(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】多層流体抵抗器を有する埋め込み可能なシャント、並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61F9/007 160
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503942
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022037917
(87)【国際公開番号】W WO2023004067
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブロンズ, テッサ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】サポジニコフ, キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ソール, トム
(72)【発明者】
【氏名】ドリューズ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リリー, リチャード
(57)【要約】
本技術は、複数のチャネルを有するマイクロ流体シャントシステム及びそれを作製する関連する方法を提供する。いくつかの実施形態では、マイクロ流体シャントシステムは、互いに積み重ねられ接着された複数の層又は排液要素を備える。いくつかの実施形態では、個々のチャネルは、別個の層若しくは排液要素内に配置することができ、及び/又は複数の層若しくは排液要素に及ぶことができる。いくつかの実施形態では、シャントシステムは、互いに封止結合された複数の層又は要素から構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
第1の層と、
前記第1の層に封止結合された第2の層と、
第1の抵抗を有する第1のチャネルと、前記第1のチャネルと並列であり、第2の抵抗を有する第2のチャネルとを少なくとも含む流体抵抗器のネットワークとを備え、
前記第1のチャネルが、前記第1の層内に少なくとも部分的に画定され、
前記第2のチャネルが、前記第2の層内に少なくとも部分的に画定され、
前記埋め込み可能なシャントが前記患者に埋め込まれたとき、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが各々、前記患者の第1の身体領域から第2の身体領域に向かって流体を排出するように構成される、埋め込み可能なシャント。
【請求項2】
前記第1の層が、第1の平面を画定し、
前記第2の層が、第2の平面を画定し、
前記第1の平面と前記第2の平面とは平行である、請求項1に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項3】
前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記埋め込み可能なシャントの長手方向軸に平行である、請求項2に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項4】
前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記埋め込み可能なシャントの長手方向軸に対して垂直である、請求項2に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項5】
前記第1のチャネルが前記シャントを少なくとも部分的に通る第1の流路を画定し、前記第2のチャネルが前記第1の流路とは異なる前記シャントを少なくとも部分的に通る第2の流路を画定するように、前記第1のチャネルが前記第2のチャネルと流体的に並列である、請求項1に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項6】
前記第1の抵抗が、前記第2の抵抗と異なる、請求項1に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項7】
前記第2のチャネルが前記第1のチャネルよりも長く、前記第2の抵抗が前記第1の抵抗よりも大きい、請求項1に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項8】
前記第1のチャネル又は前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つが、螺旋及び/又は蛇行形状である、請求項1に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項9】
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルの両方が、螺旋及び/又は蛇行形状である、請求項8に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項10】
前記埋め込み可能なシャントが眼内シャントであり、前記第1の身体領域が前記患者の眼の前房である、請求項1に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項11】
患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
第1の層と、
前記第1の層に封止結合された第2の層と、
第1の抵抗を有する第1のチャネルと、前記第1のチャネルと並列であり、第2の抵抗を有する第2のチャネルとを少なくとも含む流体抵抗器のネットワークとを備え、
前記第1のチャネルが、前記第1の層内に少なくとも部分的に画定され、
前記第2のチャネルが、前記第1の層内に少なくとも部分的に画定された第1の部分と、前記第2の層内に少なくとも部分的に画定された第2の部分とを含み、
前記埋め込み可能なシャントが前記患者に埋め込まれたとき、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが各々、前記患者の第1の身体領域から第2の身体領域に向かって流体を排出するように構成される、埋め込み可能なシャント。
【請求項12】
前記第1のチャネルが前記シャントを少なくとも部分的に通る第1の流路を画定し、前記第2のチャネルが前記第1の流路とは異なる前記シャントを少なくとも部分的に通る第2の流路を画定するように、前記第1のチャネルが前記第2のチャネルと流体的に並列である、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項13】
前記第1の抵抗が、前記第2の抵抗と異なる、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項14】
前記第2のチャネルが前記第1のチャネルよりも長く、前記第2の抵抗が前記第1の抵抗よりも大きい、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項15】
前記第1のチャネルが実質的に直線状であり、前記第2のチャネルが螺旋及び/又は蛇行形状である、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項16】
前記流体抵抗器のネットワークが、第3のチャネルを更に含む、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項17】
前記第3のチャネルが、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルの両方から流体を受容するように構成される、請求項16に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項18】
前記第3のチャネルが、第3の抵抗を有し、該第3の抵抗が、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗よりも小さい、請求項16に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項19】
前記第3のチャネルが、前記第1の層内に少なくとも部分的に画定される、請求項16に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項20】
前記第3のチャネルが、前記第2の層内に少なくとも部分的に画定される、請求項16に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項21】
前記流体抵抗器ネットワークが、バイパスチャネルを更に含み、前記バイパスチャネルが、流入ポートと、前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記第2のチャネルの一部との間に延在する、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項22】
前記第1の層が、第1の平面を画定し、
前記第2の層が、第2の平面を画定し、
前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記埋め込み可能なシャントの長手方向軸に平行である、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項23】
前記第1の層及び前記第2の層が各々、約100ミクロン未満の厚さを有する、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項24】
前記第1の層及び前記第2の層が各々、約50ミクロン未満の厚さを有する、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項25】
前記第1の層及び前記第2の層が各々、約25ミクロン未満の厚さを有する、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項26】
第3の層を更に備える、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項27】
前記第3の層が、前記第1の層及び/又は前記第2の層とは異なる材料から構成される、請求項26に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項28】
前記第3の層が、前記第1のチャネル及び/又は前記第2のチャネルを通る流体の流れを選択的に制御するように動作可能なアクチュエータを収容するように構成されたアクチュエータハウジングを含む、請求項26に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項29】
前記第3の層が、前記第1の層と前記第2の層との間に配置され、前記第3の層が、前記第2のチャネルの前記第1の部分と前記第2のチャネルの前記第2の部分とを流体結合するコネクタを含む、請求項26に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項30】
前記埋め込み可能なシャントが眼内シャントであり、前記第1の身体領域が前記患者の眼の前房である、請求項11に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項31】
患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
10ミクロン~500ミクロンの第1の厚さを有する第1の平坦層と、
10ミクロンから500ミクロンの間の第2の厚さを有する第2の平坦層であって、前記第1の平坦層に封止結合される、第2の平坦層と、
第1の抵抗を有する第1のチャネルと、前記第1のチャネルと並列であり、第2の抵抗を有する第2のチャネルとを少なくとも含む流体抵抗器のネットワークとを備え、
前記第1のチャネルが、前記第1の層内に少なくとも部分的に画定され、
前記第2のチャネルが、前記第2の層内に少なくとも部分的に画定され、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが各々、前記埋め込み可能なシャントが前記患者に埋め込まれたときに、前記患者の第1の身体領域から第2の身体領域に向かって流体を排出するように構成される、埋め込み可能なシャント。
【請求項32】
前記第1のチャネルが前記シャントを少なくとも部分的に通る第1の流路を画定し、前記第2のチャネルが前記第1の流路とは異なる前記シャントを少なくとも部分的に通る第2の流路を画定するように、前記第1のチャネルが前記第2のチャネルと流体的に並列である、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項33】
前記第1の抵抗が、前記第2の抵抗と異なる、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項34】
前記第1の層が、第1の平面を画定し、
前記第2の層が、第2の平面を画定し、
前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記埋め込み可能なシャントの長手方向軸に平行である、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項35】
前記第1の厚さが10ミクロンから100ミクロンの間であり、前記第2の厚さが10ミクロンから100ミクロンの間である、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項36】
前記第1の厚さが10ミクロンから50ミクロンの間であり、前記第2の厚さが10ミクロンから50ミクロンの間である、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項37】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さがほぼ同じである、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項38】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが異なる、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項39】
第3の層を更に備える、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項40】
前記第3の層が、前記第1の層及び/又は前記第2の層とは異なる材料から構成される、請求項39に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項41】
前記第3の層が、前記第1のチャネル及び/又は前記第2のチャネルを通る流体の流れを選択的に制御するように動作可能なアクチュエータを収容するように構成されたアクチュエータハウジングを含む、請求項39に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項42】
前記埋め込み可能なシャントが眼内シャントであり、前記第1の身体領域が前記患者の眼の前房である、請求項31に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項43】
患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
シャント本体と、
前記シャント本体を少なくとも部分的に通って延在する第1のチャネルであって、前記第1のチャネルの空隙空間を少なくとも部分的に画定する少なくとも第1の壁及び第2の壁を有する、第1のチャネルと、
前記シャント本体を少なくとも部分的に通って延在する第2のチャネルであって、前記第2のチャネルの空隙空間を少なくとも部分的に画定する少なくとも第3の壁及び第4の壁を有する、第2のチャネルとを備え、
前記第1の壁、前記第2の壁、前記第3の壁、及び前記第4の壁の各々が、前記シャント本体の軸方向長さに平行な異なる平面内に延在する、埋め込み可能なシャント。
【請求項44】
前記シャント本体が、複数の封止結合層を含む、請求項43に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項45】
前記第1のチャネルの前記空隙空間及び前記第2のチャネルの前記空隙空間が、別個の層内に画定される、請求項44に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項46】
前記第1のチャネルの前記空隙空間及び前記第2のチャネルの前記空隙空間が、同じ層で画定される、請求項44に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項47】
前記シャント本体が、
前記第1のチャネルの前記空隙空間を少なくとも部分的に画定する第1の層と、
第2の層であって、前記第1の壁又は前記第2の壁のうちの少なくとも1つを含む、第2の層とを含む、請求項43に記載の埋め込み可能なシャント。
【請求項48】
前記シャント本体が、
前記第1のチャネルの前記空隙空間及び前記第2のチャネルの前記空隙空間を少なくとも部分的に画定する第1の層と、
前記第1の層の第1の側に封止結合された第2の層であって、前記第1の壁又は前記第2の壁を含む、第2の層と、
前記第1の層の第2の側に封止結合された第3の層であって、前記第2の層が前記第3の壁又は前記第4の壁を含む、第3の層とを含む、請求項43に記載の埋め込み可能なシャント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮特許出願第63/224,075号に対する優先権を主張するものであり、本開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、一般に、埋め込み可能な医療デバイスに関し、特に、患者の第1の身体領域と第2の身体領域との間の流体流を制御するための多層流体抵抗器に関する。
【背景技術】
【0003】
埋め込み可能なシャントシステムは、第1の身体領域/腔から第2の身体領域/腔に流体をシャントすることによって様々な患者の状態を治療するために広く使用されている。例えば、緑内障を治療するためのシャントシステムが提案されている。シャントシステムを通る流体の流れは、シャントにわたる圧力勾配及びシャントを通して画定される流路の物理的特性(例えば、シャント管腔の抵抗)によって主に制御される。従来の早期シャントシステム(低侵襲緑内障手術デバイス又は「MIGS」デバイスと称されることもある)は、臨床上の利点を示しており、しかしながら、眼内圧の上昇及び緑内障に関連付けられたリスクに対処するための改善されたシャントシステム及び技術が必要とされている。例えば、2つの流体的に接続された本体間の流量を含む、提供される治療を調整することができるシャントシステムが必要とされている。別の例として、患者のために、及び/又は埋め込み処置のための臨床医の計画の一部として、システムをパーソナライズするために、製造後に(例えば、診療所において)修正されることが可能なシャントシステムの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
