(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】無線通信モジュール
(51)【国際特許分類】
H04B 1/40 20150101AFI20240711BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240711BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240711BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240711BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240711BHJP
【FI】
H04B1/40
H04W88/06
H04W84/12
H04W84/10 110
H04W16/28 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503628
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 KR2022010719
(87)【国際公開番号】W WO2023003400
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095804
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム ユ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ペ ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク イル ヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヨン ウン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ソク トン
【テーマコード(参考)】
5K011
5K067
【Fターム(参考)】
5K011BA04
5K011DA02
5K011EA02
5K011KA04
5K067EE35
5K067KK03
(57)【要約】
本発明は類似の周波数帯域を有する異種の無線通信プロトコルを一緒に支援するにあたり、相互間の干渉を緩和することができる異種複合無線通信装置に関する。本発明の一実施例による無線通信モジュールは、信号処理装置と、前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1位相制御素子と、前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1-2位相制御素子と、前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、を含み、前記第1-1位相制御素子から出力される前記第1-1信号と前記第1-2位相制御素子から出力される前記第1-2信号とは180度の位相差を有し、前記第2位相制御素子から出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有し得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理装置と、
前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、
前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1位相制御素子と、
前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1-2位相制御素子と、
前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、を含み、
前記第1-1位相制御素子から出力される前記第1-1信号と前記第1-2位相制御素子から出力される前記第1-2信号とは180度の位相差を有し、前記第2位相制御素子から出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有する、無線通信モジュール。
【請求項2】
前記第1-1信号及び前記第1-2信号は第1プロトコルによる信号であり、
前記第2信号は前記第1プロトコルと相異なる第2プロトコルによる信号である、請求項1に記載の無線通信モジュール。
【請求項3】
前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、
前記180度の位相差及び前記90度の位相差は前記重畳する動作周波数での位相差である、請求項2に記載の無線通信モジュール。
【請求項4】
前記第1プロトコルはワイファイプロトコルを含み、
前記第2プロトコルはブルートゥース(登録商標)プロトコルを含む、請求項2に記載の無線通信モジュール。
【請求項5】
信号処理装置と、
前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、
前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間又は前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1位相制御素子と、
前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、
前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナと連結される第1グラウンドと前記第2アンテナと連結される第2グラウンドとの間に配置される第3位相制御素子と、を含み、
