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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240711BHJP
   A61M 25/098 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61M25/09 516
A61M25/098
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503604
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 US2022037685
(87)【国際公開番号】W WO2023003937
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/224,326
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520469457
【氏名又は名称】カルディオン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KARDION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】ファビウンケ,アッティラ
(72)【発明者】
【氏名】ウェニング,レオン
(72)【発明者】
【氏名】バウムバッハ,ハーディ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA29
4C267AA31
4C267BB02
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB16
4C267BB40
4C267BB43
4C267BB52
4C267CC09
4C267CC19
4C267DD01
4C267GG34
4C267HH03
4C267HH08
(57)【要約】
心臓を横切って低侵襲性の小型化経皮的機械的循環補助装置または心室補助装置を配置するために、カテーテルの側孔を抜け出ることなくカテーテルを横断するように構成された、ガイドワイヤ。ガイドワイヤは、近位端と、遠位端と、その間に延在する細長い可撓性本体とを含む。ガイドワイヤは、そのコアを構成する可変の直径および先細りしたセクション、ならびにそのコアのセクションを囲み、かつそれに接続されてねじれを防止する一つまたは複数のコイルを介して、その長さにわたって可変の可撓性を有することができる。ガイドワイヤは、使用を容易にするために、一つまたは複数の放射線不透過性マーカーおよび一つまたは複数の視覚マーカーを有し得る。
【選択図】図5C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数の側孔を有するカテーテルを横断するように構成されたガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤが、
近位端と、
遠位端であって、前記カテーテルの前記側孔を抜け出ることなく、前記カテーテルを通って遠位に横断するように構成された遠位前進セグメントを含む、遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延在する細長い可撓性本体であって、遠位移行部と前記遠位端との間に延在する遠位領域を備え、前記遠位領域が、スパイラルコイル形状を備える、細長い可撓性本体と、を備える、ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記遠位前進セグメントが、細長い直線先端を備える、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記遠位前進セグメントが、前記一つまたは複数の側孔の最大直径よりも大きい長さを備える、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項4】
前記遠位前進セグメントの最小長さが、約0.5mm~約3.5mmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項5】
前記遠位前進セグメントの中心軸と前記カテーテルの長手方向軸との間の最大角度が、約17°~約25°である、請求項1~4のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項6】
前記遠位前進セグメントが、前記スパイラルコイル形状の遠位端の変曲点から延在する湾曲した前進セグメントを含む、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項7】
前記スパイラルコイル形状が、第一の方向に凹状であり、前記遠位前進セグメントが、第二の方向に凹状である、請求項6に記載のガイドワイヤ。
【請求項8】
前記遠位前進セグメントが、第一の変曲点を有する第一の湾曲領域と、第二の変曲点を有する第二の湾曲領域と、を備える、請求項6に記載のガイドワイヤ。
【請求項9】
前記第一の湾曲領域および/または前記第二の湾曲領域が、前記一つまたは複数の側孔の最大直径よりも大きい弧長を含む、請求項8に記載のガイドワイヤ。
【請求項10】
前記弧長が約0.5mmよりも大きい、請求項9に記載のガイドワイヤ。
【請求項11】
前記カテーテルの長手方向軸と、前記第二の変曲点から遠位に延在する前記遠位前進セグメントの一部分の中心軸との間の最大角度が、約5°~約85°である、請求項8~10のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項12】
前記カテーテルの前記長手方向軸と、前記第二の変曲点から遠位に延在する前記遠位前進セグメントの前記一部分の前記中心軸との間の前記最大角度が、約10°~約60°である、請求項11に記載のガイドワイヤ。
【請求項13】
前記第二の変曲点から遠位に延在する前記遠位前進セグメントの一部分の最大長さが、約0.3mm~約4mmである、請求項8~12のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項14】
前記第一の変曲点および/または前記第二の変曲点の曲率半径が、前記一つまたは複数の側孔の半径よりも大きい、請求項8~13のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項15】
前記第一の変曲点および/または前記第二の変曲点の前記曲率半径が、約0.5mm~約0.8mmである、請求項14に記載のガイドワイヤ。
【請求項16】
前記遠位前進セグメントの最大断面における直径が、前記一つまたは複数の側孔の直径以上である、請求項1~15のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項17】
前記遠位前進セグメントが、回転楕円形である、請求項1~16のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項18】
前記遠位前進セグメントの最大断面における直径が、約0.8mm~約1mmである、請求項1~17のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項19】
前記遠位端が丸みのある形状である、請求項1~18のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項20】
近位移行部と前記近位端との間に延在する近位領域をさらに備え、前記近位領域が、非線形経路を通る前記ガイドワイヤの移動を容易にするように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項21】
前記細長い可撓性本体が、異なる直径を有する複数のセグメントを含むコアを備える、請求項1~20のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項22】
前記コアの前記複数のセグメントの各々の前記直径が、約0.10mm~約0.5mmである、請求項21に記載のガイドワイヤ。
【請求項23】
異なる直径を有する前記複数のセグメントが、一つまたは複数の先細りした、面取りされた、円錐形の、または円錐台形の移行セグメントによって互いに接続され、前記先細りした、面取りされた、円錐形の、または円錐台形の移行セグメントの各々が、その長さにわたって変化する直径を有する、請求項21~22のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項24】
前記ガイドワイヤが、その長さに沿って可変の可撓性を有する、請求項21~23のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項25】
前記細長い可撓性本体が、前記コアを囲むワイヤの一つまたは複数のコイルをさらに備える、請求項21~24のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項26】
前記コアを囲む前記ワイヤの一つまたは複数のコイルが、前記ガイドワイヤがねじれるのを防止する、請求項25に記載のガイドワイヤ。
【請求項27】
前記ワイヤの一つまたは複数のコイルが、前記遠位領域および/または前記近位領域の前記コアの少なくとも一部分を囲む、請求項25~26のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項28】
前記細長い可撓性本体が、本体領域および/またはポンプ領域をさらに含む、請求項21~27のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項29】
前記遠位領域および/または前記近位領域が、前記本体領域および/または前記ポンプ領域の直径よりも小さい直径を有する、請求項28に記載のガイドワイヤ。
【請求項30】
前記ワイヤの一つまたは複数のコイルが、前記本体領域および/または前記ポンプ領域の前記コアの少なくとも一部分を囲む、請求項28~29のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項31】
前記ガイドワイヤが、約2770mm~4030mmの長さを有する、請求項1~30のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項32】
前記ガイドワイヤの前記遠位領域が、一つまたは複数の放射線不透過性マーカーを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項33】
前記ガイドワイヤの前記遠位領域が、前記遠位端に、またはそれに隣接して、第一の放射線不透過性マーカーと、前記遠位端から約20mm~約180mmの第二の放射線不透過性マーカーと、および/または前記遠位端から約200mmの第三の放射線不透過性マーカーと、を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項34】
前記ガイドワイヤが、蛍光透視法によって可視化され得るスケールを提供するために、その長さの少なくとも一部分に沿って均等に離間した複数の放射線不透過性マーカーを備える、請求項1~31のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項35】
前記ガイドワイヤの前記近位領域が、一つまたは複数の視覚マーカーを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項36】
患者の心血管系に装置を送達する方法であって、
第一のガイドワイヤを前記患者の前記心血管系に送達することと、
前記第一のガイドワイヤの上にカテーテルを前進させることであって、前記カテーテルが一つまたは複数の側孔を含む、前進させることと、
前記第一のガイドワイヤを前記カテーテルから取り外すことと、
前記カテーテルを通して第二のガイドワイヤを前進させることであって、前記第二のガイドワイヤが、請求項1~35のいずれか一項に記載のガイドワイヤを含み、前記第二のガイドワイヤが、前記第二のガイドワイヤが前記カテーテルを通って前進するにつれて、前記カテーテルの前記一つまたは複数の側孔をバイパスするように構成される、前進させることと、
前記第二のガイドワイヤから前記カテーテルを取り外すことと、
前記第二のガイドワイヤの近位端を前記装置の遠位端に供給することと、
前記装置を前記第二のガイドワイヤの上に前記患者の前記心血管系内に前進させることと、を含む、方法。
【請求項37】
前記装置が、心臓ポンプを備える、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第一のガイドワイヤが、約0.035インチの外径を有する、請求項36または請求項37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第二のガイドワイヤが、約0.018インチの最小外径を有する、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第二のガイドワイヤを前記患者の前記心血管系内に前進させることが、前記第一の放射線不透過性マーカーおよび/または前記第二の放射線不透過性マーカーが前記患者の左心室内に位置付けられ、前記第三の放射線不透過性マーカーが前記患者の大動脈内に位置付けられるように、前記第二のガイドワイヤを前進させることを含む、請求項36~39のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願への参照による組み込み
外国または国内の優先権の主張が、本出願と共に提出された出願データシートに特定されている、任意およびすべての出願はここに、参照により37 CFR 1.57に基づき組み込まれる。例えば、本出願は、「GUIDEWIRE」と題され、2021年7月21日に出願された米国特許仮出願第63/224,326号の優先権を主張するものであり、その内容全体が、すべての目的のためにその全体を本明細書に参照により組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【背景技術】
【0002】
背景
機械的循環補助システムは、様々な医療処置中に血液をポンプで送ることを支援するために、および/または特定の心臓状態のための療法として使用され得る。例えば、心原性ショック(CS)は、一般的な死因であり、治療選択肢の進歩にもかかわらず、管理は依然として困難である。CSは、心筋作用の重度の障害により引き起こされ、その結果、心拍出量の減少、末端臓器の灌流低下、および低酸素症が生じる。臨床的には、これは、即時の薬理学的介入または機械的介入を必要とする末端臓器の灌流低下の特徴を有する、容積蘇生に対して難治性の低血圧として現れる。急性心筋梗塞(MI)は、CS患者の約80%超を占める。
【0003】
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、狭窄冠動脈を再血行再建するための非外科的処置である。PCIは、例えば、バルーン血管形成術、ステント移植、ロータブレーションおよびリソトリプシーなどの様々な技術を含む。PCIは、患者が関連する併存疾患(例えば、虚弱または高齢)を有するか、PCI自体が非常に複雑(例えば、分岐または完全閉塞)であるか、または血行動態ステータスが困難である(例えば、心室機能の障害)場合、高リスクとみなされる。
【0004】
CSのための急性療法として、およびPCI中の一時的な支援のために、患者の身体への経皮的挿入のために、小型のカテーテルベースの心臓内血液ポンプが開発された。しかしながら、機械的循環補助システムに対する既存のソリューションには、例えば、不十分な血流、ポンプ内の継続的なモータパージの要求、望ましくないほど高い溶血、および血行動態パラメータの不十分な感知など、様々な性能の欠陥がある。さらに、既存の機械的循環補助システムは、身体の所望の場所に定置することが困難であり、処置中に定位置に維持することが困難であり、可視化が困難であり、かつ使用が困難であり得る。したがって、これらおよび他の欠点を克服する特徴を有する機械的循環補助システムに対するニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書に開示される実施形態はそれぞれ、複数の態様を有し、そのうちの一つだけが、本開示の望ましい特性に対して責任を負うものではない。本開示の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴をここで簡単に考察する。この考察を検討した後、特に「詳細な説明」と題されたセクションを読んだ後、本明細書に記載の実施形態の特徴が、機械的循環補助システムのための既存のシステム、装置、および方法に対してどのように利点を提供するかを理解するであろう。
