(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240711BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B65G1/04 505Z
B65G1/00 501C
B65G1/04 555B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503957
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 CN2022106959
(87)【国際公開番号】W WO2023001219
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202121689285.6
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519059292
【氏名又は名称】杭州海康机器人股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Hikrobot Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 304, Unit B, Building 2, 399 Dangfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲霊▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 超
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE07
3F022FF24
3F022JJ09
3F022KK01
3F022KK20
3F022LL07
3F022MM11
(57)【要約】
支持部(2)と、前記支持部(2)に沿って垂直方向に昇降可能なフォーク(3)と、前記支持部(2)に巻き掛けられた可撓性リフト部材(43)と、前記可撓性リフト部材(43)に接続されたリフト動力アセンブリとを備える搬送ロボットを提供する。前記可撓性リフト部材(43)の第1端部は、前記支持部(2)の上部から巻き取られ、前記フォーク(3)の上端に接続され、前記可撓性リフト部材(43)の第2端部は、前記支持部(2)の下部から巻き取られ、前記フォーク(3)の下端に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ロボットであって、
支持部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部に沿って垂直方向に昇降可能なフォークと、
前記支持部に巻き掛けられた可撓性リフト部材と、
前記可撓性リフト部材に接続されたリフト動力アセンブリと、を備え、
前記可撓性リフト部材の第1端部は、前記支持部の上部から巻き取られ、前記フォークの上端に接続され、前記可撓性リフト部材の第2端部は、前記支持部の下部から巻き取られ、前記フォークの下端に接続される、
ことを特徴とする搬送ロボット。
【請求項2】
前記支持部は、固定フレームと可動フレームとから構成され、
前記可動フレームは、前記固定フレームに設けられ、前記固定フレームに沿って垂直方向に昇降可能であり、前記フォークは、前記可動フレームに設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送ロボット。
【請求項3】
前記支持部は、第1側部と第2側部とを備え、前記第1側部と前記第2側部とは、垂直方向に間隔を置いて平行に配置され、前記フォークの第1側は、前記支持部の第1側部に配置され、前記フォークの第2側は、前記支持部の第2側部に配置され、
前記可撓性リフト部材は、前記支持部の第1側部に設けられた第1可撓性リフト部材と、前記支持部の第2側部に設けられた第2可撓性リフト部材とから構成され、
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送ロボット。
【請求項4】
前記リフト動力アセンブリは、第1リフト動力アセンブリと第2リフト動力アセンブリとから構成され、前記第1リフト動力アセンブリは、第1駆動モータと第1駆動輪とを備え、前記第1可撓性リフト部材は、前記第1駆動輪に巻き掛けられ、前記第1可撓性リフト部材の第1端部は、前記フォークの第1側の上端に接続され、前記第1可撓性リフト部材の第2端部は、前記フォークの第1側の下端に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の搬送ロボット。
【請求項5】
前記第2リフト動力アセンブリは、第2駆動モータと第2駆動輪とを備え、前記第2可撓性リフト部材は、前記第2駆動輪に巻き掛けられ、前記第2可撓性リフト部材の第1端部は、前記フォークの第2側の上端に接続され、前記第2可撓性リフト部材の第2端部は、前記フォークの第2側の下端に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の搬送ロボット。