前記第1-1アンテナから出力される前記第1-1信号と前記第1-2アンテナから出力される前記第1-2信号とは175度~185度の位相差を有し、
前記第2アンテナから出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して85度~95度の位相差を有する、無線通信モジュール。
【請求項6】
前記第1-1信号及び前記第1-2信号は第1プロトコルによる信号であり、
前記第2信号は前記第1プロトコルと異なる第2プロトコルによる信号である、請求項5に記載の無線通信モジュール。
【請求項7】
前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、
前記各位相差は、前記重畳する動作周波数での位相差である、請求項6に記載の無線通信モジュール。
【請求項8】
前記第1プロトコルはワイファイプロトコルを含み、
前記第2プロトコルはブルートゥースプロトコルを含む、請求項6に記載の無線通信モジュール。
【請求項9】
前記第3位相制御素子は、両端の間に85度~95の位相差を発生させる、請求項5に記載の無線通信モジュール。
【請求項10】
前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナは前記第1プロトコルによる多重アンテナ(MIMO)を構成する、請求項6に記載の無線通信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は類似の周波数帯域を有する異種の無線通信プロトコルを一緒に支援するにあたり相互間の干渉を緩和することができる異種複合無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ノートブックコンピュータはもちろんのこと、大型TVのようなディスプレイ装置にも、モバイル機器のようにソースコンテンツを提供する外部機器との便利な無線連結のために、ワイファイ(Wi-Fi)やブルートゥース(登録商標)(BT)などの多様な無線通信プロトコルを一緒に支援する無線通信モジュールが内蔵される趨勢である。
【0003】
ところが、ワイファイ(Wi-Fi)プロトコルに対応するアンテナとブルートゥースプロトコルに対応するアンテナとが単一の無線通信モジュールに備えられて同時に動作する場合、動作周波数が重なる特定の帯域、例えば、2.4GHz帯域で一側の信号が他側ではノイズとして作用する相互間の干渉を引き起こすことになる。
【0004】
このような異種無線プロトコルの相互間の信号干渉が発生する場合、データ伝送速度が低下し、カバレージが小さくなる問題点がある。特に、最近の無線通信モジュールは、通信性能の強化のために、少なくとも一側のプロトコルにダイポール(Dipole)アンテナのように二つ以上のアンテナを適用する場合も多くて一層問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために考案されたものであり、動作周波数が重畳する異種プロトコル信号の間の干渉を効果的に低減することができる異種複合無線通信装置を提供するためのものである。
【0006】
本発明の課題は以上で言及した課題に限定されず、言及しなかった他の課題は以下の記載から当業者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例による無線通信モジュールは、信号処理装置と、前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1位相制御素子と、前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1-2位相制御素子と、前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、を含み、前記第1-1位相制御素子から出力される前記第1-1信号と前記第1-2位相制御素子から出力される前記第1-2信号とは180度の位相差を有し、前記第2位相制御素子から出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有し得る。
【0008】
例えば、前記第1-1信号及び前記第1-2信号は第1プロトコルによる信号であり、
前記第2信号は前記第1プロトコルと異なる第2プロトコルによる信号であり得る。
【0009】
例えば、前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、前記180度の位相差及び前記90度の位相差は前記重畳する動作周波数での位相差であり得る。
【0010】
例えば、前記第1プロトコルはワイファイプロトコルを含み、前記第2プロトコルはブルートゥースプロトコルを含み得る。
【0011】
また、本発明の他の実施例による無線通信モジュールは、信号処理装置と、前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間又は前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1位相制御素子と、前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナと連結される第1グラウンドと前記第2アンテナと連結される第2グラウンドとの間に配置される第3位相制御素子と、を含み、前記第1-1アンテナから出力される前記第1-1信号と前記第1-2アンテナから出力される前記第1-2信号とは175度~185度の位相差を有し、前記第2アンテナから出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して85度~95度の位相差を有し得る。
