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特表2024-526973アダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】アダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20240711BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20240711BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240711BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20240711BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/10 L
H02J7/04 L
H02J7/00 P
B60L53/66
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504008
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2022107013
(87)【国際公開番号】W WO2023001232
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110839623.8
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CC02
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125CC06
5H125DD02
5H125EE61
(57)【要約】
本発明はアダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システムに関するものであり、上記制御装置は、充電器と車両との間のメッセージ伝送を実現する通信モジュールと、上記充電器から送信された充電器出力能力メッセージを受信した時に、上記充電器の出力電流範囲を解析して取得し、上記出力電流範囲とアダプターの定格電流に基づいて、上記車両へ対応のメッセージを送信して、上記車両が受信されたメッセージと自体設定パラメータに基づいて上記充電器へフィードバックメッセージを送信するように制御する制御モジュールと、を備え、本明細書はアダプターの自体定格電流に基づいてアダプターを保護する制御装置を提供して、アダプターの使用安全性を高め、新エネルギー車両充電中の安全性と確実性を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプターの制御装置であって、
充電器と車両との間のメッセージ伝送を実現するための通信モジュールと、
上記充電器から送信された充電器出力能力メッセージを受信したときに、上記充電器の出力電流範囲を解析して取得し、上記出力電流範囲とアダプターの定格電流に基づいて、上記車両が受信されたメッセージと自体設定パラメータに基づいて上記充電器へフィードバックメッセージを送信するように、対応するメッセージを上記車両へ送信する制御モジュールと、を備えることを特徴とするアダプターの制御装置。
【請求項2】
上記出力電流範囲は最小出力電流と最大出力電流を含み、
上記出力電流範囲とアダプターの定格電流に基づいて上記車両へ対応のメッセージを送信することは、
上記定格電流が上記最小出力電流より小さい場合、上記通信モジュールによって上記車両へ充電停止メッセージを送信することと、
上記定格電流が上記最大出力電流より小さく且つ上記最小出力電流より大きい場合、上記充電器出力能力メッセージを調整し、上記通信モジュールによって上記車両へ調整後の上記充電器出力能力メッセージを送信し、調整後の上記充電器出力能力メッセージ中の最大出力電流が上記定格電流を上回らないことと、を含むことを特徴とする請求項1に記載されたアダプターの制御装置。
【請求項3】
上記通信モジュールは第一通信ユニットと第二通信ユニットを備え、
上記第一通信ユニットは、上記充電器に電気的に接続され、上記充電器によって伝送されたメッセージ情報を受信し、上記メッセージ情報を上記制御モジュールへ送信し、
上記制御モジュールは上記メッセージ情報が充電器出力能力メッセージであるか否かを判断し、
上記メッセージ情報が充電器出力能力メッセージであると判断された場合、上記メッセージ情報を解析するステップ以降のステップを実行し、上記第二通信ユニットによって上記車両へ対応のメッセージを送信し、
上記メッセージ情報が充電器出力能力メッセージではないと判断された場合、受信されたメッセージ情報を上記第二通信ユニットによって上記車両へ送信することを特徴とする請求項1に記載のアダプターの制御装置。
【請求項4】
上記制御装置はアダプターに取付けられることを特徴とする請求項1に記載のアダプターの制御装置。
【請求項5】
上記制御装置が上記アダプターに取付けられた場合、上記制御装置は温度検出モジュールをさらに備え、
上記温度検出モジュールは、アダプター端子の動作温度を取得し、取得した温度データを上記制御モジュールへ送信し、
上記制御モジュールは、上記温度データと所定閾値を比較し、比較結果に基づいて上記車両へ対応のメッセージを送信することを特徴とする請求項1に記載のアダプターの制御装置。
【請求項6】
上記所定閾値は第一閾値と第二閾値を備え、上記第一閾値は上記第二閾値より小さく、
比較結果に基づいて上記車両へ対応のメッセージを送信することは、
上記温度データが上記第一閾値と第二閾値の間にある場合、上記充電器出力能力メッセージを調整し、上記通信モジュールによって上記車両へ調整後の上記充電器出力能力メッセージを送信し、ただし、調整後の上記充電器出力能力メッセージ中の最大出力電流は所定電流であることと、
上記温度データが上記第二閾値より大きい場合、上記通信モジュールによって上記車両へ充電停止メッセージを送信することと、を含むことを特徴とする請求項5に記載のアダプターの制御装置。
【請求項7】
上記制御装置は電源モジュールをさらに備え、
上記電源モジュールは上記通信モジュールと上記制御モジュールへ電源を供給することを特徴とする請求項1に記載のアダプターの制御装置。。
【請求項8】
アダプターの制御方法において、
充電器出力能力メッセージを受信するステップと、
メッセージ中の上記充電器の出力電流範囲を解析して取得するステップと、
