(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】金属化合物の結晶を加工するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
C30B 23/08 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
C30B23/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503827
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022037758
(87)【国際公開番号】W WO2023003975
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524026584
【氏名又は名称】プロト マテリアルズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チウ, ホンジエ
(72)【発明者】
【氏名】チウ, ドン リック
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077AA03
4G077BE08
4G077BE13
4G077BE15
4G077DA15
4G077DA18
4G077EJ04
4G077EJ05
4G077EJ10
4G077HA12
(57)【要約】
本開示は、金属化合物のブロック結晶を形成するためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、金属化合物のブロック結晶を形成するための方法は、(a)源金属を溶鉱炉の中に導入することと、(b)完全または部分的真空を溶鉱炉内で形成し、溶鉱炉の温度を源金属の融点を上回って増加させ、源金属の液体流を形成することと、(c)液体流動を分解し、源金属の粒子を発生させることと、(d)粒子をイオン化チャンバ内でイオン化し、イオン化された粒子を形成することであって、イオン化チャンバは、金属化合物の分解温度を上回る温度を有する、ことと、(e)イオン化された粒子と反応性である、反応性ガスを備える、成長チャンバの中にイオン化された粒子を導入し、それによって、金属化合物のブロック結晶を形成することとを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属化合物のブロック結晶を形成するための方法であって、
(a)源金属を溶鉱炉の中に導入することと、
(b)完全または部分的真空を前記溶鉱炉内に形成し、前記溶鉱炉の温度を前記源金属の融点を上回って増加させ、前記源金属の液体流を形成することと、
(c)前記液体流を分解し、前記源金属の粒子を発生させることと、
(d)前記粒子をイオン化チャンバ内でイオン化し、イオン化された粒子を形成することであって、前記イオン化チャンバの温度は、前記金属化合物の分解温度を上回る、ことと、
(e)前記イオン化された粒子と反応性である、反応性ガスを備える、成長チャンバの中に前記イオン化された粒子を導入し、それによって、前記金属化合物の前記ブロック結晶を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
(c)は、(1)高圧ガスを前記液体流に印加すること、(2)超音波を前記液体流に印加すること、または(3)前記液体流を機械的に振動させることのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(c)は、(1)高圧ガスを前記液体流に印加することと、(2)超音波を前記液体流に印加することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(c)は、(1)高圧ガスを前記液体流に印加することと、(2)前記液体流を機械的に振動させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(c)は、(1)高圧ガスを前記液体流に印加することと、(2)超音波を前記液体流に印加することと、(3)前記液体流を機械的に振動させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(d)は、不活性ガスの流動を前記イオン化チャンバの中に導入し、それによって、(1)前記イオン化された粒子の凝集と、(2)前記イオン化チャンバへの前記イオン化された粒子の接着とを防止することを含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
(b)は、前記完全または部分的真空を前記溶鉱炉内に形成することに続いて、別の不活性ガスを前記溶鉱炉の中に導入することを含む、請求項1-6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記高圧ガス、前記不活性ガス、および前記別の不活性ガスのそれぞれは、独立して、ヘリウム、窒素、またはアルゴンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(c)に続いて、前記イオン化チャンバに到達する前に、閾値サイズより大きい、前記粒子のサブセットを除去する、請求項1-8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子のサブセットは、再使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(c)は、前記液体流を霧化および水蒸気化することを含む、請求項1-10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
(c)は、溶媒を伴わずに実施される、請求項1-11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記イオン化された粒子は、濃度勾配または温度勾配に沿って、前記イオン化チャンバから前記成長チャンバに拡散する、請求項1-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記金属化合物の前記ブロック結晶は、前記成長チャンバの底部における堆積溝内に形成される、請求項1-13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記成長チャンバの温度は、前記金属化合物の前記ブロック結晶の成長を促進する、請求項1-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記反応性ガスは、無触媒である、請求項1-15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記源金属は、純金属である、請求項1-16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記源金属は、金属の組み合わせである、請求項1-16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
(b)は、前記溶鉱炉の温度を前記金属の組み合わせ内の最高融点を伴う金属の融点を上回って増加させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記源金属は、ガリウム、アルミニウム、インジウム、シリコン、またはそれらの組み合わせである、請求項1-19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記源金属は、ガリウムであり、前記反応性ガスは、窒素またはアンモニアであり、前記金属化合物は、窒化ガリウムである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記源金属は、アルミニウムであり、前記反応性ガスは、窒素またはアンモニアであり、前記金属化合物は、窒化アルミニウムである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記源金属は、シリコンであり、前記反応性ガスは、メタンであり、前記金属化合物は、炭化ケイ素である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記源金属は、インジウムであり、前記反応性ガスは、窒素またはアンモニアであり、前記金属化合物は、窒化インジウムである、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
金属化合物のブロック結晶を形成するための装置であって、
源金属を加熱し、前記源金属の液体流を形成するように構成される、溶鉱炉と、
前記溶鉱炉に結合される、断片化デバイスであって、前記断片化デバイスは、前記源金属の粒子を前記液体流から発生させるように構成される、断片化デバイスと、
前記断片化デバイスに結合される、イオン化チャンバであって、前記イオン化チャンバは、前記粒子をイオン化し、イオン化された粒子を形成するように構成される、イオン化チャンバと、
前記イオン化チャンバに結合される、成長チャンバであって、前記成長チャンバは、前記イオン化された粒子と前記成長チャンバ内の反応性ガスとの間の反応を通して、前記金属化合物の前記ブロック結晶の成長を促進するように構成される、成長チャンバと
を備える、装置。
【請求項26】
前記断片化デバイスは、1つ以上の霧化デバイスと、水蒸気化デバイスとを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記1つ以上の霧化デバイスは、ガス噴霧器、機械的振動器、または超音波噴霧器を備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記1つ以上の霧化デバイスと前記水蒸気化デバイスとの間に配置される、粒子選択器をさらに備える、請求項26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記粒子選択器は、第1の複数の傾斜ガス孔を備える、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記断片化デバイスは、1つ以上の霧化デバイスと、水蒸気化デバイスとを備え、前記装置はさらに、前記1つ以上の霧化デバイスと前記水蒸気化デバイスとの間に配置される、粒子選択器を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記1つ以上の霧化デバイスは、ガス噴霧器、機械的振動器、または超音波噴霧器を備える、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記イオン化チャンバと前記成長チャンバとの間に配置される、イオン選択器をさらに備える、請求項25-31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