【0012】
例えば、前記第1-1信号及び前記第1-2信号は第1プロトコルによる信号であり、前記第2信号は前記第1プロトコルと相異なる第2プロトコルによる信号であり得る。
【0013】
例えば、前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、前記各位相差は、前記重畳する動作周波数での位相差であり得る。
【0014】
例えば、前記第1プロトコルはワイファイプロトコルを含み、前記第2プロトコルはブルートゥースプロトコルを含むことができる。
【0015】
例えば、前記第3位相制御素子は、両端の間に85度~95の位相差を発生させることができる。
【0016】
例えば、前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナは前記第1プロトコルによる多重アンテナ(MIMO)を構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による異種複合無線通信装置に対する効果を説明すると次のようである。
【0018】
第一、異種プロトコル間の動作周波数が重畳する領域でアンテナの間に特定の位相差を持たせて相互間の信号干渉を効果的に低減することができる。
【0019】
第二、信号干渉の低減によって無線通信装置の伝送速度及びカバレージが増大することができる。
【0020】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に限定されず、言及しなかった他の効果は以下の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下で添付する図面は本発明に対する理解を手伝うためのものであり、詳細な説明と一緒に本発明の実施例を提供する。ただし、本発明の技術的特徴が特定の図に限定されるものではなく、各図で開示する特徴は互いに組み合わせられて新規の実施例として構成可能である。
【0022】
【
図1】一般的な異種プロトコルを支援する無線通信モジュール構成の一例を示す図である。
【
図2】実施例に適用される異種プロトコル間の信号干渉低減のための位相差原理を説明するためのグラフである。
【
図3】一実施例による異種複合無線通信モジュール構成の一例を示す図である。
【
図4】他の実施例による異種複合無線通信モジュール構成の一例を示す図である。
【
図5】さらに他の実施例による異種複合無線通信モジュール構成の一例を示す図である。
【
図6】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の位相差を説明するための図である。
【
図7】
図5に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の位相差を説明するための図である。
【
図8a】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号別電圧定在波比を示す図である。
【
図8b】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号別電圧定在波比を示す図である。
【
図8c】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号別電圧定在波比を示す図である。
【
図9a】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の分離度を示す図である。
【
図9b】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の分離度を示す図である。
【
図9c】
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の分離度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例が適用される装置及び多様な方法について図面を参照してより詳細に説明する。以下の説明で使用する構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は明細書作成の容易性のみを考慮して付与するか又は混用するものであり、それ自体として互いに区別される意味又は役割を有するものではない。
【0024】
実施例の説明において、各構成要素の「上(上側)又は下(下側)」、「前(前側)又は後(後側)」に形成されるものとして記載される場合、「上(上側)又は下(下側)」及び「前(前側)又は後(後側)」は二つの構成要素が互いに直接接触するか又は一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に配置されて形成されるものを全部含む。
【0025】
また、本発明の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって当該構成要素の本質、順番や手順などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されていると記載される場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結されるか又は接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されることもできると理解しなければならないであろう。
【0026】