【0006】
以下の記載は、機械的循環補助装置、システム、および方法の一部の実施形態の非限定的な実施例を説明する。本開示のシステムおよび方法の他の実施形態は、本明細書に記載される特徴を含み得るか、または含まない場合がある。さらに、開示される利点および利益は、特定の実施形態にのみ適用することができ、本開示を限定するために使用されるべきではない。
【0007】
第一の態様は、一つまたは複数の側孔を有するカテーテルを横断するように構成されたガイドワイヤに関する。ガイドワイヤは、近位端と、遠位端であって、カテーテルの側孔から抜け出ることなくカテーテルを通って遠位に横断するように構成された遠位前進セグメントを有する、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する細長い可撓性本体であって、遠位移行部と遠位端との間に延在する遠位領域を有し、遠位領域が、スパイラルコイル形状を有する、細長い可撓性本体と、を含む。
【0008】
第二の態様は、第一の態様のガイドワイヤに関し、遠位前進セグメントは、細長い直線先端を含む。
【0009】
第三の態様は、第一または第二の態様のガイドワイヤに関し、遠位前進セグメントは、一つまたは複数の側孔の最大直径よりも大きい長さを有する。
【0010】
第四の態様は、遠位前進セグメントの最小長さが約0.5mm~約3.5mmである、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関する。
【0011】
第五の態様は、遠位前進セグメントの中心軸とカテーテルの長手方向軸との間の最大角度が約17°~約25°である、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関する。
【0012】
第六の態様は、第一の態様のガイドワイヤに関し、遠位前進セグメントは、スパイラルコイル構成の遠位端で変曲点から延在する湾曲した前進セグメントを有する。
【0013】
第七の態様は、第六の態様のガイドワイヤに関し、スパイラルコイル構成は、第一の方向に凹状であり、遠位前進セグメントは、第二の方向に凹状である。
【0014】
第八の態様は、第六の態様のガイドワイヤに関し、遠位前進セグメントは、第一の変曲点を有する第一の湾曲領域と、第二の変曲点を有する第二の湾曲領域と、を含む。
【0015】
第九の態様は、第八の態様のガイドワイヤに関し、第一の湾曲領域および/または第二の湾曲領域は、一つまたは複数の側孔の最大直径よりも大きい弧長を含む。
【0016】
第十の態様は、第九の態様のガイドワイヤに関し、弧長は0.5mmよりも大きい。
【0017】
第十一の態様は、第八~第十の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関し、カテーテルの長手方向軸と第二の変曲点から遠位に延在する前進セグメントの一部分の中心軸との間の最大角度は、約5°~約85°である。
【0018】
第十二の態様は、第十一の態様のガイドワイヤに関し、カテーテルの長手方向軸と第二の変曲点から遠位に延在する前進セグメントの一部分の中心軸との間の最大角度は、約10°~約60°である。
【0019】
第十三の態様は、第八~第十二の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関し、第二の変曲点から遠位に延在する前進セグメントの一部分の最大長さは、約0.3mm~約4mmである。
【0020】
第十四の態様は、第八~第十三の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関し、第一の変曲点および/または第二の変曲点の曲率半径は、一つまたは複数の側孔の半径よりも大きい。
【0021】
第十五の態様は、第十四の態様のガイドワイヤに関し、第一の変曲点および/または第二の変曲点の曲率半径は、約0.5mm~約0.8mmである。
【0022】
第十六の態様は、前進セグメントの最大断面での直径が、一つまたは複数の側孔の直径以上である、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関する。
【0023】
第十七の態様は、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関し、前進セグメントは、回転楕円形である。
【0024】
第十八の態様は、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関し、前進セグメントの最大断面での直径は、0.8mm~1mmである。
【0025】
第十九の態様は、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関し、遠位端は、丸みのある形状である。
【0026】
第二十の態様は、近位移行部と近位端との間に延在する近位領域をさらに含み、近位領域が、非線形経路を通るガイドワイヤの移動を容易にするように構成されている、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤに関する。
【0027】
第二十一の態様は、装置を患者の心血管系に送達する方法に関する。方法は、第一のガイドワイヤを患者の心血管系に送達することと、第一のガイドワイヤの上にカテーテルを前進させることであって、カテーテルが一つまたは複数の側孔を有する、前進させることと、カテーテルから第一のガイドワイヤを取り外すことと、カテーテルを通して第二のガイドワイヤを前進させることと、を含み、第二のガイドワイヤは、前述の態様のいずれかに記載のガイドワイヤであり、第二のガイドワイヤがカテーテルを通って前進するにつれてカテーテルの孔をバイパスするように構成される。方法はまた、カテーテルを第二のガイドワイヤから取り外すことと、第二のガイドワイヤの近位端を装置の遠位端に供給することと、装置を第二のガイドワイヤの上で患者の心血管系内に前進させることと、を含む。
【0028】
第二十二の態様は、第二十一の態様の方法に関し、装置は、心臓ポンプを含む。
【0029】
第二十三の態様は、第二十一の態様または第二十二の態様のいずれかの方法に関し、第一のガイドワイヤは、0.035インチの直径を有する。
【0030】
第二十四の態様は、第二十一~第二十三の態様のいずれかに記載の方法に関し、第二のガイドワイヤは、0.018インチの直径を有する。
【0031】
一つまたは複数の側孔を有するカテーテルを横断するように構成されたガイドワイヤが本明細書に開示され、ガイドワイヤは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する細長い可撓性本体と、を含む。遠位端は、カテーテルの側孔から抜け出ることなく、カテーテルを通って遠位に横断するように構成された遠位前進セグメントを含み得る。細長い可撓性本体は、遠位移行部と遠位端との間に延在する遠位領域を備えてもよく、遠位領域は、スパイラルコイル形状を備える。
【0032】
上記のガイドワイヤまたは本明細書に記載の他の実装形態では、以下の特徴のうちの一つまたは複数も提供され得る。一部の実装形態では、遠位前進セグメントは細長い直線先端を備える。一部の実装形態では、遠位前進セグメントは、一つまたは複数の側孔の最大直径よりも大きい長さを含む。一部の実装形態では、遠位前進セグメントの最小長さは、約0.5mm~約3.5mmである。一部の実装形態では、遠位前進セグメントの中心軸とカテーテルの長手方向軸との間の最大角度は、約17°~約25°である。一部の実装形態では、遠位前進セグメントは、スパイラルコイル形状の遠位端で変曲点から延在する湾曲した前進セグメントを備える。一部の実装形態では、スパイラルコイル形状は、第一の方向に凹状であり、遠位前進セグメントは、第二の方向に凹状である。一部の実装形態では、遠位前進セグメントは、第一の変曲点を有する第一の湾曲領域と、第二の変曲点を有する第二の湾曲領域と、を備える。一部の実装形態では、第一の湾曲領域および/または第二の湾曲領域は、一つまたは複数の側孔の最大直径よりも大きい弧長を含む。一部の実装形態では、弧長は約0.5mmよりも大きい。一部の実装形態では、カテーテルの長手方向軸と、第二の変曲点から遠位に延在する遠位前進セグメントの一部分の中心軸との間の最大角度は、約5°~約85°である。一部の実装形態では、カテーテルの長手方向軸と、第二の変曲点から遠位に延在する遠位前進セグメントの一部分の中心軸との間の最大角度は、約10°~約60°である。一部の実装形態では、第二の変曲点から遠位に延在する遠位前進セグメントの一部分の最大長さは、約0.3mm~約4mmである。一部の実装形態では、第一の変曲点および/または第二の変曲点の曲率半径は、一つまたは複数の側孔の半径よりも大きい。一部の実装形態では、第一の変曲点および/または第二の変曲点の曲率半径は、約0.5mm~約0.8mmである。一部の実装形態では、遠位前進セグメントの最大断面における直径は、一つまたは複数の側孔の直径以上である。一部の実装形態では、遠位前進セグメントは、回転楕円形である。一部の実装形態では、遠位前進セグメントの最大断面での直径は、約0.8mm~約1mmである。一部の実装形態では、遠位端は丸みのある形状である。一部の実装形態では、ガイドワイヤは、近位移行部と近位端との間に延在する近位領域をさらに含み、近位領域は、非線形経路を通るガイドワイヤの移動を容易にするように構成されている。一部の実装形態では、細長い可撓性本体は、異なる直径を有する複数のセグメントを含むコアを備える。一部の実装形態では、コアの複数のセグメントの各々の直径は、約0.10mm~約0.5mmである。一部の実装形態では、異なる直径を有する複数のセグメントは、一つまたは複数の先細りした、面取りされた、円錐形の、または円錐台形の移行セグメントによって互いに接続され、先細りした、面取りされた、円錐形の、または円錐台形の移行セグメントの各々は、その長さにわたって変化する直径を有する。一部の実装形態では、ガイドワイヤは、その長さに沿って可変の可撓性を有する。一部の実装形態では、細長い可撓性本体は、コアを囲むワイヤの一つまたは複数のコイルをさらに備える。一部の実装形態では、コアを囲むワイヤの一つまたは複数のコイルは、ガイドワイヤがねじれるのを防止する。一部の実装形態では、ワイヤの一つまたは複数のコイルは、遠位領域および/または近位領域のコアの少なくとも一部分を囲む。一部の実装形態では、細長い可撓性本体は、本体領域および/またはポンプ領域をさらに含む。一部の実装形態では、遠位領域および/または近位領域は、本体領域および/またはポンプ領域の直径よりも小さい直径を有する。一部の実装形態では、ワイヤの一つまたは複数のコイルは、本体領域および/またはポンプ領域のコアの少なくとも一部分を囲む。一部の実装形態では、ガイドワイヤは、約2770mm~4030mmの長さを有する。一部の実装形態では、ガイドワイヤの遠位領域は、一つまたは複数の放射線不透過性マーカーを含む。一部の実装形態では、ガイドワイヤの遠位領域は、遠位端に、またはそれに隣接して、第一の放射線不透過性マーカー、遠位端から約20mm~約180mmの第二の放射線不透過性マーカー、および/または遠位端から約200mmの第三の放射線不透過性マーカーを含む。一部の実装形態では、ガイドワイヤは、蛍光透視法によって可視化され得るスケールを提供するために、その長さの少なくとも一部分に沿って均等に離間した複数の放射線不透過性マーカーを含む。一部の実装形態では、ガイドワイヤの近位領域は、一つまたは複数の視覚マーカーを含む。
【0033】
本明細書において、患者の心血管系に装置を送達する方法が開示され、方法は、第一のガイドワイヤを患者の心血管系に送達することと、カテーテルを第一のガイドワイヤの上に前進させることであって、カテーテルが一つまたは複数の側孔を含む、前進させることと、第一のガイドワイヤをカテーテルから取り外すことと、カテーテルを通して第二のガイドワイヤを前進させることであって、第二のガイドワイヤが、請求項1~35のいずれか一項に記載のガイドワイヤを含み、第二のガイドワイヤが、第二のガイドワイヤがカテーテルを通って前進するにつれて、カテーテルの一つまたは複数の側孔をバイパスするように構成される、前進させることと、第二のガイドワイヤからカテーテルを取り外すことと、第二のガイドワイヤの近位端を装置の遠位端に供給することと、装置を第二のガイドワイヤの上で患者の心血管系内に前進させることと、を含む。
【0034】
上記の方法または本明細書に記載の他の実装形態では、以下の特徴のうちの一つまたは複数も提供され得る。一部の実装形態では、装置は、心臓ポンプを備える。一部の実装形態では、第一のガイドワイヤは、約0.035インチの外径を有する。一部の実装形態では、第二のガイドワイヤは、約0.018インチの最小外径を有する。一部の実装形態では、第二のガイドワイヤを患者の心血管系内に前進させることは、第一の放射線不透過性マーカーおよび/または第二の放射線不透過性マーカーが患者の左心室内に位置付けられ、第三の放射線不透過性マーカーが患者の大動脈内に位置付けられるように、第二のガイドワイヤを前進させることを含む。
【0035】
図面の簡単な説明
本開示の前述および他の特徴は、添付の図面と併せて捉えた、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるだろう。これらの図面は、本開示に従って一部の実施形態のみを示し、その範囲を限定するものとみなされるべきではないと理解して、添付の図面の使用を通して、本開示をさらに具体的かつ詳細に説明するものとする。以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的には類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的実施形態は、限定することを意図するものではない。他の実施形態を利用してもよく、他の変更を、ここに示した主題の趣旨または範囲から逸脱することなく行ってもよい。本開示の態様は、概して本明細書に記載され、図面に図示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、および設計することができ、それらすべては明示的に意図され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A図1Aは、一部の実施形態による、大動脈弁を横切って位置付けられ、心臓の左心室内へ延在するガイドワイヤの断面図である。
図1B図1Bは、一部の実施形態による、カテーテルによって運ばれる機械的循環補助(MCS)装置を、大動脈弁を横切って位置付けるガイドワイヤの断面図である。
図2図2は、一部の実施形態による、大腿動脈から左心室へのアクセス経路を介してガイドワイヤの上に体内に挿入されるMCSシステムを概略的に示す。
図3図3は、一部の実施形態による、MCSシステムを通して挿入されたガイドワイヤの側面図である。
図4図4は、配置ガイドワイヤの実施形態を示す。
図5A図5A~5Cは、配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図5B図5A~5Cは、配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図5C図5A~5Cは、配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図6A図6Aは、細長い遠位前進セグメントを有する配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図6B図6Bは、図6Aに示すガイドワイヤの遠位前進セグメントの拡大図を示す。
図6C図6Cは、カテーテル内に位置付けられた図6Aのガイドワイヤの遠位前進セグメントの拡大断面図を示す。
図7A図7Aは、湾曲した遠位前進セグメントを有する配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図7B図7Bは、図7Aに示すガイドワイヤの遠位前進セグメントの拡大図を示す。
図7C図7Cは、湾曲した遠位前進セグメントを有する配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図7D図7Dは、カテーテル内に位置付けられた図7Aのガイドワイヤの遠位前進セグメントの拡大断面図を示す。