前記イオン選択器は、第2の複数の傾斜ガス孔を備える、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記イオン化チャンバは、前記イオン化チャンバの底部部分上に配置される、粒子回転-懸濁設定を備え、前記粒子回転-懸濁設定は、複数の直線孔によって導入される、複数の上向き不活性ガス流と、第3の複数の傾斜孔によって導入される、複数の傾斜不活性ガス流とを発生させるように構成される、請求項25-33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記複数の直線孔および前記第3の複数の傾斜孔は、(1)実質的に、円形形状または不規則的形状において分散される、(2)相互に、または実質的に交互パターンにおいて、交差される、または(3)前記イオンチャンバの前記底部において、実質的に均一に分散される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記溶鉱炉は、前記源金属を保持するように構成される、るつぼを備える、請求項25-35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
前記るつぼは、シールされる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記るつぼは、前記溶鉱炉に開放される、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記溶鉱炉は、空気を前記るつぼまたは前記溶鉱炉もしくは両方から除去し、完全または部分的真空を前記るつぼまたは前記溶鉱炉内で形成するように構成される、真空排気チャネルを備える、請求項36-38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項40】
前記溶鉱炉は、不活性ガスを前記るつぼまたは前記溶鉱炉もしくは両方に供給するように構成される、ガスチャネルを備える、請求項36-39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記真空排気チャネルまたは前記ガスチャネルは、前記るつぼの上部部分または前記溶鉱炉の上部部分の中に配置される、請求項39または請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記溶鉱炉を前記断片化デバイスに結合する、方向転換チャネルをさらに備える、請求項25-41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記1つ以上の霧化デバイスおよび前記水蒸気化デバイスは、直列に接続される、またはともに統合される、請求項26-42のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
前記1つ以上の霧化デバイスは、複数の霧化デバイスであり、前記複数の霧化デバイスは、直列に接続される、またはともに統合される、請求項26-43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
前記水蒸気化デバイスは、誘導加熱器、直流アーク、プラズマ源、マイクロ波源、またはレーザを備える、請求項25-44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記成長チャンバは、堆積-成長室を備える、請求項25-45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記堆積-成長室は、上部イオン拡散ゾーンと、底部成長ゾーンと、前記イオン拡散ゾーンと前記成長ゾーンとの間に配置される、隔離グリッドとを備える、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記隔離グリッドは、前記イオン化された粒子の拡散を可能にする、複数の孔を備える、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記底部成長ゾーンは、前記金属化合物の前記ブロック結晶を成長させるための円形堆積溝を備える、請求項47または請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記断片化デバイスは、前記溶鉱炉の底部部分に結合され、前記イオン化チャンバは、前記断片化デバイスの側面に結合され、前記成長チャンバは、前記イオン化チャンバの上部に結合される、請求項25-49のいずれか1項に記載の装置。
【請求項51】
前記イオン化チャンバは、粗粒子のための放出ポートを備え、前記放出ポートは、前記イオン化チャンバの底部部分の中に配置される、請求項25-50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記成長チャンバは、堆積-成長室を備え、前記堆積-成長室は、上部ガス蓄積ゾーンと、中央イオン拡散ゾーンと、底部成長ゾーンと、前記中央イオン拡散ゾーンと前記底部成長ゾーンとの間に配置される、第1の隔離グリッドと、前記上部ガス蓄積ゾーンと前記中央イオン拡散ゾーンとの間に配置される、第2の隔離グリッドとを備える、請求項25-45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項53】
前記堆積-成長室への入口は、前記中央イオン拡散ゾーン内にある、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記上部ガス蓄積ゾーンは、過剰ガス放出ポートを備える、請求項52または請求項53に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(相互参照)
本願は、その出願が、完全に参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年7月20日に出願された、米国仮出願第63/223,731号の利益を主張する。
【0002】
(背景)
窒化ガリウム(GaN)は、高温、高圧、および放射線に対して耐性がある、高強度ルミネセンス材料である。これはまた、非毒性であって、汚染物質がない。その広いバンドギャップに起因して、GaN系半導体材料は、光起電材料の中で最高光電変換効率を有する。高純度GaNはまた、高性能半導体デバイスおよび基板を製造するための重要な原材料である。炭化ケイ素およびアルミナと比較して、GaNは、より優れた格子整合および材料一貫性を有する。
【0003】
一般に、GaN結晶は、気相方法または液相方法を使用して、形成される。これらの方法において使用される前駆体材料は、ガリウム中間またはガリウム化合物材料であって、ガリウム中間またはガリウム化合物材料が、作製されるとき、多数の毒性溶液および溶媒が、使用され、多くの不純物および寄生反応生成物を含有する、最終GaN単結晶ブロックをもたらす。同時に、これらの一般に使用される方法は、より低い効率(すなわち、より低いエピタキシャル成長率(ハイドライド気相成長法(HPVE)に関しては、100~300マイクロメートル/時、アモノサーマル法に関しては、10~80マイクロメートル/時、高圧溶液成長法(HPSG)に関しては、20マイクロメートル/時、ナトリウムフラックス法に関しては、50マイクロメートル/時))を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
本開示は、物理的方法を使用して、固体金属を超微細粒子に変換し、そのような粒子を核生成し、結晶に結晶化することによって、溶媒および触媒を使用せずに、窒化ガリウム(GaN)結晶および他の金属化合物結晶を加工するためのシステムおよび方法を提供する。毒性溶液または溶媒は、使用されないため、結果として生じる結晶は、より少ない不純物および寄生反応生成物を有する。
【0005】
本開示の側面は、金属化合物のブロック結晶を形成するための方法を提供し、方法は、(a)源金属を溶鉱炉の中に導入することと、(b)完全または部分的真空を溶鉱炉内で形成し、溶鉱炉の温度を源金属の融点を上回って増加させ、源金属の液体流を形成することと、(c)液体流動を分解し、源金属の粒子を発生させることと、(d)粒子をイオン化チャンバ内でイオン化し、イオン化された粒子を形成することであって、イオン化チャンバの温度は、金属化合物の分解温度を上回る、ことと、(e)イオン化された粒子と反応性である、反応性ガスを備える、成長チャンバの中にイオン化された粒子を導入し、それによって、金属化合物のブロック結晶を形成することとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、(c)は、(1)高圧ガスを液体流に印加すること、(2)超音波を液体流に印加すること、または(3)液体流を機械的に振動させることのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、(c)は、(1)高圧ガスを液体流に印加することと、(2)超音波を液体流に印加することとを含む。いくつかの実施形態では、(c)は、(1)高圧ガスを液体流に印加することと、(2)を液体流機械的に振動させることとを含む。いくつかの実施形態では、(c)は、(1)高圧ガスを液体流に印加することと、(2)超音波を液体流に印加することと、(3)液体流を機械的に振動させることとを含む。いくつかの実施形態では、(d)は、別の不活性ガスの流動をイオン化チャンバの中に導入し、それによって、(1)イオン化された粒子の凝集と、(2)イオン化チャンバへのイオン化された粒子の接着とを防止することを含む。いくつかの実施形態では、(b)は、完全または部分的真空を溶鉱炉内に形成することに続いて、別の不活性ガスを溶鉱炉の中に導入することを含む。いくつかの実施形態では、該高圧ガス、不活性ガス、および別の不活性ガスのそれぞれは、独立して、ヘリウム、窒素、またはアルゴンである。いくつかの実施形態では、(c)に続いて、イオン化チャンバに到達する前に、閾値サイズより大きい、粒子のサブセットを除去する。いくつかの実施形態では、粒子のサブセットは、再使用される。いくつかの実施形態では、(c)は、液体流を霧化および水蒸気化することを含む。いくつかの実施形態では、(c)は、溶媒を伴わずに実施される。
