、SunTag-scFv-sfGFP-TET1CD、TET1、TET2、TET3、VP120、VP16、VP16、VP16、VP48、VP64、VP64またはp65+/-HSF1またはMyoD1、および/またはVPR(Vp64+p65+Rta)、KRAB、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)、ERFリプレッサードメイン(ERD)、cat3a、Dnmt3aアイソフォーム1の最後の301アミノ酸、dCas9-KRAB-MeCP2、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A、DNMT3A R887E-DNMT3L、DNMT3A-DNMT3L、DNMT3B、EZH2、HDAC、KRAB-DNMT3A、KRAB-DNMT3A-DNMT3L、KRAB-DNMT3L、LSD1、M.SssI、MQ1、MQ1 Q147E、SID4x、および/またはSuntTag-DNMT3A由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。
【0359】
一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、VPR由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、KRAB由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、VP64由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、Rta由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、p65由来の異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。一部の実施形態では、発現および/または活性レベルの変化の持続性は、KALである異種遺伝子エフェクターを含む対照作用剤を用いて処理された、対応する細胞またはその集団と比べたものである。
【0360】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも1日、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、少なくとも28日間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも14週間、少なくとも18週間、少なくとも20週間、または少なくとも26週間にわたって、ある特定の閾値を上回る発現および/または活性レベルに増大させることができる。閾値は、複合体を用いて処理する前に観察されたベースラインレベル、または複合体を用いて処理していない対応する細胞の集団におけるレベルであり得る。
【0361】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも1日、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、少なくとも28日間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも14週間、少なくとも18週間、少なくとも20週間、または少なくとも26週間にわたって、ある特定の閾値を下回る発現および/または活性レベルに低減させることができる。閾値は、例えば、複合体を用いて処理する前に観察されたベースラインレベル、または複合体を用いて処理していない対応する細胞の集団におけるレベルであり得る。
【0362】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、最大で1時間、最大で2時間、最大で3時間、最大で4時間、最大で5時間、最大で6時間、最大で7時間、最大で8時間、最大で9時間、最大で10時間、最大で12時間、最大で14時間、最大で18時間、最大で20時間、最大で1日、最大で2日間、最大で3日間、最大で4日間、最大で5日間、最大で6日間、最大で7日間、最大で8日間、最大で9日間、最大で10日間、最大で14日間、最大で21日間、最大で28日間、最大で5週間、最大で6週間、最大で7週間、最大で8週間、最大で9週間、最大で10週間、最大で12週間、最大で14週間、最大で18週間、最大で20週間、または最大で26週間にわたって、ある特定の閾値を上回る発現および/または活性レベルに増大させることができる。閾値は、例えば、複合体を用いて処理する前に観察されたベースラインレベル、または複合体を用いて処理していない対応する細胞の集団におけるレベルであり得る。
【0363】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、最大で1時間、最大で2時間、最大で3時間、最大で4時間、最大で5時間、最大で6時間、最大で7時間、最大で8時間、最大で9時間、最大で10時間、最大で12時間、最大で14時間、最大で18時間、最大で20時間、最大で1日、最大で2日間、最大で3日間、最大で4日間、最大で5日間、最大で6日間、最大で7日間、最大で8日間、最大で9日間、最大で10日間、最大で14日間、最大で21日間、最大で28日間、最大で5週間、最大で6週間、最大で7週間、最大で8週間、最大で9週間、最大で10週間、最大で12週間、最大で14週間、最大で18週間、最大で20週間、または最大で26週間にわたって、ある特定の閾値を下回る発現および/または活性レベルに低減させることができる。閾値は、例えば、複合体を用いて処理する前に観察されたベースラインレベル、または複合体を用いて処理していない対応する細胞の集団におけるレベルであり得る。
【0364】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約18時間、約20時間、約1日、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約14日間、約21日間、約28日間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約14週間、約18週間、約20週間、または約26週間にわたって、ある特定の閾値を上回る発現および/または活性レベルに増大させることができる。閾値は、例えば、複合体を用いて処理する前に観察されたベースラインレベル、または複合体を用いて処理していない対応する細胞の集団におけるレベルであり得る。
【0365】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルを、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約18時間、約20時間、約1日、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約14日間、約21日間、約28日間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約14週間、約18週間、約20週間、または約26週間にわたって、ある特定の閾値を下回る発現および/または活性レベルに低減させることができる。閾値は、例えば、複合体を用いて処理する前に観察されたベースラインレベル、または複合体を用いて処理していない対応する細胞の集団におけるレベルであり得る。
【0366】
標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)またはその調節配列は、細胞、例えば、幹細胞、造血細胞、免疫細胞、または本明細書に開示される他の細胞型に存在する任意の適切な遺伝子またはその調節配列であり得る。
【0367】
標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、免疫細胞調節に関与する遺伝子であり得る。一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、がんに関連する。がんに関連する標的遺伝子は、細胞周期遺伝子、細胞応答遺伝子、アポトーシス遺伝子、またはファゴサイトーシス遺伝子であり得る。
【0368】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)という用語は、例えば、複合体、異種遺伝子エフェクター、および/または他の因子が当該調節配列に結合すると標的遺伝子の発現または活性レベルに影響を及ぼす可能性がある、標的遺伝子調節配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサー、サイレンサー、インスレーター、シス調節エレメント、トランス調節エレメント、エピジェネティック改変(例えば、DNAメチル化)部位なども包含し得る。標的遺伝子調節配列は、物理的に、標的遺伝子の産物をコードする転写単位またはオープンリーディングフレームの外側に位置していてよい。
【0369】
標的遺伝子調節配列は、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)と作動的にカップリングした、内因性調節配列、例えば、内因性プロモーター、内因性エンハンサー、内因性リプレッサー、内因性サイレンサー、内因性インスレーター、内因性シス調節エレメント、内因性トランス調節エレメント、内因性エピジェネティック改変(例えば、DNAメチル化)部位などであり得る。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、工学的に操作されたまたは合成レポーター系の構成要素を含有しない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、工学的に操作されたレポーター系の一部として機能するものではない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、外因性、工学的に操作された、または合成の調節エレメントを含有しない、例えば、テトラサイクリンまたはその類似体によってモジュレートされる応答エレメントを含有しない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、外因性、工学的に操作された、または合成の因子によってモジュレートされる応答エレメントを含有しない、例えば、トランス活性化因子またはリバーストランス活性化因子によってモジュレートされる応答エレメントを含有しない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、工学的に操作された誘導性系、抑制可能な系、および/またはレポーター系の一部として機能するトランス活性化因子またはリバーストランス活性化因子に対して応答性のエレメントを含有しない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、Tet offまたはtTA依存性系の構成要素ではない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、Tet OnまたはrtTA依存性系の構成要素ではない。
【0370】
一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、対象または宿主細胞に対して外因性であるヌクレオチド配列を含有しない。一部の実施形態では、標的遺伝子調節配列は、工学的に操作されたまたは人工的に生成されたまたは導入されたヌクレオチド配列を含有しない。
【0371】
一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、特定の標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)に特異的な望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、2つまたはそれよりも多くの標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)に適用可能である望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、3つまたはそれよりも多くの標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)に適用可能である望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、あるクラスの標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)、例えば、同じ経路において機能する、または同様の内因性刺激に応答性である、重複する機能的役割を有する遺伝子に適用可能である望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、多種多様な標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)に広範に適用可能である望ましい変化がもたらされる、例えば、標的遺伝子またはその調節配列との結合を方向付けるための適切なガイド部分を有する複合体内に存在する場合、複数の標的遺伝子についてある特定の閾値を上回るまたは下回る発現レベルが引き出される。
【0372】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、疾患または状態の状況で過剰発現または過小発現される遺伝子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、遺伝性疾患の状況で過剰発現または過小発現される遺伝子である。
【0373】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、自己免疫疾患の状況で過剰発現または過小発現される遺伝子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、急性散在性脳脊髄炎、急性運動性軸索型ニューロパチー、アジソン病、有痛脂肪症、成人発症型スチル病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗糸球体基底膜腎炎、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、抗N-メチル-D-アスパラギン酸受容体脳炎、抗リン脂質症候群、抗シンテターゼ症候群、再生不良性貧血、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性脳炎、自己免疫性腸症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ増殖性症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、自己免疫性膵炎、多腺性自己免疫症候群、多腺性自己免疫症候群2型、多腺性自己免疫症候群3型、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性蕁麻疹、自己免疫性ぶどう膜炎、バロー同心円硬化症、ベーチェット病、ビッカースタッフ脳幹脳炎、水疱性類天疱瘡、小児脂肪便症、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、複合性局所疼痛症候群、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、1型糖尿病、円板状エリテマトーデス、子宮内膜症、腱付着部炎、腱付着部炎関連関節炎、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、フェルティ症候群、線維筋痛症、胃炎、妊娠性類天疱瘡、巨細胞性動脈炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、グレーブス眼症、ギラン・バレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、化膿性汗腺炎、特発性拡張型心筋症、特発性炎症性脱髄性疾患、IgA腎症、IgG4関連全身性疾患、封入体筋炎、炎症性腸疾患(IBD)、中間部ぶどう膜炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破壊性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病、ループス腎炎、ループス血管炎、ライム病、メニエール病、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病、モーレン潰瘍、斑状強皮症、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、筋炎、視神経脊髄炎、神経性筋強直症、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、オード甲状腺炎、回帰性リウマチ、傍腫瘍性小脳変性症、パリー・ロンベルク症候群、パーソネージ・ターナー症候群、小児自己免疫性溶連菌関連性神経精神障害、尋常性天疱瘡、悪性貧血、急性痘瘡状苔癬状粃糠疹、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性免疫不全症、原発性硬化性胆管炎、進行性炎症性ニューロパチー、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球ろう、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグ症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、リウマトイド血管炎、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、強皮症、シェーグレン症候群、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、シデナム舞踏病、交感性眼炎、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、血小板減少症、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、蕁麻疹、蕁麻疹様血管炎、血管炎、または白斑の状況で過剰発現または過小発現される遺伝子である。
【0374】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、がん、例えば、急性白血病、星状細胞腫、胆道がん(胆管細胞癌)、骨がん、乳がん、脳幹神経膠腫、細気管支肺胞上皮がん、副腎のがん、肛門領域のがん、膀胱のがん、内分泌系のがん、食道のがん、頭部または頸部のがん、腎臓のがん、副甲状腺のがん、陰茎のがん、胸膜/腹膜のがん、唾液腺のがん、小腸のがん、甲状腺のがん、尿管のがん、尿道のがん、子宮頸部の癌腫、子宮内膜の癌腫、卵管の癌腫、腎盤の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、子宮頸がん、慢性白血病、結腸がん、結腸直腸がん、皮膚黒色腫、上衣腫、類上皮腫、ユーイング肉腫、胃がん(gastric cancer)、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、神経膠腫、血液悪性腫瘍、肝細胞(肝)癌、ヘパトーマ、ホジキン病、眼内黒色腫、カポジ肉腫、肺がん、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、中皮腫、多発性骨髄腫、筋肉のがん、中枢神経系(CNS)の新生物、ニューロンのがん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、小児悪性腫瘍、下垂体腺腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌、軟部組織の肉腫、シュワン細胞腫、皮膚がん、脊髄軸腫瘍、扁平上皮癌、胃がん(stomach cancer)、滑膜肉腫、精巣がん、子宮がん、または腫瘍およびそれらの転移、上記のがんのいずれかの治療抵抗性バージョンを含む、またはこれらの組合せの状況で過剰発現または過小発現される遺伝子である。
【0375】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、分化関連遺伝子、例えば、SSEA1、SSEA3/4、SSEA5、TRA1-60/81、TRA1-85、TRA2-54、GCTM-2、TG343、TG30、CD9、CD29、CD133/プロミニン、CD140a、CD56、CD73、CD90、CD105、OCT4、NANOG、SOX2、CD30、CD50、AHR、Aiolos/IKZF3、CDX4、CREB、DNMT3A、DNMT3B、EGR1、FoxO3、GATA-1、GATA-2、GATA-3、Helios、HES-1、HHEX、HIF-1アルファ/HIF1A、HMGB1/HMG-1、HMGB3、Ikaros、c-Jun、LMO2、LMO4、c-Maf、MafB、MEF2C、MYB、c-Myc、NFATC2、NFIL3/E4BP4、Nrf2、p53、PITX2、PRDM16/MEL1、Prox1、PU.1/Spi-1、RUNX1/CBFA2、SALL4、SCL/Tal1、Smad2、Smad2/3、Smad4、Smad7、Spi-B、STAT活性化因子、STAT阻害因子、STAT3、STAT4、STAT5a、STAT6、TSC22、DUX4、DUX4/DUX4c、DUX4c、EBF-1、EBF-2、EBF-3、ETV5、FoxC2、FoxF1、GATA-4、GATA-6、HMGA2、c-Jun、MYF-5、ミオカルディン(Myocardin)、MyoD、ミオゲニン(Myogenin)、NFATC2、p53、Pax3、PDX-1/IPF1、PLZF、PRDM16/MEL1、RUNX2/CBFA1、Smad1、Smad3、Smad4、Smad5、Smad8、Smad9、Snail、SOX2、SOX9、SOX11、STAT活性化因子、STAT阻害因子、STAT1、STAT3、TBX18、Twist-1、Twist-2、ブラキウリ(Brachyury)、EOMES、FoxC2、FoxD3、FoxF1、FoxH1、FoxO1/FKHR、GATA-2、GATA-3、GBX2、グースコイド(Goosecoid)、HES-1、HNF-3アルファ/FoxA1、c-Jun、KLF2、KLF4、KLF5、c-Maf、Max、MEF2C、MIXL1、MTF2、c-Myc、Nanog、NFkB/IkB活性化因子、NFkB/IkB阻害因子、NFkB1、NFkB2、Oct-3/4、Otx2、p53、Pax2、Pax6、PRDM14、Rex-1/ZFP42、SALL1、SALL4、Smad1、Smad2、Smad2/3、Smad3、Smad4、Smad5、Smad8、Snail、SOX2、SOX7、SOX15、SOX17、STAT活性化因子、STAT阻害因子、STAT3、SUZ12、TBX6、TCF-3/E2A、THAP11、UTF1、WDR5、WT1、ZNF206、ZNF281、KLF2、KLF4、c-Maf、c-Myc、Nanog、Oct-3/4、p53、SOX1、SOX2、SOX3、SOX15、SOX18、TBX18、ASCL2/Mash2、CDX2、DNMT1、ELF3、Ets-1、FoxM1、FoxN1、GATA-6、Hairless、HNF-4アルファ/NR2A1、IRF6、c-Maf、MITF、Miz-1/ZBTB17、MSX1、MSX2、MYB、c-Myc、ニューロゲニン(Neurogenin)-3、NFATC1、NKX3.1、Nrf2、p53、p63/TP73L、Pax2、Pax3、RUNX1/CBFA2、RUNX2/CBFA1、RUNX3/CBFA3、Smad1、Smad2、Smad2/3、Smad4、Smad5、Smad7、Smad8、Snail、SOX2、SOX9、STAT活性化因子、STAT阻害因子、STAT3、SUZ12、TCF-3/E2A、TCF7/TCF1、アンドロゲン(Androgen)R/NR3C4、AP-2ガンマ、ベータカテニン、ベータカテニン阻害因子、ブラキウリ(Brachyury)、CREB、ERアルファ/NR3A1、ERベータ/NR3A2、FoxM1、FoxO3、FRA-1、GLI-1、GLI-2、GLI-3、HIF-1アルファ/HIF1A、HIF-2アルファ/EPAS1、HMGA1B、c-Jun、JunB、KLF4、c-Maf、MCM2、MCM7、MITF、c-Myc、Nanog、NFkB/IkB活性化因子、NFkB/IkB阻害因子、NFkB1、NKX3.1、Oct-3/4、p53、PRDM14、Snail、SOX2、SOX9、STAT活性化因子、STAT阻害因子、STAT3、TAZ/WWTR1、TBX3、Twist-1、Twist-2、WT1、またはZEB1である。
