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特表2024-526937患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を決定する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を決定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503832
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 KR2022010698
(87)【国際公開番号】W WO2023003389
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095902
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524026746
【氏名又は名称】ヒュトム インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTOM INC.
【住所又は居所原語表記】6F., 279, Dongmak-ro, Mapo-gu, Seoul 04151 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ハン,イェジン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヒョン ウン
(72)【発明者】
【氏名】カン,テウォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ナク ジュン
(57)【要約】
本発明は、患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を決定する装置及び方法に関する。本発明によると、実際の手術時と同一の手術シミュレーションに利用される患者の気腹モデルにトロカールの配置位置を決定することによって、前記患者の実際の手術と同じカメラ(Endscope)を通じた身体内部の様子と手術器具の位置、臓器までの距離、角度などを正確度高く予測できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置によって行われる、患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する方法において、
手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUI(User Interface)を表示する段階と、
前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示する段階と、
前記UIを通じて前記仮想気腹モデルのへそから既に設定された距離だけ離れた位置をカメラ(endoscope)が挿入される基準トロカールの挿入位置として決定する段階と、
前記UIを通じて前記決定された基準トロカールの挿入位置を基準として前記仮想気腹モデルの表面上で少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定する段階と、
前記仮想気腹モデルの表面上で、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納する段階と、
前記患者を実際に手術するとき、前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供する段階と、
を含み、
前記距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と、前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離、並びに前記横及び縦距離に対する対角線距離を含む、方法。
【請求項2】
前記UIは、
前記仮想気腹モデルが平面ビュー(view)で表示されるメイン画面領域及び前記基準トロカールを通じて挿入された前記カメラを通じて撮影された前記仮想気腹モデルの内部映像を表示するプレビュー画面領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのトロカールは、前記UIを通じて前記メイン画面領域上で挿入位置の調整が可能であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プレビュー画面領域は、前記少なくとも1つのトロカールに挿入される器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入する様子を、前記カメラを通じて撮影してリアルタイムに表示することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記メイン画面領域は、前記格納された距離情報及び前記少なくとも1つのトロカールを通じて挿入される器具の情報が表示され、
前記プレビュー画面領域は、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールのポート番号を表示し、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールの位置で該当器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入するとき、内部の臓器と衝突するか否かを表示することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのトロカール挿入位置決定段階は、
前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点から前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置に該当する第2地点までの横、縦及び対角線方向の差値を計算し、
前記横、縦及び対角線方向に既に設定された単位の光線(Ray)を放射し、
前記仮想気腹モデルの表面に前記光線(Ray)が到達した3次元位置を格納し、
前記格納された3次元位置の距離を合算して前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのトロカール挿入位置決定段階は、
前記第2地点の位置が変更される場合、前記変更された第2地点の位置に基づいて前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置が変更されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ハードウェアであるコンピュータに請求項1のトロカールの配置位置を決定する方法を実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【請求項9】
