IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧 ▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

<>
  • 特表-高せん断ミキシング装置 図1
  • 特表-高せん断ミキシング装置 図2
  • 特表-高せん断ミキシング装置 図3
  • 特表-高せん断ミキシング装置 図4
  • 特表-高せん断ミキシング装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】高せん断ミキシング装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/95 20220101AFI20240711BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20240711BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20240711BHJP
   B01F 27/922 20220101ALI20240711BHJP
   B01F 27/2322 20220101ALI20240711BHJP
   B01F 27/1145 20220101ALI20240711BHJP
   B01F 27/1144 20220101ALI20240711BHJP
   B01F 27/172 20220101ALI20240711BHJP
【FI】
B01F27/95
H01M4/04 A
H01M4/62 Z
B01F27/922
B01F27/2322
B01F27/1145
B01F27/1144
B01F27/172
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503964
(86)(22)【出願日】2023-01-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 KR2023001161
(87)【国際公開番号】W WO2023146284
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0013049
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テゴン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スン・シク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ソン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョンギル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミョンス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・ジョン・ナム
【テーマコード(参考)】
4G078
5H050
【Fターム(参考)】
4G078AA03
4G078AA26
4G078AB01
4G078AB05
4G078AB20
4G078BA05
4G078BA07
4G078DA10
4G078DA14
4G078DB04
4G078EA08
5H050AA19
5H050BA08
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB12
5H050DA11
5H050FA16
5H050GA05
5H050GA10
5H050GA29
5H050HA03
(57)【要約】
本発明は、第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダー、前記第1スクリューニーダーを回転させる第1自転駆動装置及び第2スクリューニーダーを回転させる第2自転駆動装置、前記第1自転駆動装置及び第2自転駆動装置が自転可能に設置された公転駆動装置、前記公転駆動装置が設置された駆動装置本体、並びに混合槽、を含み、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーそれぞれは、一端部が前記自転駆動装置に連結されたシャフト、及び前記シャフトに一端部が固定され前記シャフトの縦方向に沿って螺旋形に屈曲したボディを有する3枚以上のブレードを含み、前記各スクリューニーダーは、他のスクリューニーダーとブレードが互いにオーバーラップした状態で互いに反対方向に自転する高せん断ミキシング装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダー、
前記第1スクリューニーダーを回転させる第1自転駆動装置及び第2スクリューニーダーを回転させる第2自転駆動装置、
前記第1自転駆動装置及び第2自転駆動装置が自転可能に設置された公転駆動装置、
前記公転駆動装置が設置された駆動装置本体、並びに
混合槽、を含み、
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーそれぞれは、一端部が前記各自転駆動装置に連結されたシャフト、及び前記シャフトに一端部が固定され前記シャフトの縦方向に沿って螺旋形に屈曲したボディを有する3枚以上のブレード、を含み、
前記各スクリューニーダーは、他のスクリューニーダーとブレードが互いにオーバーラップした状態で互いに反対方向に自転する高せん断ミキシング装置。
【請求項2】
前記高せん断ミキシング装置は、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーがそれぞれ前記第1自転駆動装置及び第2自転駆動装置によって自転すると同時に、前記公転駆動装置によって公転することを特徴とする、請求項1に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項3】
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成されたオープン型ブレードであることを特徴とする、請求項2に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項4】
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであることを特徴とする、請求項2に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項5】