【0007】
いくつかの実施形態では、イオン化された粒子は、濃度勾配または温度勾配に沿って、イオン化チャンバから成長チャンバに拡散する。いくつかの実施形態では、金属化合物のブロック結晶は、成長チャンバの底部における堆積溝内に形成される。いくつかの実施形態では、成長チャンバの温度は、金属化合物のブロック結晶の成長を促進する。いくつかの実施形態では、反応性ガスは、無触媒である。いくつかの実施形態では、源金属は、純金属である。いくつかの実施形態では、源金属は、金属の組み合わせである。いくつかの実施形態では、(b)は、溶鉱炉の温度を金属の組み合わせ内で最高融点を伴う金属の融点を上回って増加させることを含む。いくつかの実施形態では、源金属は、ガリウム、アルミニウム、インジウム、シリコン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、源金属は、ガリウムであり、反応性ガスは、窒素またはアンモニアであり、金属化合物は、窒化ガリウムである。いくつかの実施形態では、源金属は、アルミニウムであり、反応性ガスは、窒素またはアンモニアであり、金属化合物は、窒化アルミニウムである。いくつかの実施形態では、源金属は、シリコンであり、反応性ガスは、メタンであり、金属化合物は、炭化ケイ素である。いくつかの実施形態では、源金属は、インジウムであり、反応性ガスは、窒素またはアンモニアであり、金属化合物は、窒化インジウムである。
【0008】
本開示の別の側面は、金属化合物のブロック結晶を形成するための装置を提供し、装置は、源金属を加熱し、源金属の液体流を形成するように構成される、溶鉱炉と、溶鉱炉に結合される、断片化デバイスであって、断片化デバイスは、源金属の粒子を液体流から発生させるように構成される、断片化デバイスと、断片化デバイスに結合される、イオン化チャンバであって、イオン化チャンバは、粒子をイオン化し、イオン化された粒子を形成するように構成される、イオン化チャンバと、イオン化チャンバに結合される、成長チャンバであって、成長チャンバは、イオン化された粒子と成長チャンバ内の反応性ガスとの間の反応を通して、金属化合物のブロック結晶の成長を促進するように構成される、成長チャンバとを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、断片化デバイスは、1つ以上の霧化デバイスと、水蒸気化デバイスとを備える。いくつかの実施形態では、1つ以上の霧化デバイスは、ガス噴霧器、機械的振動器、または超音波噴霧器を備える。いくつかの実施形態では、本装置はさらに、該1つ以上の霧化デバイスと該水蒸気化デバイスとの間に配置される、粒子選択器を備える。いくつかの実施形態では、粒子選択器は、第1の複数の傾斜ガス孔を備える。いくつかの実施形態では、断片化デバイスは、1つ以上の霧化デバイスと、水蒸気化デバイスとを備え、本装置はさらに、1つ以上の霧化デバイスと水蒸気化デバイスとの間に配置される、粒子選択器を備える。いくつかの実施形態では、1つ以上の霧化デバイスは、ガス噴霧器、機械的振動器、または超音波噴霧器を備える。いくつかの実施形態では、本装置は、該イオン化チャンバと該成長チャンバとの間に配置される、イオン選択器を備える。いくつかの実施形態では、粒子選択器は、第2の複数の傾斜ガス孔を備える。いくつかの実施形態では、イオン化チャンバは、イオン化チャンバの底部部分上に配置される、粒子回転-懸濁設定を備え、粒子回転-懸濁設定は、複数の直線孔によって導入される、複数の上向き不活性ガス流と、第3の複数の傾斜孔によって導入される、複数の傾斜不活性ガス流とを発生させるように構成される。いくつかの実施形態では、複数の直線孔および該第3の複数の傾斜孔(1)は、実質的に、円形形状または不規則的形状において分散される、(2)相互に、または実質的に交互パターンにおいて、交差される、または(3)該イオンチャンバの該底部において、実質的に均一に分散される。いくつかの実施形態では、溶鉱炉は、源金属を保持するように構成される、るつぼを備える。いくつかの実施形態では、るつぼは、シールされる。いくつかの実施形態では、るつぼは、溶鉱炉に開放される。いくつかの実施形態では、溶鉱炉は、空気をるつぼまたは溶鉱炉もしくは両方から除去し、完全または部分的真空をるつぼまたは溶鉱炉内に形成するように構成される、真空排気チャネルを備える。いくつかの実施形態では、溶鉱炉は、不活性ガスをるつぼまたは溶鉱炉もしくは両方に供給するように構成される、ガスチャネルを備える。いくつかの実施形態では、真空排気チャネルまたはガスチャネルは、るつぼの上部部分または溶鉱炉の上部部分内に配置される。いくつかの実施形態では、本装置はさらに、溶鉱炉を断片化デバイスに結合する、方向転換チャネルを備える。いくつかの実施形態では、1つ以上の霧化デバイスおよび水蒸気化デバイスは、直列に接続される、またはともに統合される。いくつかの実施形態では、1つ以上の霧化デバイスは、複数の霧化デバイスであり、複数の霧化デバイスは、直列に接続される、またはともに統合される。いくつかの実施形態では、1つ以上の霧化デバイスは、ガス噴霧器、機械的振動器、または超音波噴霧器を備える。いくつかの実施形態では、水蒸気化デバイスは、誘導加熱器、直流アーク、プラズマ源、マイクロ波源、またはレーザを備える。いくつかの実施形態では、成長チャンバは、堆積-成長室を備える。いくつかの実施形態では、堆積-成長室は、上部イオン拡散ゾーンと、底部成長ゾーンと、イオン拡散ゾーンと成長ゾーンとの間に配置される、隔離グリッドとを備える。いくつかの実施形態では、隔離グリッドは、イオン化された粒子の拡散を可能にする、複数の孔を備える。いくつかの実施形態では、底部成長ゾーンは、金属化合物のブロック結晶を成長させるための円形堆積溝を備える。いくつかの実施形態では、断片化デバイスは、溶鉱炉の底部部分に結合され、イオン化チャンバは、断片化デバイスの側面に結合され、成長チャンバは、イオン化チャンバの上部に結合される。いくつかの実施形態では、イオン化チャンバは、粗粒子のための放出ポートを備え、放出ポートは、イオン化チャンバの底部部分の中に配置される。いくつかの実施形態では、成長チャンバは、堆積-成長室を備え、堆積-成長室は、上部ガス蓄積ゾーンと、中央イオン拡散ゾーンと、底部成長ゾーンと、中央イオン拡散ゾーンと底部成長ゾーンとの間に配置される、第1の隔離グリッドと、上部ガス蓄積ゾーンと中央イオン拡散ゾーンとの間に配置される、第2の隔離グリッドとを備える。いくつかの実施形態では、堆積-成長室への入口は、中央イオン拡散ゾーン内にある。いくつかの実施形態では、上部ガス蓄積ゾーンは、過剰ガス放出ポートを備える。
【0010】
本開示の付加的側面および利点は、本開示の例証的実施形態のみが、示され、説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白である点において修正が可能である。故に、図面および説明は、性質上、制限的ではなく、例証的と見なされるものである。
【0011】
(参照による組み込み)
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含有される開示と矛盾する範囲について、本明細書は、いかなるそのような矛盾する資料にも取って代わる、および/または優先されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明と、付随の図面(また、本明細書では、図(「Figure」および「FIG.」)とを参照することによって取得されるであろう。
【0013】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、金属化合物のブロック結晶を生産するためのプロセスのフローチャートである。
【0014】
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、製錬溶鉱炉を図式的に図示する。
【0015】
【
図3】
図3は、製錬溶鉱炉の代替実施形態を図式的に図示する。
【0016】
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、第1の断片化デバイスを図式的に図示する。
【0017】
【
図5】
図5は、断片化デバイスの第2の実施形態を図式的に図示する。
【0018】
【
図6】
図6は、断片化デバイスの第3の実施形態を図式的に図示する。
【0019】
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバを図式的に図示する。
【0020】
【
図8】
図8は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第2の実施形態を図式的に図示する。
【0021】
【
図9】
図9は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第3の実施形態を図式的に図示する。
【0022】
【
図10】
図10は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第4の実施形態を図式的に図示する。
【0023】
【
図11】
図11は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第5の実施形態を図式的に図示する。
【0024】
【
図12】
図12は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第6の実施形態を図式的に図示する。
【0025】
【
図13】
図13は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第7の実施形態を図式的に図示する。
【0026】
【
図14】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、金属化合物のブロック結晶を生産するための成長チャンバを図式的に図示する。
【0027】
【
図15】
図15は、金属化合物のブロック結晶を生産するための成長チャンバの第2の実施形態を図式的に図示する。
【0028】
【
図16】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、化合物のブロック結晶を生産するための垂直装置を図式的に図示する。
【0029】
【
図17】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置の製錬溶鉱炉を図式的に図示する。
【0030】
【
図18】