患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する装置において、
手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデルを獲得する獲得部と、
前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUI(User Interface)を表示するディスプレイ部と、
前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示し、
前記UIを通じて前記仮想気腹モデルのへそから既に設定された距離だけ離れた位置をカメラ(endoscope)が挿入される基準トロカールの挿入位置として決定し、
前記UIを通じて前記決定された基準トロカールの挿入位置を基準として前記仮想気腹モデルの表面上で少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定し、
前記仮想気腹モデルの表面上で、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納し、
前記患者を実際に手術するとき、前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供するプロセッサを含み、
前記距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と、前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離、並びに前記横及び縦距離に対する対角線距離を含む、装置。
【請求項10】
前記UIは、
前記仮想気腹モデルが平面ビュー(view)で表示されるメイン画面領域及び前記基準トロカールを通じて挿入された前記カメラを通じて撮影された前記仮想気腹モデルの内部映像を表示するプレビュー画面領域を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのトロカールは、前記UIを通じて前記メイン画面領域上で挿入位置の調整が可能であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プレビュー画面領域は、前記少なくとも1つのトロカールに挿入される器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入する様子を、前記カメラを通じて撮影してリアルタイムに表示することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記メイン画面領域は、前記格納された距離情報及び前記少なくとも1つのトロカールを通じて挿入される器具の情報が表示され、
前記プレビュー画面領域は、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールのポート番号を表示し、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールの位置で該当器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入するとき、内部の臓器と衝突するか否かを表示することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定するとき、前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点から前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置に該当する第2地点までの横、縦及び対角線方向の差値を計算し、前記横、縦及び対角線方向に既に設定された単位の光線(Ray)を放射し、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線(Ray)が到達した3次元位置を格納し、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定するとき、前記第2地点の位置を変更する場合、前記変更された第2地点の位置に基づいて前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を変更することを特徴とする請求項14に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を決定する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院で手術を行う場合、直ちに手術を行わず、手術前の患者の条件を3Dシミュレーション(立体映像)した後、実際の手術と同じ条件の下にて仮想で手術を行える。
【0003】
このような仮想模擬手術の場合、精密な診断を事前に行える。そのため、専門医の勘に依存するのではなく、仮想模擬手術を通じて計画を立て、非常に小さい誤差まで減らしていくことができる。
【0004】
しかし、このような仮想模擬手術は、現実感が低下するという問題があった。また、外科的手術の場合、医療陣が実際の手術と同じ条件で仮想模擬手術を行えないという問題があった。
【0005】
特に、最小侵襲手術(例えば、ロボット手術又は腹腔鏡手術)を行う場合、実際の手術時と仮想模擬手術時にカメラの撮影方向と手術器具の進入地点が異なると、医療陣がシミュレーション過程で確認した映像と実際の手術時に見える映像とが異なり、器具の使用が異なることによって実際の手術と同一に訓練を行った効果が得られない恐れがある。
【0006】
そのため、腹腔内構造が腹腔内構造を確認するためのカメラの位置によって異なり得るため、仮想模擬手術時に実際の手術時と同様に気腹状態(pneumoperitoneum:患者の体内にガスを注入して手術を容易にするために患者のお腹を膨らませた状態)が適用された仮想気腹モデルの内部に同一にカメラと手術器具が進入するようにトロカールの位置を実際の手術時と同一に設定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、実際の手術時と同一の手術シミュレーションに利用される患者の気腹モデルにトロカールの配置位置を決定することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、患者の実際の気腹状態が予測された前記仮想気腹モデルに基づいて、実際の手術と同一にトロカールが配置された手術シミュレーション環境を提供することによって、前記手術シミュレーションが実際の手術に立派なリハーサルとしての役割を果たせるようにすることにある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及していない更に他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するための本発明に係る装置によって行われる、患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する方法において、手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUI(User