【0376】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターは、造血幹細胞転写因子である遺伝子産物に由来する。一部の実施形態では、標的遺伝子は、間葉系幹細胞転写因子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、胚性幹細胞転写因子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、人工多能性幹細胞(iPSC)転写因子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、上皮幹細胞転写因子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、がん幹細胞転写因子である。
【0377】
一部の実施形態では、標的遺伝子は、加齢関連遺伝子である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、老化関連タンパク質である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、薬物標的である。
【0378】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、がん関連遺伝子である。がん関連遺伝子の非限定的な例としては、A1CF、ABI1、ABL1、ABL2、ACKR3、ACSL3、ACSL6、ACVR1、ACVR2A、AFDN、AFF1、AFF3、AFF4、AKAP9、AKT1、AKT2、AKT3、ALDH2、ALK、AMER1、ANK1、APC、APOBEC3B、AR、ARAF、ARHGAP26、ARHGAP5、ARHGEF10、ARHGEF10L、ARHGEF12、ARID1A、ARID1B、ARID2、ARNT、ASPSCR1、ASXL1、ASXL2、ATF1、ATIC、ATM、ATP1A1、ATP2B3、ATR、ATRX、AXIN1、AXIN2、B2M、BAP1、BARD1、BAX、BAZ1A、BCL10、BCL11A、BCL11B、BCL2、BCL2L12、BCL3、BCL6、BCL7A、BCL9、BCL9L、BCLAF1、BCOR、BCORL1、BCR、BIRC3、BIRC6、BLM、BMP5、BMPR1A、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD3、BRD4、BRIP1、BTG1、BTK、BUB1B、C15orf65、CACNA1D、CALR、CAMTA1、CANT1、CARD11、CARS、CASP3、CASP8、CASP9、CBFA2T3、CBFB、CBL、CBLB、CBLC、CCDC6、CCNB1IP1、CCNC、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CCR4、CCR7、CD209、CD274、CD28、CD74、CD79A、CD79B、CDC73、CDH1、CDH10、CDH11、CDH17、CDK12、CDK4、CDK6、CDKN1A、CDKN1B、CDKN2A、CDKN2C、CDX2、CEBPA、CEP89、CHCHD7、CHD2、CHD4、CHEK2、CHIC2、CHST11、CIC、CIITA、CLIP1、CLP1、CLTC、CLTCL1、CNBD1、CNBP、CNOT3、CNTNAP2、CNTRL、COL1A1、COL2A1、COL3A1、COX6C、CPEB3、CREB1、CREB3L1、CREB3L2、CREBBP、CRLF2、CRNKL1、CRTC1、CRTC3、CSF1R、CSF3R、CSMD3、CTCF、CTNNA2、CTNNB1、CTNND1、CTNND2、CUL3、CUX1、CXCR4、CYLD、CYP2C8、CYSLTR2、DAXX、DCAF12L2、DCC、DCTN1、DDB2、DDIT3、DDR2、DDX10、DDX3X、DDX5、DDX6、DEK、DGCR8、DICER1、DNAJB1、DNM2、DNMT3A、DROSHA、DUX4L1、EBF1、ECT2L、EED、EGFR、EIF1AX、EIF3E、EIF4A2、ELF3、ELF4、ELK4、ELL、ELN、EML4、EP300、EPAS1、EPHA3、EPHA7、EPS15、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERC1、ERCC2、ERCC3、ERCC4、ERCC5、ERG、ESR1、ETNK1、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EXT1、EXT2、EZH2、EZR、FAM131B、FAM135B、FAM47C、FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FAS、FAT1、FAT3、FAT4、FBLN2、FBXO11、FBXW7、FCGR2B、FCRL4、FEN1、FES、FEV、FGFR1、FGFR1OP、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FHIT、FIP1L1、FKBP9、FLCN、FLI1、FLNA、FLT3、FLT4、FNBP1、FOXA1、FOXL2、FOXO1、FOXO3、FOXO4、FOXP1、FOXR1、FSTL3、FUBP1、FUS、GAS7、GATA1、GATA2、GATA3、GLI1、GMPS、GNA11、GNAQ、GNAS、GOLGA5、GOPC、GPC3、GPC5、GPHN、GRIN2A、GRM3、H3F3A、H3F3B、HERPUD1、HEY1、HIF1A、HIP1、HIST1H3B、HIST1H4I、HLA-A、HLF、HMGA1、HMGA2、HMGN2P46、HNF1A、HNRNPA2B1、HOOK3、HOXA11、HOXA13、HOXA9、HOXC11、HOXC13、HOXD11、HOXD13、HRAS、HSP90AA1、HSP90AB1、ID3、IDH1、IDH2、IGF2BP2、IGH、IGK、IGL、IKBKB、IKZF1、IL2、IL21R、IL6ST、IL7R、IRF4、IRS4、ISX、ITGAV、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、JAZF1、JUN、KAT6A、KAT6B、KAT7、KCNJ5、KDM5A、KDM5C、KDM6A、KDR、KDSR、KEAP1、KIAA1549、KIF5B、KIT、KLF4、KLF6、KLK2、KMT2A、KMT2C、KMT2D、KNL1、KNSTRN、KRAS、KTN1、LARP4B、LASP1、LATS1、LATS2、LCK、LCP1、LEF1、LEPROTL1、LHFPL6、LIFR、LMNA、LMO1、LMO2、LPP、LRIG3、LRP1B、LSM14A、LYL1、LZTR1、MACC1、MAF、MAFB、MALAT1、MALT1、MAML2、MAP2K1、MAP2K2、MAP2K4、MAP3K1、MAP3K13、MAPK1、MAX、MB21D2、MDM2、MDM4、MDS2、MECOM、MED12、MEN1、MET、MGMT、MITF、MLF1、MLH1、MLLT1、MLLT10、MLLT11、MLLT3、MLLT6、MN1、MNX1、MPL、MRTFA、MSH2、MSH6、MSI2、MSN、MTCP1、MTOR、MUC1、MUC16、MUC4、MUTYH、MYB、MYC、MYCL、MYCN、MYD88、MYH11、MYH9、MYO5A、MYOD1、N4BP2、NAB2、NACA、NBEA、NBN、NCKIPSD、NCOA1、NCOA2、NCOA4、NCOR1、NCOR2、NDRG1、NF1、NF2、NFATC2、NFE2L2、NFIB、NFKB2、NFKBIE、NIN、NKX2-1、NONO、NOTCH1、NOTCH2、NPM1、NR4A3、NRAS、NRG1、NSD1、NSD2、NSD3、NT5C2、NTHL1、NTRK1、NTRK3、NUMA1、NUP214、NUP98、NUTM1、NUTM2B、NUTM2D、OLIG2、OMD、P2RY8、PABPC1、PAFAH1B2、PALB2、PATZ1、PAX3、PAX5、PAX7、PAX8、PBRM1、PBX1、PCBP1、PCM1、PDCD1LG2、PDE4DIP、PDGFB、PDGFRA、PDGFRB、PER1、PHF6、PHOX2B、PICALM、PIK3CA、PIK3CB、PIK3R1、PIM1、PLAG1、PLCG1、PML、PMS1、PMS2、POLD1、POLE、POLG、POLQ、POT1、POU2AF1、POU5F1、PPARG、PPFIBP1、PPM1D、PPP2R1A、PPP6C、PRCC、PRDM1、PRDM16、PRDM2、PREX2、PRF1、PRKACA、PRKAR1A、PRKCB、PRPF40B、PRRX1、PSIP1、PTCH1、PTEN、PTK6、PTPN11、PTPN13、PTPN6、PTPRB、PTPRC、PTPRD、PTPRK、PTPRT、PWWP2A、QKI、RABEP1、RAC1、RAD17、RAD21、RAD51B、RAF1、RALGDS、RANBP2、RAP1GDS1、RARA、RB1、RBM10、RBM15、RECQL4、REL、RET、RFWD3、RGPD3、RGS7、RHOA、RHOH、RMI2、RNF213、RNF43、ROBO2、ROS1、RPL10、RPL22、RPL5、RPN1、RSPO2、RSPO3、RUNX1、RUNX1T1、S100A7、SALL4、SBDS、SDC4、SDHA、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、44444、44445、44448、SET、SETBP1、SETD1B、SETD2、SETDB1、SF3B1、SFPQ、SFRP4、SGK1、SH2B3、SH3GL1、SHTN1、SIRPA、SIX1、SIX2、SKI、SLC34A2、SLC45A3、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMARCA4、SMARCB1、SMARCD1、SMARCE1、SMC1A、SMO、SND1、SNX29、SOCS1、SOX2、SOX21、SPECC1、SPEN、SPOP、SRC、SRGAP3、SRSF2、SRSF3、SS18、SS18L1、SSX1、SSX2、SSX4、STAG1、STAG2、STAT3、STAT5B、STAT6、STIL、STK11、STRN、SUFU、SUZ12、SYK、TAF15、TAL1、TAL2、TBL1XR1、TBX3、TCEA1、TCF12、TCF3、TCF7L2、TCL1A、TEC、TENT5C、TERT、TET1、TET2、TFE3、TFEB、TFG、TFPT、TFRC、TGFBR2、THRAP3、TLX1、TLX3、TMEM127、TMPRSS2、TNC、TNFAIP3、TNFRSF14、TNFRSF17、TOP1、TP53、TP63、TPM3、TPM4、TPR、TRA、TRAF7、TRB、TRD、TRIM24、TRIM27、TRIM33、TRIP11、TRRAP、TSC1、TSC2、TSHR、U2AF1、UBR5、USP44、USP6、USP8、VAV1、VHL、VTI1A、WAS、WDCP、WIF1、WNK2、WRN、WT1、WWTR1、XPA、XPC、XPO1、YWHAE、ZBTB16、ZCCHC8、ZEB1、ZFHX3、ZMYM2、ZMYM3、ZNF331、ZNF384、ZNF429、ZNF479、ZNF521、ZNRF3、およびZRSR2が挙げられる。
【0379】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、免疫細胞関連遺伝子、例えば、サイトカイン、サイトカイン受容体、ケモカイン、ケモカイン受容体、共阻害免疫受容体、共刺激免疫受容体、免疫細胞転写因子などである。
【0380】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、サイトカイン、例えば、4-1BBL、APRIL、CD153、CD154、CD178、CD70、G-CSF、GITRL、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、IL-1RA、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-18、IL-20、IL-23、LIF、LIGHT、LT-β、M-CSF、MSP、OSM、OX40L、SCF、TALL-1、TGF-β、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TNF-α、TNF-β、TRAIL、TRANCE、またはTWEAKである。
【0381】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、サイトカイン受容体、例えば、共通ガンマ鎖受容体、共通ベータ鎖受容体、インターフェロン受容体、TNFファミリー受容体、TGF-B受容体、Apo3、BCMA、CD114、CD115、CD116、CD117、CD118、CD120、CD120a、CD120b、CD121、CD121a、CD121b、CD122、CD123、CD124、CD126、CD127、CD130、CD131、CD132、CD212、CD213、CD213a1、CD213a13、CD213a2、CD25、CD27、CD30、CD4、CD40、CD95(Fas)、CDw119、CDw121b、CDw125、CDw131、CDw136、CDw137(41BB)、CDw210、CDw217、GITR、HVEM、IL-11R、IL-11Ra、IL-14R、IL-15R、IL-15Ra、IL-18R、IL-18Rα、IL-18Rβ、IL-20R、IL-20Rα、IL-20Rβ、IL-9R、LIFR、LTβR、OPG、OSMR、OX40、RANK、TACI、TGF-βR1、TGF-βR2、TGF-βR3、TRAILR1、TRAILR2、TRAILR3、またはTRAILR4である。
【0382】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、ケモカイン、例えば、ACT-2、AMAC-a、ATAC、ATAC、BLC、CCL1、CCL11、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL2、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL3、CCL4、CCL5、CCL7、CCL8、CKb-6、CKb-8、CTACK、CX3CL1、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、DC-CK1、ELC、ENA-78、エオタキシン、エオタキシン-2、エオタキシン-3、Eskine、exodus-1、exodus-2、exodus-3、フラクタルカイン、GCP-2、GROa、GROb、GROg、HCC-1、HCC-2、HCC-4、I-309、IL-8、ILC、IP-10、I-TAC、LAG-1、LARC、LCC-1、LD78α、LEC、Lkn-1、LMC、リンフォタクチン(lymphoactin)、リンフォタクチンb、MCAF、MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、MDC、MDNCF、MGSA-a、MGSA-b、MGSA-g、Mig、MIP-1d、MIP-1α、MIP-1β、MIP-2a、MIP-2b、MIP-3、MIP-3α、MIP-3β、MIP-4、MIP-4a、MIP-5、MPIF-1、MPIF-2、NAF、NAP-1、NAP-2、オンコスタチン、PARC、PF4、PPBP、RANTES、SCM-1a、SCM-1b、SDF-1α/β-、SLC、STCP-1、TARC、TECK、XCL1、またはXCL2である。
【0383】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、ケモカイン受容体、例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CX3CR1、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、XCR1、またはXCR1である。
【0384】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、活性化NK受容体、例えば、CD100(SEMA4D)、CD16(FcgRIIIA)、CD160(BY55)、CD244(2B4、SLAMF4)、CD27、CD94-NKG2C、CD94-NKG2E、CD94-NKG2H、CD96、CRTAM、DAP12、DNAM1(CD226)、KIR2DL4、KIR2DS1、KIR2DS2、KIR2DS3、KIR2DS4、KIR2DS5、KIR3DS1、Ly49、NCR、NKG2D(KLRK1、CD314)、NKp30(NCR3)、NKp44(NCR2)、NKp46(NCR1)、NKp80(KLRF1、CLEC5C)、NTB-A(SLAMF6)、PSGL1、またはSLAMF7(CRACC、CS1、CD319)である。
【0385】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、阻害性NK受容体、例えば、CD161(NKR-P1A、NK1.1)、CD94-NKG2A、CD96、CEACAM1、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR2DL4、KIR2DL5A、KIR2DL5B、KIR3DL1、KIR3DL2、KIR3DL3、KLRG1、LAIR1、LIR1(ILT2、LILRB1)、Ly49a、Ly49b、NKR-P1A(KLRB1)、SIGLEC-10、SIGLEC-11、SIGLEC-14、SIGLEC-16、SIGLEC-3(CD33)、SIGLEC-5(CD170)、SIGLEC-6(CD327)、SIGLEC-7(CD328)、SIGLEC-8、SIGLEC-9(CD329)、SIGLEC-E、SIGLEC-F、SIGLEC-G、SIGLEC-H、またはTIGITである。
【0386】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、共阻害免疫受容体、例えば、2B4、B7-1、BTLA、CD160、CTLA-4、DR6、Fas、LAG3、LAIR1、Ly108、PD-1、PD-L1、PD1H、TIGIT、TIM1、TIM2、またはTIM3である。
【0387】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、共刺激免疫受容体、例えば、2B4、4-1BB、CD2、CD4、CD8、CD21、CD27、CD28、CD30、CD40、CD84、CD226、CD355、CRACC、DcR3、DR3、GITR、HVEM、ICOS、Ly9、Ly108、LIGHT、LTβR、OX40、SLAM、TIM1、またはTIM2である。
【0388】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、遺伝子エフェクター自体、例えば、本明細書に開示される遺伝子エフェクターのいずれか(例えば、本明細書に開示される転写因子)である。
【0389】
一部の実施形態では、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)は、免疫細胞転写因子、例えば、AP-1、Bcl6、E2A、EBF、Eomes、FoxP3、GATA3、Id2、Ikaros、IRF、IRF1、IRF2、IRF3、IRF3、IRF7、NFAT、NFkB、Pax5、PLZF、PU.1、ROR-ガンマ-T、STAT、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5、STAT5A、STAT5B、STAT6、T-bet、TCF7、またはThPOKである。
【0390】
一部の実施形態では、標的遺伝子は、キナーゼ、例えば、チロシンキナーゼ、またはセリン/トレオニンキナーゼである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、ホスファターゼ、例えば、チロシンホスファターゼ、またはセリン/トレオニンホスファターゼである。
【0391】
一部の実施形態では、標的遺伝子は、受容体である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、イオンチャネルである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、GPCRである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、受容体チロシンキナーゼである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、リボソームタンパク質である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、膜タンパク質である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、細胞質タンパク質である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、核タンパク質である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、ミトコンドリアタンパク質である。一部の実施形態では、標的遺伝子は、ユビキチンリガーゼである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、メチルトランスフェラーゼである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、グリコシルトランスフェラーゼである。一部の実施形態では、標的遺伝子は、ヒドロラーゼである。
【0392】
一部の実施形態では、CD45は本開示の組成物および方法に使用される標的遺伝子である(例えば、遺伝子発現活性化のスクリーン用)。一部の実施形態では、CD45は、標的遺伝子として使用されない。CD45発現をモジュレートする複合体を同定するための本明細書に開示される組成物および方法を、本明細書に開示されるものを含めた他の標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)に対して同様に改変し、適合させることができる。
【0393】
一部の実施形態では、CD71は本開示の組成物および方法に使用される標的遺伝子である(例えば、遺伝子発現の低減のスクリーン用)。一部の実施形態では、CD71は標的遺伝子として使用されない。CD71発現をモジュレートする複合体を同定するための本明細書に開示される組成物および方法を、本明細書に開示されるものを含めた他の標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)に対して同様に改変し、適合させることができる。