また、以上で記載する「含む」、「構成する」又は「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、該当の構成要素が存在し得ることを意味するものなので、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと解釈しなければならない。技術的又は科学的用語を含めたすべての用語は、他に定義しない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されなければならず、本発明で明白に定義しない限り、理想的に又は過度に形式的な意味と解釈されない。
【0027】
図1は一般的な異種プロトコルを支援する無線通信モジュール構成の一例を示す。
【0028】
図1を参照すると、無線通信モジュール10は、三つのアンテナ1、2、3と、一つの信号処理装置4と、を含むことができる。信号処理装置4は、二つ以上の相異なる無線通信プロトコル、すなわち、異種プロトコルによる無線信号の送受信処理が可能である。例えば、異種プロトコルは、ブルートゥース(BT)及びワイファイ(Wi-Fi)を含むことができ、無線通信モジュール10において、二つのアンテナ1、2はワイファイ信号を送受信し、残り一つのアンテナ3はブルートゥース信号を送受信するように構成され得る。
【0029】
一般に、ブルートゥースは2.4GHz帯域を動作周波数として有し、ワイファイは2.4GHz及び5GHz帯域を動作周波数として有することができ、ワイファイ6Eバージョンでは6GHz帯域も支援する。ブルートゥース及びワイファイは2.4GHz帯域で動作周波数が重なるので、単一の無線通信モジュール10で両プロトコルによる通信が同時に実行される場合、2.4GHz帯域で相互間の干渉が発生することがある。
【0030】
一般的な無線通信モジュール10では、このような特定の帯域で異種プロトコル間の信号干渉に対応するために、動作周波数内で相対的に干渉が少ない(すなわち、信号品質に優れた)チャネルを捜して用いるか、又は各プロトコルによる信号の送受信区間又は周期を異にする時分割方式で干渉に対応することもあるが、各アンテナ1、2、3を基準とする位相差は干渉に対する設計考慮要素ではなかった。
【0031】
本発明の実施例は、異種複合無線通信モジュールにおいて各アンテナの間に所定の位相差を持たせることによって信号間の干渉を緩和することを提案する。
【0032】
例えば、第1プロトコルによる信号を送受信するアンテナが2個、第1プロトコルと異なる第2プロトコルによる信号を送受信するアンテナが1個の場合、第1プロトコルによる信号を送受信するアンテナの間には約180度の位相差を持たせ、第2プロトコルによる信号を送受信するアンテナは他の二つのアンテナのそれぞれに対して約90度の位相差を持たせることにより、相互間の干渉を効果的に緩和することができる。これを
図2に基づいて説明する。
【0033】
図2は実施例に適用される異種プロトコル間の信号干渉の低減のための位相差原理を説明するためのグラフである。
【0034】
図2で、ワイファイ信号は二つのアンテナ(第1-1アンテナ及び第1-2アンテナ)を使用する多重アンテナ(例えば、MIMO:Multi-Input Multi-Output)方式で送受信し、ブルートゥース信号は単一のアンテナ(第2アンテナ)を用いる状況を仮定する。
【0035】
図2を参照すると、異種プロトコル間の干渉低減のために、2.4GHz帯域で第1ワイファイ信号Wi-Fi1が第1-1アンテナで90度の位相を有するとき、第2ワイファイ信号Wi-Fi2は第1-2アンテナで270度の位相を有することができる。また、ブルートゥース信号BTは第2アンテナで該当の時点に180度の位相を有することができる。このような場合、同じプロトコルに対応する二つの信号Wi-Fi1、Wi-Fi2は当該アンテナで互いに180度の位相差を有するようになり、異種プロトコルに対応する信号の間(すなわち、Wi-Fi1⇔BT及びWi-Fi2⇔BT)にはそれぞれ互いに90度の位相差を有するようになる。
【0036】
このような構成により、同じプロトコルによる信号はダイポールアンテナ構造で動作して伝送効率が上昇するとともに、異種プロトコルによる信号は直交(orthogonal)するので、動作周波数が互いに重なる帯域で相互間の干渉が最小化する効果を達成することができる。ただ、以下の記載で、上述した位相差は理論的に理想的な値であり、実際の具現においては±約5度の誤差内では十分な干渉緩和効果を達成することができることを知っていなければならない。言い換えれば、以下の実施例で、動作周波数が重なる周波数帯域で同じプロトコルに対応する二つの信号Wi-Fi1、Wi-Fi2は該当のアンテナで互いに175~185度の位相差を有するようになり、異種プロトコルに対応する信号の間(すなわち、Wi-Fi1⇔BT及びWi-Fi2⇔BT)にはそれぞれ互いに85~95度の位相差を有するようになる。
【0037】
上述したアンテナ間の位相差を有する無線通信モジュールの構成を
図3~
図5に基づいて以下で説明する。
【0038】
図3は一実施例による異種複合無線通信モジュール構成の一例を示す。
【0039】
図3を参照すると、一実施例による無線通信モジュール100Aは、第1-1アンテナ111と、第1-2アンテナ121と、第2アンテナ131と、前記各アンテナを介して送受信される信号を処理する信号処理装置140と、を含むことができる。
【0040】
より詳細には、ワイファイプロトコルによる第1-1信号は第1-1アンテナ111を介して送受信され、第1-1アンテナ111は第1-1伝送線路112及び第1-1伝送線路112上に配置される第1-1位相制御素子113Aを介して信号処理装置140と連結され得る。
【0041】