Interface)を表示する段階と、前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示する段階と、前記UIを通じて前記仮想気腹モデルのへそから既に設定された距離だけ離れた位置をカメラ(endoscope)が挿入される基準トロカールの挿入位置として決定する段階と、前記UIを通じて前記決定された基準トロカールの挿入位置を基準として前記仮想気腹モデルの表面上で少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定する段階と、前記仮想気腹モデルの表面上で、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納する段階と、前記患者を実際に手術するとき、前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供する段階とを含み、前記距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と、前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離、並びに前記横及び縦距離に対する対角線距離を含むことができる。
【0011】
ここで、前記UIは、前記仮想気腹モデルが平面ビュー(view)で表示されるメイン画面領域及び前記基準トロカールを通じて挿入された前記カメラを通じて撮影された前記仮想気腹モデルの内部映像が表示されるプレビュー画面領域を含むことができる。
【0012】
また、前記少なくとも1つのトロカールは、前記UIを通じて前記メイン画面領域上で挿入位置の調整が可能である。
【0013】
更に、前記プレビュー画面領域は、前記少なくとも1つのトロカールに挿入される器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入する様子を前記カメラを通じて撮影してリアルタイムで表示できる。
【0014】
また、前記メイン画面領域は、前記格納された距離情報及び前記少なくとも1つのトロカールを通じて挿入される器具の情報を表示できる。
【0015】
更に、前記プレビュー画面領域は、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールのポート番号が表示され、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールの位置で該当器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入するとき、内部の臓器と衝突するか否かを表示できる。
【0016】
また、前記少なくとも1つのトロカール挿入位置決定段階は、前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点から前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置に該当する第2地点までの横、縦及び対角線方向の差値を計算し、前記横、縦及び対角線方向に既に設定された単位の光線(Ray)を放射し、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線(Ray)が到達した3次元位置を格納し、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる。
【0017】
更に、前記少なくとも1つのトロカール挿入位置決定段階は、前記第2地点の位置が変更される場合、前記変更された第2地点の位置に基づいて前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を変更できる。
【0018】
また、上述した課題を解決するための本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する装置において、手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデルを獲得する獲得部と、前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUI(User Interface)を表示するディスプレイ部と、前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示し、前記UIを通じて前記仮想気腹モデルのへそから既に設定された距離だけ離れた位置をカメラ(endcope)が挿入される基準トロカールの挿入位置として決定し、前記UIを通じて前記決定された基準トロカールの挿入位置を基準として前記仮想気腹モデルの表面上で少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定し、前記仮想気腹モデルの表面上で、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納し、前記患者を実際に手術するとき、前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供するプロセッサを含み、前記距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と、前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離、並びに前記横及び縦距離に対する対角線距離を含むことができる。
【0019】
この他にも、本発明を実現するための他の方法、他の装置、他のシステム及び前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体が更に提供されることができる。
【0020】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0021】
前記のような本発明によると、本発明は、実際の手術時と同一の手術シミュレーションに利用される患者の気腹モデルにトロカールの配置位置を決定することによって、前記患者の実際の手術と同じカメラ(Endscope)を通じた身体内部の様子と手術器具の位置、臓器までの距離、角度などを正確度高く予測できるという効果がある。