図8A図8Aは、拡大した遠位前進セグメントを有する配置ガイドワイヤの遠位部分の実施形態を示す。
図8B図8Bは、カテーテル内に位置付けられた、拡大した遠位前進セグメントを有するガイドワイヤの拡大断面図を示す。
図9A図9Aは、ガイドワイヤの遠位領域の実施形態の一部分の断面図を示す。
図9B図9Bは、ガイドワイヤの遠位領域の実施形態の一部分の断面図を示す。
図10A図10Aは、ガイドワイヤの実施形態を示す。
図10B図10Bは、図10Aのガイドワイヤの断面図を示す。
図11A図11Aは、ガイドワイヤの実施形態を示す。
図11B図11Bは、図11Aのガイドワイヤの断面図を示す。
図11C図11Cは、図11Bのガイドワイヤの断面図を示す。
図12図12は、一部の実施形態によるガイドワイヤの近位領域を示す。
図13図13は、一部の実施形態によるガイドワイヤの近位領域を示す。
図14図14は、一部の実施形態によるガイドワイヤの近位領域を示す。
図15図15は、一部の実施形態によるMCS装置の遠位ポンプ領域の斜視図を示す。
図16図16は、図15のMCS装置の遠位領域の側面図を示し、ガイドワイヤ経路を定位置に画定するガイドワイヤのガイド管を有する取り外し可能なガイドワイヤ補助具を示す。
図17図17は、ガイドワイヤ経路の一部分を示すMCS装置の遠位領域の一部分の拡大断面図を示す。
図18図18は、MCS装置のベンドリリーフの斜視図を示す。
図19図19は、ガイドワイヤ経路の一部分を示すMCS装置の遠位領域の一部分の断面図を示す。
図20A図20A~20Cは、ベンドリリーフ内のガイドワイヤポート80の上面図、側面図、および側面図を示す。
図20B図20A~20Cは、ベンドリリーフ内のガイドワイヤポート80の上面図、側面図、および側面図を示す。
図20C図20A~20Cは、ベンドリリーフ内のガイドワイヤポート80の上面図、側面図、および側面図を示す。
図21図21は、モータハウジングとベンドリリーフとの間の接続を示すMCS装置の遠位領域の一部分の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
上記で識別された図面は、本開示の実施形態を記載しているが、詳細な説明に記載されるように、他の実施形態も企図されている。本開示は、限定ではなく、代表によって例示的実施形態を提示する。本開示の実施形態の原理の範囲および精神に該当する数多くの他の修正および実施形態を、当業者が考案することができる。
【0038】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、開発のある特定の実施形態を対象とする。この説明では、図面を参照し、明確化のために、同様の部品またはステップは、全体を通して同様の数字で指定することができる。本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、または「一部の実施形態では(in some embodiments)」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書中の様々な場所における「一実施形態」、「実施形態」、または「一部の実施形態では」の語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではなく、別個のまたは代替的な実施形態が必ずしも他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。さらに、一部の実施形態によって示される場合があり、他の実施形態によって示されない可能性がある様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態では要件となり得るが、他の実施形態では要件とならない可能性がある、様々な要件が記載されている。ここで、本発明の実施形態について詳細に言及し、その実施例を、添付の図面に示す。可能な限り、同一の参照番号を、図面全体を通して使用して、同一または類似の部品を参照する。
【0039】
低侵襲処置で使用するためのガイドワイヤが提供される。本明細書に記載のガイドワイヤの特定の実施形態は、例えば、機械的循環補助(MCS)装置または心室補助装置(VAD)の配置のために、機械的循環補助システムまたは機械的左心室補助システムで使用することができる。本明細書に記載のガイドワイヤは、有利なことに、MCS装置またはVADの使用に関連する使いやすさを改善し、および/または課題に対処することができる。例えば、本明細書に記載されるガイドワイヤは、患者の解剖学的構造を可視化する造影剤を注射する必要なしにガイドワイヤの迷入を検出する能力を改善し、MCS装置/VADを配置する患者の左心室の深さを決定する能力を改善し、相対的なスケールを可視化する能力を改善し、ガイドワイヤの取り扱い、制御、および/もしくは押し可能性を改善し、ならびに/またはより速い処置を可能にすることができる。
【0040】
図1Aは、その遠位端が左心室93に位置付けられた、大動脈弁91を横切って位置付けられたガイドワイヤ100の概略図である。図1Bは、ガイドワイヤ100の上に心臓内に配置されたカテーテル16の端部に取り付けられたポンプ22を有する、MCSシステム10の実施形態の遠位端の概略図である。図2は、一部の実施形態による、大腿動脈から左心室へのアクセス経路を介してガイドワイヤ100の上に体内に挿入されたMCSシステム10を概略的に示す。アクセスは、経大腿的、経腋窩的、経大動脈的、または経心尖的アプローチなどを介して達成され得る。
【0041】
図1Aに示すように、ガイドワイヤ100の遠位領域は、患者の心血管系内にガイドワイヤ100を位置付けるのを助ける、および/または、それのみならずガイドワイヤ100によって位置付けられたMCS装置もしくはVADなどの任意の装置を、確実に所望の位置に留めるための、一つまたは複数の放射線不透過性マーカーを含み得る。例えば、ガイドワイヤ100は、ガイドワイヤ100の遠位端に、またはそれに隣接して、第一の放射線不透過性マーカー151を含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、遠位端から近位に位置付けられた第二の放射線不透過性マーカー152を含み得る。例えば、第二の放射線不透過性マーカー152は、遠位端から20mmまたは約20mm~180mmまたは約180mmに位置付けられ得る。特定の実施形態では、ガイドワイヤ100は、遠位端から近位に位置付けられ得る第三の放射線不透過性マーカー153を含み得る。第三の放射線不透過性マーカー153は、遠位端から200mmまたは約200mmに位置付けられ得る。ガイドワイヤ100は、第一の放射線不透過性マーカー151、第二の放射線不透過性マーカー152、および第三の放射線不透過性マーカー153のいずれかを単独で、または他の放射線不透過性マーカーのいずれかもしくは両方と組み合わせて、含み得る。
【0042】
特定の実施形態では、心血管系内に正しく位置付けられる時、第一の放射線不透過性マーカー151および/または第二の放射線不透過性マーカー152は、左心室93内に位置付けられてもよく、第三の放射線不透過性マーカーは、上行大動脈95内に位置付けられてもよい。一部の実施形態では、第二の放射線不透過性マーカー152は、第一の放射線不透過性マーカー151から、100mmもしくは約100mm~180mmもしくは約180mm、好ましくは160mmもしくは約160mmに位置するか、または20mmもしくは約20mm~60mmもしくは約60mm、好ましくは40mmもしくは約40mmに位置する。ガイドワイヤ100は、大動脈弁91が第三の放射線不透過性マーカー153と第一または第二の放射線不透過性マーカー151/152との間に位置するように位置付けられてもよい。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、蛍光透視法によって可視化され得るスケールを提供するために、その長さの少なくとも一部分に沿って複数の放射線不透過性マーカーを含む。こうした複数の放射線不透過性マーカーは、ガイドワイヤ100の遠位領域に沿って、またはそれに隣接して、配置され得る。さらに、こうした複数の放射線不透過性マーカーは、ガイドワイヤ100の少なくとも一部分に沿って、例えば、10mmまたは約10mmごとに一つなど、均等に離間または実質的に均等に離間され得る。こうした複数の放射線不透過性マーカーは、MCS装置および/もしくはVADを配置する深さを決定するためのガイドとして医師/ユーザによって使用することができ、ならびに/またはその後の治療もしくは療法(例えば、患者固有の解剖学的構造の測定値など)に使用され得る情報を捕捉するために使用することができる。ガイドワイヤ100に含まれる場合、特にMCS装置および/またはVADが独自の放射線不透過性マーカーを有する場合、MCS装置および/またはVADを位置付けるためのガイドとして、放射線不透過性マーカーを使用することができる(例えば、ガイドワイヤ100の放射線不透過性マーカー、ならびにMCS装置および/またはVADの放射線不透過性マーカーの相対的位置を使用して、ガイドワイヤおよび/または患者の解剖学的構造へのMCS装置および/またはVADの適切な位置付けを確実にすることができる)。
【0043】
図1Bに示すように、一部の実施形態では、MCSシステム10は、8フレンチサイズ(Fr)カテーテル、または約10.5Fr以下のカテーテルなど、カテーテル16に取り付けられたロープロファイルの軸方向回転血液ポンプ22を含み得る。一部の実施形態では、ポンプ22の入口管70は、大動脈弁91を横切って延在する。インペラは、入口管70の流出セクション68(本明細書ではポンプ出口とも呼ぶ)に位置し、左心室93から入口管70を通って血液を引き込み、流出セクション68から上行大動脈95に排出することができる。モータは、封止されたハウジング内のインペラの近位に直接取り付けられてもよく、使用前または使用中にモータをパージまたはフラッシュする必要性が排除される。この構成は、低侵襲的アプローチ(開放性外科手術ではなく)による完全な血行再建のための十分な時間と安全性を有する、高リスクPCI中の血行動態支持を提供する。MCSシステム10またはその一部分は、蛍光透視下で可視化されてもよく、センサを使用した配置の必要性が排除される。図1Bには、MCSシステム10がガイドワイヤ100の上に所望の位置に位置付けられた後の、ガイドワイヤ100の第一の放射線不透過性マーカー151、第二の放射線不透過性マーカー152、および第三の放射線不透過性マーカー153も示されている。入口管70の内部内のガイドワイヤ100の位置は、図1Bの破線で示されている。
【0044】
一部の実施形態では、MCSシステム10は、血液を心室から上行大動脈および全身循環にポンプ注入することによって、左心室負担を積極的に軽減する。所定の位置にある時、MCS装置は、補完的なMCSコントローラ1000によって駆動されて、約60mmHgの圧力差で、0.4l/分~最大6.0l/分の部分左心室支持を提供することができる。一部の実施形態では、MCSシステム10は、カテーテル16上に取り付けられた14Fr~18Fr、または13Fr~19Frの軸方向回転血液ポンプおよび入口管アセンブリを含み得る。
【0045】
一般に、全体的なMCSシステム10は、以下のうちの一つまたは複数を含む、一連の関連するサブシステムおよび付属品を含み得る。MCSシステム10は、ポンプ、シャフト、近位ハブ、挿入ツール、近位ケーブル、感染シールド、ガイドワイヤのガイド管および/またはガイドワイヤ補助具を含み得る。ポンプ22は、滅菌状態で提供されてもよい。MCSカテーテル16は、電気ケーブルと、オーバーザワイヤ挿入のためのガイドワイヤルーメンとを包含し得る。近位ハブは、止血を維持するための弁を備えたガイドワイヤ出口を包含し、MCSカテーテル16を、ポンプ22をコントローラ1000に接続する近位ケーブルに接続することができる。近位ケーブル28は、3.5m(約177インチ)または約3.5mの長さであり得、滅菌野から、コントローラ1000が位置する非滅菌野まで延在し得る。MCS挿入ツールは、イントロデューサ鞘へのポンプの挿入を容易にし、イントロデューサ鞘を通過する際に潜在的な損傷または干渉から入口管および弁を保護するために、MCS装置上に予め取り付けられて提供されてもよい。ピールアウェイガイドワイヤ補助具は、本明細書に記載されたガイドワイヤなどの配置ガイドワイヤをポンプ22内およびMCSカテーテル16内に挿入するのを容易にするために、MCS装置上に予め取り付けられてもよく、任意選択的に、ガイドワイヤのガイド管が、MCS装置とMCS挿入ツールとの間の空間を少なくとも部分的に通過できるように、MCS挿入ツールも予め取り付けられる。左心室への非外傷性ワイヤ配置用の軟質のコイル状の成形済み先端を有する、3mまたは約3mの長さ、直径0.018インチの配置ガイドワイヤ、または本明細書に記載された任意のガイドワイヤを使用してもよい。ガイドワイヤは、滅菌されて提供され得る。14Frまたは16Frのイントロデューサ鞘は、大腿動脈へのアクセスを維持し、第一のガイドワイヤ(例えば、直径0.035インチ)、診断カテーテル、0.018インチ配置ガイドワイヤ、または本明細書に記載された任意のガイドワイヤ、および挿入ツールの止血を提供するために、275mmの使用可能な長さで使用されてもよい。イントロデューサ鞘のハウジングは、MCS挿入ツールを収容するように設計されてもよい。イントロデューサ鞘は、滅菌されて提供され得る。イントロデューサ拡張器は、イントロデューサ鞘と互換性があって、イントロデューサ鞘の大腿動脈への非外傷性挿入を容易にすることができる。イントロデューサ拡張器は、滅菌されて提供され得る。ポンプ22を駆動しおよび動作させ、その性能および状態を観察し、ならびに/またはエラーおよびステータス情報を提供する、コントローラ1000が使用され得る。電源付きコントローラ1000は、少なくとも約12時間の連続動作を支持するように設計されてもよく、患者に提供される支持のレベルを示し、調整するための基本的なインターフェースを含むことができる。さらに、コントローラ1000は、システムが動作中にエラーを検出した場合、光警報および可聴警報通知を提供し得る。コントローラ1000は、非滅菌状態で提供されてもよく、滅菌野の外側でのクリーニングおよび再使用のために設計されたエンクロージャ内に包含されてもよい。コントローラ1000エンクロージャは、延長ケーブルが差し込まれるソケットを含んでもよい。
【0046】
図3を参照すると、一部の実施形態による全体的なMCSシステム10が図示されている。参照のため、図3および本明細書のその他での矢印は、「遠位」および「近位」方向を示す。本明細書で使用される場合、「遠位」および「近位」は、それらの普通および通例の意味を有し、限定されないが、送達経路に沿って測定される患者の身体の入口点からより遠い方向、および離れて送達経路に沿って測定される患者の身体の入口点からより遠くない方向をそれぞれ含む。
【0047】
MCSシステム10は、MCSカテーテル16(MCSカテーテル16は、本明細書では、カテーテル、カテーテルシャフト、および/またはシャフトとも呼ばれ得る)を軸方向に移動可能に受け入れるための中央ルーメンを有する近位イントロデューサハブ14を有するイントロデューサ鞘19を含み得る。カテーテル16は、近位ハブ18とシステム10のポンプ22との間に延在してもよく、ガイドワイヤ100はそれを通って延在する。一部の実施形態では、放射線不透過性材料を用いた非外傷性カニューレ先端により、蛍光透視法下での移植/外植が目に見えるようになる。
【0048】
ポンプ22は、管状ハウジングを備える。ポンプ22の管状ハウジングは本明細書で広く使用されるのであり、入口管、遠位端部、モータハウジング12、他の接続管状構造体、および/またはモータハウジングの近位後部端など、ポンプ22の任意の構成要素、またはシステムのポンプ領域内の構成要素を含み得る。ポンプ22、例えば、管状ハウジングは、カテーテル16の遠位領域によって担持される。システム10は、ガイドワイヤ100を軸方向に移動可能に受け入れるための少なくとも一つの中央ルーメンを備える。近位ハブ18は、感染シールド26を追加的に備える。近位ケーブル28は、典型的には滅菌野の外側の制御システムへの解放可能な接続のため近位ハブ18とコネクタ30との間に延在して、ポンプ22を駆動する。
【0049】
一部の実施形態では、ガイドワイヤまたはガイドワイヤの一部分は、0.018インチまたは約0.018インチの直径を有し得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤの直径は、ガイドワイヤの異なる部分、例えば、近位端および/または遠位端で異なってもよい。別段の記載がない限り、本明細書のガイドワイヤについて記載されるすべての測定値(例えば、角度、長さ)は、ガイドワイヤの中心軸に沿って取得される。