ライブラリー
【0394】
本明細書において、一部の態様では、複合体のライブラリーが開示される。本開示のライブラリーは、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現および/または活性レベルの望ましい変化を引き出す異種遺伝子エフェクター、その組合せ、およびそれを含有する複合体を同定するためのスクリーニングアッセイに有用であり得る。本開示のライブラリーを、本明細書に開示される方法を使用し、種々の供給源に由来する種々の細胞型においてアッセイして、目的の細胞型において、例えば、ある特定の対象、特定の組織または系列、所与の疾患または状態を有する対象など由来の細胞において、標的遺伝子(複数可)(例えば、標的内因性遺伝子(複数可))の発現および/または活性レベルの望ましい変化を引き出すことができる異種遺伝子エフェクター、その組合せ、およびそれを含有する複合体を同定することができる。
【0395】
ライブラリーのメンバーである複合体は、例えば、同じガイド部分、ガイド核酸、ライブラリー内に存在する異種遺伝子エフェクターの供給源、あるクラスの標的遺伝子などを共有するなど、共通の特質を共有し得る。ライブラリーが複合体当たり2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターを有する複合体を含む一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターのうちの1つがライブラリーの他のメンバーと共通の特質を共有していてよく、一方、他の異種遺伝子エフェクターは共通の特質を共有していなくてもよい。ライブラリーが複合体当たり2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターを有する複合体を含む一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクターのうちの1つがライブラリーの他のメンバーと第1の共通の特質を共有していてよく、第2の異種遺伝子エフェクターがライブラリーの他のメンバーと第2の共通の特質を共有していてよい。一部の実施形態では、ライブラリーは、異種遺伝子エフェクターの間で共通の特質がないように、例えば、不偏ライブラリーに設計される。
【0396】
一部の実施形態では、複合体のライブラリーは、ヒト供給源由来の異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、複合体のライブラリーは、ウイルス性供給源由来の異種遺伝子エフェクターを含む。一部の実施形態では、複合体のライブラリーは、本明細書に開示される他の供給源由来の異種遺伝子エフェクターを含む。
【0397】
一部の実施形態では、複合体のライブラリーは、特定の供給源由来の異種遺伝子エフェクターを含み、例えば、異種遺伝子エフェクターのそれぞれが、ヒトタンパク質、ウイルスタンパク質、哺乳動物タンパク質、核に主に局在化するタンパク質、クロマチン調節因子、ヘテロクロマチン形成を容易にする因子、ヒストンをメチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをアセチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをリン酸化によってモジュレートする因子、ヒストンをADP-リボシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをグリコシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをSUMO化によってモジュレートする因子、ヒストンをユビキチン化によってモジュレートする因子、ヒストンを、例えばATP加水分解依存性プロセスによってヒストン構造をリモデリングすることによってモジュレートする因子、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼ、クロマチンリモデリング複合体の構成要素、転写調節因子、転写活性化因子、転写リプレッサードメイン、転写因子、間葉系幹細胞転写因子、胚性幹細胞転写因子、人工多能性幹細胞(iPSC)転写因子、上皮幹細胞転写因子、がん幹細胞転写因子、がん関連転写因子、免疫細胞転写因子、核受容体、核ホルモン受容体、検証されたヒトウイルス転写調節因子、ウイルス(例えば、本明細書に開示されるウイルスの科、亜科、属、種などのもの)のゲノム由来の因子、ヒトに人畜共通感染することが可能なウイルスのゲノム由来の因子、ヒト/コウモリ共通ウイルス由来の因子、メタゲノム調査によるウイルスゲノム由来の因子、ヒト腸内に見いだされるウイルス由来の因子、極限環境において見いだされるウイルス由来の因子、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有するウイルスもしくはタンパク質クラス由来の因子、または本明細書に開示される別の供給源に由来し得る。
【0398】
一部の実施形態では、複合体のライブラリーは、例えば、ヒトタンパク質、ウイルスタンパク質、哺乳動物タンパク質、核に主に局在化するタンパク質、クロマチン調節因子、ヘテロクロマチン形成を容易にする因子、ヒストンをメチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをアセチル化によってモジュレートする因子、ヒストンをリン酸化によってモジュレートする因子、ヒストンをADP-リボシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをグリコシル化によってモジュレートする因子、ヒストンをSUMO化によってモジュレートする因子、ヒストンをユビキチン化によってモジュレートする因子、ヒストンを、例えばATP加水分解依存性プロセスによってヒストン構造をリモデリングすることによってモジュレートする因子、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼ、クロマチンリモデリング複合体の構成要素、転写調節因子、転写活性化因子、転写リプレッサードメイン、転写因子、間葉系幹細胞転写因子、胚性幹細胞転写因子、人工多能性幹細胞(iPSC)転写因子、上皮幹細胞転写因子、がん幹細胞転写因子、がん関連転写因子、免疫細胞転写因子、核受容体、核ホルモン受容体、検証されたヒトウイルス転写調節因子、ウイルス(例えば、本明細書に開示されるウイルスの科、亜科、属、種などのもの)のゲノム由来の因子、ヒトに人畜共通感染することが可能なウイルスのゲノム由来の因子、ヒト/コウモリ共通ウイルス由来の因子、メタゲノム調査によるウイルスゲノム由来の因子、ヒト腸内に見いだされるウイルス由来の因子、極限環境において見いだされるウイルス由来の因子、高度の実証された転写調節因子モジュール性を有するウイルスもしくはタンパク質クラス由来の因子、または本明細書に開示される別の供給源のうちの任意の2つまたはそれよりも多くからの供給源の組合せに由来する異種遺伝子エフェクターを含む。
【0399】
一部の実施形態では、複合体のライブラリーは、特定の細胞内局在化、例えば、細胞の核に局在化することが可能であるまたは主に局在化する因子に由来する異種遺伝子エフェクターを含む。
【0400】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリーの他の複合体内の異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および(ii)ライブラリーの他の複合体内のガイド核酸配列と100%の配列同一性を示すガイド核酸配列を含む。
【0401】
一部の実施形態では、ライブラリーの異なる個々の複合体は、ライブラリーの他の複合体内のガイド核酸配列と少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するガイド核酸を含む。一部の場合では、本明細書に開示されるライブラリー内のガイド核酸分子(例えば、sgRNA)が互いに100%の配列同一性を示さない(例えば、互いの配列同一性が約80%から99%の間である)場合であっても、ガイド核酸分子は、同じ標的遺伝子(例えば、同じ標的ポリヌクレオチド配列、例えば、同じゲノム配列)と結合し、複合体を形成することが可能であり得る。
【0402】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体と同様または同じである、例えば、ライブラリー内の個々の複合体全てについて同じであるガイド部分(例えば、ガイド核酸配列を含むもの)を含む。一部の実施形態では、ガイド部分は、本明細書に開示されるヌクレアーゼ、例えば、遺伝子エフェクターに対して異種であるエンドヌクレアーゼを含む。ヌクレアーゼは、本開示のヌクレアーゼ欠損またはヌクレアーゼ不活性型ヌクレアーゼであり得る。ヌクレアーゼは、ライブラリー内の他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示し得る。
【0403】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第1の異種遺伝子エフェクター、(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターと同じである第2の異種遺伝子エフェクター;および(iii)ライブラリー内の他の個々の複合体と同じである、例えば、ライブラリー内の個々の複合体全てについて同じであるガイド部分を含む。ガイド部分は、ライブラリー内の他の(例えば、他の全ての)個々の複合体に対して100%の同一性を示すガイド核酸であり得るまたはそれを含み得る。ガイド部分は、ライブラリー内の他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示すヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。
【0404】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第1の異種遺伝子エフェクター、(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターと同じである第2の異種遺伝子エフェクター、(iii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターと同じである第3の異種遺伝子エフェクター、および(iv)ライブラリー内の他の個々の複合体と同じである、例えば、ライブラリーの個々の複合体全てについて同じであるガイド部分を含む。ガイド部分は、ライブラリー内の他の(例えば、他の全ての)個々の複合体に対して100%の同一性を示すガイド核酸であり得るまたはそれを含み得る。ガイド部分は、ライブラリー内の他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示すヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。
【0405】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第1の異種遺伝子エフェクター、(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第2の異種遺伝子エフェクター、(iii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターと同じである第3の異種遺伝子エフェクター、および(iv)ライブラリー内の他の個々の複合体と同じである、例えば、ライブラリーの個々の複合体全てについて同じであるガイド部分を含む。ガイド部分は、ライブラリー内の他の(例えば、他の全ての)個々の複合体に対して100%の同一性を示すガイド核酸であり得るまたはそれを含み得る。ガイド部分は、ライブラリー内の他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示すヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。
【0406】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第1の異種遺伝子エフェクター、(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なり、ライブラリー内のさらに他の個々の複合体と同じである第2の異種遺伝子エフェクター、(iii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターと同じである第3の異種遺伝子エフェクター、および(iv)ライブラリー内の他の個々の複合体と同じである、例えば、ライブラリーの個々の複合体全てについて同じであるガイド部分を含む。ガイド部分は、ライブラリー内の他の(例えば、他の全ての)個々の複合体に対して100%の同一性を示すガイド核酸であり得るまたはそれを含み得る。ガイド部分は、ライブラリー内の他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示すヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。
【0407】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第1の異種遺伝子エフェクター、(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なり、ライブラリー内のさらに他の個々の複合体と同じである第2の異種遺伝子エフェクター、(iii)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる第3の異種遺伝子エフェクター、および(iv)ライブラリー内の他の個々の複合体と同じである、例えば、ライブラリーの個々の複合体全てについて同じであるガイド部分を含む。ガイド部分は、ライブラリー内の他の(例えば、他の全ての)個々の複合体に対して100%の同一性を示すガイド核酸であり得るまたはそれを含み得る。ガイド部分は、ライブラリーの他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示すヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。
【0408】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体は、(i)ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在する異種遺伝子エフェクターとは異なる異種遺伝子エフェクター、および(ii)ライブラリー内の他の個々の複合体とは異なるガイド部分(例えば、ガイド核酸配列を含むもの)を含む。ガイド部分は、ライブラリー内の他の個々の複合体内に存在するガイド配列とは異なるガイド核酸配列を含み得る。ガイド部分は、ライブラリーの他の複合体(例えば、他の全ての複合体)の異種ヌクレアーゼに対して100%の配列同一性を示すヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。ガイド部分は、ライブラリー内の他の個々の複合体とは異なるヌクレアーゼ(例えば、異種エンドヌクレアーゼ)を含み得る。
【0409】
一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体(例えば、異なる異種遺伝子エフェクターを含む複合体)は、同じ標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列に特異的に結合する。一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体(例えば、同じおよび/または異なる異種遺伝子エフェクターを含む複合体)は、標的遺伝子または標的遺伝子調節配列の異なる部分(例えば、部分配列)に特異的に結合する。一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体(例えば、同じおよび/または異なる異種遺伝子エフェクターを含む複合体)は、そのそれぞれが同じ遺伝子の発現を調節することが可能な異なる標的遺伝子調節配列に特異的に結合する。一部の実施形態では、ライブラリーの個々の複合体(例えば、同じおよび/または異なる異種遺伝子エフェクターを含む複合体)は、異なる標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)または標的遺伝子調節配列に特異的に結合する。
【0410】
本開示のライブラリーは、ライブラリーの意図された目的のために適した任意の数の異なる複合体を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。一部の実施形態では、「異なる複合体」、「個々の複合体」、または「異なる個々の複合体」とは、互いに組成が異なる、例えば、互いに比較して異なる異種遺伝子エフェクター(または異種遺伝子エフェクターの組合せ)を含む、ライブラリーのメンバーを指し得る。そのような場合では、「異なる複合体」、「個々の複合体」、または「異なる個々の複合体」の複数のコピーがライブラリー内に存在し得、同じ複合体の複数のコピーは、「異なる複合体」、「個々の複合体」、または「異なる個々の複合体」ではない。例えば、ライブラリー内に5つの異なる複合体が含まれ得、そのそれぞれが異なる異種遺伝子エフェクターを含有し、各複合体の100コピーがライブラリー内に存在し得ると、その結果、500の分子複合体を有するライブラリーがもたらされるが、「異なる複合体」は5つのみである。
【0411】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、少なくとも700、少なくとも750、少なくとも800、少なくとも850、少なくとも900、少なくとも950、少なくとも1000、少なくとも1100、少なくとも1200、少なくとも1300、少なくとも1400、少なくとも1500、少なくとも1600、少なくとも1700、少なくとも1800、少なくとも1900、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500、少なくとも10000、少なくとも10500、少なくとも11000、少なくとも11500、少なくとも12000、少なくとも12500、少なくとも13000、少なくとも13500、少なくとも14000、少なくとも14500、少なくとも15000、少なくとも15500、少なくとも16000、少なくとも16500、少なくとも17000、少なくとも17500、少なくとも18000、少なくとも18500、少なくとも19000、少なくとも19500、少なくとも20000、少なくとも20500、少なくとも21000、少なくとも21500、少なくとも22000、少なくとも22500、少なくとも23000、少なくとも23500、少なくとも24000、少なくとも24500、少なくとも25000、少なくとも25500、少なくとも26000、少なくとも26500、少なくとも27000、少なくとも27500、少なくとも28000、少なくとも28500、少なくとも29000、少なくとも29500、少なくとも30000、少なくとも35000、少なくとも40000、少なくとも45000、少なくとも50000、少なくとも60000、少なくとも70000、少なくとも80000、少なくとも90000、または少なくとも100000種の異なる複合体を含む。
【0412】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも25種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも100種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも500種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも1000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも15000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも25000種の異なる複合体を含む。
【0413】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、最大で5、最大で10、最大で15、最大で20、最大で25、最大で30、最大で35、最大で40、最大で45、最大で50、最大で60、最大で70、最大で80、最大で90、最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0414】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、最大で100000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、最大で50000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、最大で30000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、最大で20000種の異なる複合体を含む。
【0415】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも25種の異なる複合体、かつ最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0416】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも100種の異なる複合体、かつ最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0417】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも500種の異なる複合体、かつ最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0418】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも1000種の異なる複合体、かつ最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0419】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも5000種の異なる複合体、かつ最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0420】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、少なくとも10000種の異なる複合体、かつ最大で100、最大で110、最大で120、最大で130、最大で140、最大で150、最大で160、最大で170、最大で180、最大で190、最大で200、最大で250、最大で300、最大で350、最大で400、最大で450、最大で500、最大で550、最大で600、最大で650、最大で700、最大で750、最大で800、最大で850、最大で900、最大で950、最大で1000、最大で1100、最大で1200、最大で1300、最大で1400、最大で1500、最大で1600、最大で1700、最大で1800、最大で1900、最大で2000、最大で2500、最大で3000、最大で3500、最大で4000、最大で4500、最大で5000、最大で5500、最大で6000、最大で6500、最大で7000、最大で7500、最大で8000、最大で8500、最大で9000、最大で9500、最大で10000、最大で10500、最大で11000、最大で11500、最大で12000、最大で12500、最大で13000、最大で13500、最大で14000、最大で14500、最大で15000、最大で15500、最大で16000、最大で16500、最大で17000、最大で17500、最大で18000、最大で18500、最大で19000、最大で19500、最大で20000、最大で20500、最大で21000、最大で21500、最大で22000、最大で22500、最大で23000、最大で23500、最大で24000、最大で24500、最大で25000、最大で25500、最大で26000、最大で26500、最大で27000、最大で27500、最大で28000、最大で28500、最大で29000、最大で29500、最大で30000、最大で35000、最大で40000、最大で45000、最大で50000、最大で60000、最大で70000、最大で80000、最大で90000、または最大で100000種の異なる複合体を含む。