また、ワイファイプロトコルによる第1-2信号は第1-2アンテナ121を介して送受信され、第1-2アンテナ121は第1-2伝送線路122及び第1-2伝送線路122上に配置される第1-2位相制御素子123Aを介して信号処理装置140と連結され得る。
【0042】
また、ブルートゥースプロトコルによる第2信号は第2アンテナ131を介して送受信され、第2アンテナ131は第2伝送線路132及び第2伝送線路132上に配置される第2位相制御素子133Aを介して信号処理装置140と連結され得る。
【0043】
各アンテナ111、121、131は、前述したように、該当の伝送線路112、122、132と連結されるだけでなく、それぞれがグラウンドとも連結されるが、
図3では、説明の便宜のために、グラウンドとの連結の図示は省略した。
【0044】
ここで、各位相制御素子113A、123A、133Aは、それに対応する伝送線路112、122、132とともに、信号処理装置140と各アンテナ111、121、131との間に所定の位相変化を付与して前述したアンテナ間の信号の位相差を具現することができる。
【0045】
ここで、各位相制御素子113A、123A、133Aは、誘電体内に複数の導線を積層する方式、少なくとも一つのキャパシタとインダクタとを交互に配置する方式など、電気的長さの変化の制御によって素子の両端の間に設計ターゲットに対応する位相変化をもたらすことができれば、何の方式にも限定されない。
【0046】
送信信号を基準とするとき、前述したように、第1-1アンテナ111から出力される第1-1信号と第1-2アンテナ121から出力される第1-2信号とは180度の位相差を有する。また、第2アンテナ131から出力される第2信号は第1-1アンテナ111から出力される第1-1信号及び第1-2アンテナ121から出力される第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有する。
【0047】
各位相制御素子113A、123A、133Aとそれに対応する各アンテナ111、121、131との間の伝送線路の構成及び長さが同一であるか、又は無視できる位相差(例えば、1度以内)のみが発生すると仮定する場合、送信信号を基準として、第1-1位相制御素子113Aから出力される第1-1信号と第1-2位相制御素子123Aから出力される第1-2信号とは180度の位相差を有し得る。また、第2位相制御素子133Aから出力される第2信号は第1-1位相制御素子113Aから出力される第1-1信号及び第1-2位相制御素子123Aから出力される第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有し得る。
【0048】
例えば、信号処理装置140から出力される第1-1信号と第1-2信号とが同じ位相を有すると仮定すると、第1-1信号が第1-1伝送線路112及び第1-1位相制御素子113Aを介して信号処理装置140から出力されるときに比べて90度の位相差が発生する場合、第1-2信号は第1-2伝送線路122及び第1-2位相制御素子123Aを介して信号処理装置140から出力されるときに比べて-90度又は270度の位相差が発生するように第1-2位相制御素子123A及び第1-2伝送線路122をデザインしなければならない。よって、実際の具現においては、第1-1位相制御素子113A及び第1-2位相制御素子123Aのそれぞれを両端間の位相変化差が180度になるように選択し、無線通信モジュール100Aの実装後の誤差は伝送線路112又は122の長さを変化させながら位相差を細密にチューニングする方式を適用することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。同様な方式で、第2位相制御素子133Aから出力される第2信号は、第1-2位相制御素子123Aから出力される第1-2信号の位相が-90度の場合は0度になるように、第1-2信号の位相が270度の場合は180度になるように、第2位相制御素子133A及び第2伝送線路132を設計することが好ましい。
【0049】
図3では、伝送線路ごとに位相制御素子を配置する方式で信号間の位相差を具現した。これと違って、他の実施例によれば、伝送線路上の少なくとも一部の位相制御素子を省略することもでき、信号別のグラウンドの間にも位相制御素子を用いて信号分離性能をより向上させることができる。これを
図4に基づいて説明する。
【0050】
図4は他の実施例による異種複合無線通信モジュール構成の一例を示す。
【0051】
図4を参照すると、他の実施例による無線通信モジュール100Bは、第1-1アンテナ111と、第1-2アンテナ121と、第2アンテナ131と、前記各アンテナを介して送受信される信号を処理する信号処理装置140と、を含むことは
図3と同様である。
【0052】
より詳細には、ワイファイプロトコルによる第1-1信号は第1-1アンテナ111を介して送受信され、第1-1アンテナ111は第1-1伝送線路112及び第1-1伝送線路112上に配置される第1-1位相制御素子113Bを介して信号処理装置140と連結され得る。
【0053】
また、ワイファイプロトコルによる第1-2信号は第1-2アンテナ121を介して送受信され、第1-2アンテナ121は位相変換素子なしに第1-2伝送線路122を介して信号処理装置140と連結され得る。
【0054】
また、ブルートゥースプロトコルによる第2信号は第2アンテナ131を介して送受信され、第2アンテナ131は第2伝送線路132及び第2伝送線路132上に配置される第2位相制御素子133Bを介して信号処理装置140と連結され得る。
【0055】