【請求項6】
第1補助伝動部材をさらに備え、前記第1補助伝動部材は、前記支持部の第1側部に設けられ、
前記第1補助伝動部材は、第1従動輪と、第2従動輪と、第3従動輪と、第4従動輪とから構成され、
前記第1従動輪は前記固定フレームの上部に配置され、前記第2従動輪は前記可動フレームの下部に配置され、前記第3従動輪は前記可動フレームの上部に配置され、前記第4従動輪は前記固定フレームの下部に配置され、
前記第1可撓性リフト部材は、前記第1駆動輪、前記第1従動輪、前記第2従動輪、前記第3従動輪、及び前記第4従動輪に順次巻き掛けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の搬送ロボット。
【請求項7】
前記第1補助伝動部材は、前記第1駆動輪と前記第1従動輪との間に配置された第5従動輪をさらに備え、前記第1可撓性リフト部材は、前記第5従動輪に巻き掛けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の搬送ロボット。
【請求項8】
前記支持部の第2側部に設けられた第2補助伝動部材をさらに備え、
前記第2補助伝動部材は、第6従動輪と、第7従動輪と、第8従動輪と、第9従動輪とから構成され、
前記第6従動輪は前記固定フレームの上部に配置され、前記第7従動輪は前記可動フレームの下部に配置され、前記第8従動輪は前記可動フレームの上部に配置され、前記第9従動輪は前記固定フレームの下部に配置され、
前記第2可撓性リフト部材は、前記第2駆動輪、前記第6従動輪、前記第7従動輪、前記第8従動輪、及び前記第9従動輪に順次巻き掛けられる、
ことを特徴とする請求項5に記載の搬送ロボット。
【請求項9】
前記第2補助伝動部材は、前記第2駆動輪と前記第6従動輪との間に配置された第10従動輪をさらに備え、前記第2可撓性リフト部材は、前記第10従動輪に巻き掛けられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の搬送ロボット。
【請求項10】
前記固定フレームと前記可動フレームとの間にガイド機構が設けられ、前記ガイド機構はローラアセンブリを備え、
前記ローラアセンブリは、第1ローラアセンブリと第2ローラアセンブリとから構成され、
前記第1ローラアセンブリは前記固定フレームの上部に設けられ、前記第2ローラアセンブリは前記可動フレームの下部に設けられ、前記第2ローラアセンブリは前記可動フレームと共に昇降する、
ことを特徴とする請求項3に記載の搬送ロボット。
【請求項11】
前記固定フレームの片側に棚板が水平に設けられ、前記棚板は前記フォークと背中合わせに設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本特許出願は、2021年7月23日に提出された、出願番号202121689285.6の中国特許出願の優先権を主張し、当該出願が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、マテリアルハンドリングの分野に関し、特に搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
インテリジェント倉庫管理は物流プロセスの一環であり、インテリジェント倉庫管理を応用することにより、荷物倉庫管理の各環のデータ入力の速度と正確さを保証し、企業が在庫の実データをタイムリー且つ正確に把握し、企業の在庫を合理的に維持・管理することを確保する。
【0004】
その中で、搬送ロボットはインテリジェント倉庫管理において重要な役割を果たしており、搬送ロボットは指示を受けて指定された場所に荷物を積み下ろし、搬送することができる。搬送ロボットは倉庫での搬送の効率を向上させる。
【発明の概要】
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、フォークの昇降高さをより正確に決定することが容易な搬送ロボットを提供する。
【0006】
本発明の実施形態は、搬送ロボットを提供し、当該搬送ロボットは、
支持部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部に沿って垂直方向に昇降可能なフォークと、
前記支持部に巻き掛けられた可撓性リフト部材と、
前記可撓性リフト部材に接続されたリフト動力アセンブリと、を備え、
前記可撓性リフト部材の第1端部は、前記支持部の上部から巻き取られ、前記フォークの上端に接続され、前記可撓性リフト部材の第2端部は、前記支持部の下部から巻き取られ、前記フォークの下端に接続される。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、前記支持部は、固定フレームと可動フレームとから構成され、