【0421】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、約550、約600、約650、約700、約750、約800、約850、約900、約950、約1000、約1100、約1200、約1300、約1400、約1500、約1600、約1700、約1800、約1900、約2000、約2500、約3000、約3500、約4000、約4500、約5000、約5500、約6000、約6500、約7000、約7500、約8000、約8500、約9000、約9500、約10000、約10500、約11000、約11500、約12000、約12500、約13000、約13500、約14000、約14500、約15000、約15500、約16000、約16500、約17000、約17500、約18000、約18500、約19000、約19500、約20000、約20500、約21000、約21500、約22000、約22500、約23000、約23500、約24000、約24500、約25000、約25500、約26000、約26500、約27000、約27500、約28000、約28500、約29000、約29500、約30000、約35000、約40000、約45000、約50000、約60000、約70000、約80000、約90000、または約100000種の異なる複合体を含む。
【0422】
一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、約10000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、約16000種の異なる複合体を含む。一部の実施形態では、本開示のライブラリーは、約28000種の異なる複合体を含む。
細胞
【0423】
本開示の組成物、方法、および系を種々の型の細胞、およびその集団に適用することができる。例えば、本開示の複合体を使用して、特定の型の細胞またはその集団における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化を引き出すことができる。本開示の方法を使用して、特定の型の細胞またはその集団における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性の変化を引き出すことができる複合体を同定することができる。
【0424】
一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、特定の細胞型に特異的な標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、2種またはそれよりも多くの細胞型に適用可能である、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、3種またはそれよりも多くの細胞型に適用可能である、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、あるクラスの細胞型、例えば、同様の組織内に存在するまたは同じもしくは同様の分化系列に由来する、重複する機能的役割を有する細胞型、例えば、幹細胞、免疫細胞、T細胞、Tエフェクター細胞などに適用可能である、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、多種多様な細胞型に広範に適用可能である、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現の望ましい変化がもたらされる、例えば、複数の標的細胞型について、適切な方法を使用して細胞に導入した場合に、ある特定の閾値を上回るまたは下回る標的遺伝子の発現レベルが引き出される。
【0425】
一部の実施形態では、本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、初代細胞における標的遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらす。一部の実施形態では、本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、細胞株における標的遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらす。一部の実施形態では、本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、不死化細胞における標的遺伝子の発現または標的遺伝子の活性レベルの変化をもたらす。
【0426】
一部の実施形態では、本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞、非ヒト霊長類細胞、非齧歯類哺乳動物細胞、非ヒト哺乳動物細胞、ブタ細胞、ウサギ細胞、イヌ細胞などにおける標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらす。一部の実施形態では、本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、植物細胞、トリ細胞、爬虫類細胞、細菌細胞、または古細菌細胞における標的遺伝子の発現または活性レベルの変化をもたらす。
【0427】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、ヒト細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0428】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、幹細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0429】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、分化した細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0430】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、疾患関連細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0431】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、がん細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0432】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、非がん細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0433】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、リンパ系細胞、例えば、B細胞、T細胞(細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、調節性T細胞、Tヘルパー細胞)、ナチュラルキラー細胞、サイトカイン誘導性キラー(CIK)細胞(例えば、US20080241194を参照されたい);骨髄細胞、例えば、顆粒球(好塩基性顆粒球、好酸性顆粒球、好中性顆粒球/過分葉好中球)、単球/マクロファージ、赤血球、網状赤血球、肥満細胞、血小板/巨核球、樹状細胞;甲状腺(甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞)、副甲状腺(副甲状腺主細胞、好酸性細胞)、副腎(クロム親和性細胞)、松果体(松果体細胞)細胞を含めた内分泌系由来の細胞;グリア細胞(アストロサイト、ミクログリア)、大細胞性神経分泌細胞、星細胞、ベッチェル細胞、および下垂体(性腺刺激ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、成長ホルモン産生細胞、プロラクチン産生細胞)を含めた神経系の細胞;肺細胞(I型肺細胞、II型肺胞細胞)、クララ細胞、杯細胞、塵埃細胞を含めた呼吸器系の細胞;心筋細胞、周皮細胞を含めた循環系の細胞;胃(胃主細胞、壁細胞)、杯細胞、パネート細胞、G細胞、D細胞、ECL細胞、I細胞、K細胞、S細胞を含めた消化器系の細胞;腸クロム親和性細胞、APUD細胞、肝臓細胞(例えば、肝細胞、またはクッパー細胞)、軟骨/骨/筋肉を含めた腸内分泌細胞;骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞、歯の細胞(セメント芽細胞、エナメル芽細胞)を含めた骨細胞;軟骨芽細胞、軟骨細胞を含めた軟骨細胞;毛胞、ケラチノサイト、メラニン細胞(母斑細胞)を含めた皮膚細胞;筋細胞を含めた筋肉細胞;有足細胞、傍糸球体細胞、糸球体内メサンギウム細胞/糸球体外メサンギウム細胞、腎近位尿細管刷子縁細胞、緻密斑細胞を含めた泌尿器系細胞;精子、セルトリ細胞、ライディッヒ細胞、卵子を含めた生殖系細胞;ならびに、脂肪細胞、線維芽細胞、腱細胞、表皮ケラチノサイト、表皮基底細胞、指の爪および足指の爪のケラチノサイト、爪床基底細胞、髄様毛幹細胞、皮質毛幹細胞、クチクラ毛幹細胞、クチクラ毛根鞘細胞、ハクスリー層の毛根鞘細胞、ヘンレ層の毛根鞘細胞、外毛根鞘細胞、毛母細胞、湿性重層バリア上皮細胞、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および膣の重層扁平上皮の表面上皮細胞、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および膣の上皮の基底細胞、泌尿器上皮細胞、外分泌上皮細胞、唾液腺粘液細胞、唾液腺漿液細胞、舌のフォン・エブネル腺細胞、乳腺細胞、涙腺細胞、耳の耳垢腺細胞、エクリン腺暗細胞、エクリン腺明細胞、アポクリン腺細胞、眼瞼のモル腺細胞、皮脂腺細胞、鼻のボーマン腺細胞、十二指腸のブルンナー腺細胞、精嚢細胞、前立腺細胞、尿道球腺細胞、バルトリン腺細胞、リトレ腺細胞、子宮内膜細胞、気道および消化管の単独で存在する杯細胞、胃内層粘液細胞、胃腺酵素原細胞、胃腺酸分泌細胞、膵腺房細胞、小腸のパネート細胞、肺のII型肺胞細胞、肺のクララ細胞、ホルモン分泌細胞、下垂体前葉細胞、成長ホルモン産生細胞、プロラクチン分泌細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、性腺刺激ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、下垂体中葉細胞、大細胞性神経分泌細胞、腸管および気道細胞、甲状腺細胞、甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞、副甲状腺細胞、副甲状腺主細胞、好酸性細胞、副腎細胞、クロム親和性細胞、精巣のライディッヒ細胞、卵胞の内莢膜細胞、破裂卵胞の黄体細胞、顆粒膜ルテイン細胞、卵胞膜ルテイン細胞、傍糸球体細胞、腎臓の緻密斑細胞、代謝および貯蔵細胞、バリア機能細胞(例えば、肺、腸、外分泌腺および尿生殖路)、腎臓、I型肺胞上皮細胞、膵管細胞(腺房中心細胞)、非線条部導管細胞(汗腺、唾液腺、乳腺などの)、導管細胞(精嚢、前立腺などの)、閉じた内部体腔の内側を覆う上皮細胞、推進機能を有する線毛細胞、細胞外マトリックス分泌細胞、収縮性細胞;骨格筋細胞、幹細胞、心筋細胞、血液および免疫系細胞、赤血球、巨核球、単球、結合組織マクロファージ(種々の型)、表皮ランゲルハンス細胞、破骨細胞、樹状細胞、ミクログリア細胞、好中性顆粒球、好酸性顆粒球、好塩基性顆粒球、肥満細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、網状赤血球、血液および免疫系(種々の型)の幹細胞および委任前駆細胞、多能性幹細胞、全能性幹細胞、人工多能性幹細胞、成体幹細胞、感覚変換細胞、ニューロン、自律神経ニューロン細胞、感覚器および末梢ニューロン支持細胞、中枢神経系ニューロンおよびグリア細胞、水晶体細胞、色素細胞、メラニン細胞、網膜色素上皮細胞、生殖細胞、卵原細胞/卵母細胞、精細胞、精母細胞、精原細胞、精子、ナース細胞、卵胞細胞、セルトリ細胞、胸腺上皮細胞、間質細胞、腎臓間質細胞、骨髄系共通前駆細胞、リンパ球系共通前駆細胞、および本明細書に開示される任意の細胞型に分化するまたは分化させようとする幹細胞を含めた他の細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0434】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、幹細胞、例えば、単離された幹細胞(例えば、ESC)または誘導性幹細胞(例えば、iPSC)における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0435】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、造血幹細胞、例えば、対象由来、例えば、骨髄、または末梢血(例えば、例えばGCSF、GM-CSF、モゾビル、またはこれらの組合せを投与することによって動員された動員末梢血アフェレーシス産物)由来の造血幹細胞における標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0436】
一部の場合では、幹細胞(例えば、ESCまたはiPSC)の多能性を、一部において、細胞の多能性の特徴を評定することによって決定することができる。多能性の特徴には、これだけに限定されないが、多能性幹細胞形態;無限に自己再生する潜在性;これだけに限定されないが、SSEA1、SSEA3/4、SSEA5、TRA1-60/81、TRA1-85、TRA2-54、GCTM-2、TG343、TG30、CD9、CD29、CD133/プロミニン、CD140a、CD56、CD73、CD90、CD105、OCT4、NANOG、SOX2、CD30および/もしくはCD50を含めた多能性幹細胞マーカーの発現;3つの体細胞系列(外胚葉、中胚葉および内胚葉)の全てに分化する能力;3つの体細胞系列の奇形腫を形成する能力;ならびに/または(vi)3つの体細胞系列由来の細胞を含む胚様体の形成が含まれ得る。
【0437】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、免疫細胞、例えば、リンパ球、T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、アルファ-ベータT細胞、ガンマ-デルタT細胞、調節性T細胞(Treg)、細胞傷害性Tリンパ球、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞、Th9細胞、ナイーブT細胞、メモリーT細胞、エフェクターT細胞、エフェクター-メモリーT細胞(TEM)、セントラルメモリーT細胞(TCM)、レジデントメモリーT細胞(TRM)、濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)、ナチュラルキラーT細胞(NKT)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、ナチュラルキラー細胞(NK)、自然リンパ球系細胞(ILC)、ILC1細胞、ILC2細胞、ILC3細胞、リンパ組織誘導(LTi)細胞、B細胞、B1細胞、B1a細胞、B1b細胞、B2細胞、形質細胞、B調節細胞、メモリーB細胞、辺縁帯B細胞、濾胞性B細胞、胚中心B細胞、抗原提示細胞(APC)、単球、マクロファージ、M1マクロファージ、M2マクロファージ、組織関連マクロファージ、樹状細胞、形質細胞様樹状細胞、好中球、肥満細胞、好塩基球、好酸球、骨髄系共通前駆細胞、リンパ球系共通前駆細胞、またはこれらの任意の組合せにおける標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
【0438】
本開示の組成物、複合体、系、または方法を使用して、生物学的製剤、例えば、抗体または他のタンパク質に基づく治療薬の製造に使用される工学的に操作された細胞の発現または活性レベルの変化をもたらすことができる。
アッセイ系、対象、および例示的な適用
【0439】
本開示のアッセイ系は、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの望ましい変化を引き出す1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターまたは複合体を同定するために、異種遺伝子エフェクター、その組合せ、異種遺伝子エフェクター(複数可)を含む複合体、およびそのライブラリーを体系的かつ大規模に調査することを可能にする。
【0440】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法を使用して、望ましい変化、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現のある特定の閾値を上回るまでの増大、または標的遺伝子の発現のある特定の閾値を下回るまでの低減をもたらす、ライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定することができる。
【0441】
一部の実施形態では、本開示の方法によって同定された異種遺伝子エフェクター(例えば、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多く、または別の配列)を、1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を含むように改変し、標的遺伝子において引き出される発現の変化に対する当該変異(複数可)の影響を評価する。そのような戦略を、例えば、異種遺伝子エフェクターの活性を改良するため、または最初に同定された配列と比較して改善された特性を有する異種遺伝子エフェクター配列を同定するために使用することができる。一部の実施形態では、本開示の方法は、1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定するステップ、異種遺伝子エフェクターの1つまたは複数のアミノ酸残基を変異させるステップ(例えば、1つまたは複数の欠失、挿入、および/または置換、本明細書に開示される元の配列に対するある程度の配列同一性または配列類似性に達するように)、および、異種遺伝子エフェクターによって引き出される標的遺伝子の発現の変化に対する1つまたは複数のアミノ酸変異の影響を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本開示は、配列番号16~16154のうちのいずれか1つ、配列番号16~13605のうちのいずれか1つ、配列番号16155~47350のうちのいずれか1つ、配列番号16155~43953のうちのいずれか1つ、配列番号47351~49333のうちのいずれか1つ、配列番号49353~50052のうちのいずれか1つ、または配列番号16~49333および49353~50052のうちのいずれか2つもしくはそれよりも多くと比べて1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を含む異種遺伝子エフェクターを提供する。
【0442】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法を使用して、望ましい変化、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現のある特定の閾値を上回るまでの増大、または標的遺伝子の発現のある特定の閾値を下回るまでの低減をもたらす2つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターの組合せ(例えば、同じ複合体内に存在する)を同定することができる。
【0443】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法を使用して、望ましい変化、例えば、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現のある特定の閾値を上回るまでの増大、または標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現のある特定の閾値を下回るまでの低減をもたらす3つまたはそれよりも多くの異種遺伝子エフェクターの組合せ(例えば、同じ複合体内に存在する)を同定することができる。
【0444】
一部の実施形態では、アッセイ系は、設計ごとに不偏である。一部の実施形態では、アッセイ系は、設計ごとに標的化される。
【0445】
異種遺伝子エフェクター(複数可)を含む複合体を、任意の適切な方法を使用して細胞に送達することができる。
【0446】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクター(複数可)を含む複合体を、複合体の1つまたは複数の構成要素をコードする核酸として、任意の適切な方法、例えば、エレクトロポレーション、またはウイルスベクター、リポソームベクター、微小粒子、ナノ粒子、デンドリマーなどの適切なベクターの使用を使用して送達する。一部の実施形態では、複合体の1つまたは複数の構成要素を、一過性発現がもたらされる様式で、例えば、一過性トランスフェクションによって送達する。一部の実施形態では、複合体の1つまたは複数の構成要素を、持続的な発現がもたらされる様式で、例えば、レンチウイルスによる形質導入、本明細書に開示されるヌクレアーゼ系を使用したゲノムへの組込みなどによって送達する。複合体の構成要素を別々のベクター/方法を使用して送達することもでき、同じベクターを使用して送達することもできる。一部の実施形態では、1つまたは複数の構成要素を持続的な発現がもたらされる様式で、例えばレンチウイルスによる形質導入を使用して送達し、1つまたは複数の他の構成要素を一過性発現がもたらされる様式で送達する。
【0447】
一部の実施形態では、異種遺伝子エフェクター(複数可)を含む複合体を、タンパク質またはリボ核タンパク質として、例えば、リポソームベクター、ナノ粒子、ウイルスベクター、非ウイルスベクターなどの適切なベクターを使用して送達する。
【0448】
必要に応じて、本開示の系または複合体の1つまたは複数の構成要素(例えば、ガイド部分、ガイド核酸、ヌクレアーゼ、異種遺伝子エフェクター、誘導性系の構成要素など)を十分なレベルで発現する細胞を、例えば、選択マーカー(例えば、耐性もしくは感受性遺伝子)を使用することによって、または、細胞選別、例えば、構成要素の発現に基づく細胞選別もしくは構成要素と共発現されるレポーター遺伝子の発現に基づく細胞選別によって、富化させることができる。