一方、各アンテナ111、121、131は、前述したように、該当の伝送線路112、122、132と連結されるだけでなく、それぞれがグラウンドとも連結される。具体的には、第1-1アンテナ111及び第1-2アンテナ121は第1グラウンドG1と連結され、第2アンテナ131は第2グラウンドG2と連結される。ここで、第1グラウンドG1と第2グラウンドG2とはグラウンド位相制御素子GPSを介して電気的に連結され得る。
【0056】
ここで、各伝送線路112、122、132のそれぞれの電気的長さが同一であるか又は無視できる位相差(例えば、1度以内)のみが発生すると仮定する場合、第1-1位相制御素子113Bは両端間に180度の位相差を有する素子を適用することが好ましく、第2位相制御素子133Bは両端間に90度の位相差を有する素子を適用することが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0057】
例えば、第1-1アンテナ111での送信信号位相が-90度の場合、第1-2アンテナでの送信信号位相は90度であり、第2アンテナでの送信信号位相は0度であり得る。
【0058】
ただし、グラウンド位相制御素子GPSは、両端間に85度~95度、好ましくは90度の位相差を発生させる素子を使用することが特に好ましい。これは、グラウンドにもワイファイ信号とブルートゥース信号との間に約90度の位相差が発生するようにすることで、相殺されるか又は干渉される信号まで遮断するためである。グラウンド位相制御素子GPS及び第2位相制御素子133Bが両端間に約90度の位相差を有する場合、両位相制御素子GPS、133Bは同じ素子で構成することもできるが、相異なる素子で構成することもできる。
【0059】
図5はさらに他の実施例による異種複合無線通信モジュール構成の一例を示す。
【0060】
図5に示す無線通信モジュール100Cは、
図4に示す無線通信モジュール100Bに比べて、第1-1位相変換素子113Bを省略し、第1-2位相変換素子123Cを適用する点を除き、残りの構成は同一である。よって、重複説明は省略する。
【0061】
以下では、
図6~
図9cに基づいて他の実施例及びさらに他の実施例による無線通信モジュールの効果を説明する。
【0062】
図6は
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の位相差を説明するための図である。
【0063】
図6で、上端グラフ及び下端グラフのそれぞれの横軸は周波数を、縦軸は位相を示す。
【0064】
まず、
図6の上端グラフは第2信号と第1-1信号との間の周波数帯域別位相差を示す。測定は、2.4GHz帯域において2.41GHz、2.45GHz及び2.48GHzでそれぞれ測定し、中心周波数に相当する2.45GHz帯域で目標位相差である90度に近い87.5度の位相差を示すことが分かる。
【0065】
また、
図6の下端グラフは第2信号と第1-2信号との間の周波数帯域別位相差を示す。測定は、2.4GHz帯域において、2.41GHz、2.45GHz及び2.48GHzでそれぞれ測定し、中心周波数に相当する2.45GHz帯域で目標位相差である-90度に近い-93.8度の位相差を示すことが分かる。
【0066】
また、
図6の上端及び下端グラフを組み合わせると、第1-1信号と第1-2信号との間の位相差は目標位相差である180度に近い181.3度であることが分かる。
【0067】
図7は
図5に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の位相差を説明するための図である。
【0068】
まず、
図7の上端グラフは第2信号と第1-1信号との間の周波数帯域別位相差を示す。測定は、2.4GHz帯域において、2.41GHz、2.45GHz及び2.48GHzでそれぞれ測定し、中心周波数に相当する2.45GHz帯域で目標位相差である90度に近い88.3度の位相差を示すことが分かる。
【0069】
また、
図7の下端グラフは第2信号と第1-2信号との間の周波数帯域別位相差を示す。測定は、2.4GHz帯域において、2.41GHz、2.45GHz及び2.48GHzでそれぞれ測定し、中心周波数に相当する2.45GHz帯域で目標位相差である-90度に近い-94.4度の位相差を示すことが分かる。
【0070】
また、
図7の上端及び下端グラフを組み合わせると、第1-1信号と第1-2信号との間の位相差は目標位相差である180度に近い182.7度であることが分かる。
【0071】
図8a~
図8cは
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号別電圧定在波比を示す。
【0072】
電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)は、理想的な場合、1:1、すなわち、1になり、異種複合環境を考慮すると、3以下であれば良好であると思われる。
【0073】
図8a~
図8cの各グラフで、横軸は周波数を、縦軸はVSWRをそれぞれ示す。また、
図8aは第1-1信号を、
図8bは第1-2信号を、
図8cは第2信号の周波数帯域別VSWRをそれぞれ示す。
【0074】
まず、
図8aを参照すると、第1-1信号はWi-Fi信号であり、BT信号である第2信号と使用帯域が重なる2.4GHz帯域でもVSWRが3以下に維持され、第2信号と使用帯域が重ならない5GHz~6GHz帯域では2に近く又はそれ以下に維持されるので、アンテナ性能が良好であることが分かる。
【0075】
また、
図8bの場合も
図8aと同様に、主使用帯域でVSWRが3以下に維持されることが分かる。
【0076】
また、
図8cの場合、第1-1信号及び第1-2信号と使用帯域が重なる2.4GHz帯域でVSWR値は2前後に維持されることが分かる。例えば、5GHz~6GHz帯域ではVSWRが3を超えるが、この帯域はブルートゥース使用帯域ではないので、問題とならない。