前記可動フレームは、前記固定フレームに設けられ、前記固定フレームに沿って垂直方向に昇降可能であり、前記フォークは、前記可動フレームに設けられる。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記支持部は、第1側部と第2側部とを備え、前記第1側部と前記第2側部とは、垂直方向に間隔を置いて平行に配置され、前記フォークの第1側は、前記支持部の第1側部に配置され、前記フォークの第2側は、前記支持部の第2側部に配置され、
前記可撓性リフト部材は、前記支持部の第1側部に設けられた第1可撓性リフト部材と、前記支持部の第2側部に設けられた第2可撓性リフト部材とから構成される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記リフト動力アセンブリは、第1リフト動力アセンブリと第2リフト動力アセンブリとから構成され、前記第1リフト動力アセンブリは、第1駆動モータと第1駆動輪とを備え、前記第1可撓性リフト部材は、前記第1駆動輪に巻き掛けられ、前記第1可撓性リフト部材の第1端部は、前記フォークの第1側の上端に接続され、前記第1可撓性リフト部材の第2端部は、前記フォークの第1側の下端に接続される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記第2リフト動力アセンブリは、第2駆動モータと第2駆動輪とを備え、前記第2可撓性リフト部材は、前記第2駆動輪に巻き掛けられ、前記第2可撓性リフト部材の第1端は、前記フォークの第2側の上端に接続され、前記第2可撓性リフト部材の第2端部は、前記フォークの第2側の下端に接続される。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記搬送ロボットは、第1補助伝動部材をさらに備え、前記第1補助伝動部材は、前記支持部の第1側部に設けられ、
前記第1補助伝動部材は、第1従動輪と、第2従動輪と、第3従動輪と、第4従動輪とから構成され、
前記第1従動輪は前記固定フレームの上部に配置され、前記第2従動輪は前記可動フレームの下部に配置され、前記第3従動輪は前記可動フレームの上部に配置され、前記第4従動輪は前記固定フレームの下部に配置され、
前記第1可撓性リフト部材は、前記第1駆動輪、前記第1従動輪、前記第2従動輪、前記第3従動輪、及び前記第4従動輪に順次巻き掛けられる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記第1補助伝動部材は、前記第1駆動輪と前記第1従動輪との間に配置された第5従動輪をさらに備え、前記第1可撓性リフト部材は、前記第5従動輪に巻き掛けられる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記搬送ロボットは、前記支持部の第2側部に設けられた第2補助伝動部材をさらに備え、
前記第2補助伝動部材は、第6従動輪と、第7従動輪と、第8従動輪と、第9従動輪とから構成され、
前記第6従動輪は前記固定フレームの上部に配置され、前記第7従動輪は前記可動フレームの下部に配置され、前記第8従動輪は前記可動フレームの上部に配置され、前記第9従動輪は前記固定フレームの下部に配置され、
前記第2可撓性リフト部材は、前記第2駆動輪、前記第6従動輪、前記第7従動輪、前記第8従動輪、及び前記第9従動輪に順次巻き掛けられる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記第2補助伝動部材は、前記第2駆動輪と前記第6従動輪との間に配置された第10従動輪をさらに備え、前記第2可撓性リフト部材は、前記第10従動輪に巻き掛けられる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記固定フレームと前記可動フレームとの間にガイド機構が設けられ、前記ガイド機構はローラアセンブリを備え、
前記ローラアセンブリは、第1ローラアセンブリと第2ローラアセンブリとから構成され、
前記第1ローラアセンブリは前記固定フレームの上部に設けられ、前記第2ローラアセンブリは前記可動フレームの下部に設けられ、前記第2ローラアセンブリは前記可動フレームと共に昇降する。
【0016】
本発明の実施形態にて提供される搬送ロボットは、設けられた可撓性リフト部材によってフォークと可撓性リフト部材とを接続されることにより、可撓性リフト部材とフォークとの間に閉ループが形成され、可撓性リフト部材の移動距離がフォークの昇降距離であり、フォークの昇降高さをより正確に決定することを容易にする。
【0017】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明において使用する図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る搬送ロボットの構成を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す搬送ロボットにおけるリフト動力アセンブリの構成を示す概略図である。
【
図3】