【0022】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していない更に他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する装置を説明する図である。
図2】本発明に係る手術シミュレーションに利用される仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUIを示す例示図である。
図3a】本発明に係る基準トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
図3b】本発明に係る基準トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
図4】本発明に係る少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
図5a】本発明に係る第1トロカールと第2トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
図5b】本発明に係る第1トロカールと第2トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
図6】本発明に係る基準トロカールと第1トロカール乃至第4トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
図7】本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形態に実現できる。但し、本実施例は本発明の開示を完全なものにし、本発明の属する技術分野における通常の技術者に本発明の範囲を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲により定義されるに過ぎない。
【0025】
本明細書で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に1つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。明細書全体に亘って同一の図面符号は同一の構成要素を示し、「及び/又は」は言及された構成要素のそれぞれ及び1つ以上の全ての組み合わせを含む。たとえ、「第1」、「第2」などが多様な構成要素を叙述するために用いられていても、これらの構成要素は、これらの用語により制限されないのはもちろんである。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いる。従って、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得るのは言うまでもない。
【0026】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の技術者が共通して理解できる意味として用いられる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0027】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する装置10を説明する図である。
【0029】
図2は、本発明に係る手術シミュレーションに利用される仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUIを示す例示図である。
【0030】
図3a及び図3bは、本発明に係る基準トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
【0031】
図4は、本発明に係る少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
【0032】
図5a及び図5bは、本発明に係る第1トロカールと第2トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
【0033】
図6は、本発明に係る基準トロカールと第1トロカール乃至第4トロカールの挿入位置を決定することを説明する例示図である。
【0034】
以下、図1乃至図6を参照して、本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定するための装置10について説明する。
【0035】
具体的に、最小侵襲手術(例えば、腹腔鏡手術又はロボット手術)を行う場合、身体を貫通したトロカール(Trocar)を通じて身体の内部に進入したカメラで身体の内部の一部範囲を確認しながら他の位置に挿入された1つ以上のトロカール(Trocar)を通じて進入した手術器具で手術を行える。
【0036】
このとき、手術器具が身体の内部で動く空間を確保するために、最小侵襲手術時には身体の内部(例えば、腹部手術を行う場合に腹壁の間の空間)に既に設定された気体(例えば、二酸化炭素)を注入できる。
【0037】
医療陣は、実際の手術前に予め手術をシミュレーションして実際の手術時に発生し得る様々な変数に対する対策を確保することを所望し、これに対する対策として、実際の手術と同じ仮想手術環境内で仮想の手術シミュレーションを提供できる。
【0038】
最小侵襲手術は、身体の内部に挿入されたカメラ(即ち、内視鏡)のみで確認しながら手術を行うことになるので、医療陣が仮想シミュレーションを行う際に全く異なる位置又は方向に表示された映像で練習した後に実際の手術を行うと、医療陣に実際の手術時に提供される映像が全く異なるため、練習効果が全く得られない。
【0039】
特に、身体手術時の患者の身体状態と同一に気腹された仮想身体モデルをモデリングしても、カメラが異なる位置又は方向に進入し、手術器具が異なる位置又は方向に進入することになると、全く異なる映像を見ながら異なる位置に置かれた器具で練習を行うため、練習効果が得られない。
【0040】
そのため、装置10は、仮想気腹モデルの内部に実際の手術時と同一にカメラと手術器具が進入するようにトロカールの位置を設定する必要がある。
【0041】
このような装置10は、実際の手術時と同一の手術シミュレーションに利用される患者の気腹モデルにトロカールの配置位置を決定することによって、前記患者の実際の手術と同じカメラ(Endscope)を通じた身体内部の様子と手術器具の位置、臓器までの距離、角度などを正確度高く予測できる効果が得られる。
【0042】
ここで、装置10は、演算処理を行ってユーザに結果を提供できる多様な装置を全て含むことができる。
【0043】
即ち、装置10は、コンピュータの形態になり得る。より詳しくは、前記コンピュータは、演算処理を行ってユーザに結果を提供できる多様な装置を全て含むことができる。
【0044】