図18は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置の断片化デバイスを図式的に図示する。
【0031】
【
図19】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置のイオン化チャンバを図式的に図示する。
【0032】
【
図20】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置の成長チャンバを図式的に図示する。
【0033】
【
図21】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、窒化ガリウムブロック結晶を生産するためのプロセスのフローチャートである。
【0034】
【
図22】
図22は、本開示のいくつかの実施形態による、化合物のブロック結晶を生産するための水平装置を図式的に図示する。
【0035】
【
図23】
図23は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置の製錬溶鉱炉を図式的に図示する。
【0036】
【
図24】
図24は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置の断片化デバイスを図式的に図示する。
【0037】
【
図25】
図25は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置のイオン化チャンバを図式的に図示する。
【0038】
【
図26】
図26は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置の成長チャンバを図式的に図示する。
【0039】
【
図27】
図27は、本開示のいくつかの実施形態による、炭化ケイ素ブロック結晶を生産するためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(詳細な説明)
本発明の種々の実施形態が、本明細書に図示および説明されているが、そのような実施形態は、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、採用されてもよいことを理解されたい。
【0041】
用語「少なくとも~」、「~を上回る」、または「~を上回るまたはそれに等しい」が、一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときは常に、用語「少なくとも」、「~を上回る」、または「~を上回るまたはそれに等しい」は、その一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、「1、2、または3を上回るまたはそれに等しい」は、「1を上回るまたはそれに等しい」、「2を上回るまたはそれに等しい」、または「3を上回るまたはそれに等しい」と同等である。
【0042】
用語「~以下」、「~未満」、または「~未満またはそれに等しい」が、一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときは常に、用語「~以下」、「~未満」、または「~未満またはそれに等しい」は、その一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、「3、2、または1未満またはそれに等しい」は、「3未満またはそれに等しい」、「2未満またはそれに等しい」、または「1未満またはそれに等しい」と同等である。
【0043】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、金属化合物のブロック結晶を生産するためのプロセスのフローチャートである。動作101では、源金属が、高温コンテナの中に設置される。コンテナからの空気は、真空排気され、完全または部分的真空を形成し得る。源金属は、次いで、液体状態まで加熱され、特定の温度に維持され、平滑流を促進し得る。ある場合には、コンテナからの空気の真空排気後、コンテナは、液体金属の(例えば、空気または他の不純物との)汚染を防止するように、不活性ガスで充填されてもよい。不活性ガスは、ヘリウム、窒素、アルゴン、または同等物であってもよい。
【0044】
源金属は、ガリウム、アルミニウム、シリコン、またはそれらの組み合わせ等、高純度を伴う金属であってもよい。コンテナの温度は、源金属が単一純金属であるとき、源金属の融点を上回ってもよい、すなわち、源金属が、金属の組み合わせである場合、コンテナの温度は、最高融点を伴う金属の組み合わせ内の金属の融点を上回ってもよい。
【0045】
高温コンテナは、開放され、製錬溶鉱炉の上部がコンテナを外部環境からシールする状態で、製錬溶鉱炉の底部の中心に位置してもよく、代替として、高温コンテナは、その独自のシールを有してもよい。
【0046】
動作102では、液体金属が、細い液体金属流となるようにされる。細い液体金属流は、次いで、多段階プロセスにおいて断片化され、溶媒のない、微細または超微細(ナノスケール)金属粒子を発生させる。多段階断片化は、液体金属流の霧化および水蒸気化を含んでもよい。霧化および水蒸気化は、別個に、連続して、または単一の統合されたステップにおいて、実施されることができる。
【0047】
霧化は、高圧ガス、ある周波数を伴う機械的振動器、または超音波噴霧器を使用して、実施されてもよい。霧化は、単一デバイスによって、複数のデバイスによって連続して、または複数のデバイスがともに動作することによって、実施されてもよい。概して、ガス霧化は、30~50μmの平均粒子サイズを伴う粒子を生成することができる。超音波霧化は、10~20μmの平均粒子サイズを伴う粒子を生成し得る。また、その両方とも、総重量の2~3%未満を占める、0.4~0.6kg/時において100~500nmのより小さいサイズを伴う粒子を発生させることができる。水蒸気化は、誘導加熱器、直流アーク水蒸気化器、マイクロ波源、プラズマ源、またはレーザ水蒸気化器を使用して、実施されてもよい。水蒸気化は、高温下で、蒸発されたマイクロおよびマイクロナノ金属粒子をもたらす。水蒸気化デバイス(10,000℃を上回る温度を伴うプラズマ等)は、10μm未満のサイズを伴う金属粒子のみに作用し、それらを10~100nmサイズを伴う粒子に分解し得る。そうでなければ、これは、それらを全く分解せず、硬質シェルを表面反応からもたらし、これは、分解することが困難であり得る。しかしながら、プラズマのコストは、高い。
【0048】
動作103では、超微細金属粒子が、イオン化チャンバの中に誘導される。イオン化チャンバの温度は、金属の分解温度を上回り、超微細粒子のさらなるイオン化を促進するように設定される。一方、高温に起因して、イオン化チャンバ内の金属化合物(多結晶)の形成は、回避または低減される。
【0049】
動作103では、粒子が均質化されるように、不活性ガス(例えば、ヘリウム、窒素、またはアルゴン)が、イオン化された金属粒子と混合および掻混するために導入される、すなわち、不活性ガスが、内壁上への粒子の接着を回避または低減させるように、イオン化チャンバの内壁に沿って、回転、吹送、および掃引させられる。不活性ガスによって駆動される、イオン化された金属粒子は、より多くのイオン化された金属粒子が発生されるように、相互に衝突し、より小さくなる。イオン化チャンバ内のイオン化された金属粒子の凝集および蓄積は、粒子の持続移動によって最小限にされる。
【0050】
動作104では、イオン化された金属粒子が、高濃度の粒子を高温で有する、イオン化チャンバから、より低い濃度の粒子をより低い温度で有する、成長チャンバに拡散する。拡散後、イオン化された金属粒子は、成長チャンバの下側部分の中に均一に分散され、ゆっくりと落下し、蓄積し、無触媒反応性ガスと反応し、好適な温度で円形溝内で成長し、成長チャンバの底部内で大円筒形金属化合物ブロック結晶となる。
【0051】
本開示に説明される装置および方法は、反応種、融解温度、およびイオン化チャンバおよび成長チャンバ内の環境を調節することによって、多くの異なるタイプのブロック結晶を生産するように適合されることができる。本方法を用いて生産される、ブロック結晶の実施例は、金属の窒化物、酸化物、および炭化物、ならびに同等物である。
【0052】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、製錬溶鉱炉1110を図式的に図示する。製錬溶鉱炉1110は、源金属を保持するための真空るつぼ/コンテナ1111と、真空排気チャネル1112と、ガスチャネル1113と、細い液体金属流のための方向転換パイプ1114とを含む。真空るつぼ/コンテナ1111は、上部が開放される。真空排気チャネル1112およびガスチャネル1113は、製錬溶鉱炉1110の上部の上に位置する。真空排気チャネル1112は、負圧を使用して、空気を真空るつぼ/コンテナ1111から除去し、完全または部分的真空を発生させることができる。ガスチャネル1113は、不活性ガスを真空るつぼ/コンテナ1111の中に導入することができる。方向転換パイプ1114は、真空るつぼ/コンテナ1111の底部に接続される。方向転換パイプ1114の反対端は、断片化デバイスに接続されてもよい。
【0053】
図3は、製錬溶鉱炉の代替実施形態を図式的に図示する。
図3の製錬溶鉱炉1120は、源金属を保持するための真空るつぼ/コンテナ1121と、真空排気チャネル1122と、ガスチャネル1123と、細い液体金属流のための方向転換パイプ1124とを含む。真空るつぼ/コンテナ1111は、上部がシールされる。真空排気チャネル1122およびガスチャネル1123は、真空るつぼ/コンテナ1121の上部の上に位置し、方向転換パイプ1124は、真空るつぼ/コンテナ1121の底部に接続される。方向転換パイプ1124の反対端は、断片化デバイスに接続されてもよい。