図1に示す搬送ロボットにおける可撓性リフト部材の構成を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る搬送ロボットの上面図である。
【
図5】
図1に示す搬送ロボットにおけるローラアセンブリの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明される。
【0020】
なお、記載された実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創作的な労力を要することなく得られる他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0021】
現在、搬送ロボットの昇降機能は、主にワイヤロープがフォークに直接接続され、フォークが揚重された状態にあり、ワイヤロープの巻き取り又は巻き戻しによってフォークの昇降を実現しる。当該方法は、フォークの昇降の具体的な高さを監視する際に、ワイヤロープの張りが一定していない、ワイヤロープの巻き数が多すぎる、外側のワイヤロープが内側のワイヤロープの外側に巻き取られるなどの原因により、計算された高さデータが正確ではなく、誤差が大きい。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る搬送ロボットの構成を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る搬送ロボットは、支持部2と、可撓性リフト部材(例えば、
図3に示す可撓性リフト部材43)と、リフト動力アセンブリ(例えば、
図2に示す駆動モータ41と駆動輪42とから構成される)と備えてもよい。可撓性リフト部材43は、支持部2に巻き掛けられる。リフト動力アセンブリは、可撓性リフト部材43に接続されており、例えば、可撓性リフト部材43は、リフト動力アセンブリの駆動輪に巻き掛けられる。支持部2には、支持部2に沿って垂直方向に昇降可能なフォーク3が設けられる。可撓性リフト部材43の第1端部は、前記支持部2の上部から巻き取られ、フォーク3の上端に接続され、可撓性リフト部材43の第2端部は、前記支持部の下部から巻き取られ、フォーク3の下端に接続される。ここで、前記支持部2の上部は、例えば、
図1に示す支持部2の頂部であり、前記支持部2の下部は、例えば、
図1に示す支持部2の底部である。
【0023】
フォーク3はフォーク本体とも呼ばれ、運搬する荷物を持ち上げて荷物を支え、荷物をフォーク上でフォークと共に昇降させる役割を果たす。
【0024】
本発明では、可撓性リフト部材43の第1端部がフォーク3の上端に接続され、可撓性リフト部材43の第2端部がフォーク3の下端に接続され、フォーク3が可撓性リフト部材43に接続され、可撓性リフト部材43が支持部2に巻き掛けられる。フォーク3の昇降高さを検出する際、可撓性リフト部材43の回転距離がフォーク3の昇降距離となる。当該回転距離の誤差が小さく、データに影響を与える要因が少ないため、フォークの昇降高さをより正確に決定することが容易である。従来のワイヤロープの巻き取り又は巻き戻しによってフォークの昇降を実現することに比べ、当該構成を有する搬送ロボットは、ワイヤロープの張り、ワイヤロープの巻き数、及びワイヤロープの一周あたりの長さの違いがフォーク3の昇降距離の検出精度に与える影響を回避することができる。
【0025】
本実施形態における可撓性リフト部材としては、チェーン、タイミングベルト、ワイヤロープ、又は平ベルト等が挙げられ、本実施形態ではこれに限定されない。
図2に示すように、搬送ロボットの駆動モータ41は、フォーク3の昇降距離を検出するためのサーボモータであり、例えば、サーボモータの回転角度と機構伝動の関係を計算することにより、フォーク3の昇降距離が決定される。また、リフト動力アセンブリは、駆動モータ41と駆動輪42とを備え、駆動モータ41が駆動輪42に直接接続されるか、又は、駆動モータ41が減速機構を介して駆動輪42に接続される。本実施形態ではこれに限定されない。
図2は、
図1に示す搬送ロボットにおける駆動モータ41の構成を示す概略図であり、
図3は、
図1に示す搬送ロボットにおける可撓性リフト部材43の構成を示す概略図である。
図2及び
図3に示すように、一実施形態では、支持部2は、固定フレーム21と可動フレーム22とから構成され、可動フレーム22は、固定フレーム21に設けられ、固定フレーム21に沿って垂直方向に昇降可能であり、フォーク3は、可動フレーム22に設けられる。
【0026】
支持部2は、第1側部201と第2側部202とを備え、第1側部201と第2側部202とは垂直方向に間隔を置いて平行に配置される。フォーク3の第1側311は、支持部2の第1側部201に配置され、フォーク3の第2側312は、支持部2の第2側部202に配置される。
【0027】
支持部2の第1側部201は、第1固定フレーム2101と第1可動フレーム2201と備える。第1可動フレーム2201は、第1固定フレーム2101に埋め込まれ、第1固定フレーム2101に沿って垂直方向に移動可能である。