例えば、コンピュータは、デスクトップPC、ノートパソコン(Note Book)だけでなく、スマートフォン(Smart phone)、タブレットPC、携帯電話(Cellular phone)、ピーシーエスフォン(PCS phone;Personal Communication Service phone)、同期式/非同期式IMT-2000(International Mobile Telecommunication-2000)の移動端末、パームPC(Palm Personal Computer)、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assant)なども該当し得る。また、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display;HMD)装置がコンピューティング機能を含む場合、HMD装置がコンピュータになり得る。
【0045】
また、コンピュータは、クライアントから要請を受信して情報処理を行うサーバになり得る。
【0046】
そして、装置10は、獲得部110、メモリ120、ディスプレイ部130及びプロセッサ140を含むことができる。ここで、装置10は、図1に示す構成要素よりも少数の構成要素又はより多数の構成要素を含むことができる。
【0047】
獲得部110は、装置10と外部装置(図示せず)との間、装置10と外部サーバ(図示せず)との間、又は装置10と通信網(図示せず)との間の無線通信を可能にする1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0048】
ここで、獲得部110は、装置10を1つ以上のネットワークに接続する1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0049】
このような獲得部110は、手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデルを前記外部サーバ(図示せず)又はメモリ120から獲得できる。
【0050】
ここで、外部装置(図示せず)は、医療映像データ(以下、腹部3D映像データ)を撮影する医療映像撮影装置であり得る。ここで、医療映像データは、前記患者の身体を3次元モデルとして実現可能な全ての医療映像を含むことができる。
【0051】
また、医療映像データは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography;CT)映像、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging;MRI)、陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography;PET)映像のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
更に、外部サーバ(図示せず)は、複数の患者に対する患者別仮想気腹モデル、患者別医療データなどを格納するサーバであり得る。ここで、患者別医療データは、前記患者の年齢、性別、身長、体重、体格指数(Body Mass Index)及び出産有無のうちの少なくとも1つに対するデータを含むことができる。
【0053】
更に、通信網(図示せず)は、装置10、外部装置(図示せず)及び外部サーバ(図示せず)間の多様な情報を送受信できる。通信網は、多様な形態の通信網が用いられることができ、例えばWLAN(Wireless LAN)、ワイファイ(登録商標)(Wi-Fi)、ワイブロ(Wibro)、ワイマックス(Wimax)(登録商標)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)などの無線通信方式又はイーサネット(Ethernet)(登録商標)、xDSL(ADSL、VDSL)、HFC(Hybrid Fiber Coax)、FTTC(Fiber to The Curb)、FTTH(Fiber To The Home)などの有線通信方式が用いられることができる。
【0054】
一方、通信網は、前記で提示された通信方式に限定されるものではなく、上述した通信方式以外にもその他に広く公知となっているか、今後開発される全ての形態の通信方式を含むことができる。
【0055】
メモリ120は、装置10の多様な機能を支援するデータを格納できる。メモリ120は、装置10で駆動される多数のアプリケーションプログラム(application program又はアプリケーション(application))、装置10の動作のためのデータ、命令語を格納できる。このようなアプリケーションプログラムのうちの少なくとも一部は、装置10の基本的な機能のために存在し得る。一方、アプリケーションプログラムは、メモリ120に格納され、装置10上にインストールされてプロセッサ140によって前記装置10の動作(又は機能)を行うように駆動されることができる。
【0056】
また、メモリ120は、本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定するための複数のプロセスを備えることができる。ここで、前記複数のプロセスは、プロセッサ140に対する動作を説明する際に後述する。
【0057】
このようなメモリ120は、複数の患者別仮想気腹モデルを格納できる。ここで、仮想気腹モデルは、前記プロセッサ140を通じて生成されて格納されるか、前記外部サーバ(図示せず)から獲得して格納されることができる。
【0058】
ディスプレイ部130は、タッチセンサと互いにレイヤ構造を成すか、一体型に形成されることによって、タッチスクリーンを具現できる。このようなタッチスクリーンは、装置10とユーザとの間の入力インターフェースを提供できる。
【0059】
このようなディスプレイ部130は、前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのユーザインターフェースを表示できる。
【0060】
プロセッサ140は、前記アプリケーションプログラムに関連する動作の他にも、通常、装置10の全般的な動作を制御できる。プロセッサ140は、前述した構成要素を通じて入力又は出力される信号、データ、情報などを処理するか、メモリ120に格納されたアプリケーションプログラムを駆動することによって、ユーザに適切な情報又は機能を提供又は処理できる。
【0061】
また、プロセッサ140は、メモリ120に格納されたアプリケーションプログラムを駆動するために、図1に示した構成要素のうちの少なくとも一部を制御できる。更に、プロセッサ140は、前記アプリケーションプログラムの駆動のために、装置10に含まれている構成要素のうちの少なくとも2つ以上を互いに組み合わせて動作させることができる。
【0062】
プロセッサ140は、手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUI(User Interface)を表示できる。
【0063】