緑内障を治療するための眼内シャントは、患者の眼に埋め込まれ、患者の前房から房水を排出し、それによって眼内圧を低下させる。このようなシャントは、標的埋め込み部位のため、及びより小さい眼内シャントは、患者の視覚への干渉の減少、組織刺激の減少などを含む副作用の減少に関連付けられる傾向があるため、必然的に小さい。実際に、低侵襲緑内障手術(「MIGS」)デバイスとして知られる現在市販されているクラスの眼内シャントは、有効な治療を依然として提供しながらシャントが可能な限り小さいことが有益であることを認識している。その結果、ほとんどのMIGSデバイスは、約1mm未満又はそれより小さい断面寸法(例えば、直径、幅、高さなど)を有する。
【0005】
小型であることに加えて、シャントが2つ以上の流路を提供することも有益である。単一のシャントを通る複数の流路を有することは、流路のうちの1つ以上が細胞破片によって遮断される場合に流れ開存性が維持されるので、有利である。いくつかの実施形態では、シャントを通る流れを特定のチャネルから、又は特定のチャネル間で選択的に迂回させて、滴定可能な流体抵抗、したがって滴定可能な治療を提供することができるので、単一のシャントを通る複数の流路を有することも有利である。当然、より多くのチャネルを追加することは、一般に、シャント全体のサイズを増加させる。その結果、シャントのサイズを最小化することと、治療を最適化するためにシャントを通る複数のチャネルを提供することとの間に矛盾が存在する。したがって、比較的小さい設置面積を保持しながら複数の流路を収容することができるシャントシステムを提供する必要性が存在する。
【0006】
本技術は、複数のチャネルを有するマイクロ流体シャントシステム、及びそのようなシステムを作製する関連する方法を提供する。いくつかの実施形態では、シャントシステムは、互いに封止結合された複数の層又は要素から構成することができる。この「発明を実施するための形態」の全体にわたって詳細に説明されるように、個々のチャネルは、別個の層若しくは要素内に配置することができ、及び/又は複数の層若しくは要素に及ぶことができる。以下に説明するように、これは、システム全体のサイズを比較的小さく保ちながら、シャントシステム内に収まることができるチャネルの数を増加させることが期待される。
【0007】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体シャントシステムは、5:1~50:1の幅対高さ比を有するように、概して平坦である。その結果、マイクロ流体シャントシステムは、積み重ねられて互いに接着された複数の別個の平坦層から構成することができ、各個々の層は、例えば約500μm未満の高さを有する。以下に詳細に説明するように、シャントは複数のチャネルを含むことができる。有利なことに、いくつかの実施形態では、個々のチャネルは別個の層に配置され、及び/又は個々のチャネルは、チャネルを垂直に積み重ねることができるように、複数の層に及ぶ。以下の説明から明らかになるように、これは、システム全体を比較的小さく保ちながら、シャントシステム内に収まることができるチャネルの数を増加させることが期待される。
【0008】
いくつかの実施形態では、調整可能なシャントシステムは、モジュール式に「積み重ねる」か、又は他の方法で位置合わせすることができる1つ以上の排液要素又はカートリッジを有する排液アセンブリを含む。排液要素の各々は、排液入口、排液管腔部分、及び排液入口を排液管腔部分に流体結合するチャネルを含むことができる。流体は、流体入口を介して排液要素に入り、チャネルを通って排液管腔部分に移動することができる。排液要素は、個々の排液要素の複数の排液管腔部分が位置合わせされて共通の排液管腔を形成するように、積み重ねられ得るか、又は他の方法で配向され得る。したがって、流体入口を介して排液要素に入る流体は、共通排液管腔内に収集されることができ、これは、採取された流体を所望の流出領域内の出口に指向することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、流体入口と排液管腔部分との間に延在するチャネルの各々は、特定の流体抵抗を付与する長さを有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、第1の排液要素は、第1の流体抵抗に対応する第1の長さを有する第1のチャネルを有することができ、第2の排液要素は、第1の長さよりも大きい第2の長さを有する第2のチャネルを有することができ、第2の長さは、第1の流体抵抗よりも大きい第2の流体抵抗に対応する。したがって、所与の圧力において、第1の排液要素は、第1の流体流量と関連付けられることができ、第2の排液要素は、第1の流体流量未満の第2の流体流量と関連付けられることができる。したがって、第1の排液要素及び第2の排液要素を含む調整可能なシャントシステムを使用して、例えば排液要素の変化した流量に基づいて滴定可能な治療を提供することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本技術は、排液アセンブリを通る流体の流れを制御するための作動アセンブリを更に含むことができる。作動アセンブリは、例えば、排液アセンブリを通る流体の流れを制御するように構成された1つ以上のアクチュエータを含むことができる。特に、各アクチュエータは、排液要素のうちの1つに対応し、それとインターフェースするように構成された制御要素を含むことができる。例えば、各制御要素は、排液要素(複数可)の対応する排液入口とインターフェースするように構成され得る。アクチュエータはまた、(i)制御要素が対応する流体入口(例えば、排液入口はアクセス可能である)を通る流体流を実質的に防止又は妨害しない第1の位置と、(ii)制御要素が対応する排液入口(例えば、制御要素は、排液入口を覆う又は遮断する)を通る流体流を実質的に防止又は妨害する第2の位置との間で制御要素を移動させるように構成された第1の作動要素及び第2の作動要素を有することができる。したがって、作動アセンブリは、排液アセンブリへのアクセスを制御するために、例えば、滴定可能な治療を提供するために使用されることができる。
【0011】
以下でより詳細に説明するように、本技術に従って構成された1つ以上の排液要素又はカートリッジを有する排液アセンブリは、調整可能なシャントシステムの動作を改善する1つ以上の有利な特性を示し得ると期待される。例えば、本明細書で説明される排液アセンブリは、所望の流体抵抗を付与するのに十分な長さのチャネルを依然として有しながら、比較的コンパクトであり得る。加えて、排液アセンブリ及び/又は排液要素のうちの少なくともいくつかは、従来の排液アセンブリ及び排液要素と比較して、製造するのがより容易及び/又はより安価であることが期待される。いくつかの実施形態では、例えば、排液要素は、第1の排液要素の1つ以上の第1の要素(例えば、第1の排液入口、第1の排液管腔部分など)を第2の排液要素の1つ以上の第2の要素(例えば、第2の排液入口、第2の排液管腔部分など)と積み重ねるか、又は別様に位置合わせされるように構成される、1つ以上の位置合わせ特徴又は開口部を含むことができる。当然、本技術はまた、本明細書に明示的に記載されていない追加的な有利な特性をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りに描画されていない。代わりに、本技術の原理を明確に例示することに、重点がおかれている。更に、構成要素は、例示を明瞭にするだけのために特定の図において透明として示される場合があり、図示された構成要素が必ずしも透明であることを示すものではない。また、構成要素が概略的に示されている場合もある。
【0013】
【
図1】本技術の選択された実施形態に従って構成された排液アセンブリの斜視図である。
【
図2A】本技術の選択された実施形態に従って構成された排液アセンブリの斜視図である。
【
図2D】
図2Aの排液アセンブリの排液要素の斜視図であり、排液アセンブリの他の態様は明確にするために省略される。
【
図3A】本技術の選択された実施形態に従って構成された排液要素を示す。
【
図3B】本技術の選択された実施形態に従って構成された排液要素を示す。
【
図4A】1つ以上の位置合わせ開口部を含み、本技術の選択された実施形態に従って構成された排液要素を示す。
【
図5A】本技術の選択された実施形態に従って構成された作動アセンブリを示す。
【
図5B】本技術の選択された実施形態に従って構成された作動アセンブリを示す。
【
図6A】
図1の排液アセンブリと、
図5A及び5Bの作動アセンブリとを含み、本技術の選択された実施形態に従って構成された、流量制御システムの上面図である。
【
図6B】
図1の排液アセンブリと、
図5A及び5Bの作動アセンブリとを含み、本技術の選択された実施形態に従って構成された、流量制御システムの上面図である。
【
図7A】シャントシステム内の流体の流れを制御するための、本技術の選択された実施形態に従って構成されたアクチュエータを示す。
【
図7B】シャントシステム内の流体の流れを制御するための、本技術の選択された実施形態に従って構成されたアクチュエータを示す。
【
図8A】本技術の選択された実施形態に従って構成されたシャントシステムを示す。
【
図8B】
図8Aに示され、本技術の選択された実施形態に従って構成されたシャントシステムの流体抵抗器ネットワークを示す。
【
図8C】
図8Bに示される流体抵抗器ネットワークの概略図である。
【
図8D】
図8Aに示されるシャントシステムの分解等角図である。
【
図9A】本技術の選択された実施形態に従って構成された別のシャントシステムを示す。
【
図9B】
図9Aに示されるシャントシステムの流体抵抗器ネットワークの概略図である。
【
図9C】
図9Aに示されるシャントシステムの分解等角図である。
【
図10A】本技術の選択された実施形態に従って構成された更に別のシャントシステムを示す。
【
図10B】
図10Aに示されるシャントシステムの流体抵抗器ネットワークの概略図である。
【
図11】本技術の実施形態に従って構成された流体抵抗器ネットワークの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に提示される説明内で使用される専門用語は、本技術の特定の具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されている場合であっても、その最も広い合理的な方法で解釈されることを意図している。特定の用語は、以下で強調されることさえあり得、しかしながら、任意の限定された方法で解釈されることが意図される任意の用語は、この詳細な説明のセクションにおいてそのように明白且つ具体的に定義される。更に、本技術は、例の範囲内にあるが、
図1A~
図11に関して詳細に説明されていない他の実施形態を含むことができる。
【0015】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「ある実施形態」と言及するとき、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所で「一実施形態では」又は「ある実施形態では」という句が現れても、必ずしも全てが同じ実施形態のことを言っている訳ではない。また、特定の特徴又は特性は、1つ以上の実施形態においていかなる適した方法で組み合わされてもよい。
【0016】
本明細書で使用される場合、「約」、「ほぼ」、「実質的に」などの相対的な用語の使用は、述べられた値±10パーセントを指す。例えば、用語「約100」の使用は、90~110(両端を含む)の範囲を指す。文脈がそうでないことを必要とする場合、及び/又は相対的な用語が数値を含まないものに関して使用される場合、これらの用語は当業者にとっての通常の意味を与えられる。
【0017】
本明細書全体を通して「抵抗」という用語への言及は、文脈が他に明確に規定しない限り、流体抵抗を指す。「排液量」及び「流量」という用語は、特定の容積流量での構造物を通る流体の移動を説明するために交換可能に使用される。用語「流れ」は、本明細書において流体の動きを指すために一般的に使用される。
【0018】
本明細書の特定の実施形態は、眼の前房からの流体をシャントすることに関して説明されているが、当業者は、本技術が、眼の他の部分(後房を含む)から、及び/又はそれらの間で、又はより一般的には、第1の身体領域から、及び/又は第2の身体領域との間で流体をシャントするように容易に適合され得ることを理解するであろう。更に、本明細書の特定の実施形態は、緑内障治療の文脈で説明されているが、「緑内障シャント」又は「緑内障デバイス」と称されるものを含む、本明細書の任意の実施形態は、それにもかかわらず、眼又は他の身体領域の他の疾患又は状態を含む、他の疾患若しくは状態を治療するために使用及び/又は修正され得る。例えば、本明細書において説明されるシステムは、限定されるものではないが、心不全(例えば、駆出率を維持する心不全、駆出率が低下した心不全など)、肺不全、腎不全、水頭症などを含む、圧力の増加及び/又は流体の蓄積を特徴とする疾患を治療するために使用することができる。更に、概して、水をシャントすることに関して説明されているが、本明細書において説明されるシステムは、第1の身体領域と第2の身体領域との間で、血液又は脳脊髄液などの他の流体をシャントするために等しく適用され得る。
【0019】
以下の見出しは、便宜上提供されるにすぎず、特許請求される技術の範囲を解釈するために使用されるものではない。
【0020】
A.積み重ね可能なチャネル及び多層抵抗器を有するシャントシステム
図1は、本技術の選択された実施形態に従って構成された排液又はシャントアセンブリ100(「アセンブリ100」)の斜視図である。アセンブリ100は、第1の端部102aと、第1の端部102aの反対側の第2の端部102bとを有する細長いキャリッジ又はハウジング要素102を含むことができる。キャリッジ要素102は、キャリッジ要素102が第1の端部102aと第2の端部102bとの間に少なくとも部分的に延在する内部104を含むことができるように、少なくとも部分的に中空であることができる。いくつかの実施形態では、キャリッジ要素102は、キャリッジ要素102を通って長手方向及び/又は半径方向に延在し、少なくとも部分的に第1の端部及び第2の端部102a~bの間に延在するスロット又は間隙106を含むことができる。スロット106は、キャリッジ要素102の内部104を少なくとも部分的に露出させることができ、例えば、内部104内に配置された1つ以上の物体が、スロット106を通してキャリッジ要素102の外部の環境と接触し、結合され(例えば、流体結合され)、又は別様にインターフェースすることができる。
【0021】
アセンブリ100は、1つ以上の排液要素110を更に含むことができる。排液要素(複数可)110は、キャリッジ要素102が排液要素(複数可)110を搬送、輸送、及び/又は収容することができるように、キャリッジ要素102の内部104内に少なくとも部分的に、例えば第1の端部及び第2の端部102a~bの間に少なくとも部分的に配置することができる。排液要素(複数可)110は、1つ以上の流体又は排液開口部又は入口112を更に含むことができる。図示される実施形態では、例えば、排液要素(複数可)110は、第1の排液入口112a、第2の排液入口112b、及び第3の排液入口112cを含む。排液入口112a~112cは、
図2C及び
図2Dに示され、それらを参照して説明されるように、排液要素(複数可)110を通って延在する1つ以上の流体チャネル(
図1には図示せず)によって、一次排液管腔又は収集チャンバ114(「管腔114」)に流体接続され得る。したがって、排液入口112a~112cを介してアセンブリ100に流入する流体は、チャネルを介して管腔114に排出される(
図2C及び
図2D)。いくつかの実施形態では、端部102a、bのうちの1つは、管腔114内の流体が、遮断された端部102a、bを介してアセンブリ100から出ることを低減又は防止するように、遮断又は封止することができる。図示される実施形態では、例えば、第2の端部102bは、流体が管腔114に入ると、流体流がキャリッジ要素102の第1の端部102aに向かって流れて、例えばアセンブリ100から出るように遮断される。
【0022】
いくつかの実施形態では、アセンブリ100は、流体入口112a~112cを介して管腔114内に受容された流体を所望の流出場所に及び/又は所望の流出場所に向かって輸送するために、流出管又は他の流体輸送要素(図示せず)に結合されることができる。例えば、流出管の近位端部は、流出管が管腔114から流体を受容するように、キャリッジ要素102の第1の端部102aにおいて管腔114に流体結合されることができ、流出管の遠位端部は、所望の流出場所に配置することができる。他の実施形態では、アセンブリ100の第1の端部102aは、キャリッジ要素102の第1の端部102aにおける管腔114の出口が所望の流出場所に存在するように(例えば、流出管の必要性を排除して)、所望の流出場所に存在するように構成されることができる。したがって、第1の身体領域の流体は、アセンブリ100に入り、流体入口(複数可)112を通過し、管腔114(及び/又は流出管)を介して第2の身体領域に入ることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、排液要素(複数可)110は、キャリッジ要素102と流体封止を形成することができる。図示される実施形態では、例えば、排液要素(複数可)110の外面は、例えば、排液要素110(複数可)とキャリッジ要素102との間の空間に流体が入ることを低減又は防止するために、キャリッジ要素102の内面と流体封止を形成することができる。これは、流体が、1つ以上の所定の流路のみを介して(例えば、排液入口(複数可)112及び対応するチャネル(
図2C~
図2D)及び管腔(複数可)114を通して)アセンブリ100を通して移動することができるように、アセンブリ100を通した漏出又は他の制御されていない流体流を低減又は防止することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、排液要素(複数可)110は、概して又は実質的に平坦又は平面であるインターフェース側面又はインターフェース表面113を含むことができる。インターフェース表面113は、インターフェース表面113及びスロット106が概して同様又は同じ幅W