【0028】
支持部2の第2側部202は、第2固定フレーム2102と第2可動フレーム2202とを備える。第2可動フレーム2202は、第2固定フレーム2102に埋め込まれ、第2固定フレーム2102に沿って垂直方向に移動可能である。
【0029】
ここで、支持部2の第1側部201及び第2側部202は、
図2に示す支持部2の左側部201及び右側部202と理解してもよい。
【0030】
一実施形態では、
図4に示すように、フォーク3は、フォークプレート320と、フォークプレート320の両側にそれぞれ配置された第1スライダ321及び第2スライダ322とを備える。第1可動フレーム2201及び第2可動フレーム2202の対向側にそれぞれ第1スライド溝221と第2スライド溝222が配置される。第1スライド溝221と第2スライド溝222はいずれも垂直方向に延びており、第1スライダ321と第2スライダ322は、それぞれ第1スライド溝221と第2スライド溝222に配置される。フォークプレート320が垂直方向に昇降すると、第1スライダ321が第1スライド溝221に沿って摺動し、第2スライダ322が第2スライド溝222に沿って摺動する。このような配置により、フォーク3に対する全体的な位置規制効果が実現され、フォーク3が垂直方向に沿ってのみ移動できるようにし、フォーク3の水平方向に生じる揺れを低減させ、フォーク3の垂直昇降時の安定性を向上させる。
【0031】
いくつかの実施形態において、フォーク3と第1可動フレーム2201及び第2可動フレーム2202との接続関係は、スライダとスライド溝との係合に限らず、フォーク3の昇降をよりスムーズに、且つ、詰まることがないようにするために、プーリとスライドレールとの係合を用いてもよい。フォーク3の位置規制を実現させ、フォーク3を安定的に昇降させ、水平方向の揺れを低減させることができればよく、本実施形態では特に限定されない。
【0032】
可撓性リフト部材43は、支持部2の第1側部201に設けられた第1可撓性リフト部材4301と、支持部2の第2側部202に設けられた第2可撓性リフト部材4302とから構成される。可撓性リフト部材4301、4302は、リフト動力アセンブリの駆動によって同期して移動する。
【0033】
いくつかの実施形態において、リフト動力アセンブリは、第1リフト動力アセンブリと第2リフト動力アセンブリとから構成される。第1リフト動力アセンブリと第2リフト動力アセンブリは、それぞれ、支持部2の第1側部201と支持部2の第2側部202に設けられる。第1リフト動力アセンブリは、第1駆動モータ(符号は図示せず、第1駆動モータの構成は、
図2に示す第2駆動モータ41参照することができる)と、第1駆動輪49とを備える。第1可撓性リフト部材4301の第1端部はフォーク3の第1側311の上端に接続され、第1可撓性リフト部材4301の第2端部はフォーク3の第1側311の下端に接続される。
【0034】
第2リフト動力アセンブリは、第2駆動モータ41と第2駆動輪42とを備える。第2可撓性リフト部材4302の第1端部はフォーク3の第2側312の上端に接続され、第2可撓性リフト部材4302の第2端部はフォーク3の第2側312の下端に接続される。
【0035】
一実施形態では、第1駆動モータと第2駆動モータ41は、2つの駆動輪をそれぞれ駆動する2つの別個のモータであってもよい。また、別の実施形態では、第1駆動モータと第2駆動モータ41は、同一のモータであってもよく、当該モータは、2つの出力軸が2つの駆動輪をそれぞれ駆動する2軸モータであってもよく、また、減速機構によってモータの両側の駆動輪を同時に回転駆動する1軸モータであってもよく、本実施形態はこれに限定されない。
【0036】
一実施形態において、前記搬送ロボットは、第1補助伝動部材をさらに備える。第1補助伝動部材は、支持部2の第1側部201に設けられる。
【0037】
第1補助伝動部材は、第1従動輪44と、第2従動輪45と、第3従動輪46と、第4従動輪47とから構成される。
【0038】
第1従動輪44は第1固定フレーム2101の上部に配置され、第2従動輪45は第1可動フレーム2201の下部に配置され、第3従動輪46は第1可動フレーム2201の上部に配置され、第4従動輪47は第1固定フレーム2101の下部に配置される。
【0039】
第1可撓性リフト部材4301は、第1駆動輪49、第1従動輪44、第2従動輪45、第3従動輪46、及び第4従動輪47に順次巻き掛けられ、S字構造を形成し、これにより第1可撓性リフト部材4301の張り及び進行方向を調整する。
【0040】
一実施形態において、第1可撓性リフト部材4301の張りを調整するために、第1補助伝動部材は、第1駆動輪49と第1従動輪44との間に配置された第5従動輪48をさらに備える。第1可撓性リフト部材4301は、第1駆動輪49、第5従動輪48、第1従動輪44、第2従動輪45、第3従動輪46、及び第4従動輪47に順次巻き掛けられる。
【0041】
一実施形態において、前記搬送ロボットは、支持部2の第2側部202に設けられた第2補助伝動部材をさらに備える。