ここで、プロセッサ140は、複数のプロセスのうち第1プロセスに基づいて前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUIを、前記ディスプレイ部130を通じて表示できる。
【0064】
そして、プロセッサ140は、前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示できる。ここで、プロセッサ140は、複数のプロセスのうち第2プロセスに基づいて前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示できる。
【0065】
図2を参照すると、このようなUIは、メイン画面領域201とプレビュー画面領域202を含むことができる。
【0066】
具体的に、メイン画面領域201は、前記仮想気腹モデルが平面ビュー(view)で表示される領域であり得る。即ち、メイン画面領域201は、前記気腹モデルの表面を上から見た画面であり得る。
【0067】
ここで、少なくとも1つのトロカールは、前記UIを通じて前記メイン画面領域201上で前記仮想気腹モデルの表面上での挿入位置の調整が可能である。
【0068】
また、メイン画面領域201は、基準トロカールの挿入位置と挿入位置が決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の格納された距離情報及び前記少なくとも1つのトロカールを通じて挿入される器具の情報が表示されることができる。
【0069】
ここで、前記距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離(10cm、4cm)と、前記横及び縦距離に対する対角線距離(11cm)を含むことができる。
【0070】
プレビュー画面領域202は、前記基準トロカールを通じて挿入された前記カメラを通じて撮影された前記仮想気腹モデルの内部映像が表示される領域であり得る。
【0071】
また、プレビュー画面領域202は、前記少なくとも1つのトロカールに挿入される器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入する様子を、前記カメラを通じて撮影されてリアルタイムで表示できる。
【0072】
更に、プレビュー画面領域202は、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールのポート番号を表示できる。
【0073】
ここで、前記ポート番号は、ロボット手術コンソールと同一のインターフェースを提供するために表示できる。即ち、ロボット手術では、ロボットアームに接続されたトロカールに番号を付し、これをポート番号と表示できる。このとき、ポート番号は、手術者に見られる視野において一番左から1番を付けることができる。
【0074】
そして、前記プレビュー画面領域202は、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールの位置で該当器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入するとき、内部の臓器と衝突するか否かを表示できる。
【0075】
ここで、プロセッサ140は、UI上に前記気腹モデルの表面を上から見るメイン画面領域201と挿入されたカメラ(内視鏡)を通じて見られるプレビュー画面領域202を同時に出力できる。
【0076】
これにより、プロセッサ140は、前記メイン画面領域201での前記トロカールの腹部表面上の位置と前記挿入されたカメラ(内視鏡)を通じて見られるプレビュー画面領域202での位置を同期化して出力しながら適切な位置を設定するように提供できる。
【0077】
また、プロセッサ140は、前記トロカールの挿入位置で器具が挿入されるとき、衝突が発生するかに関する情報をブリンキング(Blinking)して表示できる。ここで、衝突が発生するか否かに関する情報は、前記トロカールの挿入位置での手術器具が臓器に到達したか否かであり得る。
【0078】
これにより、プロセッサ140は、前記トロカールの前記挿入位置で前記トロカールを挿入し、器具(手術器具)を入れた場合、臓器に到達できるかを確認してユーザに提供できる。
【0079】
プロセッサ140は、前記UIを通じて前記仮想気腹モデルのへそから既に設定された距離だけ離れた位置をカメラ(endoscope)が挿入される基準トロカールの挿入位置として決定できる。
【0080】
ここで、プロセッサ140は、複数のプロセスのうち第3プロセスに基づいて前記UIを通じて前記カメラ(endoscope)が挿入される基準トロカールの挿入位置として決定できる。
【0081】
図3a及び3bを参照すると、プロセッサ140は、前記UIを通じて前記カメラが挿入される基準トロカール301の挿入位置をへその下の1cm付近に決定できる。
【0082】
そして、プロセッサ140は、みぞおちとへその位置及び距離を視覚的に確認しながら前記基準トロカール301を通じて前記カメラを挿入できる。
【0083】
ここで、図3aを参照すると、みぞおちの位置とへその位置の表面上の距離が18.5cmであり、図3bを参照すると、前記基準トロカール301に前記カメラの挿入後に挿入したカメラと前記カメラが挿入されたへその下の挿入位置との間の表面上の距離は10cm、前記カメラとみぞおちとの間の表面上の距離は18.5cmであり、みぞおちとへその下に前記カメラが挿入された挿入位置との表面上の距離は26cmであると見られる。
【0084】
プロセッサ140は、前記UIを通じて前記決定された基準トロカールの挿入位置を基準として前記仮想気腹モデルの表面上で少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる。
【0085】
ここで、プロセッサ140は、複数のプロセスのうち第4プロセスに基づいて前記UIを通じて前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる。
【0086】
図4を参照すると、具体的に、プロセッサ140は、前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点401から前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置に該当する第2地点402を選択できる。
【0087】
次に、プロセッサ140は、前記第1地点401から前記第2地点402までの横、縦及び対角線方向の差値を計算できる。ここで、前記横、縦及び対角線方向の差値は、3次元仮想気腹モデルの表面上での横、縦及び対角線方向の距離であり得る。
【0088】
次に、プロセッサ140は、前記横(X方向)、縦(Y方向)及び対角線方向に既に設定された単位の光線(Ray)を放射できる。
【0089】