3を有することができるように、スロット106に対応することができる(例えば、サイズ決定される、配置される、及び/又は位置合わせされる)。いくつかの実施形態では、インターフェース表面113は第1の幅を有することができ、スロット106の内部は、第1の幅よりも小さい又は大きい第2の幅を有することができる。加えて、排液入口(複数可)112は、インターフェース表面113上に配置される、及び/又はスロット106に向かって配向されることができる。したがって、インターフェース表面113は、排液要素(複数可)110及び/又は排液入口(複数可)112の個々のものを互いに対して及び/又はスロット106に対して位置合わせ及び/又は配置するために使用することができる。以下で
図6A~
図7Bを参照してより詳細に説明するように、作動アセンブリ(
図1には図示せず)は、インターフェース表面113に結合され、且つ/又はインターフェースし、排液入口(複数可)112を通る流体の流れを制御するように構成することができる。
【0025】
キャリッジ要素102は、
図1では円形を有するものとして示されているが、他の実施形態では、キャリッジ要素102は、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、直線形状、又は任意の他の好適な形状を有することができる。排液要素(複数可)110は、キャリッジ要素102の形状に少なくとも部分的に対応するように成形することができる。図示される実施形態では、例えば、キャリッジ要素102は円形を有し、排液要素(複数可)110は少なくとも部分的に円形を有する。しかしながら、他の実施形態では、排液要素(複数可)112は、少なくとも部分的に楕円形、少なくとも部分的に三角形、少なくとも部分的に正方形、少なくとも部分的に長方形、少なくとも部分的に五角形、少なくとも部分的に六角形、少なくとも部分的に直線形状、又は任意の他の好適な形状を有することができる。加えて、排液要素(複数可)110は、
図1において3つの流体入口112a~cを含むように示されているが、他の実施形態では、排液要素(複数可)110は、より多くの又はより少ない排液入口112を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、排液要素(複数可)110は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又は任意の他の好適な数の排液入口112を含むことができる。
【0026】
キャリッジ要素102は、ポリイミド又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のポリマー材料、ステンレス鋼、ニチノール、若しくはチタンなどの金属、それらの組み合わせ(例えば、ニチノール)、及び/又は任意の他の好適な材料から形成されることができる。排液要素(複数可)110は、ポリマー(例えば、PEEK又はポリイミド)、ガラス、金属、エラストマー(例えば、シリコーンエラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、又はウレタン)、これらの組み合わせ、及び/又は任意の他の好適な材料から形成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、キャリッジ要素102は、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも10mm、又は任意の他の好適な長さなど、約1mm~約20mmの長さLを有することができる。キャリッジ要素102は、外側幅(例えば、直径)W1を有し得、これは、約450μm~約1.5mm、例えば、少なくとも500μm、少なくとも550μm、少なくとも600μm、少なくとも650μm、少なくとも700μm、少なくとも750μm、少なくとも1mm、及び/又は任意の他の好適な外側幅W1などである。キャリッジ要素102(例えば、内部104)は、約250μm~約650μmの内側幅W2、例えば、最大300μm、最大350μm、最大400μm、最大450μm、最大500μm、最大550μm、最大600μm、及び/又は任意の他の好適な内側幅W2などを有することができる。排液要素(複数可)110は、排液要素(複数可)110が上述のようにキャリッジ要素102内に配置され得るように、内側幅W2と概して同様又は同じ外側幅を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、排液要素(複数可)110は、内側幅W2の少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、及び/又は任意の他の好適な割合などの、内側幅W2の100%~約80%である外側幅を有することができる。
【0028】
図2Aは、本技術の実施形態に従って構成された排液アセンブリ200(「アセンブリ200」)の斜視図である。
図2Bは、
図2Aのアセンブリ200の部分分解図であり、
図2Cは、
図2Aのアセンブリ200の分解図であり、
図2Dは、明確にするためにアセンブリ200の他の態様が省略された排液要素210の斜視図である。アセンブリ200及び/又はその構成要素は、概して、
図1のアセンブリ100と同様又は同じであり得る。したがって、同様の構成要素(例えば、排液要素(複数可)110対排液要素(複数可)210)を示すために同様の番号が使用され、アセンブリ200の説明は、
図1のアセンブリ100とは異なる特徴、及び文脈に必要な他の態様に限定される。
【0029】
最初に
図2A及び2Bを一緒に参照すると、アセンブリ200は、複数の排液要素210(カートリッジ、モジュール式要素、積み重ね可能要素、層などとも称され得る)を含むことができる。図示される実施形態では、例えば、アセンブリ200は、第1の排液要素210a、第2の排液要素210b、第3の排液要素210c、及び第4の排液要素210dを含む。
図2Bに最もよく見られるように、排液要素210a~dは、互いに対して(例えば、直線的に、軸方向に、順番になど)積み重ねられ、位置合わせされ、又は積層され得る。
図2Aに示されるように、排液要素210a~dは、スロット206を有するキャリッジ要素202によって画定される腔又は内部204内に配置することができる。図示される実施形態における排液要素(複数可)210は、キャリッジ要素202の内部204の一部のみを占有するものとして示されているが、いくつかの実施形態では、排液要素(複数可)210は、スロット206を有する内部204の全体又は実質的に全体を(例えば、流体が排液要素210を通過せずに内部204に流入するのを防止するため)占有する。例えば、内部204は、例えば、追加の排液要素210を追加すること、排液要素210の厚さを増加させること、及び/又はキャリッジ要素202の長さL(
図1)を減少させることによって、排液要素210によって充填される(例えば、完全に充填される)か、又は別様に占有され得る。他の実施形態では、流体入口のないプラグ又は他の固体特徴(図示せず)を
図2Aに示される占有されていない空間に追加して、流体が排液要素を通過せずに内部204に流入するのを防止することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、排液要素210は、
図2A及び2Bに示されるような積み重ねられた構成にあるときに、互いに流体封止され得る。理論に束縛されるものではないが、これは、隣接する排液要素210間で流体が漏出するのを防止するか、又は少なくとも低減することが期待される。図示される実施形態では、例えば、第1の流体封止は、第1の排液要素及び第2の排液要素210a~bの間に形成されることができ、第2の流体封止は、第2の排液要素及び第3の排液要素210b~cの間に形成されることができ、第3の流体封止は、第3の排液要素及び第4の排液要素210c~dの間に形成されることができる。いくつかの実施形態では、個々の排液要素(複数可)210は、キャリッジ要素202によって押圧される(例えば、
図2Aの矢印Cによって示される長手方向に圧縮される)か、又は別様に一緒に保持され、流体封止(複数可)を形成することができる。例えば、排液要素(複数可)210とキャリッジ要素202との間の摩擦力は、排液要素210の位置を互いに対して維持して、例えば、排液要素(複数可)210の個々のものの間に流体封止(複数可)を形成することができる。いくつかの実施形態では、流体封止は、接着剤、超音波溶接、熱融合、熱リフロー、及び/又は任意の他の好適なプロセス若しくは技術を介して形成されることができる。いくつかの実施形態では、排液要素210のうちの1つ以上は、自己接着性排液要素が、他の排液要素のうちの1つ以上と接触しているときに流体封止を形成する(例えば、自動的に形成する)ことができるように、自己接着性であり得る。例えば、排液要素210のうちの1つ以上は、特定の条件下(例えば、真空中)で隣接する排液要素と結合又は封止を形成する自己結合材料から構成されてもよい。
【0031】
排液要素210a~dの各々は、1つ以上の排液入口212を含むことができる。図示される実施形態では、例えば、第1の排液要素210aは第1の排液入口212a(
図2Bに最もよく見られる)を含み、第2の排液要素210bは第2の排液入口212bを含み、第3の排液要素210cは第3の排液入口212cを含み、第4の排液要素210dは第4の排液入口212dを含む。いくつかの実施形態では、アセンブリ200は、エンドキャップ又は保持要素211を更に含む。エンドキャップ211は、キャリッジ要素202の第1の端部202a及び/又は第2の端部202b内に配置することができる。エンドキャップ211は、排液要素(複数可)210と概して同様又は同じであり得るが、流体入口及び/又は排液管腔部分を欠く(例えば、含まない)ことができる。いくつかの実施形態では、エンドキャップ211は、キャリッジ要素202内(例えば、その内部204内)に排液要素(複数可)210を保持するように構成することができる。したがって、エンドキャップ211は、内部204内での排液要素(複数可)210の移動を低減又は防止することができ、排液要素(複数可)210を圧縮状態に維持することができ、及び/又は排液要素(複数可)210の個々のものの間の流体封止(複数可)を維持することができる。いくつかの実施形態では、エンドキャップ211は、前述したように、排液要素(複数可)210と流体封止を形成することができる。図示の実施形態では、例えば、エンドキャップ211は、第1の排液要素210aと共に第5の流体封止を形成することができる。いくつかの実施形態では、エンドキャップ211は、エンドキャップ211が第1の端部202a及び/又は第2の端部202bを通る流体流を低減又は防止することができるように、排液管腔部分(複数可)214(
図2C及び
図2D)を少なくとも部分的に覆うか又は遮断することができる。図示される実施形態では、例えば、エンドキャップ221は、流体が管腔部分(複数可)214(
図2C及び
図2D)に入ると、流体が第1の端部202aを介して排液アセンブリ200から流出できないように、第1の端部202aを遮断又は封止することができる。むしろ、図示される実施形態では、流体流は、キャリッジ要素202の第2の端部202bに向かって流れて、(例えば、流出管;図示せず)を介して)排液アセンブリから出る。
【0032】
次に
図2Cを参照すると、排液要素(複数可)210は、1つ以上の排液管腔又は流体接続部分を含むことができる。図示される実施形態では、例えば、第1の排液要素210aは第1の排液管腔部分214aを含み、第2の排液要素210bは第2の排液管腔部分214bを含み、第3の排液要素210cは第3の排液管腔部分214cを含み、第4の排液要素210dは第4の排液管腔部分214d(「排液管腔部分(複数可)214」)を含む。排液要素(複数可)210がキャリッジ要素202内に配置されるとき(例えば、
図2Aに示されるように)、排液管腔部分(複数可)214の各々は、例えば、排液管腔部分214a~dが位置合わせされて単一又は共通の排液管腔(例えば、
図1の排液管腔114)を集合的に形成するように、概して又は実質的に位置合わせされ得る。したがって、複数の排液管腔部分214は、排液アセンブリ200を通して流体入口212から受容された流体を輸送するための排液管腔を集合的に形成することができる。
【0033】
各排液要素210は、排液入口212を対応する排液管腔部分214に流体結合する流路又はチャネル216を更に含む。図示される実施形態では、例えば、第1の排液要素210aは第1のチャネル216aを含み、第2の排液要素210bは第2のチャネル216を含み、第3の排液要素210cは第3のチャネル216cを含み、第4の排液要素は第4のチャネル216d(「チャネル(複数可)216」)を含む。したがって、第1のチャネル216aは、第1の排液入口212aを第1の排液管腔部分214aに流体結合することができ、第2のチャネル216bは、第2の排液入口212bを第2の排液管腔部分214bに流体結合することができ、以下同様である。以下に説明するように、チャネル216は、流体抵抗を提供し、したがって、本明細書では、「流体抵抗器ネットワーク」、「流体抵抗器のネットワーク」、「並列抵抗器」などと称され得る。
【0034】
動作中、キャリッジ要素202は、第1の身体領域又は腔(例えば、前房)内に存在するように配置することができる。したがって、第1の身体領域内の流体は、排液入口212のうちの1つを介してアセンブリ200に入り、対応するチャネル216を通して対応する排液管腔部分214に通過することができる。次いで、流体は、複数の排液管腔部分によって形成された排液管腔を通って、第2の(例えば、流出)身体領域(例えば、結膜下眼瞼腔)内に、及び/又は前述のように流体を第2の身体領域に輸送することができる流出管内に流れる。以下で
図2Dを参照してより詳細に説明するように、チャネル216の各々は、アセンブリ200が滴定可能な治療を患者に提供することができるように、特定の流れ抵抗を有することができる。
【0035】
図2A~
図2Cは、4つの排液要素210を有するものとしてアセンブリ200を示しているが、他の実施形態では、アセンブリ200は、より多くの又はより少ない排液要素(複数可)210を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、アセンブリ200は、1つ、2つ、3つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれ以上の排液要素210を含むことができる。
【0036】
図2Dは、
図2Cの第1の排液要素210aの拡大斜視図である。第1の排液要素210aに関連して説明されるが、
図2Dの以下の説明は、
図2A~2Dの第2、第3、及び第4の排液要素210b~dに等しく適用される。示されるように、第1のチャネル216aは、流体が第1の排液入口212aと第1の排液管腔部分214aとの間の第1のチャネル216aを通って移動する距離によって測定される、長さL
C1を伴う蛇行形状又は直線形状を有することができる。注目すべきことに、長さL
C1は、例えば、第1のチャネル216aの蛇行形状又は直線形状によって、第1の排液要素210aの高さHよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、長さL
C1は、特定の流体抵抗を提供するように選択/設計される。例えば、第1のチャネル216aの長さL
C1は、長さL
C1が増加するにつれて第1のチャネル216aの抵抗が増加し、長さL
C1が減少するにつれて抵抗が減少するように(例えば、チャネル216aの断面積が一定のままであると仮定すると)、第1のチャネル216aの抵抗(例えば、流体又は流れ抵抗)に比例し得る。
【0037】
各排液要素210は、様々な長さのチャネル216を有することができ、したがって、様々な流体抵抗を有するチャネル216を有することができる。例えば、第1のチャネル216aは、第1の抵抗に対応する第1の長さL
C1を有することができ、第2のチャネル216bは、第1の長さL
C1よりも短く、第1の抵抗よりも小さい第2の抵抗に対応する第2の長さL
C2を有することができる。そのような実施形態では、所与の圧力下で、アセンブリ200は、流体が第1のチャネル216aを通って単独で(又は少なくとも主に)移動するときに第1の流量を提供し、流体が第2のチャネル216bを通って単独で(又は少なくとも主に)移動するときに第1の流量よりも大きい第2の流量を提供することができる。第3のチャネル216c及び第4のチャネル216dはまた、追加の治療選択肢を提供するように、異なる長さ、したがって、異なる抵抗を有することができる。したがって、各排液要素210によって提供される治療の相対的レベルは異なり得、アセンブリ200によって提供される治療のレベルは、様々なチャネル216及び/又はチャネル216の組み合わせを通る流れを選択的に許容及び/又は遮断することによって(例えば、
図5A~
図7Bに関して以下に説明されるように、個々の排液入口212を通る流れを選択的に干渉又は許容することによって)調整され得る。他の実施形態では、チャネル216は、それらが同じ又はほぼ同様の流体抵抗を有し、したがって(所与の圧力に対して)同様の流量を提供するように、同じ又はほぼ同様の幾何学的構成を有することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、排液要素210aを通る流体流のレベルは、主にチャネル216aの抵抗によって制御される。例えば、排液入口212a及び排液管腔部分214aは、排液入口212及び排液管腔部分214aが、チャネル216aによって提供される抵抗と比較して、そこを通る流体流に対して実質的な抵抗を提供しないようなサイズであり得る(例えば、長さ、幅、直径、円周などを有する)。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、チャネル216aの長さLC1は、主に、排液要素210aの流体抵抗を決定する。
【0039】