【0077】
図5に示すさらに他の実施例による無線通信モジュール100Cの場合も
図8a~
図8cと大同小異の性能を示すので、詳細な説明は省略する。
【0078】
図9a~
図9cは
図4に示す異種複合無線通信モジュールの信号間の分離度を示す。
【0079】
分離度(Isolation(dB))は小さいほど信号干渉が少ないことを意味し、異種複合環境を考慮すると、-15dB以下であれば良好であると思われる。
【0080】
図9a~
図9cの各グラフで、横軸は周波数を、縦軸は分離度(dB)をそれぞれ示す。また、
図9aは第1-1信号と第1-2信号との間の分離度を、
図9bは第1-1信号と第2信号との間の分離度を、
図9cは第1-2信号と第2信号との間の分離度をそれぞれ示す。
【0081】
まず、
図9aを参照すると、第1-1信号及び第1-2信号は2.4GHz帯域では第2信号の影響によって-15dBの分離度を示すが、残りの使用帯域では-30dB前後の優れた分離度を示すことが分かる。
【0082】
また、
図8bの場合及び
図8cの場合、周波数が重なる2.4GHz帯域でも-25dB以下の優れた分離度を示すことが分かる。
【0083】
図5に示すさらに他の実施例による無線通信モジュール100Cの場合も
図9a~
図9cと大同小異の性能を示すので、詳細な説明は省略する。
【0084】
一方、これまで説明した実施例では、無線通信モジュール100A、100B、100Cがそれぞれ三つのアンテナ111、121、131を有するものとして説明した。これと違って、本発明の実施例は三つよりも多いアンテナを有する無線通信モジュールにも適用することができる。
【0085】
例えば、Wi-Fi信号を送受信するためのアンテナが2個であり、ブルートゥース信号を送受信するためのアンテナも2個である場合、同じプロトコルによる信号を送受信するアンテナの間には180度の位相差を持たせ、異種プロトコルによる信号を送受信するアンテナの間には90度の位相差を持たせることができる。例えば、第1-1アンテナで第1-1ワイファイ信号の位相が90度の場合、第2-1アンテナで第2-1ブルートゥース信号の位相は180度であり、第1-2アンテナで第1-2ワイファイ信号の位相は270度であり、第2-2アンテナで第2-2ブルートゥース信号の位相は0度(360度)であり得る。
【0086】
以上で実施例を中心に説明したが、これは単に例示であるだけで、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で以上で例示しなかった様々の変形及び応用が可能であることが分かるであろう。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施することができるものである。そして、このような変形及び応用に係る相違点は添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
[発明の実施のための形態]
【0087】
発明の実施のための形態は前述した「発明を実施するための形態」で充分に説明された。
【産業上の利用可能性】
【0088】
実施例による異種複合無線通信装置はTVのようなディスプレイ装置などに適用可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一実施例による無線通信モジュールは、信号処理装置と、前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1-1位相制御素子と、前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1-2位相制御素子と、前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、を含み、前記第1-1位相制御素子から出力される前記第1-1信号と前記第1-2位相制御素子から出力される前記第1-2信号とは180度の位相差を有し、前記第2位相制御素子から出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有し得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理装置と、
前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、
前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第
1-1位相制御素子と、
前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1-2位相制御素子と、
前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、を含み、
前記第1-1位相制御素子から出力される前記第1-1信号と前記第1-2位相制御素子から出力される前記第1-2信号とは
、180度の位相差を有し、前記第2位相制御素子から出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して90度の位相差を有する、無線通信モジュール。
【請求項2】
前記第1-1信号及び前記第1-2信号は
、第1プロトコルによる信号であり、
前記第2信号は
、前記第1プロトコルと相異なる第2プロトコルによる信号である、請求項1に記載の無線通信モジュール。
【請求項3】
前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは
、動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、