前記第1スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成されたオープン型ブレードであり、
前記第2スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであることを特徴とする、請求項2に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項6】
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーは、それぞれ3枚のブレードを備えたことを特徴とする、請求項2に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項7】
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーそれぞれに備えられた3枚のブレードのうちいずれか1枚のブレードは、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成されたオープン型ブレードであり、残りの2枚のブレードは、全て、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであることを特徴とする、請求項6に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項8】
前記各ブレードに形成された貫通ホールは、シャフトの外周面まで延長して形成されたことを特徴とする、請求項3、5または7に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項9】
前記オープン型ブレードを含むスクリューニーダーは、各ブレードに形成された貫通ホールが全て連通されるように、前記貫通ホール間のシャフトが除去されたことを特徴とする、請求項3または5に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項10】
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードの回転方向末端部は、他のスクリューニーダーと1mm~10mmの離隔距離を維持して回転することを特徴とする、請求項1に記載の高せん断ミキシング装置。
【請求項11】
バインダーとしてフィブリル化高分子を含む乾式電極製造用混合物の高せん断ミキシングに使用され、前記フィブリル化高分子を微小繊維化する用途で使用されることを特徴とする、請求項1に記載の高せん断ミキシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年1月28日付の韓国特許出願第10-2022-0013049号を基礎とする優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、この明細書の一部として含む。
【0002】
本発明は、高せん断ミキシング装置、特に、二次電池用乾式電極の製造に使用される高せん断ミキシング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
撹拌装置は、各種ペーストの製造設備、及び化学原料、例えばインキ、顔料、ペイント、化粧品、医薬品及び塗料等や、各種コーティング剤、研磨剤、セラミックスまたは金属粉末あるいは各種電子材料(PZT、誘電体、MLCC、Ferrite、ディスプレイ材料)等を微細に混合するために使用される。前記撹拌装置としては、特に、高粘度物質を撹拌するための装置であって容器内にある高粘度物質にブレードとロータを使用して撹拌するプラネタリーミキサー(Planetary Mixer)が多く使用されている。
【0004】
前記のようなプラネタリーミキサーは、二次電池の電極製造にも使用されている。すなわち、二次電池の用途拡大や発展に伴って、電極の低抵抗化、高容量化、機械的特性や生産性の向上等に対する改善が持続的に要求されており、これに伴い電極製造用混合物に係る高せん断ミキシングの必要性も増大している。
【0005】
具体的には、最近になって活物質、バインダー、及び導電材を溶媒や分散媒等のような液体媒質なしで混合した後、粉末混合物を圧延ロールに通過させて乾式電極フィルムを製造する技術が活発に開発されており、このような電極製造に高せん断ミキシングが適用されている。
【0006】
すなわち、前記のような方法には「フィブリル化バインダー(fibrillizable binders)」または「繊維形成バインダー(fibril-forming binders)」と呼ばれるバインダーが使用されるが、前記バインダーを含んだ混合物に高せん断ミキシングを適用する場合、前記バインダーが微小繊維化されて活物質及び導電材を結着する。
【0007】
しかし、このような高せん断ミキシング過程において、前記フィブリル化高分子がチューインガム(chewing gum)のような状態となって、高せん断ミキシング装置に大きな負荷がかかり、これにより高せん断ミキシング装置が損傷する場合が多い。一方、前記のような装置の損傷を防止するためにせん断力を下げる場合、フィブリル化高分子の繊維化がうまくなされない。したがって、このような問題により高せん断ミキシング装置を二次電池用乾式電極の製造のための大容量の量産装置として構築することが非常に難しい実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2011-0117902号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の前記のような問題を解消するために案出されたもので、高せん断力による物質の混合時、過負荷の発生なく効率的に物質を混合できる高せん断ミキシング装置を提供することを目的とする。
【0010】
特に、バインダーとしてフィブリル化高分子を含む乾式電極製造用混合物の高せん断ミキシング時、過負荷の発生なく効率的に前記高分子を微小繊維化できる高せん断ミキシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は
第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダー、
前記第1スクリューニーダーを回転させる第1自転駆動装置及び第2スクリューニーダーを回転させる第2自転駆動装置、
前記第1自転駆動装置及び第2自転駆動装置が自転可能に設置された公転駆動装置、
前記公転駆動装置が設置された駆動装置本体、並びに
混合槽、を含み、