図2Dに最もよく見られるように、第1の排液要素210aは、第1の排液要素210aの変形性を防止するか又は少なくとも部分的に低減するために、排液要素に十分な安定性を提供する厚さTを有することができる。例えば、厚さTは、約50μm~約500μm、例えば、少なくとも50μm、少なくとも100μm、少なくとも150μm、少なくとも200μm、少なくとも250μm、少なくとも300μm、少なくとも350μm、少なくとも400μm、及び/又は任意の他の好適な厚さなどであり得る。厚さTは、第1の排液要素210aを形成する材料に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、第1の排液要素210aは、材料が概ね軟質又は圧縮性である場合(例えば、約0ギガパスカル(GPa)~約40GPaのヤング率、例えば40GPa未満のヤング率)、第1の厚さT
1と、材料が概ね硬質又は非圧縮性である場合(例えば、約100GPa~約500GPAのヤング率、例えば100GPaを超えるヤング率)、第1の厚さT
1未満の第2の厚さT
2とを有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、アセンブリ100、200の長さL(
図1)は、排液要素210の各々の厚さTと1つ以上のエンドキャップ(複数可)111の厚さとの合計によって測定される、排液要素(複数可)210と1つ以上のエンドキャップ(複数可)111との組み合わせられた長さ又は全長と概して同様又は同じであり得る。
【0040】
図2Dに示される実施形態では、第1のチャネル216aは、第1の排液要素210aの第1の表面218aに形成される。排液要素210の表面218にチャネル216を形成することにより、
図2A~
図2Bを参照して前述したように、個々の排液要素210間に形成された流体封止によってチャネル216を封止(例えば、流体封止)することができる。いくつかの実施形態では、チャネル216は、
図2Dに示される実施形態が排液要素210の半分又は断面を表すように、排液要素210の内部に形成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、チャネル(複数可)216は、排液要素(複数可)210の表面(複数可)218から材料を除去するために、レーザ切断、機械加工、又は任意の他の好適なプロセス若しくは技術によって形成することができる。少なくともいくつかの実施形態において、チャネル(複数可)210は、例えば、付加製造プロセスの一部として、チャネル(複数可)210の所望の長さ及び/又は形状に対応する金型を使用して形成され得る。
【0041】
図3A及び
図3Bは、本技術の選択された実施形態に従って構成された追加の排液要素310a~bを示す。排液要素310a~b及び/又はその1つ以上の構成要素は、
図1の排液要素(複数可)110及び/又は
図2A~
図2Dの排液要素(複数可)210と概して同様又は同じであり得る。したがって、同様の構成要素(例えば、
図1の流体入口(複数可)112に対する流体入口(複数可)312、
図2A~
図2Dの流体入口(複数可)212)を参照するために同様の番号が使用され、排液要素310a~bの説明は、
図1の排液要素(複数可)110及び/又は
図2A~
図2Dの排液要素(複数可)210とは異なる特徴、並びに文脈に必要な特徴に限定される。加えて、排液要素310a~bの任意の特徴は、互いに、及び/又は
図1及び/又は2A~2Dのそれぞれの排液要素(複数可)110、210と組み合わせることができる。
【0042】
最初に
図3Aを参照すると、排液要素310aは、インターフェース表面313aから延在する突出部又はタブ311を含むことができる。突出部311は、排液入口312a開口部がインターフェース表面313aに対して概して又は実質的に垂直であるように、排液入口312aを含むことができる。そのような実施形態では、排液入口312aは、チャネル316aの幅W
5よりも大きい幅W
4を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、排液入口312aの幅W
4は、約40μm~約150μm、例えば少なくとも40μm、少なくとも50μm、少なくとも60μm、少なくとも70μm、少なくとも80μm、少なくとも90μm、少なくとも100μm、又は任意の他の好適な幅であってよく、チャネル316aの幅W
5は、約5μm~約50μm、例えば最高10μm、最高15μm、最高20μm、最高25μm、最高30μm、最高35μm、最高40μm、又は任意の他の好適な幅であり得る。理論に束縛されるものではないが、インターフェース表面313aに対して垂直であり、対応するチャネル幅W
5よりも大きい幅W
4を有する開口部を有する排液入口を含む排液要素は、排液入口が、
図5A~
図6Bのゲート要素512並びに
図7A及び
図7Bのゲート要素702を参照して以下に詳細に説明するように、入口を通る流体流を選択的に制御するように構成された対応するゲート要素の近くに配置されたときに、流体が排液入口に入ることを可能にすることができる。例えば、これは、(
図6A~
図6Bを参照して以下に説明されるように)流体が入口312に流入することを可能にする第1の(例えば、開放)位置と、流体が入口312に流入することを防止するか、又は少なくとも部分的に低減する第2の(例えば、閉鎖)位置との間で移動するためにゲート要素が移動しなければならない距離Dを低減することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、距離Dは、最大10μm、最大15μm、最大20μm、最大25μm、最大30μm、最大35μm、最大40μm、又は最大任意の他の好適な距離など、約5μm~約50μmであり得る。
【0043】
本明細書に記載の排液要素内のチャネルは、チャネルの長さが排液要素の高さよりも大きくなることを可能にする任意の好適な形状をとることができる。例えば、
図3Bは、湾曲又は螺旋形状を有するチャネル316bを含む排液要素310bを示す。他の実施形態では、チャネル316bは、ジグザグ形状、曲線形状、本明細書に説明されるチャネル形状のいずれかのうちの1つ以上の組み合わせ、又は任意の他の好適な形状を有することができる。図示される実施形態では、管腔部分314bは、排液要素310bと同心であるか、又はその長手方向軸に沿って配置される。他の実施形態では、管腔部分314bは、排液要素310bの周囲の近くに、又は排液要素310b内の任意の他の好適な位置に配置することができる。図示の実施形態では、管腔部分314は円形を有する。他の実施形態では、管腔部分314は、楕円形、曲線形状、三角形、正方形、長方形、直線形状、五角形、六角形、又は任意の他の好適な形状を有することができる。
【0044】
図4Aは、本技術の選択された実施形態に従って構成された別の排液要素410を示す。排液要素410及び/又はその1つ以上の構成要素は、
図1~
図3Bのそれぞれの排液要素(複数可)110、210、310と概して同様又は同じであり得る。したがって、同様の構成要素を示すために同様の番号が使用され(例えば、排液要素410対
図1~
図3Bのそれぞれの排液要素(複数可)110、210、310)、
図4の排液要素410の説明は、
図1~
図3Bのそれぞれの排液要素(複数可)110、210、310とは異なる特徴、及び文脈に必要な特徴に限定される。加えて、排液要素410の任意の特徴は、
図1~
図3Bのそれぞれの排液要素110、210、310と組み合わせることができる。
【0045】
図4Aに示されるように、排液要素410は、1つ以上の位置合わせ開口部420を含むことができる。位置合わせ開口部420の各々は、排液要素410を1つ以上の他の排液要素に対して位置合わせ又は配向するために、第1の排液要素の1つ以上の第1の特徴(例えば、第1の排液入口412、第1の排液管腔部分414、第1のインターフェース表面413など)を第2の排液要素の1つ以上の第2の特徴(例えば、第2の排液入口、第2の排液管腔部分、第2のインターフェース表面など)と位置合わせ又は配向するために、及び/又は排液要素410をキャリッジ要素(例えば、
図2A及び
図2Bのキャリッジ要素202)に対して位置合わせ又は配向するために使用され得る。
【0046】
図4Bは、
図4Bの複数の排液要素410a~dを示す。排液要素410a~dの各々は、例えば、1つ以上の他の排液要素410b~dに対する第1の排液要素410aの移動又は回転を低減又は防止するために、1つ以上の位置合わせ要素422によって互いに対して位置合わせ及び/又は配向され得る。図示の実施形態では、例えば、排液要素410a~dの各々は、対応する第1の位置合わせ要素422aを受容するように構成されたそれぞれの第1の位置合わせ開口部420a
1、420b
1、420c
1、420d
1を含み、対応する第2の位置合わせ要素422bを受容するように構成されたそれぞれの第2の位置合わせ開口部420a
2、420b
2、420c
2、420d
2を更に含む。
【0047】
図4A及び
図4Bを共に参照すると、図示される実施形態において、位置合わせ開口部420は円形を有し、他の実施形態では、位置合わせ開口部420の各々は、楕円形、曲線形状、三角形、正方形、長方形、直線形状、五角形、六角形、又は任意の他の好適な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の位置合わせ開口部420a
1、420b
1、420c
1、420d
1は第1の形状を有することができ、第2の位置合わせ開口部420a
2、420b
2、420c
2、420d
2は第1の形状とは異なる第2の形状を有することができる。位置合わせ要素422の各々は、位置合わせ開口部420の個々の対応するものに対応するサイズ及び/又は形状を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、第1の位置合わせ要素422aは、第1の位置合わせ開口部420a
1、420b
1、420c
1、420d
1のサイズ及び/又は形状に対応する第1のサイズ及び/又は形状を有することができ、第2の位置合わせ要素422bは、第2の位置合わせ開口部420a
2、420b
2、420c
2、420d
2のサイズ及び/又は形状に対応する第2のサイズ及び/又は形状を有することができる。
図4A及び
図4Bの各排液要素410は、2つの位置合わせ開口部420を有するものとして示されているが、他の実施形態では、各排液要素410は、より多くの又はより少ない位置合わせ開口部420を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、各排液要素410は、1つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の位置合わせ開口部420を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置合わせ開口部420及び位置合わせ要素422は、
図2A~
図2Cのアセンブリ200などのキャリッジアセンブリに挿入する前に、2つ以上の排液要素410を位置合わせする、積み重ねる、結合するなどするために使用することができる。
【0048】
図5A及び5Bは、本明細書に説明され、本技術の選択された実施形態に従って構成される、流体入口を通る流体流を選択的に制御するための作動アセンブリ500を図示する。例えば、作動アセンブリ500は、例えば、排液要素に入る流体の流れを選択的に制御するために、
図1~
図2Dの排液アセンブリ100、200の一部として使用することができる。
図5A及び
図5Bをまとめて参照すると、作動アセンブリ500は、複数のチャンバ又はウェル504を含む及び/又は画定するハウジング又はフレーム502を含むことができる。例示された実施形態において、例えば、ハウジング502は、第1のウェル504a、第2のウェル504b、及び第3のウェル504cを含む。ウェル504の各々は、1つ以上のアクチュエータ510を含むことができる。図示の実施形態では、例えば、第1のウェル504aは第1のアクチュエータ510aを含み、第2のウェル504bは第2のアクチュエータ510bを含み、第3のウェル504cは第3のアクチュエータ510cを含む。アクチュエータ510の各々は、1つ以上の第1の作動要素514及び1つ以上の第2の作動要素516に結合された制御又はゲート要素512を含むことができる。加えて、第1の作動要素(複数可)514は、ハウジング502に結合されることができ、第2の作動要素(複数可)516は、プライミング及び/又は係留要素518(「プライミング要素518」)に結合されることができる。少なくともいくつかの実施形態では、ゲート要素512、第1の作動要素(複数可)514、第2の作動要素(複数可)516、及び/又はプライミング要素518は、同一平面上にあり得る。プライミング要素518は、
図5Bを参照して以下でより詳細に説明される。
【0049】
図示される実施形態では、第1のアクチュエータ510aは、3つの第1の作動要素514a1~3(例えば、支柱)及び3つの第2の作動要素516a1~3に結合された第1のゲート要素512aを含み、第2のアクチュエータ510bは、3つの第1の作動要素514b1~3及び3つの第2の作動要素516b1~3に結合された第2のゲート要素512bを含み、第3のアクチュエータ510cは、3つの第1の作動要素514c1~3及び3つの第2の作動要素516c1~3に結合された第3のゲート要素512cを含む。第1の作動要素514及び/又は第2の作動要素516の個々のものは、それらの好ましい幾何学形状にあるとき、互いにほぼ平行に配置することができる。他の実施形態では、作動アセンブリ500は、より多くの又はより少ないウェル504、アクチュエータ510、第1の作動要素514、及び/又は第2の作動要素516を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、例えば、作動アセンブリ500は、1つ、2つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又は任意の他の好適な数のチャンバ504、アクチュエータ510、第1の作動要素514、及び/又は第2の作動要素516を(例えば、対応する排液アセンブリ上の排液要素及び/又は流体入口の数に対応するように)含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、アクチュエータ510の各々は、第1の数の第1の作動要素514と、第1の数の第1の作動要素514と同じか又は異なる第2の数の第2の作動要素516とを含むことができる。
【0050】
作動アセンブリ500は、以前に説明され、及び/又は参照することによって本明細書に組み込まれるシステムのうちのいずれかなどの調整可能シャントシステムに入る流体の流れを選択的に制御するように構成されることができる。特に、第1のアクチュエータ510aは、第1の流体入口(例えば、
図1の第1の排液入口112a)を通る流体の流れを制御するように構成することができ、第2のアクチュエータ510bは、第2の流体入口(例えば、
図1の第2の排液入口112b)を通る流体の流れを制御するように構成することができ、第3のアクチュエータ510cは、第3の流体入口(例えば、
図1の第3の排液入口112c)を通る流体の流れを制御するように構成することができる。突出部又はゲート要素(複数可)512の各々は、例えば、流体が対応する流体入口を通って流れるのをゲート要素512が(例えば、対応する流体入口と干渉しないことによって、)実質的に防止しない第1の(例えば、「開放」)位置と、流体が対応する流体入口を通って流れるのをゲート要素512が(例えば、対応する流体入口を遮断することによって、)実質的に防止する第2の(例えば、「閉鎖」)位置との間を移動するように、対応する流体入口と移動可能にインターフェースするように構成することができる。いくつかの実施形態では、ゲート要素(複数可)512は、第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間の1つ以上の中間位置に移動するように構成することができる。
【0051】
第1の作動要素514(複数可)及び第2の作動要素(複数可)516は、第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間でゲート要素(複数可)512の移動を駆動することができる。第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、少なくとも部分的に形状記憶材料又は合金(例えば、ニチノール)で構成することができる。したがって、第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素516は、少なくとも第1の材料相又は状態(例えば、マルテンサイト状態、R相、マルテンサイトとR相との間の複合状態など)と第2の材料相又は状態(例えば、オーステナイト状態、R相状態、オーステナイトとR相との複合状態など)との間で遷移可能であり得る。第1の材料状態において、第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、作動要素をより容易に変形可能にする(例えば、圧縮可能、拡張可能など)低減された(例えば、比較的剛性が低い)機械的特性を有してもよい。第2の材料状態では、第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、第1の材料状態に対して増加した(例えば、比較的剛性が高い)機械的特性を有してもよく、特定の好ましい幾何学形状(例えば、元の幾何学形状、製造された又は組み立てられた幾何学形状、ヒートセットの幾何学形状など)への増加した選好を生じさせる。第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、エネルギー(例えば、レーザエネルギー、電気エネルギーなど)を第1の作動要素(複数可)514又は第2の作動要素(複数可)516に印加して遷移温度(例えば、一般に体温よりも高いオーステナイト仕上げ(Af)温度を超える)を超えて加熱することによって、第1の材料状態と第2の材料状態との間で選択的且つ独立して遷移させることができる。遷移温度を超えて加熱されると、第1の作動要素(複数可)514(又は第2の作動要素(複数可)516)がその好ましい幾何学形状に向かって変形する場合、第1の作動要素(複数可)514(又は第2の作動要素(複数可)516)はその好ましい幾何学形状に及び/又はそれに向かって移動する。
【0052】
第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、一般に反対に作用する。例えば、第1の作動要素(複数可)514を作動させて、対応するゲート要素(複数可)512を第1の位置に及び/又は第1の(例えば、閉鎖)位置に向かって移動させることができ、第2の作動要素(複数可)516を作動させて、対応するゲート要素(複数可)512を第2の(例えば、開放)位置に及び/又は第2の位置に向かって移動させることができる。更に、第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、材料相転移時に一方がその好ましい幾何学形状に向かって移動するにつれて、他方がその好ましい幾何学形状に向かって変形するように、協調して移動することができる。これにより、作動要素514、516を繰り返し作動させ、ゲート要素(複数可)512を第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間で繰り返し作動させることが可能になる。