【0050】
ガイドワイヤ100は、カテーテル、例えば、4Fr~6Frのゲージを有する診断カテーテルを通して遠位に横断するように形状設定、寸法設定、および/または別の方法で構成された遠位端または先端を含み得る。カテーテルは、例えば、患者の大動脈/左心室への流体(例えば、蛍光透視流体)のフラッシングのための、一つまたは複数の側孔または開口部を含み得る。ガイドワイヤ100の遠位端または先端は、カテーテルを通って遠位に横断し、カテーテルの側孔から抜け出ることなくカテーテルの遠位端から外に出るように、形状設定、寸法設定、および/または別の方法で構成され得る。
【0051】
ガイドワイヤ100は、MCS装置またはVADのガイドワイヤルーメンの遠位開口部内に受容されるように丸みのある、または別の方法で形状設定され、寸法設定され、および/または構成される近位端104を含み得る。一部の実施形態では、近位端104と移行部107との間に延在する近位領域108は、MCSまたはVAD装置を通って延在するガイドワイヤルーメンの非線形経路を通るガイドワイヤ100の移動を容易にするために、十分に軟質であるが、十分なカラム強度および/または軸方向剛性を有してもよい。
【0052】
一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、例えば、MCS装置またはVADの鋭利またはギザギザのある縁に沿った移動のために設計されてもよい。一部の実施形態では、ガイドワイヤは、ステンレス鋼、ニチノール、チタン合金、それらの組み合わせなどで形成され得る。PTFEまたはその他の潤滑性材料でコーティングされたガイドワイヤと比較して、一部の実施形態は、MCS装置またはVADの縁に沿って移動する時のコーティングへの引っ掻きや削りを避けるために、コーティングされていないガイドワイヤを含む。
【0053】
一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の一つまたは複数の部分は、ねじれを防止するために、内側コアまたは他の特徴の周りに位置付けられたコイルを含み得る。一部の実施形態では、コイルはニチノールで形成され得る。
【0054】
図4は、近位端104と遠位端106との間に延在する細長い可撓性本体102を有するガイドワイヤ100を示す。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、異なる直径を有する複数のセグメントを含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、異なる直径を有する隣接するセグメント間の段付きまたは先細りした移行部を含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、異なる直径を有する四つのセグメントを含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、異なる直径を有する四つのセグメントの各々間の先細りした移行部を含み得る。代替的な実施形態では、最大直径を有するセグメントと第二の最大直径を有するセグメントとの間の移行部は、段付き移行部とすることができる。
【0055】
ガイドワイヤ100は、近位領域108を含み得る。一部の実施形態では、近位領域108または近位領域108のコアは、0.18mmまたは約0.18mmの直径を有し得る。近位領域108は、MCS装置またはVAD内に、およびMCS装置またはVADを通して、ねじ込むように構成され得る。一部の実施形態では、近位領域108は、例えばMCS装置またはVADのガイドワイヤルーメンに対するガイドワイヤ100の移動を容易にするために、十分に軟質であるが、十分なカラム強度および/または軸方向剛性を有し得る。
【0056】
図11Aに示すように、一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の本体102は、本体領域111を含む。本体領域111は、近位領域108の遠位に位置付けられ得る。一部の実施形態では、本体領域111または本体領域111のコアは、0.47mmまたは約0.47mmの直径を有し得る。一部の実施形態では、本体領域111は、ガイドワイヤ100の最も可撓性の低い領域であり得る。一部の実施形態では、本体領域111は、ガイドワイヤ100の長さの大部分を形成する。一部の実施形態では、本体領域111は、ガイドワイヤ100を取り扱う時に加えられる力(例えば、軸方向の力)を伝達するように構成される。一部の実施形態では、本体領域111は、心臓への送達中に本体領域111を通過するMCS装置またはVADを促進するように構成され得る。
【0057】
図11Aに示すように、一部の実施形態では、本体102はポンプ領域113を含む。一部の実施形態では、ポンプ領域113は、本体領域111の遠位に位置付けられ得る。一部の実施形態では、ポンプ領域113またはポンプ領域113のコアは、0.28mmまたは約0.28mmの直径を有し得る。一部の実施形態では、ポンプ領域113は、MCS装置またはVADが心臓内にある時に、MCS装置またはVAD内に位置付けられるように構成されている。一部の実施形態では、ポンプ領域113は、例えば、血管系内の屈曲をより容易に横断するために、本体領域111よりも剛性が低い。
【0058】
ガイドワイヤ100はまた、遠位領域110を含み得る。遠位領域110は、ポンプ領域113の遠位に位置付けられ得る。一部の実施形態では、遠位領域110または遠位領域110のコアは、0.13mmもしくは約0.13mm~0.18mmもしくは約0.18mmの直径、または0.14mmもしくは約0.14mmの直径を有し得る。一部の実施形態では、遠位領域110は、ガイドワイヤ100の最も可撓性の高い領域であり得る。一部の実施形態では、遠位領域110は、非外傷性であるように十分に可撓性であり得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、MCS装置またはVADまたはカテーテルシャフトから引き抜かれた時に真っ直ぐになるのに十分な可撓性があり得るが、拘束されていない時には、予め湾曲および/または予め曲げられた形状を形成し得る(例えば、ガイドワイヤ100は弾性があり得る)。
【0059】
一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の弾性断面係数は、以下の式によって定義され得る。
【数1】
【0060】
「S」は弾性断面係数であり、「d」は直径である。例えば、一部の実施形態では、0.18mmまたは約0.18mmの直径を有する近位領域108の少なくとも一部分の断面係数Sは、0.00057mm3または約0.00057mm3とすることができる。一部の実施形態では、近位領域108の断面係数Sは、0.0005mm3または約0.0005mm3~0.0006mm3または約0.0006mm3とすることができる。一部の実施形態では、0.47mmまたは約0.47mmの直径を有する本体領域111の少なくとも一部分の断面係数Sは、0.0102mm3または約0.0102mm3とすることができる。一部の実施形態では、本体領域111の断面係数は、0.0097mm3または約0.0097mm3~0.0107mm3または約0.0107mm3とすることができる。一部の実施形態では、0.28mmまたは約0.28mmの直径を有するポンプ領域113の少なくとも一部分の断面係数Sは、0.00216mm3または約0.00216mm3とすることができる。一部の実施形態では、ポンプ領域113の断面係数は、0.0020mm3または約0.0020mm3~0.0023mm3または約0.0023mm3とすることができる。一部の実施形態では、0.14mmまたは約0.14mmの直径を有する遠位領域110の少なくとも一部分の断面係数Sは、0.000269mm3または約0.000269mm3とすることができる。一部の実施形態では、0.13mmまたは約0.13mm~0.18mmまたは約0.18mmの直径を有する遠位領域110の少なくとも一部分の断面係数Sは、0.000216mm3または約0.000216mm3~0.000573mm3または約0.000573mm3とすることができる。一部の実施形態では、遠位領域110の断面係数Sは、0.00026mm3または約0.00026mm3~0.00028mm3または約0.00028mm3とすることができる。
【0061】
一部の実施形態では、近位領域108は、例えば、より小さい直径ならびに/または異なる面取りおよび先細りにより、ガイドワイヤ100の他の領域よりも可撓性があってもよい。一部の実施形態では、近位領域108は、約5mm~約25mmの範囲内、および一部の実施形態では約10mm~約18mmの範囲内の曲率半径を有するMCS装置またはVADのガイドワイヤポートを通過するのに、十分に可撓性であってもよい。一部の実施形態では、近位領域108は、約5mmほどの小さい、または約10mmほどの小さい曲率半径を有するMCS装置またはVADのガイドワイヤポートを通過するのに、十分に可撓性であってもよい。近位端104と移行部107との間の近位領域108の長さは、50mmまたは約50mm~500mmまたは約500mmの範囲内、60mmまたは約60mm~300mmまたは約300mmの範囲内、および一部の実施形態では285mmまたは約285mm~295mmまたは約295mmの範囲内であってもよい。移行部領域108は、近位領域108と本体領域111との間の移行部であってもよい。
【0062】
遠位端106と移行部109との間に延在する遠位領域110は、非外傷性遠位表面を提供するために、ピッグテールとして予め形状設定されてもよい。移行部109は、遠位領域110とポンプ領域113との間の移行部であってもよい。図5A~5Cは、遠位領域110のピッグテール構成の異なる実施形態を図示する。ピッグテール構成は、360°または約360°~1080°または約1080°に延在するコイルの角度を有する、一つの平面または実質的に一つの平面にスパイラルコイル形状を含む。例えば、コイルの角度は、360°または約360°(図5Aに示す)、720°または約720°(図5Bに示す)、または1080°または約1080°(図5Cに示す)であってもよい。一部の実施形態では、スパイラルコイル形状は、スパイラル形状の遠位領域110のセクションによって画定され得る。一部の実施形態では、スパイラルコイル形状は、中心点から連続的に増加する距離で、または中心点に向かって連続的に減少する距離で、中心点の周りに巻かれる曲線を含み得る。一部の実施形態では、スパイラルコイル形状は、中心点から、かつ中心点の周りに延在する連続する曲線および拡大する曲線、または中心点に向かって、かつ中心点の周りに延在する連続する曲線および引き締められる曲線を含み得る。一部の実施形態では、スパイラルコイル形状は、異なる直径を有する複数のループを含み得る。スパイラルコイルのコイルのすべては、平面内または実質的に平面内にあってもよい。
【0063】
図6A~6Bは、遠位前進セグメント112aを含む遠位領域110の実施形態を示す。前進セグメント112aは、前進セグメント112aの近位端とピッグテール構成の遠位端114との間の変曲点から延在する細長い直線先端の形態であってもよい。細長い前進セグメント112aは、カテーテルを通って遠位に横断し、カテーテルの側孔から抜け出ることなくカテーテルの遠位端から外に出るように、形状設定、寸法設定、または別の方法で構成することができる。細長い前進セグメント112aは、0.5mmもしくは約0.5mm~25mmもしくは約25mm、1mmもしくは約1mm~25mmもしくは約25mm、または2mmもしくは約2mm~25mmもしくは約25mmの長さを有してもよい。前進セグメント112aの長さは、前進セグメント112aがカテーテルの側孔から抜け出るのを防止または阻止してもよい。一部の実施形態では、ピッグテール構成の遠位端114と細長い前進セグメント112aとの間の変曲点の角度は、前進セグメント112aの長さと組み合わせて、前進セグメント112aの遠位端106および/または遠位端142(図6Cに示すように)がカテーテルの側孔から抜け出るのを防止するのに、十分に小さい。例えば、一部の実施形態では、ピッグテール構成の遠位端114と細長い前進セグメント112aとの間の変曲点の角度は、5°または約5°~85°または約85°の範囲内である。
【0064】
図6Cは、カテーテル200内の遠位前進セグメント112aの実施例を図示する。一部の実施形態では、カテーテル200は、4Fまたは5Fカテーテルであってもよい。カテーテル200は、0.9mmまたは約0.9mm~1.2mmまたは約1.2mmの内径Dを有し得る。一部の実施形態では、カテーテル200は、1.07mmもしくは約1.07mmの内径、1.19mmもしくは約1.19mmの直径、または任意の他の好適な内径Dを有し得る。カテーテル200は、一つまたは複数の側孔204を有する側壁202を含み得る。側孔204は、0.5mmまたは約0.5mm~0.8mmまたは約0.8mmの直径を有し得る。一部の実施形態では、カテーテル200は、1~16個の側孔204、4~12個の側孔204、または任意の他の好適な範囲を有し得る。一部の実施形態では、カテーテル200は、8個の側孔204を有し得る。
【0065】
本明細書に記載されるように、前進セグメント112aの長さLは、細長い前進セグメント112aが側孔204から抜け出るのを防止または阻止することができる。例えば、前進セグメント112aの長さLは、ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112aの遠位端142が側孔204から抜け出るのを防止する程度まで、側孔204の最大直径よりも大きくてもよい。図6Cに示すように、ピッグテール構成の遠位端114と前進セグメント112aとの間の角度は、前進セグメント112aの近位端140での変曲点が側壁202に接触する時に、ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112aの遠位端142が、カテーテル200の半径方向の中心にもしくはその近くに、ならびに/またはガイドワイヤ100の遠位端106および/もしくは前進セグメント112aの遠位端142が側孔204に入るのを防止する側孔の平面に対してある角度で位置し得るように、十分に小さくてもよい。
【0066】
前進セグメント112aの長さL、および前進セグメント112aがピッグテール構成の遠位端114から延在する変曲点での角度はこのようにして、遠位端106の直径の一部分D2のみが側孔204のうちの一つの中へ延在することができるに過ぎないように、サイズ設定され得る。一部分D2が側孔204内にある間に遠位端106を側孔204の一つの縁と接触させることにより、遠位端106がカテーテル200へと偏向し、側孔204から外れたり、側孔204内に固着したりしないように、一部分D2は、遠位端106の直径の半分未満または約半分とすることができる。一部の実施形態では、一部分D2は、遠位端106の直径の1/3未満もしくは約1/3未満、または1/4未満もしくは約1/4未満とすることができる。一部の実施形態では、直径の一部分D2は、0.1524mm未満もしくは約0.1524mm未満、または0.1143mm未満もしくは約0.1143mm未満とすることができる。一部の実施形態では、直径の一部分D2は、0.05mmもしくは約0.05mm~0.23mmもしくは約0.23mm、0.1mmもしくは約0.1mm~0.18mmもしくは約0.18mm、0.1mmもしくは約0.1mm~0.16mmもしくは約0.16mm、0.15mmもしくは約0.15mm~0.23mmもしくは約0.23mmの範囲内、または任意の他の好適な範囲内とすることができる。一部の実施形態では、前進セグメント112aの最小長さLは、0.5mmもしくは約0.5mm~3.5mmもしくは約3.5mm、または1.58mmもしくは約1.58mm~3.318mmもしくは約3.318mmの範囲内であってもよい。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、前進セグメント112aの中心軸とカテーテルの長手方向軸との間の角度θが、17°または約17°~25°または約25°の範囲内の最大値を有し得るように構成され得る。
【0067】
ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112aの遠位端142は、丸みのある形状とすることができる。例えば、遠位端106および/または遠位端142は、半球形、半球状体、放物線状、または別の方法で凸状であってもよい。遠位端106および/または遠位端142の丸みのある形状は、遠位端106および/または遠位端142が、側孔204のうちの一つのそのような縁と接触する場合、遠位端106および/または遠位端142を側孔204のうちの一つの縁から巻かせまたは偏向させ得る。
【0068】
図7A~7Bは、湾曲した前進セグメント112bを含む遠位領域110の実施形態を示す。前進セグメント112bは、ピッグテール構成の遠位端114で変曲点から延在する、湾曲したまたはS字形状セグメントの形態であり得る。前進セグメント112bは、カテーテルを通って遠位に横断し、カテーテルの側孔から抜け出ることなくカテーテルの遠位端から外へ出るように、形状設定、寸法設定、または別の方法で構成することができる。図示した実装形態では、ピッグテール構成は、第二の反対方向に凹状である湾曲した前進セグメント112bとの移行部で終結する第一の方向に凹状である。この曲率は、ガイドワイヤがカテーテルおよび/またはガイドワイヤルーメンを通って横断される時に、引っ掻き傷のリスクを低減し、摩擦を低減し得る。
【0069】
図7Cは、遠位領域110の一部分についての寸法の例を示す、湾曲した前進セグメント112bを有する遠位領域110の実施形態の実施例を示す。一部の実施形態では、遠位領域110の一部分の長さiは、79mmまたは約79mmであり得る。直径iiは、30mmまたは約30mmとすることができる。直径iiiは、26mmまたは約26mmとすることができる。直径ivは、20mmまたは約20mmとすることができる。直径vは、7mmまたは約7mmとすることができる。ピッグテール領域は、直線状である場合、115mmもしくは約115mm、160mmもしくは約160mm、210mmもしくは約210mm、100mmもしくは約100mm~175mmもしくは約175mm、100mmもしくは約100mm~225mmもしくは約225mmの長さ、または任意の他の好適な長さを有し得る。
【0070】
一部の実施形態では、湾曲/曲げられた前進セグメント112bは、1.0mm、約1.0mm、0.5mm、約0.5mm、1.5mm、約1.5mm、または0.5mm~1.5mmの長さviを有し得る。湾曲/曲げられた前進セグメント112bは、10°、約10°、15°、約15°、20°、約20°、25°、約25°、30°、約30°、60°、約60°、10°もしくは約10°~60°もしくは約60°、15°もしくは約15°~60°もしくは約60°の角度vii、またはピッグテール構成の遠位端114の接線に対する任意の他の適切な角度もしくは角度の範囲で傾斜することができる。長さvi(例えば、1.0mmの長さ)および角度vii(例えば、10°または約10°~60°または約60°の角度)は、例えば、図7Dに関連して説明したように、ガイドワイヤ100がカテーテル200を通って横断する間に、変曲点または変曲点の周りの領域がカテーテルの側壁に接触する時、ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112bの遠位端142がカテーテルの側壁に接触するのを防止し得る。一部の実施形態では、長さvi(例えば、1.0mmまたは約1.0mmの長さ)および角度vii(例えば、10°または約10°~60°または約60°の角度)は、変曲点または変曲点の周りの領域がカテーテル200の側壁202に接触する時、遠位端106および/または遠位端142を、カテーテル200の半径方向の中心の近くなどで、中央ルーメンの内側表面から離間させてもよい。
【0071】
図7Dは、カテーテル200内の前進セグメント112bの実施例を図示する。図7Dに示すように、前進セグメント112bは、変曲点146aを有する第一の湾曲領域118aと、変曲点146bを有する第二の湾曲領域118bと、を有する、S字形状とすることができる。一部の実施形態では、湾曲領域118aおよび/または118bは、側孔204の直径よりも大きい弧長を有して、前進セグメント112bが側孔204から抜け出るのを防止または制限することができる。一部の実施形態では、弧長は、0.5mmもしくは約0.5mmよりも大きく、または0.8mmもしくは約0.8mmよりも大きくてもよい。一部の実施形態では、弧長は、0.5mmもしくは約0.5mm~1.5mmもしくは約1.5mmの範囲内、または0.8mmもしくは約0.8mm~1.5mmもしくは約1.5mmの範囲内であってもよい。一部の実施形態では、変曲点146aおよび/または変曲点146bは、ガイドワイヤ100がカテーテル200を通って横断する際に、側壁202に沿って接触および/または摺動するように構成され得る。
【0072】
前進セグメント112bの一部分は、ガイドワイヤがカテーテル200内を横断する間、ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112bの遠位端142が側壁202に接触するのを防止する角度でおよび長さにわたって、変曲点146bから延在し得る。例えば、変曲点146bから延在する前進セグメント112bのセクションの曲率および長さは、変曲点146bまたは変曲点146bの周りの領域が側壁202に接触する時、ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112bの遠位端142をカテーテル200の半径方向の中心またはその近くに位置させることができる。遠位端106および/または遠位端142を半径方向の中心に、または半径方向の中心に隣接して位置付けることによって、前進セグメント112bの湾曲した形状は、前進セグメント112bが側孔204から抜け出るのを防止または制限することができる。一部の実施形態では、カテーテル100は、前進セグメント112bの一部分が、前進セグメント112bの一部分の中心軸とカテーテル200の長手方向軸との間の角度θ2で変曲点146bから延在し得るように構成され得る。角度θ2は、5°もしくは約5°~85°もしくは約85°、または30°もしくは約30°~60°もしくは約60°の範囲内の最大値を有し得る。一部の実施形態では、前進セグメント112bの一部分は、前進セグメント112bの一部分の中心軸に沿って測定される長さL2にわたって変曲点146bから延在し得る。長さL2は、0.3mmもしくは約0.3mm~4mmもしくは約4mm、0.3mmもしくは約0.3mm~1.5mmもしくは約1.5mm、または1mmもしくは約1mm~4mmもしくは約4mmの範囲内とすることができる。変曲点146aおよび146bの曲率、ならびにその間の距離は、変曲点146aおよび146bの一方または両方をカテーテル200の対向する側壁202と接触させることができる。一部の実施形態では、変曲点146aおよび146bの少なくとも一方または両方における曲率半径は、側孔204の半径よりも大きくてもよい。例えば、一部の実施形態では、変曲点146aおよび146bでの曲率半径は、0.5mmまたは約0.5mm~0.8mmまたは約0.8mmの範囲内とすることができる。一部の実施形態では、湾曲領域118aは、変曲点146aの近位にある湾曲領域118aの中心軸と変曲点146aの遠位にある湾曲領域118aの中心軸との間に延在する角度αによって画定され得る。一部の実施形態では、角度αは、10°もしくは約10°~70°もしくは約170°、または60°もしくは約60°~120°もしくは約120°の範囲内であり得る。一部の実施形態では、変曲点146aと変曲点146bとの間のセグメントの中心軸に沿って取られる長さL3は、以下の式によって定義される最小値を有する。
【数2】
【0073】
L3minは、カテーテル200が0.9mmまたは約0.9mmの直径を有する時、変曲点146aおよび146bをカテーテル200の側壁202に接触させる長さとすることができる。
【0074】
一部の実施形態では、長さL3は、以下の式によって定義される最大値を有し得る。
【数3】
【0075】
L3maxは、カテーテル200が1.2mmまたは約1.2mmの直径を有する時、変曲点146aおよび146bをカテーテル200の側壁202に接触させる長さとすることができる。
【0076】
角度αが140°または約140°である実施形態では、長さL3は、1.257mmまたは約1.257mm~2.13mmまたは約2.13mmの範囲とすることができる。一部の実施形態では、変曲点146aと変曲点146bとの間のセグメントの中心軸と、カテーテルの長手方向軸との間の角度θ2は、5°もしくは約5°~85°もしくは約85°、または30°もしくは約30°~60°もしくは約60°の範囲内とすることができる。一部の実施形態では、長さL2が長さL3未満であり、角度θ2が角度θ3と同じかまたはほぼ同じ大きさを有する場合、遠位端106および/または遠位端142は、対向する側壁202まで延在せず、遠位端106および/または遠位端142が側孔204から抜け出るのを防止または制限する。
【0077】
ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112bの遠位端142は、丸みのある形状とすることができる。例えば、遠位端106および/または遠位端142は、半球形、半球状体、放物線状、または別の方法で凸状であってもよい。遠位端106および/または遠位端142の丸みのある形状は、遠位端106および/または遠位端142が、側孔204のうちの一つのそのような縁と接触する場合、遠位端106および/または遠位端142を側孔204のうちの一つの縁から巻かせまたは偏向させ得る。
【0078】
図8Aは、遠位端106が拡大された遠位先端の形態での遠位前進セグメント112cを含む、遠位領域110の実施形態を図示する。前進セグメント112cは、カテーテルを通って遠位に横断し、カテーテルの側孔から抜け出ることなくカテーテルの遠位端から外へ出るように、形状設定、寸法設定、または別の方法で構成することができる。前進セグメント112cは、前進セグメント112cのすぐ近位のピッグテール領域の一部分よりも大きい直径D3を有し得る。例えば、前進セグメント112cまたは前進セグメント112cの最大断面は、0.8mmまたは約0.8mm~1mmまたは約1mmの直径D3を有し得る。一部の実施形態では、前進セグメント112cは、例えば、図8Aに示すように、球状または回転楕円形状であってもよい。
【0079】
図8Bは、カテーテル200内に拡大された遠位先端を有する前進セグメント112cの実施例を図示する。一部の実施形態では、前進セグメントの最大断面での直径は、前進セグメント112cが側孔204から抜け出ることを防止するために、側孔204の直径以上であってもよい。上述のように、前進セグメントの最大断面での直径は、0.8mmまたは約0.8mm~1mmまたは約1mmとすることができ、側孔204の直径は、0.5mmまたは約0.5mm~0.8mmまたは約0.8mmとすることができる。
【0080】
図8Bに示すように、一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の遠位端106および/または前進セグメント112cの遠位端142は、遠位端106および/または遠位端142から前進セグメント112cの近位端140まで先細り部分141の上に近位に先細りする、丸みのある形状を有し得る。遠位端106および/または遠位端142は、半球形、半球状体、放物線状、または別の方法で凸状とすることができる。遠位端106および/または遠位端142の丸みのある形状は、遠位端106および/または遠位端142が、側孔204のうちの一つのそのような縁と接触する場合、遠位端106を側孔204のうちの一つの縁から巻かせまたは偏向させ得る。一部の実施形態では、先細り部分141の先細りした形状は、そこから取り外される時のMCS装置および/またはVADのカテーテル/入口管の縁上でのガイドワイヤの引っ掛かりを防止することができる。
【0081】
図9A~9Bは、遠位領域110の一部分の実施形態を図示する。一部の実施形態では、遠位領域110および/または細長い可撓性本体102の少なくとも一部は、コア120、およびコア120を囲む細いワイヤのコイル122を含み得る。コイル122は、ガイドワイヤ100がねじれるのを防止するのに役立ち得る。図9A~9Bに示すように、コア120は、異なる直径を有するセグメント120aおよび120cを含み得る。一部の実施形態では、コア120の直径は、0.10mmまたは約0.10mm~0.5mmまたは約0.5mmとすることができる。一部の実施形態では、コア120の直径は、0.13mmまたは約0.13mm~0.18mmまたは約0.18mmとすることができる。一部の実施形態では、コア120の直径は、0.43mmまたは約0.43mm~0.5mmまたは約0.5mmとすることができる。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の最大直径は、例えば、10Frを超えないカテーテルの使用を可能にするために、0.5mmまたは約0.5mmとすることができる。
【0082】
セグメント120aおよび120cは、先細りしたまたは面取りされた移行セグメント120bによって接続され得る。異なる直径および先細りしたまたは面取りされたセグメントは、異なるセグメント間の異なるレベルの可撓性を提供することができる。例えば、セグメント120cの遠位に位置付けられたセグメント120aは、そのより小さい直径および先細りしたまたは面取りされた接続により、セグメント120cと比較して増大した可撓性を有することができる。このようにして、遠位領域110および/または遠位端106は、ガイドワイヤ100のより近位部分よりも可撓性であり得る。
【0083】
一部の実施形態では、コイル122は、はんだ124を使用してコア120にはんだ付けされ得る。図9Aは、セグメント120a、先細りしたまたは面取りされた移行セグメント120bおよびセグメント120cの上に延在するコイル122を図示する。コイル122は、図9Aのセグメント120cにはんだ付けされている。図9Aに示すように、はんだ124は、滑らかな移行を提供するために面取りの形態とすることができる。移行セグメント120bを横切って延在することによって、図9Aに示すコイル122の配置は、移行セグメント120bでのねじれを防止し得る。こうした配置は、直径がより小さく、軟性および/または可撓性が増大したセグメント120aを可能にし得る。図9Bでは、コイルはセグメント120aの上に延在し、先細りした移行セグメント120bにはんだ付けされる。図9Bに示すように、コイル122は、セグメント120cと同一またはほぼ同一の外径を有する。はんだ124は、セグメント120c、コイル122、およびはんだ124の外径が、連続的または実質的に連続的で滑らかな外径を有するように適用され得る。この配置は、ガイドワイヤ100の移動中に引っ掛かり得る縁を回避する。他の実施形態では、コイル122は、コア120に接着され(glued)、溶接され、または他の方法で接着され(adhered)得る。
【0084】
図9A~9Bは遠位領域110を示すが、ガイドワイヤ100の異なる領域の可撓性に影響を与えるためのコイルおよび/または先細りもしくは面取りされたセグメントの使用は、例えば、図10A~10Bに示すように、近位領域108、本体領域111、および/またはポンプ領域113などの他の領域の少なくとも一部でも使用され得る。
【0085】
図10A~10Bは、ガイドワイヤ100の実施形態を図示する。図10A~10Bに示すように、近位端104および遠位端106は、丸みのある縁を含み得る。遠位端106の丸みのある縁は、解剖学的構造内での遠位端106の非外傷性移動を提供することができる。近位端104の丸みのある縁は、MCS装置および/またはVADならびにそれらのそれぞれのカテーテル16への近位端104の挿入を容易にすることができる。遠位端106および/または近位端104の丸みのある(例えば、半球形)形状は、コア120および任意選択的にコイル122を、形成することによって、機械加工することによって、溶接することによって、および/または溶融することによって、形成することができる。別の方法として、コア120、および任意選択的にコイル122は、丸みのある遠位端106を形成するようにはんだ付けすることができる。別の方法として、接着剤ビーズを使用して丸みのある端を形成し、コア120、および任意選択的にコイル122に接着することができる。
【0086】