前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーそれぞれは、一端部が前記自転駆動装置に連結されたシャフト、及び前記シャフトに一端部が固定され前記シャフトの縦方向に沿って螺旋形に屈曲したボディを有する3枚以上のブレード、を含み、
前記各スクリューニーダーは、他のスクリューニーダーとブレードが互いにオーバーラップした状態で互いに反対方向に自転する高せん断ミキシング装置を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記高せん断ミキシング装置は、前記スクリューニーダーが前記自転駆動装置によって自転すると同時に、公転駆動装置によって公転する特徴を有する。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成されたオープン型ブレードであり得る。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであり得る。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成されたオープン型ブレードであり、
前記第2スクリューニーダーに備えられたブレードは、全て、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであり得る。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーは、それぞれ3枚のブレードを備えることができる。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーそれぞれに備えられた3枚のブレードのうちいずれか1枚のブレードは、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成されたオープン型ブレードであり、残りの2枚のブレードは、全て、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであり得る。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記各ブレードに形成された貫通ホールは、シャフトの外周面まで延長して形成されることができる。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記オープン型ブレードを含むスクリューニーダーは、各ブレードに形成された貫通ホールが全て連通されるように、前記貫通ホール間のシャフトが除去された形態であり得る。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードの回転方向末端部は、他のスクリューニーダーと1mm~10mmの離隔距離を維持して回転するものであり得る。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記高せん断ミキシング装置は、バインダーとしてフィブリル化高分子を含む乾式電極製造用混合物の高せん断ミキシングに使用され、前記フィブリル化高分子を微小繊維化する用途で使用されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の高せん断ミキシング装置は、高せん断力による物質の混合時、過負荷の発生なく効率的に物質を混合することが可能な効果を提供する。また、このような効果により装置の損傷が最小化するため、装置を大容量で構成することが可能な特徴を有する。
【0023】
特に、本発明の高せん断ミキシング装置は、バインダーとしてフィブリル化高分子を含む乾式電極製造用混合物の高せん断ミキシング時、過負荷の発生なく効率的に前記高分子を微小繊維化できる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の高せん断ミキシング装置の一実施形態を示した斜視図である。
図2】本発明の高せん断ミキシング装置に備えられるスクリューニーダーの一実施形態を示した斜視図である。
図3】本発明の高せん断ミキシング装置に備えられるスクリューニーダーの他の実施形態を示した斜視図である。
図4】本発明の高せん断ミキシング装置に備えられるスクリューニーダーの他の実施形態を示した斜視図である。
図5】本発明の高せん断ミキシング装置に備えられるスクリューニーダーの他の実施形態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように、この発明の実施例について添付した図面を参考にして詳細に説明する。しかし本発明は、様々な相違する形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体を通じて類似の部分については、同一の図面符号を付した。
【0026】
図1は、本発明の高せん断ミキシング装置100の一実施形態を示した斜視図であり、図2図5は、本発明の高せん断ミキシング装置100に備えられるスクリューニーダーの他の実施形態を示した斜視図である。
【0027】
本発明の高せん断ミキシング装置100は、図1に示されたように、
第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’、前記第1スクリューニーダーを回転させる第1自転駆動装置21及び第2スクリューニーダーを回転させる第2自転駆動装置21’、前記第1自転駆動装置21及び第2自転駆動装置21’が自転可能に設置された公転駆動装置23、前記公転駆動装置23が設置された駆動装置本体20、並びに混合槽30を含み、
前記第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’それぞれは、一端部が前記自転駆動装置21、21’に連結されたシャフト13、13’、及び前記シャフトに一端部が固定され前記シャフトの縦方向に沿って螺旋形に屈曲したボディを有する3枚以上のブレード15、15’を含み、
前記各スクリューニーダー10、10’は、他のスクリューニーダーとブレード15、15’が互いにオーバーラップした状態で互いに反対方向に自転する特徴を有する。前記スクリューニーダーが自転して噛み合って回るとき、混合物が排出される方向の反対方向に公転する特徴を有する。
【0028】