【0053】
図5Aに示される実施形態では、作動要素514、516は、それらの好ましい(例えば、製造時の)幾何学形状にあり、ゲート要素は、第1の(例えば、開放)位置にある。次に
図5Bを参照すると、プライミング要素(複数可)518は、ハウジング502のプライミング表面506に接触及び/又は結合するように移動させることができる。いくつかの実施形態では、プライミング表面506へのプライミング要素(複数可)518の結合は、ゲート要素(複数可)512を実質的に移動させない(例えば、ゲート要素(複数可)512は、
図5A及び
図5Bに示されるように、第1の位置に留まることができる)。他の実施形態では、プライミング要素(複数可)518をプライミング表面(複数可)506に結合することは、ゲート要素(複数可)512を第1の位置と第2の位置との間の中間位置に移動させる。いずれにしても、プライミング要素(複数可)518をプライミング表面(複数可)506に結合することは、第2の作動要素(複数可)516が応力を受けるように、それらの好ましい幾何学形状(
図5A)に対して第2の作動要素(複数可)516を変形/歪ませることができる。
【0054】
図5Bに示される応力構成になると、第2の作動要素(複数可)516は、ゲート要素(複数可)512を第2の位置に向かって移動させるように作動され得る。例えば、第2の作動要素(複数可)516にエネルギーを印加することにより、第2の作動要素(複数可)がその遷移温度を超えて加熱され、これにより、第2の作動要素(複数可)は、比較的剛性の低い第1の材料状態から比較的剛性の高い第2の材料状態に遷移する。これはまた、第2の作動要素(複数可)をその好ましい幾何学形状に向かって移動させ、第2の作動要素内の応力を低減させる。例えば、第2の作動要素516は、それらの線形(例えば、非歪曲、非応力)構成(すなわち、それらの好ましい幾何学形状)に向かって戻ることができる。しかしながら、第2の作動要素516は、プライミング要素518を介してフレーム502に結合されているので、第2の作動要素516は、
図5Aに示される位置に戻らない。むしろ、第2の作動要素516は、少なくとも部分的に第1の作動要素514から離れてフレーム502に向かって移動する。ゲート要素(複数可)512は第2の作動要素(複数可)516に結合されているので、第2の作動要素(複数可)516がそれらの好ましい幾何学形状に向かって移動すると、ゲート要素がウェル内で第2の作動要素(複数可)516及び第2の(例えば、閉鎖)位置に向かって並進(例えば、摺動)する。この移動は、第1の作動要素(複数可)514を変形させる。前述のように、これにより、作動要素514、516を繰り返し作動させ、ゲート要素(複数可)512を第1の(例えば、開放)位置と第2の(例えば、閉鎖)位置との間で繰り返し循環させることができる(図示せず)。
【0055】
図示される実施形態では、第1の作動要素514及び第2の作動要素516の個々のものは、概して、テーパ状又は砂時計形状を有する。テーパ状又は砂時計形状である作動要素514、516は、それらの好ましい幾何学形状に対して変形されると、比較的より一貫した歪み及び/又は応力分布(例えば、個々の作動要素514、516の長さ及び/又は幅にわたって)を有することができる。作動要素にわたる比較的一貫した歪みは、材料(例えば、作動要素を形成する材料)を材料限界に至らせることなく、作動要素及び/又は作動要素が結合されるゲート要素のより大きな全体的移動を可能にすることができる。例えば、材料限界は、それを超えると材料がもはや熱弾性的に回復可能でなくなり、その結果、第1の位置と第2の位置との間で確実に又は一貫して移動することができなくなる歪み限界であり得る。したがって、理論に束縛されるものではないが、本技術の実施形態に従って構成された作動要素514、516は、第1の位置と第2の位置との間のゲート要素(複数可)512の動き(例えば、一貫性、直線性など)を改善することができると考えられる。他の実施形態では、第1の作動要素(複数可)514及び/又は第2の作動要素(複数可)516の個々のものは、線形形状、直線形状、曲線形状、ジグザグ形状、蛇行形状、又は任意の他の好適な形状を有することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、ゲート要素(複数可)512は、1つ以上の端部を含むことができる。例えば、
図5Aに最もよく見られるように、第1のアクチュエータ510aは、第1の作動要素(複数可)514aに結合された第1の端部513a
1と、第2の作動要素(複数可)516bに結合された第2の端部513a
2とを含むことができる。第1のゲート要素512aは、第1の端部及び第2の端部513a
1~2の間に配置され、それらに結合され得る。いくつかの実施形態では、第1の端部513a
1及び第2の端部513a
2は、ゲート要素512aの両側にあり、及び/又はそこから延在することができる。いくつかの実施形態では、第1の端部513a
1及び/又は第2の端部513a
2は、ゲート要素512a及び/又はハウジング502の長手方向軸に対して概して又は実質的に垂直であり得る。いくつかの実施形態では、第1の作動要素(複数可)514及び第2の作動要素(複数可)516は、第1の端部513a
1及び/又は第2の端部513a
2を互いに対して又は第1のゲート要素512aに対して変形又はトルクを与えることなく、又は実質的に与えることなく、選択的に作動させることができる。したがって、第1の位置と第2の位置との間のゲート要素512aの動きは、概して又は実質的に線形であり得、例えば、ハウジング502の長手方向軸に対して概して又は実質的に垂直及び/又は横方向であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の作動要素(複数可)514及び/又は第2の作動要素(複数可)516の個々のものを作動させるために、1つ以上の端部513にエネルギーを印加することができる。1つ以上の端部513に印加されたエネルギーは、第1の作動要素(複数可)514及び/又は第2の作動要素(複数可)516内に広がり、したがってそれらを加熱し得る。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、エネルギーを第1の端部513a1に印加して、第1の作動要素514a1~3のうちの1つ以上を作動させることができ、且つ/又はエネルギーを第2の端部513a2に印加して、第2の作動要素516a1~3のうちの1つ以上を作動させて、例えば、前述のように第1のゲート要素512aを第1の位置と第2の位置との間で移動させることができる。エネルギーはまた、第2のアクチュエータ510b及び/又は第3のアクチュエータ510cの端部(複数可)に印加され得る。理論に束縛されるものではないが、1つ以上の端部513にエネルギーを印加することは、エネルギーが印加され得る比較的大きい表面積(したがって、比較的大きい標的)に起因して、作動プロセスを簡略化することが期待される。しかしながら、いくつかの実施形態では、エネルギーは、第1の作動要素(複数可)514及び/又は第2の作動要素(複数可)516に直接印加することができる。
【0058】
図5A及び
図5Bを一緒に参照すると、いくつかの実施形態では、作動アセンブリ500は、単一又は連続した構造(例えば、単一の材料片から切断されるか、それとして印刷されるか、又はそれとして堆積される)とすることができる。例えば、アクチュエータ510の各々は、単一の材料片(例えば、ニチノール)にパターニング(例えば、切断、レーザ切断、形成など)することができ、ウェル(複数可)504は、除去された(例えば、サブトラクティブ製造プロセス中に、)又は材料が追加されなかった(例えば、付加製造プロセス中に、)単一の材料片の領域に対応することができる。形状記憶アクチュエータ、並びに調整可能緑内障シャントの動作及び製造に関する更なる詳細は、米国特許第11,291,585号、米国特許第11,166,849号、並びに国際特許出願第PCT/US 20/55144号、PCT/US 20/55141号、PCT/US 21/14774号、PCT/US 21/18601号、PCT/US 21/023238号、及びPCT/US 21/27742号に記載されており、これらの開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
図6A及び
図6Bは、
図1の排液アセンブリ100と
図6A及び
図6Bの作動アセンブリ500とを含む流量制御システム600の上面図である。
図6A及び
図6Bを一緒に参照すると、前述したように、作動アセンブリ500を使用して、排液入口112を通る流体の流れを制御することができる。図示される実施形態において、例えば、第1のゲート要素512aは、第3の排液入口112cを通る流体の流れを制御するように構成され、第2のゲート要素512bは、第2の排液入口112bを通る流体の流れを制御するように構成され、第3のゲート要素512cは、第1の排液入口112aを通る流体の流れを制御するように構成される。
図6Bに最もよく見られるように、作動アセンブリ500は、キャリッジ要素102のスロット106内に配置される、及び/又は排液要素(複数可110に結合される、例えば、排液要素(複数可)110のインターフェース表面(複数可)113に結合されることができる。
図6A及び
図6Bに示される流量制御システム600は、
図1の排液アセンブリ100と、
図5A及び
図5Bの作動アセンブリ500とを含むが、他の実施形態では、流量制御システム600は、本明細書に記載され、且つ/又は参照により本明細書に組み込まれる作動アセンブリ及び/又は排液アセンブリの任意の組み合わせを含むことができる。
【0060】
図7A及び
図7Bは、シャントシステム内の流体の流れを制御するための、本技術の選択された実施形態に従って構成された別のアクチュエータ710を示す。より具体的には、
図7Aは、組み立てられた構成又は張力が加えられていない構成のアクチュエータ710の等角図であり、
図7Bは、組み立てられた構成又は張力が加えられていない構成のアクチュエータ710の上面図である。明確にするために、アクチュエータ710は分離して示している。しかしながら、当業者が理解するように、アクチュエータ710は、(例えば、
図5A~
図6Bに示される作動アセンブリ500の代わりに)
図1~
図2Dに示されるアセンブリ100及び/又はアセンブリ200の入口を通る流体の流れを選択的に制御するために使用されることができる。
【0061】
アクチュエータ710は、第1の形状記憶作動要素714と、第2の形状記憶作動要素716と、第1の形状記憶作動要素714と第2の形状記憶作動要素716とに結合され、それらの間に配置されたゲート要素702とを含むことができる。作動要素714、716が、それらの好ましい(例えば、製造時の)幾何学形状に向かって変形されるとき、(例えば、それぞれの標的724a、724bを介して)作動要素714、716にエネルギーを印加することは、
図5A及び
図5Bの作動要素514、516に関して前述された遷移と同様に、作動要素をその好ましい幾何学形状に向かって変形する、作動要素内の材料相変化を誘発する。この遷移は、ゲート要素702に回転運動を付与する。したがって、ゲート要素702は、流体入口(例えば、
図2A~
図2Dに示される排液入口(複数可212)を遮断する第1の位置と、ゲート要素702が流体入口に干渉しない第2の位置との間で移動することができる。アクチュエータ710は、本明細書を参照することにより先に組み込まれる米国特許出願第17/175,332号に更に詳細に記載されている。
【0062】
当業者には理解されるように、上述した作動アセンブリ及び/又はアクチュエータのいずれも、それぞれの
図1及び
図2A~
図2Dのアセンブリ100又はアセンブリ200と共に使用して、そこを通る流体の流れを制御することができる。更に、1つのアセンブリ及び/又は排液要素に関して説明した特定の特徴を、別のアセンブリ及び/又は排液要素に追加又は組み合わせることができる。したがって、本技術は、本明細書で明示的に識別されるアセンブリ及び/又は排液要素に限定されない。
【0063】
図8A~
図8Dは、本技術の選択された実施形態に従って構成されたシャントシステム800(「システム800」)を示す。より具体的には、
図8Aは、システム800の上面図であり、
図8Bは、明確にするためにシステム800の他の態様を省略した、システム800を通って延在する流体抵抗器ネットワーク820の斜視図であり、
図8Cは、
図8Bに示される流体抵抗器ネットワーク820の概略図であり、
図8Dは、システム800の分解等角図である。以下により詳細に説明するように、システム800は、緑内障の治療を支援するために、患者の眼の前房から房水を排出するなどのために、第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排出するための滴定可能な治療を提供するように構成される。
【0064】
図8Aを参照すると、システム800は、流体抵抗器のネットワーク820(本明細書では「流体抵抗器ネットワーク820」とも称される)を画定し、1つ以上のアクチュエータ810(第1のアクチュエータ810a及び第2のアクチュエータ810bとして示される)を収容する細長いハウジング又はシャント要素801を含む。
図8B~
図8Dを参照してより詳細に説明するように、流体抵抗器820のネットワークは、システム800が患者内に埋め込まれたときにシャント要素801を通って流体が流れることができる複数のチャネル又は管腔を備えることができる。また、
図8B~
図8Dを参照してより詳細に説明されるように、アクチュエータ810は、関連付けられた流体流ポートに選択的に干渉すること、及び/又は選択的に干渉しないことなどによって、流体抵抗器ネットワーク820を通る流体の流れを選択的に制御することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、
図5A、5B、7A、及び7Bを参照して上記で説明されるもの、並びに/又は米国特許出願公開第2020/0229982号及び同第2021/0251806号に説明されるものなどの形状記憶アクチュエータであり、それらの開示は、参照することによって、それらの全体として、全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0065】
図8Bは、流体抵抗器820のネットワークを示しており、システム800の他の態様は、説明及び明確さのために省略されている。流体抵抗器820のネットワークは、複数の少なくとも部分的に隔離されたチャネル又は管腔を含むことができる。例えば、図示される実施形態において、流体抵抗器820のネットワークは、第1のチャネル822及び第2のチャネル824を含み、これらは合流して第3のチャネル826を形成する。第1のチャネル822は、第1の端部822a及び第2の端部822bを含む。第1の端部822aは、対応する第1の流体流ポート812(「第1のポート812」)と位置合わせされ(例えば、流体結合され)、第2の端部822bは、第3のチャネル826に流体結合される。図示されるように、第1のチャネル822は、比較的線形又は直線状の流路を有する。したがって、第1のチャネル822及び第3のチャネル826は、システム800を通る第1の流路を形成することができる。
【0066】
第2のチャネル824は、第1の端部824aと、第1の螺旋又は部分又はセグメント824bと、第2の螺旋部分又はセグメント824cと、第2の端部824dとを含む。第1の端部824aは、対応する第2の流体流ポート814(「第2のポート814」)と流体的に位置合わせされ(例えば、流体結合され)、第2の端部824dは、第3のチャネル826に流体結合される。第1の螺旋部分824bは、第1の端部824aと第2の螺旋部分824cとの間に延在し、それらを流体結合する。第2の螺旋部分824cは、第1の螺旋部分824bと第2の端部824dとの間に延在し、それらを流体結合する。第2のチャネル824は、第1の螺旋部分824bの一部に流体結合されたバイパスチャネル815を更に含むことができる。バイパスチャネル815は、対応する第3の流体流ポート816(「第3のポート816」)から延在することができる。したがって、第2のチャネル824は、システム800を通る2つの追加の流路、すなわち、(1)第2のポート814から始まり、第2のチャネル824の全長を通り、第3のチャネル826を通る第1の流路、及び(2)第3のポート816から始まり、バイパスチャネル815を通り、第2のチャネル824の一部を通り、第3のチャネル826を通る第2の流路を画定する。
【0067】
流体抵抗器820のネットワークのチャネル及び/又は流路の各々は、異なる流体抵抗に関連付けられ得る。例えば、所与の断面積に対して、チャネルによって提供される流体抵抗は、チャネルの長さに比例する。すなわち、チャネルが長いほど流体抵抗が高くなる傾向があり、チャネルが短いほど流体抵抗が低くなる傾向がある。したがって、第1のチャネル822及び第2のチャネル824が同じ又は実質的に同じ断面寸法(例えば、直径)を有する実施形態では、第1のチャネル822は、第2のチャネル824よりも低い流体抵抗を有する。これは、第2のチャネル824が、第1の螺旋部分824b及び第2の螺旋部分824cによって、第1のチャネル822よりも大きい長さを有するからである。同様に、第3のポート816と第3のチャネル826との間に延在する流路の流体抵抗は、第3のポート816と第3のチャネル826との間の流路の長さが第2のポート814と第3のチャネル826との間の流路の長さよりも短いので、第2のポート814と第3のチャネル826との間に延在する流路の流体抵抗よりも小さい。いくつかの実施形態では、第3のチャネル826は、第1のチャネル822及び第2のチャネル824の対応する断面寸法よりも実質的に大きい断面寸法(例えば、直径)を有し、それにより、第3のチャネル826は、様々な流路を通る流体抵抗に対して無視できる影響を有する。同様に、バイパスチャネル815及び様々なポートもまた、様々な流路を通る流体抵抗に対して無視できる影響を有し得る。当業者が理解するように、抵抗は、長さよりも断面積の変化に対してより敏感であり、したがって、第3のチャネル826、バイパスチャネル815、及び様々なポートは、単に第1のチャネル922及び第2のチャネル824よりもわずかに大きい断面積を有することによって、全体的な流れ抵抗に対して無視できる影響を有するように設計されることができる。そのような実施形態では、第1のチャネル822及び第2のチャネル824の長さ及び断面積は、所望の流体抵抗を付与するように設計されることができる。当然、他の実施形態では、第3のチャネル826、バイパスチャネル815、及び/又は様々なポートは、様々な流路に有意な流体抵抗を付与することができる。