【0449】
複合体または複合体の構成要素を細胞に送達してから任意の適切な時間量が経った後に標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルを測定することができる。一部の実施形態では、複合体または複合体の構成要素を細胞に送達してから少なくとも1時間後、少なくとも2時間後、少なくとも3時間後、少なくとも4時間後、少なくとも5時間後、少なくとも6時間後、少なくとも7時間後、少なくとも8時間後、少なくとも9時間後、少なくとも10時間後、少なくとも12時間後、少なくとも14時間後、少なくとも18時間後、少なくとも20時間後、少なくとも1日後、少なくとも2日後、少なくとも3日後、少なくとも4日後、少なくとも5日後、少なくとも6日後、少なくとも7日後、少なくとも8日後、少なくとも9日後、少なくとも10日後、少なくとも14日後、少なくとも21日後、少なくとも28日後、少なくとも5週間後、少なくとも6週間後、少なくとも7週間後、少なくとも8週間後、少なくとも9週間後、少なくとも10週間後、少なくとも12週間後、少なくとも14週間後、少なくとも18週間後、少なくとも20週間後、または少なくとも26週間後に標的遺伝子の発現または活性レベルを測定する。
【0450】
一部の実施形態では、複合体または複合体の構成要素を細胞に送達してから最大で1時間後、最大で2時間後、最大で3時間後、最大で4時間後、最大で5時間後、最大で6時間後、最大で7時間後、最大で8時間後、最大で9時間後、最大で10時間後、最大で12時間後、最大で14時間後、最大で18時間後、最大で20時間後、最大で1日後、最大で2日後、最大で3日後、最大で4日後、最大で5日後、最大で6日後、最大で7日後、最大で8日後、最大で9日後、最大で10日後、最大で14日後、最大で21日後、最大で28日後、最大で5週間後、最大で6週間後、最大で7週間後、最大で8週間後、最大で9週間後、最大で10週間後、最大で12週間後、最大で14週間後、最大で18週間後、最大で20週間後、または最大で26週間後に標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルを測定する。
【0451】
一部の実施形態では、複合体または複合体の構成要素を細胞に送達してから約1時間後、約2時間後、約3時間後、約4時間後、約5時間後、約6時間後、約7時間後、約8時間後、約9時間後、約10時間後、約12時間後、約14時間後、約18時間後、約20時間後、約1日後、約2日後、約3日後、約4日後、約5日後、約6日後、約7日後、約8日後、約9日後、約10日後、約14日後、約21日後、約28日後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約12週間後、約14週間後、約18週間後、約20週間後、または約26週間後に標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルを測定する。
【0452】
一部の実施形態では、発現レベルは、タンパク質発現レベルであり、例えば、ウエスタンブロット、ELISA、マルチプレックスイムノアッセイ、質量分析、NMR、プロテオミクス、フローサイトメトリー、マスサイトメトリーなどによって測定することができる。
【0453】
一部の実施形態では、本開示の複合体により、標的遺伝子の発現を増大させることができる(例えば、複合体が細胞または細胞の集団に導入された際に)。一部の実施形態では、発現レベルは、RNA発現レベルであり、例えば、RNAseq、qPCR、マイクロアレイ、遺伝子アレイ、FISHなどによって測定することができる。
【0454】
標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)を高レベルまたは低レベルで発現する細胞を、必要に応じて、例えば、蛍光活性化細胞選別、磁気活性化細胞選別、またはこれらの組合せを使用して選別することによって富化することができる。標的遺伝子の活性レベルが高いまたは低い細胞を機能アッセイを使用して同定することができる。
【0455】
標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現または活性レベルの望ましい変化を引き出す1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターまたは複合体を、特定の異種遺伝子エフェクター、その組合せ、複合体などに対応するように設計された一意的な分子識別子(例えば、バーコード)の使用に基づいて同定することができる。
【0456】
一意的な分子識別子は、別個の構築物に一意的にタグ付けするために使用される短い配列であり得、例えば、各異種遺伝子エフェクターに一意的な分子識別子を所定の様式で付随させ、情報を記憶して、例えば一意的な分子識別子が配列決定によって見いだされた際に、一意的な分子識別子を特定の異種遺伝子エフェクターにマッピングすることを可能にすることができる。例えば、ベクター、例えば、レンチウイルスベクター、発現プラスミド、ゲノムに組み込まれる配列などへのクローニングのために、一意的な分子識別子を本明細書に開示される異種遺伝子エフェクターのコード配列と共に合成することができる。一意的な分子識別子は、任意の適切な長さ、例えば、約8~30、約8~25、約8~20、約8~15、約10~30、約10~25、約10~20、約10~15ヌクレオチド長であり得る。一意的な分子識別子は、約12ヌクレオチド長であり得る。
【0457】
一部の実施形態では、単一の一意的な分子識別子を使用して、異種遺伝子エフェクターをタグ付けし、同定する。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの一意的な分子識別子を使用して、異種遺伝子エフェクターを同定する、例えば、同じ供給源タンパク質、タンパク質のクラス、またはサブライブラリーに由来する異種遺伝子エフェクター間で共有される1つの配列を使用することができ、別個の配列間を区別するために第2の一意的な分子識別子を使用し、例えば、ライブラリーの異なるメンバーによってコードされるタンパク質のセグメントをタイル状に並べる。一部の実施形態では、例えば、重複排除のために、一意的な分子識別子の1つのセットを使用して異種遺伝子エフェクターを同定し、一意的な分子識別子の別のセットを使用して、配列決定のための試料の処理中に生成された分子に一意的にタグ付けする。
【0458】
一意的な分子識別子は、in silicoで合理的に設計することができる。一意的な分子識別子を設計する方法は、例えば、一意的な分子識別子間の最小のペアワイズハミング距離、ホモポリマーの最大長、GC含量の下限および上限、ブラックリストに入れられる配列(例えば、ライブラリーおよび/もしくはゲノムの内容に基づいて)、マルコフ連鎖モデル、ならびに/またはグリッド検索によるハイパーパラメータ最適化に関する基準を含み得る。
【0459】
一部の実施形態では、本開示のアッセイ系を、例えばエフェクターの強力な2成分組合せについて繰り返すことができ、スクリーンを実施して、3成分複合体を同定することができる。このシナリオでは、GA1-dCas-2成分エフェクターを用いて安定な細胞株を生成することができ、GID1でタグ付けした個々のエフェクターを導入することができる。
【0460】
一部の実施形態では、本開示の複合体の一部であるポリペプチド(例えば、異種遺伝子エフェクター、ガイド部分、融合タンパク質など)を精製タグまたはエピトープタグなどのタグと融合する。タグの例としては、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、キチン結合性タンパク質(CBP)、マルトース結合性タンパク質、チオレドキシン(TRX)、ポリ(NANP)、タンデムアフィニティー精製(TAP)タグ、myc、AcV5、AU1、AUS、E、ECS、E2、FLAG、赤血球凝集素(HA)、nus、Softag 1、Softag 3、Strep、SBP、Glu-Glu、HSV、KT3、S、SI、T7、V5、VSV-G、ヒスチジン(His)、ビオチンカルボキシル担体タンパク質(BCCP)、およびカルモジュリンが挙げられる。
【0461】
一部の実施形態では、本開示の複合体の一部であるポリペプチド(例えば、異種遺伝子エフェクター、ガイド部分、ヌクレアーゼ、融合タンパク質など)をデグロン、例えばミニオーキシン誘導性デグロン(mAID;Yesbolatova et al., Nature Communications 2020)と融合して、dCas9-エフェクター発現の時間的制御を可能にする。一部の実施形態では、レポーター細胞株を生成する。細胞株を、OsTIR1を発現するように工学的に操作することができる。TIR(輸送阻害因子1タンパク質)は、オーキシンの存在下でAIDと相互作用する、Oryza saliva由来のユビキチンリガーゼ複合体のサブユニットである。この相互作用により、AIDでタグ付けしたタンパク質のユビキチン化および分解が容易になり、それにより、オーキシンによる処理でdCas9-エフェクターを分解することが可能になる。スクリーニングアッセイにおける発現レベルを一貫させるために、OsTIR1発現構築物をセーフハーバー部位(例えば、AAVS1)に組み込むことができる。OsTIR1構築物を、所与のスクリーニングアッセイにおいてdCas9を目的のゲノム遺伝子座(例えば、プロモーター)に標的化するガイドRNAを発現するように改変することもでき、ガイドRNAを別に導入することもできる。
【0462】
一部の実施形態では、本開示の複合体の一部であるポリペプチド(例えば、異種遺伝子エフェクター、ガイド部分、融合タンパク質など)を、蛍光タンパク質または発光タンパク質などのレポーター遺伝子と融合する。一部の実施形態では、本開示の複合体の一部であるポリペプチド(例えば、異種遺伝子エフェクターまたはガイド部分)をレポーター遺伝子と共発現させる、例えば、IRESで隔てられた発現構築物から共発現させる。レポーター遺伝子の非限定的な例としては、緑色蛍光タンパク質(例えば、GFP、GFP-2、tagGFP、turboGFP、eGFP、Emerald、Azami Green、Monomeric Azami Green、CopGFP、AceGFP、ZsGreenl)、黄色蛍光タンパク質(例えば、YFP、eYFP、Citrine、Venus、YPet、PhiYFP、ZsYellowl)、青色蛍光タンパク質(例えば、eBFP、eBFP2、Azurite、mKalamal、GFPuv、Sapphire、T-sapphire)、シアン蛍光タンパク質(例えば、eCFP、Cerulean、CyPet、AmCyanl、Midoriishi-Cyan)、赤色蛍光タンパク質(mKate、mKate2、mPlum、DsRed monomer、mCherry、mRFP1、DsRed-Express、DsRed2、DsRed-Monomer、HcRed-Tandem、HcRedl、AsRed2、eqFP611、mRaspberry、mStrawberry、Jred)、オレンジ蛍光タンパク質(mOrange、mKO、Kusabira-Orange、Monomeric Kusabira-Orange、mTangerine、tdTomato)、および任意の他の適切な蛍光タンパク質が挙げられる。
【0463】
一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、特定の対象に特異的な、標的遺伝子(例えば、標的内因性遺伝子)の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、2例またはそれよりも多くの対象に適用可能である、標的遺伝子の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、あるクラスの対象、例えば、哺乳動物対象、ヒト対象、雄対象、雌対象、所与の年齢範囲に入る対象、同様の疾患または状態を有する対象(例えば、遺伝学的基礎がある疾患および/または標的遺伝子もしくは関連するもしくは対立する機能を有する遺伝子を含めた1つもしくは複数の内因性遺伝子の発現レベルの影響を受ける疾患を有する対象)に適用可能である、標的遺伝子の発現の望ましい変化がもたらされる。一部の実施形態では、本開示の方法によって同定される複合体または異種遺伝子エフェクターにより、多種多様な対象に広範に適用可能である、標的遺伝子の発現の望ましい変化がもたらされる、例えば、複数の対象について、適切な方法を使用して対象の細胞に導入した場合に、ある特定の閾値を上回るまたは下回る標的遺伝子の発現レベルが引き出される。
【0464】
一部の実施形態では、疾患機構を理解するために、本開示の組成物および方法を使用して、誘導性かつ可逆的な疾患モデルを確立することができる。
【0465】
一部の実施形態では、本開示の組成物および方法を使用して、1種または複数種の特定の遺伝子の異常発現を含む疾患に対する潜在的な治療剤または治療剤を同定および/または試験することができる。
【0466】
一部の実施形態では、例えば、特定の細胞型への分化、または複数の経路に分化することが可能な細胞型、例えば幹細胞への脱分化を誘導するために、本開示の組成物および方法を使用して、細胞の運命および系列決定の重要な駆動因子の発現をモジュレートすることによって細胞分化を制御することができる。
【0467】
本開示は、本明細書に開示される要素、例えば、異種遺伝子エフェクター(複数可)、ガイド部分、ガイド核酸、複合体、オリゴマー形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメイン、これらの組合せ、およびこれらを複数含むライブラリーのいずれか1つまたは複数をコードする核酸をさらに包含する。
【0468】
本開示は、本明細書に開示される要素、例えば、異種遺伝子エフェクター(複数可)、ガイド部分、ガイド核酸、複合体、オリゴマー形成(例えば、ヘテロ二量体形成)ドメイン、これらの組合せ、およびこれらを複数含むライブラリーの1つまたは複数、ならびにこれらをコードする核酸を含むキットをさらに包含する。キットは、例えば、使用説明書をさらに含み得る。
レポーター発現ベクター
【0469】
本開示は、例えば本明細書に開示されるアッセイ系および方法に利用することができるレポーター発現ベクターを提供する。レポーター発現ベクターを、例えば、本明細書に記載の工学的に操作された合成レポーター(ESR)系または細胞株に使用することができる。
【0470】
一部の実施形態では、本開示は、異種遺伝子エフェクターおよび/またはガイド核酸配列(例えば、(i)転写/クロマチン調節因子とカップリングしたCasタンパク質と(ii)ガイドRNAとを含む複合体)のいずれかによって標的化することができる少なくとも1つのポリヌクレオチド配列(例えば、1つまたは複数の異種ポリヌクレオチド配列)を含む発現ベクター(例えば、異種発現ベクター)を提供する。少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を標的遺伝子に作動的にカップリングし(例えば、標的遺伝子のプロモーターなどの調節配列の上流に隣接させて配置する)、したがって、異種遺伝子エフェクターおよび/またはガイド核酸配列のいずれかによって少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を標的化することにより、標的遺伝子の発現をモジュレートすることができる。少なくとも1つのポリヌクレオチド配列は、例えば、標的遺伝子の発現をモジュレートするための望ましい特性を示す異種遺伝子エフェクタードメイン(複数可)およびその複合体(複数可)のスクリーニング時などのオフターゲット作用(複数可)を最小限にする(例えば、回避する)ために、細胞(例えば、哺乳動物細胞)に通常は存在しない合成配列であり得る。したがって、本開示の追加の態様は、そのような発現ベクター、それを含む細胞、およびその使用方法の種々の実施形態を提供する。
【0471】
発現ベクターは、ある1つの異種ポリヌクレオチド配列(例えば、単一の異種ポリヌクレオチド配列)を含み得る。その代わりにまたはそれに加えて、発現ベクターは、複数の異種ポリヌクレオチド配列を含み得る。発現ベクターは、少なくともまたは最大約2つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約3つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約4つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約5つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約6つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約7つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約8つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約9つの異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約10の異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約15の異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約20の異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約30の異種ポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約40の異種ポリヌクレオチド配列、または少なくともまたは最大約50の異種ポリヌクレオチド配列を含み得る。
【0472】
発現ベクターの複数の異種ポリヌクレオチド配列のそれぞれは、実質的に同じであり得る。一部の実施形態では、複数の異種ポリヌクレオチド配列の少なくとも一部(例えば、そのそれぞれ)は、互いに異なり得る(例えば、少なくともまたは最大約1核酸塩基、少なくともまたは最大約2核酸塩基、少なくともまたは最大約3核酸塩基、少なくともまたは最大約4核酸塩基、少なくともまたは最大約5核酸塩基、6核酸塩基、少なくともまたは最大約7核酸塩基、少なくともまたは最大約8核酸塩基、少なくともまたは最大約9核酸塩基、または少なくともまたは最大約10核酸塩基が異なるなど)。
【0473】
発現ベクターの複数の異種ポリヌクレオチド配列のうちの少なくとも2つ(例えば、そのそれぞれ)は、互いにすぐ隣にあってよい(例えば、いかなる他の核酸塩基によっても隔てられていない)。あるいは、発現ベクターの複数の異種ポリヌクレオチド配列のうちの少なくとも2つ(例えば、そのそれぞれ)は、スペーサー、例えば、1つまたは複数の核酸塩基(例えば、少なくともまたは最大約1核酸塩基、少なくともまたは最大約2核酸塩基、少なくともまたは最大約3核酸塩基、少なくともまたは最大約4核酸塩基、少なくともまたは最大約5核酸塩基、少なくともまたは最大約6核酸塩基、少なくともまたは最大約7核酸塩基、少なくともまたは最大約8核酸塩基、少なくともまたは最大約9核酸塩基、少なくともまたは最大約10核酸塩基、少なくともまたは最大約15核酸塩基、少なくともまたは最大約20核酸塩基、少なくともまたは最大約30核酸塩基、少なくともまたは最大約40核酸塩基、少なくともまたは最大約50核酸塩基、少なくともまたは最大約60核酸塩基、少なくともまたは最大約70核酸塩基、少なくともまたは最大約80核酸塩基、少なくともまたは最大約90核酸塩基、または少なくともまたは最大約100核酸塩基など)によって隔てられていてもよい。
【0474】
本明細書に開示される発現ベクターの異種ポリヌクレオチド配列は、(i)エンドヌクレアーゼ標的配列(例えば、CRISPR/Casタンパク質標的配列)および/または(ii)1つまたは複数のCRISPRプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を含み得る。異種ポリヌクレオチド配列は、単一のPAM配列を含み得る。あるいは、異種ポリヌクレオチド配列は、複数のPAM配列(例えば、少なくともまたは最大約2つのPAM配列、少なくともまたは最大約3つのPAM配列、少なくともまたは最大約4つのPAM配列、少なくともまたは最大約5つのPAM配列、少なくともまたは最大約6つのPAM配列、少なくともまたは最大約7つのPAM配列、少なくともまたは最大約8つのPAM配列、少なくともまたは最大約9つのPAM配列、または少なくともまたは最大約10のPAM配列)を含み得る。複数のPAM配列は、同一であってよい。一部の実施形態では、複数のPAM配列のうちの2つまたはそれよりも多くが異なってよく、例えば、第1のPAM配列は第1の型のCRISPR/Casタンパク質(例えば、Cas9、例えばSpCas9および/またはSaCas9)に対するものであってよく、第2のPAM配列は第2の型のCRISPR/Casタンパク質(例えば、Cas12a)に対するものであってよい。複数のPAM配列のうちの少なくとも2つは互いにオーバーラップするものでなくてよい(例えば、Cas12a PAMとCas9 PAM)。あるいは、複数のPAM配列のうちのいくつかが互いにオーバーラップするものであってもよい(例えば、SpCas9 PAMとSaCas9 PAM)。
【0475】
本明細書に開示される2つのPAM配列間の距離は、少なくともまたは最大約1核酸塩基、少なくともまたは最大約5核酸塩基、少なくともまたは最大約10核酸塩基、少なくともまたは最大約15核酸塩基、少なくともまたは最大約20核酸塩基、少なくともまたは最大約25核酸塩基、少なくともまたは最大約30核酸塩基、少なくともまたは最大約35核酸塩基、少なくともまたは最大約40核酸塩基、少なくともまたは最大約45核酸塩基、少なくともまたは最大約50核酸塩基、少なくともまたは最大約55核酸塩基、少なくともまたは最大約60核酸塩基、少なくともまたは最大約70核酸塩基、少なくともまたは最大約80核酸塩基、少なくともまたは最大約90核酸塩基、または少なくともまたは最大約100核酸塩基であり得る。一部の場合では、少なくとも2つのPAM配列を異種ポリヌクレオチド配列の末端(例えば5’末端または3’末端)に配置することができる。少なくとも2つのPAM配列を異種ポリヌクレオチド配列の逆の末端に配置することができる(例えば、異種ポリヌクレオチド配列が2つの異なるPAM配列で挟まれていてよい)。
【0476】
本明細書に開示される異種ポリヌクレオチド配列のエンドヌクレアーゼ標的配列(例えば、Cas/ガイドRNA複合体のガイドRNA分子によって標的化される)は、少なくともまたは最大約10核酸塩基、少なくともまたは最大約15核酸塩基、少なくともまたは最大約20核酸塩基、少なくともまたは最大約25核酸塩基、少なくともまたは最大約30核酸塩基、少なくともまたは最大約35核酸塩基、少なくともまたは最大約40核酸塩基、少なくともまたは最大約45核酸塩基、少なくともまたは最大約50核酸塩基、少なくともまたは最大約60核酸塩基、少なくともまたは最大約70核酸塩基、少なくともまたは最大約80核酸塩基、少なくともまたは最大約90核酸塩基、または少なくともまたは最大約100核酸塩基であり得る。
【0477】