【0042】
第2補助伝動部材は、第6従動輪と、第7従動輪と、第8従動輪と、第9従動輪とから構成される。
【0043】
第6従動輪は第2固定フレーム2102の上部に配置され、第7従動輪は第2可動フレーム2202の下部に配置され、第8従動輪は第2可動フレーム2202の上部に配置され、第9従動輪は第2固定フレーム2102の下部に配置される。
【0044】
第2可撓性リフト部材4302は、第2駆動輪42、第6従動輪、第7従動輪、第8従動輪、及び第9従動輪に順次巻き掛けられ、S字構造を形成し、これにより第2可撓性リフト部材4302の張り及び進行方向を調整する。
【0045】
一実施形態において、第2可撓性リフト部材4302の張りをさらに調整するために、第2補助伝動部材は、第2駆動輪42と第6従動輪との間に配置された第10従動輪をさらに備える。第2可撓性リフト部材は、第2駆動輪42、第10従動輪、第6従動輪、第7従動輪、第8従動輪、及び第9従動輪に順次巻き掛けられる。第2補助伝動部材の配置方法は、
図3における第1補助伝動部材の配置方法を参照することができ、ここでは具体的な図面及び符号を提供しない。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態に係る搬送ロボットの上面図であり、
図5は、ローラアセンブリの構成を示す概略図である。
図4及び
図5に示すように、一実施形態では、固定フレーム21と可動フレーム22との間にガイド機構が設けられる。ガイド機構は、固定フレーム21と可動フレーム22との間の滑り摩擦を転がり摩擦に変えるためのローラアセンブリを備える。当該ローラアセンブリは、支持部2の第1側部201と第2側部202の両方に左右対称に設けられており、以下、一方の側部でローラアセンブリについて詳細に説明する。
【0047】
ローラアセンブリが支持部2の第2側部202に設けられる場合を例にとる。ローラアセンブリは、第1ローラアセンブリと第2ローラアセンブリとから構成される。
【0048】
第1ローラアセンブリは第2固定フレーム2102の頂部に設けられ、第2ローラアセンブリは第2可動フレーム2202の底部に設けられ、第2ローラアセンブリは第2可動フレーム2202と共に昇降する。
【0049】
第1ローラアセンブリは第1ローラ51と第2ローラ52とを備える。第1ローラ51と第2ローラ52は、第2固定フレーム2102のウェブに取り付けられ、第2可動フレーム2202のフランジに接触する。第2可動フレーム2202が昇降すると、第1ローラ51と第2ローラ52は第2可動フレーム2202に沿って転がり、第2固定フレーム2102と第2可動フレーム2202との間の硬い摩擦が回避され、第2固定フレーム2102と第2可動フレーム2202の磨耗が低減され、耐久性が向上させ、耐用寿命が延長される。
【0050】
第2ローラアセンブリは第3ローラ53と第4ローラ54とを備える。第3ローラ53と第4ローラ54は、第2可動フレーム2202のウェブに取り付けられ、第2固定フレーム2102のフランジに接触する。第2可動フレーム2202が昇降すると、第3ローラ53と第4ローラ54は第2固定フレーム2102に沿って転がり、第2可動フレーム2202と共に昇降する。第3ローラ53及び第4ローラ54の配置により、第2固定フレーム2102と第2可動フレーム2202との間の硬い摩擦が回避され、第2固定フレーム2102と第2可動フレーム2202の磨耗が低減され、耐久性が向上させ、耐用寿命が延長される。同様に、支持部2の第1側部201もローラアセンブリを備え、第1側部201におけるローラアセンブリの配置は、第2側部202におけるローラアセンブリの配置を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0051】
別の実施形態では、ガイド機構は、固定フレーム21に配置されたスライダと可動フレーム22に配置されたガイドレール溝、又は、可動フレーム22に配置されたスライダと固定フレーム21に配置されたガイドレール溝をさらに備えてもよい。スライダとガイドレール溝によって固定フレーム21と可動フレーム22との間の移動をよりスムーズにし、固定フレーム21上で可動フレーム22が揺れないように一定のガイドの役割を果すことができる。
【0052】
本実施形態の搬送ロボットの作業プロセスは以下の通りである。駆動モータが作動し、駆動輪が第1方向に回転し、可撓性リフト部材43が第1方向に回転し、フォーク3が上昇し、フォーク3が可動フレーム22の上部のストッパに接触すると、フォーク3と可動フレーム22との間に相対変位が発生しなくなり、このとき、駆動モータが作動し続け、フォーク本体3が可動フレーム22と共に上昇し、可動フレームの下部が固定フレーム21の上部のストッパに上昇すると、可動フレーム22及びフォーク3の上昇が停止し、この時は上昇可能な最高状態となる。
【0053】