【0068】
図8Cは、流体抵抗器ネットワーク820を通る様々な流路の相対的な流体抵抗を更に示される流体抵抗器ネットワーク820の概略図である。図示されるように、第1のチャネル822、第1の螺旋部分824b、及び第2の螺旋部分824cは、ネットワーク820を通した抵抗の主要源である。すなわち、ポート812、814、816、バイパスチャネル815、及び第3のチャネル826は、ネットワーク820を通して有意な抵抗を付与しない。その結果、ネットワーク820は、システムを通る3つの流体流路、すなわち、第1のチャネル822を介した第1のポート812と第3のチャネル826との間の第1の流路Aと、第1の螺旋部分824b及び第2の螺旋部分824cを介した第2のポート814と第3のチャネル826との間の第2の流路Bと、バイパスチャネル815及び第2の螺旋部分824cを介した第3のポート816と第3のチャネル826との間の第3の流路Cとを提供する。図示の実施形態では、第1の流路Aは最も低い抵抗を有し、第2の流路Bは最も高い抵抗を有し、第3の流路Cは第1の抵抗と第2の抵抗との間の中間抵抗を有する。当業者が本明細書の開示から理解するように、チャネルは、本明細書に示されるものとは異なる相対抵抗を提供するように配置され得る。したがって、本技術は、特に明記しない限り、チャネルのいかなる特定の構成にも限定されない。流体抵抗器ネットワークは、より多くの又はより少ないチャネルを有することもできる。実際に、流体抵抗器ネットワークの追加の例は、以下のセクションCで説明される。
【0069】
システム800は、積み重ねられ、互いに封止結合(例えば接着)された複数の材料層から構成される。例えば、
図8Dは、複数の層(第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び第4の層805として示される)を示すシステム800の分解等角図である。第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び第4の層805は、セクションBでより詳細に説明されるように、溶接、接着、化学結合、又は他の好適な技術を含む任意の好適な製造プロセスを使用して、システム800を形成するために互いに接着され得る。接着されると、第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び第4の層805の隣接する表面は、流体又はガスが隣接する層間で漏出することができないように(流体抵抗器ネットワーク820などの画定された流路を通る以外)、流体及び気密封止を形成する。互いに組み立てられると、層802~805の各々は、他の層802~805の各々によって形成される平面と、システム100の長手方向軸とに平行な平面を形成する。これは、各積み重ね可能な排液要素が対応するシステムの長手方向軸に垂直な平面を形成する、
図2A~
図4Bを参照して上述した積み重ね可能な排液要素とは対照的である。
【0070】
層802~805は、同じ材料又は異なる材料から構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び/又は第4の層805のうちの1つ以上は、シリコーン、プラスチック、ガラス、ポリマー、又は別の好適な材料から構成され得る。以下でより詳細に説明されるように、異なる材料から個々の層を製造する能力は、異なる層が、層の機能に基づく(例えば、最適化される)異なる材料特性(例えば、異なるレベルの剛性)を有するように製造され得るため、有益であると期待される。
【0071】
層802~805の各々は、約10:1~約100:1など、約10:1超又は約50:1超の幅対高さ比又は幅対厚さ比を有する平坦層であり得る。層802~805は、同じ又は異なる高さ/厚さを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び/又は第4の層805のうちの1つ以上は、約10μm~約500μm、又は約10μm~約100μm、又は約10μm~約50μmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び/又は第4の層805は、約500μm未満、約250μm未満、約100μm未満、約50μm未満、及び/又は約25μm未満の厚さを有することができる。理論に束縛されるものではないが、比較的高い幅対厚さ比(例えば、10:1超)及び比較的小さい厚さ(例えば、約500μm未満)を有するように層802~805を製造することは、有利なことに、システム300の全体的な設置面積が比較的コンパクトになることになる。
【0072】
流体抵抗器ネットワーク820は、システム800の複数の層を占有することができる。図示の実施形態では、例えば、第1のチャネル822及び第2のチャネル824の第1の螺旋部分824bは、第4の層805内に少なくとも部分的に画定され、第2のチャネル824の第2の螺旋部分824c及び第3のチャネル826は、第2の層803内に少なくとも部分的に画定される。すなわち、第1のチャネル822及び第1の螺旋部分824bは、システムの長手方向軸に平行な第1の平面内に形成され、第2の螺旋部分824c及び第3のチャネル826は、第1の平面及びシステムの長手方向軸に平行な第2の重なり合う平面内に形成される。本明細書で使用される場合、「少なくとも部分的に画定される」は、材料層内のチャネルを説明する文脈で使用される場合、チャネルの空隙空間の少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が材料層内に画定される実施形態を含む。いくつかの実施形態では、チャネルを「少なくとも部分的に画定する」層は、チャネル自体を完全に囲まない。むしろ、別の層が、チャネルの「上部」又は「底部」表面を形成し得、その結果、チャネルは、2つの隣接する層が一緒に接着された場合にのみ囲まれる。そのような実施形態の例は、
図11を参照して以下により詳細に説明される。他の実施形態では、チャネルを画定する壁を含むチャネルは、全て単一層内に形成される。
【0073】
第1の層802(例えば、最上層)は、第1の開口部811、第2の開口部813、及び第3の開口部817を含むことができる。以下で説明するように、第1の開口部811、第2の開口部813、及び第3の開口部817は、流体がシステム800に流入することを許容することができ、したがって、それぞれ第1の入口、第2の入口、及び第3の入口として説明することができる。第3の層804はまた、流体が流体抵抗器ネットワーク820に入ること、及び/又は流体抵抗器ネットワーク820の様々なチャネル間を流れることを許容する様々なポート又は開口部を含むことができる。例えば、第3の層804は、第1のチャネル822の第1の端部822aへの流体アクセスを提供する(例えば、それと位置合わせされる)第1のポート812と、第2のチャネル824の第1の端部824aへの流体アクセスを提供する(例えば、それと位置合わせされる)第2のポート814と、バイパスチャネル815への流体アクセスを提供する(例えば、それと位置合わせされる)第3のポート816とを含む。第1のポート812、第2のポート814、及び第3のポート816は、それぞれ、第1の層802内の第1の開口部811、第2の開口部813、及び第3の開口部817と流体連通するように配置される。以下に説明されるように、これは、流体が、第1の開口部811、第2の開口部813、及び第3の開口部817を介して流体抵抗器ネットワーク820に流入することを可能にする。
【0074】
第3の層804は、異なる層に配置された流体抵抗器ネットワーク820の部分間のポータル又はコネクタとして機能する様々な開口部を更に含む。例えば、第3の層804は、第1のコネクタ823及び第2のコネクタ825を含む。第1のコネクタ823及び第2のコネクタ825は、第3の層804の上側表面と下側表面との間に延在する貫通孔、管腔、ポートなどとすることができる。したがって、コネクタ823、825は、概して、第1のチャネル822、第2のチャネル824、及び第3のチャネル826の軸に垂直な軸を有する。第1のコネクタ823は、第1のチャネル822を通って流れる流体が第1のコネクタ823を介して第3のチャネル826に流入することができるように、第1のチャネル822の第2の端部822bと第3のチャネル826との間に延在するように配置される。第2のコネクタ825は、第1の螺旋部分824bを流れる流体が第2の螺旋部分824cに流入することができるように、第2のチャネル824の第1の螺旋部分824bと第2のチャネル824の第2の螺旋部分824cとの間に延在するように配置される。
【0075】
システム800の複数の層において流体抵抗器ネットワーク820を画定することは、いくつかの利点を提供することが期待される。例えば、流体抵抗器ネットワーク820を複数の重なり合う層に画定することは、ネットワーク820のチャネルが形成され得るより多くの容積を提供する。その結果、特定の抵抗のチャネルは、概して、単一の材料層内に形成される同じ抵抗のチャネルよりも長く且つ広くなり得る(例えば、チャネル抵抗は、チャネル長に比例し、4乗の関数によってチャネル直径に反比例し、したがって、第2のチャネルよりも長く且つ広い第1のチャネルは、第2のチャネルと同じ全体的な抵抗を有し得る)。これは、少なくとも以下の2つの理由のために有利であると期待される。(1)比較的広い/高いチャネルを利用することは、細胞物質又は他の破片がチャネル内に固着し、したがってチャネルを遮断する可能性を低減する、及び(2)一般に、より狭いチャネルよりも広いチャネルを製造することがより容易であり、チャネルの直径における任意の製造変動性は、チャネルがより広いとき、流体抵抗に対してより少ない影響を有する。前述の利点は、システム800が小さい実施形態(例えば、システム800が緑内障シャントである実施形態)、及び単一層内に好適な特性を伴う流体抵抗器ネットワーク820を画定することが実現可能でない場合がある実施形態において、特に有用である。
【0076】
上述したように、システム800は、滴定可能な治療を提供するように選択的に調整可能であってもよい。例えば、
図8Dに示されるように、システム800は、第1のアクチュエータ810aと、第2のアクチュエータ810bと、アクチュエータハウジング806とを含むことができる。アクチュエータハウジング806は、第1のアクチュエータ810aを受容するように構成された第1のアクチュエータチャンバ808aと、第2のアクチュエータ810bを受容するように構成された第2のアクチュエータチャンバ808bとを含むことができる。アクチュエータハウジング806は、アクチュエータハウジング806が変形に抵抗するように、層802~805よりも高いデュロメータを有する(例えば、より剛性である)材料から構成され得る。第1のアクチュエータ810aは、第1のポート812を通る流体の流れを制御し、したがって、第1のチャネル822内への流体の流れを制御するように構成され得る。例えば、第1のアクチュエータ810aは、少なくとも、第1のアクチュエータ810aが第1のポート812を遮断する第1の位置と、第1のアクチュエータ810aが第1のポート812を遮断しない第2の位置との間で移動可能であり得る。同様に、第2のアクチュエータ810bは、2つ以上の位置の間で移動することによって、第2のポート816を通る流体の流れを制御し、したがって、バイパスチャネル815への流体の流れを制御するように構成され得る。上述したように、第1のアクチュエータ810a及び第2のアクチュエータ810bは、ニチノールなどの形状記憶材料から構成することができ、
図5A、
図5B、
図7A、及び
図7Bを参照して上述したアクチュエータ、並びに/又は参照により本明細書に先に組み込まれた米国特許出願公開第2020/0229982号及び同第2021/0251806号に記載された形状記憶アクチュエータと同じ又は同様の方式で動作することができる。2つのアクチュエータ810a、810bを有するものとして説明されているが、当業者は、システム800が、0、1、3、4、又はそれ以上など、より多くの又はより少ないアクチュエータを有することができることを理解するであろう。更に、いくつかの実施形態では、第1のポート812、第2のポート814、及び第3のポート816の各々は、そこを通る流体の流れを制御するための対応するアクチュエータを含むことができる。
図8Dに示される構成などの他の実施形態では、第1のポート812、第2のポート814、及び第3のポート816のうちの少なくとも1つは、対応するアクチュエータを有さず、したがって、第1のポート812、第2のポート814、又は第3のポート816のうちの少なくとも1つは、流体が流体抵抗器ネットワーク820に入ることを許容するために常時開放である。
【0077】
B.多層抵抗器の製造
本技術は、マイクロ流体シャントシステムの製造プロセスを改善することが期待されるシステム及び方法を更に含む。
図8A~
図8Dに関して前述したように、本技術は、複数の積み重ね可能な層(例えば、システム800の層802~805)から構成されるシャントシステムを含む。層802~805は、同じ又は異なるプロセスを使用して製造することができる。例えば、第1の層802、第2の層803、第3の層804、及び/又は第4の層805のうちの1つ以上は、フォトリソグラフィ、スピンキャスティング、射出成形、レーザ切断、又は他の好適な技術を介して製造され得る。いくつかの実施形態では、使用される製造技術は、層の1つ以上の所望の特性に基づく。例えば、「外部」対向層(すなわち、第1の層802及び第4の層805)は、非外傷性及び/又は生体適合性表面を生成する様式で製造されてもよい。「内部」層(すなわち、第2の層803及び第3の層804)は、他の製造特性(例えば、精度、公差など)を優先する様式で製造されてもよい。
【0078】
個々の層802~805が製造されると、層802~805は、所望の配向で積み重ねられ、接着され得る。例えば、
図8Dに最もよく示されるように、第1の層802の第2の(例えば、「下側」)表面は、第2の層803の第1の(例えば、「上側」)表面に接着することができ、第2の層803の第2の(例えば、「下側」)表面は、第3の層804の第1の(例えば、「上側」)表面に接着することができ、第3の層804の第2の(例えば、「下側」)表面は、第4の層805の第1の(例えば、「上側」)表面に接着することができる。本明細書で使用される場合、「上側」及び「下側」という用語は、
図8Dに示される層802~805の表面を指定するために使用される。当業者であれば、システム800の配向に応じて、「上側」表面が、システム800の配向に応じて「下側」表面の下に配置され得ることを理解するであろう。したがって、「上側」及び「下側」という用語の使用は、地面に対する特定の空間的な配向を必要とせず、代わりに説明を明確にするために使用される。セクションAで上述したように、個々の層802~805は、糊付け、結合、テーピング、溶接、はんだ付け、ステープル留め、縫合などの任意の好適な技術を使用して接着することができる。非限定的な例としては、プラズマ処理による、重合前駆体材料による(例えば、シリコーンの2つの隣接する層を一緒に結合するための未硬化シリコーンの使用)、及び/又は超音波結合による自己接着剤又は自己結合が挙げられる。
【0079】
本明細書に記載のシャントシステムはまた、システムの製造性を改善することが期待される特定の特徴を有することができる。例えば、
図9A~
図9Cは、本技術の選択された実施形態に従って構成されたシャントシステム900(「システム900」)を示す。より具体的には、
図9Aは、システム900の上面図であり、
図9Bは、
図9Aに示される流体抵抗器ネットワークの概略図であり、
図9Cは、システム900の分解等角図である。前述のシステム800と同様に、システム900は、患者の眼の前房から房水を排出するなど、第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排出するように構成された調整可能なシャントであり得る。
【0080】
システム900は、
図8A~
図8Dを参照して説明したシステム800の特定の特徴と概して同様の特定の特徴を含むことができる。例えば、最初に
図9Aを参照すると、システム900は、流体抵抗器920のネットワーク(「流体抵抗器ネットワーク920」とも称される)を画定する細長いハウジング又はシャント要素901を含む。流体抵抗器ネットワーク920は、シャント要素901を通って延在する複数のチャネル又は管腔を含むことができる。例えば、システム900は、第1のチャネル922と、第1の(例えば、螺旋)部分又はセグメント924a及び第2の(例えば、蛇行)部分又はセグメント924bを有する第2のチャネル924と、第3のチャネル926とを含む。第1のチャネル922、第2のチャネル924、及び第3のチャネル926は、
図8A~
図8Dを参照して説明した第1のチャネル822、第2のチャネル824、及び第3のチャネル826と概して同様の構成を有することができる。例えば、第1のチャネル922は、第1のポート911(例えば、第1の入口開口部)と第3のチャネル926との間に延在するか、又はそうでなければそれらを流体接続することができ、一方、第2のチャネルは、第2のポート913(例えば、第2の入口開口部)と第3のチャネル926との間に延在するか、又はそうでなければそれらを流体接続することができる。第1のチャネル922は、異なる長さ及び/又は断面を有することによって、第2のチャネル924とは異なる抵抗を有することができる。例えば、図示される実施形態では、第2のチャネル924は、その螺旋及び蛇行形状のために、第1のチャネル922よりも実質的に長く、したがって、第1のチャネル922よりも高い抵抗を有する。第3のチャネル926は、第1のチャネル922又は第2のチャネル924のいずれかの抵抗よりも小さい抵抗を有することができる。システム900は、第3のポート917(例えば、第3の入口開口部)と第2のチャネル924の中間部分との間に延在するか、又はそれらを流体結合するバイパスチャネル915を更に含むことができ、それにより、第3のポート917を介してシステム900に入る流体は、第2のチャネル924の第1の(例えば、螺旋)部分924aをバイパスする。