上記出力電流範囲と上記アダプターの定格電流に基づいて、対応のメッセージを決定して車両へ送信することにより、上記車両が受信されたメッセージと自体設定パラメータに基づいて上記充電器へフィードバックメッセージを送信するようにするステップと、を含むことを特徴とするアダプターの制御方法。
【請求項9】
上記出力電流範囲は最小出力電流と最大出力電流を含み、
上記出力電流範囲と上記アダプターの定格電流に基づいて、対応のメッセージを決定して車両へ送信するステップは、
上記定格電流が上記最小出力電流より小さい場合、上記車両へ充電停止メッセージを送信するステップと、
上記定格流が上記最大出力電流より小さく且つ上記最小出力電流より大きい場合、上記充電器出力能力メッセージを調整し、上記車両へ調整後の上記充電器出力能力メッセージを送信し、ただし、調整後の上記充電器出力能力メッセージ中の最大出力電流は上記定格電流を上回らないようにするステップと、を含むことを特徴とする請求項8に記載のアダプターの制御方法。
【請求項10】
アダプター端子の温度データをリアルタイムに取得するステップと、
上記温度データが第一閾値と第二閾値の間にある場合、上記充電器出力能力メッセージを調整して、上記車両へ調整後の上記充電器出力能力メッセージを送信し、ただし、調整後の上記充電器出力能力メッセージ中の最大出力電流は所定電流であり、上記第一閾値は上記第二閾値より小さいステップと、
上記温度データが第二閾値より大きい場合、上記車両へ充電停止メッセージを送信するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のアダプターの制御方法。
【請求項11】
電流変換装置と、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のアダプターの制御装置と、を備えることを特徴とするアダプター。
【請求項12】
充電器と、車両と、アダプターと、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のアダプターの制御装置と、を備えることを特徴とする充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2021年7月23日に提出された出願番号が202110839623.8で、発明の名称が「アダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システム」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用することで本願に結合する。
【0002】
本願は電気自動車の技術分野に属し、具体的に、アダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ますます厳しくなるエネルギー危機と環境汚染問題を解決するために、新エネルギー自動車は既に各地方で発展する重要な戦略とされているが、新エネルギー自動車の重要な難点は自動車の航続と充電機能にあるため、車両の充電システムに対する研究は重要なホットイシューとされている。異なる充電システムについて研究する過程で、上位互換の問題に直面し、ユーザは例えばGB2015のような直流充電ステーションで異なる車両に充電する問題に直面するが、両端のインターフェースの形態が異なるため、アダプターを設置して車両と充電器を接続する必要があり、従来のアダプターはただ電流伝送の機械装置を具備するため、充電中電流の調整は自動車のバッテリー管理システム(Battery Management System、BMS)によって実行されており、具体的に、車両は充電ステーションと直接に通信を行い、車両と充電ステーションとの間の情報インタラクション(Information Interaction)によって充電ステーションの出力電流を調整するが、充電中アダプターの電流搭載機能が考えられていないと、火災の危険が存在し、これによりもっと厳しい安全上の危険性を引き起こすため、新エネルギー自動車の充電中に存在する安全性を高めるのは至急に解決すべく技術課題とされている。
【発明の概要】
【0004】
従来技術に存在する上記問題を解決するために、本発明は新エネルギー自動車の充電中の安全性を高めることができるアダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システムを提供することを目的とする。
【0005】
上記技術課題を解決するために、本発明の一実施例は、アダプターの制御装置において、充電器と車両との間のメッセージ伝送を実現する通信モジュールと、上記充電器から送信された充電器出力能力メッセージを受信した時に、上記充電器の出力電流範囲を解析して取得し、上記出力電流範囲とアダプターの定格電流に基づいて、上記車両へ対応するメッセージを送信することにより、上記車両が受信されたメッセージと自体設定パラメータに基づいて上記充電器へフィードバックメッセージを送信するように制御する制御モジュールと、を備えるアダプターの制御装置を提供する。
【0006】
一方、本発明は、アダプターの制御方法において、充電器出力能力メッセージを受信するステップと、上記メッセージ中の上記充電器の出力電流範囲を解析及び取得するステップと、上記出力電流範囲と上記アダプターの定格電流に基づいて、対応するメッセージを決定して車両へ送信するステップと、を備えるアダプターの制御方法を提供する。一方、本発明は、電流変換装置と上記アダプターの制御装置を備えるアダプターを提供する。
【0007】
最後に、本発明は、充電器と、車両と、アダプターと、上記アダプターの制御装置とを備える充電システムを提供する。
【0008】
上記技術手段によると、本発明は、充電器と車両との間のメッセージ伝送を実現する通信モジュールと、上記充電器から送信された充電器出力能力メッセージを受信した時に、上記充電器の出力電流範囲を解析して取得し、上記出力電流範囲とアダプターの定格電流に基づいて、上記車両へ対応するメッセージを送信することにより、上記車両が受信されたメッセージと自体設定パラメータに基づいて上記充電器へフィードバックメッセージを送信するように制御する制御モジュールと、を備えるアダプターの制御装置、方法、アダプター及び充電システムを提供し、本発明はアダプター自体の定格電流に基づいてアダプターを保護する制御装置を提供することで、アダプターの使用安全性を高め、さらに新エネルギー車両充電中の安全性と確実性を高めることができる。
【0009】
本発明の上記及びその他の目的、特徴、メリットをより理解し易くするために、以下に望ましい実施例及び図面を参照してより詳細に説明する。