駆動モータが逆方向に動作し、駆動輪が第2方向に回転し、可撓性リフト部材43が第2方向に回転し、可動フレーム22がフォーク3と共に下降し、可動フレーム22が固定フレーム21内に完全に収納されるまで下降すると、可動フレーム22が下降しなくなり、駆動モータが逆方向に動作し続け、フォーク3が可動フレーム22に対して下降し続け、フォーク3が所定の最下点に下降すると、駆動モータの回転が停止する。ここで、第1方向と第2方向とは逆方向である。
【0054】
本実施形態では、フォーク3が一定範囲内で昇降する場合、例えば、固定フレーム21の高さ範囲内で昇降する場合、搬送ロボット全体の高さは変更せず、高い位置にある荷物を積み下ろすときにのみ、可動フレーム22が上方に移動して固定フレーム21を張り出し、このとき、搬送ロボット全体の高さが増加する。これにより、倉庫の高さに制限がある場合には、柔軟に移動することができ、倉庫の利用率を向上させることができる。
【0055】
一実施形態において、前記搬送ロボットは、シャーシアセンブリ1をさらに備える。前記支持部2は、シャーシアセンブリ1に設けられ、シャーシアセンブリ1は、支持部2に一定の支持を提供する。
【0056】
一実施形態において、フォーク3には、外部ステーション又は棚上のマガジンやカートンを搬送するための実行アセンブリ6が設けられる。
【0057】
一実施形態において、固定フレーム21の片側に棚板7が水平に設けられ、棚板7はフォーク3と背中合わせに設けられる。
【0058】
棚板7は、荷物を一時的に保管するために使用される。実行アセンブリ6は、外部ステーション又は棚上のマガジンやカートンを棚板7上に運ぶことができる。棚板7に荷物がいっぱいになると、荷物を対応する位置に一度に運ぶことができる。実際の使用において、荷物を一時的に保管する必要がない場合、棚板を設けなくてもよい。
【0059】
本実施形態では、棚板7は少なくとも2つ設けられ、少なくとも2つの棚板7は垂直方向に沿って等間隔に配置される。実際の使用において、荷物の大きさや固定フレーム21の高さ等に応じて棚板7の数を合理的に選択すればよく、本実施形態では限定されない。
【0060】
棚板7の支持強度を向上させるために、棚板7と固定フレーム21との接続点には補強リブ71が設けられる。これにより、荷物が重すぎて棚板7が破断することを回避する。
【0061】
一実施形態では、シャーシアセンブリ1は、搬送ロボットの地面での移動を可能にし、荷物を所定の場所に搬送するために、AGVを使用してもよい。
【0062】
AGV(Automated Guided Vehicle)とは、電磁式や光学式などの自動ナビゲーション装置を備え、所定のナビゲーション経路に沿って走行可能で、安全保護や様々な荷重移動機能を有する搬送車であり、産業用途では運転手を必要とせず、充電可能なバッテリーを動力源とする搬送車である。一般的には、コンピュータによって走行経路や挙動を制御したり、電磁軌道(electromagnetic path-following system)を用いて走行経路を設定したりすることができる。電磁軌道は床面に貼り付けられ、無人搬送車は電磁軌道からのメッセージに基づいて移動・行動する。
【0063】
本発明にて提供される搬送ロボットは、従来のワイヤロープの巻き取りや巻き出しの方法と比較して、測定誤差を低減し、フォーク3及び/又は可動フレーム22の上昇及び下降高さをより正確に決定し、荷物が建物の上部に接触したり、荷物を誤った位置に置いたりすることを回避することができる。また、従来の昇降方法と比較して、フォークが下降する過程で、自身の重力によって動けなくなったり、下降を継続できなくなったりすることもない。
【0064】
説明すべきことは、本発明の明細書では、各実施形態で説明される技術案の焦点は異なるが、各実施形態には何らかの相互関連関係があり、本発明の技術案を理解する際に、各実施形態の間で相互に参照することができる。また、「第1」や「第2」のような関係用語は、1つの実体や動作をもう1つの実体や動作と区別するためにのみ使用され、それらの実体や動作の間の実際の関係や順序を必ずしも要求したり示唆したりするものではない。さらに、用語「含む」、「備える」又はその他の変形という用語は、非排他的な包含を意図しる。それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスが、それらの要素を含むだけでなく、明示的に記載されていない他の要素を含み、又はさらにプロセス、方法、物品又はデバイスの固有の要素を含む。それ以上の限定がない場合、「1つの...を含む」によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品、又はデバイスに別の同じ要素が存在することを除外しない。
【0065】
以上は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明の精神及び原理から逸脱することなく行われる任意の修正、等価交換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【国際調査報告】