本発明の高せん断ミキシング装置100は、特に、二次電池用乾式電極の製造に好ましく使用されることができる。すなわち、二次電池用乾式電極の製造時、活物質、導電材、及びバインダーとしてPTFE等のフィブリル化バインダーを含む混合物を、高せん断ミキシングして前記バインダーを繊維化し、このように製造された混合物を、圧延工程を介してフリースタンディング電極に製造する。このような高せん断ミキシング過程において、前記フィブリル化高分子がチューインガム(chewing gum)のような状態となって、高せん断ミキシング装置に大きな負荷がかかり、これにより装置が損傷する場合が多い。一方、前記のような装置の損傷を防止するためにせん断力を下げる場合、フィブリル化高分子の繊維化がうまくなされない。したがって、このような問題により高せん断ミキシング装置を二次電池用乾式電極の製造のための大容量の量産装置として構築することが非常に難しい。
【0029】
しかし、本発明の高せん断ミキシング装置を使用する場合、混合物の分散性が大きく向上し、フィブリル化高分子の微小繊維化が効果的になされながらも、装置に大きな負荷がかからない。そのため、本発明の高せん断ミキシング装置は、二次電池用乾式電極の製造のための高せん断ミキシングに好ましく使用されることができ、大容量の量産装置として構築することを可能にする。
【0030】
本発明の高せん断ミキシング装置を使用する場合、前記活物質、導電材、及びバインダーとしてPTFE等のフィブリル化バインダーを含む混合物に、10~500N・mの高せん断力を持続的に付与しながらも、装置の損傷なしに優れた品質のフリースタンディング電極用混合物を製造することが可能である。また、このような混合物を圧延する場合、引張強度が優れたフリースタンディング電極が製造され、このような電極で電池を構成する場合、電池の寿命も大きく向上する。
【0031】
本発明の一実施形態において、前記ブレード15、15’は、ボディの一端部がシャフトに縦方向に螺旋形態で結合され、これに合うように回転方向のボディ面が、前記シャフトの縦方向に沿って螺旋形に屈曲した形態を有することができる。
【0032】
本発明において前記ブレード15、15’のボディは、一端部が切断された円形プレート、一端部が切断された楕円形プレート、多角形プレート形態のボディが、シャフト13、13’の縦方向に沿って螺旋形に屈曲した形態であり得る。この際、前記円形及び楕円形の場合は切断部がシャフトに縦方向に螺旋形態で結合され、多角形の場合は一辺がシャフトに縦方向に螺旋形態で結合されることができる。また、前記ボディは、前記例示された形態が、高せん断ミキシングに有利なように一部変形された形態でもあり得る。前記多角形の場合、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形態であり得、特に限定されない。しかし、四角形形態がより好ましく使用されることができる。
【0033】
本発明の一実施形態において、前記高せん断ミキシング装置100は、前記スクリューニーダー10,10’が前記自転駆動装置21,21’によって自転すると同時に、公転駆動装置23によって公転する特徴を有する。また、前記スクリューニーダーが自転して噛み合って回るとき、混合物が排出される方向の反対方向に公転する特徴を有する。前記のように、スクリューニーダーの自転及び公転が同時になされる場合、混合物がより均一に混合され、高せん断ミキシングもより効率的になされることができるため好ましい。
【0034】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’に備えられたブレード15、15’は、全て、図2及び図5に示されたように、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホール18、18’、19、19’が形成されたオープン型ブレードであり得る。この際、前記外周部のうちシャフトに隣接した外周部は、前記貫通ホール18、18’の延長によって除去されることができる。
【0035】
図2に示された第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’のブレード15、15’に形成された貫通ホール18、18’は、各ブレードに独立的に貫通ホールが形成された形態を示す。すなわち、前記貫通ホール18、18’は、ブレードの回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホールが形成された形態を示し、特に、図2に示された形態は、貫通ホールがシャフトの外周面まで延長して形成された形態を示す。
【0036】
本発明の一実施形態において、前記貫通ホール18、18’の面積は、ブレードのボディの回転方向面の全体面積に対して40~80%、より好ましくは50~70%で形成されることができる。前記範囲で貫通ホールが形成される場合、装置に高負荷がかかることなく混合物が効果的に混合されるため好ましい。特に、前記のような範囲で、フィブリル化高分子の微小繊維化も効果的になされることができる。
【0037】
図5に示された第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’のブレード15、15’に形成された貫通ホール19,19’は、各ブレードに形成された貫通ホールが全て連通されるように、前記貫通ホール間のシャフトが除去された形態を示す。
【0038】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’に備えられたブレードは、全て、図3に示されたように、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであり得る。
【0039】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー10に備えられたブレードは、全て、図2または図5に示されたように、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホール18、18’、19、19’が形成されたオープン型ブレードであり、
前記第2スクリューニーダー10’に備えられたブレードは、全て、図3に示されたように、回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであり得る。
【0040】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’は、それぞれ3枚のブレードを備えたものであり得る。
【0041】