【0010】
本実施例又は従来技術による技術案をより明瞭に説明するために、以下に実施例又は従来技術の説明に必要な図面について簡単に説明するが、以下の図面はただ本明細書の一部の実施例に過ぎなく、当業者にとって革新的な工夫を要らずにこのような図面に基づいてその他の図面を獲得するのは自明なことである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本実施例によるアダプターの制御装置の構造概略図である。
図2図2は本実施例によるアダプターの制御装置の別の構造概略図である。
図3図3は本実施例によるアダプターの制御装置の別の構造概略図である。
図4図4は本実施例によるアダプターの制御方法のステップ概略図である。
図5図5は本実施例による定格電流の比較過程のステップ概略図である。
図6図6は本実施例によるアダプター動作の流れを示す概略図である。
図7図7は本実施例によるコンピュータ装置の構造概略図である。
【0012】
(符号の説明)
10制御装置;20充電器;30車両;40アダプター;11通信モジュール;12制御モジュール;13温度検出モジュール;111第一通信ユニット;112第二通信ユニット;702コンピュータ装置;704プロセッサー;706メモリ;708駆動機構;710入力・出力モジュール;712入力装置;714出力装置;716表示装置;718グラフィックユーザインターフェース;720ネットワークインターフェース;722通信リンク;724通信バス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本実施例による図面を参照して、本実施例による技術案について明瞭で完全に説明するが、もちろん、これらの実施例はただ本発明の一部の実施例に過ぎなく、全ての実施例を代表するのではない。当業者が本実施例に基づいて革新的な工夫を要らないで取得できるその他の実施例はいずれも本発明の保護範囲に属すると解析されるべきである。
【0014】
本発明の明細書と請求の範囲及び図面に用いられる「第一」、「第二」等は特定な順序又は前後順位を意味するのではなく、類似な対象を区別化するために用いられる。本発明の実施例が本明細書に図示又は説明された順序以外のその他の順序で実施できるように、これらのデータは適当な状況で互換されてもよい。一方、「含む」と「備える」及びこれらの任意の変形は非排他的な包括をカバーしており、例えば一連のステップ又はユニットの過程、方法、装置、製品又はデバイスは具体的に挙げられたステップ又はユニットに限られなく、具体的に挙げられない又はこれらの過程、方法、製品又はデバイス固有のその他のステップ又はユニットを備えてもよい。
【0015】
新エネルギー車両の充電中にアダプターによって充電器(又は充電ステーション)から出力される電流を電流変換(例えば、交流電流を直流電流に変換)した後に車両バッテリーに出力して車両を充電するが、従来のアダプターはただ電流伝送の機械装置を具備するだけで、充電中の電流の調整は自動車のバッテリー管理システムによって実行され、具体的には、車両が充電ステーションと直接に通信を実行し、車両と充電ステーションとの間の情報インタラクション(Information Interaction)によって充電ステーションの出力電流を調整するが、アダプターの電流搭載機能が充電中に考えられていない場合、火災の危険性が存在し、さらにはより厳しい安全上の危険を引き起こすことになる。
【0016】
上記問題を解決するために、本発明の実施例によると、アダプターの制御装置を提供するが、上記装置はアダプター自体の最大搭載電流を組み合わせて車両へ対応の制御情報を伝送することで、充電器があまりにも高い電流を出力してアダプターの正常な使用を影響することを防止することができる。
【0017】
具体的に、図1に示すように、上記制御装置10は通信モジュール11と制御モジュール12を備え、上記通信モジュール11は充電器20と車両30との間のメッセージ伝送を実現し、充電器20と車両30との間のメッセージの伝達によって充電電流情報を取得することで、出力電流をリアルタイムに把握することができる。
【0018】
上記制御モジュール12は、上記充電器20から送信された充電器出力能力メッセージを受信すると、上記充電器20の出力電流範囲を解析及び取得し、上記出力電流範囲とアダプター40の定格電流に基づいて、上記車両30へ対応のメッセージを送信することで、上記車両30が受信されたメッセージと自体設定パラメータに基づいて上記充電器20にフィードバックメッセージを送信するように制御することができる。
【0019】
本発明は該制御装置10を設けることで、充電器20から送信された出力能力メッセージ(例えば、CMLメッセージ)をリアルタイムに取得することができ、該出力能力メッセージによって充電器20の出力電流範囲を取得することで、アダプター40の定格電流と出力電流範囲の関係を決定し、出力能力メッセージを選択的に調整することで、車両30が取得した出力能力メッセージ中の出力電流範囲を上記定格電流範囲内に抑えて、アダプター40が高い電流環境で動作するのを防止し、高温による火災の発生を防止し、充電の安全性を高めることができる。
【0020】
上記アダプター40の定格電流はアダプター40の最大許容電流であってよく、即ち安全電流値であってよく、安全電流値以下の電流環境で、アダプター40は正常に動作することができ、持続的に動作しても、加熱が発生しない。上記定格電流はアダプター40の端子及び材料によって決定され、本明細書の実施例において、上記アダプター40の定格電流は与えられた値であり、異なるアダプター40の定格電流はそれぞれ異なり、本明細書はこれについて限定しない。
【0021】
上記通信モジュール11はCAN(Controller Area Network)通信モジュールであってもよく、メッセージデータの伝達を実行することができ、例えば上記CAN通信モジュールは上記充電器20によって送信されたメッセージデータを受信し、上記メッセージデータをCANレベル信号に変換して制御モジュール12に送信し、上記制御モジュール12は受信されたレベル信号について一定の処理を行い、改めて対応のメッセージデータに変換して、上記CAN通信モジュールによって上記車両30へ伝達し、車両30から送信されるメッセージデータについて類似な処理を実行するため、重なる説明は省略する。
【0022】