【0054】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、第1の断片化デバイス1210を図式的に図示する。第1の断片化デバイス1210は、収集タンク1211と、超微細金属粒子のための出口1212と、霧化デバイス1213と、粒子選択器1214と、粗液滴のための放出ポート1215とを含む。粒子選択器1214は、あるサイズの粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成されてもよい(例えば、粒子選択器1214を通して通過する、粒子の少なくとも85%に関して、約500nm以下)。いくつかの実施形態では、粒子は、より小さい(およびより軽量)粒子が、主に、第1の断片化デバイス1210の上側部分に滞留(または懸濁)し得る一方、より大きい(およびより重い)粒子が、主に、第1の断片化デバイス1210の下側部分に滞留(または懸濁)し得るように、第1の断片化デバイス内に分散される。いくつかの実施形態では、粒子選択器1214は、所定の粒子サイズを伴う粒子が、粒子選択器1214を通して通過し、出口1212に進入することを可能にされるように、圧力差を第1の断片化デバイス1210の少なくとも大部分と出口1212の入口の周囲の出口1212との間に印加する。いくつかの実施形態では、圧力差および/または粒子選択器1214の場所(例えば、第1の断片化デバイスの側壁に沿って垂直に分散される、複数の出口1212およびその対応する粒子選択器1214が存在してもよい、または異なる第1の断片化デバイス1210は、第1の断片化デバイス1210の底部に対して出口1212およびその対応する粒子選択器1214のための異なる位置を有してもよい)は、粒子の異なるサイズ範囲が粒子選択器1214を通して通過することを可能にするように調節されることができる。いくつかの実施形態では、粒子選択器は、複数の傾斜ガス孔を備えてもよく、その配向は、出口1212の通路に沿って、および第1の断片化デバイス1210から離れるように、不活性ガスを注入することができる。いくつかの実施形態では、複数の傾斜孔は、断片化デバイスから離れるように向いてもよい。いくつかの実施形態では、複数の傾斜孔を通して注入される不活性ガスによって引き起こされる推進力は、所定のサイズの粒子が出口1212の中に押動され得るように、圧力差を生成する。いくつかの実施形態では、複数の孔は、不活性ガス源と接続されてもよい。いくつかの実施形態では、粒子選択器1214は、そのサイズが、約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500nm以下である、粒子を選択するように構成される。いくつかの実施形態では、粒子サイズの選択された範囲毎に、粒子サイズの選択された範囲を有する、粒子は、粒子選択器1214を通して通過する、粒子の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%である。大きすぎ、粒子選択器1214を通して通過することができない、粒子は、最終的に、第1の断片化デバイス1210の底部に落下し、放出ポート1215を通して通過し得る。そのような粒子は、後に再使用されてもよい。出口1212は、収集タンク1211の側面の上に位置し、霧化デバイス1213は、収集タンク1211の上部の上に位置し、粒子選択器1214は、出口1212の内壁上に位置し、または埋設され、粗金属液滴のための放出ポート1215は、収集タンク1211の底部の上に位置する。
【0055】
図5は、断片化デバイス1220の第2の実施形態を図式的に図示する。第2の断片化デバイス1220は、収集タンク1221と、マイクロナノ金属粒子のための出口1222と、霧化デバイス1223と、水蒸気化デバイス1224と、粗金属液滴のための放出ポート1225とを含む。マイクロナノ金属粒子のための出口1222は、金属液体の収集タンク1221の側面の上に位置し、霧化デバイス1223は、収集タンク1221の上部に位置し、水蒸気化デバイス1224は、マイクロナノ金属粒子のための出口1222に接続され、粗金属液滴のための放出ポート1225は、金属液体の収集タンク1221の底部の上に位置する。霧化デバイスが、最初に使用されてもよい。次いで、10μm未満のサイズを伴う粒子が、水蒸気化のために選択されてもよく、より粗い粒子は、再霧化のために残される。最後に、より小さい選択された粒子が、ナノメートルまたは原子粒子をさらに分解するために、収集タンクと水蒸気化デバイスとの間の圧力差によって、水蒸気化デバイスに誘導されてもよい。
【0056】
図6は、断片化デバイス1230の第3の実施形態を図式的に図示する。第3の断片化デバイス1230は、霧化デバイス1231と、水蒸気化デバイス1232とを含む。霧化デバイス1231および水蒸気化デバイス1232は、直列に接続される、または統合され、第3の断片化デバイス1230を形成してもよい。
【0057】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバ1310を図式的に図示する。イオン化チャンバ1310は、ライナ1311と、入口1312と、出口1313と、イオン選択器1314と、粒子回転-懸濁設定1315と、粗粒子のための放出ポート1316とを含む。粒子回転-懸濁設定1315は、複数の傾斜および直線ガス孔を有してもよい。いくつかの実施形態では、複数の傾斜および直線ガス孔は、略円形形状を形成してもよく、イオン化チャンバ1310の底部に実質的に均一に分散される。いくつかの実施形態では、複数の傾斜および直線ガス孔は、実質的に交互パターンにおいて分散されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の傾斜および直線ガス孔は、1つ以上の直線ガス孔後、1つ以上の傾斜ガス孔が続くように、分散されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン化チャンバの底部に形成される、複数の傾斜および直線ガス孔の複数の円形形状またはリングもしくはストリングが、存在してもよい。いくつかの実施形態では、複数の傾斜および直線ガス孔の少なくとも一部は、マトリクスをイオン化チャンバの底部に形成する。孔が、イオン化チャンバの底部の上に、位置する、またはリング(または円形形状または不規則的形状)が、埋設される。本明細書で使用されるように、用語「直線ガス孔」は、それを通してガスが、上向き方式等において、例えば、イオン化チャンバの中心軸またはイオン化チャンバの垂直側壁と略平行に、イオン化チャンバの中に注入される、ガス孔を指す。本明細書で使用されるように、用語「傾斜ガス孔」は、それを通してガスが、イオン化チャンバの中心軸に対して(例えば、少なくとも10、15、20、25、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85度の)角度において、またはイオン化チャンバの中心軸を上回ってイオン化チャンバの底部表面に向かって傾いて、もしくはイオン化チャンバの底部表面に対して(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、または25度以下の)角度において、イオン化チャンバの中に注入される、ガス孔を指す。傾斜孔からのガスは、粒子が、ガス流に伴って、底部から上部に回転されるように、イオン化チャンバのライナの内壁に沿って、吹送および掃引する、すなわち、直線孔によって導入されるガスは、イオン化チャンバの底部に落下する、より大きい粒子が、上下に跳躍し、相互に衝突し、分解されるように、上向きに流動する。イオン化チャンバ1311の入口1312は、ライナ1311の上部の上に位置し、出口1313は、ライナ1311の側面の上に位置し、イオン選択器1314は、出口1313の内壁上に埋設され、粒子回転-懸濁設定1315は、粗粒子のための放出ポート1316の周囲に位置し、または埋設され、粗粒子のための放出ポート1316は、ライナ1311の底部の上に位置する。
【0058】
イオン選択器1314は、あるサイズのイオンがそれを通して通過することを可能にするように構成されてもよい(例えば、イオン選択器1314を通して通過する、イオンの少なくとも85%に関して、約500nm以下)。
【0059】
いくつかの実施形態では、粒子は、より小さい(およびより軽量)イオンが、主に、イオン化チャンバ1310の上側部分に滞留(または懸濁)し得る一方、より大きい(およびより重い)イオンが、主に、イオン化チャンバ1310の下側部分に滞留(または懸濁)し得るように、イオン化チャンバ1310内に分散される。いくつかの実施形態では、イオン選択器1314は、所定の粒子サイズを伴うイオンが、イオン選択器1314を通して通過し、出口1313に進入することを可能にされるように、圧力差をイオン化チャンバ1310の少なくとも大部分と出口1313の入口の周囲の出口1313との間に印加する。いくつかの実施形態では、圧力差および/またはイオン選択器1314の場所(例えば、イオン化チャンバ1310の側壁に沿って垂直に分散される、複数の出口1313およびその対応するイオン選択器1314が存在してもよい、または異なるイオン化チャンバ1310は、イオン化チャンバ1310の底部に対して出口1313およびその対応するイオン選択器1314のための異なる位置を有してもよい)は、イオンの異なるサイズ範囲がイオン選択器1314を通して通過することを可能にするように調節されることができる。いくつかの実施形態では、イオン選択器は、複数の傾斜ガス孔を備えてもよく、その配向は、出口1313の通路に沿って、およびイオン化チャンバ1310から離れるように、不活性ガスを注入することができる。いくつかの実施形態では、複数の傾斜孔は、イオン化チャンバ1310から離れるように向いてもよい。いくつかの実施形態では、複数の傾斜孔を通して注入される不活性ガスによって引き起こされる推進力は、所定のサイズのイオンが出口1313の中に押動され得るように、圧力差を生成する。いくつかの実施形態では、複数の孔は、不活性ガス源と接続されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン選択器1314は、そのサイズが、約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500nm以下である、イオンを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、イオンサイズの選択された範囲毎に、粒子サイズの選択された範囲を有する、イオンは、イオン選択器1314を通して通過する、粒子の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%である。
【0060】
図8は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第2の実施形態を図式的に図示する。イオン化チャンバ1320は、ライナ1321と、入口1322と、出口1323と、粒子回転-懸濁設定1324とを含む。入口1322は、ライナ1321の上部の上に位置し、出口1323は、ライナ1321の底部の上に位置し、粒子回転-懸濁設定1324は、ライナ1321の底部の上に位置する、または埋設される。
【0061】