図10A~10Bに示すように、ガイドワイヤ100は、近位領域108および/または遠位領域110でコア120を囲むコイル122を含み得る。近位領域および/または遠位領域におけるコア120は、ガイドワイヤ100のより中央領域におけるコア120よりも小さい直径を有し得る。例えば、図10Bでは、コア120の直径は、近位端104および遠位端106では約0.18mmであるが、ガイドワイヤの中央領域で約0.457mmであり得る。近位端104および/または遠位端106でのより小さい直径は、近位端104および/または遠位端106での可撓性の増加を提供し得る。コイル122は、より小さい直径を有するこれらの領域のねじれを防止することができる。図10A~10Bに示すように、一部の実施形態では、コイル122をコア120に接着することができる。
【0087】
一部の実施形態では、遠位領域110は、個別の複数のマーカーまたは連続マーカーなどで、その全長に沿って放射線不透過性にすることができる。例えば、個別の放射線不透過性マーカーは、遠位先端106に金はんだ、コイル122をコア120に接続する金はんだ124、および/または遠位領域110の長さに沿って間隔を置いた(例えば、均等に間隔を置いた)複数の放射線不透過性スポットを含み得る。別の方法として、または追加的に、ガイドワイヤ100の少なくとも一部分(例えば、遠位領域110またはその少なくとも一部分)は、硫酸バリウムまたは別の放射線不透過性材料でドープされたポリマーコーティングを有し得る。一部の実施形態では、遠位領域110のコイル122は、プラチナ、金、イリジウム、またはそれらの組み合わせなどの放射線不透過性材料または金属から作製することができる。使用時に、放射線不透過性の遠位領域110は、造影剤を注入する必要なく、蛍光透視法で見ることができる。これにより、有利なことに、医師/ユーザが、遠位領域110が患者の心血管系(例えば、左心室)内に適切に位置付けられていること、または迷入し再配置のための注意を要するかどうかを視認および確認できることによって、使用の容易さおよび安全性を容易にすることができる。さらに、これはまた、解剖学的構造またはガイドワイヤ100の近くの他の医療構成要素とのガイドワイヤ100のもつれを防止するのに役立ち得る。他の実施形態では、遠位領域110は、その長さの一部分に沿って放射線不透過性にすることができる。例えば、遠位領域110は、前進セグメントまたは前進セグメントの少なくとも一部分に沿って放射線不透過性であってもよい。
【0088】
一部の実施形態では、コア120は、異なる直径を有する隣接するセグメント間の一つまたは複数の段付き移行部128を含み得る。図10Bに示すように、一部の実施形態では、コイル122は、より小さい直径を有するコア120のセグメント(複数可)の周りに巻かれ、ガイドワイヤ100が他の構成要素に引っ掛かる、または引っ掻く可能性がある鋭利な縁を有することを低減または防止するために、段付き移行部に当接し得る。コア120はまた、異なる直径を有する隣接するセグメントの間に、円錐形または円錐台形であり得る、一つまたは複数の先細りしたまたは面取りされた移行セグメントを含み得る。例えば、ガイドワイヤ100は、遠位部分110内に円錐形もしくは円錐台形の移行セグメント134、および/または近位部分108内にもしくは近位部分108に隣接した円錐形もしくは円錐台形の移行セグメント136を含み得る。
【0089】
図10A~10Bに示すように、ガイドワイヤ100の全長L4(丸みのある近位端104および遠位端106を含まない)は、3000mm±30mmまたは約3000mm±30mmであり得る。ガイドワイヤ100の遠位領域110の長さL5は、135mm±35mmまたは約135mm±35mmとすることができ、少なくとも一部分は、長さL5に沿った点132で始まる本明細書に記載のピッグテールとして構成され得る。ガイドワイヤ100の中央領域の長さL6は、2600mm±300mmまたは約2600mm±300mmであり得る。ガイドワイヤ100の近位領域108の長さL7は、328mm±50mmまたは約328mm±50mmであり得る。
【0090】
図11A~11Cは、ガイドワイヤ100の別の実施形態を図示する。図10A~10Bに関して記載されるように、コア120の近位領域108および/または遠位領域110は、可撓性を高めるために、ガイドワイヤ100の中央領域よりも小さい直径を有し得る。近位領域108および/または遠位領域110は、ねじれを防止するためにコア120を囲むコイル122を含み得る。
【0091】
図11Aに示すように、ガイドワイヤ100は、異なる直径を有するセグメント間で移行するための一つまたは複数の先細りしたセグメントを含み得る。図11B~11Cに示すように、一部の実施形態では、はんだ124を使用してコイル122をコア120に取り付けることができる。一部の実施形態では、はんだ124は、コイル122と隣接するセグメントとの間の滑らかな移行を提供して、鋭利な縁を低減または防止することができる。
【0092】
図11Aに示すように、ガイドワイヤ100の全長L8は、3000mm±20mmまたは約3000mm±20mmであり得る。ガイドワイヤ100の遠位領域110の長さL9は、38mm±3mmまたは約38mm±3mmであり得、0.130mm±0.004mmもしくは約0.130mm±0.004mm、0.180mm±0.004mmもしくは約0.180mm±0.004mm、または0.130mm±0.004mmもしくは約0.130mm±0.004mm~0.180mm±0.004mmもしくは約0.180mm±0.004mmの直径D4を有し得る。長さL9の近位の長さL11は、30mm±3mmまたは約30mm±3mmであり得、0.237±0.004mmまたは約0.237±0.004mmの直径D5を有し得る。長さL9とL11との間のガイドワイヤ100の長さL10は、20mm±3mmまたは約20mm±3mmのその長さにわたって先細りさせられ、その遠位端の直径D4からその近位端の直径D5に移行することができる。ガイドワイヤ100のポンプ領域113の長さL13は、35mm±3mmまたは約35mm±3mmであり得、0.280±0.004mmまたは約0.280±0.004mmの直径D6を有し得る。長さL11とL13との間のガイドワイヤ100の長さL12は、30mm±3mmまたは約30mm±3mmのその長さにわたって先細りさせられ、その遠位端の直径D5からその近位端の直径D6に移行することができる。ガイドワイヤ100の本体領域111の長さL15は、2427mm±20mmまたは約2427mm±20mmであり得、0.470mm±0.005mmまたは約0.470mm±0.005mmの直径D7を有し得る。長さL13とL15との間のガイドワイヤ100の長さL14は、50mm±3mmまたは約50mm±3mmのその長さにわたって先細りさせられ、その遠位端の直径D6からその近位端の直径D7に移行することができる。ガイドワイヤ100の近位領域108の長さL17は、40mm±3mmまたは約40mm±3mmであり得、0.130mm±0.004mmまたは約0.130mm±0.004mmの直径D8を有し得る。長さL15とL17との間のガイドワイヤ100の長さL16は、330mm±6mmまたは約330mm±6mmのその長さにわたって先細りさせられ、その遠位端の直径D7からその近位端の直径D8に移行することができる。一部の実施形態では、コイル122は、コア120に取り付けられ、遠位端106から160mm±5mmまたは約160mm±5mmの長さL18から遠位に延在し得る。一部の実施形態では、コイル122は、コア120に取り付けられ、近位端104から300mm±5mmまたは約300mm±5mmの長さL19から近位に延在し得る。一部の実施形態では、長さL16は、直径D7から0.241mm±0.004mmまたは約0.241mm±0.004mmの直径に移行する80mm±3mmまたは約80mm±3mmの長さを有する、その遠位端で先細りしたセクションと、0.241mm±0.004mmまたは約0.241mm±0.004mmの直径から直径D8に移行する250mm±3mmまたは約250mm±3mmの長さを有する、その近位端で先細りしたセクションと、を含み得る。
【0093】
図11Bに示すように、細長い可撓性本体102は、一つまたは複数のマーカー130を含み得る。一部の実施形態では、マーカー(複数可)130は、放射線不透過性マーカーであってもよい。一部の実施形態では、マーカー(複数可)130は、ガイドワイヤ100を見る時に(例えば、蛍光透視法を用いない裸眼によって)視覚的に識別可能であり得、金属バンド、インク、熱収縮、エッチング、研磨、はんだ付け、および/または溶接金属層を含み得る。マーカー(複数可)130は、隣接するコイル122のコイル端点から15mmまたは約15mm遠位に位置付けられ得る。マーカー(複数可)130は、幅が1mmまたは約1mmであり、2mmまたは約2mmの間隔で離間してもよいが、他の寸法は、本開示の範囲内であると考えられる。一部の実施形態では、図11Bに示すように、ガイドワイヤ100は、三つのマーカー130を含み得るが、任意の数のマーカー130が含まれ得る。マーカー(複数可)130は、図11Bのガイドワイヤの特定の本体セグメントに位置付けられて示されているが、特定の実施形態では、一つまたは複数のマーカー(複数可)130は、ガイドワイヤ100に沿った任意の場所に位置付けられ得る。特定の実施形態では、ガイドワイヤ100は、ガイドワイヤ100の複数の異なるセグメント上に位置付けられたマーカー130を含み得る。例えば、ガイドワイヤは、ガイドワイヤ100の第一のセグメント上に第一のマーカー130または第一の複数のマーカー130、およびガイドワイヤ100の第二のセグメント上に第二のマーカー130または第二の複数のマーカー130を含み得る。
【0094】
マーカー(複数可)130は、ガイドワイヤ100をMCS装置またはVAD内に前進させつつ追加の基準点と整列した時に、ガイドワイヤ100がMCS装置またはVAD内で十分な程度まで前進したという表示をユーザに提供するように、位置付けられ得る。例えば、図16に関連して説明したように、取り外し可能なガイドワイヤ補助具38をMCS装置またはVADと共に使用して、ガイドワイヤ100をその中に位置付けることを支援し得る。マーカー(複数可)130は、ガイドワイヤ補助具38の遠位端と整列して、ガイドワイヤ補助具38を取り外すことができるように、MCS装置またはVAD内(例えば、カテーテル16内)に固定されるためにガイドワイヤ100が十分な程度まで前進したことを示すように、位置付けられ得る。一部の実施形態では、マーカー130と近位端104との間の距離は、ガイドワイヤ補助具38の長さよりも大きくてもよい。
【0095】
一部の実施形態では、一つまたは複数のマーカー(複数可)130は、遠位端106がMCSシャフトのガイドワイヤポート(例えば、図15~21に関して説明した第三のガイドワイヤポート80)と整列する時に、マーカー(複数可)130が(図3を参照して)MCSシステムの近位ハブ18の近位ガイドワイヤポート37をちょうど抜け出る(例えば、そのすぐ近位にある)ように、ガイドワイヤ100の遠位端106から距離Xでガイドワイヤ100上に配置され得る。例えば、距離Xは、MCSシャフトのガイドワイヤポート(例えば、図15~21に関して説明した第三のガイドワイヤポート80)とMCSシステムの近位ハブ18の近位ガイドワイヤポート37との間の距離に、量Yを加えたものと等しいか、またはほぼ等しくてもよく、Yは、0mmまたは約0mm~10mmまたは約10mm、好ましくは2mmまたは約2mmの範囲内であってもよい。一部の実施形態では、マーカー(複数可)130は、1mmまたは約1mm~10mmまたは約10mm、好ましくは5mmまたは約5mmの範囲の全長(ガイドワイヤ100の長手方向軸に沿って)を有し得る。使用時に、医師/ユーザは、ガイドワイヤ100の遠位先端106が、図1Bに示されるように左心室93に位置付けられる時など、MCS装置の遠位ガイドワイヤポート(例えば、図16に関連して説明した第一のガイドワイヤポート76)よりもさらに遠位にあるように、ガイドワイヤ100がその中を通過するMCS装置を有し得る。医師/ユーザがガイドワイヤを格納することを望む場合、ガイドワイヤ100およびMCSシステムの近位ハブ18は、両方とも患者の外部で、格納中に医師/ユーザに視認可能であり得る。マーカー(複数可)130が近位ハブ18から出ている(例えば、近位ガイドワイヤポート37から出ている)ように見える場合、それは、ガイドワイヤ100の遠位先端106がMCS装置から遠位にもはや突出していない(例えば、遠位先端106が、MCS装置、図16を参照してそのリリーフベンド62、またはそのカテーテル16内にある)という表示として機能することができる。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100は、マーカー(複数可)130を含むことができ、これは、互いに光学的に区別可能であってもよく、ガイドワイヤ100の遠位先端106が図16に関連して説明した第一のガイドワイヤポート76、第二のガイドワイヤポート78、および/または第三のガイドワイヤポート80などのMCSシステムの様々なガイドワイヤポートと整列する時に、MCSシステムの近位ハブ18の出口(例えば、近位ガイドワイヤポート37)と整列する(したがって、医師/ユーザによって見ることができる)ように、ガイドワイヤ100の遠位先端106から距離を置いて配置されてもよい。
【0096】
図11Cは、図11Bのガイドワイヤの断面図を示す。前述したように、コイル122は、はんだ124を使用してコア120にはんだ付けすることができる(例えば、示されるように、コイル122の長手方向端部で円周方向にはんだ付けされる)。さらに、コイル122は、はんだ124と同一またはほぼ同一の外径を有し得る。これを達成するために、図11Cに示す直径D9などの、コアの直径を低減することができる。例えば、コアは、コイル122がその周りを包むことを可能にするために、0.270mm±0.004mmまたは約0.270mm±0.004mmの直径D9を有し、0.47mm±0.005mmまたは約0.47mm±0.005mmの全体直径を有し得る。コイル122は、ガイドワイヤ100に含まれる場合、0.078mmまたは約0.078mm~0.082mmまたは約0.082mmのワイヤ厚さを有し得る。一部の実施形態では、複数のコイル122は、ガイドワイヤ100の異なるセクションまたはセグメントにわたって、ガイドワイヤ100と共に使用され得る。さらに、複数のコイル122は、異なるワイヤ厚さおよび外径を有し得る。コイル122は、ステンレス鋼、ニチノール、もしくはこれに類するものであってもよく、または本明細書に記載の通りの放射線不透過性材料で作製されてもよい。一部の実施形態では、コイル122は、放射線不透過性が高い金はんだを使用してコア120に接続することができる。
【0097】
図12は、ガイドワイヤ100の近位領域108の実施形態を示す。近位領域108は、近位端104から、例えば300mmまたは約300mmなど、遠位に延在するその長さにわたるコイル122を含み得るが、コイル122は明瞭化のために示されていない。示されるように、近位領域の遠位にあるガイドワイヤ100の一部分は、0.470mm±0.005mmまたは約0.470mm±0.005mmの直径D10を有し得る。ガイドワイヤ100の直径は、示されるように、80mm±3mmまたは約80mm±3mmの長さL20に沿って、直径D10から直径D11まで、0.241mm±0.004mmまたは約0.241mm±0.004mmに先細りすることができる。ガイドワイヤ100の直径は、示されるように、250mm±3mmまたは約250mm±3mmの長さL21に沿って、直径D11から直径D12まで、0.180mm±0.004mmまたは約0.180mm±0.004mmにさらに先細りすることができる。近位領域の最も近位のセクションは、示されるように、40mm±3mmまたは約40mm±3mmのその長さL22に沿って直径D12を有し得る。
【0098】
図13は、ガイドワイヤ100の近位領域108の別の実施形態を示す。近位領域108は、示されるようにコイル122を含むことができ、これは近位端104から108mm±3mmまたは約108mm±3mmの長さL25だけ遠位に延在し得る。示されるように、近位領域の遠位にあるガイドワイヤ100の一部分は、0.470mm±0.005mmまたは約0.470mm±0.005mmの直径D13を有し得る。ガイドワイヤ100の直径は、示されるように、220mm±3mmまたは約220mm±3mmの長さL23に沿って、直径D13から直径D15まで、0.180mm±0.004mmまたは約0.180mm±0.004mmに先細りすることができる。近位領域の最も近位のセクションは、示されるように、40mm±3mmまたは約40mm±3mmのその長さL24に沿って直径D15を有し得る。さらに示されるように、コイル122は、0.270mm±0.004mmまたは約0.270mm±0.004mmの直径D14を有するガイドワイヤ100の一部分で遠位に終結し得る。