上記制御モジュール12は一定の算出処理能力を具備するマイクロコントロールユニットであってもよく、例えば、MCUモジュールであってもよく、一定の処理ロジックを記憶し且つ対応のデータを受信する時に処理ロジックの運行をトリガーすることで、対応の目的を達成することができ、選択的に上記制御モジュール12はマイクロコントローラー、複数のI/Oインターフェース集積チップなどであってよい。
【0023】
さらに、上記制御モジュール12は第一判断ユニットを備え、上記第一判断ユニットの動作原理は以下の通りである。
【0024】
受信されたメッセージが出力能力メッセージであるか否かを判断する、
もし「はい」と判断した場合、上記出力能力メッセージ中の出力電流情報を解析且つ取得し、
もし「いいえ」と判断した場合、受信されたメッセージを上記通信モジュール11によって直接に上記車両30へ伝達する。
【0025】
従って、本発明は出力能力メッセージ以外のメッセージを直接に伝達することで、充電器20と車両30との間の通信効率を保証することができ、予定のメッセージ解析ルールに基づいて上記出力能力メッセージを解析することができる。例えば、予定の通信プロトコル中のメッセージ生成方式に基づいてメッセージの解析方式等を取得し、各メッセージのデータフォーマットとコンテンツが異なるため、メッセージフォーマットとコンテンツによって出力能力メッセージであるか否かを判断することができ、一方それぞれの通信プロトコルのメッセージフォーマットも異なるため、本明細書は出力能力メッセージの判断方式について限定しない。
【0026】
さらに、上記出力電流範囲は、最小出力電流と最大出力電流を備え、
上記出力電流範囲とアダプター40の定格電流に基づいて、上記車両30へ対応のメッセージを送信するステップは、
上記定格電流が上記最小出力電流より小さい場合、上記通信モジュール11によって上記車両30へ充電停止メッセージを送信するステップと、
上記定格電流が上記最大出力電流より小さく且つ上記最小出力電流より大きい場合、上記充電器20の出力能力メッセージを調整し、上記通信モジュール11によって上記車両30へ調整後の上記充電器20の出力能力メッセージを送信し、そのうち、調整後の上記充電器20の出力能力メッセージ中の最大出力電流は上記定格電流を超えないステップと、を備える。
【0027】
上記充電器20から上記車両30へ送信した出力能力メッセージは電流を出力可能な最大値と最小値であり、車両30のバッテリー管理システム(BMS)によって該出力電流が車両30のバッテリーの受け取り範囲内にあるか否かを判断することで、車両30のバッテリーを保護する。該出力能力メッセージを車両30へ送信する前に、アダプター40の制御装置10によってその出力能力メッセージについて適当な調整を実行することで、充電器20の出力電流がアダプター40について別途の損害を引き起こさないようにして、アダプター40を保護し、充電の体験価値を高めることができる。
【0028】
実際の動作において、上記充電器20は所定の頻度で持続的に車両30へ上記出力能力メッセージを送信することで、制御モジュール12は受信された出力能力メッセージに基づいて、アダプター40の定格電流を組み合わせて上記出力能力メッセージを選択的に調整して、車両30が最適化されたメッセージデータを受信できるように保証する。車両30が通信モジュール11からの出力能力メッセージを受信した時に、自体設定パラメータ(例えば、バッテリー電流搭載機能など)を組み合わせて、所定のフィードバックルールに従って上記充電器20へフィードバックメッセージを送信することで、充電器20が受信されたフィードバックメッセージに従って電流を出力するようにする。そのうち、上記フィードバックメッセージは車両BMSから充電器20へ送信した出力電流メッセージである。
【0029】
一部のその他の実施例において、上記制御モジュール12は第二判断モジュールを備え、上記第二判断モジュールの動作原理は以下の通りである。
【0030】
上記定格電流が上記最小出力電流より小さいか否かを判断する。
もし「はい」と判断した場合、充電器20が出力できる最小電流があまりにも大きくて、既にアダプター40が許容できる最大機能を超えることを意味するので、この時に充電器20が充電するのは適当でないことを表すため、上記通信モジュール11によって上記車両30へ充電停止メッセージを送信して、上記車両30が上記充電器20へBST(Battery STop)停止メッセージを送信するようにする。
もし「いいえ」と判断した場合、継続して上記定格電流が上記最大出力電流より小さいか否かを判断する。
もし上記定格電流が上記最大出力電流を下回らない場合、充電器20の出力がアダプター40に影響を与えないことを意味するため、直接に上記出力能力メッセージを上記車両30へ伝達する。
もし上記定格電流が上記最大出力電流より小さい場合、充電器20が定格電流より大きい電流で出力する際にアダプター40に不利な影響を与えることを表すため、上記充電器20の出力能力メッセージを調整する必要があることを意味するので、上記通信モジュール11によって上記車両30へ調整後の上記充電器20の出力能力メッセージを送信し、そのうち調整後の上記充電器20の出力能力メッセージ中の最大出力電流は上記定格電流より大きくない。
【0031】
望ましくは、調整後のモータ出力能力メッセージ中の最大出力電流は上記定格電流と同じであり、これにより充電器20の高い出力電流を保証して、充電の効率を高めることができるため、車両使用の体験価値を高めることができる。
【0032】
本明細書の実施例において、メッセージの伝送率を高め、送信渋滞を防止するために、図2に示すように、上記通信モジュール11は第一通信ユニット111と第二通信ユニット112を備える。
上記第一通信ユニット111は、上記充電器20に電気的に接続され、上記充電器20によって伝送されたメッセージ情報を受信し、上記メッセージ情報を上記制御モジュール12へ送信する。
上記制御モジュール12は、上記メッセージ情報が充電器20の出力能力メッセージであるか否かを判断し、
もし「はい」と判断した場合、上記メッセージ情報を解析するステップ及びその以降のステップを実行し、上記第二通信ユニット112によって上記車両30へ対応のメッセージを送信し、
もし「いいえ」と判断した場合、受信されたメッセージ情報を上記第二通信ユニット112によって上記車両30へ送信する。
【0033】
第一通信ユニット111と第二通信ユニット112を設置することで、充電器20と車両30にそれぞれ接続して通信を実行することで、単一の通信ユニット(例えば、第一通信ユニット111又は第二通信ユニット112)によるデータ処理量を減少し、データ変換と送信の効率を高めることができる。
【0034】