【0081】
システム800と同様に、シャント要素901はまた、1つ以上のアクチュエータ910を保持するための1つ以上のアクチュエータチャンバ(第1のアクチュエータチャンバ908a及び第2のアクチュエータチャンバ908bとして示される)を画定することができる(例示及び明確さの目的のために、アクチュエータ910は、
図9Aの第2のアクチュエータチャンバ908b内にのみ示される)。第1のアクチュエータチャンバ908a内のアクチュエータ(図示せず)は、第1のポート911を通る流体の流れを選択的に制御するように、及び/又は第1のチャネル922の上流の別のポート又は開口部(例えば、第1のポート911と第1のチャネル922との間に流体的に配置された1つ以上の中間ポート又は開口部)を通る流体の流れを選択的に制御するように構成され得る。第2のアクチュエータチャンバ908b内のアクチュエータ910は、第3のポート917を通る流体の流れを選択的に制御するように、及び/又はバイパスチャネル915から上流の別のポート又は開口部(例えば、第3のポート917とバイパスチャネル915との間に流体的に配置された1つ以上の中間ポート又は開口部)を通る流体の流れを選択的に制御するように構成され得る。図示される実施形態では、第2のチャネル924へのアクセスを提供する第2のポート913は、そこを通る流体の流れを選択的に制御するための対応するアクチュエータを含まず、したがって、開放/遮断されないままである。アクチュエータ910は、
図8A~
図8Dを参照して説明したアクチュエータ810と同様又は同じであり得る。例えば、アクチュエータ910は、
図5A、5B、7A、及び7Bを参照して説明されるもの、並びに/又は米国特許出願公開第2020/0229982号及び同第2021/0251806号に説明されるものなどの形状記憶アクチュエータであることができ、それらの開示は、参照することによって本明細書に先に組み込まれた。
【0082】
図9Bは、流体抵抗器ネットワーク920を通る様々な流路の相対的な流体抵抗を更に示される流体抵抗器ネットワーク920の概略図である。図示されるように、第1のチャネル922、第2のチャネル924の第1の部分924a、及び第2のチャネル924の第2の部分924bは、ネットワーク920を通る抵抗の主要源である。すなわち、ポート911、913、及び917、バイパスチャネル915、並びに第3のチャネル926は、ネットワーク920を通して有意な抵抗を付与しない。その結果、ネットワーク920は、システムを通る3つの流体流路、すなわち、第1のチャネル922を介した第1のポート911と第3のチャネル926との間の第1の流路Dと、第2のチャネル924の第1の部分924a及び第2の部分924bを介した第2のポート913と第3のチャネル926との間の第2の流路Eと、バイパスチャネル925及び第2のチャネル924の第2の部分924bを介した第3のポート917と第3のチャネル926との間の第3の流路Fとを提供する。図示の実施形態では、第1の流路Dが最も低い抵抗を有し、第2の流路Eが最も高い抵抗を有し、第3の流路Fが第1の抵抗と第2の抵抗との間の中間抵抗を有する。当業者が本明細書の開示から理解するように、チャネルは、本明細書に示されるものとは異なる相対抵抗を提供するように配置することができ、したがって、本技術は、明示的に別段の記載がない限り、チャネルの任意の特定の構成に限定されない。実際に、流体抵抗器ネットワークの追加の例は、以下のセクションCで説明される。
【0083】
先に上述したシステム800と同様に、システム900は、互いに積み重ねられ接着された複数の材料層から構成することができる。例えば、
図9Cは、第1の層902、第2の層903、及び第3の層904を示すシステム900の分解等角図である。第1の層902は、第1のポート911、第2のポート913、及び第3のポート917を含み、これらは各々、第1の層902の第1の(例えば、上側)表面951と第2の(例えば、下側)表面952との間に延在する貫通孔であり得る。システム800とは異なり、流体抵抗器ネットワーク220(
図9B)の大部分は、第1の層902内に画定される。すなわち、第1のチャネル922、第2のチャネル924、及び第3のチャネル926(
図9Cでは見えない)は、第1の層902の厚さ内に少なくとも部分的に画定される。例えば、第1の層902は、チャネル922、924、及び926の空隙空間を画定する。そのような実施形態では、第2の層903及び/又は第3の層904は、第1の層902内に画定されたチャネル922、924、及び926の空隙空間に対する壁の少なくとも一部を提供し得る。
【0084】
上述したように、システム900は、多層システム900の製造性を改善することが期待される特定の特徴を含む。例えば、第1の層902の第2の表面952は、第1の層902を第1の厚さを有する第1の領域954と第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する第2の領域955とに分割する第1の層ステップ953を有することができる。例えば、第1の領域954は、第2の領域955の厚さの約1/8~約3/4の厚さを有し得る。第2の層903の第1の表面961はまた、第2の層903を第1の厚さを有する第1の領域964と第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する第2の領域965とに分割する第2の層ステップ963を有することができる。例えば、第2の領域965は、第1の領域964の厚さの約1/8~約3/4の厚さを有し得る。第2の層の第1の領域964は、アクチュエータチャンバ908を含むことができる。第1の領域954、964は、第2の領域955、965の合計厚さに等しいか、又は少なくともほぼ等しい合計厚さを有する。
【0085】
第1の層902と第2の層903とが互いに接着されるとき、第1の層902の第1の領域954は、第2の層903の第1の領域964と位置合わせされる(且つ接着される)。同様に、第1の層902の第2の領域955は、第2の層903の第2の領域965と位置合わせされる(且つ接着される)。その結果、第1の層902が第2の層903に接着されるとき、第1の層ステップ953は、第2の層ステップ963に対して当接する。理論に束縛されるものではないが、可変厚さの層を含むことは、(1)流体抵抗器ネットワーク920がアクチュエータ910と同一又は実質的に同一平面内に存在することができる一方で、(2)流体抵抗器ネットワーク920がアクチュエータハウジング908とは別個の層内に製造されること許容するため、システム900の製造性を改善することが期待される。これは、流体抵抗器ネットワーク920を形成するのに最も適した材料特性が、アクチュエータハウジング908を形成するのに最も適した材料特性とは異なり得るので、有利であると期待される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の層902(したがって、流体抵抗器ネットワーク920)は、シリコーンなどの比較的可撓性の材料から構成される一方、第2の層903(したがって、アクチュエータハウジング908)は、比較的非可撓性の材料(超弾性ニチノール、ステンレス鋼、又は他の医療グレードの剛性材料など)から構成されることが期待される。これはまた、システム900を形成するために、より少ない材料の層を一緒に接着しなければならないことをもたらし得るので、有利であることが期待される。しかしながら、いくつかの実施形態では、流体抵抗器ネットワーク920は、
図9Cを参照して説明されるような積層ステップを有することに加えて、
図8A~
図8Dを参照して上述されるように、比較的可撓性の材料の複数の層で製造される。
【0086】
C.流体抵抗器ネットワークの追加の実施形態
上述したように、本技術は、
図8A~
図9Cに関して説明及び図示した流体抵抗器ネットワークに限定されない。実際に、当業者が本明細書の開示から理解するように、異なる滴定可能な治療レベルを提供するために、シャントシステムの異なる層を通して多数の異なる流路を作成することができる。例えば、
図10A及び10Bは、例えば、本技術の選択された実施形態に従って構成され、
図8A~
図9Cを参照して説明したシステム800及び900とは異なる流体抵抗器ネットワークを有する別のシャントシステム1000(「システム1000」)を示す。より具体的には、
図10Aは、システム1000の斜視図であり、
図10Bは、
図10Aに示される流体抵抗器ネットワークの概略図である。前述したシステム100及び200と同様に、システム1000は、患者の眼の前房から房水を排出するなど、第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排出するように構成された調整可能なシャントであり得る。
【0087】
システム1000の特定の特徴は、前述したシステム800及び900の対応する特徴と概して同様であり得る。例えば、システム1000は、流体抵抗器のネットワーク1020(本明細書では「流体抵抗器ネットワーク1020」とも称される)を有する細長いハウジング又はシャント要素1001を含む。上述の流体抵抗器ネットワーク820及び920と同様に、流体抵抗器ネットワーク1020は、シャント要素1001を通って延在する複数のチャネル又は管腔から構成されて、それを通して流体を排出するための複数の流路を提供することができる。しかしながら、
図10Bを参照して以下に詳細に説明されるように、システム1000の流体抵抗器ネットワーク1020は、前述の流体抵抗器ネットワーク820及び920とは異なる。システム1000は、流体抵抗器ネットワーク1020を通る流体の流れを選択的に制御するための対応するアクチュエータ(図示せず)を収容するように構成された1つ以上のアクチュエータチャンバ1008を更に含むことができる。
【0088】
ここで
図10Bを参照すると、流体抵抗器ネットワーク1020は、複数の別個のチャネルセグメント、すなわち、第1のチャネルセグメント1021、第2のチャネルセグメント1022、第3のチャネルセグメント1024、第4のチャネルセグメント1025、第5のチャネルセグメント1026、及び第6のチャネルセグメント1027を含む。チャネルセグメントは、流体抵抗器ネットワーク1020を通る3つの異なる流路G~Iを集合的に画定し、各流路は異なる総抵抗を有する。3つの流路の各々は、第1のチャネルセグメント1021及び第6のチャネルセグメント1027を含む。すなわち、第1のチャネルセグメント1021は、対応する入口ポート1011から流体を収集する共通流入チャネルであり、第6のチャネルセグメント1027は、第2のチャネルセグメント1022及び第5のチャネルセグメント1026から流体を収集する共通流出チャネルである。図示される実施形態では、第1のチャネルセグメント1021及び第6のチャネルセグメント1027は、有意な抵抗を流体経路に付与する。しかしながら、第1のチャネルセグメント1021及び第6のチャネル1027によって付与される抵抗は、各流路について同じである。他の実施形態では、第1のチャネルセグメント1021及び/又は第6のチャネルセグメント1027は、流路の総抵抗に対して有意な抵抗を付与しない。
【0089】
流体抵抗器ネットワーク1020は、3つの並列抵抗器、すなわち、第2のチャネルセグメント1022、第3のチャネルセグメント1024、及び第4のチャネルセグメント1025を含む。並列抵抗器の各々は、異なる流路、すなわち、第2のチャネルセグメント1022を通る第1の流路G、第3のチャネルセグメント1024を通る第2の流路H、及び第4のチャネルセグメント1025を通る第3の流路Iを画定する。1つ以上の並列抵抗器は、対応するアクチュエータによって選択的にゲート制御され得る。例えば、図示される実施形態では、第2のチャネルセグメント1022は第1のアクチュエータ1010aによってゲート制御され、第4のチャネルセグメント1025は第2のアクチュエータ1010bによってゲート制御される。第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータ1010a、1010bは、それぞれ、第2のチャネルセグメント1022及び第4のチャネルセグメント1025を選択的に開放又は閉鎖するように非侵襲的に作動されることができる。図示の実施形態では、第3のチャネルセグメント1024は開放したままである。第3のチャネルセグメント1024及び第4のチャネルセグメント1025は、第5のチャネルセグメント1026に合流することができる。第2のチャネルセグメント1022及び第5のチャネルセグメントは、第6のチャネルセグメント1027に合流することができ、これは、上述したように、各流路G-Iの共通流出チャネルとして機能する。チャネルセグメントの各々の抵抗は、システム1000を通る各流路が所望の抵抗特性を有するように選択することができる。更に、セクションAで上述したように、異なるチャネルセグメントをシステム1000の異なる層内に画定して、システム1000のサイズを最小限に抑え、且つ/又はシステム1000の製造性を改善することができる。
【0090】
図11は、本技術の選択された実施形態に従って構成され、本明細書に説明されるシャントシステムのいずれかと共に実装されることができる、流体抵抗器ネットワーク1100の一部の断面図である。より具体的には、
図11は、流体抵抗器ネットワーク1100の軸方向長さに沿った断面図である。図示されるように、流体抵抗器ネットワーク1100は、第1の(例えば、上部)壁1122a及び第2の(例えば、下部)壁1122bを有する第1のチャネル1122と、第3の(例えば、上部)壁1124a及び第4の(例えば、下部)壁1124bを有する第2のチャネル1124とを含む。断面図のみが
図11に示されているが、第1のチャネル1122及び第2のチャネル1124は、本明細書に記載されるチャネルのいずれかと概して同様の形状(例えば、線形、螺旋、蛇行など)を有することができる。
【0091】
図示されるように、第1のチャネル1122及び第2のチャネル1124の両方の空隙空間は、第1の層1102内に実質的に画定される。しかしながら、第1の層1102は、第1のチャネル122又は第2のチャネル1124のいずれかを完全には囲まない。むしろ、第1のチャネル1122は、第1の層1102が第2の層1103(例えば、第2の層1103が第1のチャネル1122の第1の壁1122aを含む)に封止結合されるときに囲まれ、第2のチャネル1124は、第1の層1102が第3の層1104(例えば、第3の層1104が第4の壁1124bを含む)に封止結合されるときに完全に囲まれる。しかしながら、同じ層内に画定されているにもかかわらず、第1のチャネル1122及び第2のチャネル1124は、第1の層1102内で同一平面上にない。より具体的には、第1のチャネル1122の「上部」(例えば、第1の壁1122a)、第1のチャネル1122の「底部」(例えば、第2の壁1122b)、第2のチャネル1124の「上部」(例えば、第3の壁1124a)、及び第2のチャネル1124の「底部」(例えば、第4の壁1124b)は各々、システムの軸方向長さに平行に延在する異なる平面(それぞれ、平面A~Dと標識される)を占有する(例えば、平面A~Dは、
図11に示される図の破線に沿ってページ内に延在する)。理論に束縛されるものではないが、そのような構成は、1つ以上のチャネルが単一層内に完全に形成されることを必要とする構成よりも製造が容易であり得る一方で、依然として、システムの全高を最小限にし得る。
【0092】
本技術は、チャネル又はチャネルの一部が1つ以上の層内の異なる平面を占有する他の実施形態を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態は、シャント本体を少なくとも部分的に貫通して延在する少なくとも第1のチャネルと、シャント本体を少なくとも部分的に貫通して延在する第2のチャネルとを有するシャント本体を含む。
図11を参照して上述したように、第1のチャネルは、第1の(例えば、上部)壁及び第2の(例えば、下部)壁を有することができ、第2のチャネルは、第3の(例えば、上部)壁及び第4の(例えば、下部)壁を有することができる。第1の壁、第2の壁、第3の壁、及び第4の壁の各々は、異なる平面内に延在することができ、各平面は、シャント本体の軸方向長さに平行である。すなわち、様々な壁がシャント本体内の異なる「高さ」に存在することができる。いくつかの実施形態では、これは、第1のチャネル1122及び第2のチャネル1124が第1の層1102内に画定される、
図11に示される構成を使用して達成されることができる。しかしながら、他の実施形態では、第1のチャネル及び第2のチャネルは、
図8A~
図8Dを参照して上述した実施形態のように、異なる層内及び/又は2つ以上の層内に画定されてもよく、又は少なくとも部分的に画定されてもよい。
【0093】
流体抵抗器ネットワーク1000及び1100は、本明細書で説明される流体抵抗器ネットワークの変形形態の追加の例として提供されるにすぎない。当業者が理解するように、本技術は、本明細書に明示的に説明及び図示されるもの以外の他の流体抵抗器ネットワークを含むことができる。実際に、本技術を用いて実装することができる流体抵抗器ネットワークの追加の例は、米国特許出願公開第2022/0142818号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
本技術は、本明細書で明示的に説明されるものを超える追加の利点を提供することができる。例えば、本技術は、排液アセンブリ、作動アセンブリ、及び/又はシャントシステムのための向上した表面品質を提供し得る。排液アセンブリ、作動アセンブリ、及び/又はシャントシステムのより優れた機械的特性、並びに/或いは排液アセンブリ、作動アセンブリ、及び/又はシャントシステムを製造するために使用される材料のより大きな選択を可能にする。
【実施例】
【0095】
本技術のいくつかの態様を以下の実施例に記載する。
実施例1. 患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
第1の層と、
第1の層に封止結合された第2の層と、
第1の抵抗を有する第1のチャネルと、第1のチャネルと並列であり、第2の抵抗を有する第2のチャネルとを少なくとも含む流体抵抗器のネットワークとを備え、
第1のチャネルが、第1の層内に少なくとも部分的に画定され、
第2のチャネルが、第2の層内に少なくとも部分的に画定され、
埋め込み可能なシャントが患者に埋め込まれたとき、第1のチャネル及び第2のチャネルが各々、患者の第1の身体領域から第2の身体領域に向かって流体を排出するように構成される、埋め込み可能なシャント。
実施例2.