本明細書に開示される異種ポリヌクレオチド配列のエンドヌクレアーゼ標的配列(例えば、Cas/ガイドRNA複合体のガイドRNA分子によって標的化される)は、異なる供給源に由来する複数のポリヌクレオチド配列を含み得る。異なる供給源の非限定的な例は、同じ遺伝子、異なる遺伝子、異なる染色体(例えば、異なるヒト染色体)などのエクソンおよびイントロンであり得る。異なる染色体は、1番染色体、2番染色体、3番染色体、4番染色体、5番染色体、6番染色体、7番染色体、8番染色体、9番染色体、10番染色体、11番染色体、12番染色体、13番染色体、14番染色体、15番染色体、16番染色体、17番染色体、18番染色体、19番染色体、20番染色体、21番染色体、22番染色体、X染色体、および/またはY染色体に由来し得る。一部の実施例では、複数のポリヌクレオチド配列のポリヌクレオチド配列は、表面抗原分類(CD)タンパク質、例えば、CD1a、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD10、CD15、CD20、CD23、CD30、CD31、CD33、CD34、CD42b、CD43、CD45、CD45 RO、CD56、CD57、CD61、CD68、CD71、CD79a、CD99、CD103、CD117、CD138、CD163などをコードする遺伝子に由来し得る。
【0478】
複数のポリヌクレオチド配列は、少なくともまたは最大約2つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約3つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約4つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約5つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約6つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約7つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約8つのポリヌクレオチド配列、少なくともまたは最大約9つのポリヌクレオチド配列、または少なくともまたは最大約10のポリヌクレオチド配列を含み得る。複数のポリヌクレオチド配列のサイズ(例えば、長さ)は同じであり得る。あるいは、複数のポリヌクレオチド配列のサイズは異なり得る。複数のポリヌクレオチド配列のうちの2つのポリヌクレオチド配列のサイズは、少なくともまたは最大約2ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約3ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約4ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約5ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約6ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約7ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約8ポリヌクレオチド、少なくともまたは最大約9ポリヌクレオチド、または少なくともまたは最大約10ポリヌクレオチド異なり得る。
【0479】
本明細書に開示される発現ベクターは、本明細書に開示される1つまたは複数の異種ポリヌクレオチド配列(例えば、各異種ポリヌクレオチド配列)の下流にある上流活性化配列(UAS)を含み得る。UASは、非ヒトUASであり得る。UASは、プロモーター(例えば、GAL4プロモーター)に由来し得る。そのようなプロモーターの非限定的な例としては、U6、H1、CYC1、HIS3、GAL1、GAL4、GAL10、ADH1、PGK、PHO5、GAPDH、T7、CMV、SV40およびEF1aを挙げることができる。UASは、例えば、プロモーター、および/または、レポーター遺伝子などのレポーター発現ベクターによって発現が調節される標的遺伝子の上流にあり得る。
【0480】
本明細書に開示される発現ベクターは、プロモーターを含み得る。一部の場合では、1つまたは複数の異種ポリヌクレオチド配列は、プロモーターの上流にあり得る。一部の場合では、1つまたは複数の異種ポリヌクレオチド配列は、プロモーターの下流にあり得る。一部の場合では、プロモーターは、強力な構成的プロモーター(例えば、EF1a)であり得る。一部の場合では、プロモーターは、弱いウイルス性最小プロモーター(例えば、CMV)であり得る。プロモーターにより標的遺伝子の発現を制御することができ、例えば、標的遺伝子をプロモーターの調節制御下に置くことができる。
【0481】
本明細書に開示される発現ベクターの異種ポリヌクレオチド配列は、表3に提示される配列番号49334~49341または49344~49352のうちのいずれか1つまたは複数と少なくともまたは最大約70%、少なくともまたは最大約75%、少なくともまたは最大約80%、少なくともまたは最大約85%、少なくともまたは最大約90%、少なくともまたは最大約91%、少なくともまたは最大約92%、少なくともまたは最大約93%、少なくともまたは最大約94%、少なくともまたは最大約95%、少なくともまたは最大約96%、少なくともまたは最大約97%、少なくともまたは最大約98%、少なくともまたは最大約99%、または実質的に約100%の配列同一性または配列類似性を示し得る。本明細書に開示される発現ベクターの異種ポリヌクレオチド配列を、配列番号49346、49347、49351、または49352のうちのいずれか1つと少なくともまたは最大約70%、少なくともまたは最大約75%、少なくともまたは最大約80%、少なくともまたは最大約85%、少なくともまたは最大約90%、少なくともまたは最大約91%、少なくともまたは最大約92%、少なくともまたは最大約93%、少なくともまたは最大約94%、少なくともまたは最大約95%、少なくともまたは最大約96%、少なくともまたは最大約97%、少なくともまたは最大約98%、少なくともまたは最大約99%、または実質的に約100%の配列同一性または配列類似性を示すプロモーターに接合または作動的にカップリングすることができる。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0482】
本開示の別の態様は、本明細書に開示される発現ベクターのいずれかを含む細胞(例えば、レポーター細胞株)、細胞を作製する方法、および、細胞を、例えば、本明細書に開示されるライブラリーの1つまたは複数のリード異種遺伝子エフェクターを同定するためのスクリーンに使用する方法を提供する。発現ベクターを細胞の1つまたは複数の染色体(例えば、核染色体)に組み込むことができる。あるいは、発現ベクターを染色体に組み込まなくてもよい(例えば、非染色体性であってよい)。
【0483】
本明細書に開示される発現ベクター(例えば、
図11参照)を含む細胞の集団により示される標的遺伝子陽性細胞の分布は、対照発現ベクター(例えば、
図12参照)を含む対照細胞の集団と比較して、少なくともまたは最大約1パーセント(%)、少なくともまたは最大約2%、少なくともまたは最大約5%、少なくともまたは最大約10%、少なくともまたは最大約15%、少なくともまたは最大約20%、少なくともまたは最大約30%、少なくともまたは最大約40%、少なくともまたは最大約50%、少なくともまたは最大約60%、少なくともまたは最大約70%、少なくともまたは最大約80%、少なくともまたは最大約90%、少なくともまたは最大約95%、少なくともまたは最大約100%、少なくともまたは最大約0.1倍、少なくともまたは最大約0.2倍、少なくともまたは最大約0.5倍狭い、少なくともまたは最大約1分の1、少なくともまたは最大約1.5分の1、少なくともまたは最大約2分の1、少なくともまたは最大約3分の1、少なくともまたは最大約4分の1、少なくともまたは最大約5分の1、または少なくともまたは最大約10分の1であり得る(
図19参照)。分布は、例えば、フローサイトメトリーによって決定される、集団内の細胞によるレポーター遺伝子の発現の蛍光強度の四分位範囲、または約5番目のパーセンタイルから95番目のパーセンタイルまでの範囲にわたり得る。
【実施例】
【0484】
以下の実施例は、本開示の種々の実施形態を例示する目的で提示され、本開示をいかなる様式でも限定するものではない。本実施例は、本明細書に記載の方法と共に、現在の代表的な好ましい実施形態であり、例示であり、本開示の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
ヒトエピジェネティックエフェクタースクリーン
【0485】
本実施例には、ヒト核プロテオーム由来の新規遺伝子エフェクター(例えば、遺伝子発現をモジュレートするドメイン)の同定および特徴付けを記載する。
【0486】
ヌクレアーゼ不活性型Cas9(dCas9)と異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列とを含有する複合体のライブラリーを利用したハイスループットスクリーンを実施する。各異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列をdCas9と融合し、ヒト細胞における標的遺伝子調節配列(例えば、プロモーター)に動員し、標的遺伝子発現に対する効果を決定する。例示的なエフェクタースクリーン設計の概要を
図1に提示する。
【0487】
ライブラリー設計
【0488】
異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列を、ヒト核プロテオームからのタンパク質配列をカバーするように設計する。核に局在化する(例えば、排他的に局在化する)ことが実験により決定されたヒトタンパク質(ProteinAtlas.org)の解析を実施し、549種のタンパク質のショートリストを得る。300ヌクレオチド長であり、そのうちの255ヌクレオチドが標的特異的である合成DNAオリゴヌクレオチドから異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列を生成する。各オリゴの5’末端および3’末端はデスティネーションベクター(p-dCas9)と相補的な配列を含有し、Illumina Read 1 Primerの一部を含む3’15ヌクレオチドのオーバーラップを伴う。オリゴヌクレオチドは、各異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列に対して一意的な分子識別子(例えば、「バーコード」)も含有する。この設計により、NEB HiFiクローニングを使用してライブラリーをクローニングすること、および下流のIllumina Hiseqに適合するNGSライブラリーを生成することが可能になる。各標的遺伝子に対して、オリゴを、遺伝子のコードヌクレオチド配列が5’から3’まで、129ヌクレオチドのオーバーラップを伴ってタイル状に並べられるように、設計する。
【0489】
この最初のエフェクターライブラリーでは、陽性対照および陰性対照を含め、全部で16139種のオリゴが設計される。以下に、以下の通りアノテートされる本実施例のオリゴヌクレオチドの実例を提示する:ベクターオーバーラップ1(配列番号11)-標的配列(配列番号12)-[終止コドン;配列番号13]-一意的な分子識別子(配列番号14)-ベクターオーバーラップ2(配列番号15;(Illumina Read1部分的)):
【0490】
【0491】
本開示のライブラリーに使用されるオリゴには、各標的配列に一意的な分子識別子を結び付けるため、およびクローニング用のベクターオーバーラップ配列を提供するために同様のフォーマットを利用することができる。
【0492】
ライブラリークローニング
【0493】
オリゴヌクレオチドをオリゴ(例えば、数百ナノグラムの凍結乾燥DNA)当たり>0.2fmolの収量で得る。オリゴを10mMのTris、pH8.0に再懸濁させてストック濃度を20ng/μLとする。ストック溶液を-20℃で維持することができる。
【0494】
PCRを行って、ssDNAをdsDNAに変換し、NEBuilder HiFiクローニングに備える。KAPA HiFi HotStart PCR Kit(カタログ番号KK2502)を使用し、およそ12~14サイクルを行う。
【0495】
表4に、ライブラリー増幅のための例示的なPCR反応の構成成分を提示する。反応物400μLを8つのPCR管にそれぞれ50μLの量を分割する。
【表4】
【0496】
【0497】
PCR産物をカラム精製によってクリーンアップする。
【0498】
各オリゴの5’末端および3’末端にオーバーラップ配列が存在することにより、デスティネーションベクターへのクローニングが可能になる(例えば、NEB HiFiによって)。
【0499】
デスティネーションベクター(p-dCas9)をpSLQ6604に基づくレンチウイルス骨格を改変することによって生成する。デスティネーションベクターを、異種遺伝子エフェクターをdCas9のC末端と短い柔軟なGSリンカーを介して融合することが可能になるように設計する。デスティネーションベクターを直接合成(例えば、GenScript)によってまたはアセンブリ(例えば、IDTからの3つの合成gBloc断片を使用したHiFI PCRアセンブリ、続いてEcoRI NotIで直線化したpSLQ6604へのライゲーション)によって生成する。
【0500】
図2に例示されている出発デスティネーションベクターを直線化する(例えば、EcoRI(高忠実度)およびNotI(高忠実度)制限酵素を用いた消化によって)。3つの合成gBlock断片から生成した挿入断片配列をHiFiアセンブリによって挿入して、
図3に例示されているp-dCas9を生成する。
【0501】
p-dCas9デスティネーションベクターを直線化し(例えば、MluI(高忠実度)を用いた消化によって)、異種遺伝子エフェクター配列をコードする挿入断片をHiFiアセンブリを使用して挿入断片のベクターに対する比をおよそ10:1としてベクターに付加する。
例示的な活性化因子スクリーン
【0502】
ライブラリーを使用して、標的遺伝子の発現を活性化するまたは増大させる異種遺伝子エフェクターを同定する。各スクリーンのために、適切な細胞型/細胞株および標的遺伝子または標的遺伝子調節配列を選択する。ガイドRNAを使用して、dCas9-エフェクターを内因性遺伝子の調節配列(例えば、プロモーター)に方向付ける。ガイドRNAは、検証されたガイドRNAであり得る。ライブラリーは、陽性対照オリゴヌクレオチド(例えば、P300、TET1、TET2、TET3、およびHSF1遺伝子にわたってタイル状に並べられたもの)を含む。
【0503】
所与の細胞型において低レベルで発現される細胞表面タンパク質をコードする標的遺伝子を使用することができる。例えば、CD45を低レベルで発現する細胞株が
図4に例示されている。
【0504】
1回の反復では、K562細胞を使用し、CD45を標的遺伝子として用いる。K562細胞はCD45を低レベルで発現する。ガイドRNAを使用して、dCas9-エフェクターをCD45の調節配列(例えば、プロモーター)に方向付ける。
【0505】
1回の反復では、K562細胞を使用し、CDB1を標的遺伝子として用いる。K562細胞はCDB1を低レベルで発現する。ガイドRNAを使用して、dCas9-エフェクターをCDB1の調節配列(例えば、プロモーター)に方向付ける。
【0506】
細胞にベクター(例えば、レンチウイルス粒子)を用いた形質導入を行って、ライブラリーの複合体の発現を誘導する。形質導入された細胞において候補異種遺伝子エフェクターが1つよりも多く発現されないように感染多重度を選択する。スクリーンにおいてdCas9-エフェクターを発現しないバックグラウンド細胞の数を最小限にするために、形質導入された細胞をレポーター遺伝子(例えば、mCherry)発現に基づいて選別する。次いで、細胞にベクター(例えば、高い感染多重度のレンチウイルス粒子)を用いた形質導入を行って、スクリーンに特異的なガイドRNA(例えば、CD45プロモーターを標的化するガイドRNA)の発現を誘導する。形質導入された細胞を培養下で最大約5日間維持する。
【0507】
標的遺伝子をより高レベルで発現する細胞を、例えば、細胞を標的遺伝子の発現に基づいて選別すること(例えば、蛍光活性化細胞選別および/または磁気活性化細胞選別により)によって同定することができる。
【0508】
ゲノムDNAを細胞から抽出し、組み込まれたエフェクターカセットをPCRによって単離し、それを使用して、HiSeqシングルエンドバーコードシーケンシングのためのライブラリーを生成する。標的遺伝子の発現を増大させる遺伝子エフェクターを同定する。
【0509】
この手法は、異種遺伝子エフェクターの組合せのスクリーニングにも適合させることができる。
【0510】
例示的なリプレッサースクリーン
【0511】
ライブラリーを使用して、標的遺伝子の発現を低減させる異種遺伝子エフェクターを同定する。各スクリーンのために、適切な細胞型/細胞株および標的遺伝子または標的遺伝子調節配列を選択する。ガイドRNAを使用して、dCas9-エフェクターを内因性遺伝子の調節配列(例えば、プロモーター)に方向付ける。ガイドRNAは、検証されたガイドRNAであり得る。
【0512】
所与の細胞型において比較的高いレベルで発現される細胞表面タンパク質をコードする標的遺伝子を使用することができる。例えば、トランスフェリン受容体CD71を高レベルで発現する細胞株が
図5に例示されている。
【0513】
1回の反復では、K562細胞を使用し、CD71を標的遺伝子として用いる。K562細胞はCD71を比較的高いレベルで発現する。ガイドRNAを使用して、dCas9-エフェクターをCD71の調節配列(例えば、プロモーター)に方向付ける。ガイドRNAは、例えば、GGACGCGCTAGTGTGAGTGCまたはCGATATCCCGACGCTCTGAGによってコードされ得る。
【0514】
細胞にベクター(例えば、レンチウイルス粒子)を用いた形質導入を行って、ライブラリーの複合体の発現を誘導する。形質導入された細胞において候補異種遺伝子エフェクターが1つよりも多く発現されないように感染多重度を選択する。スクリーンにおいてdCas9-エフェクターを発現しないバックグラウンド細胞の数を最小限にするために、形質導入された細胞をレポーター遺伝子(例えば、mCherry)発現に基づいて選別する。次いで、細胞にベクター(例えば、高い感染多重度のレンチウイルス粒子)を用いた形質導入を行って、スクリーンに特異的なガイドRNA(例えば、CD71プロモーターを標的化するガイドRNA)の発現を誘導する。形質導入された細胞を培養下で最大約5日間維持する。
【0515】
標的遺伝子をより低レベルで発現する細胞を、例えば、標的遺伝子の発現に基づいて細胞を選別すること(例えば、蛍光活性化細胞選別および/または磁気活性化細胞選別により)によって同定することができる。
【0516】
ゲノムDNAを細胞から抽出し、組み込まれたエフェクターカセットをPCRによって単離し、それを使用して、HiSeqシングルエンドバーコードシーケンシングのためのライブラリーを生成する。標的遺伝子の発現を低減させる遺伝子エフェクターを同定する。
【0517】
この手法は、異種遺伝子エフェクターの組合せのスクリーニングにも適合させることができる。
(実施例2)
本開示の複合体による遺伝子発現の活性化および抑制を実証するパイロット実験
【0518】
本実施例には、本開示の複合体により標的遺伝子の発現を活性化することおよび抑制することができること、ならびに、本開示の方法を使用して標的遺伝子の上方調節および下方調節を検出することができることを実証するパイロット実験を記載する。
【0519】
それぞれがヌクレアーゼ不活性型Cas9(dCas9)と異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列とを含有する複合体のライブラリーを実施例1に記載の方法を使用して生成した。各異種遺伝子エフェクターをコードし、5’および3’クローニング配列を含有する合成DNAヌクレオチドを生成し、デスティネーションベクターp-dCas9にクローニングした。候補エフェクターのライブラリーをパイロットスクリーンのためにプールした。ライブラリーは、転写活性をモジュレートすることが同定された遺伝子からのものを含めた候補転写活性化因子および候補転写リプレッサー(例えば、P300、TET1、TET2、TET3、HDAC3、HSF1およびZIM3、MeCp2、DNMT3L、DNMT3a、DNMT3b、G9a、およびEZH2)を含む。
【0520】
K562細胞株を使用して、複合体の遺伝子発現に対する影響を試験した。細胞に候補エフェクターをコードする構築物を用いた形質導入を行って、ライブラリーの複合体の発現を誘導した。細胞に、レンチウイルスベクターを用いた形質導入も行って、dCas9-エフェクターを(i)CD45の調節配列(活性化因子スクリーン、実験条件)、(ii)CD71の調節配列(リプレッサースクリーン、実験条件)、または(iii)GAL4(対照)に方向付けるためのガイドRNAの安定発現を誘導した。形質導入された細胞をレポーター遺伝子発現に基づいて選別して、ガイドRNAとdCas9-エフェクターの両方を発現する細胞を富化させた。
【0521】
形質導入された細胞を培養下で最大約5日維持し、CD45またはCD71発現をフローサイトメトリーによって数量化した。活性化因子スクリーンの実験条件においてCD45発現の増大が観察され(
図6、右上のパネル)、リプレッサースクリーンの実験条件においてCD71発現の低減が観察された(
図6、右下のパネル)。
(実施例3)
ウイルスエピジェネティックエフェクタースクリーン設計
【0522】
ウイルスゲノムからのタンパク質配列をカバーするように異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列を設計する。候補配列を以下に基づいて選択する:
【0523】
(i)ChIP/ChIP-seq、EMSA、SELEX、レポーターアッセイ、結合アッセイ、および/または結晶構造によって実験により検証されたウイルス転写調節因子。実験により検証されたウイルス転写調節因子は、例えば、以下の科:Adenoviridae、Arenaviridae、Bornaviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Hepadnaviridae、Herpesviridae、Orthomyxoviridae、Papillomaviridae、Paramyxoviridae、Parvoviridae、Peribunyaviridae、Phenuiviridae、Pneumoviridae、Polyomaviridae、Poxviridae、Retroviridae、およびRhabdoviridaeのうちのいずれか1つまたは複数からのウイルスを表し得る。Liu et al., Human virus transcriptional regulators. Cell, 182(1),pp.24-37からの転写調節因子を含めることができる。
【0524】
(ii)ヒト-コウモリ共通ウイルスおよびウイルスタンパク質、例えば、コウモリから人畜共通感染することが実証されているウイルスの科および/またはヒト細胞において機能的であることが実証されているウイルスに由来するウイルス転写調節因子。ヒト-コウモリ共通ウイルスおよびウイルスタンパク質に由来するウイルス転写調節因子は、例えば、Flaviviridae、Lyssaviridae、Filoviridae、Paramyxoviridae、Orthomyxoviridae、Coronaviridae、Reoviridae、Togaviridae、Phenuviridae、およびHantaviridaeのうちのいずれか1つまたは複数からのウイルスを表し得る。例えば、Adenoviridaeおよびpoxviridaeには高度の転写調節因子モジュール性があるので、これらのウイルスからの配列を含めることができる。配列はdBatVirデータベースから手動で入手することができる。
【0525】