第一通信ユニット111と第二通信ユニット112の設置は、本明細書の実施例の一種の実施方式に過ぎなく、一部のその他の実施例にはより多く又は少ない通信ユニットによって実現可能であり、本明細書の実施例はこれについて限定しない。
【0035】
本明細書の実施例において、上記制御装置10は一定のエンティティ構造を具備し、上記機能モジュールのハードウェア装置を実現するため、別途に設置されてもよく、充電器20、アダプター40及び車両30と通信連結し、さらに上記制御装置10はアダプター40に取付られ、例えば上記制御装置10をアダプター40の内部に取付け、上記制御装置10を上記アダプター40の一部として形成することで、アダプター40の機能を高め、アダプター40の通信機能を増加し、その自体制御モジュール12によって自体を保護して、アダプター40の適応範囲を高めることができる。
【0036】
一部のその他の実施例において、上記制御装置10を車両30に取付け、上記制御装置10は車両BMSと通信連結を構築し、アダプター40の定格電流を事前に取得して保存することで、上記機能を実現することができる。さらに、例えば、上記制御装置10は充電器20に取付けられてもよく、これにより実際に動作する際に実質的には充電器20から送信されたメッセージを制御装置10によって上記車両30へ伝達することにより、充電器20と車両30との間のデータインタラクション作用を実現することができる。
【0037】
留意すべくところは、上記制御装置10が車両30に設けられる場合、上記制御装置10の機能は上記車両BMSに集中され、即ち上記車両BMSは上記制御装置10の対応の機能を増加することでアダプター40を保護し、これによりただソフトウェアロジックを増加することに従って上記機能を実現することができ、できるだけハードウェア装置の数を減少することができるため、装置の増加によるコストと改善コストを節約することができる。
【0038】
さらに、実施例において、上記制御装置10が上記アダプター40に取付けられる場合、図3に示すように、上記制御装置10は温度検出モジュール13をさらに備え、
上記温度検出モジュール13はアダプター端子の動作温度を取得し、取得した温度データを上記制御モジュール12へ送信し、
上記制御モジュール12は上記温度データと所定の閾値を比較して、上記比較結果に基づいて、上記車両30へ対応のメッセージを送信する。
【0039】
アダプター40に温度検出モジュール13を設定することで、アダプター40をよりよく保護することができ、温度があまりにも高くてその動作効率を影響し、さらに火災を引き起こすなどの危険を防止することができ、上記温度検出モジュール13は温度センサーであってよく、アダプター40の端子温度(DC+とDC-)を取得することができるが、本明細書は具体的な位置については限定しない。
【0040】
上記所定閾値は第一閾値と第二閾値を備え、上記第一閾値は上記第二閾値より小さい。
【0041】
上記比較結果に基づいて上記車両30へ対応のメッセージを送信するステップは、
上記温度データが上記第一閾値と第二閾値の間にある場合、上記充電器20の出力能力メッセージを調整して、上記通信モジュール11によって上記車両30へ調整後の上記充電器20の出力能力メッセージを送信し、そのうち調整後の上記充電器20の出力能力メッセージ中の最大出力電流は所定電流であるステップと、
上記温度データが上記第二閾値より大きい場合、上記通信モジュール11によって上記車両30へ充電停止メッセージを送信するステップと、を備える。
【0042】
そのうち、上記第一閾値は上記アダプター40が正常に動作できる境界値であってよく、上記第二閾値は上記アダプター40が安全状態にある限界値であってよいので、アダプター40の温度が上記第一閾値より大きく且つ第二閾値より小さい場合、上記アダプター40が正常範囲内にないため冷却処理する必要があることを意味し、上記アダプター40の温度が上記第二閾値より大きいと、上記アダプター40が危険状態にあっているので、動作を直ちに停止して危険から外れるべくことを意味する。上記第一閾値と上記第二閾値は例えばアダプター40の構造、材料、機能などのアダプター40の実際のデザインによって決定され、本明細書は上記第一閾値と上記第二閾値の具体的な値について限定しない。
【0043】
そのうち、上記所定電流はディレーティング電流値であってよく、現在電流が高くてアダプター40の温度が上昇するため、電流ディレーティング処理を実行してアダプター40の温度を下降させる必要があり、実際の動作で、上記所定電流は固定値ではなく、実際電流とアダプター状態に基づいて決定することができ、選択的にディレーティング処理ルールは実際状況によって配置することができ、例えば指定された勾配に従って現在の充電電流について均一な下降処理を実行することができ、所定の時間内に上記アダプター40の温度が明らかに下降しないか又は上記第一閾値より大きい場合に、下降限度を増加することで、アダプター40の冷却効率を高めることができる。
【0044】
一部のその他の実施例において、その他のディレーティング処理ルールが存在してもよく、例えば等比率によって、現在の充電電流に基づいて、毎回指定の比率(例えば、10%、20%など)を下降して所定電流とすることができる。もちろん、その他のディレーティング処理ルールが存在してもよく、上記所定電流は固定値であってもよく、本明細書の実施例はこれについて限定しない。
【0045】
本明細書の実施例において、上記制御装置10が上記アダプター40に設けられる場合、受信された出力能力メッセージについて、定格電流と温度データに基づいて同時に処理して調整し、且つ処理後の最適な結果を車両30へ送信することができる。例えば、以下の通りである。
【0046】
(1)定格電流が最小出力電流を下回るか又はアダプター温度データが第二閾値より大きい場合、その他のデータと関係なしに、上記制御モジュール12は上記車両30へ充電停止メッセージを送信する。
【0047】
(2)定格電流が最小出力電流と最大出力電流の間にあり、且つアダプター40の温度データが第一閾値と第二閾値の間にある場合、まずディレーティング処理によって取得した所定電流を決定し、定格電流と所定電流を比較し、そのうちの小さい値を出力能力メッセージ中の最大出力電流として用いる。
【0048】
これにより、定格電流と充電器20の出力電流の関係が考えられるだけでなく、アダプター40の温度データによるアダプター40の動作に対する影響が考えられるため、総合的な制御が可能になり、アダプター40の確実性を高めることができる。
【0049】