【0099】
図12に示す実施形態と比較して、図13の実施形態は、コイル長さの減少により、MCS装置およびそのカテーテル16を通過する時に摩擦レベルの減少を有し得る。さらに、図13の実施形態は、その先細りしたセクションの長さがより短いため、図12の実施形態と比較して長手方向の力を伝達する能力が増大し得る。先細りしたセクションの長さがより短いため、図13の実施形態は、図12の実施形態よりも近位領域108でより剛性であってもよい(例えば、挿入をより容易にするために)が、挿入時に摩擦を低減するための軟質の近位端を有し得る。十分な剛性を欠く近位領域108は、近位端104をMCS装置に挿入する時に、ガイドワイヤ100の近位端104への座屈または力の伝達の低減をもたらし得る。特定の実施形態では、0.36mmよりも大きいまたは約0.36mmよりも大きいガイドワイヤ100の直径は、(例えば、座屈または力の伝達の低減を防止または低減することによって)MCS装置へのガイドワイヤ100の挿入を容易にするのに十分な剛性を提供し得る。特定の実施形態では、近位端104で、0.18mmまたは約0.18mmなど、0.36mmまたは約0.36mmよりも小さい直径は、著しい摩擦なしに、MCS装置内に近位端104を挿入するために十分に小さく軟質の表面を提供し得る。したがって、特定の実施形態では、近位端104で0.36mm未満または約0.36mm未満の直径を有する一方で、近位端104の十分近くで0.36mmよりも大きいまたは約0.36mmよりも大きい直径を有して、座屈または力の伝達の低減を防止または低減することが有益であり得る。図13の実施形態のガイドワイヤ100は、近位端104から176mmまたは約176mm以上の長さで0.36mmよりも大きいまたは約0.36mmよりも大きい直径を有し得、一方で、図12の実施形態のガイドワイヤ100は、近位端104から331mmまたは約331mmの長さで0.36mmよりも大きいまたは約0.36mmよりも大きい直径を有し得る。したがって、図13の実施形態のガイドワイヤ100は、図12の実施形態のガイドワイヤよりも近位端104により近い距離での座屈または力の伝達の低減を防止または低減するのに十分な剛性の増加を提供してもよい。
【0100】
図14は、ガイドワイヤ100の近位領域108の別の実施形態を示す。近位領域108は、示されるようにコイル122を含むことができ、これは近位端104から108mm±3mmまたは約108mm±3mmの長さL30だけ遠位に延在し得る。示されるように、近位領域の遠位にあるガイドワイヤ100の一部分は、0.470mm±0.005mmまたは約0.470mm±0.005mmの直径D16を有し得る。ガイドワイヤ100の直径は、示されるように、20mmまたは約20mm~50mmまたは約50mmの長さL26に沿って、直径D16から直径D17まで、0.35mmまたは約0.35mm~0.40mmまたは約0.40mm、好ましくは0.360mm±0.004mmまたは約0.360mm±0.004mmに先細りすることができる。ガイドワイヤ100は、示されるように、1000mm±10mmまたは約1000mm±10mmの長さL27に沿って直径D17を維持することができる。ガイドワイヤ100の直径は、示されるように、220mm±3mmまたは約220mm±3mmの長さL28に沿って、直径D17から直径D19まで、0.180mm±0.004mmまたは約0.180mm±0.004mmにさらに先細りすることができる。近位領域の最も近位のセクションは、示されるように、40mm±3mmまたは約40mm±3mmのその長さL29に沿って直径D19を有し得る。さらに示されるように、コイル122は、0.270mm±0.004mmまたは約0.270mm±0.004mmの直径D18を有するガイドワイヤ100の一部分で遠位に終結し得る。使用時に、長さL31、L27およびL26を含むガイドワイヤ100の近位領域108全体は、MCS装置およびそのカテーテルが患者に挿入される前に、MCS装置およびそのカテーテル16の全長を通過し得る。近位端104および/または近位領域108がMCSシステムの近位ハブ18の近位ガイドワイヤポート37を抜け出ると、それは、MCS装置/カテーテルを患者の血管系内に前進させながら、保持され得、より厚い直径D16にわたって前進する。
【0101】
ガイドワイヤ100の先細りしたセクション(複数可)は、含まれる場合、ガイドワイヤ100のコア120を所望の輪郭に研磨することによって作製され得る。別の方法として、または追加的に、こうしたセクション(複数可)は別個の部品として作製され、溶接、はんだ付け、または別の機械的接合などによって、一緒に接合され得る。
【0102】
一部の実施形態では、本明細書に記載のガイドワイヤは、例えば、MCS装置またはVADの配置のために、MCSシステムまたは機械的左心室補助システムで使用され得る。図15~21は、MCS装置の実施形態の遠位領域を示す。図15に示すように、ポンプゾーン60は、カテーテル16の遠位端のベンドリリーフ62と遠位先端64との間に延在する。ポンプ入口66は、入口管70を通って軸方向に延在する流路によって、ポンプ出口68と流体連通する。ポンプ入口66は、入口管70と遠位先端64の近位端との間の移行部の周りに位置付けられてもよく、いずれの場合でも、一般に遠位ポート76から5cmもしくは約5cmまたは3cmもしくは約3cm以内である。入口管70は、約60mm~約100mmの範囲内の軸方向長さを有し得、一つの実装形態では、67.5mmまたは約67.5mmである。入口管70の外径は、4mmまたは約4mm~5.4mmまたは約5.4mmの範囲内であってもよく、一つの実装形態では、4.66mmまたは約4.66mmである。
【0103】
インペラ72は、ポンプ入口66とポンプ出口68との間の流路内に位置付けられる。図示した実施形態では、インペラ72は、ポンプ出口68に隣接して位置付けられる。以下でさらに論じるように、インペラ72は、インペラ72の近位側面にあるモータハウジング74内に包含されたモータによって回転駆動される。
【0104】
本明細書に記載のガイドワイヤ100の近位端104には、ガイドワイヤルーメン84(図17に示す)の遠位開口部に入ることを容易にするために、丸みのある端が提供され得る。例えば、近位端104は、半球形、半球状体、放物線状、または別の方法で凸状であってもよい。図16を参照すると、近位端104および近位領域108は、遠位の第一のガイドワイヤポート76に入り、第二のガイドワイヤポート78に近位に前進するように構成されてもよく、近位端104は、MCS装置またはVADを抜け出、MCS装置またはVADのインペラ72およびモータハウジング74の外側を横切って近位に延在し、第三のガイドワイヤポート80を介してMCS装置またはVADのカテーテル16またはベンドリリーフ62に入る。一部の実施形態では、第二のガイドワイヤポート78と第三のガイドワイヤポート80との間の距離は、60mmもしくは約60mm~95mmもしくは約95mmの範囲内、60mmもしくは約60mm~85mmもしくは約85mmの範囲内、または70mmもしくは約70mm~95mmもしくは約95mmの範囲内であり得る。第三のガイドワイヤポート80は、モータハウジング74の近位に位置し、図示した実施形態では、ベンドリリーフ62上に位置する。第三のガイドワイヤポート80は、カテーテル16の長さを通して近位に延在し、近位ハブ18の近位ガイドワイヤポート37で抜け出るガイドワイヤルーメン84と連通する(図3に示す)。
【0105】
カテーテル16には、取り外し可能なガイドワイヤのガイド管83が提供されてもよく、これは、第一のガイドワイヤポート76から、第二のガイドワイヤポート78を介して遠位先端64を近位に通って、入口管70の外側に戻って、第三のガイドワイヤポート80を介してカテーテル16またはベンドリリーフ62内に戻って、ガイドワイヤの意図された経路を追跡する。図16に図示した実装形態では、ガイドワイヤのガイド管83は、近位ハブ18に延在するガイドワイヤルーメン84と連通して、または近位ハブ18に延在するガイドワイヤルーメン84内で、カテーテル16内で近位端81に近位に延在する。ガイドワイヤガイドの近位端81は、カテーテル16の遠位端の5mmもしくは約5mmもしくは10mmもしくは約10mm内に位置付けられてもよく、または少なくとも10mmもしくは約10mmもしくは20mmもしくは約20mm、例えば、10mmもしくは約10mm~50mmもしくは約50mmの範囲内、または30mmもしくは約30mm~50mmもしくは約50mmの範囲内などで、ガイドワイヤルーメン84内へ延在してもよい。一部の実施形態では、ガイドワイヤのガイド管83は、0.6mmまたは約0.6mm~1mmまたは約1mmの範囲の内径を有し得る。ガイドワイヤ100の近位端104は、第一の(遠位)ガイドワイヤポート76内に挿入され、ガイドワイヤのガイド管83の内側を追跡することによって意図された経路に沿って誘導されてもよい。ガイドワイヤのガイド管83は、その後、ガイドワイヤを定位置に残して取り外され得る。
【0106】
ガイドワイヤ100の近位領域108は、それゆえ、ねじれることなく、かつガイドワイヤルーメン84と低い摩擦関係を保持しながら、第二のガイドワイヤポート78および第三のガイドワイヤポート80を横断するために必要な任意の狭い角度でガイドワイヤのガイド管83の内側を追跡するように構成され得る。図17は、第三のガイドワイヤポート80を介してベンドリリーフ62に入るガイドワイヤ100を示す、MCS装置のベンドリリーフ62およびカテーテル16の一部分の拡大断面図である。
【0107】
ガイドワイヤルーメン84は、ガイドワイヤ管85によって画定され得る。ガイドワイヤ管85は、0.8mmまたは約0.8mmの内径を有し得る。ガイドワイヤ管85は、1.1mmまたは約1.1mmの外径を有し得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ管85は、カテーテル16の中心軸から離れて第三のガイドワイヤポート80に向かって曲がる際に、10mmまたは約10mm~18mmまたは約18mmの範囲の曲率半径を有し得る。
【0108】
ガイドワイヤ管85は、その中の摩擦を最小化するように構成され得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ管85は、PTFEで形成され得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ管85は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)コーティングなどの外側コーティングを含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ管85は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)で形成され得、PTFEの内側ライニングなどの潤滑性内側ライニングを有して、その中の摩擦を低減し得る。
【0109】
一部の実施形態では、図16に示すように、ガイドワイヤのガイド管83は、取り外し可能なガイドワイヤ補助具38の一部であり得る。ガイドワイヤ補助具38は、ガイドワイヤポート76へのガイドワイヤの挿入を容易にするためのファンネル92を含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤのガイド管83の遠位端は、ガイドワイヤ補助具38のプルタブ94に取り付けられ、弱体化線、スロット線、またはミシン目のある引き裂き線などの、軸方向に延在する分割線が提供される。取り外しは、プルタブ94を把持し、プルタブ94が分割し、分割線に沿って剥離するにつれて、ガイドワイヤのガイド管83を引き出すことなどによって、達成され得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤのガイド管83の内側表面は、PTFEなどの潤滑コーティングが提供されてもよい。
【0110】
図17に示すように、ガイドワイヤ管85の少なくとも一部分は、カテーテル16内の管86内に位置付けられ得る。カテーテル16は、MCS装置またはVADの動作のための導体ワイヤおよび/または制御ワイヤなどの、ガイドワイヤ管85と管86との間の空間に、追加の構成要素を含み得る。
【0111】
ガイドワイヤ管85は、管86の遠位端を越えてガイドワイヤポート80に遠位に延在し得る。管86の遠位では、MCS装置またはVADの動作のための導体ワイヤおよび/または制御ワイヤなどの追加の構成要素を、ガイドワイヤ管85とベンドリリーフ62の内側表面との間に収容することができる。
【0112】
図18~19に示すように、ベンドリリーフ62(歪みリリーフとも呼ばれる)は、複数のらせん状のレーザー切断部88を有する金属管(例えば、ステンレス鋼またはニチノール)であってもよい。ベンドリリーフ62は可撓性であり得るが、ベンドリリーフ62の近位のカテーテル16の部分と比較して、モータハウジング74とカテーテル16との間の移行部において剛性の増加を提供する。MCS装置またはVADがガイドワイヤ100の上に遠位に押されるなど、遠位に押される間のねじれを防止するように、ベンドリリーフ62の剛性は、ベンドリリーフ62の近位のカテーテル16の剛性よりも大きくてもよい。
【0113】
特定の実施形態では、らせん状のレーザー切断部88は、ベンドリリーフ62の長さに沿って延在し得る。第三のガイドワイヤポート80の周りの領域は、レーザー切断部88がなくてもよい。代わりに、中実の境界89は、第三のガイドワイヤポート80の周りに延在してもよい。
【0114】
ベンドリリーフ62はまた、内側に折り畳まれたフラップ90を含み得る。フラップ90は、境界89からベンドリリーフ62の内側ルーメン内へ延在し得る。ベンドリリーフ62のフラップ90は、ガイドワイヤ管85をベンドリリーフ62から外へ誘導し、ガイドワイヤ管85を所定位置に維持するためにガイドワイヤ管85に支持を提供することができる。一部の実施形態では、ガイドワイヤ管85は、接着剤(glue)などの接着剤(adhesive)によってフラップ90に取り付けられ得る。フラップ90は、ガイドワイヤ管85および第三のガイドワイヤポート80に強度を提供することができる。一部の実施形態では、フラップ90は、ガイドワイヤ管85のねじれを防止し得る。一部の実施形態では、フラップ90は、境界89から30°または約30°~60°または約60°、例えば45°または約45°の角度で、ベンドリリーフ62の内側ルーメンに向かって内向きに屈曲し得る。
【0115】
特定の実施形態では、ガイドワイヤ管85は、フラップ90に加えて、またはそれに対して別の方法として、接着剤(glue)などの接着剤(adhesive)によって境界89に取り付けられ得る。図19に示すように、一部の実施形態では、接着ビーズまたは継ぎ目96は、境界89およびガイドワイヤ管85の切断縁の上に位置付けられ得る。ガイドワイヤ管85の遠位端は、境界89と同一平面であり得る。ビーズ96は、ガイドワイヤ管85を所定の位置に固定することができる。ビーズ96はまた、ガイドワイヤ100とベンドリリーフ62との間の引っ掻きを防止することができる。例えば、ビーズ96は、ガイドワイヤ100がガイドワイヤ経路に沿って移動する際に、ガイドワイヤ100がビーズ96と接触するように、位置付けられ得る。
【0116】
図20A~Cに示すように、一部の実施形態では、ベンドリリーフ62は、第三のガイドワイヤポート80の周りにレーザー溶接継ぎ目97を含んで、ガイドワイヤ100が境界89に引っ掛かることなく第三のガイドワイヤポート80を通過することを可能にする、滑らかな縁を形成することができる。図20A~Cに示すように、一部の実施形態では、第三のガイドワイヤポート80は、楕円形、長楕円形、または概して楕円形もしくは概して長楕円形の形状であり得る。
【0117】
図19に示すように、ベンドリリーフ62は、金属管内に位置付けられた内側ライナー99aと、金属管の上に位置付けられた外側ライナー99bと、を含み得る。図18に示すように、ベンドリリーフ62の近位端および遠位端の孔98は、内側ライナーと外側ライナーとの間の接続を提供することができる。一部の実施形態では、内側ライナー99aおよび外側ライナー99bは、らせん状のレーザー切断部88を通して互いに接続することができる。