第1の層が、第1の平面を画定し、
第2の層が、第2の平面を画定し、
第1の平面と第2の平面とは平行である、実施例1に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例3. 第1の平面及び第2の平面が、埋め込み可能なシャントの長手方向軸に平行である、実施例2に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例4. 第1の平面及び第2の平面が、埋め込み可能なシャントの長手方向軸に対して垂直である、実施例2に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例5. 第1のチャネルがシャントを少なくとも部分的に通る第1の流路を画定し、第2のチャネルが第1の流路とは異なるシャントを少なくとも部分的に通る第2の流路を画定するように、第1のチャネルが第2のチャネルと流体的に並列である、実施例1から4のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例6. 第1の抵抗が、第2の抵抗とは異なる、実施例1から5のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例7. 第2のチャネルが、第1のチャネルよりも長く、第2の抵抗が、第1の抵抗よりも大きい、実施例1から6のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例8. 第1のチャネル又は第2のチャネルのうちの少なくとも1つが、螺旋及び/又は蛇行形状である、実施例1から7のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例9. 第1のチャネル及び第2のチャネルの両方が、螺旋及び/又は蛇行形状である、実施例8に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例10. 実施例1から9のいずれかに記載の埋め込み可能なシャントであって、埋め込み可能なシャントが眼内シャントであり、第1の身体領域が患者の眼の前房である、埋め込み可能なシャント。
実施例11. 患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
第1の層と、
第1の層に封止結合された第2の層と、
第1の抵抗を有する第1のチャネルと、第1のチャネルと並列であり、第2の抵抗を有する第2のチャネルとを少なくとも含む流体抵抗器のネットワークとを備え、
第1のチャネルが、第1の層内に少なくとも部分的に画定され、
第2のチャネルが、第1の層内に少なくとも部分的に画定された第1の部分と、第2の層内に少なくとも部分的に画定された第2の部分とを含み、
埋め込み可能なシャントが患者に埋め込まれたとき、第1のチャネル及び第2のチャネルが各々、患者の第1の身体領域から第2の身体領域に向かって流体を排出するように構成される、埋め込み可能なシャント。
実施例12. 第1のチャネルがシャントを少なくとも部分的に通る第1の流路を画定し、第2のチャネルが第1の流路とは異なるシャントを少なくとも部分的に通る第2の流路を画定するように、第1のチャネルが第2のチャネルと流体的に並列である、実施例11に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例13. 第1の抵抗が、第2の抵抗と異なる、実施例11又は12に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例14. 第2のチャネルが、第1のチャネルよりも長く、第2の抵抗が、第1の抵抗よりも大きい、実施例11から13のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例15. 第1のチャネルが、実質的に直線状であり、第2のチャネルが、螺旋及び/又は蛇行形状である、実施例11から14のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例16. 流体抵抗器のネットワークが、第3のチャネルを更に含む、実施例11から15のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例17. 第3のチャネルが、第1のチャネル及び第2のチャネルの両方から流体を受容するように構成される、実施例16に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例18. 第3のチャネルが第3の抵抗を有し、第3の抵抗が第1の抵抗及び第2の抵抗よりも小さい、実施例16又は17に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例19. 第3のチャネルが、第1の層内に少なくとも部分的に画定される、実施例16から18のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例20. 第3のチャネルが、第2の層内に少なくとも部分的に画定される、実施例16から18のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例21. 流体抵抗器ネットワークが、バイパスチャネルを更に含み、バイパスチャネルが、流入ポートと、第1の部分と第2の部分との間の第2のチャネルの一部との間に延在する、実施例11から20のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例22.
第1の層が、第1の平面を画定し、
第2の層が、第2の平面を画定し、
第1の平面及び第2の平面が、埋め込み可能なシャントの長手方向軸に平行である、実施例11から21のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例23. 第1の層及び第2の層が各々、約100ミクロン未満の厚さを有する、実施例11から22のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例24. 第1の層及び第2の層が各々、約50ミクロン未満の厚さを有する、実施例11から22のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例25. 第1の層及び第2の層が各々、約25ミクロン未満の厚さを有する、実施例11から22のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例26. 第3の層を更に備える、実施例11から25のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例27. 第3の層が、第1の層及び/又は第2の層とは異なる材料から構成される、実施例26に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例28. 第3の層が、第1のチャネル及び/又は第2のチャネルを通る流体の流れを選択的に制御するように動作可能なアクチュエータを収容するように構成されたアクチュエータハウジングを含む、実施例26又は27に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例29. 第3の層が、第1の層と第2の層との間に配置され、第3の層が、第2のチャネルの第1の部分と第2のチャネルの第2の部分とを流体結合するコネクタを含む、実施例26又は27に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例30. 実施例11から29のいずれかに記載の埋め込み可能なシャントであって、埋め込み可能なシャントが眼内シャントであり、第1の身体領域が患者の眼の前房である、埋め込み可能なシャント。
実施例31. 患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
10ミクロン~500ミクロンの第1の厚さを有する第1の平坦層と、
10ミクロンから500ミクロンの間の第2の厚さを有する第2の平坦層であって、第1の平坦層に封止結合される、第2の平坦層と、
第1の抵抗を有する第1のチャネルと、第1のチャネルと並列であり、第2の抵抗を有する第2のチャネルとを少なくとも含む流体抵抗器のネットワークとを備え、
第1のチャネルが、第1の層内に少なくとも部分的に画定され、
第2のチャネルが、第2の層内に少なくとも部分的に画定され、
第1のチャネル及び第2のチャネルが各々、埋め込み可能なシャントが患者に埋め込まれたときに、患者の第1の身体領域から第2の身体領域に向かって流体を排出するように構成される、埋め込み可能なシャント。
実施例32. 第1のチャネルが、シャントを少なくとも部分的に通る第1の流路を画定し、第2のチャネルが、第1の流路とは異なるシャントを少なくとも部分的に通る第2の流路を画定するように、第1のチャネルが、第2のチャネルと流体的に並列である、実施例31に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例33. 第1の抵抗が、第2の抵抗と異なる、実施例31又は32に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例34.
第1の層が、第1の平面を画定し、
第2の層が、第2の平面を画定し、
第1の平面及び第2の平面が、埋め込み可能なシャントの長手方向軸に平行である、実施例31から33のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例35. 第1の厚さが、10ミクロン~100ミクロンであり、第2の厚さが、10ミクロン~100ミクロンである、実施例31から34のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例36. 第1の厚さが、10ミクロン~50ミクロンであり、第2の厚さが、10ミクロン~50ミクロンである、実施例31から34のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例37. 第1の厚さ及び第2の厚さが、ほぼ同じである、実施例31から36のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例38. 第1の厚さ及び第2の厚さが異なる、実施例31から36のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例39. 第3の層を更に備える、実施例31から38のいずれかに記載の埋め込み可能なシャント。
実施例40. 第3の層が、第1の層及び/又は第2の層とは異なる材料から構成される、実施例39に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例41. 第3の層が、第1のチャネル及び/又は第2のチャネルを通る流体の流れを選択的に制御するように動作可能なアクチュエータを収容するように構成されたアクチュエータハウジングを含む、実施例39又は40に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例42. 実施例31から41のいずれかに記載の埋め込み可能なシャントであって、埋め込み可能なシャントが眼内シャントであり、第1の身体領域が患者の眼の前房である、埋め込み可能なシャント。
実施例43. 患者を治療するための埋め込み可能なシャントであって、
シャント本体と、
シャント本体を少なくとも部分的に通って延在する第1のチャネルであって、第1のチャネルの空隙空間を少なくとも部分的に画定する少なくとも第1の壁及び第2の壁を有する、第1のチャネルと、
シャント本体を少なくとも部分的に通って延在する第2のチャネルであって、第2のチャネルの空隙空間を少なくとも部分的に画定する少なくとも第3の壁及び第4の壁を有する、第2のチャネルとを備え、
第1の壁、第2の壁、第3の壁、及び第4の壁の各々が、シャント本体の軸方向長さに平行な異なる平面内に延在する、埋め込み可能なシャント。
実施例44. シャント本体が、複数の封止結合層を備える、実施例43に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例45. 第1のチャネルの空隙空間及び第2のチャネルの空隙空間が、別個の層内に画定される、実施例44に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例46. 第1のチャネルの空隙空間及び第2のチャネルの空隙空間が、同じ層で画定される、実施例44に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例47. シャント本体が、
第1のチャネルの空隙空間を少なくとも部分的に画定する第1の層と、
第2の層であって、第1の壁又は第2の壁のうちの少なくとも1つを含む、第2の層とを含む、実施例43に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例48. シャント本体が、
第1のチャネルの空隙空間及び第2のチャネルの空隙空間を少なくとも部分的に画定する第1の層と、
第1の層の第1の側に封止結合された第2の層であって、第1の壁又は第2の壁を含む、第2の層と、
第1の層の第2の側に封止結合された第3の層であって、第2の層が第3の壁又は第4の壁を含む、第3の層とを含む、実施例43に記載の埋め込み可能なシャント。
実施例49. 流体をシャントするためのシステムであって、
スロット及び少なくとも部分的に中空の内部を含むキャリッジ要素と、
キャリッジ要素の内部内に配置された複数の排液要素であって、複数の排液要素の各排液要素が、
入口と、
排液管腔部分と、
入口と排液管腔部分とを流体結合するチャネルとを含む、複数の排液要素とを備え、
個々の排液要素の個々の排液管腔部分が少なくとも部分的に位置合わせされて、キャリッジ要素の少なくとも一部を通って延在する共通の排液管腔を形成する、システム。
実施例50. 複数の排液要素が、積み重ねられた構成でキャリッジ内に直線的に位置合わせされる、実施例49に記載のシステム。
実施例51. チャネルが、蛇行形状、螺旋形状、ジグザグ形状、曲線形状、又は直線形状を有する、実施例49又は50に記載のシステム。
実施例52. 排液管腔が、長方形、円形、楕円形、曲線形状、三角形、正方形、長方形、直線形状、五角形、又は六角形を有する、実施例49から51のいずれかに記載のシステム。
実施例53. キャリッジ要素が、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、曲線形状、又は直線形状を有し、1つ以上の排液要素の個々のものが、キャリッジ要素形状に対応する形状を有する、実施例49から52のいずれかに記載のシステム。
実施例54. 各排液要素が、
インターフェース表面と、
インターフェース表面から延在する突出部とを更に含み、
突出部が、入口を含み、
入口の開口部が、インターフェース表面に対して垂直である、実施例49から53のいずれかに記載のシステム。
実施例55. 1つ以上の排液要素が、第1排液管腔部分を有する第1の排液要素と、第2の排液管腔部分を有する第2の排液要素とを含み、第1の排液管腔部分及び第2の排液管腔部分が、少なくとも部分的に共通排液管腔を形成する、実施例49から54のいずれかに記載のシステム。
実施例56. 1つ以上の排液要素が、接着剤、超音波溶接、熱融合、熱リフロー、及び/又は排液要素の1つ以上の固有の接着特性のうちの少なくとも1つを介して互いに結合される、実施例49から55のいずれかに記載のシステム。
実施例57. 1つ以上の排液要素が、第1の排液要素及び第2の排液要素を含み、
第1の排液要素が、第1の流体抵抗に対応する第1の長さを有する第1のチャネルを含み、
第2の排液要素が、第2の流体抵抗に対応する第2の長さを有する第2のチャネルを含む、実施例49から56のいずれかに記載のシステム。
実施例58. 第1の長さが、第2の長さよりも大きく、第1の長さが、第2の流体抵抗よりも大きい第1の流体抵抗に対応する、実施例57に記載のシステム。
実施例59. 1つ以上の排液要素のうちの個々の排液要素が、
1つ以上の位置合わせ要素と、
1つ以上の位置合わせ要素のうちの対応する1つを受容するように構成された1つ以上の位置合わせ開口部とを更に含み、
1つ以上の位置合わせ要素及び1つ以上の位置合わせ開口部が、複数の排液要素を積み重ねられた構成で直線的に位置合わせするように構成される、実施例49から58のいずれかに記載のシステム。
実施例60. 複数のアクチュエータを有する作動アセンブリを更に備え、複数のアクチュエータの各アクチュエータが、対応する入口を通る流体の流れを選択的に制御するように構成される、実施例49から59のいずれかに記載のシステム。
実施例61. チャネルが、対応する排液要素の高さよりも大きい長さを有する、実施例49から60のいずれかに記載のシステム。
実施例62. シャントシステムと共に使用するための作動アセンブリであって、作動アセンブリが、
1つ以上のウェルを含むハウジングと、
1つ以上のウェルの個々のウェルについて、
ウェル内に配置されたアクチュエータであって、
中央部分と、中央部分の第1の側から延在し、中央部分の長手方向軸に略垂直である第1の端部部分と、中央部分の第2の側から延在し、中央部分の長手方向軸に略垂直である第2の端部部分とを有するゲート要素と、
第1の端部とハウジングとの間に延在する1つ以上の第1の作動要素と、
第2の端部とハウジングとの間に延在する1つ以上の第2の作動要素とを含み、
複数の第1の作動要素が、ゲート要素を第1の方向に摺動可能に移動させるように構成され、複数の第2の作動要素が、ゲート要素を第2の方向に摺動可能に移動させるように構成される、アクチュエータとを備える、作動アセンブリ。
実施例63. 1つ以上の第1の作動要素及び第2の作動要素がニチノールで構成される、実施例62に記載の作動アセンブリ。
実施例64. 1つ以上の第2の作動要素に結合され、第2の端部の反対側にあるプライミング要素を更に備える、実施例62又は63に記載の作動アセンブリ。
実施例65. 1つ以上のウェルのうちの個々のウェルが、プライミング表面を更に含み、プライミング要素がプライミング表面に結合されると、1つ以上の第2の作動要素が、好ましい幾何学形状に対して変形されるように構成される、実施例64に記載の作動アセンブリ。
実施例66. 1つ以上の第1の作動要素及び/又は1つ以上の第2の作動要素のうちの少なくとも1つが、砂時計形状を有する、実施例62から65のいずれかに記載の作動アセンブリ。
実施例67. ゲート要素、複数の第1の作動要素、及び複数の第2の作動要素のそれぞれの表面が、同一平面上にある、実施例62から66のいずれかに記載の作動アセンブリ。
【0096】
結論
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、又は本技術を上記で開示された詳細な形態に限定することを意図していない。本技術の特定の実施形態及び例が例示の目的で上に説明されているが、当業者が認識するように、本技術の範囲内で様々な同等の修正が可能である。例えば、本明細書において説明される眼内シャントの特徴のいずれかを、本明細書において説明される他の眼内シャントの特徴のいずれかと組み合わせることができ、またその逆も可能である。更に、所与の順序でステップが提示されているが、代替的な実施形態では、異なる順序でステップが実施され得る。本明細書において説明された様々な実施形態はまた、組み合わせて、更なる実施形態を提供し得る。
【0097】
上述のことから、本技術の特定の実施形態が例示の目的で本明細書において説明されてきたが、眼内シャントと関連付けられた周知の構造及び機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されるか又は説明されていないことが理解されよう。文脈が許す場合、単数形又は複数形の用語は、それぞれ、複数形又は単数形の用語も含み得る。
【0098】
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、説明及び例全体を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などの語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「含むが、それに限定されない」という意味である。本明細書で使用される際、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はそれらのいかなる変形も、2つ以上の要素間の直接的又は間接的ないかなる接続又は結合も意味する。要素間の接続の結合は、物理的、論理的、又はそれらの組み合わせであってもよい。追加的に、「本明細書」、「上記」、「下記」という語、また同様の意味の語は、本出願に使用される際、本出願を全体として言うものとし、本出願のいかなる特定の部分のことを言うものではない。文脈が許す場合、単数又は複数を使用する上記の発明を実施するための形態における語は、それぞれ、複数であることも単数であることもある。本明細書に使用される際、「A及び/又はB」に見られる語句「及び/又は」は、Aのみを言うことも、Bのみを言うことも、またA及びBを言うこともある。追加的に、「備える(comprising)」という用語は、いかなるより多くの同じ特徴及び/又は追加のタイプの他の特徴が除外されないような少なくとも挙げた特徴を含むことを意味するように全体を通して使用される。特定の実施形態が例解の目的で本明細書において説明されているが、本技術から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることも理解されるであろう。更に、本技術のいくつかの実施形態に関連する利点をこれらの実施形態の文脈で説明してきたが、他の実施形態もそのような利点を示す場合があり、全ての実施形態が本技術の範囲内に入るために必ずしもそのような利点を示す必要はない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書で明示的に図示又は説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【国際調査報告】