一部のその他の実施例において、上記制御装置10は電源モジュールをさらに備え、上記電源モジュールは充電器20の補助電源と電気的に接続され、上記制御装置10中のその他の機能モジュール(例えば、通信モジュール11、制御モジュール12、温度検出モジュール13など)について充電し、選択的に電圧によって小電圧環境に変換して(12Vを5Vに変換)上記モジュールに電気を供給することができる。
【0050】
同一な発明構想に基づいて、本明細書の実施例はアダプターの制御方法を提供して、アダプター40の動作の安全性と確実性を高めることができる。図4は本実施例によるアダプターの制御方法のステップ概略図であって、本明細書は実施例又はフローチャートによる方法作動ステップを提供するが、一般的な又は革新的な工夫を要らずにより多く又は少ない作動ステップを備えてもよい。実施例に挙げられたステップの手順はただ多くのステップ実行手順のうちの一種の方式に過ぎなく、唯一な実行手順を代表するのではない。実際のシステム又は装置製品の実行時に、実施例又は図面に示された方法手順によって実行されたり又は並列して実行されてもよい。具体的に、図4に示されているように、上記方法は、
充電器の出力能力メッセージを受信するステップS101と、
メッセージ中の上記充電器の出力電流範囲を解析して取得するステップS102と、
上記出力電流範囲と上記アダプターの定格電流に基づいて、対応のメッセージを決定して車両へ送信するステップS103と、を備える。
【0051】
本明細書の形態によると、充電器20から送信される出力能力メッセージ(例えば、CMLメッセージ)をリアルタイムに取得し、該出力能力メッセージによって充電器20の出力電流範囲を取得することでアダプター40の定格電流と出力電流範囲の関係を決定し、さらに出力能力メッセージを選択的に調整することにより、車両30によって取得された出力能力メッセージ中の出力電流範囲を上記定格電流範囲内に抑えて、アダプター40が高電流環境で動作することを防止して、高温による火災の発生を防止し、充電の安全性を高めることができる。
【0052】
動作を実行する前に、上記アダプター40は自己検証を行って、制御装置10中の機能モジュール(例えば、通信モジュール11、制御モジュール12と温度検出モジュール13)の合否を検出し、例えば短絡、回路の遮断、通信異常などの故障が存在するかどうかを検出することができる。故障が存在する際にタイムリーに警告を発生することで、ユーザがタイムリーに上記アダプターの交換又はメンテナンスが可能になる。
【0053】
さらに、上記出力電流範囲は最小出力電流と最大出力電流を備え、
上記出力電流範囲と上記アダプター40の定格電流に基づいて、車両30へ送信するメッセージ情報を決定するステップは、
上記定格電流が上記最小出力電流より小さい場合、通信モジュール11によって上記車両30へ充電停止メッセージを送信するステップと、
上記定格電流が上記最大出力電流より小さく且つ上記最小出力電流より大きい場合、上記充電器20の出力能力メッセージを調整して、上記通信モジュール11によって上記車両30へ調整後の上記充電器20の出力能力メッセージを送信し、そのうち調整後の上記充電器20の出力能力メッセージ中の最大出力電流は上記定格電流を上回らないようにするステップと、を備える。
【0054】
上記充電器20が上記車両30へ送信する出力能力メッセージは電流を出力できる最大値と最小値であって、車両バッテリー制御システム(BMS)によって該出力電流が車両30のバッテリー受け取り範囲内に存在するか判断でき、車両のバッテリーを保護することができる。該出力能力メッセージは車両30へ送信される前にアダプター40の制御装置10によって適当に調整されたものであり、これにより充電器20の出力電流はアダプター40について別途の損害を引き起こさず、さらにアダプター40を保護し、充電の体験価値を高めることができる。
【0055】
例示的に、図5に示すように、上記制御装置10の具体的な動作原理は以下の通りである。
【0056】
ステップS201において、上記定格電流が上記最小出力電流より小さいかどうかを判断する。
ステップS202において、もし「はい」と判断した場合、上記車両へ充電停止メッセージを送信して、車両バッテリー管理システムによって充電を停止するように車両バッテリーを制御する。
ステップS203において、もし「いいえ」と判断した場合、継続して上記定格電流が上記最大出力電流より小さいかどうかを判断する。
ステップS204において、もし上記定格電流が上記最大出力電流より小さく上記最小出力電流より大きい場合、上記充電器出力能力メッセージを調整し、調整後の上記充電器出力能力メッセージを上記車両へ送信し、調整後の上記充電器出力能力メッセージ中の最大出力電流は上記定格電流である。
ステップS205において、もし上記定格電流が上記最大出力電流より大きい場合、上記出力能力メッセージを直接に上記車両へ伝達する。
【0057】
アダプター40が動作中に温度があまりにも高くなる状況を防止するために、本明細書の実施例によると、上記方法は、
アダプター端子の温度データをリアルタイムに取得するステップと、
上記温度データが第一閾値と第二閾値の間にある場合、上記充電器の出力能力メッセージを調整して、通信モジュールによって上記車両へ調整後の上記充電器の出力能力メッセージを送信し、調整後の上記充電器の出力能力メッセージ中の最大出力電流は所定電流であり、上記第一閾値は上記第二閾値より小さいステップと、
上記温度データが第二閾値より大きい場合、上記通信モジュールによって上記車両へ充電停止メッセージを送信するステップと、をさらに備える。
【0058】
アダプターの動作温度を取得してさらに処理することで、アダプターの動作状態をリアルタイムに制御することにより、アダプター動作の安定性と確実性を高めることができる。
【0059】
本明細書の実施例において、アダプターの制御方法を提供する。図6は上記方法の動作の流れの概略図を図示する。上記方法は、
装置を接続し、充電器のスイッチを閉鎖して、アダプターへ電源を供給するステップ1と、
アダプターについて自己検証して、自己検証の合否を判断し、そのうちアダプターの自己検証は通信モジュール、制御モジュール、温度検出モジュールが正常であるかどうか、例えば回路接続状況、通信機能、制御機能が正常であるか否かを検出するステップ2と、
自己検証結果に基づいて、自己検証が合格である場合、充電の準備動作を実行し、まずリアルタイムにアダプター端子の温度情報を取得して、温度が第二閾値より大きいかどうかを判断することで、上記アダプターが今回の充電に適当であるかどうかを判断するステップ3と、