ここで、プロセッサ140は、前記横(X方向)、縦(Y方向)及び対角線方向のそれぞれの光線の衝突地点リストを生成できる。
【0090】
その次に、プロセッサ140は、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線(Ray)が到達した3次元位置を格納できる。具体的に、プロセッサ140は、前記衝突地点リストに基づいて前記光線(Ray)が到達した3次元位置を判断して格納できる。
【0091】
その次に、プロセッサ140は、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる。
【0092】
ここで、プロセッサ140は、前記第2地点の位置が変更される場合、前記変更された第2地点の位置に基づいて前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置も変更できる。
【0093】
一例として、図5aを参照すると、プロセッサ140は、前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点501から左側に位置する第1トロカールの挿入位置に該当する第2地点502までの横、縦及び対角線方向の差値を計算し、それぞれの方向に既に設定された単位の光線を放射できる。
【0094】
ここで、前記横、縦及び対角線方向の差値(横(16.0cm)、縦(8.1cm)及び対角線(17.4cm))を、前記UI上にリアルタイムに表示できる。
【0095】
このような前記UI上にリアルタイムで表示される前記横、縦及び対角線方向の差値は、実際の手術時に医師が患者のお腹を押して位置を確認するのと同一の効果を発揮できる。
【0096】
そして、プロセッサ140は、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線が到達した3次元位置を格納し、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記第1トロカールの挿入位置を決定できる。
【0097】
他の例として、図5bを参照すると、プロセッサ140は、前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点501から右側に位置する第2トロカールの挿入位置に該当する第3地点503までの横、縦及び対角線方向の差値(横(14.4cm)、縦(8.7cm)及び対角線(16.3cm))を計算し、それぞれの方向に既に設定された単位の光線を放射できる。
【0098】
ここで、前記横、縦及び対角線方向の差値は、前記UI上にリアルタイムに表示できる。
【0099】
そして、プロセッサ140は、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線が到達した3次元位置を格納し、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記第2トロカールの挿入位置を決定できる。
【0100】
更に他の例として、図6を参照すると、プロセッサ140は、前記基準トロカールを基準として左側に第1トロカールと第2トロカール、右側に第3トロカールと第4トロカールの挿入位置を決定できる。
【0101】
ここで、第1トロカール、第2トロカール及び第4トロカールは、ロボットトロカールであり、第3トロカールは腹腔鏡トロカールであり得る。このような前記ロボットトロカールは、ロボット手術用トロカールであり、前記腹腔鏡トロカールは腹腔鏡手術用トロカールであり得る。
【0102】
具体的に、プロセッサ140は、前記第1トロカール乃至第4トロカールのうち前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点601から左側に位置する第1トロカールの挿入位置に該当する第2地点602までの横、縦及び対角線方向の差値を計算し、それぞれの方向に既に設定された単位の光線を放射できる。
【0103】
そして、プロセッサ140は、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線が到達した3次元位置を格納し、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記第1トロカールの挿入位置を決定できる。ここで、第1トロカールは、ロボットトロカールであり得る。
【0104】
プロセッサ140は、前記仮想気腹モデルの表面上で、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納できる。
【0105】
ここで、プロセッサ140は、複数のプロセスのうち第5プロセスに基づいて前記基準トロカールと前記少なくとも1つのトロカールとの間の距離情報を算出して格納できる。
【0106】
このような距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離と、前記横及び縦距離に対する対角線距離を含むことができる。
【0107】
プロセッサ140は、前記患者を実際に手術するとき、前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供できる。
【0108】
ここで、プロセッサ140は、複数のプロセスのうち第6プロセスに基づいて前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供できる。
【0109】
従って、実際の手術時に専門家は、患者のお腹を押しながらトロカールの位置を取る代わりに、前記UI上で予め設定した挿入位置に基づいて実際の手術でトロカールを該当位置に挿入できる。
【0110】
図7は、本発明に係る患者の3次元仮想気腹モデル上にトロカール(trocar)の挿入位置を決定する過程を示すフローチャートである。ここで、プロセッサ140の動作は、装置10で行える。
【0111】
プロセッサ140は、前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUI(User Interface)を表示できる(S701)。
【0112】
プロセッサ140は、前記UI上に前記仮想気腹モデルを表示できる(S702)。
【0113】
より詳しくは、プロセッサ140は、患者別手術シミュレーションに利用される前記仮想気腹モデル上にトロカールの挿入位置を設定するためのUIを表示できる。
【0114】
ここで、UIは、前記仮想気腹モデルが平面ビュー(view)で表示されるメイン画面領域及び前記基準トロカールを通じて挿入された前記カメラを通じて撮影された前記仮想気腹モデルの内部映像が表示されるプレビュー画面領域を含むことができる。
【0115】
具体的に、前記プレビュー画面領域は、前記少なくとも1つのトロカールに挿入される器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入する様子を、前記カメラを通じて撮影されてリアルタイムで表示できる。