前記180度の位相差及び前記90度の位相差は
、前記重畳する動作周波数での位相差である、請求項2に記載の無線通信モジュール。
【請求項4】
前記第1プロトコルは
、ワイファイプロトコルを含み、
前記第2プロトコルは
、ブルートゥース(登録商標)プロトコルを含む、請求項2に記載の無線通信モジュール。
【請求項5】
前記第1-1信号と前記第1-2信号とは、互いに同じ位相を有し、
前記第1-1信号は、前記第1-1位相制御素子を経ながら、前記信号処理装置から出力の際に比べて90度の位相差が発生し、
前記第1-2信号は、前記第1-2位相制御素子を経ながら、前記信号処理装置から出力の際に比べて-90度又は270度の位相差が発生する、請求項1に記載の無線通信モジュール。
【請求項6】
信号処理装置と、
前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、
前記第1-1アンテナと前記信号処理装置との
間に配置される第1位相制御素子と、
前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、
前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナと連結される第1グラウンドと前記第2アンテナと連結される第2グラウンドとの間に配置される第3位相制御素子と、を含み、
前記第1-1アンテナから出力される前記第1-1信号と前記第1-2アンテナから出力される前記第1-2信号とは
、175度~185度の位相差を有し、
前記第2アンテナから出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して85度~95度の位相差を有する、無線通信モジュール。
【請求項7】
前記第1-1信号及び前記第1-2信号は
、第1プロトコルによる信号であり、
前記第2信号は
、前記第1プロトコルと異なる第2プロトコルによる信号である、請求項
6に記載の無線通信モジュール。
【請求項8】
前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは
、動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、
前記各位相差は、前記重畳する動作周波数での位相差である、請求項
7に記載の無線通信モジュール。
【請求項9】
前記第1プロトコルは
、ワイファイプロトコルを含み、
前記第2プロトコルは
、ブルートゥースプロトコルを含む、請求項
7に記載の無線通信モジュール。
【請求項10】
前記第3位相制御素子は、両端の間に85度~95の位相差を発生させる、請求項
6に記載の無線通信モジュール。
【請求項11】
前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナは
、前記第1プロトコルによる多重アンテナ(MIMO)を構成する、請求項7に記載の無線通信モジュール。
【請求項12】
前記第1-2アンテナは、伝送線路を介して前記信号処理装置と直接連結される、請求項6に記載の無線通信モジュール。
【請求項13】
前記第1-1信号と前記第1-2信号とは、ダイポールアンテナ構造で動作する、請求項7に記載の無線通信モジュール。
【請求項14】
信号処理装置と、
前記信号処理装置と連結され、第1-1信号を送受信する第1-1アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第1-2信号を送受信する第1-2アンテナと、
前記信号処理装置と連結され、第2信号を送受信する第2アンテナと、
前記第1-2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第1位相制御素子と、
前記第2アンテナと前記信号処理装置との間に配置される第2位相制御素子と、
前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナと連結される第1グラウンドと前記第2アンテナと連結される第2グラウンドとの間に配置される第3位相制御素子と、を含み、
前記第1-1アンテナから出力される前記第1-1信号と前記第1-2アンテナから出力される前記第1-2信号とは、175度~185度の位相差を有し、
前記第2アンテナから出力される前記第2信号は、前記第1-1信号及び前記第1-2信号のそれぞれに対して85度~95度の位相差を有する、無線通信モジュール。
【請求項15】
前記第1-1信号及び前記第1-2信号は、第1プロトコルによる信号であり、
前記第2信号は、前記第1プロトコルと異なる第2プロトコルによる信号である、請求項14に記載の無線通信モジュール。
【請求項16】
前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは、動作周波数の少なくとも一部が互いに重畳し、
前記各位相差は、前記重畳する動作周波数での位相差である、請求項15に記載の無線通信モジュール。
【請求項17】
前記第1プロトコルは、ワイファイプロトコルを含み、
前記第2プロトコルは、ブルートゥースプロトコルを含む、請求項15に記載の無線通信モジュール。
【請求項18】
前記第3位相制御素子は、両端の間に85度~95の位相差を発生させる、請求項14に記載の無線通信モジュール。
【請求項19】
前記第1-1アンテナ及び前記第1-2アンテナは、前記第1プロトコルによる多重アンテナ(MIMO)を構成する、請求項15に記載の無線通信モジュール。
【請求項20】
前記第1-1アンテナは、伝送線路を介して前記信号処理装置と直接連結される、請求項14に記載の無線通信モジュール。
【国際調査報告】