(iii)メタゲノムウイルスゲノムおよびウイルスタンパク質。配列は、例えば、腸ビロームを評価した研究からのデータ;ヒト腸内に豊富に存在し、転写調節因子を含有し、酸性環境下で存在するSiphoviridae、podoviridae、およびmyoviridaeのゲノム;海洋で検出されたウイルス配列;熱水噴出孔で検出されたウイルス配列;公共のデータベースからの構造データ(例えば、X線、NMR)を利用した供給源;水平伝播よりも垂直伝播に好都合な進化的圧力に起因して酸性残基および残留官能基などの望ましい特性を有するエフェクターに富む可能性がある、極限環境(例えば、高酸、高温環境)からの古細菌トロピックウイルス(例えば、sulfolobus)の記録;および公共の供給源(例えば、NCBI)から手動で入手した配列から入手することができる。
【0526】
予測的フィルタリング技法を、例えば、酵母における実験を通じたコア活性化因子ドメイン(例えば、13bpに至るまで)の適切な生物物理学的特性の同定;酸性のかさのある疎水性のアルファヘリックス、および/または負電荷の存在;効果の持続時間に影響を及ぼす可能性があるモチーフリピートの存在;ならびにPADDLE様畳み込みニューラルネットワーク/トランスフォーマアルゴリズムまたは同様の予測技法に基づいて候補配列に適用することができる。
(実施例4)
ウイルスエピジェネティックエフェクタースクリーン
【0527】
本実施例には、ウイルスゲノム由来の新規遺伝子エフェクター(例えば、ヒト遺伝子の発現をモジュレートするドメイン)の同定および特徴付けを記載する。
【0528】
それぞれがヌクレアーゼ不活性型Cas9(dCas9)とウイルスゲノム由来の異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列とを含有する複合体のライブラリーを利用してハイスループットスクリーンを実施する。異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列(例えば、実施例3において同定されたもの)をdCas9と融合し、ヒト細胞における標的遺伝子調節配列(例えば、プロモーター)に動員し、標的遺伝子発現に対する効果を決定する(例えば、実施例1においてヒト核プロテオームスクリーンに関して記載した技法を使用して)。
【0529】
およそ3500種の遺伝子とそれに加えておよそ3000種の対照を標的化する27799種のオリゴを設計する。陽性対照および陰性対照を実施例1に開示されている通り使用する。実験データが公開されているウイルス転写調節因子をアッセイ性能についてのベンチマークとして使用し、データ解析の手引きとするために既知の活性を手動で系統立てる。
【0530】
標的遺伝子の発現を増強するまたは低減させる遺伝子エフェクターを同定する。
【0531】
この手法は、異種遺伝子エフェクターの組合せのスクリーニングにも適合させることができる。
(実施例5)
コンビナトリアルエピジェネティックエフェクタースクリーン
【0532】
本実施例には、遺伝子発現をモジュレートする遺伝子エフェクターの新規組合せの同定および特徴付けを記載する。
【0533】
異種遺伝子エフェクター候補ペプチド配列の組合せと複合体を形成したヌクレアーゼ不活性型Cas9(dCas9)を含む複合体のライブラリーを利用してハイスループットスクリーンを実施する。このスクリーンは、ヒト細胞における遺伝子エフェクター(例えば、遺伝学的/エピジェネティック因子)の組合せの体系的かつ大規模な調査が可能になるように設計する。
【0534】
第1の手法では、多様なタンパク質ファミリーに由来するクロマチン調節因子(CR)および転写調節因子(TR)を文献およびデータベースから抜き出す。CRとTRの組合せをスクリーニングして、標的遺伝子の発現をモジュレートする(例えば、増大または低減させる)因子の新規組合せを同定する。このスクリーンにより、in vivoの状況では相互作用しないものであり得るが(例えば、細胞型特異性、補助因子または複合体の要件などに起因して)、それにもかかわらず、目的の遺伝子座に直交性に動員されるとエピジェネティックおよび/または転写作用を媒介し得る因子の組合せを同定することが可能になる。
【0535】
CR遺伝子エフェクターとしては、種々のクラスのヒストンおよびDNA修飾酵素由来の機能的ドメイン(例えば、DNMT、HAT、HMTなど)が挙げられる。これらは、主にヒト起源のものであるが、植物または他の種に由来する因子も含めることができる。CRライブラリーは、候補遺伝子エフェクター約100種ほどのものである。
【0536】
TR遺伝子エフェクターとしては、TFの種々のファミリー由来の転写調節ドメイン(例えば、KRAB、p65、MED、GTFなど)が挙げられる。CRライブラリーと同様に、これらのドメインは主にヒト配列を含み、また、同様に、因子約100種ほどのものであり、CR+TRの独特の組合せがおよそ10,000種もたらされる。
【0537】
第2の手法では、実施例1~3において同定された遺伝子エフェクターをスクリーニングする。この手法により、互いにまたは他のエフェクタードメイン(例えば、文献からのエフェクタードメイン)と組み合わせて利用するとその活性を強化することができる新規エフェクタードメインを同定することが可能になる。ある特定の閾値を上回る活性化または抑制を実現する、最初のスクリーンからのエフェクター、ならびに他の活性化因子およびリプレッサーを含む対のライブラリーを生成する。次いで、これらのライブラリーをペアワイズ様式で試験して、望ましい(例えば、相乗的な)活性を示すエフェクターの組合せを同定する。
【0538】
候補エフェクタードメインの直交性の動員を容易にし、何千もの可能性のある組合せを標的化または不偏様式で試験することを可能にする誘導性系を使用する。この系の誘導性および可逆性により、転写活性化または抑制に対する観察される効果の持続性を評価することも可能になる。
【0539】
この系では、Arabidopsis thalianaに由来する誘導性ヘテロ二量体タンパク質対(PYL1-ABIおよびGID1-GAI)を利用する。各ヘテロ二量体対の一方のタンパク質をdCas9と融合し、同類のタンパク質をエフェクタードメインと融合し、誘導分子(植物ホルモンABAおよびGA)を添加することによってdCas9へのエフェクターの動員を実現する。最大80アミノ酸の遺伝子エフェクターがヘテロ二量体形成ドメインに融合される。
【0540】
ライブラリー要素はそれぞれが一意的な分子識別子(バーコード)を含有し、一意的な分子識別子は、細胞内に存在する、選択閾値を超える組合せがペアエンドIlluminaシーケンシングによりデコンボリューションされるように調整されたものである。最大80アミノ酸の遺伝子エフェクター断片および一意的な分子識別子をコードするDNAをおよそ300ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドの形態で得る。CR遺伝子エフェクターおよびTR遺伝子エフェクターをそれぞれGID1およびPYL1とインフレームで有する単一のプラスミドを用いてレンチウイルス発現プラスミドを生成する。コンビナトリアルスクリーンのための発現構築物の例示的な概略図を
図7に提示する。
【0541】
実施例1~3に記載のスクリーンと適合させるために、同じ遺伝子座を標的化する(活性化に関してはCD45、抑制に関してはCD71)。GAI-dCas9-ABIを発現する安定なK562細胞株を、例えば
図8に例示されている発現構築物を使用して生成する。
【0542】
コンビナトリアルライブラリーをレンチウイルス粒子として、GAI-dCas9-ABIを安定に発現するK562細胞に形質導入する。形質導入された細胞を、PYLでタグ付けした候補エフェクタードメインおよびGID1でタグ付けした候補エフェクタードメインの動員が誘導されることが実験により決定された濃度のABAおよびGAに曝露させる。遺伝子エフェクターとdCas9のアセンブルされた複合体を最大5日間にわたって標的遺伝子座(リプレッサースクリーンではCD71、活性化因子スクリーンではCD45)と会合したままにした後、誘導性ホルモンを取り除く。
【0543】
エフェクターの組合せの活性を、誘導後5日間の間隔で最大30日間にわたって所望の細胞の集団を選別し、収集することによって決定する。次いで、候補組合せの同一性を、示されている時点で単離された細胞から抽出されたDNAからの一意的な分子識別子の配列を決定することによって決定する。
【0544】
図9に、dCas9と会合した転写調節因子とクロマチン調節因子の組合せを含む本開示の複合体によるCD45発現およびCD71発現のモジュレーションが例示されている。上の画像は、CD45についての例示的な活性化因子スクリーンを示し、下の画像は、CD71についての例示的なリプレッサースクリーンを示す。右のグラフは、本開示の複合体によるCD71発現の抑制、およびCD45発現の増大を例示する。
【0545】
目的の遺伝子の発現を増大させるまたは抑制する遺伝子エフェクターの組合せを同定する。
【0546】
追加の候補遺伝子エフェクターを用いて、および/または3成分複合体を同定するために、スクリーンのさらなる反復を実施することができる。例えば、GA1-dCas-2成分エフェクターを用いてK562細胞の安定株を生成し、GID1でタグ付けした個々のエフェクターを導入することができる。
(実施例6)
本明細書に開示される系および方法の治療への適用
【0547】
本明細書に開示される系および方法を使用して、例えば、新規遺伝子エフェクター複合体を同定することができる。新規遺伝子エフェクター複合体は、新規遺伝子エフェクターおよび/または複数の遺伝子エフェクターの新規組合せを含み得る。本明細書に開示される、同定される新規遺伝子エフェクターは、特定の標的遺伝子、特定の細胞型、特定の標的疾患、特定の対象などに独特のものであり得る。
【0548】
a.同じ細胞型の異なる標的遺伝子
【0549】
本明細書に開示される複合体のライブラリーを使用して、同じ細胞型由来の異なる標的遺伝子に対する新規遺伝子エフェクター複合体を同定することができる。同じ細胞型内で、第1の遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、第2の遺伝子(第1の遺伝子とは異なる)の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0550】
例えば、同じ幹細胞型内で、幹細胞の若返りを誘導するためにテロメラーゼの発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、組織修復/再生のためにトランスフォーミング増殖因子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0551】
b.異なる細胞型の同じ標的遺伝子
【0552】
本明細書に開示される複合体のライブラリーを使用して、同じ標的遺伝子であるが異なる細胞型におけるものに対する新規遺伝子エフェクター複合体を同定することができる。スクリーニングに同じ標的遺伝子を利用した場合であっても、第1の細胞型において標的遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、第2の細胞型における同じ標的遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0553】
例えば、標的遺伝子が同じものであるとして、幹細胞の若返りを誘導するためにテロメラーゼをコードする遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、より分化した細胞(例えば、皮膚細胞、筋肉細胞、ニューロンなど)の若返りを誘導するためにテロメラーゼをコードする同じ遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0554】
異なる例では、標的遺伝子が同じものであるとして、第1の型の分化した細胞(例えば、皮膚細胞)の若返りを誘導するためにテロメラーゼをコードする遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、第2の型の分化した細胞(例えば、筋肉細胞)の若返りを誘導するためにテロメラーゼをコードする同じ遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0555】
c.異なる細胞型の異なる標的遺伝子
【0556】
本明細書に開示される複合体のライブラリーを使用して、異なる細胞型における異なる標的遺伝子に対する新規遺伝子エフェクター複合体を同定することができる。第1の細胞型における第1の標的遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、第2の細胞型における第2の標的遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0557】
例えば、筋形成を誘導するために筋肉幹細胞(または筋肉サテライト細胞)における筋芽細胞決定タンパク質1(MyoD)をコードする第1の遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、骨形成を誘導するために間葉系幹細胞(MSC)におけるRunt関連転写因子2(RUNX2)をコードする第2の遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0558】
d.異なる対象の同じ標的遺伝子
【0559】
本明細書に開示される複合体のライブラリーを使用して、同じ標的細胞型における同じ標的遺伝子であるが、異なる標的細胞供給源に由来するものに対する新規遺伝子エフェクター複合体を同定することができる。一部の場合では、同じ型の標的細胞は異なる対象由来であり得る。異なる対象は、例えば、性別、年齢、体調(例えば、病態)などが異なり得る。第1の対象由来の細胞型における標的遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、第1の対象とは異なる第2の対象由来の同じ細胞型における同じ標的遺伝子の発現または活性レベルを調節する(例えば、最適に上方調節または下方調節する)ものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
【0560】
例えば、標的遺伝子が同じものであるとして、雌対象由来の幹細胞型の若返りを誘導するためにテロメラーゼをコードする遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第1の新規遺伝子エフェクター複合体は、雄対象由来の同じ幹細胞型におけるテロメラーゼをコードする同じ遺伝子の発現または活性レベルを最適に増強するものと同定される第2の新規遺伝子エフェクター複合体とは異なり得る。
(実施例7)
工学的に操作された合成レポーター(ESR)の設計
【0561】
図10に、ESRの発現ベクターの構造の例が概略的に実証されている。発現ベクターは、異種ポリヌクレオチド配列の複数のコピー(例えば、7コピー)を含み得る。各異種ポリヌクレオチド配列は、合成ガイド標的(例えば、ガイドRNAによって標的化可能な、例えば、配列番号49334)、複数のCRISPR PAM配列(例えば、「TTTA」などのCas12a PAM配列、「CGG」などのSpCas9 PAM配列、「CGGAG」などのSaCas9 PAM配列、および/または上流活性化配列(UAS)配列を含み得、これらの構成要素のいくつかは互いにオーバーラップするものであってよい(例えば、1つまたは複数の共通の核酸塩基、例えば共通のポリヌクレオチド配列を共有し得る)。UAS(例えば、プロモーターの上流)は、転写活性化因子によって標的化することができ、そのような標的化は、プロモーターの制御下にある標的遺伝子の発現を調節する(例えば、増強する)ために十分なものであり得る。
【0562】
合成ガイド標的は、2つの異なる供給源からの、ポリヌクレオチド配列と追加のポリヌクレオチド配列とを含み得る(例えば、ヒトCD45(chr1)のガイド標的由来のポリヌクレオチド配列(例えば、10核酸塩基長)とヒトCD71(chr3)ガイド標的由来の追加のポリヌクレオチド配列(例えば、10核酸塩基長))。
【0563】
UASは、酵母GAL4プロモーター由来であり得る(例えば、酵母においてGAL4タンパク質が結合するもの)。UASは哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞)においていかなる機能も示さず影響も及ぼさない可能性があり、したがって、哺乳動物細胞に発現ベクターをもたらすことの副作用またはオフターゲット作用を最小化することができる。
【0564】
異種ポリヌクレオチド配列の複数のコピーは、遺伝子、例えば標的遺伝子(例えば、遺伝子およびそのプロモーター配列)の上流にあり得る。標的遺伝子は、細胞において天然に存在するタンパク質をコードし得る。標的遺伝子は、細胞において天然に存在し得るタンパク質をコードし得る。あるいは、標的遺伝子は、細胞において天然に存在しないタンパク質(例えば、レポータータンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光タンパク質)をコードし得る。標的遺伝子をプロモーター、例えば強力なヒト構成的プロモーター(EF1a)または弱いウイルス性最小プロモーター(例えば、miniCMV)の制御下に置くことができる。
【0565】
一部の実施例では、発現ベクターを含むESR細胞の集団を、異なる異種遺伝子エフェクターおよび合成ガイド標的に対するガイド核酸配列のライブラリーを用いて処理し、標的遺伝子の発現レベルの変化を測定して、リード異種遺伝子エフェクター(例えば、強力なヒト構成的プロモーターを含む発現ベクターについてはリプレッサー、または弱いウイルス性最小プロモーターを含む発現ベクターについては活性化因子)についてスクリーニングすることができる。
【0566】
図11にESRの配列の例が概略的に示されている。
図12に対照レポーターベクターの配列の例が概略的に示されている。一部の場合では、ESR内の各合成ガイド標的配列間の間隔は、対照レポーターベクターにおけるものとは異なってよい。例えば、ESR内の各合成ガイド標的配列間の間隔は、対照レポーターベクターにおけるものよりも長くてよい。
(実施例8)
ESRを含むレポーター細胞株の生成
【0567】
異なる型の種々の細胞をESRを含むように工学的に操作して(例えば、実施例7において実証されている通り)、例えば、標的遺伝子発現をモジュレートするための望ましい特性を示す異種遺伝子エフェクタードメイン(複数可)およびその複合体(複数可)のスクリーニングに使用することができる種々の型のレポーター細胞株を生成することができる。
【0568】
新規遺伝子活性化因子についてスクリーニングするために、miniCMV-GFPを含むESRを用いてK562細胞を工学的に操作することができる(ESR111)。遺伝子リプレッサーについてスクリーニングするために、EF1a-GFPを含むESRを用いてK562細胞を工学的に操作することができる(ESR211)。遺伝子活性化因子を検証するために、miniCMV-GFPを含むESRを用いて293T細胞を工学的に操作することができる(ESR121)。遺伝子リプレッサーを検証するために、EF1a-GFPを含むESRを用いて293T細胞を工学的に操作することができる(ESR221)。
【0569】
図13に、miniCMV-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR121)についての(i)トランスフェクトなしの場合、(ii)dCas9およびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCas9+sgT)、(iii)dCas9-VPR活性化因子およびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCas9-VPR+sgT)、または(iv)dCas9-VPR活性化因子およびESRベクターに対する非標的化対照ガイドRNA(dCas9-VPR+sgNT)をトランスフェクトした場合のフローサイトメトリーデータ解析が示されている。
図14に、EF1a-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR221)についての(i)トランスフェクトなしの場合、(ii)dCas9およびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCas9-空)、(iii)dCas9-KRABリプレッサーおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCas9-KRAB)、または(iv)dCas9-KRAB-DNMT3LリプレッサーおよびESRベクターに対するガイドRNA(dCas9-KL)をトランスフェクトした場合のフローサイトメトリーデータ解析が示されている。
図13および
図14に基づいて、dCas9-VPRまたはdCas9-KRABトランスフェクション後に293T ESR細胞の強力な活性化または抑制が示される。
【0570】
図15に、miniCMV-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーターK562細胞株(ESR111)についての(i)トランスフェクトなしの場合、または(ii)dCas9-VPRおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCas9-VPR)のフローサイトメトリーデータ解析が示されている。
図16に、EF1a-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーターK562細胞株(ESR211)についての、トランスフェクトなしで3日目に測定した場合(トランスフェクトなし、D3)、トランスフェクトなしで14日目に測定した場合(トランスフェクトなし、D14)、dCas9-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトし、3日目に測定した場合(dCas9-KRAB、D3)、dCas9-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトし、4日目に測定した場合(dCas9-KRAB、D4)、dCas9-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトし、5日目に測定した場合(dCas9-KRAB、D5)、dCas9-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトし、6日目に測定した場合(dCas9-KRAB、D6)、dCas9-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトし、10日目に測定した場合(dCas9-KRAB、D10)、またはdCas9-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトし、14日目に測定した場合(dCas9-KRAB、D14)のフローサイトメトリーデータ解析が示されている。
図15および
図16に基づいて、dCas9-VPRまたはdCas9-KRAB mRNAトランスフェクション後にK562 ESR細胞の強力な活性化または抑制が示される。
【0571】
図17に、miniCMV-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR121)についての、(i)dCasMINIおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCasMINI+sg20)、(ii)dCasMINI-VPRおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCasMINI-VPR+sg20)、(iii)dCasMINIおよびESRベクターに対する異なるガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCasMINI+sg23)、(iv)dCasMINI-VPRおよびESRベクターに対する異なるガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCasMINI-VPR+sg23)、または(v)dCasMINI-VPRおよび非特異的な対照ガイドRNA配列をトランスフェクトした場合(dCasMINI-VPR+sgNT)のフローサイトメトリーデータ解析が示されている。