図9は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第3の実施形態を図式的に図示する。イオン化チャンバ1330は、ライナ1331と、入口1332と、出口1333と、粒子選択器1334と、粒子回転-懸濁設定1335と、粗粒子のための放出ポート1336とを含む。入口1332は、ライナ1331の側面の上に位置し、出口1333は、ライナ1331の上部の上に位置し、粒子選択器1334は、出口1333の内壁の屈曲部上に埋設され、粒子回転-懸濁設定1335は、粗粒子のための放出ポート1336の周囲に位置し、または埋設され、粗粒子のための放出ポート1336は、ライナ1331の底部の上に位置する。
【0062】
図10は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第4の実施形態を図式的に図示する。イオン化チャンバ1340は、ライナ1341と、入口1342と、出口1343と、粒子回転-懸濁設定1344とを含む。入口1342は、ライナ1341の側面の上に位置し、出口1343は、ライナ1341の底部の上に位置し、粒子回転-懸濁設定1344は、ライナ1341の底部の上の出口1343の周囲に位置する、または埋設される。
【0063】
図11は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第5の実施形態を図式的に図示する。イオン化チャンバ1350は、ライナ1351と、入口1352と、出口1353と、粒子選択器1354と、粒子回転-懸濁設定1355と、粗粒子のための放出ポート1356とを含む。入口1352は、ライナ1351の片側に位置し、出口1353は、ライナ1351の別の側に位置し、粒子選択器1354は、出口1353の内壁上に埋設され、粒子回転-懸濁設定1355は、粗粒子のための放出ポート1356の周囲に位置し、または埋設され、粗粒子のための放出ポート1356は、ライナ1351の底部の上に位置する。
【0064】
図12は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第6の実施形態を図式的に図示する。イオン化チャンバ1360は、ライナ1361と、入口1362と、出口1363と、粒子選択器1364と、粒子回転-懸濁設定1365とを含む。入口1362は、ライナ1361の底部の上に位置し、出口1363は、ライナ1361の上部の上に位置し、粒子選択器1364は、出口1363の周囲に位置し、または埋設され、粒子回転-懸濁設定1365は、入口1362の周囲に位置する、または埋設される。
【0065】
図13は、イオン化された粒子を発生させるためのイオン化チャンバの第7の実施形態を図式的に図示する。イオン化チャンバ1370は、ライナ1371と、入口1372と、出口1373と、粒子選択器1374と、粒子回転-懸濁設定1375とを含む。入口1372は、ライナ1371の底部の上に位置し、出口1373は、ライナ1371の側面の上に位置し、粒子選択器1374は、出口1373の周囲に位置し、または埋設され、粒子回転-懸濁設定1375は、ライナ1371の底部の上の入口1372の周囲に位置する、または埋設される。
【0066】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、金属化合物のブロック結晶を生産するための成長チャンバ1410を図式的に図示する。成長チャンバ1410は、堆積-成長室1411と、イオン拡散ゾーン1412と、結晶成長ゾーン1413と、堆積-成長室1411の入口1414と、隔離グリッド1415と、堆積-成長溝1416と、過剰ガスのための放出ポート1417とを含む。
【0067】
堆積-成長室1411は、2つのゾーン、すなわち、イオン拡散ゾーン1412と、結晶成長ゾーン1413とに分割される。イオン拡散ゾーン1412は、堆積-成長室1411の上側部分の中に位置し、結晶成長ゾーン1413は、堆積-成長室1411の下側部分の中に位置し、堆積-成長室の入口1414は、堆積-成長室1411の上部の上に位置し、隔離グリッド1415は、イオン拡散ゾーン1412と結晶成長ゾーン1413との間に設定される。隔離グリッド1415は、イオン拡散ゾーン1412と結晶成長ゾーン1413との間に温度差を形成し、粒子の均一拡散を可能にすることができる。堆積-成長溝1416は、堆積-成長室1411の底部の上方に位置し、過剰ガスのための放出ポート1417は、堆積-成長チャンバ1411の上部内に位置する。
【0068】
図15は、金属化合物のブロック結晶を生産するための成長チャンバの第2の実施形態を図式的に図示する。成長チャンバ1420は、堆積-成長室1421と、過剰ガス蓄積ゾーン1422と、イオン拡散ゾーン1423と、結晶成長ゾーン1424と、堆積-成長室1421の入口1425と、過剰ガスのための隔離グリッド1426と、隔離グリッド1427と、堆積-成長溝1428と、過剰ガスのための放出ポート1429とを含む。
【0069】
堆積-成長室1421は、3つのゾーン、すなわち、過剰ガス蓄積ゾーン1422と、イオン拡散ゾーン1423と、結晶成長ゾーン1424とに分割される。過剰ガス蓄積ゾーン1422は、堆積-成長室1421の上側部分の中に位置し、イオン拡散ゾーン1423は、堆積-成長室1421の中央部分の中に位置し、結晶成長ゾーン1424は、堆積-成長室1421の下側部分の中に位置する。堆積-成長室の入口1425は、堆積-成長室1421のイオン拡散ゾーン1423の中央部分の中に位置する。過剰ガスのための隔離グリッド1426は、過剰ガス蓄積ゾーン1422とイオン拡散ゾーン1423との間に設定され、隔離グリッド1427は、イオン拡散ゾーン1423と結晶成長ゾーン1424との間に設定され、堆積-成長溝1428は、堆積-成長室1421の底部の上方に位置し、過剰ガスのための放出ポート1429は、堆積-成長室1421の上部に位置する。
【0070】
上記に説明される、溶鉱炉、断片化デバイス、イオン化チャンバ、および成長チャンバは、組み合わせられ、金属化合物(例えば、窒化ガリウム)のブロック結晶を生産するための装置を形成してもよい。
【0071】
(実施形態1)
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、化合物(例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、または炭化ケイ素)のブロック結晶を生産するための垂直装置を図式的に図示する。
図16の説明は、具体的には、窒化ガリウムを参照するであろうが、当業者は、他の化合物も本装置を使用して形成されることができることを理解するであろう。
図16の装置は、製錬溶鉱炉210と、断片化デバイス220と、イオン化チャンバ230と、成長チャンバ240とを含む。本装置は、垂直構造であって、製錬溶鉱炉210は、断片化デバイス220の上方にあって、これは、イオン化チャンバ230の上方にあって、これは、成長チャンバ240の上方にある。
【0072】
製錬溶鉱炉210内のガリウム金属は、ガリウム液体金属が、自動的に、断片化デバイス220の中に流動する、またはその中に導かれるように、真空排気、加熱、および液化され、液体金属となる。
【0073】
断片化デバイス220では、ガリウム液体金属が、複数の断片化(霧化および水蒸気化)処置を受け、徐々に、溶媒を使用せずに、微細および超微細ガリウム金属粒子となり、次いで、粒子は、自動的に、イオン化チャンバ230の中に進入または落下する。あるサイズを下回る粒子のみが、イオン化チャンバ230に進入し得る。より大きい粒子は、断片化デバイス220の底部に懸濁されたままとなり、および/またはそこに落下し、再使用されてもよい。
【0074】
イオン化チャンバ230の温度は、窒化ガリウム多結晶が形成されず、超微細ガリウム金属粒子が完全にイオン化させられるように、設定されてもよい。微細および超微細ガリウム金属粒子は、窒素と完全に混合され、掻混され、さらに、ガリウムイオンの均一分布を形成するまで加熱される。
【0075】
ガス(例えば、窒素またはアルゴン)が、粒子が均質化されるように、イオン化されたガリウム粒子と混合および掻混するために、イオン化チャンバ230の中に圧送される。ガスは、ライナの内壁上へのイオン化されたガリウム粒子の接着を低減させるように、イオン化チャンバ230のライナの内壁を吹送および掃引するために、底部から上部に回転するようにさせられる。同時に、ガスによって駆動される、イオン化されたガリウム粒子は、より多くのイオン化されたガリウム粒子が発生されるように、相互に衝突し、より小さくなる、すなわち、イオン化されたガリウム粒子の凝集および蓄積は、それによって、最小限にされる。
【0076】
ガリウムイオンは、成長チャンバ240の中に導入され、最初に、成長チャンバ240の上側部分の中のイオン拡散ゾーンに進入する。温度差、イオン/粒子濃度、および反応性ガス流の協調作用下で、ガリウムイオンは、イオン拡散と結晶成長ゾーンとの間の隔離グリッドを通して通過し、窒化ガリウムの成長チャンバ240の下側部分の中の結晶成長ゾーンに進入する。結晶成長ゾーンの温度は、窒化ガリウム結晶の成長に有益である、範囲内に設定される、すなわち、ガリウムイオンは、結晶成長ゾーン内に散乱され、均一に分散される。最後に、ガリウムイオンは、ゆっくりと落下および蓄積し、無触媒反応性ガス(例えば、NH3)と反応し、成長チャンバ240の底部における堆積溝内で成長し、厚さのある窒化ガリウムブロック結晶を形成する。
【0077】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置の製錬溶鉱炉210を図式的に図示する。製錬溶鉱炉210は、真空るつぼ/コンテナ211と、真空排気チャネル212と、ガスチャネル213と、方向転換パイプ214とを含む。製錬溶鉱炉210は、シールされる。真空排気チャネル212およびガスチャネル213は、製錬溶鉱炉210の上部の上に位置し、上部が開放される、真空るつぼ/コンテナ211は、製錬溶鉱炉210の底部の上の中心に位置し、液体金属ガリウムのための方向転換パイプ214は、真空るつぼ/コンテナ211の底部に接続される。方向転換パイプ214の反対端は、断片化デバイス220に接続される。
【0078】
図18は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置の断片化デバイス220を図式的に図示する。断片化デバイス220は、霧化デバイス221と、水蒸気化デバイス222とを含む。霧化デバイス221および水蒸気化デバイス222は、直列に接続され、またはともに統合され、断片化デバイス220を形成し、イオン化チャンバ230の上部に埋設される。