アダプター自己検証が不合格であるか、又はアダプター自体温度が第二閾値より大きい場合、アダプターが正常な動作状態ではないため、充電を停止すべくことを意味し、この時アダプターは車両BMSへ充電停止メッセージを送信することで、車両BMSが上記充電停止メッセージを受信する時に、充電を停止するように車両のバッテリーを制御するステップ3.1と、
アダプター自体が良好な動作状態であると(例えば、温度が第二閾値を上回らない場合)、アダプターが充電器のハンドシェークメッセージを受信したか否かを判断して、車両BMSに対する通信を構築するステップ4と、
アダプターが充電器のハンドシェークメッセージを受信する場合、通信モジュールによってアダプターハンドシェークメッセージ(アダプターが自ら生成したハンドシェークメッセージ)を車両BMSへ送信することで、上記車両BMSが上記充電器と直接な通信を構築した上で、今回の充電にアダプターが働いていることを確認し、対応に、アダプターが充電器のハンドシェークメッセージを受信できない場合、充電器が車両BMSへ該充電器のハンドシェークメッセージを送信しないことを意味し、上記アダプターはステップ3をリアルタイムに(又は指定周期に従って)実行してアダプターがいつも正常動作状態にあるように保証するステップ5と、
車両BMSによるアダプターハンドシェークメッセージに対するフィードバックメッセージを受信したか否かを判断し、もし受信したならば、車両BMSがアダプターハンドシェークメッセージを受信して、アダプターとのインタラクションが成功したことを意味するので、後続する充電動作を実行することができ、対応に、もし受信しなかったならば、アダプターは上記車両BMSがアダプターハンドシェークメッセージのフィードバックメッセージを成功に受信するまで改めて上記車両BMSへアダプターハンドシェークメッセージを送信するステップ6と、
車両BMSが充電器及びアダプターとそれぞれ通信を構築した後に直ちに充電要求及びアダプター自体状況に基づいて充電を実行することができ、充電中リアルタイムにアダプターの温度取得し、アダプターの温度が第一閾値より大きいかどうかを判断して、アダプターの動作状態をリアルタイムにモニタリングするステップ7と、
アダプターの温度が上記第一閾値より小さい場合、アダプターが正常な動作状態であることを意味するため、BSTメッセージ又はCSTメッセージを受信するまで電流伝送を完了すればよく、これにより全体的な充電過程を完了し、さらにBSTメッセージ又はCSTメッセージが受信されない場合、アダプターの温度をリアルタイムにモニタリングすることで、正常な動作状態を保証させるステップ8と、
アダプターの温度が上記第一閾値より大きい場合、アダプターが非正常状態であることを意味するため、さらに第二閾値より大きいかどうかを判断し、これによりアダプターが安全状態にあるかどうかを確認するステップ9と、
上記アダプター温度を第二閾値より大きい場合、この時のアダプターが非安全状態にあり、危険性が高いことを意味するので、充電を停止して充電の安全を確保すべきであり、制御モジュールによって車両BMSへ充電停止メッセージを送信するステップ10と、
アダプター温度が第一閾値と第二閾値の間にある場合、アダプターの温度が非正常状態と安全状態の間にあることを意味するので、出力電流の調整によって冷却処理を行うことができるため、通信モジュールによって車両BMSへ警報メッセージを送信して、上記車両BMSが上記警報メッセージに基づいて対応の調整を行うようにし、対応に、車両BMSが該警報メッセージをスムーズに受信できるように、アダプターは車両BMSによる上記警報メッセージに対するフィードバックメッセージを受信した否かを判断する必要があり、受信されなかった場合、対応のフィードバックメッセージを受信するまで改めて送信を実行するステップ11、及び
車両BMSによる充電停止メッセージに対するフィードバックメッセージ又はBSTメッセージ又はCSTメッセージを受信する場合、今回の充電過程が既に完了したことを意味するので、充電器のスイッチをタ-ンオフしてアダプターの電源を遮断するステップ12と、を備える。
【0060】
本明細書の実施例はアダプター自体温度の全体的流れをリアルタイムにモニタリングして、アダプターを正常な動作状態で動作させ、アダプターの動作効率及び充電の安全性を高めることができる。
【0061】
上記アダプターの制御装置と制御方法に基づいて、本明細書の実施例は電流変換モジュールと上記アダプターの制御装置を備えるアダプターを提供する。
【0062】
さらに、本発明は充電システムを提供し、上記システムは充電器20、車両30、アダプターと上記アダプターの制御装置を備え、上記制御装置は充電器20に設けられるか又は車両又はアダプター上に設けられてもよい。
【0063】
図7は本実施例によるコンピュータ装置を図示するが、上記装置は上記制御装置によって実行されるハードウェアであってよく、上記コンピュータ装置702は一つ又は複数のプロセッサー704、例えば一つ又は複数の中央処理ユニット(CPU)を備え、それぞれのプロセッサーユニットは一つ又は複数のハードウェアスレッドを実現することができる。コンピュータ装置702は例えばコード、装置、データなどの任意の種類の情報を記憶するメモリ706を備えてもよい。例えば、メモリ706は任意の種類のRAM、任意の種類のROM、フラッシュ装置、ハードディスク、CDなどから選ばれる一つ又は複数の組み合わせを備えてもよいが、これに限られない。より一般的に、任意のメモリは任意の技術によって情報を記憶することができる。さらに、任意のメモリは揮発性又は不揮発性情報を記憶することができる。さらに、任意のメモリはコンピュータ装置702の固定性又は移動性部材であってよい。一般的に、プロセッサー704が任意のメモリ又はメモリの組み合わせに記憶された関連指令を実行する時に、コンピュータ装置702は関連指令の任意の作動を実行することができる。コンピュータ装置702は任意のメモリとインタラクションする一つ又は複数の駆動機構708、例えばハードディスク駆動機構、CD駆動機構などを備えてもよい。
【0064】
コンピュータ装置702は、(入力装置712による)それぞれの入力を受信し(出力装置714による)それぞれの出力を提供する入力・出力モジュール710(I/O)を備えてもよい。具体的に、出力機構は表示装置716と関連するグラフィックユーザインターフェース(GUI)718を備えてもよい。その他の実施例において、入力・出力モジュール710(I/O)、入力装置712及び出力装置714を備えなくてもよく、ただネットワーク中のコンピュータ装置を用いてもよい。コンピュータ装置702は一つ又は複数の通信リンク722によってその他の装置とデータを交換する一つ又は複数のネットワークインターフェース720を備えてもよい。一つ又は複数の通信バス724は上記のような部材を組み合わせることができる。