図18に、EF1a-GFPをコードするESRを用いて工学的に操作されたレポーター293T細胞株(ESR221)についての、(i)dCasMINIおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCasMINI+sgT)、(ii)dCasMINI-KRABおよびESRベクターに対するガイドRNAをトランスフェクトした場合(dCasMINI-KRAB+sgT)、または(iii)dCasMINI-KRABおよび非特異的な対照ガイドRNA配列をトランスフェクトした場合(dCasMINI-KRAB+sgNT)のフローサイトメトリーデータ解析が示されている。
図17および
図18に基づいて、293T ESR細胞はdCasMini-KRABによって強力に抑制されるが、dCasMINI-VPRによる活性化の強さはより小さい。
(実施例9)
エフェクターライブラリースクリーン
【0572】
独特の12merのDNAである一意的な分子識別子(例えば、バーコード)と対にした、46,000種を超える候補異種遺伝子エフェクター(それぞれ255bp)をコードするカスタムDNAオリゴライブラリー、およびクローニング相同アームをdCas9レンチウイルス発現プラスミドにクローニングした。コードされる候補異種遺伝子エフェクターには、ヒトタンパク質に由来する候補異種遺伝子エフェクター(例えば、配列番号16~13605、実施例1に記載の通り同定されたもの)、対照エフェクター(例えば、配列番号13606~16154)、ウイルスタンパク質に由来する候補異種遺伝子エフェクター(例えば、配列番号16155~43953、実施例3および4に記載の通り同定されたもの)、および追加の対照エフェクター(例えば、配列番号43954~47350)が含まれる配列番号16~47350および49353~50052のそれぞれを含めた。255bpの配列内の推定終止コドンの下流でコードされる追加のペプチド配列が配列番号47351~49333に提示される。
【0573】
並行して、7コピーの独特のガイドRNA標的化配列(
【化3】
、配列番号49339;CasMiniおよびCas9 PAM配列がそれぞれ太字および下線が引かれた文字列で示されている)を、活性化因子を試験するためにGFPを駆動する最小CMVプロモーターの上流に置くか、またはリプレッサーを試験するためにGFPを駆動する構成的ヒトEF1αプロモーターの上流に置くことにより、カスタムGFPレポーター(工学的に操作された合成レポーター(ESR)-GFP)を生成した(例えば、実施例7および
図10に記載の通り)。これらのレポータープラスミドをレンチウイルスにパッケージングし、K562細胞への形質導入を行った。形質導入された細胞についてピューロマイシンによる選択を行った後、個々の細胞を限界希釈によって単離した。クローンの拡大後、各レポーター細胞株のいくつかのクローンを、標準モジュレーターのトランスフェクションによって試験し、好都合なクローンを下流の実験のために選択した。
【0574】
ESR-GFP、CD45、またはCD71を標的化するsgRNA-BFP発現カセットを個々にESR-GFPまたはWT K562細胞に形質導入し、その後、BFP+細胞についてFACSを行った。dCas9-候補エフェクターライブラリーをレンチウイルスにパッケージングし、適当なsgRNAを発現するK562細胞に送達した。形質導入された細胞をブラストサイジンによる選択によって富化させ、その後、形質導入の10日後に、蛍光活性化細胞選別(FACSAria)を行って、目的の集団(活性化についてはGFP-ON細胞および抑制についてはGFP-OFF細胞)を分離した。選別された目的の集団を、さらに6日間培養し、4方向ゲーティングFACS分離に供して、GFP蛍光強度に基づいて別個のビンに入れることによってさらに富化させた。ゲノムDNAを別個のビンそれぞれ、ならびにバルクGFP-ON細胞およびGFP-OFF細胞から抽出し、次いで、並行して処理して次世代シーケンシング(NGS)ライブラリーに入れ、配列を決定して、各試料に存在するバーコードを同定した(Illumina Next-Seq、1×75bp)。ワークフローが
図20に要約されている。
【0575】
工学的に操作された合成レポーター(ESR)系を使用したスクリーン
【0576】
候補異種遺伝子エフェクターのライブラリーをESR-GFPレポーターK562細胞においてスクリーニングした。対照dCas9-VPRを用いた活性化および対照dCas9-KRABに応答した抑制に応答するESR-GFPレポーターの高いダイナミックレンジが示された(
図21A)。
【0577】
各ライブラリーについて、異種遺伝子エフェクターに対応する配列決定されたバーコードのアラインメントに基づいてリードカウント行列を生成した。その後のデータ解析は全て、Rバージョン4.1.0を使用して実施した。
【0578】
活性化スクリーンのために、GFP-OFFライブラリーについての技術的反復実験を折りたたみ(バーコード当たりのカウントを合計し)、2つのGFP-OFF反復実験を得た。GFP-ON条件については、1つのGFP-ONライブラリーを形質導入の10日後に収集し、別のGFP-ONライブラリーをin silicoにおいて全てのGFP-ONゲートの重み付けされた合計(さらに6日間の富化後に収集した)を考慮することによって樹立した。DESEQ2(バージョン1.32.0)を使用して、2つのGFP-ONライブラリーにおいて2つのGFP-OFFライブラリーと比較して富化された統計的に有意な活性化因子エレメントを同定した。活性化因子スクリーンにおけるヒットを示す火山プロットを
図22Aに提示する。
【0579】
リプレッサースクリーンのために、GFP-ONライブラリーについての技術的反復実験を折りたたみ(バーコード当たりのカウントを合計した)、2つのGFP-ON反復実験を得た。GFP-OFF条件については、1つのGFP-OFFライブラリーを形質導入の10日後に収集し、別のGFP-OFFライブラリーをin silicoにおいて全てのGFP-OFFゲートの重み付けされた合計(さらに6日間の富化後に収集した)を考慮することによって樹立した。DESEQ2(バージョン1.32.0)を使用して、2つのGFP-OFFライブラリーにおいて2つのGFP-ONライブラリーと比較して富化された統計的に有意なサプレッサーエレメントを同定した。リプレッサースクリーンにおけるヒットを示す火山プロットを
図22Bに提示する。
【0580】
内因性標的を使用したスクリーン
【0581】
候補異種遺伝子エフェクターのライブラリーを、2種の内因性ヒト遺伝子標的:活性化についてスクリーニングするには低度に発現されるCD45、または、抑制についてスクリーニングするには高度に発現されるCD71に対するsgRNAを安定に発現する野生型K562細胞においてスクリーニングした(
図21B)。形質導入された細胞をFACSによって富化し、次いで、それぞれに対するフルオロフォアとコンジュゲートした抗体を用いて染色した後、4方向ゲーティングFACSビニングを行い、その後、NGSライブラリー調製および配列決定を上記の通り行った。
【0582】
各ライブラリーについて、異種遺伝子エフェクターに対応する配列決定されたバーコードのアラインメントに基づいてリードカウント行列を生成した。その後のデータ解析は全て、Rバージョン4.1.0を使用して実施した。活性化スクリーンのために(CD45)、最低GFPゲート(GFP-OFF)の2つの反復実験を最高GFPゲート(GFP-ON)の2つの反復実験と比較して、新規活性化因子を同定した。全ての条件においてリードカウントがゼロのあらゆるバーコードを除去し、次いで、DESEQ2(バージョン1.32.0)を使用して、2つのGFP-ONライブラリーにおいて2つのGFP-OFFライブラリーと比較して富化された統計的に有意な活性化因子エレメントを同定した。活性化因子スクリーンにおけるヒットを示す火山プロットを
図23Aに提示する。リプレッサースクリーン(CD71)についての解析も、2つのGFP-OFFライブラリーにおいて2つのGFP-ONライブラリーと比較して富化された統計的に有意なリプレッサーエレメントを同定したこと以外は同一であった。リプレッサースクリーンにおけるヒットを示す火山プロットを
図23Bに提示する。
(実施例10)
内因性ヒト遺伝子座におけるアレイ化フォーマットの異種遺伝子エフェクター検証
【0583】
実施例9のスクリーンにおいて同定された候補異種遺伝子エフェクターを偽発見率(FDR)によって順位付けした上位約200種を個々に再合成し、実験的検証のために、アレイ化96ウェルプレートフォーマットで一過性プラスミドトランスフェクションによってdCasMini発現プラスミドにクローニングした。野生型HEK293T細胞を96ウェルプレートにウェル当たり細胞20,000個の密度で播種した。播種の16時間後、細胞に、sgRNAを発現するプラスミドおよび候補エフェクター複合体(エフェクター-dCasMini融合物)を発現するプラスミドを均一の質量で、アレイ化フォーマットで共トランスフェクトし、したがって、各ウェルに、試験される異なる単一の候補エフェクター構築物がもたらされるが、標的化sgRNAは全てのウェルにわたって同じ(sgCXCR4)になるようにした。各ウェルに、エフェクターをコードするプラスミド100ngおよびsgRNAプラスミド50ngをもたらし、実験を技術的3連で実施した。陰性対照は、dCas9およびいかなるエフェクター融合物も伴わないdCasMini発現プラスミドを、標的化sgRNAプラスミドおよび非標的化sgRNAプラスミドと共トランスフェクトしたものであった。陽性対照は、dCas9および標準転写モジュレーター:リプレッサー対照としてKRABならびに活性化対照としてp65、Rta、VP64、およびVPRとのdCasMini融合物であった。
【0584】
トランスフェクション後(d.p.t.)3日目および7日目に、細胞を、CXCR4-APCとコンジュゲートした抗体(BioLegend)を用いて染色し、エフェクタープラスミドおよびsgRNAプラスミド両方の発現をそれぞれmCherryおよびBFP蛍光によって検証するために、生存しており、シングレットであり、かつ2重トランスフェクトされた細胞を確実に測定するために、解析用ゲート(FlowJo)を用いてフローサイトメトリー(Cytoflex LX)によって解析して、CXCR4タンパク質発現をモニタリングした。各モジュレーターについてのAPC蛍光の幾何平均を陰性対照に対して正規化し、陰性対照と比べた倍率変化として報告した。
【0585】
いくつかの候補エフェクターの遺伝子発現に対する影響が、2つの独立した実験間および時点間で正に相関することが示された(
図24A;x軸は、3d.p.t.(それぞれ3連で実施した2つの独立した実験のうちの第1の実験)における正規化された蛍光を示し、y軸は、第2の独立した実験(3連で実施した)において測定された正規化された蛍光を示す。データ点は、特に示されていなければdCasMini-モジュレーター融合物(dCas9)を表す。候補エフェクターは、「EPIC」で始まる接頭辞、例えば、「EPICXV」、「EPIC9V」、「EPICXH」、または「EPIC9H」などとそれに続く数字表示で表示されている。3日目および/もしくは7日目にCXCR4発現の上方調節をもたらしたエフェクター(例えば、EPICXV.1、配列番号23631;EPICXV.8、配列番号35737;EPICXV.3、配列番号23639);EPICXV.16、配列番号17629;もしくはEPICXV.13、配列番号38138;または3日目および/もしくは7日目にCXCR4発現の下方調節をもたらしたエフェクター(例えば、EPICXV.55、配列番号19860;EPICXV.66、配列番号40986;EPICXV.71、配列番号33890)を同定した。これらの候補エフェクターにより、標的遺伝子の発現が対照活性化因子またはサプレッサーと比較して同等またはより優れた程度まで変更された(
図24B、候補異種遺伝子エフェクターとdCasMiniの融合物についての3d.p.t.における代表的なフローサイトメトリーヒストグラム)。候補エフェクターは対照エフェクターよりも相当に小さいにもかかわらず、標的遺伝子発現の観察される変化を誘導した(
図24C)。
(実施例11)
内因性遺伝子座における遺伝子発現モジュレーション
【0586】
本実施例では、dCasMiniと融合した候補異種遺伝子エフェクターの内因性標的遺伝子の発現に対する効果を実証する。
【0587】
野生型HEK293T細胞を播種し、候補エフェクター-dCasMini融合物を発現するプラスミドおよびヒトIFNG、CD45、またはCD2のプロモーターを標的化するsgRNAを発現するプラスミドを実施例10と同様に一過性にトランスフェクトした。
【0588】
トランスフェクションの72時間後に、蛍光顕微鏡(EVOS FL)によりエフェクタープラスミドおよびsgRNAプラスミド両方の発現をそれぞれmCherryおよびBFP蛍光によって検証した後、IFNGを標的化するsgRNAをトランスフェクトした細胞の上清を収集して、IFNGタンパク質発現をELISAによってモニタリングした。各エフェクターについてのインターフェロンガンマELISAタンパク質濃度を陰性対照に対して正規化し、陰性対照と比べた倍率変化として報告した。インターフェロンガンマ産生に対する様々効果が観察された(
図25A)。
【0589】
トランスフェクション後2日目に、CD45を標的化するsgRNAをトランスフェクトした細胞をAPCとコンジュゲートした抗CD45抗体(BioLegend)で染色し、エフェクタープラスミドおよびsgRNAプラスミド両方の発現をそれぞれmCherryおよびBFP蛍光によって検証するために、生存しており、シングレットであり、かつ2重トランスフェクトされた細胞を確実に測定するために、解析用ゲート(FlowJo)を用いてフローサイトメトリー(Cytoflex LX)によって解析した。各エフェクターについてのAPC蛍光の幾何平均を陰性対照に対して正規化し、陰性対照と比べた倍率変化として報告した。CD45発現に対する様々な効果が観察された(
図25B)。
【0590】
トランスフェクション後3日目および5日目に、CD2を標的化するsgRNAをトランスフェクトした細胞をAPCとコンジュゲートした抗CD2抗体(BioLegend)で染色し、エフェクタープラスミドおよびsgRNAプラスミド両方の発現をそれぞれmCherryおよびBFP蛍光によって検証するために、生存しており、シングレットであり、かつ2重トランスフェクトされた細胞を確実に測定するために、解析用ゲート(FlowJo)を用いてフローサイトメトリー(Cytoflex LX)によって解析した。各エフェクターについてのAPC蛍光の幾何平均を陰性対照に対して正規化し、陰性対照と比べた倍率変化として報告した。CD2発現に対する様々な効果が観察された(
図25Cおよび25D)。
(実施例12)
レポーター細胞における遺伝子発現モジュレーション
【0591】
TRE3Gプロモーターにより駆動されるGFPレポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞を播種し、候補エフェクター-dCasMini融合物を発現するプラスミドおよび合成TETプロモーターを標的化するsgRNAを発現するプラスミドを実施例10と同様に一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に、細胞を、エフェクタープラスミドおよびsgRNAプラスミド両方の発現をそれぞれmCherryおよびBFP蛍光によって検証するために、生存しており、シングレットであり、かつ2重トランスフェクトされた細胞を確実に測定するために、解析用ゲート(FlowJo)を用いてフローサイトメトリー(Cytoflex LX)によって解析して、GFP発現をモニタリングした。各エフェクターについてのGFP蛍光の幾何平均を陰性対照に対して正規化し、陰性対照と比べた倍率変化として報告した。レポーター発現に対する様々な効果が観察された(
図26A)。
【0592】
低発現miniCMVプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞(細胞株ESR121)を播種し、候補エフェクター-dCasMini融合物を発現するプラスミドおよびレポーターを標的化するsgRNAを発現するプラスミドを実施例10と同様に一過性にトランスフェクトし、トランスフェクション後2日目に上記の通り解析して、dCasMini-エフェクター融合物による転写活性化を測定した。レポーター発現に対する様々な効果が観察された(
図26B)。
(実施例13)
レポーター細胞における遺伝子発現の抑制
【0593】
ヒトペプチド配列に由来する候補エフェクターのライブラリーから同定された、抑制活性を有するエフェクターを個々にdCasMiniとの融合として試験した。高発現EF1αプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞(細胞株ESR221)を播種し、候補エフェクター-dCasMini融合物または候補エフェクター-dCas9融合物を発現するプラスミドおよびレポーターを標的化するsgRNAを発現するプラスミドを実施例10と同様に一過性にトランスフェクトし、トランスフェクション後5日目に解析して、dCasMini-エフェクター融合物による転写抑制を測定した。例示的な候補エフェクタードメインEPICXH.6(配列番号9066)およびEPICXH.1(配列番号1102)により、レポーター発現の強力な抑制が示された(
図27A)。
【0594】
追加の候補ヒトリプレッサードメインをdCas9との融合物として試験した。高発現EF1αプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞(細胞株ESR221)を播種し、一過性にトランスフェクトし、トランスフェクション後5日目に上記の通り解析して、転写抑止を測定した。例示的なエフェクタードメインEPIC9H.1(配列番号1102)、EPIC9H.2(配列番号5543)、EPIC9H.3(配列番号2057)、EPIC9H.4(配列番号15646)、EPIC9H.5(配列番号11948)、およびEPIC9H.6(配列番号9066)により、レポーター発現の強力な抑制が示された(
図27B)。
(実施例14)
内因性CXCR4遺伝子座における転写に対する効果の耐久性
【0595】
野生型HEK293T細胞に、CXCR4を標的化するsgRNAを発現するプラスミドおよび候補エフェクター複合体(エフェクター-dCasMini融合物)を発現するプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞を、トランスフェクション後3日目、7日目、15日目、および28日目にCXCR4転写モジュレーションについて実施例10と同様に順次解析した(
図28A、対照エフェクターKRAB、VP64、およびVPRが白抜きの丸で示されており、新規エフェクターが黒丸で示されており、個々のモジュレーターそれぞれについて、反復実験の平均が表されている)。各時点における選択された個々の新規モジュレーターについての陽性対照と比べた正規化された蛍光値が
図28Bに示されており、モジュレーターが各時点における効果量によって順位付けられている。興味深い活性を示した候補異種遺伝子エフェクターには、EPICXV.1(配列番号23631)、EPICXV.95(配列番号40913)、EPICXV.92(配列番号22707)、EPICXV.90(配列番号42623)、EPICXV.65(配列番号22149)、EPICXV.80(配列番号25430)、EPICXV.43(配列番号34047)、EPICXV.58(配列番号21166)、EPICXV.69(配列番号25555)、EPICXV.67(配列番号40985)、EPICXV.79(配列番号38780)、およびEPICXV.71(配列番号33890)が含まれる。EPICXV.1によるCXCR4発現の強力な上方調節を含め、いくつかの候補エフェクターが興味深い活性を示し、活性はどの時点においても観察された。
(実施例15)
転写に対する効果の耐久性
【0596】
高発現EF1αプロモーターによって駆動されるGFP合成レポーターが安定に組み込まれたHEK293T細胞を播種し、候補エフェクター-dCasMini融合物を発現するプラスミドおよびレポーターを標的化するsgRNAを発現するプラスミドを一過性にトランスフェクトし、最長でトランスフェクション後77日目まで順次解析した。EPICXV.67(配列番号40985)を含めたいくつかの候補異種遺伝子エフェクターについて遺伝子発現の耐久耐久的な抑制が観察された(
図29A、陽性対照抑止エフェクターが破線で示されており、実線は新規モジュレーターである。
【0597】
図29Bに陽性対照dCas9-KAL(持続的抑止のための、dCas9と融合したKRAB、DNMT3A、およびDNMT3Lドメインを含む構築物)についてレポーター遺伝子発現が経時的に示されており、時点が進むにつれGFPの抑制が増大することが実証される。陰性対照、陽性対照、および候補異種遺伝子エフェクター(EPICXV.97)についての代表的なヒストグラムが
図29Cに提示されており、候補エフェクターが遺伝子発現に対して強力かつ耐久的な効果を示すことが示される。
【0598】
異種遺伝子エフェクターの発現を示すmCherryレポーターの発現の縦断的測定により、エフェクターの発現が、6~9d.p.t.後に急激に降下し、その後の時点全体を通して検出不可能なままであることが示された。これにより、9d.p.t.を過ぎてから観察されたいかなる転写に対する効果もエフェクターの発現の維持に起因するものではないことが示唆される(
図29D)。エフェクタードメイン(255ヌクレオチドのコード配列によってコードされる)は対照エフェクター内のドメイン(
図29E)および融合タンパク質内のドメイン(
図29F)と比較してサイズが小さいにもかかわらず、遺伝子発現に対する強力かつ耐久的な効果が観察された。
【0599】
トランスフェクション後77日目に収集したデータから、いくつかの候補異種遺伝子エフェクターにより、この時点まで持ちこたえた様々な程度の標的遺伝子発現の抑制が示されたことが示された(
図29G)。発現に対する耐久的な効果を示すエフェクターには、EPICXV.67(配列番号40985)、EPICXV.92(配列番号22707)、EPICXV.90(配列番号42623)、EPICXV.95(配列番号40913)、EPICXV.80(配列番号25430)、EPICXV.58(配列番号21166)、EPICXV.43(配列番号34047)、EPICXH.1(配列番号1102)、EPICXV.79(配列番号38780)、EPICXV.71(配列番号33890)、およびEPICXV.69(配列番号25555)が含まれた。
(実施例16)
内因性レポーターデータと合成レポーターデータの比較
【0600】
異種遺伝子エフェクターについて収集したデータを、内因性遺伝子CXCR4およびESR-GFP合成レポーター細胞の発現に対する効果について比較した(
図30;同定されたエフェクターには、EPICXV.81(配列番号21015)、EPICXV.87(配列番号32678)、および本明細書に記載の他のエフェクターが含まれる)。ESR-GFP合成レポーター細胞における正規化されたGFP蛍光(3d.p.t.から77d.p.t.までの全ての時点にわたって平均したもの;y軸)と正規化されたCXCR4-APC蛍光(3d.p.t.から28d.p.t.までの全ての時点にわたって平均したもの;x軸)の間に相関を観察することができる。
【配列表】
【国際調査報告】