【0079】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置のイオン化チャンバ230を図式的に図示する。イオン化チャンバ230は、ライナ231と、入口232と、出口233と、回転-懸濁設定234とを含む。入口232は、ライナ231の上部に位置し、出口233は、ライナ231の底部の中に位置し、回転-懸濁設定234は、ライナ231の底部の上の角に位置する、または埋設される。
【0080】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、
図16の装置の成長チャンバ240を図式的に図示する。成長チャンバ240は、堆積-成長室241と、ガリウムイオン拡散ゾーン242と、成長ゾーン243と、入口244と、隔離グリッド245と、堆積-成長溝246と、過剰ガスのための放出ポート247とを含む。堆積-成長室241は、2つのゾーン、すなわち、ガリウムイオン拡散ゾーン242と、成長ゾーン243とに分割される。ガリウムイオン拡散ゾーン242は、堆積-成長室241の上側部分の中に位置し、成長ゾーン243は、堆積-成長室241の下側部分の中に位置し、入口244は、堆積-成長室241の上部に位置し、隔離グリッド245は、ガリウムイオン拡散ゾーン242と成長ゾーン243との間に設定され、窒化ガリウム結晶の堆積-成長溝246は、堆積-成長室241の底部の上方に位置し、放出ポート247は、窒化ガリウムの堆積-成長チャンバ241の上部の上に位置する。
【0081】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、窒化ガリウムブロック結晶を生産するためのプロセスのフローチャートである。
【0082】
動作201では、純金属ガリウムが、真空るつぼ/コンテナ211内に設置される。純金属ガリウムは、29.78℃より高い温度において、真空排気、加熱、および液化される。液体金属ガリウムは、具体的温度(29.78℃より高い)に維持され、その流体性を維持し、不活性ガス(ヘリウム、窒素、またはアルゴン)が、純金属ガリウムと外部不純物の汚染を防止するために使用される。
【0083】
動作202では、液体金属ガリウム金属が、方向転換パイプ214を通して流動し、細い液体流を形成する。液体流は、最初に、霧化デバイス221に進入する。霧化デバイス221は、高周波数振動、超音波、または高圧を通して、マイクロサイズのガリウム金属粒子を発生させる。次いで、マイクロサイズのガリウム金属粒子は、水蒸気化デバイス222に進入する。水蒸気化デバイス222は、4,000℃を上回る温度で、マイクロサイズガリウム金属粒子を水蒸気化する。水蒸気化プロセスは、溶媒がなくてもよい。
【0084】
動作203では、超微細ガリウム金属粒子が、自動的に、イオン化チャンバのライナ231の中に落下する。ライナ231内の温度は、窒化ガリウム多結晶が形成されず、超微細ガリウム金属粒子が完全にイオン化されるように、1,300℃を上回って設定される。
【0085】
ガス(例えば、窒素またはアルゴン)が、次いで、粒子が均質化されるように、イオン化されたガリウム粒子と混合および掻混するために、回転-懸濁設定234を通して導入される。ガスは、ライナ231の内壁へのイオン化されたガリウム粒子の接着を低減させるように、ライナ231の内壁を吹送および掃引するために、底部から上部に回転させられる。同時に、ガスによって駆動される、イオン化されたガリウム粒子は、相互に衝突し、より小さくなる。このように、イオン化されたガリウム粒子の凝集および蓄積は、低減される。
【0086】
動作204では、イオン化されたガリウム粒子が、入口244を通して、堆積-成長室241の上側部分の中のガリウムイオン拡散ゾーン242に進入する。堆積-成長室241は、2つのゾーン、すなわち、ガリウムイオン拡散ゾーン242と、成長ゾーン243とを含有し、その中で温度は、異なる時間周期において、調節および制御される。反応性ガス(例えば、アンモニア)が、成長ゾーン242の中に導入される。窒化ガリウムの堆積時間は、窒化ガリウム結晶の要求される厚さによって判定される。
【0087】
温度差、イオン/粒子濃度、および反応性ガス流の協調作用下で、イオン化されたガリウム粒子は、隔離グリッド245を通して通過し、均一に拡散し、堆積-成長室241の下側部分の中の成長ゾーン243に進入する。イオン化されたガリウム粒子の拡散率は、低減される、すなわち、粒子は、堆積-成長室241の下側部分の中に位置する、成長ゾーン243内で均一に分散される。最後に、イオン化されたガリウム粒子は、ゆっくりと落下し、無触媒反応性ガス(例えば、窒素/N2、アンモニア/NH3)と反応し、厚さのある大円筒形窒化ガリウムブロック結晶を形成するために好適な温度を有する、堆積-成長室241の底部の上方の堆積溝内で成長する。
【0088】
ガリウムイオン拡散ゾーン242内の温度は、異なる時間周期において制御および調節される、すなわち、ガリウムイオン導入および結晶成長の間は、1,200~1,300℃であって、過剰ガス(H2およびN2)が放出される間は、800~1,200℃である。
【0089】
成長ゾーン243内の窒化ガリウムのための反応温度は、900~1,200℃に設定され、反応方程式は、以下のようになる。
【0090】
2Ga+N2=2GaN
【0091】
2Ga+2NH3=2GaN+3H2
【0092】
余分なガス(水素および窒素)は、それらの独自の重量のため、自動的に、上昇する。それらは、上向きに流動し、隔離グリッド245を通して通過し、ガリウムイオン拡散ゾーン242に進入する。ある時間周期後、過剰ガスは、堆積-成長室241の上部の上の成長チャンバ内の放出ポート247を通して放出される。
【0093】
(実施形態2)
図22は、本開示のいくつかの実施形態による、化合物(例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、または炭化ケイ素)のブロック結晶を生産するための水平装置を図式的に図示する。
図22の説明は、具体的には、炭化ケイ素を参照するであろうが、当業者は、他の化合物も本装置を使用して形成されることができることを理解するであろう。
【0094】
図22に示されるように、本装置は、製錬溶鉱炉310と、断片化デバイス320と、イオン化チャンバ330と、成長チャンバ340とを含む。
図22の装置は、垂直-水平混合構造である。製錬溶鉱炉310は、断片化デバイス320の上方に位置し、イオン化チャンバ330は、断片化デバイス320の脇に位置し、成長チャンバ340は、イオン化チャンバ330の脇に位置する。
【0095】
製錬溶鉱炉310内のシリコン金属は、シリコン液体金属が、自動的に、断片化デバイス320の中に流動するように、真空下で設置、加熱、および液化され、液体金属を形成する。
【0096】
断片化デバイス320では、霧化デバイスおよび水蒸気化デバイスは、シリコン金属を処置するために別個に使用される。シリコン液体金属は、最初に、霧化を受け、マイクロおよびマイクロナノスケールシリコン粒子を形成する。マイクロナノスケールシリコン粒子が、水蒸気化処置のために選択され、超微細シリコン金属粒子となり、より大きいマイクロシリコン粒子は、残され、再使用のためにともに集められる。超微細シリコン金属粒子は、水蒸気化デバイスを通して、イオン化チャンバ330に指向される。
【0097】
イオン化チャンバ330の温度は、炭化ケイ素多結晶が形成されず、超微細シリコン金属粒子が完全にイオン化させられるように、炭化ケイ素の分解温度を上回って設定される。
【0098】
ガス(例えば、窒素)が、粒子が均質化されるように、イオン化されたシリコン粒子と混合および掻混するために、イオン化チャンバ330の中に導入される。ガスは、イオン化チャンバ330のライナの内壁へのイオン化されたシリコン粒子の接着を低減させるように、イオン化チャンバ330のライナの内壁を吹送および掃引するために、底部から上部に回転させられる。同時に、ガスによって駆動される、イオン化されたシリコン粒子は、付加的より小さいイオン化されたシリコン粒子が発生されるように、相互に衝突し、より小さくなる、すなわち、イオン化されたシリコン粒子の凝集および蓄積は、それによって、低減される。
【0099】
イオン化チャンバ330の上部の上の粒子選択-配向設定を通して、イオン化されたシリコン粒子は、成長チャンバ340の中に指向される。最初に、粒子は、成長チャンバ340の中央部分におけるイオン拡散ゾーンに進入し、均一に拡散するように誘導される。温度差、イオン/粒子濃度、および反応性ガス流の協調作用下で、イオン化されたシリコン粒子は、イオン拡散と結晶成長ゾーンとの間の隔離グリッドに落下し、それを通して通過し、成長チャンバ340の下側部分における結晶成長ゾーンに進入する。結晶成長ゾーン内の温度は、炭化ケイ素結晶の成長に有益であるように設定される。イオン化されたシリコン粒子が、イオン拡散ゾーンと結晶成長ゾーンとの間の隔離グリッドを通して通過後、それらは、成長チャンバ340の下側部分における結晶成長ゾーンの周囲に拡散し、ゆっくりと落下し、蓄積し、無触媒反応性ガスと反応し、厚さのある大高純度炭化ケイ素ブロック結晶を形成するための好適な温度において、成長チャンバ340の底部の上方の堆積溝内で成長する。
【0100】
図23は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置の製錬溶鉱炉310を図式的に図示する。製錬溶鉱炉310は、真空るつぼ/コンテナ311と、真空排気チャネル312と、ガスチャネル313と、液体の方向転換パイプ314とを含む。真空排気チャネル312およびガスチャネル313は、真空るつぼ/コンテナ311の上部の上に位置する。真空排気チャネル312は、真空を発生させるように、空気を真空るつぼ/コンテナ311から除去することができる。ガスチャネル313は、非反応性ガスを真空るつぼ/コンテナ311の中に導入することができる。方向転換パイプ314の一端は、真空るつぼ/コンテナ311の底部に接続され、他端は、直接、断片化デバイス320に接続される。
【0101】
図24は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置の断片化デバイス320を図式的に図示する。断片化デバイス320は、収集タンク321と、マイクロナノサイズのシリコン粒子のための出口322と、霧化デバイス323と、水蒸気化デバイス324と、粒子選択器325と、放出ポート326とを含む。方向転換パイプ314を通して、収集タンク321の上部は、真空るつぼ/コンテナ311の底部に接続される。マイクロナノサイズのシリコン粒子のための出口322は、収集タンク321の側面の上に位置する。霧化デバイス323および水蒸気化デバイス324は、別個に位置する。霧化デバイス323は、収集タンク321の上部に埋設され、水蒸気化デバイス324は、マイクロナノサイズのシリコン粒子のための出口322に接続され、粒子選択器325は、マイクロナノサイズのシリコン粒子の出口322の内壁上に埋設され、放出ポート326は、収集タンク321の底部に位置する。