【0065】
通信リンク722は任意の方式で実現されてもよく、例えばラン、広域通信網(例えば、インターネット)、ポイント・ポイント接続(point-to-point connection)など又はその任意の組み合わせによって実現されてもよい。通信リンク722は任意のプロトコル又はプロトコルの組み合わせによって配置されるハードリンク、無線リンク、ルータ、ゲートウェイ機能、ネームサーバなどの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0066】
図4乃至図6のうちの方法に対応して、本実施例はコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、プロセッサーによって該コンピュータプログラムを運行する時に上記方法のステップが実行されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0067】
本実施例はコンピュータ読み取り可能な指令において、プロセッサーによって上記指令を実行する時に、そのプログラムはプロセッサーに図4乃至図6に示された方法を実行させるコンピュータ読み取り可能な指令を提供する。
【0068】
本明細書のそれぞれの実施例において、上記それぞれの過程の番号は実行ステップの前後手順を意味するのではなく、それぞれの過程の実行手順はその機能と内在的なロジックによって決定され、本実施例の実施過程について限定するものではない。
【0069】
本発明の実施例による用語「と/又は」はただ関連対象の関連関係を意味し、三つの関係が存在することを意味する。例えば、Aと/又はBは、Aのみが単独に存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bのみが単独に存在する場合を意味する。一方、本明細書による「/」は一般的に前後関連対象が「又は」の関係であることを意味する。
【0070】
当業者によって、本明細書に開示された実施例による各例示のユニット及びアルゴリズムステップは電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア又は両者の組み合わせによって実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの互換性を明瞭に説明するために、上記説明において既に機能に従って各例示の組み合わせ及びステップについて一般的な説明を行った。このような機能がハードウェアによって実行されるかそれともソフトウェアによって実行されるかは技術特徴の特定なアプリケーションとデザインの限定条件によって決定される。当業者はそれぞれの特定なアプリケーションについて異なる方法によって上記機能を実現することができ、これらの実現は本明細書の範囲に属すると解析されるべきである。
【0071】
説明の便宜及び簡単化のために、上記システム、装置とユニットの具体的な動作過程は上記方法実施例における対応の過程を参照することができるため、重なる説明を省略する。
【0072】
本明細書による複数の実施例に開示されたシステム、装置と方法はその他の方式によって実現されてもよい。例えば、以上に説明された装置実施例はただ概略的なもので、例えば上記ユニットの区画はただロジック機能の区画であって、実際に実行時にその他の区画方式が存在してもよく、例えば複数のユニット又は部材は組み合わせられるか又はその他のシステムに集積されるか又は一部の構成要件が省略されるか又は実行されなくもよい。一方、表示又は検討された互いの組み合わせ又は直接な組み合わせ又は通信接続は一連のインターフェース、装置又はユニットによる間接な組み合わせ又は通信接続であってよく、電気的な接続又は機械的な接続又はその他の形式の接続であってよい。
【0073】
上記分離部材として説明されたユニットは物理的に分離された部材であってもよくでなくてもよく、ユニットとして表示される部材は物理的なユニットであってもよくでなくてもよく、一つの部位に位置されてもよく複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の需要に基づいて、そのうちの一部又は全部のユニットを選択して本実施例による技術的目的を達成することができる。
【0074】
一方、本明細書の各実施例によるそれぞれの機能ユニットは一つのプロセッサーユニットに集積されてもよく、各ユニットが単独に及び物理的に存在してもよく、二つ又はそれ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。上記集積されたユニットはハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0075】
上記集積されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実現されて独立な製品で販売されたり使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本明細書の技術特徴は根本的に又は従来技術に寄与する部分又は当該技術特徴の全部又は一部はソフトウェア製品の形態で実現され、当該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、若干の指令を備えて、一つのコンピュータ装置(パソコン、サーバ又はネットワーク装置など)によって本明細書の各実施例による上記方法の全部又は一部のステップを実行してもよい。上記記憶媒体はUSBメモリ、移動式ハードディスク、ロム(ROM、Read-Only Memory)、ラム(RAM、Random Access Memory)、ディスク又はCDなどのそれぞれのプログラムコードを記憶可能な媒体を備えてもよい。
【0076】
本明細書は具体的な実施例に基づいて本発明の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施例はただ本発明の方法及びその主な思想を容易に理解させるためのものであって、当業者は本発明の思想に基づいて具体的な実施形態及び適用範囲内で変更を行うことができる。要するに、本発明の内容はこれに限られるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】