【0118】
図21は、第三のガイドワイヤポート80を含み、モータハウジング74とベンドリリーフ62との間およびベンドリリーフ62とカテーテル16との間の接合部を示す、MCS装置またはVADの遠位領域の一部分の斜視図である。図21に示すように、ベンドリリーフ62は、ベンドリリーフ62およびモータハウジング74の孔を通して挿入されたバックエンドピン124により、モータハウジング74にしっかりと接続することができ、これは、MCS装置またはVADを取り外すまたは操作するためにカテーテル16を引っ張るのに十分な引張強さを提供する。
【0119】
一部の実施形態では、患者の心血管系に装置を送達する方法は、ガイドワイヤ100を使用して実施され得る。方法は、ガイドワイヤ100の最小外径よりも大きい外径を有するアクセスガイドワイヤを患者の心血管系に送達することを含み得る。例えば、アクセスガイドワイヤは、0.035インチまたは約0.035インチの外径を有し得る。アクセスガイドワイヤの送達後、方法は、カテーテル200などのカテーテルをアクセスガイドワイヤ上に前進させることを含み得る。本明細書に記載されるように、カテーテル200は、一つまたは複数の側孔を含み得る。カテーテル200をアクセスガイドワイヤ上に前進させた後、アクセスガイドワイヤをカテーテル200から取り外すことができる。アクセスガイドワイヤがカテーテル200から取り外された後、ガイドワイヤ100は、カテーテル200を通って患者の心血管系に前進することができる。本明細書に記載されるように、ガイドワイヤ100は、ガイドワイヤ100がカテーテル200を通って前進するにつれて、カテーテル200の側孔から外に延在せずに、カテーテル200の孔をバイパスしてもよい。ガイドワイヤ100がカテーテル200を通って前進した後、カテーテル200はガイドワイヤ100および患者から取り外すことができる。カテーテル200が取り外された後、ガイドワイヤ100の近位端104は、MCS装置(例えば、図15~21に示す)またはVADなどの装置または心臓ポンプの遠位端に供給され得る。ガイドワイヤ100の近位端104が装置の遠位端に供給された後、装置は、ガイドワイヤ100の上に患者の心血管系内に前進させられ得る(例えば、図1Bに示される)。
【0120】
一部の実施形態では、患者の心血管系に装置を送達する方法は、図1Aに関して記載される放射線不透過性マーカー151、152、および/または153などの一つまたは複数の放射線不透過性マーカーを含むガイドワイヤ100を使用して実施され得る。方法は、5Frカテーテルまたは本明細書に記載のカテーテル200などの診断カテーテルを通して、アクセスポイント(例えば、大腿動脈)からガイドワイヤ100を送達して、ガイドワイヤ100の遠位端を左心室に配置することを含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の遠位端の配置は、放射線不透過性マーカー151および/または152が左心室内に位置し、放射線不透過性マーカー153が大動脈内に位置することを視覚化および視認することによって、確認することができる。例えば、特定の実施形態では(例えば、三つの放射線不透過性マーカー151、152、および153すべてを含む実施形態、または放射線不透過性マーカー151および153のみを含む実施形態)、ガイドワイヤの配置は、放射線不透過性マーカー151が左心室にあり、放射線不透過性マーカー153が大動脈内にあることを視覚化および視認することによって、確認することができる。特定の実施形態では、ガイドワイヤ100の位置付けは、大動脈弁が、放射線不透過性マーカー153と放射線不透過性マーカー152および放射線不透過性マーカー151のうちの一方または両方との間に位置付けられていることを視覚化および視認することによって、確認することができる(例えば、大動脈弁が放射線不透過性マーカー153と放射線不透過性マーカー152との間に位置付けられていることを確認する)。造影剤は、位置付けを検証しおよび/または心臓の解剖学的構造を可視化するために、診断カテーテルを通して注入され得る。蛍光透視画像を取得し、保存することができる。ガイドワイヤ100が所望のように位置付けられていない場合、ガイドワイヤ100は、心臓の解剖学的構造内の所望の位置に位置付けられるまで調整され得る。診断カテーテルは、ガイドワイヤ100を定位置に残しながら取り外すことができる。特定の実施形態では、より多くの造影剤を注入することなく、ガイドワイヤ100およびガイドワイヤの任意の放射線不透過性マーカー(例えば、151、152、および/または153)は、蛍光透視法を使用して可視化されることができ、評価を行って、可視化ステップに少なくとも部分的に基づいて(例えば、左心室内に位置する放射線不透過性マーカー151および/または152、ならびに大動脈内に位置する放射線不透過性マーカー153を用いて)ガイドワイヤ100が所望の位置から外へ迷入したかどうかを判定することができる。ガイドワイヤ100は、必要に応じて再配置することができ(例えば、迷入した場合)、MCS装置および/またはVADなどの装置は、ガイドワイヤの上に送達され得る。一部の実施形態では、方法は、ガイドワイヤ100の放射線不透過性マーカーに対して(例えば、それに隣接して、またはそれと整列して)、MCS装置および/またはVADの放射線不透過性マーカーを(例えば、軸方向に)位置付けることを含み得る。
【0121】
一部の実施形態では、患者の心血管系に装置を送達する方法は、図1Aに関連して説明した少なくとも放射線不透過性マーカー151および153を含むガイドワイヤ100の実施形態を使用して実施され得る。方法は、5Frカテーテルまたは本明細書に記載のカテーテル200などの診断カテーテルを通して、アクセスポイント(例えば、大腿動脈)からガイドワイヤ100を送達して、ガイドワイヤ100の遠位端を左心室に配置することを含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の遠位端の配置は、放射線不透過性マーカー151が左心室内に位置し、放射線不透過性マーカー153が大動脈内に位置することを視覚化および視認することによって、確認することができる。造影剤は、位置付けを検証しおよび/または心臓の解剖学的構造を可視化するために、診断カテーテルを通して注入され得る。蛍光透視画像を取得し、保存することができる。ガイドワイヤ100が所望のように位置付けられていない場合、ガイドワイヤ100は、心臓の解剖学的構造内の所望の位置に位置付けられるまで調整され得る。診断カテーテルは、ガイドワイヤ100を定位置に残しながら取り外すことができる。特定の実施形態では、より多くの造影剤を注入することなく、ガイドワイヤ100およびガイドワイヤの任意の放射線不透過性マーカー(例えば、マーカー151および/またはマーカー153)は、蛍光透視法を使用して可視化されることができ、評価を行って、可視化ステップに少なくとも部分的に基づいて(例えば、左心室内に位置する放射線不透過性マーカー151および/または大動脈内に位置する放射線不透過性マーカー153を用いて)ガイドワイヤ100が所望の位置から外へ迷入したかどうかを判定することができる。ガイドワイヤ100は、必要に応じて再配置することができ(例えば、迷入した場合)、MCS装置および/またはVADなどの装置は、ガイドワイヤの上に送達され得る。一部の実施形態では、方法は、ガイドワイヤ100の放射線不透過性マーカーに対して(例えば、それに隣接して、またはそれと整列して)、MCS装置および/またはVADの放射線不透過性マーカーを(例えば、軸方向に)位置付けることを含み得る。
【0122】
一部の実施形態では、患者の心血管系に装置を送達する方法は、図1Aに関連して説明した少なくとも放射線不透過性マーカー152および153を含むガイドワイヤ100を使用して実施され得る。方法は、5Frカテーテルまたは本明細書に記載のカテーテル200などの診断カテーテルを通して、アクセスポイント(例えば、大腿動脈)からガイドワイヤ100を送達して、ガイドワイヤ100の遠位端を左心室に配置することを含み得る。一部の実施形態では、ガイドワイヤ100の配置は、放射線不透過性マーカー152が左心室内に位置し、放射線不透過性マーカー153が大動脈内に位置することを視覚化および視認することによって、確認することができる。一部の実施形態では、ガイドワイヤの配置は、大動脈弁が、放射線不透過性マーカー153と放射線不透過性マーカー152との間に位置することを視覚化および視認することによって、確認することができる。一部の実施形態では、造影剤は、位置付けを検証しおよび/または心臓の解剖学的構造を可視化するために、診断カテーテルを通して注入され得る。蛍光透視画像を取得し、保存することができる。一部の実施形態では、方法は、大動脈弁がマーカー152とマーカー153との間に位置付けられるように、ガイドワイヤを調整することを含み得る。診断カテーテルは、ガイドワイヤ100を定位置に残しながら取り外すことができる。特定の実施形態では、より多くの造影剤を注入することなく、ガイドワイヤ100およびガイドワイヤの任意の放射線不透過性マーカー(例えば、マーカー152および/またはマーカー153)は、蛍光透視法を使用して可視化されることができ、評価を行って、可視化ステップに少なくとも部分的に基づいて(例えば、マーカー152とマーカー153との間に位置付けられる大動脈弁を用いて)ガイドワイヤ100が所望の位置から外へ迷入したかどうかを判定することができる。ガイドワイヤ100は、必要に応じて再配置することができ(例えば、迷入した場合)、MCS装置および/またはVADなどの装置は、ガイドワイヤの上に送達され得る。一部の実施形態では、方法は、ガイドワイヤ100の放射線不透過性マーカーに対して(例えば、それに隣接して、またはそれと整列して)、MCS装置および/またはVADの放射線不透過性マーカーを(例えば、軸方向に)位置付けることを含み得る。マーカー152とマーカー153を、大動脈弁がマーカー152とマーカー153との間にあるように位置付けることは、ガイドワイヤ106の遠位端を左心室に配置することができ、ポンプ入口66を左心室内に配置することができ、流出セクション68を大動脈内に配置することができる。
【0123】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された順序で実施される必要はない。本明細書に開示される方法は、実践者によってなされる特定の行為を含むが、明示的または黙示的に、それらの行為についての任意の第三者の指示も含むことができる。
【0124】
とりわけ、「can(~できる、し得る)」、「could(~であろう)」、「might(~かもしれない)」、「may(~できる、し得る)」、「e.g.(例えば)」などの本明細書で使用される条件付きの言語は、特に別段の記載がない限り、または使用される文脈内で別の方法で理解されない限り、一般的に、特定の特徴、要素および/またはステップが任意選択であることを伝達することが意図される。したがって、こうした条件付きの言語は、特徴、要素および/またはステップが何らかの形で必要であることを暗示する、あるいは一つまたは複数の実装形態が、これらの特徴、要素および/またはステップが含まれるか、または常に実行されるかを決定するための論理を、他の入力または促すことと共に、またはそれらを伴うことなく、必然的に含むことを一般的に意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、および同種の用語は同義であって、非限定的な様式で包括的に使用されており、追加的な、要素、特徴、行為、動作、および同種のものを除外するものではない。また、「または」という用語は、例えば要素の列記を接続するために、使用されるとき、「または」という用語が列記内の要素の、一つ、一部、またはすべてを意味するように、その包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用される。
【0125】
特に別段の記載がない限り、「X、Y、およびZの少なくとも一つ」という語句などの結合言語は、事項、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝達するために、一般に使用される文脈で別の方法で理解される。したがって、こうした結合言語は、ある特定の実装形態が、Xの少なくとも一つ、Yの少なくとも一つ、およびZの少なくとも一つの存在を必要とすることを暗示することを一般的に意図するものではない。
【0126】
本明細書で使用される場合、用語「およそ(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」、および「実質的に(substantially)」など、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすか、または所望の結果を達成する、記載された値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、用語「およそ(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」、および「実質的に(substantially)」は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満である量を指し得る。別の例として、特定の実装形態では、用語「概して平行(generally parallel)」および「実質的に平行(substantially parallel)」は、15度、10度、5度、3度、1度、0.1度以下、またはそれ以外だけ、正確に平行、から逸脱する値、量、または特性を指す。
【0127】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された順序で実施される必要はない。本明細書に開示される方法は、実践者によってなされる特定の行為を含むが、明示的または黙示的に、それらの行為についての任意の第三者の指示も含むことができる。
【0128】
本明細書に記載の方法およびタスクは、コンピュータシステムによって実行され、完全に自動化されてもよい。コンピュータシステムは、一部の事例では、記載された機能を実施するために、ネットワーク上で通信および相互運用する、複数の別個のコンピュータまたはコンピューティングデバイス(例えば、物理サーバ、ワークステーション、ストレージアレイ、クラウドコンピューティングリソースなど)を含み得る。こうした各コンピューティングデバイスは通常、メモリまたは他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体もしくはデバイス(例えば、ソリッドステート記憶デバイス、ディスクドライブなど)に格納されたプログラム命令またはモジュールを実行するプロセッサ(または複数のプロセッサ)を含む。本明細書に開示される様々な機能は、こうしたプログラム命令に具現化されてもよく、および/またはコンピュータシステムの特定用途向け回路(例えば、ASICまたはFPGA)に実装されてもよい。コンピュータシステムが複数のコンピューティングデバイスを含む場合、これらのデバイスは、同一位置にあり得るが、そうである必要はない。本開示の方法およびタスクの結果は、ソリッドステートメモリチップおよび/または磁気ディスクなどの物理的記憶装置を異なる状態に変換することによって、持続的に格納され得る。コンピュータシステムは、その処理リソースが複数の別個の事業体または他のユーザによって共有されるクラウドベースのコンピューティングシステムであってもよい。
【0129】
上記の詳細な説明は、新規の特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、説明したデバイスまたはアルゴリズムの形態および詳細における様々な省略、置換、および変更を行うことができることが理解され得る。認識され得るように、一部の特徴は、他の特徴とは別個に使用または実践することができるため、本明細書の説明の特定の部分は、本明細書に記述される特徴および利益のすべてを提供しない形態内に具現化され得る。本明細書に開示される特定の実装形態の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および等価性の範囲内にあるすべての変更は、その範囲内で採用されるものとする。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21
【国際調査報告】