本発明の一実施形態において、図4に示されたように、前記第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’それぞれに備えられた3枚のブレードのうちいずれか1枚のブレードは、回転方向面の外周部を除いた中心部に貫通ホール18、18’が形成されたオープン型ブレードであり、残りの2枚のブレードは全て回転方向面が貫通ホールなしに閉鎖された閉鎖型ブレードであるものであり得る。このような形態の第1スクリューニーダー10及び第2スクリューニーダー10’を含む場合、混合物の分散性が大きく向上し、PTFEのようなフィブリル化高分子の繊維化が効果的になされる。また、PTFEのようなフィブリル化高分子の繊維化過程において装置に大きな負荷がかからない。そのため、前記のような構造を有する本発明の高せん断ミキシング装置は、二次電池用乾式電極の製造のための高せん断ミキシングに好ましく使用されることができ、大容量の量産装置を構築することを可能にする。
【0042】
特に、活物質、導電材、及びバインダーとしてPTFE等のフィブリル化バインダーを含む混合物を、高せん断ミキシングし、前記ミキシングされた混合物を圧延して乾式フリースタンディング電極を製造する場合、フリースタンディング電極の引張強度が大きく向上し、このような乾式フリースタンディング電極は二次電池の寿命を大きく向上させる効果を提供する。
【0043】
本発明の一実施形態において、前記ブレードの貫通ホール18、18’は、図4に示されたように、シャフトの外周面まで延長して形成されることができる。
【0044】
本発明の一実施形態において、前記オープン型ブレードを含むスクリューニーダー10,10’は、各ブレードに形成された貫通ホール19,19’が、全て連通されるように前記貫通ホール間のシャフトが除去された形態であり得る。
【0045】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードの回転方向末端部は、他のスクリューニーダーと1mm~10mm、好ましくは1mm~5mm、より好ましくは1mm~3mmの離隔距離を維持して回転することが好ましくあり得る。前記のような離隔距離を有する場合、PTFEのようなフィブリル化高分子の繊維化が効果的になされ、高せん断ミキシング装置に装置を損傷させ得る大きな負荷がかからないため、優れた品質のフリースタンディング電極を効率的に製造することが可能である。
【0046】
本発明の一実施形態において、前記第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーの回転速度は、10rpm~500rpm、好ましくは10rpm~300rpm、より好ましくは10rpm~150rpmであることがより好ましくあり得る。前記のような速度で高せん断ミキシングを行う場合、PTFEのようなフィブリル化高分子の繊維化が効果的になされ、高せん断ミキシング装置に装置を損傷させ得る大きな負荷がかからないため、優れた品質のフリースタンディング電極を効率的に製造することが可能である。また、公転速度は5rpm~100rpm、好ましくは10rpm~50rpm、より好ましくは10rpm~30rpmであり得る。
【0047】
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明することにする。しかし本発明による実施例は、様々に異なる形態に変形されることができ、本発明の範囲が下記で詳述する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0048】
実施例1:高せん断ミキシング装置によるフリースタンディング電極の製造
平均粒径が10μmの正極活物質粒子であるNCM粉末(商品名:GL80、LG化学社)95.5重量%または97重量%、導電材としてLi250(Denka社)1.5重量%、及びバインダーとしてPTFE(1.5重量%または3重量%)を混合して、フリースタンディング電極用混合物を準備した。
【0049】
本発明の高せん断ミキシング装置を下記の表1のように構成し、前記混合物を90℃で自転30rpm、公転15rpmで100N・mのせん断力を加えて高せん断ミキシングを2分間行った。
【0050】
次に、前記で製造された練られた形態の2次混合物を、100℃で2ロールミル(Two roll mill)(MR-3、Inoue社)を使用して200μm厚のフリースタンディングフィルムに製造した。
【0051】
その後、前記フリースタンディングフィルムを厚さが20μmのプライマー被覆アルミニウムホイル(Primer Coated Aluminum Foil)(ドンウォンシステムズ社製造)集電体の一面上に位置させ、120℃で維持されるラミネーションロールを介して接合し正極を製造した。
【0052】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0053】
(注)オーバーラップ:第1スクリューニーダー及び第2スクリューニーダーに備えられたブレードの回転方向末端部は他のスクリューニーダーと3mmの離隔距離を維持
【0054】
実験例1:フリースタンディング電極の引張強度測定
前記実施例1~5及び比較例1~7で製造されたフリースタンディング電極の引張強度を、LLOYD社のUTM装置を使用して、180度剥離(peel)測定方法で50mm/minの条件で引張強度を測定した。前記測定時、フィルムに破断が発生しない時点まで加えられた力のうち最大値を前記フリースタンディングフィルムの強度と評価し、前記測定結果は下記表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
実験例2:電池の寿命特性評価
(1)リチウム二次電池の製造
前記実施例1~5及び比較例1~7で製造された正極を使用し、対極としてリチウム金属を使用し、EC:DMC:DEC(1:2:1の体積比)の溶媒に1MのLiPFが含まれた電解液を使用してコイン型半電池を製造した。
【0057】
(2)リチウム二次電池の容量維持率評価
前記で製造されたコイン型半電池を、25℃で、3~4.3Vの電圧範囲及び0.33Cレート(rate)の電流条件下で充放電を100回実施した後、1回の放電容量に対する100回放電の容量維持率を計算し、その結果を下記表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】
本発明が前記言及された好ましい実施例と関わって説明されはしたが、発明の要旨と範囲から逸脱することなく多様な修正や変形をすることが可能である。したがって、添付された特許請求の範囲は、本発明の要旨に属する限りこのような修正や変形を含むものである。
【符号の説明】
【0060】
10:第1スクリューニーダー 10’:第2スクリューニーダー
13、13’:シャフト 15、15’:ブレード
20:駆動装置本体 21:第1自転駆動装置
21’:第2自転駆動装置 23:公転駆動装置
30:混合槽
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】