【0102】
図25は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置のイオン化チャンバ330を図式的に図示する。イオン化チャンバ330は、ライナ331と、入口332と、出口333と、粒子選択器334と、粒子回転-懸濁設定335と、粗粒子のための放出ポート336とを含む。入口332は、ライナ331の中央部分の中に位置し、出口333は、ライナ331の上部の上に位置し、粒子選択器334は、複数の斜孔から成り、これは、均一に分散され、リングに形成され、出口333の上方に位置する。斜孔は、イオン化チャンバ330と成長チャンバ340との間のチャネルの角の内壁内に埋設される。粒子回転-懸濁設定335は、いくつかの斜孔および直線孔から成り、これは、均一に分散され、リングを形成し、ライナ331の底部の上および放出ポート336の周囲に埋設され、放出ポート336は、ライナ331の底部の中心に位置する。
【0103】
図26は、本開示のいくつかの実施形態による、
図22の装置の成長チャンバ340を図式的に図示する。成長チャンバ340は、堆積-成長室341と、過剰ガス蓄積ゾーン342と、シリコンイオン拡散ゾーン343と、成長ゾーン344と、入口345と、隔離グリッド346と、隔離グリッド347と、堆積-成長溝348と、過剰ガスのための放出ポート349とを含む。堆積-成長室341は、3つのゾーン、すなわち、過剰ガス蓄積ゾーン342と、シリコンイオン拡散ゾーン343と、成長ゾーン344とに分割される。過剰ガス蓄積ゾーン342は、堆積-成長室341の上側部分の中に位置し、シリコンイオン拡散ゾーン343は、堆積-成長室341の中央に位置し、成長ゾーン344は、堆積-成長室341の下側部分の中に位置する。入口345は、シリコンイオン拡散ゾーン343内に位置する。隔離グリッド346は、過剰ガス蓄積ゾーン342とシリコンイオン拡散ゾーン343との間に設定され、隔離グリッド347は、シリコンイオン拡散ゾーン343と成長ゾーン344との間に設定され、堆積-成長溝348は、堆積-成長室341の底部の中に位置し、シリコン炭素の成長チャンバ内の過剰ガスの放出ポート349は、堆積-成長室341の上部に位置する。
【0104】
図27は、本開示のいくつかの実施形態による、炭化ケイ素ブロック結晶を生産するためのプロセスのフローチャートである。
【0105】
動作301では、純金属シリコンが、真空るつぼ/コンテナ311の中に導入され、1,410℃またはそれを上回る高い温度で、真空下で設置、加熱、および液化される。液体金属シリコンは、具体的温度(1,410℃より高い)に維持され、より良好な流体性を維持し、不活性ガス(例えば、ヘリウム、窒素、またはアルゴン)が、シリコンを外部不純物との汚染から保護するために使用される。
【0106】
動作302では、液体金属シリコンが、別個のステップにおいて、霧化および蒸発される。液体金属シリコンは、霧化のための霧化デバイス323に進入し、マイクロおよびマイクロナノスケールシリコン粒子をもたらす。粒子選択器325は、粒子を4,000℃を上回る温度で水蒸気化する、水蒸気化デバイス324に進入するために十分に小サイズである、粒子が、超微細シリコン金属粒子となり、すなわち、より大きいシリコン粒子が、残され、収集タンク321の底部に落下し、ともに集められ、再使用のために、放出ポート326を通して収集されることを可能にする。水蒸気化デバイス324を用いることで、超微細シリコン金属粒子は、自動的に、イオン化チャンバの入口332に向かって指向される。
【0107】
動作303では、超微細シリコン金属粒子が、イオン化チャンバのライナ331に進入する。ライナ331内の温度は、シリコン炭素多結晶が形成されず、超微細シリコン金属粒子が完全にイオン化させられるように、2,600℃を上回って設定される。
【0108】
より重い粒子は、イオン化チャンバのライナ331の底部に落下する。粒子回転-懸濁設定335から導入される、不活性ガス(例えば、ヘリウム、窒素、またはアルゴン)は、ライナ331の内壁へのイオン化されたシリコン粒子の接着を低減させるように、イオン化チャンバのライナ331の内壁に沿って、より重いシリコン粒子を回転、吹送、および掃引させる。一方、ガスによって駆動される、イオン化されたシリコン粒子は、相互に衝突し、より小さくなる。このように、イオン化されたシリコン粒子の凝集および蓄積もまた、低減される。
【0109】
イオン化されたシリコン粒子は、出口333を通して、堆積-成長室341の中に導入される。粒子選択器334は、十分に小サイズの粒子のみが堆積-成長室341に進入することを可能にする。ある相当時間周期後、それらの独自の重量に起因して、堆積-成長室341に進入することができない、より大きいシリコン粒子は、イオン化チャンバのライナ331の底部の上に残され、放出ポート336を通して放出される。
【0110】
動作304では、イオン化されたシリコン粒子が、堆積-成長室341の中央部分におけるシリコンイオン拡散ゾーン343の中に誘導される。堆積-成長室341は、3つの領域、すなわち、過剰ガス蓄積ゾーン342と、シリコンイオン拡散ゾーン343と、成長ゾーン344とを含有し、その中で温度は、異なる時間周期において調節および制御される。炭化ケイ素の堆積-成長時間は、要求される炭化ケイ素結晶の厚さによって判定される。
【0111】
温度差、イオン/粒子濃度、および反応性ガス流の協調作用下で、イオン化されたシリコン粒子は、隔離グリッド347を通して拡散し、堆積-成長室341の下側部分における成長ゾーン344に進入する。イオン化されたシリコン粒子は、堆積-成長室341の下側部分における成長ゾーン344内で均一に分散される。最後に、イオン化されたシリコン粒子は、落下し、蓄積し、無触媒反応性ガス(CH4)と反応し、大高純度円筒形炭化ケイ素ブロック結晶を形成するために好適な温度下で、円形堆積-成長溝348内で成長する。
【0112】
過剰ガス蓄積ゾーン342の温度は、異なる時間周期において制御および調節される、すなわち、シリコンイオンの導入および結晶成長の間は、2,500℃を上回り、過剰ガス(H2およびN2)が放出される間は、1,600~2,100℃である。シリコンイオンの導入および結晶成長の間、過剰ガス蓄積ゾーン342は、イオンが成長ゾーンの中に拡散させられるように、成長ゾーンに対してより高い温度差または勾配のためのより高い温度を維持する。そうでなければ、イオンは、過剰ガス蓄積ゾーンの中に上昇する。結晶成長の周期が、終了後、過剰ガス(H2およびN2)は、放出されることが要求され、過剰ガス蓄積ゾーンの温度は、より軽量ガスが放出するために上昇するように、低下する。シリコンイオン拡散ゾーン343内の温度は、以下のように制御および調節される、すなわち、シリコンイオンの導入および結晶成長の間は、2,300~2,600℃であって、過剰ガス(H2およびN2)が放出される間は、1,600~2,100℃である。
【0113】
成長ゾーン344内の炭化ケイ素のための反応温度は、1,800~2,500℃に設定され、反応方程式は、以下のようになる。
【0114】
Si+CH4=SiC+2H2
【0115】
残りのまたは余分なガス(H2およびN2)は、それらのより軽量重量のため、自動的に、上昇する。それらは、隔離グリッド347および隔離グリッド346を通して、上向きに流動し、過剰ガス蓄積ゾーン342に進入する。ある時間周期後、残りのまたは余分なガスは、堆積-成長室341の上部の上の放出ポート349を通して放出される。
【0116】
(結論)
本明細書に説明される方法およびデバイスは、採用される源金属および反応性ガスを切り替えることによって、窒素、酸素、および炭素系化合物等の異なる化合物ブロック結晶の生産のために容易に修正されることができる。加えて、本方法の主要特性は、熱エネルギー、運動エネルギー、および反応時間の組み合わせられた作用下で、物理的手段(例えば、機械的力/エネルギー)を使用して、溶媒および触媒を伴わずに、金属化合物バルク結晶を形成することである。本方法の付加的特性は、高圧ガス(例えば、ヘリウム、窒素、またはアルゴン)を使用して、液体流を源金属の粒子に分解することと、随意に、超音波を液体流に印加し、および/またはそれを機械的に振動させ、溶媒または化学手段を使用せずに、源金属の液体流またはより大きい粒子をさらに分解することとである。本方法のさらに付加的特性は、所定のサイズの粒子が断片化デバイスからイオン化チャンバに運搬され得るように、粒子選択器を霧化デバイスと水蒸気化デバイスとの間に挿入することと、所定のサイズのイオンがイオン化チャンバから成長チャンバに運搬され得るように、イオン選択器をイオン化チャンバと成長チャンバとの間に挿入することとである。本方法の付加的特性は、(例えば、粒子選択器、イオン選択器、および回転-懸濁設定のための)傾斜孔が、粒子またはイオンの堆積または凝集、または、それぞれ、デバイス、チャンバ、または出口への粒子またはイオンの接着を防止または低減させるように、デバイス、チャンバ、または出口等の内壁に沿って、不活性ガスを注入するために使用されることである。
【0117】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。本発明が、本明細書内で提供される具体的実施例によって限定されることを意図していない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的意味において解釈されることを意味していない。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面が、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載される、具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。したがって、本発明はまた、任意のそのような代替、修正、変形例、または均等物を網羅するものとすることが想定される。以下の請求項が、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が、それによって網羅されることを意図している。
【国際調査報告】