【0116】
また、前記プレビュー画面領域は、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールのポート番号が表示され、前記基準トロカール及び前記少なくとも1つのトロカールの位置で該当器具が前記仮想気腹モデルの内部に進入するとき、内部の臓器と衝突するか否かを表示できる。
【0117】
また、前記メイン画面領域は、前記格納された距離情報及び前記少なくとも1つのトロカールを通じて挿入される器具の情報を表示できる。
【0118】
ここで、前記距離情報は、前記基準トロカールの挿入位置と前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の横及び縦距離と、前記横及び縦距離に対する対角線距離を含むことができる。
【0119】
また、前記少なくとも1つのトロカールは、前記UIを通じて前記メイン画面領域上で挿入位置の調整が可能である。
【0120】
プロセッサ140は、前記UIを通じてカメラ(endoscope)が挿入される基準トロカールの挿入位置を決定できる(S703)。
【0121】
より詳しくは、プロセッサ140は、前記UIを通じて前記仮想気腹モデルのへそから既に設定された距離だけ離れた位置をカメラが挿入される基準トロカールの挿入位置として決定できる。
【0122】
プロセッサ140は、前記UIを通じて少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる(S704)。
【0123】
より詳しくは、プロセッサ140は、前記UIを通じて前記決定された基準トロカールの挿入位置を基準として前記仮想気腹モデルの表面上で少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる。
【0124】
具体的に、プロセッサ140は、前記基準トロカールの挿入位置に該当する第1地点から前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置に該当する第2地点までの横、縦及び対角線方向の差値を計算できる。
【0125】
そして、プロセッサ140は、前記横、縦及び対角線方向に既に設定された単位の光線(Ray)を放射し、前記仮想気腹モデルの表面に前記光線(Ray)が到達した3次元位置を格納できる。
【0126】
これにより、プロセッサ140は、前記格納された3次元位置の距離を合算して前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置を決定できる。
【0127】
ここで、プロセッサ140は、前記第2地点の位置が変更される場合、前記変更された第2地点の位置に基づいて前記少なくとも1つのトロカールの挿入位置も変更できる。
【0128】
プロセッサ140は、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納できる(S705)。
【0129】
より詳しくは、プロセッサ140は、前記仮想気腹モデルの表面上で、前記基準トロカールの挿入位置と前記決定された少なくとも1つのトロカールの挿入位置との間の距離情報を算出して格納できる。
【0130】
プロセッサ140は、前記患者を実際に手術するとき、前記UI上に前記格納された距離情報をリアルタイムで提供できる(S706)。
【0131】
図7は、段階S701乃至段階S706を順次実行するものと記載しているが、これは本実施例の技術思想を例示的に説明したに過ぎないものであって、本実施例の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で図7に記載された順序を変更して実行するか、段階S701乃至段階S706のうちの何れか1以上の段階を並列的に実行することに多様に修正及び変形して適用可能なものであるので、図7は、時系列的な順序に限定されるものではない。
【0132】
以上で前述した本発明の一実施例に係る方法は、ハードウェアであるコンピュータと結合されて実行されるためにプログラム(又はアプリケーション)として実現されて媒体に格納されることができる。ここで、コンピュータは、前述した装置10であり得る。
【0133】
前述したプログラムは、前記コンピュータがプログラムを読み込んでプログラムとして実現された前記方法を実行させるために、前記コンピュータのプロセッサ(CPU)が前記コンピュータの装置インターフェースを介して読み取られるC、C++、JAVA(登録商標)、機械語などのコンピュータ言語でコード化されたコード(Code)を含むことができる。このようなコードは、前記方法を実行するのに必要な機能を定義した関数などに関連する機能的なコード(Functional Code)を含むことができ、前記機能を前記コンピュータのプロセッサが所定の手順通りに実行させるのに必要な実行手順関連の制御コードを含むことができる。また、このようなコードは、前記機能を前記コンピュータのプロセッサが実行させるのに必要な追加の情報やメディアが前記コンピュータの内部又は外部メモリのどの位置(アドレス)で参照されるべきかに対するメモリ参照関連のコードを更に含むことができる。更に、前記コンピュータのプロセッサが前記機能を実行させるために、遠隔(Remote)にある任意の他のコンピュータやサーバなどと通信が必要な場合、コードは前記コンピュータの通信モジュールを用いて遠隔にある任意の他のコンピュータやサーバなどとどのように通信すべきか、通信時に如何なる情報やメディアを送受信すべきかなどに対する通信関連のコードを更に含むことができる。
【0134】
本発明の実施例と関連して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、ハードウェアで直接実現されるか、ハードウェアによって実行されるソフトウェアモジュールとして実現されるか、それらの結合によって実現できる。ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROM、又は本発明の属する技術分野において周知となっている任意の形態のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に常に存在することもできる。
【0135】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施され得るということが理解できる。従って、以上で述べた実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、制限的ではないものとして理解すべきである。

図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6
図7
【国際調査報告】